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JP2017038185A - 平面スピーカ - Google Patents

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JP2017038185A
JP2017038185A JP2015157767A JP2015157767A JP2017038185A JP 2017038185 A JP2017038185 A JP 2017038185A JP 2015157767 A JP2015157767 A JP 2015157767A JP 2015157767 A JP2015157767 A JP 2015157767A JP 2017038185 A JP2017038185 A JP 2017038185A
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杉本 龍太郎
Ryutaro Sugimoto
龍太郎 杉本
吉永 憲市
Kenichi Yoshinaga
憲市 吉永
野呂 正夫
Masao Noro
正夫 野呂
宗一 瀧川
Soichi Takigawa
宗一 瀧川
新井 明
Akira Arai
明 新井
常典 佐野
Tsunenori Sano
常典 佐野
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Yamaha Corp
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Abstract

【課題】板厚方向に振動する振動板を備える平面スピーカにおいて、振動板の分割振動を効果的に抑制できるようにする。
【解決手段】平板状の振動板5と、ベース部15、及び、ベース部15に対して一方向に振動する振動部16を有し、振動板5をその板厚方向に加振するアクチュエータ7と、振動板5及び振動部16の間に配されると共に、振動板5及び振動部16に固定される接続板8と、を備え、振動板5の板厚方向から見て、接続板8の面積が振動部16の面積よりも大きく、かつ、接続板8の曲げ剛性が、振動板5よりも高い平面スピーカを提供する。
【選択図】図5

Description

本発明は、平面スピーカに関する。
平面スピーカは、平らな板状の振動板を音響信号に応じて板厚方向に振動させることで、音波を放射するスピーカである(例えば特許文献1参照)。平面スピーカから放射される音波は、平面音波であるため、指向性が狭く、距離による減衰が小さいという特徴を有する。このため、平面スピーカを用いることで、遠方にいる聴者や特定の位置にいる聴者に対して、目的の音を的確に伝達することが可能となる。
平板スピーカは、振動板と、振動板をその板厚方向に加振するアクチュエータと、を備える。アクチュエータは、ベース部と、ベース部に対して振動するように連結された振動部とを有する。アクチュエータの振動部は、振動板の主面(振動板の板厚方向に直交する面)に固定される。平面スピーカでは、振動部がベース部に対して振動し、アクチュエータの加振力が振動板に伝わることで、振動板がその板厚方向に振動し、音波が発生する。
特開2014−122990号公報
ところで、上記した平面スピーカに対しては軽量化の要求が高まっており、これに伴ってアクチュエータの小型化が求められている。この場合、振動板の振動方向から見て振動板の面積がアクチュエータのうち振動板を加振する振動部の面積よりも大きくなるため、アクチュエータの加振力による振動板への応力集中が顕著となる。この場合、アクチュエータによって振動板を加振した際に、振動板が分割振動しやすくなってしまう、という問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、振動板の分割振動を効果的に抑制することが可能な平面スピーカを提供することを目的とする。
本発明は、平板状の振動板と、ベース部、及び、前記ベース部に対して一方向に振動する振動部を有し、前記振動板をその板厚方向に加振するアクチュエータと、前記振動板及び前記振動部の間に配されると共に、前記振動板及び前記振動部に固定される接続板と、を備え、前記振動板の板厚方向から見て、前記接続板の面積が前記振動部の面積よりも大きく、かつ、前記接続板の曲げ剛性が、前記振動板よりも高い平面スピーカを提供する。
本発明によれば、アクチュエータの振動部と振動板との間に、振動部の振動方向から見た面積が振動部よりも大きい接続板が配される。また、接続板の曲げ剛性が振動板よりも高い。これにより、振動部の振動が振動板において振動部の面積よりも広い範囲に伝わるため、振動板の分割振動を効果的に抑制できる。
