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JP2017195555A - 通信装置、通信システムおよび通信方法 - Google Patents

通信装置、通信システムおよび通信方法 Download PDF

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JP2017195555A JP2016085623A JP2016085623A JP2017195555A JP 2017195555 A JP2017195555 A JP 2017195555A JP 2016085623 A JP2016085623 A JP 2016085623A JP 2016085623 A JP2016085623 A JP 2016085623A JP 2017195555 A JP2017195555 A JP 2017195555A
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真範 吉澤
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Abstract

【課題】多数の通信装置において電力の断が発生しても、電力の断を示す情報の取りこぼしを防ぐこと。
【解決手段】保護回路206は、MAC_LSI208へ供給される電源を、商用電源13からONU装置110へ供給されるONU電力の断から一時的に保護する。MAC_LSI208は、ONU電力の断が検出された場合は、たとえばUNI_PHY_LSI203を介した通信の断を検出してもイベントノーティフィケーションOAMフレームは送信せずに、ダイイングギャスプOAMフレームを送信する。
【選択図】図2

Description

本発明は、通信装置、通信システムおよび通信方法に関する。
従来、FTTH(Fiber To The Home)の光通信システムの1つとしてPON(Passive Optical Network)システムが知られている(たとえば、下記特許文献1,2参照。)。また、電源電圧が所定のレベルを下回っていた場合に、電源回路から電力供給を受けて動作する監視回路から出力される警報情報をAND回路で遮り、その警報情報の収集を禁止する技術が知られている(たとえば、下記特許文献3参照。)。
特開2011−103532号公報 特開2013−172404号公報 特開平9−83615号公報
しかしながら、上述した従来技術では、たとえば停電等により一斉に多数の通信装置において電力の断が発生した場合に、多数の通信装置から各種の通知メッセージがバースト的に監視装置へ発出される。このため、監視装置において、電力の断を示す情報の取りこぼしが発生するという問題がある。
1つの側面では、本発明は、多数の通信装置において電力の断が発生しても、電力の断を示す情報の取りこぼしを防ぐことができる通信装置、通信システムおよび通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、第1通信インタフェースを介する通信の断を検出した場合に、前記通信の断を示す情報を、第2通信インタフェースを介して送信する通信回路と、前記通信回路へ供給される電力の断を検出した場合に、前記通信回路に電力を供給する保護回路と、を備える通信装置において、前記電力の断が検出された場合に、前記保護回路から供給される電力によって、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信し、前記電力の断と前記通信の断の両方を検出した場合、前記通信の断を示す情報と、前記電力の断を示す情報のうち、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信する通信装置、通信システムおよび通信方法が提案される。
本発明の一側面によれば、多数の通信装置において電力の断が発生しても、電力の断を示す情報の取りこぼしを防ぐことができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかる通信システムの一例を示す図である。 図2は、実施の形態にかかるONU装置の一例を示す図である。 図3は、実施の形態にかかるONU装置の保護回路の一例を示す図である。 図4は、実施の形態にかかるONU装置のMAC_LSIの一例を示す図である。 図5は、実施の形態にかかるOLT装置のPONインタフェースカードおよびコントロールインタフェースカードの一例を示す図である。 図6は、実施の形態にかかる通信システムにおけるONU装置電源断時のOAMフレームの送信処理の一例を示すシーケンス図である。 図7は、実施の形態にかかるONU装置におけるONU装置電源断時の各部の電圧の変化を示す図である。 図8は、実施の形態にかかるONU装置によるダイイングギャスプOAMフレームの発出処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、実施の形態にかかるONU装置によるイベントノーティフィケーションOAMフレームの発出処理の一例を示すフローチャートである。 図10は、実施の形態にかかるONU装置が送信するOAMフレームの一例を示す図である。 図11は、実施の形態にかかるONU装置が送信するOAMフレームのFlagsフィールドの一例を示す図である。 図12は、実施の形態にかかるONU装置が送信するOAMフレームのCodeフィールドの一例を示す図である。
以下に図面を参照して、本発明にかかる通信装置、通信システムおよび通信方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(実施の形態にかかる通信システム)
図1は、実施の形態にかかる通信システムの一例を示す図である。図1において、破線21は外部インタフェースとの配線を示し、実線22は電源供給用の配線を示す。図1に示すように、実施の形態にかかる通信システム100は、512個のONU装置110(#1〜#512)と、光カプラ121〜128と、OLT装置130と、を含むPONシステムである。ONUはOptical Network Unit(加入者側端末)の略である。OLTはOptical Line Terminal(収容局側端末)の略である。また、通信システム100は、たとえば通信速度が10[Gbps]の10GE−PONである。10GE−PONはGigabit Ethernet−PONの略である。Ethernetは登録商標である。
なお、図1に示すONU装置110や光カプラの数は一例であり、ONU装置110や光カプラの数は任意の数とすることができる。また、通信システム100は、10GE−PONに限らず、たとえば通信速度が1[Gbps]のGE−PONなど各種のPON(パッシブオプティカルネットワーク)システムとすることができる。
つぎに、ONU装置110(#1〜#512)のうちのONU装置110(#1)について説明するが、ONU装置110(#2〜#512)についてもONU装置110(#1)と同様の構成にすることができる。ONU装置110(#1)は、光カプラ121を介してOLT装置130と接続されている。図1に示す例では、ONU装置110(#1)は、光カプラ121を介してOLT装置130のPONインタフェースカード131(#1)のPONポート132(#1)に接続されている。
また、ONU装置110(#1)のUNI(User Network Interface:ユーザネットワークインタフェース)ポートにはパーソナルコンピュータ11が接続されている。また、ONU装置110(#1)のVoIP(Voice over Internet Protocol)ポートにはVoIP電話機12が接続されている。また、ONU装置110(#1)には商用電源13が接続されている。商用電源13はONU装置電源をONU装置110(#1)へ供給する。ONU装置110(#1)は商用電源13から供給されるONU装置電源によって動作する。
