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JP2017058918A - アパレル製品のデザイン装置 - Google Patents

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Abstract


【構成】 アパレル製品の3次元構造の形状を、コンピュータによりシミュレーションし、モニタに表示して、素材を切除しあるいは襞を形成する旨のマニュアル入力を受付ける。マニュアル入力に従って3次元構造を変更し、パターンデータに変換した上で、3次元構造の形状を変更後のパターンデータから再シミュレーションする。そして再シミュレーションによる3次元構造の輪郭が、デザイン変更前の3次元構造の輪郭から縮んだ領域を補うように、再シミュレーションによる3次元構造を変更し、変更後の3次元構造をパターンデータに変換する。
【効果】 ダーツ等を付加することによりだぶつきを解消し、しかも当初のパターンデータでの輪郭から収縮しないようにパターンデータを修正できる。
【選択図】 図5

Description

この発明はアパレル製品のデザインに関し、特にダーツやタック、ギャザー等を付加しても当初の輪郭を維持するように、アパレル製品をデザインできる装置に関する。
アパレル製品をCADによりデザインすることが行われており、中心となる技術は、
・ パターンデータでの各パーツを接合した3次元構造を人体モデルなどに着せ付け、力学計算により着装状態をシミュレーションする技術、
・ 3次元構造に対しデザイン変更を施すとそれに従ってパターンデータを修正し、着装状態の表示画面でのデザインを可能にする技術である。
特許文献1(特開2003-67443)は、ダーツの入力に関するヒューマンインターフェースについて記載している。前身頃にダーツを付加すると、ダーツに対応する切り取り形状の一部を前身頃に配置し、残部を後身頃の、前身頃との境界に配置する。このため、1個のダーツが前身頃と後身頃とに分散して配置される。そして3次元構造に対してダーツを付加すると、パターンデータが修正される。
特開2003-67443
ダーツやタックなどは、アパレル製品のだぶつきを解消するために用いられることが多い。また最適な輪郭が得られるように、当初のパターンデータが定められている場合、ダーツなどを付加してもアパレル製品の輪郭が変わらないことが望まれる。しかしながら公知のアパレル製品のデザイン装置では、ダーツ等の付加に応じて自動的にパターンデータを変えることができるが、ダーツ等をパターンデータから切り取るだけで、それ以上の処理は行われない。そしてダーツ等を付加すると、アパレル製品の輪郭が変化する。なお特許文献1の場合、1個のダーツを入力すると、ダーツを複数の個所に分散して配置する。そしてダーツの付加に伴い、輪郭が変化することを前提としており、輪郭を保つことを検討していない。
シミュレーション画像からアパレル製品のだぶつき具合を判断し、ダーツが必要と判断した場合、パタンナーは、単にダーツを付加するだけでなく、輪郭が変化しないようにパターンデータを修正する必要がある。そして修正後のパターンデータの使用状態を再度シミュレーションし、狙い通りかどうかを判断する必要がある。狙い通りの使用状態が得られない場合、再度パターンデータを修正することになる。このため、パタンナーには高度なパターンメイクの知識が必要である。
この発明の課題は、ダーツ等をアパレル製品に付加しても、当初のパターンデータによる輪郭を保つことができるようにすることにある。
この発明は、アパレル製品のパターンデータから前記アパレル製品を表す仮想的な3次元構造をコンピュータ内で生成すると共に、前記アパレル製品の使用状態を表すように、前記3次元構造の形状をコンピュータによりシミュレーションするための、シミュレーション手段と、
シミュレーション手段により求めた3次元構造を表示するモニタと、
前記アパレル製品に対し素材を切除しあるいは襞を形成する旨のマニュアル入力を受付けるマニュアル入力手段と、
前記マニュアル入力に従って、前記3次元構造を変更するためのデザイン変更手段と、
