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JP2017204676A - アンテナ特性測定装置及びプログラム - Google Patents

アンテナ特性測定装置及びプログラム Download PDF

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JP2017204676A JP2016094101A JP2016094101A JP2017204676A JP 2017204676 A JP2017204676 A JP 2017204676A JP 2016094101 A JP2016094101 A JP 2016094101A JP 2016094101 A JP2016094101 A JP 2016094101A JP 2017204676 A JP2017204676 A JP 2017204676A
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佐藤 明彦
Akihiko Sato
明彦 佐藤
慎悟 朝倉
Shingo Asakura
慎悟 朝倉
研一 村山
Kenichi Murayama
研一 村山
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Japan Broadcasting Corp
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Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

【課題】MIMO伝送に用いる受信アンテナについて、MIMO復調の観点を含め総合的に評価するための特性を測定する。【解決手段】アンテナ特性測定装置1の伝送路推定部15は、受信信号YH,YV、受信電力PH,PV及び既知信号XH,XVに基づいて、水平偏波及び垂直偏波の受信電力差を正確に反映させた伝送路行列H’を推定する。これにより、受信アンテナ6の角度X°における伝送路行列H’が得られる。条件数算出部16は、伝送路行列H’に基づいて、全ての周波数における条件数K(H’)を算出し、全ての周波数に渡って平均値を算出することで平均条件数を求める。これにより、受信アンテナ6の角度X°における条件数が得られる。【選択図】図3

Description

本発明は、受信アンテナを評価するためのアンテナ特性を測定するアンテナ特性測定装置及びプログラムに関する。
8Kスーパーハイビジョンの伝送を目指して、衛星放送だけでなく次世代地上放送の検討が進められている。その中で、水平偏波及び垂直偏波を同時に使い、伝送容量を2倍に拡大させるMIMO技術が注目されている。MIMO技術では、複数のアンテナ間の相関を低くすることにより、伝送容量を増加させることができる。特に、UHF帯のMIMO伝送システムにおいては、偏波を使用して相関を低くし、偏波共用アンテナを用いることにより、アンテナをコンパクトに製作しかつ設置することができる。
このようなMIMO伝送システムに用いる受信アンテナの性能を評価するための技術が知られている。例えば、受信アンテナの性能を評価する環境として、電波のマルチパス伝搬によるフェージング及び遅延を含む多重波を伝搬する状況を提供する技術がある(例えば特許文献1を参照)。
前述の特許文献1の技術は受信アンテナの性能を直接評価するものではないが、特許文献1に記載された環境を用いる等して、偏波共用受信アンテナの性能が評価されるものと考えられる。具体的には、片偏波用受信アンテナと同様に、アンテナ正面の利得、半値角、前後比等と合わせて、裏偏波から漏れ込む電波の量である交差偏波識別度を測定する。
特開2011−87114号公報
しかしながら、これらの基本特性は受信アンテナ単体の特性であることから、複数の受信アンテナにより構成される偏波共用受信アンテナ全体の性能を的確に評価することができないという問題があった。
例えば、水平偏波及び垂直偏波を用いるMIMO伝送システムにおいては、電波が裏偏波から漏れ込むだけでなく、水平偏波及び垂直偏波のレベル差が生じることによっても、復調精度は劣化する。これは、信号の伝搬過程に起因するだけでなく、偏波共用受信アンテナの性能にも起因して生じる事象である。偏波共用受信アンテナの性能を評価する場合には、両偏波の特性に基づいて総合的に評価することが重要となる。
尚、交差偏波識別度は、裏偏波から漏れ込む電波の量を示すが、復調精度を示すものではないことから、この交差偏波識別度では復調への影響を把握することができない。
このように、偏波共用受信アンテナの性能を評価する場合、片偏波の利得、半値角、及び交差偏波識別度等の基本特性を測定することに加え、水平偏波及び垂直偏波の水平面指向性の差等を含め、MIMO復調の観点から総合的に評価することが重要となる。
従来、偏波共用受信アンテナの性能について、MIMO復調の観点から総合的に評価する技術は提案されていない。特に、放送受信用のアンテナは一般的に指向性が強いため、角度によって特性が変動しやすく、角度に対するMIMO復調精度の評価を行うことは一層重要となる。
従来、偏波共用受信アンテナの特性を測定するためには、例えば、送信側が、送信アンテナを介して、水平偏波及び垂直偏波の基準信号を送信し、受信側が、評価対象である受信アンテナを所定の設置状態で固定し、水平偏波及び垂直偏波の基準信号を受信する。
図8は、従来手法により測定される受信アンテナの基本特性の一例を示す図である。横軸は角度を示し、縦軸は利得を示す。ここで、角度は、受信アンテナの中心軸(後述する図9の受信アンテナ6−1の箇所を参照)を受信アンテナの水平偏波面内で回転させたときの角度を示す。具体的には、送信側における送信アンテナの水平偏波面及び垂直偏波面の最大利得方向と、受信側における受信アンテナの水平偏波面及び垂直偏波面の最大利得方向との向きを合わせた正対している状態を基準状態とした場合に、この基準状態の角度を0°とする。角度は、受信アンテナの中心軸を受信アンテナの水平偏波面内で回転させたときの、基準状態に対する角度をいう。
図8には、水平偏波の指向性、垂直偏波の指向性、及び垂直偏波に漏れ込む電波の指向性が示されている。角度X°における水平偏波の指向性の利得と垂直偏波の指向性の利得との間の差が、当該角度における水平偏波及び垂直偏波のレベル差である。また、角度X°における垂直偏波の指向性の利得と垂直偏波に漏れ込む電波の指向性の利得との間の差が、交差偏波識別度である。
図8によれば、角度X°における片偏波の利得、両偏波のレベル差及び交差偏波識別度等の基本特性を得ることができる。しかし、この基本特性では、前述のとおり、偏波共用受信アンテナについて、MIMO復調の観点から総合的に評価することが困難である。
ところで、図8に示した基本特性を得るためには、まず、送信側の偏波共用送信アンテナの中心軸と受信側の偏波共用受信アンテナの中心軸とを合わせると共に、両アンテナの偏波面も正対させることで、基準利得を測定する必要がある。
しかしながら、受信側の偏波共用受信アンテナが、送信側の偏波共用送信アンテナの偏波面に対して傾いて設置された場合には、偏波間の直交性が崩れるため、主偏波の受信電力が低下し、交差偏波の受信電力が上昇する。このときの交差偏波識別度は、本来の値より小さい値として測定され、測定誤差が生じてしまう。一般に、送受信アンテナの偏波面を完全に正対させることは困難である。
図9は、従来手法の測定例、及び受信アンテナの基本特性の他の例を示す図である。図9の右側に示す送信アンテナ5は、送信側の偏波共用送信アンテナであり、当該偏波共用送信アンテナを介して、水平偏波の送信信号及び垂直偏波の送信信号が送信される。
図9の左側上段に示す受信アンテナ6−1は、受信側の偏波共用受信アンテナであり、大地に対して水平面に設けられた第1のアンテナ群、及び大地に対して垂直面に設けられた第2のアンテナ群が一体的に設けられている。第1のアンテナ群と第2のアンテナ群とは約90度で交差している。
図9の左側下段に示す受信アンテナ6−2は、受信側の偏波共用受信アンテナであり、図9の左側上段に示した受信アンテナ6−1の中心軸を基準に約45度回転させた第3のアンテナ群及び第4のアンテナ群が一体的に設けられている。第3のアンテナ群と第4のアンテナ群とは約90度で交差している。
図9の左上段及び左下段に示した受信アンテナ6−1,6−2の下側に、一方のアンテナ群で受信される主偏波の指向性、交差偏波の指向性がそれぞれ示されている。横軸は角度を示し、縦軸は利得を示し、ある角度に着目した際、主偏波の利得と交差偏波の利得の差は、交差偏波識別度に相当する。これらの基本特性によれば、交差偏波識別度は、全角度に渡って、受信アンテナ6−1よりも受信アンテナ6−2の方が小さいことがわかる。これは、受信アンテナ6−1,6−2の中心軸の設置精度により、交差偏波識別度の測定値に差が生じることを意味する。
