JP2017068430A - 適応性評価装置、適応性評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各時点で、測定対象の工程を実行する作業者の複数の身体部位に対応する検出点と該検出点を結ぶ線により簡易モデル化した状態で、作業者の身体状態の情報を取得し、取得した前記検出点又は線についての情報を、当該測定対象の工程について設定された基準情報と比較して、作業者の当該工程に対する適応値を算出する。そして算出結果に基づいて適応評価情報を生成し、提示する制御を行う。
【選択図】図9
Description
特許文献2には、作業姿勢等について、客観的評価と主観的評価とに基づいて姿勢の評価を行う技術が開示されている。
この作業負担は、作業者の感覚的な声として取り上げられることが通常である。また、作業者の得手不得手の影響によって工程に対する感想や疲労具合も異なる。特に作業者は個人毎に、得意な作業や苦手な作業が異なるため、各工程についての向き・不向きもある。
ところが、これらの負担感や、向き・不向きというようなことは、あくまで作業者本人が主観的に感じることであって、これらを客観的に判断することが困難であった。
そこで本発明は、ラインマネジメントや製造ラインの設計、改善等のために有用な客観的情報を得ることのできるシステムを提供することを目的とする。
即ち作業者の身体状態を簡易モデルにより検出し、各身体部位、例えば関節部などについての検出点や線の位置や変化(移動ベクトル)により、作業者の動作を把握できるようにする。そして検出点又は線についての情報、つまり身体の各部位(腕、腰、足)などの個別のデータを、あらかじめ設定した基準情報と比較することで、人と工程のマッチングを判定する。
適応値算出部の算出結果として或る作業者と或る工程の適応性が判別できる。すると工程との関係で作業者の個人的な特性も推定できる。作業者の個人的特性と各工程の作業内容のマッチングを判定すれば、或る作業者にとっての、推奨される工程や、推奨できない工程も判定できる。
適応値算出部の算出結果として或る作業者と或る工程の適応性が判別できると、工程との関係で作業者の個人的な特性も推定できるため、それを提示する。
作業者を撮像して撮像画像を解析すれば、その作業者の検出点の三次元位置を特定することができる。
即ち作業者の身体状態を簡易モデルにより検出し、各身体部位、例えば関節部などについての検出点や線の位置や変化(移動ベクトル)により、工程作業過程の姿勢や動作を検出する。そして作業者の姿勢又は動作に基づいて作業負担値を算出する。この作業負担値に基づいて、工程の作業負担評価情報を生成して提示する。
これにより情報処理装置を用いて適応性評価装置を実現できる。
以下、適応性評価装置の実施の形態を説明する。なお図1に示す演算部1が、本発明の適応性評価装置の実施の形態となる。図1は演算部1を含む適応性評価システムの例を示している。
これら1又は複数の撮像部10は、動画として撮像した各フレームの撮像画像データを演算部1に供給する。
なお、撮像部10はステレオ撮像を行うものとされ、ステレオ撮像された撮像画像信号は、画像解析において三角測量の原理を用いて奥行き方向の情報も得ることができる。
駆動部11は、撮像部10の撮像方向を変位させる装置で、例えばパン・チルト機構及びその駆動モータを有する。
各センサ20の検出信号は、有線又は無線で受信部21に供給され、受信部で受信した検出信号は、検出値生成部22で検出値にデコードされて演算部1に供給される。
なお演算部1としての情報処理装置は、1つのコンピュータ装置で実現されてもよいし、複数のコンピュータ装置が連携して実現されてもよい。
この演算部1は、本システムのための処理機能として、画像解析部1a、カメラ制御部1b、検出情報取得部1c、動作判定部1d、負担算出部1e、出力制御部1f、適応性判定部1gが設けられる。これらの各部はソフトウエアにより実行される処理機能を仮想的にブロック化して示したものである。
本例の場合、作業者を主に関節等の検出点と、検出点を結ぶ線の情報で簡易化した簡易モデルとして検出する。
図2に簡易モデルの例を示す。人体の各所について検出点Pを設定する。図では検出点P0〜P20を一例として示している。例えば腰部、頭部、首、手足の関節部分など、主に姿勢に応じて変位する箇所を検出点Pとする。
