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JP2016502862A - 微細小胞の単離方法 - Google Patents

微細小胞の単離方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、生体試料からの微細小胞の単離及びそれらの微細小胞からの核酸の抽出のための新規の方法を提供する。

Description

発明の分野
本発明は、生体試料からの微細小胞の単離及びそれらの微細小胞からの核酸の抽出のための新規の方法及びキットを提供する。
関連出願
本願は2013年1月3日に提出された米国特許仮出願番号第61/748575号の優先権と利益を主張するものであり、その内容の全体を参照によりここに援用するものである。
細胞が放出し、直径が0.8μm未満である膜小胞は集合的に微細小胞と呼ばれる。様々な細胞源に由来する微細小胞がタンパク質成分及び脂質成分に関して鋭意研究されている。近年、微細小胞がゲノムDNA、cDNA、ミトコンドリアDNA、マイクロRNA(miRNA)、及びメッセンジャーRNA(mRNA)をはじめとするDNAとRNAの両方を含むことも分かった。
細胞が放出する微細小胞中に含まれる遺伝情報及びプロテオミクス情報のため、現在の研究は微細小胞を活用してこれらの細胞の状態、例えば、疾患状態又は疾病素質をさらに理解することに向けられている。よって、健康状態及び疾患の正確な診断のために生体試料から微細小胞を単離する方法及び高品質の核酸を抽出する方法の必要性が存在する。
本発明は、微細小胞を面に捕捉することでそれらの微細小胞を単離し、後にそれらの微細小胞を溶解してそれらの中に含まれる核酸を解離するための方法及びキットを提供する。幾つかの実施形態ではそれらの方法及びキットは微細小胞画分からRNAを単離及び抽出する。これらの方法及びキットは本明細書においてEXO50又はEXO50ベース法及び/又はキットと呼ばれる。幾つかの実施形態ではそれらの方法及びキットは微細小胞画分からDNAを単離及び抽出する。その後、さらなる分析のためにそのRNAを処理することができる。これらの方法及びキットは本明細書においてEX052又はEX052ベース法及び/又はキットと呼ばれ、本明細書においてEX052.2と呼ばれるEX052法及び/又はキットの派生物を含み得る。その後、さらなる分析のためにそのDNAを処理することができる。
本発明は、微細小胞を面に捕捉することでそれらの微細小胞を単離し、後にその捕捉面からそれらの微細小胞を溶出するための方法及びキットも提供する。これらの方法及びキットは本明細書においてEX051と呼ばれる。その後、さらなる分析のためにそれらの微細小胞を処理することができる。
生体試料の微細小胞画分を単離し、生体試料のその微細小胞画分から核酸を抽出するために使用される従来の方法は、超遠心分離、例えば、10,000×g未満で1〜3時間の回転とその後の上清の除去、ペレットの洗浄、ペレットの溶解、及びカラム上での核酸、例えば、RNAの精製の使用に依存する。これらの従来の方法は、遅い、長々しい、バッチごとに変わりやすい、規模拡大に適していないといった幾つかの欠点を示した。単離及び抽出のための本方法及びキットはこれらの欠点を克服し、且つ、速く、強固であり、大容量に容易に規模拡大可能な単離及び抽出のための回転ベースのカラムを提供する。
本方法及びキットは次の普遍的手法を用いて生体試料からRNAを単離及び抽出し、その手法は本明細書において「EXO50」と呼ばれる。まず、微細小胞画分を膜フィルターに結合し、そしてそのフィルターを洗浄する。その後、試薬を使用して膜上溶解とRNAの解離を実施する。その後、PLGチューブを使用してクロロホルム抽出を実施し、続いてエタノール調整を実施する。その後、RNAをシリカカラムに結合し、洗浄し、その後に溶出する。その後、さらなる分析のためにそのRNAを処理することができる。
EXO50法及びキットにおいて使用される膜は大孔径の孔を有し、全体として正に帯電している。幾つかの実施形態では1枚より多い膜がEXO50法及びキットにおいて使用され、例えば、2枚以上の膜が使用される。幾つかの実施形態では3枚の膜が使用される。幾つかの実施形態では3枚より多い膜が使用される。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる種類の膜である。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ種類の膜である。幾つかの実施形態では複数の層の膜が少なくとも2つの異なる種類の膜の組合せ物である。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる材料から構成される。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ材料から構成される。幾つかの実施形態では各層の膜が帯電している。幾つかの実施形態では少なくとも1層が帯電していない。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ電荷を有する。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ電荷を有する。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる電荷を有する。
幾つかの実施形態では前記の膜又は少なくとも1層の膜が正に帯電している膜である。幾つかの実施形態では前記捕捉面又は少なくとも1層は再生セルロース強塩基陰イオン交換(「RC/SBAE」)膜であり、その膜は正に帯電している膜であり、且つ、第四級アミンを有する陰イオン交換体である。例えば、そのRC/SBAE膜は第四級アンモニウムR−CH2−N+(CH33で官能化されている。幾つかの実施形態ではその膜は少なくとも3umの孔径を有する。
EXO50法及びキットにおいて使用される膜の数は一度に分析することができる試料の総体積と相関する。本方法及びキットにおいて使用される層の数及び各層の能力、例えば、結合能、通過画分率、又は他の測定項目は使用することができる試料サイズの総体積に影響する。一つの層又は各層が高い結合能を有するほど本方法及び/又はキットにおいて多くの層を使用することができ、一つの層又は各層が低い結合能を有するほど本方法及び/又はキットにおいて少ない層を使用することができる。さらに、試料の粘度と組成も使用することができる試料サイズの総体積に影響する。例えば、試料が血漿である幾つかの実施形態ではEXO50法及びキットにおいて使用される膜の各層につき約1mlの試料が処理される。
幾つかの実施形態では膜上溶解に使用される薬剤はQIAzolである。幾つかの実施形態ではそのQIAzolは約700ulの体積で使用される。
本方法及びキットは次の普遍的手法を用いて生体試料からDNAを単離及び抽出し、その手法は本明細書において「EX052」と呼ばれる。まず、微細小胞画分を膜フィルターに結合し、そしてそのフィルターを洗浄する。その後、試薬を使用して膜上溶解と核酸、例えば、RNAの解離を実施する。その後、エタノール沈殿を実施し、続いて溶解とプロテアーゼ消化を実施する。その後、DNAをシリカカラムに結合し、洗浄し、その後に溶出する。その後、さらなる分析のためにそのDNAを処理することができる。
EX052法及びキットにおいて使用される膜は大孔径の孔を有し、全体として正に帯電している。幾つかの実施形態では1枚より多い膜がEX052法及びキットにおいて使用され、例えば、2枚以上の膜が使用される。幾つかの実施形態では3枚の膜が使用される。幾つかの実施形態では3枚より多い膜が使用される。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる種類の膜である。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ種類の膜である。幾つかの実施形態では複数の層の膜が少なくとも2つの異なる種類の膜の組合せである。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる材料から構成される。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ材料から構成される。幾つかの実施形態では各層の膜が帯電している。幾つかの実施形態では少なくとも1層が帯電していない。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ電荷を有する。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ電荷を有する。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる電荷を有する。
幾つかの実施形態では前記の膜又は少なくとも1層の膜が正に帯電している膜である。幾つかの実施形態では前記捕捉面又は少なくとも1層は再生セルロース強塩基陰イオン交換(「RC/SBAE」)膜であり、その膜は正に帯電している膜であり、且つ、第四級アミンを有する陰イオン交換体である。例えば、そのRC/SBAE膜は第四級アンモニウムR−CH2−N+(CH33で官能化されている。幾つかの実施形態ではその膜は少なくとも3umの孔径を有する。
EX052法及びキットにおいて使用される膜の数は一度に分析することができる試料の総体積と相関する。本方法及びキットにおいて使用される層の数及び各層の能力、例えば、結合能、通過画分率、又は他の測定項目は使用することができる試料サイズの総体積に影響する。一つの層又は各層が高い結合能を有するほど本方法及び/又はキットにおいて多くの層を使用することができ、一つの層又は各層が低い結合能を有するほど本方法及び/又はキットにおいて少ない層を使用することができる。さらに、試料の粘度と組成も使用することができる試料サイズの総体積に影響する。例えば、試料が血漿である幾つかの実施形態ではEX052法及びキットにおいて使用される膜の各層につき約1mlの試料が処理される。
幾つかの実施形態では膜上溶解に使用される薬剤はQIAzolである。幾つかの実施形態ではそのQIAzolは約700ulの体積で使用される。
EX051法及びキットにおいて使用される膜は大孔径の孔を有し、全体として正に帯電している。幾つかの実施形態では1枚より多い膜がEX051法及びキットにおいて使用され、例えば、2枚以上の膜が使用される。幾つかの実施形態では3枚の膜が使用される。幾つかの実施形態では3枚より多い膜が使用される。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる種類の膜である。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ種類の膜である。幾つかの実施形態では複数の層の膜が少なくとも2つの異なる種類の膜の組合せである。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる材料から構成される。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ材料から構成される。幾つかの実施形態では各層の膜が帯電している。幾つかの実施形態では少なくとも1層が帯電していない。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ電荷を有する。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ電荷を有する。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる電荷を有する。
幾つかの実施形態では前記の膜又は少なくとも1層の膜が正に帯電している膜である。幾つかの実施形態では前記捕捉面又は少なくとも1層は再生セルロース強塩基陰イオン交換(「RC/SBAE」)膜であり、その膜は正に帯電している膜であり、且つ、第四級アミンを有する陰イオン交換体である。例えば、そのRC/SBAE膜は第四級アンモニウムR−CH2−N+(CH33で官能化されている。幾つかの実施形態ではその膜は少なくとも3umの孔径を有する。
EX051法及びキットにおいて使用される膜の数は一度に分析することができる試料の総体積と相関する。本方法及びキットにおいて使用される層の数及び各層の能力、例えば、結合能、通過画分率、又は他の測定項目は使用することができる試料サイズの総体積に影響する。一つの層又は各層が高い結合能を有するほど本方法及び/又はキットにおいて多くの層を使用することができ、一つの層又は各層が低い結合能を有するほど本方法及び/又はキットにおいて少ない層を使用することができる。さらに、試料の粘度と組成も使用することができる試料サイズの総体積に影響する。例えば、試料が血漿である幾つかの実施形態ではEX051法及びキットにおいて使用される膜の各層につき約1mlの試料が処理される。
幾つかの実施形態では膜上溶解に使用される薬剤はQIAzolである。幾つかの実施形態ではそのQIAzolは約700ulの体積で使用される。
これらの方法及び/又はキットのいずれかにおける微細小胞画分の精製は、イオン交換技術を用いて実施される。幾つかの実施形態ではそのイオン交換技術は本明細書において提供される実施例に示されている技術から選択されるものである。
1つの態様では、生体試料から核酸を抽出するための方法は(a)生体試料を提供すること、(b)捕捉面と前記生体試料を前記捕捉面上又は前記捕捉面中での微細小胞画分の保持に充分な条件下で接触させること、(c)前記微細小胞が前記捕捉面上又は前記捕捉面中にある間に前記微細小胞画分を溶解すること、及び(d)前記微細小胞画分から前記核酸を抽出することを含む。あるいは、生体試料から核酸を抽出するための方法はステップ(b)の後に前記捕捉面から前記微細小胞画分を溶出すること、前記溶出微細小胞画分を収集すること、及び前記溶出微細小胞画分から前記核酸を抽出することをさらに含む。任意により回転濃縮器で前記溶出微細小胞画分を濃縮して濃縮微細小胞画分を獲得することができ、その後に前記濃縮微細小胞画分から前記核酸を抽出する。
1つの実施形態では前記捕捉面は正に帯電している。別の実施形態では前記捕捉面は負に帯電している。さらに別の実施形態では前記捕捉面は中性である。幾つかの実施形態では前記捕捉面は1層より多い層を含む。幾つかの実施形態では1枚より多い膜がEX051法及びキットにおいて使用され、例えば、2枚以上の膜が使用される。幾つかの実施形態では3枚の膜が使用される。幾つかの実施形態では3枚より多い膜が使用される。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる種類の膜である。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ種類の膜である。幾つかの実施形態では複数の層の膜が少なくとも2つの異なる種類の膜の組合せである。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる材料から構成される。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ材料から構成される。幾つかの実施形態では各層の膜が帯電している。幾つかの実施形態では少なくとも1層が帯電していない。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ電荷を有する。幾つかの実施形態では各層の膜が同じ電荷を有する。幾つかの実施形態では各層の膜が異なる電荷を有する。
1つの実施形態では前記捕捉面はビーズである。例えば、そのビーズは磁気を有する。あるいは、そのビーズは磁気を有しない。さらに別の実施形態ではそのビーズは親和性リガンドで官能化される。
前記捕捉面が膜であることが好ましい。1つの態様ではその膜は再生セルロースを含む。例えば、その膜は3〜5umの範囲の孔径を有する。別の態様ではその膜はポリエーテルスルホン(PES)を含む。例えば、その膜は20nm〜0.8umの範囲の孔径を有する。別の態様ではその膜は正に帯電している。
幾つかの態様では前記膜は官能化されている。例えば、前記膜は第四級アンモニウムR−CH2−N+(CH33で官能化されている。
1つの実施形態では前記捕捉面は互いに直接的に隣接する3枚の膜を備える。
前記生体試料が血漿、血清、尿、脳脊髄液又は細胞培養上清であることが好ましい。
幾つかの態様では本明細書に記載される方法及び/又はキットは前記生体試料を負荷緩衝液と接触させることをさらに含む。その負荷緩衝液はpH4〜8の範囲にある。1つの態様ではその負荷緩衝液は中性のpHを有する。
本明細書に記載される方法及び/又はキットは微細小胞からの核酸の抽出をもたらす。抽出される核酸がRNAであることが好ましい。抽出されたRNAはメッセンジャーRNA、リボソーマルRNA、トランスファーRNA、小RNA、例えば、マイクロRNA、非コードRNA、及び他のあらゆる短鎖RNA、及び/又はRNA断片、又はそれらのあらゆる組合せを含み得る。
幾つかの実施形態では本方法及び/又はキットは生体試料から種々の核酸を除去するために使用される。例えば、EXO50及び/又はキットは、非限定的な例として通過画分から相反性RNAを単離するための生体試料からの小胞結合RNAの除去を含む、生体試料からの種々のRNAの除去のために使用される。
次に本発明の様々な態様及び実施形態を詳細に説明する。本発明の範囲から逸脱することなくそれらの詳細の改変を行うことができることが理解される。さらに、別途文脈から必要とされない限り、単数形の用語は複数形のものを含み、複数形の用語は単数形のものを含むものとする。
確認される全ての特許、特許出願、及び特許出願公開は、例えば、そのような刊行物中に記載される方法であって、本発明との関係で使用される可能性がある方法の説明及び開示を目的として、参照により本明細書おいて明示的に援用される。これらの刊行物はそれらの刊行物の開示のためにだけ本願の出願日より前に提供される。この点に関して何事も、本発明者が先行発明によって、又は他のいかなる理由によってもそのような開示に先行するという資格がないことを認めたと解釈されるべきではない。これらの文書の日付に関する全ての声明又は内容に関する全ての説明は本出願者に利用可能な情報に基づいており、これらの文書の日付又は内容の正確性に関するどのような承認も構成するものではない。
吸引フォーマットの0.65um正帯電Q PESフィルター(ミリポア)を使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図1Aは、超遠心分離と0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン(PES)吸引濾過(フィルター及び濾過液)により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットを示す。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 吸引フォーマットの0.65um正帯電Q PESフィルター(ミリポア)を使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図1Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。相対量の値が平均値±SDとして表示されている。 吸引フォーマットの0.65um正帯電Q PESフィルター(ミリポア)を使用していかにBRAF V600E突然変異を2mLの血漿と12mLの血漿の中に検出することができるかを示す一連のグラフである。超遠心分離と0.65um正帯電Q PES吸引濾過(フィルター、濾過液、及び洗浄液)により抽出された2mLと12mLの血漿から定量的RT−PCRを用いてBRAF V600Eのコピー数を評価した。 吸引フォーマットの0.65um正帯電Q PESフィルター(ミリポア)を使用していかにBRAF V600E突然変異を2mLの血漿と12mLの血漿の中に検出することができるかを示す一連のグラフである。超遠心分離と0.65um正帯電Q PES吸引濾過(フィルター、濾過液、及び洗浄液)により抽出された2mLと12mLの血漿から定量的RT−PCRを用いてBRAF V600Eのコピー数を評価した。 吸引フォーマットの0.65um正帯電Q PESフィルター(ミリポア)を使用していかにBRAF V600E突然変異を2mLの血漿と12mLの血漿の中に検出することができるかを示す一連のグラフである。超遠心分離と0.65um正帯電Q PES吸引濾過(フィルター、濾過液、及び洗浄液)により抽出された2mLと12mLの血漿から定量的RT−PCRを用いてBRAF V600Eのコピー数を評価した。 スピンカラムフォーマットの3〜5um正帯電Q再生セルロースフィルター(ザルトリウス)を使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図3Aは、超遠心分離と3〜5um正帯電Q再生セルローススピンカラム濾過(フィルター、濾過液、及び洗浄液)により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットを示す。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。図3Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。相対量の値が平均値±SDとして表示されている。 スピンカラムフォーマットの3〜5um正帯電Q再生セルロースフィルター(ザルトリウス)を使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図3Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。相対量の値が平均値±SDとして表示されている。 自家製スピンカラムフォーマットの0.8um負帯電S PESフィルター(Pall)を使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図4Aは、超遠心分離と0.8um負帯電S PESスピンカラム濾過により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 自家製スピンカラムフォーマットの0.8um負帯電S PESフィルター(Pall)を使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図4Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。相対量の値が平均値±SDとして表示されている。 自家製スピンカラムフォーマットの0.8um正帯電Q PESフィルター(Pall)を使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図5Aは、超遠心分離と0.8um正帯電Q PESスピンカラム濾過により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒でのピークが18Sである。 自家製スピンカラムフォーマットの0.8um正帯電Q PESフィルター(Pall)を使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図5Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。相対量の値が平均値±SDとして表示されている。 0.8um正帯電Q PESシリンジフィルター(Pall)を使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示すグラフである。0.8um負帯電S PESシリンジフィルター(Pall)を使用して血漿微細小胞性RNAを単離することができる。超遠心分離、0.8um正帯電Q PESシリンジ濾過(フィルター及び濾過液)及び0.8um負帯電S PESシリンジ濾過(フィルター及び濾過液)により抽出された4mLの血漿から定量的RT−PCRを用いてmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを分析した。相対量の値が平均値±SDとして表示されている。 帯電ナイロンシリンジフィルターを使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図7Aは、超遠心分離と負帯電ナイロンシリンジ濾過(フィルター及び濾過液)により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 帯電ナイロンシリンジフィルターを使用していかに血漿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図7Bは同じ試料に対して定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 吸引フォーマットの0.65um正帯電Q PESフィルター(ミリポア)を使用していかに尿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図8Aは、超遠心分離と0.65um正帯電Q PES吸引濾過(フィルター及び濾過液)により10mLの正常対照の尿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと3900ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 吸引フォーマットの0.65um正帯電Q PESフィルター(ミリポア)を使用していかに尿微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図8Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。