このように、図8及び図9に示した基本特性では、偏波共用受信アンテナについて、MIMO復調の観点から総合的に評価することが困難であると共に、これらの基本特性には測定誤差が含まれていることが想定される。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、MIMO伝送に用いる受信アンテナについて、MIMO復調の観点を含め総合的に評価するための特性を測定可能なアンテナ特性測定装置及びプログラムを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1のアンテナ特性測定装置は、複数のアンテナからなる送信アンテナを介して送信された信号を、MIMO伝送路及び複数のアンテナからなる受信アンテナを介して受信し、受信信号に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性を測定するアンテナ特性測定装置において、前記受信アンテナを介して受信した受信信号に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を推定する伝送路推定部と、前記伝送路推定部により推定された前記伝送路行列に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性として条件数を算出する条件数算出部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2のアンテナ特性測定装置は、複数のアンテナからなる送信アンテナを介して送信された信号を、MIMO伝送路及び複数のアンテナからなる受信アンテナを介して受信し、受信信号に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性を測定するアンテナ特性測定装置において、前記送信アンテナに対する角度を前記受信アンテナの角度とし、前記受信アンテナの角度を変更したときの前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して受信した受信信号に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を推定する伝送路推定部と、前記伝送路推定部により推定された前記受信アンテナの所定角度毎の前記伝送路行列に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性として前記受信アンテナの所定角度毎の条件数を算出する条件数算出部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項3のアンテナ特性測定装置は、複数のアンテナからなる送信アンテナを介して送信された水平偏波の変調信号及び垂直偏波の変調信号を、MIMO伝送路及び複数のアンテナからなる受信アンテナを介して受信し、水平偏波の受信信号及び垂直偏波の受信信号に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性を測定するアンテナ特性測定装置において、前記受信アンテナを当該受信アンテナの水平偏波面内で回転させたときの角度を、前記受信アンテナの角度とし、前記受信アンテナの角度を変更したときの前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して受信した前記水平偏波の受信信号に基づいて、前記水平偏波の受信信号の受信電力を測定し、前記垂直偏波の受信信号に基づいて、前記垂直偏波の受信信号の受信電力を測定する受信電力測定部と、前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して受信した前記水平偏波の受信信号及び前記垂直偏波の受信信号、前記送信アンテナを介して送信された前記水平偏波の変調信号及び前記垂直偏波の変調信号に含まれる既知信号、並びに、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力及び前記垂直偏波の受信信号の受信電力に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を推定する伝送路推定部と、前記伝送路推定部により推定された前記受信アンテナの所定角度毎の前記伝送路行列に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性として前記受信アンテナの所定角度毎の条件数を算出する条件数算出部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項4のアンテナ特性測定装置は、請求項3に記載のアンテナ特性測定装置において、前記伝送路推定部が、前記受信アンテナを介して受信した前記水平偏波の受信信号及び前記垂直偏波の受信信号に含まれるパイロット信号、及び前記送信アンテナを介して送信された前記水平偏波の変調信号及び前記垂直偏波の変調信号に含まれる既知のパイロット信号に基づいて、前記受信アンテナにおける水平偏波用アンテナ及び垂直偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける水平偏波用アンテナ及び垂直偏波用アンテナとの間のそれぞれの伝送路特性を算出する伝送路特性算出部と、前記伝送路特性算出部により算出された前記受信アンテナにおける水平偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける水平偏波用アンテナとの間の伝送路特性に基づいて、水平偏波用アンテナ間の伝送路特性を算出し、前記受信アンテナにおける垂直偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける垂直偏波用アンテナとの間の伝送路特性に基づいて、垂直偏波用アンテナ間の伝送路特性を算出し、前記伝送路特性算出部により算出された前記それぞれの伝送路特性、前記水平偏波用アンテナ間の伝送路特性及び前記垂直偏波用アンテナ間の伝送路特性、並びに、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力及び前記垂直偏波の受信信号の受信電力に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を算出する伝送路行列算出部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項5のアンテナ特性測定装置は、複数のアンテナからなる送信アンテナを介して交互に送信された水平偏波の無変調信号及び垂直偏波の無変調信号を、MIMO伝送路及び複数のアンテナからなる受信アンテナを介して受信し、水平偏波の受信信号及び垂直偏波の受信信号に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性を測定するアンテナ特性測定装置において、前記受信アンテナを当該受信アンテナの水平偏波面内で回転させたときの角度を、前記受信アンテナの角度とし、前記受信アンテナの角度を変更したときの前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して交互に受信した前記水平偏波の受信信号に基づいて、前記水平偏波の受信信号の受信電力を測定し、前記垂直偏波の受信信号に基づいて、前記垂直偏波の受信信号の受信電力を測定する受信電力測定部と、前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して交互に受信した前記水平偏波の受信信号、及び前記送信アンテナを介して交互に送信された前記水平偏波の無変調信号と同じ予め設定された無変調信号に基づいて、前記水平偏波の受信信号の位相を計算し、前記垂直偏波の受信信号、及び前記垂直偏波の無変調信号と同じ予め設定された無変調信号に基づいて、前記垂直偏波の受信信号の位相を計算する位相計算部と、前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力及び前記垂直偏波の受信信号の受信電力、並びに、前記位相計算部により計算された前記水平偏波の受信信号の位相及び前記垂直偏波の受信信号の位相に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を推定する伝送路推定部と、前記伝送路推定部により推定された前記受信アンテナの所定角度毎の前記伝送路行列に