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JP2017085718A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】基板面積の拡大及び基板コストの増加を抑制しつつ、放熱性を向上したモータを提供すること。【解決手段】本発明のモータ1は、ロータ11とコイル123が巻回されたステータ12とを有するモータ本体部10と、主として一方の面22aにパワー素子221を含む駆動回路が実装される回路基板22を有する駆動回路部20と、回路基板22の他方の面22b側に配置され、駆動回路部20の熱を放熱するヒートシンク30と、モータ本体部10のコイル123の端部が一方側に電気接続され、他方側の一部が回路基板22に実装されたパワー素子221に電気接続されるとともに回路基板22の一方の面22a側から他方の面22b側に熱を伝達する巻線端子40と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明はモータに関するものである。
近年、パワー素子の性能が向上し、小型のパワー素子で大電流を制御できるようになってきているため、小型モータでも高出力化が可能になってきているが、それに応じてパワー素子の発する熱も増大しており、その熱を効率よく放熱することが求められるようになってきている。
特許文献1には、大電流が通電されるパワー素子を搭載したパワー基板の放熱対策として、パワー基板に設けた貫通孔を介してパワー基板表面に実装されたパワー素子を、パワー基板裏面側のヒートシンクに露出させる方法や、パワー基板のパワー素子直下またはパワー素子周辺に小径(φ0.2mm〜φ0.8mm程度)のスルーホールを多数設けて、スルーホールを経由してヒートシンクに放熱する方法などが開示されている。
しかしながら、特許文献1では、これらの方法では、放熱効率を高めるために、その貫通孔を大径化したり、さらにスルーホールの数を増やしたりする必要があるため、基板面積の拡大を招き、製品価値を下げることになるとされている。
また、特許文献1には、従来、パワー基板の放熱対策として、基板素材の高放熱化を行う方法があることが説明されており、具体的には、普及率及び汎用性が高く、かつ安価な基板である樹脂基板(ガラスエポキシ基板)に代えて、セラミックやアルミニウムからなる基板にすることが開示されている。
しかしながら、特許文献1では、セラミックやアルミニウムからなる基板に代えると、基板コストの増加(同体積比で約5倍程度)を招くことになるとされている。
特開2015―089151号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、基板面積の拡大及び基板コストの増加を抑制しつつ、放熱性を向上したモータを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明のモータは、ロータとコイルが巻回されたステータとを有するモータ本体部と、主として一方の面にパワー素子を含む駆動回路が実装される回路基板を有する駆動回路部と、前記回路基板の他方の面側に配置され、前記駆動回路部の熱を放熱するヒートシンクと、モータ本体部のコイルの端部が一方側に電気接続され、他方側の一部が前記回路基板に実装された前記パワー素子に電気接続されるとともに前記パワー素子からの熱を前記回路基板の一方の面側から他方の面側に伝達する巻線端子と、を備える。
(2)上記(1)の構成において、前記ヒートシンクの前記回路基板側となる一方の面に電気絶縁性でかつ熱伝導性の材料が設けられている。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記巻線端子の他方側は、前記パワー素子に電気接続された前記回路基板のランドに半田で接合されている。
(4)上記(3)の構成において、前記ランドは、前記回路基板の他方の面に設けられ、前記ランドは、前記ランドから前記回路基板の一方の面に繋がる導電パターンで前記パワー素子に電気接続されている。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つの構成において、前記巻線端子の他方側の端部は、前記回路基板の他方の面より突出して配置されるとともに、前記ヒートシンクに直接接触しないように前記ヒートシンクに形成された溝部内に配置されている。
