JP2017218902A - 直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃費の悪化を抑制しつつ、筒内最高圧力を低下させることができる直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造を提供する。
【解決手段】シリンダ3内を往復移動するピストンヘッド4の頭頂面4aに凹設されたキャビティ9に、燃料噴射ノズル8から燃料が噴射される直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造1である。キャビティ9は、環状に凹む環状凹部10と、環状凹部10の中央側において燃料噴射ノズル8に向けて突出する中央突起部11と、を有する。中央突起部11の頂面11aは、ピストンヘッド4が上死点の位置にある場合に、燃料噴射ノズル8から燃料の液柱長さの位置Eにおいて、燃料の噴霧角θの範囲内の領域である燃料噴霧領域Dと干渉する。
【選択図】図3
【解決手段】シリンダ3内を往復移動するピストンヘッド4の頭頂面4aに凹設されたキャビティ9に、燃料噴射ノズル8から燃料が噴射される直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造1である。キャビティ9は、環状に凹む環状凹部10と、環状凹部10の中央側において燃料噴射ノズル8に向けて突出する中央突起部11と、を有する。中央突起部11の頂面11aは、ピストンヘッド4が上死点の位置にある場合に、燃料噴射ノズル8から燃料の液柱長さの位置Eにおいて、燃料の噴霧角θの範囲内の領域である燃料噴霧領域Dと干渉する。
【選択図】図3
Description
本発明は、直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造に関する。
特許文献1には、ピストンヘッドの頂面に燃料が噴射されるキャビティを形成した直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造が記載されている。特許文献1に記載された技術では、キャビティ内に突起部を設けて、シリンダ中心線に直交する基準水平面に対して、突起部の傾斜面のなす角度を、噴霧燃料の下縁のなす角度よりも大きく設定している。これにより、噴霧燃料がキャビティ内の突起部と直接的に干渉するのを抑制することで、スモークやハイドロカーボンの排出量が増加することによる排気性能の低下を抑制している。
ところで、高Pme(正味平均有効圧力)化したエンジンでは、摩擦抵抗によるエネルギ損失(フリクションロス)の増加を防ぐため、筒内最高圧力(Pmax)を低下させることが望まれている。
この点、燃料の噴射時期を遅角することにより、筒内最高圧力を容易に低下させることができる。しかしながら、燃料の噴射時期を遅角すると、燃料が十分に燃え切らずに燃費が悪くなる可能性がある。なお、特許文献1に記載の技術は、噴霧燃料がキャビティ内の突起部と直接的に干渉するのを抑制するものであって、筒内最高圧力を低下させるものではない。
そこで、本発明は、燃費の悪化を抑制しつつ、筒内最高圧力を低下させることができる直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造を提供することを目的とする。
本発明に係る直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造は、シリンダ内を往復移動するピストンヘッドの頭頂面に凹設されたキャビティに、燃料噴射ノズルから燃料が噴射される直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造であって、キャビティは、環状に凹む環状凹部と、環状凹部の中央側において燃料噴射ノズルに向けて突出する中央突起部と、を有し、中央突起部の頂面は、ピストンヘッドが上死点の位置にある場合に、燃料噴射ノズルから燃料の液柱長さの位置において、燃料の噴霧角の範囲内の領域である燃料噴霧領域と干渉する。
通常、燃料噴射ノズルから噴射された燃料は、液柱長さの位置までは液柱状となっているが、液柱長さの位置において分裂して霧状の噴霧燃料となる。そして、噴霧燃料に、圧縮昇温された筒内雰囲気が導入(混合)されることで着火する。これに対して、本発明に係る直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、前記中央突起部の頂面は、ピストンヘッドが上死点の位置にある場合に、燃料噴射ノズルから噴射された燃料の液柱長さの位置において、燃料の燃料噴霧領域と干渉する。その結果、液柱長さの位置における筒内雰囲気の噴霧への導入が抑制されることで、噴霧燃料の着火が遅れる。これにより、ピストンヘッドの下降がより進んだタイミングで噴霧燃料の着火が行われるため、筒内最高圧力が低下する。しかも、噴霧燃料の着火が遅れることで、噴霧燃料の大部分を、前記環状凹部において燃焼させることができるため、燃料の燃え切りが良くなって、燃費の悪化が抑制される。
