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JP2016510929A - 分散データセンター技術 - Google Patents

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Abstract

世界の特定地域に対応する地域データセンターシステム。データセンターシステムは、サービスへの地域固有の要求がデータセンターのいずれかによって満たされてもよいようにそれぞれ構成される、複数のデータセンターを含む。データセンターの1つまたは複数はまた、受信される地域固有の要求について負荷分散を行ってもよい。負荷分散を行うために、受信データセンターは、要求をそれ自体が処理してもよいが、しかし場合によっては、要求が地域データセンターシステム内の別のデータセンターによって処理されるべきであると判定してもよい。

Description

[0001]「クラウドコンピューティング」は、遍在する、便利なオンデマンドネットワークが、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバー、記憶装置、アプリケーション、およびサービス)の共有プールにアクセスすることを可能にするためのモデルである。構成可能なコンピューティングリソースの共有プールは、仮想化を介して迅速に準備され、低管理努力またはサービスプロバイダー相互作用でリリースされ、次いでそれに応じて拡大縮小されることもある。クラウドコンピューティングモデルは、様々な特徴(例えば、オンデマンドセルフサービス、広域ネットワークアクセス、リソースプール化、高速融通性、計数サービス、その他)、サービスモデル(例えば、サービス型ソフトウェア(「SaaS」)、サービス型プラットフォーム(「PaaS」)、サービス型インフラストラクチャー(「IaaS」))、および展開モデル(例えば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、その他)から構成されることもある。クラウドコンピューティングモデルを実施する環境は、しばしばクラウドコンピューティング環境と呼ばれる。
[0002]クラウドコンピューティング環境は、処理能力、メモリ、記憶装置、帯域幅、その他などの、膨大な量のコンピューティングリソースをそれぞれ有する、いくつかのデータセンターを含むこともある。データセンターは例えば、何百もの個人を雇い、おそらく何百もしくは何千ものサーバーまたはサーバーのラックを含む高機能の事業拠点のこともある。各データセンターは、世界の特定地域内に、地域またはレイテンシに敏感でかつその特定地域で提示されるクラウドサービスを支援する傾向があるクラウドサービスのために置かれる。クラウドコンピューティングに対する需要が、その地域で増加すると、データセンターは、かなり大きいこともあるが、データセンターの利用もまた、データセンターの大部分が利用される点まで増加する可能性がある。
[0003]本明細書で述べられる少なくとも1つの実施形態は、世界の特定地域に対応する地域データセンターシステムに関する。データセンターシステムは、サービスへの地域固有の要求がデータセンターのいずれかによって満たされてもよいようにそれぞれ構成される、複数のデータセンターを含む。データセンターの1つまたは複数はまた、受信される地域固有の要求について負荷分散を行ってもよい。負荷分散を行うために、受信データセンターは、要求をそれ自体が処理してもよいが、しかし場合によっては、要求が、地域データセンターシステム内の1つまたは複数の他のデータセンターによって処理されるべきであると判定してもよい。そのような地域データセンターシステムの使用は、データセンターのいずれか1つがコンピューティングリソースを使い果たすことになるというリスクを低減しながら、システムが単一データセンターの役割を果たすことを可能にする。
[0004]この概要は、「詳細な説明」において以下でさらに述べられる概念の選択を簡略化された形で導入するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的特徴を識別することを意図されておらず、また特許請求される主題の範囲を決定する目的として使用されることも意図されていない。
[0005]上記の利点および特徴ならびに他の利点および特徴が得られてもよい方法を述べるために、様々な実施形態のより詳しい説明が、添付の図面を参照することによって与えられることになる。これらの図面が、見本の実施形態だけを描写し、従って本発明の範囲を限定すると考えられるべきでないということを理解して、実施形態は、付随する図面の使用を通じて具体性および詳細を加えて述べられ、説明されることになる。
