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JP2017522014A - 低含水コーヒーおよび茶飲料濃縮物およびその製造方法 - Google Patents

低含水コーヒーおよび茶飲料濃縮物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

低含水液体飲料濃縮物および濃縮物を製造する方法を提供する。濃縮物は、コーヒーおよび/または茶固形分と全固形分とを高い含有量で含む。水、低含水液体、コーヒーおよび/または茶固形分の量は、約3.0〜約6.0の間のpHを有する低含水飲料濃縮物を提供するのに有効である。いくつかの試みでは、低含水飲料濃縮物のpHは、密閉容器内で70°Fで12ヶ月保存した後に、約0.5pH単位未満で変化する。低含水飲料濃縮物は、密閉容器内で70°Fで少なくとも約3ヶ月間保存した後に、風味の劣化がほとんどまたは全く無しに、所望の風味プロファイルを提供する。また、低含水飲料濃縮物を製造する方法も提供する。【選択図】無し

Description

この出願は、2014年7月3日に出願された米国仮特許出願第62/020,694号の利益を主張するものであり、参照によりその全体を本明細書に援用する。
本開示は、低含水飲料濃縮物、特に、コーヒーおよび茶飲料を調製するために飲用液体で希釈するのに適した低含水飲料濃縮物、および低含水飲料濃縮物を製造する方法に関する。
当業で公知のコーヒー濃縮物は、典型的には水中に分残または溶解したコーヒー固形分を含む。これらのコーヒー濃縮物は、典型的には、飲食業事業者が使用するため、または自動販売機で使用するため等の、商業的な使用のために販売され、かつ、保存寿命を増加させるために使用前には冷凍庫温度で輸送および保存される。小売で販売される製品は一般に3〜5倍に濃縮されており、一方、飲食業用途に調製されたものは一般に約30〜65倍に濃縮されている。これらのコーヒー濃縮物の一部は、コーヒー固形分の水性エキスを部分的に脱水することによって調製される。他のものは、乾燥したコーヒーエキスを水に溶解することによって調製される。これらの濃縮物製品は、製品中に大量の水が存在するので、一般的に熱処理を施し、微生物学的安定性を改善しかつ、保存寿命を増加させる。
これらの種類のコーヒー濃縮物が市販されているが、製品には、それらの組成および取扱要件に関連した多数の欠点がある。例えば、これらの製品は、保存中の酸度および沈殿の増加と、風味品質の低下により一般的に裏付けられるように、化学的に不安定であることが多い。また、水性液体茶濃縮物も公知であり、これらの製品も同様に、保存中の風味劣化や沈殿する傾向がある。初期の風味品質は、淹れたてのコーヒーよりも大きく劣っている場合があり、室温での保存寿命は、多くの場合、非常に短い。
水性コーヒー濃縮物の化学的安定性を改善する試みがなされてきたが、そうした方法は、一般に高価または複雑な処理、化学処理、または化学保存料の使用を必要とする。例えば、米国特許第8,277,864号では、少量の水酸化ナトリウムをコーヒー濃縮物に添加し、pHを上げている。あるいは、凍結により、不安定性の問題を幾分か減少または防止することができるが、凍結した製品を使用前に解凍しなければならないので、エネルギー消費の増加と不便さという代償を払うこととなる。また、ある条件下では、溶液が凍結濃縮されて、徐々に液体の体積が小さくなり、溶質の相互間反応の可能性が増大するので、凍結は反応または沈殿を増加させ得る。凍結および凍結保存は、典型的には、かかる凍結濃縮された溶液を効果的に固化させるために、純水の凝固点よりもはるかに低い温度を使用する必要があるが、このことは、さらに処理および解凍に必要とされる費用および時間を増加させる。
低含水液体飲料濃縮物および濃縮物を製造する方法を提供する。一態様では、本明細書で提供される液体飲料濃縮物は、コーヒーおよび/または茶固形分を含み、水または乳等の他の水性液体で希釈して、コーヒーまたは茶飲料を提供することができる。驚くべきことに、風味分解反応および変化(コーヒーまたは茶固形分中に天然に存在する酸を含む、解離した酸によって引き起こされることが多い)が顕著に低減するので、含水量が高い点以外は同じ濃縮物と比べて、製品品質が大幅に向上し、保存寿命が増加する。
一つの試みでは、約5〜約40%の全水分と、約20〜約80%の低含水液体と、約5〜約60%のコーヒーおよび/または茶固形分とを含む低含水飲料濃縮物を提供する。水、低含水液体、コーヒーおよび/または茶固形分の量は、約3.0〜約6.0の間のpHを有する低含水飲料濃縮物を提供するのに有効であり、低含水飲料濃縮物のpHは、密閉容器内で70°F(21.1℃)で12ヶ月保存した後には、約0.5pH単位未満変化する。
他の試みでは、約60%までの全水分と、約15〜約70%の全固形分と、約5〜約60%のコーヒーおよび/または茶固形分とを含む低含水飲料濃縮物を提供する。水分、全固形分、ならびにコーヒーおよび/または茶固形分の量は、水分活性が約0.6〜約0.95で、pHが約3.0〜約6.0の間である低含水飲料濃縮物を提供するのに有効である。また、水分、全固形分、ならびにコーヒーおよび/または茶固形分の量は、密閉容器中で70°F(21.1℃)で12ヶ月保存した後に、低含水飲料濃縮物のpHが約0.5ph単位を超えて変化するのを防止するのに有効である。
一態様では、濃縮物は、約20〜約70%の低含水液体を含むことができる。一態様では、低含水飲料濃縮物は、約15〜約40%の総含水量を有することができる。他の態様では、低含水飲料は、約30〜約70%0の全固形分を有することができる。
さらに他の態様では、低含水飲料濃縮物は、pHが約0.1pH単位未満で変化する濃縮物を提供するのに有効な量で、水、全固形分、ならびにコーヒーおよび/または茶固形分を含むことができる。
他の態様では、低含水濃縮物、および/または、低含水濃縮物中の任意の水性液体は、糖アルコール、フルクトースシロップ、グルコースシロップ、ショ糖シロップ、ラクトースシロップ、炭水化物シロップ、蜂蜜、アガベシロップ、単糖類、二糖類、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含むことができる。この成分が含まれる場合には、濃縮物の全固形分に寄与し得る。
一態様では、低含水液体は、グリセロール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、エタノール、トリアセチン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、植物油、ビタミン油、およびイソプロパノールからなる群のうちの少なくとも1つの非水性液体を含むことができる。
他の態様では、コーヒーおよび/または茶固形分は、凍結乾燥コーヒー、噴霧乾燥コーヒー、噴霧乾燥茶、凍結乾燥茶、焙煎コーヒー、インスタントコーヒー粉末、インスタント茶粉末、焙煎コーヒー豆、低温抽出茶固形分、低温抽出コーヒー固形分、凝集コーヒー固形分、コーヒーエキス、茶エキス、植物エキス、粉砕茶葉、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含むことができる。さらに他の態様では、コーヒーおよび/または茶固形分は、噴霧乾燥コーヒーを含む。いくつかの試みでは、低含水濃縮物は、コーヒー固形分を含むが、茶固形分を含まない。
また、濃縮物は、約10〜約40%のコーヒーおよび/または茶固形分、他の態様では、約10〜約30%のコーヒーおよび/または茶固形分を含むことができる。いくつかの態様では、濃縮物は、約15〜約70%の全固形分を含むことができる。さらに他の試みでは、濃縮物は、約5%以下の高強度非栄養甘味料固形分をさらに含むことができる。いくつかの試みでは、濃縮物を水または他の飲用水性液体で、濃縮物対水または飲用水性液体の比が約1:30〜約1:130となるように希釈して、最終飲料の重量比で約0.1〜約3.0%のコーヒーおよび/または茶固形分を有する最終飲料を提供することができる。
さらに他の試みでは、低含水飲料濃縮物を調製する方法が提供される。この方法は、水中にコーヒーおよび/または茶固形分を含む予備濃縮物を提供し、低含水飲料濃縮物の重量比で約10〜約75%の予備濃縮物に、低含水飲料濃縮物の重量比で約25〜約90%の低含水液体を混合することを含む。予備濃縮物および低含水液体の量は、低含水飲料濃縮物のpHが約3.0〜約6.0の間であり、密閉容器中で70°F(21.1℃)で3ヶ月保存した後に、低含水飲料濃縮物のpHの変化を約0.5ph単位より小さくするのに有効である。
一態様では、低含水飲料濃縮物は、飲料濃縮物の重量比で約5〜約60%のコーヒーおよび/または茶固形分を含む。他の態様では、濃縮物は、約15〜約70%の全固形分を含む。他の態様では、低含水飲料濃縮物は、濃縮物の重量比で約5〜約40%の総含水量を有している。さらに他の態様では、低含水液体は、濃縮物の重量比で約20〜約80%の量で含まれる。
低含水液体は、糖アルコール、フルクトースシロップ、グルコースシロップ、ショ糖シロップ、ラクトースシロップ、炭水化物シロップ、蜂蜜、アガベシロップ、単糖類、二糖類、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含むことができる。他の試みでは、低含水液体は、グリセロール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、エタノール、トリアセチン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、植物油、ビタミン油、およびイソプロパノールからなる群のうちの少なくとも1つを含むことができる。
いくつかの試みでは、濃縮物は、約5%以下の高強度非栄養甘味料固形分をさらに含む。
いくつかの態様では、濃縮物を水または他の飲用水性液体で、濃縮物対水または飲用水性液体の比が約1:30〜約1:130となるように希釈し、最終飲料の重量比で約0.1〜約3.0%のコーヒーおよび/または茶固形分を有する最終飲料を提供することができる。
