JP2017014906A - 遮熱膜の製造方法及び内燃機関の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法において、従来よりも生産性を向上させる。
【解決手段】燃焼室5を形成するシリンダヘッド4に設けられたバルブ穴4b,4cをバルブ6,7によって閉鎖する閉鎖工程S3と、バルブ6,7によってバルブ穴4b,4cを閉鎖した状態で燃焼室5に臨むシリンダヘッド4の底面4a及びバルブ6,7の底面6a,7aに溶射材を溶射して遮熱膜8を形成する溶射工程S4と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】燃焼室5を形成するシリンダヘッド4に設けられたバルブ穴4b,4cをバルブ6,7によって閉鎖する閉鎖工程S3と、バルブ6,7によってバルブ穴4b,4cを閉鎖した状態で燃焼室5に臨むシリンダヘッド4の底面4a及びバルブ6,7の底面6a,7aに溶射材を溶射して遮熱膜8を形成する溶射工程S4と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車のエンジン等の内燃機関の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法に関する。
従来からエンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に断熱層が形成されたエンジン燃焼室部材の断熱構造体の製造方法が知られている(下記特許文献1を参照)。特許文献1に記載の方法は、エンジン燃焼室を構成する部品の基材表面に断熱層が形成された断熱構造体の製造方法であって、上記部品を用意し、無機酸化物の中空状粒子とSi系樹脂とを混合し、当該混合物を上記部品の基材表面に塗布する樹脂塗布工程と、上記混合物の塗布表面を、350℃以上の温度で加熱して酸化させる表面酸化工程と、を含む。
特許文献1に記載の方法において、上記表面酸化工程は、エンジンの組立後に実施されるエンジンの着火試験の際に行われる。このように、特許文献1によれば、エンジンの着火試験の際に混合物の塗布表面を酸化させてSiO2を含む表面層を形成することで、断熱構造体の製造方法を大幅に簡略化することができ、また、エンジン燃焼室において燃焼熱に曝される部分だけが酸化されるので、表面層を形成する部分を必要最小限度に抑えることができる、とされている。
また、従来から内燃機関の燃焼室表面に燃焼生成物が付着堆積するのを防止するための表面処理方法が知られている(下記特許文献2を参照)。特許文献2に記載の表面処理方法は、内燃機関の燃焼室表面を構成する各部品の少なくとも該燃焼室に臨む表面、および該燃焼室に連なる吸、排気ポートの表面に、デポジットの付着防止を目的としたコーティング剤を塗布し、これら各部品を組付けた後機関を運転して、燃焼室に発生する燃焼ガスの熱により前記コーティング剤を焼結する。
特許文献2によれば、前記表面処理方法において燃焼室を構成する各部品の表面に塗布したコーティング剤は、これら部品を組付けて燃焼室を構成した後機関を運転することにより、該燃焼室に発生する高温の燃焼ガスの熱を有効利用して焼結するため、専用の焼結装置を不要とすることができて大幅なコストダウンを図ることができる、とされている。
前記従来の方法では、コーティング剤を塗布する際に、シリンダヘッドの吸気ポート及び排気ポートに対する異物の侵入を防止するため、吸気ポート及び排気ポートをマスキング材で覆うマスキング工程を実施する必要があり、生産性が低下する。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、内燃機関の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法において、従来よりも生産性を向上することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の遮熱膜の製造方法は、内燃機関の遮熱膜の製造方法であって、少なくとも、燃焼室を形成するシリンダヘッドに設けられたバルブ穴をバルブによって閉鎖する閉鎖工程と、前記バルブによって前記バルブ穴を閉鎖した状態で前記燃焼室に臨む前記シリンダヘッド及び前記バルブの底面に溶射材を溶射して前記遮熱膜を形成する溶射工程と、を有することを特徴とする。
