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JP2017141491A - Cu−Al−Mn系合金材及び用途 - Google Patents

Cu−Al−Mn系合金材及び用途 Download PDF

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JP2017141491A JP2016023306A JP2016023306A JP2017141491A JP 2017141491 A JP2017141491 A JP 2017141491A JP 2016023306 A JP2016023306 A JP 2016023306A JP 2016023306 A JP2016023306 A JP 2016023306A JP 2017141491 A JP2017141491 A JP 2017141491A
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Abstract

【課題】繰返し変形を行った場合の耐破断性が優れたCu−Al−Mn系形状記憶合金材及びそれを用いた用途の提供。【解決手段】3.0〜10.0質量%のAl、5.0〜20.0質量%のMn、並びにNi、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルから選ばれた1種以上を合計で0.000〜10.000質量%を含有し、残部がCuと不可避的不純物からなるCu−Al−Mn系合金材で、前記合金材の前記加工方向に垂直な方向の結晶粒長aが前記合金材の幅あるいは直径Rに対して同等で、a=Rとなる結晶粒同士の粒界の個数をXとした場合、Xの存在量が1以下であり、前記合金材に3%の歪みを与える応力の負荷と除荷を繰り返し行なった場合に破断するまでの回数が102回以上であるCu−Al−Mn系形状記憶合金。【選択図】図1

Description

本発明は、繰返し変形を行った場合の耐破断性に優れたCu−Al−Mn系合金材及びそれを用いた用途に関する。
銅合金等の形状記憶合金・超弾性合金は、熱弾性型マルテンサイト変態の逆変態に付随して顕著な形状記憶効果及び超弾性特性を示し、生活環境温度近辺で優れた機能を持つことから、種々の分野で実用化されている。形状記憶合金・超弾性合金の代表的な材料として、TiNi合金と銅(Cu)系の合金がある。銅系の形状記憶合金・超弾性合金(以下、これらを合わせて、単に銅系合金ともいう)は、繰り返し特性、耐食性等の点でTiNi合金よりも特性が劣っているが、一方でコストが安いためのその適用範囲を広げようとする動きがある。しかし、銅系合金は、コスト的には有利であるが、冷間加工性が悪く、超弾性特性も低い。この為、種々の研究がなされているにも関わらず、銅系合金は必ずしも実用化に十分とはいえない状況となっている。
これまで、銅系合金について、種々の検討がなされてきた。例えば、冷間加工性に優れたβ単相構造のCu−Al−Mn系形状記憶合金などが、下記の特許文献1〜4に報告されている。これらの例では、例えば、結晶方位に関して、β単相の金属組織を<101>、<100>等の特定の方向に圧延または伸線などの冷間加工方向に揃えた再結晶集合組織になっている。
特開平7−62472号公報 特開2000−169920号公報 特開2001−20026号公報 国際公開WO2011/152009A1号 国際公開WO2015/137283A1号
日本材料学会 学術講演会講演論文集 45、169〜170頁、1996「CuAlMn形状記憶合金単結晶の超弾性繰返し挙動」
特許文献1の方法で製造したCu−Al−Mn系合金は、その特性、特に超弾性特性が十分ではなく、90%以上の形状回復を示す最大与ひずみは2〜3%程度である。その理由として、結晶配向がランダムであることなどに起因して、変形時に結晶粒間に強い拘束力が生じるために転位などの不可逆欠陥が導入されることが考えられる。よって繰返し変形によって蓄積する残留歪みが多く、繰返し変形後には超弾性特性の劣化も著しい。また、繰返し変形を行った場合の耐破断性が低くて制御できないため数十回程度で破断する場合が多い。
また、特許文献2の銅系合金は、形状記憶特性及び超弾性特性を有し、実質的にβ単相からなる銅系合金であり、結晶組織は前記β単相の結晶方位がβ単相の<101>、<100>等の特定の結晶方位が圧延または伸線などの冷間加工方向に揃った再結晶集合組織になっている。上記銅系合金では、電子背面散乱回折パターン測定法(Electron BackScatter Diffraction Patterning、以下「EBSP」と省略する場合がある)(あるいは、電子後方散乱回折(Electron BackScatter Diffraction、以下EBSDと略記する)ともいう)によって測定された前記加工方向における前記β単相の特定結晶方位の存在頻度が2.0以上になるような最終焼鈍後の合計加工率で前記冷間加工を行うものである。このような材料であっても、Cu−Al−Mn系合金においては、変態歪量の方位依存性が大きいため、安定的に良好な超弾性特性を精度良く均質に得るためにはなお不十分である。また、繰返し変形によって蓄積する残留歪みが多く、繰返し変形後には超弾性特性の劣化も著しい。これも特許文献1と同様に、繰返し変形を行った場合の耐破断性が低くて制御できず、数十回程度で破断する場合が多い。
さらに特許文献3と特許文献4に記載されている銅系合金では、発現される形状記憶特性及び超弾性特性の性能にムラが大きく、これらの特性が安定しない点で、なお改良の余地があるレベルである。また、形状記憶特性及び超弾性特性を安定させるためには集合組織制御が不可欠であると考えられるが、特許文献3に記載の方法では、Cu−Al−Mn系合金での組織の集積度は低く形状記憶特性及び超弾性特性はまだ十分には安定しない。特許文献3においては、銅系合金の形状記憶特性及び超弾性特性を向上させるために、β単相への結晶配向を制御するとともに、平均結晶粒径を線材であれば線径の半分以上としまたは板材であれば板厚以上とし、かつ、そのような結晶粒径を有する領域を線材の全長または板材の全面積の30%以上とすることを提案している。また、特許文献4においては、銅系合金の形状記憶特性を向上させるとともに、構造物に適用可能な断面サイズが大きい銅系合金とするために、最大結晶粒径を8mm超とした巨大結晶粒組織とすることを提案している。しかし、特許文献3と特許文献4に記載の方法では、Cu−Al−Mn系合金における、所定の大きな結晶粒径を有する結晶粒の粒径分布の制御がなお不十分であるため、形状記憶効果や超弾性特性は安定しない。また、繰返し変形によって蓄積する残留歪みが多く、繰返し変形後には超弾性特性の劣化も著しい。いずれの場合においても、繰返し変形を行った場合の耐破断性が低くて制御できない。
特許文献5では大きい結晶粒と小さい結晶粒の境界を定義し、さらに小さい結晶粒の存在頻度を求めることで繰返し変形後の残留歪み量を制御することが可能となった。結晶粒径を大きくしたほうが特性に優れるという点で本発明と類似している。しかし、大きく異なるのは本発明では繰返し変形を行った場合の耐破断性が高く制御できる点である。この結果、本発明では、特許文献5よりも高度な結晶粒径の制御が可能となり、特に優れた特性を示すことが明らかとなった。
非特許文献1では繰返し変形に関する向上を目的としている。ここで、製造方法は、縦型ブリッジマン法という製造時間が多くかかる工業的に難しい方法にて試験片を作製し評価をしている。試験片サイズも2mm×2mm×4mmとかなり小さく、いかに繰返し変形に優れていようとこのサイズでは適用可能な分野が限られてしまうという大きな問題がある。また、縦型ブリッジマン法は抵抗加熱と断熱材でホットゾーンが構成されており、坩堝を引下げることにより、徐々に温度下げて坩堝内で結晶化させる製造方法である。しかし、坩堝から不純物が混入する可能性が高く、これが核となって異なる結晶方位が成長し多結晶化しやすいため、目的の特性が得られない場合が多いという課題がある。さらに、報告されている組成は、製造後に加工ができない組成であるため、本発明で求められる工業用としてのCu−Al−Mn合金とは趣旨が大きく異なる。
このように、結晶方位の集積もしくは所定の大きな結晶粒径を有することがCu−Al−Mn系合金において超弾性の向上に有効であると考えられている。しかしながら、従来技術では繰返し変形を行った場合の耐破断性が低くて改善がなされていない。ところが、本合金を医療器具や建築部材等として使用する場合、繰返し変形による特性の劣化は大きな問題となり改善が求められている。さらに、車載部品や航空宇宙機器部品等としてCu−Al−Mn系合金材を使用するためには、繰返し変形において高サイクル後でも破断しないことや、超弾性特性の劣化をより一層抑制する効果が求められている。