相対量の値が平均値±SDとして表示されている。 スピンカラムフォーマットの負帯電S再生セルロースフィルター(サーモ・サイエンティフィック)を使用して抽出された試料血漿試料においていかにqRT−PCRが阻害されるかを示すグラフである。超遠心分離、3〜5um正帯電Q再生セルローススピンカラム濾過及び3〜5um負帯電S再生セルローススピンカラム濾過を用いて抽出された4mLの血漿試料に対して定量的RT−PCRを用いてGAPDHのレベルを分析した。cDNA合成の前に全てのRNA試料を1:10及び1:100に希釈した。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 酸性pH中で微細小胞がいかに安定であるかを示す一連のグラフである。図10Aは、遠心分離により1.9mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約4000ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 酸性pH中で微細小胞がいかに安定であるかを示す一連のグラフである。図10Bは同じ試料に対して定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 塩基性pH中で微細小胞がいかに安定ではないかを示す一連のグラフである。図11Aは、遠心分離により1.9mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。そのピークは約150ntで示されるはずであった。しかしながら、技術的な間違いのためにそのピークは約0ntで示されている。加えて、技術的な間違いのために約1500ntと約3700ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。その代わりに18Sと28Sのピークはそれぞれ約1900ntと約4700ntで示されるはずであった。 塩基性pH中で微細小胞がいかに安定ではないかを示す一連のグラフである。図11Bは同じ試料に対して定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び/又は微細小胞の安定性がいかに緩衝液のpH及び/又は緩衝液の濃度及び/又は緩衝液の種類によって影響を受けるかを示す(同じ濃度であるが、同じ官能基濃度ではない緩衝液を比較する)一連のグラフである。図12Aは、超遠心分離と正帯電Q再生セルロース遠心濾過(フィルター及び濾過液)により4.8mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。次の緩衝液セットを使用して濾過試料を単離した:・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのトリス、150mMのNaCl、pH8(2×負荷緩衝液)と50mMのトリス、150mMのNaCl、pH8(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのジエタノールアミン、150mMのNaCl、pH9(2×負荷緩衝液)と50mMのジエタノールアミン、150mMのNaCl、pH9(平衡化及び洗浄緩衝液)。図12Aでは凡例が平衡化及び洗浄緩衝液だけによって試料を特定している。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 図12Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び/又は微細小胞の安定性がいかに緩衝液のpH及び/又は緩衝液の濃度及び/又は緩衝液の種類によって影響を受けるかを示す(同じ濃度であるが、同じ官能基濃度ではない緩衝液を比較する)一連のグラフである。図13Aは、超遠心分離と正帯電Q再生セルロース遠心濾過により3.8mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。次の緩衝液セットを使用して濾過試料を単離した:・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのトリエタノールアミン(TEA)、150mMのNaCl、pH6.5(2×負荷緩衝液)と50mMのトリエタノールアミン、150mMのNaCl、pH7.0(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7.4(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのトリス、150mMのNaCl、pH7.4(2×負荷緩衝液)と50mMのトリス、150mMのNaCl、pH7.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH8(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのトリス、150mMのNaCl、pH8(2×負荷緩衝液)と50mMのトリス、150mMのNaCl、pH8(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのトリス、150mMのNaCl、pH8.5(2×負荷緩衝液)と50mMのトリス、150mMのNaCl、pH8.5(平衡化及び洗浄緩衝液)。図13Aでは凡例が平衡化及び洗浄緩衝液だけによって試料を特定している。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。 図13Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び/又は微細小胞の安定性がいかに緩衝液のpH及び緩衝液の濃度によって影響を受けるかを示す(同じ官能基濃度であるが、同じ全体の濃度ではない緩衝液を比較する)一連のグラフである。図14Aは、超遠心分離と正帯電Q再生セルロース遠心濾過により3.8mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。次の緩衝液セットを使用して濾過試料を単離した:・117mMのビストリス、150mMのNaCl、pH1.9(2×負荷緩衝液)と58.5mMのビストリス、150mMのNaCl、pH6(平衡化及び洗浄緩衝液);・117mMのビストリス、150mMのNaCl、pH6.1(2×負荷緩衝液)と58.5mMのビストリス、150mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7(平衡化及び洗浄緩衝液)・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7.4(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・200mMのトリス、150mMのNaCl、pH7.5(2×負荷緩衝液)と100mMのトリス、150mMのNaCl、pH7.5(平衡化及び洗浄緩衝液)。図14Aでは凡例が平衡化及び洗浄緩衝液だけによって試料を特定している。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 図14Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び微細小胞の安定性がいかに緩衝液の濃度によって影響を受けるかを示す一連のグラフである。図15Aは、超遠心分離と正帯電Q再生セルロース遠心濾過により3.8mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。次の緩衝液セットを使用して濾過試料を単離した:・100mMのビストリスプロパン、0.15mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.15mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・500mMのビストリスプロパン、900mMのNaCl、pH6.4(2×負荷緩衝液)と250mMのビストリスプロパン、450mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)。図15Aでは凡例が平衡化及び洗浄緩衝液だけによって試料を特定している。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 図15Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 いかに微細小胞が安定であり、総RNA収量が低濃度から高濃度の塩によって影響を受けないかを示す一連のグラフである。図16Aは、遠心分離により1.9mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。次のNaCl濃度:0.15MのNaCl、0.3MのNaCl、0.6MのNaCl、1.2MのNaCl及び2.4MのNaClを有する50mMのビストリスプロパン、pH6.5の緩衝液に微細小胞ペレットを再懸濁し、溶解前に20分間保温した。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約3900ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 いかに微細小胞が安定であり、総RNA収量が低濃度から高濃度の塩によって影響を受けないかを示す一連のグラフである。図16Bは同じ試料に対して定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び微細小胞の安定性がいかに負荷緩衝液の塩濃度によって影響を受けないかを示す一連のグラフである。図17Aは、超遠心分離と正帯電Q再生セルロース遠心濾過(フィルター及び濾過液)により3.8mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。次の緩衝液セットを使用して濾過試料を単離した:・100mMのビストリスプロパン、0.15MのNaCl、pH6.0(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.15MのNaCl、pH6.5(平衡化緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、1.05MのNaCl、pH6.0(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.6MのNaCl、pH6.5(平衡化緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、2.25MのNaCl、pH6.0(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、1.2MのNaCl、pH6.5(平衡化緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、4.65MのNaCl、pH6.0(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、2.4MのNaCl、pH6.5(平衡化緩衝液)。溶出前に濾過試料を洗浄しなかった。図17Aでは凡例が平衡化緩衝液だけによって試料を特定している。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。図17Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び微細小胞の安定性がいかに負荷緩衝液の塩濃度によって影響を受けないかを示す一連のグラフである。図17Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び微細小胞の安定性がいかに負荷緩衝液又は洗浄緩衝液の塩濃度によって影響を受けないかを示す一連のグラフである。図18Aは、超遠心分離と正帯電Q再生セルロース遠心濾過により3.8mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。次の緩衝液セットを使用して濾過試料を単離した:・100mMのビストリスプロパン、0.15mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.15mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、1.05MのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.6MのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、2.25MのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、1.2MのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液);・100mMのビストリスプロパン、4.65MのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、2.4MのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)。図18Aでは凡例が平衡化及び洗浄緩衝液だけのNaCl濃度によって試料を特定している。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約42秒と約50秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び微細小胞の安定性がいかに負荷緩衝液又は洗浄緩衝液の塩濃度によって影響を受けないかを示す一連のグラフである。図18Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 RNA溶解緩衝液がいかに帯電フィルターを使用して単離された微細小胞からのRNA収量に影響するかを示すグラフである。超遠心分離と正帯電Q PES吸引濾過により抽出された4mLの血漿から定量的RT−PCRを用いてmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを分析した。Qiazol又はPromega溶解緩衝液を使用して濾過試料を単離した。相対量の値が平均値±SDとして表示されている。 帯電フィルター上で微細小胞を単離するときに2つ目の体積のQiazolがいかにRNA収量をあまり改善しないかを示す一連のグラフである。図20Aは、超遠心分離と正帯電Q PES吸引濾過により2mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。2倍の体積のQiazol溶解緩衝液を使用してフィルター試料を単離した。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。2つ目のQiazol溶出試料に関して技術的困難が存在した。内部標準は代わりに約18秒に存在し、小RNAのピークは25秒に存在する。 帯電フィルター上で微細小胞を単離するときに2つ目の体積のQiazolがいかにRNA収量をあまり改善しないかを示す一連のグラフである。図20Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 帯電フィルター上で微細小胞を単離するときに2つ目の体積のQiazolがいかにRNA収量をあまり改善しないかを示す一連のグラフである。図21Aは、超遠心分離と正帯電Q再生セルロース遠心濾過により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。2倍の体積のQiazol溶解緩衝液を使用して濾過試料を単離した。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約3900ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 帯電フィルター上で微細小胞を単離するときに2つ目の体積のQiazolがいかにRNA収量をあまり改善しないかを示す一連のグラフである。図21Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 20nm PES中性シリンジフィルターを使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図22Aは、超遠心分離と20nm中性PESシリンジ濾過により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約3900ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 20nm PES中性シリンジフィルターを使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図22Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルを示している。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 20nm PES中性シリンジフィルターを使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図23Aは、超遠心分離と20nm中性PESシリンジ濾過により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 20nm PES中性シリンジフィルターを使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図23Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルを示している。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 20nm PES中性シリンジフィルター(Tisch)を使用していかに微細小胞性miRNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図24Aは、超遠心分離と20nm中性PESシリンジ濾過により2mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約3900ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 20nm PES中性シリンジフィルター(Tisch)を使用していかに微細小胞性miRNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図24Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析された成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 微細小胞の捕捉がいかにRNA依存的であるかを示す一連のグラフである。幾つかのRNAは他のものと比べてより効率的にフィルターに捕捉される(GAPDH対miR−451)。このことは、RNAがタンパク質及び/又は微細小胞によって保護されているかどうかと微細小胞のサイズに依存し得る。図25Aは、中性PESシリンジ濾過(フィルター及び濾過液)により2mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約3900ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 微細小胞の捕捉がいかにRNA依存的であるかを示す一連のグラフである。幾つかのRNAは他のものと比べてより効率的にフィルターに捕捉される(GAPDH対miR−451)。このことは、RNAがタンパク質及び/又は微細小胞によって保護されているかどうかと微細小胞のサイズに依存し得る。図25Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 30nmと50nmのPES中性シリンジフィルターを使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図26Aは、超遠心分離と30nm(5um又は0.05umのグラスファイバー(GF)プレフィルター)と50nm(5umのGFプレフィルター)の中性PESシリンジ濾過(フィルター及び濾過液)により2mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 30nmと50nmのPES中性シリンジフィルターを使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図26Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 スピンカラムフォーマットの0.2um PES中性フィルター(Pall)を使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図27Aは、超遠心分離と中性0.2um PES遠心濾過(フィルター及び濾過液)により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約4200ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 スピンカラムフォーマットの0.2um PES中性フィルター(Pall)を使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図27Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 0.8um PES中性シリンジフィルターを使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図28Aは、超遠心分離と中性0.8um PESシリンジ濾過(フィルター及び濾過液)により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 0.8um PES中性シリンジフィルターを使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図28Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 スピンカラムフォーマットの0.8um PES中性フィルター(Pall)を使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図29Aは、超遠心分離と中性0.8um PES遠心濾過(フィルター及び濾過液)により4mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。全試料体積の半分だけから0.8um濾過液試料を単離した。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約4200ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 スピンカラムフォーマットの0.8um PES中性フィルター(Pall)を使用していかに微細小胞性RNAを単離することができるかを示す一連のグラフである。図29Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。「0.8umフィルター」試料及び「超遠心分離」試料のCt値が調節されて部分的な単離だけを説明している。 中性PESフィルター上で微細小胞を単離するときに溶解緩衝液の種類がいかに微細小胞性RNAの収量に影響するかを示すグラフである。図30は、中性PESシリンジ濾過により6mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。Qiazol(Qiagen)、RLT(Qiagen)、又はmiCURY(Exiqon)を使用して濾過試料を溶解した。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 中性PESフィルター上で微細小胞を単離するときに溶解緩衝液の種類がいかに微細小胞性RNAの収量に影響するかを示すグラフである。図30は、中性PESシリンジ濾過により6mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。