変更後の3次元構造をパターンデータに変換するための変換手段、とを有するアパレル製品のデザイン装置において、
前記シミュレーション手段は、変換手段により変換されたパターンデータに従って、前記3次元構造の形状を再シミュレーションするように構成され、
かつ、再シミュレーションによる3次元構造の輪郭が、再シミュレーション前の3次元構造の輪郭から縮んだ領域を投影により抽出するための抽出手段と、
前記縮んだ領域を補うように、再シミュレーションによる3次元構造を変更する輪郭修正手段、を備え、
さらに、前記変換手段は、輪郭修正手段により変更された3次元構造を、パターンデータに変換するように構成されていることを特徴とする。
抽出は投影により行い、例えば再シミュレーションによる3次元構造を、デザイン変更前の3次元構造に投影し、輪郭がはみ出している領域を抽出する。あるいはまた、人体モデルなどに、再シミュレーションによる3次元構造、及びデザイン変更前、即ちダーツ等の付加前の3次元構造を投影して、輪郭を比較しても良い。再シミュレーションは、例えばダーツ等の付加の影響を受けるパーツに対してのみ行う。またダーツ等を付加したパーツでも、ダーツ等から離れてその影響を受けない領域は、前回のシミュレーションでの構造のままとしても良い。ダーツ等の入力は3次元構造の表示画面上で行っても、あるいは2次元のパターンデータの表示画面上で行っても良い。
この発明では、パターンデータの使用状態での形状をシミュレーションにより求めて、モニタに表示する。そして例えばモニタ上の表示に対し、マニュアル入力により、ダーツによる素材の切除、タック、ギャザー、プリーツ等による襞の形成を受付ける。このマニュアル入力に従って、デザイン変更手段でアパレル製品の3次元構造を変更し、変換手段によりパターンデータを変更する。なおアパレル製品の使用状態は、衣類、履物等の場合、着装状態を意味する。
この発明ではさらに、変更後のパターンデータに基づいて、アパレル製品の3次元構造を再シミュレーションし、再シミュレーションによる3次元構造の輪郭が、再シミュレーション前の3次元構造の輪郭から縮んだ領域を投影により抽出する。そして縮んだ領域を補うように、輪郭修正手段により再シミュレーションによる3次元構造を変更し、変更された3次元構造をパターンデータに変換する。すると、ダーツ等を設けると共に、デザイン変更による輪郭の収縮を防止したパターンデータが得られる。
この発明では、ダーツ等を付加することによりだぶつきを解消し、しかも当初のパターンデータでの輪郭から収縮しないようにパターンデータを修正できる。これらの処理は、マニュアル入力を除き、コンピュータ上で実行でき、高度な知識を欠くパタンナーでも、ダーツ等を付加してだぶつきを解消し、しかも当初の輪郭を維持したアパレル製品をデザインできる。
好ましくは、抽出手段は、再シミュレーションによる3次元構造の輪郭が、デザイン変更前の3次元構造の輪郭からはみ出す領域も投影により抽出するように構成され、
さらに、前記輪郭修正手段は、再シミュレーションによる3次元構造から、前記はみ出す領域を除くように構成されている。
ダーツ等を付加すると、付加後の3次元構造の輪郭が、デザイン変更前の3次元構造の輪郭からはみ出すことがある。このような領域を再シミュレーションによる3次元構造から除き、次いでパターンデータに変換すると、デザイン変更前の3次元構造からの収縮もはみ出しも防止した、パターンデータが得られる。
また好ましくは、前記パターンデータは複数のパーツに関するデータと、パーツ間の接合に関するデータとを含み、
前記マニュアル入力を受けたパーツに対し、前記マニュアル入力の影響を受ける範囲で、他のパーツとの接合を解除するための接合解除手段をさらに備えている。
ダーツ等を入力したパーツが他のパーツと接合されているままでは、ダーツによる輪郭の変化が3次元構造に現れにくい。そこでダーツ等の影響を受ける範囲で、他のパーツとの接合を解除した上で、再シミュレーションすると、ダーツ等による輪郭の変化を正確に評価できる。なおダーツ等の影響を受ける範囲は、マニュアルで指定しても、あるいはコンピュータのメモリ等に記憶させておいても良い。