[0006]本明細書で述べられるいくつかの実施形態が用いられてもよいコンピューティングシステムを抽象的に例示する図である。 [0007]複数のクライアントが、複数のデータセンターを有するクラウドコンピューティング環境と相互作用する環境を抽象的に例示する図である。 [0008]特定地域に対応するサービスへの要求が、地域データセンターシステム内のデータセンターのいずれかによって処理され、満たされてもよいようにそれぞれ構成される複数のデータセンターを含む地域データセンターシステムを例示する図である。 [0009]地域固有のサービス要求を処理するために含まれる関連フローを例示する図であり、受信データセンターは、そのフローの中で処理データセンターを選択する。 [0010]地域データセンターシステムおよび地域固有のサービス要求のために含まれる関連フローを例示する図であり、受信データセンターは、そのサービス要求のための処理データセンターとして別のデータセンターを選択する。 [0011]地域データセンターシステム内のデータセンターのいずれかが、特定地域に対応する地域固有の要求について負荷分散を行うための方法のフローチャートを例示する図である。 [0012]追加のデータセンターを地域データセンターシステムに加えるための方法のフローチャートを例示する図である。
[0013]本明細書で述べられる少なくとも1つの実施形態に従って、地域データセンターシステムが、述べられる。地域データセンターは、各構成データセンターがサービスへの地域固有の要求を処理することができるように、世界の特定地域に対応する複数のデータセンターを含む。データセンターの1つまたは複数はまた、受信される地域固有の要求について負荷分散を行ってもよい。負荷分散を行うために、受信データセンターは、要求をそれ自体が処理してもよいが、しかし場合によっては、要求が地域データセンターシステム内の1つまたは複数の他のデータセンターによって処理されるべきであると判定してもよい。
[0014]コンピューティングシステムのいくらかの導入的議論が、図1に関して述べられることになる。次いで、地域データセンターの原理が、図2から図5に関して述べられることになる。
[0015]コンピューティングシステムは、今ではますます多種多様な形を取っている。コンピューティングシステムは例えば、ハンドヘルドデバイス、アプライアンス、ラップトップコンピューター、デスクトップコンピューター、メインフレーム、分散コンピューティングシステム、または従来コンピューティングシステムと考えられていなかったデバイスさえであってもよい。この説明および請求項では、用語「コンピューティングシステム」は、少なくとも1つの物理的かつ有形のプロセッサー、およびプロセッサーによって実行されてもよいコンピューター実行可能命令をその上に有することができる物理的かつ有形のメモリを含む任意のデバイスまたはシステム(またはそれらの組み合わせ)を含むとして広く定義される。メモリは、任意の形を取ってもよく、コンピューティングシステムの性質および形に依存してもよい。コンピューティングシステムは、ネットワーク環境にわたって分散されてもよく、複数の構成コンピューティングシステムを含んでもよい。
[0016]図1で例示されるように、その最も基本的な構成では、コンピューティングシステム100は典型的には、少なくとも1つの処理ユニット102およびメモリ104を含む。メモリ104は、物理的システムメモリであってもよく、それは、揮発性、不揮発性、またはその2つのいくらかの組み合わせであってもよい。用語「メモリ」はまた、物理的記憶媒体などの不揮発性大容量記憶装置を指すために本明細書で使用されてもよい。もしコンピューティングシステムが、分散されるならば、処理、メモリおよび/または記憶能力も、同様に分散されてもよい。本明細書で使用される場合、用語「モジュール」または「コンポーネント」は、コンピューティングシステムで実行されるソフトウェアオブジェクトまたはルーチンを指すことができる。本明細書で述べられる異なるコンポーネント、モジュール、エンジン、およびサービスは、コンピューティングシステムで実行されるオブジェクトまたはプロセスとして(例えば、個別のスレッドとして)実装されてもよい。
[0017]次に来る説明では、実施形態は、1つまたは複数のコンピューティングシステムによって行われるアクトを参照して述べられる。もしそのようなアクトが、ソフトウェアで実装されるならば、アクトを行う関連コンピューティングシステムの1つまたは複数のプロセッサーは、実行されるコンピューター実行可能命令を有することに応答してコンピューティングシステムの動作を監督する。そのような動作の例は、データの操作を含む。コンピューター実行可能命令(および操作されるデータ)は、コンピューティングシステム100のメモリ104に記憶されてもよい。コンピューティングシステム100はまた、例えばネットワーク110を通じてコンピューティングシステム100が他のメッセージプロセッサーと通信することを可能にする通信チャネル108を含有してもよい。
[0018]本明細書で述べられる実施形態は、以下でさらに詳細に論じられるように、例えば1つまたは複数のプロセッサーおよびシステムメモリなどのコンピューターハードウェアを含む、専用または汎用コンピューターを備えるまたは利用してもよい。本明細書で述べられる実施形態はまた、コンピューター実行可能命令および/またはデータ構造を運ぶまたは記憶するための物理的コンピューター可読媒体および他のコンピューター可読媒体も含む。そのようなコンピューター可読媒体は、汎用または専用コンピューターシステムによってアクセスされてもよい任意の入手可能な媒体とすることができる。コンピューター実行可能命令を記憶するコンピューター可読媒体は、物理的記憶媒体である。コンピューター実行可能命令を運ぶコンピューター可読媒体は、伝送媒体である。それ故に、例としてであって、限定でなく、本発明の実施形態は、少なくとも2つの明らかに異なる種類のコンピューター可読媒体、すなわちコンピューター記憶媒体および伝送媒体を備えることができる。