Qiazol(Qiagen)、RLT(Qiagen)、又はmiCURY(Exiqon)を使用して濾過試料を溶解した。相対的蛍光単位(FU)が時間(秒)に対してプロットされている。25秒でのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約41秒と約47秒でのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 Qiazolを使用する追加の溶出がいかに20nm PES中性シリンジフィルター上での微細小胞性RNAの単離においてRNA収量をあまり改善しないかを示す一連のグラフである。図31Aは、中性PESシリンジ濾過により6mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。2倍の体積のQiazolを使用して濾過試料を溶解した。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約4200ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 Qiazolを使用する追加の溶出がいかに20nm PES中性シリンジフィルター上での微細小胞性RNAの単離においてRNA収量をあまり改善しないかを示す一連のグラフである。図31Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルを示している。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 中性フィルター上で微細小胞を単離するときに洗浄ステップがいかに微細小胞の安定性及び/又は微細小胞性RNAの収量に影響するかを示す一連のグラフである。図32Aは、中性PESシリンジ濾過により6mLの正常対照の血漿から抽出された微細小胞性総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。濾過試料を0mL、20mL、又は50mLの10mMのリン酸ナトリウム、2mMのリン酸カリウム、2.7mMのKCl、137mMのNaCl、pH7.4の緩衝液で洗浄した。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約4200ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 中性フィルター上で微細小胞を単離するときに洗浄ステップがいかに微細小胞の安定性及び/又は微細小胞性RNAの収量に影響するかを示す一連のグラフである。図32Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 いかにRNAがシリンジフォーマットの20nm PESフィルターに詰まり、容易に溶離できないかを示す一連のグラフである。大きなRNA(例えば、GAPDH)ほど小さなRNA(let−7a)よりも溶離しにくい。図33Aは、Qiazol中での再懸濁とその後のRNA単離により、又は20nm中性PESシリンジ濾過後のQiazol中での溶出とその後のRNA単離により単離された10ngの対照総RNAの品質、濃度、及びサイズ分布を比較するバイオアナライザープロットである。相対的蛍光単位(FU)がサイズ(nt)に対してプロットされている。25ntでのピークが内部標準である。最も高いピークが小RNAである。約1900ntと約3900ntでのピークがそれぞれ18Sと28Sである。 いかにRNAがシリンジフォーマットの20nm PESフィルターに詰まり、容易に溶離できないかを示す一連のグラフである。大きなRNA(例えば、GAPDH)ほど小さなRNA(let−7a)よりも溶離しにくい。図33Bは同じ試料から定量的RT−PCRを用いて分析されたmRNAのレベルと成熟miRNAのレベルを示す。サイクル閾値(Ct)が平均値±SDとして表示されている。 ビーズを使用する微細小胞単離とRNA抽出の概略的フローチャートの図式表現である。 様々な種類の磁気ビーズを使用する微細小胞の単離を示すグラフである。 様々な種類の磁気ビーズを使用する微細小胞の回収を示すグラフである。 磁気ビーズを使用する微細小胞単離とRNA抽出のフローチャートの図式表現である。 選択されたmRNA標的についてRT−qPCR(閾値=0.1)を用いて試験されたTEA処理エポキシビーズとイミダゾール処理エポキシビーズによる微細小胞単離を示すグラフである。 TEA処理エポキシビーズとイミダゾール処理エポキシビーズを使用して単離された微細小胞からの選択されたmRNA標的の回収率を示すグラフである。 選択されたマイクロRNA標的についてRT−qPCR(閾値=0.1)を用いて試験されたTEA処理エポキシビーズとイミダゾール処理エポキシビーズによる微細小胞単離を示すグラフである。 TEA処理エポキシビーズとイミダゾール処理エポキシビーズを使用して単離された微細小胞からの選択されたマイクロRNA標的の回収率を示すグラフである。 選択されたmRNAについてRT−qPCR(閾値=0.1)を用いて試験された非磁気ビーズによる微細小胞単離を示すグラフである。X:陽イオン性、R:陰イオン性。 非磁気陽イオン/陰イオン交換樹脂を使用して単離された微細小胞からの選択されたmRNA標的の回収率を示すグラフである。 マイクロRNAについてRT−qPCR(閾値=0.1)を用いて試験された非磁気ビーズによる微細小胞単離を示すグラフである。X:陽イオン性、R:陰イオン性。 マイクロRNA陽イオン/陰イオン交換樹脂に対する回収分析を示すグラフである。 選択されたmRNAについてRT−qPCR(閾値=0.1)を用いて試験された対照ビーズによる微細小胞単離を示すグラフである。 対照ビーズを使用して単離された微細小胞からの選択されたmRNA標的の回収率を示すグラフである。 マイクロRNAについてRT−qPCR(閾値=0.1)を用いて試験された対照ビーズによる微細小胞単離を示すグラフである。 対照ビーズを使用して単離された微細小胞からのマイクロRNA標的の回収率を示すグラフである。 微細小胞単離とRNA抽出についてのビーズの力価測定を示す図式表現である。 RN7SL(図51A)、GAPDH(図51B)、RNaseP(図51C)、B2M(図51D)、GUSB(図51E)、HPRT1(図51F)、及びLet−7a(図51G)についてRT−qPCRを使用する微細小胞の捕捉の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図51A)、GAPDH(図51B)、RNaseP(図51C)、B2M(図51D)、GUSB(図51E)、HPRT1(図51F)、及びLet−7a(図51G)についてRT−qPCRを使用する微細小胞の捕捉の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図51A)、GAPDH(図51B)、RNaseP(図51C)、B2M(図51D)、GUSB(図51E)、HPRT1(図51F)、及びLet−7a(図51G)についてRT−qPCRを使用する微細小胞の捕捉の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図51A)、GAPDH(図51B)、RNaseP(図51C)、B2M(図51D)、GUSB(図51E)、HPRT1(図51F)、及びLet−7a(図51G)についてRT−qPCRを使用する微細小胞の捕捉の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図51A)、GAPDH(図51B)、RNaseP(図51C)、B2M(図51D)、GUSB(図51E)、HPRT1(図51F)、及びLet−7a(図51G)についてRT−qPCRを使用する微細小胞の捕捉の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図51A)、GAPDH(図51B)、RNaseP(図51C)、B2M(図51D)、GUSB(図51E)、HPRT1(図51F)、及びLet−7a(図51G)についてRT−qPCRを使用する微細小胞の捕捉の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図51A)、GAPDH(図51B)、RNaseP(図51C)、B2M(図51D)、GUSB(図51E)、HPRT1(図51F)、及びLet−7a(図51G)についてRT−qPCRを使用する微細小胞の捕捉の評価を示す一連のグラフである。 個々のビーズとビーズ混合物との間のCt比較(全ての標的について2:1のビーズ/微細小胞(B/E)比)を示すグラフである。 2:1のB/E比での個々のビーズとビーズ混合物との間の回収率の比較を示すグラフである。 磁気ビーズ(MB)を使用する微細小胞単離とRNA抽出を示す図式表現である。 RN7SL(図55A)、GAPDH(図55B)、RNaseP(図55C)、B2M(図55D)、GUSB(図55E)、HPRT1(図55F)、及びLet−7a(図55G)について血漿滴定を使用する固定されたビーズ対微細小胞比(B/E)での微細小胞回収の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図55A)、GAPDH(図55B)、RNaseP(図55C)、B2M(図55D)、GUSB(図55E)、HPRT1(図55F)、及びLet−7a(図55G)について血漿滴定を使用する固定されたビーズ対微細小胞比(B/E)での微細小胞回収の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図55A)、GAPDH(図55B)、RNaseP(図55C)、B2M(図55D)、GUSB(図55E)、HPRT1(図55F)、及びLet−7a(図55G)について血漿滴定を使用する固定されたビーズ対微細小胞比(B/E)での微細小胞回収の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図55A)、GAPDH(図55B)、RNaseP(図55C)、B2M(図55D)、GUSB(図55E)、HPRT1(図55F)、及びLet−7a(図55G)について血漿滴定を使用する固定されたビーズ対微細小胞比(B/E)での微細小胞回収の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図55A)、GAPDH(図55B)、RNaseP(図55C)、B2M(図55D)、GUSB(図55E)、HPRT1(図55F)、及びLet−7a(図55G)について血漿滴定を使用する固定されたビーズ対微細小胞比(B/E)での微細小胞回収の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図55A)、GAPDH(図55B)、RNaseP(図55C)、B2M(図55D)、GUSB(図55E)、HPRT1(図55F)、及びLet−7a(図55G)について血漿滴定を使用する固定されたビーズ対微細小胞比(B/E)での微細小胞回収の評価を示す一連のグラフである。 RN7SL(図55A)、GAPDH(図55B)、RNaseP(図55C)、B2M(図55D)、GUSB(図55E)、HPRT1(図55F)、及びLet−7a(図55G)について血漿滴定を使用する固定されたビーズ対微細小胞比(B/E)での微細小胞回収の評価を示す一連のグラフである。 0.4mL、1mLから4mLまでの5:1のB/E比での血漿滴定における様々な標的の回収率の比較を示すグラフである。 微細小胞単離でのMB結合の経時的試験を示すグラフである。 エポキシビーズ微細小胞間結合についての経時的試験(1分、5分、15分、30分、及び60分)を示すグラフである。 ビーズ微細小胞間結合の経時的試験(B/E=5:1、0.4mLの血漿)を示すグラフである。 ビーズ微細小胞間結合の経時的試験(B/E=5:1、0.4mLの血漿)を示すグラフである。 微細小胞エポキシMB間結合についての価値検査試験を示すグラフである。 収集画分における選択されたRNA標的の平均Ct(エポキシビーズのみ)を示すグラフである。 選択されたRNA標的の回収率(%)(エポキシビーズのみ)を示すグラフである。 EXO50カラムを示す一連の概略図である。左のパネルはフィルターホルダーの外側を示している。中央のパネルは断面を示しており、その断面はフィルターホルダー内の内部チューブの配置を示している。右上のパネルは、フィルターホルダーの底部で内部チューブ(膜の上)と外部フリット(カラムの底)との間の位置に保持される膜フィルターを示す。右下のパネルは液体を通過させる外部フリットの構成を示している。 EXO50カラムの収集チューブとの組立の完成を示す一連の写真である。左と中央の写真に示されている収集チューブは50mLのコニカルチューブである。右の写真はEXO50フィルターホルダーの上面図を示している。 同じ緩衝液条件を使用しているときの様々な官能化膜を示すグラフである。Y軸はX軸に記載されている様々な官能化膜を使用して単離された微細小胞から抽出された選択されたmRNA標的のCt値を示す。それらの官能化膜はQ、S、D、IDA、アルデヒド、及びDE81である。 EXO50カラムの結合能を示すグラフである。EXO50カラムに体積を増加させて(0.5ml、1.0ml、2.0ml、4.0ml、8.0ml、及び16ml)血漿を添加した。選択されたmRNA標的のCt値について抽出されたRNAを評価した。グラフは0.5ml〜4.0mlの体積で発現シグナルの直線的増加が生じたことを示している。 生体試料(血漿)の体積の増加と比例したコピー数の検出により示されるEXO50カラムの結合能を示すグラフである。 3層の膜を有するカラムの負荷容量を示すグラフである。各体積の第1セットの棒の値は血漿試料より検出された発現を表し、各体積の第2セットの棒の値は最初の微細小胞画分の捕捉の後の通過画分から検出された発現を表す。通常の試料負荷ステップに関して通過画分由来のコピー数のパーセンテージは2ΔCTを使用して計算された。 膜上で捕捉された微細小胞に由来する特定のmRNA標的のRNA検出により判定される、4mlの血漿由来の微細小胞の全てを捕捉するために必要とされる膜の層の数を示すグラフである。 負荷されたEXO50カラムの膜上及び膜中に捕捉されたエキソソームを示す走査電子顕微鏡写真である。 生体試料用の広範囲の負荷緩衝液の種類がEXO50法に適合することを示すグラフである。Y軸は試験されたmRNA標的のCt値を表す。繰返し実験が示されている。 EXO50法は低pH緩衝液条件に耐えることを示すグラフである。Y軸は試験されたmRNA標的のCt値を表す。繰返し実験が示されている。 EXO50法は緩衝液系中の様々な濃度の界面活性剤、例えばSDS、ツイーン20、及びトリトンX−100にも耐えることを示すグラフである。Y軸は試験されたmRNA標的のCt値を表す。 抽出時にシリカカラム結合緩衝液に様々なエタノール濃度を使用することにより、EXO50により単離された総RNAが大画分と小画分に分離され得ることを示す一連のバイオアナライザープロットを示すグラフである。 EXO50によって精製されたRNAがPCRで増幅可能なRNAであること、すなわち、増幅とPCR処理に適切であることを示すグラフである。試験されたmRNA標的の発現は増幅ベースのqPCRにより検出された。 mRNAとmiRNAを単離するためにエタノール用量設定を最適にすることができることを示すグラフである。 EXO50によって(3000、1500、及び150ngの乾燥重量の)市販の癌エキソソームからmRNAの100%が精製されることを示すグラフである。抽出された(直接溶解)総RNAをEXO50単離(EXO50)及び通過画分からの抽出(EXO通過画分)と比較する。 どんな追加の処理ステップも含まないEXO50法で非常にわずかなDNAが単離されることを示すグラフである。ターボDNase又はRNaseAとの保温をEXO50と比較する。陰性対照はRT−(逆転写酵素無し)によって表される。繰返し単離が示されている。 EXO50が多数の試料の並行処理に対して頑健であることを示すグラフである。単離の一つ一つのステップのピペッティングのために3分の遅れを加えて8回のEXO50の複製実験を実施した。単離複製実験間の個々のアッセイの標準偏差は0.5Ct未満である。 異なる大陸にある異なる検査室において異なる操作者とPCR化学試薬によって実施された2つの投入体積(0.2ml及び2ml)についてのEXO50分析を示す一連のグラフである。(A)MUC;(B)MSP;(C)CMH;(D)MEM;(E)IND;(F)LAX;(G)SAN;(H)AUS。実験を三回一組で実施した。 異なる大陸にある異なる検査室において異なる操作者とPCR化学試薬によって実施された2つの投入体積(0.2ml及び2ml)についてのEXO50分析を示す一連のグラフである。(A)MUC;(B)MSP;(C)CMH;(D)MEM;(E)IND;(F)LAX;(G)SAN;(H)AUS。実験を三回一組で実施した。 異なる大陸にある異なる検査室において異なる操作者とPCR化学試薬によって実施された2つの投入体積(0.2ml及び2ml)についてのEXO50分析を示す一連のグラフである。(A)MUC;(B)MSP;(C)CMH;(D)MEM;(E)IND;(F)LAX;(G)SAN;(H)AUS。実験を三回一組で実施した。 同じ血漿とPCR化学試薬を使用して新規使用者によって異なる検査室において実施されたEXO50分析を示す一連のグラフである。 ミニスピンカラムフォーマットにEXO50を適応させることができることを示すグラフである。標的mRNAについてEXO50ミニスピンカラムと超遠心分離との間でCt値を比較した。 2つの異なる投入試料体積について超遠心分離と比較したミニチュア再生セルロースカラム中の様々な官能化膜を示すグラフである。 微細小胞の超遠心分離単離法(左)とEXO50単離法(右)を示す2枚の走査電子顕微鏡写真である。 EXO50と超遠心分離により血漿から抽出されたRNAのプロファイルが類似のRNAサイズ分布を有することを示す2つのバイオアナライザープロットである。(A)第1癌患者;(B)第2癌患者。 自己組立てカラム、EXO50及び超遠心分離による血漿からのRNA抽出の比較を示す1つのグラフである。繰返し実験を実施した。 超遠心分離、直接溶解、及びEXO50による200ulの血漿からのRNA抽出の比較を示す1つのグラフである。EXO50通過画分からのRNA抽出も分析した。 EXO50キットとmiRNeasyによる200ulの血漿からのRNA抽出、及びEXO50キットと超遠心分離による4mlの血漿からのRNA抽出の比較を示す1つのグラフである。 超遠心分離と比較してEXO50は黒色腫由来の突然変異であるBRAF V600Eを含むRNAを単離することを示す1つのグラフである。 EXO50カラムからの溶出後のRNA単離によってEXO50処理と同量のRNAが産出されることを示す1つのグラフである。 微細小胞画分の単離、微細小胞性核酸の解離、及び2つの別個のプロトコルを使用するRNAとDNAの抽出のためのEX052プロトコルを示す概略図である。 微細小胞画分の単離、微細小胞性核酸の解離、及び単一のプロトコルを使用するRNAとDNAの抽出のためのEX052.2プロトコルを示す概略図である。 野生型BRAFのRNAとDNAの検出により示される、一回の抽出において微細小胞性RNAと微細小胞性DNAを単離するための相分離におけるクロロホルム濃度の効果を示すグラフである。 GAPDHのRNAとDNAの検出により示される、一回の抽出において微細小胞性RNAと微細小胞性DNAを単離するための相分離におけるクロロホルム濃度の効果を示すグラフである。 相分離におけるpHの調節がDNAの抽出と検出に影響することを示すグラフである。 微細小胞性RNAの抽出と検出に対する脳脊髄液(CSF)の試料体積の用量設定の効果を示すグラフである。 超遠心分離単離法とEXO60単離法に由来する微細小胞性RNA標的の検出の比較を示すグラフである。 異なる患者CSF試料について超遠心分離単離法とEXO60単離法に由来する微細小胞性RNA標的の検出の比較を示すグラフである。患者試料は患者IDによって指名される。様々な試料体積を利用した。(*)は検死試料を示す。 異なる微細小胞性RNA単離方法及び抽出方法に対するCSF試料体積(0.25ml、0.5ml、1.0ml及び2.0ml)の効果を示すグラフである。UC(超遠心分離)、uCSC(尿濾過法)、及びEXO60。 EXO70プロトコルを使用する2つの異なる尿試料からの抽出に由来するRNAプロファイルを尿循環幹細胞(uCSC)法と比較して示す一連のバイオアナライザープロットである。 EXO70による単離及び抽出後のRNA検出の尿CSC法と比較した相関を示すグラフである。 EXO70又はuCSC法による単離及び抽出後の様々なRNA標的の検出を示す2つのグラフである。単離された微細小胞画分(EXO70又はuCSC)及び単離後の通過画分又は上清画分(EXO70フロー又はuCSCフロー)からRNAを抽出し、分析した。(A)mRNA標的;(B)miRNA標的。 4試料種の4種のmRNAのCT(Y軸)を示すグラフである。全ての点は2回の微細小胞単離の各々の実験的複製物の平均である。「SJCRH」は小児患者由来の血漿であり、「DAOY」は髄芽腫細胞株であり、「DAOY MED」はそれらの細胞の培地に由来する微細小胞である。市販の血漿は何の結果ももたらさなかった。 100μLの細胞培養上清から全てのmRNAを単離するEXO50の能力を示すグラフである。
本発明は、微細小胞を面に捕捉することでそれらの微細小胞を単離し、後にそれらの微細小胞を溶解してそれらの中に含まれる核酸、特にRNAを解離する方法を提供する。微細小胞は細胞の外側に向かって真核細胞により放出される、又は原形質膜から出芽する。これらの膜小胞は大きさが不均一であり、約10nmから約5000nmまでの範囲の直径を有する。細胞が放出した直径が0.8μm未満の全ての膜小胞が本明細書において集合的に「微細小胞」と呼ばれる。これらの微細小胞には微小胞、微小胞様粒子、プロスタソーム、デキソソーム、テキソソーム、エクトソーム、オンコソーム、アポトーシス小体、レトロウイルス様粒子、及びヒト内在性レトロウイルス(HERV)粒子が含まれる。細胞内多胞体のエキソサイトーシスにより放出される小微小胞(直径が約10〜1000nmであり、より多くの場合に30〜200nmである)が当技術分野において「微細小胞」と呼ばれる。
微細小胞を単離する現在の方法には超遠心分離、限外濾過、例えば、100kDフィルターの使用、重合体沈殿技術、及び/又はサイズベース濾過が含まれる。しかしながら、診断目的を含む様々な用途において使用するための微細小胞の単離、及び所望によりそれらの中に含まれる核酸、好ましくは微細小胞性RNAの抽出に関して効率的及び効果的である代替方法の必要性が存在する。
幾つかの実施形態では本発明は、微細小胞を面に捕捉することでそれらの微細小胞を単離し、後にそれらの微細小胞を溶解してそれらの中に含まれる核酸、特にRNAを解離する方法を提供する。幾つかの実施形態では本発明は、微細小胞を面に捕捉することでそれらの微細小胞を単離し、後にその捕捉面から完全な微細小胞を溶出する方法を提供する。
微細小胞は、全ての細胞により分泌され、全てのヒト生体液に存在する豊富な高品質の核酸源である。微細小胞中のRNAは原発腫瘍、転移及び周囲の微小環境のトランスクリプトームのリアルタイムでのスナップショットを提供する。したがって、アッセイによる微細小胞のRNAプロファイルの正確な評価によって疾患のコンパニオン診断とリアルタイムモニタリングがもたらされる。この開発は、遅く、長々しく、変わりやすく、そして診断環境に適していない現在のエキソソーム単離の標準法のために立ち往生している。
EXO50血漿エキソソームRNA単離方法及び/又はキットと呼ばれる本明細書において提供される単離抽出方法及び/又はキットは、微細小胞を結合する親和性膜を使用するスピンカラムベースの精製処理を用いる。本開示の方法及びキットは、一本のカラムに対して0.2から最大で4mLの体積を使用して多数の臨床試料を並行して処理する能力を可能にする。単離されたRNAは非常に純粋であり、溶解されるまで小胞膜によって保護されており、EXO50膜から完全な小胞を溶出することができる。EXO50法は血漿投入物から全てのmRNAを取り除くことが可能であり、超遠心分離又は直接溶解と比較するとmRNA/miRNAの収量について同等以上である。対照的に、EXO50法及び/又はキットはmiRNAの微細小胞結合画分を濃縮し、それらの方法及び/又はキットは大量の投入物質に合わせて容易に規模拡大可能である。この規模拡大能力のために興味深い少量の転写物についての研究が可能になる。他の市販の製品との比較において、本開示の方法及びキットは本明細書において提供される実施例によって実証される特有の性能を提供する。
EXO50法及びキットは次の普遍的手法を用いて生体試料から核酸、例えば、RNAを単離及び抽出する。まず、微細小胞画分を膜フィルターに結合し、そしてそのフィルターを洗浄する。その後、試薬を使用して膜上溶解と核酸、例えば、RNAの解離を実施する。その後、PLGチューブを使用してクロロホルム抽出を実施し、続いてエタノール調整を実施する。その後、その核酸、例えば、RNAをシリカカラムに結合し、洗浄し、その後に溶出する。