実施例のアパレル製品のデザイン装置のブロック図 実施例での、アパレル製品のデザインアルゴリズムを示すフローチャート ダーツ入力後の3次元構造Fからダーツ入力前の3次元構造Gへの投影を模式的に示し、A)は、3次元構造Fの端点Pでの3次元構造Fの面法線と3次元構造Gとの交点Rを抽出する例を示し、B)は、3次元構造Fの端点Pから3次元構造Gへの最近接点Dを抽出する例を示し、C)は、3次元構造Gから面法線が端点Pを通過する点Eを抽出する例を示す。 ダーツ入力前の3次元構造Gがダーツ入力後の3次元構造Fからはみ出している領域を貼り付ける例を示し、A)は、はみ出した領域のポリゴンへの分割を示し、B)は、はみ出した領域を、3次元構造Fの姿勢に従って貼り付けることを示す。 ダーツ入力の前後での3次元構造の輪郭の変化を抽出し、ダーツ入力後の3次元構造の輪郭をダーツ入力前の3次元構造に近づけるプロセスを示す図 ダーツ入力前の3次元構造を、パターンデータと共に示す図 ダーツ入力後の3次元構造を、パターンデータと共に示す図 ダーツ入力後で縮んだ領域の補正前の3次元構造と、縮んだ領域の補正後の3次元構造とを、重ねて示す図
以下に、発明を実施するための最適実施例を示す。
図1に、実施例のアパレル製品のデザイン装置2(以下「デザイン装置2」)の構造を示す。デザイン装置2はコンピュータを含み、各要素をハードウェア的に設けても、図示しないCPUとプログラム、メモリ等の組み合わせによりソフトウェア的に設けても良い。バス4にマニュアル入力手段6〜輪郭修正手段32が接続され、マニュアル入力手段6はキーボード、マウス、トラックボール、スタイラス等である。カラーモニタ8は、パターンデータ及び対応する3次元構造等を表示する。なお3次元構造は、パターンデータに対応する衣類、履物等の3次元構造を意味する。カラープリンタ10はパターンデータ、3次元構造等をプリントし、通信インターフェース12はパターンデータ、3次元構造等を外部と入出力する。パターンデータは、複数のパーツの形状等のデータと、パーツ間の接合に関するデータとを含んでいる。
メモリ14はパターンデータを記憶する。メモリ16は3次元構造を記憶し、例えばダーツ等の入力前にシミュレーションにより求めた3次元構造と、ダーツ等の入力後に再度シミュレーションして求めた3次元構造、及びダーツ等の入力により縮んだ領域を輪郭の変更により補正した3次元構造(ダーツ等の入力有り)を記憶する。これらの内で、補正後の3次元構造は、少なくともパターンデータへの変換まで、消去せずに記憶する。メモリ18はデザイン装置2のプログラムを記憶し、メモリ20はアパレル製品を着装させる人体モデルのデータ(人体データ)を記憶する。
3次元シミュレータ22は、パターンデータに対応するアパレル製品を、人体モデルに着装させた際の3次元構造を、力学計算によりシミュレーションする。パタンナーが、カラーモニタ8での3次元構造の表示に対し、マニュアル入力手段6等により、ダーツ、タック、ギャザー、プリーツ等を入力すると、デザイン変更手段は24は所定のルールに従ってこれらの入力を解釈し、3次元構造を変更する。例えばダーツの場合、入力された線分をダーツの中心とし、布などの素材を三角形状に切除する。そして切除した三角形の両側を接合する。なおパターンデータの表示画面上でダーツ等を入力しても良い。
接合解除手段26は、ダーツ等の入力により3次元構造の輪郭が変化すると考えられる範囲に対し、パーツ間の接合を、パターンデータ上で解除する。例えば衣類の前身頃の肩にダーツを付加すると、肩の輪郭は変化するが、脇及び身頃の裾と身頃の縦方向の中心線は変化しないと考えられる。この場合、前身頃と後身頃との縫製等による接合を肩に対して解除すると、ダーツの付加によって前身頃の輪郭は自由に変化する。なお接合の解除範囲は、メモリ18等に記憶しても、パタンナーがマニュアル入力手段6等から入力するようにしても良い。
3次元→2次元変換手段28(以下「変換手段28」)は、3次元構造を2次元のパターンデータに変換する。変換手段28により、3次元構造に対するデザイン変更をパターンデータに反映させる。即ち、ダーツ等を入力した後の3次元構造を、変換手段28によりパターンデータへ戻す。そして接合解除手段26によりアパレル製品の一部で接合を解除し、3次元シミュレータ22により再度着装状態での3次元構造をシミュレーションする。
