JP2017211054A - 変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】シームレス変速による1段ずつのアップシフトと複数段飛び超えてのダウンシフトとを実現可能な変速機を提供する。【解決手段】変速機は、ドグ操作装置5の操作により下段のドグ歯同士および上段のドグ歯同士が同時に噛合するとき、下段のドグ歯を有する可動リングをインギヤ位置から中立位置に復帰させるギヤ結合機構を備える。ドグ操作装置5は、外周面から突設された係合片52を有する軸部材50と、軸線CLaに沿って軸部材50を移動させるとともに、軸線CLaを中心にして軸部材50を回転させる駆動部60と、軸線CLaに沿って並設され、係合片52との係合動作に応じて軸線CLaに垂直方向に移動する複数の板部材70と、板部材70の動きを可動リングに伝達する動作伝達部80とを備える。【選択図】図5
Description
本発明は、車両に搭載される変速機に関する。
従来より、シングルクラッチを用いた車両用変速機において、駆動力を途切れさせずに下段から上段へのアップシフトを可能とした変速機が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の変速機では、変速機の各段のクラッチリングと駆動力伝達軸との間に、変速操作部の動作により下段および上段の噛合いクラッチが同時噛合いしたときに噛合い解除方向および噛合い方向にそれぞれ軸力を生じさせるガイド部を設ける。変速操作部は、シフト溝が形成されたシフトドラムを回転駆動することにより、シフト溝に係合したシフトアームを軸方向に移動させ、これにより噛合いクラッチのクラッチリングを軸方向に移動させる。
しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、シフトドラムの回転によりシフト溝に沿ってシフトアームを移動させることでクラッチリングを軸方向に移動させるため、下段から上段へのアップシフトだけでなく、上段から下段へのダウンシフトも1段ずつ行われる。このため、例えばアクセルペダルを急激に踏み込んで変速段を一気に複数段下げるような変速動作を行うことができず、車両の運転性が低下する。
本発明の一態様である変速機は、第1軸線を中心に回転する複数のハブと、複数のハブの各々に、軸方向に移動可能かつ一体に回転可能に支持され、変速段に対応した第1ドグ歯を有する複数の可動リングと、第1軸線を中心に回転するとともに、第1ドグ歯に対向して変速段に対応した第2ドグ歯を有する複数の変速用ギヤと、複数のハブと複数の変速用ギヤのいずれか一方を回転軸と一体に回転可能に支持する一方、いずれか他方を回転軸に対し相対回転可能に支持する支持機構と、第1ドグ歯が第2ドグ歯から離間する中立位置と第1ドグ歯が第2ドグ歯に噛合するインギヤ位置との間を移動可能に複数の可動リングを操作するドグ操作装置と、ドグ操作装置の操作により下段の第1ドグ歯および第2ドグ歯と上段の第1ドグ歯および第2ドグ歯とが同時に噛合するとき、複数の可動リングのうち下段の第1ドグ歯を有する可動リングをインギヤ位置から中立位置に復帰させる共噛み防止機構と、を備え、ドグ操作装置は、第2軸線に沿って延設され、外周面から突設された係合片を有する軸部材と、第2軸線に沿って軸部材を移動させるとともに、第2軸線を中心にして軸部材を回転させる駆動部と、第2軸線に沿って並設された複数の板部材であって、係合片が係合可能な被係合部を有し、駆動部による係合片と被係合部との係合動作に応じて、第2軸線に対し略垂直方向に移動する複数の板部材と、複数の板部材のそれぞれの動きを、板部材に対応する複数の可動リングに伝達し、可動リングを中立位置からインギヤ位置にかけてまたはインギヤ位置から中立位置にかけて移動させる動作伝達部と、を備える。
本発明によれば、軸線方向に移動可能な軸部材の外周面から突設された係合片を、複数の板部材の被係合部に係合させ、板部材の動きを可動リングに伝達するようにしたので、シームレス変速により変速段を1段ずつアップシフトするだけでなく、飛び変速も可能となり、車両の運転性が向上する。
以下、図1〜図16を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る変速機の要部構成を示すスケルトン図である。この変速機1は、例えばハイブリッド車両に搭載される。ハイブリッド車両は、エンジン2と電動機3とを備える。
変速機1は、エンジン2および電動機3の少なくとも一方の回転を速度段に応じた変速比で変速するギヤ機構10と、エンジン2のトルクをギヤ機構10に伝達または非伝達するクラッチ機構Cとを有する。ギヤ機構10を介して出力されたトルクは、図示しない作動ギヤ機構、駆動軸等を介して駆動輪に伝達され、これにより車両が走行する。
ギヤ機構10は、互いに略平行に配置され、それぞれが回転可能に支持された複数の回転軸、すなわち第1主入力軸11と第2主入力軸12と副入力軸13と出力軸14とリバース軸15とを有する。第2主入力軸12は、第1主入力軸11と同軸上にかつ第1主入力軸11を包囲するように中空に形成される。変速機1は、例えば前進8速、後進1速の自動変速機である。クラッチ機構Cは、乾式クラッチにより構成された第1クラッチC1と第2クラッチC2とを有する。なお、乾式クラッチに代えて湿式クラッチ(例えば湿式多板クラッチ)を用いることもできる。
電動機3は、例えば3相のDCブラシレスモータにより構成され、図示しない電動機3のハウジング内に回転可能に支持されたロータ3aと、ロータ3aの周囲に配置され、ハウジングに固定されたステータ3bとを有する。第1主入力軸11の一端部は、電動機3のロータ3aに接続され、第1主入力軸11はロータ3aと一体に回転可能である。ステータ3bは、ステータコアに巻回されたコイルを有し、コイルはパワードライブユニットを介してバッテリに電気的に接続される。パワードライブユニットの動作は電子制御ユニット(ECU)としてのコントローラ(図8)により制御される。これにより電動機3で発生するトルクを制御し、第1主入力軸11に電動機3のトルクを入力することができる。車両の制動時には、電動機3に回生エネルギを入力することもできる。
第1主入力軸11の他端部は、第1クラッチC1を介してエンジン2の出力軸2aに接続され、第1クラッチC1の断接に応じて第1主入力軸11と出力軸2aとが結合または遮断される。すなわち、第1クラッチC1が接続すると、第1主入力軸11と出力軸2aとが結合され、第1主入力軸11にエンジン2からのトルクを入力可能となる。一方、第1クラッチC1が遮断すると、第1主入力軸11と出力軸2aとが遮断され、エンジン2からのトルク入力が不能となる。
さらに第1主入力軸の11の他端部は、第2クラッチC2を介して第2主入力軸12の一端部に接続され、第2クラッチC2の断接に応じて第1主入力軸11と第2主入力軸12とが結合または遮断される。すなわち、第2クラッチC2が接続すると、第1主入力軸11と第2主入力軸12とが結合され、第2クラッチC2が遮断すると、第1主入力軸11と第2主入力軸12とが遮断される。例えば第1クラッチC1と第2クラッチC2の双方が接続すると、第2主入力軸12にエンジン2からのトルクが入力可能となる。第2クラッチC2のみが接続されると、第2主入力軸12に電動機3のトルクが入力可能となる。
なお、本実施形態の変速機1のクラッチ機構Cは、一対のクラッチC1,C2を有するが、これは入力軸11,12とエンジン2および電動機3との接続を切り換えるためのものである。したがって、クラッチ機構Cは、エンジン2とギヤ機構10または電動機3とギヤ機構10を断接するシングルクラッチと同様の機能を有し、奇数変速段用のクラッチと偶数変速段用のクラッチとそれぞれ有するデュアルクラッチ(ツインクラッチ)とは構成が異なる。
第2主入力軸12の周囲には、2速駆動ギヤ22と、8速駆動ギヤ28と、4速駆動ギヤ24と、7速駆動ギヤ27とが、電動機3側からこの順番に配設される。これら駆動ギヤ22,24,27,28は、それぞれベアリングを介し第1主入力軸11に対して相対回転可能に支持される。第2主入力軸12には、7速駆動ギヤ27の側方(クラッチ機構C側)にギヤ31が固定される。ギヤ31は、リバース軸15に固定されたギヤ32に噛合する。リバース軸15の周囲には、リバース駆動ギヤ29とパーキングギヤ30とがリバース軸15に対し相対回転可能に支持される。
なお、本明細書において、回転軸(第2主入力軸12、出力軸14、リバース軸15等)にギヤが固定されるとは、回転軸の外周面にギヤを加工する場合や、回転軸と別体のギヤをスプライン結合等により回転軸に支持する場合、すなわち回転軸に相対回転不能にギヤを設ける場合をいう。
図示は省略するが、ギヤ32は、副入力軸13に固定されたギヤ33に噛合する。これにより第2主入力軸12の回転がギヤ31〜33を介して副入力軸13に伝達され、副入力軸13は第2主入力軸12およびリバース軸15とともに回転する。副入力軸13の周囲には、1速駆動ギヤ21と、6速駆動ギヤ26と、3速駆動ギヤ23と、5速駆動ギヤ25とが、電動機3側からこの順番に配設される。これら駆動ギヤ21,23,25,26は、それぞれベアリングを介し副入力軸13に対して相対回転可能に支持される。
出力軸14には、1−2速従動ギヤ41と、6−8速従動ギヤ42と、3−4速従動ギヤ43と、5−7速従動ギヤ44と、ファイナルギヤ45とが、電動機3側からこの順番に固定される。1−2速従動ギヤ41は、1速駆動ギヤ21と2速駆動ギヤ22とにそれぞれ噛合する。なお、図示は省略するが、1−2速従動ギヤ41はリバース駆動ギヤ29にも噛合する。6−8速従動ギヤ42は、6速駆動ギヤ26と8速駆動ギヤ28とにそれぞれ噛合する。3−4速従動ギヤ43は、3速駆動ギヤ23と4速駆動ギヤ24とにそれぞれ噛合する。5−7速従動ギヤ44は、5速駆動ギヤ25と7速駆動ギヤ27とにそれぞれ噛合する。