本発明の一実施形態に係る平面スピーカを示す平面図である。 図1のII−II矢視断面図である。 図1,2の平面スピーカにおいて、フレームに取り付けられたアクチュエータ及びその周辺構造を示す拡大平面図である。 アクチュエータ及びその周辺構造を示す分解斜視図である。 図3のV−V矢視断面図である。 図3のVI−VI矢視断面図である。 本発明の他の実施形態に係る平面スピーカの要部を示す拡大断面図である。
以下、図1〜6を参照して本発明の一実施形態について説明する。
1.平面スピーカ1の構成
図1,2に示すように、本実施形態の平面スピーカ1は、振動板5と、振動板5をその板厚方向に加振するように構成されたアクチュエータ7と、アクチュエータ7及び振動板5を接続する接続板8と、振動板5を支持するためのフレーム6と、を備える。
振動板5は、板状に形成されている。振動板5は、変形しにくい板材で、曲げ剛性が高く、内部損失が大きく、また、軽量であるとよい。振動板5の材料には、通常のスピーカに用いられる材料が使用可能であり、例えば、木材、金属、カーボンファイバ−、紙、樹脂等の材料、また、これらを適宜組み合わせたものが挙げられるが、これに限ることはない。なお、樹脂には、発泡スチロール等の発泡材も含まれる。また、振動板5は、例えば発泡材等からなる平板状のベース材の両主面にフィルムを貼り付けて、ベース材をフィルムによって保護または補強した構成としてもよい。本実施形態の平面スピーカ1は、拡声用のスピーカを想定しているため、平板状(例えば、厚さ30mm程度、1辺が900mm程度の矩形)の発泡スチロールを振動板5として使用した。
以下の説明において、振動板5のうちその板厚方向に直交する面を主面5aと呼ぶ。また、振動板5のうち主面5aの周縁において板厚方向に延びる面を側面5bと呼ぶ。
フレーム6は、環状に形成されて振動板5の側面5bを囲う枠体部11と、この枠体部11に所定方向に架け渡される支柱部12と、を備える。なお、枠体部11は、平面スピーカ1が載置される面の上で、この平面スピーカ1が自立する脚部を含む。
枠体部11の平面視形状は、振動板5の平面視形状に対応している。本実施形態の枠体部11は、平面視矩形環状に形成されている。
支柱部12は、棒状に形成されている。支柱部12は、枠体部11の内側において任意の方向に延びるように配されてよいが、本実施形態では上下方向に延びるように配される。また、支柱部12は、互いに間隔をあけて複数配列される。複数の支柱部12は、互いに平行するように等間隔に配列されている。図示例において、支柱部12の数は三つであるが、これに限ることはない。支柱部12には、後述するアクチュエータ7が取り付けられる。
上記した枠体部11や支柱部12は、例えば中実の部材を用いて構成されてもよいが、本実施形態では中空の部材(例えば中空の筒状部材)によって構成されている。これにより、平面スピーカ1の軽量化を図ることができる。さらに、支柱部12は、例えば図6に示すように、アクチュエータ7が接触する面(対向面12a)の反対側の面が開放されているとよい。これにより、支柱部12の外気に触れる表面積を増やすことができ、アクチュエータ7から支柱部12に伝わった熱を効率よく空気中に放散することができる。
本実施形態において、支柱部12は熱伝導率の高い放熱部である。放熱部としての支柱部12は、金属、例えば銅によって構成されてもよいが、本実施形態では銅よりも安価なアルミニウムによって構成される。また、放熱部としての支柱部12は、例えばその内部に冷却液体が流れる冷却流路を有してもよい。本実施形態では、前述した枠体部11も支柱部12と同様に熱伝導率の高い放熱部となっている。本実施形態の枠体部11及び支柱部12には、アルミニウムの押出成型材を使用している。
図3〜6に示すように、アクチュエータ7は、ベース部15と、ベース部15に対して一方向に往復振動する振動部16と、を備える。本実施形態のアクチュエータ7は、一般的な動電型のアクチュエータである。これにより、本実施形態では、アクチュエータ7に対して音響信号に対応する所定の電力が供給されることで、振動部16がベース部15に対して振動する。図4に示す符号7Aは、アクチュエータ7に音響信号を供給するための電気配線である。
本実施形態におけるアクチュエータ7の数は、5つであるが、これに限ることはない。また、個々のアクチュエータ7の配置も特に限定されない。また、アクチュエータ7の種類は、動電型に限らず、例えば圧電型などであってもよい。
ベース部15及び振動部16の外観形状は、任意であってよいが、本実施形態では円柱状に形成されている。振動部16は、ベース部15よりも小さく形成され、その一部がベース部15に収容される。振動部16の残部は、ベース部15に対してその軸方向の一方側の面(以下、ベース部15の第一端面15aと呼ぶ。)から突出する。振動部16は、ベース部15に対してその軸方向に振動する。
