JP2017205802A - 打鋲装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リベット300の頭部310を吸着させるリベット吸着ユニットと、リベット300によりストリンガ210およびクリップ220をかしめるかしめユニット50と、制御部と、を備え、制御部が、リベット300の頭部310を吸着させたリベット吸着ユニットを上側支持体11へ移動させてリベット300の軸部320を打鋲位置Pに形成される貫通孔230へ挿入するようリベット吸着ユニットを制御し、リベット吸着ユニットがリベット300を貫通孔230へ挿入して打鋲位置Pから退避した後に上部アンビル51および下部アンビル52を近接させてリベット300によりストリンガ210およびクリップ220をかしめるようにかしめユニット50を制御する自動打鋲装置を提供する。
【選択図】図14
Description
特許文献1に開示される打鋲装置は、部材の角部分や部材同士の交差部分など狭隘部に存在する打鋲ポイントにて打鋲処理を行うために、開閉動作する把持部材に替えて鋲を吸着する端面を有する軸体を採用したものである。特許文献1によれば、かしめ位置への鋲の移送や装填が吸着により行われるため、軸体を収容する支持体をコンパクトなものとし、部材の角部分や部材同士の交差部分など狭隘部に存在する打鋲ポイントにも、支持体を無理なく位置させることが可能となる。
そのため、特許文献1においては、軸体の端面の形状を特定の鋲の形状と一致させた形状とする必要がある。この場合、多品種の鋲を用いて打鋲を行う場合には、多品種の鋲の端面の形状と一致する多品種の軸体を予め用意しておき、打鋲に用いる鋲の形状と一致する軸体に交換した上で、打鋲処理を行う必要がある。
したがって、特許文献1においては、狭隘部での打鋲が可能であるものの、多品種の鋲を用いて打鋲を行う際の生産性を向上させることができない。
すなわち、本発明の一態様の打鋲装置は、相対位置が固定された一対の被締結部材の打鋲位置にリベットを打鋲し、軸線に沿って延びる貫通孔を有する棒状に形成されて前記一対の被締結部材の一方を前記打鋲位置で支持する第1支持体と、前記軸線に沿って延びる貫通孔を有する棒状に形成されて前記一対の被締結部材の他方を前記打鋲位置で支持する第2支持体と、前記軸線に沿って延びる円筒状に形成され、一端を前記リベットの頭部に接触させた状態で内部を負圧状態として該頭部を吸着させるリベット吸着部と、前記一対の被締結部材の前記打鋲位置に形成される貫通孔に前記リベットが挿入された状態で、前記第1支持体および前記第2支持体に一対のかしめ部材を挿入し、該一対のかしめ部材を近接させて前記リベットにより前記一対の被締結部材をかしめるかしめ部と、前記リベット吸着部および前記かしめ部を制御する制御部と、を備え、前記制御部が、前記リベットの前記頭部を吸着させた前記リベット吸着部を前記第1支持体へ移動させて前記リベットの軸部を前記打鋲位置に形成される前記貫通孔へ挿入するよう前記リベット吸着部を制御し、該リベット吸着部が前記リベットを前記貫通孔へ挿入して前記打鋲位置から退避した後に前記一対のかしめ部材を近接させて前記リベットにより前記一対の被締結部材をかしめるように前記かしめ部を制御する。
このように、本発明の一態様の打鋲装置によれば、第1支持体が軸線に沿って延びる貫通孔を有する棒状に形成されているため、打鋲位置が狭隘部であっても第1支持体を適切に打鋲位置へ移動させることができる。
したがって、リベットの挿入とリベットのかしめを単一の部材を用いて行う場合に比べて、多品種のリベットを用いて打鋲を行うことが可能となり、打鋲を行う際の生産性が向上する。
このようにすることで、一対の被締結部材の打鋲位置に対して事前に他の装置で貫通孔を形成しておく必要がないため、生産性が向上する。
このようにすることで、孔明け部による孔明けにより生成される切削屑を排出孔から吸引して外部へ排出し、貫通孔を良好に仕上げることができる。
上記構成において、前記孔明け部は、前記貫通孔の孔明けを行う際に前記被締結部材から受ける反力による変位量を測定する測定器を備え、前記制御部は、前記測定器が測定する前記変位量と、該変位量を得た前記貫通孔とを関連付けて記憶してもよい。
