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JP2017216317A - キャパシタ用導電性高分子分散液、キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents

キャパシタ用導電性高分子分散液、キャパシタ及びその製造方法 Download PDF

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JP2017216317A
JP2017216317A JP2016108161A JP2016108161A JP2017216317A JP 2017216317 A JP2017216317 A JP 2017216317A JP 2016108161 A JP2016108161 A JP 2016108161A JP 2016108161 A JP2016108161 A JP 2016108161A JP 2017216317 A JP2017216317 A JP 2017216317A
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capacitor
conductive polymer
acid
poly
amine compound
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鈴木 健一
Kenichi Suzuki
健一 鈴木
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
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Abstract

【課題】等価直列抵抗が小さく且つ耐熱性が高いキャパシタを容易に製造できるキャパシタ用導電性高分子分散液を提供する。【解決手段】本発明のキャパシタ用導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、カルボキシ基と反応してエステル結合又はアミド結合を形成可能な官能基を有さないアミン化合物と、2つ以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸化合物と、分散媒とを含有する。本発明のキャパシタ10は、前記導電性高分子分散液から形成した固体電解質層14を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、キャパシタ用導電性高分子分散液、キャパシタ及びその製造方法に関する。
キャパシタにおいては、誘電体層と陰極との間に配置される電解質として、導電性高分子を含む固体電解質層を用いて、等価直列抵抗を小さくしたものが知られている。
導電性高分子を含む固体電解質層としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を含む導電性高分子分散液から形成したものを使用することがある(例えば、特許文献1)。
電子機器においては、より一層の性能向上や小型化が求められ、それに対し、キャパシタにおいては、等価直列抵抗がより小さいものが要求されている。また、キャパシタの耐熱性を向上させることが求められている。しかし、特許文献1に記載の導電性高分子分散液では、キャパシタの耐熱性を充分に向上させることができなかった。
キャパシタの耐熱性を向上させる方法として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を含む導電性高分子分散液に、2個以上のヒドロキシ基を有するアミンと多価カルボン酸を添加する方法が提案されている(特許文献2)。
特開2014−67949号公報 特許第5152882号公報
しかし、特許文献2に記載の方法は、導電性高分子分散液中の多価カルボン酸含有量が分散媒である水に対する溶解度を超えており、固体電解質層の形成が容易ではなく、キャパシタの製造が困難であった。また、分散液中に含まれるアミノプロパンジオール類と多価カルボン酸化合物との反応生成物であるカルボン酸アミド、カルボン酸エステルは水に対して不溶であるために、反応生成物によって分散液の分散性が不安定である課題があった。
そこで、本発明は、等価直列抵抗が小さく且つ耐熱性が高く、しかも容易に製造できるキャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。また、等価直列抵抗が小さく且つ耐熱性が高いキャパシタを容易に製造でき、分散安定性に優れたキャパシタ用導電性高分子分散液を提供することを目的とする。
[1]π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、カルボキシ基と反応してエステル結合又はアミド結合を形成可能な官能基を有さないアミン化合物と、2つ以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸化合物と、分散媒とを含有する、キャパシタ用導電性高分子分散液。
[2]前記アミン化合物は、第3級アミン化合物、及び、窒素含有芳香族性化合物、の少なくとも一方である、[1]に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
[3]前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、[1]又は[2]に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
[4]前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]から[3]のいずれか一に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
[5]前記アミン化合物の質量に対して、前記多価カルボン酸化合物の含有量が0.1倍以上20.0倍以下である、[1]から[4]のいずれか一に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
[6]25℃におけるpHが1.80以上7.00以下である、[1]から[5]のいずれか一に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