抽出手段30は、ダーツ等の付加により変形した3次元構造と、ダーツ等の付加前の3次元構造とを互いに投影することにより、輪郭の変化を抽出する。ダーツ等の付加後の3次元構造をダーツ等の付加前の3次元構造に投影すると、ダーツ等の付加により3次元構造の輪郭が縮んだ領域を抽出できる。またダーツ等の付加前の3次元構造をダーツ等の付加後の3次元構造に投影すると、付加後の3次元構造の輪郭が付加前の3次元構造の輪郭からはみ出す領域を抽出できる。さらに、3次元構造間で投影する代わりに、2種類の3次元構造を人体モデル上へ投影しても輪郭の変化を抽出できる。極端な場合、ダーツ等の付加前の3次元構造をダーツ等の付加後の3次元構造に投影し、ダーツ等の付加後の3次元構造からはみ出すため投影できなかった領域を、縮んだ領域として抽出しても良い。ただしこの手法は処理が複雑である。
そして輪郭修正手段32は、ダーツ等の付加前の3次元構造が付加後の3次元構造からはみ出している領域を、付加後の3次元構造に付加する。これにより、当初のデザインから輪郭が収縮することを防止する。また好ましくは、ダーツ等の付加後の3次元構造が付加前の3次元構造からはみ出している領域を、付加後の3次元構造から切除する。これにより当初のデザインから輪郭がはみ出す領域を切除する。ただしこの処理を省略し、ダーツ等の付加後の3次元構造を、ダーツ等の付加前の3次元構造に投影することにより、付加後の3次元構造の輪郭が縮んだ領域のみを抽出しても良い。
デザイン装置2の動作を、図2のフローチャートを中心に示す。ステップ1で、衣類、履物、かばん等のアパレル製品のパターンデータを入力し、ステップ2でその着装状態を3次元シミュレーションし、3次元構造を求める。なおかばんの場合、自重等により変形した3次元形状を3次元構造として求める。ダーツ、タック、ギャザー等の入力を受け付け(ステップ3)、図1のデザイン変更手段24により所定のルールに従って3次元構造を変更し、変換手段28によりパターンデータを修正する(ステップ4)。
ダーツ等の付加に伴い、パーツ間の接合を解除する範囲を入力し(ステップ5)、あるいはダーツ等の入力位置に基づいて解除範囲を自動的に定める。ステップ5では、ダーツ等の入力前の3次元構造に対して、ダーツ等の付加後の3次元構造と例えば同じ範囲で、パーツ間の接合を解除しても良い。ダーツ等の付加前と付加後とに対し、共に同じ範囲で接合を解除すると、ダーツ等の付加による輪郭の変化をより正確に抽出できる。そして3次元シミュレータ22により、ダーツ等の入力後の3次元構造を再度シミュレーションする(ステップ6)。ダーツ等の影響を受ける範囲で接合が解除されているので、3次元構造は自由に変化する。
ダーツ等の入力によるデザイン変更の前後での、3次元構造の輪郭の変化を投影により抽出する(ステップ7)。前身頃の肩にダーツ等を設ける場合、脇、裾、身頃の縦方向の中心線等は変化しないものとして、3次元構造の輪郭を互いの投影により比較する。例えば図3の3次元構造Gはダーツ等の入力前の構造、3次元構造Fはダーツ等の入力後の構造、P,Qはこれらの輪郭上の端点とする。3次元構造G,Fはポリゴンで構成され、端点P,Qはポリゴンの頂点と見なしても良い。また3次元構造G,Fの各部での姿勢あるいは向きは、各部での面法線により定まる。図3A)のように、3次元構造G,Fの向きが近い場合、端点Pから3次元構造Fの面法線の向きに3次元構造Gへ線分を引き、交点Rを求めても良い。この場合、断面表示でRQ間のエリアが3次元構造Fからはみ出していると解釈する。
図3B)のように、3次元構造G,Fの向きが異なる場合、より正確な投影を行う必要がある。端点Pから3次元構造Gへの最近接点Dを求め、点Dと点Qの間のエリアが3次元構造Fからはみ出しているとする。さらに正確な投影を行うには、3次元構造Gへ端点Pから降ろした垂線と3次元構造Gとの交点Eを端点Pに対応させると、図3のC)のようになる。交点Eを求めるには、例えば、点Dから3次元構造Gに垂直な直線を3次元構造Fへ向けて引き、端点Pとの距離rを求め、距離rを解消するように点Dをシフトさせる。