このようにすることで、打鋲位置での締結状態の検査等をする場合に、貫通孔の品質が低い可能性のある箇所を特定することができる。
したがって、リベットの挿入とリベットのかしめを単一の部材を用いて行う場合に比べて、多品種のリベットを用いて打鋲を行うことが可能となり、打鋲を行う際の生産性が向上する。
本実施形態の自動打鋲装置100は、図2に示すストリンガ210(縦通材)およびクリップ220からなる一対の被締結部材の打鋲位置P(図5等参照)にリベット300を打鋲する装置である。
ストリンガ210は、航空機の機軸方向に間隔を持って配置される長尺上の部材であり。クリップ220は、パネル状に分割された航空機の胴体を円筒状に保持するフレーム(図示略)とストリンガ210とを締結するための部材である。ストリンガ210およびクリップ220は、例えば、アルミニウム合金により形成されている。
なお、ストリンガ210およびクリップ220は、自動打鋲装置100によって締結されるまでは、ロボットハンド等の把持装置(図示略)や仮止め用の固定器具等により相対位置が固定されるものとする。
以下、自動打鋲装置100が備える各部について説明する。
支持ユニット10は、打鋲位置Pを通過する鉛直方向の軸線Xと同軸の位置に移動するとともに、軸線Xとは異なる軸線上に退避することが可能な移動機構(図示略)を有する。また、図5および図6に示すように、支持ユニット10は、軸線X上に同軸に配置された上側支持体(第1支持体)11および下側支持体(第2支持体)12を有する。
縮径部11Bが連結位置に近付くに連れて外径及び内径が収縮する形状となっているのは、孔明けユニット20やかしめユニット50の軸受部との干渉を防止する為である。
下側支持体12は、軸線Xに沿って延びる貫通孔12aを有する棒状に形成されており、ストリンガ210の下面を打鋲位置Pで支持する部材である。
図7および図8に示すように、孔明けユニット20は、先端および外周面に刃が形成されたドリル21と、ドリル21を軸線X回りに回転させるとともに軸線Xに沿って移動させる駆動部(図示略)が内蔵された本体部22とを有する。また、孔明けユニット20は、打鋲位置Pを通過する鉛直方向の軸線Xと同軸の位置に移動するとともに、軸線Xとは異なる軸線上に退避することが可能な移動機構(図示略)を有する。
なお、制御部60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
ステップS301で、制御部60は、支持ユニット10が打鋲位置Pを通過する鉛直方向の軸線Xと同軸の位置に移動するように移動機構(図示略)を制御する。ステップS301による支持ユニット10の移動が完了すると図5に示す状態となる。
ステップS305で、制御部60は、孔明けユニット20を軸線Xに沿った上方に移動させ、更に打鋲位置Pを通過する鉛直方向の軸線Xとは異なる他の軸線上の退避位置に退避するように移動機構(図示略)を制御する。
なお、図9に示すように、リベット吸着ユニット40は、円筒状の吸着軸41の先端にリベット300の頭部310を接触させて吸着軸41の内部を負圧状態とすることで、リベット300を吸着している。
ステップS308で、制御部60は、リベット吸着ユニット40を軸線Xに沿った上方に移動させ、更に打鋲位置Pを通過する鉛直方向の軸線Xとは異なる他の軸線上の退避位置に退避するように移動機構(図示略)を制御する。
制御部60は、図12に示すように、かしめユニット50の上部アンビル51を軸線Xに沿って更に下方に移動させ、リベット300の頭部310の下面とクリップ220の上面とが接触した状態とする。なお、上部アンビル51は、後述するかしめ動作においてリベット300の頭部310の下面がクリップ220の上面から離間しないようにリベット300の頭部310の軸線X上の位置を保持する。
また、制御部60は、図14に示すように、下部アンビル52を軸線Xに沿って更に上方に移動させ、金属製(例えば、アルミニウム合金製)のリベット300の軸部320を塑性変形させて貫通孔230の内径よりも大きい形状とする。