[0019]コンピューター記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または所望のプログラムコード手段をコンピューター実行可能命令もしくはデータ構造の形で記憶するために使用されてもよく、汎用もしくは専用コンピューターによってアクセスされてもよい任意の他の媒体を含む。
[0020]「ネットワーク」は、コンピューターシステムおよび/またはモジュールおよび/または他の電子デバイスの間で電子データの移送を可能にする1つまたは複数のデータリンクとして定義される。情報が、ネットワークまたは他の通信接続(有線か、無線、または有線もしくは無線の組み合わせ)を通じてコンピューターに転送されるまたは提供されるとき、コンピューターは、その接続を伝送媒体として適切に見る。伝送媒体は、所望のプログラムコード手段をコンピューター実行可能命令またはデータ構造の形で運ぶために使用されてもよく、汎用または専用コンピューターによってアクセスされてもよいネットワークおよび/またはデータリンクを含むことができる。上記の組み合わせもまた、コンピューター可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
[0021]さらに、様々なコンピューターシステムコンポーネントに達すると、コンピューター実行可能命令またはデータ構造の形のプログラムコード手段は、伝送媒体からコンピューター記憶媒体に(またはその逆に)自動的に転送されてもよい。例えば、ネットワークまたはデータリンクを通じて受信されるコンピューター実行可能命令またはデータ構造は、ネットワークインターフェースモジュール(例えば、「NIC」)内のRAMにバッファリングされ、次いで最終的にコンピューターシステムRAMおよび/またはコンピューターシステムでの揮発性のより少ないコンピューター記憶媒体に転送されてもよい。それ故に、コンピューター記憶媒体は、また伝送媒体も(または主としてさえ)利用するコンピューターシステムコンポーネントに含まれてもよいことを理解すべきである。
[0022]コンピューター実行可能命令は例えば、プロセッサーで実行されるとき、汎用コンピューター、専用コンピューター、または専用処理デバイスにある機能またはある群の機能を行わせる命令およびデータを備える。コンピューター実行可能命令は例えば、二進数、アセンブリ言語などの中間フォーマット命令、またはソースコードさえであってもよい。主題は、構造的特徴および/または方法論的アクトに固有の言語で述べられているけれども、添付の請求項で定義される主題は、必ずしも述べられる特徴または上述のアクトに限定されるとは限らないことを理解すべきである。むしろ、述べられる特徴およびアクトは、請求項を実装する例示的形として開示される。
[0023]当業者は、本発明が、パーソナルコンピューター、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、メッセージプロセッサー、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサーシステム、マイクロプロセッサーに基づくまたはプログラム可能な消費者向け電気機器、ネットワークPC、ミニコンピューター、メインフレームコンピューター、携帯電話、PDA、ポケットベル、ルーター、スイッチ、および同様のものを含む、多くの種類のコンピューターシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実施されてもよいことを認識するであろう。本発明はまた、ネットワークを通じてリンクされる(有線データリンクか、無線データリンクによって、または有線および無線データリンクの組み合わせによって)ローカルコンピュータシステムおよびリモートコンピュータシステムが、両方ともタスクを行う分散システム環境で実施されてもよい。分散システム環境では、プログラムモジュールは、ローカルメモリ記憶デバイスおよびリモートメモリ記憶デバイスの両方に置かれてもよい。
[0024]図2は、本明細書で述べられる原理が用いられてもよい環境200を抽象的に例示する。環境200は、インターフェース202を使用してクラウドコンピューティング環境210と相互作用する複数のクライアント201を含む。環境200は、3つのクライアント201A、201Bおよび201Cを有するとして例示されるが、省略記号201Dは、本明細書で述べられる原理が、インターフェース202を通じてクラウドコンピューティング環境210とインターフェースで接続するクライアントの数に限定されないことを表す。クラウドコンピューティング環境210は、サービスをクライアント201にオンデマンドで提供してもよく、それ故にクラウドコンピューティング環境210からサービスを受信するクライアント201の数は、時間とともに変化してもよい。
[0025]各クライアント201は例えば、図1のコンピューティングシステム100について上で述べられたように構造化されてもよい。別法としてまたは加えて、クライアントは、インターフェース202を通じてクラウドコンピューティング環境210とインターフェースで接続するアプリケーションまたは他のソフトウェアモジュールであってもよい。インターフェース202は、アプリケーションプログラムインターフェースを使用することができる任意のコンピューティングシステムまたはソフトウェアエンティティがクラウドコンピューティング環境210と通信してもよいような方法で定義されるアプリケーションプログラムインターフェースであってもよい。