(6)上記(5)の構成において、前記ヒートシンクの前記溝部には、前記巻線端子の他方側の前記端部から前記ヒートシンクに熱を伝達する電気絶縁性でかつ熱伝導性の材料が設けられている。
(7)上記(1)から(6)のいずれか1つの構成において、前記巻線端子には熱抵抗の低い材料が用いられ、かつ、前記巻線端子は、前記回路基板の一方の面側から他方の面側に熱を伝達する部分が電流を流すのに必要な断面積より十分に大きい断面積とされている。
本発明によれば、基板面積の拡大及び基板コストの増加を抑制しつつ、放熱性を向上したモータを提供することができる。
本発明に係る実施形態のモータの斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明に係る実施形態の回路基板の一方の面を見る正面図である。 本発明に係る実施形態の回路基板の他方の面を見る裏面図である。 本発明に係る実施形態のモータの駆動回路図である。 本発明に係る実施形態のヒートシンクの斜視図である。 図2の点線丸囲み部Bの拡大図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
図1は、本発明に係る実施形態のモータ1を示す斜視図であり、図2は図1のA−A線断面図である。
図1に示すように、モータ1は、モータ本体部10と、駆動回路部20、とヒートシンク30と、を備えている。
(モータ本体部)
図2に示すように、モータ本体部10は、中央に配置されるロータ11と、ロータ11の外周に配置されるステータ12と、ステータ12の外周を覆うように配置されるフレーム13と、を備えている。
ロータ11は、ロータヨーク111と、ロータヨーク111の外周に設けられるロータマグネット112と、ロータヨーク111と一体に設けられロータヨーク111の中心を貫通するシャフト113と、を備えている。
ステータ12は、ステータコア121と、ステータコア121を覆うインシュレータ122と、インシュレータ122上に巻回されるコイル123と、を備えている。
フレーム13は、ステータ12の外周を覆う円筒状の側壁部131と、側壁部131の上側(一方側)の端部に一体に形成された底部132と、を備えている。
底部132の中央側には、上側(一方側)に出っ張るシャフト113を回転自在に軸受けする軸受部14aを収納する凹部132aが形成されており、その凹部132aの中央には、シャフト113の一端側を外部に出すための貫通孔が設けられている。
なお、ステータ12が、フレーム13の側壁部131に対して圧入固定や接着固定されることで、フレーム13とステータ12とは一体化される。
また、フレーム13の側壁部131の下側(他方側)の端部には、蓋部133が設けられている。
蓋部133の中央側には、下側(他方側)に出っ張るシャフト113を回転自在に軸受けする軸受部14bを収納する凹部133bが形成されており、その凹部133bの中央には、シャフト113の他端側を通す貫通孔が設けられている。
したがって、ロータ11は、シャフト113の上側(一方側)と下側(他方側)が、軸受部14aと軸受部14bとによって回転自在に支持されることでステータ12に対して回転可能に設けられている。
また、モータ1は、ステータ12に取付けられた巻線端子40を備えている。
詳細に関しては、後述するが、図2に示すように、巻線端子40は、上側(一方側)にモータ本体部10のコイル123(インシュレータ122上に巻回されたコイル123)の端部が電気接続されるコイル接続部41を有しており、一方、巻線端子40の下側(他方側)の一部が後ほど説明する回路基板22上の導電パターンを介してパワー素子221に電気接続される。
したがって、パワー素子221で制御された電流が巻線端子40を介してコイル123に供給され、モータ1が駆動するようになっている。
そして、この巻線端子40を駆動回路部20側に出すために、蓋部133には、巻線端子40を通すための貫通孔が設けられている。
なお、本実施形態のモータ1は、相数が3相型のブラシレスモータであるため、図2に示すように、3本の巻線端子40を備えているが、相数自体は限定されるものではなく、したがって、巻線端子40の数は、その求められる相数に合わせて、増やしてもよく、減らしてもよい。
