JP2017505653A - 歯科インプラント用緩衝挿入材 - Google Patents

Abstract

特にネジ（５、２５）により互いに接合させた上部構造体（２）及び骨（４）に一体化したインプラント（３）を備えるタイプの、インプラントに螺止した歯科用プロテーゼのための挿入材に関し、本発明の挿入材は特に、前記上部構造体（２）と前記インプラント（３）との結合面（６、７）間に介在した緩衝材料から形成された構成要素から成る。本発明の挿入材の結果として、インプラントに螺止した歯科用プロテーゼが得られ、これは歯牙から骨への自然な固定状態を再現し、それにより、応力ピークがインプラントに、そして結果的に骨に掛かる前に上部構造体への応力ピークが干渉される。本発明の挿入材はまた、上部構造体とインプラントとの間の接触領域を封止し、細菌の危険な浸潤を防止するという利点も示す。【選択図】図２

Description

インプラントに螺止された歯科用プロテーゼのための、特にクッション効果のある挿入材、及び上記挿入材が備えられた歯科用プロテーゼを提供する。

本発明は、インプラントに螺止された歯科用プロテーゼのための、特にクッション効果のある挿入材に関する。本発明はまた、この挿入材が備えられた歯科用プロテーゼに関する。

本発明の分野は、インプラントに螺止された歯科用プロテーゼに関するものであり、ここでは上部構造体がネジによって、骨に一体化したインプラントに固定されている。

インプラントへの上部構造体の固定は従来から、部材間の直接的な接触によって、すなわちそれぞれの接触面を分離するのに適した中間要素を使用せずに実行している。特に咀嚼によって生じる上部構造体への応力は、結果的にインプラント上に直接掛かり、よってインプラントを維持する骨にも応力が掛かる。しかし、骨とインプラント間の接触面に伝達した応力ピークは、特にその台座からインプラントが外れ、それによりプロテーゼが不安定になり、インプラントが喪失する可能性があることから、特に弊害をもたらすものである。

本発明の目的は、歯牙の自然な状態に類似し、応力ピークが骨に掛かる前に緩衝される歯科用プロテーゼを提供することである。

本発明の更なる目的は、上部構造体に掛かった応力ピークが、改変を加えていない骨にまで及ぶことを防止するのに適したプロテーゼを提供することである。

本発明の別の目的は、相互に接触しているインプラントと上部構造体の面の間で細菌が浸潤することを防止するのに適したプロテーゼを提供することである。

本発明の更に別の目的は、インプラントと接触している歯科用上部構造体の表面を保護し、それにより、これらの部材間の相互固定作業に起因する損傷の可能性、及び咀嚼による移動を回避することである。

これらの目的及び他の目的は請求項１及び９の挿入材及びプロテーゼにより達成される。本発明のいくつかの好ましい実施形態はそれ以外の請求項に記載されている。

特に、本発明の挿入材には、ネジにより互いに接合された上部構造体及び骨と一体化したインプラントが備えられ、上記挿入材は、上部構造体とインプラントとの結合表面間に介在した緩衝材料で形成された構成要素から成る。

本発明によれば、上記挿入材は、上記ネジが通過する穴部が備えられた環状の構成要素から成る。

特に、本発明の挿入材は上記の結合した表面間に介在させるのに適した基部を含む構成要素から成り、上記挿入材は上部構造体とインプラントとの間の結合部位と係合する隆起部も備える。

本発明の挿入材は、上部構造体とインプラントとの上記結合面の間に介在させるのに適した環状基部、上記上部構造体の内部で係合する隆起部、及びキャップと係合し、また挿入材に上記上部構造体を係止するためにネジ山が形成されているネジ山部を有する構成要素から成り、上記ネジにより挿入材がインプラント上に固定されることが特長的である。

変形例に従えば、本発明の挿入材は、上述した結合表面間に介在させるのに適した環状基部、及び上述の上部構造体の内部で係合する隆起部を有する構成要素から成り、上記ネジは、挿入材の穴部の内部で係合するときに上記隆起部を膨張させ、それにより挿入材及びインプラントに上部構造体を係止する円錐形部分を有する。

本発明の挿入材では、上部構造体の一致する収容部と係合し、それによりその挿入材上の回転を阻止するのに適した突出部を有することも特長的である。

上記挿入材は、特に弾性変形可能なプラスチック材料から形成され、この材料は、咀嚼器官により発生するような付加的負荷の存在下で上記ネジ５により事前に１０〜５０Ｎｍの負荷を掛けられた場合、垂直軸の方向に０．０１〜８０μ（ミクロン）弾性変形する。