[0026]クラウドコンピューティング環境は、分散されてもよく、国際的に分散されかつ/または複数の組織を横断して保有されるコンポーネントを有してさえよい。この説明および次に来る請求項では、「クラウドコンピューティング」は、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバー、記憶装置、アプリケーション、およびサービス)の共有プールへのオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義される。「クラウドコンピューティング」の定義は、適切に展開されるときにそのようなモデルから得ることができる他の多数の利点のいずれにも限定されない。
[0027]例えば、クラウドコンピューティングは現在、構成可能なコンピューティングリソースへの遍在する、便利なオンデマンドアクセスを提示するために市場で用いられている。さらに、構成可能なコンピューティングリソースの共有プールは、仮想化を介して迅速に準備され、低管理努力またはサービスプロバイダー相互作用でリリースされ、次いでそれに応じて拡大縮小されてもよい。
[0028]クラウドコンピューティングモデルは、オンデマンドセルフサービス、広域ネットワークアクセス、リソースプール化、高速融通性、計数サービス、その他などの様々な特徴から構成されてもよい。クラウドコンピューティングモデルはまた、例えばサービス型ソフトウェア(「SaaS」)、サービス型プラットフォーム(「PaaS」)、およびサービス型インフラストラクチャー(「IaaS」))などの様々なサービスモデルの形になってもよい。クラウドコンピューティングモデルはまた、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、その他などの異なる展開モデルを使用して展開されてもよい。この説明および請求項では、「クラウドコンピューティング環境」は、クラウドコンピューティングが用いられる環境である。
[0029]システム210は、処理、メモリ、記憶装置、帯域幅、その他などの、対応するコンピューティングリソースをそれぞれ含む複数のデータセンター211を含む。データセンター211は、より大きいデータセンター211A、211Bおよび211Cを含むが、省略記号211Dは、データセンター群211内の最初のデータセンターの数に関して制約がないことを表す。また、データセンター211は、より小さいデータセンター211aから211iも含むが、省略記号211jは、データセンター群211内のより小さいデータセンターの数に関して制約がないことを表す。データセンター211のそれぞれはおそらく、図1のコンピューティングシステム100について上で述べられたようにそれぞれ構造化されてもよい非常に多くのホストコンピューティングシステムを含んでもよい。データセンター211は、地理的に分散されてもよく、もしクラウドコンピューティング環境200が地球に及ぶならば、おそらく世界全体にわたってさえ分散されてもよい。
[0030]クラウドコンピューティング環境200はまた、サービス212も含む。示される例では、サービス200は、5つの個別サービス212A、212B、212C、212Dおよび212Eを含むが、省略記号212Fは、本明細書で述べられる原理が、システム210でのサービスの数に限定されないことを表す。サービス調整システム213は、データセンター211およびサービス212と通信し、それによってクライアント201によって要求されるサービス、および要求されるサービスの前提条件のこともある他のサービス(認証、課金、その他などの)を提供する。
[0031]図3Aは、特定地域に対応するサービスへの要求(以下ではまた「地域固有の要求」または「地域固有のサービス要求」とも呼ばれる)が地域データセンターシステム内のデータセンターのいずれかによって処理され、満たされてもよいようにそれぞれ構成される複数のデータセンターを含む地域データセンターシステム300を例示する。例示されるシステム300は、5つのデータセンター301から305を含むとして示される。しかしながら、これは、例示目的のためだけである。省略記号306は、ここで述べられる原理が、そのような構成データセンターの数にかかわらず、複数の構成データセンターを含む任意のデータセンターシステムに当てはまることを表す。
[0032]データセンターのそれぞれの間の通信は、データセンター間の通信がいくらかの確率で特定のしきい値を下回るレイテンシで動作するような特定のレイテンシエンベロープ内で動作することを検証される。特定のレイテンシしきい値は好ましくは、地域固有のサービス要求を提出する平均的顧客が、単一データセンターとは対照的に、複数の分散データセンターから成る地域データセンターシステムを有意に区別することができないほど十分に小さい。例えば、レイテンシしきい値は、数ミリ秒以下の程度のこともある。それ故に、データセンター301から306はおそらく、互いに何マイルも離れて分散されることもあるが、それらは、顧客の観点からすれば単一データセンターとして動作するように見えることもある。