そこで、本発明は、繰返し変形を行った場合の耐破断性が高くて優れたCu−Al−Mn系合金材及びそれを用いた用途を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記の問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、Cu−Al−Mn系合金材の結晶粒の個数を制御することによって、繰返し変形を行った場合の耐破断性が高くて優れる合金材が得られることを見出した。また、このような結晶粒径を可能とする制御は、所定の中間焼鈍と冷間加工を経て、さらには記憶熱処理の最初の段階でα相析出量を固定した(α+β)相の状態としてから特定の遅い昇温速度でβ単相になる温度域まで加熱した後に、所定の温度で所定の時間保持し、さらにβ単相になる温度域から(α+β)相になる温度域までの特定の遅い降温速度での冷却と(α+β)相になる温度域からβ単相になる温度域までの特定の遅い昇温速度での加熱とを少なくとも4回以上繰返す記憶熱処理を行うこと、及び(α+β)の状態とする際に特に限定的な温度領域にすることの両方の制御によって達成できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明によれば、以下の手段が提供される。
(1)3.0〜10.0質量%のAl、5.0〜20.0質量%のMn、並びにNi、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種または2種以上を合計で0.000〜10.000質量%を含有し、ここで、Ni及びFeの含有量はそれぞれ0.000〜3.000質量%であり、Coの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Tiの含有量は0.000〜2.000質量%であり、V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.000〜1.000質量%であり、Crの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Siの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Wの含有量は0.000〜1.000質量%であり、Snの含有量は0.000〜1.000質量%であり、Mgの含有量は0.000〜0.500質量%であり、Pの含有量は0.000〜0.500質量%であり、Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.000〜1.000質量%であり、Znの含有量は0.000〜5.000質量%であり、B、Cの含有量はそれぞれ0.000〜0.500質量%であり、Agの含有量は0.000〜2.000質量%であり、ミッシュメタルの含有量は0.000〜5.000質量%であり、残部がCuと不可避的不純物からなる組成を有するCu−Al−Mn系合金材であって、
前記合金材は、圧延方向もしくは伸線方向である加工方向に対して長尺形状を有する合金材であり、
前記合金材の前記加工方向に垂直な方向の結晶粒長aが前記合金材の幅あるいは直径Rに対して同等で、a=Rとなる結晶粒同士の粒界の個数をXとした場合、Xの存在量が1以下であり、
前記合金材に3%の歪みを与える応力の負荷と除荷を繰り返し行なった場合に破断するまでの回数が10回以上であることを特徴とするCu−Al−Mn系合金材。
(2)Ni、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種または2種以上を合計で0.001〜10.000質量%含有し、ここで、Ni及びFeの含有量はそれぞれ0.001〜3.000質量%であり、Coの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Tiの含有量は0.001〜2.000質量%であり、V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%であり、Crの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Siの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Wの含有量は0.001〜1.000質量%であり、Snの含有量は0.001〜1.000質量%であり、Mgの含有量は0.001〜0.500質量%であり、Pの含有量は0.010〜0.500質量%であり、Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%であり、Znの含有量は0.001〜5.000質量%であり、B、Cの含有量はそれぞれ0.001〜0.500質量%であり、Agの含有量は0.001〜2.000質量%であり、ミッシュメタルの含有量は0.001〜5.000質量%である、(1)項に記載のCu−Al−Mn系合金材。
(3)3.0〜10.0質量%のAl、5.0〜20.0質量%のMn、並びにNi、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種または2種以上を合計で0.000〜10.000質量%を含有し、ここで、Ni及びFeの含有量はそれぞれ0.000〜3.000質量%であり、Coの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Tiの含有量は0.000〜2.000質量%であり、V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.000〜1.000質量%であり、Crの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Siの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Wの含有量は0.000〜1.000質量%であり、Snの含有量は0.000〜1.000質量%であり、Mgの含有量は0.000〜0.500質量%であり、Pの含有量は0.000〜0.500質量%であり、Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.000〜1.000質量%であり、Znの含有量は0.000〜5.000質量%であり、B、Cの含有量はそれぞれ0.000〜0.500質量%であり、Agの含有量は0.000〜2.000質量%であり、ミッシュメタルの含有量は0.000〜5.000質量%であり、残部がCuと不可避的不純物からなる組成を有するCu−Al−Mn系合金の素材を溶解・鋳造する工程と、
熱間加工する工程と、
400〜680℃で1〜120分の中間焼鈍と、加工率30%以上の冷間加工を少なくとも各1回以上この順に行う工程と、
室温から(α+β)相になる温度域400〜650℃まで加熱した後に該温度域に2〜120分保持し、(α+β)相になる温度域からβ単相になる温度域まで0.1〜20℃/分の昇温速度で加熱し該温度域に5〜480分保持して、その後、β単相になる温度域から(α+β)相になる温度域400〜650℃まで0.1〜20℃/分の降温速度で冷却し該温度域に20〜480分保持して、その後、(α+β)相になる温度域400〜650℃からβ単相になる温度域まで0.1〜20℃/分の昇温速度で加熱し該温度域に5〜480分保持した後に急冷してなり、
ここで、前記β単相になる温度域に保持する工程から、その後の、β単相になる温度域から(α+β)相になる温度域400〜650℃まで0.1〜20℃/分の降温速度で冷却し該温度域に20〜480分保持する工程を経て、さらに、(α+β)相になる温度域からβ単相になる温度域まで0.1〜20℃/分の昇温速度で加熱し該温度域に5〜480分保持する工程までを少なくとも4回以上繰返すことを特徴とするCu−Al−Mn系合金材の製造方法。
(4)Ni、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種または2種以上を合計で0.001〜10.000質量%を含有し、ここで、Ni及びFeの含有量はそれぞれ0.001〜3.000質量%であり、Coの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Tiの含有量は0.001〜2.000質量%であり、V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%であり、Crの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Siの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Wの含有量は0.001〜1.000質量%であり、Snの含有量は0.001〜1.000質量%であり、Mgの含有量は0.001〜0.500質量%であり、Pの含有量は0.010〜0.500質量%であり、Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%であり、Znの含有量は0.001〜5.000質量%であり、B、Cの含有量はそれぞれ0.001〜0.500質量%であり、Agの含有量は0.001〜2.000質量%であり、ミッシュメタルの含有量は0.001〜5.000質量%である、(3)項に記載のCu−Al−Mn系合金材の製造方法。
(5)(1)または(2)に記載のCu−Al−Mn系合金材からなるばね材。
(6)(1)または(2)に記載のCu−Al−Mn系合金材からなるダンパー。
(7)(1)または(2)に記載のCu−Al−Mn系合金材からなるブレース。