ONU装置110(#1)は、パーソナルコンピュータ11およびVoIP電話機12から送信された信号(電気信号)を光信号に変換し、変換した光信号を、光カプラ121を介してOLT装置130のPONインタフェースカード131(#1)へ送信する。また、ONU装置110(#1)は、OLT装置130のPONインタフェースカード131(#1)から送信された光信号を受信し、受信した光信号から得られた信号(電気信号)をパーソナルコンピュータ11およびVoIP電話機12へ送信する。
光カプラ121のONU側は、PONインタフェース(PON−IF)を介して64個のONU装置110(#1〜#64)と接続されている。同様に、光カプラ122〜128のそれぞれのONU側は、PONインタフェース(PON−IF)を介して64個のONU装置110と接続されている。
また、光カプラ121のOLT側は、PONインタフェース(PON−IF)を介してOLT装置130のPONインタフェースカード131(#1)のPONポート132(#1)と接続されている。同様に、光カプラ122〜128のOLT側は、PONインタフェース(PON−IF)を介して、それぞれOLT装置130のPONインタフェースカード131(#1)のPONポート132(#1〜#8)と接続されている。
OLT装置130は、N個(Nは1以上の自然数)のPONインタフェースカード131(#1〜#N)と、コントロールインタフェースカード133と、を備える。PONインタフェースカード131(#1)について説明するが、PONインタフェースカード131(#2〜#N)についても同様である。
PONインタフェースカード131(#1)は、光カプラ121〜128と接続されたONU装置110(#1〜#512)との間で光通信を行う光通信装置であり、8個のPONポート132(#1〜#8)を備える。PONポート132(#1〜#8)は、それぞれ光カプラ121〜128と接続されている。たとえば、PONインタフェースカード131(#1)は、PONポート132(#1)を用いて、ONU装置110(#1〜#64)との間で光通信を行う。
コントロールインタフェースカード133は、PONインタフェースカード131(#1〜#N)と、OLT装置130の外部の装置との間の制御インタフェースであり、COMポート134(communication port)を有する。たとえばCOMポート134にシステム管理者のパーソナルコンピュータ14を接続することにより、パーソナルコンピュータ14とPONインタフェースカード131(#1〜#N)との間で情報の入出力が可能になる。
本願発明は、一例としては、停電等によりONU装置110(#1〜#512)において一斉にONU装置電源の断(電源の断)が発生した場合における、ONU装置110(#1〜#512)からOLT装置130へのOAMフレームの送信に適用することができる。OAMはOperation Administration Maintenance(保守管理機能)の略である。ただし、本願発明は、ONU装置110(#1〜#512)の全てに適用しなくてもよく、ONU装置110(#1〜#512)の一部に適用してもよい。
(実施の形態にかかるONU装置)
図2は、実施の形態にかかるONU装置の一例を示す図である。図2において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、図2において、破線23は装置内の主信号(ユーザデータ)用の配線を示し、破線24は電源監視用の配線を示す。図1に示したONU装置110(#1〜#512)の少なくともいずれかは、たとえば図2に示すONU装置110により実現することができる。
図2に示すONU装置110は、1次電源回路201と、PHY_LSI用2次電源回路202と、UNI_PHY_LSI203と、VoIP_PHY_LSI204と、を備える。また、図2に示すONU装置110は、MAC_LSI用2次電源回路205と、保護回路206と、電圧監視LSI207と、MAC_LSI208と、PON光モジュール209と、を備える。MACはMedia Access Control(メディアアクセス制御)の略である。LSIはLarge Scale Integration(大規模集積回路)の略である。
1次電源回路201は、商用電源13から供給されたONU装置電源の電圧変換を行い、電圧変換により得られた電源をPHY_LSI用2次電源回路202およびMAC_LSI用2次電源回路205へ供給する。PHY_LSI用2次電源回路202は、1次電源回路201から供給された電源の電圧変換を行い、電圧変換により得られた電源をUNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204へ供給する。
UNI_PHY_LSI203は、ONU装置110のUNIポートを介してパーソナルコンピュータ11と接続される通信インタフェース(トランスミッタ)である。たとえば、UNI_PHY_LSI203は、パーソナルコンピュータ11から送信された上り信号(電気信号)に対する物理層(PHY層)の処理を行い、物理層の処理を行った上り信号をMAC_LSI208へ出力する。また、UNI_PHY_LSI203は、MAC_LSI208から出力された下り信号(電気信号)に対する物理層の処理を行い、物理層の処理を行った下り信号をパーソナルコンピュータ11へ送信する。また、UNI_PHY_LSI203は、PHY_LSI用2次電源回路202から供給される電源を用いて動作する。
VoIP_PHY_LSI204は、ONU装置110のVoIPポートを介してVoIP電話機12と接続される通信インタフェース(トランスミッタ)である。たとえば、VoIP_PHY_LSI204は、VoIP電話機12から送信された上り信号(電気音声信号)に対する物理層の処理を行い、物理層の処理を行った上り信号をMAC_LSI208へ出力する。また、VoIP_PHY_LSI204は、MAC_LSI208から出力された下り信号(電気音声信号)に対する物理層の処理を行い、物理層の処理を行った下り信号をVoIP電話機12へ送信する。また、VoIP_PHY_LSI204は、PHY_LSI用2次電源回路202から供給される電源を用いて動作する。
MAC_LSI用2次電源回路205は、1次電源回路201から供給された電源をMAC_LSI208の動作電圧に変換する電圧変換を行う。そして、MAC_LSI用2次電源回路205は、電圧変換により得られた電源を、MAC_LSI用電源として、保護回路206を介してMAC_LSI208へ供給する。
保護回路206は、MAC_LSI用2次電源回路205から供給されるMAC_LSI用電源の断が発生した場合に、MAC_LSI208へ供給されるMAC_LSI用電源の急激な断を回避してMAC_LSI208を保護する保護回路である。MAC_LSI用2次電源回路205から供給されるMAC_LSI用電源の断は、たとえば商用電源13からONU装置110へ供給されるONU装置電源の断により発生する。
保護回路206により、たとえば商用電源13からONU装置110へ供給されるONU装置電源の断が発生した場合に、電源断通知であるダイイングギャスプ(Dying Gasp)をMAC_LSI208からOLT側へ発出することが可能になる。ダイイングギャスプは、たとえば、停電などの回復不能な状態を通知する制御信号である。
電圧監視LSI207は、1次電源回路201の出力電圧を監視することにより、商用電源13からONU装置110へ供給されるONU装置電源の断を検出する検出部である。たとえば、電圧監視LSI207は、1次電源回路201からMAC_LSI用2次電源回路205へ出力される電源を分岐して入力することによりONU装置電源の電圧を監視することができる。または、電圧監視LSI207は、MAC_LSI用2次電源回路205から保護回路206へ出力される電源を分岐して入力することによりONU装置電源の電圧を監視してもよい。
電圧監視LSI207は、1次電源回路201の出力電圧が所定の閾値を下回った場合に、ONU装置電源の断が発生したと判断し、ONU装置電源の断が発生したことを示すONU装置電源監視結果をMAC_LSI208へ出力する。または、電圧監視LSI207は1次電源回路201の出力電圧をONU装置電源監視結果としてMAC_LSI208へ出力し、1次電源回路201の出力電圧と閾値との比較に基づくONU装置電源の断の検出はMAC_LSI208において実行されてもよい。
