[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2016503817A - アンチグラニュリシン抗体及びその使用方法 - Google Patents

アンチグラニュリシン抗体及びその使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016503817A
JP2016503817A JP2015550860A JP2015550860A JP2016503817A JP 2016503817 A JP2016503817 A JP 2016503817A JP 2015550860 A JP2015550860 A JP 2015550860A JP 2015550860 A JP2015550860 A JP 2015550860A JP 2016503817 A JP2016503817 A JP 2016503817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
granulysin
antibody
antibodies
binding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015550860A
Other languages
English (en)
Inventor
ライ,ジイェン−シュン
ワン,フン−リン
ファン,チャオ−ヤン
ロ,イン−ユン
チェン,ユエン−ツォン
チャン,ウォアン−ウォン
フー,チー−ヨン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DCB USA LLC
Original Assignee
DCB USA LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DCB USA LLC filed Critical DCB USA LLC
Publication of JP2016503817A publication Critical patent/JP2016503817A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/55Fab or Fab'
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/565Complementarity determining region [CDR]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/60Immunoglobulins specific features characterized by non-natural combinations of immunoglobulin fragments
    • C07K2317/62Immunoglobulins specific features characterized by non-natural combinations of immunoglobulin fragments comprising only variable region components
    • C07K2317/622Single chain antibody (scFv)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/76Antagonist effect on antigen, e.g. neutralization or inhibition of binding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/90Immunoglobulins specific features characterized by (pharmaco)kinetic aspects or by stability of the immunoglobulin
    • C07K2317/92Affinity (KD), association rate (Ka), dissociation rate (Kd) or EC50 value

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

グラニュリシンのR64からR113までのエピトープ領域に結合することのできる、及び、グラニュリシン活性を中和することのできるアンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片。前記抗体は配列番号82〜配列番号195の配列から選択された配列を含むか、または、前記抗体は配列番号39〜配列番号76の配列から選択された配列を含む。前記抗体はモノクローナル抗体である。望ましくない免疫応答疾患の治療又は予防の方法は、グラニュリシンの活性を中和することのできるアンチグラニュリシン抗体を患者にその必要により投与することを含む。前記望ましくない免疫応答疾患は、SJS,TEN又はGVHDである。