生体試料から微細小胞性RNAを単離するために捕捉面方法を使用する概略的フロースルーの模式図が下に示されている。
血漿試料から微細小胞性RNAを単離するために膜方法を使用する概略的フロースルーの模式図が下に示されている。
血漿試料から微細小胞性RNAを単離するためにビーズ方法を使用する概略的フロースルーの模式図が下に示されている。
尿試料から微細小胞性RNAを単離するために捕捉面方法を使用する概略的フロースルーの模式図が下に示されている。
本明細書において提供される実施例によって示されるように、捕捉面、例えば、ビーズ又はフィルター(本明細書において膜とも呼ばれる)のフォーマットは本明細書において提供される方法の生体試料から微細小胞を効率的に捕捉する能力に影響しない。また、捕捉面の表面電荷は本明細書において提供される方法の微細小胞を効率的に捕捉する能力に影響しない。加えて、それらの実施例は結合及び洗浄緩衝液のイオン強度が本明細書において提供される方法においては限定的な重要性しか有しないことを示している。
広範囲の面が本明細書において提供される方法に従って微細小胞を捕捉することができるが、全ての面が微細小胞を捕捉するわけではない(何も捕捉しない面もある)。
本開示は使い捨てプラスチック部材と遠心分離装置を使用して生体試料又は臨床試料から微細小胞を単離及び濃縮するための器具についても説明する。例えば、その器具は捕捉面(すなわち、膜フィルター)、外部フリットと内部チューブの間にその捕捉面を固定するホルダー、及び収集チューブを備えるカラムを備える。その外部フリットは液体の通過を可能にする大きな網状構造体を備え、好ましくはカラムの一端に存在する。その内部チューブは捕捉面を所定の位置に保持し、好ましくはわずかに円錐状の形状である。その収集チューブは市販のもの、すなわち、50mlのファルコンチューブであってよい。カラムは回転に適切であることが好ましく、すなわち、サイズが標準的な遠心分離機及び微量遠心分離機に適合する。
捕捉面が膜である実施形態では生体試料から微細小胞画分を単離するための器具は少なくとも1枚の膜を含む。幾つかの実施形態ではその器具は1枚、2枚、3枚、4枚、5枚、又は6枚の膜を備える。その器具が3枚の膜を備えることが好ましい。その器具が1枚より多い膜を備える実施形態ではそれらの膜は全てカラムの一端において互いに直接的に隣接する。その器具が1枚より多い膜を備える実施形態ではそれらの膜は全て互いに同一であり、すなわち、同じ電荷を有し、及び/又は同じ官能基を有する。
本明細書において提供される実施例1〜32によって示されるように、緩衝液成分の選択、緩衝液のpH、及び溶解緩衝液の選択は本明細書において提供される方法の微細小胞を効率的に捕捉し、且つ、それらに含まれる核酸、特にRNAを解離する能力に影響する。幾つかの実施形態ではその溶解緩衝液はフェノールベースの溶解緩衝液である。例えば、その溶解緩衝液はQIAzol(登録商標)溶解試薬(Qiagen)である。
本明細書において提供される実施例1〜32は、微細小胞よりも小さい孔径を通過させる濾過による捕捉が本明細書において提供される方法による捕捉の主要な機序ではないことも示している。しかしながら、フィルター孔径はそれでも非常に重要であり、それは、例えば、mRNAが20nmフィルターに詰まり、回収され得ないのに対してマイクロRNAは容易に溶離し得るから、及び、例えば、フィルター孔径は利用可能な面捕捉領域における重要なパラメーターであるからである。
本明細書において提供される実施例1〜32は、臨床的有用性の点でより適切なフォーマットである(磁気又は非磁気)ビーズを使用する微細小胞単離の実用可能性も示している。正に帯電しているビーズ、負に帯電しているビーズ、及び中性のビーズの全てが好適な微細小胞捕捉効率を示すことが結果から示された。この観察は、それらのビーズが微細小胞の表面上の様々なリガンドに対して作用することができ、そうして1つの微細小胞が様々な(複数の)力を介して様々な(官能化されている)粒子によって捕捉され得ることを示唆している。
本明細書において提供される方法は様々な捕捉面のうちのいずれかを使用する。幾つかの実施形態ではその捕捉面は本明細書においてフィルター又は膜フィルターとも呼ばれる膜である。幾つかの実施形態ではその捕捉面は市販の膜である。幾つかの実施形態ではその捕捉面は帯電している市販の膜である。幾つかの実施形態ではその捕捉面は中性である。幾つかの実施形態ではその捕捉面はPALL社のMustang(登録商標)イオン交換膜、ザルトリウスAG社のVivapure(登録商標)Q膜、Sartobind Q又はVivapure(登録商標)Q Maxi H、ザルトリウスAG社のSartobind(登録商標)D、ザルトリウスAG社のSartobind (S)、ザルトリウスAG社のSartobind(登録商標)Q、ザルトリウスAG社のSartobind(登録商標)IDA、ザルトリウスAG社のSartobind(登録商標)アルデヒド、シグマ社のWhatman(登録商標)DE81、EMDミリポア社のFast Trapウイルス精製カラム、サーモ・サイエンティフィック*ピアース強陽イオン及び陰イオン交換スピンカラムから選択される。
捕捉面が帯電している実施形態ではその捕捉面は0.65um正帯電Q PES吸引濾過、3〜5um正帯電Q RCスピンカラム濾過、0.8um正帯電Q PES自家製スピンカラム濾過、0.8um正帯電Q PESシリンジ濾過、0.8um負帯電S PES自家製スピンカラム濾過、0.8um負帯電S PESシリンジ濾過、及び50nm負帯電ナイロンシリンジ濾過からなる群より選択される帯電フィルターであり得る。その帯電フィルターがシリンジ濾過器具内に収納されていないことが好ましく、それはこれらの実施形態ではQiazol/RNAがフィルターから抜け出しにくいからである。その帯電フィルターがカラムの一端に収納されていることが好ましい。
捕捉面が膜である実施形態ではその膜は様々な適切な材料から作製され得る。幾つかの実施形態ではその膜は(例えば、ミリポア社又はPALL社の)ポリエーテルスルホン(PES)である。幾つかの実施形態ではその膜は(例えば、ザルトリウス社又はピアース社の)再生セルロース(RC)である。
幾つかの実施形態ではその捕捉面は正に帯電している膜である。幾つかの実施形態ではその捕捉面はQ膜であり、その膜は正に帯電している膜であり、且つ、第四級アミンを有する陰イオン交換体である。例えば、そのQ膜は第四級アンモニウムR−CH2−N+(CH33で官能化されている。幾つかの実施形態ではその捕捉面は負に帯電している膜である。幾つかの実施形態ではその捕捉面はS膜であり、その膜は負に帯電している膜であり、且つ、スルホン酸基を有する陽イオン交換体である。例えば、そのS膜はスルホン酸R−CH2−SO3 -で官能化されている。幾つかの実施形態ではその捕捉面はD膜であり、その膜はジエチルアミン基R−CH2−NH+(C252を有する弱塩基性陰イオン交換体である。幾つかの実施形態ではその捕捉面は金属キレート膜である。例えば、その膜はIDA膜であり、ミノ二酢酸−N(CH2COOH-2で官能化されている。幾つかの実施形態ではその捕捉面は微孔性膜であり、アルデヒド基−CHOで官能化されている。他の実施形態ではその膜はジエチルアミノエチル(DEAE)セルロースを有する弱塩基性陰イオン交換体である。全ての帯電膜が本明細書において提供される方法での使用に適切であるわけではなく、例えば、再生セルロース強酸性陽イオン交換体(「RC/SACE」)膜スピンカラムを使用して単離されたRNAはRT−qPCR阻害を示し、したがって、PCR関連下流アッセイに不適切であった。
捕捉面が帯電している実施形態では正に帯電しているフィルターを使用して微細小胞を単離することができる。捕捉面が帯電している実施形態ではその捕捉面は負に帯電している再生セルロースSフィルターではないことが好ましく、それはこの実施形態がPCR阻害の原因になるからである。対照的に、負に帯電しているPESフィルターはこの現象を示さない。
捕捉面が帯電している実施形態では微細小胞の捕捉時のpHはpH7以下である。幾つかの実施形態ではそのpHは4より高く、8以下である。
捕捉面が正に帯電しているQフィルターである実施形態では緩衝液系はpH6.5〜7.0の250mMのビストリスプロパンを含む洗浄緩衝液を含む。捕捉面が正に帯電しているQフィルターである実施形態では溶解緩衝液はQiazolである。捕捉面が正に帯電しているQフィルターである実施形態では溶解緩衝液は1倍の体積で存在する。捕捉面が正に帯電しているQフィルターである実施形態では溶解緩衝液は1倍より多い体積で存在する。
捕捉面が中性である実施形態ではその捕捉面は20nm中性PESシリンジ濾過(Tisch及びExomir)、30nm中性PESシリンジ濾過(Sterlitech)、50nm中性PESシリンジ濾過(Sterlitech)、0.2um中性PES自家製スピンカラム濾過(Pall)、0.8um中性PES自家製スピンカラム濾過(Pall)及び0.8um中性PESシリンジ濾過(Pall)からなる群より選択されるフィルターである。捕捉面が中性である実施形態ではその中性捕捉面がシリンジフィルター内に収納されていないことが好ましい。
捕捉面が中性である実施形態では溶解緩衝液はQiazolである。捕捉面が中性である実施形態では溶解緩衝液は1倍の体積で存在する。捕捉面が中性である実施形態では溶解緩衝液は1倍より多い体積で存在する。捕捉面が中性である実施形態では本方法は洗浄ステップを含む。
膜の孔径は膜の材料に応じて3μmから20nmまでの範囲である。例えば、捕捉面が市販のPES膜である実施形態では膜は20nmの孔径(Exomir)、0.65μmの孔径(ミリポア)又は0.8μmの孔径(Pall)を有する。捕捉面が市販のRC膜である実施形態では膜は3〜5μmの範囲の孔径を有する(ザルトリウス、ピアース)。
捕捉面の表面電荷は正、負、又は中性であり得る。幾つかの実施形態ではその捕捉面は正に帯電しているビーズ又は複数のビーズである。幾つかの実施形態ではその捕捉面は負に帯電しているビーズ又は複数のビーズである。幾つかの実施形態ではその捕捉面は中性のビーズ又は複数のビーズである。幾つかの実施形態ではその捕捉面は帯電基で表面修飾されていない中性フィルター、例えば、PES膜である。
幾つかの実施形態では本明細書において提供される方法は負荷緩衝液及び洗浄緩衝液を含む様々な緩衝液を含む。幾つかの実施形態では負荷緩衝液及び洗浄緩衝液は高イオン強度又は低イオン強度を有し得る。幾つかの実施形態では塩濃度、例えば、NaCl濃度は0Mから2.4Mまでであり得る。それらの緩衝液は様々な成分を含み得る。幾つかの実施形態ではそれらの緩衝液は次の成分:トリス、ビストリス、ビストリスプロパン、イミダゾール、クエン酸、メチルマロン酸、酢酸、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(TEA)及びリン酸ナトリウムのうちの1つ以上を含む。本明細書において提供される方法では負荷緩衝液及び洗浄緩衝液のpHが重要である。血漿試料が負荷前に5.5以下のpHに設定されるとフィルターが詰まる傾向があり(遠心時に血漿が全くカラムを通過しない)、pHが高いほど微細小胞性RNAの回収が微細小胞の不安定性のために低くなる。微細小胞からのRNA回収は中性のpHにおいて最適である。幾つかの実施形態では使用される緩衝液は1×濃度、2×濃度、3×濃度、又は4×濃度である。例えば、負荷緩衝液又は結合緩衝液は2×濃度であるが、一方で洗浄緩衝液は1×濃度である。
幾つかの実施形態では本方法は例えば生体試料を捕捉面と接触させた後に1回以上の洗浄ステップを含む。幾つかの実施形態ではより純粋な微細小胞画分を得るために界面活性剤を洗浄緩衝液に添加して非特異的結合(すなわち、混入汚染物質、細胞小片、及び循環タンパク質複合体又は核酸)の除去を容易にする。使用に適切な界面活性剤にはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ツイーン20、ツイーン80、トリトンX−100、ノニデットP−40(NP−40)、ブリッジ35、ブリッジ58、オクチルグルコシド、オクチルチオグリコシド、CHAPS又はCHAPSOが含まれるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では遠心分離に使用される器具、例えば、スピンカラム、又は吸引系に使用される器具、例えば、吸引フィルターホルダー、又は加圧濾過に使用される器具、例えば、シリンジフィルターの内部に捕捉面、例えば、膜が収納される。好ましい実施形態ではスピンカラム又は吸引系に捕捉面が収納される。
核酸の抽出前の生体試料からの微細小胞の単離は、次の理由:1)微細小胞からの核酸の抽出により、液体試料内で疾患特異的微細小胞又は腫瘍特異的微細小胞を他の微細小胞から分けて単離することによって得られた疾患特異的核酸又は腫瘍特異的核酸を選択的に分析する機会が提供されること、2)核酸含有微細小胞は、最初に微細小胞を単離せずに直接的に液体試料から核酸を抽出することにより得られる収率/完全性と比べて高い完全性を有する核酸種を有意に高い収率で産生すること、3)例えば低レベルで発現する核酸を検出するための規模拡大可能性、つまり、本明細書に記載される方法及び/又はキットを使用してより大きな体積の試料から微細小胞を濃縮することにより、感度を上昇させることができること、4)タンパク質、脂質、細胞小片、細胞及び他の潜在的な混入汚染物質及び生体試料内に自然に見つかるPCR阻害物質が核酸抽出ステップの前に除外される点で抽出される核酸がより純粋又はより高品質/完全であること、及び5)単離された微細小胞画分が出発試料の体積よりも小さい体積なることができ、それにより小容量カラムフィルターを使用してこれらの画分又はペレットから核酸を抽出することが可能になるので、核酸抽出方法においてより多くの選択肢を利用することができること、のために有利である。
生体試料から微細小胞を単離する幾つかの方法が当技術分野において記載されている。例えば、分画遠心分離法がRaposoらの論文(Raposoら、1996年)、Skogらの論文(Skogら、2008年)及びNilssonらの論文(Nilssonら、2009年)に記載されている。イオン交換クロマトグラフィー法及び/又はゲル浸透クロマトグラフィー法が米国特許第6899863号明細書及び第6812023号明細書に記載されている。ショ糖密度勾配法又はオルガネラ電気泳動法が米国特許第7198923号明細書に記載されている。磁気活性化細胞選別(MACS)法がTaylor及びGercel Taylorの論文(Taylor及びGercel−Taylor、2008年)に記載されている。ナノ膜限外濾過濃縮法がCheruvankyらの論文(Cheruvankyら、2007年)に記載されている。パーコール勾配単離法がMirandaらの刊行物(Mirandaら、2010年)に記載されている。さらに、マイクロ流体デバイスによって対象の体液から微細小胞を特定及び単離することができる(Chenら、2010年)。核酸バイオマーカーの研究開発並びに商業用途において、高品質の核酸を生体試料から一貫した信頼できる実用的な方法で抽出することが望ましい。
したがって、本発明の目的は体液などの生体試料からの核酸含有粒子の迅速で簡便な単離と単離された粒子からの高品質の核酸の抽出のための方法を提供することである。本発明の方法は検査室又は臨床背景での使用、又はフィールドでの使用のために小型の器具又は器械への適用及び組込みに適切であり得る。
本明細書において提供される実施例ではエキソソーム・ダイアグノスティック社により開発された血液採取SOPを使用するBioreclamation社から通常の健常対照に由来するヒト血漿を得た。簡単に説明すると、血液をK2 EDTAチューブに採取し、完全に転倒させてよく混合した。その後、それらのチューブを1300×gで10分間遠心分離にかけて血液細胞と血漿を分離した。その後、血漿を取出し、0.8μmフィルターに通して濾過して細胞小片と血小板を除去した。その後、全ての血漿試料のアリコットを1mlの凍結保存用バイアルに作製し、使用するまで−80℃で保存した。
RNA単離の前に平衡緩衝液を通すことにより膜を調整した。融解した血漿試料を負荷緩衝液で希釈した。微細小胞を吸着する膜にその希釈された血漿試料をゆっくりと通した。その後、その膜を洗浄緩衝液で洗浄して弱い力で結合しているあらゆる血漿成分を除去した。その後、溶解試薬をその膜に通して微細小胞を溶解した。miRNeasyキット(Qiagen)を使用してRNAを単離した。
RNA6000ピコチップを使用する2100バイオアナライザー(アジレント)を用いて品質と濃度についてRNAを評価した。抽出されたRNAの相対量は、アプライドバイオシステムズ社由来の選択的ヒト遺伝子発現アッセイ(Taqmanアッセイ)を使用するRT−qPCRにより測定された。
本明細書において提供される実施例は血漿試料を使用したが、当業者はこれらの方法が様々な生体試料に適用可能であることを理解する。他の適切な生体試料には尿、脳脊髄液、血液成分、例えば、血漿及び血清を含む血液、痰、胸膜液、乳頭吸引液、リンパ液、気道液、腸管液、及び泌尿管液、涙液、唾液、乳汁、リンパ系由来の液、精液、臓器内系液、腹水、腫瘍嚢胞液、羊水、細胞培養上清及びそれらの組合せが含まれる。
本開示の方法及びキットはヒト対象由来の試料との使用に適切である。本開示の方法及びキットは例えばげっ歯類、非ヒト霊長類、愛玩動物(例えば、ネコ、イヌ、ウマ)、及び/又は家畜(例えば、ニワトリ)などの非ヒト対象由来の試料との使用に適切である。
幾つかの実施形態では微細小胞の単離、精製又は濃縮の前に前処理ステップを実施して大きい望まれない粒子、細胞及び/又は細胞小片及び生体試料中に存在する他の混入汚染物質を除去する。それらの前処理ステップは1回以上の遠心分離ステップ(例えば、分画遠心分離)又は1回以上の濾過ステップ(例えば、限外濾過)、又はそれらの組合せにより達成され得る。1回より多い遠心分離前処理ステップを実施する場合、生体試料をまず低速で遠心分離し、次に高速で遠心分離してよい。所望によりさらに適切な遠心分離前処理ステップを実行してよい。あるいは、又は1回以上の遠心分離前処理ステップに加えて生体試料を濾過してよい。例えば、生体試料をまず20,000gで1時間遠心分離して大きい望まれない粒子を除去してよく、次にその試料を例えば0.8μmフィルターにより濾過することができる。
幾つかの実施形態では生体試料を捕捉面と接触させる前、又は接触させた後に1回以上の遠心分離ステップを実施して微細小胞を分離し、且つ、その生体画分から単離された微細小胞を濃縮する。例えば、試料は20,000g、4℃で1時間遠心分離される。大きい望まれない粒子、細胞、及び/又は細胞小片を除去するために約100〜500g、好ましくは約250〜300gの低速で試料を遠心分離してよい。あるいは、又は加えて、より速い速度で試料を遠心分離してよい。適切な遠心分離速度は最大で約200,000gまでであり、例えば、約2,000gから約200,000g未満までである。約15,000gより上であり、且つ、約200,000g未満である速度、又は約15,000gより上であり、且つ、約100,000g未満である速度、又は約15,000gより上であり、且つ、約50,000g未満である速度が好ましい。約18,000gから約40,000g又は約30,000gまでの速度、及び約18,000gから約25,000gまでの速度がより好ましい。約20,000gの遠心分離速度が特に好ましい。概して遠心分離に適切な時間は約5分から約2時間まで、例えば、約10分から約1.5時間まで、又はより好ましくは約15分から約1時間までである。約0.5時間の時間が好ましくあり得る。時には生体試料を約20,000gで約0.5時間の遠心分離にかけることが好ましい。しかしながら、それより上の速度と時間があらゆる組合せで適切に使用され得る(例えば、約18,000gから約25,000gまで、又は約30,000gから約40,000gまでで約10分間から約1.5時間、又は約15分間から約1時間、又は約0.5時間、など)。遠心分離ステップ又は複数の遠心分離ステップを外界温度より下の温度、例えば、約0〜10℃、好ましくは約1〜5℃、例えば、約3℃又は約4℃で実行してよい。
幾つかの実施形態では生体試料を捕捉面と接触させる前、又は接触させた後に1回以上の濾過ステップを実施する。約0.1〜約1.0μmの範囲、好ましくは約0.8μm又は0.22μmのサイズを有するフィルターを使用してよい。多孔性が減少した複数のフィルターを使用する連続濾過により濾過を実施してもよい。
幾つかの実施形態ではクロマトグラフィーステージの間に処理される試料の体積を減らすために生体試料を捕捉面と接触させる前、又は接触させた後に1回以上の濃度ステップを実施する。濃縮は微細小胞の沈降を引き起こすために高速、例えば、10,000gと100,000gの間での試料の遠心分離によるものであり得る。これは一連の分画遠心分離からなり得る。得られたペレット中の微細小胞はその後の処理ステップのためにより小さい体積で適切な緩衝液の中に再構成され得る。濃縮ステップを限外濾過により実施してもよい。実際にはこの限外濾過は生体試料を濃縮するし、微細小胞画分の追加的精製も実施する。別の実施形態では濾過は限外濾過、好ましくは接線流限外濾過である。接線流限外濾過は、所定のカットオフ閾値の膜によって分けられている2つの区画(濾過分と濃縮分)に溶液を濃縮及び分画することからなる。その分離は、濃縮分区画に流動を印加し、且つ、この区画と濾過分区画との間に経膜圧力を印加することにより実行される。限外濾過を実施するために様々なシステム、例えば、ラセン膜(ミリポア、Amicon)、平膜又は中空糸(Amicon、ミリポア、ザルトリウス、Pall、GF、Sepracor)を使用することができる。本発明の範囲内では1000kDaより下のカットオフ閾値、好ましくは100kDaと1000kDaの間、又はさらにより好ましくは100kDaと600kDaの間のカットオフ閾値を有する膜の使用が有利である。
幾つかの実施形態では生体試料を捕捉面と接触させる前、又は接触させた後に1回以上のサイズ排除クロマトグラフィーステップ又はゲル浸透クロマトグラフィーステップを実施する。ゲル浸透クロマトグラフィーステップを実施するため、シリカ、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、エチレングリコール・メタクリレート共重合体又はそれらの混合物、例えば、アガロース・デキストラン混合物から選択される担体を使用することが好ましい。例えば、そのような担体にはSUPERDEX(登録商標)200HR(ファルマシア)、TSK G6000(TosoHaas)又はSEPHACRYL(登録商標)S(ファルマシア)が含まれるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では生体試料を捕捉面と接触させる前、又は接触させた後に1回以上の親和性クロマトグラフィーステップを実施する。幾つかの微細小胞がある特定の表面分子を特徴とすることもあり得る。微細小胞は細胞原形質膜の出芽から形成するのでこれらの微細小胞はそれらの起源となった細胞で見出される同じ表面分子のうちの多くを多くの場合に共有する。本明細書において使用される場合、「表面分子」は微細小胞の表面上又は微細小胞の膜中又は膜上に見出される抗原、タンパク質、脂質、炭水化物、及びマーカーを集合的に指す。これらの表面分子は、例えば、受容体、腫瘍関連抗原、膜タンパク質修飾(例えば、グリコシル化構造体)を含み得る。例えば、腫瘍細胞から出芽する微細小胞は多くの場合にそれらの細胞表面上に腫瘍関連抗原を提示する。したがって、特定のドナー細胞種由来の微細小胞の特定の集団の単離、特定、及び又は濃縮のために本明細書において提供される方法と組み合わせて親和性クロマトグラフィー又は親和性排除クロマトグラフィーを活用することもできる(Al−Nedawiら、2008年;Taylor及びGercel−Taylor、2008年)。例えば、(悪性又は非悪性)腫瘍性微細小胞は腫瘍関連表面抗原を担持し、これらの特定の腫瘍関連表面抗原を介して検出、単離、及び/又は濃縮され得る。一例ではその表面抗原は上皮細胞接着分子(EpCAM)であり、長い直腸結腸起源、乳房起源、前立腺起源、頭頚部起源、及び肝臓起源の腫瘍に由来する微細小胞に特異的である(Balzarら、1999年;Wentら、2004年)。さらに、腫瘍特異的微細小胞はある特定の表面マーカー、例えば、CD80及びCD86の欠如を特徴とすることもあり得る。これらの事例では腫瘍特異的マーカーのさらなる分析のためにこれらのマーカーを有する微細小胞が例えば親和性排除クロマトグラフィーにより排除され得る。親和性クロマトグラフィーは、例えば、様々な担体、樹脂、ビーズ、抗体、アプタマー、アプタマー類似体、分子インプリント重合体、又は微細小胞上の所望の表面分子を特異的に標的とする当技術分野において知られている他の分子を使用することによって達成され得る。
任意により微細小胞精製及び/又は核酸抽出の効率又は特質を評価するための内部対照として機能させるために微細小胞単離又は核酸抽出の前に対照粒子を試料に添加することができる。本明細書に記載される方法及び/又はキットは微細小胞画分の他に効率的な単離及び対照粒子に備えている。これらの対照粒子は、Qβバクテリオファージ、ウイルス粒子、又は天然で生じたか、若しくは組換えDNA技術により設計されたものであり得る対照核酸(例えば、少なくとも1つの対照標的遺伝子)を含む他のあらゆる粒子を含む。幾つかの実施形態では対照粒子の量は試料への添加前にわかっている。対照標的遺伝子はリアルタイムPCR分析を用いて定量され得る。対照標的遺伝子の定量は微細小胞精製処理又は核酸抽出処理の効率又は特質を決定するために使用され得る。