MAC_LSI208は、ONU装置110に接続されたパーソナルコンピュータ11やVoIP電話機12(通信装置)との間でUNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204(通信インタフェース)を介して通信を行う。
たとえば、MAC_LSI208は、UNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204から出力された各上り信号に対するMAC層の処理を行い、MAC層の処理を行った各上り信号をPON光モジュール209へ出力する。また、MAC_LSI208は、PON光モジュール209から出力された下り信号に対するMAC層の処理を行う。そして、MAC_LSI208は、MAC層の処理を行った下り信号を、その下り信号の宛先に応じてUNI_PHY_LSI203またはVoIP_PHY_LSI204へ出力する。
また、MAC_LSI208は、UNI_PHY_LSI203からの信号の入力断に基づいて、UNIポートのリンク断を検出する。そして、MAC_LSI208は、UNIポートのリンク断を検出すると、UNIポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーション(Event Notification)OAMフレームをPON光モジュール209へ出力する。
また、MAC_LSI208は、VoIP_PHY_LSI204からの信号の入力断に基づいて、VoIPポートのリンク断を検出する。そして、MAC_LSI208は、VoIPポートのリンク断を検出すると、VoIPポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームをPON光モジュール209へ出力する。
また、MAC_LSI208は、電圧監視LSI207から出力されたONU装置電源監視結果に基づいて、ONU装置電源の断の有無を判断する。そして、MAC_LSI208は、ONU装置電源の断が発生した場合に、ONU装置電源の断を通知するダイイングギャスプOAMフレームをPON光モジュール209へ出力する。
ダイイングギャスプOAMフレームは、所定のビット領域(Dying Gasp)の値を“1”としたインフォメーションOAMフレーム(Information OAMフレーム)である。所定のビット領域(Dying Gasp)については後述する(図10,図11参照)。
PON光モジュール209は、MAC_LSI208から出力された上り信号やOAMフレームを光信号に変換し、変換した光信号を、PONインタフェース(PON−IF)を介して送信する。PON光モジュール209から送信された光信号は、光カプラ121〜128のうちのONU装置110が接続された光カプラを介してOLT装置130により受信される。
また、PON光モジュール209は、光カプラ121〜128のうちのONU装置110が接続された光カプラを介してOLT装置130から送信された下りの光信号を電気信号に変換する。そして、PON光モジュール209は、電気信号に変換した下り信号をMAC_LSI208へ出力する。
(実施の形態にかかるONU装置の保護回路)
図3は、実施の形態にかかるONU装置の保護回路の一例を示す図である。図3において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図3に示すように、図2に示した保護回路206は、たとえばMAC_LSI用2次電源回路205とMAC_LSI208との間の電源供給用の配線に対して並列に接続された大容量のコンデンサ301〜303,…により実現することができる。ただし、保護回路206の構成はこれに限らず、MAC_LSI208へ供給されるMAC_LSI用電源を、商用電源13からONU装置110へ供給されるONU装置電源の断から一時的に保護可能な各種の回路とすることができる。
(実施の形態にかかるONU装置のMAC_LSI)
図4は、実施の形態にかかるONU装置のMAC_LSIの一例を示す図である。図4において、実線31は主信号用の配線を示し、破線32は制御監視用の配線を示す。図2に示したMAC_LSI208は、たとえば、図4に示すように、UNI−IF終端部401と、VoIP−IF終端部402と、MUX・DEMUX403と、パーサ404と、上り信号バッファ405と、上りSERDES406と、を備える。また、MAC_LSI208は、下りSERDES407と、パーサ408と、下り信号バッファ409と、監視制御インタフェース410と、監視制御処理部411と、フラグ情報記憶部412と、を備える。SERDESはSERializer/DESerializerの略である。MUXはMultiplexer(マルチプレクサ)の略である。DEMUXはdeMultiplexer(デマルチプレクサ)の略である。
UNI−IF終端部401は、図2に示したUNI_PHY_LSI203との間のUNIインタフェースを終端する。たとえば、UNI−IF終端部401は、UNI_PHY_LSI203から出力された上り信号をMUX・DEMUX403へ出力する。また、UNI−IF終端部401は、MUX・DEMUX403から出力された下り信号をUNI_PHY_LSI203へ出力する。
VoIP−IF終端部402は、図2に示したVoIP_PHY_LSI204との間のVoIPインタフェースを終端する。たとえば、VoIP−IF終端部402は、VoIP_PHY_LSI204から出力された上り信号をMUX・DEMUX403へ出力する。また、VoIP−IF終端部402は、MUX・DEMUX403から出力された下り信号をVoIP_PHY_LSI204へ出力する。
MUX・DEMUX403は、UNI−IF終端部401およびVoIP−IF終端部402から出力された各上り信号を多重化(MUX)し、多重化した上り信号をパーサ404へ出力する。また、MUX・DEMUX403は、下り信号バッファ409に格納された下り信号を読み出し、読み出した下り信号を宛先に応じてUNI−IF終端部401またはVoIP−IF終端部402へ出力する。
パーサ404は、MUX・DEMUX403から出力された上り信号(たとえばパケット)のうちの、PONインタフェースカード131へ送信すべき上り信号を判別し、判別した上り信号を上り信号バッファ405に格納する。また、パーサ404は、MUX・DEMUX403から出力された上り信号のうちの、ONU装置110を宛先とする制御信号など、PONインタフェースカード131へ送信すべきでない上り信号については上り信号バッファ405に格納しない。
上りSERDES406は、上り信号バッファ405に格納された上り信号(主信号または制御信号)を読み出し、読み出した上り信号をパラレルデータからシリアルデータに変換する。そして、上りSERDES406は、シリアルデータに変換した上り信号を図2に示したPON光モジュール209へ出力する。
たとえば、MAC_LSI208は、上り信号バッファ405に格納した各情報(上り信号)を、PONインタフェースカード131から指示されたタイミングで読み出して上りSERDES406からPON光モジュール209へ出力する。PONインタフェースカード131から指示されたタイミングは、PONインタフェースカード131に接続された各ONU装置のうちの自装置に割り当てられた上り信号の送信タイミングである。
下りSERDES407は、PON光モジュール209から出力された下り信号をシリアルデータからパラレルデータに変換する。そして、下りSERDES407は、パラレルデータに変換した下り信号をパーサ408へ出力する。
パーサ408は、下りSERDES407から出力された下り信号(たとえばパケット)のうちの、パーソナルコンピュータ11やVoIP電話機12へ送信すべき下り信号を判別し、判別した下り信号を下り信号バッファ409に格納する。また、パーサ408は、下りSERDES407から出力された下り信号のうちの、ONU装置110を宛先とする制御信号など、パーソナルコンピュータ11やVoIP電話機12へ送信すべきでない下り信号については下り信号バッファ409に格納しない。
