JP2017054890A - 固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】各画素における素子形成面積の拡大を図ることが可能な固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の一つの実施形態によれば、固体撮像装置が提供される。固体撮像装置は、フォトダイオードと画素分離部とを備える。フォトダイオードは、半導体層内の一方の面側に2次元に複数配置される。画素分離部は、フォトダイオードを画素毎に分離して半導体層の一方の面から他方の面へ向けて延在する導電性部材と、導電性部材の他方の面側の一部を除く周面を被覆する絶縁膜とからなる。かかる画素分離部は、導電性部材の端部がグランドに接続され、導電性部材の絶縁膜が被覆されていない部分が前記半導体層に接する。【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法に関する。
従来、固体撮像装置に設けられるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサは、フォトダイオードおよびトランジスタなどの素子を画素毎に備える。
また、CMOSイメージセンサは、各画素の間に隣接する画素を電気的に分離するDTI(Deep Trench Isolation)と、画素に帯電した静電気を画素外部へアースするサブコンタクトとを備える。
したがって、各画素では、DTIによって各画素面積が所定の大きさに制約される中で、各画素にサブコンタクトが設けられるため、各画素における素子形成面積が狭くなる。
本発明の一つの実施形態は、各画素における素子形成面積の拡大を図ることが可能な固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一つの実施形態によれば、固体撮像装置が提供される。固体撮像装置は、フォトダイオードと画素分離部とを備える。フォトダイオードは、半導体層内の一方の面側に2次元に複数配置される。画素分離部は、フォトダイオードを画素毎に分離して半導体層の一方の面から他方の面へ向けて延在する導電性部材と、導電性部材の他方の面側の一部を除く周面を被覆する絶縁膜とからなる。かかる画素分離部は、導電性部材の端部がグランドに接続され、導電性部材の絶縁膜が被覆されていない部分が前記半導体層に接する。
以下に添付図面を参照して、実施形態に係る固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法について詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る固体撮像装置14を備えるデジタルカメラ1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、デジタルカメラ1は、カメラモジュール11と後段処理部12とを備える。
カメラモジュール11は、撮像光学系13と固体撮像装置14とを備える。撮像光学系13は、被写体からの光を取り込み、被写体像を結像させる。固体撮像装置14は、撮像光学系13によって結像される被写体像を撮像し、撮像によって得られた画像信号を後段処理部12へ出力する。かかるカメラモジュール11は、デジタルカメラ1以外に、例えば、カメラ付き携帯端末などの電子機器に適用される。
後段処理部12は、ISP(Image Signal Processor)15、記憶部16および表示部17を備える。ISP15は、固体撮像装置14から入力される画像信号の信号処理を行う。かかるISP15は、例えば、ノイズ除去処理、欠陥画素補正処理、解像度変換処理などの高画質化処理を行う。
そして、ISP15は、信号処理後の画像信号を記憶部16、表示部17およびカメラモジュール11内の固体撮像装置14が備える後述の信号処理回路21(図2参照)へ出力する。ISP15からカメラモジュール11へフィードバックされる画像信号は、固体撮像装置14の調整や制御に用いられる。
記憶部16は、ISP15から入力される画像信号を画像として記憶する。また、記憶部16は、記憶した画像の画像信号をユーザの操作などに応じて表示部17へ出力する。表示部17は、ISP15あるいは記憶部16から入力される画像信号に応じて画像を表示する。かかる表示部17は、例えば、液晶ディスプレイなどである。
次に、図2を参照しながらカメラモジュール11が備える固体撮像装置14について説明する。図2は、実施形態に係る固体撮像装置14の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、固体撮像装置14は、イメージセンサ20と、信号処理回路21とを備える。