一つの試みでは、飲料濃縮物に組み込む前に、コーヒーおよび/または茶固形分を水または他の水性液体と調合して、液状コーヒーおよび/または茶予備濃縮物を形成する。これらの予備濃縮物を、個々のLWLまたは他の任意の非水、非コーヒー又は非茶原料の量よりも多い量で飲料濃縮物に含むことができる。
少なくともいくつかの試みでは、飲料濃縮物は、製造し、70°F(21.1℃)で密閉容器中に保存してから1日以内に測定して、pHが約3.0〜約7.0、他の態様では、pHが約4.0〜約6.0、他の態様では、pHが約4.5〜約5.5である。一態様では、飲料濃縮物のpHは、濃縮物の保存寿命の間安定である。例えば、70°F(21.1℃)で密閉容器中に少なくとも約5日間、他の態様では少なくとも約1週間、他の態様では少なくとも3ヶ月間、他の態様では少なくとも約6ヶ月間、他の態様では少なくとも約8ヶ月間、他の態様では少なくとも約12ヶ月間保存した場合に、pHは、約1.0pH単位未満、他の態様では約0.5pH単位未満、他の態様では約0.1pH単位未満で変化し得る。
また、低含水液体飲料濃縮物は、所望であれば、保存料、天然または人工香料、非栄養甘味料、緩衝剤、塩、栄養素、界面活性剤、乳化剤、刺激剤、抗酸化剤、保存料、結晶化阻害剤、天然または人工着色料、増粘剤、酸化防止剤、カフェイン、電解質(塩を含む)、栄養素(例えば、ビタミンおよびミネラル)、安定剤、ガム等の多数の他の原料を含むことができる。所望であれば、香味料を含むこともできる。含まれる香味料の量は、当業者によって決定することができ、かつ、少なくとも部分的に、最終飲料での望ましい香料の強さ、および/または、最終飲料を提供するのに必要な飲料濃縮物の希釈率により決まり得る。一つの試みでは、約0.01〜約40%の香味料、他の態様では、約1〜約20%の香味料を添加することができる。
驚くべきことに、本明細書に記載の低含水飲料濃縮物では、(コーヒーまたは茶固形分中に天然に存在する酸を含む、解離した酸によって引き起こされることの多い)風味分解反応および変換の発生が顕著に減少し、より高い含水率の濃縮物と比べて、製品品質が大幅に向上し、かつ、保存寿命が増大することが分かった。
本明細書では、低含水液体飲料濃縮物およびかかる濃縮物を製造する方法が提供される。本明細書において、「飲料濃縮物」なる用語は、水性飲用液体で希釈して飲料を提供することができる液体組成物を意味する。具体的には、本明細書で提供される液体飲料濃縮物は、コーヒーおよび/または茶固形分を含み、水、または乳等の他の水性液体で希釈して、コーヒーまたは茶飲料を提供することができる。例えば、飲料濃縮物は、消費者の嗜好に応じて、低温または高温の水性液体で希釈して、冷やした、または、淹れたてのコーヒーまたは茶飲料を模倣することができる。したがって、本明細書で提供される飲料濃縮部を用いて、最終飲料を調製するために、コーヒー抽出装置を必要とせず、かつ、凍結したコーヒーまたは茶濃縮物を解凍する必要とせずに、コーヒーおよび茶飲料を好適に調製することができる。また、本明細書に記載の濃縮物を様々な食品と組み合わせて、食品にコーヒーおよび/または茶風味を添加することができる。例えば、本明細書に記載の濃縮物を用いて、様々な固体、半固体、および液体食品にコーヒーおよび/または茶風味を付与することができる。食品または飲料に対する飲料濃縮物の適切な比率は、当業者によって容易に決定することができる。
少なくとも一つの試みでは、約60%以下の全水分、約15〜約70%の全固形分、および約5〜約60%のコーヒーおよび/または茶固形分を含む低含水飲料濃縮物が提供される。濃縮物中の水、全固形分、ならびにコーヒーおよび/または茶固形分の量は、水分活性が約0.6〜約0.95であり、pHが約3.0と約6.0の間である低含水飲料濃縮物を提供するのに有効である。また、水、全固形分、コーヒーおよび/または茶固形分の量は、密閉容器中で70°F(21.1℃)で12ヶ月保存した後に、低含水飲料濃縮物のpHが約0.5pH単位を超えて変化するのを防止するのに有効である。
本明細書において、飲料濃縮物に関連して使用される「低含水」なる用語は、飲料濃縮物が、飲料濃縮物に対して、約0.5〜約60%、他の態様では約5〜約40%、他の態様では約15〜約40重量%、他の態様では約25〜約40重量%、他の態様では約30〜約40重量%、さらに他の態様では約33〜約40重量%の総含水量を含むことを意味する。総含水量は、例えば、濃縮物に添加される、液体フルクトースまたは液体香味料等の任意の液体中に存在する水を含む、濃縮物中のあらゆる水の供給源を含む。
飲料濃縮物は、飲料濃縮物に含まれる水の総量を制限するために、水を含まない、または少量の水を含む1種以上の液体を含むことができる。これにより、風味劣化や沈降速度の増大をもたらし得る望ましくない化学反応を顕著に低減または防止して、総含水量が高いこと以外は同一の濃縮物に比べて、濃縮物の保存寿命を大幅に改善する。
本明細書において、液体飲料濃縮物の原料に関する場合であって濃縮物自体とは関係なく用いられる場合の「低含水液体」または「LWL」なる用語は、約40%未満の水、他の態様では約20%未満の水、他の態様では約10%未満の水、さらに他の態様では約5%未満の水を含む、飲料濃縮物の液体原料、例えばフルクトースシロップを意味する。また、用語「LWL」は、本明細書において「非水性液体」または「NAL」なる用語により参照される、非常に少量の水分を含有する液体も含む。非水性液体とは、約2%以下の水、他の態様では約1%以下の水、他の態様では約0.1%以下の水等の、些少な量以下の水を含む、飲料濃縮物の液体原料である。いくつかの試みでは、飲料濃縮物に使用されるLWLは、水で希釈したNALを含むことができる。「液体」なる用語は、室温(すなわち、約70°F(21.1℃))にて非気体で流動性の流体組成物を意味する。
LWLを含める代わりに、またはLWLを含めることに加えて、濃縮物中にLWLおよび所望の総含水量を有効に提供するために、水および多量の固形分を含むことができる。例えば、液状フルクトースを原料として含む代わりに、水および乾燥フルクトースを含むことができる。かかる濃縮物の全固形分および総含水量、ならびに本明細書に記載の他の特徴は、本明細書に記載したものと同じとなるであろう。したがって、LWLに関して本明細書に記載の重量百分率は、飲料濃縮物を形成する際に、水と非コーヒーおよび非茶固形分を組み合わせた場合の実施形態にも等しく適用される。
例えば、少なくともいくつかの試みでは、本明細書に記載の低含水濃縮物は、約20〜約90%の低含水液体、他の態様では約20〜約80%の低含水液体、他の態様では約20〜約70%の低含水液体、他の態様では約20〜約50%の低含水液体、他の態様では約20〜約40%の低含水液体、および他の態様では約25〜約35%の低含水液体を含む。1種以上のNALが含まれる場合には、濃縮物中の低含水液体の量は、NALに加えて任意の別個に添加される水の量を含む。
低含水濃縮物に含まれる水ならびにコーヒーおよび/または茶固形分の量は、濃縮物の所望の濃縮係数に少なくとも部分的に依存するであろう。消費用の水性飲料を調製するために、濃縮物は、水対濃縮物の重量比を約5:1〜約300:1、他の態様では約10:1〜約300:1、他の態様では約20:1〜約200:1、他の態様では約30:1〜約130:1、および他の態様では約30:1〜約90:1として、水または他の飲用液体と組み合わせることができる。また、所望であれば、他の濃度を使用することもできる。例えば、より低い濃縮係数を有する低含水濃縮物を、水対濃縮物の重量比で約5:1〜約30:1、他の態様では約5:1〜約25:1、他の態様では約5:1〜約20:1、他の態様では約5:1〜約15:1、他の態様では約5:1〜約12:1、および他の態様では約7:1〜約12:1として、水または他の飲用液体と組み合わせることができる。
コーヒー飲料は、典型的には飲料の重量比で約0.6〜約1.5%の固形分で消費され、一方、茶飲料は、典型的には飲料の重量比で約0.1〜約0.5%の固形分で消費される。いくつかの試みによって、最終飲料を提供するために用いられる濃縮物の希釈率は、濃縮物の所望の風味強度、固形分、および/または粘度に少なくとも部分的に依存し得る。また、濃縮物の希釈係数は、単食分の濃縮物を提供するのに必要な量として表すこともできる。一つの試みでは、飲料濃縮物を水または他の飲用液体で希釈する場合には、最終飲料は、最終飲料の重量比で、約0.1〜約5%、他の態様では約0.1〜約3%、他の態様では約0.2〜約3%、他の態様では約0.2〜約2%、他の態様では約0.4〜約1.5%、他の態様では約0.5〜約1.5%、他の態様では約0.7〜約1.5%、さらに他の態様では約0.7〜約1.2%のコーヒーおよび/または茶固形分を有する。最終飲料中のコーヒーおよび/または茶固形分の量は、最終飲料に付与する所望の風味強度、ならびに、使用するコーヒーおよび/または茶固形分の種類に少なくとも部分的に依存し得る。また、最終飲料中のコーヒーおよび/または茶固形分は、飲料に添加された氷の融解等により、飲料がさらに希釈されるか否かにも少なくとも部分的に依存し得る。例えば、より風味の強いコーヒーおよび/または茶固形分をより少量で含めて、依然として所望の風味を付与することができる。また、最終飲料中のコーヒーおよび/または茶固形分の量は、低含水濃縮物中のコーヒーおよび/または茶固形分の溶解度にも依存し得る。例えば、より少量のコーヒーおよび/または茶固形分が最終飲料中に所望される場合には、最終飲料は、例えば、約0.3〜約1.0%のコーヒーおよび/または茶固形分、他の態様では約0.4〜約1.0%のコーヒーおよび/または茶固形分、および他の態様では約0.4〜約0.8%のコーヒーおよび/または茶固形分を含むことができる。他の態様では、より大量のコーヒーおよび/または茶固形分が低含水濃縮物中に所望される場合には、最終飲料は、例えば、約1.0〜約1.7%のコーヒーおよび/または茶固形分、他の態様では約1.0〜約1.5%のコーヒーおよび/または茶固形分、および他の態様では約1.2〜約1.5%のコーヒーおよび/または茶固形分を含むことができる。いくつかの態様では、飲料濃縮物は、コーヒー固形分を含み、特に茶固形分を除外する。
