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JP2017110787A - 座金、ナット、ボルト、座金付きナット、座金付きボルト - Google Patents

座金、ナット、ボルト、座金付きナット、座金付きボルト Download PDF

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JP2017110787A
JP2017110787A JP2015247527A JP2015247527A JP2017110787A JP 2017110787 A JP2017110787 A JP 2017110787A JP 2015247527 A JP2015247527 A JP 2015247527A JP 2015247527 A JP2015247527 A JP 2015247527A JP 2017110787 A JP2017110787 A JP 2017110787A
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一夫 中島
Kazuo Nakajima
一夫 中島
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Abstract

【課題】ボルト又はナットの緩み防止【解決手段】座金の表面周方向に放射状に多数本の座金突起6を備え、その座金突起はナットの頭部裏面又はボルトの頭部裏面の周方向に放射状に形成されている多数本の頭部突起と噛み合うことができ、ナット又はボルトの締め付け後は前記噛み合いが緩みにくくなるか又は緩まないようにした座金1であり、座金突起6は乗り越え斜面9と係止面と両面の上り交差部に稜線部11を、下り交差部に谷部を備えた山形であり、乗り越え斜面は稜線部よりもナット又はボルトの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもナット又はボルトの締め付け回転方向先方にあり、前記稜線部11及び谷部12は円弧状の座金である。【選択図】図1

Description

本発明は螺子類、特に座金、ナット、ボルト、座金付きナット、座金付きボルトに関する。
螺子類の緩み止め構造は従来から各種あり、他の部材と噛み合う突起が設けられたものが知られている(特許文献1)。同文献の図5(a)(b)にはボルト頭部の裏面に頭部突起が設けられたボルトが、図6にはナット頭部の裏面に頭部突起が設けられたナットが、図3には座金表面に前記頭部突起と噛み合う座金突起を備えた座金が開示されている。前記頭部突起はボルト又はナットを締め付けると前記座金突起と噛み合って、ボルト又はナットの緩みを防止できるようにしたものである。
特許第3474341号公報
前記特許文献1に開示された螺子類の頭部突起や座金突起(まとめて「突起」ということがある)は、いずれも、突起の先端部(稜線部)が先鋭な山形(端面形状三角形で、座金或いはナット、ボルト等の頭部の径方向に細長:以下同じ)であるため、先端部が欠けたり潰れたりしやすい(欠損し易い)という難点がある。先端部の欠損は螺子類の緩みの原因となり好ましくない。また、それら螺子類を成型するプレス金型の稜線部成型箇所も先鋭であるため、当該部分が欠損しやすく、型持ちしにくい(プレス可能回数が少ない)という難点がある。プレス金型の欠損は成型される製品の精度低下にもつながり、緩みの原因にもなり、好ましくない。
本発明の解決課題は、座金、ナット、ボルト等の螺子類の突起の稜線部が欠損し難く、プレス金型の稜線部成型箇所が欠損し難く、型持ちが良く、多数回のプレス成型ができる座金、ナット、ボルト、座金付きナットと座金付きボルトを提供することにある。
