JP2017054859A - 半導体発光デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で、良好な放熱性を有する半導体発光デバイスを提供する。【解決手段】実施形態によれば、基板と、基板上に、基板と接して設けられた第1導電型の第1のコンタクト層とを備えた半導体発光デバイスが提供される。第1のコンタクト層に接して、活性層と、活性層の両側に設けられた第1導電型の第1のクラッド層及び第1導電型とは反対導電型の第2導電型の第2のクラッド層とを含むダブルヘテロ構造を有するリング共振器が設けられている。第2のクラッド層に接続して、第2導電型の第2のコンタクト層が設けられている。第1のコンタクト層に接続して第1の電極と、第2のコンタクト層に接続して第2の電極とが設けられている。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、半導体発光デバイスに関する。
近年、LSIの高集積化に伴い、LSI内部の回路の微細化が進んでいる。この微細化に伴い、電気配線の断面積が減少し、隣接する電気配線間の距離は狭くなる。そのため、LSI内部の配線抵抗が増大し、配線間の容量が増大する。その結果、配線抵抗と配線間容量とにより決定される配線遅延時間が増大し、更なるLSIの高速化が困難となっている。
このようなLSIの高集積化に伴う配線遅延の問題を解決する技術として、光配線技術が注目されている。光配線技術は、電気信号を光信号に変換し、電気配線の代わりに光導波路を介して光信号を伝送する技術である。
光配線技術をLSIの配線に適用することにより、前述の微細化に伴う電気配線における配線抵抗や配線間容量の増大が発生せず、更なるLSIの動作速度の高速化が期待できる。光配線を用いて信号伝送を行うLSIとして、光電気混載LSIが提案されている。光電気混載LSIでは、コアやメモリ等の各機能ブロックによる信号処理は電気で行われ、これらの機能ブロック間のデータ伝送は光信号で行われる。このような光電気混載LSIにおいては、各機能ブロックの電気信号を光信号に変換する発光デバイスが必要である。
Thijs Spuesens et al.,"Improved design of an InP−based microdisk laser heterogeneously integrated with SOI",Group IV Photonics(2009),pp202−204,FA3.
A.W.Fang et al.,"Electrically pumped hybrid AlGaInAs−silicon evanescent laser",Optics Express 9203,Vol.14,No.20,(2006).
LSIチップ間の光信号の伝送のためにはLSIに発光デバイスを集積する必要があり、小型で消費電力が少ない半導体発光デバイスが必要である。そこで、半導体発光デバイスとしてリング共振器を用いたリングレーザも知られているが、小型化に伴う熱抵抗の増大を避けることはできない。一般的に、半導体発光デバイスは、熱抵抗の増大に伴って寿命及び信頼性が低下し、発光効率が低下する。特に、リングレーザの熱抵抗は、リング共振器の直径を小さくすると増大するため、小型化に対する障害となる。
本発明の実施形態は、小型で、良好な放熱性を有する半導体発光デバイスを提供することを目的とする。
実施形態によれば、基板と、前記基板上に、前記基板と接して設けられた第1導電型の第1のコンタクト層とを備えた半導体発光デバイスが提供される。前記第1のコンタクト層に接して、活性層と、前記活性層の両側に設けられた第1導電型の第1のクラッド層及び第1導電型とは反対導電型の第2導電型の第2のクラッド層とを含むダブルヘテロ構造を有するリング共振器が設けられている。前記第2のクラッド層に接続して、第2導電型の第2のコンタクト層が設けられている。前記第1のコンタクト層に接続して第1の電極と、前記第2のコンタクト層に接続して第2の電極とが設けられている。
以下、いくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る半導体発光デバイス10の概略断面図である。
半導体発光デバイス10は、基板11と、基板11上に基板11と接して設けられた第1導電型の第1のコンタクト層13とを備える。第1のコンタクト層13に接して、ダブルヘテロ構造を有するリング共振器14が設けられ、リング共振器14に接続して、第2導電型の第2のコンタクト層15が設けられている。第1のコンタクト層13に接続して第1の電極16が、及び第2のコンタクト層15に接続して、第2の電極17が設けられている。
基板11は、通常、半導体基板であり、例えば、シリコン基板である。基板11は、例えば、GaAs基板やInP基板であってもよい。