(8)(1)または(2)に記載のCu−Al−Mn系合金材からなるネジまたはボルト。
(9)引張と圧縮を繰り返す機構を利用した(1)または(2)に記載のCu−Al−Mn系合金材からなる部材。
ここで、繰返し変形を行った場合に破断するまでの回数とは、所定の歪み量での負荷と除荷を繰返して、破断するまで変形した場合のその繰返し回数のことをいう。本発明では、この回数が多いほど望ましい。本発明において、繰返し変形を行った場合に破断するまでの優れた回数とは、3%の歪みを与える応力の負荷と除荷を行なった場合に破断するまでの回数が10回以上であることをいう。さらに、この回数にバラつきがないことが好ましい。
ここで、バラつきがないとは、例えば、各製造条件について同等の試験片をN=5回測定した結果、歪みを与える応力の負荷と除荷を行なった場合に破断するまでの回数が全て10回以上(5000回で測定は終了)であれば特に優れており、全て10回以上(N=5の測定で、最低値が971回、最大値が5000回)であれば良好と判断できる。一方、5回の測定の内一部が10回以上で未破断であっても、ひとつでも10回未満で破断した場合は破断に到達する回数のバラツキがあって、劣るとみなされる。
Cu−Al−Mn系超弾性合金材は、超弾性特性が要求される種々の用途に用いることができ、例えば、携帯電話のアンテナやメガネフレームの他に、医療製品として歯列矯正ワイヤー、ガイドワイヤー、ステント、巻き爪矯正具(陥入爪矯正具)や外反母趾補装具、その他、コネクタ、アクチュエータへの適用が検討されている。中でも本発明のCu−Al−Mn系超弾性合金材は、繰返し変形を行った場合の耐破断性が高くて優れているため、振動に関する制振または減衰を目的とした部材、ノイズの抑制または減衰を目的とした部材、または自己復元(セルフセンタリング)を目的とした部材に好適である。特に耐繰返し変形特性が必要となる宇宙機器、航空機器、自動車部材、建築部材、電子部品、医療製品等の従来では困難であった分野でも使用が可能となった。例えば、振動についてはバスバーなどの制震材や建築材として好適なものである。また、この制震材や建築材を用いて、制震構造体等を構築することができる。さらに、上記のような振動を吸収する特性を利用して、騒音や振動の公害の防止が可能となる土木建築材としての利用も可能である。さらに、ノイズ減衰の効果を目的とした場合では輸送機器分野での適用もできる。いずれの場合も優れた自己復元力を兼ね備えるため、自己復元材としても使用できる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1は、本発明のCu−Al−Mn系合金棒材(線材)1の模式図であり、本発明で規定する前記合金材の加工方向(RD)に垂直な方向の粒長(a)と合金材の幅または直径(R)との関係、及びaを含む粒同士の境(粒界)(X)の個数を説明する模式図である。 図2は、本発明の製造方法における全工程を示すフローチャートである。各工程の名称をフローチャートと併せて示した。 図3は、本発明のCu−Al−Mn系合金材が奏する各物性値の定義を説明する模式図である。図3(a)は3%歪みに相当する応力の負荷と徐荷の繰返しで5000回変形させた場合のS−Sカーブの模式図である。図3(b)は3%歪みに相当する応力での引張と圧縮とを繰り返す試験を1000サイクル行った後の、1サイクル目が完了した時点(図中の実線)と1000サイクル目が完了した時点(図中の点線)での各々のS−Sカーブの模式図である。この1000サイクル目完了時の残留歪みを図中に示した。図3(c)は3%歪みに相当する応力での引張と圧縮とを繰り返す試験後の、1サイクル目が完了した時点(図中の実線)と100サイクル目が完了した時点(図中の点線)での各々のS−Sカーブの模式図である。この1サイクル目、100サイクル目完了時の各々の0.2%耐力に対する3%歪み負荷時の応力値を図中に示した。また、1サイクル目完了時の0.2%耐力(降伏応力)と比較して、100サイクル目完了時の0.2%耐力(降伏応力)の低下率を図中に示した。 ここで、負荷と徐荷の繰返しとは、応力の負荷と除荷を1回ずつ行って1サイクルとして、それらを繰り返す試験方法をいう。 図4は、本発明のCu−Al−Mn系合金材が奏する各物性値の定義を説明する模式図である。図4(a)は5%歪み負荷除荷を100サイクル繰り返す試験後の1サイクル目が完了した時点(図中の実線)と100サイクル目が完了した時点(図中の点線)での各々のS−Sカーブの模式図である。この1回目、100回目完了時の各々の残留歪みを図中に示した。図4(b)は5%歪み負荷除荷試験後のS−Sカーブの模式図である。0.2%耐力に対する5%歪み負荷時の応力値の「応力の差」を図中に示した。 図5は『JIS Z2241 金属材料引張試験方法』に記載されているJIS 14号試験片の形状と寸法の模式図である。本発明では、JIS 14号試験片形状に基づき試験片を作製し特性評価を実施した。 図6(a)は実施例1(工程No.aで製造)、図6(b)は比較例1(工程No.Aで製造)における製造工程を示すフローチャートである。各工程での加工及び熱処理、並びに繰り返し回数の条件を併せて示した。実施例1(工程No.a)では記憶熱処理における徐降温[工程5−5][13]と徐昇温[工程5−7][16]との繰返し数[19]が4回であったのに対して、比較例1(工程No.A)ではこの記憶熱処理において徐降温[工程5−5][13]と徐昇温[工程5−7][16]を繰返し数[19]は2回しか行っていない。また、実施例1(工程No.a)では[工程5−2][8]と[工程5−6][14]の温度が450℃であるのに対して、比較例1(工程No.A)では[工程5−2][8]と[工程5−6][14]の温度が300℃となっている。つまり、繰返し回数[19]と(α+β)相の保持温度[8]と[14]の点でも異なる。 図7は、後述の表5の実施例1(工程No.a)で得られる試料を3%歪に相当する引張と圧縮とを繰り返す試験で測定した場合に得られるS−S曲線の模式図である。図7は、実施例1について、左から順に、3%引張サイクル試験及び引張圧縮試験の1サイクル後、100サイクル後、及び1000サイクル後に得られるS−S曲線の模式図である。 ここで、「負荷と徐荷を繰り返す」と「引張と圧縮を繰り返す」は違う試験方法である。前述は応力の負荷(引張)と徐荷(圧縮はしない)を繰り返す試験方法であり、後述は引張負荷と圧縮負荷を繰り返す試験方法である。換言すると、「引張と圧縮を繰り返す」とは、『応力の引張方向の負荷と圧縮方向の負荷を1回ずつ行って1サイクルとして、それらを繰り返す試験方法』である。
本発明のCu−Al−Mn系合金材は、所定の中間焼鈍と冷間加工を経て、さらには記憶熱処理の最初のβ単相になる温度域までの加熱[工程5−3]前に実施する(α+β)相になる温度域400〜650℃での保持[工程5−2]によってα相析出量を固定された後に、β単相になる温度域から(α+β)相になる温度域400〜650℃までの特定の遅い降温速度での冷却[工程5−5]と(α+β)相になる温度域400〜650℃からβ単相になる温度域までの特定の遅い昇温速度での加熱[工程5−7]とを少なくとも4回以上繰返す記憶熱処理が行われる。これにより、加工方向に垂直な方向の結晶粒長aが合金材の幅あるいは直径Rに対して同等で、a=Rとなる結晶粒同士の粒界の個数をXとした場合のXの存在量の制御が可能となり、繰返し変形を与えても良好な超弾性と高い耐破断性とを奏する合金材となる。
なお、加工方向(RD、図1参照)とは、伸線加工であれば伸線方向を指し、圧延加工であれば圧延方向を指す。通常、板材等の圧延加工時の圧延方向をRD(Rolling Direction)と称するが、棒材等の伸線加工時の伸線方向も慣用的にRDとして表記することがある。従って、本明細書においてRDと言うときは、圧延方向および伸線方向を総称して、板材、棒材(線材)等の加工方向を意味するものとする。本発明では圧延方向もしくは伸線方向である加工方向に対して長尺形状を有するものとして特性評価を行った。
<Cu−Al−Mn系合金材の組成>
形状記憶特性及び超弾性を有する本発明の銅系合金は、Al及びMnを含有した合金である。この合金は、高温でβ相(体心立方)単相(本書では、単にβ単相ともいう)になり、低温でβ相とα相(面心立方)の2相組織(本書では、単に(α+β)相ともいう)になる。合金組成により異なるが、β単相となる高温は通常700℃以上であり、(α+β)相となる低温とは通常700℃未満である。
本発明のCu−Al−Mn系合金材は、3.0〜10.0質量%のAl、及び5.0〜20.0質量%のMnを含有し、残部Cuと不可避的不純物からなる組成を有する。Al元素の含有量が少なすぎるとβ単相を形成できず、また多すぎると合金材が脆くなる。Al元素の含有量はMn元素の含有量に応じて変化するが、好ましいAl元素の含有量は6.0〜10.0質量%である。Mn元素を含有することにより、β相の存在範囲が低Al側へ広がり、冷間加工性が著しく向上するので、成形加工が容易になる。Mn元素の添加量が少なすぎると満足な加工性が得られず、かつβ単相の領域を形成することができない。またMn元素の添加量が多すぎると、十分な形状回復特性が得られない。好ましいMnの含有量は8.0〜12.0質量%である。上記組成のCu−Al−Mn合金材は熱間加工性及び冷間加工性に富み、冷間で20%〜90%またはそれ以上の加工率が可能になり、棒(線)、板(条)の他に、従来は加工が困難であった極細線、箔、パイプ等にも成形加工することができる。
