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JP2017519550A - 沸騰液体を作って適量供給するための器具および方法ならびにこのような器具が設けられて飲料を調製するための装置 - Google Patents

沸騰液体を作って適量供給するための器具および方法ならびにこのような器具が設けられて飲料を調製するための装置 Download PDF

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JP2017519550A JP2016569388A JP2016569388A JP2017519550A JP 2017519550 A JP2017519550 A JP 2017519550A JP 2016569388 A JP2016569388 A JP 2016569388A JP 2016569388 A JP2016569388 A JP 2016569388A JP 2017519550 A JP2017519550 A JP 2017519550A
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Abstract

この発明は、沸騰液体を作って適量供給するための器具(2)に関し、容器(3)と、加熱システム(4)と、液体を容器から加熱システムへと供給するための供給システム(8)と、沸騰液体を適量供給して蒸気を排出するため、沸騰液体および前記沸騰に起因して生ずる蒸気を分離するように構成された適量供給システム(13)と、加熱システムでの液体の温度を測定するための第1のシステムと、排出される蒸気の量を測定するためのシステム(24)と、排出される蒸気の温度および量の前記測定値に従って加熱システムに供給する液体の流量を制御するが如く構成された供給システムを抑制するためのシステムとを含む。この発明はまた、沸騰液体を作って適量供給するための方法ならびにこのような器具が装備された飲料を調製するための装置(1)に関する。

Description

この発明は、沸騰液体を作って適量供給するための器具および方法に関係する。これはまた、このような器具が設けられて飲料を調製すると共に前記方法を実行するための装置にも関係する。本発明は、この器具、それ故この装置の安全な使用を制御された方法で最適化し、沸騰液体を連続的に提供することを意図している。1つの適用において、この装置は熱湯噴出器である。
本出願人は、沸騰液体を作って適量供給するための器具と、このような器具が設けられて飲料を調製するための装置とをすでに開発しており、これらは特許文献1に記述されている。
特許文献1による器具は、液体のための貯蔵タンクと、それを沸騰させるようにする液体加熱システムと、タンクから液体を引き出してこれを加熱システムへと送出させるように構成された液体供給システムとを含む。供給システムは、ポンプと、タンクとポンプとの間およびポンプと加熱システムとの間を結合する供給導管とを含む。ポンプの作動は、ほぼタンク内の雰囲気温度にある液体を引き出し、これを沸騰させるようにする加熱システムへとこの液体を所定の流量にて送出することを可能にする。
加えて、特許文献1による器具は、加熱システムの出口に配置されて沸騰液体とこの沸騰から生ずる蒸気とを分離するための適量供給システムを含む。この適量供給システムはまた、前記沸騰液体が通って出るオリフィスを装備した適量供給導管を通って沸騰液体を適量供給するようにも構成されている。この適量供給システムはまた、排気導管を介して蒸気をタンクへと排出させるようにも構成され、前記蒸気はそこで凝縮により相変換して液体へと戻る。さらにまた、この器具の適量供給システムは、液体供給システムが停止した時に加熱システムから出て来るすべての沸騰液体を一掃するように構成され、これは、次に前記器具を使用する間に、適量供給システムでの液体の滞留および沸騰液体と雰囲気温度に冷やされた液体との混合を阻止する。
仏国特許出願公開第FR2983692A1号
特許文献1に記述された沸騰液体を作って適量供給するための器具によりもたらされる前述の利点にもかかわらず、液体を沸騰させるという困難か、それどころか、使用者が火傷する可能性のある大量の蒸気を放出するという不具合を引き起こす可能性がある。沸騰液体を作って適量供給するための従来技術にて知られているすべての器具に関して同じことが概ね当てはまる。