[7]弁金属の多孔質体からなる陽極と、前記弁金属の酸化物からなる誘電体層と、該誘電体層の、前記陽極と反対側に設けられた導電物質製の陰極と、前記誘電体層及び前記陰極の間に形成された固体電解質層とを具備し、前記固体電解質層が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、カルボキシ基と反応してエステル結合を形成可能な官能基を有さないアミン化合物と、2つ以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸化合物とを含有する、キャパシタ。
[8]前記アミン化合物は、第3級アミン化合物、及び、窒素含有芳香族性化合物、の少なくとも一方である、[7]に記載のキャパシタ。
[9]前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、[7]又は[8]に記載のキャパシタ。
[10]前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[7]から[9]のいずれか一に記載のキャパシタ。
[11]前記アミン化合物の質量に対して、前記多価カルボン酸化合物の含有量が0.1倍以上20.0倍以下である、[7]から[10]のいずれか一に記載のキャパシタ。
[12]弁金属の多孔質体からなる陽極の表面を酸化して誘電体層を形成する工程と、誘電体層に対向する位置に陰極を形成する工程と、誘電体層表面に[1]から[6]のいずれか一に記載の導電性高分子分散液を塗布し、乾燥させて固体電解質層を形成する工程と、を有する、キャパシタの製造方法。
本発明のキャパシタ用導電性高分子分散液によれば、等価直列抵抗が小さく且つ耐熱性に優れたキャパシタを容易に製造でき、分散安定性に優れる。
本発明のキャパシタは、等価直列抵抗が小さく且つ耐熱性に優れ、しかも容易に製造できるものである。
本発明のキャパシタの製造方法によれば、等価直列抵抗が小さく且つ耐熱性に優れたキャパシタを容易に製造できる。
本発明のキャパシタの一実施形態を示す断面図である。
<キャパシタ用導電性高分子分散液>
本発明のキャパシタ用導電性高分子分散液(以下、「導電性高分子分散液」と略す。)について説明する。
本発明の導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、アミン化合物と、多価カルボン酸化合物と、分散媒とを含有する。
導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、導電性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
上記π共役系導電性高分子の中でも、導電性、耐熱性がより高いことから、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
前記π共役系導電性高分子は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性複合体に含まれるポリアニオンとは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。
本明細書における質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定し、標準物質をポリスチレンとして求めた値である。
導電性複合体中の、ポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して1質量部以上1000質量部以下の範囲であることが好ましく、10質量部以上700質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上500質量部以下の範囲であることがさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値未満であると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがあり、また、導電性高分子分散液における導電性複合体の分散性が低くなる。一方、ポリアニオンの含有量が前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
ポリアニオンが、π共役系導電性高分子に配位してドープすることによって導電性複合体を形成する。
ただし、本態様におけるポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープすることはなく、ドープに寄与しない余剰のアニオン基を有するようになっている。余剰のアニオン基は高い親水性を有するため、導電性複合体の水分散性を高める役割を果たす。
本発明で使用されるアミン化合物は、カルボキシ基と反応してエステル結合又はアミド結合を形成可能な官能基(例えば、ヒロドキシ基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシ基等の少なくとも1種)を有さないものである。特に、キャパシタの等価直列抵抗をより小さくでき且つ耐熱性をより向上できることから、前記アミン化合物は、ヒドロキシ基を有さないものが好ましい。
アミン化合物のなかでも、第3級アミン化合物、及び、窒素含有芳香族性化合物、の少なくとも一方が好ましい。第3級アミン又は窒素含有芳香族性化合物を用いれば、キャパシタの等価直列抵抗をより小さくでき且つ耐熱性をより向上できる。
第3級アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリアリルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジプロピルエチルアミン、N−メチルジエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン等が挙げられる。
窒素含有芳香族性化合物としては、例えば、イミダゾール類及びその誘導体、ピリジン類及びその誘導体等が挙げられる。さらに、イミダゾール類及びその誘導体としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、N−プロピルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール等が挙げられる。
前記第3級アミン化合物及び前記窒素含有芳香族性化合物はいずれもヒドロキシ基を有さないものである。