パーキングギヤ30は、図示しないパーキングギヤ機構の係合爪と噛合可能に構成される。パーキングギヤ機構の作動に応じてパーキングギヤ30に係合爪が係合すると、ギヤ機構10がロックされ、係合爪の係合が解除されると、ギヤ機構10がアンロックされる。変速機1のトルクは、ファイナルギヤ45を介して、図示しない作動ギヤ機構に出力される。
変速機1は、駆動ギヤ21〜29をトルク伝達用の回転軸に結合する複数のギヤ結合機構を有する。すなわち、2速駆動ギヤ22または8速駆動ギヤ28を第2主入力軸12に結合する第1ギヤ結合機構1GEと、4速駆動ギヤ24または7速駆動ギヤ27を第2主入力軸12に結合する第2ギヤ結合機構2GEと、1速駆動ギヤ21または6速駆動ギヤ26を副入力軸13に結合する第3ギヤ結合機構3GEと、3速駆動ギヤ23または5速駆動ギヤ25を副入力軸13に結合する第4ギヤ結合機構4GEと、リバース駆動ギヤ29をリバース軸15に結合する第5ギヤ結合機構5GEとを有する。
図2は、第1ギヤ結合機構1GEの構成を示す分解斜視図であり、図3は、第1ギヤ結合機構1GEの組立て状態を示す変速機1の要部断面図である。図2,3に示すように、第1ギヤ結合機構1GEは、2速駆動ギヤ22と8速駆動ギヤ28との間に配置され、第2主入力軸12に固定されたハブHB1と、ハブHB1の外周面に沿って軸方向(図3の矢印AB方向)に移動可能に支持された可動リングDR1とを有する。より具体的には、ハブHB1は、スプライン12aを介して第2主入力軸12の外周面に一体に回転可能に固定され、2速駆動ギヤ22と8速駆動ギヤ28とは、ベアリング12b,12cを介して第2主入力軸12の外周面に相対回転可能に設けられる。スプライン12aとベアリング12b,12cは、第2主入力軸11に対し一体にハブHB1を回転可能に支持するとともに、駆動ギヤ22,28を相対回転可能に支持する支持機構120を構成する。
軸線CL0を中心とした可動リングDR1の内周面には、径方向内側に向けて周方向複数の略円柱形状のガイドピンDRaが突設され、軸線CL0を中心としたハブHB1の外周面には、ガイドピンDRaに対応して軸方向一端面から他端面にかけて略V字状のガイド溝HBaが設けられる。ガイドピンDRaはガイド溝HBaに嵌合し、可動リングDR1は、ガイドピンDRaがガイド溝HBaにガイドされながら軸方向に移動する。可動リングDR1の軸方向一端面(2速駆動ギヤ22側)には、周方向等間隔にドグ歯D2aが突設され、軸方向他端面(8速駆動ギヤ28側)には、周方向等間隔にドグ歯D8aが突設される。
2速駆動ギヤ22は、外周面に形成された変速ギヤ部22aと、ドグ歯D2aに対向して軸方向端部に設けられたドグ歯D2bとを有する。より具体的には、2速駆動ギヤ22は、外周面に変速ギヤ部22aが形成されたギヤ本体221と、ギヤ本体221の可動リングDR1側の端部にスプライン結合により取り付けられた噛合リング222とを一体に有する。噛合リング222には、可動リングDR1のドグ歯D2aに対応して周方向複数の開口部22bが設けられる。このため、2速駆動ギヤ22(噛合リング222)の軸方向端面は周方向に凹凸状に形成され、これにより2速駆動ギヤ22の軸方向端部に、ドグ歯D2aに対向してドグ歯D2bが設けられる。
8速駆動ギヤ28は、外周面に形成された変速ギヤ部28aと、ドグ歯D8aに対向して軸方向端部に設けられたドグ歯D8bとを有する。より具体的には、8速駆動ギヤ28には、可動リングDR1のドグ歯D8aに対応して周方向複数の開口部28bが設けられ、8速駆動ギヤ28の軸方向端面は周方向に凹凸状に形成される。これにより8速駆動ギヤ28の軸方向端部にドグ歯D8aに対向してドグ歯D8bが設けられる。
図3では、可動リングDR1のドグ歯D2a,D8aが2速駆動ギヤ22および8速駆動ギヤ28のいずれのドグ歯D2b,D8bにも噛合しておらず、可動リングDR1は中立位置に位置し、第1ギヤ結合機構1GEは中立状態にある。この状態から可動リングDR1が矢印A方向のインギヤ位置に移動してドグ歯D2aがドグ歯D2bに噛合すると、2速駆動ギヤ22が第2主入力軸12に結合し、第1ギヤ結合機構1GEはギヤ結合状態となる。また、可動リングDR1が矢印B方向のインギヤ位置に移動してドグ歯D8aがドグ歯D8bに噛合すると、8速駆動ギヤ28が第2主入力軸12に結合し、第1ギヤ結合機構1GEはギヤ結合状態となる。
図1において、第1ギヤ結合機構1GEを介して2速駆動ギヤ22が第2主入力軸12に結合すると、第2主入力軸12の回転が2速駆動ギヤ22、1−2速従動ギヤ41を介して出力軸14に伝達され、2速段が確立する。第1ギヤ結合機構1GEを介して8速駆動ギヤ28が第2主入力軸12に結合すると、第2主入力軸12の回転が8速駆動ギヤ28、6−8速従動ギヤ42を介して出力軸14に伝達され、8速段が確立する。
詳細な図示は省略するが、他のギヤ結合機構2GE〜5GEも第1ギヤ結合機構1GEと同様に構成される。
すなわち、第2ギヤ結合機構2GEは、4速駆動ギヤ24と7速駆動ギヤ27との間に配置され、第2主入力軸12に固定されたハブHB2と、ハブHB2の外周面に沿って軸方向に移動可能に支持された可動リングDR2とを有する。可動リングDR2は、軸方向一端面にドグ歯D4aを、軸方向他端面にドグ歯D7aを有する。4速駆動ギヤ24は、軸方向一端部に変速ギヤ部を、軸方向他端部にドグ歯D4aに対向してドグ歯D4bを有する。7速駆動ギヤ27は、軸方向一端部に変速ギヤ部を、軸方向他端部にドグ歯D7aに対向してドグ歯D7bを有する。
可動リングDR2が軸方向一方のインギヤ位置に移動してドグ歯D4aがドグ歯D4bに噛合すると、4速駆動ギヤ24が第2主入力軸12に結合する。これにより第2主入力軸12の回転が4速駆動ギヤ24、3−4速従動ギヤ43を介して出力軸14に伝達され、4速段が確立する。可動リングDR2が軸方向他方のインギヤ位置に移動してドグ歯D7aがドグ歯D7bに噛合すると、7速駆動ギヤ27が第2主入力軸12に結合する。これにより第2主入力軸12の回転が7速駆動ギヤ27、5−7速従動ギヤ44を介して出力軸14に伝達され、7速段が確立する。
第3ギヤ結合機構3GEは、1速駆動ギヤ21と6速駆動ギヤ26との間に配置され、副入力軸13に固定されたハブHB3と、ハブHB3の外周面に沿って軸方向に移動可能に支持された可動リングDR3とを有する。可動リングDR3は、軸方向一端面にドグ歯D1aを、軸方向他端面にドグ歯D6aを有する。1速駆動ギヤ21は、軸方向一端部に変速ギヤ部を、軸方向他端部にドグ歯D1aに対向してドグ歯D1bを有する。6速駆動ギヤ26は、軸方向一端部に変速ギヤ部を、軸方向他端部にドグ歯D6aに対向してドグ歯D6bを有する。
可動リングDR3が軸方向一方のインギヤ位置に移動してドグ歯D1aがドグ歯D1bに噛合すると、1速駆動ギヤ21が副入力軸13に結合する。これにより副入力軸13の回転が1速駆動ギヤ21、1−2速従動ギヤ41を介して出力軸14に伝達され、1速段が確立する。可動リングDR3が軸方向他方のインギヤ位置に移動してドグ歯D6aがドグ歯D6bに噛合すると、6速駆動ギヤ26が副入力軸13に結合する。これにより副入力軸13の回転が6速駆動ギヤ26、6−8速従動ギヤ42を介して出力軸14に伝達され、6速段が確立する。
第4ギヤ結合機構4GEは、3速駆動ギヤ23と5速駆動ギヤ25との間に配置され、副入力軸13に固定されたハブHB4と、ハブHB4の外周面に沿って軸方向に移動可能に支持された可動リングDR4とを有する。可動リングDR4は、軸方向一端面にドグ歯D3aを、軸方向他端面にドグ歯D5aを有する。3速駆動ギヤ23は、軸方向一端部に変速ギヤ部を、軸方向他端部にドグ歯D3aに対向してドグ歯D3bを有する。5速駆動ギヤ25は、軸方向一端部に変速ギヤ部を、軸方向他端部にドグ歯D5aに対向してドグ歯D5bを有する。
可動リングDR4が軸方向一方のインギヤ位置に移動してドグ歯D3aがドグ歯D3bに噛合すると、3速駆動ギヤ23が副入力軸13に結合する。これにより副入力軸13の回転が3速駆動ギヤ23、3−4速従動ギヤ43を介して出力軸14に伝達され、3速段が確立する。可動リングDR4が軸方向他方のインギヤ位置に移動してドグ歯D5aがドグ歯D5bに噛合すると、5速駆動ギヤ25が副入力軸13に結合する。これにより副入力軸13の回転が5速駆動ギヤ25、5−7速従動ギヤ44を介して出力軸14に伝達され、5速段が確立する。
第5ギヤ結合機構5GEは、リバース軸15に固定されたハブHB5と、ハブHB5の外周面に沿って軸方向に移動可能に支持された可動リングDR5とを有する。可動リングDR5は、軸方向一端面にドグ歯D9aを有する。リバース駆動ギヤ29は、軸方向一端部に変速ギヤ部を、軸方向他端部にドグ歯D9bを有する。
可動リングDR5が軸方向一方のインギヤ位置に移動してドグ歯D9aがドグ歯D9bに噛合すると、リバース駆動ギヤ29がリバース軸15に結合する。これによりリバース軸15の回転がリバース駆動ギヤ29、1−2速従動ギヤ41を介して出力軸14に伝達され、後進段が確立する。なお、図示は省略するが、可動リングDR5が軸方向他方のパーキング作動位置に移動すると、パーキングギヤ機構が作動し、パーキングギヤ機構の係合爪がパーキングギヤ30に係合してギヤ機構10がロックされる。