本実施形態において、前述した振動板5はアクチュエータ7で支持され、アクチュエータ7はフレーム6に支持される。具体的には、アクチュエータ7のベース部15がフレーム6の支柱部12に固定され、アクチュエータ7の振動部16が振動板5に固定される。
以下、アクチュエータ7のベース部15を支柱部12に固定する構造について具体的に説明する。
本実施形態のフレーム6は、アクチュエータ7を収容して支持する収容部13を備える。収容部13は、振動板5に対向する側に開口する収容凹部14を有する。アクチュエータ7は、収容凹部14に収容される。アクチュエータ7が収容凹部14に収容された状態において、少なくともアクチュエータ7の振動部16は、収容凹部14の開口から振動板5側に向けて突出する。
収容凹部14の平面視形状は、ベース部15の平面視形状に対応する。本実施形態の収容凹部14は、平面視円形状に形成されている。収容凹部14の径寸法は、ベース部15の径寸法と同等あるいは微小に大きく形成されている。このため、アクチュエータ7を収容凹部14に収容した状態では、アクチュエータ7がフレーム6に対して振動板5の主面5aに沿う方向に位置ずれすることを抑制できる。
収容凹部14の内周面とベース部15の外周面との間には、両者の隙間を埋めてアクチュエータ7の振動に伴う両者の接触音や衝突音(ビリツキ音)の発生を防止する緩衝材17が配される。緩衝材17は、収容凹部14の内周面とベース部15の外周面との接触や衝突を緩衝する特性を有していればよく、例えば不織布などでよい。
本実施形態において、上記した収容部13は支柱部12と別個に形成されている。収容部13は、支柱部12のうち振動板5に対向する面12a(以下、対向面12aと呼ぶ。)に固定される。また、収容部13の収容凹部14は貫通して形成されている。これにより、収容凹部14に収容されたアクチュエータ7(ベース部15)は、フレーム6の支柱部12に接触する。
アクチュエータ7は、例えば支柱部12に直接接触してもよいが、例えば放熱グリスや放熱シート等の放熱材を介して接触してもよい。この場合には、アクチュエータ7と支柱部12との間の微小な隙間を放熱材によって埋めることができ、アクチュエータ7の熱を効率よく支柱部12に伝えることができる。
また、収容部13には、アクチュエータ7の電気配線7Aを収容凹部14内から外側に引き出すための切欠き13Aが形成されている。
筒状に形成された本実施形態の収容部13には、径方向において収容部13の外側に張り出す一対の張出部13B,13Bが一体に形成されている。一対の張出部13B,13Bは収容部13に対して互いに逆向きに張り出す。各張出部13Bには、ネジ19が挿通される挿通孔18が形成されている。収容部13は、ネジ19を各張出部13Bの挿通孔18に挿通させた上で支柱部12に螺着することで、支柱部12に固定される。
収容部13は、例えば支柱部12と同じ材料によって構成されてもよい、すなわち放熱部として構成されてもよいが、本実施形態では、エポキシ樹脂等の硬質な樹脂材料によって構成される。
また、本実施形態の平面スピーカ1は、アクチュエータ7を収容凹部14に収容した状態に保持する保持部材20を備える。保持部材20は、収容凹部14の開口端に配され、収容凹部14に収容されたアクチュエータ7のうちベース部15のみを覆うように形成されている。
本実施形態の保持部材20は、板状に形成され、収容凹部14の開口から露出するベース部15の第一端面15aを覆う保持板部21を有する。本実施形態において、保持板部21は、その厚さ方向に貫通する貫通孔22を有する。貫通孔22の内径寸法は、ベース部15の径寸法よりも小さく、かつ、振動部16の径寸法よりも大きい。
保持部材20は、例えばフレーム6の支柱部12に固定されてもよいが、本実施形態では収容部13に固定される。保持部材20は、例えば保持板部21を収容部13にネジ止めすることで収容部13に固定されてもよいが、本実施形態では、保持板部21とは別の固定用板部23を収容部13にネジ止めすることで保持部材20が収容部13に固定される。
固定用板部23は、保持板部21に一体に形成され、保持板部21と共に保持部材20を構成する。固定用板部23は、保持板部21を挟み込む位置に一対配される。一対の固定用板部23,23は、保持板部21に対してその板厚方向に突出する。すなわち、本実施形態の保持部材20は、断面U字状に形成される。
保持板部21がベース部15の第一端面15aを覆う位置に配された状態において、各固定用板部23は収容部13の外周の一部に対向して配される。その上で、各固定用板部23を収容部13に対してネジ止め固定することで、保持部材20が収容部13に固定される。
保持部材20が上記のように構成されることで、保持部材20を収容部13に固定する力が収容部13に収容されたアクチュエータ7(特にベース部15)にかかることを防止できる。
