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JP2017186681A - フリンジ付編地の編成方法 - Google Patents

フリンジ付編地の編成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長尺のフリンジを形成できるフリンジ付編地の編成方法を提供する。
【解決手段】フリンジ付編地10の編成方法は、緯編機により不編区間12を有する編地10を編成する編成工程と、不編区間12の所定位置Cで切断して、不編区間12の編糸をフリンジ14とする切断工程とを備え、編成工程において、不編区間12における一または複数のウェールで編目21、22を編成するとともに、その他のウェールで針抜きする。編目21、22を介して渡り部23を複数設けることができ、所望の長さの不編区間12を有する編地10を編成できるため、長尺のフリンジ14を形成できる
【選択図】図1

Description

本発明は、フリンジ付編地の編成方法に関する。さらに詳しくは、端縁にフリンジを備えた編地を緯編機により編成する方法に関する。
特許文献1には横編機によるフリンジ付ニット生地の編成方法が開示されている。具体的には、横編機による緯編ニットの編成途中に、所定の編目区間について針抜きを連続して行うことにより、ループ編成を解除して多数並列した糸部分を形成する。ついで、糸部分を中間部で切断してニット生地端部にフリンジを編成する。
特開平10−37046号公報
一般に、横編機は連続した針抜きの幅(針抜きする編針の本数)に上限があり、せいぜい1インチ程度である。これ以上長く連続して針抜きすると、次に編目を編成する際に給糸が編針に掛からず、編成を継続できなくなる恐れがある。上記従来の編成方法では、連続した針抜きの幅が制限されているため、最長でも1インチ程度のフリンジしか形成できないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、長尺のフリンジを形成できるフリンジ付編地の編成方法を提供することを目的とする。
第1発明のフリンジ付編地の編成方法は、緯編機により不編区間を有する編地を編成する編成工程と、前記編成工程で得られた前記編地を前記不編区間の所定位置で切断して、該不編区間の編糸をフリンジとする切断工程と、を備え、前記編成工程において、前記不編区間における一または複数のウェールで編目を編成するとともに、その他のウェールで針抜きすることを特徴とする。
第2発明のフリンジ付編地の編成方法は、第1発明において、前記編成工程において、前記不編区間における前記編目を所定段数ごとに解除することを特徴とする。
第3発明のフリンジ付編地の編成方法は、第1発明において、前記編成工程において、前記不編区間における複数のウェールで編目を編成するとともに、隣り合う前記編目を所定段数ごとに交互に解除することを特徴とする。
第4発明のフリンジ付編地の編成方法は、第1または第3発明において、前記緯編機は二列の針床を有し、前記編成工程において、前記不編区間における複数のウェールで編目を編成するとともに、隣り合う前記編目を異なる前記針床の編針で編成することを特徴とする。
第1発明によれば、不編区間における一または複数のウェールで編目を編成するので、編目を介して渡り部を複数設けることができ、所望の長さの不編区間を有する編地を編成できる。その結果、長尺のフリンジを形成できる。
第2発明によれば、編目を所定段数ごとに解除するので、編成後に編目が自然にほつれやすい。そのため、編目をほつれさせる作業が不要となるか容易になる。
第3発明によれば、隣り合う編目を所定段数ごとに交互に解除するので、不編区間の全体でみてウェール方向に編目が途切れることがない。そのため、不編区間の編目に巻下ローラーの力が伝わり、編成にともない編地を下げることができる。その結果、不具合が生じることなく編成を継続できる。
第4発明によれば、隣り合う編目を異なる針床の編針で編成するので、不編区間の編糸が二列の針床に渡る。渡り部の編糸に生じる収縮力が二列の針床に分散されるので、不編区間の全体でみて編糸が収縮しにくい。その結果、不具合が生じることなく編成を継続できる。