実際に、従来技術にて知られている沸騰液体を作って適量供給するための器具は、機能的相違、とりわけそれらの構成部品の製造限界に関係した影響を受ける。例えば、同じ種類の器具に関し、加熱システムの発熱体の出力と、適量供給システムのポンプのそれとは、大体15%から20%の作動変動が存在する可能性がある。加えて、同じ器具は、電力供給元のネットワークおよび使用者の家庭での電圧変動により、また雰囲気温度に依存するタンクでの水の温度変化により、異なって働く可能性がある。これらのパラメーターは液体の加熱に影響を与え、沸騰させるのが困難であったり、それどころか、あまりに多くの蒸気を作り出す可能性がある。
本発明は、従来技術のこれらの不具合を緩和する。この目的のため、本発明は沸騰液体を作って適量供給するための器具に関係し、これは液体貯蔵タンクと、液体供給システムと、液体加熱システムと、沸騰液体の適量供給システムとを含む。液体貯蔵タンクは、どちらかと言うと大量、例えば0.5から2リットルの液体をおおよそ雰囲気温度に保ち、タンクを再充填することが必要となる前に、前記器具を数回用いることができるようになっている。もちろん、このタンクを任意の他の液体供給システムに置き換えることができる。例えば、この液体が水の場合、この器具を給水ネットワークに直接取り付けることができる。従って、一実施形態において、液体供給システムは、そのネットワークの圧力を利用し、特に流水量の測定値に基づいて電気的に制御される弁を有することができる。液体のための加熱システムは、かなりの量の液体を収容すると共にこの液体を加熱してこれを沸騰させるように構成されている。液体供給システムは、タンクから液体を引き出してこの液体を加熱システムへと送出するように構成されている。適量供給システムは、沸騰液体を適量供給すると共に蒸気を排除するため、沸騰液体とこの沸騰からの蒸気とを分離するように加熱システムの出口に配置されている。このような特徴は、とりわけ本出願人によって提出された特許文献1によって、当業者らに知られている。
本発明によると、この器具が加熱システムでの液体の温度を測定する第1の温度測定システムを含むことに注目すべきである。液体の温度を測定することは、液体の温度を表すパラメーターを測定することを意味するように理解される。これは、加熱システムでの液体がその沸騰温度に達しているか否かを決定することを可能にする。同様に、この器具は、排除される蒸気の量を測定するシステムを含み、これは生成する蒸気の量に関する臨界を検出して規定することを可能にする。排除される蒸気の量を測定することは、排除される蒸気の量を表すパラメーターを測定することを意味するように理解される。加えて、この器具は、供給システムを管理するためのシステムを包含し、これは第1の測定システムによって測定された温度と、排出される蒸気の測定量とに基づいて加熱システムに供給される液体の流量を調整するように構成されている。
消費者ネットワークの電圧変化およびタンクでの液体の温度変化のみならず、この器具の異なる操作パラメーター、とりわけ加熱システムおよびポンプからの流量の出力変化の許容範囲を緩和するため、加熱システムに送られる液体の流量を調整することが必須である。流量を調整することは、これが余りにも速すぎてしまって液体が沸騰に至らない結果を有するか、逆に、これが余りにも遅すぎてしまって過度の蒸気を生じさせる結果を有することを阻止する。加熱された液体温度の第1の測定システムによる測定は、この液体の沸騰を確実にし、これが前記液体の沸騰温度に対応した温度読み取り値に達するまで液体の供給流量を減らすように、管理システムが供給システムに作用することを可能にする。液体の流れが余りにも遅い場合、加熱システムに存在する液体は、より容易に沸騰へと登りつめ、沸騰温度に達したならば、液体の温度が上昇することなく、蒸気をよりたくさん発生させる。それ故、加熱システムを出る沸騰液体によって生ずる蒸気を数量化する機能の重要性。排出される蒸気の量が臨界に達した場合、管理システムは、供給システムに作用して液体の供給流量を増大させる。この調整は、沸騰温度か、あるいは沸騰温度直前にて液体を適量供給することを可能にすると同時に、発生する蒸気の量が制限されるようにする。
