[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2017030047A - 溶着監視装置および溶接ロボットシステム - Google Patents

溶着監視装置および溶接ロボットシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2017030047A
JP2017030047A JP2015156125A JP2015156125A JP2017030047A JP 2017030047 A JP2017030047 A JP 2017030047A JP 2015156125 A JP2015156125 A JP 2015156125A JP 2015156125 A JP2015156125 A JP 2015156125A JP 2017030047 A JP2017030047 A JP 2017030047A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
unit
arc
voltage
control unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015156125A
Other languages
English (en)
Inventor
晋太朗 西野
Shintaro Nishino
晋太朗 西野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP2015156125A priority Critical patent/JP2017030047A/ja
Publication of JP2017030047A publication Critical patent/JP2017030047A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Abstract

【課題】溶着解除動作が自動で行われた場合には、溶接ビートの終端部分に品質不良が生じている可能性がある。
【解決手段】溶着監視装置は、アーク溶接終了の際の所定の期間における溶接電流の計測値が第1の閾値を超えた第1の回数、または、アーク溶接終了の際の所定の期間における溶接電圧の計測値が第2の閾値を下回った第2の回数を検出する検出部を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、溶着監視装置および溶接ロボットシステムに関する。
アーク溶接では、アーク溶接終了時に、溶融プールの振動等により溶接電極と溶融プールとが短絡し、溶接電極と溶融プールとが短絡した状態で、溶融プールが固化し、その結果、溶接電極が溶接ビードに溶着することがある。溶接電極が溶接ビードに溶着した場合には、溶接電極に電流を流して、溶接電極と溶接ビードとの短絡状態を解除する方法(溶着解除処理)が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
このような、溶接電極と溶接ビードとの短絡は、例えば、溶接終了部にクレータと呼ばれる溶接ビードの凹みが生じたときに、そのクレータを埋めるための溶接を行う際や、溶接後に、溶接電極の先端部分に、適正な大きさの玉を形成して、溶接電極の先端部分のスラグを除去する際に生じやすい。
特開2005−305485号公報 特開2011−136372号公報
ところで、上記特許文献1,2に記載の発明では、溶接電極と溶接ビードとの短絡状態が検知されると、あらかじめ作業プログラムに記述された一連の溶着解除動作が行われる。しかし、溶着解除動作が自動で行われるので、溶接ビートの終端部分に品質不良が生じている可能性がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶接ビートの終端部分の品質不良を検出することの可能な溶着監視装置および溶接ロボットシステムを提供することにある。
本発明の溶着監視装置は、アーク溶接終了の際の所定の期間における溶接電流の計測値が第1の閾値を超えた第1の回数、または、アーク溶接終了の際の所定の期間における溶接電圧の計測値が第2の閾値を下回った第2の回数を検出する検出部を備えている。
本発明の溶接ロボットシステムは、溶接トーチと、溶接トーチを移動させるアームとを有する移動装置と、溶接トーチに電力を供給する電源装置と、溶接トーチとワークとの間に流れる溶接電流、および溶接トーチとワークとの間の溶接電圧のうち少なくとも一方を計測する計測装置とを備えている。この溶接ロボットシステムは、さらに、アーク溶接終了の際の所定の期間における溶接電流の計測値が第1の閾値を超えた第1の回数、または、アーク溶接終了の際の所定の期間における溶接電圧の計測値が第2の閾値を下回った第2の回数を検出する検出装置を備えている。
本発明の溶着監視装置および溶接ロボットシステムでは、アーク溶接終了時の所定の期間において溶着の生じた回数が検出される。ここで、溶着の生じた回数は、溶接ビートの終端部分の品質と相関を持っているので、溶着の生じた回数を検知することで、溶接ビートの終端部分の品質を推定することができる。
本発明の溶着監視装置および溶接ロボットシステムによれば、アーク溶接終了時の所定の期間において溶着の生じた回数を検出するようにしたので、溶接ビートの終端部分の品質不良を検出することができる。
本発明の一実施の形態に係る溶着監視装置を備えた溶接ロボットシステムの概略構成の一例を表す図である。 図1の溶接ロボットシステムの機能ブロックの一例を表す図である。 図1のロボット制御装置の概略構成の一例を表す図である。 図2の監視部の機能ブロックの一例を表す図である。 図1のティーチペンダントの概略構成の一例を表す図である。 図1の溶接機の概略構成の一例を表す図である。 (A)アーク溶接の終了の際のワイヤ送給速度の計測値の一例を表す図である。(B)アーク溶接の終了の際の溶接電圧の計測値の一例を表す図である。(C)アーク溶接の終了の際の溶接電流の計測値の一例を表す図である。 (A)アーク溶接の終了の際のワイヤ送給速度の計測値の一例を表す図である。(B)アーク溶接の終了の際の溶接電圧の計測値の一例を表す図である。(C)アーク溶接の終了の際の溶接電流の計測値の一例を表す図である。 (A)アーク溶接の終了の際のワイヤ送給速度の計測値の一例を表す図である。(B)アーク溶接の終了の際の溶接電圧の計測値の一例を表す図である。(C)アーク溶接の終了の際の溶接電流の計測値の一例を表す図である。 (A)アーク溶接の終了の際のワイヤ送給速度の計測値の一例を表す図である。(B)アーク溶接の終了の際の溶接電圧の計測値の一例を表す図である。(C)アーク溶接の終了の際の溶接電流の計測値の一例を表す図である。 (A)アーク溶接の終了の際のワイヤ送給速度の計測値の一例を表す図である。(B)アーク溶接の終了の際の溶接電圧の計測値の一例を表す図である。(C)アーク溶接の終了の際の溶接電流の計測値の一例を表す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る溶接ロボットシステム1の概略構成の一例を表したものである。図2は、図1の溶接ロボットシステム1の機能ブロックの一例を表したものである。溶接ロボットシステム1は、プログラム制御された多関節ロボットによってワークWにアーク溶接を行うものである。溶接ロボットシステム1は、マニピュレータ10と、ロボット制御装置20と、ティーチペンダント30と、溶接機40とを備えている。ロボット制御装置20およびティーチペンダント30からなる装置が、本発明の「溶着監視装置」の一具体例に相当する。マニピュレータ10が、本発明の「移動装置」の一具体例に相当する。ロボット制御装置20が、本発明の「検出装置」の一具体例に相当する。溶接機40が、本発明の「電源装置」、「計測装置」の一具体例に相当する。なお、ロボット制御装置20およびティーチペンダント30は、互いに一体に構成されていてもよいし、図1に示したように互いに別体で構成されていてもよい。
溶接ロボットシステム1は、例えば、ロボット制御装置20と各種装置とを互いに接続するケーブルL1〜L6を備えている。ケーブルL1は、ロボット制御装置20とマニピュレータ10との間で通信するための通信ケーブルであり、ロボット制御装置20およびマニピュレータ10に接続されている。ケーブルL2は、ロボット制御装置20とティーチペンダント30との間で通信するための通信ケーブルであり、ロボット制御装置20およびティーチペンダント30に接続されている。ケーブルL3は、ロボット制御装置20と溶接機40との間で通信するための通信ケーブルであり、ロボット制御装置20および溶接機40に接続されている。ケーブルL4は、溶接機40と後述のワイヤ送給装置14との間で通信するための通信ケーブルであり、溶接機40およびワイヤ送給装置14に接続されている。ケーブルL5,L6は、後述の溶接電極15とワークWとの間に高電圧の溶接電圧Vsを供給するための電源ケーブルである。ケーブルL5は、溶接機40および後述の作業台15に接続されており、ケーブルL6は、溶接機40および後述の溶接トーチ13に接続されている。
(マニピュレータ10)
マニピュレータ10は、ロボット制御装置20、ティーチペンダント30および溶接機40による制御によってワークWにアーク溶接を行うものである。マニピュレータ10は、フロア等に固定されるベース部材11と、ベース部材11上に設けられた多関節アーム部12と、多関節アーム部12の先端に連結された溶接トーチ13と、多関節アーム部12等に固定されたワイヤ送給装置14と、作業台15とを有している。
多関節アーム部12は、例えば、複数のアーム12Aと、2つのアーム12A同士を回動可能に連結する1または複数の関節軸(図示せず)とを有している。多関節アーム部12は、さらに、例えば、アーム12Aごとに1つずつ設けられ、対応するアーム12Aを駆動する複数の駆動モータ(図示せず)と、各駆動モータに連結され、各アーム12Aの現在位置を検出するエンコーダ(図示せず)とを有している。各駆動モータは、ケーブルL1を介してロボット制御装置20から入力される制御信号によって駆動される。このようにして各駆動モータが駆動されることにより、各アーム12Aが変位し、結果的に溶接トーチ13が上下前後左右に移動する。エンコーダは、検出した各アーム12Aの現在位置(以下、「位置情報Pf」と称する。)を、ケーブルL1を介してロボット制御装置20に出力するようになっている。
多関節アーム部12の一端(先端)が溶接トーチ13に連結されており、多関節アーム部12の他端がベース部材11に連結されている。溶接トーチ13の先端には、溶加材としての溶接電極15が露出している。溶接電極15は、消耗電極である溶接ワイヤである。溶接トーチ13は、溶接電極15の先端とワークWとの間にアークを発生させ、そのアークの熱で溶接電極15およびワークWを溶融させることにより、ワークWに対してアーク溶接を行うものである。溶接トーチ13は、ケーブルL4に電気的に接続されたコンタクトチップ(図示せず)を有している。コンタクトチップは、ケーブルL4から供給される溶接電圧Vsを溶接電極15に供給するように構成されている。
ワイヤ送給装置14は、溶接電極15を溶接トーチ13に供給するものである。ワイヤ送給装置14は、例えば、溶接電極15を保持すると共に送給可能に構成された一対のロール(図示せず)と、一方のロールを回転駆動するモータ(図示せず)とを有している。一対のロールは、溶接電極15を挟み込むと共に、上記モータによる回転駆動で発生する摩擦力で溶接電極15をワイヤリール(図示せず)から引っ張り出すように構成されている。上記モータは、例えば、エンコーダ付きサーボモータで構成されている。上記モータは、ケーブルL4を介して溶接機40から入力される制御信号によって駆動される。上記モータは、例えば、上記エンコーダからフィードバックされるパルスを、ケーブルL4を介して溶接機40に出力するように構成されている。このパルスは、溶接電極15の送給速度(ワイヤ送給速度Vf)の算出に好適に利用可能である。なお、上記モータは、上記のパルスの代わる何らかの信号を生成し、出力するようになっていてもよい。
作業台15は、フロア等に固定されており、ワークWを設置する台座として使用される。作業台15は、ワークWに対するトーチ姿勢を最適に維持するためのポジショナであってもよい。作業台15が上述のポジショナである場合には、ロボット制御装置20によってポジショナの軸が駆動制御される。作業台15は、ケーブルL5を介して溶接機40に接続されており、作業台15に設置されるワークWとケーブルL5とを互いに電気的に接続するように構成されている。
(ロボット制御装置20)
図3は、ロボット制御装置20の概略構成の一例を表したものである。ロボット制御装置20は、ティーチペンダント30からの指示に従って多関節アーム部12および溶接機40を制御するものである。ロボット制御装置20は、さらに、溶着を監視するようにもなっている。ロボット制御装置20は、制御部21と、サーボ制御部22と、通信部23と、記憶部24とを有している。以下では、記憶部24、サーボ制御部22、通信部23、制御部21の順に説明する。制御部21が、本発明の「検出部」、「決定部」、「転送部」の一具体例に相当する。記憶部24が、本発明の「記憶装置」の一具体例に相当する。