基板11上に第1の誘電体層12が、設けられており、第1のコンタクト層13の下方部分、すなわち第1の部分131を取り囲んでいる。すなわち、第1の誘電体層12は、基板11の表面を部分的に露出させる貫通孔12aを有し、その貫通孔12aは、第1のコンタクト層13の第1の部分131により満たされている。第1の誘電体層12は、例えば、酸化シリコン(SiO2)層、窒化シリコン(SiN)層等である。第1の誘電体層12は、例えば、100nm以上の厚さを有し得る。貫通孔12aは、通常、円形であり、1μm〜2μmの直径を有し得る。
第1のコンタクト層13は、第1の部分131とともに、第1の部分131から一体的に第1の誘電体層12上に延出し、第1の部分131を取り囲むリング形態の第2の部分132を有している。第2の部分は、例えば円環状、楕円環状等であり、例えば、内径2μm、外径10μm、厚さ200nm〜500nmの円環形状を有し得る。
第1のコンタクト層13は、III−V族化合物半導体層であり、例えば、インジウムヒ素(InAs)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)又はそれらの組合せで形成されている。一つの実施形態において、第1の部分131は、InAsで形成され、第2の部分132はInGaAsで形成されている。第1のコンタクト層13は、例えば、n型である。第1の部分131は、例えば、InP、GaAsで形成されていてもよい。
リング共振器14は、ダブルヘテロ構造がリング形状を持つことによって提供され、従って符号14は、リング共振器を示すものとしても、ダブルヘテロ構造を示すものとしても使用されている。リング共振器14は、第1のコンタクト層13の第2の部分132上に設けられている。リング共振器14は、第1のコンタクト層13の第2の部分132と同様、リングとして閉じた形状であれば特に限定されないが、例えば、円環状、楕円状等である。ダブルヘテロ構造14は、活性層142と、活性層142の両側に設けられた第1導電型の第1のクラッド層141及び第1導電型とは反対導電型の第2導電型の第2のクラッド層143とを含む。ダブルヘテロ構造14は、例えば、第1のクラッド層141から第2のクラッド層143までの各層が基板11の面に垂直な方向に重なり合っている。リング共振器14のサイズは、例えば、外径10μm、内径7μm、厚さ2μm〜3μmである。ダブルヘテロ構造14は、III−V族の化合物半導体によって形成されていれば特に限定されないが、例えば、ヒ化ガリウム系化合物半導体で形成される場合には、クラッド層として第1導電型、第2導電型のAlxGa(1−x)As(xは0.2〜0.35)、活性層としてInGaAs、GaAsからなる多重量子井戸を用いることができる。
第1のクラッド層141は、第1導電型であり、第1のコンタクト層13の第2の部分132上に形成されている。第1のクラッド層141は、例えば、1600nmの厚さを有し得る。第1のクラッド層141は、例えば、n型のアルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)層である。
活性層142は、例えば、単一量子井戸構造、又は多重量子井戸構造を持つ。活性層142は、例えば、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)井戸層と、ガリウムヒ素(GaAs)障壁層とを交互に積層した構造を有し、ここで各井戸層は障壁層により挟まれている。活性層142は、例えば、30nm〜200nmの厚さを有し得る。
第2のクラッド層143は、第2導電型であり、活性層142上に設けられている。第2のクラッド層143は、例えば、100nm〜200nmの厚さを有し得る。第2のクラッド層143は、例えば、p型のアルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)層である。
第2のコンタクト層15は、第2導電型であり、第2のクラッド層143上に設けられている。第2のコンタクト層15は、例えば、リング共振器14と同様のリング形状を有する。第2のコンタクト層15は、III−V族の化合物半導体層であり、例えば、150nm〜200nmの厚さを有し得る。第2のコンタクト層15は、例えば、p型のガリウムヒ素(GaAs)層である。
第1の電極16は、第1のコンタクト層13に電気的に接続している。第1の電極16は、例えば、円盤状に形成されている。第1の電極16は、例えば、負極として用いられる。第1の電極16は、例えばAuGe/Ni/Au電極である。
第2の電極17は、第2のコンタクト層15に電気的に接続している。第2の電極17は、例えば、第2のコンタクト層15上に円環状に形成されている。第2の電極17は、例えば、円環状の第2のコンタクト層15の上面であって、内周寄りの領域に円環状に設けられる。第2の電極17は、例えば、正極として用いられる。第2の電極17は、例えば、Ti/Pt/Au電極である。