また、本明細書において提供される飲料濃縮物は、比較的高い割合のコーヒーおよび/または茶固形分も含む。一つの試みでは、濃縮物は、約5〜約60%のコーヒーおよび/または茶固形分、他の態様では約5〜約40%のコーヒーおよび/または茶固形分、他の態様では約10〜約40%のコーヒーおよび/または茶固形分、他の態様では約10〜約30%のコーヒーおよび/または茶固形分、および他の態様では約15〜約30%のコーヒーおよび/または茶固形分を含む。一般に、飲料濃縮物に含まれるコーヒーおよび/または茶固形分は、濃縮物に溶解可能および/または分散可能であり、かつ、集合的にコーヒーまたは茶の風味および/またはアロマ特性を備える化学成分を含有する。適当なコーヒーおよび/または茶固形分は、特に、凍結乾燥コーヒー、凍結乾燥茶、噴霧乾燥コーヒー、噴霧乾燥茶、焙煎コーヒー、インスタントコーヒー粉末、インスタント茶粉末、焙煎コーヒー豆、濃縮コーヒーエキス、濃縮茶エキス、低温抽出コーヒー固形分、低温抽出茶固形分、凝集コーヒー固形分、およびこれらの組み合わせを含むが、所望であれば、コーヒーおよび/または茶固形分の他の供給源も使用することができる。一態様では、噴霧乾燥したコーヒーおよび/または茶製品は、凍結乾燥した製品よりも水への溶解度が高いことが分かっているので、凍結乾燥した製品よりも好ましい。
飲料濃縮物の全固形分は、一般に、約15%〜約75%、約15〜約70%、他の態様では約30%〜約70%、他の態様では約40%〜約70%、他の態様では約30%〜約60%、および他の態様では約40%〜約50%の範囲である。いくつかの試みでは、固形分の最も豊富な供給源は、コーヒーおよび/または茶固形分である。また、多くのLWLは、濃縮物の全固形分に対する固形分に貢献する。例えば、液体フルクトースシロップは、約80%の固形分を含有することができる。
全水分、コーヒーおよび/または茶固形分、および全固形分の量、ならびに濃縮物の水分活性のバランスをとることによって、風味分解反応および変換の発生(コーヒーまたは茶固形分中に天然に存在する酸を含む、解離した酸によって引き起こされることが多い)が顕著に低減するので、水分が高くて全固形分が低い濃縮物と比べて、製品品質が大幅に向上し、室温での保存寿命が増加することが、驚くべきことに分かった。理論によって限定されることは望まないが、典型的には、現在入手可能な水性コーヒーおよび茶濃縮物の主要な成分である水は、保存中の風味劣化を引き起こす化学反応を引き起こす、または、可能とするものと、現在考えられている。例えば、コーヒーまたは茶固形分から抽出することができる酸は、容易にはNAL中に解離せず、化学反応を引き起こし得る、または、触媒し得る、あるいは、飲料濃縮物のpHをさらに下げ得る水素イオンを放出することはない。コーヒーおよび茶中の酸度は、コーヒーの種類(例えば、アラビカコーヒー、ロブスタコーヒー、紅茶、緑茶、白茶等)に応じて異なり得る。コーヒーは、クロロゲン酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、ギ酸、グリコール酸、乳酸、およびピログルタミン酸を含む25種以上の異なる酸を含有し得ると考えられている。茶中に見られる酸は、例えば、タンニン酸、没食子酸、クロロゲン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酢酸、およびクエン酸を含む。溶媒中にコーヒーまたは茶固形分を溶解すると直ちにこれらの酸の一部が放出されるが、他の酸は経時的に放出され、したがって、製品の保存寿命中に濃縮物のpHを低下させる。
驚くべきことに、濃縮物は、濃縮物中のコーヒーおよび/または茶風味の安定性を改善するために、水を実質的に含まないことが必要でないことが分かった。予想外に、比較的少量の水を1種以上のLWLで置換することで、コーヒーまたは茶固形分中に存在する酸の酸解離定数(Ka)の実質的な低減をもたらし、酸分解を受けやすいコーヒーおよび/または茶固形分中の風味の安定性を高めることができることが分かった。また、有利には、水の含有は、一般に、水またはLWLに比べてNALに対してより可溶性であるコーヒーおよび/または茶固形分の溶解性を高める。さらに、いくつかの試みでは、液状フルクトース等のLWLは、飲料濃縮物中に、少量のグリセロール等のNALに比べてコーヒーおよび/または茶固形分をより良く可溶化することができる場合がある。
酸は、水中に比べて、NAL等の有機液体中で、より低いKa値を有する。酸味料のKaと溶媒との間の関係は対数関係であるので、水中で約10−3のKa値を有する特定の酸味料は、プロピレングリコールのようなNAL中では約10−8のKa値を有し得る。本明細書に記載の低含水系では、酸味料は水またはLWLに溶解され、一般に、純水中での酸味料のKa値と、NAL中での酸味料のKa値との間の値となるKa値を与える。驚くべきことに、これらの中間Ka値により、水の存在にもかかわらず、予測される以上に、飲料濃縮物中において、酸解離がはるかに少なく、pHがより高い、および、酸の介在した風味の劣化がより少なくなることが分かった。酸はNALに溶解することができるが、酸性カルボキシル基中のプロトンは、水中での解離に比べて弱くしか解離しないか、または、カルボキシルアニオンに近接したままで解離して、フリープロトン濃度および電位を好適に低くし、化学反応を引き起こす、または、促進すると考えられる。さらに、記載された飲料濃縮物中の低濃度の水は、酸含有水溶液中ではるかに高い濃度で存在する、反応性の高い強酸性ヒドロニウムイオンの形成を減少させる。理論によって限定されないが、添加した酸、あるいは、コーヒーまたは茶固形分中に天然に見られる酸を含有する飲料濃縮物中の低減された酸Kaおよび遊離プロトンの濃度は、望ましくない化学反応を顕著に遅延または防止して、好適に風味安定性を向上し、それによって製品品質を向上させ、かつ、保存寿命を増加させる。
また、濃縮物の水分活性は、望ましくない化学反応が起こる速度に影響を及ぼす。したがって、少なくともいくつかの試みにおいて、低含水濃縮物中の原料は、約0.6〜約0.95,他の態様では約0.65〜約0.92、他の態様では約0.65〜約0.85、および他の態様では約0.65〜約0.8の水分活性を付与するのに有効な量で提供される。
低含水濃縮物中に存在する任意の酸は、より高い自由水含量を有する水性濃縮物中ほどには解離しないので、酸感受性原料を、水性濃縮物におけるそれらの使用と比較して、副作用なしに、または副作用を低減して、含むように処方することができる。例えば、コーヒー飲料濃縮物を特定の酸感受性香味料、甘味料、または粉乳と共に処方して、水性濃縮物からでは許容可能な風味、外観、または保存寿命を提供するように製造することのできなかった、風味および甘みのついた乳状の調製された飲料を提供することができる。
さらに、水性コーヒー濃縮物中に存在するラクトンは、水によって加水分解され、pHの低下と酸味の増加をもたらすことが知られている。また、かかる製品中に存在するマンナンポリマーは、結晶化し、水中で沈殿することが知られている。さらに、多くの不安定な風味が、水と反応して、または水中で反応して、減少した風味効果または異臭を有する化合物を製造することが知られている。水性茶濃縮物中に存在するタンニンは、保存中に、特に製品を配合するために硬水を使用した場合は、沈殿し得る。
飲料濃縮物に含まれる全水分、コーヒーおよび/または茶固形分、および全固形分の量は、密閉した容器中で70°F(21.1℃)で保存した場合に少なくとも約5日間、他の態様では少なくとも約1週間、他の態様では少なくとも約3ヶ月間、他の態様では少なくとも約6ヶ月間、他の態様では少なくとも約8ヶ月間、および他の態様では少なくとも約12ヶ月間にわたり、コーヒーおよび/または茶固形分中でのコーヒーおよび/または茶風味の劣化がほとんどまたは全く無しに、所望の風味プロファイルを提供するように調和されている。また、これらの原料の量は、飲料濃縮物中のコーヒーおよび/または茶固形分の所望の溶解性を提供するように調和させることもできる。驚くべきことに、本明細書においてコーヒーおよび/または茶固形分の送料と共に記載される低含水飲料中の水の総量の含有は、コーヒーおよび/または茶固形分中に天然に存在する酸の可溶化から生じる、予想される顕著なpH低下を伴うこと無く、飲料濃縮物中のコーヒーおよび/または茶固形分の溶解性を著しく改善するのに有効であることが分かった。また、少なくともいくつかの試みにおいて、記載された総含水量を使用することにより、大量の非水性液体に関連するオフフレーバーが好適に減少する。
少なくともいくつかの試みにおいて、飲料濃縮物は、製造し、密閉容器中で70°F(21.1℃)で保存してから1日以内に測定して、約3.0〜約7.0のpH、他の態様では約4.0〜約6.0のpH、他の態様では約4.5〜約5.5のpH、他の態様では約4.3〜約5.0のpHを有する。さらに、少なくともいくつかの試みにおいて、本明細書で提供する飲料濃縮物は、保存中のコーヒーおよび/または茶固形分からの酸の放出によりpHが低下するのを補償するために、濃縮物の調製中にpHを上げるアルカリ源を添加すること必要とせずに、pHが安定であるということが驚くべきことに分かった。有利には、飲料濃縮物のpHは、濃縮物の保存寿命の間安定である。一態様では、密閉容器中で70°F(21.1℃)で少なくとも約5日間、他の態様では少なくとも約1週間、他の態様では少なくとも約3ヶ月間、他の態様では少なくとも約6ヶ月間、他の態様では少なくとも約8ヶ月間、および他の態様では少なくとも約12ヶ月間にわたり保存した場合に、pHが約1.0pH単位未満、他の態様では約0.5pH単位未満、および他の態様では約0.1pH単位未満で変化する。いくつかの態様では、飲料濃縮物のpHを上昇させるためにアルカリ源または他の緩衝剤を添加することは特に除外される。本明細書で使用するアルカリ源なる用語は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム等の水酸化物イオン源を含有する化合物を意味するが、特に水を除外する。また、アルカリ源は緩衝剤とすることができる。好適な緩衝剤には、例えば、酸の共役塩基(例えば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸カリウム)、酢酸塩、リン酸塩または酸の任意の塩が含まれる。他の例では、酸の非解離塩は、濃縮物を緩衝することができる。