ダーツ等の入力前の3次元構造Gが入力後の3次元構造Fからはみ出している領域(図3の区間QR,QD,QEなど)を、入力後の3次元構造Fに付加する(ステップ8)。このため、図4A)に示すように、投影により抽出したはみ出している領域を、頂点E〜E,端点Q〜Q等により、複数のポリゴンに分割する。上記のはみ出している領域は、ダーツ等の入力後の3次元構造Fが入力前の3次元構造Gから縮んだ領域に等しい。これらのポリゴンを、図4B)のようにして、3次元構造Fの端点P等に接続する。ここで頂点E,Qを含むポリゴンを平行移動して、頂点Eを端点Pに重ねると、端点QはQ''に移動し、ポリゴンの向きが不連続になる。そこで点Eが点Pに移動し、かつ点Eを含むポリゴンの面法線の向きが、点Pの付近での3次元構造の面法線の向きに近づくように、同次変換行列を定める。3次元構造Fの輪郭上へ移動させる各点E〜Eに対し、このようにして同次変換行列を定める。
点Q〜Qに対しては、例えば同じポリゴンの2頂点に対する同次変換行列の平均となるように、同次変換行列を定める。これらの処理により、図4B)のP のように、3次元構造Fと姿勢(面法線の向き)がほぼ等しくなるように、はみ出した領域を付加できる。図4A)では、付加する領域に2列の頂点E〜E,Q〜Qを設けているが、より多数列の頂点を設ける場合、3次元構造Fの輪郭に近い側の頂点から処理を開始し、順次輪郭から遠い側の頂点を処理すればよい。
ダーツ等の入力後の3次元構造が入力前の3次元構造からはみ出している領域を、入力後の3次元構造から切除する(ステップ9)。この処理では、例えばダーツ等の入力前の3次元構造を入力後の3次元構造へ投影し、はみ出している領域を抽出して切除する。なお人体モデルへダーツ等の入力後の3次元構造と入力前の3次元構造とを投影し、それらの輪郭を比較しても、同様の処理ができる。この場合、3次元構造間で投影する必要はない。またステップ9の処理は省略しても良い。
ステップ7〜9により、ダーツ等を入力した後の3次元構造の輪郭を、入力前の3次元構造の輪郭に揃えることができる。これらの処理を施した3次元構造をパターンデータへ変換手段28により変換すると、ダーツ等が付加されかつ着装時の輪郭が最初のパターンデータから変化していないパターンデータが得られる(ステップ10)。
図2の処理を、3次元構造の変化として図5に示す。51はダーツ入力前の3次元構造で、この3次元構造の人体モデルへの着装状態とパターンデータとを図6に示す。なお前身頃と後身頃間の破線は、これらのパーツ間の接合ラインである。図5の52はダーツ入力後の3次元構造で、この3次元構造の人体モデルへの着装状態とパターンデータとを図7に示す。図7の着装状態では肩の接合が解除されており、ダーツの入力に伴い肩での前身頃の輪郭が後退し、人体モデルの肩が露出している。3次元構造でのネックホールからバストへの破線はダーツの縫合ライン(接合ライン)を示し、図7の右側のパターンデータにはダーツによりV字状にカットする領域が示されている。なおダーツを設けると、アームホールの輪郭も後退し、さらにネックホールの内側へ前身頃の襟がはみ出している。また図5の53は、ダーツ入力の前後での3次元構造51,52を重ね合わせた合成表示である。
ダーツ入力前の3次元構造が入力後の3次元構造からはみ出している領域を、図5の合成表示54に黒色で示し、この領域の素材(布)をダーツ入力後の3次元構造に追加する。またダーツ入力後の3次元構造が入力前の3次元構造からはみ出している領域を、合成表示55に黒色で示し、この領域の素材(布)をダーツ入力後の3次元構造から切除する。これらの処理を終えると、デザイン修正後の3次元構造56が得られ、ダーツ等が入力されており、しかも3次元構造の輪郭、即ちシルエットが、ダーツ入力前の3次元構造51の輪郭とほぼ等しいパターンデータが得られる。