対照粒子が本明細書において「Qβ粒子」と呼ばれるQβバクテリオファージであることが好ましい。本明細書に記載される方法及び/又はキットにおいて使用されるQβ粒子は天然のウイルス粒子又は組換え若しくは遺伝子操作ウイルスであり得、後者ではウイルス粒子の少なくとも1つの成分(例えば、ゲノム又はコートタンパク質の一部)が当技術分野において知られている組換えDNA技術又は分子生物学技術によって合成される。Qβはレヴィウイルス科のメンバーであり、4つのウイルスタンパク質であるコートタンパク質、成熟タンパク質、溶解タンパク質、及びRNA複製酵素をコードする3つの遺伝子からなる直鎖状一本鎖RNAゲノムを特徴とする。平均的な微細小胞へ類似したそのサイズのためにQβは、本明細書に記載されるように微細小胞の単離に用いられる同じ精製方法を使用して生体試料から容易に精製され得る。加えて、Qβウイルスの一本鎖遺伝子構造の低い複雑性が増幅ベースの核酸アッセイにおける対照としてのそのウイルスの使用に有利である。Qβ粒子は試料中のQβ粒子の量の定量のために検出又は測定される対照標的遺伝子又は対照標的配列を含む。例えば、その対照標的遺伝子はQβコートタンパク質遺伝子である。生体試料へのQβ粒子の添加後に本明細書に記載される抽出方法及び/又はキットを用いてQβ粒子由来の核酸を生体試料由来の核酸と共に抽出する。Qβ対照標的遺伝子の検出は、例えば、目的のバイオマーカー(すなわち、BRAF)と共に同時にRT−PCR分析により判定され得る。対照標的遺伝子の少なくとも2、3、又は4つの既知の10倍希釈濃度からなる検量線を使用してコピー数を決定することができる。添加されたQβ粒子の検出コピー数と量を比較して単離処理及び/又は抽出処理の特質を判定することができる。
好ましい実施形態では核抽出の前にQβ粒子を尿試料に添加する。例えば、限外濾過の前、及び/又は事前濾過ステップの後にQβ粒子を尿試料に添加する。
幾つかの実施形態では50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、1,000又は5,000コピーのQβ粒子が体液試料に添加される。好ましい実施形態では100コピーのQβ粒子が体液試料に添加される。Qβ粒子のコピー数は標的細胞に感染するQβバクテリオファージの能力に基づいて算出され得る。したがって、Qβ粒子のコピー数はQβバクテリオファージのコロニー形成単位に相関する。
核酸抽出
本発明は微細小胞の改善された単離、精製、又は濃縮のための捕捉面の使用に関する。本明細書において開示される方法は非常に濃縮された微細小胞画分を前記微細小胞からの高品質の核酸の抽出のために提供する。本明細書に記載される方法及び/又はキットによって得られる核酸抽出法は、高い特性の核酸抽出法が必要とされる、又は好ましい様々な用途に有用であり得、例えば、疾患又は健康状態の診断、予後予測、又はモニタリングにおける使用に有用であり得る。
微細小胞内の核酸がバイオマーカーとしての役割を有することが近年の研究により明らかにされている。例えば、国際公開第2009/100029号パンフレットはGBM患者血清中の微細小胞から抽出した核酸の医療診断、予後予測及び治療評価のための使用を何にもまして記載している。国際公開第2009/100029号パンフレットもヒト尿中の微細小胞から抽出した核酸の同じ目的のための使用について記載している。微細小胞から抽出した核酸の使用が生検の必要性を回避する可能性があると考えられており、微細小胞生物学の巨大な診断能力を強調する(Skogら、2008)。
単離された微細小胞の品質又は純度が抽出された微細小胞性核酸の品質に直接的に影響することがあり得、その抽出された微細小胞性核酸の品質が次に疾患の診断、予後予測、及び/又はモニタリングのためのバイオマーカーアッセイの効率と感度に直接的に影響する。臨床分野における正確で感度の高い診断検査の重要性を考慮すると、生体試料から非常に濃縮された微細小胞画分を単離するための方法が必要である。この必要性に対処するため、本発明は生体試料からの高品質の核酸の抽出のために生体試料から微細小胞を単離するための方法を提供する。本明細書において示されるように、非常に濃縮された微細小胞画分が本明細書に記載される方法及び/又はキットによって生体試料から単離され、その後に高品質の核酸がそれらの非常に濃縮された微細小胞画分から抽出される。これらの高品質の抽出された核酸は疾患又は他の健康状態の診断、予後予測、及び/又はモニタリングを支援するためのバイオマーカーの存在又は不在の判定又は評価に有用である。
本明細書において使用される場合、「生体試料」という用語はDNA、RNA及びタンパク質などの生体物質を含む試料を指す。幾つかの実施形態では生体試料は対象に由来する体液を適切に含み得る。それらの体液は対象の身体のあらゆる部分、好ましくは末梢部位から単離される液体であり得、例えば、血液、血漿、血清、尿、痰、脊髄液、脳脊髄液、胸膜液、乳頭吸引液、リンパ液、気道液、腸管液、及び泌尿管液、涙液、唾液、乳汁、リンパ系由来の液、精液、臓器内系液、腹水、腫瘍嚢胞液、羊水及び細胞培養上清、及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では生体試料としての使用にとって好ましい体液は尿である。他の実施形態では好ましい体液は血清である。さらに他の実施形態では好ましい体液は血漿である。他の実施形態では好ましい体液は脳脊髄液である。約0.1ml〜約30mlの試料体積の液体が使用され得ることが適切である。液体の体積は幾つかの因子、例えば、使用される液体の種類に依存し得る。例えば、血清試料の体積は約0.1ml〜約4ml、好ましくは約0.2ml〜4mlであり得る。血漿試料の体積は約0.1ml〜約4ml、好ましくは0.5ml〜4mlであり得る。尿試料の体積は約10ml〜約30ml、好ましくは約20mlであり得る。生体試料は糞便試料又は盲腸試料、又はそれらから単離された上清も含み得る。
「対象」という用語は核酸含有粒子を有することが示されている、又は期待されている全ての動物を含むものとする。特定の実施形態ではその対象は哺乳類動物、ヒト又は非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、他の家畜、又はげっ歯類(例えば、マウス、ウサギ、モルモット等)である。ヒト対象は観察可能な異常、例えば、疾患を有しない正常なヒトであり得る。ヒト対象は観察可能な異常、例えば、疾患を有するヒトであり得る。その観察可能な異常はそのヒト自身によって、又は医療従事者によって観察され得る。「対象」、「患者」、及び「個体」という用語は本明細書において互換的に使用される。
本明細書において使用される場合、「核酸」という用語はDNAとRNAを指す。それらの核酸は一本鎖又は二本鎖であり得る。幾つかの例では、核酸はDNAである。幾つかの例では、核酸はRNAである。RNAにはメッセンジャーRNA、トランスファーRNA、リボソーマルRNA、ノンコーディングRNA、マイクロRNA、及びHERVエレメントが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「高品質」という用語は核酸抽出に関連して18Sと28SのrRNAを好ましくは約1:1〜約1:2、より好ましくは、約1:2の比率で検出することができる抽出を意味する。本明細書に記載される方法及び/又はキットによって得られる高品質核酸抽出法が低タンパク質生体試料(例えば、尿)について5以上のRNAインテグリティ・ナンバー、又は高タンパク質生体試料(例えば、血清)について3以上のRNAインテグリティ・ナンバー、及び20mlの低タンパク質生体試料又は1mlの高タンパク質生体試料から50pg/ml以上の核酸収量も有することが理想的である。
RNA分解が、例えば、遺伝子発現及びmRNAの分析並びに小RNA及びマイクロRNAなどのノンコーディングRNAの分析における抽出されたRNAの下流評価に悪影響を及ぼし得るので、高品質RNA抽出法が望ましい。本明細書に記載される新規の方法及び/又はキットによって生体試料から単離された微細小胞から高品質の核酸を抽出することが可能になり、それらの微細小胞内の核酸の正確な分析を実施することができる。
生体試料からの微細小胞の単離の後にその単離又は濃縮された微細小胞画分から核酸を抽出することができる。これを達成するため、幾つかの実施形態では微細小胞を最初に溶解してよい。微細小胞の溶解と核酸の抽出は当技術分野において知られている様々な方法により達成され得る。1つの実施形態では溶解ステップと抽出ステップは市販のQiagen RNeasy Plusキットを使用して達成され得る。別の実施形態では溶解ステップと抽出ステップは市販のQiagen miRNeasyキットを使用して達成され得る。さらに別の実施形態では核酸抽出は当技術分野において知られている標準的技法及び技術に従ってフェノール:クロロホルムを使用して達成され得る。そのような方法は微細小胞内に含まれる核酸を捕捉するために核酸結合カラムを活用してもよい。核酸が一旦結合したところでそれらの核酸と結合カラムとの間の相互作用を破壊し、それによって核酸をうまく溶出するのに適切な緩衝液又は溶液を使用して核酸を溶出することができる。
幾つかの実施形態ではそれらの核酸抽出方法は生体試料からの高品質核酸抽出を妨害する有害因子を除去又は軽減するステップも含む。そのような有害因子は、様々な生体試料が様々な種類の有害因子を含み得るという点で不均一である。幾つかの生体試料では過剰なDNAなどの因子がそのような試料からの核酸抽出法の特質に影響を及ぼし得る。他の試料では過剰な内在性RNaseなどの因子がそのような試料からの核酸抽出法の特質に影響を及ぼし得る。これらの有害因子を除去するために多数の薬剤と方法を使用してよい。これらの方法と薬剤は本明細書において「抽出増強操作」と集合的に呼ばれる。幾つかの例では、その抽出増強操作は生体試料への核酸抽出増強剤の添加を含み得る。内在性RNaseなどの有害因子を除去するため、本明細書において定義される抽出増強剤はSuperase−In(Ambion社より市販)又はRNaseINplus(Promega社より市販)などのRNase阻害剤、又は同様に機能する他の薬剤;プロテアーゼ(RNase阻害剤として機能し得る);DNase;還元剤;合成RNA及び/又はキャリアーRNAなどのデコイ基質;RNaseに結合し得る可溶性受容体;低分子干渉RNA(siRNA);抗RNA抗体、塩基性タンパク質又はシャペロンタンパク質などのRNA結合分子;高モル浸透圧濃度溶液、界面活性剤、又はそれらの組合せなどのRNase変性物質を含み得るが、これらに限定されない。
例えば、抽出増強操作は核酸抽出前に生体試料及び/又は単離された微細小胞画分へのRNase阻害剤の添加を含み得る。好ましくは、そのRNase阻害剤は体積が1μl以上の試料に対して0.027AU(1×)より高い濃度を有し、あるいは1μl以上の試料に対して0.135AU(5×)以上の濃度を有し、あるいは1μl以上の試料に対して0.27AU(10×)以上の濃度を有し、あるいは1μl以上の試料に対して0.675AU(25×)以上の濃度を有し、あるいは1μl以上の試料に対して1.35AU(50×)以上の濃度を有し、その1×濃度は0.027AU以上のRNase阻害剤が1μl以上の体液から単離された微細小胞を処理するために使用される酵素条件を指し、5×濃度は0.135AU以上のRNase阻害剤が1μl以上の体液から単離された微細小胞を処理するために使用される酵素条件を指し、10×プロテアーゼ濃度は0.27AU以上のRNase阻害剤が1μl以上の体液から単離された粒子を処理するために使用される酵素条件を指し、25×濃度は0.675AU以上のRNase阻害剤が1μl以上の体液から単離された微細小胞を処理するために使用される酵素条件を指し、50×プロテアーゼ濃度は1.35AU以上のRNase阻害剤が1μl以上の体液から単離された粒子を処理するために使用される酵素条件を指す。好ましくはそのRNase阻害剤はプロテアーゼであり、その場合に1AUは分当たり1μmolのチロシンに相当するフォリン陽性アミノ酸とペプチドを放出するプロテアーゼ活性である。
これらの増強剤はそれらの機能を様々な方法で、例えば、RNase活性の阻害(例えば、RNase阻害剤)を介して、タンパク質の広範な分解(例えば、プロテアーゼ)を介して、又はRNAに結合し、保護するシャペロンタンパク質(例えば、RNA結合タンパク質)を介して発揮し得る。全ての例においてそのような抽出増強剤は、単離された粒子からの高品質核酸の抽出を防ぐ、又は妨げる生体試料中の有害因子又は単離された粒子と結合している有害因子のうちの幾らか、又は全てを除去又は少なくとも軽減する。
幾つかの実施形態では抽出された18Sと28SのrRNAの定量を用いて核酸抽出の特質を決定することができる。
核酸バイオマーカーの検出
幾つかの実施形態では抽出される核酸はRNAを含む。この例ではさらなる増幅の前にそのRNAを相補性DNA(cDNA)に逆転写することが好ましい。そのような逆転写は単独で、又は増幅ステップと組み合わせて実施され得る。逆転写と増幅ステップを組み合わせる方法の一例は逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)であり、その逆転写ポリメラーゼ連鎖反応は定量的であるように、例えば、米国特許第5639606号明細書に記載される定量的RT−PCRにさらに改変されてよく、その米国特許明細書はこの教示に関して参照により本明細書に援用される。その方法の別の例は2つの別個のステップを含み、最初の逆転写はRNAをcDNAに変換し、2番目のステップは定量的PCRを用いてcDNAの量を定量する。後続の実施例において示されるように、本明細書において開示される方法を用いて核酸含有粒子から抽出されるRNAは、限定されないが、リボソーマル18S及び28S rRNA、マイクロRNA、トランスファーRNA、疾患又は健康状態に関連する転写物、及び健康状態の診断、予後予測及びモニタリングにとって重要なバイオマーカーをはじめとする多種多様な転写物を含む。
例えば、RT−PCR分析は各反応のCt値(サイクル閾値)を決定する。RT−PCRでは陽性反応が蛍光シグナルの蓄積によって検出される。Ct値は、その蛍光シグナルが閾値を超える(すなわち、バックグラウンドレベルを超える)ために必要とされるサイクル数として定義される。Ctレベルは試料中の標的核酸の量又は対照核酸の量に反比例する(すなわち、Ctレベルが低いほど試料中の対照核酸の量が多い)。
別の実施形態では、限定されないが、RT−PCRをはじめとする当技術分野において認識されている様々な技術のうちのいずれかを用いて対照核酸のコピー数を測定することができる。当技術分野において知られている方法を用いて、例えば、校正曲線、又は検量線を作成及び利用することにより対照核酸のコピー数を決定することができる。
幾つかの実施形態では1つ以上のバイオマーカーが遺伝子異常のうちの1つ又は遺伝子異常のコレクションであり得、それは核酸含有粒子内の核酸の量並びに核酸の異型を指すために本明細書において使用される。具体的には遺伝子異常には、限定されないが、遺伝子(例えば、癌遺伝子)又は一団の遺伝子の過剰発現、遺伝子(例えば、p53又はRBなどの腫瘍抑制遺伝子)又は一団の遺伝子の過少発現、遺伝子又は一団の遺伝子のスプライシング変異体の代替的産生、遺伝子コピー数変異体(CNV)(例えば、DNA二重微小染色体)(Hahn、1993)、核酸修飾(例えば、メチル化、アセチル化及びリン酸化)、一ヌクレオチド多型(SNP)、染色体再構築(例えば、逆位、欠失及び重複)、及び遺伝子又は一団の遺伝子の突然変異(挿入、欠失、重複、ミスセンスヌクレオチド変異、ナンセンスヌクレオチド変異、同義ヌクレオチド変異又は他のあらゆるヌクレオチド変異)が含まれ、それらの突然変異は多くの場合に最終的には遺伝子産物の活性と機能に影響を及ぼし、代替的転写スプライシング変異体及び/又は遺伝子発現レベルの変化、又は前述のもののいずれかの組合せを引き起こす。
単離された粒子に存在する核酸の分析は定量的及び/又は定性的である。定量的分析について、単離された粒子内の目的の特定の核酸の量(発現レベル)は相対的にしても絶対的にしても当技術分野において知られている方法(下に記載)により測定される。定性的分析について、単離された微細小胞内の目的の特定の核酸の種類は野生型にしても変異体にしても当技術分野において知られている方法により特定される。
本発明は、(i)対象の診断支援、(ii)対象における疾患又は他の健康状態の進行又は再発のモニタリング、又は(iii)疾患又は他の健康状態の治療を受けている、又は考えている対象への治療効力の評価の支援のための高品質の核酸の抽出のために生体試料から微細小胞を単離する新規の方法の様々な使用法も含み、その方法から得られた核酸抽出法の中に1つ以上のバイオマーカーの存在又は不在を判定し、それらの1つ以上のバイオマーカーがそれぞれ疾患又は他の健康状態の診断、進行又は再発、又は治療効力と関連する。
生体試料からの微細小胞の単離用のキット
本発明の1つの態様は本明細書において開示される方法において使用するためのキットにさらに関する。そのキットは微細小胞を生体試料から同じくその生体試料中に存在する望まれない粒子、小片、及び小分子と分けるのに充分である捕捉面器具を備える。本発明は所望により単離と後続の任意の核酸抽出処理における前記の試薬を使用するための指示書も含む。
本明細書において提供される実施例は遠心分離及び/又は濾過の目的のために使用される様々な膜及び器具を使用するが、微細小胞の効率的な捕捉とそれらに含まれる核酸、特に、RNAの解離を可能にするあらゆる捕捉面及び/又は収納器具と共にこれらの方法が使用され得ることが理解されるべきである。
実施例1:吸引フォーマットの0.65um正帯電Q PESフィルターを使用して血漿微細小胞性RNAを単離することができる。
正常対照血漿をBioreclamation社から得た。血液をK2 EDTAチューブに採取し、完全に転倒させてよく混合した。それらのチューブを1300×gで10分間遠心分離にかけて血液細胞と血漿を分離した。その後、その血漿を0.8μm混合セルロースエステルフィルター(ミリポア、ビレリカ、マサチューセッツ州、米国)により濾過して細胞小片と血小板を除去し、1mLのアリコットに分割した。必要とされるまでアリコットを−80℃で凍結した。
超遠心分離又はFast Trapアデノウイルス精製及び濃縮キット(ミリポア、ビレリカ、マサチューセッツ州、米国)0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離法において、8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤を含む5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に4人の対象に由来する血漿の1本の1mLのアリコットを移し、室温で5分間保温した。保温の後にその血漿を1mLのPBS(10mMのリン酸ナトリウム、2mMのリン酸カリウム、2.7mMのKCl、137mMのNaCl、pH7.4)に希釈した。120,000g、8℃で80分間の超遠心分離により微細小胞を沈殿させた。その微細小胞ペレットを42μLのPBSと8μLのRNasin Plusの中で洗浄し、室温で20分間保温した。その微細小胞ペレットを700ulのQiazol試薬(Qiagen、バレンシア、カリフォルニア州、米国)の中で溶解した。
0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過法において、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の1本の1mLのアリコットをプールし、5mLのPBSで希釈し、そして1mLの10×結合緩衝液(ミリポア)と混合した。血漿試料を適用する前に吸引により25mLの平衡化緩衝液(ミリポア)を通過させてフィルターを調整した。その後、吸引によりそのフィルターに血漿試料を通過させた。さらなる分析のために濾過液を貯留した。そのフィルターを吸引により20mLの洗浄緩衝液で洗浄した。その後、微細小胞をQiazolで溶解した。2.25mLのQiazolをその膜に適用し、そして約5滴のQiazolを吸引により引いてそのフィルターを通過させて散布した。その後、そのフィルターを室温で5分間保温し、吸引による溶出を行った。
8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤を含む2本の5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に濾過液試料を移し、室温で5分間保温した。120,000g、8℃で80分間の超遠心分離により微細小胞を沈殿させた。微細小胞ペレットを42μLのPBSと8μLのRNasin Plusの中で洗浄し、室温で20分間保温した。それらの微細小胞ペレットを700ulのQiazol試薬(Qiagen、バレンシア、カリフォルニア州、米国)の中で溶解した。
超遠心分離試料及び濾過(フィルター及び濾過液)試料について、製造業者の推奨に従ってmiRNeasyキット(Qiagen)を使用して微細小胞性RNAを単離した。RNA6000ピコチップを使用する2100バイオアナライザー(アジレント、パロアルト、カリフォルニア州、米国)を用いてRNAの品質と濃度について評価した(図1A)。スーパースクリプトVILO cDNA合成キット(インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニア州、米国)及びTaqmanマイクロRNA逆転写キット(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)を製造業者のプロトコルに従って使用してそれぞれ微細小胞性RNAの総体積の3分の2及び9分の2をcDNAに変換した。
濾過(フィルター及び濾過液)及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用してmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。GAPDHとRNasePについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、20×Taqman遺伝子発現アッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、及びスーパースクリプトVILO cDNA合成キットにより逆転写されたcDNAの1:15画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。RN7SLについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス、900nMのRN7SLフォワードCAAAACTCCCGTGCTGATCA(配列番号1)、900nMのRN7SLリバースGGCTGGAGTGCAGTGGCTAT(配列番号2)、250nMのRN7SLプローブTGGGATCGCGCCTGT(配列番号3)、及びスーパースクリプトVILO cDNA合成キットにより逆転写されたcDNAの1:15画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。miR−16、miR−150、及びlet−7aについて、2×TaqmanユニバーサルPCRマスターミックス、20×TaqmanマイクロRNAアッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、及びTaqmanマイクロRNA逆転写キットにより逆転写されたcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。増幅条件は1サイクルの50℃で2分、1サイクルの95℃で10分、40サイクルの95℃で10分及び60℃で1分からなった。図1Bを参照のこと。
実施例2:ミリポアFast Trapウイルス精製カラムを使用する黒色腫患者由来の血漿試料におけるBRAF V600E突然変異の検出
IRBによって承認されたプロトコルに従い、且つ、実施例1に記載されるようにルードヴィヒ・マクシミリアン大学から黒色腫血漿を得た。
超遠心分離又はFast Trapアデノウイルス精製及び濃縮キット(ミリポア、ビレリカ、マサチューセッツ州、米国)0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過を用いて2mL及び12mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離法において、8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤を含む5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に2mLと3本×4mLの血漿を移し、室温で5分間保温した。保温の後にその2mLと4mLずつの血漿をそれぞれ3mLと1mLのPBSの中に希釈した。実施例1に記載されるように微細小胞を沈殿させ、溶解した。
