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JP2017167508A - 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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JP2017167508A
JP2017167508A JP2016206559A JP2016206559A JP2017167508A JP 2017167508 A JP2017167508 A JP 2017167508A JP 2016206559 A JP2016206559 A JP 2016206559A JP 2016206559 A JP2016206559 A JP 2016206559A JP 2017167508 A JP2017167508 A JP 2017167508A
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英利 紙
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Akihiro Sugino
顕洋 杉野
啓介 下山
Keisuke Shimoyama
啓介 下山
亮大 高橋
Ryota Takahashi
亮大 高橋
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Abstract

【課題】ネガ残像の発生を有効に抑制することができる画像形成方法の提供。の提供。【解決手段】導電性支持体上に少なくとも中間層と、電荷発生層及び電荷輸送層が積層してなる感光層とを有する感光体を用いて画像を形成する画像形成方法であって、前記感光体表面のイオン化ポテンシャルとトナーのイオン化ポテンシャルとの関係が下記式(1)及び下記式(2)を満足することを特徴とする画像形成方法。|Ip(感光体表面)− Ip(トナー)| ≦ 0.18[eV] (1)5.45[eV] ≦ Ip(感光体表面)≦ 5.53[eV] (2)(ここで、Ip(感光体表面)は感光体表面のイオン化ポテンシャルを表し、Ip(トナー)はトナー表面のイオン化ポテンシャルを表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタ及びその複合機を含む画像形成装置に係り、高画質画像の形成が要求されるプロダクションプリンティングに好適な画像形成方法及び画像形成装置に関する。特にネガ残像の発生を抑制する画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真はオフィス用途から出力物を商品として扱うプロダクションプリンティング市場への展開が進んでいる。電子写真方式はオフセット印刷の様な製版を必要とせず、必要枚数分のプリント物をオンデマンドに作成できる利点がある。その一方で出力物の高品位と均質性とが必要とされている。
出力物の高画質化について解決しなければならない課題の一つにネガ残像の抑制がある。ネガ残像はハーフトーン画像中に残像として識別される画像欠陥である。例えば白の背景中に黒字を出力し、続けて全面にハーフトーン画像を出力すると、ハーフトーン上に黒字部分の履歴が感光体周期で周囲よりも薄く出現する画像である。
ネガ残像の発生機構は従来の特許文献に種々記述されている。例えば特開2013−281366号公報の段落[0025]では、ネガ残像は露光と転写による履歴によって発生するものと記されている。例えば、転写時に感光体上にトナー像が存在しない非露光部はトナー像が現像されている露光部に比べて転写ストレスが強くなり、その偏りのまま画像履歴が生じる。感光層に残留する電荷が偏った転写ストレスにより感光体の表面電位に偏りをもたらし、出力画像に残像として顕在化すると理解される。
残像の解消に対し、従来、数々の手法が提案されていた。
例えば特許文献1には、残像認定手段を有し、大量に作像を繰り返して残像が検知された際に、残像除去用の画像を出力する方法が提案されている。
特許文献2には、感光体の膜厚、画像形成待機時間、感光体温度、感光体処方、製造ロットに基づき、帯電器のグリッド電圧、現像電圧、除電ランプ光量等を感光体1周ごとに変えていき、表面電位を安定化させ、画像濃度を一定にする方法が提案されている。
特許文献3には、転写手段とクリーニング手段との間に光照射手段を設け、感光体に除電光を照射して除電を行う方法が提案されている。
特許文献4には、転写器と帯電器の間の帯電器の上流側に感光体表面に接した電極を設置し、感光体表面の帯電電位と同極性の電圧を付与することにより、残像を除去する方法が提案されている。
特許文献5には除電手段から発せられる光の波長を感光層、または感光層に含まれる電荷発生材料の吸光度特性における最大吸光度の半値幅の範囲にある波長とすることを特徴とする方法が開示されている。
特許文献6では、所定の単層型感光体の除電において、露光光源の波長λ0と、除電光波長λ1とが、λ0−200nm≦λ1≦780nmの関係を満足することを特徴とする方法が開示されている。
本発明は、ネガ残像の発生を有効に抑制することができる画像形成方法を提供することを目的とする。
前記課題は以下に記載する通りの本発明に係る下記の画像形成方法によって解決することができる。
本発明によれば、下記(1)の画像形成方法が提供される。
(1)導電性支持体上に少なくとも中間層および電荷発生層と電荷輸送層が積層してなる感光層とを有する感光体を用いて画像を形成する画像形成方法であって、
前記感光体表面のイオン化ポテンシャルとトナーのイオン化ポテンシャルとの関係が下記式(1)及び下記式(2)を満足することを特徴とする画像形成方法。
|Ip(感光体表面)− Ip(トナー)| ≦ 0.18[eV] (1)
5.45[eV] ≦ Ip(感光体表面)≦ 5.53[eV] (2)
(ここで、
Ip(感光体表面)は感光体表面のイオン化ポテンシャルを表し、
Ip(トナー)はトナー表面のイオン化ポテンシャルを表す。)
本発明の画像形成方法によれば、ネガ残像の発生を有効に抑制することができる。
図1は光電子収量分光測定の測定結果の一例を示す図である。 図2は本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図3は本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図4は本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
前記の特許文献1には残像を検知した際に、残像除去用の画像(ベタ画像)を出力することが記載されているが、連続出力の際に作像が止まってしまい生産性が低下してしまうという問題及び残像が頻繁に発生する場合はトナー消費量が多くなるという問題がある。
特許文献2に記載の方法では感光体の作成条件や待機時の状態に応じて周ごとに作像条件を変えているが、感光体の条件にばらつきが大きく残像が除去できないこともある。
特許文献3に記載の方法では、転写とクリーニング間への光照射により除電を行っているが負帯電トナーを用いる反転現像の場合、転写時にトラップされるのは正電荷が多く、負帯電型の感光体の場合には光照射で除電できるのは負電荷であるため、その場合、効果が見られない可能性が高い。
特許文献4に記載の方法では、感光体に接触した電極を設けているが、この箇所にクリーニングできなかったトナーが付着し、電位ムラが生じる可能性も否定できない。
特許文献5、6に開示された除電方法であっても、感光層の深層における残留電荷を除去することは困難である。特に、感光層の膜厚を厚く構成した場合や、画像形成速度が高速化された場合には、除電光によって発生した電荷が、感光層の深層における残留電荷によって移動しにくくなり、感光層における帯電電位が不均一となるという問題が指摘されている。
以上、画像形成プロセスの改良からネガ残像を抑制しようとする従来技術は効果が不十分であったり、生産性を損ねてしまったりするような煩雑性も否めない。感光体そのものにネガ残像の耐性をもたせるのが望ましい。
本発明における感光体は、導電性支持体上に少なくとも中間層と、電荷発生層及び電荷輸送層が積層してなる感光層とを有する感光体である。
感光体が機能分離型感光体である場合、各層の界面は理想的な条件があり、その一例として、電荷発生層と電荷輸送層との界面は電荷発生層から電荷輸送層へのキャリア注入にエネルギー準位のバリヤが形成されないよう設計される。すなわち、電荷輸送層のイオン化ポテンシャルは電荷発生層よりも低い関係が望ましい。
本発明者は、感光体とトナーの接触界面についてもこのような界面設計を図れば、感光体に形成される転写工程の履歴がトナーの有無の影響を最小化することができると考えた。そうすればネガ残像も最小化することができる。こうした考えのもと、発明者は感光体種とトナー種の組み合わせでネガ残像の品質が異なることに気づいた。更に発明者はトナーのイオン化ポテンシャルを感光体表面のイオン化ポテンシャルとの差を0.18eV以下とすることでこの偏りは抑制されるとの知見を得た。
感光体表面が変質するとこのバランスは崩れてしまうため、感光体表面のイオン化ポテンシャルはある程度高い方が望ましく、5.45eV以上5.53eV以下が良い。感光体表面のイオン化ポテンシャルは適度な大きさにすると化学的な安定性が得られ、トナーを組み合わせる自由度も高い。また、イオン化ポテンシャルを適度に抑えることで、下地とのエネルギーマッチングについて良好な関係が保てる。
イオン化ポテンシャルの調整は有機化合物に対してはアルキル基やアルコキシ基などの電子供与性基を付加したり、逆にフェニル基やアシル基などの電子供与性基を付加したりすることで調整することができる。他に材料の変質を抑える酸化防止剤の添加も見かけのイオン化ポテンシャルを調整するのに有意なこともある。
尚、本発明で用いるイオン化ポテンシャルは千葉大学石井久夫氏による光電子収量分光測定に基づいて決定している。測定結果の一例を図1に示す。
測定装置は住友重機械工業社で市販されるPYS−202を用いた。紫外領域の単色光を照射して放出される光電子の全電子収量のn乗根(縦軸)を入射光エネルギー(横軸)の関数として図示して得られるスペクトルについて、低エネルギー側の傾きを殆どもたない1次近似直線(ベースライン)と高エネルギー側の傾きの大きな1次近似直線との交点のエネルギー値をイオン化ポテンシャルとしている。宇田らの研究(M.Uda, Jpn. J. Appl. Phys. 24 (1985),284)に倣い、nは1以下の数で金属の場合は1/2、半導体や有機物は1/3を用いると良い。また、低エネルギー側の1次近似直線は感光体表面の種類によって僅かに傾きを持つものがある。傾きがゼロ以下の感光体表面はいずれもネガ残像の抑制が良好で、本発明において有利である。
この傾きはイオン化ポテンシャルのゆらぎを反映し、ネガ残像の形成に影響する感光体表面の電荷トラップの性状を表すものと考えられる。
ネガ残像を抑制するには感光層中に残留する空間電荷を低減した方が良い。感光体表面に限らず、各層および層間の界面に空間電荷がストックされる性状をもつと、意図しない感光体表面電位の変調を来す原因となる。このとき、ネガ残像が条件を整えたつもりでも出たり出なかったりすることがあり、現象が複雑で対処不能になりかねない。感光体の感光層が2層以上の複数の層からなる場合、以上の発明効果を安定して発現するには、各層のエネルギー準位はエネルギー障壁の小さな関係にすることが有利である。この具体的な関係として層間のイオン化ポテンシャル差を0.30eV以下にするとネガ残像が出たり出なかったりするような不安定な挙動を抑えることが可能になる。
本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像を現像するトナーを製造する方法は、感光体表面のイオン化ポテンシャルとトナーのイオン化ポテンシャルとの差が0.18eV以下が満足されれば特に限定されるものではない。
本発明の画像形成装置に用いられるトナーは以下に説明する構成を有する。ただし、以下の説明は本発明の実施形態の代表例であり、適宜変形することができる。
<トナーの構成>
本発明で用いられるトナーは、感光体表面とトナー表面とのイオン化ポテンシャルが上記した所定の条件を満足すれば粉砕トナー、重合トナーの何れも用いることができる。このうち、高品位な画像形成には次の重合トナーが好ましく用いられる。
重合トナーは、トナー材料の溶解乃至分散液調製工程と、乳化乃至分散工程と、有機溶媒除去工程とを含むトナーの製造方法により製造され、前記トナー表面に結晶性ポリエステル樹脂が偏在している。
前記結晶性ポリエステル樹脂が、トナー表面より1μm以内に偏在していることが好ましい。
このように定着補助機能及び迅速に融解する機能を有する結晶性ポリエステル樹脂をトナー表面に偏在させることにより、加熱時にトナー表面に迅速に拡散する。また、小粒径で均一に結晶性ポリエステル樹脂粒子をトナー表面に偏在させることにより、塊でトナー表面に付着している場合と比較して剥がれ落ちることがなく、耐久性に優れるトナーが得られる。
まず、トナーの状態で染色してから、切片を作製することにより、トナー表面から染色材料が染み込み、撮影するトナー粒子の表面部分に存在する樹脂微粒子で構成される被膜の様子が、より明確なコントラストの差として得られる。例えば、樹脂微粒子で構成された被膜とその被膜より内部の有機成分が異なる場合、被膜部分とトナー内部の樹脂とを見分けられる。
次に、切片化した後の染色によって、結晶性ポリエステル樹脂が明瞭なコントラストとして得られる。結晶性ポリエステル樹脂はトナー内部を構成する有機成分よりも、弱く染色される。これは、結晶性ポリエステル樹脂の中への染色材料の染み込みが、密度の差などが有るために、トナー内部の有機成分よりも弱いためと考えられる。
このように、染色の強弱によって、ルテニウム原子の量が異なるため、強く染色される部分は、これらの原子が多く存在し、電子線が透過せずに、観察像上では黒くなり、弱く染色される部分は、電子線が透過されやすく、観察像上では白くなる。
トナーの表面より1μm以内に存在する結晶性ポリエステル樹脂の割合は、トナー断面の画像における結晶性ポリエステル樹脂部分の面積を指定して画像処理によって求めることにより算出することができる。即ち、トナーの表面より1μm以内に存在する結晶性ポリエステル樹脂の割合は、表面から1μm以内に存在する結晶性ポリエステル樹脂の面積の、検出された結晶性ポリエステル樹脂の全面積に対する比率によって計算することができる。
<結晶性ポリエステル樹脂>