シリンダヘッドは、シリンダブロック及びピストン等のその他の部品とともに内燃機関の燃焼室を形成する部品であり、バルブ穴として吸気バルブ穴と排気バルブ穴とを有している。燃焼室を画成する各部材の母材としては、例えば、アルミニウム、鋼、チタン、ニッケル、銅、及びこれらの合金を用いることができる。バルブ穴は、シリンダヘッドに組み付けられたバルブによって開閉される。
本発明の遮熱膜の製造方法では、閉鎖工程においてシリンダヘッドのバルブ穴がバルブによって閉鎖される。溶射工程では、バルブによってバルブ穴が閉鎖された状態で、燃焼室に臨むシリンダヘッド及びバルブの底面に溶射材が溶射されて遮熱膜が形成される。遮熱膜の材料、すなわち溶射材としては、燃焼室を形成する各部材の母材と同様に、例えば、アルミニウム、鋼、チタン、ニッケル、銅、及びこれらの合金を用いることができる。
溶射工程は、例えば、溶射装置を用いて実施することができる。具体的には、溶射装置にアルミニウム粉末等の溶射材の粉末、冷却水、作動ガスであるアルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス等を充填し、溶射装置の電極間に電圧を印加する。これにより、溶射装置に充填された溶射材が、溶射装置の先端のシールド筒から不活性ガスによってプラズマジェットとなって放出され、燃焼室に臨むシリンダヘッド及びバルブの底面に溶射されて遮熱膜が形成される。
また、溶射工程で溶射材を溶射して遮熱膜を形成する前に、閉鎖工程によってシリンダヘッドに設けられたバルブ穴をバルブによって閉鎖することで、溶射材がバルブ穴に侵入するのを防止できる。したがって、溶射材がバルブ穴に侵入するのを防止するために溶射工程の前にマスキング材によってバルブ穴を覆うマスキング工程を省略することができ、マスキング工程を有する従来の方法よりも生産性を向上させることができる。さらに、溶射工程の後にマスキング材を除去するマスキング材除去工程も省略することができ、マスキング材除去工程を有する従来の方法よりも、生産性を向上させることができる。
また、本発明の内燃機関の製造方法は、前述の遮熱膜の製造方法を用いた内燃機関の製造方法であって、閉鎖工程において、内燃機関の運転時にバルブ穴がバルブによって開閉可能になるように、バルブをシリンダヘッドに組み付けることを特徴とする。閉鎖工程において、シリンダヘッドのバルブ穴にバルブを単に配置して閉鎖するだけでなく、シリンダヘッドに対するバルブの組み付け工程を完了することで、溶射工程の後にシリンダヘッドからバルブを取り外して再度シリンダヘッドにバルブを組み付ける必要がなく、生産性が向上する。
また、本発明の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法は、閉鎖工程において、バルブ穴の開口部に傾斜面を有するシリンダヘッドと、該開口部の傾斜面に対応する傾斜面を有するバルブとを用いることができる。この場合、シリンダヘッドの傾斜面とバルブの傾斜面とを当接させて開口部を閉鎖する。これにより、マスキング材によって密閉することが困難な傾斜面を有するバルブ穴の開口部を、バルブによって確実に閉鎖し、バルブ穴への異物の侵入をより確実に防止することができる。
なお、本発明の内燃機関の製造方法において、閉鎖工程及び溶射工程以外の工程については、従来の内燃機関の製造方法と同様の工程を実施することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法によれば、マスキング工程を省略して、従来よりも生産性を向上させることができる。
以下、本発明の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
まず、図1を参照して本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法によって製造される内燃機関について説明する。図1は、本実施形態の内燃機関の製造方法による内燃機関1の要部断面図である。
内燃機関1は、例えば、自動車のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であり、ピストン2と、シリンダブロック3と、シリンダヘッド4とを備え、これらの部材によって燃焼室5が形成されている。