[0033]データセンターは、同じサイズである必要がないが、しかし地域データセンターシステム300の所有者および/または管理者によって望まれる任意の仕方でサイズを決められてもよい。例えば、一実施形態では、地域は、ほんの単一のより大きいデータセンターだけから始めてもよい。次いで、需要がその特定地域で増えると、追加のデータセンターが加えられてもよい。その場合、おそらく追加のデータセンターは、より大きい最初のデータセンターよりも計算能力が小さくてもよい。例えば、図3では、データセンター301は、より小さいデータセンター302から305よりも大きいとして示される。おそらくデータセンター301は、地域の最初のデータセンターであり、データセンター302から305は、需要が特定地域で増加したとき、その後に加えられた。一実施形態では、データセンター302から305の少なくとも1つは、最初のデータセンター301よりも半分未満の計算能力を有することもある。追加のデータセンターを地域データセンターシステムに加えるための方法は、図5を参照して以下で述べられることになる。例えば、データセンター301は、図2のデータセンター211Aこともあり、一方データセンター302から305は、例えば図2のデータセンター211a、211b、211cおよび211dのこともある。別法として、データセンターシステム300は、サービス調整システム213の観点からすれば単一データセンターであると概念的に考えられてもよい。
[0034]図4は、地域データセンターシステム内のデータセンターのいずれかが、特定地域に対応する地域固有の要求について負荷分散を行うための方法400のフローチャートを例示する。方法400は、図3Aの地域データセンターシステム300内で行われてもよいので、方法400は、図3Aをしばしば参照して今から述べられることになる。
[0035]例えば、地域データセンター300のデータセンターは、方法400を行う。図3Aでは、データセンター301は、データセンター301が受信する地域固有のサービス要求に関して本方法を行う。しかしながら、本明細書で述べられる原理は、地域データセンターシステム300によって受け持たれる特定地域のための地域固有のサービス要求を受信するように構成されるデータセンターの特定のサブセットに限定されない。例えば、おそらくデータセンター301は、地域データセンターシステム300内で満たされるべき地域固有のサービス要求を受信する地域データセンターシステム300の唯一のデータセンターである。その一方で、おそらく地域データセンターシステム300のすべてのデータセンターは、地域データセンターシステム300内で満たされるべき地域固有のサービス要求を受信してもよい。その間で、おそらく地域データセンターシステム300のデータセンターのサブセットだけが、地域データセンターシステム300内で満たされるべき地域固有のサービス要求を受信してもよい。とにかく、方法400は、地域データセンターシステム300内のそのような要求を受信するように構成される任意のデータセンターによって同時に行われてもよい。
[0036]図3Aおよび図3Bの具体的な例を参照すると、データセンター301は、矢印310によって表されるように地域データセンターシステム300によって受け持たれる特定地域のための地域固有のサービス要求を受信する(アクト401)。これらの地域固有のサービス要求310は、地域データセンターシステム300内のデータセンターのいずれかによって満たされてもよい。
[0037]受信データセンター(すなわち、地域固有のサービス要求を受信するデータセンター)は次いで、受信される地域固有のサービス要求の少なくともいくつかの処理について負荷分散を行う(アクト410)。例えば、いくつかの地域固有のサービス要求については負荷分散を行わないなんらかの理由があってもよい。例えば、いくつかの要求は、状態に敏感なこともあり、データセンターの特定の1つ内に存在するデータまたは他の状態に依存することもある。しかしながら、データセンターによって受信される地域固有のサービス要求の他のものについては、データセンターは、地域固有のサービス要求の処理について負荷分散を行う(アクト410)。例えば、図3Aを参照すると、データセンター301は、入ってくる地域固有のサービス要求310の処理の負荷分散を行う。
[0038]図4を参照すると、アクト410の内容は、地域固有のサービス要求の処理の負荷分散を行うことの一部であるアクトを含む(アクト410)。例えば、この負荷分散の一部として、受信データセンターは、地域固有のサービス要求の処理を実際に行うためにデータセンターの1つまたは複数を選択する(アクト411)。選択されるデータセンターはまた、本明細書では「処理データセンター」とも呼ばれることになる。
[0039]例えば、図3Aを参照すると、受信データセンター301は、矢印311によって表されるように、地域固有のサービス要求のいくつかのための処理データセンターとしてそれ自体を選択することもある。別法としてまたは加えて、受信データセンター301はまた、矢印312によって表されるように、地域固有のサービス要求のいくつかのための処理データセンターとしてデータセンター302を選択し、そのような地域固有のサービス要求をデータセンター302に転送することもある。受信データセンター301はまた、矢印313によって表されるように、地域固有のサービス要求のいくつかのための処理データセンターとしてデータセンター303を選択し、そのような地域固有のサービス要求をデータセンター303に転送することもある。受信データセンター301はまた、矢印314によって表されるように、地域固有のサービス要求のいくつかのための処理データセンターとしてデータセンター304を選択し、そのような地域固有のサービス要求をデータセンター304に転送することもある。受信データセンター301はまた、矢印315によって表されるように、地域固有のサービス要求のいくつかのための処理データセンターとしてデータセンター305を選択し、そのような地域固有のサービス要求をデータセンター305に転送することもある。