なお、燃料の噴霧角は、広安の式において、筒内雰囲気密度、燃料噴射圧力、筒内雰囲気圧力、ノズル噴孔径、筒内雰囲気の粘性係数により求められる角度である。燃料の液柱長さは、燃料噴射ノズルから噴射された燃料噴霧(噴流)の液柱長さであって、広安の式において、燃料密度、筒内雰囲気密度、ノズル噴孔径により求められる液柱長さである。広安の式は、「ディーゼル噴霧の到達距離と噴霧角」(広安博之、新井雅隆:自動車技術会論文集、No.21,1980、pp5−11)の論文に記載された式である。
上記の直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造において、前記燃料噴霧領域は、エンジンの高負荷条件における燃料の噴霧角の範囲内の領域であってもよい。直噴ディーゼルエンジンでは、エンジンが高負荷になる程、雰囲気の密度が高くなるため、燃料噴射ノズルから噴射される燃料の噴霧角が大きくなる。その結果、圧縮昇温された筒内雰囲気が導入されやすくなって、噴霧燃料の着火が早まる。そこで、この直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、エンジンの高負荷条件において、液柱長さの位置において前記中央突起部の頂面が燃料噴霧領域と干渉することで、燃費の悪化を効果的に抑制しつつ、筒内最高圧力を効果的に低下させることができる。
また、上記の直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造において、前記中央突起部の頂面は、ピストンヘッドが上死点の位置にある場合に、液柱長さの位置よりも燃料噴射ノズル側から、燃料の燃料噴霧領域と干渉してもよい。この直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、前記中央突起部の頂面が液柱長さの位置よりも燃料噴射ノズル側から燃料噴霧領域と干渉するため、より確実に筒内雰囲気の噴霧への導入を抑制することができる。
また、上記の直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造において、前記中央突起部の頂面と、燃料の噴射軸線とは、平行であってもよい。この直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、中央突起部の頂面が燃料の噴射軸線と平行であるため、燃料噴射ノズルから液柱長さの位置までの区間において、燃料への最低限の雰囲気導入を確保しつつ、燃料噴霧への雰囲気導入を抑制することができる。これにより、液柱長さの位置において燃料を適切に分裂させることができるとともに、液柱長さの位置までに燃料が着火するのを抑制することができる。
また、上記の直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造において、前記ピストンヘッドの頭頂面と対向するシリンダの天面と、燃料噴霧領域の天面側の上端縁とは、平行であってもよい。この直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造では、シリンダの天面と燃料噴霧領域の天面側の上端縁とが平行であるため、シリンダの天面側から噴霧燃料に筒内雰囲気が導入されるのを抑制しつつ、燃料がシリンダの天面に付着することによるスモークやハイドロカーボンの発生を抑制することができる。
本発明によれば、燃費の悪化を抑制しつつ、筒内最高圧力を低下させることができる。