上述したように、ギヤ結合機構1GE〜5GEのハブHB1〜HB5の外周面には、それぞれV字状のガイド溝HBaが設けられ、各ガイド溝HBaに可動リングDR1〜DR5のガイドピンDRaがそれぞれ係合する。図4A,4Bは、それぞれ加速時および減速時におけるガイド溝HBaからガイドピンDRaに作用する力の向きを表す図である。ここでは一例として、ギヤ結合状態にある第1ギヤ結合機構1GEのガイド溝HBaからガイドピンDRaに作用する力の向き、すなわち2速駆動ギヤ22のドグ歯D2bが可動リングDR1のドグ歯D2aに噛合した状態でガイドピンDRaに作用する力の向きを示す。なお、図示は省略するが、他のギヤ結合機構GE2〜GE5がギヤ結合状態となった場合にも、ギヤ結合機構GE2〜GE5のガイドピンDRaに図4A,4Bに示すのと同様の力がガイド溝HBaから作用する。
車両の前進走行時には、ハブHB1は、図4A,4Bの矢印F方向に回転し、後進走行時には矢印R方向に回転する。ガイド溝HBaは、互いに対向する一対の側面、すなわち前進回転側における側面HBa1と後進回転側における側面HBa2とを有する。ガイド溝HBaは、ハブHB1の軸方向(AB方向)長さの中間を通る中心線CL1に対して対称に、かつ、全長にわたって溝幅が一定となるように形成され、軸方向中央部が矢印F方向に突出するように略V字形状を呈する。したがって、側面HBa1,HBa2は、軸線CL0(図3)に平行な仮想線CL2に対してそれぞれ所定角度θ1で傾斜しており、中心線CL1の両側の一対の側面HBa1のなす角θ0は180°より小さい。
図4Aに示すように、2速走行での加速時には、ハブHB1の回転が可動リングDR1の回転よりも速い。このため、ハブHB1のガイド溝HBaの側面HBa2がガイドピンDRaの外周面に当接し、ガイドピンDRaに加速方向のトルクに対応した矢印F方向の押圧力FAが作用する。このとき、ガイド溝HBaの側面HBa2が軸方向の仮想線CL2に対し角度θ1で傾斜していることから、ガイドピンDRaには押圧力FAに垂直な矢印A方向への軸力Fa、すなわち2速駆動ギヤ22と可動リングDR1との噛合わせを促進するような力(噛合い促進力と呼ぶ)も作用する。
一方、図4Bに示すように、2速走行における減速時には、ハブHB1の回転が可動リングDR1の回転よりも遅い。このため、ハブHB1のガイド溝HBaの側面HBa1がガイドピンDRaに当接し、ガイドピンDRaに減速方向のトルクに対応した矢印R方向の押圧力FBが作用する。このとき、ガイド溝HBaの側面HBa1が軸方向の仮想線CL2に対し角度θ1で傾斜していることから、ガイドピンDRaには押圧力FBに垂直な矢印B方向への軸力Fb、すなわち2速駆動ギヤ22と可動リングDR1との噛合わせを解除するような力(噛合い解除力と呼ぶ)も作用する。
本実施形態では、下段ギヤから上段ギヤへ1段だけアップシフトする際、下段ギヤと上段ギヤとを同時に噛み合わせるように変速機1を構成する。したがって、例えば4速段から5速段へのアップシフト時には、第2ギヤ結合機構2GEを介して4速駆動ギヤ24が第2主入力軸12に結合された状態で、さらに第4ギヤ結合機構4GEを介して5速駆動ギヤ25が副入力軸13に結合される。
このとき、第2ギヤ結合機構2GEのハブHB2の回転は可動リングDR2(4速駆動ギヤ24)の回転よりも遅い。一方、第4ギヤ結合機構4GEのハブHB4の回転は可動リングDR4(5速駆動ギヤ25)の回転よりも速い。このため、4速駆動ギヤ24は図4Bの減速状態となり、5速駆動ギヤ25は図4Aの加速状態となる。すなわち、4速駆動ギヤ24と5速駆動ギヤ25とがそれぞれ可動リングDR2,DR4に同時に噛合すると、5速駆動ギヤ25は4速駆動ギヤ24よりも速く回転するため、4速駆動ギヤ24には、出力軸14を介して出力トルクの一部が循環トルクとして作用する。
この循環トルクによって第2ギヤ結合機構2GEのガイドピンDRaに噛合い解除力Fb(図4B)が作用し、可動リングDR2が図4Bの矢印B方向(噛合い解除方向)に移動する。これにより、可動リングDR2のドグ歯D4aと4速駆動ギヤ24のドグ歯D4bとの噛合いが解除され、第2ギヤ結合機構2GEは中立状態となる。一方、第4ギヤ結合機構4GEのガイドピンDRaには噛合い促進力Fa(図4A)が作用し、可動リングDR4が図4Aの矢印A方向(噛合い促進方向)に押圧される。これにより可動リングDR4のドグ歯D5aと5速駆動ギヤ25のドグ歯D5bとの噛合状態が維持され、第4ギヤ結合機構4GEはギヤ結合状態となる。
このように一対の駆動ギヤを同時に噛合させながら変速する態様を、シームレス変速と呼ぶ。シームレス変速でアップシフトすることで、トルク抜けがなくスムーズな変速が可能となる。これに対し、一対の駆動ギヤを同時に噛合させることなく、全てのギヤ結合機構1GE〜5GEを一旦中立状態に戻してから変速する態様を、通常変速(非シームレス変速)と呼ぶ。本実施形態では、後述するようにシームレス変速だけでなく通常変速も実現可能に変速機1が構成される。
可動リングDR1〜DR5は、それぞれドグ操作装置により中立位置からインギヤ位置またはインギヤ位置から中立位置に移動し、ドグ操作装置によりシームレス変速または通常変速が行われる。以下、本実施形態に係るドグ操作装置の構成について説明する。
図5,6は、それぞれ変速機1内のギヤ機構10とドグ操作装置5の要部構成を示す斜視図および側面図である。なお、以下では、便宜上、図示のように互いに直交する3方向をそれぞれ前後方向、左右方向および上下方向と定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。上下方向は、例えば車両の高さ方向に相当し、左右方向は、例えば車幅方向または車両の長さ方向に相当する。
図5,6に示すように、ドグ操作装置5は、軸線CLaに沿って上下方向に延在するシフトシャフト50と、シフトシャフト50の上端部に接続されたアクチュエータ60と、シフトシャフト50の下端部を包囲する複数のシフトレール70と、各々のシフトレール70の動きを対応する可動リングDR1〜DR5に伝達する複数のシフトフォーク80とを有する。アクチュエータ60は、シフトシャフト50を上下方向に移動させる第1モータ61と、軸線CLaを中心にシフトシャフト50を回転させる第2モータ62とを含む。シフトレール70は、可動リングDR1〜DR5に対応した数(5個)だけ設けられる。
シフトシャフト50は、軸線CLaに沿って延在する略円柱形状の軸体51と、軸体51の下部に固定されたフィンガー52とを有する。図7は、フィンガー52の斜視図であり、図8は、フィンガー52の側面図である。なお、図8には、フィンガー52の周囲に配置されるシフトレール70の一部(断面図)を併せて示す。
図7,8に示すように、フィンガー52は、軸線CLaに沿って上下方向に延在する円筒部520と、円筒部520の外周面から軸線CLaに対して垂直な第1方向(図7の矢印A方向)に突出した第1突出部FG1と、円筒部520の外周面から第1方向の反対の第2方向(図7の矢印B方向)に突出した第2突出部FG2とを有する。円筒部520には、上下方向に貫通孔520aが開口され、貫通孔520aに軸体51が挿通されて、軸体51にフィンガー52が例えば溶接などで一体に固定される。
フィンガー52は、上下方向に連なる第1フィンガー部521〜第9フィンガー部529を一体に有する。各フィンガー部521〜529の上下方向の長さ(高さ)ΔL1は互いに等しく、軸線CLaに垂直な切断面によって切断した各フィンガー部521〜529の断面形状は、その高さΔL1方向にわたってほぼ一定である。
図9A〜図9Eは、それぞれ軸線CLaに対して垂直な図8のA−A線に沿って切断した第1フィンガー部521、図8のB−B線に沿って切断した第2フィンガー部522、図8のC−C線に沿って切断した第3フィンガー部523、図8のD−D線に沿って切断した第5フィンガー部525、および図8のE−E線に沿って切断した第6フィンガー部526の構成を示す断面図(上方から見た断面図)である。なお、図示は省略するが、第4フィンガー部524と第9フィンガー部529の構成は第3フィンガー部523(図9C)の構成と等しく、第7フィンガー部527の構成は第6フィンガー部526(図9E)の構成と等しく、第8フィンガー部528の構成は第1フィンガー部521(図9A)の構成と等しい。
フィンガー52は、図9Cの断面形状を基準形状とし、所定のフィンガー部において、基準形状に変更を加えて構成される。まず、基準形状について説明する。図9Cに示すように、第3フィンガー部523と第4フィンガー部524と第9フィンガー部529とは、それぞれ円筒部520の外周面から軸線CLaに垂直な軸線CLbに沿って突出する第1突出部FG1と第2突出部FG2とを有する。
第1突出部FG1と第2突出部FG2とは、互いに同一形状であり、さらに第1突出部FG1と第2突出部FG2とは、それぞれ軸線CLbに関して対称に構成される。すなわち、第1突出部FG1の一対の側面FG11,FG12と第2突出部FG2の一対の側面FG21,FG22とは、それぞれ軸線CLbに関し対称に形成される。なお、以下では、突出部FG1,FG2の側面FG11,FG12,FG21,FG22のうち、軸線CLaを中心とした第1回転方向(矢印R1方向)側の側面FG11,FG21を第1側面、軸線CLaを中心とした第1回転方向と反対の第2回転方向(矢印R2方向)側の側面FG12,FG22を第2側面と呼ぶ。