結晶性ポリエステル樹脂としては、アルコール成分として炭素数2〜12の飽和脂肪族ジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−8オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール又はこれらの誘導体と、酸性分として二重結合(C=C結合)を有する炭素数2〜12のジカルボン酸、もしくは、炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸、特にフマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸又はこれらの誘導体を用いて合成される結晶性ポリエステル樹脂が好適である。これらの中でも、吸熱ピーク温度と吸熱ショルダー温度の差をより小さくする点から、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、及び1,12−ドデカンジオールから選択される少なくとも1種のアルコール成分と、フマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、及び1,12−ドデカン二酸から選択される少なくとも1種のジカルボン酸成分とから合成されるものが特に好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性及び軟化点を制御する方法としては、ポリエステル合成時に、アルコール成分としてグリセリン等の3価以上の多価アルコール、酸成分として無水トリメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステル樹脂などを設計し、使用するなどの方法が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1もしくは990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを例として挙げることができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子量については、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が悪化するという観点から、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、横軸をlog(M)、縦軸を質量%で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であり、重量平均分子量(Mw)が3,000〜30,000、数平均分子量(Mn)が1,000〜10,000、Mw/Mnが1〜10であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)が5,000〜15,000、数平均分子量(Mn)が2,000〜10,000、Mw/Mnが1〜5であることがより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、紙と樹脂との親和性の観点から、目的とする低温定着性を達成するためには、5mgKOH/g以上であることが好ましく、10mgKOH/g以上であることがより好ましい。一方、ホットオフセット性を向上させるには酸価が45mgKOH/g以下であることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価は、所定の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには50mgKOH/g以下であることが好ましく、5〜50mgKOH/gであることがより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂分散液100質量部中に前記結晶性ポリエステル樹脂を5質量部〜25質量部含む有機溶媒分散液として使用し、10nm〜500nmの平均粒子径(分散径)を有することが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分散径が、10nm未満であると、結晶性ポリエステル樹脂がトナー粒子本体の内側で凝集し、帯電付与効果が十分に得られない恐れがある。一方、前記結晶性ポリエステル樹脂の分散径が、500nmを超えると、トナーの表面性状が悪化し、キャリアを汚染し長期に渡り十分な帯電性を維持することができず、更に、環境安定性を阻害する恐れがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂の有機溶媒分散液は、該分散液100質量部中に結晶性ポリエステル樹脂を5質量部、結着樹脂を5質量部〜25質量部含むものが好ましく、結晶性ポリエステル樹脂を5質量部、結着樹脂を15質量部含むものがより好ましい。前記結着樹脂が、5質量部未満であると、結晶性ポリエステル樹脂の分散径が小さくならない恐れがあり、25質量部を超えると、前記トナー材料の溶解乃至分散液に添加した際、凝集が起こり、低温定着効果が十分に得られない恐れがある。
本発明でいう結晶性ポリエステル分散液とは、好ましくはトナー製造に用いる有機溶媒と同一の溶媒中に微細に分散されたものを指し、有機溶媒に分散状態のままトナー製造に用いる。このことによりトナー組成物を水系媒体中で乳化した際にトナー油滴中で微細に分散されたまま結晶性ポリエステルが存在でき、該液滴中で、油水界面に移動可能で、本発明のトナーの効果を発揮できることになる。本発明において、結晶性ポリエステル樹脂は、加熱した時に有機溶媒に溶解し、冷却すると再結晶し、析出する。この析出体は粒子径が求める値よりも大きいことが多く、更に液中で分散、粉砕することが好ましい。この析出、分散工程が必要な性質のものが、針状の結晶形態でトナー表面に配置し、低温定着性と耐久性、クリーニング性を担保するために重要である。
前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、トナー100質量部に対して1質量部〜30質量部であることが好ましい。前記含有量が、1質量部未満であると、低温定着効果が十分に得られないことがあり、30質量部を超えると、トナー表面に存在する結晶性ポリエステル樹脂量が多すぎるために感光体、その他部材の汚染により画像品質が低下したり、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。また、トナーの表面性状が悪化し、キャリアを汚染し長期に渡り十分な帯電性を維持することができず、更に、環境安定性を阻害する恐れもある。
前記トナー材料の溶解乃至分散液がカチオン化合物を含有し、前記水系媒体が平均粒子径5μm〜50μmのアニオン性樹脂微粒子とアニオン性界面活性剤とを含有することが、高せん断下においても粒子径が小さくなりすぎずに更に粒子径分布が鋭くなる点で好ましい。
前記カチオン化合物は極微粒子の油滴の安定化を防止して適正な油滴のサイズに自動調整する機能があるものと推測される。更に、カチオン化合物を多くすると、樹脂微粒子のトナーへの吸着量が多くなり、油滴が保護され、合一が起こりにくくなる。
ここで、平均粒子径が5nm〜50nmのアニオン性樹脂微粒子とアニオン性界面活性剤とを含む水系媒体を用いた場合について詳細に説明する。
得られたトナーは、着色剤及び結着樹脂を中心としたトナー材料を核としたトナー表面に、樹脂微粒子が付着している。なお、トナーの平均粒子径は、乳化工程における水系媒体の攪拌等の乳化乃至分散条件により調整される。
前記アニオン性樹脂微粒子は、トナー表面に付着して融着、融合し、比較的硬い表面を形成する。従って、トナー表面はアニオン性樹脂微粒子の層の中に同時に結晶性ポリエステル樹脂が存在することが、耐久性に更に優れた効果を発揮するため好ましい。また、樹脂微粒子は、アニオン性を有するため、トナー材料を含む液滴に吸着し、液滴同士の合一を抑える効果があり、トナーの粒度分布を制御するのに重要である。更にトナーの負帯電性を与えることもできる。これらの効果を発揮するために、前記アニオン性樹脂微粒子は平均粒子径が5nm〜50nmであることが好ましい。
−樹脂微粒子−
前記樹脂微粒子における樹脂としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。前記樹脂微粒子用の樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂微粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、アニオン性であることが好ましい。先に示したアニオン性界面活性剤とともに用いた際に凝集させないためである。前記樹脂微粒子は、後に述べる製法でアニオン活性剤を用いたり、樹脂中にカルボン酸基、スルホン酸基などのアニオン性基を導入したりすることによっても作製できる。
前記樹脂微粒子の粒子径としては、一次粒子の平均粒子径として5nm〜50nmが乳化粒子の粒子径と粒子径分布を制御する点から好ましく、10nm〜25nmであることがより好ましい。
前記樹脂微粒子の一次粒子の平均粒子径は、例えばSEM、TEM、光散乱法などによって測定できる。好ましくはレーザ散乱測定法による堀場製作所製LA−920によって、測定レンジに入るように適切な濃度に希釈して測定すればよい。粒子径は体積平均径として求められる。
前記樹脂微粒子は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、樹脂微粒子の水性分散液として得ることが好ましい。樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、以下の方法が好適に挙げられる。
(1)ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法
(2)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法
(3)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法
(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法
(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法
(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法
(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法
(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
−アニオン性界面活性剤−
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤が好適に挙げられる。フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フローラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)、等が挙げられる。
また、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム等も安価で入手しやすく、安全性にも問題がないため好ましい。
−カチオン化合物−
本発明において、乳化中に上述の樹脂微粒子、アニオン性界面活性剤と併用して極微の乳化液滴径の発生を防止し、本発明の結晶性ポリエステル樹脂をトナー表面に集中的に配置するためのカチオン化合物としては、アミン、アンモニウム塩、などの塩基性化合物が挙げられる。またジアミン、トリアミン化合物も好ましい。
前記脂肪族、芳香族の第一アミン、第二アミン、第三アミンが、特に第一アミン、第二アミンが好ましく、ブチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、アニリン、o−トルイジン、p−フェニレンジアミン、α−ナフチルアミンなどが挙げられる。その他以下に述べる反応性ポリエステルと反応可能な活性水素を含有する化合物に例示したアミン類も例示できる。
<トナー材料>
前記トナー材料は、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体である前記変性ポリエステル樹脂とを少なくとも含み、結着樹脂、着色剤、更に必要に応じて、離型剤、樹脂微粒子、帯電制御剤などのその他の成分を含む。
−結着樹脂−
前記トナー材料に含まれる結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、定着時にシャープメルトし、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可とう性を有しているポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂に更に他の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリエステル系樹脂とは、下記一般式(1)で表される少なくとも1種のポリオールと、
A−(OH)m ・・・一般式(1)
[式中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。]
下記一般式(2)で表される少なくとも1種のポリカルボン酸と、をポリエステル化したものである。
B−(COOH)n ・・・一般式(2)
[式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。]
前記一般式(1)で表されるポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物などが挙げられる。
前記一般式(2)で表されるポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)などが挙げられる。
−活性水素基含有化合物−
本発明においては、前記トナー材料中に、活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂が含まれることにより、得られるトナーの機械的強度が高まり、樹脂微粒子や外添剤の埋没を抑制することができる。活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有する場合には、樹脂微粒子を静電的に引き寄せることもできる。また、トナーの加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることもできる。なお、活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂は、結着樹脂前駆体であるとも言える。
前記活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体がイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、活性水素基を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。また、アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。また、アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。また、アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、B1からB5のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
前記活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いる。反応停止剤を用いると、接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などを用いることができる。
アミン類(B)と、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であることが特に好ましい。前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、又はこれらの誘導体樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適である。イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジオール(DIO)単独、又はジオール(DIO)と少量の3価以上のポリオール(TO)との混合物、が好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。また、脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。また、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。また、ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。また、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。また、3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノール体(本州化学工業株式会社製のトリスフェノールPAなど)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