これらアミン化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミン化合物のなかでも、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、イミダゾールが好ましく、水溶性の面からトリエチルアミン、イミダゾールが特に好ましい。
本発明で使用される多価カルボン酸化合物は、2つ以上のカルボキシ基を有する化合物である。多価カルボン酸化合物において、カルボキシ基以外の部分の構造は特に限定されず、例えば、アルキレン基等の脂肪族炭化水素構造でもよいし、フェニル基等の芳香族炭化水素構造でもよいし、イソシアヌレート構造でもよい。また、カルボキシ基以外の部分は、ヒドロキシ基等の置換基を有してもよい。
多価カルボン酸化合物のうち、2つのカルボキシ基を有する化合物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フタル酸、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
多価カルボン酸化合物のうち、3つのカルボキシ基を有する化合物としては、例えば、クエン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、trans−アコニット酸、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
多価カルボン酸化合物のうち、4つのカルボキシ基を有する化合物としては、例えば、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
これら多価カルボン酸化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価カルボン酸化合物のなかでも、カルボキシ基の数が2又は3の多価カルボン酸化合物が好ましく、水溶性の面からコハク酸が特に好ましい。
導電性高分子分散液における多価カルボン酸化合物の含有量は、前記アミン化合物の質量に対して0.1倍以上20.0倍以下であることが好ましく、0.5倍以上15.5倍以下であることがより好ましく、5.51倍以上15.50倍以下であることがさらに好ましく、5.70倍上15.20倍以下であることが特に好ましい。多価カルボン酸化合物の含有量が前記下限値以上であれば、キャパシタの等価直列抵抗をより小さくでき、前記上限値以下であれば、キャパシタの耐熱性をより向上させることができる。また、多価カルボン酸化合物の含有量が前記上限値以下であれば、多価カルボン酸化合物を充分に溶解させることができ、導電性高分子分散液の安定性を向上させることができる。
導電性高分子分散液に含まれる分散媒は、前記導電性複合体を分散させる液であり、水、有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合液であり、水が好ましい。
有機溶剤としては、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテルなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族系溶媒;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコールなどのアルコール系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、が挙げられるが、上記に限定されるものではない。これら有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子分散液における分散媒の含有割合は、導電性高分子分散液の総質量100質量%に対して、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、70質量%以上98質量%以下であることがより好ましい。分散媒の含有割合が前記下限値以上であれば、各成分を容易に分散させて、塗工性を向上させることができ、前記上限値以下であれば、固形分濃度が高くなるため、1回の塗工で厚みを容易に確保できる。
導電性高分子分散液には、公知の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。ただし、添加剤は、前記π共役系導電性高分子、前記ポリアニオン、前記アミン化合物、前記多価カルボン酸化合物及び前記分散媒以外の化合物からなる。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
導電性高分子分散液の25℃におけるpHは1.80以上7.00以下の範囲内であることが好ましく、1.90以上4.00以下の範囲内であることがより好ましく、2.0以上3.5以下であることが特に好ましい。導電性高分子分散液のpHが前記下限未満であると、酸化物からなる誘電体を腐食してキャパシタの等価直列抵抗が大きくなり、pHが前記上限値を超えると、導電性高分子の脱ドープによって導電率が低下し、キャパシタの等価直列抵抗が大きくなる。pHが前記範囲内の導電性高分子分散液を用いれば、キャパシタの等価直列抵抗をより小さくできる。
なお、導電性高分子分散液のpHはアミン化合物及び多価カルボン酸化合物の添加量によって調整される。
導電性高分子分散液の調製方法としては、ポリアニオン及び分散媒の存在下、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを酸化重合した後、アミン化合物及び多価カルボン酸化合物を添加する方法が挙げられる。
<キャパシタ>
本発明のキャパシタの一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のキャパシタ10は、弁金属の多孔質体からなる陽極11と、弁金属の酸化物からなる誘電体層12と、誘電体層12の表面に形成された固体電解質層14と、最も表側に設けられた陰極13とを具備する。
陽極11を構成する弁金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモンなどが挙げられる。これらのうち、アルミニウム、タンタル、ニオブが好適である。
陽極11の具体例としては、アルミニウム箔をエッチングして表面積を増加させた後、その表面を酸化処理したものや、タンタル粒子やニオブ粒子の焼結体表面を酸化処理してペレットにしたものが挙げられる。このように処理されたものは表面に凹凸が形成された多孔質体となる。