0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過法において、2mLと12mLの血漿をそれぞれ2.5mLと15mLのPBSで希釈し、それぞれ500ul及び3mLの10×結合緩衝液(ミリポア)と混合した。血漿試料を適用する前に吸引により25mLの平衡化緩衝液(ミリポア)を通過させてフィルターを調整した。その後、吸引によりそのフィルターに血漿試料を通過させた。さらなる分析のために濾過液を貯留した。それらのフィルターを吸引により20mLの洗浄緩衝液で洗浄した。さらなる分析のために洗浄液を貯留した。実施例1に記載されるようにフィルターを溶解した。
2mLと12mLの血漿濾過液試料をそれぞれ1本と6本の5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に移した。洗浄液試料をそれぞれ4本の5mLのポリアロマーチューブに移した。それらのポリアロマーチューブを8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤と共に室温で5分間保温した。実施例1に記載されるように微細小胞を沈殿させ、溶解した。
超遠心分離試料及び濾過(フィルター、濾過液、及び洗浄液)試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。
超遠心分離試料及び濾過(フィルター、濾過液、及び洗浄液)試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図12Aを参照のこと。スーパースクリプトVILO cDNA合成キット(インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニア州、米国)を製造業者のプロトコルに従って使用して微細小胞性RNAの総体積の7分の6をcDNAに変換した。
濾過(フィルター、濾過液、及び洗浄液)及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAのBRAF突然変異を検出する能力を比較するため、野生型と突然変異型のBRAF mRNAに対してRT−PCRを実施した。BRAF突然変異アッセイはARMS(増幅屈折性変異システム)アレル特異的PCRを用いる。そのアッセイはアストラゼネカ(チェシャー、英国)より改作された。その突然変異アッセイはBRAF T1799Aの増幅に特異的なプライマー(1798又は1800の位置に存在する追加の突然変異に応じてV600E、V600K又はV600Dを検出する)を含む。2×TaqmanユニバーサルPCRマスターミックス、900nMのBRAF WTフォワードAAAAATAGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT(配列番号4)、900nMのBRAF MT ARMSフォワードAAAAATAGGTGATTTTGGTCTAGCTACATA(配列番号5)、900nMのBRAF JS E15リバースTGGATCCAGACAACTGTTCAA(配列番号6)、250nMのBRAF AZ E15プローブGATGGAGTGGGTCCCATCAG(配列番号7)及び前記cDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。増幅条件は1サイクルの50℃で2分、1サイクルの95℃で10分、50サイクルの95℃で10分及び60℃で1分からなった。図2を参照のこと。
実施例3:再生セルローススピンカラム
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過法において、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の1mLのアリコットをプールし、444ulの10×負荷緩衝液(ザルトリウス)で希釈した。血漿試料を適用する前に5mLの1×洗浄緩衝液(ザルトリウス)を500×gで5分間の回転により通すことによりフィルターを調整した。その後、500×gで5分間の回転によりその血漿試料をそのフィルターに通した。さらなる分析のために濾過液を貯留した。そのフィルターを500×gで5分間の回転により18mLの洗浄緩衝液(ザルトリウス)で2回洗浄した。さらなる分析のために最初の洗浄液を貯留した。その後、微細小胞をQiazolで溶解した。1mLのQiazolをその膜に適用し、100×gで1秒間の回転により散布した。その後、そのフィルターを室温で10分間保温し、そして500×gで5分間の回転により溶出を行った。
濾過液試料と洗浄液試料をそれぞれ1本と4本の5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に移した。それらのポリアロマーチューブを8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤と共に室温で5分間保温した。洗浄ポリアロマーチューブを500ulのPBSで希釈した。実施例1に記載されるように微細小胞を沈殿させ、溶解した。
超遠心分離試料及び濾過(フィルター、濾過液、及び洗浄液)試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図3Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
濾過(フィルター、濾過液、及び洗浄液)及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図3Bを参照のこと。
実施例4:スピンカラム(自家製カラム)内のPall社Mustang S膜
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は自家製スピンカラム器具を使用するMustang S(Pall、ポート・ワシントン、ニューヨーク州、米国)0.8um負帯電Sポリエーテルスルホン遠心濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
0.8um負帯電Sポリエーテルスルホン遠心濾過法において、スピンカラムのケース内に3層のカットフィルター層を配置し、バイトンOリングで密封することによりスピンカラムを作製した。超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の1本の1mLのアリコットをプールし、2×負荷緩衝液(100mMのリン酸ナトリウム、pH6.8)で希釈した。血漿試料を適用する前に500×gで5分間の回転により18mLの平衡化緩衝液(50mMのリン酸ナトリウム、150mMのNaCl、pH6.8)を通すことによりフィルターを調整した。その後、200×gで2分間の回転によりその血漿試料をそのフィルターに通した。そのフィルターを200×gで2分間の回転により18mLの洗浄緩衝液(50mMのリン酸ナトリウム、150mMのNaCl、pH6.8)で洗浄した。その後、微細小胞をQiazolで溶解した。1mLのQiazolをその膜に適用し、100×gで1分間の回転により散布した。その後、そのフィルターを室温で10分間保温し、そして100×gで2分間、続いて2,000×gで2分間の回転により溶出を行った。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図4Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図4Bを参照のこと。
実施例5:スピンカラム内のPall社Mustang膜Q
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は自家製スピンカラム器具を使用する0.8um Mustang Q(Pall)正帯電Qポリエーテルスルホン遠心濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
0.8um正帯電Qポリエーテルスルホン遠心濾過法において、実施例4に記載されるようにスピンカラムを作製した。超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の1本の1mLのアリコットをプールし、5mLのPBSで希釈し、1mLの10×負荷緩衝液(1Mのトリス、1MのNaCl、0.1MのMaCl2、pH8)と混合した。血漿試料を適用する前に500×gで5分間の回転により18mLの平衡化緩衝液(0.1Mのトリス、0.1MのNaCl、0.01MのMaCl2、pH8)を通すことによりフィルターを調整した。その後、200×gで2分間の回転によりその血漿試料をそのフィルターに通した。そのフィルターを200×gで2分間の回転により18mLの洗浄緩衝液(0.1Mのトリス、0.2MのNaCl、0.01MのMgCl2、pH8)で洗浄した。その後、微細小胞をQiazolで溶解した。1mLのQiazolをその膜に適用し、100×gで1秒間の回転により散布した。その後、そのフィルターを室温で10分間保温し、そして100×gで2分間、続いて2,000×gで2分間の回転により溶出を行った。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図5Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図5Bを参照のこと。
実施例6:シリンジフィルター内のPall社Mustang膜Q又はS
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又はMustang Q(Pall)0.8um正帯電Qポリエーテルスルホンシリンジ濾過又はMustang S(Pall)0.8um負帯電Sポリエーテルスルホンシリンジ濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
0.8um正帯電Qポリエーテルスルホンシリンジ濾過法及び0.8um負帯電Sポリエーテルスルホンシリンジ濾過法において、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の2本の1mLのアリコットをプールし、5mLのPBSで希釈し、1mLの10×負荷緩衝液(Q:200mMのトリス、100mMのNaCl、pH7.4;S:200mMのリン酸、100mMのNaCl、pH7.4)と混合した。血漿試料を適用する前にシリンジにより20mLの適切な平衡化緩衝液(Q:20mMのトリス、100mMのNaCl、pH7.4;S:20mMのリン酸、100mMのNaCl、pH7.4)を通すことでフィルターを調整した。その後、シリンジによりその血漿試料をそれらのフィルターに通した。さらなる分析のために濾過液を貯留した。それらのフィルターをシリンジにより20mLの適切な洗浄緩衝液(Q:20mMのトリス、100mMのNaCl、pH7.4;S:20mMのリン酸、100mMのNaCl、pH7.4)で洗浄した。その後、残留液をそれらのフィルターから除去し、微細小胞をQiazolで溶解した。700ulのQiazolをそれらの膜に適用し、シリンジにより散布した。その後、それらのフィルターを室温で5分間保温し、そしてシリンジにより溶出した。
濾過液試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
超遠心分離試料及び濾過(フィルター及び濾過液)試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
濾過(フィルター及び濾過液)及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図6を参照のこと。
実施例7:負帯電ナイロン(シリンジフィルター)
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は50nm負帯電ナイロンシリンジ濾過(Sterlitech、ケント、ワシントン州、米国)を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
50nm負帯電ナイロンシリンジ濾過法において、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の1本の1mLのアリコットをプールした。シリンジによりその血漿試料をそのフィルターに通した。さらなる分析のために濾過液を貯留した。そのフィルターをシリンジにより20mLのPBSで洗浄した。その後、シリンジにより残留液をそのフィルターから除去した。溶解のために700ulのQiazolをそれらの膜に適用し、シリンジにより散布した。その後、そのフィルターを室温で20秒間保温し、そしてシリンジにより溶出した。
8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤を含む5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に濾過液を移し、室温で5分間保温した。保温の後にその濾過液を1mLのPBSで希釈した。実施例1に記載されるように微細小胞を沈殿させ、溶解した。
超遠心分離試料及び濾過(フィルター及び濾過液)試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図7Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
濾過(フィルター及び濾過液)及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図7Bを参照のこと。
実施例8:尿試料からの微細小胞性RNAの単離
正常対照尿を自社で獲得し、細胞小片を除去するために0.8μm混合セルロースエステルフィルター(ミリポア)により濾過した。その濾過された尿を必要とされるまで4℃で保存した。
100K遠心分離フィルターユニット濃縮(ミリポア)又はFast Trapアデノウイルス精製及び濃縮キット(ミリポア)0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過を用いて10mLの尿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
100K遠心分離フィルターユニット濃縮において、10mLの尿を100K遠心分離フィルターユニットに移し、4,500×gで5分間の回転により濃縮した。その後、その濃縮された微細小胞試料を700ulのQiazolの中で溶解した。
0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過法において、100K遠心分離フィルターユニット濃縮に使用された同じ対象に由来する10mLの尿を8mLのPBSで希釈し、2mLの10×結合緩衝液(ミリポア)と混合した。そのフィルターを実施例1に記載されるように平衡化し、血漿試料を負荷し、洗浄し、そして溶解した。
8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤を含む4本の5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に濾過液試料を移し、室温で5分間保温した。実施例1に記載されるように微細小胞を沈殿させ、溶解した。
超遠心分離試料及び濾過(フィルター及び濾過液)試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図8Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
濾過(フィルター及び濾過液)及び100K遠心分離フィルターユニット濃縮により単離された尿微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図8Bを参照のこと。
実施例9:表面荷電(S阻害)
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は改変型3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過又は改変型3um負帯電S再生セルロース遠心濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
3um正帯電Q再生遠心濾過法及び3um負帯電S再生セルロース遠心濾過法において、24フィルター層のうちの21層を取り外すことによりスピンカラムをそれぞれ改変した。超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の1本の1mLのアリコットをプールした。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。cDNA合成の前にRNAを1:10及び1:100に希釈した。スーパースクリプトVILO cDNA合成キット(インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニア州、米国)を製造業者のプロトコルに従って使用して微細小胞性RNAの総体積の5分の3、1:10RNA希釈物、及び1:100RNA希釈物をcDNAに変換した。
RNAレベルでのRT−PCRの阻害がどのようなものでも存在するか判定するため、濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAの希釈物を比較した。GAPDHに対してRT−PCRを実施した。2×Taqman遺伝子発現マスターミックス(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、20×Taqman遺伝子発現アッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、及びスーパースクリプトVILO cDNA合成キットにより逆転写されたcDNAの1:15画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。増幅条件は実施例1に記載される通りであった。図9を参照のこと。
RNAレベルでのRT−PCRのどんな阻害も存在しない場合には各1:10希釈物は、超遠心分離及び3um正帯電Q再生セルロース濾過において示されるように、3.3Ctの増加を生じただろう。しかしながら、3um負帯電S再生セルロース濾過については希釈により平均Ct値が減少し、RNAレベルでのRT−PCR阻害を示した。
負荷前に血漿試料が5.5以下に設定されたpHであるときにフィルターが目詰まりする傾向が有り、血漿がカラムを通過しないことが観察された。
実施例10:微細小胞は酸性pH中で安定である。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
遠心分離を用いて1.9mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。ペレットを次の緩衝液中に二つ一組で再懸濁した:
・50mMのメチルマロン酸、150mMのNaCl、pH2.5
・50mMのメチルマロン酸、150mMのNaCl、pH3.5
・50mMの酢酸、150mMのNaCl、pH4.5
・10mMのリン酸ナトリウム、2mMのリン酸カリウム、2.7mMのKCl、137mMのNaCl、pH7.4。
具体的には1人の対象に由来する16本の1mLの血漿のアリコットをプールした。1.9mLのプールした血漿を8本の2.0mLのエッペンドルフチューブに移し、21,130×g、8℃で30分間の回転により沈殿させた。微細小胞ペレットを150ulの適切な緩衝液に再懸濁し、室温で20分間保温した。その後、その微細小胞ペレットを700ulのQiazol試薬(Qiagen、バレンシア、カリフォルニア州、米国)の中で溶解した。
実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図10Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
酸性pH中での血漿微細小胞の安定性を判定するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図10Bを参照のこと。
実施例11:微細小胞は塩基性pH中で安定ではない。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
塩基性pH中での血漿微細小胞の安定性を判定するため、微細小胞ペレットを次の緩衝液に再懸濁した:
・50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7
・50mMのトリス、150mMのNaCl、pH8
・50mMのジエタノールアミン、150mMのNaCl、pH9
・50mMエタノールアミン、150mMのNaCl、pH10。
血漿微細小胞性RNAの単離と分析を実施例10に記載されるように実施した。図11A及び11Bを参照のこと。
実施例12:帯電膜上での微細小胞の捕捉及び/又は微細小胞の安定性は緩衝液のpH及び/又は緩衝液の濃度及び/又は緩衝液の種類によって影響を受ける。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過を用いて4.8mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離法において、5人の対象に由来する血漿の1mLのアリコットをプールした。8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤を含む5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に4.8mLのプールした血漿を移し、室温で5分間保温した。実施例1に記載されるように微細小胞を沈殿させ、溶解した。
3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過法において、様々な緩衝液の種類とpHを用いて平衡化緩衝液、負荷緩衝液、及び洗浄緩衝液を試験した。次の緩衝液セットを使用した:
・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7(平衡化及び洗浄緩衝液)、
・100mMのトリス、150mMのNaCl、pH8(2×負荷緩衝液)と50mMのトリス、150mMのNaCl、pH8(平衡化及び洗浄緩衝液)、又は
・100mMのジエタノールアミン、150mMのNaCl、pH9(2×負荷緩衝液)と50mMのジエタノールアミン、150mMのNaCl、pH9(平衡化及び洗浄緩衝液)。
まず、超遠心分離法において使用された同じ5人の対象に由来する血漿の3本の1mLのアリコットをプールした。4.8mLのプールした血漿を各緩衝液セットについて別々の50mLのコニカルチューブに分け、4.8mLの適切な2×負荷緩衝液と混合した。正確を期するためにそれぞれの希釈された血漿試料のpHを評価した。血漿試料を適用する前に500×gで5分間の回転により5mLの適切な平衡化緩衝液を通すことによりフィルターを調整した。その後、500×gで5分間の回転によりその血漿試料をそのフィルターに通した。さらなる分析のために濾過液を貯留した。そのフィルターを500×gで5分間の回転により18mLの適切な洗浄緩衝液で2回洗浄した。その後、微細小胞をQiazolで溶解した。1mLのQiazolをその膜に適用し、100×gで1秒間の遠心分離により散布した。その後、そのフィルターを室温で10分間保温し、そして500×gで5分間の回転により溶出を行った。
濾過液試料をそれぞれ実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
超遠心分離試料及び濾過(フィルター及び濾過液)試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図12Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
微細小胞性RNAの濾過に好ましいpHを決定し、且つ、濾過(フィルター及び濾過液)及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。
図12Bに示されるように、pH及び/又は緩衝液の種類はGAPDH、RN7SL、RNaseP、let−7a、及びmiR−150に関して有意な効果を濾過試料に対して有する。100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7(平衡化及び洗浄緩衝液)の緩衝液セットがフィルター試料にとって好ましい。pH及び/又は緩衝液の種類はmiR−16に関して有意な効果を濾過試料に対して有しない。さらに、GAPDH、RN7SL、及びRNasePのRNAのレベルはフィルター試料と超遠心分離試料に関して同様である。平均Ct値は好ましいフィルター試料と比較して超遠心分離試料ではlet−7aについて0.9Ct低く、miR−150について0.7Ct高かった。平均Ct値は好ましいフィルター試料と比較して超遠心分離試料ではmiR−16について2.3Ct低かった。このことは微細小胞内のマイクロRNAのパッケージングの差異に起因する可能性が非常に高い。幾つかのマイクロRNAが血漿中のリボ核タンパク質複合体内に見つかっており、正帯電濾過によって必ずしも捕捉されないのだろう。