ここでは、イメージセンサ20が、入射光を光電変換する光電変換素子の入射光が入射する面とは逆の面側に配線層が形成される所謂裏面照射型CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである場合について説明する。
なお、本実施形態に係るイメージセンサ20は、裏面照射型CMOSイメージセンサに限定するものではなく、表面照射型CMOSイメージセンサや、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等といった任意のイメージセンサであってもよい。
イメージセンサ20は、周辺回路22と、画素アレイ23とを備える。また、周辺回路22は、垂直シフトレジスタ24、タイミング制御部25、CDS(相関二重サンプリング)26、ADC(アナログデジタル変換部)27、およびラインメモリ28を備え、これらは主にアナログ回路で構成される。
画素アレイ23は、イメージセンサ20の撮像光学系13からの光が入射する領域に設けられる。固体撮像装置14では、画素アレイ23が撮像領域となる。かかる画素アレイ23には、撮像画像の各画素に対応する複数のフォトダイオードである光電変換素子が、水平方向(行方向)および垂直方向(列方向)へ2次元アレイ状(マトリックス状)に配置される。
各光電変換素子は、半導体層に設けられ、各光電変換素子に対応して半導体層の光が入射する側に積層されたカラーフィルタ、およびマイクロレンズを介して入射する光を受光量に応じた量の電荷へ光電変換し、各画素の輝度を示す信号電荷として蓄積する。
タイミング制御部25は、垂直シフトレジスタ24に対して動作タイミングの基準となるパルス信号を出力する処理部である。垂直シフトレジスタ24は、アレイ(行列)状に2次元配列された複数の光電変換素子の中から信号電荷を読み出す光電変換素子を行単位で順次選択するための選択信号を画素アレイ23へ出力する処理部である。
画素アレイ23は、垂直シフトレジスタ24から入力される選択信号によって行単位で選択される各光電変換素子に蓄積された信号電荷を、各画素の輝度を示す画素信号として光電変換素子からCDS26へ出力する。
CDS26は、画素アレイ23から入力される画素信号から、相関二重サンプリングによってノイズを除去してADC27へ出力する処理部である。ADC27は、CDS26から入力されるアナログの画素信号をデジタルの画素信号へ変換してラインメモリ28へ出力する処理部である。ラインメモリ28は、ADC27から入力される画素信号を一時的に保持し、画素アレイ23における光電変換素子の行毎に信号処理回路21へ出力する処理部である。
信号処理回路21は、ラインメモリ28から入力される画素信号に対して所定の信号処理を行って後段処理部12へ出力する処理部であり、主にデジタル回路で構成される。信号処理回路21は、画素信号に対して、例えば、レンズシェーディング補正、傷補正、ノイズ低減処理などの信号処理を行う。
このように、イメージセンサ20では、画素アレイ23に配置される複数の光電変換素子が入射光を受光量に応じた量の信号電荷へ光電変換して蓄積し、周辺回路22が各光電変換素子に蓄積された信号電荷を画素信号として読み出すことによって撮像を行う。
また、イメージセンサ20は、画素アレイ23における各光電変換素子の間にDTI(Deep Trench Isolation)を備える。かかるDTIは、半導体層の受光面側から受光面とは逆側の面まで貫通して形成され、各光電変換素子を画素毎に電気的に絶縁分離する。
かかるイメージセンサ20では、半導体層に帯電した静電気が光電変換素子へ移動して蓄積されるのを防ぐため、静電気を画素外部へアースする必要がある。
ここで、一般的なアース方法としては、各画素に対応する半導体層面にサブコンタクトを設けて、かかるサブコンタクトを介して半導体層に帯電した静電気を画素外部へアースする手法がある。かかる手法では、DTIによって各画素面積が所定の大きさに制約される中で、各画素に対応する半導体層面にサブコンタクトを設けるため、各画素における素子形成面積が狭くなる。
そこで、本実施形態に係る画素アレイ23は、半導体層に帯電した静電気を各光電変換素子の間に設けられたDTIを用いてアースすることで、各画素における素子形成面積の拡大を可能とした。次に、図3を参照して、本実施形態に係る画素アレイ23について説明する。