本発明による器具の好ましい一実施形態において、排除される蒸気の量を測定するシステムは、蒸気排除領域での温度を測定する第2の温度測定システムからなる。この第2の温度測定システムは、排除領域に存在する蒸気と雰囲気との混合気の温度に基づき、加熱システムによって発生する蒸気の数量化を可能にする。蒸気の量が少ない場合、第2の温度測定システムによって読み取られる温度は、空気と蒸気との混合気のそれであり、これは温度臨界よりも低い。他方において、蒸気の量が余りにも多い場合、第2の温度測定システムによって読み取られる温度は、単に蒸気のそれだけであり、これは前記温度臨界よりも高い。加えて、この管理システムは、第1および第2の温度測定システムによってそれぞれ測定される温度に基づき、供給システムに作用して加熱システムに供給される液体の流量を調整するように構成される。本発明の範囲を逸脱することなく、この器具によって生ずる蒸気を数量化することを可能にする他の技術的なシステムの導入が可能である。
本発明による器具の好ましい一実施形態において、第2の温度測定システムは排除領域での開いた空気出口の近傍に配され、沸騰液体の作成が、少ない蒸気生成を伴って安定化している場合、前記第2の測定システムが空気/蒸気の混合気の温度を測定するようになっている。
本発明による器具の好ましい一実施形態において、管理システムは、加熱システムにて測定される温度が98℃を越えると共に排除領域にて測定される温度が75℃と95℃との間にあるように、液体の流量を調整するように構成される。とりわけ、排除領域にて測定される温度に関し、人が発生または容認することを望む蒸気の量−これは器具の構成に依存する可能性がある−によって、他の温度閾値を定めることができる。
本発明による器具の好ましい一実施形態において、第2の温度測定システムは、負特性(NTC)サーミスタで作られた温度センサーを包含する。本発明の範囲を逸脱することなく、この器具に組み込まれるように構成された他の温度測定システムを導入することができる。
都合が良いことに、第1の温度測定システムは、負特性(NTC)サーミスタにて同様に作られる温度センサーを包含する。
本発明による器具の好ましい一実施形態において、供給システムは、ポンプと、タンクおよびポンプの間を結合する上流側供給導管と、ポンプおよび加熱システムの間を結合する下流側供給導管とを含む。本発明の範囲を逸脱することなく、他の液体供給システムの導入が、この器具の構成に従って可能である。
本発明による器具の好ましい一実施形態において、加熱システムは、前記チャンバーの内側の液体を加熱する手段が設けられた筒状の加熱チャンバーを含む。本発明の範囲を逸脱することなく、他の加熱システム導入が、この器具の構成に従って可能である。
本発明の対象であるこの器具の一実施形態によると、適量供給システムは、出口が設けられて沸騰液体を適量供給するための導管を含む。加えて、蒸気排除領域が前記出口の周囲に設けられている。これは、空気/蒸気の混合気を再加熱する利点をもたらし、これによって適量供給される液体の温度損失を遅らせ、器具を沸騰するままにしておくか、沸騰直前の温度にしておく。本発明の対象である器具の一実施形態によると、適量供給システムは、沸騰液体のすべてが適量供給されるように構成されている。これは、細菌の増殖をもたらす可能性がある加熱チャンバーの出口での液体の停滞を阻止するという利点をもたらす。これはまた、適量供給システムにて停滞して冷やされた液体と混ぜ合わされる危険性なく、沸騰液体だけが適量供給されることを確実にする。
本発明による器具の好ましい一実施形態において、管理システムは、およそ15秒の規定された期間の間、新たな作業サイクルの開始時に供給システムを作動させ、液体を基準流量よりも低い一定流量にて加熱システムに供給するように構成されている。この基準流量は、直前の作業サイクルの終わりに管理システムによって記録される。この規定された期間が経過した後、管理システムは、加熱システムに供給される液体の流量を調整するため、供給システムを作動させる。これは、流量の調整を開始する前に、器具の熱的安定を可能にする。