本発明の座金は、中心側の貫通孔から外周方向に放射状に多数本の突起(座金突起)を備え、その座金突起はナット又はボルト(鋲、螺子を含む:以下同じ)の頭部の裏面周方向に放射状に形成されている多数本の山形の頭部突起と噛み合うことができ、ナット又はボルトの締め付け後は前記噛み合いが緩まない(「緩みにくい」を含む:以下同じ)ようにした座金であり、前記座金突起は乗り越え斜面と、係止面と、両面の上り交差部の稜線部と、下り交差部の谷部を備え、乗り越え斜面は稜線部よりもナット又はボルトの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもナット又はボルトの締め付け回転方向先方にあり、前記稜線部及び谷部が円弧状であって、側面視連続する波形である座金である。
前記座金突起は座金表面の周方向全周に設けることもできる。前記座金突起は座金表面の周方向数箇所に間隔をあけて設け、その間隔部分を座金突起のない無突起部とすることができる。
前記座金は、座金裏面の周方向数箇所に食い込み突起を備えたものであり、食い込み突起は締め付け材(対象物)に食い込み可能なものであってもよい。食い込み突起は座金の裏面であって前記無突起部と反対の数箇所に設けることもできる。
前記食い込み突起は、根元から先端に向けて先細りであり、先端部が弧面状又は平面状であってもよい。
前記食い込み突起の根元周縁部に窪み部を備え、窪み部は、食い込み突起が対象物に食い込むことにより対象物から盛り上がる肉(盛り上がり肉)が入ることができる大きさとすることができる。
本発明のナットは、ナットの頭部の裏面周方向に放射状に多数本の頭部突起を備え、頭部突起は座金の多数本の座金突起と噛み合うことができ、座金への締め付け後は前記噛み合いが緩まないようにしたナットであり、ナットの頭部突起は乗り越え斜面と、係止面と、両面の上り交差部の稜線部と、下り交差部の谷部を備え、乗り越え斜面は稜線部よりもナットの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもナットの締め付け回転方向先方にあり、前記稜線部及び谷部は円弧状であって、側面視連続する波形であるナットである。前記頭部突起は頭部裏面の周方向全周に設けることもできる。頭部突起は頭部裏面の周方向数箇所に間隔をあけて設け、その間隔部分を頭部突起のない無突起部とすることができる。
本発明のボルトは、ボルトの頭部の裏面周方向に放射状に多数本の頭部突起を備え、その頭部突起は座金の頭部表面に放射状に形成されている多数本の座金突起と噛み合うことができ、ボルトの締め付け後は前記噛み合いが緩まないようにしたボルトにおいて、ボルトの頭部突起は乗り越え斜面と、係止面と、両面の上り交差部の稜線部と、下り交差部の谷部を備え、乗り越え斜面は稜線部よりもボルトの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもボルトの締め付け回転方向先方にあり、前記稜線部及び谷部は円弧状であり、側面視連続する波形であるボルトである。前記頭部突起は頭部裏面の周方向全周に設けることもできる。頭部突起は頭部裏面の周方向数箇所に間隔をあけて設け、その間隔部分を頭部突起のない無突起部とすることができる。
前記乗り越え斜面は締め付け回転方向に緩やかな上り傾斜であり、前記係止面は締め付けの緩み方向に前記乗り越え斜面よりも急な斜面であってもよい。前記稜線部及び谷部は同じ径又は異なる径の円弧であってもよい。
本発明の座金付きナットは、座金がナット頭部の裏面に回転可能にセットされた座金付きナットであり、座金が前記構造の座金、ナットが前記構造のナットであり、座金突起とナットの頭部突起が座金とナットの相対的回転により互いに噛み合い、ナットの締め付け完了後は前記噛み合いが緩まないようにしたものである。
本発明の座金付きボルトは、座金がボルト頭部の裏面に回転可能にセットされた座金付きボルトであり、座金が前記構造の座金、ボルトが前記構造のボルトであり、座金突起とボルトの頭部突起が座金とボルトの相対的な回転により噛み合い可能であり、ボルトの締め付け完了後は、前記噛み合いが緩まないようにしたものである。
本発明の座金、ナット、ボルト、座金付きナット、座金付きボルトは、座金突起も、ナット及びボルトの頭部突起も、稜線部と谷部が円弧状であるため、稜線部も谷部も噛み合い時に欠損し難い。また、両突起成型時にプレス金型も欠損し難く、型持ちがよい(長持ちする)。