第1突出部FG1の第1側面FG11と第2側面FG12とは、第1周面FG13により接続される。第2突出部FG2の第1側面FG21と第2側面FG22とは、第2周面FG23により接続される。第1周面FG13および第2周面FG23は、それぞれ軸線CLaを中心とした半径r1の円弧に沿って形成される。
図9Aに示すように、第1フィンガー部521および第8フィンガー部528は、第1突出部FG1の第1側面FG11と第2側面FG12とが軸線CLbに関し対称に構成される。一方、第2突出部FG2の第1側面FG21と第2側面FG22とは非対称に構成される。すなわち、第2突出部FG2の第1側面FG21には切り欠きCT1が設けられ、第1側面FG21は基準形状(点線)よりも軸線CLb側に位置する。
図9Bに示すように、第2フィンガー部522は、第2突出部FG2の第1側面FG21と第2側面FG22とが軸線CLbに関し対称に構成される。一方、第1突出部FG1の第1側面FG11と第2側面FG12とは非対称に構成される。すなわち、第1突出部FG1の第2側面FG12には切り欠きCT2が設けられ、第2側面FG12は基準形状(点線)よりも軸線CLb側に位置する。
図9Dに示すように、上下方向中央の第5フィンガー部525は、第2突出部FG2を有さず第1突出部FG1のみを有し、円筒部520から軸線CLbに沿って一方のみに突出する。この第1突出部FG1の先端部には突起部FG3が設けられる。したがって、第5フィンガー部525の第1突出部FG1は基準形状(点線)よりも所定量だけ突出し、軸線CLaから突起部FG3の先端までの長さr3は、図9Cのr1よりも長い。なお、突起部FG3を有する第1突出部FG1の第1側面FG11と第2側面FG12とは、軸線CLbに関して対称に形成される。
図9Eに示すように、第6フィンガー部526および第7フィンガー部527は、第1突出部FG1の第1側面FG11と第2側面FG12とが軸線CLbに関し対称に構成される。一方、第2突出部FG2の第1側面FG21と第2側面FG22とは非対称に構成される。すなわち、第2突出部FG2の第2側面FG22には切り欠きCT3が設けられ、第2側面FG22は基準形状(点線)よりも軸線CLb側に位置する。
図10は、フィンガー52の構成をモデル化して示す図である。図10には、第1フィンガー部521〜第9フィンガー部529の第1突出部FG1をそれぞれF1〜F9で、第1フィンガー部521〜第4フィンガー部524および第6フィンガー部526〜第9フィンガー部529の第2突出部FG2をそれぞれF10〜F17で表す。
さらに、後述するように、変速機1を図1の電動機3側、すなわち1速〜4速のいずれかにシフトするときに、切り欠きCT1(図9A)によってシフトのタイミングを遅延させる係合部、すなわち、第1フィンガー部521の第1突出部F10および第8フィンガー部528の第2突出部F16を、それぞれ添え字aを付してF10a,F16aで表す。また、後述するように、変速機1を図1のクラッチ機構側、すなわち5速〜8速のいずれかにシフトするときに、切り欠きCT2,C3(図9B,9E)によってシフトのタイミングを遅延させる係合部、すなわち、第2フィンガー部522の第1突出部F2、第7フィンガー部527の第2突出部F14および第8フィンガー部528の第2突出部F15を、それぞれ符号bを付してF2b,F14b,F15bで表す。突起部FG3を有する第5フィンガー部525の第1突出部F5を、添え字cを付してF5cで表す。
以上のように構成されたフィンガー52の周囲に、互いに同一形状の複数(5個)のシフトレール70、すなわち、図5,6,8に示すように第1シフトレール71〜第5シフトレール75が上下方向に互いに等間隔に離間して配置される。
図8に示すように、上下方向に隣り合うシフトレール71〜75間の距離ΔL2は、各フィンガー部521〜529の上下方向の長さΔL1と等しい。シフトレール70に対するフィンガー52の上下方向の位置は、アクチュエータ60によるフィンガー52の上下動により変更される。これにより第1フィンガー部521〜第9フィンガー部529を、所望のシフトレール71〜75の内周面に対向して配置することができる。フィンガー52の移動可能な方向(上下方向)をセレクト方向と呼ぶ。フィンガー52を回転させることで、フィンガー52の突出部FG1,FG2をシフトレール71〜75の内周面に係合可能となる。
図11は、シフトレール70(第1シフトレール71〜第5シフトレール75)の平面図(上方から見た図)である。図11には、中立姿勢のフィンガー52の基準形状(図9C)を実線で、切り欠きCT1〜CT3(図9A,図9B,図9E)および突起部FG3(図9D)を点線で示す。なお、中立姿勢とは、軸線CLaを通って前後方向に延在する基準線CLdと、軸線CLbとのなす角(フィンガー回転角)θaが0°の場合をいう(図14参照)。
図11に示すように、シフトレール70は、軸線CLaに対して垂直方向(前後左右方向)に延在する略矩形の板状に形成される。シフトレール70は、上下方向に貫通する開口部700を有し、開口部700にフィンガー52が上下方向に移動可能かつ軸線CLaを中心に回転可能に配置される。開口部700の中心を通って上下方向に延在する中心線をCLcとすると、中心線CLcは、図11に示すようにシフトレール70が左右方向中間の中立位置に位置するとき、フィンガー52の軸線CLaに一致する。
開口部700は、中心線CLcを中心に半径r2の仮想円に沿って形成された左右一対の周面701と、周面701から軸線CLbに沿って前後方向に略コ字状に切り欠かれた前後一対の切り欠き部702,703とを有する。周面701の半径r2は、軸線CLaからフィンガー52の第1周面FG13および第2周面FG23までの長さ(図9Cの半径r1)以上であり、かつ、軸線CLaからフィンガー52の突起部FG3の先端までの長さ(図9Dの半径r3)よりも短い。
切り欠き部702は、前後方向に延在する左右一対の側面702a,702bと、側面702a,702b同士を接続する前端面702cとを有する。切り欠き部703は、前後方向に延在する左右一対の側面703a,703bと、側面703a,703b同士を接続する後端面703cとを有する。中心線CLcから切り欠き部703の後端面703cまでの長さは、中心線CLcから切り欠き部702の前端面702cまでの長さよりも長く、かつ、フィンガー52の突起部FG3の半径r3よりも長い。フィンガー52は、中立姿勢において、第1突出部FG1が切り欠き部703に配置され、第2突出部FG2が切り欠き部702に配置されるように配置される。
各シフトレール71〜75の端部70aには、それぞれ対応するシフトフォーク80の一端部が固定される。なお、シフトフォーク80が固定される端部70aの位置および形状は、シフトレール71〜75毎に異なる。図5,6に示すように、各シフトフォーク80の他端部はギヤ結合機構1GE〜5GEの可動リングDR1〜DR5にそれぞれ連結される。
各シフトフォーク80は、左右方向に延在するガイド81に沿って左右方向に移動可能に支持され、各シフトレール71〜75は、フィンガー52との係合動作に応じてシフトフォーク80と一体に左右方向に移動する。すなわち、シフトレール71〜75は、図11の中立位置から右側にシフトした右シフト位置または左側にシフトした左シフト位置へ、あるいは右シフト位置または左シフト位置から中立位置に移動する。シフトレール71〜75の移動可能な方向(左右方向)をシフト方向と呼ぶ。シフトレール71〜75の左右方向の移動に伴い、シフトフォーク80を介して可動リングDR1〜DR5が左右方向に移動する。
図12は、シフトレール70の構成を可動リングDR1〜DR5に対応付けて示す図である。図12に示すように、第1シフトレール71はシフトフォーク80を介して第1ギヤ結合機構1GEの可動リングDR1に連結され、第2シフトレール72はシフトフォーク80を介して第2ギヤ結合機構2GEの可動リングDR2に連結され、第3シフトレール73はシフトフォーク80を介して第5ギヤ結合機構5GEの可動リングDR5に連結され、第4シフトレール74はシフトフォーク80を介して第3ギヤ結合機構3GEの可動リングDR3に連結され、第5シフトレール75はシフトフォーク80を介して第4ギヤ結合機構4GEの可動リングDR4に連結される。
フィンガー52の回転によるシフトレール70とフィンガー52との係合動作により、第1シフトレール71が中立位置から左シフト位置または右シフト位置に移動すると、可動リングDR1が2速駆動ギヤ側または8速駆動ギヤ側のインギヤ位置に移動して2速段または8速段が確立する。第2シフトレール72が中立位置から左シフト位置または右シフト位置に移動すると、可動リングDR2が4速駆動ギヤ側または7速駆動ギヤ側のインギヤ位置に移動して4速段または7速段が確立する。
第3シフトレール73が中立位置から左シフト位置または右シフト位置に移動すると、可動リングDR5がリバース駆動ギヤ側のインギヤ位置またはパーキング作動位置に移動して後進段が確立またはパーキング機構が作動する。第4シフトレール74が中立位置から左シフト位置または右シフト位置に移動すると、可動リングDR3が1速駆動ギヤ側または6速駆動ギヤ側のインギヤ位置に移動して1速段または6速段が確立する。第5シフトレール75が中立位置から左シフト位置または右シフト位置に移動すると、可動リングDR4が3速駆動ギヤ側または5速駆動ギヤ側のインギヤ位置に移動して3速段または5速段が確立する。