以下、実施形態に係る連節バスについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、実施形態に係る直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造を示す概略断面図である。図2は、ピストンヘッドの頭頂面を示す平面図である。なお、図1は、図2に示すI−I線における断面を示している。図1及び図2に示すように、実施形態に係る直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造1は、シリンダヘッド2に形成された円筒状のシリンダ3に、円筒状のピストンヘッド4がシリンダ3の中心軸線Aに沿って往復移動可能に配設されている。そして、ピストンヘッド4の頭頂面4aと、シリンダ3の周面3aと、シリンダ3の頭頂面4aと対向する天面3bと、によって燃焼室Bが画成される。ピストンヘッド4の頭頂面4aは、中心軸線Aと直交する平面状に形成されている。また、シリンダ3の天面3bは、中心軸線Aと直交する平面状に形成されている。なお、ピストンヘッド4の頭頂面4a及びシリンダ3の天面3bは、エンジンの形式によっては、このような平面状に形成されていない場合もあるが、本実施形態では、このような平面状に形成されているものとして説明する。
シリンダヘッド5には、燃焼室Bに給気ガスを供給する吸気ポート(不図示)と、燃焼室Bから排気ガスを排出する排気ポート(不図示)と、が形成されている。また、シリンダヘッド5には、燃焼室Bに燃料Fを噴射する燃料噴射装置6が取り付けられている。燃料噴射装置6は、シリンダヘッド5に固定される固定部7と、燃焼室Bに燃料Fを噴射する燃料噴射ノズル8と、を備える。燃料噴射ノズル8は、中心軸線A上において天面3bから燃焼室B側に突出している。なお、燃料噴射ノズル8は、エンジンの形式によっては、中心軸線A以外の位置から突出している場合もあるが、本実施形態では、中心軸線A上において突出しているものとして説明する。燃料噴射ノズル8には、燃料Fが噴射される複数の噴孔8aが形成されている。噴孔8aは、例えば、中心軸線A周りに等間隔で6個形成される。噴孔8aから噴射される燃料Fの噴射方向については、後述する。
頭頂面4aには、燃料噴射ノズル8から燃料Fが噴射されるキャビティ9が凹設されている。キャビティ9は、環状に凹む環状凹部10と、環状凹部10の中央側において燃料噴射ノズル8に向けて突出する中央突起部11と、を有する。なお、キャビティ9では、中央突起部11が形成される空間よりも、環状凹部10が形成される空間の方が、広い空間となっている。環状凹部10は、中心軸線Aを中心とした環状に形成されている。環状凹部10の凹形状は、図に示された形状に限定されるものではなく、様々な凹形状とすることができる。中央突起部11は、センターコーンとも呼ばれる。中央突起部11の頂面11aは、環状凹部10に対する中央突起部11の突出方向における先端面であって、天面3b側に向けられる面である。頂面11aは、中心軸線Aを頂点とした円錐状に形成されている。つまり、頂面11aは、中心軸線Aから離れるに従いシリンダ3の天面3bから離れていくように、中心軸線Aを通る断面が直線となる円錐状に形成されている。
ここで、図3及び図4を参照して、燃料噴射ノズル8から噴射される燃料Fの状態について説明する。図3は、図1において燃料噴射ノズルから燃料が噴射されている状態を示す概略断面図である。図4は、燃料噴射ノズルから噴射された燃料噴霧の形状を模式的に示す図である。図3及び図4に示すように、燃料噴射ノズル8から噴射される燃料Fの噴射方向、つまり燃料Fの噴射軸線Cは、平面視では、燃料噴射ノズル8を中心とした放射方向となる。また、噴射軸線Cは、平面視(中心軸線Aを通る断面)では、噴孔8aを通るとともに中心軸線Aと直交する基準水平面に対してピストンヘッド4側(シリンダ3の天面3bとは反対側)に傾斜した方向となる。
燃料噴射ノズル8から噴射される燃料Fの噴霧領域は、理想的には、噴射軸線Cを中心として燃料噴射ノズル8から離れるに従い広がる円錐状の燃料噴霧領域Dとなる。燃料噴霧領域Dは、燃料Fの噴霧角θの範囲内の領域である。燃料Fの噴霧角θは、広安の式において、筒内雰囲気密度、燃料噴射圧力、筒内雰囲気圧力、ノズル噴孔径、筒内雰囲気の粘性係数により求められる角度である。広安の式は、「ディーゼル噴霧の到達距離と噴霧角」(広安博之、新井雅隆:自動車技術会論文集、No.21,1980、pp5−11)の論文に記載された式である。具体的には、噴霧角θは、以下の式(1)により求められる。
式(1)において、ρaは燃焼室Bにおける筒内雰囲気の密度[kg/m3]、P0は燃料Fの噴射圧力[Pa]、Paは燃焼室Bにおける筒内雰囲気の圧力[Pa]、ΔPはP0からPaを引いた圧力(P0−Pa)[Pa]、d0は燃料噴射ノズル8の各噴孔8aの噴孔径(m)、μaは燃焼室Bにおける筒内雰囲気の粘性係数[Pa・s]である。
式(1)において、ρaは燃焼室Bにおける筒内雰囲気の密度[kg/m3]、P0は燃料Fの噴射圧力[Pa]、Paは燃焼室Bにおける筒内雰囲気の圧力[Pa]、ΔPはP0からPaを引いた圧力(P0−Pa)[Pa]、d0は燃料噴射ノズル8の各噴孔8aの噴孔径(m)、μaは燃焼室Bにおける筒内雰囲気の粘性係数[Pa・s]である。