第1のコンタクト層13、ダブルヘテロ構造14、第2のコンタクト層15、第1の誘電体層12を覆って第2の誘電体層18が設けられている。第2の誘電体層18は、第1の誘電体層12上において第1のコンタクト層13の第2の部分132、ダブルヘテロ構造14、及び第2のコンタクト層15のそれぞれの外周面を覆い、リング共振器14の内周面と第1の電極16の外周面との間のスペースを埋め、かつ第2のコンタクト層15の上面を覆っている。第2の誘電体層18は、例えば、上面が平坦である。第2の誘電体層18は、低屈折率の誘電体層であり、例えば、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)等で形成されている。
第1の電極16及び第2の電極17は、第2の誘電体層18から露出(例えば、突出)している。すなわち、第1の電極16は、第2の誘電体層18内に第1のコンタクト層の第1の部分131の表面を露出させるように設けられた第1のコンタクト孔18a内に第2の誘電体層18から突出して設けられている。他方、第2の電極17は、第2の誘電体層18内に第2のコンタクト層15の表面を露出するように設けられた円環状の第2のコンタクト孔18b内に第2の誘電体層18から突出して設けられている。
リング共振器14に光学的に接続して、光導波路19が設けられている。光導波路19は、例えば、リング共振器14のリング形状の外周寄りの領域の上を通るように配置されている。光導波路19は、例えば、第2の誘電体層18の上に、幅0.3μm〜1.2μm、厚さ0.2μm〜0.4μmの帯状に設けられている。光導波路19は、例えば、図1において紙面に垂直な方向に延びている。
光導波路19は、第2の誘電体層18よりも高い屈折率を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンで形成されている。光導波路19は、第2のコンタクト層15との間に屈折率の低い層、例えば、第2の誘電体層18からなる層が30〜50nm程度設けられることが好ましい。この構成によれば、第2の誘電体層18の層厚と光導波路19の配置によって、共振器14から光導波路19に取り出される光の量を制御することが可能となる。
半導体発光デバイス10は、第1の電極16と第2の電極17との間に通電されることによって、活性層142にキャリアが注入される。注入されたキャリアは、活性層142において再結合することで光を放出し誘導放出が生ずる。誘導放出された光は、リング共振器14内を導波し、周回によって帰還することで、レーザ発振に至る。レーザ発振によって得られた光は、リング共振器14にエバネッセント結合する光導波路19に取り出され、光信号として伝搬する。
第1の実施形態の半導体発光デバイス10において、第1のコンタクト層13は、シリコン基板11に直接的に接して設けられている。また、ダブルヘテロ構造は、第1のコンタクト層13に接して設けられている。その結果、リング共振器14から発生する熱は、第1のコンタクト層13を介して基板11に対して放熱されることが可能となる。すなわち、第1の実施形態によれば、良好な放熱性の半導体発光デバイスが得られ、そのためデバイスのより一層の小型化が可能となる。
図2は、図1に示す第1の実施形態に係る半導体発光デバイス10の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
まず、図2(a)に示すように、基板11上に、第1の誘電体層12を形成する。続いて、フォトリソグラフィー、及び反応性イオンエッチング(RIE)により第1の誘電体層12に貫通孔12aを形成する。
次に、貫通孔12aによって露出した基板11の表面部分上に、例えば有機金属気相エピタキシー(MOVPE)法により、III−V族化合物半導体を成長させる。III−V族化合物半導体が貫通孔12a内を満たすまで成長した後(すなわち、第1のコンタクト層13の第1の部分131が形成された後)、III−V族化合物半導体を第1の誘電体層12上を横方向に成長させる。こうして、第1の誘電体層12上に延出してリング状に成長したIII−V族化合物半導体層132が得られる。
上記横方向成長を含む、III−V族化合物半導体部分131と132の形成方法の一例をより具体的に説明する。まず、酸化シリコン層12に形成された貫通孔12aによって露出したシリコン基板11の表面部分上に、トリメチルインジウム(TMIn)及びtert−ブチルヒ素(TBAs)を用いるMOVPE法により、インジウムヒ素(InAs)を成長させる。インジウムヒ素が貫通孔12aを満たすまで成長した後、TMIn及びTBAsにトリメチルガリウム(TMGa)を追加して供給し、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)の横方向成長を開始させる。この方法については、文献Journal of Crystal Growth 352 (2012) 229−234を参考にすることができる。この横方向成長によれば、シリコン基板と格子整合しないIII−V族化合物半導体であっても、誘電体層上に転位欠陥の非常に少ない層(第1のコンタクト層13の第2の部分132)を生成することができる。したがって、その転位欠陥の非常に少ない層の上に形成されたダブルヘテロ構造14の各層も転位欠陥が非常に少ない。