本発明はまた、沸騰液体を作って適量供給するための方法にも関係する。この方法は、タンクから供給される液体を加熱する最初のステップを含む。この加熱ステップは、液体を沸騰させる加熱システムによって具体化される。タンクでのその格納位置から加熱システムへの液体の供給は、とりわけポンプと、このポンプを上流のタンクと下流の加熱システムとに結合する供給導管とからなる液体供給システムによって具体化される。この方法は、沸騰液体を適量供給すると共に前記沸騰液体を蒸気から分離した後に前記沸騰液体から立ち昇る蒸気を排除する第2のステップを含む。このステップは、これらの目的のために構成された適量供給システムによって実行される。
とりわけ、本発明によると、この方法は、液体の温度をこれが加熱されている間、測定するステップを含み、加熱システムか、またはこの加熱システムのちょうど出口に設けられる第1の温度測定システムによって具体化される。この方法はまた、排除される蒸気の量を測定するステップを含み、これは排除される蒸気の量を測定するシステムによって具体化される。好ましくは、これらの2つの測定ステップが同時に実行される。次に、この方法は、加熱される液体の供給流量を前記温度および蒸気排除の測定値に基づいて調整するステップを含む。この液体の供給流量の調整は、温度および蒸気排除の測定値を取得して分析し、管理システムによって実行され、次いで液体供給システムに作用し、火傷の危険性を阻止するために少ないことが好ましい排除される蒸気の量を制御することによって、流量を調整すると共に沸騰または沸騰直前の液体を適量供給する。
本発明による方法の好ましい一実施形態において、排除領域に存在する蒸気の温度が排除される蒸気の量を表す前記温度と共に測定され、液体供給流量は、熱せられた液体の温度測定値を補完するものとして、排除される蒸気の量を表す前記温度測定値に基づいて調整される。従って、排除される蒸気の量を測定するためのシステムは、加熱システムにて沸騰液体によって生じ、次いで排除される蒸気を数量化するため、排除領域に配された温度測定システムによって、この排除領域での空気と蒸気との混合気の温度測定値を分析する管理システムと共に実行される。
本発明による方法の好ましい一実施形態において、液体がおよそ100℃、特に最低限98℃の温度に加熱され、かつ排除領域にて測定される温度、より正確には後で説明されるような空気/蒸気の混合気の温度が75℃と95℃との間に留まるように、流量が調整される。また、排除領域での蒸気の望ましい温度に基づいて流量の調整を修正することも可能であり、これは生成しかつ排除される蒸気の量に比例する。
本発明の対象である方法によると、タンクと液体加熱システムとの間で結合されるポンプからの流量を調整することが好ましい。
本発明の対象である方法によると、1作業サイクルの終わりでの液体の流量に対応した基準流量の値が記録される。新たな作業サイクルの開始時に、液体の流量は、規定した期間の間、基準流量よりも低い一定値に調整される。この規定された期間が経過した後、加熱される液体の温度と排除される蒸気の量とに基づき、流量がこのサイクルの終わりまで調整される。
本発明はまた、このような器具が設けられ、前記方法を実行し、飲料を調製するための装置にも関係する。一実施形態において、この装置は熱湯噴出器である。
熱湯噴出器の側面図を例示している。 この熱湯噴出器の立体投影図を例示し、特にこの熱湯噴出器に配された加熱液体の適量供給出口および蒸気排除領域を示している。 この熱湯噴出器の縦断面図を例示している。
飲料を調製するための装置の実施形態の次の説明は、本発明の特徴および利点を示している。この説明は、図面に基づいている。
この発明の詳細な説明の残り部分において、問題の液体は水であり、通常の大気状態の下で100℃の沸点を有する。実際に、使用される液体は、飲料を調製するための装置の内側を洗浄する問題のため、概ね水となろう。現に、装置に付着する乳の如き液体をこの装置で用いることは非常に問題があろう。しかしながら、他の液体、特に高濃度の水との混合物からなる液体と、容易にきれいになるように構成された装置を装備したものが本発明の範囲を逸脱することなく可能である。
図1から図3は、沸騰しているか、沸騰直前の温度の水を作って適量供給する器具2を有する熱湯噴出器1を例示している。本発明による器具は、本出願人が提出した特許文献1での異なる変更に従って記述された器具のそれらと類似した多くの特徴を有する。従って、当業者らは、この特許文献1の教示から本発明による器具2を実現するように活用することが可能である。