Description

本発明は、アンチグラニュリシン(anti-granulysin)抗体に関し、特に、この抗体の使用方法に関する。
哺乳類の免疫系は、インビボ(in vivo)における微生物感染症を抑制する際に鍵となる役割を演じる。T細胞は、かかる免疫応答で重要な役割を演じる。T細胞の1種類である、細胞溶解T細胞(CTL)は、異物のウイルスで感染した細胞を溶解することによって機能する。CTLで媒介される細胞溶解の主要なメカニズムは、細胞質顆粒内容物の指向的な放出を伴い、それによってCTLとNK細胞は標的細胞の溶解を開始する。
細胞質顆粒の内容物は、孔形成タンパク質(パーフォリン)、セリンプロテアーゼ(グランザイム)のファミリー、及び後期T細胞活性化マーカー、グラニュリシン(granulysin)を含む。グラニュリシンは、微生物や腫瘍に対し細胞溶解性である。感染した体細胞に付着すると、グラニュリシンは標的細胞膜に穴を形成し、その結果、細胞の破壊につながる。加えて、グラニュリシンは、標的細胞においてアポトーシス(apoptosis)を誘導でき、また抗菌作用を有する。(Janeway, Charles (2005). Immunobiology: the immune system in health and disease (6th ed.). New York: Garland Science)。
ヒトグラニュリシンは、3つの唯一の転写物に由来する2つのサイズ(9kDaと15kDa)のタンパク質として発現される。(図1参照)。グラニュリシンは、サポシン(saposin)似の脂質結合タンパク質である。結晶構造(Anderson et al. (2003) J Mol Biol. 325(2):355-65)は、分子の周りにリング状に配列する正電荷を有する5つのらせん(helix)バンドル及び正味の正電荷のない一つの面を現す(図2)。また、グラニュリシンは、2つの高度に保存された分子内ジスルフィド結合によって安定化される。
免疫応答は感染症に対する防御に重要である一方、望ましくない免疫応答は障害につながるかもしれない。望ましくない免疫応答を伴う障害の例は、薬物副作用(ADR)、移植片対宿主病(GVHD)、炎症性疾患、自己免疫疾患、移植拒絶、アレルギー疾患、及びT細胞由来のガンを含む。
チェン(Chen)等に発行された米国特許7,718,378は、グラニュリシンが、SJS(スティーブン-ジョンソン症候群)、TEN(中毒性表皮壊死症)及びGVHDなどのような、望ましくない免疫応答又は細胞傷害性T細胞媒介性障害に関連する疾患の病理に関与することを開示した。
SJS/TENの病理は完全には理解されていない。しかし、薬物副作用は、これらの病気の主な原因である。2007年に、FDAは、カルバマゼピン(carbamazepine)療法の前にヒト白血球抗原(HLA)対立遺伝子、HLA-B*1502について患者をスクリーニングするように医師に依頼する警告を出した。危険なあるいは致命的な皮膚反応(SJSとTEN)がこれらの患者にカルバマゼピン療法から生じる可能性があるためである。同じ薬物による再攻撃は、典型的に潜伏期間を短縮しかつより厳しい徴候を生じるので、重大な致命的な薬物副作用の徴候は免疫介在性であると信じられている(Roujeau et al., Toxicology, 2005 Apr. 15;209(2):123-9)。
加えて、SJS/TENにおける臨床的、組織病理学的、免疫細胞学的及び機能的な所見は、SJS/TENが細胞障害性リンパ球によって開始される特定薬物過敏反応であるという概念を支持する。事前のインビトロ(in vitro)の研究は、薬物の提示が限定されたMHCクラスIであること、CD8+CTLのクローンの拡大があること、及び、これらの細胞はエフェクター細胞障害性応答を誘発すること、を示唆する。T細胞活性化のための薬物あるいはその代謝物のMHC限定された提示は、HLA-B対立遺伝子と特定薬物に対する反応との間の強い遺伝子の関連性の最近の所見によってさらに支持される。(Chung et al. Nature, 2004 Apr. 1; 428(6982): 486.)。
細胞障害性T細胞は、SJS/TEN患者の皮膚病変部に入り込むことが観察されている(Nassif et al., Allergy Clin. Immunol. 2004 November; 114(5): 1209-15)。水疱液と表皮におけるTリンパ球は、CD8+表現型の優越を示している(Nassif et al., J. Invest. Dermatol. 2002 April; 118(4):728-33)。これらの観察は、SJS/TENの病理において抗原プライムド細胞障害性T細胞の皮膚補充を示している。
グラニュリシンが、SJS/TENの特有の臨床症状の原因となる重要な分子であることが判明した。SJS/TEN患者の皮膚病変部からの水疱液は、B細胞とケラチン細胞に対する細胞溶解作用を示し、最も支配的な細胞障害性タンパク質としてグラニュリシンを含む。さらにまた、マウスの表皮へのグラニュリシンの注射はSJS/TENの人間の病理に似た広範囲に及ぶ皮膚細胞死を誘発した。このように、グラニュリシンは、散在性ケラチン細胞アポトーシスの原因の鍵となる分子で、SJS/TENの病原性機構の失われた環の基礎となる。
図3は、薬物副作用(例えば、カルバマゼピン副作用)におけるグラニュリシン関与の可能性のある機構を説明する概略図である。この提案された機構によれば、抗原提示細胞(例えば、ケラチノサイト)におけるMHC Iへの薬物分子(抗原)の結合によってCD8+細胞障害性T細胞が活性化される。薬物-MHC I相互作用は、対立遺伝子がHLA-B*1502で、薬物がカルバマゼピンであるとき、最も重要である。T細胞の活性化は、他の物質の間で、グラニュリシンの産生に至る。グラニュリシンは、次にケラチノサイトのアポトーシス(及び細胞溶解)を誘発する。
急性GVHDではグラニュリシンが著しく血清で上昇し、血清でのグラニュリシンのレベルがGVHDの重症度に相関した。加えて、アロ特異的(allospecific)T細胞がインビトロなアロ特異的様式でグラニュリシンを放出し、そのグラニュリシン放出はアロ特異的細胞障害性作用と相関したことが示された。これらの結果は、グラニュリシンがGVHDにおいて重要な役割を演じることを示す。(Nagasawa et al. 2006, Am. J. Hematol. 81(5): 340-8)
上述の所見は、グラニュリシンがこれらの望ましくない免疫応答障害において重要な役割を演ずることを示唆する。したがって、グラニュリシンは、そのような望ましくない免疫応答疾患の診断及び治療の有用なターゲットである。
本発明の実施形態は、グラニュリシンの細胞毒性及び抗菌活性を中和することができる抗体に関する。その抗体は、ポリクローナル又はモノクローナル抗体である。
一態様では、本発明は、グラニュリシンの活性を中和することができるアンチグラニュリシン抗体に関する。本発明の抗体は、グラニュリシンスパニングR64〜R113(配列番号81)のエピトープ領域に結合することができる。
上述の本発明の実施形態によれば、前記抗体は、配列番号82〜配列番号195の配列から、又は、配列番号39〜配列番号76の配列から、選択された配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記抗体は、配列番号82〜配列番号87,又は、配列番号88〜配列番号93,又は、配列番号94〜配列番号99,又は、配列番号100〜配列番号105, 又は、配列番号106〜配列番号111,又は、配列番号112〜配列番号117,又は、配列番号118〜配列番号123,又は、配列番号124〜配列番号129,又は、配列番号130〜配列番号135,又は、配列番号136〜配列番号141,又は、配列番号142〜配列番号147,又は、配列番号148〜配列番号153,又は、配列番号154〜配列番号159,又は、配列番号160〜配列番号165,又は、配列番号166〜配列番号171,又は、配列番号172〜配列番号177,又は、配列番号178〜配列番号183,又は、配列番号184〜配列番号189,又は、配列番号190〜配列番号195の配列を含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記抗体は、配列番号39及び配列番号40,又は、配列番号41及び配列番号42,又は、配列番号43及び配列番号44,又は、配列番号45及び配列番号46,又は、配列番号47及び配列番号48,又は、配列番号49及び配列番号50,又は、配列番号51及び配列番号52,又は、配列番号53及び配列番号54,又は、配列番号55及び配列番号56,又は、配列番号57及び配列番号58,又は、配列番号59及び配列番号60,又は、配列番号61及び配列番号62,又は、配列番号63及び配列番号64,又は、配列番号65及び配列番号66,又は、配列番号67及び配列番号68,又は、配列番号69及び配列番号70,又は、配列番号11及び配列番号72,又は、配列番号73及び配列番号74,又は、配列番号75及び配列番号76の配列を含む。
本発明の一実施形態にしたがって上述した抗体は、モノクローナル抗体である。本発明のいずれかの実施形態によれば、前記抗体は、ヒト化抗体又はヒト抗体である。本発明の実施形態によれば、抗体はグラニュリシンの細胞毒性を防ぐことができる。
他の態様では、本発明は、望ましくない免疫応答の病気を、患者にその必要なときに上述のいずれかのアンチグラニュリシン抗体を投与することによって、治療する方法に関する。上述の実施形態のいくつかによれば、前記望ましくない免疫応答障害は、SJS,TEN,又はGVHDである。
本発明の他の態様及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の請求項から明らかになるであろう。
9kDaグラニュリシン 及び 15kDaグラニュリシンを含むグラニュリシンの構造の概略図である。 グラニュリシンの三次元構造を示す図であり、5つのらせんバンドルを図解する。 グラニュリシンに媒介された細胞毒性に関与する可能性のある機構を説明する概略図である。 本発明の実施形態によるアンチグラニュリシン抗体を生成するためのアプローチを説明する概略図である。 種々のアンチグラニュリシン抗体がグラニュリシンの細胞毒性を低減する能力を示す図である。 フェイズデスプレイを用いてアンチグラニュリシン抗体を同定する方法を説明する概略図である。 種々のアンチグラニュリシン抗体のCDR配列を示す図である。 グラニュリシンの抗菌活性を低減する種々のアンチグラニュリシン抗体のアッセイを示す概略図である。 種々のアンチグラニュリシン抗体の、グラニュリシンの抗菌活性を低減する結果を示す図である。 種々のアンチグラニュリシン抗体の、グラニュリシンの抗菌活性を低減する結果を示す図である。 種々のアンチグラニュリシン抗体がグラニュリシンと結合する動態的アッセイを示す図である。 グラニュリシンの変異体の産生に関する概略図である。 A〜Oは、種々のアンチグラニュリシン抗体がグラニュリシン及び変異体グラニュリシンと結合する種々のアッセイを示す図である。 A〜Jは、種々のアンチグラニュリシン抗体がグラニュリシンと点変異(単アミノ酸アラニン走査)により結合する種々のアッセイを示す図である。 グラニュリシン活性の概略図であり、負に帯電したリン酸脂質層による相互作用におけるアルギニン正電荷との関連を図解する。 一つの面に帯電した残基を説明するグラニュリシンの三次元構造を示す図である。 異なるモノクローナル抗体のためのグラニュリシンタンパク質における種々のエピトープを示す図である。 種々のアンチグラニュリシン抗体がグラニュリシン変異体と結合する解析結果を示す図で、グラニュリシンの抗菌活性及びそのCDR配列を反転する能力を説明する。 本発明の一実施形態によって、抗体と変性グラニュリシンとの結合を評価する手順を概説するフローチャートである。