このように、燃料噴射ノズル8から噴射された燃料Fは、理想的には、燃料噴霧領域Dに噴霧されるが、実際には、燃料噴射ノズル8から燃料Fの液柱長さLbの位置Eまでは液柱状の液柱燃料F1となる。以下では、燃料噴射ノズル8から燃料Fの液柱長さLbの位置Eを、単に、液柱長さの位置Eともいう。そして、液柱長さの位置Eにおいて、液柱燃料F1が分裂して、燃料噴霧領域Dに噴霧される霧状の噴霧燃料F2となる。なお、実際には、液柱長さの位置Eよりも燃料噴射ノズル8側から液柱燃料F1の分裂が開始される。
燃料Fの液柱長さLbは、広安の式において、燃料密度、筒内雰囲気密度、ノズル噴孔径により求められる液柱長さLbである。広安の式は、上記の噴霧角θと同様に、「ディーゼル噴霧の到達距離と噴霧角」(広安博之、新井雅隆:自動車技術会論文集、No.21,1980、pp5−11)の論文に記載された式である。具体的には、液柱長さLbは、以下の式(2)により求められる。
式(2)において、αはLevichの理論による微粒化(分裂)が開始されるまでの距離の実験による補正係数、ρlは燃料Fの密度[kg/m3]、ρaは燃焼室Bにおける筒内雰囲気の密度[kg/m3]、d0は燃料噴射ノズル8の各噴孔8aの噴孔径(m)である。
式(2)において、αはLevichの理論による微粒化(分裂)が開始されるまでの距離の実験による補正係数、ρlは燃料Fの密度[kg/m3]、ρaは燃焼室Bにおける筒内雰囲気の密度[kg/m3]、d0は燃料噴射ノズル8の各噴孔8aの噴孔径(m)である。
そして、通常は、燃料噴射ノズル8から液柱長さの位置Eにおいて、ピストンヘッド4の上昇により圧縮昇温された筒内雰囲気が噴霧燃料F2に導入(混合)されることで、噴霧燃料F2が着火して燃焼が開始される。
そこで、本実施形態では、燃料噴射ノズル8から液柱長さの位置Eにおいて、中央突起部11の頂面11aにより、噴霧燃料F2に筒内雰囲気が導入されるのを阻害することで、噴霧燃料F2の着火を遅らせる。
具体的に説明すると、中央突起部11の頂面11aは、ピストンヘッド4が上死点の位置にある場合に、燃料噴射ノズル8から液柱長さの位置Eにおいて、燃料噴霧領域Dと干渉する。つまり、頂面11aは、液柱長さの位置Eにおいて、燃料噴霧領域Dと干渉するように形成されている。燃料噴射ノズル8から液柱長さの位置Eは、噴射軸線Cにおける位置だけではなく、燃料噴霧領域Dの全角度範囲における位置をいう。そして、液柱長さの位置Eは、頂面11aの環状凹部10側の先端に位置してもよく、頂面11aの環状凹部10側の先端よりも中心軸線A側に位置してもよい。後者の場合、頂面11aが円錐状である本実施形態においては、液柱長さの位置Eから頂面11aの環状凹部10側の先端までの全区間において、燃料噴霧領域Dと干渉する。
ところで、燃料Fの噴霧角θは、エンジンの負荷条件によって変動する。具体的には、エンジンが高負荷になる程、筒内雰囲気の密度が高くなるため、燃料Fの噴霧角θが大きくなる。その結果、エンジンが中負荷又は軽負荷である場合に比べて、圧縮昇温された筒内雰囲気が導入されやすくなって、噴霧燃料F2の着火が早まる。そこで、本実施形態では、上述した燃料噴霧領域Dは、エンジンの高負荷条件における燃料Fの噴霧角θの範囲内の領域であるものとする。エンジンの高負荷条件とは、設定回転数における最大トルクの80%以上のトルクを必要とする条件をいう。設定回転数は、例えば、最大トルクを発生するエンジン回転数である。
また、頂面11aが燃料噴霧領域Dと干渉し始める位置は、液柱長さの位置Eよりも燃料噴射ノズル8側であってもよい。つまり、中央突起部11の頂面11aは、ピストンヘッド4が上死点の位置にある場合に、液柱長さの位置Eよりも燃料噴射ノズル8側から、燃料噴霧領域Dと干渉する。この場合であっても、ピストンヘッド4が上死点の位置にある場合に、中央突起部11の頂面11aは、液柱長さの位置Eにおいて、燃料噴霧領域Dと干渉する。
また、中央突起部11の頂面11aは、必ずしも円錐状である必要はないが、頂面11aが円錐状である場合は、中央突起部11の頂面11aと燃料Fの噴射軸線Cとは、平行であることが好ましい。また、シリンダ3の天面3bは、必ずしも平面状である必要はないが、天面3bが平面状である場合は、シリンダ3の天面3bと燃料噴霧領域Dの天面3b側の上端縁D1とは、平行であることが好ましい。