また、モータの種類もブラシレスモータに限定されるものではなく、本実施形態では、ロータ11が中央に位置するインナーロータ型の場合を示しているが、ステータが中央に位置し、ロータがステータの外側に配置されるアウターロータ型のモータでもよい。
(駆動回路部)
駆動回路部20は、フレーム13の下側(他方側)の端部に形成されるフランジ134にネジ固定される外壁部21と、その外壁部21内に配置される回路基板22と、を備えている。
回路基板22は、安価に製造できる一般的な構成のものでよく、例えば、エポキシやガラスエポキシなどの樹脂製のベース基材の表面及び裏面に電気配線となる導電パターンを形成し、表面及び裏面の導電パターンの必要な個所をビアホールで接続するようにしたようなものでよい。
なお、このような一般的な回路基板は、ベース基材の表裏の全面にベタパターンとして導電膜(例えば、銅などの膜)を形成し、導電パターンを描くように導電膜をエッチングして形成される。
このエッチングは、導電パターンを形成するためにエッチングすることが必要な部分だけに行われ、導電パターンに使用しない導電膜の部分であっても、エッチングの必要がない部分については、そのままベタパターンのまま残されている。
そして、導電膜を形成する材料(例えば、銅など)は一般的に熱伝導率が大きいため、回路基板の表裏の面は横方向への熱の伝達は悪くない。
一方で、一般的なベース基材にはフェノールやガラスエポキシなどのように熱伝導率が小さく、熱抵抗が大きい材料が使用されるため、回路基板の表面側から裏面側への熱伝導はよくない。
したがって、このような一般的な回路基板の構成とすることで部品コストを安く抑えることができる反面、放熱性の観点からすると回路基板の厚さ方向への放熱性が低いという問題がある。
図2に示すように、回路基板22の上側の面(一方の面22a)には、パワー素子221が実装されている。
図3は、回路基板22の一方の面22a(図2で上側となっている面)を正面に見た正面図である。
なお、図3では、回路基板22の一方の面22aに形成されている電気配線となる導電パターンやパワー素子221以外の素子についての図示を省略している。
図3に示すように、回路基板22には、上述した3つの巻線端子40のそれぞれに対応した位置に、一方の面22a側から反対側に位置する他方の面22b側(図2参照)まで貫通する貫通孔222が形成されている。
そして、回路基板22の一方の面22aには、2個で1セットのパワー素子221が、図示しない所定の導電パターンに電気接続されるように、それぞれの貫通孔222の近傍に取り付けられている。
導電パターンは、貫通孔222の壁面にもほどこされており、貫通孔222は大径のスルーホールとして形成されている。
図4は、回路基板22の他方の面22b(図2で下側となっている面)を正面に見た裏面図である。
なお、図4でも、回路基板22の他方の面22bに形成されているランド23以外の電気配線となる導電パターンなどの図示を省略している。
図4に示すように、巻線端子40を通す貫通孔222の周囲には、巻線端子40と電気接続されるランド23が形成されており、このランド23には、貫通孔222を通して回路基板22の他方の面22bに突出して配置される巻線端子40の他方側が半田で接合される。
なお、本実施形態では、ランド23と巻線端子40を半田接合しているが、半田による接合に限らず、導電性接着剤などによる接合であってもよい。
そして、ランド23は、図示を省略しているが、大径のスルーホールとして形成された貫通孔222の壁面の導電パターンで回路基板22の一方の面22aのパワー素子221に電気接続されており、ランド23と巻線端子40の他方側が半田接合される。
この半田接合のときに、貫通孔222と巻線端子40のすきまが半田で満たされるため、巻線端子40の他方側の一部がパワー素子221に低い電気抵抗で電気接続されることになる。
このように、回路基板22の他方の面22bに巻線端子40の他方側が半田接合されるランド23を設ける構成にしておくと、図2に示すような組付状態とするために、モータ本体部10のフレーム13のフランジ134に、駆動回路部20の外壁部21をネジ固定した後に、回路基板22の貫通孔222に巻線端子40の他方側を通すようにして回路基板22をセットして、回路基板22の他方の面22bに突出した巻線端子40の根本部分をランド23に半田接合すればよいため、半田作業などが行い易い。