本発明の螺子類の緩み止め構造における座金の一例を示すものであって、(a)は斜視図、(b)は(a)の座金のA矢視図、(c)は座金の他例の断面図、(d)は(a)の座金の底面図、(e)は(d)のB−B断面図。 (a)は座金付きナットの正面図、(b)はナットへの座金の組み立て説明図、(c)は(a)の座金付きナットの一部断面図、(d)は座金付きナットの他例の一部断面図。 (a)は座金付きボルトの一例を示す正面図、(b)は(a)のP部の詳細図、(c)は座金突起又は頭部突起の他例を示す説明図。 (a)〜(c)は図3(a)の座金付きボルトの組み立て説明図。 (a)〜(c)は図2(a)の座金付きナットと図3(a)の座金付きボルトで二枚の板材を固定する場合の工程説明図 (a)はナットの一例を示す正面図、(b)はボルトの一例を示す正面図。 図6(a)のナットと、図6(b)のボルトの使用説明図。 本発明の座金付きナットであって、座金を二枚備えた場合の一例であり、(a)は組み立て前の正面図、(b)は組み立て後の一部断面図、(c)は組み立て後の正面図。 本発明の座金付きボルトであって、座金を二枚備えた場合の一例であり、(a)は組み立て前の正面図、(b)は組み立て後の正面図、(c)は使用説明図。 (a)は座金付きボルトの他例を示す正面図、(b)は(a)のP部の詳細図。
(座金の実施形態)
本発明の螺子類の一例を、図面を参照して説明する。図1(a)の実施形態は、螺子類が座金1の場合である。図1(a)に示す座金1は中央部に貫通孔2が形成された環状である。貫通孔2は連結軸27(図2(b))、ボルト軸38(図3(a))等を挿通可能な孔径である。
[座金突起]
図1(a)の座金1の周方向四箇所には山形の座金突起6が多数本形成されており、数本を一群として四群形成されている。四群の座金突起6の間には、座金突起のない無突起部7が形成されている。この無突起部7の裏面四箇所に食い込み突起8が突設されている。四群は一列であり、群数は所望数とすることができる。無突起部7の幅は各群の幅よりも狭くしてある。
図1(a)の四箇所(四群)の座金突起6は、表面高台部5の周方向に形成されている。個々の座金突起6は山形であり、乗り越え斜面9(図1(b))と、係止面10と、稜線部11と、谷部12を備えている。乗り越え斜面9は稜線部11よりも締め付け回転方向手前側に形成され、係止面10は稜線部11よりも締め付け回転方向先方に形成され、稜線部11は乗り越え斜面9と係止面10の上り交差部(山の頂部)に形成され、谷部12は乗り越え斜面9と係止面10との下り交差部(山の底部)に形成されている。稜線部11の頂部と谷部12の底部は円弧状(図1(a))にして、側面視連続する波形にしてある。円弧状にすることによりボルトやナット等の螺子類の突起(頭部突起)との噛み合いにより欠け難くなり潰れ難くなる(欠損し難くなる)ようにしてある。また、座金1を成型するプレス金型の稜線部11及び谷部12の成型箇所が成型時に欠損し難くなって型持ち(長持ち)するようにしてある。
多数本の座金突起6は同じ形状である。座金突起6の突出寸法、乗り越え斜面9の傾斜角度、係止面10の傾斜角度、稜線部11及び谷部12の円弧半径等は座金1の直径、肉厚、用途等に応じて適宜設計することができる。乗り越え斜面9と係止面10の傾斜角度は同じであってもよく、乗り越え斜面9の締め付け方向への傾斜角度が、係止面11の緩み止め方向への傾斜角度よりも緩くすることもできる。
座金1は図1(c)に示すように貫通孔2の外側の表面内周縁3と、座金1の表面外周部4との間に、それら表面内周縁3及び表面外周部4よりも一段高い表面高台部5をリング状に形成し、その高台部5の上に山形の座金突起6を設けることもできる。
[食い込み突起]
食い込み突起8は各種形状とすることができる。その一例を図1(d)に示す。食い込み突起8は座金1の裏面周方向四箇所に突設されている(図1(d))。食い込み突起8は、座金1の締め付け回転時に、締め付ける部材或いは連結する部材(以下「対象物」という)40、41(図5(a)〜(c))に食い込むものである。その形状は、締め付け回転時に対象物40、41に食い込み易い形状、例えば、半円錐状、三日月錐状、四角錐状、円錐状(図1(e))といった形状とすることができる。いずれの形状であっても、根元8b(図1(e))側が太く、先端部8a側が先細りである。
