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JP2017192201A - 回転電機のステータ - Google Patents

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JP2017192201A JP2016079658A JP2016079658A JP2017192201A JP 2017192201 A JP2017192201 A JP 2017192201A JP 2016079658 A JP2016079658 A JP 2016079658A JP 2016079658 A JP2016079658 A JP 2016079658A JP 2017192201 A JP2017192201 A JP 2017192201A
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Abstract

【課題】冷却性能の向上を図ることができる回転電機のステータを提供する。【解決手段】回転電機のステータ3は、スロット43を有したステータコア21と、セグメント化されたコイル22の一部としてスロット43内に配置されたコイルバー31とを備え、コイルバー31の長手方向に沿う冷媒通路56がスロット43内に設けられたことを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、回転電機のステータに関するものである。
従来、回転電機のステータを冷却する構造として、空冷、油冷、および水冷の各種冷却構造が提案されている。例えば、ステータコアの外部に配置されたコイルの渡り部に水冷式の冷却プレートを接触させる構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、同じくステータコアの外部に配置されたコイルエンド部を冷却液によって冷却する構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−27173号公報 特開2010−166710号公報
ところで近年、回転電機のさらなる高出力化が期待されている。このとき、回転電機では電流をより多く流すこととなり、ステータコアのスロット内に位置するコイル部(以下、スロット内コイル部と称する)の中央部が表面から冷却し難いこともあって最も高温になる。さらに、スロット内コイル部における中央部の温度上昇の程度によっては、回転電機の高出力化が制限される場合がある。このため、スロット内コイル部の冷却性能をさらに高めることが望ましい。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、冷却性能の向上を図ることができる回転電機のステータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明では、回転電機のステータ(例えば、実施形態におけるステータ3)は、スロット(例えば、実施形態におけるスロット43)を有したステータコア(例えば、実施形態におけるステータコア21)と、セグメント化されたコイル(例えば、実施形態におけるコイル22)の一部として前記スロット内に配置されたコイル部(例えば、実施形態におけるコイルバー31)とを備え、前記コイル部の長手方向に沿う冷媒通路(例えば、実施形態における冷媒通路56)が前記スロット内に設けられたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明では、前記ステータコアは、前記スロットに臨むスロット壁部(例えば、実施形態におけるスロット壁部45)を有し、前記冷媒通路は、それぞれ前記スロット内に配置された前記コイル部(例えば、実施形態における外径側コイルバー31A)と別のコイル部(例えば、実施形態における内径側コイルバー31B)との間、または前記コイル部と前記スロット壁部との間に設けられ、前記ステータコアを貫通した貫通路であることを特徴とする。
請求項3に記載した発明では、前記冷媒通路は、前記スロット内に配置された絶縁部材(例えば、実施形態における絶縁部材50)によって形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載した発明では、前記冷媒通路は、前記コイル部の長手方向において一方から他方に向けて進むに従い断面積が広くなることを特徴とする。
請求項5に記載した発明では、前記冷媒通路と、前記ステータコアの周方向で前記冷媒通路の隣に位置した別の冷媒通路(例えば、実施形態における冷媒通路56)とは、前記ステータコアの軸方向における冷媒の流れ方向が互いに逆向きであることを特徴とする。
請求項6に記載した発明では、前記冷媒通路は、少なくとも一部が前記ステータコアの外部に位置して冷媒が導入される冷媒受け部(例えば、実施形態における冷媒受け部57)を有したことを特徴とする。