ここで、上述のように、1つの巻線端子40に対して2つのパワー素子221を設けることの理由について、図5の駆動回路図を参照しながら、以下簡単に説明する。
上述の2つのパワー素子221とは、より具体的には、1つがハイサイド側パワー素子221Hであり、もう1つがローサイド側パワー素子221Lである。
つまり、上述の2つのパワー素子221を設ける構成は、ハイサイド側パワー素子221Hとローサイド側パワー素子221Lとを対で設ける構成を示したものであり、このハイサイド側パワー素子221H及びローサイド側パワー素子221Lを図示しない制御回路部が制御することでモータ本体部10に供給する電流の制御が行われる。
ハイサイド側パワー素子221Hとローサイド側パワー素子221Lとを用いるようにすると正負の電流制御ができるため、電力の利用効率を高めることができるので好適である。
但し、電力の利用効率は低下するが、ハイサイド側パワー素子221Hだけとして、モータ1を駆動させるような駆動回路を構成することが可能であるので、必ずしも1つの巻線端子40に対して2個のパワー素子221(ハイサイド側パワー素子221H及びローサイド側パワー素子221L)をセットとして設けることに限定される必要はない。
(ヒートシンク)
図2に示すように、ヒートシンク30は、回路基板22側に向く、一方の面30aがほぼ平面状であり、一方の面30aの反対側に位置する他方の面30bには、複数の突起31が形成されており、放熱面積を増やして放熱効率を高めるようにされている。
そして、ヒートシンク30は、駆動回路部20の外壁部21のモータ本体部10と反対側に位置する4隅に設けられたネジ止め部にネジ止めされる(図1参照)。
なお、ヒートシンク30をネジ止めするのに先立って、図2に示すように、ヒートシンク30の回路基板22側となる一方の面30aに電気絶縁性の熱伝導性シート(電気絶縁性かつ熱伝導性の材料の一例)24を設けておく。
このようにすることで、ヒートシンク30と回路基板22との間に熱伝導が低くなる空気が存在するような隙間ができ難くなり、回路基板22からヒートシンク30への熱伝導を高めることができる。
但し、熱伝導性シートに限定される必要はなく、電気絶縁性の熱伝導性接着剤などを回路基板22とヒートシンク30との間に設けるようにしてもよく、このようにしてもヒートシンク30と回路基板22との間に空気が存在するような隙間ができ難くなり、回路基板22からヒートシンク30への熱伝導を高めることができる。
図6は、ヒートシンク30の回路基板22側に向く、一方の面30aを主に見るようにした斜視図である。
図6に示すように、一方の面30aには、回路基板22の他方の面22bから突出する巻線端子40の他方側の端部を収容する溝部32が形成されている。
この溝部32は、巻線端子40がヒートシンク30に直接接触しない大きさに形成されている。
このため、図2の点線の丸囲み部分Bの拡大図である図7に示すように、巻線端子40の他方側の端部は、図2のモータ1の状態のときに、ヒートシンク30に直接接触しないようにヒートシンク30に形成された溝部32内に配置されるので、巻線端子40とヒートシンク30との間が空間的に離間して電気的に絶縁された状態となっている。
以上のような構成からなるモータ1の放熱のための構成について、以下で詳細に説明する。
巻線端子40の他方側は、パワー素子221に電気接続されていればよいので、図7を参照して説明すれば、本来であれば、回路基板22の一方の面22a側で、パワー素子221に電気接続されるように半田や導電性接着剤などで接合する態様であってもよい。
しかしながら、本実施形態では、上述したように、回路基板22に貫通孔222を設け、図7に示すように、その貫通孔222を通じて巻線端子40の他方側は回路基板22の一方の面22aから他方の面22bに貫通するように配置され、巻線端子40の突出した根本部分が他方の面22bのランド23(図示省略)に半田付けされている。
そして、巻線端子40のような電流を流すことを目的とする部材には、銅などの導電材料が用いられるが、そのような材料は熱伝導率が比較的大きく、熱抵抗で見れば小さいので、単にスルーホールを設けるものと比較して、はるかに効率よく熱を伝達することが可能である。