実施例13:帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び/又は微細小胞の安定性は緩衝液のpH及び/又は緩衝液の濃度及び/又は緩衝液の種類によって影響を受ける。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過を用いて3.8mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離法において、4人の対象に由来する血漿の1mLのアリコットをプールした。8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤を含む5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に3.8mLのプールした血漿を移し、室温で5分間保温した。保温の後にその血漿を1.2mLのPBSに希釈した。実施例1に記載されるように微細小胞を沈殿させ、溶解した。
3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過法において、様々な緩衝液の種類とpHを用いて平衡化緩衝液、負荷緩衝液、及び洗浄緩衝液を試験した。次の緩衝液セットを使用した:
・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのトリエタノールアミン、150mMのNaCl、pH6.5(2×負荷緩衝液)と50mMのトリエタノールアミン、150mMのNaCl、pH7.0(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7.4(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのトリス、150mMのNaCl、pH7.4(2×負荷緩衝液)と50mMのトリス、150mMのNaCl、pH7.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH8(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのトリス、150mMのNaCl、pH8(2×負荷緩衝液)と50mMのトリス、150mMのNaCl、pH8(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのトリス、150mMのNaCl、pH8.5(2×負荷緩衝液)と50mMのトリス、150mMのNaCl、pH8.5(平衡化及び洗浄緩衝液)。
まず、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の8本の1mLのアリコットをプールした。3.8mLのプールした血漿を各緩衝液セットについて別々の50mLのコニカルチューブに分け、3.8mLの適切な2×負荷緩衝液と混合した。正確を期するためにそれぞれの希釈された血漿試料のpHを評価した。血漿試料を適用する前に500×gで5分間の回転により5mLの適切な平衡化緩衝液を通すことによりフィルターを調整した。その後、500×gで5分間の回転によりその血漿試料をそのフィルターに通した。そのフィルターを500×gで5分間の回転により18mLの適切な洗浄緩衝液で2回洗浄した。その後、微細小胞をQiazolで溶解した。1mLのQiazolをその膜に適用し、100×gで1秒間の遠心分離により散布した。その後、そのフィルターを室温で10分間保温し、そして500×gで5分間の回転により溶出を行った。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図13Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
微細小胞性RNAの濾過にとって好ましいpHと緩衝液の種類を決定し、且つ、濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図13Bを参照のこと。
次の緩衝液セットが好ましい:100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液);及び100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7(平衡化及び洗浄緩衝液)。
実施例14:帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び/又は微細小胞の安定性は緩衝液のpH及び緩衝液の濃度によって影響を受ける。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過を用いて3.8mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例13に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過法において、様々な緩衝液の種類とpHを用いて平衡化緩衝液、負荷緩衝液、及び洗浄緩衝液を試験した。次の緩衝液セットを使用した:
・117mMのビストリス、150mMのNaCl、pH1.9(2×負荷緩衝液)と58.5mMのビストリス、150mMのNaCl、pH6(平衡化及び洗浄緩衝液)
・117mMのビストリス、150mMのNaCl、pH6.1(2×負荷緩衝液)と58.5mMのビストリス、150mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7.4(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・200mMのトリス、150mMのNaCl、pH7.5(2×負荷緩衝液)と100mMのトリス、150mMのNaCl、pH7.5(平衡化及び洗浄緩衝液)。
まず、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の6本の1mLのアリコットをプールした。3.8mLのプールした血漿を各緩衝液セットについて別々の50mLのコニカルチューブに分け、3.8mLの適切な2×負荷緩衝液と混合した。正確を期するためにそれぞれの希釈された血漿試料のpHを評価した。それらのフィルターを実施例13に記載されるように平衡化し、血漿試料を負荷し、洗浄し、そして溶解した。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図14Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
微細小胞性RNAの濾過にとって好ましいpHと緩衝液の種類を決定し、且つ、濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図14Bを参照のこと。
次の緩衝液セットが好ましい:100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液);及び100mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH6.8(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、150mMのNaCl、pH7(平衡化及び洗浄緩衝液)。
実施例15:帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び微細小胞の安定性は緩衝液の濃度によって影響を受ける。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過を用いて3.8mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例13に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過法において、様々な緩衝液濃度を用いて平衡化緩衝液、負荷緩衝液、及び洗浄緩衝液を試験した。次の緩衝液セットを使用した:
・100mMのビストリスプロパン、0.15mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.15mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・500mMのビストリスプロパン、900mMのNaCl、pH6.4(2×負荷緩衝液)と250mMのビストリスプロパン、450mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)。
まず、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の2本の1mLのアリコットをプールした。3.8mLのプールした血漿を各緩衝液セットについて別々の50mLのコニカルチューブに分け、3.8mLの適切な2×負荷緩衝液と混合した。正確を期するためにそれぞれの希釈された血漿試料のpHを評価した。それらのフィルターを実施例13に記載されるように平衡化し、血漿試料を負荷し、洗浄し、そして溶解した。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図15Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
微細小胞性RNAの濾過にとって好ましい緩衝液濃度を決定し、且つ、濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図15Bを参照のこと。
実施例16:微細小胞は安定であり、総RNAの収量は低濃度から高濃度の塩によって影響を受けない。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
NaCl中での血漿微細小胞の安定性を判定するため、微細小胞ペレットを次のNaCl濃度を有する50mMのビストリスプロパン、pH6.5の緩衝液の中に二つ一組で再懸濁した:
・0.15MのNaCl
・0.3MのNaCl
・0.6MのNaCl
・1.2MのNaCl
・2.4MのNaCl。
具体的には1人の対象に由来する血漿の20本の1mLのアリコットをプールし、1.9mLのプールした血漿を10本の2.0mLのエッペンドルフチューブに移した。血漿微細小胞を実施例10に記載されるように沈殿させ、再懸濁し、そして溶解した。
実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図16Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
様々な塩濃度における血漿微細小胞の安定性を判定するため、GAPDH、HPRT1、RN7SL、RNaseP、miR−16、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用してmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。GAPDH、RNaseP、及びHPRT1について、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、20×Taqman遺伝子発現アッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、及びスーパースクリプトVILO cDNA合成キットにより逆転写されたcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。RN7SLについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス、900nMのRN7SLフォワードCAAAACTCCCGTGCTGATCA(配列番号1)、900nMのRN7SLリバースGGCTGGAGTGCAGTGGCTAT(配列番号2)、250nMのRN7SLプローブTGGGATCGCGCCTGT(配列番号3)、及びスーパースクリプトVILO cDNA合成キットにより逆転写されたcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。miR−16及びlet−7aについて、2×TaqmanユニバーサルPCRマスターミックス、20×TaqmanマイクロRNAアッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、及びTaqmanマイクロRNA逆転写キットにより逆転写されたcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。増幅条件は実施例1に記載されるように実施された。図16Bを参照のこと。
実施例17:帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び微細小胞の安定性は負荷緩衝液の塩濃度によって影響を受けない。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過を用いて3.8mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例13に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過法において、様々な塩濃度を用いて平衡化緩衝液と負荷緩衝液を試験した。次の緩衝液セットを使用した:
・100mMのビストリスプロパン、0.15MのNaCl、pH6.0(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.15MのNaCl、pH6.5(平衡化緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、1.05MのNaCl、pH6.0(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.6MのNaCl、pH6.5(平衡化緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、2.25MのNaCl、pH6.0(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、1.2MのNaCl、pH6.5(平衡化緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、4.65MのNaCl、pH6.0(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、2.4MのNaCl、pH6.5(平衡化緩衝液)。
まず、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の4本の1mLのアリコットをプールした。3.8mLのプールした血漿を各緩衝液セットについて別々の50mLのコニカルチューブに分け、3.8mLの適切な2×負荷緩衝液と混合した。血漿試料を適用する前に100×gで5分間の回転により5mLの適切な平衡化緩衝液を通すことによりフィルターを調整した。その後、100×gで5分間の回転によりその血漿試料をそのフィルターに通した。さらなる分析のために濾過液を貯留した。洗浄しないで微細小胞をQiazolで溶解した。1mLのQiazolをその膜に適用し、100×gで1秒間の遠心分離により散布した。その後、そのフィルターを室温で10分間保温し、そして200×gで2分間、続いて5000×gで2分間の回転により溶出を行った。
8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤を含む2本の5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に3.8mLの血漿濾過液試料をそれぞれ移し、室温で5分間保温した。保温の後に各濾過液アリコットを1.2mLのPBSに希釈した。実施例1に記載されるように微細小胞を沈殿させ、溶解した。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図17Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
前記濾過方法において血漿試料を負荷するために好ましい塩濃度を決定し、且つ、濾過(フィルター及び濾過液)及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、HPRT1、RN7SL、BRAF、miR−16、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用してmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。GAPDH及びHPRT1について、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、20×Taqman遺伝子発現アッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、及びスーパースクリプトVILO cDNA合成キットにより逆転写されたcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。RN7SLについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス、900nMのRN7SLフォワードCAAAACTCCCGTGCTGATCA(配列番号1)、900nMのRN7SLリバースGGCTGGAGTGCAGTGGCTAT(配列番号2)、250nMのRN7SLプローブTGGGATCGCGCCTGT(配列番号3)、及びスーパースクリプトVILO cDNA合成キットにより逆転写されたcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。BRAFについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス、900nMのBRAF WTフォワードAAAAATAGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT(配列番号4)、900nMのBRAF JS E15リバースTGGATCCAGACAACTGTTCAA(配列番号6)、250nMのBRAF AZ E15プローブGATGGAGTGGGTCCCATCAG(配列番号7)、及びスーパースクリプトVILO cDNA合成キットにより逆転写されたcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。miR−16及びlet−7aについて、2×TaqmanユニバーサルPCRマスターミックス、20×TaqmanマイクロRNAアッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、及びTaqmanマイクロRNA逆転写キットにより逆転写されたcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。増幅条件は実施例1に記載されるように実施された。図17Bを参照のこと。
実施例18:帯電フィルター上での微細小胞の捕捉及び微細小胞の安定性は負荷緩衝液又は洗浄緩衝液の塩濃度によって影響を受けない。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過を用いて3.8mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例13に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過法において、様々な塩濃度を用いて平衡化緩衝液と負荷緩衝液を試験した。次の緩衝液セットを使用した:
・100mMのビストリスプロパン、0.15mMのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.15mMのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、1.05MのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、0.6MのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、2.25MのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、1.2MのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)
・100mMのビストリスプロパン、4.65MのNaCl、pH6(2×負荷緩衝液)と50mMのビストリスプロパン、2.4MのNaCl、pH6.5(平衡化及び洗浄緩衝液)。
まず、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の4本の1mLのアリコットをプールした。3.8mLのプールした血漿を各緩衝液セットについて別々の50mLのコニカルチューブに分け、3.8mLの適切な2×負荷緩衝液と混合した。血漿試料を適用する前に100×gで5分間の回転により5mLの適切な平衡化緩衝液を通すことによりフィルターを調整した。その後、100×gで5分間の回転によりその血漿試料をそのフィルターに通した。さらなる分析のために濾過液を貯留した。そのフィルターを100×gで5分間の回転により18mLの適切な洗浄緩衝液で洗浄した。その後、微細小胞をQiazolで溶解した。1mLのQiazolをその膜に適用し、100×gで1秒間の遠心分離により散布した。その後、そのフィルターを室温で10分間保温し、そして200×gで2分間、続いて5000×gで2分間の回転により溶出を行った。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図18Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
前記濾過方法において血漿試料を洗浄するために好ましい塩濃度を決定し、且つ、濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、HPRT1、BRAF、miR−16、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例17に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図18Bを参照のこと。
実施例19:RNA溶解緩衝液は帯電フィルターを使用して単離された微細小胞からのRNA収量に影響する。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又はFast Trapアデノウイルス精製及び濃縮キット(ミリポア、ビレリカ、マサチューセッツ州、米国)0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過法において、Qiazol(Qiagen)又はPromega溶解試薬(Promega)のどちらかを用いて微細小胞性RNAを溶解した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
Qiazol(Qiagen)で溶解される0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過用に4mLの血漿を調製し、そのフィルターを実施例1に記載されるように平衡化し、血漿試料を負荷し、洗浄し、そして溶解した。
超遠心分離試料及びQiazolで溶解される0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離した。
Promega溶解試薬(Promega)で溶解される0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過法において、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の1本の1mLのアリコットをプールし、4mLの2×負荷緩衝液(20mMのトリス、pH7)と混合した。血漿試料を適用する前に吸引により25mLの平衡化緩衝液(ミリポア)を通過させてフィルターを調整した。その後、吸引によりそのフィルターに血漿試料を通過させた。そのフィルターを吸引により20mLの洗浄緩衝液(10mMのトリス、pH7)で洗浄した。その後、微細小胞をPromega溶解試薬で溶解した。2.25mLのPromega溶解試薬をその膜に適用し、そして約5滴のPromega溶解試薬を吸引により引いてそのフィルターを通過させて散布した。その後、そのフィルターを室温で5分間保温し、吸引による溶出を行った。微細小胞性RNAを単離するため、0.27倍の体積の100%イソプロパノールを溶解液に添加し、ピペットにより混合し、スピンカラムに移し、そしてその溶解液の全てが適用されるまで13,000×gで30秒間遠心分離した。その後、そのカラムを13,000×gで30秒間の回転により500ulのRNA洗浄溶液(Promega)で2回洗浄した。最後の300ulのRNA洗浄溶液をそのカラムに13,000×gで2分間の回転により適用した。膜を乾燥するため、そのカラムを13,000×gで2分間の遠心分離にかけた。RNAを20ulのH2Oで1.5mLのエッペンドルフチューブに溶出し、室温で1分間保温し、そして10,000×gで1分間遠心分離した。