請求項7に記載した発明では、前記冷媒通路は、毛細管現象によって冷媒を導くウィック(例えば、実施形態におけるウィック85)によって形成されたことを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、コイル部の長手方向に沿ってスロット内に設けられた冷媒通路に冷媒を供給することで、コイルのなかで最も高温になりやすいスロット内コイル部の中央部を効率的に冷却することができる。これにより、ステータの冷却性能の向上を図ることができる。その結果、さらなる高出力化を可能にする回転電機を提供することができる。
請求項2に記載した発明によれば、冷媒通路が複数のコイル部の間またはコイル部とスロット壁部との間に設けられてステータコアを貫通した貫通路であるため、冷媒通路に供給された冷媒がスロット内コイル部の中央部近くに達することができる。これにより、スロット内コイル部の中央部をさらに効率的に冷却することができる。また、冷媒通路がステータコアを貫通していると、ステータコアの一面側から冷媒通路に供給された冷媒がステータコアの内部を通過してステータコアの他面側から排出されるので、冷媒通路内での冷媒の流れやすさを高めることができる。冷媒の流れやすさを高めることができると、温度が低い冷媒をスロット内コイル部の中央部近くに供給することができるため、スロット内コイル部の中央部をさらに効率的に冷却することができる。
請求項3に記載した発明によれば、スロット内に配置される絶縁性の構造材によって冷媒通路が形成されるため、冷媒通路の位置や形状が安定しやすい。また、絶縁機能と冷却機能とを合わせ一体化することで、省スペース化および低コスト化が図られる。
請求項4に記載した発明によれば、冷媒通路の断面積がコイル部の長手方向において一方から他方に向けて進むに従い広くなるため、冷媒通路に供給された冷媒の排出性を高めることができる。冷媒の排出性を高めることができると、温度が低い冷媒をスロット内コイル部の中央部近くにさらに供給しやすくなるため、スロット内コイル部の中央部をさらに効率的に冷却することができる。また、冷媒通路に形成される傾斜面が金型中子の抜き勾配を兼ねていると、冷媒通路を形成する絶縁部材の製造性を高めることができる。
請求項5に記載した発明によれば、ステータコアの周方向で隣り合う2つ冷媒通路の冷媒の流れ方向が互いに逆向きであるため、ステータコアの軸方向におけるステータコアおよびコイル部の熱ムラを少なくすることができる。これにより、スロット内コイル部をさらに効率的に冷却することができる。
請求項6に記載した発明によれば、ステータコアの外部に位置して冷媒が導入される冷媒受け部を冷媒通路が有するため、冷媒通路に流入する冷媒の量を増やすことができる。これにより、スロット内コイル部の中央部をさらに効率的に冷却することができる。
請求項7に記載した発明によれば、毛細管現象によって冷媒を導くウィックによって冷媒通路が形成されるため、空間による冷媒通路を設けることが困難な場合においても、冷媒通路を形成することができる。また、車両駆動用モータに利用した際には、車両の斜面走行時や旋回走行時などで冷媒供給に偏りが生じた場合でも、ウィックの端部が冷媒に接することで冷媒通路が形成され、冷却性が確保される。これらにより、スロット内コイル部の中央部を効率的に冷却することができる。
第1の実施形態の回転電機の全体構成を示す断面図である。 第1の実施形態のステータを一部分解して示す斜視図である。 第1の実施形態のステータコア組立体を一部分解して示す斜視図である。 第1の実施形態のベースプレート組立体を一部分解して示す斜視図である。 第1の実施形態のコイルバーユニットを示す図である。 第1の実施形態のステータを示す断面図である。 第1の実施形態のコイルバーユニットの製造時の様子を示す断面図である。 第1の実施形態の複数のコイルバーユニットを示す斜視図である。 第1の実施形態の2種類のコイルバーユニットを示す図である。 第2の実施形態のコイルバーユニットを示す正面図である。 図10中に示されたコイルバーユニットのF11−F11線に沿う断面図である。 第3の実施形態のコイルバーユニットを示す断面図である。 実施形態のステータの変形例を示す断面図である。 実施形態のステータの別の変形例を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、略同じまたは類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それらの重複する説明は省略する場合がある。
(第1の実施形態)
まず、図1から図9を参照し、第1の実施形態のステータ3について説明する。
図1は、本実施形態のステータ3を含む回転電機1の全体構成を示す断面図である。
回転電機1は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車のような車両に搭載される走行用モータである。ただし、本実施形態の構成は、上記例に限らず、発電用モータやその他用途のモータ、または車両用以外の回転電機(発電機を含む)にも適用可能である。本実施形態の回転電機1は、例えば分布巻モータであるがこれに限らず、集中巻モータでもよい。
図1に示すように、回転電機1は、ケース2と、ステータ3と、ロータ4と、出力シャフト5とを備える。
ケース2は、例えばステータ3およびロータ4を収容する筒状に形成されている。
ステータ3は、環状に形成されて、例えばケース2の内周面に取り付けられている。ステータ3は、後述するステータコア21と、ステータコア21に取り付けられたコイル22とを有し、ロータ4に対して回転磁界を作用させる。