前記ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物におけるジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はジカルボン酸(DIC)と少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸(DIC)としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。また、アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。また、アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。また、芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物におけるジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリオール(PO)と前記ポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])は、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
前記ポリオール(PO)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラークタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1であるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがあるからである。
前記ポリイソシアネート(PIC)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が更に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化するからである。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。前記イソシアネート基の平均数が1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するからである。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。即ち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流し、試料濃度を0.05質量%〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μL注入して測定する。試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業株式会社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、及び4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤のトナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記着色剤の含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンービニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレンーアクリロニトリルーインデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
マスターバッチは、マスターバッチ用樹脂と、着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練して製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶媒成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。着色剤はトナー表面に存在した際にトナーの帯電性能を悪化させることがよく知られている。そのためマスターバッチとして樹脂とのなじみをよくすることで、トナーの帯電性能(環境安定性、電荷保持能、帯電量等)を向上させることができる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50℃〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラーとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
前記離型剤としては、例えば、ロウ類、ワックス類、等が好適に挙げられる。前記ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜120℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。前記融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以下が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤としては、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体などを用いることができる。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、サリチル酸系金属錯体のTN−105、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、トナー中の樹脂に対する親和性の差を利用することで、トナー中の樹脂相に任意に含有させることができる。前記帯電制御剤を内層に存在するトナー中の樹脂相に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への帯電制御剤のスペントを抑制させることができる。本発明のトナーでは、帯電制御剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることができる。
−無機微粒子−
前記無機微粒子は、トナーに流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための無機微粒子としては、80nm〜500nmの一次平均粒径を有する大粒径の無機微粒子の他にも、小粒径の無機微粒子を好ましく用いることができる。特に、疎水性シリカ及び又は疎水性酸化チタンが好ましい。前記無機微粒子の一次平均粒径は、5nm〜50nmであることが好ましく、10nm〜30nmであることがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。前記無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01質量%〜5質量%であることが好ましく、0.01質量%〜2.0質量%であることがより好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤のことであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等を用いることができる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
(トナーの製造方法)
本発明における重合トナーの製造方法は、トナー材料の溶解乃至分散液調製工程と、乳化乃至分散工程と、有機溶媒除去工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明においては、前記乳化乃至分散工程の乳化終了直前におけるトナーの重量平均粒径Dw1と、前記有機溶媒除去工程によって得られたトナーの重量平均粒径Dw2との差(Dw2−Dw1)が1μm以内であり、0.5μm以内が好ましい。
前記トナーの乳化終了直前の粒子径及び有機溶剤を除去した後の重量平均粒径Dw2(Dwトナー化後)は、有機溶剤を除去工程後に少量サンプリングし、大過剰のイオン交換水で希釈することによって測定することができる。
乳化終了直前のトナーの重量平均粒径Dw2(乳化終了直前)は、せん断を与えている状態で少量サンプリングし、直ちに大過剰のイオン交換水で希釈することによって、後に起こる合一の影響を受けない乳化状態の重量平均粒径を測定することができる。
前記差(Dw2−Dw1)は、重量平均粒径の増大の程度を表し、前記差(Dw2−Dw1)が1μmを超えると、結晶性ポリエステル微粒子がトナー表面に配置されない状態となることがある。
<トナー材料の溶解乃至分散液調製工程>
前記トナー材料の溶解乃至分散液調製工程は、少なくとも結着樹脂を含むトナー材料、及び結晶性ポリエステル樹脂分散液を、有機溶媒に溶解乃至分散してトナー材料の溶解乃至分散液を調製する工程である。
前記トナー材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結着樹脂もしくは活性水素基含有化合物、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)と着色剤を含み、更に必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでいてもよい。前記トナー材料の溶解乃至分散液は、トナー材料、及び結晶性ポリエステル樹脂分散液を、有機溶媒に溶解乃至分散させて調製することが好ましい。なお、有機溶媒は、トナーの造粒時乃至造粒後に除去することが好ましい。
−有機溶媒−
前記トナー材料を溶解乃至分散する有機溶媒としては、トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの造粒時乃至造粒後の除去の容易性の点で沸点が150℃未満のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。また、エステル系溶剤が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対し40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が更に好ましい。なお、トナー材料の溶解乃至分散液の調製は、有機溶媒中に、結晶性ポリエステル樹脂分散液、活性水素基含有化合物、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、未変性ポリエステル樹脂、離型剤、着色剤、帯電制御剤、等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。また、トナー材料の中で、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体に添加する際に、溶解乃至分散液と共に水系媒体に添加してもよい。
<乳化乃至分散工程>
前記乳化分散工程は、前記トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作製する工程である。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などを用いることができるが、これらの中でも、水が特に好ましい。水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などを用いることができる。アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水系媒体の調製は、例えば、アニオン性界面活性剤の存在下で樹脂微粒子を水系媒体に分散させることにより行う。アニオン性界面活性剤と樹脂微粒子の水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、それぞれ0.5質量%〜10質量%が好ましい。
−乳化乃至分散−
トナー材料の溶解乃至分散液の水系媒体中への乳化乃至分散は、トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中で攪拌しながら分散させることが好ましい。分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。分散機としては、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。このトナーの製造方法においては、乳化乃至分散の際、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を伸長反応乃至架橋反応させると、接着性基材が生成する。
適宜乳化中の粒子径をモニターし、せん断条件、アニオン界面活性剤、樹脂微粒子の量、カチオン成分の添加量を調整し、所望の乳化粒子径に合致させる。その後溶剤を除去したトナー粒子径との差を観測して、その値を小さくするように、せん断条件、アニオン界面活性剤、樹脂微粒子の量、カチオン成分の添加量を調整し直す。
これによりトナー表面に結晶性ポリエステル樹脂を均一に配置可能となる。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂は、例えば、(1)活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含むトナー材料の溶解乃至分散液を、活性水素基含有化合物(例えば、アミン類(B))と共に、水系媒体中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)トナー材料の溶解乃至分散液を、予め活性水素基含有化合物を添加した水系媒体中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。あるいは(3)トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に添加混合させた後で、活性水素基含有化合物を添加し、油滴を形成し、該水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子に濃度勾配を設けることが可能となる。
乳化乃至分散により、結着樹脂を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と活性水素基含有化合物との組み合わせに応じて適宜選択することができる。なお、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
水系媒体中において、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む分散体を安定に形成する方法としては、例えば、水系媒体中に、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、着色剤、離型剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させて調製したトナー材料の溶解乃至分散液を添加し、せん断力により分散させる方法、等が挙げられる。
乳化乃至分散において、水系媒体の使用量としては、トナー材料100質量部に対し、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50質量部未満であると、トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなるからである。
前記水系媒体には、先に説明したアニオン性界面活性剤、樹脂微粒子の他に以下の無機化合物分散剤や高分子系保護コロイドを併用することができる。難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、などが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコール等のエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系化合物、セルロース類、などが挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。
前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。また、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。また、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。