図3は、本実施形態に係る固体撮像装置14が備える画素アレイ23の断面視による模式的な構成を示す説明図である。なお、図3では、本実施形態の画素アレイ23が備える画素分離部2の説明に必要な構成要素を示しており、画素アレイ23の詳細な構造については、後述する画素アレイ23の形成方法を含む固体撮像装置14の製造方法で説明する。また、ここでは、便宜上、画素アレイ23の光が入射する側とは逆側を上とし、画素アレイ23の光が入射する側を下として説明する。
図3に示すように、画素アレイ23は、半導体層3における下層にデバイス層となるN型エピタキシャル層41を備え、上層にPウェル層40を備える。つまり、半導体層3は、N型エピタキシャル層41とN型エピタキシャル層41の光が入射する側の面(以下、受光面)とは逆側の面に形成されたPウェル層40とを含む。
Pウェル層40は、Pウェル層40における表層部に、増幅トランジスタAMPのソース領域30およびドレイン領域31と、ソース・ドレイン領域30,31に隣接してその外側に設けられた素子分離部STIとを備える。また、Pウェル層40の上面には、ソース領域30とドレイン領域31との間に位置する増幅トランジスタAMPのゲートGがゲート絶縁膜4を介して設けられる。なお、図3では、半導体層3の上面に設けられるゲートGなどを含む多層配線層を省略している。
N型エピタキシャル層41は、かかるエピタキシャル層41よりも不純物濃度が高いN+型の電荷蓄積領域42を備える。N+型の電荷蓄積領域42は、N型エピタキシャル層41の内部における光電変換素子5の形成位置に設けられる。なお、図3では、便宜上P型領域が図示されていないが、P型領域とN+型の電荷蓄積領域42とのPN接合によって形成されるフォトダイオードが、光電変換素子5となる。
かかる光電変換素子5は、N型エピタキシャル層41内にアレイ(行列)状に2次元配列される。また、光電変換素子5は、半導体層3の受光面(図3では、下面)から入射する光を信号電荷へ光電変換してN+型の電荷蓄積領域42に蓄積する。
また、N型エピタキシャル層41の下面には、反射防止膜60が設けられる。反射防止膜60は、例えば、SiN(窒化シリコン)を含む。かかる反射防止膜60は、光電変換素子5に入射した光の反射を防止する膜である。なお、図3では、反射防止膜60の下面に設けられる平坦化層、カラーフィルタ、およびマイクロレンズの図示を省略している。
また、図3に示すように、画素アレイ23は、光電変換素子5の受光面の周りを囲み、半導体層3の上面から下面まで貫通して形成された画素分離部2を備える。具体的には、画素分離部2は、各画素に対応する光電変換素子5の受光面を平面視矩形状に囲み、半導体層3の上面から下面まで貫通するDTI(Deep Trench Isolation)構造である。かかる画素分離部2は、金属製の遮光部材70、導電性部材71、および絶縁膜72を備える。
遮光部材70は、N型エピタキシャル層41に形成された光電変換素子5の受光面側の側周面を囲むように半導体層3に設けられる。遮光部材70の下端面は、半導体層3の下面側の端面から所定の長さだけ突出する。また、遮光部材70の上端面は、光電変換素子5の受光面側とは逆側の面よりも下に位置する。
遮光部材70は、例えば、W(タングステン)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、およびHf(ハフニウム)のうちのいずれか1つか、もしくはこれらを少なくとも2つ以上組み合わせた材料を含む。
かかる遮光部材70は、カラーフィルタを通過した光がそのカラーフィルタに対応した光電変換素子5側から隣接した光電変換素子5へ入射することを防止する。つまり、遮光部材70は、光学的混色の発生を抑制するためのものである。
また、遮光部材70は、反射防止膜60に帯電した静電気を外部へアースするため、配線9を介してグランドに接続される。
導電性部材71は、N型エピタキシャル層41に形成された光電変換素子5の受光面側とは逆側の側周面、およびPウェル層40の表層部に形成された素子分離部STIの側周面を囲むように半導体層3に設けられる。具体的には、導電性部材71の上端面はゲートGなどを含む多層配線層の下端面に当接し、導電性部材71の下端面は遮光部材70の上端面に当接する。
また、導電性部材71は、上端のドレイン領域31側の一部が半導体層3の厚さ方向に対して垂直な方向(半導体層3の表面に沿う方向)へ張り出しており、その張出部8がPウェル層40と当接する。
導電性部材71は、例えば、導電型の不純物(例えば、ボロンなど)をドープしたポリシリコン、あるいは、W(タングステン)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)などの金属材料を含む。