ロータ4は、例えば、ロータコアと、ロータコアに取り付けられた磁石とを有し、ステータ3の内側で回転駆動される。
出力シャフト5は、ロータ4に接続されてロータ4の回転を駆動力として出力する。
ここで、ステータコア21の軸方向Z、径方向R、および周方向θ(図2参照)について定義する。ステータコア21の軸方向Zは、出力シャフト5の回転中心軸Cと略平行に延びた方向である。ステータコア21の径方向Rは、回転中心軸Cから放射状に離れる方向およびその反対方向(回転中心軸Cに近付く方向)である。ステータコア21の周方向θは、回転中心軸Cから一定の距離を保ちながら回転中心軸Cの周りを回転する方向である。
次に、本実施形態のステータ3の構成について説明する。
図2は、ステータ3を一部分解して示す斜視図である。
図2に示すように、本実施形態のステータ3は、ステータコア組立体11と、一対のベースプレート組立体12A,12Bとを含む。本実施形態のステータ3は、ステータコア組立体11および一対のベースプレート組立体12A,12Bがそれぞれ個別に組み立てられた後に互いに連結されることで形成される。
例えば本実施形態のステータ3のコイル22は、セグメント化された複数相のコイルであり、ステータコア組立体11に含まれる複数のコイルバー31と、ベースプレート組立体12A,12Bに含まれる複数のコネクタコイル32とに分割されている。そして、コイル22は、ステータコア組立体11の複数のコイルバー31と、ベースプレート組立体12A,12Bの複数のコネクタコイル32とが互いに連結されることで形成されている。なお本願で言う「セグメント化」とは、コイル22が複数の部材に分割されて成形されるとともに、前記複数の部材が互いに連結されることでコイル22が形成されることを意味する。すなわち「セグメント化」とは、コイル22がコイルバー31とコネクタコイル32とに分割されている場合に限らず、異なるスロット43に配置される複数のコイル部が互いに分割されている場合なども含む。なお本願では、セグメント化された要素を「コイル部」、コイル部の集合体を「コイル」と称する。
以下に、本実施形態のステータコア組立体11およびベースプレート組立体12A,12Bについて詳しく説明する。
まず、ステータコア組立体11について説明する。
図3は、ステータコア組立体11を一部分解して示す斜視図である。
図3に示すように、ステータコア組立体11は、ステータコア21と、それぞれ2つのコイルバー31を含む複数のコイルバーユニット35とを有する。
ステータコア21は、ロータ4を囲む環状に形成されている。ステータコア21は、例えば複数枚の電磁鋼鈑が軸方向Zに積層されることで形成されてもよいし、周方向θに分割された複数のピースが互いに連結されることで形成されてもよい。ステータコア21は、環状のヨーク部41と、複数のティース部42と、複数のスロット43とを有する。複数のティース部42は、ヨーク部41からステータコア21の径方向Rの内側に向けて突出している。各スロット43は、ステータコア21の周方向θにおいて互いに隣り合う2つのティース部42の間に形成されている。各スロット43は、ステータコア21の軸方向Zにステータコア21を貫通している。ヨーク部41およびティース部42の各々は、スロット43に臨むスロット壁部45を有する。すなわち、スロット壁部45は、スロット43内に露出する壁部である。
複数のコイルバー31の各々は、セグメント化されたコイル22の一部として直線状に形成されてスロット43内に配置されている。複数のコイルバー31は、銅などの導電材料で形成されている。複数のコイルバー31の各々は、「コイル部」、「第1コイル部」、および「スロット内コイル部」のそれぞれ一例である。複数のコイルバー31は、複数の外径側コイルバー(第1コイルバー)31Aと、複数の内径側コイルバー(第2コイルバー)31Bとを含む。複数の外径側コイルバー31Aは、周方向θに並べて配置されている。複数の内径側コイルバー31Bは、複数の外径側コイルバー31Aの内周側に位置し、周方向θに並べて配置されている。言い換えると、外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとは、径方向Rで並んでいる。
図3に示すように、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bは、例えば互いに略同一形状および略同一長さを有する。外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとは、後述するコネクタコイル32の厚さ分だけ軸方向Zに互いにずらされて配置されている。外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bは、それぞれ軸方向Zでステータコア21を貫通している。また、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの両端部には、コネクタコイル32の厚さと略等しい長さの小径部(接続部)31eが設けられている。本実施形態では、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bは、それぞれ軸方向Zに沿う角柱状に形成されている。