記憶部24は、各種プログラムや各種データファイルを記憶可能となっている。記憶部24は、多関節アーム12の動作を制御する制御プログラム22Aを記憶している。制御プログラム22Aは、例えば、ROM(read only memory)に格納されている。記憶部24は、さらに、マニピュレータ10の溶接作業の手順が教示された1または複数の作業プログラム22Bと、溶着を監視する溶着監視プログラム22Cと、各種設定値が記述された設定ファイル22Dとを記憶している。1または複数の作業プログラム22B、溶着監視プログラム22Cおよび設定ファイル22Dは、例えば、ハードディスクに格納されている。設定ファイル22Dには、例えば、溶接電流Is、溶接電圧Vs、ワイヤ送給速度Vfおよび溶接速度Vwのそれぞれの設定値が記述されている。溶着監視プログラム22C、溶接電圧Vsの閾値Vthおよび溶接電流Isの閾値Ithについては、後に詳述するものとする。
記憶部24は、さらに、溶着監視に用いる閾値ファイル22Eおよびリカバリテーブル22Fを記憶している。閾値ファイル22Eおよびリカバリテーブル22Fは、例えば、ハードディスクに格納されている。閾値ファイル22Eには、例えば、溶接電流Isの閾値Ithおよび溶接電圧Vsの閾値Vthが記述されている。溶接電流Isの閾値Ithが、本発明の「第1の閾値」の一具体例に相当する。溶接電圧Vsの閾値Vthが、本発明の「第2の閾値」の一具体例に相当する。リカバリテーブル22Fには、例えば、溶着解除回数Ndに応じてリカバリ情報Irが記述されている。溶着解除回数Ndが、本発明の「第1の回数」、「第2の回数」の一具体例に相当する。リカバリ情報Irが、本発明の「アーク溶接ロボットシステムの動作」の一具体例に相当する。溶着解除回数Ndは、アーク溶接終了の際の所定の期間ΔTにおいて生じた溶着の回数に相当するものである。溶着解除回数Ndは、例えば、溶着解除回数Nd1および溶着解除回数Nd2を含んでいる。溶着解除回数Nd1は、溶接電流Isの計測値に基づいて得られるものである。溶着解除回数Nd2は、溶接電圧Vsの計測値に基づいて得られるものである。リカバリ情報Irは、アーク溶接終了の際の所定の期間ΔTが経過した後のアーク溶接ロボットシステム1の動作に関する情報であり、例えば、アーク溶接ロボットシステム1の種々の動作の名称と、アーク溶接ロボットシステム1の種々の動作に対応する命令セットとを含んでいる。
記憶部24は、さらに、溶着監視プログラム22Cが実行されることにより生成される各種データを記憶可能となっている。そのようなデータを含むファイルとしては、例えば、計測ファイル22Gおよび履歴ファイル22Hが挙げられる。計測ファイル22Gには、各種物理量の計測値が記述される。各種物理量の計測値には、瞬時値および移動平均値が含まれる。各種物理量には、例えば、溶接電流Is、溶接電圧Vs、ワイヤ送給速度Vfおよび溶接速度Vwが含まれる。瞬時値は、サンプリング周波数で計測することにより得られる。移動平均値は、例えば、ある期間内に含まれる複数の瞬時値の平均値(いわゆる単純移動平均値)である。サンプリング周波数は、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsのいずれか一方の計測値から溶着の有無を十分に判別することの可能な値となっている。履歴ファイル22Hには、溶着解除回数Ndおよびリカバリ情報Irを含む監視情報Dmが記述される。これらのファイルは、例えば、RAM(Random Access Memory)に格納される。
サーボ制御部22は、マニピュレータ10の各駆動モータを制御するものである。サーボ制御部22は、作業プログラム22Bに記載の移動命令Omと、マニピュレータ10のエンコーダからの位置情報とに基づいて、マニピュレータ10の各駆動モータを制御するようになっている。移動命令Omには、例えば、移動開始命令、移動停止命令、作業経路(教示点)、およびトーチ姿勢などが含まれ得る。また、サーボ制御部22は、マニピュレータ10のエンコーダからの位置情報に基づいて溶接トーチ13先端の位置情報Pfや溶接速度Vwを導出(計測)するようになっている。サーボ制御部22は、位置情報Pfや溶接速度Vwを制御部21に出力するようになっている。
通信部23は、ケーブルL2を介してティーチペンダント30と通信を行ったり、ケーブルL3を介して溶接機40と通信を行ったりするものである。通信部23は、ティーチペンダント30からの作業指令を受信して、制御部21に出力するようになっている。作業指令には、例えば、作業者が選択した作業プログラム22Bの番号などが含まれ得る。通信部23は、制御部21からの監視情報を、ティーチペンダント30に送信するようになっている。監視情報には、例えば、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsのそれぞれの計測値、ワイヤ送給速度Vfの計測値、溶着の有無、溶着解除回数Nd、溶着発生時の作業プログラム22Bのステップ、ならびに、溶着発生位置(もしくは溶着発生区間)などが含まれ得る。
通信部23は、制御部21からの溶接命令Owを、溶接機40に送信するようになっている。溶接命令Owには、例えば、アーク溶接の開始命令、アーク溶接の終了命令、溶接電流Isの設定値、溶接電圧Vsの設定値、ワイヤ送給の開始命令、ワイヤ送給の停止命令、およびワイヤ送給速度Vfの設定値などが含まれ得る。通信部23は、溶接機40からモニタ情報(例えば、各種計測値または通知情報)を受信して、記憶部22の計測ファイル22Gに格納するようになっている。通信部23は、さらに、必要に応じて、溶接機40からの通知情報を、制御部21に出力するようになっている。各種計測値には、例えば、溶接電流Is、溶接電圧Vsおよびワイヤ送給速度Vfのそれぞれの計測値が含まれ得る。通知情報には、例えば、アーク発生通知などが含まれ得る。
制御部21は、ティーチペンダント30から入力された作業指令に基づいて、作業プログラム22Bやアーク溶接品質判定プログラム22Cを読み出し、その内容を解析する解析部211を有している(図2参照)。解析部211は、解析部211での解析結果に基づいて、これらのプログラムに記載の指示に対応する命令通知を生成するようになっている。制御部21は、解析部211で生成された命令通知の内容に応じて、移動命令や溶接命令を出力する実行部212を有している(図2参照)。
制御部21は、実行部212で生成された溶接命令を、通信部23を介して溶接機40に出力する溶接制御部213を有している(図2参照)。溶接制御部213は、例えば、通信部23を介して溶接機40から入力されたモニタ情報(例えば、アーク発生通知)に応じて、溶着監視プログラム22Cに基づく監視を開始する通知(監視開始通知)を生成するようになっている。また、溶接制御部213は、例えば、溶接距離Wpに応じて、溶着監視プログラム22Cに基づく監視を終了する通知(監視終了通知)を生成するようになっている。溶接距離Wpは、例えば、溶接速度Vw×アーク時間Atにより導出される。溶接制御部213は、サーボ制御部22から入力された溶接速度Vwと、アーク発生通知を受け取ってからの時間(アーク時間)とを用いて溶接距離Wpを導出するようになっている。