(1)図は編成工程後の編地10の全体図、(2)図は切断工程後の編地10の全体図である。 編地10の不編区間12の拡大図である。 編成工程における編成の組織図である。 他の実施形態における編成の組織図である。 さらに他の実施形態における編成の組織図である。 さらに他の実施形態における編成の組織図である。 さらに他の実施形態における編成の組織図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る編成方法は、端縁にフリンジを備えた編地(フリンジ付編地)を緯編機により編成する方法である。ここで、緯編機とは、横方向に連続したループ段を作り、これと縦方向に隣接したループ段とをつなぎ合わせて編地を作る編機である。緯編機には横編機と丸編機とが含まれる。以下、緯編機として横編機を用いた場合を例に説明する。
本実施形態の編成方法は主に編成工程と切断工程とからなり、この順に行われる。
図1に示すように、(1)編成工程では、横編機により編地10を編成する。編地10はコース方向(図1における左右方向)に、本体編区間11、不編区間12、端編区間13を有している。(2)切断工程では、編成工程で得られた編地10を不編区間12の端編区間13寄りの位置でウェール方向(図1における上下方向)に切断して、端編区間13を除去するとともに、不編区間12の編糸をフリンジ14とする。以下、各工程の詳細を順に説明する。
(1)編成工程
図2は横編機により編成された編地10の不編区間12の拡大図である。不編区間12における3つのウェールで編目22、21、22が編成されている。3つの編目22、21、22は互いに離間しており、それらの間に編糸が渡っている。この編糸が渡っている部分を渡り部23と称する。
編目21は表目であり、編目22は裏目である。表目21と裏目22とはコース方向に交互に配置されている。編目21、22は所定段数ごと(図2では8段ごと)に途切れている。また、表目21と裏目22とでは途切れの位置が互い違いになっている。
上記のような編地10は以下のように編成することで得られる。
逆V字形に組み合わせた前後二列の針床を有する横編機を用いる。この横編機により図3に示す組織図に従い編成する。すなわち、不編区間12における離間した3つの編針でニットして3つのウェールで編目22、21、22を編成する。それとともに、不編区間12のその他のウェールで連続した針抜きをして渡り部23を形成する。ここで、隣り合う編目21、22を異なる針床の編針で編成することで、表目21と裏目22とを交互に編成する。
上記の編成を所定段数繰り返した後に表目21を解除する。再び上記の編成を所定段数繰り返した後に裏目22を解除する。以降、必要な編丈(ウェール方向の長さ)となるまで、これを繰り返し行う。このように、隣り合う編目21、22を所定段数ごとに交互に解除する。これにより、編目21、22を所定段数ごとに途切れさせる。
ここで、「解除」とは、編針に保持された編目から編針を抜き取ることを意味する。解除は、例えば給糸を引き連れないキャリッジを横行させ、編針をニットと同じように昇降させることで行われる。
不編区間12とともに本体編区間11および端編区間13も編成される。本体編区間11および端編区間13の編み方は特に限定されず、平編、ゴム編、パール編、その他の編み方でもよい。
(2)切断工程
編成工程で得られた編地10を不編区間12の端編区間13寄りの位置(図2における一点鎖線C)でウェール方向に切断する。これにより、端編区間13を除去するとともに、不編区間12の編糸をフリンジ14とする。なお、不編区間12の切断位置は特に限定されない。
不編区間12の編糸をフリンジ14とするには、編目21、22をほつれさせる必要がある。編成工程では編目21、22を所定段数ごとに解除しているので、編成後に編目21、22が自然にほつれやすい。ほつれていない編目21、22が残っている場合には、切断工程の前後において、手作業で編目21、22をほつれさせる。編目21、22の一部はすでにほつれているので、この作業は容易である。すべての編目21、22が自然にほつれる場合には、編目をほつれさせる作業が不要となる。