食い込み突起8の先端部8aは弧面状(図1(e))或いは平面状にして、食い込み時に先端部8aが欠損し難く、プレス金型の先端部成型箇所も欠損し難くなるようにすることもできる
[窪み部]
座金1の裏面であって、食い込み突起8の根元8b(図1(e))には窪み部13が形成されている。この、窪み部13はプレス金型で座金1の裏面を加圧して食い込み突起8を突設することにより成型される(加圧により窪んだ分だけ食い込み突起8として突出する)。窪み部13があると、締め付け時に食い込み突起8がその根元8bまで対象物40、41(図5(a)〜(c))に十分に食い込むことができ、その食い込みにより盛り上がる対象物40、41の肉(盛り上がり肉)が窪み部13に入り込んで(食い込んで)座金1が逆戻りしにくくなる(緩みにくくなる)。図1(d)の窪み部13は食い込み突起8の根元8bの全周に円形に成型してあるが、食い込み突起8を押し出すことにより成型できれば、前記以外の形状、広さ、深さ(大きさ)であってもよい。
(座金付きナットの実施形態1)
本発明の螺子類の他例を図2(a)〜(c)に示す。この図の螺子類はナット20の裏面側に座金1を回転自在に組み込んだ座金付きナット26の場合である。この座金1は図1(a)の座金である。
ナット20の裏面には頭部突起21が形成されている。この頭部突起21は乗り越え斜面22と係止面23と稜線部24と谷部25を備えた山形であり、乗り越え斜面22、係止面23の傾斜角度や、稜線部24、谷部25の高さや形状等は座金1の座金突起6のそれらと同じにして、座金突起6と噛み合うことができるようにしてある。頭部突起21はナット20を締め付け方向に回すと、座金突起6の乗り越え斜面9を乗り越えて回転するが、逆方向(緩み方向:以下同じ)には、頭部突起21の係止面23が座金突起6の係止面10に係止して回転が阻止されるようにしてある。この頭部突起21の稜線部24と谷部25も円弧状にして、頭部突起21が座金突起6を乗り越えても欠損し難く、プレス金型も成型時に欠損し難くなるようにしてある。
図2(a)の座金付きナット26は、ナット20を締め付け方向(図2(a)の矢印方向)に回転させると、ナット20の頭部突起21が座金1の座金突起6と噛み合って座金1を対象物40、41(図5(a)〜(c))に押し付けて、座金1の裏面の食い込み突起8をそれら対象物に食い込ませることができる。この場合、食い込み突起8の食い込みにより盛り上がる対象物40、41の肉が食い込み突起8の根元8bの窪み部13(図1(d)(e))に入って、緩み回転(戻り回転)が防止される。
図2(a)に示す座金付きナット26は、例えば、図2(b)(c)に示す工程で製造することができる。
(1)ナット20の裏面に突設されている連結軸27の座金1の貫通孔2に差し込む(図2(b))。
(2)前記(1)の状態で、貫通孔2の下方に突出する連結軸27の先端部28(図2(c))を外側にカシメて座金1をナット20に取付ける(抜け落ちないようにする)。この場合、座金1はナット20との間に隙間があり回転自在である。
ナット20の形状は、図2(d)に示すように裾20aが垂直なものであってもよい。汎用の他のナットと同様の形状であってもよい。座金1のカシメ凹部14は図2(d)のように裾広がりの斜面であってもよい。
(座金付きボルトの実施形態1)
本発明の螺子類の他例を図3(a)〜(c)に示す。図3(a)(b)の螺子類はボルト30の頭部31の裏面側に座金1を組み込んだ座金付きボルト37である。この座金1は図1(a)の座金であり、稜線部35と谷部36が円弧状である。図3(c)は稜線部35と谷部36の径を大小交互に設けた場合である。
ボルト30の頭部31の裏面には頭部突起32が形成されている。この頭部突起32は乗り越え斜面33と係止面34と稜線部35と谷部36を備えた山形であり、乗り越え斜面33、係止面34のサイズ、傾斜角度、稜線部35、谷部36の円弧半径等を座金1の座金突起6と同じにして、座金突起6と噛み合うことができ、座金付きボルト37を締め付け方向(図3(a)の矢印方向)に回すと、頭部突起32が座金1の座金突起6を乗り越えて回転し、逆方向には、頭部突起32の係止面34が座金突起6の係止面10に係止して回転が阻止されるようにしてある。この稜線部35の頂部及び谷部36の底部も円弧状にして、頭部突起32が座金突起6を乗り越えても欠損し難く、プレス金型の稜線部形成箇所も成型時に欠損し難くなるようにしてある。