監視制御処理部411は、監視制御インタフェース410を介して、UNI−IF終端部401およびVoIP−IF終端部402を監視する。そして、監視制御処理部411は、UNI−IF終端部401およびVoIP−IF終端部402の監視結果に基づいて、UNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204との間のリンク断を監視する(リンク断監視)。
また、監視制御処理部411は、UNI_PHY_LSI203との間のリンク断を検出すると、UNIポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームを生成する。また、監視制御処理部411は、VoIP_PHY_LSI204との間のリンク断を検出すると、VoIPポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームを生成する。
そして、監視制御処理部411は、生成したイベントノーティフィケーションOAMフレームを、監視制御インタフェース410を介して上り信号バッファ405に上り信号として格納する。ただし、監視制御処理部411は、ダイイングギャスプOAMフレームを送信することを示すフラグ情報がフラグ情報記憶部412に記憶されている場合は、イベントノーティフィケーションOAMフレームを上り信号バッファ405に格納しない。
また、監視制御処理部411は、図2に示した電圧監視LSI207から出力されたONU装置電源監視結果に基づいて、ONU装置電源の断の有無を判断する。また、監視制御処理部411は、ONU装置電源の断が発生した場合に、ONU装置電源の断を通知するダイイングギャスプOAMフレームを生成する。そして、監視制御処理部411は、生成したダイイングギャスプOAMフレームを、監視制御インタフェース410を介して上り信号バッファ405に上り信号として格納する。
また、監視制御処理部411は、ONU装置電源の断が発生した場合に、ONU装置電源の断を検出したこと、すなわちダイイングギャスプOAMフレームを送信することを示すフラグ情報をフラグ情報記憶部412に記憶させる。フラグ情報記憶部412は、フラグ情報を記憶するメモリである。
また、監視制御処理部411は、ONU装置電源の断が発生した場合に、その時点で上り信号バッファ405にイベントノーティフィケーションOAMフレームが格納されていた場合は、そのイベントノーティフィケーションOAMフレームを破棄してもよい。これにより、ONU装置電源の断が発生する前に発生したポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームを送信しないようにすることができる。このため、イベントノーティフィケーションOAMフレームの送信待ちでダイイングギャスプOAMフレームが送信できないことによるダイイングギャスプOAMフレームの取りこぼしを防ぐことができる。
(実施の形態にかかるOLT装置のPONインタフェースカードおよびコントロールインタフェースカード)
図5は、実施の形態にかかるOLT装置のPONインタフェースカードおよびコントロールインタフェースカードの一例を示す図である。図1に示したOLT装置130のPONインタフェースカード131(#1〜#N)のそれぞれは、たとえば図5に示すPONインタフェースカード131により実現することができる。図5においては、PONインタフェースカード131の各処理部のうちの上り信号に関する処理部について説明する。
図5に示すPONインタフェースカード131は、8個のPON光モジュール511(#1〜#8)と、MAC_LSI512と、CNI光モジュール518と、を備える。CNIはCore Network Interface(コアネットワークインタフェース)の略である。
PON光モジュール511(#1〜#8)は、それぞれ図1に示したPONポート132(#1〜#8)から入力された光信号を電気信号に変換する。そして、PON光モジュール511(#1〜#8)のそれぞれは、電気信号に変換した上り信号をMAC_LSI512へ出力する。
MAC_LSI512は、パーサ513と、主信号キュー514と、OAMキュー515と、制御監視部516と、外部制御インタフェース517と、を備える。
パーサ513は、PON光モジュール511(#1〜#8)から出力された上り信号が主信号および制御信号のいずれであるかを判別する。制御信号は、たとえばOAMフレームである。パーサ513は、主信号と判別した上り信号を主信号キュー514に格納する。また、パーサ513は、OAMフレーム(制御信号)と判別した上り信号をOAMキュー515に格納する。
OAMはスロープロトコル(slow protocol)であるため、OAMキュー515はたとえば主信号キュー514に比べて容量が小さく設定される。このため、OAMキュー515に格納されたOAMフレームは、たとえば多くのONU装置110からPONインタフェースカード131へバースト的にOAMフレームが送信された場合にオーバーフローし易い。
制御監視部516は、OAMキュー515に格納されたOAMフレームの制御監視を行う。たとえば、制御監視部516は、外部制御インタフェース517を介してコントロールインタフェースカード133からOAMフレームの情報の読み出しの指示を受け付ける。
また、制御監視部516は、OAMフレームの情報の読み出しの指示を受け付けると、OAMキュー515に格納されたOAMフレームのうちの該当するOAMフレームを読み出す。つぎに、制御監視部516は、読み出したOAMフレームに基づくシステム管理者が利用可能な通知情報を生成する。そして、制御監視部516は、生成した通知情報を、外部制御インタフェース517を介してコントロールインタフェースカード133へ送信する。
図1に示したコントロールインタフェースカード133は、たとえば、図5に示すように、OLT制御監視部521と、COMポートインタフェース522と、を備える。OLT制御監視部521は、COMポートインタフェース522を介したパーソナルコンピュータ14からの制御により、PONインタフェースカード131の制御監視を行う。
たとえば、OLT制御監視部521は、MAC_LSI512の外部制御インタフェース517を介して、制御監視部516に対してOAMフレームの情報の読み出しを指示する。また、OLT制御監視部521は、OAMフレームの情報の読み出しの指示に対して制御監視部516から外部制御インタフェース517を介して出力された通知情報を取得する。そして、OLT制御監視部521は、取得した通知情報を、COMポートインタフェース522を介してパーソナルコンピュータ14へ送信する。
COMポートインタフェース522は、図1に示したCOMポート134に接続されたパーソナルコンピュータ14とコントロールインタフェースカード133との間のインタフェースである。
パーソナルコンピュータ14は、COMポートインタフェース522を介してOLT制御監視部521に対してOAMフレームの情報の読み出しを指示する。そして、OLT制御監視部521からCOMポートインタフェース522を介してOAMフレームに基づく通知情報が出力されると、出力された通知情報をパーソナルコンピュータ14のユーザ(システム管理者)へ出力する。
CNI光モジュール518は、MAC_LSI512の主信号キュー514に格納された上り信号を読み出し、読み出した上り信号を光信号に変換する。そして、CNI光モジュール518は、変換した上り信号を、上位装置インタフェースを介して上位装置へ送信する。上位装置は、OLT装置130が接続されたコアネットワークの装置である。
(実施の形態にかかる通信システムにおけるONU装置電源断時のOAMフレームの送信処理)
図6は、実施の形態にかかる通信システムにおけるONU装置電源断時のOAMフレームの送信処理の一例を示すシーケンス図である。図1に示した商用電源13からONU装置110へ供給されるONU装置電源の断が発生した場合に、通信システム100においてはたとえば図6に示す各ステップが実行される。まず、商用電源13からONU装置110へ供給されるONU装置電源の断が発生したとする(ステップS601)。ONU装置110は、ステップS601におけるONU装置電源の断を検出する。このONU装置電源の断の検出は、たとえば図2に示した電圧監視LSI207により実行される。