各検出点Pは、それぞれ特定の他の検出点Pと線で結ばれる。
例えば検出点P1は検出点P2,P3,P6とそれぞれ線で結ばれている。
検出点P2は検出点P1とのみ線で結ばれている。
検出点P3は検出点P1、P4と線で結ばれている。
これらのように、各検出点P1〜P20は、それぞれ線で結ばれている検出点が規定されていることで、点と線により人体を表現する簡易モデルが形成される。
なお、撮像画像データから作業者の身体を的確に検出するために作業服(ユニフォーム)や帽子の色を予め登録しておき、工場設備や製品の色と明確に区別できるようにすることが好適である。
或いはパターンマッチングにより、人体構成部分における各検出点Pを判定することも考えられる。
さらに作業者がセンサ20を手首、足首等に装着して、それらの位置情報が検出できるようにした場合、撮像画像データから抽出した検出点Pの三次元位置情報を、センサ20による位置情報で補正するようなことも考えられる。
具体的には画像解析部1aによって認識された作業者の位置の移動(各フレームでの作業者位置の変化)に応じて、駆動部11を駆動させる。
例えば画像解析部1aが、撮像画像データの所定のフレーム間隔となるサンプルタイミングt(t0、t1、t2・・・)で各検出点P0〜P(n)(図2の例ではn=20)の三次元位置情報を検出するとする。検出情報取得部1cは、サンプルタイミングt毎に、検出点P0〜P(n)の三次元座標値を取得し、これを記憶する。この図4Aのような情報は、例えば1つの工程毎、作業者毎に取得し、記憶管理していく。
いま、工程Aが図4Bのように5つの作業a1〜a5があるとすると、担当する作業者WM1は、ライン上の車体に対して、この工程A(作業a1〜a5)を繰り返し行うことになる。
図4Aのような各検出点P0〜P20の三次元位置情報は、サンプルタイミングt毎に取得・記憶していくことで、繰り返し行われる工程における検出点P0〜P20の三次元位置情報が時系列上で収集されていくことになる。
なお、図4Bではサンプルタイミングt0〜t99、t100〜t199で、それぞれ工程Aの1回が完了するものとして示しているが、これは説明上の一例に過ぎない。例えば同じ工程を同じ作業者が行う場合であっても、毎回同じ時間で完了するとは限らないためである。工程A内の各作業a1〜a5としての情報が、どのサンプルタイミングtの情報であるかは、各三次元座標値によって判定される姿勢や姿勢の変化、動きの変化等により判定できる。
人の姿勢や動作に対しては、人間工学的にそれぞれ負担値を予め算出しておくことができる。例えば両手を上げている姿勢の負担、しゃがんだ姿勢の負担、腰をかがめた姿勢、或いは横への移動動作、体をひねる動作などについての負担値は、予め計算できる。また各姿勢や動作の継続時間によって負担も異なるが、その継続時間に応じた負担の値も予め設定できる。例えば両手を上げる姿勢は、一瞬であればさほど負担はないが、継続して上げている状態はかなり負担が大きくなる。
これら姿勢や動作、さらにはその時間に応じた負担値は、予め人間工学に沿って算出し、体系化してデータベース部2に登録しておく。
そして負担算出部1eは、動作判定部1dで判定した工程や各作業における作業者の一連の動作、姿勢や、その継続時間に基づいて、工程或いは工程内の各作業についての作業負担値を算出する。例えば検出点Pまたは線の移動量から判定された動作や姿勢やその継続時間等についての負担値を求め、これらを加算、或いは重み付け加算等を行い、作業や工程における一連の動作(姿勢)としての作業負担値を算出する。具体的には、判定された作業中の姿勢、腕等の関節の角度、移動量等について個々に負担値をあてはめ、これらを用いて1つの作業や工程の作業負担値を算出する。
また例えば作業終了時まで通して作業負担値を算出し、疲労のピークや、作業延長時の影響度(疲労予測)を求めることもできる。
なお算出値は、多様に想定される。例えば工程Aについての算出値MA1は、工程Aにおける作業負荷の総合負担値、MA2は作業者の肩に対する負担値、図示しないMA3は脚部に対する負担値、などとしてもよい。
また各作業に対しての算出値(例えば作業a1についての算出値Ma1−1、Ma2−2・・・)も、総合負担値、各部の負担値などとしてもよい。
工程や作業についての負担値(作業負荷)の計算例を示す。
Disは(数2)で求められる。
Posは例えば(数3)で求められる。