フィンガー駆動用のアクチュエータ60は、電子制御ユニットの一部を構成する図8のコントローラ63により制御される。コントローラ63は、L、S、D、N、R、P等のレンジに操作可能なレンジセレクタの操作に応じて変速段を選択する。レンジセレクタの操作によりDレンジが選択されると、自動変速モードとなり、アクセルペダルの踏み込み量と車速とに基づいてコントローラ63が目標変速段を選択する。さらにコントローラ63は、変速機1が目標変速段となるようにフィンガー52のセレクト方向の移動および回転を制御し、所望のシフトレール70をシフト方向に移動させる。
図13は、現在の変速段(現段)から目標変速段(次段)に変速するときのシフトレール70に対するフィンガー52の位置関係を示す図である。より詳しくは、目標変速段に応じてフィンガー52をセレクト方向に移動させた後の、第1シフトレール71〜第5シフトレール75(図12)に対応するフィンガー52の突出部F1〜F17(図10)の位置関係を示す図である。なお、図13では、突出部F2,F5,F10,F14〜F16について、図10の括弧書きの符号を用いる。
以下では、上下方向中央の第5フィンガー部525の突出部F5cが、2−8速用の第1シフトレール71に対向する位置を2−8速セレクト位置、4−7速用の第2シフトレール72に対向する位置を4−7速セレクト位置、リバースおよびパーキング用の第3シフトレール73に対向する位置をR−Pセレクト位置、1−6速用の第4シフトレール74に対向する位置を1−6速セレクト位置、3−5速用の第5シフトレール75に対向する位置を3−5速セレクト位置と呼ぶ。フィンガー52は、目標変速段に応じて上述のいずれかのセレクト位置に移動する。
例えば目標変速段が5速である場合、フィンガー52は中立姿勢のまま3−5速セレクト位置に移動する。このとき、図13のA部に示すように、第5フィンガー部525の突出部F5は、3―5速用の第5シフトレール75の内周面に対向するように配置される。第1フィンガー部521の突出部F1,F10aは、2―8速用の第1シフトレール71の内周面に対向するように配置される。第2フィンガー部522の突出部F2b,F11は、4−7速用の第2シフトレール72の内周面に対向するように配置される。第3フィンガー部523の突出部F3,F12は、R−P用の第3シフトレール73の内周面に対向するように配置される。第4フィンガー部524の突出部F4,F13は、1―6速用の第4シフトレール74の内周面に対向するように配置される。
また、例えば目標変速段が2速である場合には、フィンガー52は中立姿勢のまま2−8速セレクト位置に移動する。このとき、図13のB部に示すように、第5フィンガー部525の突出部F5cは、2―8速用の第1シフトレール71の内周面に対向するように配置される。第6フィンガー部526の突出部F6,F14bは、4―7速用の第2シフトレール72の内周面に対向するように配置される。第7フィンガー部527の突出部F7,F15bは、R−P用の第3シフトレール73の内周面に対向するように配置される。第8フィンガー部528の突出部F8,F16aは、1−6速用の第4シフトレール74の内周面に対向するように配置される。第9フィンガー部529の突出部F9,F17は、3−5速用の第5シフトレール75の内周面に対向するように配置される。
このようにアクチュエータ60の駆動によって、目標変速段に応じてフィンガー52がセレクト方向に移動させられた後、軸線CLa(図8)を中心にフィンガー52が回転させられ、シフトレール70との係合動作が行われる。図14は、4速から5速へのアップシフト時における係合動作の一例を時系列に沿って示す図である。図14の上段は、4−7速用の第2シフトレール72(開口部700のみ図示)に対する第2フィンガー部522の位置関係を、下段は、3−5速用の第5シフトレール75(開口部700のみ図示)に対する第5フィンガー部525の位置関係を示す。なお、図14には、変速開始時(時点a)のシフトレール72,75の状態を点線で示す。
4速から5速に変速する場合、フィンガー52は中立姿勢のまま4−7速セレクト位置から3−5速セレクト位置に移動する。変速機1が4速に変速された状態では、第2シフトレール72は左シフト位置に移動する(図12)。したがって、図14に示すように、フィンガー52が3−5速セレクト方向に移動した直後の変速開始時(時点t1)には、第2シフトレール72は中立位置から左側にずれて左シフト位置に移動したままであり、第2シフトレール72の中心線CLcはフィンガー52の軸線CLaよりも所定距離ΔLa0だけ左側にずれる。このとき、第5シフトレール75は中立位置にあり、中心線CLcは軸線CLaに一致する。
この状態で、フィンガー52が軸線CLaを中心に矢印R1方向に回転して、フィンガー回転角θaが所定角度θa2に達すると(時点t2)、第2フィンガー部522の第1突出部FG1(F2b)の第2側面FG12が、第2シフトレール72の切り欠き部703の側面703bに接触する。これにより第2フィンガー部522の第1突出部FG1から第2シフトレール72に右方への押圧力が作用する。第2フィンガー部252の第2側面FG12には切り欠きCT2が設けられているため、基準形状のフィンガー部(第3フィンガー部523等)が接触する場合に比べ、接触時のフィンガー回転角θaは大きく、側面FG12が側面703bに接触するタイミングは遅い。
フィンガー回転角θaが所定角度θa3(>θa2)に達すると(時点t3)、第5フィンガー部525の突起部FG3(F5c)の側面FG12が、第5シフトレール75の切り欠き部703の側面703bに接触する。フィンガー回転角θaが所定角度θa4(>θa3)に達すると(時点t4)、第5フィンガー部525の第1突出部FG1からの押圧力により、第5シフトレール75が中立位置から右側に所定距離ΔLa1だけシフトする。これにより、図1に示す可動リングDR4のドグ歯D5aが5速駆動ギヤ25のドグ歯D5bに接触を開始する。
フィンガー回転角θaが所定角度θa5(>θa4)に達すると(時点t5)、第5シフトレール75が右側へ所定距離ΔLa2だけシフトする。これにより、可動リングDR4がインギヤ位置に移動し、ドグ歯D5a,D5b同士が噛み合って、5速段が確立する。フィンガー回転角θaが所定角度θa6(>θa5)に達すると(時点t6)、第2シフトレール72が中立位置に近づき、第2シフトレール72の中心線CLcから軸線CLaまでの距離が所定距離ΔLa3となる。これにより、可動リングDR2(図1)が中立位置に移動し、ドグ歯D2a,D2b同士の噛合が解除される。
時点t5から時点t6までの間は、4速駆動ギヤ24のドグ歯D4bが可動リングDR2のドグ歯D4aに噛み合った状態で、同時に5速駆動ギヤ25のドグ歯D5aが可動リングDR4のドグ歯D5bに噛み合う。このとき、上述したように、下段の可動リングDR2には、出力軸14を介した循環トルクが作用するとともに、循環トルクにより噛合い解除力Fb(図4B)が作用する。これにより、可動リングDR2が中立位置側に移動し、4速用のドグ歯D4a,D4bと5速用のD5a,D5bとが共噛みすることを防止できる。
フィンガー回転角θaが所定角度θa7(>θa6)に達すると(時点t7)、第5シフトレール75が右側へ所定距離ΔLa4だけシフトする。これにより、第5シフトレール75が右シフト位置まで移動し、4速から5速への変速が完了する。このとき、第2シフトレール72は中立位置に移動する。変速完了後は、フィンガー52は矢印R2方向に所定角度θa7だけ回転し、θa=0°の中立姿勢に戻る。目標変速段が変更されると、フィンガー52は中立姿勢のままセレクト方向に移動し、同様の動作を繰り返す。
このように本実施形態では、第2フィンガー部522の側面FG12に切り欠きCT2を設け、4速から5速にアップシフトさせる際、第2シフトレール72の中立位置への移動のタイミングを遅らせるようにした。これによりシームレス変速を実現することができ、トルク抜けのないスムーズなアップシフトが可能となり、車両の運転性が向上する。
図13にハッチングで示すように、現段よりも段数が1大きい次段を目標変速段とするときは、4速からのアップシフトだけでなく、他の変速段からのアップシフトにも、いずれかの切り欠きCT1〜C3を有するフィンガー52の突出部が目標変速段に対応したシフトレール70の内周面に対向して配置される。例えば、1速から2速にアップシフトするときは、切り欠きCT1を有する第8フィンガー部528の突出部F16aが2−8速用の第1シフトレール71に対向して配置され、2速から3速にアップシフトするときは、切り欠きCT1を有する第1フィンガー部521の突出部F10aが2−8速用の第1シフトレール71に対向して配置される。これにより他の変速段からのアップシフト時においても、シフトレールの中立位置への移動タイミングを遅らせることができ、上述したのと同様にシームレス変速が可能である。
すなわち、可動リングDR1〜DR4が図1の電動機3側へ移動する1〜4速への変速時には、図13に示すように、現段から次段へ1段だけアップシフトする場合に、現段のシフトレールに対向して添え字aが付された突出部F10a,F16aが配置される。一方、可動リングDR1〜DR4が図1のクラッチ機構C側へ移動する5〜8速への変速時には、現段から次段へ1段だけアップシフトする場合に、現段のシフトレールに対向して添え字bが付された突出部F2b,F14b,F15bが配置される。したがって、現段のシフトレールの中立位置への復帰動作が遅延し、シームレス変速が可能である。
