JP2017110787A - 座金、ナット、ボルト、座金付きナット、座金付きボルト - Google Patents
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Description
本発明の螺子類の一例を、図面を参照して説明する。図1(a)の実施形態は、螺子類が座金1の場合である。図1(a)に示す座金1は中央部に貫通孔2が形成された環状である。貫通孔2は連結軸27(図2(b))、ボルト軸38(図3(a))等を挿通可能な孔径である。
図1(a)の座金1の周方向四箇所には山形の座金突起6が多数本形成されており、数本を一群として四群形成されている。四群の座金突起6の間には、座金突起のない無突起部7が形成されている。この無突起部7の裏面四箇所に食い込み突起8が突設されている。四群は一列であり、群数は所望数とすることができる。無突起部7の幅は各群の幅よりも狭くしてある。
食い込み突起8は各種形状とすることができる。その一例を図1(d)に示す。食い込み突起8は座金1の裏面周方向四箇所に突設されている(図1(d))。食い込み突起8は、座金1の締め付け回転時に、締め付ける部材或いは連結する部材(以下「対象物」という)40、41(図5(a)〜(c))に食い込むものである。その形状は、締め付け回転時に対象物40、41に食い込み易い形状、例えば、半円錐状、三日月錐状、四角錐状、円錐状(図1(e))といった形状とすることができる。いずれの形状であっても、根元8b(図1(e))側が太く、先端部8a側が先細りである。
座金1の裏面であって、食い込み突起8の根元8b(図1(e))には窪み部13が形成されている。この、窪み部13はプレス金型で座金1の裏面を加圧して食い込み突起8を突設することにより成型される(加圧により窪んだ分だけ食い込み突起8として突出する)。窪み部13があると、締め付け時に食い込み突起8がその根元8bまで対象物40、41(図5(a)〜(c))に十分に食い込むことができ、その食い込みにより盛り上がる対象物40、41の肉(盛り上がり肉)が窪み部13に入り込んで(食い込んで)座金1が逆戻りしにくくなる(緩みにくくなる)。図1(d)の窪み部13は食い込み突起8の根元8bの全周に円形に成型してあるが、食い込み突起8を押し出すことにより成型できれば、前記以外の形状、広さ、深さ(大きさ)であってもよい。
本発明の螺子類の他例を図2(a)〜(c)に示す。この図の螺子類はナット20の裏面側に座金1を回転自在に組み込んだ座金付きナット26の場合である。この座金1は図1(a)の座金である。
(1)ナット20の裏面に突設されている連結軸27の座金1の貫通孔2に差し込む(図2(b))。
(2)前記(1)の状態で、貫通孔2の下方に突出する連結軸27の先端部28(図2(c))を外側にカシメて座金1をナット20に取付ける(抜け落ちないようにする)。この場合、座金1はナット20との間に隙間があり回転自在である。
本発明の螺子類の他例を図3(a)〜(c)に示す。図3(a)(b)の螺子類はボルト30の頭部31の裏面側に座金1を組み込んだ座金付きボルト37である。この座金1は図1(a)の座金であり、稜線部35と谷部36が円弧状である。図3(c)は稜線部35と谷部36の径を大小交互に設けた場合である。
(1)ボルト30の頭部31の裏面に突設されているボルト軸(螺子なし軸)38(図4(a))を座金1の貫通孔2に差し込む(図4(b))。
(2)前記(1)の状態で、座金1の下方に突出するボルト軸38の外側面に螺子39(図4(c))を切って座金1を取付ける(抜け落ちないようにする)。この場合、座金1とボルト30の間に隙間があり、座金1は回転自在である。
図2(a)の座金付きナット26と図3(a)の座金付きボルト37は、例えば、図5(a)〜(c)のように使用することができる。
(1)図5(a)のように、重ねてある二枚の板材(対象物)40、41の上から、座金付きボルト37のボルト軸38を図5(b)のように挿入する。
