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JP2017051202A - 酒らしい味わいが付与された又は増強された飲料 - Google Patents

酒らしい味わいが付与された又は増強された飲料 Download PDF

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JP2017051202A
JP2017051202A JP2016244126A JP2016244126A JP2017051202A JP 2017051202 A JP2017051202 A JP 2017051202A JP 2016244126 A JP2016244126 A JP 2016244126A JP 2016244126 A JP2016244126 A JP 2016244126A JP 2017051202 A JP2017051202 A JP 2017051202A
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beverage
acesulfame potassium
sucralose
taste
alcohol
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JP2016244126A
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English (en)
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祐美 山本
Yumi Yamamoto
祐美 山本
まゆ佳 西井
Mayuka Nishii
まゆ佳 西井
美香 河野
Mika Kono
美香 河野
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Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
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Abstract

【課題】アルコール度数が低いか又はアルコールが入っていないにもかかわらず、酒らし
い味わいが感じられる飲料を提供する。
【解決手段】アルコール度数が3%未満の飲料において、アセスルファムカリウム/スク
ラロース(重量比)を11以上、かつアセスルファムカリウムの濃度を25mg/L以上
とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、酒らしい味わいが付与された又は増強された飲料、及びその飲料の酒らしい味わいを付与又は増強する方法に関する。
ビールやカクテル等の酒類の香味を模倣しながらアルコール(エタノール)をほとんど含まないノンアルコールビールやノンアルコールカクテル等のノンアルコール飲料(アルコール度数1%未満)が人気を集めている。ノンアルコール飲料の中でも、アルコール度数が0.01%未満で、「アルコール度数0.00%」と商品に表示されるものが特に注目を集め、新しいジャンルを形作るに至っている。これらのノンアルコール飲料は、アルコール(エタノール)を含まないという点ではソフトドリンク等の通常の飲料(非アルコール飲料)と共通しているが、モデルとなったビールやカクテル等の酒類の風味に近づくように品質設計され、消費者もそのような品質を期待しているという点で明確に異なっている。
アルコール度数が3%未満と低い飲料や、ノンアルコール飲料は、アルコールをほとんど含まないことから、酒類のもつ奥行きのある味わいや幅を再現することは容易ではない。特に、アルコール度数が1%未満など極めて低い場合において、酒らしい味わいを期待する消費者の嗜好を満足させるようなノンアルコール飲料の開発は、飲料メーカー各社にとって解決すべき課題となっている。
飲料のアルコール感を増強させる方法として、特許文献1には、0.01重量%以上10重量%以下のアルコールと、有機酸を含む果汁および/または炭水化物とを含む飲食品に、0.001重量%以上0.3重量%以下となるようにポリ−γ−グルタミン酸を添加することが記載されている。また、特許文献2には、食酢類を特定の色調になるように濃縮して得た液状食酢類をアルコール飲料に添加することにより、アルコール飲料の熟成感又はアルコール感を向上させる方法が記載されている。
また、近年、飲料市場において、熱量(カロリー)を抑制した、いわゆるカロリーオフタイプの商品が人気を博している。最近では飲料におけるカロリーが実質ゼロタイプのものや、糖類・糖質を実質含まない糖類ゼロ・糖質ゼロタイプのものが特に人気を集めている。このような飲料には、高甘味度甘味料が配合されている場合が多い。アセスルファムカリウム、スクラロースといった高甘味度甘味料は、砂糖類と比較して低カロリーであることから、様々な飲料において甘味の調整のために用いられている。
特開2009−268400号公報 特許第4659727号明細書