制御部21は、溶接制御部213からの監視開始通知に従って、溶着監視プログラム22Cを実行する監視部214を有している(図2参照)。監視部214は、例えば、図4に示したように、検出部214a、決定部214bおよび転送部214cを有している。図4は、監視部214の機能ブロックの一例を表したものである。
検出部214aは、アーク溶接終了の際の所定の期間ΔTにおける溶接電流Isおよび溶接電圧Vsの少なくとも一方の計測値を計測ファイル22Gから読み出すようになっている。検出部214aは、必要に応じて、ワイヤ送給速度Vfの計測値を計測ファイル22Gから読み出すようになっている。検出部214aは、さらに、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsの少なくとも一方の閾値(IthおよびVthの少なくとも一方)を閾値ファイル22Fから読み出すようになっている。検出部214aは、計測値が所定の閾値を所定の方向からまたいだ回数(溶着解除回数Nd)を検出するようになっている。検出部214aは、例えば、溶接電流Isの計測値が閾値Ithを超えた回数(溶着解除回数Nd1)を検出するようになっている。検出部214aは、例えば、溶接電圧Vsの計測値が閾値Vthを下回った回数(溶着解除回数Nd2)を検出するようになっている。検出部214aは、さらに、溶着の有無、溶着発生時の作業プログラム22Bのステップ、および、溶着発生位置(もしくは溶着発生区間)を検出するようになっている。検出部214aは、溶着解除回数Nd(溶着解除回数Nd1または溶着解除回数Nd2)を決定部214bおよび転送部214cに出力するようになっている。検出部214aは、さらに、溶着の有無、溶着発生時の作業プログラム22Bのステップ、溶着発生位置(もしくは溶着発生区間)、および、計測ファイル22Gから読み出した計測値を転送部214cに出力するようになっている。
決定部214bは、検出部214aで検出された溶着解除回数Nd(溶着解除回数Nd1または溶着解除回数Nd2)に基づいて、所定の期間ΔTが経過した後のアーク溶接ロボットシステム1の動作を決定するようになっている。決定部214bは、例えば、溶着解除回数Nd(溶着解除回数Nd1または溶着解除回数Nd2)に対応するリカバリ情報Irをリカバリテーブル22Fから取得し、取得したリカバリ情報Irに基づく指令を、サーボ制御部22および溶接機40に出力するようになっている。決定部214bは、決定部214bで決定した動作に関する情報(リカバリ情報Ir)を転送部214cに出力するようになっている。
転送部214cは、検出部214aから入力された情報と、検出部214aから入力された情報とに基づいて、監視情報Dmを生成するようになっている。監視情報Dmには、少なくとも、検出部214aで検出された溶着解除回数Nd(溶着解除回数Nd1または溶着解除回数Nd2)と、決定部214bで決定された動作に関する情報(リカバリ情報Ir)とを含んでいる。転送部214cは、監視情報Dmをティーチペンダント30に出力するようになっている。転送部214cは、さらに、監視情報Dmを履歴ファイル22Hに格納するようになっている。
(ティーチペンダント30)
図5は、ティーチペンダント30の概略構成の一例を表したものである。ティーチペンダント30は、作業者がマニピュレータ10の動作を教示するものである。ティーチペンダント30は、例えば、制御部31、表示部32、入力部33、通信部34および記憶部35を有している。表示部32が、本発明の「通知部」の一具体例に相当する。
表示部32は、映像信号に基づく映像を表示するものである。表示部32は、通信部34から、監視情報Dmを表示するための映像信号を取得したときには、監視情報Dmに基づく表示(通知)を行うようになっている。表示部32は、例えば、監視情報Dmに含まれる溶着解除回数Nd(溶着解除回数Nd1または溶着解除回数Nd2)の表示(通知)を行うようになっている。
表示部32は、映像を表示する表示面を有する表示パネルと、映像信号に基づいて表示パネルを駆動する駆動部とを有している。入力部33は、作業者からの教示を受け付けるものである。入力部33は、例えば、複数のキーを有しており、各キーの操作に応じて入力信号を生成し、制御部31に出力するようになっている。通信部34は、ケーブルL2を介してロボット制御装置20と通信を行うものである。通信部34は、制御部31からの作業指令を、ロボット制御装置20に送信するようになっている。記憶部35は、各種のモードで種々の表示や作業指示を可能にする教示プログラム35Aを記憶する。教示プログラム35Aは、例えば、ROMに格納されている。
制御部31は、映像信号を生成し、表示部32に出力すると共に、必要に応じて作業指令を生成し、通信部34に出力するものである。制御部31は、読み出した教示プログラム35Aに従って映像信号を生成したり、必要に応じて作業指令を生成したりするようになっている。例えば、入力部33から入力された入力信号が、加工作業を実施する再生モードの選択信号であった場合、制御部31は、教示プログラム35Aに従って、記憶部24に格納されている1または複数の作業プログラム22Bのリストを表示するための映像信号を生成するようになっている。さらに、例えば、再生モードが選択されている場合に、再生する1つの作業プログラム22Bが選択されたときには、制御部31は、教示プログラム35Aに従って、再生する作業プログラム22Bの番号等を含む作業指令を生成するようになっている。さらに、例えば、再生モードが選択されている場合に、制御部31は、通信部34から監視情報Dmを取得したときには、取得した監視情報Dmを表示するための映像信号を生成するようになっている。
(溶接機40)
図6は、溶接機40の概略構成の一例を表したものである。溶接機40は、ロボット制御装置20による制御に基づいて、溶接電流Is、溶接電圧Vsおよびワイヤ送給速度Vf等を緻密に制御することにより、溶接電極15の先端とワークWとの間にアークを発生させるものである。溶接機40は、制御部41、通信部42、溶接制御部43、溶接電源44、電流・電圧計測部45および記憶部46を有している。