燃焼室5は、シリンダブロック3のボア面3aと、このボアに組み込まれたピストン2の頂面2aと、シリンダヘッド4の底面4aと、シリンダヘッド4内に配設された吸気バルブ6及び排気バルブ7の底面6a,7aによって画成されている。燃焼室5を画成する各部材の母材としては、例えば、アルミニウム、鋼、チタン、ニッケル、銅、及びこれらの合金を用いることができる。
シリンダヘッド4は、バルブ6,7によって開閉される複数のバルブ穴4b,4cを有し、具体的には、吸気バルブ6によって開閉される吸気バルブ穴4bと、排気バルブ7によって開閉される排気バルブ穴4cとを有している。バルブ穴4b,4cの開口部には、バルブ6,7の傾斜面6b,7bの形状に対応する形状の傾斜面4dが設けられている。バルブ穴4b,4cの開口部の傾斜面4dが、バルブ6,7の傾斜面6b,7bに当接することで、バルブ穴4b,4cが密閉される。
燃焼室5を画成するシリンダヘッド4の底面4aと吸気バルブ6及び排気バルブ7の底面6a,7aには、遮熱膜8が形成されている。遮熱膜8は、燃焼室5に臨む壁面の一部であるシリンダヘッド4の底面4aと吸気バルブ6及び排気バルブ7の底面6a,7aに形成されている。なお、遮熱膜8は、ピストン2の頂面2aとシリンダブロック3のボア面3aを含む、燃焼室5に臨む壁面の全部に形成してもよい。遮熱膜8は、例えば、金属と該金属の酸化物である金属酸化物によって形成された複数の層によって構成することができる。
遮熱膜8の材料としては、燃焼室5を画成する各部材の母材と同様に、例えば、アルミニウム、鋼、チタン、ニッケル、銅、及びこれらの合金を用いることができる。遮熱膜8は、車両の定常走行時において高燃費かつ高効率なエンジン性能に寄与する観点から、例えば、λ=0.4(W/mK)程度以下の低熱伝導率であり、かつ体積比熱容量が1200(kJ/m3K)程度以下の低熱容量であることが好ましい。
内燃機関1は、図示を省略する燃料噴射弁と点火プラグとを備えている。内燃機関1は、吸気バルブ6を開いて吸気バルブ穴4bから燃焼室5に空気を取り込むときに燃料噴射弁によって燃料を噴射して混合気を生成し、点火プラグによって燃焼室5内の混合気に点火した後、排気バルブ7を開いて排気バルブ穴4cから燃焼室5内の排気を排出する。
以下、本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法を示すフロー図である。
本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法は、燃焼室5を形成するシリンダヘッド4に設けられたバルブ穴4b,4cをバルブ6,7によって閉鎖する閉鎖工程S3と、バルブ6,7によってバルブ穴4b,4cを閉鎖した状態で燃焼室5に臨むシリンダヘッド4の底面4a及びバルブ6,7の底面6a,7aに溶射材を溶射して遮熱膜8を形成する溶射工程S4と、を有することを最大の特徴としている。
より詳細には、本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法では、閉鎖工程S3及び溶射工程S4の前に、シリンダヘッド製造工程S1及びバルブ製造工程S2が実施される。また、シリンダヘッド製造工程S1及びバルブ製造工程S2と並行して、シリンダブロック3、ピストン2等、内燃機関1のその他の部品の製造工程が実施されるが、これらの製造工程については、説明を省略する。
シリンダヘッド製造工程S1は、シリンダヘッド鋳造工程S11と切削工程S12とを含む。シリンダヘッド鋳造工程S11では、燃焼室5を形成する部材の母材として挙げた材料を溶融させてシリンダヘッド4を鋳造する。切削工程S12では、鋳造されたシリンダヘッド4を切削する。切削工程S12において、シリンダヘッド4のバルブ穴4b,4cの開口部に傾斜面4dが設けられる。
傾斜面4dは、バルブ穴4b,4cの開口部の全周に亘って、バルブ穴4b,4cの開口端から深さ方向の所定の範囲に設けられ、燃焼室5に近付くにしたがって開口部が拡径し、燃焼室5から遠ざかるにしたがって開口部が縮径するように傾斜している。バルブ穴4b,4cの開口部の傾斜面4dの形状は、バルブ穴4b,4cの開口部を開閉するバルブ6,7の傾斜面6b,7bの形状に対応して設けられる。これにより、バルブ穴4b,4cの開口部の傾斜面4dは、バルブ6,7の傾斜面6b,7bに当接してバルブ穴4b,4cを密閉する。