制御部60は、他のリベット300の締結動作を行う場合はNOと判断してステップS301−ステップS312の処理を他のリベット300について再び繰り返す。一方、制御部60は、他のリベット300の締結動作を行わない場合はYESと判断して本フローチャートの処理を終了させる。
図15に示すように、上側支持体11には、下端側の外周面に切削屑を外部へ排出するための排出孔11aおよび排出孔11bが設けられている。
上側支持体11は、孔明けユニット20によりストリンガ210およびクリップ220の孔明け動作を行う際に、内部で生成される切削屑が排出孔11aおよび排出孔11bから外部へ排出可能となっている。切削屑を外部へ排出するためには、排出孔11a,11bの外周面にそれぞれ吸引部410,420を近づけ、吸引部410,420の内部に発生する負圧の作用によって切削屑を吸引部410,420の内部へ導く。
なお、本実施形態においては、上側支持体11に排出孔11aおよび排出孔11bを設ける態様としたが、上側支持体11に排出孔11aおよび排出孔11bを設けない態様とすることも可能である。例えば、発生した切削屑を取り除く為にドリルと貫通孔11Aaとの間に隙間を設け上側支持体11の縮径部11Bから切削屑を排出してもよい。
本実施形態のリベット吸着ユニット40は、シリンダ42から吸着軸41の先端までの距離が一定のLとなった場合に、リベット300の軸部320を貫通孔230へ挿入した後に軸部320を離間させる。リベット吸着ユニット40は、シリンダ42から吸着軸41の先端までの距離が一定のLとなったことを検出する単一の着座センサ(図示略)を有しているものとする。
図18に示すように、上部アンビル51の下端側の面には、凹所51aが形成されている。凹所51aの底面は平面形状となっている。一方、凹所51aに保持されるリベット300は、頭部310の上面が凹所51aの底面と接触する緩やかな凸面形状となっている。
また、凹所51aの底面は、リベット300Aの頭部310Aの上面との接触も可能となっている。ここで、リベット300Aの頭部310Aはリベット300の頭部310よりも小径である。このように、凹所51aは、異なる形状のリベット300,リベット300Aの双方に対応可能な形状となっている。このように、本実施形態のかしめユニット50が備える上部アンビル51は、多品種のリベットのかしめ動作を実行可能な形状となっている。
図19に示す測定器23は、孔明けユニット20による孔明け動作中に孔明けユニット20に与えられた反力による変位量(押し戻し量の最大値)を測定し、制御部60へ伝達する。変位量(押し戻し量の最大値)が大きい場合、孔明け動作により形成される貫通孔230の品質が低くなる可能性がある。これは、大きな反力によって貫通孔230の形状等に誤差が生じる可能性が高いためである。
本実施形態の自動打鋲装置100によれば、相対位置が固定されたストリンガ210およびクリップ220のうちクリップ220が打鋲位置Pで上側支持体11により支持され、ストリンガ210が打鋲位置Pで下側支持体12により支持される。上側支持体11は、軸線Xに沿って延びる貫通孔11Aaを有する棒状に形成されており、円筒状に形成されるリベット吸着ユニット40に吸着したリベット300が挿入され、上部アンビル51が挿入される。
このように、本実施形態の自動打鋲装置100によれば、上側支持体11が軸線Xに沿って延びる貫通孔11Aaを有する棒状に形成されているため、打鋲位置Pが狭隘部であっても上側支持体11を適切に打鋲位置Pへ移動させることができる。
したがって、リベットの挿入とリベットのかしめを単一の部材を用いて行う場合に比べて、多品種のリベットを用いて打鋲を行うことが可能となり、打鋲を行う際の生産性が向上する。
このようにすることで、ストリンガ210およびクリップ220の打鋲位置Pに対して事前に他の装置で貫通孔230を形成しておく必要がないため、生産性が向上する。
11 上側支持体(第1支持体)
11A 棒状部
11Aa 貫通孔
11B 縮径部
11a 排出孔
11b 排出孔
12 下側支持体(第2支持体)
20 孔明けユニット(孔明け部)
21 ドリル
22 本体部
23 計測器
30 リベット供給ユニット
40 リベット吸着ユニット(リベット吸着部)
41 吸着軸
42 シリンダ
50 かしめユニット(かしめ部)