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性として前記受信アンテナの所定角度毎の条件数を算出する条件数算出部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項6のアンテナ特性測定装置は、請求項5に記載のアンテナ特性測定装置において、前記伝送路推定部が、前記送信アンテナを介して前記水平偏波の無変調信号のみが送信された状態にて、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力、及び前記位相計算部により計算された前記水平偏波の受信信号の位相に基づいて、前記受信アンテナにおける水平偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける水平偏波用アンテナとの間の伝送路特性を算出すると共に、前記受信電力測定部により測定された前記垂直偏波の受信信号の受信電力、及び前記位相計算部により計算された前記垂直偏波の受信信号の位相に基づいて、前記受信アンテナにおける垂直偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける水平偏波用アンテナとの間の伝送路特性を算出し、前記送信アンテナから前記垂直偏波の無変調信号のみが送信された状態にて、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力、及び前記位相計算部により計算された前記水平偏波の受信信号の位相に基づいて、前記受信アンテナにおける水平偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける垂直偏波用アンテナとの間の伝送路特性を算出すると共に、前記受信電力測定部により測定された前記垂直偏波の受信信号の受信電力、及び前記位相計算部により計算された前記垂直偏波の受信信号の位相に基づいて、前記受信アンテナにおける垂直偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける垂直偏波用アンテナとの間の伝送路特性を算出する伝送路特性算出部と、前記伝送路特性算出部により算出された前記伝送路特性を要素として、前記MIMO伝送路の伝送路行列を生成する伝送路行列算出部と、を備えたことを特徴とする。
さらに、請求項7のアンテナ特性測定プログラムは、コンピュータを、請求項1から6までのいずれか一項に記載のアンテナ特性測定装置として機能させることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、MIMO伝送に用いる受信アンテナについて、MIMO復調の観点を含め総合的に評価するための特性を測定することが可能となる。
受信アンテナの性能を評価する全体システムの構成例を示す概略図である。 実施例1において、送信アンテナを介して送信される送信信号のフォーマットの一例を説明する図である。 実施例1のアンテナ特性測定装置の構成例を示すブロック図である。 実施例1の伝送路推定部の構成例を示すブロック図である。 実施例2のアンテナ特性測定装置の構成例を示すブロック図である。 実施例2の伝送路推定部の構成例を示すブロック図である。 実施例1により測定される受信アンテナの特性の一例を示す図である。 従来手法により測定される受信アンテナの基本特性の一例を示す図である。 従来手法の測定例、及び受信アンテナの基本特性の他の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔本発明の概要〕
まず、本発明の概要について説明する。本発明は、MIMO伝送路に用いる受信アンテナを評価するために、MIMO伝送路の状態を表す指標である条件数(Condition Number)を測定することを特徴とする。これにより、MIMO伝送路に用いる受信アンテナについて、MIMO復調の観点を含め総合的に評価することができる。
条件数の詳細については、以下の文献を参照されたい。
“LTEテストにおけるMIMO性能とコンディション・ナンバー”、[online]、アジレント・テクノロジー株式会社、[平成28年2月15日検索]、インターネット<http://cp.literature.agilent.com/litweb/pdf/5990-4759JAJP.pdf>
以下、水平偏波及び垂直偏波を用いた2×2のMIMO伝送システムを例に挙げて説明する。図9に示したように、MIMO伝送路に用いる送信アンテナは、水平偏波用アンテナ及び垂直偏波用アンテナからなる偏波共用送信アンテナであり、受信アンテナは、水平偏波用アンテナ及び垂直偏波用アンテナからなる偏波共用受信アンテナである。MIMO伝送路を数式で表すと、以下のようになる。
Figure 2017204676
前記数式(1)において、YHは、水平偏波の受信信号、YVは垂直偏波の受信信号、XHは、水平偏波の送信信号、XVは垂直偏波の送信信号、nHは水平偏波の雑音、nVは垂直偏波の雑音をそれぞれ示す。
HHは、受信側の水平偏波のアンテナ素子(水平偏波用アンテナ)と送信側の水平偏波のアンテナ素子(水平偏波用アンテナ)との間の伝送路特性を示す。hVVは、受信側の垂直偏波のアンテナ素子(垂直偏波用アンテナ)と送信側の垂直偏波のアンテナ素子(垂直偏波用アンテナ)との間の伝送路特性を示す。これらは、受信アンテナの性能評価のために取得する水平偏波及び垂直偏波の指向性利得に相当する。
HVは、受信側の水平偏波のアンテナ素子(水平偏波用アンテナ)と送信側の垂直偏波のアンテナ素子(垂直偏波用アンテナ)との間の伝送路特性を示し、垂直偏波から水平偏波に漏れ込む信号の伝送路特性に相当する。hVHは、受信側の垂直偏波のアンテナ素子(垂直偏波用アンテナ)と送信側の水平偏波のアンテナ素子(水平偏波用アンテナ)との間の伝送路特性を示し、水平偏波から垂直偏波に漏れ込む信号の伝送路特性に相当する。
以下の数式のように、これらの伝送路特性hHH,hVV,hHV,hVHを要素として、伝送路行列Hが生成される。
Figure 2017204676
従来のアンテナ特性測定装置は、これら4つの伝送路特性hHH,hVV,hHV,hVHの利得及び位相を個別に測定することで、受信アンテナの水平面指向性を評価する。
条件数K(H)は、以下の数式のように、伝送路行列Hを固有値分解して得られる第1固有値λ1及び第2固有値λ2のうち、最大値λmaxと最小値λminとの間の比にて算出される。
Figure 2017204676
ここで、条件数K(H)は1以上の値をとる。条件数K(H)が1に近い小さい値の場合、伝送路行列Hは良条件の行列であり、精度の高いMIMO復調を実現できることを示している。一方、条件数K(H)が大きい値の場合、伝送路行列Hは悪条件の行列であり、精度が低く誤差の生じるMIMO復調が実現されることを示している。
MIMO伝送路が理想的であり、受信アンテナを構成する水平偏波用アンテナにおける受信利得と垂直偏波用アンテナにおける受信利得とが完全に一致し、交差偏波識別度が∞である場合、以下の数式で表される。この場合、MIMO復調にて受信信号を理想的に分離し、送信信号を復元することができる。
Figure 2017204676
しかしながら、例えば、受信アンテナを構成する水平偏波用アンテナと垂直偏波用アンテナとの間の指向性の違いに起因して、水平偏波と垂直偏波との間に受信利得の差(受信ベル差)が生じることがある。交差偏波識別度が一定の値である場合には、この受信レベル差が伝送路行列Hの対角位置の要素値の差となり、条件数K(H)は1に近くない大きい値となり、結果としてMIMO復調に誤差が生じる。つまり、両アンテナの受信レベル差によるMIMO復調の誤差は、条件数K(H)に反映される。
そこで、本発明では、MIMO伝送路に用いる受信アンテナを評価するための指標として、条件数を算出してこれを用いる。条件数とMIMO復調の誤差との間には、条件数が大きいほどMIMO復調の誤差が大きくなり、条件数が小さいほどMIMO復調の誤差が小さくなる関係がある。したがって、条件数を算出することで、MIMO伝送路に用いる受信アンテナについて、MIMO復調の観点を含め総合的にかつ明確に評価することが可能となる。
一方で、条件数K(H)は、受信アンテナの水平偏波面の傾きに影響を受けないことが知られている。このため、この状態で受信アンテナの水平偏波面の傾きが変わったとしても、条件数K(H)の測定誤差は限りなく小さいから、受信アンテナの水平偏波面の傾きの影響を受けることなく、受信アンテナを精度高く評価することができる。