また、本実施形態の平面スピーカ1においては、前述した緩衝材17が、保持板部21と収容部13に収容されたベース部15の第一端面15aとの間にも配される。緩衝材17は、アクチュエータ7の振動が保持部材20に伝わることを抑制する。また、緩衝材17が上記のように配されることで、収容凹部14とアクチュエータ7との間に水分や塵埃が浸入することを防止できる。
接続板8は、振動板5と振動部16との間に配され、振動板5の一方の主面5a1及び一方の主面5a1に対向する振動部16の端面に、それぞれ接着剤25等を介して固定される。換言すれば、本実施形態では、振動板5と振動部16とが接続板8を介して固定される。
接続板8の曲げ剛性は、振動板5の曲げ剛性よりも高い。また、本実施形態において、接続板8は断熱材である。断熱部材としての接続板8は、例えば軟化点(軟化温度)が高い樹脂材料であってよい。接続板8の具体的な材料としては、ABS樹脂や各種エンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。
振動板5の板厚方向から見た平面視で、接続板8の面積は振動部16の面積よりも大きい。本実施形態において、平面視した接続板8の面積は、アクチュエータ7全体の面積よりも大きい。接続板8の平面視形状は、任意であってよいが、本実施形態では円形状である。本実施形態において、接続板8は、平面視で接続板8の中心と振動部16の中心とが重なるように、振動部16に固定される。
図示例において、接続板8は、振動板5よりも薄く形成されているが、これに限ることはない。
振動板5は、上記のようにしてアクチュエータ7を介してフレーム6に支持されるが、振動板5の周縁部位(端部)はフレーム6に支持されない。すなわち、振動板5の周縁部位は拘束されず、自由に振動(変位)可能である。言い換えれば、本実施形態における振動板5の周縁部位は自由端とされている。
図1,2に示すように、本実施形態の平面スピーカ1は、前述したアクチュエータ7を複数備える。複数のアクチュエータ7は、振動板5を板厚方向から見て、互いに間隔をあけた位置に配される。本実施形態において、アクチュエータ7は、振動板5の中央部に一つ配され、さらに、振動板5のうち中央部と各角部との間の部位に一つずつ配される。すなわち、本実施形態の平面スピーカ1は五つのアクチュエータ7を備える。振動部5の中央部と各角部との間の部位に配される複数のアクチュエータ7は、例えば振動板5中央部に配されるアクチュエータ7に対して互いに等距離となる位置に配されるとよい。
振動板5の中央部に取り付けられるアクチュエータ7は、三つの支柱部12のうち中央に配された支柱部12に取り付けられる。また、振動板5のうち中央部と各角部との間の部位に取り付けられるアクチュエータ7は、三つの支柱部12のうち左右両側に配された二つの支柱部12に二つずつ取り付けられる。
これら複数のアクチュエータ7は、同じ位相で振動するように不図示の制御部によって制御される。これにより、振動板5全体を同じ位相で振動させることができる。
以上のように構成される本実施形態の平面スピーカ1は、全体で板状の外観を有する。
本実施形態の平面スピーカ1では、振動板5がアクチュエータ7によって加振されることで板厚方向に振動し、振動板5の両方の主面5a(5a1,5a2)側に音波が放射される。
本実施形態の平面スピーカ1は、例えば振動板5の一方の主面5a1を覆う遮音材(不図示)を備えてもよい。この場合には、音波を振動板5の他方の主面5a2側のみに放射することができる。
2.平面スピーカ1の組立手順の例
本実施形態の平面スピーカ1は、例えば以下の手順で組み立てることができる。
はじめに、振動板5、フレーム6、アクチュエータ7及び接続板8を用意する。本実施形態では、収容部13がフレーム本体(枠体部11及び支柱部12)と別個に形成されるため、フレーム6を用意する際には、予め収容部13をフレーム本体の支柱部12にネジ止め等によって固定しておくとよい。
組み立て作業としては、まず、フレーム6の収容部13にアクチュエータ7を収容する。これにより、アクチュエータ7をフレーム6に対して位置決めできる。次に、アクチュエータ7を収容した収容部13に保持部材20を取り付けて、アクチュエータ7を収容部13に収容した状態に保持する。
その後、振動板5をアクチュエータ7の振動部16に対して固定する。本実施形態では、接続板8を介して振動板5を振動部16に固定する。本実施形態では、フレーム6が枠体部11を備えるため、振動板5を枠体部11の内側に入り込ませることで、フレーム6に対する振動板5の位置決めを容易に行うことができる。
以上により、本実施形態における平面スピーカ1の組み立てが完了する。
本実施形態の平面スピーカ1によれば、以下のような作用効果がある。アクチュエータ7の振動部16と振動板5との間に、振動部16の振動方向から見た面積が振動部16よりも大きい接続板8が配される。また、接続板8の曲げ剛性が振動板5よりも高い。これにより、振動部16の振動が振動板5において振動部16の面積よりも広い範囲に伝わるため、振動板5の分割振動を効果的に抑制できる。