つぎに、ONU装置110が、ONU装置電源の断を通知するダイイングギャスプOAMフレームのPONインタフェースカード131への繰り返し送信を開始する(ステップS602)。ステップS602におけるダイイングギャスプOAMフレームの送信は、たとえば図2に示したMAC_LSI208により実行される。
つぎに、PHY_LSI用2次電源回路202からUNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204へ供給されるPHY_LSI用電源の断が発生する(ステップS603)。このPHY_LSI用電源の断は、ステップS601におけるONU装置電源の断に起因して発生する。このPHY_LSI用電源の断により、UNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204の動作が停止し、UNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204におけるポートリンク断が発生する。
ONU装置110は、このUNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204におけるポートリンク断を検出する。このポートリンク断の検出は、MAC_LSI208がUNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204からの入力信号の断を検出することによって実行される。
ただし、ONU装置110は、UNI_PHY_LSI203におけるUNIポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームをPONインタフェースカード131へ送信しない。また、ONU装置110は、VoIP_PHY_LSI204におけるVoIPポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームをPONインタフェースカード131へ送信しない。
これは、イベントの優先度としてはONU装置電源の断の方がUNIポートリンク断やVoIPポートリンク断より高く、ONU装置110はステップS602によりONU装置電源の断を通知するダイイングギャスプOAMフレームの送信を行っているためである。すなわち、ONU装置110は、ONU装置電源の断を通知するダイイングギャスプOAMフレームを送信する場合は、UNIポートリンク断やVoIPポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームを送信しない。
つぎに、ステップS601におけるONU装置電源の断に起因して、MAC_LSI208へ供給されるMAC_LSI用電源の断が発生する(ステップS604)。ステップS601からステップS604までの期間T1においては、保護回路206のコンデンサ301〜303,…によって、MAC_LSI208へ供給されるMAC_LSI用電源が維持される。このように、保護回路206により、MAC_LSI208へ供給されるMAC_LSI用電源の断は、UNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204におけるポートリンク断より後になる。
図6に示したように、ONU装置110は、ONU装置電源の断を通知するダイイングギャスプOAMフレームを送信する場合は、イベントノーティフィケーションOAMフレームを送信しない。これにより、過剰なイベントノーティフィケーションOAMフレームの送信を抑制することができる。
したがって、たとえば停電等により一斉に多数のONU装置110においてONU装置電源の断が発生しても、多数のONU装置110からイベントノーティフィケーションOAMフレームがバースト的にOLT装置130へ発出されることを回避することができる。このため、OLT装置130のOAMキュー515においてOAMフレームのオーバーフローが発生してダイイングギャスプOAMフレームが破棄されることを回避することができる。
システム管理者において、ダイイングギャスプOAMフレームが取得できれば、障害の発生原因の解析については、UNIポートリンク断やVoIPポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームは不要な情報である。このため、ダイイングギャスプOAMフレームを送信する場合はイベントノーティフィケーションOAMフレームを送信しない構成としても、障害の発生原因の解析への影響は小さい。
たとえば、PONインタフェースカード131における通信の障害が発生した場合に、イベントノーティフィケーションOAMフレームがバースト的に送信されてダイイングギャスプOAMフレームの取りこぼしが発生したとする。この場合に、たとえば、システム管理者は、PONインタフェースカード131における通信の障害の原因が、PON−IFの光ファイバの断であるのか、またはONU装置電源断であるのかを区別することができない。これに対して、システム管理者は、ダイイングギャスプOAMフレームが取得できれば、PON−IFの光ファイバの断などと区別して、ONU装置電源断が発生したと判断することができる。
(実施の形態にかかるONU装置におけるONU装置電源断時の各部の電圧の変化)
図7は、実施の形態にかかるONU装置におけるONU装置電源断時の各部の電圧の変化を示す図である。図7において、横軸は時間を示す。1次電源回路出力電圧710は、図2に示した1次電源回路201からPHY_LSI用2次電源回路202へ供給される電源の電圧であって、電圧監視LSI207によって監視される電圧を示す。
MAC_LSI入力電圧720は、MAC_LSI208へ入力されるMAC_LSI用電源の電圧を示す。PHY_LSI用2次電源回路出力電圧730は、図2に示したPHY_LSI用2次電源回路202からUNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204へ供給される電源の電圧を示す。
横軸の時刻t1において、ONU装置電源の断(ON→OFF)が発生したとする。この場合に、1次電源回路出力電圧710およびMAC_LSI入力電圧720は、時刻t1から低下し、時刻t4においてほぼ0[V]になる。一方、MAC_LSI入力電圧720は、保護回路206によって時刻t3まで低下せず、時刻t3から低下する。時刻t1から時刻t3までの期間は、MAC_LSI208へ入力されるMAC_LSI用電源の電圧が保護回路206によって維持される電圧低下保護期間T2である。
閾値THは、図2に示した電圧監視LSI207が1次電源回路出力電圧710の監視に用いる閾値である。時刻t1から1次電源回路出力電圧710が低下し、時刻t2において1次電源回路出力電圧710が閾値THを下回ることにより電圧監視LSI207によってONU装置電源の断が検出されたとする。この場合に、MAC_LSI208は、時刻t2から時刻t3までの期間において、PONインタフェースカード131へダイイングギャスプOAMフレームを送信する。
PHY_LSI用2次電源回路出力電圧730がほぼ0[V]になる時刻t4において、MAC_LSI208は、UNIポートリンク断やVoIPポートリンク断を検出する。ただし、MAC_LSI208は、ダイイングギャスプOAMフレームを送信するため、UNIポートリンク断やVoIPポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームは送信しない。
(実施の形態にかかるONU装置によるダイイングギャスプOAMフレームの発出処理)
図8は、実施の形態にかかるONU装置によるダイイングギャスプOAMフレームの発出処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態にかかるONU装置110は、ダイイングギャスプOAMフレームの発出処理として、たとえば図8に示す各ステップを実行する。
まず、ONU装置110は、ダイイングギャスプフラグを初期値の“0”に設定する(ステップS801)。ダイイングギャスプフラグは、ダイイングギャスプOAMフレームを送信するか否かを示すフラグ情報である。また、ダイイングギャスプフラグは、後述のイベントノーティフィケーションOAMフレームの発出処理(図9参照)においても参照可能なフラグ情報である。ステップS801は、たとえばMAC_LSI208により実行される。また、ダイイングギャスプフラグは、たとえばMAC_LSI208に含まれるメモリ(たとえばフラグ情報記憶部412)に記憶される。