ここで、受信アンテナの水平偏波面の傾きとは、受信アンテナの中心軸(図9を参照)を変えないで、中心軸に対し水平偏波面を回転させたときの傾きを示す。具体的には、送信アンテナと受信アンテナとが正対している状態を基準状態とした場合に、この基準状態では傾きがないものとする。つまり、傾きは、受信アンテナの中心軸に対し水平偏波面を回転させたときの、基準状態に対する傾き(送信アンテナの水平偏波面に対する受信アンテナの水平偏波面の傾き)をいう。
受信アンテナの偏波面に傾きがある場合のMIMO伝送路を数式で表すと、以下のようになる。
Figure 2017204676
θは、受信アンテナの水平偏波面の傾きを表す角度を示し、Rは、その角度θによって決定される回転行列を示す。H’は、受信アンテナの偏波面に傾きがある場合の伝送路行列を示し、回転行列Rと伝送路行列Hとを乗算することで求められる。
ここで、回転行列Rはエルミート転置行列であるから、当該回転行列Rは、伝送路行列H’の条件数K(H’)を算出する過程において単位行列Aとなる。したがって、条件数K(R)=1であり、H’=RHであることから、条件数K(H’)は、本来の伝送路行列Hとしての値が算出され、伝送路行列Hの条件数K(H)と同値となる(K(H’)=K(H))。
そこで、本発明では、水平偏波及び垂直偏波を用いる場合、条件数K(H)が受信アンテナの水平偏波面の傾きに影響を受けないことに着目し、MIMO伝送路に用いる受信アンテナを評価するための指標として、条件数を算出してこれを用いる。したがって、条件数を算出することで、MIMO伝送路に用いる受信アンテナについて、その設置精度に依存し難い、安定した測定及び評価を行うことが可能となる。
〔全体システム〕
以下、本発明のアンテナ特性測定装置について、実施例を挙げて具体的に説明する。説明の簡略化のため、2×2の偏波MIMO伝送システムを例に挙げて説明する。図1は、受信アンテナの性能を評価する全体システムの構成例を示す概略図である。このMIMO伝送システムは、電波の反射を最小限に抑えた無響室に設けられる。送信側は、偏波共用送信アンテナである送信アンテナ5を備え、受信側は、偏波共用受信アンテナである受信アンテナ6が設けられた回転台7、及びアンテナ特性測定装置1,2を備えている。
送信側は、固定設置された送信アンテナ5を介して、基準信号である水平偏波の信号及び垂直偏波の信号を送信する。受信側は、送信側から送信された水平偏波の信号及び垂直偏波の信号を、回転台7に設けられた受信アンテナ6を介して受信する。送信アンテナ5と受信アンテナ6とが正対した状態においては、送信アンテナ5及び受信アンテナ6の中心軸が一致すると共に、両アンテナの水平偏波面及び垂直偏波面が同一である。
回転台7は、支柱を中心にして、受信アンテナ6を、水平偏波面内で図1に示す回転の方向に回転させる回転機構を備えている。受信アンテナ6は、ユーザにより手動にて、または所定の制御部(図示せず)により自動にて回転させることができる。受信アンテナ6を回転させることにより、両アンテナの水平偏波面を同一とした状態のままで、送信アンテナ5の中心軸に対する受信アンテナ6の中心軸の向きを変更することができる。
回転台7は、受信アンテナ6を介して、水平偏波用アンテナが受信した受信信号YH、及び垂直偏波用アンテナが受信した受信信号YVをアンテナ特性測定装置1,2に出力する。また、回転台7は、受信アンテナ6の水平偏波面内における回転角度を示す情報を角度情報としてアンテナ特性測定装置1,2に出力する。
ここで、回転台7が出力する角度情報は、図8に示した角度と同義であり、受信アンテナ6の中心軸を、送信アンテナ5及び受信アンテナ6の水平偏波面内で回転させたときの角度に関する情報である。
アンテナ特性測定装置1,2は、受信アンテナ6を介して受信信号YH及び受信信号YVを入力すると共に、回転台7から角度情報を入力する。そして、アンテナ特性測定装置1,2は、角度情報が示す所定角度毎に、受信アンテナ6の性能を評価するための条件数等の特性を算出し、これを測定結果として出力する。
〔実施例1〕
次に、実施例1のアンテナ特性測定装置1について説明する。実施例1では、送信側の送信アンテナ5を介して送信する送信信号として、OFDMまたはシングルキャリア等の変調信号を用いる。通常、この送信信号には、伝送路行列H,H’を推定するための既知信号(本例の場合はパイロット信号)が含まれている。
図2は、実施例1において、送信アンテナ5を介して送信される送信信号のフォーマットの一例を説明する図である。図2(a)は、送信アンテナ5の水平偏波用アンテナから送信される信号(水平偏波送信信号)のフォーマットを示し、図2(b)は、送信アンテナ5の垂直偏波用アンテナから送信される信号(垂直偏波送信信号)のフォーマットを示す。横軸は周波数(キャリア番号)を示し、縦軸は時間(シンボル番号)を示す。黒塗りで表した位置の信号は、既知のSP(Scattered Pilot)信号であり、斜め横線で表した位置の信号は、既知のヌル(Null)信号であり、白塗りで表した位置の信号はデータである。
図2(a)の水平偏波送信信号では、基準信号であるSP信号及びヌル信号が所定の周波数間隔及び時間間隔で配置され、図2(b)の垂直偏波送信信号においても、基準信号であるSP信号及びヌル信号が同じ所定の周波数間隔及び時間間隔で配置されている。図2(a)の水平偏波送信信号におけるSP信号が配置された位置には、図2(b)の垂直偏波送信信号におけるヌル信号が配置されている。また、図2(a)の水平偏波送信信号におけるヌル信号が配置された位置には、図2(b)の垂直偏波送信信号におけるSP信号が配置されている。
このようなSP信号及びヌル信号の配置により、水平偏波と垂直偏波との間で直交性を持たせることができるから、受信側のアンテナ特性測定装置1は、送信アンテナ5と受信アンテナ6との間の伝送路行列H,H’の各要素を個別に求めることができる。
図3は、実施例1のアンテナ特性測定装置1の構成例を示すブロック図である。このアンテナ特性測定装置1は、受信電力測定部10−1,10−2、基準電力記録部11−1,11−2、利得計算部12−1,12−2、位相計算部13−1,13−2、既知信号発生部14、伝送路推定部15、条件数算出部16及び測定結果出力部17を備えている。
まず、送信アンテナ5に対して受信アンテナ6を正対させた状態において、アンテナ特性測定装置1は、受信アンテナ6の角度を0°とした測定を行う。そして、送信アンテナ5に対して受信アンテナ6を0°から360°まで回転させることで、アンテナ特性測定装置1は、受信アンテナ6の所定角度毎の測定を行う。これにより、0°から360°までの間で受信アンテナ6の特性を測定することで、受信アンテナ6の性能を評価することができる。
受信電力測定部10−1は、受信アンテナ6を介して受信した受信信号YHを入力し、受信信号YHに基づいて、回転台7に備えた受信アンテナ6の角度情報が示す角度(受信アンテナ6の角度)X°における受信電力PHを測定する。
受信電力PHは、受信アンテナ6の角度X=0°(送信アンテナ5と受信アンテナ6とが正対しているときの角度)を中心として、受信アンテナ6の回転に伴う所定角度毎に算出される。
受信電力測定部10−1は、受信アンテナ6の角度X=0°のときの受信電力PH0を基準電力として、基準電力記録部11−1に記録する。また、受信電力測定部10−1は、受信アンテナ6の回転に伴う所定角度毎(受信アンテナ6の角度X°)の受信電力PHを、利得計算部12−1及び伝送路推定部15に出力すると共に、入力した受信信号YHを位相計算部13−1に出力する。
利得計算部12−1は、受信電力測定部10−1から受信電力PHを入力すると共に、基準電力記録部11−1から受信アンテナ6の角度X=0°における受信電力PH0を読み出す。そして、利得計算部12−1は、受信電力PH及び受信電力PH0に基づいて、以下の数式により、利得GHを計算する。
Figure 2017204676
利得計算部12−1は、受信アンテナ6の角度X°における利得GHを測定結果出力部17に出力する。
位相計算部13−1は、受信電力測定部10−1から受信信号YHを入力し、受信信号YHの位相φHを計算し、受信アンテナ6の角度X°における位相φHを測定結果出力部17に出力する。
受信電力測定部10−2は、受信アンテナ6を介して受信した受信信号YVを入力し、受信信号YVに基づいて受信電力PHを測定する。そして、受信電力測定部10−2は、受信アンテナ6の角度X=0°における受信電力PV0を基準電力として、基準電力記録部11−2に記録する。また、受信電力測定部10−2は、受信アンテナ6の角度X°における受信電力PVを、利得計算部12−2及び伝送路推定部15に出力すると共に、入力した受信信号YVを位相計算部13−2に出力する。
利得計算部12−2は、受信電力測定部10−2から受信電力PVを入力すると共に、基準電力記録部11−2から受信電力PV0を読み出し、前記数式(6)に従い、利得GVを計算し、受信アンテナ6の角度X°における利得GVを測定結果出力部17に出力する。