かかる導電性部材71は、半導体層3におけるPウェル層40と金属製の遮光部材70とを電気的に接続する。したがって、導電性部材71は、Pウェル層40に帯電した静電気を遮光部材70へ導く役割を有する。これにより、遮光部材70まで導かれた静電気は、配線9を通ってグランドに流される。
絶縁膜72は、遮光部材70の外周面、および張出部8を除く導電性部材71の外周面に設けられる。具体的には、絶縁膜72は、N型エピタキシャル層41に沿う遮光部材70の外周面、N型エピタキシャル層41に沿う導電性部材71の外周面、および張出部8とPウェル層40とが当接する部分を除くPウェル層40に沿う導電性部材71の外周面に設けられる。
絶縁膜72は、例えば、SiO2(二酸化シリコン)、SiN(窒化シリコン)、およびSi(シリコン)のうちのいずれか1つか、もしくはこれらを少なくとも2つ以上組み合わせた材料を含む。
かかる絶縁膜72は、光電変換素子5に蓄積された信号電荷が隣接する光電変換素子5へ漏出することを防止する。つまり、絶縁膜72は、電気的混色の発生を抑制するためのものである。
上述した画素アレイ23では、増幅トランジスタAMPなどの素子が形成されたPウェル層40に帯電した静電気を画素分離部2が備える導電性部材71および遮光部材70を介してN型エピタキシャル層41の下面側から外部へアースする。
ここで、図4を参照して、一般的に、Pウェル層40に帯電した静電気をPウェル層40の上面に設けられたサブコンタクト90を用いて外部へアースする画素アレイ23aについて説明する。図4は、本実施形態に係る一般的な固体撮像装置が備える画素アレイの模式的な断面を示す説明図である。なお、図4に示す構成要素のうち、図3に示す構成要素と同一の構成要素については、図3に示す構成要素と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
図4に示すように、一般的な画素アレイ23aにおいては、Pウェル層40の上面にサブコンタクト90が設けられ、Pウェル層40に帯電した静電気がサブコンタクト90を通ってグランドに流される。なお、かかる画素アレイ23aは、周面全体が絶縁膜72によって被覆された絶縁部材73を有する画素分離部2aを備える。
また、画素分離部2aは、上端部が絶縁部材73の下端部に当接し、下端部が半導体層3の受光面から突出する遮光部材70を備える。かかる遮光部材70は、配線9を介してグランドに接続されており、反射防止膜60に帯電した静電気をアースするために用いられる。
このような画素アレイ23aでは、Pウェル層40の上面にサブコンタクト90が設けられるため、Pウェル層40における素子形成面積が狭くなる。したがって、増幅トランジスタAMPのゲートGのゲート長L2(図4参照)は、長さの制約を受ける。ここで、ゲート長とは、チャンネル長方向、すなわち、ソース領域30とドレイン領域31とを結ぶ方向の長さを表す。
一方、上述した本実施形態に係る画素アレイ23においては、Pウェル層40の上面にサブコンタクト90を設ける必要がないため、Pウェル層40における素子形成面積が広くなる。したがって、増幅トランジスタAMPのゲートGのゲート長L1(図3参照)は、Pウェル層40の上面にサブコンタクト90を設けた場合における増幅トランジスタAMPのゲートGのゲート長L2の長さよりも長く(L1>L2)することができる。
このように、画素アレイ23は、Pウェル層40の上面に設けられる増幅トランジスタAMPのゲートGのゲート長L1が長くなっているため、ゲート長が短い場合に比べて、増幅トランジスタAMPのゲートGに印加する駆動電圧を低く抑えることができる。
上述の実施形態に係る画素アレイ23は、半導体層3の上面から下面まで達し、半導体層3の上面側の一部を除く周面が絶縁膜72によって被覆された導電性部材71における下面側の端部が遮光部材70を介してグランドに接続され、絶縁膜72が被覆されていない部分がPウェル層40に当接する画素分離部2を備える。
これにより、画素アレイ23は、増幅トランジスタAMPなどの素子が形成されたPウェル層40に帯電した静電気を画素分離部2が備える導電性部材71および遮光部材70を介してN型エピタキシャル層41の下面側から外部へアースすることができる。
したがって、画素アレイ23は、Pウェル層40の上面に、Pウェル層40に帯電した静電気を外部へアースするサブコンタクト90を設ける必要がないため、Pウェル層40における素子形成面積の拡大を図ることができる。
次に、上述した画像アレイ23の形成方法を含む固体撮像装置14の製造方法について、図5〜図9を参照して説明する。なお、固体撮像装置14における画素アレイ23以外の部分の製造方法は、一般的なCMOSイメージセンサと同様である。このため、以下では、固体撮像装置14における画素アレイ23部分の製造方法について説明する。