つぎに、ONU装置110は、ONU装置電源の電圧を検出する(ステップS802)。ステップS802は、たとえば電圧監視LSI207により実行される。つぎに、ONU装置110は、ステップS802により検出したONU装置電源の電圧が閾値THを下回っているか否かを判断する(ステップS803)。ステップS803は、たとえば電圧監視LSI207またはMAC_LSI208により実行される。
ステップS803において、ONU装置電源の電圧が閾値THを下回っていない場合(ステップS803:No)は、ONU装置110は、ステップS802へ戻る。ONU装置電源の電圧が閾値THを下回っている場合(ステップS803:Yes)は、ONU装置110は、ダイイングギャスプフラグを“1”に設定する(ステップS804)。ステップS804は、たとえばMAC_LSI208により実行される。
また、ONU装置110は、ONU装置電源の断を通知するダイイングギャスプOAMフレームを生成する(ステップS805)。ステップS801は、たとえばMAC_LSI208により実行される。つぎに、ONU装置110は、ステップS805によって生成したダイイングギャスプOAMフレームをPONインタフェースカード131へ向けて発出し(ステップS806)、一連の処理を終了する。ステップS806は、たとえばMAC_LSI208およびPON光モジュール209により実行される。
ステップS806において、ONU装置110は、たとえばダイイングギャスプOAMフレームを上り信号バッファ405に格納する。そして、ONU装置110は、PONインタフェースカード131から指示された時刻において、上り信号バッファ405に格納したダイイングギャスプOAMフレームを読み出して光信号により発出する。
また、ONU装置110は、ダイイングギャスプOAMフレームを上り信号バッファ405に格納する際に、上り信号バッファ405のイベントノーティフィケーションOAMフレームの破棄を行う処理を行ってもよい。すなわち、ONU装置110は、その時点で上り信号バッファ405にイベントノーティフィケーションOAMフレームが格納されていた場合は、そのイベントノーティフィケーションOAMフレームを破棄してもよい。
これにより、ONU装置電源の断が発生する前に発生したポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームを送信しないようにすることができる。このため、イベントノーティフィケーションOAMフレームの送信待ちでダイイングギャスプOAMフレームが送信できないことによるダイイングギャスプOAMフレームの取りこぼしを防ぐことができる。
(実施の形態にかかるONU装置によるイベントノーティフィケーションOAMフレームの発出処理)
図9は、実施の形態にかかるONU装置によるイベントノーティフィケーションOAMフレームの発出処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態にかかるONU装置110は、イベントノーティフィケーションOAMフレームの発出処理として、たとえば図9に示す各ステップを実行する。また、ONU装置110は、図9に示すイベントノーティフィケーションOAMフレームの発出処理を、図8に示したダイイングギャスプOAMフレームの発出処理と並行して実行する。
まず、ONU装置110は、UNI_PHY_LSI203およびVoIP_PHY_LSI204におけるUNIポートリンクおよびVoIPポートリンクの状態を検出する(ステップS901)。ステップS901は、たとえばMAC_LSI208により実行される。
つぎに、ONU装置110は、ステップS901による検出結果に基づいて、UNIポートリンクおよびVoIPポートリンクの少なくともいずれかが断か否かを判断する(ステップS902)。ステップS902は、たとえばMAC_LSI208により実行される。UNIポートリンクおよびVoIPポートリンクのいずれも断でない場合(ステップS902:No)は、ONU装置110は、ステップS901へ戻る。
ステップS902において、UNIポートリンクおよびVoIPポートリンクの少なくともいずれかが断である場合(ステップS902:Yes)は、ONU装置110は、ダイイングギャスプフラグが“1”であるか否かを判断する(ステップS903)。ダイイングギャスプフラグは、図8に示したダイイングギャスプOAMフレームの発出処理により設定されるフラグ情報である。ステップS903は、たとえばMAC_LSI208により実行される。
ステップS903において、ダイイングギャスプフラグが“1”である場合(ステップS903:Yes)は、ONU装置110は、ダイイングギャスプOAMフレームを送信する、またはダイイングギャスプOAMフレームを送信したと判断することができる。この場合は、ONU装置110は、イベントノーティフィケーションOAMフレームをPONインタフェースカード131へ発出せずにステップS901へ戻る。
ステップS903において、ダイイングギャスプフラグが“1”でない場合(ステップS903:No)は、ONU装置110は、ダイイングギャスプOAMフレームを送信しないと判断することができる。この場合は、ONU装置110は、UNIポートリンクおよびVoIPポートリンクの少なくともいずれかにおける断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームを生成する(ステップS904)。ステップS904は、たとえばMAC_LSI208により実行される。
つぎに、ONU装置110は、ステップS904によって生成したイベントノーティフィケーションOAMフレームをPONインタフェースカード131へ向けて発出し(ステップS905)、一連の処理を終了する。ステップS905は、たとえばMAC_LSI208およびPON光モジュール209により実行される。
ステップS905において、ONU装置110は、たとえば、イベントノーティフィケーションOAMフレームを上り信号バッファ405に格納する。そして、ONU装置110は、PONインタフェースカード131から指示された時刻において、上り信号バッファ405に格納したイベントノーティフィケーションOAMフレームを読み出して光信号により発出する。
(実施の形態にかかるONU装置が送信するOAMフレーム)
図10は、実施の形態にかかるONU装置が送信するOAMフレームの一例を示す図である。実施の形態にかかるONU装置110は、たとえば図10に示すOAMフレーム1000をPONインタフェースカード131へ送信する。
OAMフレーム1000のフィールド1001(Destination Address)は、OAMフレーム1000の宛先アドレス(たとえばPONインタフェースカード131のアドレス)を示す6オクテットの領域である。OAMフレーム1000のフィールド1002(Source Address)は、OAMフレーム1000の送信元アドレス(たとえばONU装置110のアドレス)を示す6オクテットの領域である。
OAMフレーム1000のフィールド1003(Type)は、OAMフレーム1000のタイプを示す2オクテットの領域である。たとえば、フィールド1003の値は、スロープロトコルを示す“0x88−09”となる。
OAMフレーム1000のフィールド1004(Subtype)は、OAMフレーム1000のサブタイプを示す1オクテットの領域である。たとえば、フィールド1004の値は、OAMを示す“0x03”となる。
OAMフレーム1000のフィールド1005(Flags)は、OAMフレーム1000に設定可能なフラグ情報の2オクテットの領域である。フィールド1005(Flags)については後述する(たとえば図11参照)。OAMフレーム1000のフィールド1006(Code)は、OAMフレーム1000の種別を示す1オクテットの領域である。フィールド1006(Code)については後述する(たとえば図12参照)。