バルブ製造工程S2は、シリンダヘッド製造工程S1と並行して実施される。閉鎖工程S3では、バルブ製造工程S2で製造されたバルブ6,7によってシリンダヘッド4に設けられたバルブ穴4b,4cを閉鎖する。本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法では、閉鎖工程S3において、内燃機関1の運転時にシリンダヘッド4のバルブ穴4b,4cがバルブ6,7によって開閉されるように、バルブ6,7をシリンダヘッド4に完全な状態で組み付ける。
なお、閉鎖工程S3では、必ずしもバルブ6,7をシリンダヘッド4に完全な状態で組み付ける必要はなく、単にバルブ6,7によってバルブ穴4b,4cを閉鎖するように、バルブ6,7をバルブ穴4b,4cに仮配置するだけでもよい。閉鎖工程S3の終了後、シリンダヘッド4のバルブ穴4b,4cをバルブ6,7によって閉鎖した状態で、溶射工程S4を実施する。
溶射工程S4では、燃焼室5を形成するシリンダヘッド4に設けられたバルブ穴4b,4cをバルブ6,7によって閉鎖した状態で、燃焼室5に臨むシリンダヘッド4の底面4a及びバルブ6,7の底面6a,7aに溶射材を溶射して遮熱膜8を形成する。
より詳細には、例えば、図示を省略する溶射装置を用意し、溶射装置にアルミニウム粉末等の溶射材の粉末、冷却水、及び作動ガスであるアルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを充填し、溶射装置の電極間に電圧を印加する。これにより、溶射装置に充填された溶射材が、溶射装置の先端のシールド筒から不活性ガスによってプラズマジェットとなって放出され、燃焼室5に臨むシリンダヘッド4の底面4a及びバルブ6,7の底面6a,7aに溶射されて遮熱膜8が形成される。
本実施形態の内燃機関の製造方法は、溶射工程S4の後に、内燃機関1を組み立てる内燃機関組立工程S5を実施することで、完成品としての内燃機関1を得る。内燃機関組立工程S5は、シリンダヘッド4とシリンダブロック3とを組み付ける工程を含む。
ここで、本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法の効果を説明するために、本実施形態の方法と従来の方法とを比較する。
図3は、溶射によって遮熱膜8を形成する従来の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法を示すフロー図である。図3に示す従来の方法では、図2に示す本実施形態の製造方法と同様にシリンダヘッド製造工程S1を有しているが、その後、マスキング工程S6を実施している点で異なっている。マスキング工程S6では、シリンダヘッド4のバルブ穴4b,4cに溶射材等の異物が侵入するのを防止するために、バルブ穴4b,4cをマスキング材によって覆う。
図3に示す従来の方法では、マスキング工程S6の完了後、シリンダヘッド4の溶射工程S41を実施し、燃焼室5に臨むシリンダヘッド4の底面4aに遮熱膜8を形成する。また、シリンダヘッド4の溶射工程S41とは別に、バルブ製造工程S2によって製造したバルブ6,7の溶射工程S42を実施し、燃焼室5に臨むバルブ6,7の底面6a,7aに遮熱膜8を形成する。また、シリンダヘッド4の溶射工程S41の完了後、マスキング材を除去するマスキング材除去工程S7を実施する。その後、遮熱膜8が形成されたシリンダヘッド4に遮熱膜8が形成されたバルブ6,7を組み付ける組付工程S8を実施する。その後、シリンダヘッド4とシリンダブロック3とを組み付ける工程を含む内燃機関組立工程S9を実施する。
これに対し、本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法は、溶射工程S4の前にシリンダヘッド4のバルブ穴4b,4cをバルブ6,7によって閉鎖する閉鎖工程S3を実施し、その状態で溶射工程S4を実施する。そのため、溶射工程S4においてバルブ6,7によってバルブ穴4b,4cに溶射材等の異物が侵入するのを防止することができ、バルブ穴4b,4cをマスキング材によって覆うマスキング工程S6及びそのマスキング材を除去するマスキング材除去工程S7を省略することができる。したがって、従来よりも内燃機関1の製造工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法では、溶射工程S4において、シリンダヘッド4の底面4a及びバルブ6,7の底面6a,7aに遮熱膜8を一括して形成することができる。これにより、シリンダヘッド4とバルブ6,7に対する遮熱膜8の形成を別の溶射工程S41,S42で実施する従来の方法と比較して、工程を削減して生産性を向上させることができる。