本発明の挿入材の結果として、インプラントに螺止した歯科用プロテーゼが得られ、これは歯牙から骨への自然な固定状態を再現し、それにより、応力ピークがインプラントに、そして結果的に骨に掛かる前に上部構造体への応力ピークが干渉される。

本発明の挿入材はまた、上部構造体とインプラントとの間の接触領域を封止し、細菌の危険な浸潤を防止するという利点も示す。

また、目的に適した材料で形成した本発明の挿入材により生じたクッション効果の結果、部材間の固定作業中や咀嚼中に上部構造体とインプラントとが接触することによる上部構造体への損傷が防止される。

これらの、及び他の目的、利点及び特徴は、本発明の挿入材及びプロテーゼのいくつかの好ましい実施形態についての以下の説明から明らかになり、添付図面の図において非限定的例として説明する。

公知の技術に従って螺止した歯科用プロテーゼの断面図である。 本発明に従って螺止した歯科用プロテーゼの第１実施形態の断面図である。 図２のプロテーゼに一体化した挿入材の平面図である。 図２のプロテーゼに一体化した挿入材の断面図である。 図２〜４のプロテーゼ及び挿入材の変形例である。 図５の上部構造体とプロテーゼのインプラントとの間に配置した挿入材との外部接続部を有するインプラントのための固定具の詳細である。 図６のプロテーゼに一体化した挿入材の斜視図である。 図６のプロテーゼに一体化した挿入材の平面図である。 図６のプロテーゼに一体化した挿入材の断面図である。 本発明の上部構造体とプロテーゼのインプラントとの間に内部接続部を有するインプラントのための固定具の詳細である。 本発明の螺止めした歯科用プロテーゼの第２実施形態の断面図であり、挿入材は上部構造体の浮動固定具及び保持キャップを有する。 図１０のプロテーゼの分解図である。 本発明に従った螺止した歯科用プロテーゼの第３実施形態の断面図であり、挿入材は浮動固定具を有し、上部構造体は円錐形結合部により保持されている。 図１２のプロテーゼの分解図である。 図１０〜１３のプロテーゼの挿入材の平面図である。

番号１の全体像として示し、図１に図示した公知技術のプロテーゼは、上部構造体２から成り、上部構造体２は、その上部構造体２の穴部２９の内部に収容されたネジ５により骨４に固定されたインプラント３に固定される。本実施形態では、上部構造体の表面６及びインプラントの表面７は上部構造体２とインプラント３との接触面で互いに直接接触している。従って上部構造体における応力ピークは最初にインプラント３の側面９に直接掛かり、そこから骨４の表面８に掛かる。結果として、上記表面８と９とは外れる可能性があり、それによりその台座にインプラントを保持することができなくなり、インプラント自体の復元又は再移植が必要となる。

図１から、上部構造体２の上記表面６とインプラント３の表面７との接触面では、通常これらの部材の機械的製造ばらつきに起因する隙間１０が必然的に存在することも観察される。これらの隙間には、望ましくない危険な細菌増殖のための温床となる欠点がある。

同様の理由で、互いに直接接触しているその表面６及び７は咀嚼の応力により損傷し得る。

これらの欠点はすべて、上部構造体２の対向面６とインプラント３の対向面７との間に挿入材１２を介在させる図２のプロテーゼ１１により解決する。図３及び４に詳細に示すように、この挿入材１２は実質的に、上部構造体２を係止するネジ５をインプラント３に貫通させるための中央穴部１３を有する円形ワッシャから成る。

上部構造体２の表面６とインプラント３の表面７との間にある、その緩衝及び保護クッション機能の結果として、挿入材１２の材料は上部構造体を形成する材料（例えばセラミック、チタン及びクロム／コバルト合金）やインプラント作成に使用する材料（例えばチタン）より柔軟である必要がある。

挿入材１２の成形材料は、好ましくは弾性変形可能なプラスチック材料であり、この材料は、咀嚼器官により発生するような付加的負荷（通常最大４００Ｎ）の存在下で上記ネジ５により事前に１０〜５０Ｎｍの負荷を掛けられている場合、垂直軸の方向に０．０１〜８０μ（ミクロン）弾性変形する。この目的のため、挿入材１２を形成する材料は、咀嚼負荷が存在しないときにその初期形状を回復するための十分な弾性率を有する必要がある。

図面５〜８の実施形態では、挿入材１４は、単一部材の環状基部１５と共に、上部構造体２とインプラント３との間の結合部位の形態を再生させる隆起部１６を有する。この変形例では、挿入材１４の環状基部１５は、図３及び４のワッシャ１２を参照して前述した保護的なクッション機能及び緩衝機能を有しており、一方、隆起部１６はインプラント３と上部構造体２との間の緩衝及び中間部材として作用する。図７に示すように、挿入材１４の隆起部１６の外部部位は、インプラントと一致する結合部位の形態であることが都合が良く、これにより回転防止効果も得られる。図９に示すように、挿入材１４は、図６に示されるような外側ではなく、インプラントの内部接続部１７の側に配置する。