本実施形態における誘電体層12は、陽極11の表面が酸化されて形成された層であり、例えば、アジピン酸アンモニウム水溶液などの電解液中にて、金属体の陽極11の表面を陽極酸化することで形成されたものである。よって、図1に示すように、陽極11と同様に誘電体層12にも凹凸が形成されている。
本実施形態における陰極13としては、導電性ペーストから形成した導電層やアルミニウム箔など、導電物質製の金属層を使用することができる。
固体電解質層14は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、アミン化合物と、多価カルボン酸化合物とを含有する層である。
固体電解質層14の厚さは一定である必要はなく、例えば、1μm以上100μm以下の範囲内にあればよい。
固体電解質層14における多価カルボン酸化合物の含有量は、前記アミン化合物の質量に対して0.1倍以上20.0倍以下であることが好ましく、0.5倍以上15.5倍以下であることがより好ましく、5.51倍以上15.50倍以下であることがさらに好ましく、5.70倍以上15.20倍以下であることが特に好ましい。多価カルボン酸化合物の含有量が前記下限値以上であれば、キャパシタ10の等価直列抵抗をより小さくでき、前記上限値以下であれば、キャパシタ10の耐熱性をより向上させることができる。
固体電解質層14には、電解液が含まれてもよい。電解液としては電気伝導度が高ければ特に限定されず、電解液用溶媒中に電解質を溶解させたものが挙げられる。
電解液用溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のアルコール系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水等が挙げられる。
電解質としては、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、蟻酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸等のデカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸等のオクタンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸、あるいは、硼酸、硼酸と多価アルコールより得られる硼酸の多価アルコール錯化合物、りん酸、炭酸、けい酸等の無機酸などをアニオン成分とし、一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等)、テトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)などをカチオン成分とした電解質が挙げられる。
本実施形態のキャパシタは、例えば、誘電体層形成工程と陰極形成工程と固体電解質層形成工程とを有するキャパシタの製造方法により製造できる。
誘電体層形成工程は、弁金属の多孔質体からなる陽極11の表面を酸化して誘電体層12を形成する工程である。
誘電体層12を形成する方法としては、例えば、アジピン酸アンモニウム水溶液、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液などの化成処理用電解液中にて、陽極11の表面を陽極酸化する方法が挙げられる。
陰極形成工程は、誘電体層12に対向する位置に陰極13を形成する工程である。
陰極13を形成する方法としては、例えば、カーボンペースト、銀ペースト等の導電性ペーストを用いて陰極13を形成する方法、アルミニウム箔等の金属箔を誘電体層12に対向配置させる方法などが挙げられる。
固体電解質層形成工程は、誘電体層12の表面に導電性高分子分散液を塗布し、乾燥させて固体電解質層14を形成する工程である。
ここで、導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、上記アミン化合物と、分散媒とを含有する。
導電性高分子分散液の塗布方法としては、例えば、浸漬(すなわち、ディップコーティング)、コンマコーティング、リバースコーティング、リップコーティング、マイクログラビアコーティング等を適用することができる。これらの中でも、誘電体層12と陰極13との間に容易に固体電解質層14を形成できる点では、浸漬が好ましい。
乾燥方法としては、室温乾燥、熱風乾燥、遠赤外線乾燥など公知の手法が挙げられる。
本発明では、固体電解質層14が、導電性複合体に加えて、カルボキシ基と反応してエステル結合又はアミド結合を形成可能な官能基を有さないアミン化合物と、2つ以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸化合物とを含むことにより、キャパシタ10の等価直列抵抗を小さくでき、また、耐熱性を向上させることができる。
また、固体電解質層14に、カルボキシ基と反応してエステル結合又はアミド結合を形成可能な官能基を有さないアミン化合物と、2つ以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸化合物とが含まれても、キャパシタ10の静電容量を維持できる。
また、本発明で使用するアミン化合物は導電性高分子分散液中に分散しやすく、分散安定性に優れるため、固体電解質層を容易に形成しやすく、耐熱性に優れたキャパシタを容易に製造できる。
なお、本発明のキャパシタ及びその製造方法は上記実施形態例に限定されない。
例えば、本発明のキャパシタは、誘電体層と陰極との間に、必要に応じて、セパレータを設けてもよい。誘電体層と陰極との間にセパレータが設けられたキャパシタとしては、巻回型キャパシタが挙げられる。
セパレータとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデンなどからなるシート(不織布を含む)、ガラス繊維の不織布などが挙げられる。
セパレータの密度は、0.1g/cm以上1.0g/cm以下の範囲であることが好ましく、0.2g/cm以上0.8g/cm以下の範囲であることがより好ましい。
セパレータを設ける場合には、セパレータにカーボンペーストあるいは銀ペーストを含浸させて陰極13を形成する方法を適用することもできる。
(製造例1)
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法によりポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例2)