なお、以上の負担値(作業負荷)の計算例は一例に過ぎない。
例えば、1つの工程の各作業において、例えば理想的な姿勢や動作を基準とし、その基準となる姿勢や動作における各検出点P(P0〜P20)の位置や時系列上の変化を予め数値化してデータベース部2に格納しておく。例えば熟練者の工程作業を撮像して、各検出点P1〜P20の各時点の位置や変化を図4Aと同様に取得して、基準情報として記憶しておくようにしてもよい。或いは人間工学的な分析により、該当の作業において最も人への負担が小さい姿勢や動作を設定し、その場合の各検出点P0〜P20に相当するポイントの各時点の位置や変化を基準情報として記憶してもよい。
いずれにしても、そのような基準情報と、図4Aのような検出情報を比較することで、検出対象としている作業者にとっての、当該工程に適しているか否かを示す適応値を求める。適応値は、対象の工程に対象の作業者が適しているか否かを数値化した情報である。例えば「0」から「100」の数値などとして、適応性を表すものとする。
記憶部3は、図4Aのような検出情報や、図5のような算出値の情報が記憶される。また演算部1が上記各機能を実行するためのプログラムが記憶される。
表示部4は、演算部1に接続された表示デバイスとされ、各種のユーザインターフェース画像や、作業負担評価情報を示す画像の表示を行う。
通信部5は、有線、無線で外部機器との通信を行ったり、LAN(Local Area Network)等の通信経路を介した通信を行う。演算部1は通信部5により例えば作業負担評価情報を他の情報処理装置等に提供できる。
印刷部6は、演算部1に接続されたプリンター等であり、演算部1の指示に応じて印刷動作を行う。
図6を参照しながら演算部1の処理手順を説明する。演算部1は図1に示した各機能(1a〜1g)により、以下の処理を実行する。
なお図6では、一人の作業者、工程を対象として作業負荷の測定及び適応性判定を行う処理を示している。演算部1は、このような処理を各工程に対応して行う。もちろん複数のコンピュータ装置がそれぞれ並行して当該処理を行うものでもよい。
ステップS103で演算部1は、作業者認識を行う。即ち取り込みを開始した撮像画像データの画像解析により、作業者を認識する。例えば特定の色の作業服を着た人物を作業者として認識し、その作業者の身体位置を把握する。
ステップS104で演算部1は、作業者追尾を開始する。即ち画像上で認識した作業者がフレームアウトしないように駆動部11を制御する追尾制御を開始する。
測定開始トリガに応じて演算部1はステップS106に進む。
ステップS107で演算部1は、姿勢データモデル化を行う。つまり動作判定部1dの機能により、ステップS106で取得した各検出点Pの三次元座標値によって表現される作業者の簡易モデルから、作業者の姿勢、動作を判定する。
ステップS108で演算部1は、作業負荷数値化を行う。即ち演算部1は付加算出部1eの機能により、各種作業負荷の計算を行い、その計算値を記憶する。
以上のステップS106〜S108の処理を、ステップS109で測定終了と判断されるまで繰り返す。
この間、ステップS108での計算値は、それぞれ各時点における図5のようなデータとして保存してもよいし、毎サンプルタイミングtの計算値の積算値として図5のようなデータを更新していくようにしてもよい。
例えば製造ラインの各工程について、1日のスパンで以上のような測定を行う場合、1日の作業者の負担に関する負担評価情報が生成され表示される。加えて各工程に対する作業者の適応性を評価するための適応性判定や、推奨工程判定が行われて、その判定結果の情報として適応性評価情報や推奨/非推奨の情報が生成され、表示されることになる。
またステップS111、S112の演算は、ライン管理者等がシミュレーション要求の操作を行った場合に実行するようにし、その演算後に適応性評価情報や推奨/非推奨の情報を表示出力するようにしてもよい。つまり、適応性判定や推奨工程判定は、過去の測定情報が存在すればいつでも可能であるため、任意の時点で実行されるようにしてもよい。
さらにステップS112を実行しない処理例も考えられる。
上記ステップS110で作成され、ステップS113で表示される作業負担評価情報の具体例を示す。