図3(a)に示す座金付きボルト37は、例えば、図4(a)〜(c)に示す工程で製造することができる。
(1)ボルト30の頭部31の裏面に突設されているボルト軸(螺子なし軸)38(図4(a))を座金1の貫通孔2に差し込む(図4(b))。
(2)前記(1)の状態で、座金1の下方に突出するボルト軸38の外側面に螺子39(図4(c))を切って座金1を取付ける(抜け落ちないようにする)。この場合、座金1とボルト30の間に隙間があり、座金1は回転自在である。
[使用例]
図2(a)の座金付きナット26と図3(a)の座金付きボルト37は、例えば、図5(a)〜(c)のように使用することができる。
(1)図5(a)のように、重ねてある二枚の板材(対象物)40、41の上から、座金付きボルト37のボルト軸38を図5(b)のように挿入する。
(2)下板40の下方に突出したボルト軸38に、座金付きナット26を螺合して、図5(c)のように、座金付きナット26を座金1の裏面が下板40に接触するまで締め付けて、座金1の食い込み突起8を下板40に食い込ませ、その食い込みにより盛り上がった肉が、食い込み突起8の根元8bの窪み部13(図1(d)(e))に入り込んで座金1の緩みが阻止され、座金付きナット26の座金突起6と頭部突起21の噛み合いも緩まないようにする。また、座金付きボルト37の座金1の食い込み突起8が上板41に食い込んで、その食い込みにより盛り上がった肉が、食い込み突起8の根元8bの窪み部13(図1(e))内に入って座金1の緩みが阻止され、座金付きボルト37の座金突起6と頭部突起32の噛み合いも緩まない。
前記使用例は座金付きナット26を締め付ける場合であるが、座金付きボルト37を締め付けることによっても、前記の場合と同様に締付けることができる。
(ナットの実施形態)
本発明の螺子類の他例を図6(a)に示す。この螺子類はナット20の場合であり、このナット20は図2(a)のナット20に座金1が取り付けられていないものである。したがって、頭部突起21は乗り越え斜面22と係止面23と稜線部24と谷部25を備えた山形であり、乗り越え斜面22、係止面23のサイズ、傾斜角度、稜線部24及び谷部25の円弧半径等を座金1(図1(a))の座金突起6と同じにして、座金突起6と噛み合うようにしてある。この稜線部24の頂部及び谷部25の底部も円弧状にして、頭部突起21が座金突起6を乗り越えても欠損し難く、プレス金型の稜線部成型箇所も成型時に欠損し難くなるようにしてある。
(ボルトの実施形態)
本発明の螺子類の他例を図6(b)に示す。この図の螺子類はボルト30の場合であり、このボルト30は図3(a)のボルト30に座金1が取り付けられていないものである。したがって、頭部突起32は乗り越え斜面33と係止面34と稜線部35と谷部36を備えた山形であり、乗り越え斜面33、係止面34のサイズ、傾斜角度、稜線部35及び谷部36の円弧半径等を座金1(図1(a))の座金突起6と同じにして、座金突起6と噛み合うようにしてある。この稜線部35の頂部及び谷部36の底部も円弧状にして、頭部突起32が座金突起6を乗り越えても欠損し難く、プレス金型の稜線部成型箇所も成型時に欠損し難くなるようにしてある。
[ナット、ボルトの使用例]
図6(a)のナット20、図6(b)のボルト30は、図7のようにして使用することができる。
(1)ボルト30のボルト軸38に、図1(a)の座金1をセットしてから、ボルト30を重ねてある二枚の板材(対象物)40、41の上から差し込み、下板40の下に突出したボルト軸38に図1(a)の座金1を被せ、その下から図6(a)のナット20をボルト軸38に螺合する。