この器具2は、例えば0.5リットルと2リットルとの間の水容量を有する水収容タンク3を含む。本発明によって同じく保護される他の液体貯蔵容器の設計において、タンク3を、例えば可撓管により給水ネットワークに結合された水栓に対する直接結合によって置き換えることができる。この場合、装置は、水給配システムからの圧力を管理するように構成されよう。
この器具2は、外側管6と内側管7とを有する管形状の加熱チャンバー5を備えた水加熱システム4を含む。この加熱チャンバー5は、この加熱チャンバー5の内部に導かれる水を沸騰させる加熱手段(図に詳細に例示せず)を含む。この加熱手段は、外側管6の外壁6aに設けられ、例えば特許文献1に記述されているようなスクリーン印刷された抵抗路で作られている。例えば正特性(PTC)サーミスタまたは全体が加熱されるように構成された抵抗体の外側管6の如き、他の加熱手段が可能である。しかしながら、スクリーン印刷された抵抗路が好まれており、この装置が最適な瞬間加熱特性を有するようになっている。
この器具2は、前記加熱システム4のためのタンク3からの水供給システム8を含む。この供給システム8はポンプ9を含む。上流側供給導管10は、その第1の端10aがタンク3の底11に開口し、その第2端10bがポンプ9の入口9aに結合されている。下流側供給導管12は、その第1の端12aがポンプ9の出口9bに結合され、その第2端12bが加熱チャンバー5に開口している。
この器具2は適量供給システム13を含み、これは内側管7の内壁7aによって輪郭が画成されるチャンバー14を含む。内側管7の上端縁15は開いており、図3に例示するように、チャンバーが加熱チャンバー5と接続状態となることを可能にする。ポンプ9の作動は、加熱チャンバー5へと水の注入を可能にする。この加熱チャンバー9へと上昇すると、水は、その沸点に達するまで熱せられる。この沸騰は、沸騰水が重力のためにチャンバー14へと流下する内側管7の上端縁15にこれが達するまで、水を加熱チャンバー5の上端に向けて上昇させる。チャンバー14の底16は開いていて後方に向けて傾斜する通路を形成し、このチャンバー14に収容されるすべての沸騰水が緩衝効果を伴って流出することを可能にする。加熱チャンバー5の外側管6は、図3に例示されるように、その上端縁6bがカバー25によって塞がれており、加熱チャンバー5を出た蒸気が器具2の上端を通って流出するのを阻止している。従って、この蒸気は、チャンバー14を通過することによって流出するようにさせられている。この適量供給システム13は、チャンバー14の開いた底16へと通じるチャンバー17を含む。このチャンバー17は、沸騰水と蒸気とを分離するように構成されている。このため、チャンバー17は、底16と共に落水作用を有する傾斜通路の形態の流出壁18を含む。この流出壁18は、その下部18aがノズル19に通じ、これはその端部19aに沸騰水を適量供給するためのオリフィス20を有する。流出壁18の傾斜形状は、すべての沸騰水の抜き出しを確実にする。このチャンバー17は、筺体21の輪郭を画成し、その下部21aが開いて器具2の外に通じている。ノズル19は、図2および図3に例示されるように、筺体21のこの下部21aに配されている。ノズル19を囲むこの流出壁18の下部18aの端には、流出壁18の端での沸騰水の流出に対するバリヤーを形成する垂直に湾曲した分離壁22があり、沸騰水が前記ノズル19を通って流出するようにさせる。ノズル19の端縁での分離壁22の位置は、この場所での水の滞留を阻止する。この分離壁22は、最初に蒸気と沸騰液体とを分離し、次いでこの蒸気の筺体21への伝搬を可能にする流路23を離れるように、垂直部分が筺体21の内側へと延在している。従って、筺体21は、蒸気のための排除領域を構成する。蒸気は、筺体21の開いた下部21aを通ってこの器具2の外に排除され、同時に沸騰水は、この開いた下部21aを介し、適量供給オリフィス20を通って出て行く。蒸気の排除は、適量供給オリフィス20の周囲に位置する外部環境の加熱を可能にし、沸騰水を適量供給している間、この沸騰水の熱損失を低減させて遅らせる。
加熱チャンバー5は、液体を加熱している間、この液体の温度T1を測定する第1の温度センサーを装備している。この第1の温度センサーは、好ましくは負特性(NTC)サーミスタ(図面に例示せず)にて作られ、沸騰領域での温度を読み取るため、例えば外側管6の上部の外壁6aに配されている。