本実施形態の変速機1では、1段ずつのアップシフトだけでなく、複数段を飛び越えてアップシフトおよびダウンシフトすること(飛び変速と呼ぶ)も可能である。図15は、2速から5速へのアップシフト時における係合動作の一例を時系列に沿って示す図である。なお、図15の上段は、2−8速用の第1シフトレール71に対する第1フィンガー部521の位置関係を、下段は、3−5速用の第5シフトレール75に対する第5フィンガー部525の位置関係を示す。
2速から5速に変速する場合、フィンガー52は2−8速セレクト位置から3−5速セレクト位置に移動する。図15に示すように、フィンガー52が3−5速セレクト方向に移動した直後の変速開始時(時点t11)には、第2シフトレール72は左シフト位置(2速側)に移動したままであり、第2シフトレール72の中心線CLcはフィンガー52の軸線CLaよりも左側にずれる。このとき、第5シフトレール75は、図14の時点t1と同様に中立位置にあり、中心線CLcは軸線CLaに一致する。
この状態で、フィンガー52が軸線CLaを中心に矢印R1方向に回転して、フィンガー回転角θaが所定のフィンガー回転角θa12に達すると(時点t12)、第1フィンガー部521の第1突出部FG1の側面FG12が、第1シフトレール71の切り欠き部703の側面703bに接触し、第1シフトレール71に右方への押圧力が作用する。この場合のフィンガー回転角θa12は、図14のフィンガー回転角θ2よりも小さく、第1フィンガー部521の接触のタイミングは、図14の第2フィンガー部522の接触のタイミングよりも早い。
フィンガー回転角θaが所定角度θa13(>θa12)に達すると(時点t13)、2速駆動ギヤ22のドグ歯D2bと可動リングDR1のドグ歯D2aとの噛合が解除される。これにより変速機1がニュートラル状態となる。フィンガー回転角θaが所定角度θa14(>θa13)に達すると(時点t14)、図14の時点t3と同様、第5フィンガー部525の突起部FG3の側面FG12が、第5シフトレール75の切り欠き部703の側面703bに接触し、第5フィンガー部525に右方への押圧力が作用する。この時点で、第1シフトレール71は中立位置まで移動し、以降、第1フィンガー部521の第1周面FG13および第2周面FG23は、それぞれ第1シフトレール71の周面701(図11)に沿って空回りし、第1シフトレール71の位置は、中立位置に維持される。
フィンガー回転角θaが所定角度θa15(>θa14)に達すると(時点t15)、図14の時点t4と同様、可動リングDR4のドグ歯D5aが5速駆動ギヤ25のドグ歯D5bに接触を開始する。時点t14,時点t15においては、2速用の第1ギヤ結合機構1GEと5速用の第4ギヤ結合機構4GEとはともに中立状態であり、変速機1はニュートラル状態となる。
フィンガー回転角θaが所定角度θa16(>θa15)に達すると(時点t16)、図14の時点t5と同様、可動リングDR4がインギヤ位置に移動し、ドグ歯D5a,D5b同士が噛み合って、5速段が確立する。フィンガー回転角θaが所定角度θa17(>θa16)に達すると(時点t17)、第5シフトレール75が右シフト位置まで移動し、2速から5速への変速が完了する。その後、フィンガー52は矢印R2方向に所定角度θa17だけ回転し、中立姿勢となる。
図16は、5速から2速へのダウンシフト時における係合動作の一例を時系列に沿って示す図である。なお、図16の上段は、2−8速用の第1シフトレール71に対する第5フィンガー部525の位置関係を、下段は、3−5速用の第5シフトレール75に対する第9フィンガー部529の位置関係を示す。
5速から2速に変速する場合、フィンガー52は3−5速セレクト位置から2−8速セレクト位置に移動する。図16に示すように、フィンガー52が2−8速セレクト方向に移動した直後の変速開始時(時点t21)には、第5シフトレール75は右シフト位置(5速側)に移動したままであり、第5シフトレール75の中心線CLcはフィンガー52の軸線CLaよりも右側にずれる。このとき、第1シフトレール71は中立位置にあり、中心線CLcは軸線CLaに一致する。
この状態で、フィンガー52が軸線CLaを中心に矢印R2方向に回転して、フィンガー回転角θaが所定のフィンガー回転角θa22に達すると(時点t22)、第9フィンガー部529の第1突出部FG1の側面FG11が、第5シフトレール75の切り欠き部703の側面703aに接触し、第5シフトレール75に左方への押圧力が作用する。この場合のフィンガー回転角θa22は、図14のフィンガー回転角θ2よりも小さく、第9フィンガー部529の接触のタイミングは、図14の第2フィンガー部522の接触のタイミングよりも早い。
フィンガー回転角θaが所定角度θa23(>θa22)に達すると(時点t23)、5速駆動ギヤ25のドグ歯D5bと可動リングDR4のドグ歯D5aとの噛合が解除される。これにより変速機1がニュートラル状態となる。フィンガー回転角θaが所定角度θa24(>θa23)に達すると(時点t24)、第5フィンガー部525の突起部FG3の側面FG11が、第1シフトレール71の切り欠き部703の側面703aに接触する。この時点で、第5シフトレール75は中立位置まで移動し、以降、第9フィンガー部529の第1周面FG13および第2周面FG23は、第5シフトレール75の周面701(図11)に沿って空回りし、第5シフトレール75の位置は、中立位置に維持される。
フィンガー回転角θaが所定角度θa25(>θa24)に達すると(時点t25)、可動リングDR1のドグ歯D2aが2速駆動ギヤ22のドグ歯D2bに接触を開始する。時点t24,時点t25においては、2速用の第1ギヤ結合機構1GEと5速用の第4ギヤ結合機構4GEはともに中立状態であり、変速機1はニュートラル状態となる。
フィンガー回転角θaが所定角度θa26(>θa25)に達すると(時点t26)、可動リングDR1がインギヤ位置に移動し、ドグ歯D2a,D2b同士が噛み合って、2速段が確立する。フィンガー回転角θaが所定角度θa27(>θa26)に達すると(時点t27)、第1シフトレール71が左シフト位置まで移動し、5速から2速への変速が完了する。その後、フィンガー52は矢印R1方向に所定角度θa27だけ回転し、中立姿勢となる。
このように本実施形態では、変速機1のニュートラル状態を経由した通常変速により、複数段を飛び越えたアップシフトおよびダウンシフト、すなわち飛び変速が可能である。このため、例えばアクセルペダルを大きく踏み込んでキックダウン操作がなされた場合等に、変速機1を所望の変速段に即座に変更することができ、車両の運転性が向上する。
なお、例えば図13のC部に示すように、4速から2速に変速する場合には、切り欠きCT3を有する突出部F14bが第2シフトレール72に対向する。しかし、この場合、突出部14bの切り欠きCT3の反対側の第2側面FG22が第2シフトレール72に接触するため、第2シフトレール72の中立位置への戻り動作に遅延は生じない。図13のD部に示す8速から5速への変速等、1段ずつのアップシフトを除く他の変速時にも同様に、シフトレールの中立位置への戻り動作に遅延は生じない。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)変速機1は、軸線を中心に回転する複数のハブHB1〜HB5(例えば軸線CL0を中心に回転するハブHB2)と、複数のハブHB1〜HB5の各々に、軸方向に移動可能かつ一体に回転可能に支持され、変速段に対応したドグ歯D1a〜D9aを有する複数の可動リングDR1〜DR5と、ドグ歯D1a〜D9aに対向して変速段に対応したドグ歯D1b〜D9bを有するとともに、軸線を中心に回転する複数の変速用の駆動ギヤ21〜30(例えば軸線CL0を中心に回転する2速駆動ギヤ22)と、複数のハブHB1〜HB5を回転軸(第2主入力軸12,副入力軸13,リバース軸15)に一体に回転可能に支持する一方、複数の駆動ギヤ21〜30を回転軸12,13,15に対し相対回転可能に支持する支持機構120と、ドグ歯D1a〜D9aがドグ歯D1b〜D9bから離間する中立位置とドグ歯D1a〜D9aがドグ歯D1b〜D9bに噛合するインギヤ位置との間を移動可能に複数の可動リングDR1〜DR5を操作するドグ操作装置5と、ドグ操作装置5の操作により下段のドグ歯(例えば4速用のドグ歯D4a,D4b)および上段のドグ歯(例えば5速用のドグ歯D5a,D5b)が同時に噛合するとき、複数の可動リングDR1〜DR5のうち下段のドグ歯を有する可動リング(例えば4速用のドグ歯D4aを有する可動リングDR2)をインギヤ位置から中立位置に復帰させるギヤ結合機構1GE〜4GEと、を備える(図1,図3,図4B)。ドグ操作装置5は、軸線CLaに沿って延設され、外周面から突設されたフィンガー52を有するシフトシャフト50と、軸線CLaに沿ってシフトシャフト50を移動させるとともに、軸線CLaを中心にしてシフトシャフト50を回転させるアクチュエータ60と、軸線CLaに沿って並設され、フィンガー52が係合可能な切り欠き部702,703を有し、アクチュエータ60によるフィンガー52と切り欠き部702,703との係合動作に応じて、軸線CLaに対し略垂直方向に移動する複数のシフトレール71〜75と、複数の板シフトレール71〜75のそれぞれの動きを、シフトレール71〜75に対応する複数の可動リングDR1〜DR5に伝達し、可動リングDR1〜DR5を中立位置からインギヤ位置にかけてまたはインギヤ位置から中立位置にかけて移動させるシフトフォーク80と、を備える。