3,4−エチレンジオキシチオフェン14.2gと、製造例1で得たポリスチレンスルホン酸36.7gとを2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合させた。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.60質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水分散液(PEDOT−PSS水分散液)を得た。
(製造例3)
エッチドアルミニウム箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸アンモニウム10質量%水溶液中で130Vの電圧を印加し、化成(酸化処理)して、アルミニウム箔の両面に誘電体層を形成して陽極箔を得た。
次に、陽極箔の両面に、陰極リード端子を溶接させた対向アルミニウム陰極箔を、セルロース製のセパレータを介して積層し、これを円筒状に巻き取ってキャパシタ用素子を得た。
(実施例1)
製造例2で得た1.60質量%のPEDOT−PSS水分散液100gに、アミン化合物であるイミダゾール(表中では、「IZ」と表記する。)0.35g(導電性複合体100質量部に対して22質量部)及び多価カルボン酸であるコハク酸(表中では、「SucA」と表記する。)2.88g(アミン化合物の質量に対して8.23倍)を添加した。これにより得た混合液を室温で撹拌した後、高圧分散機を用い、100MPaの圧力で分散処理を施し、導電性高分子分散液を得た。導電性高分子分散液の25℃におけるpHを、pH計D−54((株)堀場製作所製)により測定したところ、2.36であった。
製造例3で得たキャパシタ用素子を導電性高分子分散液に減圧下で浸漬した後、125℃の熱風乾燥機により30分間乾燥する工程を2回繰り返して、誘電体層表面上に導電性複合体を含む固体電解質層を形成させた。
次いで、アルミニウム製のケースに、固体電解質層を形成させたキャパシタ用素子を装填し、封口ゴムで封止して、キャパシタを得た。
(実施例2)
コハク酸の添加量を5.30gに変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例3)
コハク酸の添加量を6.90gに変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例4)
コハク酸の添加量を8.00gに変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例5)
コハク酸2.88gの代わりにトリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート(表中では、「TCEI」と表記する。)2.00gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例6)
コハク酸2.88gの代わりにトリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート0.50gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例7)
コハク酸2.88gの代わりにグルタル酸(表中では、「GulA」と表記する。)2.50gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例8)
コハク酸2.88gの代わりにグルタル酸1.00gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例9)
コハク酸2.88gの代わりにグルタル酸0.10gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例10)
コハク酸2.88gの代わりにアジピン酸(表中では、「AgipA」と表記する。)1.10gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例11)
コハク酸2.88gの代わりにアジピン酸0.10gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例12)
コハク酸2.88gの代わりにマロン酸(表中では、「MaloA」と表記する。)0.08gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例13)
コハク酸の添加量を0.03gに変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例1)
多価カルボン酸を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例14)
イミダゾールの添加量を0.45gに変更し、コハク酸の添加量を2.00gに変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例15)
コハク酸2.00gの代わりにトリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート2.00gを添加した以外は実施例14と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例16)
コハク酸2.00gの代わりにグルタル酸2.00gを添加した以外は実施例14と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例17)
コハク酸2.00gの代わりにmeso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸(表中では、「mBTCA」と表記する。)1.00gを添加した以外は実施例14と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例2)
多価カルボン酸を添加しなかった以外は実施例11と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例3)
コハク酸2.00gの代わりに酢酸(表中では、「AcA」と表記する。)0.50gを添加した以外は実施例11と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例4)