このように、本実施形態に係る直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造1では、中央突起部11の頂面11aは、ピストンヘッド4が上死点の位置にある場合に、燃料噴射ノズル8から液柱長さの位置Eにおいて、燃料Fの燃料噴霧領域Dと干渉する。その結果、液柱長さの位置Eにおける筒内雰囲気の噴霧への導入が抑制されることで、噴霧燃料F2の着火が遅れる。これにより、ピストンヘッド4の下降がより進んだタイミングで噴霧燃料F2の着火が行われるため、筒内最高圧力が低下する。しかも、噴霧燃料F2の着火が遅れることで、噴霧燃料F2の大部分を、環状凹部10において燃焼させることができるため、燃料Fの燃え切りが良くなって、燃費の悪化が抑制される。
また、エンジンの高負荷条件における燃料Fの噴霧角θの範囲内の領域を燃料噴霧領域Dとし、エンジンの高負荷条件において、液柱長さの位置Eにおいて中央突起部11の頂面11aが燃料噴霧領域Dと干渉することで、燃費の悪化を効果的に抑制しつつ、筒内最高圧力を効果的に低下させることができる。
また、中央突起部11の頂面11aが液柱長さの位置Eよりも燃料噴射ノズル8側から燃料噴霧領域Dと干渉することで、より確実に筒内雰囲気の噴霧への導入を抑制することができる。
また、中央突起部11の頂面11aが燃料Fの噴射軸線Cと平行であるため、燃料噴射ノズル8から液柱長さの位置Eまでの区間において、燃料Fへの最低限の雰囲気導入を確保しつつ、燃料Fへの雰囲気導入を抑制することができる。これにより、液柱長さの位置Eにおいて燃料Fを適切に分裂させることができるとともに、液柱長さの位置Eまでに燃料Fが着火するのを抑制することができる。
また、シリンダ3の天面3bと燃料噴霧領域Dの天面3b側の上端縁D1とが平行であるため、シリンダ3の天面3b側から噴霧燃料F2に筒内雰囲気が導入されるのを抑制しつつ、燃料Fがシリンダ3に付着することによるスモークやハイドロカーボンの発生を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。例えば、上記実施形態では、中央突起部の頂面は、中心軸線Aを通る断面が直線となる円錐状であるものとして説明したが、例えば、中心軸線Aを通る断面が凸曲線又は凹曲線となるお椀形状であってもよい。
1…直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造、2…シリンダヘッド、3…シリンダ、3a…周面、3b…天面、4…ピストンヘッド、4a…頭頂面、5…シリンダヘッド、6…燃料噴射装置、7…固定部、8…燃料噴射ノズル、8a…噴孔、9…キャビティ、10…環状凹部、11…中央突起部、11a…頂面、A…中心軸線、B…燃焼室、C…噴射軸線、D…燃料噴霧領域、D1…上端縁、E…液柱長さの位置、F…燃料、F1…液柱燃料、F2…噴霧燃料、θ…噴霧角。
Claims (5)
- シリンダ内を往復移動するピストンヘッドの頭頂面に凹設されたキャビティに、燃料噴射ノズルから燃料が噴射される直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造であって、
前記キャビティは、
環状に凹む環状凹部と、
前記環状凹部の中央側において前記燃料噴射ノズルに向けて突出する中央突起部と、を有し、
前記中央突起部の頂面は、前記ピストンヘッドが上死点の位置にある場合に、前記燃料噴射ノズルから前記燃料の液柱長さの位置において、前記燃料の噴霧角の範囲内の領域である燃料噴霧領域と干渉する、
直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造。 - 前記燃料噴霧領域は、エンジンの高負荷条件における前記燃料の噴霧角の範囲内の領域である、
請求項1に記載の直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造。 - 前記中央突起部の頂面は、前記ピストンヘッドが上死点の位置にある場合に、前記液柱長さの位置よりも前記燃料噴射ノズル側から、前記燃料の燃料噴霧領域と干渉する、
請求項1又は2に記載の直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造。 - 前記中央突起部の頂面と、前記燃料の噴射軸線とは、平行である、
請求項1〜3の何れか一項に記載の直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造。 - 前記頭頂面と対向する前記シリンダの天面と、前記燃料噴霧領域の前記天面側の上端縁とは、平行である、
請求項1〜4の何れか一項に記載の直噴ディーゼルエンジンの燃焼室構造。
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