(2)下板40の下方に突出したボルト軸38に、座金付きナット26を螺合して、図5(c)のように、座金付きナット26を座金1の裏面が下板40に接触するまで締め付けて、座金1の食い込み突起8を下板40に食い込ませ、その食い込みにより盛り上がった肉が、食い込み突起8の根元8bの窪み部13(図1(d)(e))に入り込んで座金1の緩みが阻止され、座金付きナット26の座金突起6と頭部突起21の噛み合いも緩まないようにする。また、座金付きボルト37の座金1の食い込み突起8が上板41に食い込んで、その食い込みにより盛り上がった肉が、食い込み突起8の根元8bの窪み部13(図1(e))内に入って座金1の緩みが阻止され、座金付きボルト37の座金突起6と頭部突起32の噛み合いも緩まない。
本発明の螺子類の他例を図6(a)に示す。この螺子類はナット20の場合であり、このナット20は図2(a)のナット20に座金1が取り付けられていないものである。したがって、頭部突起21は乗り越え斜面22と係止面23と稜線部24と谷部25を備えた山形であり、乗り越え斜面22、係止面23のサイズ、傾斜角度、稜線部24及び谷部25の円弧半径等を座金1(図1(a))の座金突起6と同じにして、座金突起6と噛み合うようにしてある。この稜線部24の頂部及び谷部25の底部も円弧状にして、頭部突起21が座金突起6を乗り越えても欠損し難く、プレス金型の稜線部成型箇所も成型時に欠損し難くなるようにしてある。
本発明の螺子類の他例を図6(b)に示す。この図の螺子類はボルト30の場合であり、このボルト30は図3(a)のボルト30に座金1が取り付けられていないものである。したがって、頭部突起32は乗り越え斜面33と係止面34と稜線部35と谷部36を備えた山形であり、乗り越え斜面33、係止面34のサイズ、傾斜角度、稜線部35及び谷部36の円弧半径等を座金1(図1(a))の座金突起6と同じにして、座金突起6と噛み合うようにしてある。この稜線部35の頂部及び谷部36の底部も円弧状にして、頭部突起32が座金突起6を乗り越えても欠損し難く、プレス金型の稜線部成型箇所も成型時に欠損し難くなるようにしてある。
図6(a)のナット20、図6(b)のボルト30は、図7のようにして使用することができる。
(1)ボルト30のボルト軸38に、図1(a)の座金1をセットしてから、ボルト30を重ねてある二枚の板材(対象物)40、41の上から差し込み、下板40の下に突出したボルト軸38に図1(a)の座金1を被せ、その下から図6(a)のナット20をボルト軸38に螺合する。
(2)前記状態で、ナット20を締め付け回転させると、ナット20の頭部突起21が座金1の座金突起6を乗り越えて回転して座金1を下板40に押し付けて、座金1の裏面の食い込み突起8が下板40に食い込む。この場合、座金1の食い込み突起8の食い込みにより盛り上がる下板40の肉が窪み部13(図1(e))内に入って、緩み回転(戻り回転)が防止される。このとき、ナット20の頭部突起21が座金1の座金突起6を乗り越えて回転する。ナット20の締め付け回転終了後は、頭部突起21の係止面23が座金突起6の係止面10に係止してナット20の逆回転(戻り回転)が阻止される。
座金付きナットの実施形態1は、一つのナットに座金を一枚取り付けた場合であるが、本発明の座金付きナットは、一つのナット20に座金を二枚以上取り付けることも可能である。図8(a)〜(c)に示す実施形態では座金1を二枚取り付けた場合である。
図8(c)の座金付きナット26と図9(c)の座金付きボルト37を使用するには、図9(a)〜(c)のようにすることができる。図9(c)の座金付きボルト37を、連結する二枚の板材(連結物)40、41の穴に差し込み、下板40から突出した座金付きボルト37のボルト軸38に、図8(c)の座金付きナット26を下板40の下から螺合して締め付ける。この場合は、ナット20の頭部突起21と上座金1bの上座金表面突起16が噛み合い、上座金裏面突起17と下座金1aの座金突起6が噛み合い、下座金1aの食い込み突起8が下板40に食い込むため、二重のロックになって、ナット20がより一層緩みにくくなる。