図8に、人体モデルへの着装状態を、ダーツ入力後で縮んだ領域の補正前の3次元構造(点線)と、縮んだ領域の補正後の3次元構造(実線)とを、重ねるように示す。投影により、ダーツ入力前の3次元構造とダーツ入力後で補正前の3次元構造との、輪郭の変化を抽出し、後身頃と肩で自然に接続されるように、ダーツ入力後の3次元構造の肩に布を補う。またアームホールが後身頃と自然に接続されるように、アームホールにも布を補う。さらにネックホールの内側へ不自然に伸びている布を、ダーツ入力後の3次元構造から切除する。すると輪郭はダーツの入力前の輪郭に戻る。これらに伴い、補正したパターンデータを図8の右側に実線で示し、補正無しでのパターンデータを点線で示す。このパターンデータでは、着装時の輪郭は最初のパターンデータと一致し、かつダーツが付加されて素材のだぶつきが解消されている。以上のようにして、
・ ダーツ等によりだぶつきが解消し、
・ かつ当初のパターンデータに従って狙い通りの輪郭を持つように、
・ 3次元構造の表示画面、即ちシミュレーション画像の表示画面から、パターンデータを修正できる。しかも試行錯誤は不要で、高度なパターンメイキングの知識も不要である。
対象となるアパレル製品は、衣類に限らず、靴等の履物、かばん、椅子及びソファーのカバー(表皮)などでも良い。アパレル製品の素材は布帛あるいはシート状の生地の他に、編地、皮革等でも良い。
2 アパレル製品のデザイン装置
4 バス
6 マニュアル入力手段
8 カラーモニタ
10 カラープリンタ
12 通信インターフェース
14〜20 メモリ
22 3次元シミュレータ
24 デザイン変更手段
26 接合解除手段
28 3次元→2次元変換手段
30 抽出手段
32 輪郭修正手段
51 ダーツ入力前の3次元構造
52 ダーツ入力後の3次元構造
53〜55 合成表示
56 デザイン修正後の3次元構造

F ダーツ入力後の3次元構造
G ダーツ入力前の3次元構造
P,Q 端点
D 端点Pからの最近接点
E 面法線が端点Pを通る点

Claims (3)

  1. アパレル製品のパターンデータから前記アパレル製品を表す仮想的な3次元構造をコンピュータ内で生成すると共に、前記アパレル製品の使用状態を表すように、前記3次元構造の形状をコンピュータによりシミュレーションするための、シミュレーション手段と、
    シミュレーション手段により求めた3次元構造を表示するモニタと、
    前記アパレル製品に対し素材を切除しあるいは襞を形成する旨のマニュアル入力を受付けるマニュアル入力手段と、
    前記マニュアル入力に従って、前記3次元構造を変更するためのデザイン変更手段と、
    変更後の3次元構造をパターンデータに変換するための変換手段、とを有するアパレル製品のデザイン装置において、
    前記シミュレーション手段は、変換手段により変換されたパターンデータに従って、前記3次元構造の形状を再シミュレーションするように構成され、
    かつ、再シミュレーションによる3次元構造の輪郭が、デザイン変更前の3次元構造の輪郭から縮んだ領域を抽出するための抽出手段と、
    前記縮んだ領域を補うように、再シミュレーションによる3次元構造を変更する輪郭修正手段、を備え、
    さらに、前記変換手段は、輪郭修正手段により変更された3次元構造を、パターンデータに変換するように構成されていることを特徴とする、アパレル製品のデザイン装置。
  2. 前記抽出手段は、再シミュレーションによる3次元構造の輪郭が、デザイン変更前の3次元構造の輪郭からはみ出す領域も投影により抽出するように構成され、
    さらに、前記輪郭修正手段は、再シミュレーションによる3次元構造から、前記はみ出す領域を除くように構成されていることを特徴とする、請求項1のアパレル製品のデザイン装置。
  3. 前記パターンデータは複数のパーツに関するデータと、パーツ間の接合に関するデータとを含み、
    前記マニュアル入力を受けたパーツに対し、前記マニュアル入力の影響を受ける範囲で、他のパーツとの接合を解除するための接合解除手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項1または2のアパレル製品のデザイン装置。
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