同様に、図2および図3に例示されるように、第2の温度センサー24が筺体21の下部21aのノズル19の側方に配されている。この第2の温度センサー24は、負特性(NTC)サーミスタであることが好ましく、その下部21aにて開口する筺体21での空気と蒸気との混合気の温度T2を測定する。実際、開いた空気出口に近いノズル19の脇の第2の温度センサー24の配置は、空気/蒸気の混合気の温度を測定することを可能にすると同時に、沸騰液体の生成が、少ない蒸気生成を伴って安定化する。この第2のセンサー24を極端に装置1の内側に配した場合、これは単に蒸気を測定するだけであり、従って蒸気の流量に無関係の100℃近辺の温度T2であろう。これに対し、これを開いた空気出口に近づけて配した場合、蒸気が空気と混ざり合い、この混合気が測定されるものである。次に、大量の蒸気は、空気を開いた空気出口の外へと完全に動かし、第2の温度センサー24がおよそ100℃まで読み取る可能性があるのに対し、低蒸気流量は、空気がこの蒸気と混合して平均温度を低下させることを可能にする。この器具2はまた、 回路基板型の管理システム(図面に例示せず)をも含み、加熱チャンバー5に配された第1の温度センサー(例示せず)および筺体21の下部21aにある第2の温度センサー24からの温度測定値T1およびT2をそれぞれ受け取る。この回路基板は、ポンプ9に結合されて測定された温度T1およびT2に基づいてこのポンプ9からの流量を変更するように、これに作用する。
温度T0にて沸騰が起こる水は、(通常の大気圧での)この器具の通常の使用状態の下で100°Cである。管理システムは、加熱チャンバー5にて測定された温度T1を沸騰温度T0と比較する。管理システムは、温度T1がこの温度T0に達しない限り、加熱チャンバー5への冷水の供給を遅くしてこの加熱チャンバーに存在する水が加熱処理中に沸騰することができるように、ポンプ9に作用して水の流量を低減させる。
管理システムがポンプ9からの流量を過度に減じた場合、加熱チャンバー5での沸騰水は、これが沸騰温度T0に達しているならば、温度T1が増大せずに、より多くの蒸気を生成しよう。これは、筺体21の下部21aに存在する蒸気を数量化するため、管理システムが筺体21の下部21aにて測定される温度T2を基準温度T3と同時に比較する理由である。
蒸気流量が少ない場合、第2の温度センサー24によって取得される温度T2は、この開いている下部21aの近傍に位置する雰囲気温度の平均値と、排除される蒸気それ自体の温度とに対応する。温度T2の測定値がこの基準温度T3よりも低く、好ましくは75℃に設定された温度臨界よりも低くなっておらず、しかも水加熱温度T1が温度T0にある限り、管理システムは、ポンプからの流量が適切であると考え、この流量を維持する。逆に、蒸気流量が速すぎる場合、第2の温度センサー24によって取得される温度T2は、蒸気それ自体の温度に対し、より近接している。温度T2の測定値が基準温度T3を越えると、直ちに管理システムは、ポンプ9に作用してその給水流量を増大させ、加熱チャンバー5での水をわずかに冷やし、それによって蒸気の生成を低減させる。同時に、管理システムは、加熱チャンバー5での加熱された水の温度T1を比較し続け、ポンプ9からの流量を調整して好ましくは98℃に設定された温度臨界よりも低下することなく、この水を沸騰または沸騰直前に保つ。基準温度T3を95℃に設定することが好ましい。
当業者らは、温度T1およびT2の測定値に基づき、前述した方法に従ってポンプ9からの流量を調整するプログラムが作られた回路基板を実装するため、電子工学の分野での一般知識を利用しよう。
従って、管理システムは、前記加熱システム4にある温度センサーによって捕捉される温度が、98℃を越えたままとなるように、また、温度センサー24によって捕捉される空気/蒸気の混合気の温度が75℃と95℃との間に留まっているように、加熱システム4および供給システム8を管理することを可能にし、沸騰または沸騰直前の水が出口にて蒸気を過剰に生成することなく、適量供給されることを確実にする。