図9(b)の座金付きボルト37は、ボルト30の頭部31から突出しているボルト軸(螺子なし軸)38に上座金1b、下座金1aを二枚被せてから、ボルト軸38の外周面に螺子39を形成して(切って)、螺子山付きボルト軸38にして、座金1a、1bが螺子山付きボルト軸38から抜け落ちないようにしてある。二枚の座金1a、1bは螺子山なしのボルト軸38の根元に取り付けてある。これら座金1a、1bはボルト軸38の周囲を回転可能で、ボルト軸38の軸方向にスライド可能である。この場合、下座金1a及び上座金1bは図8(a)〜(c)の下座金及び上座金と同じものである。
図8(c)の座金付きナット37は、他のボルトに螺合して使用することもできる。前記食い込み突起8は、板材40、41に食い込んだり、圧接したりすることができるものであればどのようなものであってもよい。板材40、41に傷付き易い材質の場合は、ゴム製或いは樹脂製の突起にして、圧接しても傷付きにくく、滑りにくくするのが望ましい。板材40、41の材質が硬質の場合は、それよりも硬質材のスパイク状の突起などを使用することができる。また、弾力性のあるバネ等であってもよい。それら突起は、座金裏面に埋め込んだり、接着固定したりすることができる。座金突起の数、設置場所等も用途に合わせて適宜設計することができる。
1a 下座金
1b 上座金
2 貫通孔
3 (貫通孔の外側の)表面内周縁
4 (座金の)表面外周部
5 表面高台部
6 座金突起
6a (座金突起の)根元部分
7 無突起部
8 食い込み突起
8a (食い込み突起の)先端部
8b (食い込み突起の)根元
9 (座金の)乗り越え斜面
10 (座金の)係止面
11 (座金の)稜線部
12 (座金の)谷部
13 窪み部
14 (座金の)カシメ凹部
16 上座金表面突起
17 上座金裏面突起
20 ナット
20a (ナットの)裾
21 (ナットの)頭部突起
22 (ナットの)乗り越え斜面
23 (ナットの)係止面
24 (ナットの)稜線部
25 (ナットの)谷部
26 座金付きナット
27 (ナットの)連結軸
28 (連結軸の)先端部
30 ボルト
31 (ボルトの)頭部
32 (ボルトの)頭部突起
33 (ボルトの)乗り越え斜面
34 (ボルトの)係止面
35 (ボルトの)稜線部
36 (ボルトの)谷部
37 座金付きボルト
38 ボルト軸
39 螺子
40 下板(板材:対象物)
41 上板(板材:対象物)
Claims (18)
- 中心部に貫通孔を備えた座金であり、その表面周方向に放射状に多数本の座金突起を備え、その座金突起はナットの頭部又はボルトの頭部の裏面周方向に放射状に形成されている多数本の頭部突起と噛み合うことができ、ナット又はボルトの締め付け後は前記噛み合いが緩みにくい又は緩まないようにした座金であり、
前記座金突起は乗り越え斜面と、係止面と、両面の上り交差部に稜線部を、下り交差部に谷部を備えた山形であり、乗り越え斜面は稜線部よりもナット又はボルトの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもナット又はボルトの締め付け回転方向先方にあり、前記稜線部及び谷部は円弧状であり、
それら乗り越え斜面、係止面、稜線部、谷部が連続波状である、
ことを特徴とする座金。 - 請求項1記載の座金において、
乗り越え斜面を締め付け回転方向に緩い傾斜にし、係止面を逆回転(緩み回転)方向に乗り越え斜面よりも急斜面にした、
ことを特徴とする座金。 - 請求項1又は請求項2記載の座金において、
座金突起が座金表面の周方向全周に設けられた、
ことを特徴とする座金。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の座金において、
座金裏面の数箇所に食い込み突起を備えた、
ことを特徴とする座金。 - 請求項1又は請求項2記載の座金において、