次に、図2(b)に示すように、第2の部分132を含む第1のコンタクト層13を覆って、例えばMOVPE法により、第1のクラッド層141、活性層142、第2のクラッド層143及び第2のコンタクト層15を順次形成する。
ついで、図2(c)に示すように、ダブルヘテロ構造14及び第2のコンタクト層15を、それらが第1のコンタクト層13の第2の部分132上に残るように、リング状に加工する。このリング加工は、例えばフォトリソグラフィー及び誘導結合型RIEにより2段階で行うことができる。第1段階では、リングの外周面を形成するように第2のコンタクト層15、ダブルヘテロ構造14及び第1のコンタクト層13をエッチングして第1の誘電体層12を露出させる。第2段階では、リングの内周面を形成するように第2のコンタクト層15、ダブルヘテロ構造14及び第1のコンタクト層13の一部をエッチングして第1のコンタクト層13を露出させる。
上記リング加工の後、図2(d)に示すように、露出した第1の誘電体層12の表面、リング加工されたダブルヘテロ構造14及び第2のコンタクト層15並びに第1のコンタクト層13の表面を覆って第2の誘電体層18を形成する。その後、第2の誘電体層を、化学的機械的研磨(CMP)により表面を平坦化する。この平坦化は、第2のコンタクト層上に30nm〜50nmの厚さの誘電体が残るように行うことが好ましい。第2のコンタクト層15の上にこのような厚さの誘電体が存在することにより、リング共振器14から光導波路19に取り出される光の量を容易に制御することが可能となる。
次に、平坦化した第2の誘電体層18の上に、常法により高屈折率材料を形成する。高屈折率材料は、例えば、アモルファスシリコンや多結晶シリコンを挙げることができる。次いで、高屈折率材料を常法により光導波路19の形状に加工する。
次に、フォトリソグラフィー及びRIEにより、第2の誘電体層18内に、第1のコンタクト層13を露出させる第1のコンタクト孔18aを形成する。次いで、第1のコンタクト孔18a内に、第1のコンタクト層13と接触する第1の電極16を形成する。次いで、フォトリソグラフィー及びRIEにより、第2の誘電体層18内に、第2のコンタクト層15を露出させる第2のコンタクト孔18bを形成する。次いで、第2のコンタクト孔18b内に、第2のコンタクト層15と接触する第2の電極17を形成する。このようにして、図1に示す半導体発光デバイス10を製造することができる。
以上の説明からわかるように、上述した第1の実施形態の半導体発光デバイスの製造方法によれば、リング共振器14と光導波路19とのアライメントは、フォトリソグラフィーの精度で行うことができるため、均一な光結合を得ることができる。
図3は、第2の実施形態に係る半導体発光デバイス20の概略断面図である。
半導体発光デバイス20も、半導体発光デバイス10のように、基板21と、基板21上に基板21と接して設けられた第1導電型の第1のコンタクト層23とを備える。第1のコンタクト層23に接して、ダブルヘテロ構造を有するリング共振器24が設けられ、リング共振器24に接続して、第2導電型の第2のコンタクト層25が設けられている。
基板21は、第1の実施形態における基板11と同様のものであり得る。
基板21上には、第1の実施形態における第1の誘電体層12と同様の第1の誘電体層22が設けられており、第1のコンタクト層23の下方部分(第1の部分)231を取り囲んでいる。すなわち、第1の誘電体層22は、第1の実施形態における貫通孔12aと同様の、基板21の表面を部分的に露出させる貫通孔22aを有し、その貫通孔22aは、第1のコンタクト層23の第1の部分231により満たされている。
第1のコンタクト層23は、第1の部分231とともに、第1の部分231から一体的に基板の垂直方向上方に延びるとともに、第1の誘電体層22上に延出した第2の部分232を有している。第2の部分232は、通常、第1の部分231より大きい外接円の直径を有する六角盤状である。第1の部分231は、直径1μm〜2μm、厚さ0.2μm〜0.5μmを有し得る。第2の部分232は、外接円の直径2μm〜10μmの六角盤状を有し得る。第1のコンタクト層23は、第1の実施形態における第1のコンタクト層13と同様、III−V族化合物半導体層である。一つの実施形態において、第1のコンタクト層23は、第1の実施形態と同様に全体がInAsおよびInGaAsで形成されている。