本実施形態では、1本の外径側コイルバー31Aと1本の内径側コイルバー31Bとが絶縁部材50によって一体に保持されることで、コイルバーユニット35が形成されている。すなわち、本実施形態で言うコイルバーユニット35とは、1本の外径側コイルバー31Aと、1本の内径側コイルバー31Bと、絶縁部材50とを含む。絶縁部材50は、例えば絶縁性を有した合成樹脂によって形成されている。本実施形態では、絶縁部材50は、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bと一体成形(例えばインサート成形)されることで、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bと一体に設けられている。なお、絶縁部材50は、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bとは別体として成形されるとともに、嵌合や接着または締結部材による固定などによって外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bと一体化されてもよい。
図3に示すように、絶縁部材50は、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの両端部を除く外周面をそれぞれ覆っている。絶縁部材50は、外径側コイルバー31Aとステータコア21との間、および内径側コイルバー31Bとステータコア21との間に位置することで、外径側コイルバー31Aとステータコア21との間、および内径側コイルバー31Bとステータコア21との間を電気的に絶縁している。また、絶縁部材50は、外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとを互いに離れた位置に保持することで、外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとの間を電気的に絶縁している。例えば、絶縁部材50の外形は、スロット43の内面形状よりも僅かに大きく形成されている。これにより、絶縁部材50がスロット43に圧入されること、あるいは絶縁部材50表面への接着剤塗布により接着固定されることで、コイルバーユニット35がスロット43に容易に固定される。そして、複数のコイルバーユニット35は、複数のスロット43に分かれて取り付けられることで、周方向θに並べて配置されている。
次に、ベースプレート組立体12A,12Bについて説明する。
図2に示すように、一対のベースプレート組立体12A,12Bは、軸方向Zにおいてステータコア組立体11の両側に分かれて配置されている。また、一対のベースプレート組立体12A,12Bとステータコア組立体11との間には、シリコンシートなどの絶縁シート13(図6参照)が配置されている。絶縁シート13は、ベースプレート組立体12A,12Bとステータコア組立体11との間を電気的に絶縁している。なお、一方のベースプレート組立体12Bは、外部機器などに接続される接続端子部を備えない点を除き、他方のベースプレート組立体12Aと略同じである。このため以下では、ベースプレート組立体12Aを代表して説明する。
図4は、ベースプレート組立体12Aを一部分解して示す斜視図である。
図4に示すように、ベースプレート組立体12Aは、ベースプレート60と、複数のコネクタコイル32とを有する。
ベースプレート60は、ステータコア21と略同じ内径および外径を有した略円環状に形成されている。ベースプレート60は、例えば絶縁性を有した合成樹脂で形成されている。ベースプレート60は、ステータ3の外部に向いた外面60aと、外面60aとは反対側に位置してステータコア21に面した内面60bとを有する。また、ベースプレート60は、開口部61、接続孔62、外面溝63、および内面溝64を有する。
開口部61は、ベースプレート60の内周端部に設けられている。開口部61は、軸方向Zにベースプレート60を貫通している。開口部61には、外径側コイルバー31Aの小径部31eおよび内径側コイルバー31Bの小径部31eが挿入される。なお、ベースプレート60またはコイルバーユニット35の絶縁部材50は、開口部61の内側で外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとの間を電気的に絶縁する壁部を有してもよい。また、開口部61は、コイルバーユニット35の後述する冷媒通路56に連通する。すなわち、開口部61は、ステータ3の外部から冷媒通路56に冷媒(例えば絶縁油)を供給する供給口、または冷媒通路56を通った冷媒をステータ3の外部に排出する排出口として機能する。
接続孔62は、ベースプレート60の外周端部に設けられている。接続孔62は、軸方向Zにベースプレート60を貫通している。接続孔62には、後述する接続ピン65が挿入される。外面溝63は、ベースプレート60の外面60aに設けられている。外面溝63は、例えばインボリュート曲線に沿う外形を有し、周方向θにおいて互いに離れて配置された開口部61と接続孔62との間を繋いでいる。一方で、内面溝64は、ベースプレート60の内面60bに設けられている。内面溝64は、周方向θにおいて外面溝63とは反対方向に向けて延びている。内面溝64は、例えばインボリュート曲線に沿う外形を有し、周方向θにおいて互いに離れて配置された開口部61と接続孔62との間を繋いでいる。