前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。また、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系化合物としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。
前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
なお、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することが可能となる。
<有機溶媒除去工程>
前記有機溶媒除去工程は、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去する工程である。
−有機溶媒の除去−
乳化乃至分散により得られた乳化スラリーから、有機溶媒を除去する。有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。有機溶媒の除去が行われるとトナー粒子が形成される。形成されたトナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行い、更にその後、所望により分級等を行う。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行う。なお、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
得られたトナー粒子を、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加したりすることにより、トナー粒子の表面から離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(株式会社奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
前記トナーは、以下のような、重量平均粒径(Dw)、重量平均粒径(Dw)/個数平均粒径(Dn)、平均円形度、体積固有抵抗、BET比表面積などを有していることが好ましい。
前記トナーの重量平均粒径は、1μm〜6μmであることが好ましく、2μm〜5μmであることがより好ましい。前記トナーの重量平均粒径が、1μm未満であると、一次転写及び二次転写においてトナーチリが発生しやすくなることがあり、6μmを超えると、ドット再現性が不十分になり、ハーフトーン部分の粒状性も悪化して高精細な画像が得られなくなってしまうことがある。
前記トナーにおける重量平均粒径(Dw)と個数平均粒径(Dn)との比(Dw/Dn)としては、1.25以下が好ましく、1.05〜1.25がより好ましい。
前記重量平均粒径と個数平均粒径との比(Dw/Dn)が、1.05未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力の低下や、クリーニング性の悪化につながり易い。一成分現像剤では、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。また、前記Dw/Dnが1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。一方、重量平均粒径と個数平均粒径との比(Dw/Dn)を低くすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりを少なくすることができる。重量平均粒径と個数平均粒径との比(Dw/Dn)が1.25を超えると、トナーの帯電量分布も広くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。
また、トナーの重量平均粒径と個数平均粒径との比(Dw/Dn)が、1.05〜1.25であると、保存安定性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーとなりやすい。特に、フルカラー複写機に使用した場合に画像の光沢性に優れる。二成分現像剤では長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナーの収支が行われてもトナーの粒子径の変動が少なくなるとともに、現像ローラーへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等への部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても良好で安定した現像性が得られ、高画質の画像を得ることが可能となる。
前記トナーの重量平均粒径(Dw)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
−平均円形度−
前記トナーの平均円形度は、0.950〜0.990であることが好ましい。前記平均円形度が、0.950未満であると、現像時の画像均一性が悪化したり、感光体から中間転写体もしくは中間転写体から記録媒体へのトナー転写効率が低下し均一転写が得られなくなる。また、本発明のトナーは、水系媒体中で乳化処理をして作製されたものであり、特にカラートナーにおける小粒径化や、平均円形度が上記の範囲の形状を得るために効果的である。
前記トナーの平均円形度は、平均円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program For FPIA Version00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.1mL〜0.5mL添加し、各トナー0.1g〜0.5g添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて濃度を5,000〜15,000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000〜15,000個/μLにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、即ち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3μm〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5,000〜15,000個/μlに合わせることが可能となる。
−トナーの体積固有抵抗−
前記トナーの体積固有抵抗ρ(Ωcm)の常用対数値Logρは、10.9LogΩcm〜11.4LogΩcmであることが好ましい。これにより、トナー中の着色剤等の分散状態が良好であり、良好なトナーの帯電安定性が得られ、トナー飛散やかぶりが良好となる。トナーのLogρが10.9LogΩcmより小さい場合には、導電性が高くなり、これにより帯電不良が生じ、地汚れやトナー飛散等が増加する傾向が見られる。また、静電オフセット等による異常画像の発生も生じ、高品位の画像が安定して得られない。また、トナーのLogρが11.4LogΩcmより大きい場合には、抵抗が高くなるため帯電量が上昇し、画像濃度が低下する恐れがある。
−トナーのBET比表面積−
前記トナーのBET比表面積は、0.5m/g〜4.0m/gであることが好ましく、0.5m/g〜2.0m/gであることがより好ましい。前記BET比表面積が、0.5m/g未満であると、トナー表面全体を密に覆う状態となり、前記樹脂微粒子がトナー内部の結着樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。また、樹脂微粒子がワックスの染み出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られる。一方、前記BET比表面積が、4.0m/gを超えると、トナー表面上に残存する有機微粒子が凸部として大きく突出したり、粗状態の多重層として樹脂微粒子が残存し、やはり樹脂微粒子がトナー内部の結着樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。また、樹脂微粒子がワックスの染み出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られる。また、添加剤が浮出し、表面の凹凸により画質に影響が現れやすい。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像剤担持体としての現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
−キャリア−
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えばアミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
前記二成分現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1質量部〜10.0質量部が好ましい。
前記キャリアの重量平均粒径Dwは、15μm〜40μmであることが好ましい。前記重量平均粒径が、15μm未満であると、転写工程においてキャリアも一緒に転写されてしまうキャリア付着が起こりやすくなり、40μmを超えると、キャリア付着は起こりにくいものの、高画像濃度を得るためにトナー濃度を高くした場合、地汚れが発生しやすくなる恐れがある。また、潜像のドット径が小さい場合、ドット再現性のバラツキが大きくなり、ハイライト部の粒状性が悪くなる恐れもある。
前記キャリアの重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは、下記式(1)で表される。
Dw={1/Σ(nD)}×{Σ(nD)}・・・(1)
前記式(1)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明においては、2μmを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子の粒径の下限値を採用した。
また、キャリア及びキャリアの芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは、式(2)で表される。
Dp=(1/ΣN)×(ΣnD)・・・(2)
前記式(2)中、Nは、計測した全粒子数を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは、各チャネル(2μm)に保存する粒子の粒径の下限値を示す。
前記粒径分布を測定するための粒度分析計としては、例えば、マイクロトラック粒度分析計(モデルHRA9320−X100、Honewell社製)を用いることができる。その測定条件は以下の通りである。
[1]粒径範囲:8μm〜100μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
<感光体の構成>
本発明の画像形成装置は、導電性支持体上に特定の感光層をもつ感光体を有する。
以下、本発明における感光体について詳細に説明する。
<導電性支持体>
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨等により表面処理した管等を使用することができる。
<中間層>
本発明の感光体は、導電性支持体と感光層との間に中間層を設けることができる。前記中間層は、接着性の向上、モアレの防止、上層の塗工性の改良、導電性支持体からの電荷注入の防止等の目的で設けられる。
前記中間層は、通常、樹脂を主成分とする。通常、前記中間層の上に前記感光層を塗布するため、前記中間層に用いる樹脂としては、有機溶剤に難溶である熱硬化性樹脂が相応しやすい。特に、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂は、以上の目的を十分に満たすものが多く、特に好ましい材料である。テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いて、樹脂を適度に希釈したものを、塗料とすることができる。 また、前記中間層には、伝導度の調節やモアレを防止するために、金属、又は金属酸化物等の微粒子を加えてもよい。特に酸化チタンないし酸化亜鉛が好ましく用いられる。
前記微粒子を、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液と樹脂成分を混合した塗料とすることができる。
前記中間層は、以上の塗料を浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法等で導電性支持体上に成膜する。必要な場合、加熱硬化することで形成される。前記中間層の厚みは2μm〜20μm程度が適当になるケースが多い。感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合、3μm未満にするとよい。
<感光層>
前記感光体の感光層は、感光層として電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層させた積層型感光層である。
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、前記積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。前記電荷発生層は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。前記電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
前記無機系材料としては、例えば、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファスシリコン等が挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子又はハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが好ましく用いられる。
一方、前記有機系材料としては、公知の材料を用いることができ、例えば、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン等の金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する対称型又は非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型又は非対称型のアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する対称型又は非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料などが挙げられる。このうち、金属フタロシアニン、フルオレノン骨格を有する対称型又は非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型又は非対称型のアゾ顔料、及びペリレン系顔料は、電荷発生の量子効率が軒並み高く、本発明に用いる材料として好適である。これらの電荷発生物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
前記電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。また、後述する高分子電荷輸送物質を用いることもできる。このうちポリビニルブチラールが使用されることが多く、有用である。これらのバインダー樹脂は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