記憶部46は、溶接制御部43および溶接電源44の動作を制御する制御プログラム46Aを記憶している。制御プログラム46Aは、例えば、ROMに格納されている。制御部41は、溶接機40の各部を制御すると共に、読み出した制御プログラム46Aに従って、溶接制御部43および溶接電源44の動作を制御するものである。制御部41は、電流・電圧計測部45から取得したモニタ情報(例えば、各種計測値、または、アーク発生通知などの通知情報)を、通信部42に出力するようになっている。通信部42は、ロボット制御装置20からの溶接指令を受信し、制御部41に出力するようになっている。通信部42は、制御部41からのモニタ情報(例えば、各種計測値または通知情報)をロボット制御装置20に出力するようになっている。
溶接制御部43は、制御プログラム46Aと、ロボット制御装置20からの溶接命令とに基づく制御部41からの指示に従って、ワイヤ送給装置14の動作を制御するものである。ロボット制御装置20からの溶接命令には、例えば、ワイヤ送給の開始命令、ワイヤ送給の停止命令、およびワイヤ送給速度Vfの設定値などが含まれ得る。また、溶接制御部43は、ワイヤ送給装置14のモータから出力されたパルス(または、上記のパルスの代わる何らかの信号)に基づいて、ワイヤ送給速度Vfを計測するようになっている。溶接制御部43は、ワイヤ送給速度Vfの計測値を制御部41に出力するようになっている。
溶接電源44は、例えば、デジタルインバータ回路を有しており、外部から入力される商用電源(例えば3相200V)をインバータ制御回路によって高速応答で精密な溶接電流波形制御を行うようになっている。すなわち、溶接電源44は、ケーブルL5,L6を介して溶接トーチ13とワークWとの間に高電圧の溶接電圧Vsを供給するようになっている。溶接電源44は、制御プログラム46Aと、ロボット制御装置20からの溶接命令に従って、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsを制御するものである。ロボット制御装置20からの溶接命令には、例えば、アーク溶接の開始命令、アーク溶接の終了命令、溶接電流Isの設定値、溶接電圧Vsの設定値などが含まれ得る。
電流・電圧計測部45は、溶接トーチ13とワークWとの間に流れる溶接電流Isや、溶接トーチ13とワークWとの間の溶接電圧Vsを計測するものである。電流・電圧計測部45は、制御プログラム46Aと、ロボット制御装置20からの溶接命令に従って、所定のサンプリング周波数で溶接電流Isおよび溶接電圧Vsを計測し、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsのそれぞれの計測値(各種計測値)を制御部41に出力するようになっている。電流・電圧計測部45は、さらに、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsの計測値から、アーク発生の有無を判定するようになっている。電流・電圧計測部45は、アークが発生した場合には、アーク発生通知を生成し、制御部41に出力するようになっている。
[動作]
次に、溶接ロボットシステム1の動作について説明する。
まず、ティーチペンダント30において、ユーザが、例えば、再生モードを選択し、さらに、教示プログラム35Aを選択する。すると、ティーチペンダント30の制御部31は、教示プログラム35Aに従って、起動指令を含む作業指令を生成し、ロボット制御装置20に出力する。ロボット制御装置20の制御部21は、ティーチペンダント30から、起動指令を含む作業指令が入力されると、作業プログラム22Bおよび溶着監視プログラム22Cを読み出す。制御部21は、作業プログラム22Bおよび溶着監視プログラム22Cから読み出した内容と、記憶部24の設定ファイル22Dから読み出した各種設定値とに基づいて、これらのプログラムに記載の指示に対応する命令通知を生成する。制御部21は、生成した命令通知の内容に応じて、移動命令Omや溶接命令Owを出力する。
制御部21は、生成した溶接命令Owを、通信部23を介して溶接機40に出力する。溶接命令Owには、例えば、溶接開始指令や、溶接電流Is、溶接電圧Vsおよびワイヤ送給速度Vfの設定値が含まれている。溶接機40の制御部41は、ロボット制御装置20から溶接命令Owが入力されると、制御プログラム46Aを読み出し、溶接命令Owに応じて、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsを設定すると共に、ワイヤ送給装置14に対してワイヤ送給速度Vfを設定することにより、アーク溶接を開始する。このとき、電流・電圧計測部45は、各種物理量をサンプリングしており、サンプリングにより得られた各種物理量の計測値を、制御部41に出力する。また、電流・電圧計測部45では、アーク発生を検知した時には、アーク発生通知を制御部41に出力する。制御部41は、電流・電圧計測部45から取得したモニタ情報(例えば、各種計測値、または、アーク発生通知などの通知情報)を、通信部42を介して、ロボット制御装置20に出力する。制御部41は、例えば、予め設定された時間間隔になると、その間の各種計測値の移動平均値を算出し、通信部42を介して、ロボット制御装置20に出力する。
制御部21は、さらに、生成した移動命令Omを、通信部23を介してマニピュレータ10に出力する。マニピュレータ10は、ロボット制御装置20から移動命令Omが入力されると、入力された移動命令Omに応じて、各アーム12Aを変位させ、結果的に溶接トーチ13を上下前後左右に移動させる。このとき、制御部21は、エンコーダから位置情報を取得する。
制御部21は、溶接機40から取得した各種計測値を記憶部24の計測ファイル22Gに格納する。制御部21は、エンコーダから取得した位置情報に基づいて、溶接速度Vwおよび位置情報Pfを導出し、記憶部24の計測ファイル22Gに格納する。制御部21は、位置情報Pfに基づいて、溶接区間WSの終了を判定し、溶接区間WSが終了した場合には、溶接区間WSを識別する番号を記憶部24の計測ファイル22Gに格納する。
制御部21は、アーク溶接終了(溶接区間WSの終了)の際には、必要に応じて、溶接終了部に生じたクレータを埋めるための溶接や、溶接電極15の先端部分に、適正な大きさの玉を形成するなどの、種々の処理を行う。
次に、アーク溶接終了(溶接区間WSの終了)後の動作について説明する。図7は、アーク溶接(溶接区間WS)が終了した時刻T1以降の種々の計測値を波形で表したものである。図7(A)は、アーク溶接の終了の際のワイヤ送給速度Vfの計測値の一例を表したものである。図7(B)は、アーク溶接の終了の際の溶接電圧Vsの計測値の一例を表したものである。図7(C)は、アーク溶接の終了の際の溶接電流Isの計測値の一例を表したものである。
制御部21は、アーク溶接終了(溶接区間WSの終了)の際に、ワイヤ送給装置14のモータを停止させる制御信号を溶接機40に出力する。すると、溶接機40は、時刻T1にモータの回転を停止する指令をワイヤ送給装置14のモータに出力する。ただし、ワイヤ送給装置14のモータは、慣性でしばらくの間、減速しながら回転し、最終的に止まる。