複数のコネクタコイル32は、銅などの導電材料で形成されている。複数のコネクタコイル32の各々は、「第2コイル部」および「スロット外コイル部」のそれぞれ一例である。また、複数のコネクタコイル32は、複数の外側コネクタコイル32Aと、複数の内側コネクタコイル32Bとを含む。複数の外側コネクタコイル32Aは、それぞれ外面溝63に収容される。外側コネクタコイル32Aの一方の端部は、開口部61に配置されて外径側コイルバー31Aの小径部31eに接続される。外側コネクタコイル32Aの他方の端部は、接続孔62に配置されて接続ピン65に接続される。一方で、複数の内側コネクタコイル32Bは、それぞれ内面溝64に収容される。内側コネクタコイル32Bの一方の端部は、開口部61に配置されて内径側コイルバー31Bの小径部31eに接続される。内側コネクタコイル32Bの他方の端部は、接続孔62に配置されて接続ピン65に接続される。
以上のような構成により、あるスロット43に配置された外径側コイルバー31Aは、外側コネクタコイル32A、接続ピン65、および内側コネクタコイル32Bを介して、別のスロット(例えば周方向θで6個離れたスロット43)に配置された内径側コイルバー31Bに電気的に接続されている。これにより、U相、V相、W相のうちそれぞれ同相に属する複数の外径側コイルバー31Aおよび複数の内径側コイルバー31Bが順次連結され、分布巻のコイル22が形成されている。
次に、本実施形態のステータ3に設けられた冷媒通路56について説明する。
図5は、本実施形態のコイルバーユニット35を示す図である。
図5に示すように、各コイルバーユニット35の絶縁部材50は、第1ホルダ部51と、第2ホルダ部52と、通路形成部53とを有する。第1ホルダ部51は、外径側コイルバー31Aの外周面に沿う環状に形成されて外径側コイルバー31Aを保持している。第2ホルダ部52は、内径側コイルバー31Bの外周面に沿う環状に形成されて内径側コイルバー31Bを保持している。
通路形成部53は、第1ホルダ部51と第2ホルダ部52との間に配置されている。通路形成部53は、一対の支持壁55a,55bと、冷媒通路56とを有する。一対の支持壁55a,55bは、第1ホルダ部51と第2ホルダ部52とが並ぶ方向に延びて、互いに離間して配置された第1ホルダ部51と第2ホルダ部52とを接続している。一対の支持壁55a,55bは、第1ホルダ部51と第2ホルダ部52とが並ぶ方向とは交差する方向で互いに離間している。そして、冷媒通路56は、一対の支持壁55a,55bの間の空間によって形成されている。これにより、冷媒通路56は、第1ホルダ部51と第2ホルダ部52との間(外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとの間)に形成されて、スロット43内に設けられている。
図6は、本実施形態のステータ3を示す断面図である。
図6に示すように、冷媒通路56は、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの長手方向(軸方向Z)に沿って設けられている。本実施形態では、冷媒通路56は、軸方向Zにおいてステータコア21を貫通した貫通路である。冷媒通路56は、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの各々の軸方向Zの中央部に対して、径方向Rで隣り合う。
また、図5に示すように、本実施形態の通路形成部53は、ステータ3の外部から供給される冷媒を受ける冷媒受け部57を有する。例えば、冷媒は、ステータ3の上方から下方に向けて供給される(図8参照)。冷媒受け部57は、第1ホルダ部51および第2ホルダ部52の端部に比べて軸方向Zに突出している。これにより、冷媒受け部57の少なくとも一部は、ステータコア21の外部に配置されている。例えば、冷媒受け部57の少なくとも一部は、ベースプレート組立体12A(またはベースプレート組立体12B)の内部(例えば開口部61)に挿入されている。また、冷媒受け部57は、底壁57aと、底壁57aの両端部から起立した一対の側壁57b,57cとを有し、上方が開放された凹部を形成している。冷媒受け部57は、上方から供給される冷媒の流れ方向を変化させ、冷媒を冷媒通路56の内部に向けて導く。
また、図5に示すように、冷媒通路56は、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの長手方向(軸方向Z)において一方から他方に向けて進むに従い断面積(流路断面積、冷媒の流れ方向とは略直交した方向の断面積)が徐々に広くなる。言い換えると、冷媒通路56は、天井面56aと、天井面56aに対して傾斜した底面56bとを有する。底面56bは、冷媒受け部57が設けられた冷媒通路56の一端部から他端部に向けて進むに従い、徐々に低くなるように傾斜している。底面56bが傾斜していることで、冷媒通路56内の冷媒は、冷媒通路56の下流側の端部に向けて自重によって流れることができる。例えば、底面56bは、冷媒通路56の軸方向Zの全長に亘って傾斜している。