アルコール度数が極めて低いにもかかわらず、酒らしい味わいを期待する消費者の嗜好を満足させる飲料の開発は、飲料メーカーにとって重要な課題であり、各種の検討がなされている。本発明は、アルコール度数が低い飲料に対して酒らしい好ましい味わいを付与または増強することができる、新たな技術の提供を目的とする。
本発明者らは、アルコール飲料の「酒らしさ」について検討をし、アルコールの持つふ
くよかな厚み及び甘味、かすかな苦味が、アルコール飲料の「酒らしい味わい」につなが
ることを見出した。これに基づいて、アルコール度数が低い飲料に「酒らしい味わい」を
付与することを検討した結果、高甘味度甘味料であるアセスルファムカリウムの有する甘
味とかすかな苦味が「酒らしい味わい」につながること、そして、アセスルファムカリウ
ムに対して特定の重量比の少量のスクラロースを混合することにより、酒の厚みを思わせ
る複雑味を飲料に付与することができることを見出した。この「酒らしい味わい」につな
がる苦味と複雑味のバランスは、アセスルファムカリウムとスクラロース以外の他の高甘
味度甘味料の組み合わせでは達成できず、また、所定の重量比の範囲以外の場合にも達成
できなかった。すなわち、本発明は、これらに限定されないが、以下の態様を含む。
(1) アセスルファムカリウムとスクラロースとを含有しており、
アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が11以上であり、
アセスルファムカリウムの濃度が25mg/L以上であり、
アルコール度数が3容量%未満である、飲料。
(2) アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が、11〜300である、(
1)に記載の飲料。
(3) アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が、11〜19である、(2
)に記載の飲料。
(4) アセスルファムカリウムの濃度が、750mg/L以下である、(1)〜(3)
のいずれか1つに記載の飲料。
(5) アルコール度数が1容量%未満である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の
飲料。
(6) アルコール度数が0.01容量%未満である、(5)に記載の飲料。
(7) 炭酸ガスを含有する、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の飲料。
(8) pHが2.5以上4以下である、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の飲料。
(9) アルコール度数が3容量%未満、アセスルファムカリウムの濃度が25mg/L
以上、及びアセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が11以上となるように、
飲料のアルコール度数と、アセスルファムカリウムの濃度と、アセスルファムカリウム/
スクラロース(重量比)とを調整することを含む、飲料の酒らしい味わいを増強または飲
料に酒らしい味わいを付与する方法。
本発明により、アルコール度数が低いにもかかわらず、甘味や厚み、若干の苦味を有する酒らしい好ましい味わい(本明細書においては、単に「酒らしい好ましい味わい」、「酒らしい味わい」、「酒感」、又は「アルコール感」ということもある)を存分に有する飲料を提供することができる。このような効果が得られる理由として、本発明者らは、アセスルファムカリウムに特有の若干の苦味のある甘味が、酒らしさの苦味につながり、また、特定の重量比で少量のスクラロースを混合することによって、アセスルファムカリウムの甘味と苦味に新たな味わいが付与され、酒らしい厚み、複雑味が飲料に付与されることから、飲料の酒らしい味わいが増強または付与されるのではないかと推測している。
本発明は、アルコール度数が3%未満、あるいは1%未満、さらには0.01%未満の
飲料において、特定の重量比でアセスルファムカリウムとスクラロースとを含有させるこ
とにより、飲料の酒らしい味わいを増強し、または飲料に酒らしい味わいを付与するもの
である。
(アセスルファムカリウムとスクラロース)
本発明の飲料には、所定の重量比となるようにアセスルファムカリウムとスクラロースとが配合されている。これにより、アルコール度数が低いか、またはアルコールが入って
いないにもかかわらず、酒らしい味わいが増強または付与された飲料となる。
アセスルファムカリウムは、ショ糖の約200倍の甘味を有する高甘味度甘味料であり、甘味の立ち上がりが早く、また、甘味の後引きが少ないといった特徴を有する。また、後味に若干の苦味があることが知られている。
スクラロースは、ショ糖の約600倍の甘味を有する高甘味度甘味料であり、甘味の後引き感があるが、他の高甘味度甘味料にあるような苦味や渋みはほとんどないといった特徴を有する。
アセスルファムカリウムとスクラロースとは、当業者に公知の高甘味度甘味料であり、それぞれ、市販されている。