制御部21は、ワイヤ送給装置14のモータが停止する頃に、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsの供給を停止させる制御信号を溶接機40に出力する。すると、溶接機40は、時刻T2に溶接電流Isおよび溶接電圧Vsの供給を停止する。これにより、アークが完全に消失する。
制御部21は、アークが完全に消失してから所定の期間が経過したのち、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsの供給を再開させる制御信号を溶接機40に出力する。このとき、制御部21は、溶着確認用の溶接電流Isおよび溶接電圧Vsを供給するよう、溶接機40に要求する。すると、溶接機40は、時刻T3から時刻T4までの所定の期間ΔTの間、溶着確認用の溶接電流Isおよび溶接電圧Vsを出力する。溶着確認用の溶接電圧Vsは、閾値Vthよりも高い電圧値となっている。溶着確認用の溶接電流Isは、閾値Ithよりも高い電圧値となっている。ただし、期間ΔTの間、溶着が全く生じていない場合には、溶接電流Isは流れないので、期間ΔTの間の溶接電流Isの計測値は、ほぼゼロとなっている。
図8は、アーク溶接(溶接区間WS)が終了した時刻T1以降に、溶着解除が生じたときの種々の計測値を波形で表したものである。図8(A)は、アーク溶接の終了の際のワイヤ送給速度Vfの計測値の一例を表したものである。図8(B)は、アーク溶接の終了の際の溶接電圧Vsの計測値の一例を表したものである。図8(C)は、アーク溶接の終了の際の溶接電流Isの計測値の一例を表したものである。
制御部21は、上記の図7と同様に、溶接機40に対して、所定の期間ΔTの間、溶着確認用の溶接電流Isおよび溶接電圧Vsを出力するよう要求する。すると、溶接機40は、時刻T3から、溶着確認用の溶接電流Isおよび溶接電圧Vsを出力し始める。その後、所定の期間ΔTの間、溶着解除が1回、発生したとする。このとき、溶着により、溶接電極15の先端とワークWとが短絡し、溶接電圧Vsが閾値Vthを下回り、溶接電流Isが閾値Ithを超える。しかし、溶着は、すぐに解除され、再び、溶接電圧Vsが閾値Vthを超え、溶接電流Isが閾値Ithを下回る。制御部21は、溶接電圧Vsが閾値Vthを1回だけ下回ったこと、または、溶接電流Isが閾値Ithを1回だけ超えたことを検知する。制御部21は、溶着解除回数Ndに対応するリカバリ情報Irをリカバリテーブル22Fから取得し、取得したリカバリ情報Irに基づく動作を、溶接機40およびサーボ制御部2に指示する。このとき、溶着解除回数Nd=1回のときのリカバリ情報Irが、例えば、「リカバリせず」となっている場合には、制御部21は、溶接機40に対しては、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsの出力の停止を引き続き指示し、サーボ制御部2に対しては、停止を引き続き指示する。
図9は、アーク溶接(溶接区間WS)が終了した時刻T1以降に、溶着解除が生じたときの種々の計測値を波形で表したものである。図9(A)は、アーク溶接の終了の際のワイヤ送給速度Vfの計測値の一例を表したものである。図9(B)は、アーク溶接の終了の際の溶接電圧Vsの計測値の一例を表したものである。図9(C)は、アーク溶接の終了の際の溶接電流Isの計測値の一例を表したものである。
制御部21は、上記の図8と同様に、溶接機40に対して、所定の期間ΔTの間、溶着確認用の溶接電流Isおよび溶接電圧Vsを出力するよう要求する。すると、溶接機40は、時刻T3から、溶着確認用の溶接電流Isおよび溶接電圧Vsを出力し始める。その後、所定の期間ΔTの間、溶着解除が2回、発生したとする。このとき、制御部21は、溶接電圧Vsが閾値Vthを2回だけ下回ったこと、または、溶接電流Isが閾値Ithを2回だけ超えたことを検知する。制御部21は、溶着解除回数Ndに対応するリカバリ情報Irをリカバリテーブル22Fから取得し、取得したリカバリ情報Irに基づく動作を、所定の期間ΔTが経過した後の時刻T5において、溶接機40およびサーボ制御部2に指示する。このとき、溶着解除回数Nd=2回のときのリカバリ情報Irが、例えば、「終端部のリペア」となっている場合には、制御部21は、サーボ制御部2に対しては、溶接ビードにおける、終端部よりも少し手前の箇所まで溶接トーチ13を戻させ、その場所から終端部まで溶接トーチ13を変移させる指示を行い、溶接機40に対しては、溶接トーチ13が所定位置まで戻ったタイミングで、溶接電流Isおよび溶接電圧Vsの出力を再開し、終端部までアーク溶接を行わせる指示を行う。
なお、図10に示したように、所定の期間ΔTの間に発生した溶着が解除されないまま、所定の期間ΔTが経過してしまった場合には、溶接トーチ13は、溶着した箇所から動けない。このときは、制御部21は、上述の時刻T5を遅延させ、時刻T4と時刻T5との間の時刻T6において、溶着解除の指示を溶接機40に対して行う。具体的には、制御部21は、時刻T6において、定格電圧を出力するよう、溶接機40に指示する。すると、溶接機40が、定格電圧の溶接電圧Vsを出力するので、溶着が解除される。このとき、制御部21は、時刻T6における溶着解除も溶着解除回数Ndに加える。これにより、制御部21は、より適切なリカバリ情報Irをリカバリテーブル22Fから取得することができる。
また、図11に示したように、溶着が解除されない状態が所定の期間、続いた場合には、制御部21は、所定の期間ΔTを延長するとともに、所定の期間ΔT内の時刻T7において、溶着解除の指示を溶接機40に対して行ってもよい。
[効果]
次に、溶接ロボットシステム1の効果について説明する。
従来では、溶接電極と溶接ビードとの短絡状態が検知されると、あらかじめ作業プログラムに記述された一連の溶着解除動作が行われる。しかし、溶着解除動作が自動で行われるので、溶接ビートの終端部分に品質不良が生じている可能性がある。
一方、溶接ロボットシステム1では、アーク溶接終了時の所定の期間ΔTにおいて溶着解除の生じた回数(溶着解除回数Nd)が検出される。ここで、溶着解除回数Ndは、溶接ビートの終端部分の品質と相関を持っているので、溶着解除回数Ndを検出することで、溶接ビートの終端部分の品質を推定することができる。従って、溶接ロボットシステム1では、溶接ビートの終端部分の品質不良を検出することができる。その結果、後工程に不良品が流れてしまうことを未然に防止することができる。また、溶着解除回数Ndが検出されることにより、ユーザは、溶着解除回数Ndに応じた遅延が起こっていることを把握することができる。