定義
本明細書で用いるとき、「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子又はその免疫学的に活性な部分、つまり抗原結合部位又はその断片を意味する。このため、抗体は、少なくとも1(好ましくは2)つの重(H)鎖可変領域(VH)及び少なくとも1(好ましくは2)つの軽(L)鎖可変領域(VL)を有する。VH及びVL領域は、さらに超可変領域、つまり、「相補性決定領域」(「CDR」)に細分でき、より保全される領域、つまり、「フレームワーク領域」(「FR」)に散在する。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成され、アミノ末端から以下の順序でカルボキシル末端まで配置される: FR1, CDR1, FR2, CDR2, FR3, CDR3, FR4。(Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242; and Chothia et al. (1987) J. Mol. Biol. 196:901-917、を参照。これらはここで参考文献に組み入れられる。)
抗体は、重鎖又は軽鎖不変部領域からの1又はそれ以上の不変部領域を含む。重鎖不変部領域は、3つのドメイン、CH1、CH2及びCH3を有し、軽鎖不変部領域は、1つのドメイン、CLを有する。重鎖及び/又は軽鎖の可変領域は、抗原と相互反応をする結合ドメインを含み、一方、抗体の不変部領域は典型的に宿主組織又は因子への抗体の結合を媒介し、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典補体系の第1成分(Clq)を含む。
本明細書で用いるとき、「免疫グロブリン」という用語は、免疫グロブリン遺伝子によって実質的にエンコードされる1つ又はそれ以上のポリペプチドからなるタンパク質を意味する。ヒト免疫グロブリン遺伝子は、無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子と同様に、カッパ、ラムダ、アルファ(IgA1及びIgA2)、ガンマ(IgG1, IgG2, IgG3, IgG4)、デルタ、イプシロン及びミュー不変部領域遺伝子を含む。フルレングス(full-length)免疫グロブリン「軽鎖」(約25KDa又は214のアミノ酸)は、NH2末端(約110のアミノ酸)で可変領域遺伝子により、COOH末端でカッパ又はラムダ不変部領域遺伝子により、エンコードされる。フルレングス免疫グロブリン「重鎖」(約50KDa又は446のアミノ酸)は、可変領域遺伝子(約116のアミノ酸)及び前記不変部領域遺伝子の1つ、すなわち、ガンマ(約330のアミノ酸をエンコードする)によって同様にエンコードされる。
抗体の「抗原結合断片」(「抗体部分」又は「断片」)という用語は、抗原に特異的に結合する能力を保有するフルレングス抗体の1つ又はそれ以上の断片を意味する。抗体の抗原結合断片の例は、以下を含むが、以下に限定されない:(i)Fab断片、これはVL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価断片である (ii)F(ab')2断片、これはヒンジ領域でジスルフィド架橋により連鎖された2つのFab断片を有する二価断片である (iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片 (iv)抗体のシングルアームのVL及びVHドメインからなるFv断片 (v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544-546)、及び(vi)分離された相補性決定領域(CDR)。
さらに、Fv断片の2つのドメインVL及びVHは、別々の遺伝子によってコードされるが、それらは、組み換え方法を用いて、単一タンパク質鎖としてつくられることを可能にする合成リンカーによって、結合することができ、それらのVL及びVH領域は対になり一価分子(単鎖Fv(scFv)として知られ、例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426; and Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照)を形成する。このような単鎖抗体も、抗体の「抗原結合断片」という用語に包括される。これらの抗体断片は、当業者に知られた従来技術を用いて得ることができ、そして、断片は、完全な抗体に関するのと同じ様式で有用性についてスクリーニングされる。
本発明の実施形態は、アンチグラニュリシン抗体、及びこの抗体を使用する方法に関する。この使用は、STS/TENのようなグラニュリシンと関連のある疾患の治療、予防又は診断を含む。本発明の抗体は、遺伝子工学によってつくられるすべてのクラス、ヒト抗体及びヒト化抗体のポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体のようないずれの適切な抗体を含む。
本発明の実施形態によれば、アンチグラニュリシン抗体は、ハイブリドーマ又はファージディスプレイ法を用いて、産生することができる。ハイブリドーマを用いるモノクロナール抗体の産生は、本技術分野でよく知られている(Schwaber, J.; Cohen, E. P. (1973). "Human x mouse somatic cell hybrid clone secreting immunoglobulins of both parental types,"Nature 244 (5416): 444-447を参照)。同様に、抗体を作り出すためのファージディスプレイ及び組み合わせた方法が本技術分野で知られている(例えば、Ladner et al. U.S. Pat. No. 5,223,409; Fuchs et al. (1991) Bio/Technology 9:1370-1372; Hay et al. (1992), Hum. Antibody Hybridomas 3:81-85; Huse et al. (1989), Science 246:1275-1281,を参照)。
図4は、アンチグラニュリシン抗体の産生のための全般的戦略(ハイブリドーマ及びファージディスプレイ)を概説する。ハイブリドーマ法によって、マウスは、抗原(例えば、グラニュリシン又は断片又はその誘導体)により免疫される。次に、免疫化動物からの脾臓細胞は、ミエローマ細胞と融合する。ポリエチレングリコールを用いて隣接する細胞の形質膜を融合させる。融合の効率は低く、融合細胞だけが成長できる選択される媒質を用いてハイブリドーマ細胞を選択する。ハイブリドーマ細胞は、次に所望の抗体の産生のためにスクリーニングされ、そして、陽性クローンが分離される。陽性クローンは、小規模な産生のために、及び、さらなる精製とサブクローニングのために用いることができる。最終的に、有用な抗体を産生するモノクローンが分離される。
ファージディスプレイ法によって、典型的にFab又はscFvが全体の抗体の代わりに産生される。第1に、ライブラリーは、ファージのコートタンパク質と融合する免疫化マウス(RT-PCR及びPCRによる)から得たCDR領域からのDNA断片で構築できる。望ましいCDR領域配列を有するファージは、標的抗原と結合するであろうし、バイオパンニング又はELISAによって濃厚化でき、標的抗原(例えば、グラニュリシン)はプレートに塗布され、ファージは抗原に結合させられる。次に、非結合物は洗い流される。結合された陽性クローンは、収集され、拡張される。パンニング/濃厚化プロセスは、数回繰り返され、陽性クローンを精製する。これらの陽性クローン(すなわち、CDR配列)からの配列は、次に、抗体フレームワークへと構成でき、フルレングス構造をつくる。抗体は、これらのフルレングス構造から産生することができ、アッセイのため精製できる。
ハイブリドーマ法とファージディスプレイ法の両方について、実施例を用いて詳細に記載する。
実施例1:免疫化手順
組換ヒトグラニュリシン(15kDa、大腸菌(E.coli)で発現)を抗原として使用した。この抗原は、フロイント完全アジュバント(FCA)又はフロイント不完全アジュバント(FIA)とともに使用され、適切な計画にしたがってマウスを免疫する。例えば、表1は、1つの免疫化計画の例示である。
実施例2:ELISAによる血清力価試験
ELISAプレート(例えば、96-ウェル(well)プレート)は、ヒト組換グラニュリシン(15kDa、大腸菌発現)で被覆された。試験サンプルがそのプレートに添加され、被覆されたタンパク質と結合された。非結合抗体を取り除く洗浄後、結合抗体は、2次抗体(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と結合したヤギアンチマウスIgG)により評価された。結合副次的抗体の量は、HRPのための適切な基質を用いて推定できる。例えば、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)、3,3'-ジアミノベンジジン(DAB)又は2,2'-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸酸)(ABTS)は、HRPの比色の基質として使用できる。表2に一実施例の結果を示す。
実施例3:ハイブリドーマ生成
マウスの免疫化及びELISAアッセイによる抗体産生の確認後、マウスは屠殺された。マウスからの脾細胞は、PEG1500の助けによりNS-1骨髄腫細胞と融合された。
ハイブリドーマ細胞は、次に上記記載と似た方法でELISAアッセイを用いてアンチグラニュリシン抗体の産生のためにスクリーニングされた。すなわち、そのスクリーニングは、大腸菌又はNS0細胞から発現されるヒト組換グラニュリシン(15kDa)を使用して実施され、陽性クローンが二次抗体-HRP接合体(ヤギアンチマウスIgG-HRP)を用いて同定された。NS0細胞は親NS1細胞株のクローン誘導体であり、懸濁培養において増殖が可能である。
この実施例では、大腸菌発現ヒト組換グラニュリシン(15kDa)を使用し、112のクローンがOD>1.8を有することがわかり、22のクローンがOD>1.5を有することがわかった。同様に、NS0発現ヒト組換グラニュリシン(15kDa)を使用し、111のクローンがOD>1.8を有することがわかり、1つのクローンがOD=1.648を有し、22のクローンがOD>0.4を有していた。ブランクのためのODは、0.097であった。