前記電荷発生層を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法がある。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法等があり、上述した前記無機系材料や前記有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、前記キャスティング法によって前記電荷発生層を設けるには、上述した無機系又は有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。このうちの溶媒として、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トルエン及びキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法等により行うことができる。
以上のようにして設けられる前記電荷発生層の厚みは通常、0.01μm〜5μm程度が適当である。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、前記電荷発生層を厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成等帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから前記電荷発生層の厚みは0.05μm〜2μmの範囲がより好ましい。
また、必要により、前記電荷発生層中に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物及びレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独又は二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物及びレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1phr〜20phr、好ましくは、0.1phr〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001phr〜0.1phr程度が適当である。
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は前記電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。前記電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分ということができる。
前記電荷輸送物質に用いることのできる材料としては、例えば、低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質としては、例えば、非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
前記正孔輸送物質としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
また、以下に表される高分子電荷輸送物質を用いることができる。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開2001−330973号公報の一般式(1)〜一般式(6)に例示される芳香族ポリカーボネートなどが挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独又は二種以上の混合物として用いることができる。特に前記特開2001−330973号公報の例示化合物は静電特性面の性能が良好であり有用である。
前記高分子電荷輸送物質は、低分子型の電荷輸送物質と比べて、前記電荷輸送層上に架橋表面層を積層する際に、架橋表面層へ電荷輸送層を構成する成分の滲みだしが少なく、架橋表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、電荷輸送物質の高分子量化により耐熱性にも優れる性状から架橋表面層を成膜する際の硬化熱による劣化が少なく有利である。
前記電荷輸送層のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニル、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。このうち、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネートは電荷輸送成分のバインダー成分として用いる場合、電荷移動特性が良好な性能を示すものが多く、有用である。また、前記電荷輸送層はこの上層に、好ましくは、架橋表面層が積層されるため、電荷輸送層は従来型の電荷輸送層に対する機械強度の必要性が要求されない。このため、ポリスチレン等、透明性が高いものの機械強度が多少低い材料で従来技術では適用が難しいとされた材料も、電荷輸送層のバインダー成分として有効に利用することができる。
これらの高分子化合物は単独又は二種以上の混合物として、あるいはそれらの原料モノマー二種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
前記電荷輸送層の改質に際して電気的に不活性な高分子化合物を用いる場合には、フルオレン等の嵩高い骨格をもつカルドポリマー型のポリエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、C型ポリカーボネートのようなビスフェノール型のポリカーボネートに対してフェノール成分の3,3´部位がアルキル置換されたポリカーボネート、ビスフェノールAのジェミナルメチル基が炭素数2以上の長鎖のアルキル基で置換されたポリカーボネート、ビフェニル又はビフェニルエーテル骨格をもつポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンの様な長鎖アルキル骨格を有するポリカーボネート(例えば、特開平7−292095号公報に記載)やアクリル樹脂、ポリスチレン、水素化ブタジエンなどが有効である。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は、電荷輸送層の全固形分に対して50質量%以下とすることが好ましい。
低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、その使用量は、通常、40phr〜200phrであり、好ましくは70phr〜100phr程度が適当である。また、前記高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100質量部に対して樹脂成分が0質量部〜200質量部、好ましくは80質量部〜150質量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
高感度化を満足させるには電荷輸送成分の配合量を70phr以上とすることが好ましい。また、電荷輸送物質としてα−フェニルスチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物の単量体、二量体及びこれらの構造を主鎖又は側鎖に有する高分子電荷輸送物質は電荷移動度の高い材料が多く有用である。
電荷輸送層は、電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散して電荷輸送層用塗料を調製し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
電荷輸送層用塗料を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエン、及びキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独として又は混合して用いることができる。
前記電荷輸送層の上層には、通常、架橋表面層が積層されているため、この構成における前記電荷輸送層の厚みは、実使用上の膜削れを考慮した電荷輸送層の厚膜化の設計が不要である。前記電荷輸送層の厚みは、実用上、必要とされる感度と帯電能を確保する都合、10μm〜40μm程度が適当であり、より好ましくは15μm〜30μm程度が適当である。
また、必要により、電荷輸送層中に後述する酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物及びレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独又は二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物及びレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1phr〜20phr、好ましくは、0.1phr〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001phr〜0.1phr程度が適当である。
<表面層>
前記表面層としては、架橋表面層が好ましい。
前記架橋表面層は、感光体表面に製膜される保護層を指す。この保護層においては、塗料がコーティングされた後、ラジカル重合性材料成分の重合反応によって架橋構造の樹脂が製膜される。樹脂膜が架橋構造をもつため前記感光体各層のなかで最も耐摩耗性が強靱である。また、架橋の電荷輸送性の構造単位が含まれる場合には、電荷輸送層と類似の電荷輸送性を示す。
−ラジカル重合性材料成分−
前記ラジカル重合性材料成分としては、例えば、アクリロイルオキシ基を有するアクリレートが挙げられる。
本発明では感光体表面の耐摩耗性の強化にも優れるトリメチロールプロパンが好適に用いることができる。
3官能以上のバインダー成分としては、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。これにより架橋膜自体の耐摩耗性が向上したり、強靱性が増大したりすることが多い。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
これらとしては、東京化成社等の試薬メーカーのもの、日本化薬社KAYARD DPCAシリーズ、同DPHAシリーズ等が挙げられる。
また、硬化を促進させたり、安定化させたりするためにチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社イルガキュア184等の開始剤を全固形分に対して5質量%〜10質量%程度加えてもよい。
架橋性の電荷輸送材料としては、例えば、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の化合物、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の化合物が挙げられ、電荷輸送構造を含み(メタ)アクリロイルオキシ基を一つ以上有する化合物が利用できる。
また、前記架橋表面層としては、電荷輸送構造を含まない(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上有するモノマーやオリゴマーと併用した組成の構成にしても良い。
前記架橋表面層は、例えば、少なくとも塗工液中にこのような化合物を含有させて、該塗工液を塗工して層を形成し、熱、光、電子線、γ線等の放射線によるエネルギーを与えて架橋し硬化させてできる。
前記電荷輸送構造を含み(メタ)アクリロイルオキシ基を一つ以上有する化合物としては、例えば、以下の一般式1で表される電荷輸送性化合物が挙げられる。
ただし、前記一般式1中、d、e、fは、それぞれ0及び1のいずれかを表す。R13は、水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。R14、及びR15は、水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、及びhは、0から3のいずれかの整数を表す。Zは、単結合、メチレン基、エチレン基、及び下記構造のいずれかを表す。
前記架橋表面層は、例えば、前記ラジカル重合性材料成分と、溶媒などを含有する架橋表面層塗料を塗工することにより形成することができる。
前記架橋表面層塗料を調製する際に使用する溶媒は、モノマーを十分に溶解するものが好ましく、例えば、上述のエーテル類、芳香族類、ハロゲン類、エステル類の他、エトキシエタノールのようなセロソルブ類、1−メトキシ−2−プロパノールのようなプロピレングリコール類などを挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノールは、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トルエン、キシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独として又は混合して用いることができる。
前記架橋表面層塗料の塗工方法としては、例えば、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。多くの場合、塗料はポットライフが長くないため、少量の塗料で必要な分量のコーティングができる手段が環境への配慮とコスト面で有利となる。このうちスプレー塗工法とリングコート法が好適である。
前記架橋表面層を製膜する際、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプ等のUV照射光源が利用できる。また、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は、50mW/cm以上、1,000mW/cm以下が好ましく、50mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。1,000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、架橋表面層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生じたりする。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
必要により、前記架橋表面層中に前記電荷発生層で記載した酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物及びレベリング剤、また前記電荷輸送層で記載した高分子化合物を添加することもできる。これらの化合物は単独又は二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物及びレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して塗料総固形分中の0.1質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、レベリング剤の使用量は0.1質量%〜5質量%程度が適当である。
前記架橋表面層の厚みは3μm〜15μm程度が適当である。下限は製膜コストに対する効果度合いから算定される値であり、上限は帯電安定性や光減衰感度等の静電特性と膜質の均質性から設定される。
以上の感光体材料およびトナー材料について、本発明のイオン化ポテンシャルの関係を満足させる材料設計としては分子軌道計算によるシュミュレーションが合理的である。計算結果から材料を絞り込み、適切な組み合わせを選定することで本発明効果を得ることができる。
感光体材料の具体的な計算例は小幡らによるMOPACの計算例(小幡ら、シャープ技報, 76(2004),36参照)が開示され、トナー材料は田中らの計算例(田中、電子写真学会誌, 34(1995),118)が開示されており、本発明でも同様にして適切な材料を組み合わせることができる。
<画像形成装置の構成>
次に、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図面を参照して説明する。
図2及び図3に示したタンデム方式の画像形成装置100を用いることができる。