また、溶接ロボットシステム1では、検出した溶着解除回数Ndに基づいて、所定の期間ΔTが経過した後のアーク溶接ロボットシステム1の動作が決定される。これにより、溶接ビートの終端部分の品質不良を修繕することができる。さらに、溶接ロボットシステム1では、検出した溶着解除回数Ndや、決定されたアーク溶接ロボットシステム1の動作(例えば、修繕動作)が、記憶部24の履歴ファイル22Hに格納される。これにより、履歴ファイル22Hを分析することにより、溶着の生じやすい溶接区間WSの教示方法を検討したり、溶着の生じた溶接区間WSの次の溶接区間WSにおけるアークスタート処理の良し悪しを検討したりすることができる。
<2.変形例>
以下に、上記実施の形態の溶接ロボットシステム1の変形例について説明する。なお、以下では、上記実施の形態と共通の構成要素に対しては、上記実施の形態で付されていた符号と同一の符号が付される。また、上記実施の形態と異なる構成要素の説明を主に行い、上記実施の形態と共通の構成要素の説明については、適宜、省略するものとする。
上記実施の形態では、本発明の「通知部」として、ティーチペンダント30の表示部32が例示されていたが、警告灯などの他の通知方法が用いられていてもよい。
上記実施の形態では、本発明の「記憶装置」として、ロボット制御装置20の記憶部24が例示されていたが、溶接ロボットシステム1とネットワークで接続されたサーバなどの情報処理装置に内蔵された記憶装置が用いられていてもよい。
1…溶接ロボットシステム、10…マニピュレータ、11…ベース部材、12…多関節アーム部、12A…アーム、13…溶接トーチ、14…溶接電極、15…作業台、20…ロボット制御装置、21…制御部、22…サーボ制御部、22A…制御プログラム、22B…作業プログラム、22C…溶着監視プログラム、22D…設定ファイル、22E…閾値ファイル、22F…計測ファイル、22G…履歴ファイル、23…通信部、30…ティーチペンダント、31…制御部、32…表示部、33…入力部、34…通信部、35…記憶部、35A…教示プログラム、40…溶接機、41…制御部、42…通信部、43…溶接制御部、44…溶接電源、45…電流・電圧計測部、46…記憶部、46A…制御プログラム、211…解析部、212…実行部、213…溶接制御部、214…監視部、At…アーク時間、Dm…監視情報、Ir…リカバリ情報、Is…溶接電流、Ith…閾値電圧、L1〜L6…ケーブル、Nd…溶着解除回数、Om…移動命令、Ow…溶接命令、Vth…閾値電圧、Vf…ワイヤ送給速度、Vs…溶接電圧、WS…溶接区間、W…ワーク、ΔT…期間、T1〜T7…時刻。

Claims (5)

  1. アーク溶接終了の際の所定の期間における溶接電流の計測値が第1の閾値を超えた第1の回数、または、アーク溶接終了の際の前記所定の期間における溶接電圧の計測値が第2の閾値を下回った第2の回数を検出する検出部を備えた
    溶着監視装置。
  2. 前記検出部で検出された前記第1の回数または前記第2の回数に基づいて、前記所定の期間が経過した後のアーク溶接ロボットシステムの動作を決定する決定部をさらに備えた
    請求項1に記載の溶着監視装置。
  3. 前記検出部で検出された前記第1の回数または前記第2の回数、および前記決定部で決定された前記動作に関する情報を記憶装置に転送する転送部をさらに備えた
    請求項2に記載の溶着監視装置。
  4. 前記検出部で検出された前記第1の回数または前記第2の回数に基づく通知を行う通知部をさらに備えた
    請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の溶着監視装置。
  5. 溶接トーチと、前記溶接トーチを移動させるアームとを有する移動装置と、
    前記溶接トーチに電力を供給する電源装置と、
    前記溶接トーチとワークとの間に流れる溶接電流、および前記溶接トーチと前記ワークとの間の溶接電圧のうち少なくとも一方を計測する計測装置と、
    アーク溶接終了の際の所定の期間における溶接電流の計測値が第1の閾値を超えた第1の回数、または、アーク溶接終了の際の前記所定の期間における溶接電圧の計測値が第2の閾値を下回った第2の回数を検出する検出装置と
    を備えた
    溶接ロボットシステム。
JP2015156125A 2015-08-06 2015-08-06 溶着監視装置および溶接ロボットシステム Pending JP2017030047A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015156125A JP2017030047A (ja) 2015-08-06 2015-08-06 溶着監視装置および溶接ロボットシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015156125A JP2017030047A (ja) 2015-08-06 2015-08-06 溶着監視装置および溶接ロボットシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017030047A true JP2017030047A (ja) 2017-02-09

Family

ID=57986959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015156125A Pending JP2017030047A (ja) 2015-08-06 2015-08-06 溶着監視装置および溶接ロボットシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017030047A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112775526A (zh) * 2019-11-11 2021-05-11 发那科株式会社 粘丝检测装置和电弧焊机器人系统
JP2022002860A (ja) * 2018-04-03 2022-01-11 株式会社ダイヘン ワイヤ送給装置及び溶接システム
CN114364480A (zh) * 2019-09-04 2022-04-15 松下知识产权经营株式会社 焊接机以及具备其的焊接系统

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6448675A (en) * 1987-08-19 1989-02-23 Fanuc Ltd Automatic deposition releasing system for welding robot
JPH06277845A (ja) * 1993-03-31 1994-10-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd アーク溶接装置のアーク溶接方法