したがって、パワー素子221が発生する熱は、巻線端子40を通じて回路基板22の一方の面22aから他方の面22bに効率よく伝達され、他方の面22bを介してヒートシンク30に伝わり、効率よく放熱することができる。
しかも、この構成は、回路基板22の巻線端子40に対応する位置に貫通孔222を設けるだけという極めてシンプルな構成のため、回路基板22の製造コストをほとんど上昇させることがない。
ところで、熱抵抗は巻線端子40の断面積によっても変わり、例えば、巻線端子40の材料が銅である場合を考えると、単に必要な電流をパワー素子221からモータ本体部10のコイル123に供給するだけでよければ、巻線端子40の断面積が1mm程度あれば5A程度の電流で使用可能であり、この場合の熱抵抗は回路基板22の板厚が1.6mmの場合、約3.970[℃/W]である(なお、銅の熱伝導率は403W/mKである)。
しかしながら、本実施形態では、巻線端子40に熱伝導率の比較的大きい銅を使用するとともに、その巻線端子40の断面を縦1mm×横4mmの矩形状のものとして断面積を4mmとしている。
このように、電流を流すのに必要な断面積より大きい断面積とすることで熱抵抗を、さらに、低くすることが可能であり、具体的には、本実施形態の巻線端子40の熱抵抗は約0.993[℃/W]まで小さくなっている。
したがって、本実施形態は、単に電流を流すことを目的とする巻線端子と比較するとより効率的に熱を伝えることが可能になっている。
なお、本実施形態では、巻線端子40が長さ方向でほぼ均一な断面を有するようにしているが、回路基板22の一方の面22aから他方の面22bへの熱の伝達に寄与する巻線端子40の部分は、主に、貫通孔222内に位置する部分であるため、熱抵抗を下げるために断面積を大きくするのは長さ方向の全長でなくてもよく、少なくとも貫通孔222内に位置することになる部分の断面積が大きくなるようになっていればよい。
一方、巻線端子40は、熱伝導率が大きく、熱抵抗が低い材料であるほど効率よく熱を伝達することができるため、本実施形態では、その一例として銅を用いた場合を示しているが、その他の材料であっても、導電性で熱伝導率が大きく、熱抵抗を小さくできる材料を好適に用いることができる。
ここで、電流を供給するためだけの設計の巻線端子であっても、回路基板22を貫通するように巻線端子40を設けない場合に対して、回路基板22に貫通孔222を設け、その貫通孔222を通じて巻線端子40が回路基板22を貫通するようにすると、回路基板22の一方の面22aから他方の面22bに熱を伝達する熱抵抗が約3.970[℃/W]である新たな熱伝達経路を形成することになるので放熱性としては向上するが、より効率的に放熱が行えることが好ましい。
したがって、巻線端子40は、少なくとも貫通孔222内に位置する部分の熱抵抗が3.5[℃/W]以下となるようにされているのが好ましく、さらに、少なくとも貫通孔222内に位置する部分の熱抵抗が3.0[℃/W]以下となるようにされているのが好ましい。
一方で、巻線端子40の断面積を増やすようにすれば、熱抵抗自体は小さくなるものの、巻線端子40が大きいものになるので、貫通孔222も大きなものとなる。
たとえば、縦2mm×横8mmの矩形状の断面積の巻線端子40では熱抵抗を0.248[℃/W]まで小さくできるが、そうすると、回路基板22も大きくなることになるので小型化するという視点では好ましくない。
このようなことを考慮すると、巻線端子40は、少なくとも貫通孔222内に位置する部分の熱抵抗が0.300[℃/W]以上となるようにしておくことが好ましく、さらに、少なくとも貫通孔222内に位置する部分の熱抵抗が0.330[℃/W]以上となるようにしておくことが好ましい。
この程度の熱抵抗(0.300[℃/W]以上)であれば、巻線端子40の断面積を回路基板22の大型化につながるほどに大きくしなくても実現が可能である。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、本実施形態では、巻線端子40の他方側の端部が回路基板22の他方の面22bから突出するように設けられる場合について示してきた。