1つの工程については、ステップS106で例えば図4Aのように各サンプルタイミングtでの作業者の身体状況が取得でき、さらにステップS107,S108の処理で単位期間毎に負担値が算出される。この負担値が測定終了まで積算されて保持されるようにすれば、各工程において図5のように保持した算出値(例えばMA1、MA2・・・)は、測定開始から終了までの工程の負担値となる。例えば1日の勤務における工程の負担値となる。従って、そのように得た積算値を工程毎に集めて負担評価情報とすることで、図7Aのように表示を行うことができる。
1つの工程において各作業の負担度合いをみることができる。
工程内の各作業については、予め各作業による動作パターン等を登録しておけば、画像解析により、各サンプルタイミングtの期間の動作が、それぞれどの作業の実行中であるかが判別できる。従ってステップS108での負担値の算出を、各作業単位で分けて実行することが可能で、その各作業についての算出値を積算していけば、保持した算出値は測定開始から終了までの工程の負担値となる。例えば図5の算出値Ma1−1、Ma2−1・・・Ma5−1)は、測定開始から終了までの工程Aにおける各作業a1〜a5の負担値となる。例えば1日の勤務における各作業の負担値となる。従って、そのように得た積算値を工程毎に集めて負担評価情報とすることで、図7Bのような表示を行うことができる。
身体の各部に係る負担値自体は、例えば姿勢や動きを判定することで例えばデータベース部2から取得するような処理が可能である。例えばステップS107で或る姿勢を判定したときに、その姿勢における右手の負担値、左手の負担値、腰の負担値、右足の負担値、左足の負担値などをデータベース部2から取得する。ステップS108では、各部の負担値を測定開始から終了までの期間中に積算していけばよい。すると、測定終了時点で身体各部の負担値が求められていることになる。そのような積算値を集めて負担評価情報とすることで、図7Cのような表示を行うことができる。
このような情報により管理者やライン技術者等は、当該工程又は作業では、作業者のどこに負荷がかかるかをより詳細に知ることができる。
そこで同一の工程や作業について作業者毎の負担値を比較できるような負担評価情報を生成し、図示のように表示させる。これによって管理者は、各工程や作業について、作業者毎の習熟度や向き/不向きを判断することができる。
次に図6のステップS111、S112の適応性判定及び推奨工程判定の処理例を説明する。図9Aは適応性判定処理例である。
演算部1は、図6で測定対象とした或る工程の或る作業者毎に図9Aの処理を行う。
まずステップS201で演算部1は対象の作業を選択する。例えば工程Aに関しての処理の場合、工程Aにおける作業a1を処理対象として選択する。
このため演算部1はデータベース部2から工程Aの作業a1に関する基準情報を取得する。例えば作業a1としての基準となる検出点P0〜P(n)の各時点の三次元座標値が、データベース部2に登録されている。このような基準情報と対象の作業者の身体各部の個別データを比較して差分値を求める。
そしてステップS204で演算部1は、差分値を用いて演算を行い、当該作業者の当該作業(例えば作業a1)に対する適応性を示す適応値を算出する。
差分値が小さいと言うことは、その作業者が基準情報との比較で姿勢や動きの差が小さいということであり、作業中に無駄な動きが少ないということである。逆に差分値が大きいことは無駄な動きが多いということである。
例えば各サンプルタイミングの差分値の積算、主要な検出点Pの情報の選択/重み付け、各検出点Pの変位の時間などとして、所定の演算を行って適応値を求める。この適応値は、対象の作業者の姿勢や動作が、基準となる姿勢や動作に対して類似しているか或いは乖離しているかを表す値となるようにする。
また図4Aのような情報によれば、1つの作業、1つの動作の所要時間も判定できる。従って、所要時間に応じた係数を用いて適応値をもとめることも有効である。
そしてこれらの適応値を用いて、ステップS207で提示する情報としての適応評価情報を生成する。例えば適応値や、適応値の値から判定した適応性を表示するような情報を生成する。
そして演算部1は図6のステップS113、もしくはオペレータの操作等に基づく任意の時点で、その適応性評価情報を表示部4で表示させる。
そして工程Aについての総合的な適応性及びポイントを提示している。ポイントは、上述の適応値、或いは適応値を或る値で正規化した値とする。演算部1は、ステップS206で算出した適応値に応じて、ステップS207で◎、○、△、×のランクを判定する。また工程A内の各作業a1〜a5についても、ステップS204で算出した適応値に応じて◎、○、△、×のランクを判定する。そしてそれらをまとめて適応性評価情報として生成し、図示のように表示させる。