実施例4:細胞毒性アッセイ
上記実施例から陽性クローンが分離され、細胞毒性アッセイのためにアンチグラニュリシン抗体を産生した。ポリクローンハイブリドーマ培養液上清からのアンチグラニュリシン抗体がプロテインGビーズを用いて精製された。これらの抗体がグラニュリシン誘発細胞毒性を低減する又は防ぐためのそれらの能力について評価された。
グラニュリシン誘発細胞毒性が、WST-1を使用して、次のとおりアッセイされた。
日(day)0:適当な細胞(例えば、ケラチン細胞)が、5分間EDTAにおいて0.05%トリプシンの1/10容量で培養されトリプシン処理された。取り除かれた細胞が計数され、細胞数が決定された。次に、5分間600rpmで遠心分離し細胞を採取した。細胞濃度は、次に、1×105 cells/mlに調整され、そして、96ウェルプレート(200μl/ウェル;2×104細胞/ウェル)のウェルに接種した。細胞は、24時間培養された。
日(day)1:グラニュリシン及びアンチグラニュリシン抗体をウェルに添加した。例えば、各ウェルには20μlの抗体(1:10及び1:1モル比)及びグラニュリシン20μl(4μg/mlから62.5μg/mlまで)を添加した。4時間後、細胞死が以下の手順で評価された。
日(day)2:各ウェルに20μlのWST-1溶液を加え、24時間、37℃でインキュベートする。WST-1細胞増殖アッセイキットは、多くの市販供給源(例えば、G-Biosciences, St. Louis, MO; Cayman Chemical Co., Ann Arbor, MI)から入手可能である。アッセイは、生細胞に存在する細胞のミトコンドリアデヒドロゲナーゼによるホルマザンへのテトラゾリウム塩WST-1の酵素的開裂に基づく。その産生物のホルマザンは、OD450〜655nmによって定量でき、生細胞数を推論する。
上述のように、グラニュリシンは、標的細胞の細胞溶解及びアポトーシスを引き起こすことができる。ある中和抗体が存在すれば、グラニュリシンの細胞溶解活性は低下するか、又は防止されるであろう。したがって、生細胞数が増大するであろう。
ケラチン細胞を用いたこれらのアッセイから得た結果を図5に示す。これらのアッセイの結果から、14-22、16-7、34-22、37-6、106-17及び41-1のようなクローンは、グラニュリシンの細胞毒性を低減することに有効であることがわかった。そのようなクローンは、さらに潜在的利用に関して特徴づけられる。例えば、以下の表は、3つの代表的なクローンのCDRドメインの配列解析を示す。
これらの中和アンチグラニュリシン抗体は、SJS、TEN及びGVHDのようなグラニュリシンによって媒介される疾患の治療及び予防のための治療薬として有用である。
中和抗体を産生する陽性クローンは、サブクローニングによってさらに精製できる。サブクローンは、例えば、20%FBS-5%ブリクローン(Briclone)-DMEMにおいて1細胞/ウェルを接種することで実施できる。最終的に、陽性ハイブリドーマクローンは、例えば、マウスイソタイプELISAキット(例えば、SBA ClonotypingTM System from Southern Biotech, Birmingham, AL)を用いて特徴付けることができる。
ファージディスプレイアプローチ
実施例5 ファージライブラリーの構築
本発明の実施形態にしたがって、抗体は、また、ファージパンニングを用いて生成することができる。図6に示されるように、cDNAライブラリーは、免疫化マウスから構築することができる。マウスは、例えば、NS0細胞で発現されるヒト組換グラニュリシンで免疫化することができる。これらのマウスが屠殺され、脾臓が摘出され、全RNAを抽出した。RT-PCRが、次に、用いられて、抗体断片(例えば、VH,VL,重鎖(Fd)又は軽鎖)を取得した。これらの断片を用いて、Fabライブラリーを構築することができる。さらに、これらの断片は、PCRを用いて集合され、scFvのための抗体断片を生成し、それらは次に、scFvライブラリーを構築するのに用いられた。一実施例では、Fabライブラリーが6.6×108の多様性を有し、scFvライブラリーが1.4×109の多様性を有する。
実施例6 スクリーニングのためのファージの調製
上記(scFv又はFab)ライブラリーストックの各々は、100μg/mlのアンピシリン及び2%グルコース(2YTAG)を含有する2x YT媒質に接種され、OD(600nm)が0.5に到達するまで、37℃で振とうにより増殖された。この培養液が、次に、ヘルパーファージを1:20の比率で添加することにより、M13KO7ヘルパーファージで感染させられた。合成培養液が振とうせずに30分間、37℃水浴でインキュベートされた。
次に、感染細胞は、4000rpmで15分間、回転することによって収集された。細胞は、100μg/mlアンピシリン及び25μg/mlカナマイシン(2YTAK)を含有する2xYTに徐々に再懸濁させられ、振とうして30℃で一晩インキュベートされた。
一晩の培養液は、10,000rpmで20分間、回転させられ、細胞が採取された。PEG/NaCl(20% PEG 8000, 2.5M NaCl; 1/5容量)が上清に添加された。溶液が混合され4℃で1時間又はそれ以上放置された。それが次に10,000rpmで20分間、回転させられた。上清が次に吸引された。
ペレットが40ml無菌水に再懸濁させられ、次に、12,000rpmで10分間、回転させられて、残った細菌残基の大部分を除去した。1/5容量PEG/NaClが再度上清に添加された。それはよく混合され、4℃で1時間又はそれ以上放置された。
それが再度10,000rpmで20分間、回転させられ、その上清が吸引された。ペレットが、次にPBSに再懸濁させられ、12,000rpmで10分間、遠心機で回転させられて、残った細菌残基の大部分を除去した。
上記記載は、ファージの調製のための一実施例である。この実施例は、例証だけのもので、保護範囲を限定するものではない。本分野の当業者は、種々の変更及び変化が可能であることを認めるべきである。
実施例7 ELISAプレートを用いた選択
ELISAプレート(ヌンク)が、ウェル当たり1μg/100μl抗原(例えば、ヒト組換グラニュリシン)で被覆された。抗原の被覆がpH7.4、PBSにおいて4℃で一晩中実施された。次に、ウェルが3回PBSで洗い流され、ウェル当たり300μlPBS-5%スキムミルク(MPBS)により37℃で1.5時間ブロックされた。これに続いて、PBSで3回洗い流した。
次に、5%MPBS又は5%MPBSにおける1011〜1012ファージの100μlが添加され、1-7 10×His-タグの添加が続いた。溶液が90分間、37℃でインキュベートされ、そして、試験溶液が廃棄され、BS-0.05%Tween20(PBST)で3回洗浄された。
100μlPBSが各ウエルに添加された。それは60分間、37℃でインキュベートされ、PBSTで3回、PBSで1回洗浄された。プレートから過剰なPBSが振り落とされ、ファージが、100μl 100mMトリエチルアミン(TEA)を37℃で30分間継続的に回転させながら添加することで溶離された。トリス緩衝液(50μl,1M,pH7.4)が簡単な中和のため溶離された100μlファージに添加された。
TG1の指数関数的に増殖する培養液10mlを採り、溶離されたファージ150μlを添加する。また、そのTG1培養液100μlを免疫プレートに添加する。両培養液を振とうせずに30分間、37℃でインキュベートし、感染可能にする。その10ml及び感染性TG1細菌100μlをプールし、4000rpmで15分間、回転する。ペレット化された細菌を2xTYで再懸濁し、大きな2YTAGプレート上に塗布する。細菌は一晩30℃で成長させられた。
実施例8 Dynabeads(登録商標)を用いた選択
ダイナビード(Dynabeads(登録商標))は、1mlPBSで3回プリ洗浄され、2%MPBSで再懸濁された。ファージ(0.3ml)が、0.5ml2%PBSM、1-7-10X His-タグ及び上記の洗浄されたDynabeads(登録商標)と混合された。合成懸濁液は30分間、ローターでプリインキュベートされた。
Dynabeads(登録商標)を除去し、グラニュリシンを添加する。その合成混合物は、90分間、ローターで混合された。Dynabeads(登録商標)は、1mlPBSで3回プリ洗浄され、2%MPBSで再懸濁された。これは、次に90分間、ローターでインキュベートされた。
ファージグラニュリシンの混合物が、別の30分間ローター上で平衡化されたDynabeads(登録商標)に添加された。Dynabeads(登録商標)は、次に、1ml 0.05% PBST、0.2%PBSM及びPBSで洗浄された。結合ファージは、次に、1ml 100mmTEAで溶離された。インキュベーションの間、チューブが0.5ml 1Mトリス(Tris),pH7.4により調製され、迅速な中和のため、溶離されたファージの添加を用意した。
TG1の指数関数的に増殖する培養液6mlを採り、TEA溶離ファージを添加する。また、TG1培養液4mlをビーズに添加する。両培養液を振とうせずに30分間、37℃(水浴)でインキュベートする。
感染性TG1細菌をプールし、4000rpmで15分間、回転する。ペレット化された細菌を2xTY1mlで再懸濁し、大きな2YTAGプレート上に塗布する。細菌を一晩30℃で成長させる。
実施例9 次のラウンドファージの調製
2xYT5〜6ml、15%グリセロールを、上述のように一晩成長させた細菌プレートへ添加し、そして、ガラス製スプレダーによってコロニーを放つ。スクレイプされた細菌50〜100μlを2xYTAG100mlに添加する。600nmでのODが0.5になるまで、37℃で振とうにより細菌を成長させる。この培養液10mlを、1:20の比率でヘルパーファージを添加することによって、M13KO7ヘルパーファージに感染させる。感染培養液を振とうせずに30分間、37℃水浴でインキュベートする。
感染細胞を4000rpmで15分間、回転させ、その細菌を収集する。ペレットを2xYTAK50mlに徐々に再懸濁し、その培養液を振とうして30℃で一晩インキュベートする。
一晩の培養液40mlを採り、10,000rpmで20分間、回転し、上清を収集する。上清に1/5容量(8ml)PEG/NaClを添加する。よく混合し、4℃で1時間またはそれ以上放置する。10,000rpmで20分間回転し、次に、上清を吸引する。2mlPBSにペレットを再懸濁し、12,000rpmで10分間、回転し、残った細菌残基の大部分を除去する。
実施例10 ELISAによる陽性ファージのスクリーニング
プレートからの個々のコロニーを200μl 2xYTAG 96-ウェルプレートに接種し、一晩37℃で振とうにより成長させる。96-ウェルトランスファーデバイスを用い、接種物50μlをこのプレートから、ウェル当たり2xTTAG200μlを含有する第2の96-ウェルプレートへ転送する。37℃で2時間、振とうにより成長させる。第2のプレートの各ウェルに109 pfu M13KO7ヘルパーファージによって50μl 2xYTAGを添加する。37℃で30分間、静止し、次に、37℃で1時間、振とうする。