本実施形態では、不編区間12における複数のウェールで編目21、22を編成するので、編目21、22を介して渡り部23を複数設けることができる。渡り部23は連続した針抜きにより形成されるため、その幅は制限される。しかし、複数の渡り部23を設けることで、所望の長さの不編区間12を有する編地10を編成できる。その結果、長尺のフリンジ14を形成できる。
ところで、編成された編地10は針床の下方に配置された巻下ローラーにより下方に送られる。ここで、渡り部23は多数の編糸が並列しただけであるので、巻下ローラーの力が伝わらない。不編区間12に編目21、22がない場合、渡り部23の幅が長尺であると編地10が下がりにくく、編成を継続できなくなる恐れがある。
この点、本実施形態では不編区間12に編目21、22が形成されているので、編目21、22に巻下ローラーの力が伝わる。そのため、編成にともない不編区間12を含む編地10の全体を下げることができる。
編目21、22は所定段数ごとに途切れているものの、編成工程において隣り合う編目21、22を所定段数ごとに交互に解除するので、編成された編地10は不編区間12の全体でみてウェール方向に編目21、22が途切れることがない。そのため、不編区間12の編目21、22に巻下ローラーの力が伝わり、編成にともない不編区間12を含む編地10の全体を下げることができる。その結果、不具合が生じることなく編成を継続できる。
渡り部23は多数の編糸が並列しただけであるので、コース方向に収縮する性質がある。渡り部23の編糸が収縮すると、本体編区間11の不編区間12側の編針、端編区間13の不編区間12側の編針に横方向の力が加わり、編成に不具合が生じる恐れがある。また、不編区間12の編糸が収縮し、フリンジ14が短くなる可能性がある。
この点、本実施形態では、隣り合う編目21、22を異なる針床の編針で編成するので、不編区間12の編糸が二列の針床に渡る。渡り部23の編糸に生じる収縮力が二列の針床に分散されるので、不編区間12の全体でみて編糸が収縮しにくい。また、ステッチプレッサーを有する横編機を用いた場合には、二列の針床の間で編糸が十分に押さえられるので、これによっても編糸が収縮しにくい。その結果、不具合が生じることなく編成を継続できる。
また、不編区間12の編糸が収縮しにくいため、フリンジ14を長尺にできる。しかも、編糸が二列の針床に斜めに渡る分、編糸の長さを不編区間12より長くできる。キャリッジが不編区間12を横行するのに要する時間を維持しつつ、フリンジ14を長くできるので、生産効率を向上できる。
〔その他の実施形態〕
不編区間12における編目の数は特に限定されず一つでも複数でもよい。編目の数を多くすれば渡り部23の数が多くなり不編区間12が長尺となる。その結果、長尺のフリンジ14を形成できる。渡り部23を形成する針抜きの目数も特に限定されない。使用する横編機に応じて、編成に不具合が生じない程度の目数にすればよい。
不編区間12における編目を連続して編成してもよい。編目の目数を一つにすれば編目がほつれやすい。図4に示すように、編目21、22の目数を2つにすれば、渡り部23の後に編目21、22を編成する際に、給糸が編針に掛からない可能性を低減できる。
連続した編目の段数、すなわち解除と解除との間の段数は特に限定されない。段数が少ないほど編目がほつれやすい。編糸の種類に応じて、編目がほつれやすく、かつ、編目に巻下ローラーの力が伝わる程度の段数に設定すればよい。
編目を途中で解除しなくてもよい。この場合、切断工程の前後で編目をほつれさせる作業を行えばよい。
図5に示すように、不編区間12の編目をすべて表目21にしてもよい。この場合、一列針床タイプの横編機でも、不編区間12を編成できる。
図6に示すように、不編区間12の編目は平編に限らず、ゴム編24でもよい。ゴム編24とすれば、前後2つの編針で編成するので、渡り部23の後に編目24を編成する際に、給糸が編針に掛からない可能性を低減できる。なお、前後いずれかの針床の編針を解除すれば、編目24を途切れさせることができる。
本体編区間11を編成する編糸と、不編区間12および端編区間13を編成する編糸とを別種の編糸としてもよい。ここで、「別種の編糸」には異なる素材の編糸や、異なる色の編糸が含まれる。例えば、本体編区間11をウール糸で編成し、不編区間12および端編区間13をアクリル糸で編成してもよい。このようにすれば、完成した編地10の本体編区間11とフリンジ14とを異なる質感、色合いにできる。