本発明では、飲料中のスクラロースに対するアセスルファムカリウムの重量比(アセス
ルファムカリウム/スクラロース)(以下、「A/S」ともいう)が、11以上となるよ
うに、アセスルファムカリウムとスクラロースとを配合する。重量比が11未満であると
、甘さが目立ち、ジュースを飲んでいるような感覚(ジュースっぽさ)が残る。重量比が
11以上であると、ジュースっぽさはなくなり、「酒らしい味わい」につながるとがった
ような苦味、苦味の余韻、お酒らしい味の膨らみが程よく感じられるようになり、バラン
スのよい好ましい酒感(甘味や厚み、若干の苦味といった酒らしい好ましい味わいが感じ
られること、酒を飲んでいるような感覚)が感じられるようになる。重量比が300を超
えると、複雑味がやや低減し、フラットで単調な味になることがあるので、重量比は好ま
しくは300以下である。酒感の増強の度合いを考慮すれば、重量比は、より好ましくは
11〜50である。また、飲料としてのバランスの良さを考慮すれば、重量比は、さらに
好ましくは11〜19である。後味の余韻を考慮すれば、重量比は、さらに好ましくは1
1〜14である。
アセスルファムカリウムとスクラロースとの、飲料への配合方法は、特に限定されず、当業者に通常用いられる方法で行えばよい。
アセスルファムカリウムとスクラロースの飲料中の濃度は、目指す飲料における甘味の
設定値と、上記の重量比の範囲に応じて、それぞれ決定することができる。例えば、ショ
糖6%水溶液と同じ甘味を有するようにアセスルファムカリウムとスクラロースとを配合
し、アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が3である飲料を製造する場合に
は、飲料中のアセスルファムカリウム(ショ糖の200倍の甘味)及びスクラロース(シ
ョ糖の600倍の甘味)を、それぞれ、150mg/L及び50mg/Lの濃度とすれば
よい。
本発明の飲料には、本発明の酒らしい味わいの増強又は付与という効果を損なわない範囲で、アセスルファムカリウムとスクラロース以外の甘味料又は糖類(以下、「追加の甘味料」という)を少量添加してもよく、その場合には、目指す甘味の設定値から、追加の甘味料による甘味を除いた残りの甘味を、上記のようにアセスルファムカリウムとスクラロースとで構成するようにすればよい。
通常のカクテルやチューハイといったアルコール飲料における甘味は、ショ糖水溶液で
表すと、ショ糖1%水溶液からショ糖15%水溶液の間くらいの範囲にある。この点と、
上記の重量比と、少量の追加の甘味料を添加してもよい点とを考慮すると、飲料中のアセ
スルファムカリウムの濃度は、25mg/L以上であり、好ましくは25〜750mg/
L、好ましくは28〜710mg/L、さらに好ましくは29〜710mg/L、最も好
ましくは30〜650mg/L程度である。スクラロースの濃度は、アセスルファムカリ
ウムの濃度と上記の重量比とから算出されるが、好ましくは1mg/L以上、さらに好ま
しくは2mg/L以上である。
本発明の飲料中のスクラロース及びアセスルファムカリウムの濃度は、下記の条件で分析及び定量することができる。
<スクラロース>
・カラム: Zorbax eclipse plus C18
・移動相: 5mM酢酸アンモニウム水溶液/5mM酢酸アンモニウムのアセトニトリル(ACN)溶液の混合液(両者の比率を5/95から40/60へ15分間で変化させる)
・流速: 0.2ml/min
・温度: 40℃
・検出器: 質量検出器(タンデムマス:MS/MS、ESI(−)、m/z 395→359)
・注入量: 1μL
<アセスルファムカリウム>
・カラム: Cadenza CD−C−18
・移動相: ACN/10mMギ酸アンモニウム(13/87)
・流速: 1.0ml/min
・温度: 37℃
・検出器: UV検出器(210nm)
・注入量: 1μL。
本発明は、上記の通り、高甘味度甘味料であるアセスルファムカリウムとスクラロースとを特定の重量比で組み合わせることにより、アルコール度数が低いか又はアルコールをまったく含まない飲料に酒らしい味わいを付与することができることを見出したことに基づくものである。後述する実施例に示す通り、アセスルファムカリウムとスクラロースとの組み合わせ以外の他の高甘味度甘味料を同様の重量比となるように組み合せた場合には、上述の効果は得られなかった。本発明の「酒らしい味わいの付与又は増強」という効果は、数ある高甘味度甘味料の組み合せの中でも、アセスルファムカリウムとスクラロースとを特定の重量比に組み合わせた場合に得られる効果である。高甘味度甘味料に「酒らしい味わいの付与又は増強」効果があることは、これまで報告されたことはなく、本発明者らによって初めて見出されたものである。
(酒らしい味わいが付与又は増強された飲料)
本発明の飲料は、上記の通り、アルコール度数が3%未満であり、アセスルファムカリ
ウムとスクラロースとを特定の重量比で含有している。本発明の飲料は、アルコール度数
が3%未満と低いにもかかわらず、酒らしい味わいが増強又は付与されたと感じることが
できる。