4000rpmで30分間、回転し、次に上清を吸引する。ペレットを300μl 2xYTAKに再懸濁する。一晩30℃で振とうにより成長させる。4000rpmで30分間、回転し、ファージELISAにおける培養液上清100μlを用いる。
ELISAプレートを、タンパク質抗原のウェル当たり1μg/100μlで被覆する。PBSで3回ウェルを洗い流し、ウェル当たり300μl 2%MPBSにより37℃で2時間ブロックする。PBSで3回ウェルを洗い流す。上記詳述のような100μlファージ培養液上清を添加する。37℃で90分間、インキュベートする。試験溶液を廃棄し、PBSTで3回洗浄する。2%MPBSにおけるHRP-アンチ-M13抗体の適切な希釈液を添加する。37℃で90分間、インキュベートし、PBSTで3回洗浄する。
基質溶液(TMB)によりデベロップする。50μl 1M硫酸の添加で反応を止める。その色は、黄色になるべきである。650nm及び450nmでODを読み取る。OD450からOD650を引き算する。
Dynabeads(登録商標)とELISAプレート法との両方から得られたバイオパニングの結果を図7に示す。図7(括弧内に示すそれらの対応する配列番号により)での配列は、それぞれの重鎖又は軽鎖CDRにより配列が高度に保存されることを示している。そのようなCDR配列又は相同配列の1つ又はそれ以上を含む抗体(又は、その断片)が抗原(例えば、グラニュリシン)と結合することが予想できることを当業者には理解される。それゆえに、本発明の実施形態にしたがって、アンチグラニュリシン抗体は、これらのCDR配列又は相同配列の1つ又はそれ以上有する。本発明の実施形態にしたがって、標的配列と比較して、相同配列は、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上の配列同一性を有してもよい。
本発明の実施形態にしたがって、19の特異的なクローンが実施例として特徴づけられる。以下の表は、これらの19のクローンについて重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変領域におけるDNA及びタンパク質の配列についての配列番号を示す。それらの特定の配列は、添付配列リストにおいて見いだすことができる。
上記の実施例は、アンチグラニュリシン抗体のクローニング及びスクリーニングを可変領域の特性として重鎖又は軽鎖CDRと同様に例証する。当業者は、重鎖及び/又は軽鎖配列及びCDRが全抗体又は抗体(scFv、Fab、F(ab)2などのような)の断片を生成するのに使用できることを知るであろう。さらに、当業者は、ここで開示される特定の配列は例証のためだけであること、及び、これらの配列からの変化が本発明の範囲から逸脱せずに可能であることを知るであろう。例えば、当業者はCDR領域が抗原への結合のために重要であり、一方、フレームワーク領域が構造的骨格のために重要であることを知るであろう。したがって、当業者は、フレームワーク領域及び特定のCDR残基を抗体の結合を損なうことなくしばしば変更することができる。
実施例11 細菌におけるグラニュリシンの細胞毒性
グラニュリシン細胞毒性試験は、感受性細胞又は細菌を用いて実施することができる。例えば、緑膿菌がそのアッセイのために用いられる。
代表例のアッセイでは、緑膿菌が一晩増殖され、5000rpmで5分間、回転により収集された。細胞は、10mMリン酸緩衝液で洗浄され、10mMリン酸緩衝液で300倍に希釈された。細菌性溶液の45μlを、5μlグラニュリシン(例えば、0.748μg/5μlから開始する)及び1μl抗体(例えば、最初の濃度から、5倍希釈溶液により開始する)を含む各試験混合物へ添加する。グラニュリシンは発現した大腸菌であってよく、9kDa又は15kDaであってよい(図1参照)。
混合物は、37℃で3時間、ローリングされながらインキュベートされた。細菌は、次に、必要に応じて希釈(例えば、1倍、10倍、及び100倍に希釈)されてLBプレート上に塗布され、一晩中インキュベートされた。アッセイの手順は、図8に示される概略図に示される。
簡単に、プレートの3セットは、一晩中インキュベートされる。すなわち、細菌だけを含む制御セット、グラニュリシン(0.5μg)及び同一の数の細菌を含む溶解セット、及び同一の数の細菌、グラニュリシン(0.5μg)及び試験抗体(より多くのプレートのセットを追加することにより種々の濃度(例えば、0.4μg及び2.0μg)でテストされる)を含む抗体セットである。図8に模式的に図示したように、グラニュリシンが細菌を溶解することが予想され、少ししかコロニーが生じない。グラニュリシンの作用に対抗できる抗体の添加によって、細菌が保護され、コロニー数がその制御セットと同様の数に復帰することを予想するであろう。
アッセイの結果は、図9と図10に示される。図9に示されるように、すべての試験抗体は、15kDaグラニュリシン(0.5μg)により引き起こされた溶解から細菌を保護することについて非常に良い作用を示した。0.4μg抗体投与量でさえ、すべて有効である。投与の増加(2.0μg抗体)によって、ほとんどの抗体は、完全にグラニュリシンによって引き起こされる溶解を阻害した。
図10は、15kDaグラニュリシンの代わりに、9kDaグラニュリシンを用いた同様の試験結果を示す。図10に示された結果は、顕著な防御活性を示さなかった4種類の抗体(#3123, #422F, #422M, 及びRF-10)を除いて、図9での結果とほとんど同じである。これらの4つの抗体は、その試験が15kDaグラニュリシンにより実施されたとき、グラニュリシン-誘発溶解に対し非常によい作用を示している。その作用における違いは、N末端セグメントが15kDaグラニュリシン中に存在するが、9kDaグラニュリシン(図1参照)中にはないという事実のためというのがもっとも確からしい。したがって、これらの試験は、これらの4つの抗体のエピトープが9kDaグラニュリシンにはないN末端セグメント内に位置していることを明らかにした。同じように、他の8つの抗体(#4209, #3131, #4256, #4279, #3141, #2292, #4227, 及び#3319)のエピトープ位置は、9kDaグラニュリシンと15kDaグラニュリシンの両方に共通する領域にある。
グラニュリシンの抗菌(溶解)活性に基づく溶解のアッセイからの結果は、上記に記載のケラチノサイト(図5)を用いてアッセイされた結果と一致し、これらの抗体がグラニュリシン溶解活性を中和することができることを確認する。これらの結果は、これらの抗体がSJS、TEN及びGVHDのようなグラニュリシン-媒介疾患を防ぐことにも使用できることを示す。
実施例12 親和性測定及び動態(kinetic)解析
治療剤としての使用に関し、抗体は好ましくは標的分子(例えば、グラニュリシン)に良好な親和性を持つべきである。グラニュリシンと結合する種々の抗体の親和性及び動態は、BIAcore T100についてのSPR-ベースド(SPR-based)アッセイのような適切な機器を用いてアッセイできる。例えば、結合動態が測定され、関連ソフトウェアを用いて、マルチサイクル動態(MCK)方法によって分析された。
実施例として、グラニュリシンは、50〜150応答ユニット(RU)の範囲でRmaxを達成させた密度でCM5チップ上に固定化された。
この実施例では、動態アッセイのパラメータは次のとおりであった:
データ収集率 1Hz; 二重検出モード; 温度:25℃; 濃度単位(concentration unit):nM; 緩衝液 A HBS-EP。測定は5回の反復により実施された。各種装置の設定は、次のとおりである。
分析試料のパラメータは、次のとおりである:
型式:マルチサイクル速度、接触時間:420秒、流量:10μL/min、流路:両方、安定期間:90秒
再生(Regeneration)パラメータは、次のとおりである:
再生溶液:25mMグリシンpH1.5、 接触時間:90秒、 流量:30μL/min、 流路:両方。
起動サイクルパラメータは、次のとおりである:
型式:低試料消費、接触時間:420秒、解離時間:600秒、流量:30μL/min、流路:両方。
試料サイクルパラメータは、次のとおりである:
型式:マルチサイクル速度、接触時間:420秒、解離時間:600秒、流量:30μL/min、流路:両方。
アンチグラニュリシン抗体は、連続的にランニング緩衝液で希釈された。得られた連続的な濃度は、40、20、10、5、2.5、1.25、0.625、0.3125、0及び1.25nM(反復)であった。
その結果がBIAcoreT100評価ソフトウェアにより評価された。結合応答値が、ブランクフローセル(blank flow cell)からの応答値を減算することによって緩衝液効果について補正された。1:1ラングミュア適合モデル(1:1 Langmuir fitting model)を用いて、ka又はkon(会合速度又はオンレート(on-rate))及びkd又はkoff(解離速度又はオフレート(off-rate))を推定した。KD(又はKd)値は、koff及びkon(すなわち、Kd= koff/kon)の比率から決定できる。二者択一的に、解離定数(Kd値)は、Michaelis-Menton式と同様の平衡速度論に基づいて抗体濃度の関数として定常状態結合型(steady-state bound form)濃度(すなわち、図11の曲線の安定部分)から推定することができ、オンレート(kon)は、一次反応速度論を適合することで図11曲線部分から推定できる。(反応が一次であるのは、試薬の1つが一定濃度に保たれるからである。)次に、koffレートはKd及びkonから得ることができる。
図11に示されるように、結合親和性(解離定数Kdとして測定される)は非常に良い。図11に示されるすべての抗体について、Kd値がサブ(sub)nMである(低い10-10Mから10-11M以下まで変動する)。これらのデータは、これらの抗体が有効な治療薬である可能性を示す。
実施例13 エピトープマッピング
グラニュリシンへの抗体の結合に関係する残基を解明するために、エピトープマッピング実験を実施した。特に、アラニンスキャニング方法を用いて、抗体結合にとって臨界的であるグラニュリシンの残基を同定した。これらのグラニュリシン変異体の動態及び親和性は、上記に記載の同じ方法で評価された。アッセイは、種々の抗体(特に中和抗体)と組み合わせた種々の変異体を用いて実施できる。これらの結合試験の結果によって、グラニュリシンの臨界的な残基だけでなくCDRにおける重要な残基を特定することができる。
グラニュリシンは、9kD又は15kDの形態で存在できる。これらの形態についてのDNA及びタンパク質の配列は以下に示される:
配列番号77:(グラニュリシン 9kD)
GRDYRTCLTIVQKLKKMVDKPTQRSVSNAATRVCRTGRSRWRDVCRNF
MR RYQSRVTQGLVAGETAQQICEDLR