このような表示により、或る作業者の或る工程に対する適応性、つまりその工程に向いているか不向きであるかを詳細に確認することができる。
一覧提示の態様は多様であり、例えば工程Aのみなど特定の工程を対象として、複数の作業者の適応性評価情報を一覧提示したり、或る特定の作業者を対象として、その作業者が行った複数の工程についての適応性評価情報を一覧提示することなども考えられる。
個人特性とは、例えば年齢、性別、経験年数、右利き、左利きなど、予め登録できる既知の情報に加えて、次のような情報が考えられる。
・重量負担の大きい作業が得意/不得意
・精密作業が得意/不得意
・右手を主に使う(又は左手を主に使う)作業が得意/不得意
・左から右(又は右から左)に移動しながら行う作業が得意/不得意
・上方向きで行う作業(例えば車体底部の作業)が得意/不得意
・身体を上下に変動させる作業が得意/不得意
・身体をひねる動作を伴う作業が得意/不得意
例えば工程内の作業毎に適応値を求めていることで、作業者にとって適応性のある作業内容、或いは適応性のない作業内容の傾向が現れる。或る作業者にとって適応値が高いとされた作業は、基準情報との姿勢や動きの差が小さい、つまり無駄な動きが少ないと判定された作業である。従って、その作業は得意な作業と推定できる。
また特に作業毎の所要時間が適応値に反映されていることで、得意な作業、不得意な作業は、より明確になる。もちろん適応値とは独立して、図4Aの情報から各作業の所要時間を求め、それを基準にして得意な作業/不得意な作業を判定してもよい。さらにはその作業者についての作業毎の速度偏差を求めることで、作業者個人の得意傾向が明確になる。
これらの演算によって対象の作業者にとっての得意な作業、不得意な作業が判定できる。
ステップS303で演算部1は、その作業者について判定した個人特性と、工程毎に要求される特性を比較して、その作業者にとっての推奨工程や非推奨工程を選択し、それらを表示するための推奨/非推奨情報を生成する。また個人特性の情報を表示用に生成してもよい。
そして演算部1は図6のステップS113、もしくはオペレータの操作等に基づく任意の時点で、その推奨/非推奨情報や個人特性情報を表示部4で表示させる。
またその作業者にとっての個人特性についても示される。図では重量作業と精密作業についての判定した情報のみを示した例としているが、上述の各種の個人特性をそれぞれ示すことが考えられる。
一覧提示の態様は多様であり、例えば推奨工程のみ、非推奨工程のみを示してもよい。
また工程Aのみなど特定の工程を対象として、その工程が推奨される作業者(或いは非推奨の作業者)を一覧表示することも考えられる。
以上の実施の形態の適応性評価装置となる演算部1は、各サンプルタイミングtで、測定対象の工程を実行する作業者の複数の身体部位に対応する検出点Pと該検出点Pを結ぶ線により簡易モデル化した状態で、作業者の身体状態の情報を取得する検出情報取得部1cと、検出点P又は線についての情報を当該測定対象の工程について設定された基準情報と比較して、作業者の当該工程に対する適応値を算出する適応値算出部1gと、その算出結果に基づいて適応評価情報を生成し、提示する制御を行う出力制御部1fを備える。
即ち作業者の身体状態を簡易モデルにより検出し、各身体部位、例えば関節部などについての検出点や線の位置や変化(移動ベクトル)により、作業者の動作を把握できるようにする。 そして検出点又は線についての情報、つまり身体の各部位(腕、腰、足)などの個別のデータを、あらかじめ設定した基準情報と比較することで、人と工程のマッチングを判定する(図6、図9A、図10参照)。これにより製造ラインにおける工程に対して、作業者個別の適応性が客観的な適応評価情報として提示される。そしてこれにより、誰がどの工程に適しているか、或いは適していないかを評価する客観的指標が得られることになり、例えば製造ラインの管理者等にとって、人員マネジメント、生産効率の向上等のための非常に有用な情報となる。
また出力制御部1fは、適応値算出部1gの算出結果を用いて、対象の作業者についての個人特性を判定し、判定結果を提示する制御を行う(図10B、図11A)。