図5〜図9は、実施形態に係る固体撮像装置14の製造工程を示す断面模式図である。なお、図5〜図9には、画素アレイ23の製造工程を選択的に示すとともに、図3で省略した構成要素についても示している。
図5(a)に示すように、画素アレイ23を製造する場合には、まず、N型エピタキシャル層41が上面に形成されたSiウェハなどの半導体基板6を準備する。ここで、N型エピタキシャル層41は、例えば、半導体基板6の上面にリンなどのN型の低濃度の不純物がドープされたSi層をエピタキシャル成長させることによって形成される。
その後、N型エピタキシャル層41の上面における所定位置から内部へ、例えば、ボロンなどのP型の高濃度の不純物をイオン注入してアニール処理を行うことにより、Pウェル層40を形成する。こうして、N型エピタキシャル層41の上面にPウェル層40が設けられた半導体層3が形成される。
次に、図5(b)に示すように、半導体層3の上面に、例えば、レジスト91を塗布して、フォトリソグラフィーによって画素分離部2の形成位置となる部分(図3参照)のレジスト91を除去し、それ以外のレジスト91を残す。
かかるレジスト91をマスクとして使用して、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)を行い、レジスト91に覆われていない部分の半導体層3を半導体基板6の上面まで除去して貫通溝80を形成する。具体的には、貫通溝80は、光電変換素子5の受光面(図3参照)の周りを囲む平面視格子状に形成される。その後、マスクとして使用したレジスト91を除去する。
続いて、図5(c)に示すように、貫通溝80の内周面および底面に、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)を用いて、例えば、SiO2(二酸化シリコン)などの絶縁膜72を形成する。
そして、図5(d)に示すように、絶縁膜72によって内周面および底面が被覆された貫通溝80の内部へ、例えば、CVDを用いて、ポリシリコンなどの導電性部材71を形成する。なお、かかる導電性部材71は、第1導電性部材に相当する。
なお、導電性部材71として、例えば、W(タングステン)などの金属材料を用いる場合には、貫通溝80の内部へ導電性部材71を形成する前に、貫通溝80の内周面および底面に、例えば、TiN(窒化チタン)などのバリアメタル膜を形成する。
次に、図6(a)に示すように、半導体層3の上面に、例えば、レジスト92を塗布して、フォトリソグラフィーによって張出部8の形成位置となる部分(図3参照)のレジスト92を除去し、それ以外のレジスト92を残す。
そして、図6(b)に示すように、かかるレジスト92をマスクとして使用して、例えば、希フッ酸などによるウェット処理を行い、貫通溝80の内周面に形成された絶縁膜72をN型エピタキシャル層41の上面位置に達しない所定の位置まで除去して溝81を形成する。かかる溝81の深さは、絶縁膜72に対するウェットエッチング時間を制御することで制御される。
続いて、図6(c)に示すように、引き続きレジスト92をマスクとして使用して、溝81内に、例えば、CVDを用いて、ポリシリコンなどの導電性部材71を追加形成する。なお、かかる導電性部材71は、第2導電性部材に相当する。これにより、導電性部材71における絶縁膜72が被覆されていない部分がPウェル層40に当接することになる。その後、マスクとして使用したレジスト92を除去する。
そして、図6(d)に示すように、N型エピタキシャル層41における光電変換素子5の形成位置へ、例えば、リンなどN型の高濃度の不純物をイオン注入してアニール処理を行うことによって、N+型の電荷蓄積領域42を行列状に2次元配列する。これにより、N型エピタキシャル層41には、フォトダイオードである光電変換素子5のN+型の電荷蓄積領域42が形成される。
その後、図7(a)に示すように、Pウェル層40の上面における導電性部材71の周縁に沿う領域に素子分離部STIを形成する。また、素子分離部STIは、Pウェル層40の上面から導電性部材71における絶縁膜72が被覆されていない部分が覆われる位置まで形成される。これにより、Pウェル層40に形成されるドレイン領域31からPウェル層40に当接する導電性部材71へのリークを抑制することができる。
そして、Pウェル層40における素子分離部STIで囲まれた領域の上面に、ゲート絶縁膜4を介してゲート長L1の長いゲートGを形成する。さらに、ゲートGをマスクにしたセルフアラインでPウェル層40の表層部にソース領域30およびドレイン領域31を形成する。