図7は、コイルバーユニット35の製造時の様子を示す断面図である。
図7に示すように、冷媒通路56は、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bに対して絶縁部材50が一体成形されるときに、例えば金型中子71が挿入されることで形成されている。このとき、冷媒通路56の底面56bは、天井面56aに対して傾斜していることで、絶縁部材50に対する金型中子71の抜き勾配としても機能する。
図8は、本実施形態の複数のコイルバーユニット35を示す斜視図である。
図8に示すように、周方向θで隣り合う複数のコイルバーユニット35は、底面56bの傾斜方向を互いに逆向きにして配置されている。言い換えると、周方向θで隣り合う複数のコイルバーユニット35は、軸方向Zにおける冷媒の流れ方向を互いに逆向きにして配置されている。すなわち、本実施形態では、第1方向に冷媒が流れるコイルバーユニット35と、第1方向とは反対方向である第2方向に冷媒が流れるコイルバーユニット35とが、周方向θにおいて交互に配置されている。
図9は、本実施形態に用いられる2種類のコイルバーユニット35を示す図である。
図9に示すように、複数のコイルバーユニット35は、第1仕様のコイルバーユニット35A(以下、第1コイルバーユニット35Aと称する)と、第2仕様のコイルバーユニット35B(以下、第2コイルバーユニット35Bと称する)とを含む。
第1仕様のコイルバーユニット35Aは、絶縁部材50として第1絶縁部材50Aを有する。第1絶縁部材50Aの冷媒受け部57は、外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとが並ぶ方向とは交差する(例えば略直交する)方向に沿う底壁57aと、この底壁57aの両端部から上方に向けて起立した一対の側壁57b,57cとを有する。
一方で、第2仕様のコイルバーユニット35Bは、絶縁部材50として第2絶縁部材50Bを有する。第2絶縁部材50Bの冷媒受け部57は、外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとが並ぶ方向に沿う底壁57aと、この底壁57aの両端部から上方に向けて起立した一対の側壁57b,57cとを有する。
ここで、図9に示すように、ステータコア21は、例えば4つの領域(第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3、および第4領域A4)に区分される。第1領域A1は、それぞれ回転中心軸Cを通るとともに水平面に対して45°の角度で延びた一対の仮想線(第1仮想線L1および第2仮想線L2)の両方よりも上方に位置する領域である。第2領域A2は、第1仮想線L1よりも下方に位置し、第2仮想線L2よりも上方に位置する領域である。第3領域A3は、第1仮想線L1および第2仮想線L2の両方よりも下方に位置する領域である。第4領域A4は、第1仮想線L1よりも上方に位置し、第2仮想線L2よりも下方に位置する領域である。
そして本実施形態では、第1領域A1および第3領域A3に位置するスロット43には、冷媒受け部57を上方に向けた姿勢で第1コイルバーユニット35Aが取り付けられている。なお、冷媒受け部57を上方に向けるとは、底壁57aと側壁57b,57cとによって3方向が囲まれた空間部の残りの一方を上方(直上または斜め上方)に向けることを意味する。一方で、第2領域A2および第4領域A4のスロット43には、冷媒受け部57を上方に向けた姿勢で第2コイルバーユニット35Bが取り付けられている。これにより、第1から第4の領域A1,A2,A3,A4のスロット43に取り付けられたコイルバーユニット35の冷媒受け部57は、全て上方に向く。
次に、本実施形態のステータ3の作用について説明する。
図6および図9に示すように、ステータ3には、上方から下方に向けて冷媒が供給される。冷媒の一例は、例えばAT(オートマチックトランスミッション)のトランスミッションにおいて潤滑および動力伝達などに用いられる作動油である。
そして図6に示すように、上方から供給された冷媒の一部は、一方のベースプレート組立体12A(またはベースプレート組立体12B)の開口部61に入り、冷媒受け部57から冷媒通路56に流入する。冷媒通路56に流入した冷媒は、軸方向Zに沿ってスロット43内を流れ、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの軸方向Zの中央部の近傍を通過する。この過程で、冷媒は、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの中央部から熱を奪う。冷媒通路56を通過した冷媒は、他方のベースプレート組立体12B(またはベースプレート組立体12A)からステータ3の外部に排出される。
このような構成によれば、ステータ3の冷却性能の向上を図ることができる。すなわち本実施形態では、スロット43内に設けられた冷媒通路56に冷媒を供給することで、ステータ3のコイル22のなかで最も高温になりやすい外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bをスロット43内で直接に冷却することができる。これにより、例えばステータコア21の外部に配置されたコイル部を冷却することで熱伝導によってコイルバー31A,31Bを冷却する場合に比べて、コイルバー31A,31Bを効率的に冷却することができる。これにより、ステータ3の冷却性能の向上を図ることができる。