本発明では、アルコール度数が非常に低い飲料や、あるいはアルコールをまったく含ま
ない飲料においても、酒らしい味わいを付与又は増強することができる。したがって、ア
ルコール度数は、1%未満、さらには0.5%未満、さらには0.01%未満であっても
よい。なお、本発明において、特に断りがない限り、「アルコール」とは、エタノールの
ことをいう。また、アルコール度数とは、エタノールの容量%のことをいう。本発明の飲
料のアルコール度数(エタノールの容量%)は、公知の手法を用いて測定することができ
る。例えば、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)
に記載の方法によって測定することができ、また、アルコールが極めて微量の場合には、
ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて分析することができる。
飲料の種類としては、アルコール度数が3%未満の飲用の液体であれば特に限定されず
、例えば、炭酸飲料、果実飲料、野菜飲料、茶系飲料、スポーツ飲料、乳性飲料、水、各
種アルコール飲料などを挙げることができる。各種アルコール飲料としては、スピリッツ
類(例えばジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、ニュースピリッツ等のスピリッツ、及び原
料用アルコール等)、リキュール類、ウイスキー類(例えばウイスキー、ブランデー等)
又は焼酎等、さらには清酒、ワイン、ビール等の醸造酒などを挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。飲料は、これらの1種または複数を用いて調製すること
ができる。
本発明の飲料には、本発明の効果(酒らしい味わいの付与又は増強)を妨げない範囲で、他の高甘味度甘味料又は糖類を少量添加してもよい。高甘味度甘味料とは、ショ糖に比べて強い甘味を有する天然甘味料及び合成甘味料をいう。例えば、アスパルテーム、アリテーム、ネオテーム、グリチルリチン等のペプチド系甘味料;ステビア甘味料(ステビア抽出物、ステビアを酵素処理してぶどう糖を付加した酵素処理ステビア、及びステビアに含まれる甘味成分であるレバウディオサイドAを含む)、カンゾウ抽出物等の配糖体系甘味料;ショ糖誘導体;及びサッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン等の合成甘味料が挙げられる。糖類としては、ショ糖、ぶどう糖、果糖、果糖ぶどう糖液糖等が挙げられる。例えば、飲料全体の甘味度を100%とした場合の30%程度の甘味度を、アセスルファムカリウムとスクラロース以外の甘味料又は糖類により構成した場合であっても、本発明の「酒らしい味わいの付与又は増強」効果が得られる。「甘味度」とは、ショ糖の甘さを基準として甘味料の甘味の強さを表したものであり、各種高甘味度甘味料や糖類がどのような甘味度を有するかについては、文献などにより、容易に知ることができる。
本発明の飲料には、その他、通常の飲料と同様、各種添加剤等を配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、果汁、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を配合することができる。
本発明の飲料のpHは、好ましくは2.5以上4以下、さらに好ましくは2.5以上3.5以下である。飲料のpHがこのような酸性の範囲であると、酒らしい香気と、果実を想起させるような酸味とがあいまって果実チューハイ様の爽快感を楽しむことができ、また、酸味による若干のイガイガとした感じが、酒の苦味を想起させ、酒感もより高まるため、好ましい。
本発明の飲料は、炭酸飲料であってもよい。本発明を炭酸飲料に適用すると、酒らしい香気と炭酸ガスの発泡感とがあいまってチューハイ様の爽快感を楽しむことができ、また
、炭酸ガスの発泡感が酒の苦味を想起させ、酒感がより高まるため、炭酸飲料は本発明の好ましい態様の1つである。
炭酸ガスは、当業者に通常知られる方法を用いて飲料に付与することができ、例えば、これらに限定されないが、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーター等のミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合してもよい。これらの手段を適宜用いて炭酸ガス圧を調節する。炭酸ガスは、飲料用ベースに付与してもよいし、飲料用ベースにアセスルファムカリウムとスクラロースを添加した後に付与してもよい。
炭酸飲料とする場合のガス圧は、特に限定されないが、好ましくは1.0〜3.5kgf/cm、より好ましくは1.2〜2.5kgf/cmである。本発明において、炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA−500Aを用いて測定することができる。例えば、試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。