リング共振器24は、第1の実施形態におけるリング共振器24と同様、ダブルヘテロ構造がリング形状を持つことによって提供され、したがって、符号24は、リング共振器を示すものとしても、ダブルヘテロ構造を示すものとしても使用されている。リング共振器24は、第1のコンタクト層23の第2の部分232の外周面に接し、第1の誘電体層22上に設けられている。ダブルヘテロ構造24は、活性層242と、活性層242の両側に設けられた第1導電型の第1のクラッド層241及び第2導電型の第2のクラッド層243を備える。ダブルヘテロ構造24は、第1の実施形態におけるダブルヘテロ構造14と同様の構成を有するが、しかしダブルヘテロ構造14とは異なり、例えば、第1のクラッド層241から第2のクラッド層243までの各層が基板21の面に平行な方向に重なり合っている。リング共振器24のサイズは、例えば、幅が2〜3μmであり、厚さが0.2μm〜0.5μmである。ダブルヘテロ構造24を構成する各層は、第1の実施形態におけるダブルヘテロ構造14の各層と同様の材質、構成、厚さを有し得る。
第2のコンタクト層25は、第2のクラッド層243の外周面に接し、第1の誘電体層22上に設けられている。より詳しくは、第2のコンタクト層25は、第2のクラッド層243に接しそれと平行に延びるリング形状の第1の部分251と、この第1の部分251と一体であるが、第1の誘電体層22上にリング状フランジを提供する第2の部分252を含む。第2のコンタクト層25の第1の部分251のサイズは、例えば、幅0.2μmである。第2のコンタクト層25の第2の部分252のサイズは、例えば、幅3μm、厚さ0.1μm〜0.2μmである。第2のコンタクト層25は、例えば、第1の実施形態における第2のコンタクト層15と同様の化合物半導体で形成され得る。
第1のコンタクト層23に接続して、第1の電極26が設けられている。第1の電極26は、例えば、第1のコンタクト層23の第2の部分232上に、円盤状に形成されている。
第2のコンタクト層25に接続して、第2の電極27が設けられている。第2の電極27は、例えば、第2のコンタクト層25のフランジ部252上にリング状に設けられている。第1の電極26及び第2の電極27は、例えば、それぞれ、第1の実施形態における第1の電極16及び第2の電極27と同様の材料で形成され得る。
第1のコンタクト層23、ダブルヘテロ構造24、第2のコンタクト層25、第1の誘電体層22を覆って、第2の誘電体層28が設けられている。第2の誘電体層28は、例えば、第1の誘電体層22上においてダブルヘテロ構造24の上面、及び第2のコンタクト層25の外周面を覆い、かつ第1のコンタクト層23の第2の部分232の上面を覆っている。第2の誘電体層28は、例えば、上面が平坦である。第2の誘電体層28は、第1の実施の形態における第2の誘電体層18と同様、低屈折率の誘電体層であり、例えば、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)等で形成され得る。
第1の電極26及び第2の電極27は、第2の誘電体層28から露出(例えば、突出)している。すなわち、第1の電極26は、第2の誘電体層28内に第1のコンタクト層の第2の部分232の表面を露出させるように設けられた第1のコンタクト孔28a内に第2の誘電体層28から突出して設けられている。他方、第2の電極27は、第2の誘電体層28内に第2のコンタクト層25のフランジ部252の表面を露出するように設けられたリング状の第2のコンタクト孔28b内に第2の誘電体層28から突出して設けられている。
第1の実施形態と同様、リング共振器24に光学的に接続して、第1の実施形態における光導波路19と同様の光導波路29が設けられている。光導波路29は、例えば、リング共振器24のリング形状の外周寄りの領域の上を通るように配置されている。光導波路29は、リング共振器24との間に屈折率の低い層、例えば、第2の誘電体層28からなる層が30〜50nm程度設けられることが好ましい。
上記第2の実施形態に係る半導体発光デバイス20でも、第1の実施形態に係る半導体発光デバイス10と同様の効果が得られる。また、第2の実施形態に係る半導体発光デバイスでは、ダブルヘテロ構造24と第2の電極27とを距離を離して配置できるため、電極による光の吸収が起こりにくい。そのため、第2の実施形態の半導体発光デバイスは、リング共振器における光の吸収損失が抑制される。
図4は、図3に示す半導体発光デバイス20の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
まず、図4(a)に示すように、基板21上に、第1の誘電体層22を形成する。続いて、フォトリソグラフィー、及び反応性イオンエッチング(RIE)により第1の誘電体層22に貫通孔22aを形成する。