上記必須の添加成分元素以外に、本発明のCu−Al−Mn系合金材はさらに任意の副添加元素として、Ni、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタル(Pr、Ndなど)からなる群より選ばれた1種または2種以上を含有することができる。これらの元素は冷間加工性を維持したままCu−Al−Mn系合金材の強度を向上させる効果を発揮する。これらの添加元素の含有量は合計で0.001〜10.000質量%であるのが好ましく、特に0.001〜5.000質量%が好ましい。これら元素の含有量が多すぎるとマルテンサイト変態温度が低下し、β単相組織が不安定になる。
Ni、Co、Fe、Snは基地組織の強化に有効な元素である。CoはCo−Al金属間化合物の形成により結晶粒を粗大化するが、過剰になると合金の靭性を低下させる。Coの含有量は0.001〜2.000質量%である。Ni及びFeの含有量はそれぞれ0.001〜3.000質量%である。Snの含有量は0.001〜1.000質量%である。
Tiは阻害元素であるN及びOと結合し酸窒化物を形成する。またBとの複合添加によってボライドを形成し、強度を向上させる。Tiの含有量は0.001〜2.000質量%である。
V、Nb、Mo、Zrは硬さを高める効果を有し、耐摩耗性を向上させる。またこれらの元素はほとんど基地に固溶しないので、β相(bcc結晶)として析出し、強度を向上させる。V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%である。
Crは耐摩耗性及び耐食性を維持するのに有効な元素である。Crの含有量は0.001〜2.000質量%である。Siは耐食性を向上させる効果を有する。Siの含有量は0.001〜2.000質量%である。Wは基地にほとんど固溶しないので、析出強化の効果がある。Wの含有量は0.001〜1.000質量%である。
Mgは阻害元素であるN及びOを除去する効果があるとともに、阻害元素であるSを硫化物として固定し、熱間加工性や靭性の向上に効果がある。多量の添加は粒界偏析を招き、脆化の原因となる。Mgの含有量は0.001〜0.500質量%である。
Pは脱酸剤として作用し、靭性向上の効果を有する。Pの含有量は0.01〜0.50質量%である。Be、Sb、Cd、Asは基地組織を強化する効果を有する。Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%である。
Znは形状記憶処理温度を上昇させる効果を有する。Znの含有量は0.001〜5.000質量%である。B、Cは適量であればピン止め効果が得られより結晶粒が粗大化する効果がある。特にTi、Zrとの複合添加が好ましい。B、Cの含有量はそれぞれ0.001〜0.500質量%である。
Agは冷間加工性向上させる効果がある。Agの含有量は0.001〜2.000質量%である。ミッシュメタルは適量であればピン止め効果が得られるので、より結晶粒が粗大化する効果がある。ミッシュメタルの含有量は0.001〜5.000質量%である。なお、ミッシュメタルとは、LaやCe、Ndなど単体分離の難しい希土類元素の合金のことを指す。
<Cu−Al−Mn系合金材の金属組織>
本発明のCu−Al−Mn系合金材は、再結晶組織を有する。また、本発明のCu−Al−Mn系合金材は、実質的にβ単相からなる再結晶組織を有する。ここで「実質的にβ単相からなる再結晶組織を有する」とは、再結晶組織中でβ相の占める割合が通常90%以上、好ましくは95%以上であることをいう。
本発明の技術分野においては、Cu−Al−Mn系合金材を所定の結晶粒径に制御することが可能である点が本発明の技術的意義である。本発明によれば、安定して超弾性特性を示すだけでなく、変形回数が多数回(合金材に3%の歪みを与える応力の負荷と除荷を繰り返し行なった場合に破断するまでの回数が10回以上であること。以下、単に前記多数回という。)に及んでも破断に耐えることが可能となった。このように従来の手段からは予想できない顕著な効果が得られる。
なお、従来技術ではバンブー構造が求められていたが、大きい結晶粒のみ制御が可能であり、小さい結晶粒の制御ができなかった。そのため、数回の繰り返しサイクルでは良好な超弾性を示したが、前記多数回では残留歪みが多くなった。これは粒界に残留歪みが蓄積されるためである。そのため、小さい結晶粒を可能な限り少なくする試みが行われており、小さい結晶粒の存在量を制御することで、前記多数回の変形でも残留歪みを少なくすることが可能となっている。しかしながら、小さい結晶粒ではない所謂バンブー組織に値する大きい結晶粒が多く存在すると破断するまでの回数に制限が発生することが明らかとなった。つまり、小さい結晶粒の存在だけでなく、バンブー組織も、その存在量が多い程破断するまでの回数に著しく影響を及ぼし、繰返し変形をさせて場合は早期に破断してしまう。そこで、本発明ではXの存在量を1以下に制御し、これにより前記多数回の繰り返し後における残留歪を小さくすることと前記破断するまでの回数の向上の両立を可能にした。このように従来の手段からは予想できない顕著な効果が得られる。
バンブー構造(組織)について説明する。a=R(図1参照)となる結晶粒同士の粒界の個数をXとした場合、Xの存在量が多いと試験体に粒界が竹の節のように存在することになる。ここで、バンブー構造、バンブー組織とは、試験体の直径を貫いた粒界がいくつも存在している組織状態を、バンブー構造またはバンブー組織という。
<結晶粒径の定義とその制御>
本発明のCu−Al−Mn系銅合金中には、大きい結晶粒のみ存在する。例えば、棒材であれば、試料直径Rに対して加工方向(RD)に垂直な方向の結晶粒長aがR=aであり、前記結晶粒同士の粒界の個数をXとした場合、Xの存在量が1以下であり、好ましくは0である。なお板材の場合も同様に、試料直径Rに対して加工(圧延)方向(RD)に垂直な方向の結晶粒長aがR=aであり、前記結晶粒同士の粒界の個数をXとした場合、Xの存在量が1以下であり、好ましくは0である。ここで、結晶粒界Xの存在量の測定は、Cu−Al−Mn系合金材の長手方向の表面あるいは断面を4点以上任意で測定した場合の粒界の個数で判断することができる。本発明における結晶粒Xは、加工工程での付加的剪断応力や工具面摩擦の影響で実質的に中心部より加工度が高く、結晶粒が微細になりやすい、Cu−Al−Mn系合金材の表面において評価を行っても良い。あるいは、図5で示される試験片形状に加工後に平行部のXを測定しても良い。本発明では、確認後そのまま特性評価を行ったため図5の状態に加工をして評価を行った。
図5で示される試験片の形状および寸法は、以下のとおりとする。試験片の原標点距離L(mm)=5.66√S、平行部長さL(mm)=5.5d〜7d、肩部の半径R(mm)=15以上とする。
平行部が角形断面の場合はL=5.66d、また、六角断面の場合はL=5.26dとしてもよい。平行部の長さは、できる限りL=7dとする。試験片のつかみ部の径は、平行部の径と同一寸法としてもよい。この場合、つかみの間隔は、L≧8dとする。
<Cu−Al−Mn系合金材の製造方法>
本発明のCu−Al−Mn系合金材において、上記のような安定的に良好な超弾性特性を奏して耐繰返し変形特性に優れる超弾性合金材を得るための製造条件としては、下記のような製造工程を挙げることができる。代表的な製造プロセスの一例を図2に示した。また、好ましい製造プロセスの一例を図6(a)に示した。
なお、以下の説明において「(例えば、)」として示した各熱処理での処理温度と処理時間(保持時間)、及び冷間加工での加工率(累積加工率)は、それぞれ実施例1、工程No.aで用いた値を代表的に示したものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造工程全体の中で特に、中間焼鈍[工程3]での熱処理温度[3]を400〜680℃の範囲とし、冷間加工(具体的には冷間圧延もしくは冷間伸線)[工程4−1]での冷間圧延率もしくは冷間伸線の加工率[5]を30%以上の範囲とすることにより、安定的に良好な超弾性特性を奏するCu−Al−Mn系合金材が得られる。これに加えて、記憶熱処理[工程5−1]〜[工程5−10]において、(α+β)相になる温度域[8]と[14](合金組成により異なるが400〜650℃、好ましくは450℃〜550℃)からβ単相になる温度域[11]と[17](合金組成により異なるが通常700℃以上、好ましくは750℃以上、さらに好ましくは900℃〜950℃)までの加熱[工程5−3]と[工程5−7]での昇温速度[10]と[16]とを、いずれも0.1〜20℃/分という所定の遅い範囲に制御する。これに加えて、β単相になる温度域[11]から(α+β)相になる温度域[14]までの冷却[工程5−5]での降温速度[13]を、0.1〜20℃/分という所定の遅い範囲に制御する。さらに、前記(α+β)相になる温度域[8]からβ単相になる温度域[11]までの加熱[工程5−3]の後で、β単相になる温度域[11]での所定時間[12]の保持[工程5−4]から、その後の、β単相になる温度域[11]から(α+β)相になる温度域[14]まで0.1〜20℃/分の降温速度[13]で冷却[工程5−5]し、該温度域[14]に所定時間[15]保持[工程5−6]を経て、さらに、(α+β)相になる温度域[14]からβ単相になる温度域[17]まで0.1〜20℃/分の昇温速度[16]で加熱[工程5−7]し、さらに該温度域[17]に所定時間[18]保持[工程5−8]するまでの、[工程5−4]から[工程5−8]までを少なくとも4回繰り返して行う([工程5−9])。この後、最後に急冷[工程5−10]する。