配列番号78:(グラニュリシン 9kD)
ggccgtgactacaggacctgtctgacgatagtccaaaaactgaagaagat
ggtggataagcccacccagagaagtgtttccaatgctgcgacccgggtgt
gtaggacggggaggtcacgatggcgcgacgtctgcagaaatttcatgagg
aggtatcagtctagagttacccagggcctcgtggccggagaaactgccca
gcagatctgtgaggacctcagg

配列番号79:(グラニュリシン 15kD)
MATWALLLLAAMLLGNPGLVFSRLSPEYYDLARAHLRDEEKSCPCLAQEG
PQGDLLTKTQELGRDYRTCLTIVQKLKKMVDKPTQRSVSNAATRVCRTGR
SRWRDVCRNFMRRYQSRVTQGLVAGETAQQICEDLRLCIPSTGPL

配列番号80:(グラニュリシン 15kD)
atggctacctgggccctcctgctccttgcagccatgctcctgggcaaccc
aggtctggtcttctctcgtctgagccctgagtactacgacctggcaagag
cccacctgcgtgatgaggagaaatcctgcccgtgcctggcccaggagggc
ccccagggtgacctgttgaccaaaacacaggagctgggccgtgactacag
gacctgtctgacgatagtccaaaaactgaagaagatggtggataagccca
cccagagaagtgtttccaatgctgcgacccgggtgtgtaggacggggagg
tcacgatggcgcgacgtctgcagaaatttcatgaggaggtatcagtctag
agttacccagggcctcgtggccggagaaactgcccagcagatctgtgagg
acctcaggttgtgtataccttctacaggtcccctctga
上述されるように、グラニュリシンは、分子の片側に配置されたアルギニンを持つ5つのらせんバンドルを形成する(図2参照)。図16は、グラニュリシンの結晶構造を示す。この構造から、7つのアルギニン残基(64, 97, 100, 102, 104, 108,及び 113)は、分子の片側に位置することがわかる。これらの正帯電アミノ酸は、おそらくグラニュリシン活性にとって重要である。したがって、変異が、グラニュリシン残基の重要性の評価のためにこれらの位置で行われる。
例えば、図12は、研究のためグラニュリシン変異体を産生する概要を示す。この実施例では、二三の変異体が、例えば、64、102及び113でのアルギニンに代えてアラニンを用いることで生成され、一方、他の変異体がアルギニン97、100、104及び108で置換を有する。これらの2つの実施例に加えて、いくつかの単一変異体及び/又は非アルギニン位置での変異体がまた生成された。さらに、発現されたタンパク質の精製及び検出を容易にするために、1又はそれ以上のタグ配列(例えば、Hisタグ)がタンパク質のN末端又はC末端のどちらかに付着されることがある。
例えば、図12に示されるように、変異体は、本技術分野で公知のいかなる方法を用いても、適切な細胞において例えば、293T細胞にリポフェクタミン2000を用いる一過性のトランスフェクションにより、発現され得る。トランスフェクトした細胞は、適当な期間(例えば、48時間)培養され、変異体のグラニュリシンを生成した。産生された変異体のグラニュリシンは、培養液上清から収集でき、それらのアンチグラニュリシン抗体との結合についてのアッセイに用いることができる。
アンチグラニュリシン抗体の野生型及び変異体のグラニュリシンへの結合アッセイ
結合アッセイは、Dynabeads(登録商標)又はELISAプレートを用いた上記に記載と類似の方法で行われることができる。
実施例として、ELISAプレートを用い、各ウェルは、一晩中4℃で、適切な緩衝液(例えば、50mMリン酸緩衝液、pH 9.6)において適切な濃度(例えば、5μg/ml)でアンチグラニュリシン抗体により被覆される。
抗体被覆プレートには、連続的に希釈された試料(野生型又は変異体のグラニュリシン)200μlがウェル毎に添加された。溶液は、次に、37℃で、2時間インキュベートされた。
非結合タンパク質を除去する洗浄の後、His-タグ(又は、いかなる他のタグ又は融合タンパク質)により産生された結合タンパク質は、適切な希釈(例えば、1 : 2000)でHRP(例えば、シグマ, A7058)と共役したアンチ-His抗体により検出できる。二次抗体は、37℃で2時間(又は、いかなる適当な時間と温度)のインキュベーションにより結合タンパク質に結合させることができた。
インキュベーションの後、過剰な二次抗体を洗い流し、結合二次抗体が100μl TMBを用いて定量化された。酵素反応を、H2SO4 100μlを添加することで停止させることができる。反応生成物がOD 450-655nmにより定量化された。
図13A〜13Oは、種々の抗体と結合する種々のグラニュリシンの変異体についての動態的研究からの典型的な結果を示す。図13A〜13Oに示されるように、ほとんどの抗体は、アルギニン(例えば、RRR64/102/113AAA 及び RRRR97/100/104/108AAAA)の代わりのアラニン置換を含むグラニュリシンの変異体へのすべて又はほとんどの結合を失い、これらの抗体が、ネイティブ(native)なグラニュリシン分子の正帯電面に結合する(又は近くにある)ことを示した。二三の例外が図13I,13J,13M,13N,及び13Oに示される。
図13Iに示されるように、抗体BGF33-19は、野生型グラニュリシンとの結合と比較して、結合曲線の左方シフトによって証明されるように、実際に変異体のグラニュリシンとタイトに結合する。よりタイトな結合がRR64/67AA変異体とRRR64/102/113AAA変異体との両方に観察された。よりタイトな結合は、変異蛋白質における配座変化、好ましい相互作用(アラニンはアルギニンよりも疎水性である)の発生、又は、野生型分子における好ましくない相互作用の喪失(例えば、R64正電荷が抗体結合を阻害することがある)、に起因する。
しかし、RRRRR94/97/100/102/104AAAAA変異体及びRRRR97/100/104/108AAAA変異体について、BGF33-19抗体と変異タンパク質との間の結合は、本質的に消されている。この結果は、図13に示されるように、分子の面における下半分に位置する正電荷が抗原抗体結合に重要であることを示す。
図13Jを参照すると、RRR64/102/113変異体への抗体BGF31-71の結合が強化され、一方、RRRR97/100/104/108AAA変異体への結合が有意に弱くなる。これらの結果は、また、図16に示される面上の下半分における正電荷が抗体結合に重要であり、一方、図16に示される面上の上半分における正電荷が抗体結合を阻害する可能性があることを示唆する。これらの結果は、図13Iに示される抗体BGF33-19で観察されるそれと一致する。
図13Mを参照すると、RRR64/102/113変異体及びRRRR97/100/104/108AAA変異体への抗体GP31-31の結合は変化しない。これらの結果は、この抗体がおそらくグラニュリシン分子における他の表面に結合することを示す。
図13Nを参照すると、RRR64/102/113変異体及びRRRR97/100/104/108AAA変異体への抗体BGF31-41の結合がともに強化される。これらの結果は、この抗体がおそらくグラニュリシン分子における別の部分に結合すること、及び、アルギニン正電荷の除去がより良好な結合を生じさせた(おそらく配座変化のため)ことを示す。
図13Oを参照すると、RRR64/102/113変異体への抗体BGF2A2-92の結合が強化され、一方、RRRR97/100/104/108AAA変異体への結合が完全に消されている。これらの結果は、この抗体がおそらく図16に示された面における下半分に結合し、その領域での正電荷が結合に重要であることを示す。
要するに、図13A〜13Oに示された結果は、多くの抗体がおそらく図16に示された面における下半分に結合すること、及び、この領域での正電荷がこれらの抗体と結合することに寄与することを示す。換言すると、この領域は、おそらくグラニュリシン分子の他の部分よりも抗原性である(又は、より多いエピトープを含む)。
正帯電したアルギニン残基を含むエピトープと結合するために、抗体結合部位(即ち、CDR)はおそらく負帯電した残基を含む。確かに、CDR配列はすべて1つ又はそれ以上の負帯電した残基(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸、図7)を含む。特に、CDRH2及びCDRH3はすべて多数の負帯電した残基を含む。
図13A〜13Oに示されたアッセイがアルギニン残基のアラニンスキャンにより行われる間、グラニュリシンタンパク質における他の位置でアラニンスキャンを行うことができる。図14A〜14Jは、例えば、グラニュリシンにおける各種残留がアラニンにより置換されているいくつかの実施例を示す。これらの変異体グラニュリシンと異なる抗体との間のいろいろな結合曲線が示される。これらの単一のアラニンスキャンを用い、抗体結合に重要である残基を正確に示すことができる。これによって、グラニュリシン蛋白質におけるいかなる特定の抗体のエピトープをもマップ(map)できる。
本発明のほとんどの中和抗体がアルギニンリッチ領域に結合するという事実は、アルギニンがその機能に関与することを示唆する。図15は、グラニュリシン分子(その正帯電側を介して)と負帯電リン脂質層との間の相互作用のモデルを図示する概略図を示す。
アルギニンに加えて、グラニュリシンの「結合面」は、また、抗体結合に関与できる他の残基を含む(図16参照)。そのような残基は、S101、V106、D108及びN109を含むことができる。図17は、いくつかの抗体のためのグラニュリシンにおけるエピトープの二三の実施例を示す。これらの結果から、グラニュリシンにおけるエピトープが残基R64からR113(配列番号81)までの配列に位置すると結論づけることができる。
配列番号81(グラニュリシンエピトープ領域)
RDYRTCLTIVQKLKKMVDKPTQRSVSNAATRVCRTGR
SRWRDVCRNFMRR
図18は、種々の抗体の結果をまとめて示し、9kDa及び15kDaグラニュリシンに対する親和性(解離定数KDとして示される)、グラニュリシンの抗菌活性を中和する能力、及びそれらが変性グラニュリシンに結合するかどうか、を示す。上述のように、これらの配列とその結合定数の分析によって、種々のCDRにおける重要な残基を解明する、即ち、共通配列を推定することができる。