位相計算部13−2は、受信電力測定部10−2から受信信号YVを入力し、受信信号YVの位相φVを計算し、受信アンテナ6の角度X°における位相φVを測定結果出力部17に出力する。
既知信号発生部14は、予め設定された既知信号(図2に示したSP信号及びヌル信号)を生成し、既知信号XH,XVを伝送路推定部15に出力すると共に、送信側へ送信する。既知信号XHは、水平偏波に使用するSP信号及びヌル信号であり、既知信号XVは、垂直偏波に使用するSP信号及びヌル信号である。
伝送路推定部15は、受信アンテナ6を介して受信した受信信号YH,YVを入力すると共に、受信電力測定部10−1,10−2から受信電力PH,PVを入力し、さらに、既知信号発生部14から既知信号XH,XVを入力する。
伝送路推定部15は、受信信号YH,YV、受信電力PH,PV及び既知信号XH,XVに基づいて、水平偏波及び垂直偏波の受信電力差を正確に反映させた伝送路行列H’を推定する。そして、伝送路推定部15は、受信アンテナ6の角度X°における伝送路行列H’を条件数算出部16に出力する。
MIMO伝送路を数式で表した前記数式(1)を展開すると、水平偏波の受信信号YH及び垂直偏波の受信信号YVは、以下の数式で表される。尚、雑音nH,nVは0とする。
Figure 2017204676
Figure 2017204676
伝送路推定部15は、伝送路特性hHH,hVV,hHV,hVHを算出し、これらを要素とした伝送路行列Hに対し、水平偏波及び垂直偏波の受信電力差を正確に反映させた伝送路行列H’を推定する。
図4は、実施例1の伝送路推定部15の構成例を示すブロック図である。この伝送路推定部15は、周波数変換部30−1,30−2、A/D変換部31−1,31−2、FFT部32−1,32−2、パイロット抽出部33−1,33−2、伝送路特性算出部34−1,34−2及び伝送路行列算出部35を備えている。
周波数変換部30−1は、受信アンテナ6を介して受信した受信信号YHを入力し、後段のA/D変換部31−1にてA/D変換を行うための周波数に変換し、周波数変換後の受信信号YHをA/D変換部31−1に出力する。
A/D変換部31−1は、周波数変換部30−1から周波数変換後の受信信号YHを入力し、受信信号YHのアナログ信号をデジタル信号にA/D変換し、デジタルの受信信号YHをFFT部32−1に出力する。
FFT部32−1は、A/D変換部31−1からデジタルの受信信号YHを入力し、デジタルの受信信号YHの時間領域信号を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号をパイロット抽出部33−1に出力する。
パイロット抽出部33−1は、FFT部32−1から周波数領域信号を入力し、周波数領域信号のうち既知信号が送信された位置のパイロット信号(SP信号及びヌル信号)を抽出し、受信パイロット信号として伝送路特性算出部34−1に出力する。
伝送路特性算出部34−1は、パイロット抽出部33−1から受信パイロット信号を入力すると共に、既知信号発生部14から既知信号XH,XV(送信側から送信された基準信号と同じ信号、送信パイロット信号)を入力する。
伝送路特性算出部34−1は、受信パイロット信号を送信パイロット信号で除算し、MIMO伝送路の周波数特性である伝送路特性hHH,hHVを算出する。そして、伝送路特性算出部34−1は、受信アンテナ6の角度X°における伝送路特性hHH,hHVを伝送路行列算出部35に出力する。
送信側から送信される基準信号は、水平偏波及び垂直偏波の間で直交性が保たれているから、前記数式(7)の第1項及び第2項における伝送路特性hHH,hHVを分離することができる。これにより、受信信号YHから、伝送路行列Hを構成する要素のうち、伝送路特性hHH,hHVが個別に算出される。
周波数変換部30−2、A/D変換部31−2、FFT部32−2及びパイロット抽出部33−2は、受信信号YVについて、前述の周波数変換部30−1、A/D変換部31−1、FFT部32−1及びパイロット抽出部33−1と同様の処理をそれぞれ行う。
伝送路特性算出部34−2も、前述の伝送路特性算出部34−1と同様の処理を行う。伝送路特性算出部34−2は、パイロット抽出部33−2から受信パイロット信号を入力すると共に、既知信号発生部14から既知信号XH,XV(送信パイロット信号)を入力し、伝送路特性hVV,hVHを算出する。そして、伝送路特性算出部34−2は、受信アンテナ6の角度X°における伝送路特性hVV,hVHを伝送路行列算出部35に出力する。
送信側から送信される基準信号は、水平偏波及び垂直偏波の間で直交性が保たれているから、前記数式(8)の第1項及び第2項における伝送路特性hVV,hVHを分離することができる。これにより、受信信号YVから、伝送路行列Hを構成する要素のうち、伝送路特性hVV,hVHが個別に算出される。
伝送路行列算出部35は、伝送路特性算出部34−1から伝送路特性hHH,hHVを入力すると共に、伝送路特性算出部34−2から伝送路特性hVV,hVHを入力し、さらに、受信電力測定部10−1,10−2から受信電力PH,PVを入力する。そして、伝送路行列算出部35は、伝送路特性hHH,hVVに基づいて、伝送路特性hHH,hVVの電力P’H,P’Vをそれぞれ算出する。
伝送路行列算出部35は、伝送路特性hHH,hHV,hVV,hVH、受信電力PH,PV及び電力P’H,P’Vに基づいて、以下の数式により、伝送路行列H’を算出する。そして、伝送路行列算出部35は、伝送路行列H’を条件数算出部16に出力する
Figure 2017204676
これにより、水平偏波及び垂直偏波の受信電力差を正確に反映させた電力補正後の伝送路行列H’が算出される。この伝送路行列H’は、全帯域においてキャリア毎に算出される。
図3に戻って、条件数算出部16は、伝送路推定部15から受信アンテナ6の角度X°における伝送路行列H’を入力する。そして、条件数算出部16は、キャリア毎に伝送路行列H’に基づいて条件数K(H’)を算出し、全帯域に渡る条件数K(H’)の平均値を算出することで、平均条件数を求める。そして、条件数算出部16は、平均条件数を受信アンテナ6の角度X°における条件数として、測定結果出力部17に出力する。
条件数K(H’)の算出手法は、特異値分解、固有値分解による手法等、複数の手法がある。例えば、エルミート行列の固有値分解手法については、以下の文献を参照されたい。
“エルミート行列の固有値分解アルゴリズム” [online]、[平成28年2月15日検索]、 インターネット<http://kosugitti.sakura.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2013/08/qr.pdf>
測定結果出力部17は、利得計算部12−1,12−2から受信信号YHの利得GH及び受信信号YVの利得GVを入力すると共に、位相計算部13−1,13−2から受信信号YHの位相φH及び受信信号YVの位相φVを入力する。また、測定結果出力部17は、条件数算出部16から条件数を入力すると共に、回転台7から受信アンテナ6の角度X°を示す角度情報を入力する。
測定結果出力部17は、受信信号YHの利得GH、受信信号YVの利得GV、受信信号YHの位相φH、受信信号YVの位相φV及び条件数を、受信アンテナ6の角度X°における特性の測定結果として出力する。受信アンテナ6の角度X°における特性の測定結果は、受信アンテナ6の性能を評価するために用いられる。
図7は、実施例1により測定される受信アンテナの特性の一例を示す図である。横軸は角度を示し、縦軸は受信電力値(dBm)及び条件数(dB)を示す。aは、水平偏波の指向性利得(利得GH)を示し、bは、垂直偏波の指向性利得(利得GV)を示し、cは条件数を示す。水平偏波の指向性利得(利得GH)a及び垂直偏波の指向性利得(利得GV)bの基本特性、並びに条件数cの特性は、図3に示した測定結果出力部17により出力される測定結果である。
図7に示す特性から、例えば条件数c=2dBを基準に受信アンテナ6を評価する場合には、角度が約−85°〜70°の範囲において、受信アンテナ6が高性能に機能するものと判断することができる。後述する実施例2についても同様である。ここで、図7における横軸の角度は−180°〜180°で表しているが、このうちの角度−180°〜0°は、前記説明における角度180°〜360°と等価である。
尚、測定結果出力部17は、図7に示した3つの特性に加え、垂直偏波に漏れ込む電波の指向性、水平偏波に漏れ込む電波の指向性及び交差偏波識別度を測定結果として出力するようにしてもよい。