さらに、これらの降温[工程5−5]と昇温[工程5−7]を含めて[工程5−4]から[工程5−8]までを少なくとも4回繰り返す[工程5−9]前には、(α+β)相になる温度域[8]へ昇温速度[7]で加熱[工程5−1]した後、この温度域[8]で一定の保持時間[9]保持[工程5−2]することが好ましい。このように、一旦(α+β)相になる温度域[8]に保持[工程5−2]した後にβ単相になる温度域[11]に昇温[工程5−3]することによって、α相の析出量やサイズが一定に小さく保たれるため、記憶熱処理の最後に急冷[工程5−10]によって結晶粒粗大化処理を行う場合に結晶粒が大きくなる効果が得られやすくなる。
そのため、まずα+β相になる温度域[8]まで昇温[工程5−1]し、その後、この(α+β)相になる温度域[8](例えば、450℃)で2〜120分[9]保持する[工程5−2]。前記熱処理[工程5−1]で加熱する際には、(α+β)相になる温度域[8]に昇温により到達すれば良いので、この[工程5−1]での昇温速度[7]には特に制限はなく、本発明における徐昇温とする必要はない。この昇温速度[7]は、例えば、30℃/分とすることができるが、もっと早くても逆に遅くてもよい。前記保持[工程5−2]においては、(α+β)相になる温度域[8]での保持時間[9]は、好ましくは10〜120分である。また、α相の析出量の固定は[工程5−2]で行う。[工程5−2]でα相の析出量を制御できるため、[工程5−1]の昇温速度は規定しなくても問題がない。このため、[工程5−1]の昇温速度を速い速度で行うことができて、製造にかかる全体の時間を短縮することができる。これは本発明の製造方法におけるメリットの1つである。
その後、(α+β)相になる温度域[8](例えば、450℃)からβ単相になる温度域[11](例えば、900℃)まで昇温速度[10]で昇温[工程5−3]し、この温度域[11]で所定時間[12]保持[工程5−4]する。その後、(α+β)相になる温度域[14]まで降温速度[13]で降温[工程5−5]し、この温度域[14]で所定時間[15]保持[工程5−6]し、再度上記と同様に昇温(2回目以降の昇温[工程5−7]では昇温速度[16])する。この[工程5−4]から[工程5−8]までを合計で4回以上[19]繰り返す[工程5−9]。その後、最後に急冷[工程5−10]して溶体化処理を施す。このような全体工程とすることが好ましい。
ここで、前記記憶熱処理における昇温速度[10]と[16]と降温速度[13]とを遅くする(本書では、これを徐昇温、徐降温ともいう)とともに、前記降温[工程5−5]と昇温[工程5−7]を4回以上繰り返すことで、所望の良好な超弾性を繰返し変形後であっても得ることができ、さらに耐破断性が向上する。昇温速度[10]と[16]及び降温速度[13]は、いずれも0.1〜20℃/分であり、好ましくは0.1〜10℃/分であり、より好ましくは0.1〜3.3℃/分である。また、記憶熱処理に関しては、前記少なくとも4回以上繰り返して行う徐降温[工程5−5]と徐昇温[工程5−7]の内の最後の加熱処理(図示した例では図中で一番右側の[工程5−7][16])後に、急冷[工程5−10](いわゆる、焼き入れ)によって溶体化処理を施す。この急冷は、例えば、β単相での保持加熱[工程5−8]までの記憶熱処理に付したCu−Al−Mn系合金材を冷却水中に投入する水冷によって行うことができる。
好ましくは、次のような製造工程が挙げられる。
常法によって溶解・鋳造[工程1]と熱間圧延または熱間鍛造の熱間加工[工程2]を行った後、400〜680℃[3]で1〜120分[4]の中間焼鈍[工程3]と、その後に、加工率30%以上[5]の冷間圧延または冷間伸線の冷間加工[工程4−1]とを行う。ここで、中間焼鈍[工程3]と冷間加工[工程4−1]とはこの順で1回ずつ行ってもよく、この順で2回以上の繰り返し回数[6]で繰り返して[工程4−2]行ってもよい。その後、記憶熱処理[工程5−1]〜[工程5−10]を行う。
前記記憶熱処理[工程5−1]〜[工程5−10]は、(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[8]からβ単相になる温度域(例えば、900℃)[11]までを0.1〜20℃/分、好ましくは0.1〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜3.3℃/分の昇温速度[10]で加熱[工程5−3]して、該加熱温度[11]に5分〜480分、好ましくは10〜360分[12]保持[工程5−4]してなり、さらにβ単相になる温度域(例えば、900℃)[11]から(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[14]までを0.1〜20℃/分、好ましくは0.1〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜3.3℃/分の降温速度[13]で冷却[工程5−5]して、該温度[14]に20〜480分、好ましくは30〜360分[15]保持[工程5−6]する。その後、再び(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[14]からβ単相になる温度域(例えば、900℃)[17]まで上記徐昇温の昇温速度[16]で加熱[工程5−7]して、該温度[17]に5分〜480分、好ましくは10〜360分[18]保持[工程5−8]する。このような徐降温[13][工程5−5]と徐昇温[16][工程5−7]を繰り返す[工程5−9]ことを少なくとも4回の繰り返し回数[19]で行う。その後、急冷[工程5−10]、例えば水冷の各工程を有してなる。
α+β単相になる温度域でかつ本発明で定める温度域は400〜650℃、好ましくは450〜550℃とする。
β単相になる温度域は700℃以上、好ましくは750℃以上、さらに好ましくは900〜950℃とする。
前記記憶熱処理[工程5−1]〜[工程5−10]の後には、100〜200℃[21]で5〜120分[22]の時効熱処理[工程6]を施すことが好ましい。時効温度[21]が低すぎるとβ相は不安定であり、室温に放置しているとマルテンサイト変態温度が変化することがある。逆に時効温度[21]がやや高いとベイナイト(金属組織)、高すぎるとα相の析出が起こる。特にα相の析出は形状記憶特性や超弾性を著しく低下させる傾向がある。
中間焼鈍[工程3]と冷間加工[工程4−1]を繰り返し行う[工程4−2]ことで、結晶方位をより好ましく集積させることができる。中間焼鈍[工程3]と冷間加工[工程4−1]の繰り返し数[6]は、1回でも良いが、好ましくは2回以上、さらに好ましくは3回以上である。前記中間焼鈍[工程3]と前記加工[工程4−1]の繰り返し回数[6]が多いほど特性が向上するためである。
(各工程の好ましい条件)
中間焼鈍[工程3]は、400〜680℃[3]で1分〜120分[4]とする。この中間焼鈍温度[3]はより低い温度とすることが好ましく、好ましくは400〜550℃とする。
冷間加工[工程4−1]は加工率30%以上[5]とする。ここで、加工率は次の式で定義される値である。
加工率(%)={(A−A)/A}×100
は冷間加工(冷間圧延もしくは冷間伸線)前の試料の断面積であり、Aは冷間加工後の試料の断面積である。
この中間焼鈍[工程3]と冷間加工[工程4−1]とを2回以上繰り返し行う場合の累積加工率([6])は30%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは45%以上である。累積加工率の上限値には特に制限はないが、通常95%以下である。
前記記憶熱処理[工程5−1]〜[工程5−10]においては、まず[工程5−1]では、前記冷間加工後に室温から昇温速度[7](例えば、30℃/分)で(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[8]まで昇温する。その後、(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[8]で2〜120分、好ましくは10〜120分[9]保持[工程5−2]する。その後、(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[8]からβ単相になる温度域(例えば、900℃)[11]まで加熱[工程5−3]する際には、昇温速度[10]を前記徐昇温の0.1〜20℃/分、好ましくは0.1〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜3.3℃/分とする。その後、この温度域[11]に5〜480分、好ましくは10〜360分[12]保持[工程5−4]する。その後、β単相になる温度域(例えば、900℃)[11]から(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[14]まで0.1〜20℃/分、好ましくは0.1〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜3.3℃/分の降温速度[13]で冷却[工程5−5]し、この温度域[14]で20〜480分、好ましくは30〜360分[15]保持[工程5−6]する。その後、再び(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[14]からβ単相になる温度域(例えば、900℃)[17]まで前記徐昇温の昇温速度[16]で加熱[工程5−7]し、この温度域[17]に5〜480分、好ましくは10〜360分[18]保持[工程5−8]する。このような[工程5−4]〜[工程5−8](条件[11]〜[18])を繰り返し[工程5−9]少なくとも4回[19]行う。