さらに、ネイティブなグラニュリシンと変性グラニュリシンへの結合を比較することによって、抗体が配座エピトープに結合するかどうかを結論づけることができる。例えば、図19は、変性グラニュリシンへの抗体の結合を評価する代表的手順を概説する。簡単に、グラニュリシンは、一過性的に10Hisタグにより発現でき精製を容易にすることができる。その一過性発現は、本分野において公知のいかなる方法にしたがっても実施可能である(例えば、リポフェクトオブミネ2000及び293T細胞を用いる)。適当なインキュベーション期間(例えば、48時間)後、培養液上清は、アッセイのために収集される。発現量は、ELISAを用いるように、いかなる公知の方法を用いても定量することができる。
発現されたグラニュリシンは、変性SDS-ページ(PAGE)上でラン(run)し、次に、試験抗体により調べられる。試験抗体が変性グラニュリシンに結合するかどうかについて二次抗体(レポーター基、例えば、アンチ-ヒト-HRPを含む)を用いて検出することができる。このアッセイに基づいて、変性グラニュリシンに結合する抗体の能力が図18に示される。
図18に示されるように、抗体GP42-10、GP31-52、GP42-58、GP42-27、BGF33-19、BGF31-71、GP42-09、GP31-31、BGF2A2-92、34.22Chi、16.7Chi及び106.17Chi(ヒトIgG1の定常領域とそれぞれ融合したM34.22、M16.7又はM106.17の可変領域のキメラ抗体)は変性グラニュリシンに結合せず、これらの抗体が配座エピトープを認識できることを示唆する。
種々の抗体のヌクレオチド及びアミノ酸配列は、ここに添付される配列リストに示される。
ヒト抗体及びヒト化抗体
本発明のいくつかの実施形態にしたがって、抗体は、すべてヒト抗体(例えば、ヒト免疫グロブリン配列から抗体を産生するように計画されたマウスで産生された抗体)であってよい。ヒトモノクローナル抗体は、マウス遺伝子よりむしろヒト免疫グロブリン遺伝子を保有しているトランスジェニックマウスを用いて生成できる。目的(例えば、グラニュリシン)の抗原で免疫されたこれらのトランスジェニックマウスからの脾細胞が、ヒトタンパク質からのエピトープについて特異的親和性を持つヒトmAbsを分泌するハイブリドーマを産生するのに用いることができる(例えば、Wood et al. WO 91/00906, Kucherlapati et al. WO 91/10741; Lonberg et al. WO92/03918; Kay et al. 92/03917; Lonberg, N, et al. 1994 Nature 368:856-859; Green, L. L. et al. 1994 Nature Genet. 7:13-21; Morrison et al. 1994 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855; Bruggeman et al. 1993 Immunol 7:33-40; Tuaillon et al. 1993 PNAS 90:3720-3724; Bruggeman et al. 1991 Eur J Immunol 21:1323-1326)を参照)。
加えて、抗体はヒト以外の生物、例えば、ラットやマウスで生成でき、次に、例えば、変動フレームワークや定常領域で修飾されて、ヒトにおける抗原性が低下する。これらの抗体は、「ヒト化抗体」と呼ばれる。抗体をヒト化する技術は、本技術分野で公知である(以下参照)。
ヒト化抗体の変形として、キメラ抗体は、公知の組換DNA技術によって産生することができる。例えば、マウス(又は他の種)のモノクローナル抗体分子のFc定常領域をエンコードする遺伝子が制限酵素で消化されて、マウスFcをエンコードする領域を除去し、ヒトFc定常領域をエンコードする遺伝子の同等部分が置換される(Akira, et al., EP Application No. 184,187; Cabilly et al. U.S. Pat. No. 4,816,567; Cabilly et al., Better et al. (1988 Science 240:1041-1043); Liu et al. (1987) PNAS 84:3439-3443; Liu et al., 1987, J. Immunol. 139:3521-3526; Sun et al. (1987) PNAS 84:214-218; Nishimura et al., 1987, Canc. Res. 47:999-1005; Wood et al. et al (1985) Nature 314:446-449; and Shaw et al., 1988, J. Natl Cancer Inst. 80:1553-1559を参照)。
ヒト化又はCDR-移植抗体は、少なくとも1つ又は2つ、しかし一般にすべて、供与体CDRで置換された3つの受容体CDR(重鎖及び/又は軽鎖の)を有するであろう。抗体は、少なくとも非ヒトCDRの部分に置き換えられ、または、いくつかのCDRだけが非ヒトCDRに置き換えられる。ヒト化抗体又はその断片の結合のために要求されるCDRの数を置き換える必要があるだけである。好ましくは、供与体は、げっ歯類抗体、例えば、ラットやマウス抗体であり、受容体は、ヒトフレームワーク又はヒト共通フレームワークである。共通フレームワークは、ヒトフレームワークと同一である約85%又はそれ以上、好ましくは90%、95%、99%又はそれ以上の配列を有する。
ここで用いるように、「共通配列」という用語は、関連する配列のファミリーにおいてもっとも頻繁に生じるアミノ酸(又はヌクレオチド)から形成される配列をいう(例えば、Winnaker, From Genes to clones (Verlagsgesellschaft, Weinheim, Germany 1987、を参照)。タンパク質のファミリーでは、共通配列における各位置は、ファミリーにおけるその位置でもっとも頻繁に生じるアミノ酸よって占有される。2つのアミノ酸が同等に頻繁に生じる場合、いずれか一方が共通配列に含まれ得る。「共通フレームワーク」は、共通免疫グロブリン配列におけるフレームワーク領域をいう。
抗体は、本技術分野で公知の方法によりヒト化することができる。ヒト化抗体は、ヒトのFv可変領域からの同等の配列で結合する抗原に直接的に関与しないFv可変領域の配列を置き換えることによって生成できる。ヒト化抗体を生成する一般的な方法は、Morrison, S. L., 1985, Science 229: 1202-1207; by Oi et al., 1986, BioTechniques 4:214, and by Queen et al. 米国特許5,585,089, 米国特許5,693,761及び米国特許5,693,762によって提供され、それらのすべての内容はここに参考文献として組み込まれる。これらの方法は、重鎖又は軽鎖の少なくとも1つからの免疫グロブリンFv可変領域のすべてまたは部分をエンコードする核酸配列を分離し、操作し、発現することを含む。そのような核酸のソースは、当業者にはよく知られており、例えば、目的のポリペプチド又はその断片に対する抗体を産生するハイブリドーマから得ることができる。ヒト化抗体又はその断片をエンコードする組換DNAは、次に、適切な発現ベクターにクローン化される。
加えて、ヒト化抗体は、特異的なアミノ酸が置換され、削除され、又は追加されており、骨格とともに融合されることがある。好ましいヒト化抗体は、抗原への結合を改善するような、フレームワーク領域にアミノ酸置換を有する。例えば、ヒト化抗体は、供与体フレームワーク残基又は受容体フレームワーク残基以外の別のアミノ酸と同一のフレームワーク残基を有する。そのような抗体を生成するために、選択された小さい数の、ヒト化免疫グロブリン鎖のアクセプターフレームワーク残基が、対応する供与体のアミノ酸によって置き換えられる。置換基の好適な位置は、CDRに隣接するか又はCDRと相互作用ができるアミノ酸残基を含む。供与体からアミノ酸を選択する基準は、米国特許5,585,089に記載され、その内容はここに参考文献として組み込まれる。抗体をヒト化する他の技術は、Padlan et al.欧州公開公報EP519596A1に記載されている。
治療方法
本発明は、また、アンチグラニュリシン抗体を用いたSJS、TEN又はGVHDのような上記の疾患の1つ又はそれ以上を治療する又は予防する方法に関する。本発明の実施形態にしたがって、抗体はモノクローナル抗体である。そのような抗体は、ヒト化抗体又はヒト抗体である。本発明の実施形態にしたがって、そのような治療又は予防を必要としている患者は、有効量の抗体を与えられるであろう。
治療を受ける患者は、そのような疾患のための標準的な診断方法により確認できる。二者択一的に、患者は、グラニュリシンポリペプチドの遺伝子発現又は活性レベルの有無について検査できる。遺伝子発現又は活性レベルが、正常人からの試料よりも患者からの試料において高い場合、患者は、有効量のグラニュリシン阻害剤による治療のための候補者である。
「治療する」とは、上記疾患の1つ又はそれ以上を有する患者への抗体又はその混合物を、その疾患、疾患の症状、疾患の二次的病気状態又は疾患に対する疾病素質を直し、緩和し、和らげ、治癒し、予防し、又は回復させることを目的として、投与することをいう。「予防すること」とは、上記疾患の発生を排除する又は低減することをいう。当業者が理解するように、「予防する」又は「予防」は、そのような疾患の発生の完全(100%)な回避を要求するものではない。むしろ、障害の確率又は程度の低減は有効な予防と考えられるだろう。
「有効量」とは、治療される患者において平均的な望ましい結果を生じることができる量をいう。この治療方法は、単独で又は他の薬物や治療との併用で、実施できる。SJS及びTENのように皮膚疾患の治療については、治療薬が局所に又は内部に(例えば、注射により)与えられることができる。
必要な投薬は、投与ルートの選択、処方の性質、患者の病気の性質、患者のサイズ・重量・表面積・年齢及び性、投与中の他の薬物、及び、担当医の判断、による。適切な投薬量は、0.01〜100mg/kgの範囲内である。これらの投薬レベルの変化は、本分野でよく理解されているように最適化のために標準的かつ経験的な手順を用いて調節できる。適切な配送手段(例えば、高分子微粒子又は埋込み装置)における治療薬のカプセル化は配送効率を高めることができる。
上記の実施例は、本発明の実施形態の種々の態様及び有用性を立証する。本発明は、限られた数の実施形態について説明がされたが、本開示の利益を有する当業者は、ここに開示されたように本発明の範囲から逸脱しない他の実施形態を想到できることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は添付の請求項だけによって限定されるべきである。