(2)前記状態で、ナット20を締め付け回転させると、ナット20の頭部突起21が座金1の座金突起6を乗り越えて回転して座金1を下板40に押し付けて、座金1の裏面の食い込み突起8が下板40に食い込む。この場合、座金1の食い込み突起8の食い込みにより盛り上がる下板40の肉が窪み部13(図1(e))内に入って、緩み回転(戻り回転)が防止される。このとき、ナット20の頭部突起21が座金1の座金突起6を乗り越えて回転する。ナット20の締め付け回転終了後は、頭部突起21の係止面23が座金突起6の係止面10に係止してナット20の逆回転(戻り回転)が阻止される。
前記ナット20の締め付けに代えてボルト30を締め付けることもできる。この場合もナットを締め付ける場合と同様に締め付けることができ、逆回転(戻り回転)が阻止される。
(座金付きナットの実施形態2)
座金付きナットの実施形態1は、一つのナットに座金を一枚取り付けた場合であるが、本発明の座金付きナットは、一つのナット20に座金を二枚以上取り付けることも可能である。図8(a)〜(c)に示す実施形態では座金1を二枚取り付けた場合である。
図8(a)に示す座金付きナット26のナット20は、図2(b)のナット20と同じ構造であり、異なるのは連結軸27が図2(b)の連結軸27よりも長いことである。図8(a)〜(c)では連結軸27に上座金1bと下座金1aを重ねて連結軸27にセットし、連結軸27の先端部28を拡径して又は折り返して下座金1aをカシメて、上座金1bと下座金1aを連結軸27にその軸方向にスライド可能に取り付けて、抜けないようにしてある。
図8(b)(c)の二枚の座金1a、1bのうち、下座金1bはカシメ凹部14を備えており、図1(c)に示す座金1と同じものであるが、上座金1bは前記座金1と異なる構造である。具体的には下座金1aのカシメ凹部14、下座金1aの食い込み突起8に相当するものがなく、座金1の表面に山形の上座金表面突起16を、裏面に山形の上座金裏面突起17を備えたものである。上座金表面突起16はナット20の頭部突起21と噛み合うものであり、上座金裏面突起17は下座金1aの座金突起6と噛み合うものである。このため、これら上座金表面突起16、上座金裏面突起17は、座金突起6、頭部突起21と同様に、乗り越え斜面9、係止面10、稜線部11及び谷部12を備え、稜線部11の頂部、谷部12の底部を円弧状にして連続波状にし、乗り越え斜面9、係止面10の傾斜角度を座金突起6、頭部突起21の傾斜角度と同様にしてある。
[座金付きナットの使用例]
図8(c)の座金付きナット26と図9(c)の座金付きボルト37を使用するには、図9(a)〜(c)のようにすることができる。図9(c)の座金付きボルト37を、連結する二枚の板材(連結物)40、41の穴に差し込み、下板40から突出した座金付きボルト37のボルト軸38に、図8(c)の座金付きナット26を下板40の下から螺合して締め付ける。この場合は、ナット20の頭部突起21と上座金1bの上座金表面突起16が噛み合い、上座金裏面突起17と下座金1aの座金突起6が噛み合い、下座金1aの食い込み突起8が下板40に食い込むため、二重のロックになって、ナット20がより一層緩みにくくなる。
(座金付きボルトの実施形態2)
図9(b)の座金付きボルト37は、ボルト30の頭部31から突出しているボルト軸(螺子なし軸)38に上座金1b、下座金1aを二枚被せてから、ボルト軸38の外周面に螺子39を形成して(切って)、螺子山付きボルト軸38にして、座金1a、1bが螺子山付きボルト軸38から抜け落ちないようにしてある。二枚の座金1a、1bは螺子山なしのボルト軸38の根元に取り付けてある。これら座金1a、1bはボルト軸38の周囲を回転可能で、ボルト軸38の軸方向にスライド可能である。この場合、下座金1a及び上座金1bは図8(a)〜(c)の下座金及び上座金と同じものである。
(座金付きナットの実施形態3)
図8(c)の座金付きナット37は、他のボルトに螺合して使用することもできる。前記食い込み突起8は、板材40、41に食い込んだり、圧接したりすることができるものであればどのようなものであってもよい。板材40、41に傷付き易い材質の場合は、ゴム製或いは樹脂製の突起にして、圧接しても傷付きにくく、滑りにくくするのが望ましい。板材40、41の材質が硬質の場合は、それよりも硬質材のスパイク状の突起などを使用することができる。また、弾力性のあるバネ等であってもよい。それら突起は、座金裏面に埋め込んだり、接着固定したりすることができる。座金突起の数、設置場所等も用途に合わせて適宜設計することができる。