次に、貫通孔12aによって露出した基板21の表面部分上に、例えば有機金属気相エピタキシー(MOVPE)法により、III−V族化合物半導体を成長させる。III−V族化合物半導体が貫通孔22a内を満たすまで成長した後(すなわち、第1のコンタクト層23の第1の部分231が形成された)後、III−V族化合物半導体を第1の誘電体層上を横方向に成長させる。こうして、第1の部分231から一体的に基板の垂直方向上方に延びるとともに、第1の誘電体層22上に延出したIII−V族化合物半導体層232が得られる。
III−V族化合物半導体部分231と232の形成方法の一例をより具体的に説明する。まず、酸化シリコン層22に形成された貫通孔22aによって露出したシリコン基板21の表面部分上に、トリメチルインジウム(TMIn)及びtert−ブチルヒ素(TBAs)を用いるMOVPE法により、インジウムヒ素(InAs)を成長させる。インジウムヒ素が貫通孔22aを満たすまで成長した後、第1の実施形態と同様、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)を横方向成長させる。
次に、図4(b)に示すように、第1のコンタクト層23の第2の部分232を全体的に及び第1の誘電体層22を部分的に覆って、例えばMOVPE法により、第1のクラッド層241、活性層242、第2のクラッド層243及び第2のコンタクト層25を順次形成する。
ついで、図4(c)に示すように、ダブルヘテロ構造24及び第2のコンタクト層25を、それらが第1のコンタクト層23の第2の部分232の外周面上であって、第1の誘電体層22上に残るように、リング状に加工する。このリング加工は、例えば化学的機械的研磨(CMP)、フォトリソグラフィー、及び誘導結合型RIEにより行うことができる。まず、化学的機械的研磨(CMP)により、第1のコンタクト層23が露出するまで、第2のコンタクト層25及びダブルヘテロ構造24を順次取り除く。次に、フォトリソグラフィー、及び誘導結合型RIEにより、残った第2のコンタクト層25をフランジ部252が形成されるようにエッチングする。
上記リング加工の後、図4(d)に示すように、露出した第1のコンタクト層23の表面、リング加工されたダブルヘテロ構造24及び第2のコンタクト層25の表面を覆って第2の誘電体層28を形成する。その後、第2の誘電体層28を、化学的機械的研磨(CMP)により表面を平坦化する。この平坦化は、リング共振器24上に30nm〜50nmの厚さの誘電体が残るように行うことが好ましい。リング共振器24の上にこのような厚さの誘電体が存在することにより、リング共振器24から光導波路29に取り出される光の量を容易に制御することが可能となる。
次に、平坦化した第2の誘電体層28の上に、常法により高屈折率材料を形成する。高屈折率材料は、例えば、アモルファスシリコンや多結晶シリコンを挙げることができる。次いで、高屈折率材料を常法により光導波路29の形状に加工する。
次にフォトリソグラフィー及びRIEにより、第2の誘電体層28内に、第1のコンタクト層23の表面を露出させる第1のコンタクト孔28aを形成する。この第1のコンタクト孔内に第1のコンタクト層23と接触する第1の電極26(例えば、AuGe/Ni/Au電極)を形成する。次いで、フォトリソグラフィー及びRIEにより、第2の誘電体層28内に、第2のコンタクト層25の表面を露出させる第2のコンタクト孔28bを形成する。この第2のコンタクト孔28b内に、第2のコンタクト層25に接する第2の電極27(例えば、Ti/Pt/Au電極)を形成する。このようにして、図3に示す半導体発光デバイス20を製造することができる。
なお、上記各実施形態において、主に、第1導電型としてn型、第2導電型としてp型とした構成を例に説明したが、第1導電型としてp型、第2導電型としてn型とした構成であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…半導体発光デバイス、11…基板、12…第1の誘電体層、13…第1のコンタクト層、14…リング共振器(ダブルヘテロ構造)、15…第2のコンタクト層、16…第1の電極、17…第2の電極、18…第2の誘電体層、19…光導波路、131…第1の部分、132…第2の部分、141…第1のクラッド層、142…活性層、143…第2のクラッド層
20…半導体発光デバイス、21…基板、22…第1の誘電体層、23…第1のコンタクト層、24…リング共振器(ダブルヘテロ構造)、25…第2のコンタクト層、26…第1の電極、27…第2の電極、28…第2の誘電体層、29…光導波路、231…第1の部分、232…第2の部分、241…第1のクラッド層、242…活性層、243…第2のクラッド層
20…半導体発光デバイス、21…基板、22…第1の誘電体層、23…第1のコンタクト層、24…リング共振器(ダブルヘテロ構造)、25…第2のコンタクト層、26…第1の電極、27…第2の電極、28…第2の誘電体層、29…光導波路、231…第1の部分、232…第2の部分、241…第1のクラッド層、242…活性層、243…第2のクラッド層