[0040]受信データセンターは次いで、地域固有のサービス要求が処理センターに転送される仕方で負荷分散を行う(アクト420)。処理データセンターによって扱われるべきそれらの要求について、受信データセンターと処理データセンターとの間に直接の通信チャネルがあるけれども、要求のいくつかは、地域データセンターのなお別のデータセンターを介してディスパッチされてもよい。例えば、受信データセンターは、要求を処理データセンターに伝達するときにランダム化またはラウンドロビン二相通信を使用してもよい。そのようなことは、地域データセンターシステム内のすべてのデータセンター間での帯域幅のより効率的な利用を可能にする。
[0041]図4を参照すると、アクト420の内容は、処理データセンターへの地域固有のサービス要求の転送の負荷分散を行うことの一部であるアクトを含む(アクト420)。負荷分散のレベルは、例えばプロトコルスタックでのネットワークレベルで生じてもよい。アクト420の内容は、地域固有のサービス要求の処理に寄与すべき1つまたは複数のデータセンターのそれぞれについて行われてもよい。
[0042]もし処理データセンターが、受信データセンターと同じであるならば(決定ブロック421で「イエス」)、その時受信データセンターは、地域固有のサービス要求のすべてまたは一部をそれ自体が処理して満たすことになる(アクト430)。その場合、要求のその部分についての転送プロセスの実質的な負荷分散は、含まれるデータセンター間通信がないので、行われないことになる。
[0043]もし処理データセンターが、受信データセンターと異なるならば(決定ブロック421で「ノー」)、受信データセンターはその時、中間データセンターが、地域固有のサービス要求を転送するのに使用されるべきかどうかを判定する(決定ブロック422)。もし否であるならば(決定ブロック422での「ノー」)、その時負荷分散は、最初に中間データセンターから反映されることなく地域固有の要求を処理データセンターに転送すること(アクト423)によってさらに行われる。もし中間データセンターが、地域固有のサービス要求を転送するのに使用されるべきであるならば(決定ブロック422での「イエス」)、受信データセンターは、中間データセンターを選択し(アクト424)、地域固有のサービス要求が処理される(アクト430)ところの処理データセンターへの反映(アクト423)のために地域固有の要求を中間データセンターに転送する(アクト425)。
[0044]図3Bは、地域データセンターシステム300および地域固有のサービス要求のために含まれる関連フローを例示し、受信データセンター301は、そのサービス要求のための処理データセンターとしてデータセンター304を選択する。結果として生じる転送動作は、図3Aで矢印314によって抽象的に表される。しかしながら、図3Bは、プロトコルスタックのネットワークレベルにおいて受信データセンター301から処理データセンター304への地域固有のサービス要求の転送を負荷分散するために様々な方法があることを例示する。図3Bでの様々なフローは、図4の方法400を参照して今から説明されることになる。それぞれの場合に、受信データセンター301は、地域固有のサービス要求を処理データセンター304に転送することを思い出されたい。
[0045]矢印322Aおよび322Bは、データセンター302が中間のものとして選択される(アクト424)場合を表し、その場合サービス要求は、矢印322Aによって表されるように中間データセンター302に転送され(アクト425)、矢印322Bによって表されるように処理データセンター304に反映される(アクト423)。
[0046]矢印323Aおよび323Bは、データセンター303が中間のものとして選択される(アクト424)場合を表し、その場合サービス要求は、矢印323Aによって表されるように中間データセンター303に転送され(アクト425)、矢印323Bによって表されるように処理データセンター304に反映される(アクト423)。
[0047]矢印324は、中間データセンターが選択されない(決定ブロック422での「ノー」)場合を表し、その場合地域固有のサービス要求は、中間のものを使用することなく処理データセンター304に転送される(アクト423)。
[0048]矢印325Aおよび325Bは、データセンター305が中間のものとして選択される(アクト424)場合を表し、その場合サービス要求は、矢印325Aによって表されるように中間データセンター305に転送され(アクト425)、矢印325Bによって表されるように処理データセンター304に反映される(アクト423)。