以上のように、実施例1のアンテナ特性測定装置1によれば、受信アンテナ6の角度X°を0°から360°までの範囲で変化させた状態で、送信側から送信された既知信号を含む水平偏波の変調信号及び垂直偏波の変調信号を、受信アンテナ6を介して受信する。
伝送路推定部15は、受信信号YH,YV、受信電力PH,PV及び既知信号XH,XVに基づいて、水平偏波及び垂直偏波の受信電力差を反映させた伝送路行列H’を推定する。これにより、受信アンテナ6の角度X°における伝送路行列H’が得られる。
条件数算出部16は、キャリア毎に、伝送路行列H’に基づいて条件数K(H’)を算出し、全キャリアの平均値を算出することで、平均条件数を求める。これにより、受信アンテナ6の角度X°における条件数が得られる。
測定結果出力部17は、受信信号YHの利得GH、受信信号YVの利得GV、受信信号YHの位相φH、受信信号YVの位相φV及び条件数を、受信アンテナ6の角度X°における特性の測定結果として出力する。
これにより、受信アンテナ6の角度X°における条件数等の特性の測定結果は、受信アンテナ6の性能を評価するために用いられる。つまり、受信アンテナ6の性能を評価するために、従来の受信信号YHの利得GH等の基本特性に加え、MIMO復調の誤差の程度を判断可能な条件数の特性も用いることができる。したがって、MIMO伝送に用いる受信アンテナ6について、MIMO復調の観点を含め総合的な性能を評価することが可能となる。
また、受信アンテナ6の性能を評価するための条件数は、受信アンテナ6の水平偏波面の傾きに影響を受けない。これにより、受信アンテナ6の水平偏波面が傾いたとしてもアンテナ特性測定装置1は、安定した条件数を算出することができる。したがって、MIMO伝送に用いる受信アンテナ6について、その設置精度に依存し難い、安定した測定及び評価を行うことが可能となる。
〔実施例2〕
次に、実施例2のアンテナ特性測定装置2について説明する。実施例2では、送信側の送信アンテナ5を介して送信する送信信号として、CW(Carrier Wave:搬送波)等の無変調信号を用いる。CW等の無変調信号は、実施例1に示したOFDMまたはシングルキャリア等の変調信号のような既知信号ではない。このため、無変調信号そのものについての受信電力、利得及び位相から伝送路行列H’を算出することで、条件数K(H’)の測定が可能となる。
実施例2において、図1に示した全体システムにおいて、送信側は、送信アンテナ5を介して、水平偏波及び垂直偏波を用いてCW信号を送信する際に、水平偏波と垂直偏波とを交互に切り替え、一方の偏波に使用するCW信号を交互に送信する。受信側は、水平偏波に使用するCW信号及び垂直偏波に使用するCW信号うち、一方の偏波のCW信号のみを交互に受信する。
図5は、実施例2のアンテナ特性測定装置2の構成例を示すブロック図である。このアンテナ特性測定装置2は、受信電力測定部20−1,20−2、基準電力記録部21−1,21−2、利得計算部22−1,22−2、位相計算部23−1,23−2、基準信号発生部24、伝送路推定部25、条件数算出部26及び測定結果出力部27を備えている。
まず、送信アンテナ5に対して受信アンテナ6を正対させた状態において、送信側は、水平偏波に使用するCW信号と垂直偏波に使用するCW信号とを交互に切り替えて送信する。そして、アンテナ特性測定装置2は、受信アンテナ6の角度X=0°とした測定を行う。そして、送信アンテナ5に対して受信アンテナ6を0°から360°まで回転させることで、送信側は、水平偏波に使用するCW信号と垂直偏波に使用するCW信号とを交互に切り替えて送信する。アンテナ特性測定装置2は、受信アンテナ6の所定角度毎の測定を行う。これにより、0°から360°までの間で受信アンテナ6の特性を測定することで、受信アンテナ6の性能を評価することができる。
受信電力測定部20−1,20−2は、実施例1と同様に、受信アンテナ6の角度X°における受信電力PH,PVを測定する。基準電力記録部21−1,21−2には、受信アンテナ6の角度X=0°における受信電力PH0,PV0が基準電力として記録される。
利得計算部22−1,22−2は、受信電力測定部20−1,20−2から受信電力PH,PVを入力すると共に、基準電力記録部21−1,21−2から受信アンテナ6の角度X=0°における受信電力PH0,PV0を読み出す。また、利得計算部22−1,22−2は、後述の基準信号発生部24からCW信号を入力する。そして、利得計算部22−1,22−2は、受信電力PH,PV、受信電力PH0,PV0及びCW信号に基づいて、利得GH,GVを計算する。利得計算部22−1,22−2は、受信アンテナ6の角度X°における利得GH,GVを測定結果出力部27に出力する。
位相計算部23−1,23−2は、受信電力測定部20−1,20−2から受信信号YH,YVを入力すると共に、後述の基準信号発生部24からCW信号を入力する。そして、位相計算部23−1,23−2は、受信信号YH,YV及びCW信号に基づいて、受信信号YH,YVの位相φH,φVを計算し、受信アンテナ6の角度X°における位相φH,φVを測定結果出力部27に出力する。
基準信号発生部24は、送信側から送信アンテナ5を介して送信された無変調信号であるCW信号と同じ信号を、予め設定された基準信号として生成し、基準信号であるCW信号を利得計算部22−1,22−2及び位相計算部23−1,23−2に出力する。CW信号は、送信側から送信される水平偏波に使用するCW信号、及び垂直偏波に使用するCW信号である。
伝送路推定部25は、受信電力測定部20−1,20−2から受信電力PH,PVを入力すると共に、位相計算部23−1,23−2から位相φH,φVを入力する。そして、伝送路推定部25は、受信電力PH,PV及び位相φH,φVに基づいて、水平偏波及び垂直偏波の受信電力差を正確に反映させた伝送路行列H’を推定する。そして、伝送路推定部25は、受信アンテナ6の角度X°における伝送路行列H’を条件数算出部26に出力する。
前述のとおり、実施例2において、送信側は、水平偏波に使用するCW信号と垂直偏波に使用するCW信号とを交互に切り替え、一方の偏波のCW信号を交互に送信する。受信側は、水平偏波に使用するCW信号と垂直偏波に使用するCW信号を、交互に受信する。
送信側から水平偏波のCWのみが送信された場合、MIMO伝送路を数式で表した前記数式(1)を展開すると、水平偏波の受信信号YH及び垂直偏波の受信信号YVは、以下の数式で表される。尚、雑音nH,nVは0とする。
Figure 2017204676
Figure 2017204676
また、送信側から垂直偏波のCWのみが送信された場合、受信信号YH,YVは、以下のように表される。尚、雑音nH,nVは0とする。
Figure 2017204676
Figure 2017204676
このように、送信側から一方の偏波のCWのみが送信された場合、受信アンテナ6を介して受信される受信信号YH,YVには、1つの伝送路特性の情報のみが含まれる。伝送路推定部25は、伝送路特性hHH,hVV,hHV,hVHを算出し、これらを要素とした伝送路行列Hに対し、水平偏波及び垂直偏波の受信電力差を正確に反映させた伝送路行列H’を推定する。
図6は、実施例2の伝送路推定部25の構成例を示すブロック図である。この伝送路推定部25は、伝送路特性算出部40−1,40−2及び伝送路行列算出部41を備えている。
送信側から水平偏波に使用したCW信号のみが送信された状態において、伝送路特性算出部40−1は、受信電力測定部20−1から受信電力PHを入力すると共に、位相計算部23−1から位相φHを入力する。そして、伝送路特性算出部40−1は、受信電力PH及び位相φHに基づいて、後述の数式(14)にて伝送路特性hHH’を算出する。
同様の状態において、伝送路特性算出部40−2は、受信電力測定部20−2から受信電力PVを入力すると共に、位相計算部23−2から位相φVを入力する。そして、伝送路特性算出部40−2は、受信電力PV及び位相φVに基づいて、後述の数式(14)にて伝送路特性hVH’を算出する。
Figure 2017204676
また、送信側から垂直偏波に使用したCW信号のみが送信された状態において、伝送路特性算出部40−1は、受信電力PH及び位相φHに基づいて、後述の数式(15)にて伝送路特性hHV’を算出する。
同様の状態において、伝送路特性算出部40−2は、受信電力PV及び位相φVに基づいて、後述の数式(15)にて伝送路特性hVV’を算出する。
Figure 2017204676
伝送路行列算出部41は、伝送路特性算出部40−1から受信アンテナ6の角度X°における伝送路特性hHH’,hHV’を入力すると共に、伝送路特性算出部40−2から受信アンテナ6の角度X°における伝送路特性hVH’,hVV’を入力する。そして、伝送路行列算出部41は、伝送路特性hHH’,hHV’,hVH’,hVV’を要素とした伝送路行列H’を生成する。