所望であれば、食感および風味付与のために、微細粉砕コーヒーまたは茶等の付加的なコーヒー固形分を飲料濃縮物に添加することができる。例えば、低含水濃縮物の重量比で、約0.05〜約20%、他の態様では約0.1〜約15%、他の態様では約0.2〜約10%、他の態様では約0.3〜約8%の微細粉砕コーヒーまたは茶を添加することができる。また、微細粉砕コーヒーは、焙煎コーヒーまたは抽出した焙煎コーヒーの粉砕したコロイド粒子、または略して「コロイド状コーヒー」とも称される。一般に、コロイド状コーヒーは、約3〜約10ミクロンの平均粒径を有する。例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第3,652,292号を参照されたい。
また、所望であれば、桂皮、生姜、クローブの芽、カルダモンポッド、ローズマリーの針葉、オレンジピール、ハイビスカス、カモミール、バラの花、レモングラスの茎、カカオニブ、マテ、チコリ、およびそれらの組み合わせに由来する植物エキスまたは他の固形分等の、植物性固形分の他の供給源を含むことができる。一般に、植物性固形分は、濃縮物中に溶解および/または分散可能であることが望ましい。あるいは、コーヒーおよび/または茶固形分を含むことなく、植物性固形分を含むことができる。これらの実施形態では、本明細書におけるコーヒーおよび/または茶固形分への言及は、植物性固形分の議論にも等しく適用可能である。
コーヒーおよび/または茶固形分は、コーヒーおよび/または茶固形分を濃縮物中に溶解、分散、および/または懸濁させることを含む種々の形態で、または、コーヒーおよび/または茶固形分を飲料濃縮物の1つ以上の他の原料と予備混合することにより、濃縮物中に含むことができる。必須ではないが、水性液体、好ましくは水に、コーヒーおよび/または茶固形分、ならびに濃縮物に用いられる任意の他の植物性固形分を溶解、分散、および/または懸濁させ、飲料濃縮物を調製する前に、液状コーヒーおよび/または茶予備濃縮物を形成することが有利であることが分かっている。コーヒーおよび/または茶固形分は、LWLよりも、水または高い含水量(例えば、約70%超の水)を有する水性液体に対する可溶性が高い傾向があることが分かっている。
一つの試みでは、コーヒーおよび/または茶エキス、あるいは、コーヒーおよび/または茶固形分を水または他の水性液体と組み合わせて、飲料濃縮物に組み入れる前に液体コーヒーおよび/または茶予備濃縮物を形成する場合には、これらの液体抽出物または予備濃縮物は、任意の個別のLWLまたは任意の他の非水、非コーヒーまたは非茶原料の量よりも多い量で飲料濃縮物に含まれる。これに関して、液体抽出物または予備濃縮物は、飲料濃縮物中に最大量で含まれる原料であり、飲料濃縮物の製品ラベルの原材料表において最初の原料として記載され得る。原材料表の最初の項目と称される用語は、コーヒー濃縮物、濃縮コーヒー、茶濃縮物、濃縮茶等の、水性液体とコーヒー固形分および/または茶固形分との組み合わせを包含する任意のものであり得る。一つの試みでは、液体コーヒーエキスおよび/または液体茶エキスを、コーヒーおよび/または茶固形分の代わりに使用する。
適当なLWLには、例えば、糖アルコール、フルクトースシロップ、アガベシロップ、糖(例えば、単糖類、二糖類)、グルコースシロップ、ショ糖シロップ、ラクトースシロップ、炭水化物シロップ、蜂蜜、水で希釈した非水性液体、およびそれらの組み合わせを含む。例えば、高フルクトースシロップは、一般に約20%の水を含む。例えば、適当なNALには、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、エタノール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、植物油、ビタミン油、イソプロパノール、1,3−プロパンジオール、糖アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、およびマルチトール)、およびこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。少なくともいくつかの試みでは、NALは、コーヒーオイルを明確に除外する。一態様では、LWLまたはNALの選択は、NALの、濃縮物の原料を可溶化する、または、濃縮物の他の原料とのエマルジョンを形成する能力に、少なくとも部分的に依存し得る。飲料濃縮物中のNALの合計量は、濃縮物を処方するために使用される任意の非揮発性NAL(「NV−NAL」)および/または揮発性NAL(「V−NAL」)の重量に加え、濃縮物を処方するために使用される、液体香料等の任意選択の他の原料中に存在するNALを含む。上述したように、LWLは、飲料濃縮物中の原料として提供することができ、または、固形分と水を組み合わせて、飲料濃縮物中にLWL相当物を提供することにより、生成することができる。例えば、固形分は、糖(例えば、単糖類、二糖類)または塩(例えば、NaClまたはKCl)を含むことができる。
本明細書中に記載の濃縮物で利用されるNALは、プロトン性または非プロトン性のNALのいずれであってもよい。本明細書において、プロトン性NALは、イオン化可能な水素原子を有する少なくとも1つのヒドロキシル基を有するが、非プロトン性NALは有しない。個々のプロトン性または非プロトン性のNALは、揮発性または不揮発性のいずれであってもよい。一般に、非プロトン性NALに溶解した食用酸は、プロトン性NALに溶解した同じ酸よりも少ない程度に解離し、NAL混合物に溶解した酸は、存在するNALの組成物およびレベルに対する一般的な比率で、中程度に解離する。NALを選択し、酸および/または添加した酸を天然に含む固体香料源を用いて作られた飲料濃縮物の酸解離およびpHの程度を有利に制御することができる。
本発明で使用することができる適当なV−NALには、エタノール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、プロパノール、またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。また、超臨界二酸化炭素等の超臨界流体も利用することができる。本明細書において、V−NALは、水の沸点(すなわち、環境大気圧で約100℃)よりも低い沸点を有する液体である。用いることができるNV−NALには、グリセロール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール、ポリグリセロールエステル、トリアセチン、植物油、またはこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本明細書において、NV−NALは、環境大気圧で沸騰しないか、または、水よりも高い沸点を有するかのいずれかである液体である。沸騰するNV−NALでは、調製した温かい飲料からのNALの蒸発を制限し、知覚される飲料の品質に不利な影響を与える可能性を低減するのに十分に高い沸点を有するものを使用することが望ましい場合がある。例えば、約150℃よりも高い、他の態様では約200℃よりも、および他の態様では約300℃よりも高い沸点を有するNV−NALを含むことが望ましい場合がある。
少なくともいくつかの態様では、比較的淡白な風味と香りを有するNALの使用は、濃縮物を用いて調製した飲料の官能的品質への潜在的な悪影響を制限するのに望ましい場合がある。一般的に淡白な風味と食品との親和性ゆえに特に適当なプロトン性NV−NALには、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および1,3−プロパンジオールが含まれる。ほぼ同じ理由で利用され得る非プロトン性NV−NALには、例えば、コーヒーオイルまたは中鎖トリグリセリド油等のトリアセチンおよび植物油が含まれる。
また、いくつかの試みでは、飲料濃縮物中のV−NAL、特に、調製された飲料には望ましくないであろう固有の風味または臭気を有するV−NALの量を低減または排除することが望ましい場合がある。このようにすることで、一般に、濃縮物の引火点が有利に増加し、かつ、調製した飲料の風味および香りにV−NALが悪影響を与える可能性を低下させる。一態様では、濃縮物は、約20%未満のV−NAL、他の態様では約15%未満のV−NAL、他の態様では約10%未満のV−NAL、他の態様では約5%未満のV−NAL、他の態様では約1%未満のV−NAL、およびさらに他の態様では0%のV−NALを含む。
一つの試みでは、種々の付加的な原料を飲料濃縮物に含めることができる。濃縮物の原料の固形分含有量、風味、および安定性が維持される限り、付加的な原料の量、特性、および組み合わせは特に限定されない。また、含まれる付加的な原料の量は、LWLへの原料の溶解または分散する能力により決まり得る。さらに、塩等の特定の原料は、濃縮物がより少量の水を含む場合に、沈殿を遅延または予防させる点において、より安定であり得る。
濃縮物は、保存料、天然または人工の香料、非栄養甘味料、緩衝剤、塩、栄養素、界面活性剤、乳化剤、刺激剤、抗酸化剤、保存料、結晶化阻害剤、天然または人工の着色料、増粘剤、酸化防止剤、カフェイン、電解質(塩を含む)、栄養素(例えば、ビタミンおよびミネラル)、安定剤、ガム等であるが、これらに限定されない付加的な任意選択の原料を固体または液体の形状でさらに含むことができる。所望であれば、EDTA、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ナイシン、ナタマイシン、ポリリジン等の保存料を含めることができる。また、所望であれば、例えば、安息香酸塩および/またはソルビン酸塩も含めることができる。一般に、安息香酸塩および/またはソルビン酸塩を、それぞれ最大約0.1%の量で含めることができる。