本発明における稜線部及び谷部の円弧の半径は、連続方向に全てが同じものであってもよく、全て又は一部が異なるものであってもよい。
図10(a)(b)に示す山形は、稜線部35及び谷部36が円弧状であることにおいて前記した各種実施形態の場合と同じであるが、稜線部35から谷部36までに寸法を長くし(谷を深くし)、乗り越え斜面33を締め付け回転方向に緩い傾斜にし、係止面34を逆回転(緩み回転)方向に乗り越え斜面33よりも急斜面にしたものである。前記いずれの実施形態においても乗り越え斜面、係止面は図10(a)(b)と同様にすることもできる。
前記実施形態では、螺子類が座金、ナット、ボルト、座金付きナット、座金付きボルトに関するものであるが、これらの緩み止め構造は、他の螺子類やゴルフシューズの鋲などの緩み止め構造として利用することもできる。
1 座金
1a 下座金
1b 上座金
2 貫通孔
3 (貫通孔の外側の)表面内周縁
4 (座金の)表面外周部
5 表面高台部
6 座金突起
6a (座金突起の)根元部分
7 無突起部
8 食い込み突起
8a (食い込み突起の)先端部
8b (食い込み突起の)根元
9 (座金の)乗り越え斜面
10 (座金の)係止面
11 (座金の)稜線部
12 (座金の)谷部
13 窪み部
14 (座金の)カシメ凹部
16 上座金表面突起
17 上座金裏面突起
20 ナット
20a (ナットの)裾
21 (ナットの)頭部突起
22 (ナットの)乗り越え斜面
23 (ナットの)係止面
24 (ナットの)稜線部
25 (ナットの)谷部
26 座金付きナット
27 (ナットの)連結軸
28 (連結軸の)先端部
30 ボルト
31 (ボルトの)頭部
32 (ボルトの)頭部突起
33 (ボルトの)乗り越え斜面
34 (ボルトの)係止面
35 (ボルトの)稜線部
36 (ボルトの)谷部
37 座金付きボルト
38 ボルト軸
39 螺子
40 下板(板材:対象物)
41 上板(板材:対象物)

Claims (18)

  1. 中心部に貫通孔を備えた座金であり、その表面周方向に放射状に多数本の座金突起を備え、その座金突起はナットの頭部又はボルトの頭部の裏面周方向に放射状に形成されている多数本の頭部突起と噛み合うことができ、ナット又はボルトの締め付け後は前記噛み合いが緩みにくい又は緩まないようにした座金であり、
    前記座金突起は乗り越え斜面と、係止面と、両面の上り交差部に稜線部を、下り交差部に谷部を備えた山形であり、乗り越え斜面は稜線部よりもナット又はボルトの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもナット又はボルトの締め付け回転方向先方にあり、前記稜線部及び谷部は円弧状であり、
    それら乗り越え斜面、係止面、稜線部、谷部が連続波状である、
    ことを特徴とする座金。
  2. 請求項1記載の座金において、
    乗り越え斜面を締め付け回転方向に緩い傾斜にし、係止面を逆回転(緩み回転)方向に乗り越え斜面よりも急斜面にした、
    ことを特徴とする座金。
  3. 請求項1又は請求項2記載の座金において、
    座金突起が座金表面の周方向全周に設けられた、
    ことを特徴とする座金。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の座金において、
    座金裏面の数箇所に食い込み突起を備えた、
    ことを特徴とする座金。
  5. 請求項1又は請求項2記載の座金において、
    座金突起が座金表面の周方向数箇所に間隔をあけて形成され、その間隔部分を座金突起のない無突起部とした、
    ことを特徴とする座金。
  6. 請求項5記載の座金において、
    座金裏面の周方向数箇所であって、座金表面の無突起部と反対側に食い込み突起が突設され、食い込み突起は対象物に食い込み可能である、