図2において、画像形成装置100は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)、給紙部140から主に構成されている。画像信号を元に、画像処理部で画像処理を行い、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)に送信する。画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)は、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏光器、走査結像光学系及びミラー群からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)に各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)は、黒,シアン,マゼンタ,イエロー用の各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)を備え、これらの各色用の感光体(210Bk,210C,210M,210Y)には、通常有機感光体(OPC)が用いられる。各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)の周囲には、帯電装置(215Bk,215C,215M,215Y)、上記画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)からのレーザ光の露光部、各色用の現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)、1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)、クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)、除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。また、中間転写ベルト(220)が各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)と1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)との間に介在し、この中間転写ベルト220に各感光体から各色のトナー像が順次重ね合わせて転写され、各感光体上のトナー像を担持する。
場合によっては、この中間転写ベルト220の外側で、最終色の1次転写位置通過後で2次転写位置通過前の位置に転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ502が配設されるのが好ましい。このプレ転写チャージャ502は、上記1次転写部で感光体210に転写された中間転写ベルト220上のトナー像を記録媒体としての転写紙に転写する前に、トナー像をトナー像と同極性に均一に帯電するものである。
各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)から転写された中間転写ベルト220上のトナー像は、ハーフトーン部及びベタ部を含んでいたりトナーの重ね合せ量が異なる部分を含んでいたりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト移動方向における1次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、1次転写後の中間転写ベルト220上のトナー像内に帯電量のばらつきが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のばらつきは中間転写ベルト220上のトナー像を転写紙に転写する2次転写部における転写余裕度を低下させてしまう。そこで、プレ転写チャージャで転写紙へ転写する前のトナー像をトナー像と同極性に均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のばらつきを解消し、2次転写部における転写余裕度を向上させている。
以上、この画像形成方法によれば、各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)から転写した中間転写ベルト220上のトナー像をプレ転写チャージャ502で均一に帯電することにより、中間転写ベルト220上のトナー像内に帯電量のばらつきがあっても、2次転写部における転写特性を、中間転写ベルト220上のトナー像の各部に渡ってほぼ一定にすることができる。従って、転写紙へ転写する時の転写余裕度の低下を抑え、トナー像を安定して転写できる。
なお、この画像形成方法において、プレ転写チャージャで帯電される帯電量は、帯電対象物である中間転写ベルト220の移動速度に依存して変化する。例えば、中間転写ベルト220の移動速度が遅ければ、中間転写ベルト220上のトナー像の同一部分がプレ転写チャージャによる帯電領域を通過する時間が長くなるので、帯電量が大きくなる。逆に、中間転写ベルト220の移動速度が速いと、中間転写ベルト220上のトナー像の帯電量が小さくなる。従って、中間転写ベルト220上のトナー像がプレ転写チャージャによる帯電位置を通過している途中に中間転写ベルト220の移動速度が変化するような場合には、その中間転写ベルト220の移動速度に応じて、トナー像に対する帯電量が途中で変化しないようにプレ転写チャージャを制御することが好ましい。
1次転写装置(230Bk,230C,230M,230Y)の間に導電性ローラー(241),(242),(243)が設けられている。そして、転写紙は給紙部140から給紙された後、レジストローラー対160を介して転写ベルト180に担持され、中間転写ベルト220と転写ベルト180が接触するところで2次転写ローラー170により中間転写ベルト220上のトナー像が転写紙に転写され、カラー画像形成が行われる。
そして、画像形成後の転写紙は2次転写ベルト180で定着装置150に搬送され、画像が定着されてカラー画像が得られる。転写されずに残った中間転写ベルト220上のトナーは、中間転写ベルトクリーニング装置260によってベルトから除去される。
転写紙への転写前の中間転写ベルト220上のトナー極性は、現像時と同じマイナス極性であるため、2次転写ローラー170にはプラスの転写バイアス電圧が印加され、トナーは転写紙上に転写される。この部分でのニップ圧が転写性に影響し、定着性に大きく影響する。また、転写されずに残った中間転写ベルト220上のトナーは、転写紙と中間転写ベルト220とが離れる瞬間にプラス極性側に放電帯電され、0〜プラス側に帯電される。なお、転写紙のジャム時や非画像域に形成されたトナー像は、2次転写の影響を受けないため、もちろんマイナス極性のままである。
次に、感光体クリーニング装置について説明する。図2において、各現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)と各クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)とは、各々トナー移送管(250Bk,250C,250M,250Y)で接続されている(図2中の破線)。そして、各トナー移送管(250Bk,250C,250M,250Y)の内部には、スクリューが入っており、各クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)で回収されたトナーが、各現像装置(200Bk,200C,200M,200Y)へ移送されるようになっている。
従来の4つの感光体ドラムとベルト搬送との組み合わせによる直接転写方式では、感光体と転写紙が当接することにより紙粉が付着しトナーを回収すると紙粉が含有しているので、画像形成時にトナー抜け等の画像劣化をきたし使用することができなかった。更に、従来の1つの感光体ドラムと中間転写とを組み合わせたシステムでは、中間転写体の採用で転写紙転写時の感光体への紙粉付着はなくなったが、感光体への残トナーのリサイクルを行おうした場合、混色したトナーを分離することは実用上不可能である。また、混色トナーを黒トナーとして使用する提案があるが、全色混合しても黒にならず、プリントモードにより色が変化するため1つの感光体の構成ではトナーリサイクルは不可能であった。
これに対して、このフルカラー画像形成装置では、中間転写ベルト220を使用するので紙粉の混入が少なく、かつ、紙転写時の中間転写ベルト220への紙粉の付着も防止される。各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)が独立した色のトナーを使用するので各感光体クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)を接離する必要もなく、確実にトナーのみを回収することができる。
前記中間転写ベルト220上に残ったプラス帯電されたトナーは、マイナス電圧が印加された導電性ファーブラシ262でクリーニングされる。導電性ファーブラシ262への電圧印加方法は、導電性ファーブラシ261と極性が異なるだけで全く同一である。転写されずに残ったトナーも2つの導電性ファーブラシ261,262でほとんどクリーニングされる。ここで、導電性ファーブラシ262でクリーニングされずに残ったトナー、紙粉、タルク等は、導電性ファーブラシ262のマイナス電圧により、マイナス帯電される。次の黒色の1次転写は、プラス電圧による転写であり、マイナス帯電したトナー等は中間転写ベルト220側に引き寄せられるため、感光体(黒)210Bk側への移行は防止できる。
図3は、本発明の画像形成方法において使用される画像形成装置の他の一例を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真式の画像形成装置を備えた複写装置100である。図3中110は、複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体110上に取り付けるスキャナ、400は更にその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体110には、中央に、無端ベルト状の中間転写体50を設ける。
そして、図3に示すとおり、この例では3つの支持ローラー14、15、16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラー15の左に、画像転写後に中間転写体50上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、3つのなかで第1の支持ローラー14と第2の支持ローラー15間に張り渡した中間転写体50上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置120を構成する。
このタンデム画像形成装置120の上には、図3に示すように、更に露光装置21を設ける。一方、中間転写体50を挟んでタンデム画像形成装置120と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラー23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体50を介して第3の支持ローラー16に押し当てて配置し、中間転写体50上の画像をシートに転写する。2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラー27を押し当てて構成する。上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラーや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合はこのシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。なお、図示例では、このような2次転写装置22及び定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置120と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
さて、いまこのカラー電子写真方式の画像形成装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台130上に原稿をセットする。又は、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、スタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33及び第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光を更に反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、スタートスイッチを押すと、の駆動モータで支持ローラー14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラーを従動回転し、中間転写体50を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体10を回転して各感光体10上にそれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体50の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体50上に合成カラー画像を形成する。
一方、スタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラー142の1つを選択回転し、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシートを繰り出し、分離ローラー145で1枚ずつ分離して給紙路146に入れ、搬送ローラー147で搬送して複写機本体100内の給紙路148に導き、レジストローラー49に突き当てて止める。
又は、給紙ローラーを回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラー58で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラー49に突き当てて止める。
そして、中間転写体50上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラー49を回転し、中間転写体50と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラー56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。又は、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラー56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体50は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体50上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置120による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラー49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する感光体と、該感光体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記トナーとして、本発明の前記トナーを用いる。
前記現像手段としては、前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、現像剤担持体に担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。具体的には、上記画像形成装置及び画像形成方法で説明した一成分現像手段、及び二成分現像手段のいずれかを好適に用いることができる。
また、前記帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段としては、上述した画像形成装置と同様なものを適宜選択して用いることができる。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンタに着脱可能に備えさせることができ、本発明の前記画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが特に好ましい。