従って作業者の個人的な特性としての客観的な情報が得られる。
この場合、作業者はセンサ等を身体に装着する必要をなくすことができ、センサ装着による違和感や作業性悪化を生じさせないようにすることができる。
即ち工程作業過程の姿勢や動作を検出し、作業負担値を算出する。この作業負担値に基づいて、工程の作業負担評価情報を生成して表示する。
これにより作業の負担値を客観的な数値により得ることができ、作業負担評価情報として、工程における作業者の負担を正確に認識できる情報を得ることができる。主観的情報ではないため、公平な判断も可能となり、製造ラインの設計、メンテナンス、人員配置等のマネジメント、ライン改善などに、非常に有意な情報を得ることができる。
また人の動きを検出する場合、身体全体を検出・認識すると情報量が大きく、誤作動もあり、演算部1の処理負担が増大する。これに対して本実施の形態では、検出点Pと線を用いて単純化し、角度、移動量で負担を計算するようにしているため、処理の容易化、比較的小規模の演算システムでの実現容易性を得ることができる。
また日々の稼働ラインの改善にも有益な情報となる。例えば日々、当該作業負担評価情報を確認して、次の日から工程における作業の改善や人員の合理的配置などに役立てることができる。
なお実施の形態では、測定終了後に負担評価情報を表示するようにしたが、例えば測定中にリアルタイムで各工程や作業の負担値を表示してもよい。すると、負荷の大きい作業者を作業中に発見できたり、それに応じて人員の配置替えを行うなどの処置も可能となる。
さらには、混流生産や品質状況に応じて作業の負担値が大きくなるとき等にも対応可能となる。例えば、一日の中で生産車種が切り替わったり、その日の状況や環境により品質が変わり一部手直しが入る等して、作業負担が変わるケースもあり、そのような場合に対応可能となるものである。
同じ工程であっても、作業者により、姿勢や動きが異なることで、作業負担値や工程1サイクルの所要時間は異なる。そこで、これらを作業者毎で比較できるように提示する。これは工程についての作業者毎の習熟度や適応度、向き不向きを判断できる客観的情報となる。従って現場責任者や工場管理者にとって有益な情報を提示することができる。
Claims (6)
- 各時点で、測定対象の工程を実行する作業者の複数の身体部位に対応する検出点と該検出点を結ぶ線により簡易モデル化した状態で、作業者の身体状態の情報を取得する検出情報取得部と、
前記検出情報取得部で得た前記検出点又は線についての情報を、当該測定対象の工程について設定された基準情報と比較して、作業者の当該工程に対する適応値を算出する適応値算出部と、
前記適応値算出部の算出結果に基づいて適応評価情報を生成し、提示する制御を行う出力制御部と、を備えた
適応性評価装置。 - 前記出力制御部は、前記適応値算出部の算出結果を用いて、対象の作業者についての推奨される工程又は推奨されない工程を判定し、判定結果を提示する制御を行う
請求項1に記載の適応性評価装置。 - 前記出力制御部は、前記適応値算出部の算出結果を用いて、対象の作業者についての個人特性を判定し、判定結果を提示する制御を行う
請求項1に記載の適応性評価装置。 - 前記検出情報取得部は、作業者を撮像した画像データの解析結果から、複数の前記検出点の三次元位置を取得する
請求項1に記載の適応性評価装置。 - 前記検出情報取得部で得た情報における前記検出点又は線の変化により作業者の姿勢又は動作を判定する動作判定部と、
前記動作判定部で判定した作業者の姿勢又は動作に基づいて作業負担値を算出する負担算出部とをさらに備え、
前記出力制御部は、前記負担算出部の算出結果に基づいて、測定対象の工程における作業負担評価情報を提示する制御を行う
請求項1に記載の適応性評価装置。 - 情報処理装置が実行する適応性評価方法として、
各時点で、測定対象の工程を実行する作業者の複数の身体部位に対応する検出点と該検出点を結ぶ線により簡易モデル化した状態で、作業者の身体状態の情報を取得し、
取得した前記検出点又は線についての情報を、当該測定対象の工程について設定された基準情報と比較して、作業者の当該工程に対する適応値を算出し、
算出結果に基づいて適応評価情報を生成し、提示する制御を行う
適応性評価方法。
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