いくつかの試みでは、所望であれば、香料を濃縮物に添加することができる。含まれる香料の量は、当業者により決めることができ、少なくとも部分的には、最終飲料における風味の所望の強度により、および/または、最終飲料を提供するのに必要な飲料濃縮物の希釈率により決めることができる。一つの試みでは、約0.01〜約40%の香料、他の態様では約1〜約20%の香料を添加することができる。市販の香料の多くは、比較的高濃度のNALを含む。例えば、市販の香料の多くは、例えば、グリセロール、エタノール、またはプロピレングリコールのようなジオールまたはポリオールを含む。いくつかの試みでは、ヘーゼルナッツ、アーモンド、バニラ、キャラメル、アイリッシュクリーム、タフィー、バター、チョコレート、またはアマレット風味のノートを飲料濃縮物に付与する香料を含むことが望ましい。一般に、押出しおよび噴霧乾燥した香料は、香料に特徴的な香気(すなわち、香気の鍵)を付与する香気成分を大きな割合で含むことが多いので、押出しおよび噴霧乾燥した香料は、香料エマルジョンまたはジオール/ポリオール含有香料よりも少ない量で濃縮物に含めることができる。かかる香料を本明細書に記載の濃縮物に含む場合には、香料のNALまたはLWL含量は、濃縮物の総NALまたはLWL含量の計算に含まれる。例えば、香料が80%のプロピレングリコールを含み、香料が30%の量で濃縮物中に含まれている場合には、香料は、濃縮物の全NALまたはLWL含量に対して24%のプロピレングリコールに寄与する。
一態様では、飲料濃縮物は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、モノナトリウムリン酸塩、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、およびそれらの組み合わせ等の添加塩をさらに含むことができる。塩を濃縮物に添加し、スポーツ飲料または健康飲料に特に望ましい電解質を提供することができる。また、濃縮物の水分活性を低下させ、および/または、濃縮物の香気プロファイルを強化するために塩を含むことができる。例えば、乳酸ナトリウムまたは他の塩を用い、ミネラルの栄養源を提供する、または、pH緩衝することができる。例えば、最大約10%の塩を含むことができる。他の態様では最大約4%の塩を含むことができ、他の態様では最大約2%の塩を含むことができる。
また、飲料濃縮物は、グルコノデルタラクトン、リンゴ酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、クエン酸、およびプロピオン酸等の添加酸を含むこともできる。一般に、最大約15%の添加酸を含むことができる。例えば、茶固形分とレモン香料を有する飲料濃縮物を提供する場合、酸の添加が望ましい場合がある。例えば、酸の添加は、レモンジュースの特徴である酸味を提供することにより、茶濃縮物のレモン風味を高めることができる。
さらに、所望であれば、最大約5%の非栄養甘味料を含むことができる。有用な非栄養甘味料には、例えば、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、サッカリン、モナチン、羅漢果、ネオテーム、ショ糖、レバウディオサイドA(しばしば「レブA」と呼ばれる)、シクラメート(シクラミン酸ナトリウム等)、アセスルファムカリウム、およびこれらの組み合わせ等の低強度甘味料および高強度甘味料の双方が含まれる。また、一般に、栄養甘味料(例えば、蜂蜜、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ等)も含むことができる。液体栄養甘味料は、甘味料の水分含有量により、LWLとして特徴付けることができる。本明細書の目的のために、非栄養甘味料の割合とは、担体(例えば、マルトデキストリン)または溶媒(例えば、液体スクラロースは、溶媒として水を含有する)を除いた甘味料固形分の割合である。特に、より低い濃縮係数(例えば、30倍未満)を有する濃縮物では、濃縮物に含まれる低含水液体に含まれる甘味料固形分の含有量は、非栄養甘味料の添加を必要とすることなしに濃縮物に所望の甘味料レベルを付与するのに十分であり得る。
所望であれば、人工着色料、天然着色料、またはこれらの組み合わせを、0〜約15%、他の態様では約0.005〜10%、他の態様では約0.005〜5%、およびさらに他の態様では約0.005〜1%の範囲で含むことができる。天然着色料を使用した配合において、所望の色特性を達成するためには、色素の重量割合がより高いことが必要な場合がある。
さらに、濃縮物で作られた飲料にクリーミーな特性または白色特性を付与する原料を任意選択で含むことができる。かかる原料には、液体もしくは粉末の乳製品もしくは非乳製品クリーマー、任意の乳濃縮物、乳粉末もしくは乳タンパク質、大豆濃縮物、大豆粉末もしくは大豆タンパク質等の乳代替物、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
粘度
さらに、水に比べてはるかに高い粘度のNALおよびLWLは、少量の水が飲料濃縮物中に存在する場合でも、かかる反応および変換を非常に遅くする可能性があると考えられる。いくつかのNALおよびLWLの物性を下記の表1に示す。一般に、LWLおよびNV−NALは、典型的には、水またはエタノール(V−NAL)よりもはるかに高い粘度、密度、および沸点を有することが分かる。したがって、非揮発性NALを含むもの等のLWLから調製された飲料濃縮物は、同じコーヒーおよび/または茶固形分を同じレベルで含むが、非揮発性NALまたは他のLWLの代わりに水またはエタノールを用いた対応する濃縮物に比べて、はるかに高い粘度、高い密度、および低い揮発性を有する。いくつかの場合において、高いLWL(NALを含む)粘度は、溶解、分散、または懸濁することができるコーヒーおよび/または茶固形分の量を制限することができるが、より高い粘度は、一部の製品用途において利点となり得、かつ、単独または組み合わせて濃縮物を処方するのに用いられるLWLを選択することにより、または、粘度を低くするためにLWLと組み合わせられる水および/またはエタノールの使用により、制御することができる。
一般に、濃縮物の粘度は、その中に溶解および/または分散した固形分の量の増加に伴って、およびLWLの粘度の増加に伴って、増加する。さらに、濃縮物およびLWLの粘度は、一般に、温度の上昇に伴って減少する。この特性は、流動性を有利に増加させ、一般により高いレベルの固形分を、加熱を用いて製造された濃縮物中に用いることを可能にする一方、室温等の低い保存および使用温度で比較的高い粘度を与えて、取扱い中に濃縮物がこぼれたり飛散したりしにくくする。有利には、本明細書に記載の濃縮物は、製造、保存および使用条件下で液体である。さらに、濃縮物は、降伏応力が全くまたはほとんどなく、かつ、弾性が全くまたはほとんどないので、ゲルとはみなされない。
さらに、理論によって限定されることは望まないが、濃縮物粘度が高いほど、分子拡散および化学反応の遅延を介して成分の相互反応の可能性が低くなり、初期風味品質を維持し、および/または濃縮物保存寿命を増加させると現在では考えられている。したがって、LWL、水、コーヒーおよび/または茶固形分の特性および量の選択は、分子拡散および化学反応を遅延させるのには十分に高いが、液体飲料濃縮物の流動性を維持するのには十分に低い粘度を提供するように有利に選択することができる。
本明細書に記載の濃縮物の粘度は、ブルックフィールド粘度計または他の粘度計を用いる等の、確立された方法を用いて測定することができるが、組成物、風味および保存安定性等の他の特性が実用上大きな意義を持っており、かつ、適切な粘度は、バルク流動特性から容易に認識されるので、定常的に分析される必要はない。いくつかの試みでは、本明細書に記載の濃縮物の粘度は、スピンドル00を使いブルックフィールド粘度計を用い室温で測定して、約10〜約2000cP、他の態様では約50〜約500cPとなり得る。いくつかの用途では、粘度は、最大で溶融チョコレートまたはケチャップの粘度(すなわち、50,000〜100,000cP)程度まで増加させることができる。一般に、注ぐ、掬う、絞る、噴出させる、または容器もしくはパッケージから飲料濃縮物を取り出す能力を維持すること以外には、粘度の上限はない。少なくともいくつかの試みにおいて、本明細書に記載の濃縮物の粘度は、LWLの代わりに水で処方した、同一の溶解または分散した固形分を同一の固形分レベルで含む濃縮物の粘度よりも一般に高い。
安定性
本明細書に記載の低含水飲料濃縮物を飲用液体で希釈し、調製されたばかりの、または凍結されたばかりの(すなわち、調製から24時間以内の)濃縮物から調製された飲料と実質的に同じ、または許容可能な風味品質および外観を有する飲料を提供することができる。このような判断は、一般に、訓練されたパネルまたは消費者の嗜好テストにより行うことができる。例えば、濃縮物の風味安定性は、以下の尺度を使用して、訓練されたパネルにより評価することができる。違いなし(0−1)、若干の違い(2−3)、中程度の違い(4−5)、大きな違い(6−10)。一般に、濃縮物の安定性を評価する目的のために、濃縮物は、密閉容器中で約70°F(21.1℃)で少なくとも12週間、他の態様では少なくとも6ヶ月間、または他の態様では約12ヶ月間にわたり保存され、対照品は冷蔵庫(約40°F(4.4℃))内に保存した。次いで、濃縮物を適当な希釈率で希釈し、即時飲用可能な飲料を提供し、パネルにより試飲される。その後、パネルの各メンバーによる個々の評価を平均化する。平均値が6〜10である濃縮物は、風味が分解されており、失敗した製品であると考えられる。平均値が4〜5である濃縮物は許容可能であるが、平均値が0〜4である濃縮物に比べると望ましくない。
有利には、本明細書中に記載の濃縮物は、より多量の水を含むことを除いては同一の飲料濃縮物よりも室温において化学的に安定である。このように、本明細書に記載の濃縮物を、本明細書に記載の比および量で原料を用いて処方および調製して、同じ量のコーヒーおよび/または茶固形分を有するが、LWLの代わりに水を含む水性飲料濃縮物に比べて、非常に望ましい風味品質および長い保存寿命を提供する。