しかしながら、必ずしも、突出させる必要はなく、巻線端子40の他方側の端部が、回路基板22の他方の面22bとほぼ面一になる程度に配置されていてもよい。
このため、ヒートシンク30には、本実施形態では、巻線端子40の他方側の端部を収容する溝部32が設けられていたが、この溝部32についても必須の構成というわけではない。
また、本実施形態では、ヒートシンク30の溝部32は空間の状態とされていたが、例えば、この溝部32に電気絶縁性でかつ熱伝導性の材料(例えば、電気絶縁性の熱伝導性接着剤、電気絶縁性の熱伝導性のシートやグリスなど)を充填して、溝部32の空間を埋めるようにしてもよい。
このようにすれば、直接接触しないように離間した状態にある溝部32内に配置されている巻線端子40の他方側の端部からも効率よくヒートシンク30に熱の伝達が行われるようになるため好適である。
さらに、本実施形態では、回路基板22の他方の面22bには、電子部品などが設けられていない場合について示してきたが、抵抗やコンデンサといった部品が回路基板22の他方の面22bに設けられていてもよい。
この場合、部品が介在することで回路基板22の他方の面22bとヒートシンク30との間は離間することになるので、例えば、ヒートシンク30の前記部品に対応する位置に溝部を設けて回路基板22の他方の面22bとヒートシンク30を密着させたり、電気絶縁性の熱伝導性接着剤などを離間部分に前記部品の厚さより厚く塗布し、回路基板22の他方の面22bからヒートシンク30に効率よく熱が伝わるようにしておけばよい。
このように、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を行ったものも含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
1…モータ、10…モータ本体部、11…ロータ、12…ステータ、123…コイル、20…駆動回路部、22…回路基板、22a…(回路基板の)一方の面、22b…(回路基板の)他方の面、221…パワー素子、23…ランド、24…熱伝導性シート(電気絶縁性かつ熱伝導性の材料の一例)、30…ヒートシンク、30a…(ヒートシンクの)一方の面、32…溝部、40…巻線端子

Claims (7)

  1. ロータとコイルが巻回されたステータとを有するモータ本体部と、
    主として一方の面にパワー素子を含む駆動回路が実装される回路基板を有する駆動回路部と、
    前記回路基板の他方の面側に配置され、前記駆動回路部の熱を放熱するヒートシンクと、
    モータ本体部のコイルの端部が一方側に電気接続され、他方側の一部が前記回路基板に実装された前記パワー素子に電気接続されるとともに前記パワー素子からの熱を前記回路基板の一方の面側から他方の面側に伝達する巻線端子と、を備えるモータ。
  2. 前記ヒートシンクの前記回路基板側となる一方の面に電気絶縁性でかつ熱伝導性の材料が設けられている請求項1に記載のモータ。
  3. 前記巻線端子の他方側は、前記パワー素子に電気接続された前記回路基板のランドに半田で接合されている請求項1又は請求項2に記載のモータ。
  4. 前記ランドは、前記回路基板の他方の面に設けられ、
    前記ランドは、前記ランドから前記回路基板の一方の面に繋がる導電パターンで前記パワー素子に電気接続されている請求項3に記載のモータ。
  5. 前記巻線端子の他方側の端部は、前記回路基板の他方の面より突出して配置されるとともに、前記ヒートシンクに直接接触しないように前記ヒートシンクに形成された溝部内に配置されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ。
  6. 前記ヒートシンクの前記溝部には、前記巻線端子の他方側の前記端部から前記ヒートシンクに熱を伝達する電気絶縁性でかつ熱伝導性の材料が設けられている請求項5に記載のモータ。
  7. 前記巻線端子には熱抵抗の低い材料が用いられ、かつ、前記巻線端子は、前記回路基板の一方の面側から他方の面側に熱を伝達する部分が電流を流すのに必要な断面積より十分に大きい断面積とされている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモータ。
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