[0049]図3Cは、地域データセンターシステム300および地域固有のサービス要求のために含まれる関連フローを例示し、受信データセンター301は、そのサービス要求のための処理データセンターとしてデータセンター303を選択する。結果として生じる転送動作は、図3Aで矢印313によって抽象的に表される。しかしながら、図3Cは、プロトコルスタックのネットワークレベルにおいて受信データセンター301から処理データセンター303への地域固有のサービス要求の転送を負荷分散するためにいろいろな方法があることを例示する。図3Cでの様々なフローは、図400の方法400を参照して今から説明されることになる。
[0050]矢印332Aおよび332Bは、データセンター302が中間のものとして選択される(アクト424)場合を表し、その場合サービス要求は、矢印332Aによって表されるように中間データセンター302に転送され(アクト425)、矢印332Bによって表されるように処理データセンター303に反映される(アクト423)。
[0051]矢印333は、中間データセンターが選択されない(決定ブロック422での「ノー」)場合を表し、その場合地域固有のサービス要求は、中間のものを使用することなく処理データセンター303に転送される(アクト423)。
[0052]矢印334Aおよび334Bは、データセンター304が中間のものとして選択される(アクト424)場合を表し、その場合サービス要求は、矢印334Aによって表されるように中間データセンター304に転送され(アクト425)、矢印334Bによって表されるように処理データセンター303に反映される(アクト423)。
[0053]矢印335Aおよび335Bは、データセンター305が中間のものとして選択される(アクト424)場合を表し、その場合サービス要求は、矢印335Aによって表されるように中間データセンター305に転送され(アクト425)、矢印335Bによって表されるように処理データセンター303に反映される(アクト423)。
[0054]前に述べられたように、図3Aから図3Cの例では、おそらくデータセンター301は、特定地域にサービスを提供する最初のデータセンターであり、次いで後に、データセンター302から305が、需要を満たすために加えられた。図5は、特定地域に対応する地域固有のサービス要求を受け持つ地域データセンターシステムでいくつかのデータセンターを増強するための方法500のフローチャートを例示する。
[0055]特定地域で容認されるべきレイテンシしきい値が、(アクト501)で決定される。例えば、このレイテンシしきい値は、地域データセンターシステムの所有者または管理者にとって許容できる任意の値であってもよいが、しかし一実施形態では、数ミリ秒以下である。
[0056]方法300はまた、1つまたは複数の既存のデータセンターが利用率を上回ると判定すること(アクト502)も含む。この判定は好ましくは、既存のデータセンターが完全に利用されるより前に方法500の残りを行うための準備ができるほど十分に早く行われるべきである。このアクト502は、アクト501とアクト502との間に時間的依存関係がないので、レイテンシしきい値の決定(アクト501)と並列に示される。
[0057]オプションとして、方法300はまた、追加のデータセンターを構築すること(アクト503)も含む。この構築(アクト503)は、アクト501、502、および503の間に厳密な時間的依存関係がないので、レイテンシしきい値の決定(アクト501)および利用率の判定と並列に示されるが、ただし既存のデータセンターの完全な利用が達せられる前に、アクト503が必要ならば行われてもよいように、アクト502は、十分前もって生じることが好ましいという、すでに記されていることを除く。
[0058]方法500はまた、特定地域に対応する地域固有のサービス要求を処理するように追加のデータセンターを構成すること(アクト505)も含む。これは、追加のデータセンターがそのような要求を実際に受信することを意味せず、追加のデータセンターが、もしそのような要求が受信されるならば、それらを処理する能力があるということだけを意味する。
[0059]オプションとして、方法500はまた、追加のデータセンターと地域データセンターシステムの1つまたは複数の既存のデータセンターとの間に1つまたは複数の通信チャネルの少なくとも一部分を実際に確立すること(アクト504)も含む。この場合もやはり、このアクト504と他のアクト501から503との間に厳密な時間関係はなく、それ故にこのアクトは、再び並列に示される。
[0060]方法500はまた、追加のデータセンターのレイテンシがレイテンシしきい値を下回ることを確実にするために、追加のデータセンターと地域データセンターシステムの1つまたは複数の既存のデータセンターとの間のネットワークレイテンシを測定すること(アクト506)も含む。いったんこれが、確保されると、全体としての地域データセンターは、地域データセンターシステムによって受信される地域固有のサービス要求の少なくともいくつかが、処理のために追加のデータセンターに送られるように構成されてもよい(アクト507)。
[0061]それに応じて、システムが外部からは単一データセンターのように見えてもよい、地域データセンターシステムが、述べられる。さらに、データセンターは、需要が増加すると、追加のデータセンターで動的に増強されてもよい。本発明は、その趣旨または本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形で具体化されてもよい。述べられる実施形態は、あらゆる点で説明に役立つだけで、制約するものではないと考えるべきである。従って、本発明の範囲は、前述の説明によってよりもむしろ添付の請求項によって示される。請求項の等価性の意味および範囲内に入るすべての変形は、請求項の範囲内に包含されるべきである。