51 上部アンビル(かしめ部材)
51a 凹所
52 下部アンビル(かしめ部材)
60 制御部
70 検出装置
100 自動打鋲装置
210 ストリンガ(縦通材)
220 クリップ
230 貫通孔
300 リベット
310 頭部
320 軸部
410,420 吸引部
P 打鋲位置
X,X1,X2 軸線
θ1,θ2 角度
Claims (5)
- 相対位置が固定された一対の被締結部材の打鋲位置にリベットを打鋲する打鋲装置であって、
軸線に沿って延びる貫通孔を有する棒状に形成されて前記一対の被締結部材の一方を前記打鋲位置で支持する第1支持体と、
前記軸線に沿って延びる貫通孔を有する棒状に形成されて前記一対の被締結部材の他方を前記打鋲位置で支持する第2支持体と、
前記軸線に沿って延びる円筒状に形成され、一端を前記リベットの頭部に接触させた状態で内部を負圧状態として該頭部を吸着させるリベット吸着部と、
前記一対の被締結部材の前記打鋲位置に形成される貫通孔に前記リベットが挿入された状態で、前記第1支持体および前記第2支持体に一対の軸状のかしめ部材を挿入し、該一対のかしめ部材を近接させて前記リベットにより前記一対の被締結部材をかしめるかしめ部と、
前記リベット吸着部および前記かしめ部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部が、
前記リベットの前記頭部を吸着させた前記リベット吸着部を前記第1支持体へ移動させて前記リベットの軸部を前記打鋲位置に形成される前記貫通孔へ挿入するよう前記リベット吸着部を制御し、
該リベット吸着部が前記リベットを前記貫通孔へ挿入して前記打鋲位置から退避した後に前記一対のかしめ部材を近接させて前記リベットにより前記一対の被締結部材をかしめるように前記かしめ部を制御する打鋲装置。 - 前記打鋲位置において前記一対の被締結部材に前記貫通孔の孔明けを行う孔明け部を備え、
前記制御部が、前記第1支持体および前記第2支持体により前記打鋲位置で支持された前記一対の被締結部材に前記貫通孔の孔明けを行うよう前記孔明け部を制御し、
前記孔明け部が前記貫通孔の孔明けを行って前記打鋲位置から退避した後に前記リベットの軸部を前記打鋲位置に形成される前記貫通孔へ挿入するよう前記リベット吸着部を制御する請求項1に記載の打鋲装置。 - 前記第1支持体には、前記孔明け部による孔明けにより生成される前記一対の被締結部材の切削屑を排出するための排出孔が形成されている請求項2に記載の打鋲装置。
- 前記孔明け部は、前記貫通孔の孔明けを行う際に前記被締結部材から受ける反力による変位量を測定する測定器を備え、
前記制御部は、前記測定器が測定する前記変位量と、該変位量を得た前記貫通孔とを関連付けて記憶する請求項2または請求項3に記載の打鋲装置。 - 相対位置が固定された一対の被締結部材の打鋲位置にリベットを打鋲する打鋲装置の制御方法であって、
前記打鋲装置が、
軸線に沿って延びる貫通孔を有する棒状に形成されて前記一対の被締結部材の一方を前記打鋲位置で支持する第1支持体と、
前記軸線に沿って延びる貫通孔を有する棒状に形成されて前記一対の被締結部材の他方を前記打鋲位置で支持する第2支持体と、
前記軸線に沿って延びる円筒状に形成され、一端を前記リベットの頭部に接触させた状態で内部を負圧状態として該頭部を吸着させるリベット吸着部と、
前記一対の被締結部材の前記打鋲位置に形成される貫通孔に前記リベットが挿入された状態で、前記第1支持体および前記第2支持体に一対のかしめ部材を挿入し、該一対のかしめ部材を近接させて前記リベットにより前記一対の被締結部材をかしめるかしめ部と、を備え、
前記リベットの前記頭部を吸着させた前記リベット吸着部を前記第1支持体へ移動させて前記リベットの軸部を前記打鋲位置に形成される前記貫通孔へ挿入するよう前記リベット吸着部を制御する第1制御工程と、
該リベット吸着部が前記リベットを前記貫通孔へ挿入して前記打鋲位置から退避した後に前記一対のかしめ部材を近接させて前記リベットにより前記一対の被締結部材をかしめるように前記かしめ部を制御する第2制御工程と、を備える打鋲装置の制御方法。
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