これにより、水平偏波及び垂直偏波の受信電力差を正確に反映させた電力補正後の伝送路行列H’が算出される。
図5に戻って、条件数算出部26は、伝送路推定部25から受信アンテナ6の角度X°における伝送路行列H’を入力し、伝送路行列H’に基づいて条件数K(H’)を算出し、これを条件数として測定結果出力部27に出力する。
測定結果出力部27は、利得計算部22−1,22−2から受信信号YHの利得GH及び受信信号YVの利得GVを入力すると共に、位相計算部23−1,23−2から受信信号YHの位相φHを及び受信信号YVの位相φVを入力する。また、測定結果出力部27は、条件数算出部26から条件数を入力すると共に、回転台7から受信アンテナ6の角度X°を示す角度情報を入力する。
測定結果出力部27は、受信信号YHの利得GH、受信信号YVの利得GV、受信信号YHの位相φH、受信信号YVの位相φV及び条件数を、受信アンテナ6の角度X°における特性の測定結果として出力する。受信アンテナ6の角度X°における特性の測定結果は、受信アンテナ6の性能を評価するために用いられる。
以上のように、実施例2のアンテナ特性測定装置2によれば、受信アンテナ6の角度X°を0°から360°までの範囲で変化させた状態で、送信側から送信された水平偏波及び垂直偏波のCW信号を、受信アンテナ6を介して受信する。
伝送路推定部25は、受信電力測定部20−1,20−2により測定された受信信号YH,YVの受信電力PH,PV、及び位相計算部23−1,23−2により計算された受信信号YH,YVの位相φH,φVを入力する。そして、伝送路推定部25は、送信側から水平偏波のCW信号のみが送信された状態において、受信電力PH及び位相φHに基づいて伝送路特性hHH’を算出し、受信電力PV及び位相φVに基づいて伝送路特性hVH’を算出する。また、伝送路推定部25は、送信側から垂直偏波のCW信号のみが送信された状態において、受信電力PH及び位相φHに基づいて伝送路特性hHV’を算出し、受信電力PV及び位相φVに基づいて伝送路特性hVV’を算出する。
伝送路推定部25は、伝送路特性hHH’,hHV’,hVH’,hVV’を要素とした伝送路行列H’を生成する。これにより、受信アンテナ6の角度X°における伝送路行列H’が得られる。
条件数算出部26は、伝送路行列H’に基づいて条件数を算出する。これにより、受信アンテナ6の角度X°における条件数が得られる。
測定結果出力部27は、実施例1と同様に、受信信号YHの利得GH、受信信号YVの利得GV、受信信号YHの位相φH、受信信号YVの位相φV及び条件数を、受信アンテナ6の角度X°における特性の測定結果として出力する。
これにより、実施例1と同様に、MIMO伝送に用いる受信アンテナ6について、MIMO復調の観点を含め総合的な性能を評価することが可能となる。また、受信アンテナ6の設置精度に依存し難い、安定した測定及び評価を行うことが可能となる。
以上、実施例1,2を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例1,2に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、図1に示したMIMO伝送システム、図3に示した実施例1及び図5に示した実施例2では、水平偏波及び垂直偏波を用いた2×2のMIMO伝送システムについて説明した。本発明は、送信アンテナ5の本数を2に限定するものではなく、受信アンテナ6の本数も2に限定するものでもなく、他の本数にも適用がある。また、本発明は、水平偏波及び垂直偏波に限定するものではなく、他の種類の偏波にも適用があり、偏波以外の電波にも適用がある。
また、図3に示した実施例1において、アンテナ特性測定装置1の既知信号発生部14は、既知信号XH,XVを送信側へ送信するようにしたが、送信側へ送信しないようにしてもよい。この場合、送信側は、既知信号XH,XVを予め認識しているものとする。
また、図3に示した実施例1において、送信信号のフォーマットは、図2に示したフォーマットに限定するものではなく、図2とは異なる配置のフォーマットを用いるようにしてもよいし、他のパイロット信号を用いるようにしてもよい。また、周波数軸及び時間軸方向に連続して挿入される既知信号を用いるようにしてもよい。また、直交化の手法として、ヌル信号の代わりに、アダマール符号、Alamouti符号を用いるようにしてもよい。
また、実施例1,2のアンテナ特性測定装置1,2を含む図1に示したMIMO伝送システムでは、回転台7は、受信アンテナ6を、水平偏波面内で図1に示す回転の方向に回転させる回転機構を備えている。これに対し、回転台7は、受信アンテナ6を、垂直偏波面内で回転させる回転機構を備えるようにしてもよい。この場合、回転台7は、受信アンテナ6の垂直偏波面における回転角度を示す情報を角度情報としてアンテナ特性測定装置1,2に出力する。アンテナ特性測定装置1,2は、回転台7からこの角度情報を入力し、垂直偏波面内で回転させた角度毎に、受信アンテナ6の性能を評価するための条件数等の特性を算出し、これを測定結果として出力する。
また、実施例1,2では、アンテナ特性測定装置1,2について説明したが、MIMO受信装置が、図3または図5に示したアンテナ特性測定装置1,2の各構成部を備えるようにしてもよい。この場合、MIMO受信装置は、条件数等の測定結果を表示する機能を有する。
尚、本発明の実施例1,2のアンテナ特性測定装置1,2のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。アンテナ特性測定装置1,2は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。
アンテナ特性測定装置1に備えた受信電力測定部10−1,10−2、基準電力記録部11−1,11−2、利得計算部12−1,12−2、位相計算部13−1,13−2、既知信号発生部14、伝送路推定部15、条件数算出部16及び測定結果出力部17の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
また、アンテナ特性測定装置2に備えた受信電力測定部20−1,20−2、基準電力記録部21−1,21−2、利得計算部22−1,22−2、位相計算部23−1,23−2、基準信号発生部24、伝送路推定部25、条件数算出部26及び測定結果出力部27の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
これらのプログラム(アンテナ特性測定プログラム)は、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
1,2 アンテナ特性測定装置
5 送信アンテナ
6 受信アンテナ
7 回転台
10,20 受信電力測定部
11,21 基準電力記録部
12,22 利得計算部
13,23 位相計算部
14 既知信号発生部
15,25 伝送路推定部
16,26 条件数算出部
17,27 測定結果出力部
24 基準信号発生部
30 周波数変換部
31 A/D変換部
32 FFT部
33 パイロット抽出部
34,40 伝送路特性算出部
35,41 伝送路行列算出部

Claims (7)

  1. 複数のアンテナからなる送信アンテナを介して送信された信号を、MIMO伝送路及び複数のアンテナからなる受信アンテナを介して受信し、受信信号に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性を測定するアンテナ特性測定装置において、
    前記受信アンテナを介して受信した受信信号に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を推定する伝送路推定部と、
    前記伝送路推定部により推定された前記伝送路行列に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性として条件数を算出する条件数算出部と、
    を備えたことを特徴とするアンテナ特性測定装置。
  2. 複数のアンテナからなる送信アンテナを介して送信された信号を、MIMO伝送路及び複数のアンテナからなる受信アンテナを介して受信し、受信信号に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性を測定するアンテナ特性測定装置において、
    前記送信アンテナに対する角度を前記受信アンテナの角度とし、
    前記受信アンテナの角度を変更したときの前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して受信した受信信号に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を推定する伝送路推定部と、