また、本実施形態では、平面視した接続板8の面積が、平面視したアクチュエータ7全体の面積よりも大きいため、振動板5の分割振動をより効果的に抑制できる。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、接続板8の曲げ剛性が振動板5よりも高いため、アクチュエータ7による加振力を効率よく振動板5に伝えることもできる。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、アクチュエータ7の振動部16と振動板5との間に接続板8が配されることで、振動板5にかかる応力集中を緩和して、振動板5の保護を図ることができる。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、平面視した接続板8の面積が振動部16よりも大きいことで、アクチュエータ7において生じた熱が接続板8に伝わった際、この熱を接続板8の面方向(接続板8の板厚方向に直交する方向)に広く拡散させることができる。このため、振動板5が接続板8から伝わる熱によって局所的に大きく加熱されることを抑制できる、すなわち、振動板5が局所的に劣化することを抑えることができる。したがって、振動板5の保護を図ることができる。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、接続板8が断熱材であるため、アクチュエータ7において生じた熱が振動板5に伝わることを抑制できる。したがって、熱による振動板5の劣化を抑えることが可能となる。
平面スピーカ1が拡声用の大型スピーカである場合、振動板5の重量が重くなるため、アクチュエータ7のみで振動板5を支持する本実施形態の構造では、接続板8が断熱材であることが重要となる。
すなわち、振動板5の重量が重くなると、振動板5の重量に伴うボイスコイルの位置ずれも大きくなりやすい。このボイスコイルの位置ずれに対応するためには、アクチュエータ7のギャップを大きめに設定する必要がある。しかし、このギャップが大きくなると、アクチュエータ7の変換効率が下がるため、アクチュエータ7には大きな音響信号(電力)を供給しなければならない。その結果として、アクチュエータ7の発熱量が大きくなる。以上のことから、振動板5を断熱材である接続板8によって保護することは重要である。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、振動板5がアクチュエータ7を介してフレーム6に支持されるため、従来のようなエッジが不要となる。したがって、振動板5の周縁部位と内側部位との間で振動板5の振動特性の差を小さくすることができる。
また、エッジが不要となることで、熟練した技術や知識を有してなくても、平面スピーカ1を容易に組み立てることができる。すなわち、振動板5がエッジを介してフレーム6に支持される場合、組み立てる際に振動板5がフレーム6に対して揺れ動いてしまうため、組み立て作業が面倒となる。これに対し、本実施形態の平面スピーカ1には上記した揺れ動く要素がなく、単に、フレーム6にアクチュエータ7を固定し、アクチュエータ7に振動板5を固定すればよいため、ドライバー、六角レンチ、接着剤(又は接着シート)などの簡単な用具や工具を用いて簡単に組み立てることが可能となる。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、振動板5を支持するアクチュエータ7がフレーム6に直接支持され、このフレーム6は脚部を含むため、地面等に載置されることで平面スピーカ1を自立させることが可能である。すなわち、少ない部品点数で構成された平面スピーカ1を自立させることができる。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、振動板5が複数のアクチュエータ7を介してフレーム6に支持されるため、各アクチュエータ7にかかる振動板5の重みを軽減することができる。すなわち、振動板5を安定した状態で支持できる。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、フレーム6がアクチュエータ7を収容する収容部13を有する。このため、アクチュエータ7をフレーム6に対して容易に位置決めすることができる。また、フレーム6に対してアクチュエータ7を安定した状態で強固に支持することができる。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、アクチュエータ7に接触する支柱部12が放熱部となっている。このため、アクチュエータ7において生じた熱を効率よくフレーム6に逃がすことができる。これにより、アクチュエータ7の温度上昇を抑え、アクチュエータ7に不具合が生じることを抑制できる。また、アクチュエータ7の熱が振動板5に伝わることを抑制し、熱による振動板5の劣化を抑えることもできる。