急冷[工程5−10]時の冷却速度[20]は、通常30℃/秒以上、好ましくは100℃/秒以上、さらに好ましくは1000℃/秒以上とする。
最後の任意の時効熱処理[工程6]は、通常100〜200℃[21]で5〜120分[22]、好ましくは120〜200℃[21]で5〜120分[22]行う。
<物性>
本発明の超弾性Cu−Al−Mn系合金材は、以下の物性(特性)を有する。
本発明のCu−Al―Mn系合金材は3%歪量に相当する応力の負荷と徐荷を繰り返す変形(例えば、図3(a)参照)を行った場合においては、10回以上の繰返し変形に耐えることができる。好ましく10回以上(ただし繰返し変形回数は5000回で試験終了とする。)破断するまで繰返し変形に耐えることができる。
上記の特性に加えて、本発明のCu−Al―Mn系合金材は、従来で目標とされている特性(下記の残留歪み量)も達成することが確認されている。例えば、5%ひずみ量に相当する応力の負荷と除荷を100回繰返す繰返し変形(例えば、図4(a)参照)において、残留する歪み量が2%以下である。この残留歪み量は、好ましくは1.5%以下である。この残留歪み量の下限値には特に制限はないが、通常0.1%以上である。
さらに、0.2%耐力の応力値と5%の歪みを負荷した場合に示す応力値の差を応力の差(例えば、図4(b)参照)とした場合、その差が50MPa以下であることが好ましい。この応力の差は、さらに好ましくは30MPa以下である。この応力の差の下限値には特に制限はないが、通常0.1MPa以上である。この応力の差は、形状記憶合金の応力−歪み曲線において歪みの増加に対して応力がほぼ一定値を示す領域(プラトー領域)の変化量を示している。この応力の差を所定の範囲内に小さくすると、大きな力を受けた場合でも歪みの割には一定の力しか伝達されないため、例えば建築材として使用した場合、建築物への影響を小さくすることができる。またこの応力の差が小さいと、母相とマルテンサイト相との変態・逆変態が容易であるため繰返しの変形や振動に耐えられる良好な超弾性を示す。
また、本発明のCu−Al―Mn系合金材は通常の応力の負荷と除荷を繰り返す変形とは異なり、引張と圧縮を繰り返す評価で3%ひずみ量に相当する応力の引張と圧縮を1000回繰返す繰返し変形(例えば、図3(b)参照)において、残留する歪み量が1%未満である。この残留歪み量の下限値には特に制限はないが、通常0.1%以上である。
このように通常の応力の負荷と除荷を繰り返す変形とは異なり、引張と圧縮を繰り返す評価では、本合金の特性の安定性は素晴しく、3%ひずみ量に相当する応力の引張と圧縮を100サイクル変形させる場合では残留歪みだけではなく降伏応力の低下率(例えば、図3(c)参照)の抑制にも効果があることが確認された。この低下率は元の降伏応力と比較して50%未満が好ましいが、さらに好ましくは30%未満である。
上記の通り本発明材は引張と圧縮を繰り返すことで、その効果がより一層著しいものとなる。本発明では、各試料片に3%ひずみ量に相当する応力の引張と圧縮を1000回繰返す繰返し変形と、従来の測定方法である歪み量3%に相当する応力の負荷と徐荷を1000回繰り返す評価を行い、それぞれ特性の変化を確認した。その結果、残留する歪み量については1000回後の値を比較するとその差が顕著であり、降伏応力の低下率については100回後の値を比較するとその差が顕著であることを見出した。そのため、本発明ではそれぞれの特性について繰返し変形1000回後と100回後の値を比較することとした。
<超弾性Cu−Al−Mn系合金材のサイズと形状>
本発明のCu−Al−Mn系合金材は、加工方向(RD)に対して伸長された形状体である。先述の通り、加工方向(RD)とは、合金材が板材であれば圧延加工の圧延方向であるし、棒材であれば伸線加工の伸線方向である。本発明の合金材は加工方向(RD)に対して伸長しているが、必ずしも合金材の長手方向と加工方向とが一致している必要はない。長尺状体である本発明のCu−Al−Mn系合金材を切断・曲げ加工等した場合は、合金材のもともとの加工方向がどの向きであったのかを考慮して、本発明に含まれるものであるか否かを判断する。なお、本発明のCu−Al−Mn系合金材の具体的な形状には特に制限はなく、例えば棒(線)、板(条)など種々の形状とすることができる。これらのサイズにも特に制限はないが、例えば、棒材であれば直径0.1〜50mmあるいは用途によっては直径8〜16mmのサイズと、それぞれすることができる。また、板材であれば、その厚さが1mm以上、例えば1〜15mmであってもよい。本発明の上記製造方法において、伸線加工に代えて圧延加工を行うことで、板材(条材)を得ることができる。ここで、長さについては400mm以上のものでX=0が製造可能であることを確認している。ただし、本発明では図5JIS 14号試験片形状に基づいてd=10(mm)、L=70(mm)の試験におけるXの存在量を評価した。
また、本発明の棒材は、丸棒(丸線)に限らず、角棒(角線)や平角棒(平角線)の形状であってもよい。ここで、角棒(角線)を得るには、上記方法によって予め得た丸棒(丸線)に、常法に従って、例えば、加工機による冷間加工、カセットローラーダイスによる冷間加工、プレス、引抜加工等の平角線加工を施せばよい。また、平角線加工において得られる断面形状を適宜調整すれば、断面形状が正方形である角棒(角線)と断面形状が長方形である平角棒(平角線)を作り分けることができる。さらに、本発明の棒材(線材)は、中空状で管壁を有する管などの形状であってもよい。
<制震材・建築材>
本発明のCu−Al−Mn系合金材は振動に関する制振・減衰を目的とした部材や、ノイズの抑制または減衰を目的とした部材、自己復元(セルフセンタリング)を目的とした部材に好適に用いることができる。これらの部材は、前記棒材や板材から構成されてなるものである。制震材や建築材の例としては、特に制限されるものではないが、例えば、ブレース、ファスナー、アンカーボルトなどを挙げることができる。さらに、特に耐繰返し変形特性が必要となる宇宙機器、航空機器、自動車部材、建築部材、電子部品、医療製品等従来では困難であった分野でも使用が可能となった。振動を吸収する特性を利用して、騒音や振動の公害の防止が可能となる土木建築材としての利用も可能である。さらに、ノイズ減衰の効果を目的とした場合では輸送機器分野での適用もできる。いずれの場合も優れた自己復元力を兼ね備えるため、自己復元材としても使用できる。
<制震構造体>
本発明のCu−Al−Mn系合金材は制震構造体として好適に用いることができる。この制震構造体は、前記制震材から構築されてなるものである。制震構造体の例としては、特に制限されるものではなく、前記のブレース、ファスナー、アンカーボルトなどを用いて構成された構造体であればいかなる構造体であってもよい。
<土木建築材>
本発明のCu−Al−Mn系合金材は騒音や振動の公害の防止が可能となる土木建築材としての利用も可能である。例えば、コンクリートと共に複合材料を形成して使用することができる。
<その他>
本発明のCu−Al−Mn系合金材は宇宙機器や航空機、自動車などの振動吸収部材、自己復元材として使用も可能である。ノイズ減衰の効果を目的とした輸送機器分野への適用もできる。
以下に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
(実施例1〜43、比較例1〜41)
棒材(線材)のサンプル(供試材)は以下の条件で作製した。
表1に示す組成を与えるCu−Al−Mn系合金の素材として、純銅、純Mn、純Al、及び必要により他の副添加元素の原料を高周波誘導炉で溶解した。溶製したCu−Al−Mn系合金を冷却し、外径80mm×長さ300mmの鋳塊(インゴット)を得た。得られた鋳塊を800℃で熱間押出した後、本発明の実施例1では表2に示した工程No.a(図6(a)にフローチャートを示した。)、比較例1では表2に示した工程No.A(図6(b)にフローチャートを示した。)にそれぞれ示した加工プロセスに従ってJIS14号試験片の棒材を作製した。これら以外の各々の実施例と比較例は、表2に示した各加工プロセスに変更した以外は前記実施例1および比較例1と同様にして調製した。