本実施形態では、冷媒通路56は、外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとの間に設けられてステータコア21を貫通した貫通路である。このような構成によれば、冷媒通路56に供給された冷媒を、コイル22のなかでも最も高温になる外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの軸方向Zの中央部近くに導くことができる。これにより、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの中央部をより効率的に冷却することができる。また、冷媒通路56がステータコア21を貫通していると、ステータコア21の一面側から冷媒通路56に供給された冷媒がステータコア21の内部を通過してステータコア21の他面側から排出される。このため、冷媒通路56内で冷媒の流れやすさを高めることができ、温度が低い冷媒を外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの中央部近くに供給することができる。これにより、ステータ3の冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
本実施形態では、スロット43内に配置される絶縁部材50によって冷媒通路56が形成されるため、冷媒通路56の位置や形状が安定しやすい。また、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの絶縁性を確保するための絶縁部材50によって冷媒通路56が形成されると、スロット43内に配置される部品点数を少なくすることができ、占積率を向上させることができる。また、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bに対して絶縁部材50が一体成形されていると、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bをスロット43に挿入する作業によって冷媒通路56をスロット43内に配置することができる。これにより、冷媒通路56を設けるとともに、組立性に優れたステータ3を提供することができる。
本実施形態では、冷媒通路56が傾斜した底面56bを有する。このような構成によれば、冷媒通路56に供給された冷媒の排出性を高めることができ、温度が低い冷媒を外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの中央部近くに供給することができる。また、冷媒通路56の傾斜した底面56bが金型中子71の抜き勾配を兼ねていると、冷媒通路56を形成する絶縁部材50の製造性を高めることができる。
本実施形態では、ステータコア21の周方向θで並べられた複数のコイルバーユニット35は、冷媒の流れ方向が互いに交互に逆向きになるように配置されている。このような構成によれば、ステータコア21の軸方向Zにおけるステータコア21およびコイルバー31A,31Bの熱ムラを少なくすることができる。これにより、ステータ3の冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
本実施形態では、冷媒通路56は、ステータコア21の外部に位置して冷媒が導入される冷媒受け部57を有する。このような構成によれば、冷媒通路56に流入する冷媒の量を増やすことができる。これにより、ステータ3の冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に、図10および図11を参照し、第2の実施形態のステータ3について説明する。本実施形態のステータ3は、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bの一部が冷媒通路56に直接に露出した点で第1の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
図10は、本実施形態のコイルバーユニット35を示す正面図である。
図10に示すように、本実施形態では、絶縁部材50は、外径側コイルバー31Aと冷媒通路56との間、および内径側コイルバー31Bと冷媒通路56との間に壁を有しない。外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bは冷媒通路56に直接に露出している。これにより、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bは、冷媒通路56を流れる冷媒に直接に接することができる。例えば、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bは、絶縁部材50の軸方向Zの全長に亘って冷媒通路56に露出している。