Claims (10)

  1. 複数のデータセンターを備えるシステムであって、
    前記複数のデータセンターは、特定地域に対応するサービスへの地域固有の要求が、前記複数のデータセンターのいずれかによって満たすことができるように構成され、前記複数のデータセンターは、少なくとも第1、第2および第3のデータセンターを含み、
    前記第1のデータセンターは、前記特定地域に対応し、前記第1のデータセンターによって受信される複数の地域固有の要求について、少なくとも、
    前記第1のデータセンターによって受信される前記地域固有の要求の少なくともいくつかについて、前記地域固有の要求が前記第2のデータセンターによって処理されるべきであると判定する前記第1のデータセンターのアクト
    を行うことによって、負荷分散を行うように構成される、システム。
  2. 請求項1に記載のシステムであって、前記特定地域に対応し、前記第1のデータセンターによって受信される前記複数の地域固有の要求の少なくともいくつかについて、前記第1のデータセンターはさらに、
    前記第2のデータセンターへの反映のために前記地域固有の要求を前記第3のデータセンターに転送するアクト
    を行うように構成される、システム。
  3. 請求項2に記載のシステムであって、前記第2のデータセンターによって処理されるべきと前記第1のデータセンターが判定する前記地域固有の要求の少なくともいくつかについて、前記負荷分散はさらに、最初に前記第3のデータセンターから反映されることなく前記地域固有の要求を前記第2のデータセンターに転送するアクトを行うことによって行われる、システム。
  4. 請求項1に記載のシステムであって、前記第1のデータセンターによって受信される前記地域固有の要求の少なくともいくつかは、前記の第2または第3のデータセンターを使用することなく前記第1のデータセンターによって処理される、システム。
  5. 請求項1に記載のシステムであって、前記第1のデータセンターはさらに、少なくとも、
    前記第1のデータセンターによって受信される地域固有の要求の少なくともいくつかについて、前記地域固有の要求が前記第3のデータセンターによって処理されるべきであると判定する前記第1のデータセンターのアクト、および
    前記第3のデータセンターによって処理されるべきと前記第1のデータセンターが判定する前記地域固有の要求の少なくともいくつかについて、前記第3のデータセンターへの反映のために前記地域固有の要求を前記第2のデータセンターに転送するアクト
    を行うことによって前記負荷分散を行うように構成される、システム。
  6. 請求項1に記載のシステムであって、前記の第1、第2および第3のデータセンターのそれぞれは、レイテンシエンベロープ内で動作することを検証されており、前記レイテンシエンベロープにおいて、前記レイテンシエンベロープ内の前記データセンターのいずれかの間で通信する際のレイテンシは、特定のしきい値を下回ることが検証されている、システム。
  7. 請求項1に記載のシステムであって、前記負荷分散は、プロトコルスタックでのネットワーク層で行われる、システム。
  8. 特定地域に対応するサービスへの複数の地域固有の要求を第1のデータセンターで受信するアクトであって、前記複数の地域固有のサービス要求は、前記第1のデータセンター、第2のデータセンターおよび第3のデータセンターを含む複数のデータセンターのいずれかによって満たすことができる、アクトと、
    受信される前記複数の地域固有のサービス要求の少なくともいくつかについて、
    負荷分散される前記複数の地域固有のサービス要求の少なくともいくつかについて、前記第2のデータセンターが前記要求を処理すべきであると判定するアクト
    を行うことによって、受信される前記複数の地域固有のサービス要求の前記少なくともいくつかについて負荷分散を行う前記第1のデータセンターのアクトと
    を含む方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、負荷分散を行う前記第1のデータセンターの前記アクトはさらに、
    前記第2のデータセンターによって処理されるべきと前記第1のデータセンターが判定する前記複数の地域固有のサービス要求の少なくともいくつかについて、前記第2のデータセンターへの反映のために前記地域固有の要求を前記第3のデータセンターに転送するアクトを含む、方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、前記の第1、第2および第3のデータセンターのそれぞれは、レイテンシエンベロープ内で動作することを検証されており、前記レイテンシエンベロープにおいて、前記レイテンシエンベロープ内の前記データセンターのいずれかの間で通信する際のレイテンシは、特定のしきい値を下回ることが検証されている、方法。
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