次に、図7(b)に示すように、半導体層3の上面に多層配線層63を形成する。多層配線層63を形成する工程では、半導体層3の上面にゲートGなどを覆う層間絶縁膜を形成する。そして、層間絶縁膜に配線パターンのパターンニングを行い、形成された配線パターンへ、例えば、銅などの金属を埋め込むことによって多層配線を形成するという一連の工程を繰り返す。これにより、多層配線層63が形成される。そして、多層配線層63の上面に、例えば、Siウェハなどの支持基板64を直接貼着する。
この後、図7(b)に示す構造体の天地を反転させた後、半導体基板6の裏面(ここでは、上面側)を研削および研磨し、半導体基板6を所定の厚さになるまで薄化する。そして、図7(c)に示すように、受光面となる半導体層3の裏面(ここでは、上面)を露出させる。
続いて、図8(a)に示すように、半導体層3の上面に、例えば、CVDを用いて、SiN(窒化シリコン)などの反射防止膜60を形成する。そして、反射防止膜60の上面に、例えば、レジスト93を塗布して、フォトリソグラフィーによって、遮光部材70の形成位置となる部分(図3参照)のレジスト93を除去し、それ以外のレジスト93を残す。
そして、図8(b)に示すように、かかるレジスト93をマスクとして使用して、例えば、希フッ酸などによるウェット処理を行い、貫通溝80内の導電性部材71を光電変換素子5の受光面よりも下の所定の位置まで除去して溝82を形成する。かかる溝82の深さは、導電性部材71に対するウェットエッチング時間を制御することで制御される。その後、マスクとして使用したレジスト93を除去する。
こうして、ウェット処理を行って溝82を形成することで、貫通溝80における光が入射する側とは逆側の内部に埋め込まれた導電性部材71が形成される。かかる導電性部材71の上端面は光電変換素子5の受光面よりも少し下がったところに位置し、導電性部材71の下端面は多層配線層63の上端面に当接する。
次に、図8(c)に示すように、反射防止膜60の上面および溝82内に、例えば、CVDを用いて、タングステン膜65を形成する。そして、タングステン膜65の上面に、例えば、レジスト94を塗布して、遮光部材70の形成位置となる部分(図3参照)のレジスト94を残し、それ以外のレジスト94を除去する。
かかるレジスト94をマスクとして使用して、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)を行い、図9(a)に示すように、レジスト94に覆われていない部分のタングステン膜65を除去する。その後、マスクとして使用したレジスト94を除去する。
こうして、貫通溝80における光が入射する側の内部に埋め込まれた遮光部材70が形成される。かかる遮光部材70の上端面は反射防止膜60の受光面から堆積させたタングステン膜65の厚さ分だけ突出し、遮光部材70の下端面は導電性部材71の上端面に当接する。
そして、遮光部材70の上端部に、Pウェル層40に帯電した静電気および反射防止膜60に帯電した静電気をアースするための配線9を接続する。こうして、本実施形態に係るDTI構造の画素分離部2が形成される。
その後、図9(b)に示すように、遮光部材70で囲まれた開口部へ、例えば、CVDを用いて、例えば、窒化シリコンを積層することによって、導波路となる平坦化層67を形成する。
そして、図9(c)に示すように、平坦化層67の上面における遮光部材70の開口部に対応する位置に赤、緑、青、もしくは白のいずれかの色光を選択的に透過させるカラーフィルタ68を形成する。その後、各カラーフィルタ68の上面にマイクロレンズ69を形成することで、画素アレイ23が製造される。
上述したように、実施形態に係る画素アレイ23は、半導体層3の上面から下面まで達し、半導体層3の上面側の一部を除く周面が絶縁膜72によって被覆された導電性部材71における下面側の端部が遮光部材70を介してグランドに接続され、絶縁膜72が被覆されていない部分がPウェル層40に当接する画素分離部2を備える。
これにより、画素アレイ23は、増幅トランジスタAMPなどの素子が形成されたPウェル層40に帯電した静電気を画素分離部2が備える導電性部材71および遮光部材70を介してN型エピタキシャル層41の下面側から外部へアースすることができる。
したがって、画素アレイ23は、Pウェル層40の上面に、Pウェル層40に帯電した静電気を外部へアースするサブコンタクト90などを設ける必要がないため、Pウェル層40における素子形成面積の拡大を図ることができる。
なお、上述した実施形態に係る画素アレイ23は、1画素毎に導電性部材71における絶縁膜72が被覆されていない部分が画素のPウェル層40に当接しているが、この形態に限られない。