また、本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法では、閉鎖工程S3において、内燃機関1の運転時にシリンダヘッド4のバルブ穴4b,4cをバルブ6,7によって開閉させることができるように、バルブ6,7をシリンダヘッド4に完全な状態で組み付けている。そのため、閉鎖工程S3において、シリンダヘッド4のバルブ穴4b,4cにバルブ6,7を単に仮配置して閉鎖するだけの場合と異なり、溶射工程S4の後にシリンダヘッド4からバルブ6,7を取り外し、内燃機関組立工程S5の前にシリンダヘッド4にバルブ6,7を組み付ける組付工程を実施する必要がなくなり、生産性が向上する。
なお、閉鎖工程S3において、単にバルブ6,7をバルブ穴4b,4cに仮配置して閉鎖するだけの場合は、内燃機関組立工程S5の前にバルブ6,7をシリンダヘッド4に組み付ける組付工程を実施する必要がある。しかし、この場合には、溶射工程S4においてバルブ6,7に対する溶射が不十分であった場合に、シリンダヘッド4からバルブ6,7を容易に取り外して、再度、バルブ6,7のみに溶射を行うことが容易になる。
また、本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法では、閉鎖工程S3において、バルブ穴4b,4cの開口部に傾斜面4dを有するシリンダヘッド4と、バルブ穴4b,4cの開口部の傾斜面4dに対応する傾斜面6b,7bを有するバルブ6,7とを用いている。そして、シリンダヘッド4の傾斜面4dとバルブ6,7の傾斜面6b,7bとを当接させてバルブ穴4b,4cの開口部を閉鎖している。それにより、マスキング材によって密閉することが困難な傾斜面4dを有するバルブ穴4b,4cの開口部を、バルブ6,7によって確実に密閉し、バルブ穴4b,4cへの異物の侵入をより確実に防止することができる。
以上説明したように、本実施形態の遮熱膜の製造方法及びそれを用いた内燃機関の製造方法によれば、マスキング工程S6及びマスキング材除去工程S7を省略して、従来よりも生産性を向上させることができる。なお、本実施形態の内燃機関の製造方法において、図2に示す工程以外の工程については、従来の内燃機関の製造方法と同様の工程を採用することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1 内燃機関
4 シリンダヘッド
4a 底面
4b 吸気バルブ穴(バルブ穴)
4c 排気バルブ穴(バルブ穴)
4d 傾斜面
5 燃焼室
6 吸気バルブ(バルブ)
6a 底面
6b 傾斜面
7 排気バルブ(バルブ)
7a 底面
7b 傾斜面
8 遮熱膜
S3 閉鎖工程
S4 溶射工程
4 シリンダヘッド
4a 底面
4b 吸気バルブ穴(バルブ穴)
4c 排気バルブ穴(バルブ穴)
4d 傾斜面
5 燃焼室
6 吸気バルブ(バルブ)
6a 底面
6b 傾斜面
7 排気バルブ(バルブ)
7a 底面
7b 傾斜面
8 遮熱膜
S3 閉鎖工程
S4 溶射工程
Claims (2)
- 内燃機関の遮熱膜の製造方法であって、
燃焼室を形成するシリンダヘッドに設けられたバルブ穴をバルブによって閉鎖する閉鎖工程と、前記バルブによって前記バルブ穴を閉鎖した状態で前記燃焼室に臨む前記シリンダヘッド及び前記バルブの底面に溶射材を溶射して遮熱膜を形成する溶射工程と、を有することを特徴とする遮熱膜の製造方法。 - 請求項1に記載の遮熱膜の製造方法を用いた内燃機関の製造方法であって、
前記閉鎖工程において、前記内燃機関の運転時に前記バルブ穴が前記バルブによって開閉されるように前記バルブを前記シリンダヘッドに組み付けることを特徴とする内燃機関の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015129007A JP2017014906A (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 遮熱膜の製造方法及び内燃機関の製造方法 |
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