OAMフレーム1000のフィールド1007(Data/Padding)は、OAMフレーム1000により伝送されるデータやパディングのための42〜1496オクテットの領域である。OAMフレーム1000のフィールド1008(FCS)は、OAMフレーム1000のFCS(Frame Check Sequence:フレームチェックシーケンス)を示す4オクテットの領域である。
(実施の形態にかかるONU装置が送信するOAMフレームのFlagsフィールド)
図11は、実施の形態にかかるONU装置が送信するOAMフレームのFlagsフィールドの一例を示す図である。図10に示したOAMフレーム1000のフィールド1005(Flags)は、たとえば図11に示すフィールド1005とすることができる。たとえば、図11に示すフィールド1005のビット領域1101(Dying Gasp)の値を“1”にすることで、OAMフレーム1000を、ONU装置電源の断を通知する上述したダイイングギャスプOAMフレームとすることができる。
(実施の形態にかかるONU装置が送信するOAMフレームのCodeフィールド)
図12は、実施の形態にかかるONU装置が送信するOAMフレームのCodeフィールドの一例を示す図である。図10に示したOAMフレーム1000のフィールド1006(Code)は、たとえば図12のテーブル1200に示す値をとり得る。たとえば、OAMフレーム1000を上述したダイイングギャスプOAMフレームとして送信する場合は、ONU装置110は、フィールド1006(Code)の値を“0x00”(Information OAM)とする。これにより、OAMフレーム1000をダイイングギャスプOAMフレーム(Information OAM)とすることができる。
また、OAMフレーム1000を上述したイベントノーティフィケーションOAMフレームとして送信する場合は、ONU装置110は、フィールド1006(Code)の値を“0x01”(Event Notification OAM)とする。これにより、OAMフレーム1000をイベントノーティフィケーションOAMフレームとすることができる。
(実施の形態にかかる通信システムにおけるOAMキューの負荷の低減)
実施の形態にかかる通信システム100におけるOAMキュー515の負荷の低減について説明する。ここでは、図1に示したように512個のONU装置110(#1〜#512)を収容するPONインタフェースカード131(#1)について説明する。
また、512個のONU装置110(#1〜#512)が、地域の大規模停電等で一斉にONU装置電源の断になり、それぞれダイイングギャスプOAMフレームを4回ずつPONインタフェースカード131(#1)へ送信するとする。さらに、ONU装置110(#1〜#512)が、それぞれUNIポートリンク断およびVoIPポートリンク断を通知する2個のイベントノーティフィケーションOAMフレームをPONインタフェースカード131へ送信すると仮定する。
従来技術においては、PONインタフェースカード131が受信するOAMフレームの総数は、(ダイイングギャスプOAMフレームの数)+(イベントノーティフィケーションOAMフレームの数)=(512*4)+(512*2)=3072個となる。
これに対して、実施の形態にかかる通信システム100においては、PONインタフェースカード131が受信するOAMフレームの総数は、(ダイイングギャスプOAMフレームの数)=(512*4)=2048個となる。このため、実施の形態にかかる通信システム100においては、PONインタフェースカード131が受信しOAMキュー515に格納されるOAMフレームの総数を従来技術より約33[%]低減できる。
これにより、OAMキュー515の容量を大きくしなくてもOAMキュー515におけるOAMフレームのオーバーフローを抑制し、優先度の高いダイイングギャスプOAMフレームの取りこぼしを防止することができる。
このように、実施の形態にかかる通信装置によれば、自装置へ供給される電力の断と第1通信インタフェースによる通信の断の両方を検出した場合、通信の断を示す情報と、電力の断を示す情報のうち、電力の断を示す情報を、第2インタフェースを介して送信することができる。たとえば、自装置へ供給される電力の断を検出した場合は、通信の断を検出しても通信の断を示す情報は送信せずに、電力の断を示す情報を所定の通信装置へ送信することができる。これにより、多数の通信装置において一斉に電力の断が発生しても、通信の断を示す情報の送信を抑制し、所定の通信装置における電力の断を示す情報の取りこぼしを防ぐことができる。
たとえば、ONU装置110によれば、ONU電力の断を検出した場合は、ポートリンク断を検出してもイベントノーティフィケーションOAMフレームは送信せずに、ダイイングギャスプOAMフレームを所定の通信装置へ送信することができる。所定の通信装置は、たとえばPONインタフェースカード131である。これにより、地域停電等により多数のONU装置110において一斉にONU電力の断が発生しても、過剰な情報であるイベントノーティフィケーションOAMフレームの送信を抑制することができる。このため、PONインタフェースカード131のOAMキュー515のオーバーフローによるダイイングギャスプOAMフレームの取りこぼしを防ぐことができる。
以上説明したように、通信装置、通信システムおよび通信方法によれば、多数の通信装置において電力の断が発生しても、電力の断を示す情報の取りこぼしを防ぐことができる。
たとえば、従来、ONU電力の断を通知するダイイングギャスプOAMフレームの発出処理と、UNIポートリンク断やVoIPポートリンク断を通知するイベントノーティフィケーションOAMフレームの発出処理と、は独立して行われていた。このため、地域停電などにより複数のONUにおいてONU電力の断が発生した場合に、ダイイングギャスプOAMフレームに加えて多数のイベントノーティフィケーションOAMフレームがバースト的にOLTへ送信されていた。このため、OLTにおいてOAMフレームのオーバーフローが発生し、ダイイングギャスプOAMフレームの取りこぼしが発生する場合があった。
また、ダイイングギャスプOAMフレームをイベントノーティフィケーションOAMフレームと合わせて発出することも考えられる。しかしながら、この場合はイベントノーティフィケーションOAMフレームの生成までダイイングギャスプOAMフレームの発出を待たせることになる。このため、ONUのMAC_LSIがダイイングギャスプOAMフレームを発出できないまま電源断となってしまう場合がある。
これに対して、上述した実施の形態にかかるONU装置110によれば、図8,図9に示したように、ダイイングギャスプOAMフレームの発出処理とイベントノーティフィケーションOAMフレームの発出処理とを連携させることができる。すなわち、ONU装置110は、ダイイングギャスプOAMフレームを発出する場合はイベントノーティフィケーションOAMフレームを発出しないようにすることができる。
これにより、地域停電などにより複数のONU装置110においてONU電力の断が発生しても、多数のイベントノーティフィケーションOAMフレームがバースト的にOLT装置130へ送信されることを回避することができる。このため、OLT装置130においてOAMフレームのオーバーフローが発生することを抑制し、ダイイングギャスプOAMフレームの取りこぼしを防止することができる。
また、ONU装置110によれば、イベントノーティフィケーションOAMフレームの生成を待たずにダイイングギャスプOAMフレームを発出することができる。このため、ONU装置110のMAC_LSI208がダイイングギャスプOAMフレームを発出できないまま電源断となってしまうことを防止することができる。
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)第1通信インタフェースを介する通信の断を検出した場合に、前記通信の断を示す情報を、第2通信インタフェースを介して送信する通信回路と、
前記通信回路へ供給される電力の断を検出した場合に、前記通信回路に電力を供給する保護回路と、
を備え、
前記通信回路は、前記電力の断が検出された場合に、前記保護回路から供給される電力によって、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信し、