他の形態としては、画素分離部2に隣接する各画素に、導電性部材71における絶縁膜72が被覆されていない各部分が各画素のPウェル層40に当接してもよい。
このような形態では、画素分離部2に隣接する各画素のPウェル層40に帯電した静電気を、各画素が共用する画素分離部2が備える導電性部材71および遮光部材70を介してN型エピタキシャル層41の下面側から外部へアースすることができる。
また、上述した実施形態に係る画素アレイ23は、画素分離部2における遮光部材70にアースするための配線9が接続されているが、この形態に限られず、導電性部材71に配線9を接続してもよい。
このような形態では、多層配線層63を形成する際に、導電性部材71に接続する配線9が形成されるため、画素アレイ23の製造工程の簡略化を図ることができる。
また、上述の実施形態では、エピタキシャル層41および電荷蓄積領域42をN型、ウェル層40をP型としているが、エピタキシャル層41および電荷蓄積領域42をP型、ウェル層40をN型として画素アレイ23を構成するようにしてもよい。また、エピタキシャル層をP(N)型、電荷蓄積領域およびウェル層をN(P)型として画素アレイ23を構成するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 デジタルカメラ、 11 カメラモジュール、 12 後段処理部、 13 撮像光学系、 14 固体撮像装置、 15 ISP、 16 記憶部、 17 表示部、 2 画素分離部、 20 イメージセンサ、 21 信号処理回路、 22 周辺回路、 23 画素アレイ、 24 垂直シフトレジスタ、 25 タイミング制御部、 26 CDS、 27 ADC、 28 ラインメモリ、 3 半導体層、 30 ソース領域、 31 ドレイン領域、 4 ゲート絶縁膜、 40 Pウェル層、 41 P型エピタキシャル層、 42 N型の電荷蓄積領域、 5 光電変換素子、 6 半導体基板、 60 反射防止膜、 63 多層配線層、 64 支持基板、 65 タングステン膜、 67 平坦化層、 68 カラーフィルタ、 69 マイクロレンズ、 70 遮光部材、 71 導電性部材、 8 張出部、 80 貫通溝、 81,82 溝、 9 配線、 90 サブコンタクト、 91,92,93,94 レジスト、 AMP 増幅トランジスタ、 G ゲート、 STI 素子分離部
Claims (5)
- 半導体層内の一方の面側に2次元に配置される複数のフォトダイオードと、
前記フォトダイオードを画素毎に分離して前記半導体層の一方の面から他方の面へ向けて延在する導電性部材と、前記導電性部材の前記他方の面側の一部を除く周面を被覆する絶縁膜とからなる画素分離部とを備え、
前記画素分離部は、
前記導電性部材の端部がグランドに接続され、前記導電性部材の前記絶縁膜が被覆されていない部分が前記半導体層に接する
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 前記半導体層は、
前記一方の面側に設けられる第1導電型の不純物層と、前記他方の面側に設けられる第2導電型のウェル層とを備え、
前記導電性部材は前記ウェル層に接する
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記画素分離部は、
一端が前記半導体層の一方の面側で前記導電性部材に接し、他端が前記半導体層の一方の面から突出する金属製の遮光部材を有し、
前記導電性部材は
前記遮光部材を介して前記グランドに接続される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像装置。 - 前記導電性部材は、
ポリシリコンまたは金属材料のいずれかを含む
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の固体撮像装置。 - 半導体層内の一方の面側に複数のフォトダイオードを2次元に形成する工程と、
前記フォトダイオードを画素毎に分離する位置に、前記半導体層の一方の面から他方の面まで貫通する貫通溝を形成する工程と、
前記貫通溝内に、周面が絶縁膜によって被覆された第1導電性部材を形成する工程と、
前記半導体層の一方の面から前記絶縁膜の一部を除去する工程と、
前記絶縁膜が除去された部分に、第2導電性部材を形成する工程と
を含むことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
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