座金突起が座金表面の周方向数箇所に間隔をあけて形成され、その間隔部分を座金突起のない無突起部とした、
ことを特徴とする座金。 - 請求項5記載の座金において、
座金裏面の周方向数箇所であって、座金表面の無突起部と反対側に食い込み突起が突設され、食い込み突起は対象物に食い込み可能である、
ことを特徴とする座金。 - 請求項4又は請求項6記載の座金において、
食い込み突起が、根元から先端に向けて先細りであり、先端部が弧面状又は平面状である、
ことを特徴とする座金。 - 請求項4又は請求項6又は請求項7記載の座金において、
食い込み突起の根元周縁部に窪み部を備え、窪み部は、食い込み突起が対象物に食い込むことにより対象物から盛り上がる肉が入ることができる、
ことを特徴とする座金。 - 頭部の裏面周方向に放射状に多数本の頭部突起を備え、その頭部突起は座金の表面周方向に放射状に形成されている多数本の座金突起と噛み合うことができ、座金への締め付け後は前記噛み合いが緩みにくい又は緩まないようにしたナットにおいて、
ナットの頭部突起は乗り越え斜面と、係止面と、両面の上り交差部に稜線部を、下り交差部に谷部を備えた山形であり、乗り越え斜面は稜線部よりもナットの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもナットの締め付け回転方向先方にあり、
前記稜線部及び谷部は円弧状であり、
それら乗り越え斜面、係止面、稜線部、谷部が連続波状である、
ことを特徴とするナット。 - 請求項9記載のナットにおいて、
乗り越え斜面を締め付け回転方向に緩い傾斜にし、係止面を逆回転(緩み回転)方向に乗り越え斜面よりも急斜面にした、
ことを特徴とするナット。 - 請求項9又は請求項10記載のナットにおいて、
頭部突起が頭部裏面の周方向全周に設けられた、
ことを特徴とするナット。 - 請求項9又は請求項10記載のナットにおいて、
頭部突起が頭部裏面の周方向数箇所に間隔をあけて形成され、その間隔部分を頭部突起のない無突起部とした、
ことを特徴とするナット。 - 頭部の裏面周方向に放射状に多数本の頭部突起を備え、その頭部突起は座金の表面周方向に放射状に形成されている多数本の座金突起と噛み合うことができ、ボルトの締め付け後は前記噛み合いが緩みにくい又は緩まないようにしたボルトにおいて、
ボルトの頭部突起は乗り越え斜面と、係止面と、両面の上り交差部に稜線部を、下り交差部に谷部を備えた山形であり、乗り越え斜面は稜線部よりもボルトの締め付け回転方向手前にあり、係止面は稜線部よりもボルトの締め付け回転方向先方にあり、
前記稜線部及び谷部は円弧状であり、
それら乗り越え斜面、係止面、稜線部、谷部が連続波状である、
ことを特徴とするボルト。 - 請求項13記載のボルトにおいて、
乗り越え斜面を締め付け回転方向に緩い傾斜にし、係止面を逆回転(緩み回転)方向に乗り越え斜面よりも急斜面にした、
ことを特徴とするボルト。 - 請求項13又は請求項14記載のボルトにおいて、
頭部突起が頭部裏面の周方向全周に設けられた、
ことを特徴とするボルト。 - 請求項13又は請求項14記載のボルトにおいて、
頭部突起が頭部裏面の周方向数箇所に間隔をあけて形成され、その間隔部分を頭部突起のない無突起部とした、
ことを特徴とするボルト。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の座金が、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のナット頭部の裏面に回転可能にセットされた、
ことを特徴とするナット付き座金。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の座金が、請求項13から請求項16のいずれか1項に記載のボルト頭部の裏面に回転可能にセットされた、
ことを特徴とするボルト付き座金。
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