いくつかの態様では、1つ以上の保存料を含むことが望ましい。例えば、ソルビン酸カリウムおよび/または安息香酸ナトリウムを用いて、室温で保存した場合の濃縮物の微生物安定性を増大させることができる。いくつかの試みでは、本明細書に記載の濃縮物は、室温で保存することができ、少なくとも約3ヶ月間、他の態様では少なくとも6ヶ月間、他の態様では少なくとも9ヶ月間、およびさらに他の態様では少なくとも12ヶ月間にわたり微生物的に安定な状態を維持することができる。「微生物的に安定」とは、濃縮物が実質的な風味劣化を回避し、密閉容器中に室温で保存した場合に、濃縮物の好気性生菌数(APC)が約5000CFU/g未満であり、カビおよび酵母が約500CFU/g未満のレベルであり、大腸菌群が0MPN/gであることを意味する。本明細書に記載の濃縮物は、冷蔵または冷凍保存を必要としないが、かかる処理を用いて、さらに保存寿命を増加させることができ、また、冷凍庫内で流体のままとなるように製品を処方して、使用前に解凍する必要がないようにすることができる。
濃縮物を製造する方法
含水量の低い濃縮物を、様々な形態で提供することができ、様々な製法によって調製することができる。エマルジョン、溶液(すなわち、濃縮物中に含まれるNALまたは水性液体に原料が溶解している)、または懸濁液の形態の濃縮物を下記の方法により調製することができる。本明細書に記載の濃縮物は、水溶性および水不溶性の両方の原料、ならびに選択されたLWLまたは水に可溶性および不溶性の原料を含むことができる。また、所望であれば、本明細書に記載の低含水量の液体濃縮物を調製する他の方法も使用することができる。以下の方法は、例示的であることを意図するものであり、範囲を限定するものではない。
大量のコーヒーおよび/または茶固形分を水に可溶化することができるので、飲料濃縮物にコーヒーおよび/または茶固形分を取り込むのは、NALに同量のコーヒーおよび/または茶固形分を取り込むことに比べて、単純であり得る。例えば、本明細書で提供される飲料濃縮物を、コーヒーおよび/または茶固形分の溶解性を高めるために加熱を必要とせずに製造することができる。しかし、本方法は、このような加熱工程を排除せず、所望であれば、加熱工程を行ってもよい。
いくつかの試みでは、濃縮物は、コーヒーおよび/または茶固形分を水またはLWLと組み合わせることによって調製することができる。所望であれば、付加的な水も添加することができる。コーヒーおよび/または茶固形分は、水またはLWLに溶解、分散、または懸濁させることができる。
LWL中に分散した懸濁粒子成分(例えば、固体香料源または他の添加物からの不溶性粒子)の形態の不溶性固形分成分を含む飲料濃縮物は、粉砕または他の適当な寸法減少方法により製造することができる。いくつかの試みによって、これらの分散液中の不溶性固形分成分の平均粒径は約50ミクロン未満、他の態様では10ミクロン未満、他の態様では1.0ミクロン未満、および他の態様においては0.1ミクロン未満である。不溶性固形分成分の粒径は、粉砕、挽砕、または、例えば、濃縮物に添加する前、間、または後に、予め溶解した固形分を所望の粒径に固化させることを含む、任意の他の適当な粒度減少方法により、減少させることができる。粉砕は、少なくともある程度、固体香料源を混合、高剪断混合、均質化、超音波処理、またはキャビテーションに供することによって、達成することができる。粒径減少の間に使用される正確な条件は重要ではないと考えられており、当業者は、所望の外観および粘度を付与するとともに、保存中のLWL中に懸濁する固形分の沈降速度を制御するように、適当な条件を容易に決めることができる。粒径の減少は、任意の適切な方法を用い、一般に、濃縮物の均一性を向上させるが、これによって、一般に、濃縮物の外観、テクスチャ、流体性、および流動性が向上する。一般に、粒径が小さいほど、粒子は、沈殿することなく、より長く懸濁したままとなる。理論によって限定されることは望まないが、平均粒径を減少させることは、製造および保存の間の固形分粒子の沈降を遅延または予防するのに十分な程度に、LWL中への固形分成分の懸濁を延長するのに有効であると現在考えられている。いくつかの試みでは、濃縮物から調製された飲料にザラザラした口当たりを付与していない粒径を提供するために、粒径減少技術を用いることができる。液体中での固形分の懸濁は、一般にゾルとして知られており、粒径が約0.1ミクロン未満のものは、一般にコロイド状ゾルとして知られている。
例えば、焙煎コーヒー粒子または茶葉粒子の形態の粒状香料源を飲料濃縮物に添加し、濃縮物から調製された濃縮物および/または飲料の風味、香り、外観、テクスチャ、または強度を改善することができる。また、いくつかの試みによって、コーヒーまたは茶葉を含む飲料濃縮物は、水またはLWL中に溶解または懸濁している、水抽出した後に乾燥または部分的に乾燥させたコーヒーおよび/または茶エキスを含む。コーヒー粒子または茶葉を添加した後、濃縮物を均質化または他の方法に供して、さらに流動性を改善させ、粘度を減少させ、または、粒子沈降を遅らせる。
いくつかの態様では、飲料濃縮物は、飽和溶液の形態で、および他の態様では過飽和溶液で、提供される。飽和または過飽和溶液の形態の濃縮物は、風味強度を増加させ、量を減少させて、飲料を調製するために水と組み合わせる際に少量での使用を可能とするとともに、粘度を増加させ、存在する自由水または他の液体を排除または量を減少させて、化学反応または沈降を有利に防止または遅延させる。
他の試みでは、飲料濃縮物は、LWL中に、固体香料源を含む固形分成分をLWL中での溶解度を超えた量で、または、固形分成分の融点もしくは軟化点よりも低い温度で提供し、固形分成分を融点または軟化点よりも高い温度に加熱して、融解した固形分成分をLWL中に溶解させ、溶解した固形分を含むLWLを、融解した固形分の固化を遅延または防止するのに有効な条件下(例えば、少なくとも約24時間、他の態様では少なくとも約1週間、および他の態様では少なくとも約1ヶ月間)で冷却して、液体飲料濃縮物を提供することを含む方法により、調製することができる。融点または軟化点の使用は、濃縮物に含まれる固体香料源の種類によって異なる。例えば、インスタントコーヒーおよび茶粉は軟化点を有し、一方、糖のような他の種類の原料は融点を有する。固化を遅延または防止するのに有効な条件は、水よりも粘度が大きい結果、分子の運動性を低下させるLWLを使用して飲料濃縮物を調製すること、固形分成分を加熱した後に徐冷すること、固形分の混合物を使用すること、および/または結晶化阻害剤を使用することを含むが、これらに限定されない。
他の試みでは、飲料濃縮物は、水または水とLWLの組み合わせ中に、固体香料源を含む固形分成分を、固形分成分の融点もしくは軟化点よりも低い温度にてLWL中での溶解度を超えた量で提供し、固形分成分を融点または軟化点よりも高い温度に加熱して、融解した固形分成分をLWL中に溶解させ、溶解した固形分を含むLWLを、LWL中に懸濁した固形分粒子を形成するのに有効な条件下で冷却して、液体飲料濃縮物を提供することを含む方法により、調製することができる。
固形分成分の溶融および/または軟化を含む上記手法のいずれにおいても、固形分成分はLWL中に過飽和量で含まれる(すなわち、固形分成分は、固形分の融点または軟化点未満の任意の温度で濃縮物への溶解度を超えて、濃縮物に含まれる)。固形分成分が少なくとも2つの異なる原料を含む場合には、固形分成分は、最も高い融点または軟化点を有する原料を溶融するのに十分に高い温度で融解する。その後、LWL中の固形分成分は、加熱により溶融および/または軟化され、固形分をLWLに完全に溶解させて、過飽和溶融物を提供する。固形分は、目視検査の際に完全に溶解されると考えられる。
抽出された風味成分および任意選択の付加的な原料は、濃縮物中に、溶解、分散、または懸濁した状態のうちの1つ以上の状態で同時に存在することができる。任意選択の分散剤または結晶化阻害原料を、製造時に行われる溶解、加熱、または粉砕の前、間、または後に、LWLに添加することができる。かかる物質を利用して、固形分の核生成または結晶化を防止、低減、または遅延し、または、濃縮物の製造または保存中に形成される結晶または粒子の寸法を制限することができる。
必要または所望であれば、1つ以上の分散剤または結晶化抑制剤を任意選択で飲料濃縮物に添加して、製造または保存中に、溶解または懸濁した成分の核生成、凝集、または沈殿を防止、低減、または遅延することができる。濃縮物は、任意選択で、液中液型エマルジョンを含むことができ、かかる製品に適当な乳化剤を添加し、液体の密度が異なることから生じ得る、別個の層への液体の分離を防止、低減、または遅延することができる。例えば、グリセロールまたは他のLWLと、抽出された焙煎コーヒー固形分、または他の固体香料源とを含む飲料濃縮物中にコーヒーオイルを乳化し、液中液型エマルジョンを作ることができる。
本明細書に記載の飲料濃縮物の製造中に、固体香料源からの任意の成分の抽出または溶解速度は、抽出または溶解の前または間に、室温と沸点(存在する場合)との間の温度にまでLWLを任意選択で加熱することにより、増加させることができる。また、いくつかの試みにおいて、固体香料源を軟化点まで加熱して抽出または溶解速度を増加させることが望ましい場合がある。いくつかの態様では、LWLに溶解または懸濁した抽出風味成分の加熱混合物を、香料および/またはアロマ等の任意の熱感受性の原料を混合物に添加するのに先立って、まず室温まで冷却し、望ましくない化学反応および風味の変化を最小にする。
含まれる付加的な原料のいずれかは、加熱、粉砕、もしくは軟化に供され、または、調製された溶液、懸濁液、もしくは冷却された融解物にその後に添加され、製造中に加工される材料の体積を最小限にし、かつ、望ましくない反応の可能性を最小限にすることができる。また、いくつかの態様では、付加的な原料を、加熱の前または後に、食品加工の分野の当業者により容易に決めることができるような、それ自体の分解または抽出された風味成分との潜在的な反応を制限するのに有効な任意の方法で、LWLに添加することができる。