コハク酸2.00gの代わりにピルビン酸(表中では、「PyruA」と表記する。)0.50gを添加した以外は実施例11と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例18)
イミダゾールの添加量を0.60g、コハク酸を1.00gに変更した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例19)
コハク酸の添加量を0.5gに変更した以外は実施例18と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例20)
イミダゾールの添加量を0.60gに変更し、コハク酸2.88gの代わりにグルタル酸0.20gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例21)
イミダゾールの添加量を0.60gに変更し、コハク酸2.88gの代わりにグルタル酸0.10gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例22)
イミダゾールの添加量を0.60gに変更し、コハク酸2.88gの代わりにグルタル酸6.00gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例23)
イミダゾールの添加量を0.60gに変更し、コハク酸2.88gの代わりにピロメリット酸(表中では、「PryoA」と表記する。)0.50gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例5)
多価カルボン酸を添加しなかった以外は実施例18と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例24)
イミダゾール0.35gの代わりにN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(表中では、「DMCHA」と表記する。)0.65gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例25)
イミダゾール0.35gの代わりにN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.65gを添加した以外は実施例5と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例26)
イミダゾール0.35gの代わりにN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.65gを添加した以外は実施例6と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例6)
多価カルボン酸を添加しなかった以外は実施例24と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例27)
イミダゾール0.35gの代わりにN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.80g、コハク酸2.88gの代わりにグルタル酸0.20gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例28)
グルタル酸の添加量を0.10gに変更した以外は実施例27と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例7)
多価カルボン酸を添加しなかった以外は実施例27と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例29)
イミダゾール0.35gの代わりにトリエチルアミン(表中では、「TEA」と表記する。)0.37gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例30)
イミダゾール0.35gの代わりにトリエチルアミン0.37gを添加した以外は実施例5と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例31)
イミダゾール0.35gの代わりにトリエチルアミン0.37gを添加した以外は実施例7と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例8)
多価カルボン酸を添加しなかった以外は実施例29と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例32)
イミダゾール0.35gの代わりにトリエチルアミン0.52gを添加した以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例33)
コハク酸の添加量を1.00gに変更した以外は実施例32と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例34)
コハク酸の添加量を0.50gに変更した以外は実施例32と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例35)
コハク酸の添加量を0.20gに変更した以外は実施例32と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例36)
イミダゾール0.35gの代わりにトリエチルアミン0.52gを添加した以外は実施例5と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例37)
イミダゾール0.35gの代わりにトリエチルアミン0.52gを添加した以外は実施例7と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例9)
多価カルボン酸を添加しなかった以外は実施例32と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例38)
トリエチルアミンの添加量を0.80gに変更した以外は実施例33と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例39)
トリエチルアミンの添加量を0.80gに変更した以外は実施例34と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例10)