外部構造、インプラント及び挿入材を相互に固定するためにネジ５を使用する図２〜５のプロテーゼとは異なり、図１０及び１１の変形例では、ネジ５は挿入材１８をインプラント３に接続させるものであり、それに対して挿入材１８への（延いてはインプラント３への）上部構造体２の固定では、挿入材１８の一致するネジ山部２０に螺止するネジキャップ１９を使用する。この変形例では、図１１に詳細に示すように、挿入材１８は環状基部２１及び上記のネジ山部２０を有する隆起部２２を備え、また、上述した挿入材１２及び１４に使用したものと同一の材料で作成する。図１４の挿入材１８は、図１１の上部構造体２内部の一致する収容部２４での係合により、構造体と挿入材との間に回転防止機能を持つ突出部２３を備えることが有利である。

図１２及び１３の変形例では、ネジ２５は上部構造体２、挿入材２７及びインプラント３の間で相互固定するために使用し、円錐形部分２６を備える前記ネジは同様に、基部３０の内側での係合に適合しており、挿入材２７の穴部１３と一致する円錐形状も有する。従って、ネジ２５が挿入材２７の穴部１３の内側に係合されると、その隆起部２６は穴部１３の基部３０を圧迫し、それにより挿入材２７の外部隆起部２８が外部構造体２の穴部２９の対応する内表面に向かって膨張し、図１１の例のキャップ１９を使用せずに外部構造体が係止される。

このように、本発明の原理に従って本発明の装置の好ましい例示的な実施形態をいくつか説明してきたが、本発明によって様々な目的物及び利点が追加可能になり、以下の添付した特許請求の範囲のみに制限された本発明の範囲内で多様な改変が可能になることは当業者にとって明白である。

Claims (9)

1. 特にネジ（５、２５）により互いに接合させた上部構造体（２）及び骨（４）に一体化したインプラント（３）を備えるタイプの、インプラントに螺止した歯科用プロテーゼのための挿入材であって、前記上部構造体（２）と前記インプラント（３）との結合面（６、７）間に介在した緩衝材料から形成された構成要素から成ることを特徴とする挿入材。
2. 前記ネジ（５）を貫通させるための穴部（１３）を備えた環状の構成要素（１２）から成ることを特徴とする請求項１に記載の挿入材。
3. 前記表面（６、７）間に介在させるのに適した基部（１５）を有する構成要素（１４）から成る挿入材であって、前記挿入材は前記上部構造体（２）と前記インプラント（３）との間の結合部位で係合する隆起部（１６）も備えることを特徴とする請求項１に記載の挿入材。
4. 前記表面（６、７）の間に介在させるのに適した環状基部（２１）、前記上部構造体（２）の内部で係合する隆起部（２２）、及びキャップ（１９）と係合し、また前記挿入材（１８）に前記上部構造体（２）を係止するためのネジ山部（２０）を有する構成要素（１８）から成り、前記ネジ（５）により挿入材（１８）がインプラント（３）上に固定されることを特徴とする請求項１に記載の挿入材。
5. 前記表面（６、７）間に介在させるのに適した環状基部、及び前記上部構造体（２）の内部で係合する隆起部（２８）を有する構成要素（２７）から成り、前記ネジ（２５）は、前記挿入材（２７）の前記穴部（１３）の内部で係合するときに前記隆起部（２８）を膨張させ、それにより前記挿入材（２７）及び前記インプラント（３）に前記上部構造体（２）を係止する円錐形部分（２６）を有することを特徴とする請求項１に記載の挿入材。
6. 前記上部構造体（２）の一致する収容部（２４）と係合し、前記挿入材上の回転を阻止するのに適した突出部（２３）も備えることを特長とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の挿入材。
7. 弾性変形可能なプラスチック材料から形成され、この材料は、咀嚼器官により発生するような付加的負荷の存在下で前記ネジ（５）により事前に１０〜５０Ｎｍの負荷が掛けられた場合、垂直軸の方向に弾性変形することを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の挿入材。
8. 前記弾性変形可能なプラスチック材料の弾性変形は垂直軸方向に０．０１〜８０μ（ミクロン）、特に０．０５〜４０μ、好ましくは０．１〜２０μであることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の挿入材。
9. 請求項１〜８の１つ以上に記載のインプラントに螺止した歯科用プロテーゼであることを特徴とする歯科用プロテーゼ。

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