JP2005074492A (ja) * 2003-09-02 2005-03-24 Yaskawa Electric Corp 自動アーク溶接装置
JP2006247663A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Chuo Motor Wheel Co Ltd 溶接方法及び溶接装置
JP2007229808A (ja) * 2007-06-13 2007-09-13 Daihen Corp 2電極アーク溶接終了方法
JP2008012580A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Komatsu Ltd アーク溶接機の制御方法およびアーク溶接機
JP2011136372A (ja) * 2011-04-14 2011-07-14 Panasonic Corp 溶接終了制御方法および溶接方法
JP2015006675A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 株式会社ダイヘン 溶接終了時のワイヤ先端粒径の検出方法及びこれを用いたアークスタート制御方法
JP2015016487A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 株式会社ダイヘン 溶接終了時のワイヤ先端粒径の検出方法及びこれを用いたアークスタート制御方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6448675A (en) * 1987-08-19 1989-02-23 Fanuc Ltd Automatic deposition releasing system for welding robot
JPH06277845A (ja) * 1993-03-31 1994-10-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd アーク溶接装置のアーク溶接方法
JP2005074492A (ja) * 2003-09-02 2005-03-24 Yaskawa Electric Corp 自動アーク溶接装置
JP2006247663A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Chuo Motor Wheel Co Ltd 溶接方法及び溶接装置
JP2008012580A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Komatsu Ltd アーク溶接機の制御方法およびアーク溶接機
JP2007229808A (ja) * 2007-06-13 2007-09-13 Daihen Corp 2電極アーク溶接終了方法
JP2011136372A (ja) * 2011-04-14 2011-07-14 Panasonic Corp 溶接終了制御方法および溶接方法
JP2015006675A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 株式会社ダイヘン 溶接終了時のワイヤ先端粒径の検出方法及びこれを用いたアークスタート制御方法
JP2015016487A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 株式会社ダイヘン 溶接終了時のワイヤ先端粒径の検出方法及びこれを用いたアークスタート制御方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022002860A (ja) * 2018-04-03 2022-01-11 株式会社ダイヘン ワイヤ送給装置及び溶接システム
JP7184992B2 (ja) 2018-04-03 2022-12-06 株式会社ダイヘン ワイヤ送給装置
CN114364480A (zh) * 2019-09-04 2022-04-15 松下知识产权经营株式会社 焊接机以及具备其的焊接系统
CN112775526A (zh) * 2019-11-11 2021-05-11 发那科株式会社 粘丝检测装置和电弧焊机器人系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6636284B2 (ja) アーク溶接品質判定システム
JP6221076B2 (ja) アーク溶接制御方法およびアーク溶接装置
JP6046467B2 (ja) ロボットシステム
JP2012066288A (ja) アークスタート時のスパッタの発生を低減するアーク溶接方法
CN110662620B (zh) 使用焊丝电极标记金属工件的工件表面的方法和装置
JP2017030047A (ja) 溶着監視装置および溶接ロボットシステム
JP5502414B2 (ja) アーク溶接方法およびアーク溶接システム
JP5410220B2 (ja) アーク溶接方法およびアーク溶接システム
JP2001212671A (ja) 自動機用溶接機
JP2011212698A (ja) アーク溶接方法
JP6320851B2 (ja) 消耗電極式アーク溶接のアークスタート制御方法、溶接装置
JP7303383B2 (ja) 溶接シームを溶接するための方法および装置
JP2020049535A (ja) 溶接装置及び溶接方法
JP2010214399A (ja) アーク溶接方法
JP2016159316A (ja) アーク溶接方法、アーク溶接装置およびアーク溶接用制御装置
JP6546407B2 (ja) アーク溶接監視システム
JP2017226000A (ja) ケーブル監視装置および溶接ロボットシステム
WO2015198816A1 (ja) アーク溶接品質判定システム
JP5854645B2 (ja) アーク溶接ロボット
JP6672551B2 (ja) アーク溶接の表示装置及び表示方法
JP6084498B2 (ja) アーク溶接ロボット制御装置及びアーク溶接ロボット制御方法
CN101992335A (zh) 电弧焊接方法以及电弧焊接系统
JP5511279B2 (ja) ガスシールドアーク溶接のアークスタート制御方法およびアーク溶接ロボットの制御装置
JP5862935B2 (ja) アークスタート制御方法
JP4038043B2 (ja) 自動溶接装置のアークスタート方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200514

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201013