ここで、本発明のプロセスカートリッジの一例を図4に示す。この図4に示したプロセスカートリッジ800は、感光体801、帯電手段802、現像手段803、及びクリーニング手段806を備えている。
このプロセスカートリッジ800の動作を説明すると、感光体801が所定の周速度で回転駆動される。感光体801は回転過程において、帯電手段802によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体801の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで、現像手段802によりトナー像化され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体801との転写手段との間に感光体801の回転と同期されて給送された記録媒体に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた記録媒体は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体801の表面は、クリーニング手段806によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で「部」とあるのは「質量部」を意味する。
まず、実施例及び比較例で画像形成に使用するトナーの製造方法について以下で述べる。
(トナーの作製)
−非晶質ポリエステル樹脂A1の合成−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に3−メチル−1,5−ペンタンジオールとトリメチロールプロパンのモル比97:3の混合物(アルコール成分)、及びアジピン酸(酸成分)を、OH:COOH=1.1:1となるように、チタンテトライソプロポキシド(300ppm対樹脂成分)と共に投入した。 その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応させた。
その後、更に10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて中間体ポリエステルを得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルとイソホロンジイソシアネートをモル比2.1:1で投入し、酢酸エチルで48重量%となるように希釈した後、100℃で5時間反応させて反応性基を有する非晶質ポリエステル樹脂A1を得た。
この樹脂の数平均分子量(Mn)は3,800、重量平均分子量(Mw)は17,500、Tgは−50℃であった。
−非晶質ポリエステル樹脂A2の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物のモル比85:15の混合物(アルコール成分)、及びイソフタル酸とアジピン酸のモル比80:20の混合物(酸成分)を、OH:COOH=1.3:1で仕込み、500ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に常圧下、230℃で10時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、反応容器に無水トリメリット酸30部を入れ、180℃、常圧下で3時間反応させて、非晶質ポリエステル樹脂A2を得た。この樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,400、重量平均分子量(Mw)は5,400、Tgは48℃であった。
−結晶性ポリエステル樹脂Bの合成−
加熱乾燥した二口フラスコに、フマル酸ジメチルとセバシン酸ジメチルのモル比90:10の混合物(酸性分)、酸成分の1.15倍量の1,6−ヘキサンジオール(アルコール成分)、及び触媒としてTi(OBu)4を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガス不活性雰囲気とし、機械攪拌により180℃で5時間還流を行った。その後、減圧蒸留により過剰な1,6−ヘキサンジオールを除去し、230℃まで徐々に昇温しつつ2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。生成物が固化する前に、反応容器内にテトラヒドロフラン(THF)を添加し、加圧濾過装置で触媒残渣を除去した。精製は、THF/MeOHを用いて再沈殿物を回収、減圧乾燥を行い、不飽和二重結合を有する結晶性ポリエステル樹脂Bを得た。この樹脂の数平均分子量(Mn)は3,900、重量平均分子量(Mw)は13,800、融点は68℃であった。
−ケチミン化合物の合成−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器にイソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、アミン価が418のケチミン化合物を得た。
−マスターバッチ(MB)の調製−
下記組成の混合物を2本ロールで150℃で30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕してマスターバッチを得た。
・ カーボンブラック: 44部
(Printex35、デグサ社製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕
・ 非晶質ポリエステル樹脂A1: 100部
・ 非晶質ポリエステル樹脂A2: 1,100部
・ 水: 200部
−顔料・WAX分散液の作製−
撹拌棒及び温度計をセットした容器に下記組成の混合物を仕込み、撹拌下で80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。
・ 不飽和二重結合を有する結晶性ポリエステル樹脂B: 220部
・ パラフィンワックス: 50部
(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)
・ CCA(サリチル酸金属錯体E−84、オリエント化学工業社製): 23部
・ 酢酸エチル: 947部
次に容器に下記組成の材料を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
・ 上記マスターバッチ: 500部
・ 酢酸エチル: 500部
以上の原料溶解液1,324部を容器に移し、次の条件でビーズミルを用いた分散を行った。
(分散条件)
・ 送液速度: 1kg/hr
・ ディスク周速度: 6m/秒
・ 分散メディア: φ0.5mmジルコニアビーズ80体積%充填
・ パス回数: 3回
次いで、非晶質ポリエステル樹脂Aの65%酢酸エチル溶液1,042部を加え、前記と同じ条件のビーズミルで1パスし、顔料・WAX分散液を得た。
この顔料・WAX分散液の固形分濃度は50%であった。
−油相の調製−
・ 顔料・WAX分散液: 664部
・ ポリエステル樹脂A1: 80部
・ ケチミン化合物: 4.6部
次の材料を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)により5,000rpmで1分間混合し、油相を得た。
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に下記材料を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
・ 水:683部
・ メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩:11部
(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)
・ スチレン: 138部
・ メタクリル酸: 138部
・ 過硫酸アンモニウム: 1部
白色の乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。
更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液]を得た。
この微粒子分散液の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
−水相の調製−
次の材料を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相とした。
・ 水: 990部
・ 微粒子分散液: 83部
・ ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製): 37部
・ 酢酸エチル: 90部
−乳化・脱溶剤−
前記[油相]が入った容器に、水相1,200部を加え、TKホモミキサーにより回転数13,000rpmで20分間混合し乳化スラリーを得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に乳化スラリーを投入し、30℃で8時間脱溶剤した。
−不飽和基反応工程−
得られた脱溶剤後のスラリーに、水溶性のラジカル重合開始剤(和光純薬社製V−44)を触媒量添加した後、50℃で5時間熟成を行い、ポリエステル樹脂Bの不飽和二重結合を反応させて分散スラリーを得た。
−洗浄・乾燥−
分散スラリー100部を減圧濾過した後、次の(1)〜(5)の操作を行った。
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーを回転数12,000rpmで10分間の条件で混合した後、濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで回転数12,000rpmで10分間の条件で混合した後、濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで回転数12,000rpmで10分間の条件で混合した後、濾過する、という前記(1)〜(3)の操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
(5):(4)の濾過ケーキを、循風乾燥機により45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩ってトナーを得た。
上記で得られたトナーを以下では「トナーA」という。
[実施例1]
アルミニウム製支持体(外径φ60mm)に、下記の中間層用塗工液を、浸漬法により塗工し、中間層を形成した。170℃で30分乾燥した後の中間層の膜厚は5μmであった。
(中間層用塗工液)
・ 酸化亜鉛粒子(MZ−300、テイカ株式会社製): 350部
・ 1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン: 1.5部
(カレンズ(登録商標)MT NR1、昭和電工株式会社製)
・ ブロック化イソシアネート: 60部
(スミジュール(登録商標)3175、固形分濃度75質量%、住化バイエルウレタン株式会社製)
・ ブチラール樹脂を2−ブタノンで溶解させた20質量%の溶解液: 225部
(BM−1、積水化学工業株式会社製)
・ 2−ブタノン: 365部
得られた中間層上に、下記の電荷発生層塗工液を浸漬塗工し、電荷発生層を形成した。電荷発生層の膜厚は0.2μmであった。
(電荷発生層用塗工液)
・ Y型チタニルフタロシアニン: 6部
・ ブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業社製): 4部
・ 2−ブタノン(関東化学製): 200部
得られた電荷発生層上に、下記の電荷輸送層用塗工液を浸積塗工し、電荷輸送層を形成した。 135℃で20分乾燥した後の電荷輸送層の膜厚は22μmであった。
(電荷輸送層用塗工液)
・ ビスフェノールZ型ポリカーボネート: 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 下記構造式で表される低分子電荷輸送物質: 10部
・ テトラヒドロフラン: 80部
得られた電荷輸送層上に、下記の架橋表面層用塗工液を窒素気流中でスプレー塗工後、10分間窒素気流中に放置して指触乾燥した。その後、酸素濃度が2%以下となるようにブース内を窒素ガスで置換したUV照射ブースにて、光照射を行った。
(表面層)
さらに、130℃で20分乾燥し、実施例1の感光体を得た。架橋樹脂の表面層の膜厚は4.5μmであった。
(光照射条件)
・ メタルハライドランプ:160W/cm
・ 照射距離:120mm
・ 照射強度:700mW/cm
・ 照射時間:60秒
(架橋樹脂表面層塗工液)
・ トリメチロールプロパントリアクリレート: 5部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製、アクリル当量99、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物)
・ ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート: 5部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製、アクリル当量324)
・ 下記構造式の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(アクリル当量420): 10部
・ 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン: 1部
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、光重合開始剤)
・ テトラヒドロフラン: 100部
以上のように作製した実施例1の感光体を実装用にした後、電子写真装置(Ricoh Pro C751EX、リコー社製)のブラック現像ステーションに搭載して、トナーAを用いてプリント画像を得た。
現像を開始する感光体ドラム1回転目と2回転目で白ぬけ文字を含む全ベタの矩形パターンと2ドット毎に独立したドットパターンによるハーフトーン画像が順に出力される画像データをA3サイズのコピー用紙(My Paper A3、NBSリコー社品)にプリントアウトした。画素密度は1200dpi×1200dpiにした。
[実施例2]
電荷輸送層塗工液の電荷輸送物質を下記構造式で表される化合物に変えた以外は、実施例1と同様の工程により、実施例2の感光体を得た。
実施例2の感光体とトナーAとを用いてプリント画像を得た。
[実施例3]
架橋樹脂表面層塗工液の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式で表される化合物に変えた以外は、実施例1と同様の工程により、実施例3の感光体を得た。
実施例3の感光体とトナーAとを用いてプリント画像を得た。
[実施例4]
電荷輸送層塗工液の電荷輸送物質を下記構造式で表される化合物に変えた以外は、実施例3と同様の工程により、実施例4の感光体を得た。
実施例4の感光体とトナーAとを用いてプリント画像を得た。
[実施例5]
実施例1で用いたトナーを純正品Ricoh Pro C7110用シアントナーに変えた以外は実施例1と同様にしてプリント画像を得た。
[実施例6]
実施例1で用いたトナーを純正品Ricoh Pro C7110用マゼンタトナーに変えた以外は実施例1と同様にしてプリント画像を得た。
[実施例7]
実施例1で用いたトナーを純正品Ricoh Pro C751EX用マゼンタトナーに変えた以外は実施例1と同様にしてプリント画像を得た。
[実施例8]
架橋樹脂表面層塗工液の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式で表される化合物に変えた以外は、実施例1と同様の工程により実施例8の感光体を得た。この感光体と実施例1で用いたトナーを純正品Ricoh Pro C751EX用マゼンタトナーに変えて実施例1と同様にしてプリント画像を得た。
[実施例9]
実施例1の電荷輸送層用塗工液と表面層の架橋樹脂表面層の塗工液を下記のものに変えた以外は実施例1と同様にして実施例9の感光体を得た。
(電荷輸送層用塗工液)