Claims (11)

  1. アンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片であって、
    前記抗体はグラニュリシン活性を中和する能力を有する、アンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片。
  2. 前記抗体は、配列番号81の配列を有するグラニュリシンのエピトープ領域に結合する、請求項1に記載のアンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片。
  3. 前記抗体は、配列番号82〜配列番号195の配列から選択された配列を有する、請求項1又は2に記載のアンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片。
  4. 前記抗体は、以下の配列を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片。
    配列番号82〜配列番号87,又は、
    配列番号88〜配列番号93,又は、
    配列番号94〜配列番号99,又は、
    配列番号100〜配列番号105,又は、
    配列番号106〜配列番号111,又は、
    配列番号112〜配列番号117,又は、

    配列番号118〜配列番号123,又は、
    配列番号124〜配列番号129,又は、
    配列番号130〜配列番号135,又は、
    配列番号136〜配列番号141,又は、
    配列番号142〜配列番号147,又は、
    配列番号148〜配列番号153,又は、
    配列番号154〜配列番号159,又は、
    配列番号160〜配列番号165,又は、
    配列番号166〜配列番号171,又は、
    配列番号172〜配列番号177,又は、
    配列番号178〜配列番号183,又は、
    配列番号184〜配列番号189,又は、
    配列番号190〜配列番号:195
  5. 前記抗体は、配列番号39〜配列番号76の配列から選択された配列を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片。
  6. 前記抗体は、以下の配列を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片。
    配列番号39 及び 配列番号40,又は、
    配列番号41 及び 配列番号42,又は、
    配列番号43 及び 配列番号44,又は、
    配列番号45 及び 配列番号46,又は、
    配列番号47 及び 配列番号48,又は、
    配列番号49 及び 配列番号50,又は、
    配列番号51 及び 配列番号52,又は、
    配列番号53 及び 配列番号54,又は、
    配列番号55 及び 配列番号56,又は、
    配列番号57 及び 配列番号58,又は、
    配列番号59 及び 配列番号60,又は、
    配列番号61 及び 配列番号62,又は、
    配列番号63 及び 配列番号64,又は、
    配列番号65 及び 配列番号66,又は、
    配列番号67 及び 配列番号68,又は、
    配列番号69 及び 配列番号70,又は、
    配列番号71 及び 配列番号72,又は、
    配列番号73 及び 配列番号74,又は、
    配列番号75 及び 配列番号76
  7. 前記抗体は、モノクローナル抗体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片。
  8. 前記抗体は、ヒト化抗体又はヒト抗体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアンチグラニュリシン抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の抗体、又は、そのscFv若しくはFab断片を、患者にその必要により投与する、望ましくない免疫応答疾患の治療又は予防の方法。
  10. 前記望ましくない免疫応答疾患はSJS,TEN又はGVHDである請求項9に記載の方法。
  11. 前記望ましくない免疫応答疾患はGVHDである請求項9に記載の方法。
JP2015550860A 2012-12-31 2013-12-31 アンチグラニュリシン抗体及びその使用方法 Pending JP2016503817A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261747800P 2012-12-31 2012-12-31
US61/747,800 2012-12-31
PCT/US2013/078441 WO2014106235A1 (en) 2012-12-31 2013-12-31 Anti-granulysin antibodies and methods of use thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016503817A true JP2016503817A (ja) 2016-02-08

Family

ID=51017440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015550860A Pending JP2016503817A (ja) 2012-12-31 2013-12-31 アンチグラニュリシン抗体及びその使用方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9428575B2 (ja)
EP (1) EP2938632A4 (ja)
JP (1) JP2016503817A (ja)
CN (1) CN105026425A (ja)
AU (1) AU2013370009B2 (ja)
TW (1) TWI551609B (ja)
WO (1) WO2014106235A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9840553B2 (en) 2014-06-28 2017-12-12 Kodiak Sciences Inc. Dual PDGF/VEGF antagonists
JP2017532953A (ja) 2014-09-16 2017-11-09 オバサイエンス・インコーポレイテッド 抗vasa抗体、ならびにその産生法および使用法
AU2015413017B2 (en) * 2015-10-30 2019-09-19 Chang Gung Memorial Hospital, Linkou Method and identification kit for identifying sensitizing drug for drug allergic reaction
TWI606237B (zh) * 2015-10-30 2017-11-21 Chang Gung Memorial Hospital Linkou Methods and identification kits for the identification of sensitized drugs for drug allergy
KR20180104635A (ko) 2015-12-30 2018-09-21 코디악 사이언시스 인코포레이티드 항체 및 이의 접합체
WO2018084836A1 (en) * 2016-11-02 2018-05-11 Development Center For Biotechnology Anti-tmcc3 immunoconjugates and uses thereof
EP3571223B1 (en) 2017-01-18 2024-09-18 Visterra, Inc. Antibody molecule-drug conjugates and uses thereof
EP3634987A4 (en) * 2017-05-30 2021-03-03 The University of British Columbia EPITOPES IN RNA RECOGNITION MOTIVE 1 (RRM1) OF TDP-43 AND MISFOLDING-SELECTIVE ANTIBODIES
AU2019227997A1 (en) 2018-03-02 2020-09-24 Kodiak Sciences Inc. IL-6 antibodies and fusion constructs and conjugates thereof
US20220226464A1 (en) 2019-05-28 2022-07-21 Massachusetts Institute Of Technology Methods and compositions for modulating immune responses
EP4041312A4 (en) 2019-10-10 2023-12-20 Kodiak Sciences Inc. METHOD FOR TREATING AN EYE DISORDER
EP4126064A1 (en) * 2020-04-03 2023-02-08 Visterra, Inc. Antibody molecule-drug conjugates and uses thereof
CN115304670B (zh) * 2021-05-07 2024-07-30 华南农业大学 一种猫冠状病毒核衣壳蛋白的鼠源单克隆抗体及其编码基因和应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003246748A (ja) * 2002-02-22 2003-09-02 Bml Inc 感染症治療剤
US20110014215A1 (en) * 2006-06-23 2011-01-20 Academia Sinica Granulysin and uses thereof

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI333978B (en) * 2006-06-23 2010-12-01 Academia Sinica Granulysin and uses thereof

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003246748A (ja) * 2002-02-22 2003-09-02 Bml Inc 感染症治療剤
US20110014215A1 (en) * 2006-06-23 2011-01-20 Academia Sinica Granulysin and uses thereof

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CHIN.J.CELL MOL.IMMUNOL.,2010,26(6),P.563-5, JPN6016029940 *
EUR.J.IMMUNOL.,2004,34(8),P.2248-56, JPN6016029938 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP2938632A4 (en) 2016-11-30
TWI551609B (zh) 2016-10-01
CN105026425A (zh) 2015-11-04
AU2013370009A1 (en) 2015-07-23
EP2938632A1 (en) 2015-11-04
TW201439116A (zh) 2014-10-16
AU2013370009B2 (en) 2016-11-17
WO2014106235A1 (en) 2014-07-03
US20140186352A1 (en) 2014-07-03
US9428575B2 (en) 2016-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2013370009B2 (en) Anti-granulysin antibodies and methods of use thereof
TWI796328B (zh) B7-h3抗體、其抗原結合片段及其醫藥用途
US20240254215A1 (en) Antibody capable of binding to thymic stromal lymphopoietin and use thereof
TWI840399B (zh) 結合人il-4r的抗體、其抗原結合片段及其醫藥用途
US20200347130A1 (en) CD96 Antibody, Antigen-Binding Fragment and Pharmaceutical use Thereof
US9315566B2 (en) Pathogenic mycobacteria-derived mannose-capped lipoarabinomannan antigen binding proteins
CN110790839A (zh) 抗pd-1抗体、其抗原结合片段及医药用途
JP2018509894A (ja) Pcsk9抗体、及び医薬組成物とその使用
US20230138315A1 (en) Anti-angptl3 antibody and use thereof
EP3981787A1 (en) Anti-connective tissue growth factor antibody and application thereof
AU2007320657B2 (en) Antibody recognizing C-domain of midkine
JP2023545075A (ja) CD1a抗体およびその使用
WO2021238854A1 (zh) 抗SARS-CoV-2刺突蛋白的单克隆抗体及其制备方法和用途
WO2022117079A1 (zh) 结合胸腺基质淋巴细胞生成素的抗体及其应用
RU2819228C2 (ru) Антитело против фактора роста соединительной ткани и его применение
RU2819228C9 (ru) Антитело против фактора роста соединительной ткани и его применение
KR20230145929A (ko) CD1a 항체 및 그의 용도
JP2023153754A (ja) CD1a抗体およびその使用
CN116082513A (zh) 分离的抗原结合蛋白及其用途
JP2021534229A (ja) 特定の腸内細菌の抗体媒介中和による免疫疾患の治療

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160808

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161101

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170303

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20170303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180419