前記電力の断と前記通信の断の両方を検出した場合、前記通信の断を示す情報と、前記電力の断を示す情報のうち、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信する、
ことを特徴とする通信装置。
(付記2)自装置はパッシブオプティカルネットワークにおける加入者側の光通信装置であり、
前記第2通信インタフェースは前記パッシブオプティカルネットワークにおける収容局側の光通信装置との間の通信インタフェースである、
ことを特徴とする付記1に記載の通信装置。
(付記3)前記電力の断が検出された場合に、前記電力の断が検出されたことを示すフラグ情報を記憶する記憶部を備え、
前記通信回路は、前記記憶部に前記フラグ情報が記憶されている場合は、前記通信の断を検出しても前記通信の断を示す情報を送信しない、
ことを特徴とする付記1または2に記載の通信装置。
(付記4)前記通信回路は、前記通信の断を検出した場合に前記通信の断を示す情報を送信バッファに格納し、前記電力の断が検出された場合に前記電力の断を示す情報を前記送信バッファに格納し、前記送信バッファに格納した各情報を、前記第2通信インタフェースを介して指示されたタイミングで送信し、前記電力の断を検出した場合に前記送信バッファに格納された前記通信の断を示す情報を破棄することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の通信装置。
(付記5)複数の第1通信装置と、第2通信装置と、を含む通信システムにおいて、
前記複数の第1通信装置のそれぞれは、第1通信インタフェースを介する通信の断を検出した場合に、前記通信の断を示す情報を、第2通信インタフェースを介して前記第2通信装置へ送信する通信回路と、前記通信回路へ供給される電力の断を検出した場合に、前記通信回路に電力を供給する保護回路と、を備え、
前記通信回路は、前記電力の断が検出された場合に、前記保護回路から供給される電力によって、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して前記第2通信装置へ送信し、前記電力の断と前記通信の断の両方を検出した場合、前記通信の断を示す情報と、前記電力の断を示す情報のうち、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して前記第2通信装置へ送信し、
前記第2通信装置は、前記複数の第1通信装置から送信された前記通信の断を示す情報および前記電力の断を示す情報を格納する格納部と、前記格納部によって格納された情報を出力する出力部と、を備える、
ことを特徴とする通信システム。
(付記6)第1通信インタフェースを介する通信の断を検出した場合に、前記通信の断を示す情報を、第2通信インタフェースを介して送信する通信回路と、前記通信回路へ供給される電力の断を検出した場合に、前記通信回路に電力を供給する保護回路と、を備える通信装置による通信方法であって、
前記電力の断が検出された場合に、前記保護回路から供給される電力によって、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信し、
前記電力の断と前記通信の断の両方を検出した場合、前記通信の断を示す情報と、前記電力の断を示す情報のうち、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信する、
ことを特徴とする通信方法。
11,14 パーソナルコンピュータ
12 VoIP電話機
13 商用電源
100 通信システム
110 ONU装置
121〜128 光カプラ
130 OLT装置
131 PONインタフェースカード
132 PONポート
133 コントロールインタフェースカード
134 COMポート
201 1次電源回路
202 PHY_LSI用2次電源回路
203 UNI_PHY_LSI
204 VoIP_PHY_LSI
205 MAC_LSI用2次電源回路
206 保護回路
207 電圧監視LSI
208,512 MAC_LSI
209,511 PON光モジュール
301〜303 コンデンサ
401,402 IF終端部
403 MUX・DEMUX
404,408,513 パーサ
405 上り信号バッファ
406 上りSERDES
407 下りSERDES
409 下り信号バッファ
410 監視制御インタフェース
411 監視制御処理部
412 フラグ情報記憶部
514 主信号キュー
515 OAMキュー
516 制御監視部
517 外部制御インタフェース
518 CNI光モジュール
521 OLT制御監視部
522 COMポートインタフェース
710 1次電源回路出力電圧
720 MAC_LSI入力電圧
730 PHY_LSI用2次電源回路出力電圧
1000 OAMフレーム
1001〜1008 フィールド
1101 ビット領域
1200 テーブル

Claims (4)

  1. 第1通信インタフェースを介する通信の断を検出した場合に、前記通信の断を示す情報を、第2通信インタフェースを介して送信する通信回路と、
    前記通信回路へ供給される電力の断を検出した場合に、前記通信回路に電力を供給する保護回路と、
    を備え、
    前記通信回路は、前記電力の断が検出された場合に、前記保護回路から供給される電力によって、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信し、
    前記電力の断と前記通信の断の両方を検出した場合、前記通信の断を示す情報と、前記電力の断を示す情報のうち、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信する、
    ことを特徴とする通信装置。
  2. 自装置はパッシブオプティカルネットワークにおける加入者側の光通信装置であり、
    前記第2通信インタフェースは前記パッシブオプティカルネットワークにおける収容局側の光通信装置との間の通信インタフェースである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 複数の第1通信装置と、第2通信装置と、を含む通信システムにおいて、
    前記複数の第1通信装置のそれぞれは、第1通信インタフェースを介する通信の断を検出した場合に、前記通信の断を示す情報を、第2通信インタフェースを介して前記第2通信装置へ送信する通信回路と、前記通信回路へ供給される電力の断を検出した場合に、前記通信回路に電力を供給する保護回路と、を備え、
    前記通信回路は、前記電力の断が検出された場合に、前記保護回路から供給される電力によって、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して前記第2通信装置へ送信し、前記電力の断と前記通信の断の両方を検出した場合、前記通信の断を示す情報と、前記電力の断を示す情報のうち、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して前記第2通信装置へ送信し、
    前記第2通信装置は、前記複数の第1通信装置から送信された前記通信の断を示す情報および前記電力の断を示す情報を格納する格納部と、前記格納部によって格納された情報を出力する出力部と、を備える、
    ことを特徴とする通信システム。
  4. 第1通信インタフェースを介する通信の断を検出した場合に、前記通信の断を示す情報を、第2通信インタフェースを介して送信する通信回路と、前記通信回路へ供給される電力の断を検出した場合に、前記通信回路に電力を供給する保護回路と、を備える通信装置による通信方法であって、
    前記電力の断が検出された場合に、前記保護回路から供給される電力によって、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信し、
    前記電力の断と前記通信の断の両方を検出した場合、前記通信の断を示す情報と、前記電力の断を示す情報のうち、前記電力の断を示す情報を、前記第2通信インタフェースを介して送信する、
    ことを特徴とする通信方法。
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