図11は、図10に示されたコイルバーユニット35のF11−F11線に沿う断面図である。図11に示すように、本実施形態では、冷媒通路56の一対の支持壁55a,55bの内面に傾斜面81が設けられている。傾斜面81は、コイルバー31の長手方向において一方から他方に向けて進むに従い冷媒通路56の断面積が徐々に広くなるように傾斜している。傾斜面81は、金型中子71の抜き勾配として機能する。
このような構成によれば、金属などに比べて熱伝導率が劣る絶縁部材50を間に介在させることなく、外径側コイルバー31Aおよび内径側コイルバー31Bが発する熱を冷媒によって直接に奪うことができる。これにより、ステータ3の冷却性能をさらに向上させることができる。
(第3の実施形態)
次に、図12を参照し、第3の実施形態のステータ3について説明する。本実施形態のステータ3は、冷媒通路56がウィックによって形成された点で第1の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
図12は、本実施形態のコイルバーユニット35を示す断面図である。
図12に示すように、本実施形態では、毛細管現象によって冷媒を導くウィック85によって冷媒通路56が形成されている。ウィック85は、例えば外径側コイルバー31Aと内径側コイルバー31Bとの間に配置されている。ウィック85は、軸方向Zにおいて絶縁部材50を貫通している。ウィック85は、一体成形(例えばインサート成形)によって絶縁部材50と一体に設けられている。例えば、ウィック85は、金網によって形成されるものでもよく、焼結金属によって形成されるものでもよい。ウィック85は、毛細管現象によって冷媒を流動させるものであればよく、特定の構成のものに限定されない。
このような構成によれば、空間による冷媒通路56を設けることが困難な場合でも、冷媒通路56を形成することができる。
以上、第1から第3の実施形態のステータ3について説明したが、実施形態の構成は上記例に限られない。例えば、図13に示すように、冷媒通路56は、複数のコイルバー31A,31Bの間に代えて、コイルバー31とスロット壁部45との間に設けられてもよい。例えば、冷媒通路56は、コイルバー31と、ヨーク部41のスロット壁部45との間に設けられる。また上記に代えて、冷媒通路56は、コイルバー31と、ティース部42のスロット壁部45との間に設けられてもよい。
また、冷媒通路56は、軸方向Zでステータコア21を貫通した貫通路に限定されない。例えば、図14に示すように、冷媒通路56は、軸方向Zでステータ3の途中で止まっていてもよい。この場合、冷媒通路56には、例えば冷媒の流れ方向を規定する仕切り91が設けられてもよい。
また、冷媒通路56は、コイルバー31と一体成形された絶縁部材50によって形成されるものに限定されない。例えば、冷媒通路56は、絶縁材料で形成されたパイプをスロット43内に差し込むことなどによって形成されてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、本発明が適用可能なステータは、特定の巻線形式や特定の巻線形状に限定されるものではなく、基本的にはあらゆる種類の巻線形式およびあらゆる種類の巻線形状にも適用可能である。また、コイルバーは上述のように銅などの導電材料で形成されているが、被膜の付いたマグネットワイヤを用いてもよい。
1…回転電機、3…ステータ、21…ステータコア、22…コイル、31…コイルバー(コイル部)、43…スロット、45…スロット壁部、50…絶縁部材、56…冷媒通路、85…ウィック。

Claims (7)

  1. スロットを有したステータコアと、
    セグメント化されたコイルの一部として前記スロット内に配置されたコイル部と、
    を備え、
    前記コイル部の長手方向に沿う冷媒通路が前記スロット内に設けられたことを特徴とする回転電機のステータ。
  2. 前記ステータコアは、前記スロットに臨むスロット壁部を有し、
    前記冷媒通路は、それぞれ前記スロット内に配置された前記コイル部と別のコイル部との間、または前記コイル部と前記スロット壁部との間に設けられ、前記ステータコアを貫通した貫通路であることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータ。
  3. 前記冷媒通路は、前記スロット内に配置された絶縁部材によって形成されたことを特徴とする請求項2に記載の回転電機のステータ。
  4. 前記冷媒通路は、前記コイル部の長手方向において一方から他方に向けて進むに従い断面積が広くなることを特徴とする請求項3に記載の回転電機のステータ。
  5. 前記冷媒通路と、前記ステータコアの周方向で前記冷媒通路の隣に位置した別の冷媒通路とは、前記ステータコアの軸方向における冷媒の流れ方向が互いに逆向きであることを特徴とする請求項3に記載の回転電機のステータ。
  6. 前記冷媒通路は、少なくとも一部が前記ステータコアの外部に位置して冷媒が導入される冷媒受け部を有したことを特徴とする請求項3に記載の回転電機のステータ。
  7. 前記冷媒通路は、毛細管現象によって冷媒を導くウィックによって形成されたことを特徴とする請求項2に記載の回転電機のステータ。
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