(1)変速機1は、軸線を中心に回転する複数のハブHB1〜HB5(例えば軸線CL0を中心に回転するハブHB2)と、複数のハブHB1〜HB5の各々に、軸方向に移動可能かつ一体に回転可能に支持され、変速段に対応したドグ歯D1a〜D9aを有する複数の可動リングDR1〜DR5と、ドグ歯D1a〜D9aに対向して変速段に対応したドグ歯D1b〜D9bを有するとともに、軸線を中心に回転する複数の変速用の駆動ギヤ21〜30(例えば軸線CL0を中心に回転する2速駆動ギヤ22)と、複数のハブHB1〜HB5を回転軸(第2主入力軸12,副入力軸13,リバース軸15)に一体に回転可能に支持する一方、複数の駆動ギヤ21〜30を回転軸12,13,15に対し相対回転可能に支持する支持機構120と、ドグ歯D1a〜D9aがドグ歯D1b〜D9bから離間する中立位置とドグ歯D1a〜D9aがドグ歯D1b〜D9bに噛合するインギヤ位置との間を移動可能に複数の可動リングDR1〜DR5を操作するドグ操作装置5と、ドグ操作装置5の操作により下段のドグ歯(例えば4速用のドグ歯D4a,D4b)および上段のドグ歯(例えば5速用のドグ歯D5a,D5b)が同時に噛合するとき、複数の可動リングDR1〜DR5のうち下段のドグ歯を有する可動リング(例えば4速用のドグ歯D4aを有する可動リングDR2)をインギヤ位置から中立位置に復帰させるギヤ結合機構1GE〜4GEと、を備える(図1,図3,図4B)。ドグ操作装置5は、軸線CLaに沿って延設され、外周面から突設されたフィンガー52を有するシフトシャフト50と、軸線CLaに沿ってシフトシャフト50を移動させるとともに、軸線CLaを中心にしてシフトシャフト50を回転させるアクチュエータ60と、軸線CLaに沿って並設され、フィンガー52が係合可能な切り欠き部702,703を有し、アクチュエータ60によるフィンガー52と切り欠き部702,703との係合動作に応じて、軸線CLaに対し略垂直方向に移動する複数のシフトレール71〜75と、複数の板シフトレール71〜75のそれぞれの動きを、シフトレール71〜75に対応する複数の可動リングDR1〜DR5に伝達し、可動リングDR1〜DR5を中立位置からインギヤ位置にかけてまたはインギヤ位置から中立位置にかけて移動させるシフトフォーク80と、を備える。
これによりシフトシャフト50のフィンガー52を、目標変速段に応じた任意のシフトレール71〜75に係合させることができる。したがって、下段から上段へと1段ずつ上げるような変速(シームレス変速)だけでなく、下段から上段および上段から下段へと一気に複数段上げ下げるような変速(飛び変速)も可能となる。このため、トルク抜けがなくスムーズなアップシフトが可能になるとともに、アクセルペダルを急激に踏み込んで変速段を一気に複数段下げるような変速動作が可能となり、車両の運転性が向上する。
(2)ドグ操作装置5は、目標変速段を設定するとともに、目標変速段に応じてシフトシャフト50を軸線CLaに沿って移動させた後に軸線CLaを中心にシフトシャフト50を回転させるようにアクチュエータ60を制御するコントローラ63をさらに備える(図8)。これにより目標変速段に対応したシフトレール70とフィンガー52との係合動作を容易に実現可能となり、変速機1がシームレス変速と飛び変速の双方を実現することができる。
(3)複数の可動リングDR1〜DR5は、変速段に対応して設けられ、複数のシフトレール71〜75は、可動リングDR1〜DR5に対応して設けられる(図1,図12)。フィンガー52は、複数のシフトレール71〜75に対応して設けられた複数のフィンガー部521〜529を有する(図10)。これにより、いずれか複数のフィンガー部521〜529の突出部F1〜F17を、互いに異なるいずれか複数のシフトレール71〜75にそれぞれ係合させることができ、複数のシフトレール71〜75をタイミングよくシフト方向に移動することができる。
(4)複数のフィンガー部521〜529は、シフトレール71〜75の個数の2倍から1を減算した数、すなわち9個のフィンガー部521〜529であり、複数のフィンガー部521〜529のうち中央のフィンガー部525が、可動リングを中立位置からインギヤ位置に移動するためのインギヤ用の突出部F5cを構成する一方、中央のフィンガー部525を除く他のフィンガー部(例えば第1フィンガー部521,第2フィンガー部522,第9フィンガー部529)が、可動リングをインギヤ位置から中立位置に移動するためのオフギヤ用の突出部(例えばF1,F2b,F9)を構成する(図14〜図16)。これによりフィンガー部521〜529の個数を必要最小限に抑えることができ、フィンガー52をコンパクトに構成することができる。
(5)複数の可動リングは、例えば4速用の可動リングDR2と5速用の可動リングDR4とを含み、複数のシフトレール70は、可動リングDR2に対応した第2シフトレール72と可動リングDR4に対応した第5シフトレール75とを含む(図1,図12)。フィンガー52は、可動リングDR4が中立位置に位置し、かつ、可動リングDR2がインギヤ位置に位置して4速段が確立している状態から、ドグ操作装置5の操作により5速段を確立するとき、第2シフトレール72に係合して可動リングDR2を中立位置に移動する第2フィンガー部522と、第5シフトレール75に係合して可動リングDR4をインギヤ位置に移動する第5フィンガー部525と、を有し、第2フィンガー部522および第5フィンガー部525は、可動リングDR2が中立位置へ移動する前に可動リングDR4がインギヤ位置へ移動するように構成された突出部F2b,F5cを有する(図14)。これにより下段から上段へ1段ずつアップシフトするときに、下段のドグ歯D4a,D4bと上段のドグ歯D5a,D5bとを同時に噛み合わせた変速、すなわちシームレス変速が可能となる。
(6)複数の可動リングは、例えば2速用の可動リングDR1と2速よりも段数が2以上大きい5速用の可動リングDR4を含み、複数のシフトレール70は、可動リングDR1に対応した第1シフトレール71と可動リングDR4に対応した第5シフトレール75とを含む(図1,図12)。フィンガー52は、可動リングDR1が中立位置に位置し、かつ、可動リングDR4がインギヤ位置に位置して5速段が確立している状態から、ドグ操作装置5の操作により2速段を確立するとき、可動リングDR1がインギヤ位置へ移動する前に、シフトレール75に係合して可動リングDR4を中立位置に移動する第9フィンガー部529を有する(図16)。これにより、1段ずつアップシフトするときと異なり、上段のドグ歯D5a,D5bと下段のドグ歯D2a,D2bとを同時に噛合させることなく、上段から下段への飛び変速を実現することができる。
(7)第2フィンガー部522は、5速から2速への変速時に第9フィンガー部529が第5シフトレール75の切り欠き部703に係合するタイミングよりも、4速から5速への変速時に第2フィンガー部522が第2シフトレール72の切り欠き部703に係合するタイミングを遅らせるように、切り欠きCT2を有する(図7)。第1フィンガー部521と第8フィンガー部528および第6フィンガー部526と第7フィンガー部527も、同様に切り欠きCT1およびCT3を有する(図9A,図9E)。これにより、通常変速を可能としながら、簡易な構成でシームレス変速を実現することができる。
上記実施形態(図2,図3)では、可動リングDR1に凸状にドグ歯D2a,D8a(第1ドグ歯)D1を形成するとともに、これに対向して駆動ギヤ(変速用ギヤ)22,28に凹状にドグ歯D2b,D8b(第2ドグ歯)を形成したが、第1ドグ歯および第2ドグ歯の構成はこれに限らない。上記実施形態(図3)では、ハブHB1と駆動ギヤ22,28とを軸線CL0(第1軸線)を中心に回転可能に設けるとともに、支持機構120を介して、ハブHB1を第2主入力軸12(回転軸)と一体に回転可能に支持、かつ、変速用ギヤ22,28を相対回転可能に支持するようにしたが、例えば変速用ギヤを回転軸と一体に回転可能に支持、かつ、ハブを回転軸と一体に回転可能に支持するようにしてもよく、支持機構の構成は上述したものに限らない。
上記実施形態(図2,図4B)では、ハブHB1の外周面の略V字形状のガイド溝HBaに可動リングDR1の内周面から突設されたガイドピンDRaを係合してギヤ結合機構1GEを構成し、下段のドグ歯同士および上段のドグ歯同士の共噛みを防止するようにしたが、ドグ操作装置の操作により下段のドグ歯同士および上段のドグ歯同士が同時に噛合するとき、下段のドグ歯を有する可動リングをインギヤ位置から中立位置に復帰させるのであれば、共噛み防止機構の構成はいかなるものでもよい。上記実施形態(図7,図8)では、軸線CLa(第2軸線)に沿って延設された軸体51を、フィンガー52の貫通孔520aに挿入して、軸部材としてのシフトシャフト50を構成したが、外周面から突設されるフィンガー(係合片)を有するのであれば、軸部材の構成はいかなるものでもよい。
上記実施形態(図5,図6)では、駆動部としてのアクチュエータ60により、軸線CLaに沿ってシフトシャフト50を移動させるとともに、軸線CLaを中心にしてシフトシャフト50を回転させるようにしたが、駆動部の構成はいかなるものでもよい。上記実施形態(図8,図11)では、軸線CLaに沿って複数のシフトレール71〜75(板部材)を並設するとともに、シフトレール71〜75の内周面に切り欠き部703を設け、フィンガー52と切り欠き部703との係合動作に応じてシフトレール71〜75を軸線CLaに対し略垂直方向(左右方向)に移動するようにしたが、切り欠き部703以外によってフィンガー52が係合可能な被係合部を構成してもよく、板部材の構成は上述したものに限らない。