    前記伝送路推定部により推定された前記受信アンテナの所定角度毎の前記伝送路行列に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性として前記受信アンテナの所定角度毎の条件数を算出する条件数算出部と、
    を備えたことを特徴とするアンテナ特性測定装置。
  3. 複数のアンテナからなる送信アンテナを介して送信された水平偏波の変調信号及び垂直偏波の変調信号を、MIMO伝送路及び複数のアンテナからなる受信アンテナを介して受信し、水平偏波の受信信号及び垂直偏波の受信信号に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性を測定するアンテナ特性測定装置において、
    前記受信アンテナを当該受信アンテナの水平偏波面内で回転させたときの角度を、前記受信アンテナの角度とし、
    前記受信アンテナの角度を変更したときの前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して受信した前記水平偏波の受信信号に基づいて、前記水平偏波の受信信号の受信電力を測定し、前記垂直偏波の受信信号に基づいて、前記垂直偏波の受信信号の受信電力を測定する受信電力測定部と、
    前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して受信した前記水平偏波の受信信号及び前記垂直偏波の受信信号、前記送信アンテナを介して送信された前記水平偏波の変調信号及び前記垂直偏波の変調信号に含まれる既知信号、並びに、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力及び前記垂直偏波の受信信号の受信電力に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を推定する伝送路推定部と、
    前記伝送路推定部により推定された前記受信アンテナの所定角度毎の前記伝送路行列に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性として前記受信アンテナの所定角度毎の条件数を算出する条件数算出部と、
    を備えたことを特徴とするアンテナ特性測定装置。
  4. 請求項3に記載のアンテナ特性測定装置において、
    前記伝送路推定部は、
    前記受信アンテナを介して受信した前記水平偏波の受信信号及び前記垂直偏波の受信信号に含まれるパイロット信号、及び前記送信アンテナを介して送信された前記水平偏波の変調信号及び前記垂直偏波の変調信号に含まれる既知のパイロット信号に基づいて、前記受信アンテナにおける水平偏波用アンテナ及び垂直偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける水平偏波用アンテナ及び垂直偏波用アンテナとの間のそれぞれの伝送路特性を算出する伝送路特性算出部と、
    前記伝送路特性算出部により算出された前記受信アンテナにおける水平偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける水平偏波用アンテナとの間の伝送路特性に基づいて、水平偏波用アンテナ間の伝送路特性を算出し、前記受信アンテナにおける垂直偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける垂直偏波用アンテナとの間の伝送路特性に基づいて、垂直偏波用アンテナ間の伝送路特性を算出し、
    前記伝送路特性算出部により算出された前記それぞれの伝送路特性、前記水平偏波用アンテナ間の伝送路特性及び前記垂直偏波用アンテナ間の伝送路特性、並びに、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力及び前記垂直偏波の受信信号の受信電力に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を算出する伝送路行列算出部と、
    を備えたことを特徴とするアンテナ特性測定装置。
  5. 複数のアンテナからなる送信アンテナを介して交互に送信された水平偏波の無変調信号及び垂直偏波の無変調信号を、MIMO伝送路及び複数のアンテナからなる受信アンテナを介して受信し、水平偏波の受信信号及び垂直偏波の受信信号に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性を測定するアンテナ特性測定装置において、
    前記受信アンテナを当該受信アンテナの水平偏波面内で回転させたときの角度を、前記受信アンテナの角度とし、
    前記受信アンテナの角度を変更したときの前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して交互に受信した前記水平偏波の受信信号に基づいて、前記水平偏波の受信信号の受信電力を測定し、前記垂直偏波の受信信号に基づいて、前記垂直偏波の受信信号の受信電力を測定する受信電力測定部と、
    前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信アンテナを介して交互に受信した前記水平偏波の受信信号、及び前記送信アンテナを介して交互に送信された前記水平偏波の無変調信号と同じ予め設定された無変調信号に基づいて、前記水平偏波の受信信号の位相を計算し、前記垂直偏波の受信信号、及び前記垂直偏波の無変調信号と同じ予め設定された無変調信号に基づいて、前記垂直偏波の受信信号の位相を計算する位相計算部と、
    前記受信アンテナの所定角度毎に、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力及び前記垂直偏波の受信信号の受信電力、並びに、前記位相計算部により計算された前記水平偏波の受信信号の位相及び前記垂直偏波の受信信号の位相に基づいて、前記MIMO伝送路の伝送路行列を推定する伝送路推定部と、
    前記伝送路推定部により推定された前記受信アンテナの所定角度毎の前記伝送路行列に基づいて、前記受信アンテナを評価するための特性として前記受信アンテナの所定角度毎の条件数を算出する条件数算出部と、
    を備えたことを特徴とするアンテナ特性測定装置。
  6. 請求項5に記載のアンテナ特性測定装置において、
    前記伝送路推定部は、
    前記送信アンテナを介して前記水平偏波の無変調信号のみが送信された状態にて、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力、及び前記位相計算部により計算された前記水平偏波の受信信号の位相に基づいて、前記受信アンテナにおける水平偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける水平偏波用アンテナとの間の伝送路特性を算出すると共に、前記受信電力測定部により測定された前記垂直偏波の受信信号の受信電力、及び前記位相計算部により計算された前記垂直偏波の受信信号の位相に基づいて、前記受信アンテナにおける垂直偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける水平偏波用アンテナとの間の伝送路特性を算出し、
    前記送信アンテナから前記垂直偏波の無変調信号のみが送信された状態にて、前記受信電力測定部により測定された前記水平偏波の受信信号の受信電力、及び前記位相計算部により計算された前記水平偏波の受信信号の位相に基づいて、前記受信アンテナにおける水平偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける垂直偏波用アンテナとの間の伝送路特性を算出すると共に、前記受信電力測定部により測定された前記垂直偏波の受信信号の受信電力、及び前記位相計算部により計算された前記垂直偏波の受信信号の位相に基づいて、前記受信アンテナにおける垂直偏波用アンテナと前記送信アンテナにおける垂直偏波用アンテナとの間の伝送路特性を算出する伝送路特性算出部と、
    前記伝送路特性算出部により算出された前記伝送路特性を要素として、前記MIMO伝送路の伝送路行列を生成する伝送路行列算出部と、
    を備えたことを特徴とするアンテナ特性測定装置。
  7. コンピュータを、請求項1から6までのいずれか一項に記載のアンテナ特性測定装置として機能させるためのアンテナ特性測定プログラム。
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