なお、表2と他に後述の表3、表4−1、表4−2、表5に示した各加工プロセスにおける各工程は、図2および図6(a)と図6(b)に示した括弧付の番号([工程#])に対応し、合金組成は表1の番号に対応する。また、表2に示した以外の各種製造条件(括弧付の番号([#]))は以下の通りであり、表2、表3で特に記載がないものについては全ての実施例と比較例で同一条件とした。
[1]の溶解・鋳造条件は、前記のとおり大気溶解後に所定のサイズの鋳型で冷却して鋳造した。
[2]の熱間加工温度は800℃とした。
[3]の中間焼鈍温度は550℃とした。
[4]の中間焼鈍時間は100分とした。
[5]の冷間加工率は30%とした。
[6]の[3]〜[5]の繰返し回数は3回、累積冷間加工率は65%とした。
[7]の室温から(α+β)相となる温度域への昇温速度は30℃/分とした。
[8]の(α+β)相となる温度域での保持温度は450℃とした。
[9]の(α+β)相となる温度域での保持時間は60分とした。
[11]のβ単相となる温度域での保持温度は900℃とした。
[12]のβ単相となる温度域での保持時間は120分とした。
[14]の(α+β)相となる温度域での保持温度は450℃とした。
[15]の(α+β)相となる温度域での保持時間は60分とした。
[16]の(α+β)相となる温度域からβ単相となる温度域への昇温速度は[10]と同一とした。
[17]のβ単相となる温度域での保持温度は900℃とした。
[18]のβ単相となる温度域での保持時間は120分とした。
[20]のβ単相となる温度域からの急冷速度は50℃/秒とした。
[21]の時効温度は150℃とした。
[22]の時効時間は20分とした。
超弾性特性の評価は、引張試験による応力の負荷と除荷を繰返し5000回または、応力引張方向に印加−圧縮方向に印加を1000回行って、応力−歪曲線(S−Sカーブ)を求め、残留歪みや降伏応力の低下率、破断するまでの回数を求めて評価した。引張試験は、1つの供試材から5本(N=5)の試験片を切り出して試験した。以下の試験結果で、残留ひずみは5本の平均値である。
表3、表4−1、表4−2、表5に本発明の実施例、比較例の試験及び評価の結果を、合金材料の種類(表1参照)と加工プロセス条件(表2、表3参照)と併せてまとめて示す。
以下に各試験及び評価の方法について詳述する。
a.再結晶組織の結晶粒径
後述の超弾性の耐繰返し変形特性の評価のための引張試験の前に、試験片の表面を塩化第二鉄水溶液でエッチングし、結晶粒径を確認した。確認する試験片の全長は特に定めないが、後述する引張試験の標点距離と同等以上の長さが必要と考えられる。そのため本発明では、L=70mmの部分について確認を行った。結晶粒径の測定方法の模式図は図1に示したとおりである。本発明においては、加工方向(長尺方向)に垂直な方向の結晶粒長aが前記合金材の幅または直径Rに対して同等で、a=Rであることが必要である。このようにa=Rとなる結晶粒同士の粒界の個数をXとした場合、Xの存在量についてカウントし、Xがいくつとなったかを測定、評価した。
b.耐繰返し変形特性[5%歪み負荷除荷−100サイクル後の残留歪み]
5%の歪みを与える応力の負荷と除荷を繰返し行って、応力−歪曲線(S−Sカーブ)を求め、1サイクル後の残留歪から100サイクル後の残留歪まで求めた(図4(a)参照)。
各供試材から20個の試験片を切り出して試験に供した。5%歪み負荷除荷−100サイクル後の残留歪みを応力−歪曲線(S−Sカーブ)から求めた。各表中には、100サイクル後の残留ひずみを「サイクル後残留歪み」として示した。
試験条件は、標点距離70mmで、歪量5%を得る応力の負荷と除荷とを交互に繰り返す引張試験を、試験速度5%/分で100回行った。以下の基準で評価した。
残留歪が1.5%以下であった場合を超弾性特性が優れるとして「◎」、残留歪が1.5%を越えかつ2.0%以下であった場合を超弾性特性が良好であるとして「○」、残留歪が2.0%を超えて大きかった場合を超弾性特性が不合格であったとして「×」と判断し、各表に示した。
c.5%歪みと0.2%歪みにおける応力の差
5%の歪みを与える応力の負荷と除荷を行って、応力−歪曲線(S−Sカーブ)から0.2%耐力の応力値と5%の歪みを負荷した場合に示す応力値の差を「応力の差」として求めた(図4(b)参照)。上記の「応力の差」は、例えば加工が不十分となった場合などに、適正に制御できなくなると、この「応力の差」が発生する。この応力の差は、例えば建築材として使用する場合、建物に伝達する応力の値は小さい方が望まれるため、応力の差が小さいほど優れた特性であると言える。そのため、上記方法で「応力の差」を計測した場合、30MPa以下のものを優れるとして「◎」、30MPaを超えて50MPa以下のもの良好として「○」、50MPaを超えるものを劣るとして「×」と判断し、各表に示した。
d.3%歪み引張サイクル試験5000回
3%の歪みを与える応力の負荷と除荷を行って、破断するまでの回数を求めた(図3(a)参照)。破断するまでの回数が多ければ多いほど繰返し変形に耐えられるため、建物の崩壊や部材の破壊を抑制できると言える。そのため、上記方法同様の製造条件で作製したもの5本について「破断までの繰返し耐久回数」を計測した場合、全てが10回以上であって測定上限の5000回であったものを優れるとして「◎」、全てが10回以上、但し、最低回数が900回以上のものを良好として「○」、10回未満または最低回数が10〜10回までバラツキが大きく制御ができないものを劣るとして「×」と判断し、各表に示した。
e.3%引張サイクル試験及び引張圧縮試験1000サイクル後残留歪み
3%の歪みを与える応力の負荷除荷試験もしくは引張負荷と圧縮負荷の繰返し変形を行って、応力−歪曲線(S−Sカーブ)から1000サイクル後の残留歪みを求めた(図3(b)参照)。上記の「1000サイクル後残留歪み」は、残留歪みが小さい程、自己復元能力に優れており元の形状に戻りやすいと言える。そのため、上記方法で「1000回後の残留歪み」を計測した場合、1.0%未満のものを優れるとして「◎」、1.0%以上2.0%未満ものを良好として「○」、2.0%を超えるものを劣るとして「×」と判断し、各表に示した。
なお、引張圧縮試験の場合はこの残留歪み量が引張側と圧縮側で異なる場合が多い。これは、初期の中心軸がずれている場合と考えられる。従って、引張側の残留歪みaと圧縮側の残留歪みa´を引いて2で割った値の平均値を残留歪みとした(図3(b)参照)。
f.3%引張サイクル試験及び引張圧縮試験100サイクル後降伏応力の低下率
3%の歪みを与える応力の負荷除荷試験もしくは引張負荷と圧縮負荷の繰返し変形を行って、応力−歪曲線(S−Sカーブ)から1回目の0.2%耐力の応力値と100回目の0.2%耐力の応力値を求め、繰返し変形による降伏応力の低下率を求めた(図3(c)参照)。上記の「降伏応力の低下率」は自己復元能力の特性の安定性を示す指標のひとつとなる。低下率は小さい方が望まれるため、小さいほど優れた特性であると言える。そのため、上記方法で「降伏応力の低下率」を計測した場合、10%以下のものを優れるとして「◎」、10%を越え50%以下のもの良好として「○」、50%を越えるものを劣るとして「×」と判断し、各表に示した。なお、降伏応力の低下率(%)は1回目の応力‐歪曲線から求められる0.2%耐力の応力値と100回目の0.2%耐力の応力値の差を、1回目の応力‐歪曲線から求められる0.2%耐力の応力値で割った値×100で求めることができる(図3(c)参照)。
g.5%引張サイクル試験
5%の歪みを与える応力の負荷除荷試験を行って、応力−歪曲線(S−Sカーブ)から1回目の0.2%耐値と5%歪を与えた応力値を求め、この差を「応力の差」として求めた(図4(b)参照)。上記の「応力の差」が小さいことは本合金の応力−歪み曲線において歪みの増加に対して応力がほぼ一定値を示す領域(プラトー領域)の変化量が小さいということを示している。すなわち、超弾性合金における自己復元能力の特性の安定性を示す指標の1つとなる。プラトー領域の傾きは小さい方が望まれるため、小さいほど優れた特性であるといえる。そのため、上記方法で「応力の差」を計測した場合、30%以下のものを優れるとして「◎」、30%を越え50%以下のもの良好として「○」、50%を越えるものを劣るとして「×」と判断し、各表に示した。
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以上に示した結果から明らかとなり、実施例1〜43は、本発明で規定する結晶粒径を満たすことにより繰返し変形を行った場合の耐破断性に優れる。さらに、本合金の使用条件の見直しによって、通常の負荷除荷方法よりも、引張負荷と圧縮負荷を繰り返す使用方法では特性の向上が著しく向上することが確認され、1000サイクル後での残留歪みが低下し、100サイクル後での降伏応力の劣化を防ぐことが可能であることを確認できた。
一方、各比較例は、いずれかの特性に劣った結果となった。
この内、表3に示した比較例1〜17は本発明で規定する結晶粒径を満たすことができず、劣っていた。
また、表4−2に示した比較例18〜41は、いずれも本発明で規定する所定の合金組成を満たさないか、あるいは、本発明で規定する製造条件を満たさないために、それぞれ製造自体が不可能であったかあるいは、本発明の奏する超弾性の耐繰返し変形特性(5%歪みに相当する応力の負荷と徐荷を100サイクル繰り返した後の残留歪み)に劣っていた。