・ ビスフェノールZ型ポリカーボネート: 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 下記構造式で表される低分子電荷輸送物質: 10部
・ テトラヒドロフラン: 80部
・シリコーンオイル 0.002部
(KF−50−100CS、信越化学社製)
(表面層用塗工液)
・ ビスフェノールZ型ポリカーボネート: 53部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 下記構造式で表される低分子電荷輸送物質: 37部
・ α−アルミナ(スミコランダムAA−03、住友化学社製): 32部
・ 分散剤(BYK−P105、ビックケミー社製): 0.4部
・ テトラヒドロフラン: 2000部
・ シクロヘキサノン: 600部
電荷輸送層は浸漬塗工後、135℃で20分間加熱乾燥した。電荷輸送層の平均膜厚は20μmだった。得られた電荷輸送層上に表面層用塗工液をスプレー塗工した後150℃で20分間加熱乾燥した。表面層の平均膜厚は5μmであった。
以上の感光体と実施例1で用いたトナーを純正品Ricoh Pro C751EX用マゼンタトナーに変えて実施例1と同様にしてプリント画像を得た。
[実施例10]
実施例1の中間層、電荷発生層および電荷輸送層を下記の塗工液として浸漬塗工することで5μmの中間層、1μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層に変えた以外は実施例1と同様にして実施例10の感光体を得た。この感光体と実施例1で用いたトナーを純正品Ricoh Pro C751EX用マゼンタトナーに変えて実施例1と同様にしてプリント画像を得た。
(中間層塗工液)
・ 酸化チタン: 30部
(CR−EL、石原産業社製)
・ 酸化チタン: 10部
(PT−401M、石原産業社製)
・ アルキッド樹脂: 8部
(ベッコライトM6401−50、固形分:50%、DIC社製)
・ メラミン樹脂(G−821−60、固形分:60%、DIC社製): 5部
・ 2−ブタノン: 54部
(電荷発生層用塗工液)
・ 下記構造式(Y)で表される非対称ジスアゾ顔料: 24部
・ 無金属フタロシアニン顔料: 12部
・ ポリビニルブチラール(Butver−B90): 7部
・ シクロヘキサノン: 625部
・ 2−ブタノン: 330部
(電荷輸送層用塗工液)
・ ビスフェノールZ型ポリカーボネート: 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 下記構造式で表される低分子電荷輸送物質: 10部
・ テトラヒドロフラン: 80部
・ シリコーンオイル(KF−50−100CS、信越化学社製):0.002部
得られた電荷輸送層上に、下記の架橋表面層用塗工液を窒素気流中でスプレー塗工後、10分間窒素気流中に放置して指触乾燥した。その後、酸素濃度が2%以下となるようにブース内を窒素ガスで置換したUV照射ブースにて、光照射を行った。
(表面層)
さらに、130℃で20分乾燥し、実施例1の感光体を得た。架橋樹脂の表面層の膜厚は4.5μmであった。
(光照射条件)
・ メタルハライドランプ: 160W/cm
・ 照射距離: 120mm
・ 照射強度: 700mW/cm
・ 照射時間: 60秒
(架橋樹脂表面層塗工液)
・ トリメチロールプロパントリアクリレート: 5部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製、アクリル当量99、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性化合物)
・ ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート 5部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製、アクリル当量324)
・ 下記構造式で表される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(アクリル当量420): 10部
・ 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン: 1部
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、光重合開始剤)
・ テトラヒドロフラン: 100部
[実施例11]
比較例3の中間層を実施例1の中間層に変えた以外は比較例4と同様にして感光体を得た。この感光体と実施例1で用いたトナーを純正品Ricoh Pro C751EX用マゼンタトナーに変えて実施例1と同様にしてプリント画像を得た。
[比較例1]
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式で表される化合物に変えた以外は、実施例1と同様の工程により、比較例1の感光体を得た。
比較例1の感光体とトナーAとを用いてプリント画像を得た。
[比較例2]
実施例1で用いたトナーを純正品Ricoh Pro C751EX用ブラックトナーに変えた以外は実施例1と同様にしてプリント画像を得た。
[比較例3]
架橋樹脂表面層塗工液の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式で表される化合物に変えた以外は、実施例1と同様の工程により比較例4の感光体を得た。この感光体と実施例1で用いたトナーを純正品Ricoh Pro C751EX用マゼンタトナーに変えて実施例1と同様にしてプリント画像を得た。
(評価方法)
各画像形成装置について、それぞれ画像面積率6%の原稿を100万枚の画像出力後にハーフトーン部位のネガ残像の評価を行った。画像形成装置の条件は一律次の条件になるよう条件を調整した。
・ 1次転写電流: 35μA
・ 感光体帯電電位: −600v
・ 現像バイアス: −500v
・ 現像器のトナー濃度: 8.4±0.1%
・ 現像γ: 1.3±0.1 (mg/cm)/−kV
現像γは感光体電位と現像バイアスとの差とトナー付着量の関係を表す曲線の内、直線近似される部分の傾きの大きさを表す。
残像画像の評価は次の5段階で評価した。
5・・・全く発生せず
4・・・識別は困難であるが残像が発生している心象を与えるもの
3・・・ごく僅かに発生しているが軽微であるもの
2・・・僅かに発生しているが許容限界であるもの
1・・・はっきりと発生しており、許容できない
(イオン化ポテンシャル測定方法)
感光体の測定はφ60mmの導電性支持体に中間層、電荷発生層、電荷輸送層、架橋樹脂表面層を塗布乾燥したもののドラム軸方向中央部を20mm角にカットしたものをイオン化ポテンシャル測定装置(PYS−202、住友重機械工業社製)に供した。
トナーの測定はφ20mmの円形アルミ製容器でトナー粉体を受けたものを装置に供した。
感光体各層のイオン化ポテンシャルを測定するため、架橋樹脂表面層からなる感光体表面よりも内側に製膜される電荷輸送層のイオン化ポテンシャルを測定するとき、架橋樹脂表面層をラッピングフィルムで研磨することで摩滅させ、完全に電荷輸送層が表出した状態にしたものを測定に供した。電荷発生層のイオン化ポテンシャル測定はこの電荷輸送層を剥離して中間層の上に残る電荷発生物質の付着物を電荷発生層のイオン化ポテンシャル測定サンプルとして測定器にした。更に中間層のイオン化ポテンシャル測定は、この電荷発生物質が付着する中間層表面をメチルエチルケトンで洗浄し乾燥したものをサンプルとした。更に中間層の残る導電性支持体をメチルエチルケトンとテトラヒドロフランの混合溶媒に2日間浸漬させた後にコットンで中間層を除去し、洗浄に用いた溶剤を蒸発させたものを導電性支持体のイオン化ポテンシャル測定サンプルとした。以上と別に導電性支持体、および導電性支持体上に電荷発生層または電荷輸送層の単層膜が最表面となるサンプルを作成し、イオン化ポテンシャルを測定したところ上記のサンプル形態の場合と差のない結果を得た。ただし、導電性支持体は長時間放置すると見かけのイオン化ポテンシャルは増加するため、特に、表面を洗浄した後、直ちに測定した。
感光体の導電性支持体と中間層はキセノンランプ、それ以外はD2ランプを光源にモノクロメータを介した単色光露光時の光電流を測定した。照射光のフォトン数を除して光電子収量を算定している。アースとサンプル間に電源を設け、サンプルに−100Vのバイアスを印加した。また、測定条件は1×10−2Paの真空条件下で計測した。光電子収量はイオン化ポテンシャル測定装置に付属する制御・解析ソフトウエアを使用して計測データを取得し、表計算ソフト(マイクロソフト社エクセル)で入射光エネルギーに対する光電子の全電子収量の立方根の関係をグラフ化して描画される曲線に対して、2本の近似直線の交点のエネルギー値をイオン化ポテンシャルとした。尚、近似直線は図1に例示されるよう慣例に倣ってひくことができる。近似直線の引き方次第でイオン化ポテンシャルは僅かにゆらぎをもつことになるが、こうしたゆらぎの範囲内で本発明の条件が満足されれば発明効果に問題は生じない。
イオン化ポテンシャルの測定結果と画像評価結果を表1と表2に示す。
ネガ残像は感光体の帯電特性の局部的なばらつきによって生じると考えられる。特に、電子写真プロセスの高速化が進むと、感光体が一様に緩和する時間よりも短い間に画像形成プロセスが続き、感光体の履歴が蓄積される結果、ネガ残像の原因になると思われる。電子写真プロセスでは感光体の帯電は負帯電のみならず転写では正帯電される。両極性の所定の帯電電位に至る充電電荷を感光体は電極間とバルク内にストックするが局部で蓄積しないことが望ましい。
実施例1の感光体は中間層と電荷発生層との間のイオン化ポテンシャル差が比較例1の感光体と比べて小さく、この界面における電荷の蓄積がしにくいと考えられる。これがネガ残像の抑制に有利に作用したと考えられる。
感光体の局部的に帯電特性差が生じる原因として、感光体上に現像されるトナーの影響が考えられる。転写手段による感光体の帯電や電荷注入はこのトナーによって遮蔽されると考えられる。実施例1のトナーは比較例3のトナーと比べて、感光体表面のイオン化ポテンシャル差が小さく、この関係が先の遮蔽効果を弱めていると思われる。このため、ネガ残像を抑える効果が生じていると考えられる。
実施例1と実施例2を比べると、実施例1が1ランク、ネガ残像に優れる結果を得た。実施例1の感光体は感光体表面のイオン化ポテンシャル測定で得られるスペクトルのベースラインの傾きが異なる。実施例1は傾きがゼロであるのに対し、実施例2は僅かに傾きをもつ。ベースラインが傾きを持つのは電荷輸送を与るホッピングサイトのエネルギー準位のゆらぎが大きいためと考えられる。これが軽微なトラッピングサイトとして電荷を一時的に溜めこむものと思われ、ネガ残像に影響したと考えられる。
実施例3と実施例4も同じ関係が見られる。
実施例1から実施例11の感光体は比較例1よりも感光体表面のイオン化ポテンシャルが高い。この性状が感光体表面の変質を抑えていると考えられる。このため、ボリュームの大きな印刷に対しても帯電性の変化を抑えていると思われる。これがネガ残像の抑制に対しても貢献していると考えられる。
転写工程後における感光体表面電位の均質性はトナーが介在することによる影響が小さい方が望ましい。このためトナーと感光体界面に静電的な障壁が抑えられる関係として感光体表面のイオン化ポテンシャルは低めの方が有利となる。一方、感光体表面のイオン化ポテンシャルが低すぎると化学的な安定性が損なわれ、変質を来す結果、残像特性に悪影響すると考えられる。実施例1と比較例3および比較例1はこの関係が見られる。よって、本発明の範囲が残像特性に特に有利であると言うことが出来る。
本発明は実施例ないし比較例に示される通り、電荷発生材料、電荷輸送材料、表層材料の異なる感光体および種々のトナーについても本願の発明効果が等しく認められ汎用性のある実用的価値に優れたものである。
(図2について)
100 画像形成装置
120Bk,120C,120M,120Y 画像書込部
130Bk,130C,130M,130Y 画像形成部
140 給紙部
200Bk,200C,200M,200Y 現像装置
210Bk,210C,210M,210Y 感光体
215Bk,215C,215M,215Y 帯電装置
230Bk,230C,230M,230Y 一次転写装置
300Bk,300C,300M,300Y クリーニング装置
(図3について)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14,15,16 支持ローラー
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラー
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラー
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
49 レジストローラー
50 中間転写体
51 手差しトレイ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラー
57 排出トレイ
100 画像形成装置
110 複写機装置本体
120 タンデム画像形成装置
130 原稿台
142 給紙ローラー
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラー
146 給紙路
147 搬送ローラー
148 給紙路
200 給紙テーブル
220 中間転写ベルト
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
(図4について)
800 プロセスカートリッジ
801 感光体
802 帯電手段
803 現像手段
804 現像剤
806 クリーニング手段
特開2005−165229号公報 特開平5−289458号公報 特許第3313219号公報 特開平5−173460号公報 特開平7−234618号公報 特開2001−350329号公報

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に少なくとも中間層と、電荷発生層及び電荷輸送層が積層してなる感光層とを有する感光体を用いて画像を形成する画像形成方法であって、
    前記感光体表面のイオン化ポテンシャルとトナー表面のイオン化ポテンシャルとの関係が下記式(1)及び下記式(2)を満足することを特徴とする画像形成方法。
    |Ip(感光体表面)− Ip(トナー)| ≦ 0.18[eV] (1)
    5.45[eV] ≦ Ip(感光体表面)≦ 5.53[eV] (2)
    (ここで、
    Ip(感光体表面)は感光体表面のイオン化ポテンシャルを表し、
    Ip(トナー)はトナー表面のイオン化ポテンシャルを表す。)
  2. 前記感光体が、感光体の表面に紫外領域の単色光を照射して、放出される光電子の全電子収量の立方根を入射光エネルギーの関数としてグラフ化したとき、得られるスペクトルについて、最も低い入射光エネルギー側の曲線の立ち上がり点(イオン化ポテンシャルとして区別されるしきい値)前後の入射光エネルギーに対する全電子収量の立方根の近似直線のうち、ベースライン(低エネルギー側の近似直線)の傾きが0以下である感光体であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記感光層が2層以上の複数の層からなり、隣接する層間のイオン化ポテンシャル差が0.30eV以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 感光層が電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷発生層と電荷輸送層のイオン化ポテンシャル差が0.05eV以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記中間層が酸化亜鉛を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いる画像形成装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いるプロセスカートリッジ。
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