    ことを特徴とする座金。
  7. 請求項4又は請求項6記載の座金において、
    食い込み突起が、根元から先端に向けて先細りであり、先端部が弧面状又は平面状である、
    ことを特徴とする座金。
  8. 請求項4又は請求項6又は請求項7記載の座金において、
    食い込み突起の根元周縁部に窪み部を備え、窪み部は、食い込み突起が対象物に食い込むことにより対象物から盛り上がる肉が入ることができる、
    ことを特徴とする座金。
  9. 頭部の裏面周方向に放射状に多数本の頭部突起を備え、その頭部突起は座金の表面周方向に放射状に形成されている多数本の座金突起と噛み合うことができ、座金への締め付け後は前記噛み合いが緩みにくい又は緩まないようにしたナットにおいて、
    ナットの頭部突起は乗り越え斜面と、係止面と、両面の上り交差部に稜線部を、下り交差部に谷部を備えた山形であり、乗り越え斜面は稜線部よりもナットの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもナットの締め付け回転方向先方にあり、
    前記稜線部及び谷部は円弧状であり、
    それら乗り越え斜面、係止面、稜線部、谷部が連続波状である、
    ことを特徴とするナット。
  10. 請求項9記載のナットにおいて、
    乗り越え斜面を締め付け回転方向に緩い傾斜にし、係止面を逆回転(緩み回転)方向に乗り越え斜面よりも急斜面にした、
    ことを特徴とするナット。
  11. 請求項9又は請求項10記載のナットにおいて、
    頭部突起が頭部裏面の周方向全周に設けられた、
    ことを特徴とするナット。
  12. 請求項9又は請求項10記載のナットにおいて、
    頭部突起が頭部裏面の周方向数箇所に間隔をあけて形成され、その間隔部分を頭部突起のない無突起部とした、
    ことを特徴とするナット。
  13. 頭部の裏面周方向に放射状に多数本の頭部突起を備え、その頭部突起は座金の表面周方向に放射状に形成されている多数本の座金突起と噛み合うことができ、ボルトの締め付け後は前記噛み合いが緩みにくい又は緩まないようにしたボルトにおいて、
    ボルトの頭部突起は乗り越え斜面と、係止面と、両面の上り交差部に稜線部を、下り交差部に谷部を備えた山形であり、乗り越え斜面は稜線部よりもボルトの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもボルトの締め付け回転方向先方にあり、
    前記稜線部及び谷部は円弧状であり、
    それら乗り越え斜面、係止面、稜線部、谷部が連続波状である、
    ことを特徴とするボルト。
  14. 請求項13記載のボルトにおいて、
    乗り越え斜面を締め付け回転方向に緩い傾斜にし、係止面を逆回転(緩み回転)方向に乗り越え斜面よりも急斜面にした、
    ことを特徴とするボルト。
  15. 請求項13又は請求項14記載のボルトにおいて、
    頭部突起が頭部裏面の周方向全周に設けられた、
    ことを特徴とするボルト。
  16. 請求項13又は請求項14記載のボルトにおいて、
    頭部突起が頭部裏面の周方向数箇所に間隔をあけて形成され、その間隔部分を頭部突起のない無突起部とした、
    ことを特徴とするボルト。
  17. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の座金が、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のナット頭部の裏面に回転可能にセットされた、
    ことを特徴とするナット付き座金。
  18. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の座金が、請求項13から請求項16のいずれか1項に記載のボルト頭部の裏面に回転可能にセットされた、
    ことを特徴とするボルト付き座金。
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