多価カルボン酸を添加しなかった以外は実施例38と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例11)
イミダゾールを添加しなかった以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例12)
イミダゾールを添加しなかった以外は実施例5と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例13)
イミダゾールを添加しなかった以外は実施例7と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例14)
コハク酸及びイミダゾールを添加しなかった以外は実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
<評価>
[静電容量・等価直列抵抗]
得られた各例のキャパシタについて、LCRメータZM2376((株)エヌエフ回路設計ブロック製)を用いて、120Hzでの静電容量(C)、及び100kHzでの等価直列抵抗(ESR)を測定した。120Hzでの静電容量(C)、及び100kHzでの等価直列抵抗(ESR)の測定結果を表1〜4に示す。
[耐熱性]
得られた各例のキャパシタを125℃の熱風乾燥機中に静置し、250時間経過後に取り出し、室温で15分間冷却した。冷却後のキャパシタについて、LCRメータZM2376((株)エヌエフ回路設計ブロック製)を用いて、120Hzでの静電容量(C)、及び100kHzでの等価直列抵抗(ESR)を測定した。120Hzでの静電容量(C)、及び100kHzでの等価直列抵抗(ESR)の測定結果を表1〜4に示す。
また、耐熱試験前後の変化量として、△C=C/C、△ESR=ESR/ESRを求めた。△C及び△ESRについても表に示す。
Figure 2017216317
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ヒドロキシ基を有さないアミン化合物と多価カルボン酸とを含有する導電性高分子分散液を用いて固体電解質層を形成した実施例1〜39では、得られたキャパシタが充分な静電容量を有し、等価直列抵抗が小さく且つ耐熱性に優れていた。
ヒドロキシ基を有さないアミン化合物を含有するが多価カルボン酸を含有しない導電性高分子分散液を用いて固体電解質層を形成した比較例1〜10では、得られたキャパシタの等価直列抵抗が大きく、また、耐熱性が劣っていた。
多価カルボン酸を含有するがヒドロキシ基を有さないアミン化合物を含有しない導電性高分子分散液を用いて固体電解質層を形成した比較例11〜13では、得られたキャパシタの耐熱性は優れているが等価直列抵抗が大きかった。
ヒドロキシ基を有さないアミン化合物及び多価カルボン酸を含有しない導電性高分子分散液を用いて固体電解質層を形成した比較例14では、得られたキャパシタの耐熱性は優れているが等価直列抵抗が1桁大きかった。
10 キャパシタ
11 陽極
12 誘電体層
13 陰極
14 固体電解質層

Claims (12)

  1. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、カルボキシ基と反応してエステル結合又はアミド結合を形成可能な官能基を有さないアミン化合物と、2つ以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸化合物と、分散媒とを含有する、キャパシタ用導電性高分子分散液。
  2. 前記アミン化合物は、第3級アミン化合物、及び、窒素含有芳香族性化合物、の少なくとも一方である、請求項1に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
  3. 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、請求項1又は2に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
  4. 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
  5. 前記アミン化合物の質量に対して、前記多価カルボン酸化合物の含有量が0.1倍以上20.0倍以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
  6. 25℃におけるpHが1.80以上7.00以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載のキャパシタ用導電性高分子分散液。
  7. 弁金属の多孔質体からなる陽極と、前記弁金属の酸化物からなる誘電体層と、該誘電体層の、前記陽極と反対側に設けられた導電物質製の陰極と、前記誘電体層及び前記陰極の間に形成された固体電解質層とを具備し、
    前記固体電解質層が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、カルボキシ基と反応してエステル結合又はアミド結合を形成可能な官能基を有さないアミン化合物と、2つ以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸化合物とを含有する、キャパシタ。
  8. 前記アミン化合物は、第3級アミン化合物、及び、窒素含有芳香族性化合物、の少なくとも一方である、請求項7に記載のキャパシタ。
  9. 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、請求項7又は8に記載のキャパシタ。
  10. 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項7から9のいずれか一項に記載のキャパシタ。
  11. 前記アミン化合物の質量に対して、前記多価カルボン酸化合物の含有量が0.1倍以上20.0倍以下である、請求項7から10のいずれか一項に記載のキャパシタ。
  12. 弁金属の多孔質体からなる陽極の表面を酸化して誘電体層を形成する工程と、
    誘電体層に対向する位置に陰極を形成する工程と、
    誘電体層表面に請求項1から6のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液を塗布し、乾燥させて固体電解質層を形成する工程と、を有する、キャパシタの製造方法。
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