装置1の初期作動に際し、管理システムは、生じた蒸気の量に比例する筺体21の下部21aでの温度T2の測定値に基づき、自動的に調整されるポンプ9からの流量の自己較正を器具2が行うように、プログラムが作られている。この流量は、基準流量D0として管理システムにより記録される。装置1の次の作動に際し、管理システムは、規定された期間d1、好ましくは15秒の間、基準流量D0よりもわずかに低い一定流量D1にてポンプ9からの流量を調整し、器具2の熱的安定化を可能にするようになっている。この期間d1が経過した後、管理システムは、沸騰温度T0と大体同じに加熱される水の温度T1をほぼ100℃に維持すると共に、基準温度T3よりも低い筺体21の下部21aにおける空気と蒸気との混合気の温度T2をほぼ95℃に維持するため、ポンプ9からの流量を調整し始める。この作業サイクルの終わりに、管理システムは、新たな基準となる最新の流量D0(n)の調整値を記憶するように設定される。管理システムは、それぞれの新たなサイクル(n+1)の開始時に、ポンプ9からの流量の調整を開始するに先立ち、ポンプ9からの流量を基準流量D0(n)よりもわずかに少ない一定流量D1(n+1)へと期間d1の間、調整する。以下、同様。管理システムの回路基板は、これらの相関関係を満たすように、プログラムが作成されよう。
本発明の範囲を逸脱することなく、手段の変更が可能である。特に、筺体21での蒸気を別の仕方で定量化させることができる。例えば、第2の温度センサー24に代えて、圧力センサー(例示せず)を、筺体21にて測定された圧力に基づいて蒸気を数量化するように構成された管理システムと共に筺体21に設けることができる。しかしながら、前述した手段の形態が製造費用の問題のために好まれよう。
蒸気がタンクへと排除されるように適量供給システムが装備されるという前述した器具2とは相違する事実のため、出願人が提出した特許文献1に記述された器具の変更に関して本発明を実行するもまた可能である。特許文献1に記述された、この異なる変更によると、タンクへと蒸気を注入する前に蒸気が排除される領域に、すでに慎重に述べた第2の温度センサー24を配置することが適当であろう。
この器具2の構成によると、タンク3と加熱システム4との間に配される他の水供給システムもまた、可能である。例えば、ポンプ9を、上流が電気系統に直接結合され、かつ下流が加熱チャンバー5に結合される供給導管に配されて電気的に制御される弁と置き換えることが可能である。この場合、加熱システムは、加熱チャンバー5に供給される水の流量を調整するように、弁を作動させよう。例えば、給水ネットワークに結合された水栓への直接結合によってタンク3を置き換えた場合のポンプ9に対し、前述したように、水圧を管理するために電気的に制御された弁が好ましい。

Claims (16)

  1. 液体貯蔵タンク(3)と、
    液体加熱システム(4)と、
    液体を前記タンクから引き出し、これを前記加熱システムへと送出するように構成された液体供給システム(8)と、
    前記加熱システムの出口に配置され、沸騰液体およびこの沸騰から生ずる蒸気を分離し、沸騰液体を適量供給すると共に蒸気を排除するための適量供給システム(13)と
    を具えた沸騰液体を作って適量供給するための器具(2)であって、
    前記加熱システムでの液体の温度を測定する第1の温度測定システムと、
    排除される蒸気の量を測定する測定システム(24)と、
    前記第1の測定システムにより測定された温度および排除される蒸気の量に基づいて前記加熱システムに供給する液体の流量を調整するように構成された供給システム管理システムと
    を含むことを特徴とする器具。
  2. 排除される蒸気の量を測定する前記システムは、蒸気排除領域(21)での温度を測定する第2の温度測定システム(24)からなり、
    前記供給システム管理システムは、前記第1および第2の温度測定システムにより測定される温度に基づいて前記加熱システム(4)に供給する液体の流量を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の器具(2)。
  3. 前記第2の温度測定システム(24)は、前記排除領域における開いた空気出口の近傍に設けられ、少ない蒸気の生成を伴って沸騰液体の作成が安定している場合、前記第2システムが空気/蒸気混合気の温度を測定するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の器具(2)。
  4. 前記管理システムは、前記流量を調整するように構成され、前記加熱システム(4)での温度が98℃以上であって、前記排除領域(21)での温度が75℃から95℃の間にあるようになっていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の器具(2)。