特に、本実施形態の平面スピーカ1によれば、収容部13の収容凹部14が貫通して形成され、収容凹部14に収容されたアクチュエータ7が放熱部である支柱部12に接触する。したがって、アクチュエータ7をフレーム6に対して強固に支持でき、かつ、アクチュエータ7の熱を直接支柱部12に逃がすことができる。
また、本実施形態の平面スピーカ1では、フレーム6の大部分を構成する枠体部11及び支柱部12が放熱部であり、熱容量が大きい。このため、アクチュエータ7やその近傍を積極的に冷却しなくても、アクチュエータ7の温度上昇を効果的に抑制できる。
平面スピーカ1が拡声用の大型スピーカである場合、前述したようにアクチュエータ7の発熱量は大きくなるため、アクチュエータ7用の放熱構造が特に重要となる。
また、本実施形態の平面スピーカ1によれば、アクチュエータ7や振動板5をフレーム6に対して容易に位置決めできるため、平面スピーカ1を容易に組み立てることも可能である。
3.変形例
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば図7に示すように、フレーム6は、複数の放熱フィン30を有してもよい。この構成では、フレーム6の表面積拡大を図り、アクチュエータ7からフレーム6に伝わった熱を効率よく空気中に放散することができる。
図7において、放熱フィン30は支柱部12のうち対向面12aを除く外面や内面から突出しているが、これに限ることはない。また、図7において、放熱フィン30は支柱部12のうちアクチュエータ7が接触する部位に形成されているが、これに限ることはない。フレーム6の放熱効率を考慮すると、放熱フィン30は例えば支柱部12の長手方向に延びているとよい。放熱フィン30は、支柱部12に形成されることに限らず、例えば枠体部11に形成されてもよい。また、放熱フィン30の形状は、図7に例示したものに限らず、任意であってよい。
また、接続板8は、例えばアクチュエータ7の振動部16に向けて突出する突起を有してもよい。突起の突出方向先端に、振動部16が固定されてもよい。この構成では、振動部16がベース部15に対して振動する際に、接続板8が保持板部21に衝突することを防止できる。
また、アクチュエータ7のベース部15の外周面と収容部13の収容凹部14の内周面との間には、例えば放熱グリスや放熱シート等の放熱材が配されてもよい。この場合、アクチュエータ7の熱を効率よく収容部13に伝えることができる。また、放熱材は、例えば上記実施形態の緩衝材17と同様の特性を有してもよい。
また、収容部13は、例えばフレーム6のフレーム本体である支柱部12に一体に形成されてもよい。この場合、支柱部12には、振動板5に対向する支柱部12の対向面12aから窪む有底の収容凹部14が形成されればよい。すなわち、この構成では、支柱部12のうち収容凹部14を形成した部位が、アクチュエータ7を収容するための収容部13として構成される。
また、フレーム6は、例えば収容部13を備えなくてもよい。すなわち、アクチュエータ7のベース部15は、例えば接着など別の固定手法によってフレーム6に固定されてもよい。
また、フレーム6は、例えば枠体部11を有さなくてもよい。この場合には、例えば複数の支柱部12を地面等の載置面に直接立てればよい。
また、振動板5の平面視形状は、矩形状に限らず、例えば六角形などの多角形状や円形状など任意であってよい。
また、アクチュエータ7は、例えば振動板5の中央部だけに配されてもよい。
1…平面スピーカ、5…振動板、5a…主面、6…フレーム、7…アクチュエータ、8…接続板、11…枠体部、12…支柱部、13…収容部、14…収容凹部、15…ベース部、16…振動部、17…緩衝材、20…保持部材

Claims (2)

  1. 平板状の振動板と、
    ベース部、及び、前記ベース部に対して一方向に振動する振動部を有し、前記振動板をその板厚方向に加振するアクチュエータと、
    前記振動板及び前記振動部の間に配されると共に、前記振動板及び前記振動部に固定される接続板と、を備え、
    前記振動板の板厚方向から見て、前記接続板の面積が前記振動部の面積よりも大きく、
    かつ、
    前記接続板の曲げ剛性が、前記振動板よりも高い平面スピーカ。
  2. 前記接続板が、断熱材である請求項1に記載の平面スピーカ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020062692A1 (zh) * 2018-09-28 2020-04-02 歌尔股份有限公司 振膜、振膜组件以及扬声器

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