コーヒーおよび/または茶固形分の調製
いくつかの試みでは、コーヒーおよび/または茶固形分は、例えば、コーヒー豆、(緑、黒、紅、または白)茶葉または茎茶、種子、根、花、茎、枝、樹皮、鞘、芽、皮、および針を含む様々な形態のコーヒーまたは茶固体香料源として提供することができる。さらに、本明細書に開示された種々の方法により、そのまままたは粉砕された状態にて、任意の生、乾燥、焙煎または発酵した形態で、固形分を淹れ、または利用することができる。また、桂皮、生姜、クローブの芽、カルダモンポッド、ローズマリーの針葉、オレンジの皮、ハイビスカス、カモミール、またはバラの花、レモングラスの茎、カカオニブ、マテ茶、チコリ、および他の種子、根、花、茎、枝、樹皮、鞘、芽、皮、針、およびそれらの組み合わせ等の、他の非コーヒーおよび非茶固体香料源を用いることもできる。
いくつかの試みでは、固体香料源の淹出エキスを調製し、本明細書の濃縮物に使用することができる。この方法は、液体を用いて固体香料源を淹出または抽出して、香料源中に存在する、香料源の風味および/またはアロマ特性を総合的に具える化学成分を含有する固体香料源のエキスを提供することを含む。「淹出」なる用語は、固体香料源を浸出、混合または効果的に接触して、香料源中に存在する、液体に溶解および/または分散可能な、香料源の風味および/またはアロマ特性を総合的に具えるこれら化学成分の少なくとも一部(一態様では少なくとも約5%、他の態様では少なくとも約10%、他の態様では少なくとも約30%、他の態様では少なくとも約40%、およびさらに他の態様では少なくとも約50%)を抽出することを意味することを意図する。
固体香料源を淹出する方法は特に限定されず、加熱し、または加熱することなく、水、LWL、およびこれらの組み合わせを用いる任意の適当な方法および動作圧力を用いることができる。一態様では、植物性固体香料源を、LWLを含む液体中で、LWLに溶解および/または分散可能であり、香料源の風味および/またはアロマ特性を総合的に具える化学成分を固体香料源から抽出するのに有効な時間および温度で淹出する。次いで、抽出された化学成分を含有するLWLを、使用済みの固体香料源と考えることのできる固体香料源の残部から分離して、淹出された、非水性植物エキスを提供する。一つの試みでは、ろ過によりエキスを固体香料源の残部から分離することができる。
一つの試みでは、香料源を水またはLWLで淹出して、香料源の風味および/またはアロマ特性を総合的に具える化学成分を含有する香料源エキスを提供する場合には、香料源から調製されたエキスをLWL、水またはこれらの組み合わせに混合する前または後に、蒸発、蒸留、膜濾過、噴霧乾燥、凍結濃縮または凍結乾燥等であるが、これらに限定されない任意の適当な方法を用いて、エキスを部分的にまたは完全に脱水または濃縮して、本明細書に記載の液体飲料濃縮物を調製することができる。
いくつかの試みでは、固体香料源を水で抽出し、得られた水性エキスをLWLに混合する前または後に、エキスを濃縮および/または乾燥することができる。いくつかの態様では、エキスに添加されるNALは、NV−NALである。他の形態では、香料源を1種以上のV−NAL、NV−NAL、LWL、またはそれらの任意の混合物で抽出することができる。抽出に使用される任意のV−NALは、蒸発、蒸留、濾過、または乾燥等により、部分的にまたは完全にエキスから除去することができる。
さらに他の態様では、エキスからの水および/またはV−NALの除去中に、または、香料源をLWLに接触させることにより生成した蒸気を低温凝縮等により収集し、有効な任意の分離、分別または精製工程に供して、香料源に由来する揮発性化合物を、飲料濃縮物に添加し、香料および/またはアロマの知覚品質を変更または改善するために回収することができる。任意選択で、香料源に由来する揮発性化合物を1種以上のLWLに直接凝縮させて、本明細書に記載の濃縮飲料で使用する香料および/またはアロマの供給源を提供することができる。
包装および取り出し
濃縮物は、ボトルまたは他のマルチサーブ容器から、シングルサーブポッドまたはカプセルから、バッグインボックス容器のような大型包装から、または自動販売機から等の、任意の方法で包装および取り出しすることができる。利用者の利便性を向上させ、かつ、飲料強度をより良好に制御するために、標準的な温水沸かし器または他の飲食業装置に添加するのに適した大きさの、予め計量された袋または封筒を製造することができる。2種以上の包装された濃縮物を任意の適当な方法で一緒に取り出し、単一の飲料または他の食品を調製することができる。
さらに、例えば、飲食業事業者は、可溶性コーヒー粉末、LWL、および水を用いたコーヒー濃縮物を調製し、ディナーイベント、週末イベント、または1週間にわたるイベントの間に、実質的な風味品質の損失または沈降を生じることなく、これらのイベントにわたって容器または自動販売機から容易に取り出すことのできる、使い勝手のよい液状のコーヒーを提供することができる。
本明細書に記載の濃縮組成物の利点および実施形態は、以下の実施例によりさらに例示される。しかしながら、特定の条件、処理スキーム、材料、およびこれらの実施例に記載の量、ならびに他の条件および詳細は、過度に本明細書に記載の組成物および方法を限定するものと解釈されるべきではない。特に断らない限り、本出願における全ての百分率は重量%である。
実施例1
噴霧乾燥した可溶性コーヒー粉末で作成した濃縮物
この実施例では、時間ゼロにおいて水の量を増加させ、グリセロール(NAL)と置換して、マクスウェルハウスの噴霧乾燥した可溶性コーヒー粉末を含有する濃縮物の初期pHに与えるNAL含量の影響を同定した。結果を下記の表2に示す。
表から分かるように、処方中で水と置換されるグリセロールの量が多いほど、可溶性コーヒーからの酸の解離が少なくなるので、初期pHは高くなる。
実施例2
モカ風味のコーヒー濃縮物の保存試験
下記の表3の処方にしたがい、コーヒー固形分(噴霧乾燥)、グリセロール、水、香料、甘味料、および添加酸を用いて調製したモカ風味のコーヒー濃縮物(120倍)に対して保存試験を行った。pH約4.3を目標として酸を添加した。
試料を90°F(32.2℃)で12週間保存し、pH変化、滴定酸(TA)、および密閉容器中に40°F(4.4℃)で保存した対照品と比較した官能的相違(DoD:相違度)を分析した。データを以下の表4および5に示す。pHは濃縮物中で測定され、TAは、1:120の比で濃縮物を水で希釈し、その後にパネルにより味見される即時飲用可能(RTD)な飲料を提供することにより、測定された。
結果は、非酸性化試料については表4に、リンゴ酸で酸性化した試料については表5に示す。表4から分かるように、12週後に非酸性化試料に対して非常にわずかなpHの低下があり、TAの変化はなかった。Tonyesらの米国特許第8,277,864号B2によれば、90°F(32.2℃)における12週間後のコーヒー濃縮物(約25%のコーヒー固形分を含む)に対する平均的なpH降下は約0.5pH単位である。対照的に、驚くべきことに、我々はわずか0.13単位のpH降下を観察した。さらに、非酸性化試料に対するDoDスコアはわずか3.2である。12週間保存した後、官能パネルによって観察された主な違いは、「モカ味の低下」だったが、水のみを唯一の溶媒として作られたコーヒー濃縮物に対して一般的に認められるオフフレーバーへの言及はかなった。
表5に示すリンゴ酸酸性化試料に対する結果は、非酸性の試料と比較して、さらに差が少なかった。90°F(32.2℃)での12週間の保存中に、実に驚くべきことに、pHが若干(0.03pH単位)上昇し、TAが若干(0.002%)低下し、官能パネリストがつけたDoDスコアはわずか2.29であった。ここでも、官能パネリストによって観測された主な違いは、試料の「モカ風味が若干低い」であった。
他の酸性化試料のDoDは以下のとおりであった。リン酸(4.6)、クエン酸(1.57)、グルコン酸(3.14)、GDL(3.6)、および乳酸(5.2)。プロピオン酸で酸性化した濃縮物は、1週間保存した後に望ましくない酸味があり、、さらなる評価は行わなかった。これらの結果は、特定の酸が、他の酸よりも望ましい味覚プロファイルを提供し得ることを示している。例えば、クエン酸で酸性化した濃縮物は、乳酸で酸性化した濃縮物よりも対照品との差が少なかった。
実施例3 コーヒー濃縮物の保存試験
以下の表6に示すように、様々なコーヒー種と、グリセロール、水、ソルビトール、液体フルクトース、蜂蜜等の溶媒との組み合わせを用いて作られた70%コーヒー濃縮物に対して、他の保存試験を行った。コーヒー固形分は、コーヒー固形分が20%である1つの試料(MXH II)を除いて、全ての試料に対して11%で添加された。濃縮物は、可溶性コーヒー(パライバ(噴霧乾燥)、サントス(凍結乾燥)、またはマクスウェルハウス(噴霧乾燥))を含んでいた。
試料は、0°F(−17.8℃)、70°F(21.1℃)、90°F(32.2℃)で12週間保存し、pH、滴定酸(TA)、および官能的相違を評価した。結果を表7に示する。
*ソルビトール(70/90)は、概ね70%の固形分と30%の水とを有する多価アルコール溶液である。固形分は、約70%のソルビトールと、約20%のマルチトールおよび約5%のマンニトールとを含む他のポリオールを含み、残部はより高度に水素添加された多糖類である。
0°F(−17.8℃)で保存された対照品と比較して、90°F(32.2℃)で12週間保存した試料のpH降下の差はごく僅か(平均で約0.11pH単位以下)であった。また、TAの変化は軽微であった。
官能分析(DoD)は、保存9週間後の試料Gおよび保存12週間後の試料A、D、およびFに対して行った。結果を表8に示す。
*DoD尺度:0−1 違いなし、2−3 若干の違い、4−5 中等度の違い、6−10 大きな違い
上記の表8から分かるように、90°F(32.2℃)で保存した試料と0°F(−17.8℃)で保存した対照品との間で認識され官能的な相違はほとんどなかった。水のみを溶媒として作られたコーヒー濃縮物に対して認識されることの多い、レーズンノート等のオフフレーバーまたはオフノートへの言及はなかった。