  5. 前記第2の温度測定システム(24)は、負特性(NTC)サーミスタからなる温度センサー(24)を含むことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の器具(2)。
  6. 前記供給システム(8)は、ポンプ(9)と、前記タンク(3)と前記ポンプとの間を結合する上流側供給導管(10)と、前記ポンプと前記加熱システム(4)との間を結合する下流側供給導管(12)とを含むことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の器具(2)。
  7. 前記加熱システム(4)は、加熱手段を装備した筒状加熱チャンバー(5)を含むことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の器具(2)。
  8. 前記適量供給システム(13)は、出口(20)が設けられ、かつ当該出口(20)の周りに設定された蒸気排除領域(21)を持つ沸騰液体適量供給システム(14,16,18,19)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の器具(2)。
  9. 前記適量供給システム(13)は、すべての沸騰液体が適量供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載の器具(2)。
  10. 前記管理システムは、 新たな作業サイクルの開始時に、規定された期間の間、流量調整を開始するため、直前の作業サイクルの終わりに前記管理システムによって記録された基準流量よりも遅い一定の流量にて前記加熱システム(4)に液体を供給することにより、前記供給システム(8)を作動させるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか一項に記載の器具(2)。
  11. タンク(3)から供給される液体を加熱して当該液体を沸騰させるようにするステップと、
    前記沸騰液体を蒸気から分離させた後、沸騰液体を適量供給すると共に前記沸騰液体から生ずる蒸気を排除するステップと
    を含む沸騰液体を作って適量供給するための方法であって、
    液体の温度をこれが加熱されている間、測定するステップと、
    排除される蒸気の量を測定するステップと、
    前記温度測定値および排除される蒸気の量の前記測定値に基づいて加熱される液体の供給流量を調整するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  12. 排除領域(21)に存在する蒸気の温度が排除される蒸気の量を表す前記温度と共に測定され、
    液体の供給流量は、排除される蒸気の量を表す前記温度測定値と加熱された液体の温度測定値とに基づいて調整されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 液体が100℃の温度に加熱されると共に前記排除領域(21)にて測定される温度が75℃から95℃の間にあるように、流量が調整されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記流量は、液体(4)のための前記タンク(3)と前記加熱システムとの間に結合されるポンプ(9)から調整されることを特徴とする請求項11から請求項13の何れか一項に記載の方法。
  15. 作業サイクルの終わりでの液体の流量に対応する基準流量の値が記録され、
    液体の流量は、新たな作業サイクルの開始時に、決められた期間の間、基準流量よりも遅い一定値に調整され、
    決められた期間が経過した後、加熱された液体の温度とこのサイクルの終わりまでに排除した蒸気の量とに基づいて流量が調整されることを特徴とする請求項11から請求項14の何れか一項に記載の方法。
  16. 飲料を調製するための装置(1)であって、請求項1から請求項10の何れか一項に記載の沸騰液体を作って適量供給するための器具(2)を含むことを特徴とする装置。
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