また、試験結果の記載は省略するが、表1に記載した以外の本発明の好ましい合金組成としたCu−Al−Mn系合金材の場合や、棒材(線材)に代えて板材(条材)とした場合にも、前記の実施例と同様の結果が得られた。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
1 本発明のCu−Al−Mn系合金棒材(線材)
a 加工方向に垂直な方向の結晶粒長
X 結晶粒界
R 合金材の幅あるいは棒材(線材)の直径
RD 合金材の加工方向(棒材(線材)の伸線方向)

Claims (9)

  1. 3.0〜10.0質量%のAl、5.0〜20.0質量%のMn、並びにNi、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種または2種以上を合計で0.000〜10.000質量%を含有し、ここで、Ni及びFeの含有量はそれぞれ0.000〜3.000質量%であり、Coの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Tiの含有量は0.000〜2.000質量%であり、V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.000〜1.000質量%であり、Crの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Siの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Wの含有量は0.000〜1.000質量%であり、Snの含有量は0.000〜1.000質量%であり、Mgの含有量は0.000〜0.500質量%であり、Pの含有量は0.000〜0.500質量%であり、Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.000〜1.000質量%であり、Znの含有量は0.000〜5.000質量%であり、B、Cの含有量はそれぞれ0.000〜0.500質量%であり、Agの含有量は0.000〜2.000質量%であり、ミッシュメタルの含有量は0.000〜5.000質量%であり、残部がCuと不可避的不純物からなる組成を有するCu−Al−Mn系合金材であって、
    前記合金材は、圧延方向もしくは伸線方向である加工方向に対して長尺形状を有する合金材であり、
    前記合金材の前記加工方向に垂直な方向の結晶粒長aが前記合金材の幅あるいは直径Rに対して同等で、a=Rとなる結晶粒同士の粒界の個数をXとした場合、Xの存在量が1以下であり、
    前記合金材に3%の歪みを与える応力の負荷と除荷を繰り返し行なった場合に破断するまでの回数が10回以上であることを特徴とするCu−Al−Mn系合金材。
  2. Ni、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種または2種以上を合計で0.001〜10.000質量%含有し、ここで、Ni及びFeの含有量はそれぞれ0.001〜3.000質量%であり、Coの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Tiの含有量は0.001〜2.000質量%であり、V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%であり、Crの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Siの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Wの含有量は0.001〜1.000質量%であり、Snの含有量は0.001〜1.000質量%であり、Mgの含有量は0.001〜0.500質量%であり、Pの含有量は0.010〜0.500質量%であり、Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%であり、Znの含有量は0.001〜5.000質量%であり、B、Cの含有量はそれぞれ0.001〜0.500質量%であり、Agの含有量は0.001〜2.000質量%であり、ミッシュメタルの含有量は0.001〜5.000質量%である、請求項1に記載のCu−Al−Mn系合金材。
  3. 3.0〜10.0質量%のAl、5.0〜20.0質量%のMn、並びにNi、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種または2種以上を合計で0.000〜10.000質量%を含有し、ここで、Ni及びFeの含有量はそれぞれ0.000〜3.000質量%であり、Coの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Tiの含有量は0.000〜2.000質量%であり、V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.000〜1.000質量%であり、Crの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Siの含有量は0.000〜2.000質量%であり、Wの含有量は0.000〜1.000質量%であり、Snの含有量は0.000〜1.000質量%であり、Mgの含有量は0.000〜0.500質量%であり、Pの含有量は0.000〜0.500質量%であり、Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.000〜1.000質量%であり、Znの含有量は0.000〜5.000質量%であり、B、Cの含有量はそれぞれ0.000〜0.500質量%であり、Agの含有量は0.000〜2.000質量%であり、ミッシュメタルの含有量は0.000〜5.000質量%であり、残部がCuと不可避的不純物からなる組成を有するCu−Al−Mn系合金の素材を溶解・鋳造する工程と、
    熱間加工する工程と、
    400〜680℃で1〜120分の中間焼鈍と、加工率30%以上の冷間加工を少なくとも各1回以上この順に行う工程と、
    室温から(α+β)相になる温度域400〜650℃まで加熱した後に該温度域に2〜120分保持し、(α+β)相になる温度域からβ単相になる温度域まで0.1〜20℃/分の昇温速度で加熱し該温度域に5〜480分保持して、その後、β単相になる温度域から(α+β)相になる温度域400〜650℃まで0.1〜20℃/分の降温速度で冷却し該温度域に20〜480分保持して、その後、(α+β)相になる温度域400〜650℃からβ単相になる温度域まで0.1〜20℃/分の昇温速度で加熱し該温度域に5〜480分保持した後に急冷してなり、
    ここで、前記β単相になる温度域に保持する工程から、その後の、β単相になる温度域から(α+β)相になる温度域400〜650℃まで0.1〜20℃/分の降温速度で冷却し該温度域に20〜480分保持する工程を経て、さらに、(α+β)相になる温度域からβ単相になる温度域まで0.1〜20℃/分の昇温速度で加熱し該温度域に5〜480分保持する工程までを少なくとも4回以上繰返すことを特徴とするCu−Al−Mn系合金材の製造方法。
  4. Ni、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種または2種以上を合計で0.001〜10.000質量%を含有し、ここで、Ni及びFeの含有量はそれぞれ0.001〜3.000質量%であり、Coの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Tiの含有量は0.001〜2.000質量%であり、V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%であり、Crの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Siの含有量は0.001〜2.000質量%であり、Wの含有量は0.001〜1.000質量%であり、Snの含有量は0.001〜1.000質量%であり、Mgの含有量は0.001〜0.500質量%であり、Pの含有量は0.010〜0.500質量%であり、Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%であり、Znの含有量は0.001〜5.000質量%であり、B、Cの含有量はそれぞれ0.001〜0.500質量%であり、Agの含有量は0.001〜2.000質量%であり、ミッシュメタルの含有量は0.001〜5.000質量%である、請求項3に記載のCu−Al−Mn系合金材の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載のCu−Al−Mn系合金材からなるばね材。
  6. 請求項1または2に記載のCu−Al−Mn系合金材からなるダンパー。
  7. 請求項1または2に記載のCu−Al−Mn系合金材からなるブレース。
  8. 請求項1または2に記載のCu−Al−Mn系合金材からなるネジまたはボルト。
  9. 引張と圧縮を繰り返す機構を利用した請求項1または2に記載のCu−Al−Mn系合金材からなる部材。
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