本体編区間11を編成する編糸と、不編区間12および端編区間13を編成する編糸とを別種の編糸として、編地10を編成するには、それら別種の編糸同士を本体編区間11の不編区間12寄りの位置で絡めるように編成すればよい。例えば、以下の編成方法が挙げられる。
図7に示すように、(1)本体編区間11を編成する。ここで、本体編区間11の不編区間12側端部の編針25でタックして、編糸を折り返す(キャリッジを右行から左行に切り換える)。(2)本体編区間11を編成する編糸とは別種の編糸で不編区間12および端編区間13を編成する。ここで、編針25の本体編区間11中央寄りに隣接する編針26でタックして、編糸を折り返す(キャリッジを左行から右行に切り換える)。上記(1)と(2)とを繰り返し行い、編地10を編成する。このようにすれば、本体編区間11を編成する編糸と不編区間12および端編区間13を編成する編糸とが本体編区間11の不編区間12寄りの位置で互いに絡まる。
本体編区間11を複数種類の編糸で編成してもよい。これにより本体編区間11に任意の模様を付すことがでる。不編区間12および端編区間13を複数種類の編糸で編成してもよい。所定の段数ごとに給糸する編糸の種類を変えることで、ウェール方向に異なる種類の編糸を配置することができる。このようにすれば、フリンジ14を種々の編糸で形成でき、デザインバリエーションが豊かになる。
横編機のほか丸編機により編地を編成してもよい。この場合、円筒状の編地の一区間を不編区間とし、残りを本体編区間とする。不編区間の編成方法は上記実施形態と同様である。不編区間の中央でウェール方向に切断すれば、本体編区間の両端にフリンジを有する編地が得られる。
10 編地
11 本体編区間
12 不編区間
13 端編区間
14 フリンジ
21、22 編目
23 渡り部
第1発明のフリンジ付編地の編成方法は、緯編機により不編区間を有する編地を編成する編成工程と、前記編成工程で得られた前記編地を前記不編区間の所定位置で切断して、該不編区間の編糸をフリンジとする切断工程と、を備え、前記編成工程において、前記不編区間における一または複数のウェールで編目を編成するとともに、その他のウェールで針抜きし、前記編地を編成した後に、前記不編区間における前記編目を自然にまたは作業によりほつれさせることを特徴とする。
第2発明のフリンジ付編地の編成方法は、第1発明において、前記編成工程において、前記不編区間における前記編目を所定段数ごとに解除することを特徴とする。
第3発明のフリンジ付編地の編成方法は、第1発明において、前記編成工程において、前記不編区間における複数のウェールで編目を編成するとともに、隣り合う前記編目を所定段数ごとに交互に解除することを特徴とする。
第4発明のフリンジ付編地の編成方法は、第1または第3発明において、前記緯編機は二列の針床を有し、前記編成工程において、前記不編区間における複数のウェールで編目を編成するとともに、隣り合う前記編目を異なる前記針床の編針で編成することを特徴とする。

Claims (4)

  1. 緯編機により不編区間を有する編地を編成する編成工程と、
    前記編成工程で得られた前記編地を前記不編区間の所定位置で切断して、該不編区間の編糸をフリンジとする切断工程と、を備え、
    前記編成工程において、前記不編区間における一または複数のウェールで編目を編成するとともに、その他のウェールで針抜きする
    ことを特徴とするフリンジ付編地の編成方法。
  2. 前記編成工程において、前記不編区間における前記編目を所定段数ごとに解除する
    ことを特徴とする請求項1記載のフリンジ付編地の編成方法。
  3. 前記編成工程において、前記不編区間における複数のウェールで編目を編成するとともに、隣り合う前記編目を所定段数ごとに交互に解除する
    ことを特徴とする請求項1記載のフリンジ付編地の編成方法。
  4. 前記緯編機は二列の針床を有し、
    前記編成工程において、前記不編区間における複数のウェールで編目を編成するとともに、隣り合う前記編目を異なる前記針床の編針で編成する
    ことを特徴とする請求項1または3記載のフリンジ付編地の編成方法。
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