本発明の飲料は、必要に応じて、殺菌、容器詰め等の工程を経て、容器詰め飲料とすることができる。例えば、飲料組成物を容器に充填した後にレトルト殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料組成物を殺菌して容器に充填する方法により、殺菌された容器詰め飲料を製造することができる。
より具体的には、缶等の金属容器詰め飲料とする場合には、本発明の飲料組成物を容器に所定量充填し、殺菌(例えば、65℃、10分)を行うことができ、ペットボトルや紙パック、瓶飲料、缶飲料、パウチ飲料とする場合には、例えば90〜130℃で1〜60秒保持するFP又はUHT殺菌を行い、所定量を充填することができる。本発明の飲料組成物を容器詰め飲料とする場合は、ホットパック充填法又は無菌充填法のいずれも用いることができる。
以下に実施例に基づいて本発明の説明をするが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルコール度数2%の水溶液に、アセスルファムカリウム(ショ糖の200倍の甘味を有する)とスクラロース(ショ糖の600倍の甘味を有する)とを、ショ糖6%水溶液と同じ甘味となるように、以下の表1に示す重量比で水に添加して、各種サンプルを調製した。具体的には、A/S=3のときであれば、アセスルファムカリウム15mg、スクラロース5mgを量り取り、50mlのイオン交換水に添加し、よくかき混ぜ、溶け残りがないことを目視で確認したのちに、アルコールをアルコール度数が2%となるように添加し、さらにイオン交換水を加え、メスフラスコで100mlに調整し、これを飲料モデル溶液とした。アセスルファムカリウムは、商品名:サネット(登録商標)(販売者:ニュートリノヴァジャパン(株))を使用し、スクラロースは、商品名:スクラロース(販売者:三栄源エフエフアイ(株))を使用した。同様にして、表1の重量比となるよう、飲料モデル液を作成した。対照品として、アセスルファムカリウムのみ、スクラロースのみのものも同様に調製した。なお、表1中、「A」はアセスルファムカリウムを表し、「S
」はスクラロースを表す。
得られた各種サンプルの、酒感(甘味や厚み、若干の苦味を有する酒らしい好ましい味わい、酒を飲んでいるような感覚)の付与または増強効果が感じられるかどうかについて、5名の専門パネラーにより、6点を「とてもよく感じられる」、1点を「感じられない」として、6点から1点までの6段階で、官能評価を行った。パネラー5名の評価結果を集計し、その平均値が1以上2未満の場合を「−」、2以上3未満の場合を「±」、3以上4未満の場合を「+」、4以上5未満の場合を「++」、5以上の場合を「+++」とした。結果を表1に示す。
表1の結果より、アルコール度数が2%のサンプルについて、アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が6以上となると苦味が感じられるようになり、9以上で苦味が増して酒感が上がってくるが、10以下の場合には、甘さも目立ち、ジュースっぽさも残ることがわかる。ジュースっぽさは、いわゆる酒を飲んでいるような感覚とは対極をなすものである。アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が11以上となると、ジュースっぽさはなくなり、アルコールのとがったような苦味や、余韻、また、お酒らしい味の膨らみが程よく感じられるようになり、バランスのよい好ましい酒感が得られることがわかる。重量比が15以上となると、苦味の余韻はやや減ってくるが、19以下まではバランスのよい好ましい酒感が得られることがわかる。重量比が20〜297の場合には、アルコールの苦味やエグ味が感じられるようになるが、キレのある酒感も感じられることがわかる。
(実施例2)
以下の表2に示すように、アルコール度数を様々に変えて、実施例1と同様の評価を行った。サンプルの甘味は実施例1と同様にショ糖6%水溶液相当とし、アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)は13とした(アセスルファムカリウム243.75mg/L、スクラロース18.75mg/L)。結果を表2に示す。
表2の結果より、アルコール度数が3%未満の場合には、本発明の酒感の増強又は付与効果を確認することができることがわかる。特に、アルコールがまったく含まれないサンプル(アルコール度数0%)についても、酒感が顕著に感じられることがわかる。一方、アルコール度数が3%以上の場合には、含まれるアルコール自体の味が感じられるようになるため、本発明の効果(酒感の増強又は付与)は、分かりにくくなる。
(実施例3)