上記実施形態(図5,図6)では、シフトレール71〜75の動きを、シフトフォーク80を介して対応する可動リングDR1〜DR5に伝達し、可動リングDR1〜DR5を中立位置からインギヤ位置にかけてまたはインギヤ位置から中立位置にかけて移動させるようにしたが、動作伝達部としてのシフトフォークの構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、制御部としてのコントローラ63が、車速とアクセルペダルの踏み込み量とに応じて目標変速段を設定するとともに、目標変速段に応じてシフトシャフト50を軸線CLaに沿って移動させた後に軸線CLaを中心に回転させるようにアクチュエータ60を制御したが、例えばドライバが手動で入力した変速段を目標変速段に設定してもよく、制御部の構成は上述したものに限らない。
上記実施形態(図8)では、突出部としてのフィンガー52を構成する複数のフィンガー部521〜529を上下方向に隙間なく配置した。より具体的には、シフトレール71〜75の個数(5個)の2倍から1を減算した9個のフィンガー部521〜529によりフィンガー52を構成し、中央のフィンガー部525(突出部F5c)が可動リングDR1〜DR5を中立位置からインギヤ位置に移動するためのインギヤ用係合部を構成し、他のフィンガー部521〜524,526〜529が可動リングDR1〜DR5をインギヤ位置から中立位置に移動するためのオフギヤ用係合部を構成するようにしたが、係合片の構成はこれに限らない。例えば複数のフィンガー部を上下方向に隙間をあけて配置してもよい。フィンガー部の個数も上述したものに限らず、例えばシフトレールの個数の2倍より多くてもよい。
上記実施形態(図14)では、第1変速段用の第1可動リングに対応した第1板部材として、4速用の可動リングDR2に対応した第2シフトレール72を用い、第2変速段用の第2可動リングに対応した第2板部材として、5速用の可動リングDR4に対応した第5シフトレール75を用いて、4速から5速へのアップシフト時の動作を説明した。すなわち、可動リングDR2を中立位置に移動する第1係合部として第2フィンガー部522を用い、可動リングDR4をインギヤ位置に移動する第2係合部として第5フィンガー部525を用いて、シームレス変速の動作の一例を説明した。特に上記実施形態では、第2フィンガー部522の突出部F2bと第5フィンガー部525の突出部F5cのうち、突出部F2bに切り欠きCT2を設けることで、可動リングDR2が中立位置へ移動する前に可動リングDR4がインギヤ位置へ移動するようにしたが、第1係合部および第2係合部の構成はこれに限らない。
上記実施形態(図16)では、第1変速段用の第1可動リングに対応した第1板部材として、2速用の可動リングDR1に対応した第1シフトレール71を用い、第3変速段用の第3可動リングに対応した第3板部材として、5速用の可動リングDR4に対応した第5シフトレール75を用いて、5速から2速への飛び変速の動作を説明した。すなわち、可動リングDR4を中立位置に移動する第3係合部として第9フィンガー部529を用い、可動リングDR1をインギヤ位置に移動する第1係合部として第5フィンガー部525を用いて、飛び変速の動作の一例を説明し、可動リングDR1がインギヤ位置へ移動する前に可動リングDR4が中立位置へ移動するようにしたが、第1係合部および第3係合部の構成はこれに限らない。
上記実施形態(図14,図16)では、第2フィンガー部522に切り欠きCT2を設けることで、例えば5速から2速への飛び変速時に第9フィンガー部529(第3係合部)が第5シフトレール75の切り欠き部703に係合するタイミングよりも、4速から5速へのシームレス変速時に第2フィンガー部522(第1係合部)が第2シフトレール72の切り欠き部703に係合するタイミングを遅らせるようにしたが、シームレス変速時にタイミングをずらす構成はこれに限らない。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能である。変形例同士を組み合わせることもできる。
1 変速機、5 ドグ操作装置、21〜30 駆動ギヤ、50 シフトシャフト、52 フィンガー、60 アクチュエータ、63 コントローラ、70 シフトレール、80 シフトフォーク、120 支持機構、702,703 切り欠き部、GE1〜GE5 ギヤ結合機構、HB1〜HB5 ハブ、DR1〜DR5 可動リング、D1a〜D9a ドグ歯、D1b〜D9b ドグ歯、CT1〜CT3 切り欠き、F1〜F9 第1突出部、F10〜F17 第2突出部
Claims (7)
- 第1軸線を中心に回転する複数のハブと、
前記複数のハブの各々に、軸方向に移動可能かつ一体に回転可能に支持され、変速段に対応した第1ドグ歯を有する複数の可動リングと、
前記第1軸線を中心に回転するとともに、前記第1ドグ歯に対向して変速段に対応した第2ドグ歯を有する複数の変速用ギヤと、
前記複数のハブと前記複数の変速用ギヤのいずれか一方を回転軸と一体に回転可能に支持する一方、いずれか他方を前記回転軸に対し相対回転可能に支持する支持機構と、
前記第1ドグ歯が前記第2ドグ歯から離間する中立位置と前記第1ドグ歯が前記第2ドグ歯に噛合するインギヤ位置との間を移動可能に前記複数の可動リングを操作するドグ操作装置と、
前記ドグ操作装置の操作により下段の前記第1ドグ歯および前記第2ドグ歯と上段の前記第1ドグ歯および前記第2ドグ歯とが同時に噛合するとき、前記複数の可動リングのうち前記下段の前記第1ドグ歯を有する可動リングを前記インギヤ位置から前記中立位置に復帰させる共噛み防止機構と、を備え、
前記ドグ操作装置は、
第2軸線に沿って延設され、外周面から突設された係合片を有する軸部材と、
前記第2軸線に沿って前記軸部材を移動させるとともに、前記第2軸線を中心にして前記軸部材を回転させる駆動部と、
前記第2軸線に沿って並設された複数の板部材であって、前記係合片が係合可能な被係合部を有し、前記駆動部による前記係合片と前記被係合部との係合動作に応じて、前記第2軸線に対し略垂直方向に移動する複数の板部材と、
前記複数の板部材のそれぞれの動きを、該板部材に対応する前記複数の可動リングに伝達し、該可動リングを前記中立位置から前記インギヤ位置にかけてまたは前記インギヤ位置から前記中立位置にかけて移動させる動作伝達部と、を備えることを特徴とする変速機。 - 請求項1に記載の変速機において、
前記ドグ操作装置は、目標変速段を設定するとともに、該目標変速段に応じて前記軸部材を前記第2軸線に沿って移動させた後に前記第2軸線を中心に前記軸部材を回転させるように前記駆動部を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする変速機。 - 請求項1または2に記載の変速機において、
前記複数の可動リングは、変速段に対応して設けられ、前記複数の板部材は、前記複数の可動リングに対応して設けられ、前記係合片は、前記複数の板部材に対応した設けられた複数の係合部を有することを特徴とする変速機。 - 請求項3に記載の変速機において、
前記複数の係合部は、前記板部材の個数の2倍から1を減算した数以上の係合部からなり、前記複数の係合部のうち中央の係合部が、前記可動リングを前記中立位置から前記インギヤ位置に移動するためのインギヤ用係合部を構成する一方、前記中央の係合部を除く他の係合部が、前記可動リングを前記インギヤ位置から前記中立位置に移動するためのオフギヤ用係合部を構成することを特徴とする変速機。 - 請求項3または4に記載の変速機において、
前記複数の可動リングは、第1変速段用の第1可動リングと該第1変速段よりも段数が1大きい第2速段用の第2可動リングとを含み、
前記複数の板部材は、前記第1可動リングに対応した第1板部材と前記第2可動リングに対応した第2板部材とを含み、
前記係合片は、前記第2可動リングが前記中立位置に位置し、かつ、前記第1可動リングが前記インギヤ位置に位置して前記第1変速段が確立している状態から、前記ドグ操作装置の操作により前記第2変速段を確立するとき、前記第1板部材に係合して前記第1可動リングを前記中立位置に移動する第1係合部と、前記第2板部材に係合して前記第2可動リングを前記インギヤ位置に移動する第2係合部と、を有し、
前記第1係合部および前記第2係合部は、前記第1可動リングが前記中立位置へ移動する前に前記第2可動リングが前記インギヤ位置へ移動するように構成されることを特徴とする変速機。 - 請求項5に記載の変速機において、
前記複数の可動リングは、前記第1変速段よりも段数が2以上大きい第3変速段用の第3可動リングをさらに含み、
前記複数の板部材は、前記第3可動リングに対応した第3板部材をさらに含み、
前記係合片は、前記第1可動リングが前記中立位置に位置し、かつ、前記第3可動リングが前記インギヤ位置に位置して前記第3変速段が確立している状態から、前記ドグ操作装置の操作により前記第1変速段を確立するとき、前記第3板部材に係合して前記第3可動リングを前記中立位置に移動する第3係合部をさらに有し、
前記第1係合部および前記第3係合部は、前記第1可動リングが前記インギヤ位置へ移動する前に前記第3可動リングが前記中立位置へ移動するように構成されることを特徴とする変速機。 - 請求項6に記載の変速機において、
前記第1係合部は、前記第3変速段から前記第1変速段への変速時に前記第3係合部が前記第3板部材の前記被係合部に係合するタイミングよりも、前記第1変速段から前記第2変速段への変速時に前記第1係合部が前記第1板部材の前記被係合部に係合するタイミングを遅らせるように、切り欠きを有することを特徴とする変速機。
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