この結果は、水をLWLで置換することによりコーヒー濃縮物の含水量を低下させると、風味劣化と、水のみを溶媒として作られたコーヒー濃縮物で典型的にみられるオフフレーバーの形成を遅延させることにより、コーヒー濃縮物の全体的な風味品質を高めるであろうことを示している。
実施例4
コーヒー濃縮物の処方
濃縮係数が50倍である例示的なコーヒー濃縮物の処方を下記の表9に示す。各原料の範囲も示す。
実施例5
香り付きコーヒー濃縮物の処方
濃縮係数が30倍〜120倍の範囲である例示的なコーヒー濃縮物の処方を下記の表10に示す。
実施例6
香り付きコーヒー濃縮物の処方
下記の表11に示す例示的コーヒー濃縮物を調製した。濃縮物は、1:10の比にて水で希釈し、コーヒー飲料を提供した。
前述の説明は、処方の詳細に関して濃縮物の唯一の形態を表すことを意図するものではない。特に明記しない限り、本明細書に記載の百分率は重量%である。形態の変更および部分の構成の変更、ならびに均等物への置換は、状況が示唆し、または好都合とすれば、予見可能である。同様に、本明細書において、濃縮物および方法を特定の実施形態とともに説明してきたが、多くの代替、修正、および変形は、前述の説明に照らせば、当業者には明らかであろう。

Claims (29)

  1. 低含水飲料濃縮物であって、
    約5〜約40%の全水分と、
    約20〜約80%の低含水液体と、
    約5〜約60%のコーヒーおよび/または茶固形分とを含み、
    水、低含水液体、コーヒーおよび/または茶固形分の量は、約3.0〜約6.0の間のpHを有する低含水飲料濃縮物を提供するのに有効であり、低含水飲料濃縮物のpHは、密閉容器内で70°F(21.1℃)で12ヶ月保存した後に、約0.5pH単位未満で変化することを特徴とする低含水飲料濃縮物。
  2. 前記濃縮物は、約20〜約70%の低含水液体を含む、請求項1に記載の低含水飲料濃縮物。
  3. 前記低含水液体は、糖アルコール、フルクトースシロップ、グルコースシロップ、ショ糖シロップ、ラクトースシロップ、炭水化物シロップ、蜂蜜、アガベシロップ、単糖類、二糖類、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の低含水飲料濃縮物。
  4. 前記低含水液体は、グリセロール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、エタノール、トリアセチン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、植物油、ビタミン油、およびイソプロパノールからなる群のうちの少なくとも1つの非水性液体を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  5. 前記コーヒーおよび/または茶固形分は、凍結乾燥コーヒー、噴霧乾燥コーヒー、噴霧乾燥茶、凍結乾燥茶、焙煎コーヒー、インスタントコーヒー粉末、インスタント茶粉末、焙煎コーヒー豆、低温抽出茶固形分、低温抽出コーヒー固形分、微細粉砕コーヒー、凝集コーヒー固形分、コーヒーエキス、茶エキス、植物エキス、粉砕茶葉、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  6. 前記コーヒーおよび/または茶固形分は、噴霧乾燥コーヒーを含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  7. 前記濃縮物は、約10〜約40%のコーヒーおよび/または茶固形分を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  8. 前記濃縮物は、約10〜約30%のコーヒーおよび/または茶固形分を含む、請求項1〜7の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  9. 前記濃縮物は、約15〜約70%の全固形分を含む、請求項1〜8の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  10. 前記濃縮物は、約5%以下の高強度非栄養甘味料固形分をさらに含む、請求項1〜9の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  11. 前記濃縮物は、水または他の飲用水性液体で、濃縮物対水または飲用水性液体の比が約1:30〜約1:130となるように希釈し、最終飲料の重量比で約0.1〜約3.0%のコーヒーおよび/または茶固形分を有する最終飲料を提供することができる、請求項1〜10の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  12. 低含水飲料濃縮物であって、
    約60%以下の全水分と、
    約15〜約70%の全固形分と、
    約5〜約60%のコーヒーおよび/または茶固形分とを含み、
    水分、全固形分、ならびにコーヒーおよび/または茶固形分の量は、水分活性が約0.6〜約0.95で、pHが約3.0〜約6.0の間である低含水飲料濃縮物を提供するのに有効であり、水分、全固形分、ならびにコーヒーおよび/または茶固形分の量は、密閉容器中で70°F(21.1℃)で12ヶ月保存した後に、低含水飲料濃縮物のpHが約0.5ph単位を超えて変化するのを防止するのに有効であることを特徴とする低含水飲料濃縮物。
  13. 糖アルコール、フルクトースシロップ、グルコースシロップ、ショ糖シロップ、ラクトースシロップ、炭水化物シロップ、蜂蜜、アガベシロップ、単糖類、二糖類、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の低含水飲料濃縮物。
  14. 前記コーヒーおよび/または茶固形分は、噴霧乾燥コーヒーを含む、請求項12または13に記載の低含水飲料濃縮物。
  15. 前記濃縮物は、約10〜約40%のコーヒーおよび/または茶固形分を含む、請求項12〜14の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  16. 前記濃縮物は、約10〜約30%のコーヒーおよび/または茶固形分を含む、請求項12〜15の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  17. 前記濃縮物は、約15〜約40%の全水分を含む、請求項12〜16の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  18. 前記濃縮物は、約30〜約70%の全固形分を含む、請求項12〜17の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  19. 前記濃縮物は、コーヒー固形分を含み、茶固形分を含まない、請求項12〜18の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  20. 前記濃縮物は、pHが約0.1pH単位未満で変化する濃縮物を提供するのに有効な量で、水、全固形分、ならびにコーヒーおよび/または茶固形分を含む、請求項12〜19の何れか1項に記載の低含水飲料濃縮物。
  21. 低含水飲料濃縮物を調製する方法であって
    水中にコーヒーおよび/または茶固形分を含む予備濃縮物を提供し、
    低含水飲料濃縮物の重量比で約10〜約75%の予備濃縮物に、低含水飲料濃縮物の重量比で約25〜約90%の低含水液体を混合することを含み、
    予備濃縮物および低含水液体の量は、低含水飲料濃縮物のpHが約3.0〜約6.0の間であり、密閉容器中で70°F(21.1℃)で3ヶ月保存した後に、低含水飲料濃縮物のpHの変化を約0.5ph単位より小さくするのに有効であることを特徴とする方法。
  22. 前記低含水飲料濃縮物は、飲料濃縮物の重量比で約5〜約60%のコーヒーおよび/または茶固形分を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記濃縮物は、約15〜約70%の全固形分を含む、請求項21または22に記載の方法。
  24. 前記低含水飲料濃縮物は、濃縮物の重量比で約5〜約40%の総含水量を有している、請求項21〜23の何れか1項に記載の方法。
  25. 前記低含水液体は、濃縮物の重量比で約20〜約80%の量で含まれる、請求項21〜24の何れか1項に記載の方法。
  26. 前記低含水液体は、糖アルコール、フルクトースシロップ、グルコースシロップ、ショ糖シロップ、ラクトースシロップ、炭水化物シロップ、蜂蜜、アガベシロップ、単糖類、二糖類、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項21〜25の何れか1項に記載の方法。
  27. 前記低含水液体は、グリセロール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、エタノール、トリアセチン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、植物油、ビタミン油、およびイソプロパノールからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項21〜25の何れか1項に記載の方法。
  28. 前記濃縮物は、約5%以下の高強度非栄養甘味料固形分をさらに含む、請求項21〜27の何れか1項に記載の方法。
  29. 前記濃縮物を水または他の飲用水性液体で、濃縮物対水または飲用水性液体の比が約1:30〜約1:130となるように希釈し、最終飲料の重量比で約0.1〜約3.0%のコーヒーおよび/または茶固形分を有する最終飲料を提供することができる、請求項21〜28の何れか1項に記載の方法。
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