以下の表3に示すように、アセスルファムカリウム又はスクラロースに代えて、別の高甘味度甘味料を用いて実施例1と同様の評価を行った。用いた高甘味度甘味料は、アスパルテーム(ショ糖の200倍の甘味)、ネオテーム(ショ糖の10000倍の甘味)である。アスパルテームは、商品名:PAL SWEET DIET(登録商標)(販売者:味の素(株))を用い、ネオテームについては、ネオテーム2%製剤である、商品名:ミラスィー(登録商標)200(販売者:DSP五協フード&ケミカル(株))を用いて、実施例1と同様の方法で飲料モデル液を作成した。飲料のアルコール度数は2%、飲料の甘味はショ糖6%水溶液相当である。結果を表3に示す(表3中、「アセK」はアセスル
ファムカリウムであり、「スクラ」はスクラロースである)。
表3の結果より、アセスルファムカリウム又はスクラロースに代えてアスパルテームやネオテームを用いた場合には、酒感の増強効果が得られないことがわかる。
(実施例4)
アセスルファムカリウムとスクラロースに加えて、他の甘味料を添加した場合の本発明の酒感の増強効果について調べた。具体的には、アルコール度数2%、ショ糖6%水溶液相当の甘味を有する飲料を調製するに当たり、アセスルファムカリウムとスクラロースに加え、以下の表4に示す高甘味度甘味料又は糖類を加えたものについて、実施例1と同様にして酒感を評価した。表4中、「甘味度で10%」と書かれているものは、飲料全体の甘味度(ショ糖6%水溶液相当の甘味度)を100%としたときの10%分を、アセスルファムカリウムとスクラロース以外に添加した甘味料又は糖類(表4中の「追加の甘味料」)の甘味度で構成したことを意味する。なお、各飲料におけるアセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)はすべて、13であり、果糖ブドウ糖液糖の甘味はショ糖の0.755倍である。結果を表4に示す(表4中、「A/S」は、アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)を示す)。
表4の結果より、アセスルファムカリウムとスクラロース以外の他の高甘味度甘味料又は糖類を添加した場合であっても、本発明の酒感の増強効果が見られることがわかる。
(実施例5)
アルコール度数0.00%(アルコールを含まない)又は2%の、レモン風味又は桃風味の飲料ベースを調製し、ここにアセスルファムカリウムとスクラロースとを以下の表5に示す重量比となるように添加し、炭酸ガスを付与して飲料を調製した。レモン風味の飲料の甘味度は、ショ糖4%水溶液相当とし、桃風味の飲料の甘味度は、ショ糖8%水溶液相当とした。
<レモン風味飲料>
レモン濃縮果汁3.0g/L、酸味料2.6g/L、レモン香料1.0g/Lをイオン交換水に溶解した。アルコール度数2%のものについては、アルコールを添加した。得られた飲料用ベースに、表5に示す重量比となるようにアセスルファムカリウムとスクラロースとを添加し(飲料の甘味度はショ糖4%水溶液相当)、炭酸ガスをガス圧1.8kgf/cmとなるように付与し、レモン風味飲料とした。
<桃風味飲料>
桃濃縮果汁2.2g/L、酸味料2.6g/L、桃香料1.0g/Lをイオン交換水に溶解した。アルコール度数2%のものについては、アルコールを添加した。得られた飲料用ベースに、表5に示す重量比となるようにアセスルファムカリウムとスクラロースとを添加し(飲料の甘味度はショ糖8%水溶液相当)、炭酸ガスをガス圧1.8kgf/cmとなるように付与し、桃風味飲料とした。
各飲料の酒感について、実施例1に記載の方法と同様にして評価した。結果を表5に示す(表5中、「A」はアセスルファムカリウムを表し、「S」はスクラロースを表す。)。
表5の結果より、レモン風味又は桃風味の炭酸を含有する飲料において、アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が3の場合には、ジュース調の味であり、酒感がないが、上記の比が13又は14の場合には、飲料に酒感が付与(アルコール度数0.00%の場合)又は増強(アルコール度数2%の場合)されることがわかる。

Claims (6)

  1. アセスルファムカリウムとスクラロースとを含有する飲料であって、
    アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が11〜19であり、
    アセスルファムカリウムの濃度が25mg/L以上650mg/L以下であり、
    アルコール度数が3容量%未満であり、
    炭酸ガスを含有する、前記飲料。
  2. アセスルファムカリウム/スクラロース(重量比)が、11〜14である、請求項1に記載の飲料。
  3. アセスルファムカリウムの濃度が、325mg/L以下である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. アルコール度数が1容量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
  5. アルコール度数が0.01容量%未満である、請求項4に記載の飲料。
  6. pHが2.5以上4以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料。
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