Claims (15)
- 基板と、
前記基板上に、前記基板と接して設けられた第1導電型の第1のコンタクト層と、
前記第1のコンタクト層に接して設けられ、活性層と、前記活性層の両側に設けられた第1導電型の第1のクラッド層及び第1導電型とは反対導電型の第2導電型の第2のクラッド層とを含むダブルヘテロ構造を有するリング共振器と、
前記第2のクラッド層に接続した第2導電型の第2のコンタクト層と、
前記第1のコンタクト層に接続した第1の電極と、
前記第2のコンタクト層に接続した第2の電極と
を具備することを特徴とする半導体発光デバイス。 - 前記リング共振器に光学的に接続された光導波路をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光デバイス。
- 前記第1のコンタクト層は、前記基板上に設けられた第1の誘電体層に取り囲まれた部分を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光デバイス。
- 前記第1のコンタクト層は、前記第1の誘電体層に取り囲まれた第1の部分と、前記第1の部分から前記第1の誘電体層上に延出するリング形態の第2の部分とを有することを特徴とする請求項3に記載の半導体発光デバイス。
- 前記リング共振器は、前記第2の部分上に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光デバイス。
- 前記ダブルヘテロ構造において、前記第1のクラッド層から前記第2のクラッド層までの各層が、前記基板の面に垂直な方向に重なっていることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光デバイス。
- 前記リング共振器に光学的に接続された光導波路をさらに有することを特徴とする請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載の半導体発光デバイス。
- 前記リング共振器は、第2の誘電体層により覆われており、前記第2の誘電体層上に前記光導波路が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光デバイス。
- 前記第1のコンタクト層は、その下方部分が前記第1の誘電体層により取り囲まれていることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光デバイス。
- 前記リング共振器は、前記第1の誘電体層上に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の半導体発光デバイス。
- 前記ダブルヘテロ構造において、前記第1のクラッド層から前記第2のクラッド層までの各層が前記基板の面に平行な方向に重なっていることを特徴とする請求項10に記載の半導体発光デバイス。
- 前記リング共振器に光学的に接続された光導波路をさらに有することを特徴とする請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載の半導体発光デバイス。
- 前記リング共振器は、第2の誘電体層に覆われており、前記第2の誘電体層上に前記光導波路が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の半導体発光デバイス。
- 前記基板はシリコン基板であり、前記第1のコンタクト層、前記ダブルヘテロ構造、及び第2のコンタクト層は、それぞれ、III−V族の化合物半導体を含むことを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の半導体発光デバイス。
- 前記リングは、円環又は楕円環であることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の半導体発光デバイス。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018174093A1 (ja) | 2017-03-21 | 2018-09-27 | 三ツ星ベルト株式会社 | 摩擦伝動ベルト及びその製造方法 |
WO2020183620A1 (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | 特定非営利活動法人ナノフォトニクス工学推進機構 | 光半導体素子 |
-
2015
- 2015-09-07 JP JP2015175825A patent/JP2017054859A/ja active Pending
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