全ての微細小胞性RNA試料について、実施例1に記載されるように品質と濃度を評価した。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
微細小胞性RNAの濾過にとって好ましい溶解緩衝液を決定し、且つ、濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図19を参照のこと。
実施例20:帯電フィルター上で微細小胞を単離するときに2つ目の体積のQiazolはRNA収量を有意に改善しない。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又はFast Trapアデノウイルス精製及び濃縮キット(ミリポア、ビレリカ、マサチューセッツ州、米国)0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
0.65um正帯電Qポリエーテルスルホン吸引濾過用に4mLの血漿を調製し、そのフィルターを実施例1に記載されるように平衡化し、血漿試料を負荷し、そして洗浄した。フィルター微細小胞をQiazolで溶解した。2.25mLのQiazolをその膜に適用し、そして約5滴のQiazolを吸引により引いてそのフィルターを通過させて散布した。その後、そのフィルターを室温で5分間保温し、吸引による溶出を行った。追加の2.25mLのQiazolを使用して溶解を繰り返した。微細小胞性RNA用にそれら2つの溶解液を別々に単離した。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図20Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
微細小胞性RNAの濾過にとって好ましく、且つ、必要な溶解緩衝液の体積数を決定し、且つ、濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図20Bを参照のこと。
実施例21:帯電フィルター上で微細小胞を単離するときに2つ目の体積のQiazolはRNA収量を有意に改善しない。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
3um正帯電Q再生セルロース遠心濾過用に4mLの血漿を調製し、そのフィルターを実施例1に記載されるように平衡化し、血漿試料を負荷し、そして洗浄した。フィルター微細小胞をQiazolで溶解した。1mLのQiazolをその膜に適用し、100×gで1秒間の回転により散布した。その後、そのフィルターを室温で10分間保温し、そして500×gで5分間の回転により溶出を行った。追加の1mLのQiazolを使用して溶解を繰り返した。微細小胞性RNA用にそれら2つの溶解液を別々に単離した。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図21Aを参照のこと。実施例1に記載されるようにcDNAを合成した。
微細小胞性RNAの濾過にとって好ましく、且つ、必要な溶解緩衝液の体積数を決定し、且つ、濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、RNaseP、miR−16、miR−150、及びlet−7aに特異的なプライマーとプローブを使用して実施例1に記載されるようにmRNAと(マイクロRNAを含む)ノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。図21Bを参照のこと。
実施例22:微細小胞性RNAは20nm PES中性シリンジフィルターを使用して単離され得る。
実施例1に記載されるように正常対照血漿を自社で獲得した。
超遠心分離又はExoMirキット(Bioo Scientific、オースチン、テキサス州、米国)20nm中性ポリエーテルスルホンシリンジ濾過を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離法において、8μLのRNasin Plus(40U/μl、Promega社、マジソン、ウィスコンシン州、米国)RNase阻害剤を含む5mLのポリアロマーチューブ(ベックマン・コールター社、マイアミ、フロリダ州、米国)に同じ対象に由来する4mLの血漿を移し、室温で5分間保温した。保温の後にその血漿を1mLのPBSで希釈した。実施例1に記載されるように微細小胞を沈殿させ、溶解した。
20nm中性ポリエーテルスルホンシリンジ濾過法において、超遠心分離法において使用された同じ対象に由来する4mLを200ulのプロテアーゼK(600mAU/ml超、Qiagen)で15分間にわたって室温で処理した。保温の後にその血漿をシリンジによりフィルタースタック(0.8umの中性混合セルロースエステルフィルター(ミリポア)+20nmの中性ポリエーテルスルホンフィルター(Bioo Scientific))に通した。そのフィルタースタックをシリンジにより20mLのPBSで洗浄した。その後、0.8umの中性混合セルロースエステルフィルターを廃棄し、残留液をシリンジにより20nmの中性ポリエーテルスルホンフィルターだけから除去した。溶解のために700ulのQiazolをそのフィルターに適用し、シリンジにより散布した。その後、そのフィルターを室温で20秒間保温し、そしてシリンジにより溶出した。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図22Aを参照のこと。スーパースクリプトVILO cDNA合成キット(インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニア州、米国)を製造業者のプロトコルに従って使用して微細小胞性RNAの総体積の7分の6をcDNAに変換した。
濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、18S、BRAF、HERV K、及びPOに特異的なプライマーとプローブを使用してmRNAとノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。GAPDH、18S、及びPOについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、20×Taqman遺伝子発現アッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、及びcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。RN7SLについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス、900nMのRN7SLフォワードCAAAACTCCCGTGCTGATCA(配列番号1)、900nMのRN7SLリバースGGCTGGAGTGCAGTGGCTAT(配列番号2)、250nMのRN7SLプローブTGGGATCGCGCCTGT(配列番号3)、及びcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。BRAFについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス、900nMのBRAF WTフォワードAAAAATAGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT(配列番号4)、900nMのBRAF JS E15リバースTGGATCCAGACAACTGTTCAA(配列番号6)、250nMのBRAF AZ E15プローブGATGGAGTGGGTCCCATCAG(配列番号7)、及びcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。HERV Kについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス、900nMのHERV KフォワードACCCAACAGCTCCGAAGAGA(配列番号8)、900nMのHERV KリバースCCCCACATTTCCCCCTTT(配列番号9)、HERV KプローブCGACCATCGAGAACAG(配列番号10)、及びcDNAの1:20画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。増幅条件は実施例1に記載される通りであった。図22Bを参照のこと。
実施例23:微細小胞性RNAは20nm PES中性シリンジフィルターを使用して単離され得る。
正常対照血漿を実施例1に記載されるようにBioreclamation社から得た。
超遠心分離又は20nm中性ポリエーテルスルホンシリンジ濾過(Tisch、ノース・ベンド、オハイオ州、米国)を用いて4mLの血漿の微細小胞性RNAの単離を実施した。
超遠心分離試料を実施例1に記載されるように調製し、沈殿させ、そして溶解した。
20nm中性ポリエーテルスルホンシリンジ濾過法において、超遠心分離法において使用された同じ4人の対象に由来する血漿の1本の1mLのアリコットをプールし、シリンジによりフィルターに通した。そのフィルターをシリンジにより20mLのPBSで洗浄した。その後、シリンジにより残留液を除去した。溶解のために700ulのQiazolをそのフィルターに適用し、シリンジにより散布した。その後、そのフィルターを室温で20秒間保温し、そしてシリンジにより溶出した。
超遠心分離試料及び濾過試料について、実施例1に記載されるように微細小胞性RNAを単離し、品質と濃度を評価した。図23Aを参照のこと。実施例22に記載されるようにcDNAを合成した。
濾過及び超遠心分離により単離された微細小胞性RNAを比較するため、GAPDH、RN7SL、及びRNasePに特異的なプライマーとプローブを使用してmRNAとノンコーディングRNAに対してRT−PCRを実施した。GAPDHとRNasePについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、20×Taqman遺伝子発現アッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア州、米国)、及びcDNAの1:10画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。RN7SLについて、2×Taqman遺伝子発現マスターミックス、900nMのRN7SLフォワード(配列番号1)、900nMのRN7SLリバース(配列番号2)、250nMのRN7SLプローブ(配列番号3)、及びcDNAの1:10画分を含む20ulの体積で増幅反応を実施した。増幅条件は実施例1に記載される通りであった。図23Bを参照のこと。
実施例24:20nm PES中性シリンジフィルター(Tisch)を使用する微細小胞性miRNAの単離
20nm PES中性シリンジフィルター(Tisch)を使用して微細小胞性miRNAを単離することができる。図24を参照のこと。
実施例25:微細小胞の捕捉に対するRNAの効果
微細小胞の捕捉はRNA依存的である。幾つかのRNAは他のものと比較して(GAPDH対miR−451)より効率的にフィルター上に捕捉される。これは、RNAがタンパク質及び/又は微細小胞によって保護されているかどうか、及び微細小胞のサイズに左右され得る。図25を参照のこと。
実施例26:中性フィルターを使用する微細小胞性RNAの単離
30nmと50nmのPES中性シリンジフィルターを使用して微細小胞性RNAを単離することができる。図26を参照のこと。
スピンカラムフォーマットの0.2um PES中性フィルター(Pall)を使用して微細小胞性RNAを単離することができる。図27を参照のこと。
0.8um PES中性シリンジフィルターを使用して微細小胞性RNAを単離することができる。図28を参照のこと。
スピンカラムフォーマットの0.8um PES中性フィルター(Pall)を使用して微細小胞性RNAを単離することができる。図29を参照のこと。
中性PESフィルター上で微細小胞を単離するときに微細小胞性RNAの収量は溶解緩衝液の種類によって影響を受ける。図30を参照のこと。
Qiazolを使用する追加の溶出は20nm PES中性シリンジフィルター上での微細小胞性RNAの単離においてRNA収量をあまり改善しない。図31を参照のこと。
中性フィルター上で微細小胞を単離するときに洗浄ステップが微細小胞の安定性及び/又は微細小胞性RNAの収量に影響する。図32を参照のこと。
RNAがシリンジフォーマットの20nm PESフィルターに詰まり、容易に溶離できない。大きなRNA(例えば、GAPDH)ほど小さなRNA(let−7a)よりも溶離しにくい。図33を参照のこと。
実施例27:ビーズを使用する微細小胞性RNAの単離
本明細書において提供される試験によって、微細小胞性RNAの単離のために帯電ビーズ又は中性(磁気)ビーズを使用することの実用可能性が示されている。これらの試験は、電荷又は官能基、結合緩衝液及び洗浄緩衝液、ビーズ負荷量/濃度、及び/又は保温時間の多種多様な条件の下でビーズを使用する親和性捕捉を実証している。ビーズを使用する微細小胞単離とRNA抽出の概略的フローチャートが図34に示されている。
様々な種類の磁気ビーズのスクリーニング:次の4種類の磁気ビーズを本明細書に記載される試験において評価した。
これらの種類のビーズのそれぞれを使用して得られる微細小胞の単離と回収が図35及び36に示されている。アミン(JAM)官能化ビーズとカルボキシル(CMX)官能化ビーズの両方がRT−qPCRで評価されると大半の標的で同様に微細小胞を捕捉することが結果より示された。
第四級アミンビーズを使用する微細小胞性RNAの単離:次の正に帯電しているアミンが第一級アミン又は第二級アミンよりも効率的に微細小胞を捕捉し得ることを予期してエポキシビーズをイミダゾールで処理してイミダゾリウムカチオンを生成するか、又はTEAで処理して正に帯電している第四級アミンを生成する。本試験において使用された方法の概略が図37に提示されている。次の種類のアミン磁気ビーズを評価した。
RT−qPCRを用いて微細小胞の捕捉を評価した。簡単に説明すると、次のステップを実施した:Qiazole法による捕捉された微細小胞の溶解と総RNAの抽出;Qiagen miRNeasyキット/MinEluteカラム(20uL)を使用する総RNAの精製;バイオアナライザー(1uL)でのRNAプロファイルの検査;VILO RTキット(12uL)とマイクロRTキット(4uL)を使用するRT反応;2uLのcDNAを使用する次の標的に対するリアルタイムPCR:VILO産物(GAPDH(新しいアッセイキット)、RN7SL、RNaseP、B2M、GUSB、HPRT1)及びマイクロRT産物(miR16、miR150、Let−7a)。選択されたmRNA標的を使用して検査された微細小胞単離の結果が図38に示されており、単離された微細小胞からの選択されたmRNA標的の回収率が図39に示されている。選択されたマイクロRNA標的を使用して検査された微細小胞単離の結果が図40に示されており、単離された微細小胞からの選択されたマイクロRNA標的の回収率が図41に示されている。
再現性試験:TEA処理ビーズを使用する微細小胞単離の再現性が本明細書に記載される試験において評価された。簡単に説明すると、TEAビーズ、0.4mLの血漿プールBH11、qiazole溶解及び総RNA抽出(miRNeasyキット)を用いて三回一組の微細小胞単離を実施した。結果の概要が下の表に示されている。
TEAビーズは微細小胞単離においてイミダゾールビーズよりも1倍から2倍好適であるように見えることが予備試験結果により示された。上清とビーズ抽出との間での微細小胞性RNAの分布の遺伝子依存的パターンがRT−qPCRの結果により示された。
・GAPDHとRN7SL:1:1の分布に近い
・RNaseP:上清よりもビーズにおいて2.1〜2.8倍多い
・B2M:上清よりもビーズにおいて6.6〜7.3倍多い
・miR16:上清よりもビーズにおいて3.3〜6.5倍多い
・Let−7a:上清よりもビーズにおいて4.6〜7.1倍多い
・GUSB:ビーズよりも上清において2〜3倍多い
・HPRT1:ビーズよりも上清において3倍多い
・miR150:ビーズよりも上清において3〜4倍多い
理論に束縛されるものではないが、そのデータは電荷、極性等のような様々な面(膜)特性を担持する複数のクラスの微細小胞が存在する可能性があることを示唆している。それぞれの種類の微細小胞はその膜特性に加えて様々なRNA発現パターンも同様に担持し得る。
他のビーズを使用する微細小胞単離の確認:他の第四級アミン又はスルホネート官能化非磁気イオン交換ビーズを使用する微細小胞単離を確認するように本明細書に記載される試験をデザインした。次のビーズを評価した:商業生産された(ハミルトン)第四級アミン(陽イオン)樹脂のPRP−X400及びスルホネート(陰イオン交換)樹脂のRCX30。各ビーズ種の特性が下の表に要約されている。
選択されたmRNA標的を使用する非磁気ビーズによる微細小胞単離の結果が図42に示されており、その図においてXは陽イオンであり、Rは陰イオンである。これらの選択されたmRNA標的の回収率が図43に示されている。選択されたマイクロRNA標的を使用する非磁気ビーズによる微細小胞単離の結果が図44に示されており、その図においてXは陽イオンであり、Rは陰イオンである。これらの選択されたマイクロRNA標的の回収率が図45に示されている。
まとめると、選択されたmRNA標的及びマイクロRNA標的に対するRT−qPCRから分析されるように、陽イオン交換樹脂から微細小胞が検出されないことが結果により示された。陰イオン交換樹脂は試験されたRNA標的についてTEA処理磁気ビーズと同様に微細小胞を捕捉する。上清とビーズ抽出との間での微細小胞性RNAの分布の遺伝子依存的パターンが観察された。
・GAPDH、GUSB、RN7SL、HPRT:1:1の分布に近い
・RNaseP:上清よりもビーズにおいて2.5倍多い
・B2M:上清よりもビーズにおいて10〜15倍多い
・miR16:上清よりもビーズにおいて約2倍多い
・Let−7a:上清よりもビーズにおいて約3.5倍多い
・miR150:ビーズよりも上清において3〜4倍多い
選択された対照ビーズへの微細小胞の結合の評価:本明細書に記載される試験において様々な対照ビーズへのバックグラウンドレベルの結合を評価した。これらの試験において未処理エポキシビーズと非官能化ポリステレン(polysterene)ビーズを使用した。特に次のビーズを試験した。
選択されたmRNA標的を使用する対照ビーズによる微細小胞単離の結果が図46に示されており、これらの選択されたmRNA標的の回収率が図47に示されている。選択されたマイクロRNA標的を使用する対照による微細小胞単離の結果が図48に示されており、これらの選択されたマイクロRNA標的の回収率が図49に示されている。
まとめると、同様の微細小胞単離パターンが両方の陰イオン交換体(ハミルトンTEA樹脂及び自家製TEA修飾ビーズ)について観察された。スルホネート交換体(陽イオン交換樹脂)はRT−qPCRにより評価されたように非常に低い微細小胞回収率を示した。理論に束縛されるものではないが、このことは少ない微細小胞捕捉及び/又は陽イオン樹脂から浸出したRT−qPCR阻害物質に起因する可能性がある。しかしながら、カルボキシルビーズ(陽イオン)を使用する予備試験はスルホネート樹脂のような効果を示さなかった。したがって、非常に低い微細小胞回収率は陽イオン交換体の一般的問題ではない可能性がある。上清とビーズ抽出との間の微細小胞性RNAの分布の遺伝子依存的パターンが結果により示された。重ねて理論に束縛されるものではないが、そのデータは電荷、極性、タンパク質(抗原)、炭水化物等のような様々な面(膜)特性を担持する複数のクラスの微細小胞が存在する可能性があることを示唆している。観察された差示的なRNA発現はそれらの微細小胞の起源と間接的に関連する可能性がある。
実施例28:捕捉効率とRNA収量についてのビーズ力価測定の効果
本明細書に記載される試験において、固定された血漿体積(0.4mL)とビーズの量を増やして0.05:1から20:1まで拡大した微細小胞に対するビーズの比率(本明細書においてB:E比とも呼ばれる)を用いて4種類のビーズを評価した。次の表はこれらの試験において微細小胞性RNA単離に使用された磁気ビーズの特性を提示している。
本試験におけるビーズの力価測定はビーズA及びBについて0.05:1、0.25:1、1:1、2.5:1から5:1までの、ビーズCについて0.1:1、0.5:1、2:1、5:1、から10:1までの、及びビーズDについて0.2:1、1:1、4:1、10:1から20:1までのB/E(=微細小胞のカットSAに対するビーズSAの比率)を生じる。標準対照は0.4mLの血漿を使用する超遠心分離であった。本試験において使用された方法の概略が図50に示されている。
微細小胞の捕捉の評価をRT−qPCRにより実施した。リアルタイムPCRを次の7つの標的:VILO産物(GAPDH、RN7SL、RNaseP、B2M、GUSB及びHPRT1)及びマイクロRT産物(Let−7a)について実施し、超遠心分離の結果を100%として使用して回収率を計算した。各標的についてB:E比の関数としての回収率(%)が図51A〜51Gに示されている。
個々のビーズとビーズ混合物との間のCt比較が図52に示されており、その図においてビーズ/微細小胞比は全ての標的について2:1であった。ビーズ混合物のCt値はビーズC(PM)と類似しており、すなわち、let−7a標的を除いて個々のビーズよりも著しく高かった。理論に束縛されるものではないが、このことはビーズCの阻害効果である可能性が非常に高い。
個々のビーズとビーズ混合物との間の回収率の比較が図53に示されており、その図においてビーズ/微細小胞比は全ての標的について2:1であった。ビーズ混合物の回収率(%)はビーズCと類似しており、すなわち、let−7aを除いて全ての標的について個々のビーズよりも著しく低かった。理論に束縛されるものではないが、ビーズ混合物での低い回収率はビーズCの阻害効果である可能性が非常に高い。各標的についての回収率(%)の概要が下の表に示されている。
まとめると、(ビーズA及びBを使用して試験された)前の試験において選択された2.5:1のビーズ/微細小胞比は(RNAseP、GAPDHを除く)大半の遺伝子について飽和レベルを達成することが選択されたRNA標的に対するビーズ力価測定試験により示された。微細小胞は様々な面特性(荷電、中性、疎水性等)を有するビーズによって捕捉されることが結果より示された。理論に束縛されるものではないが、このことは、電荷、極性等のような様々な面(膜)特性を担持する複数のクラスの微細小胞が存在する可能性があるという以前の仮説と一致する。それぞれの種類の微細小胞はその膜特性に加えて様々なRNA発現パターンも同様に担持し得る。
ビーズC(PM)はlet−7aを除いて試験された全ての標的に対して阻害的のようであった。その阻害はRTレベル(let−7aについてはマイクロRTキット)又は微細小胞捕捉での阻害である可能性がる。A、B、C、及びDビーズの混合物がビーズCと同様に挙動し、阻害がビーズCから受け継がれていることを示唆した。このことは微細小胞の捕捉において作用する阻害の可能性も低下させる。阻害の起源は4種類のビーズの混合物からのCの単なる除外によって確認され得る。
実施例29:固定された微細小胞に対するビーズの比率を使用する血漿体積の滴定
本明細書に記載される試験において、固定されたビーズ:微細小胞比率における微細小胞回収率を評価するために4種類のビーズを使用して血漿滴定を評価した。使用したビーズの特性が下の表に示されている。
1×PBS中の0.4、1、4mLの血漿を使用する超遠心分離を対照として用いた。下の表に示されるようにビーズアリコットを調製した。
これらの試験において使用された方法の概略が図54に示されている。各標的の平均Ct値が図55A〜55Gに示されている。5:1のビーズ:微細小胞比率における様々な標的の回収率の比較と0.4mL、1mLから4mLまでの血漿滴定が図56に示されている。回収率(%)の結果の概要が下の表に示されている。
まとめると、固定されたビーズ/微細小胞比(5:1)における血漿滴定により中程度の再現性が0.4、1、及び4mLの血漿体積の範囲において示された。
実施例30:血漿中でのビーズ微細小胞間結合の経時的試験
本明細書に記載される試験において、0.4mLの血漿に由来する微細小胞への(5:1のビーズ:微細小胞比率における)結合についてエポキシ磁気ビーズ(EPM−30)を評価した。下の表はこれらの試験において微細小胞単離に使用された磁気ビーズを提示している。
これらの試験において使用された方法の概略が図57に示されている。0.4mLの血漿と混合されたEPM−30ビーズの5本のアリコット(B/E=5:1)を(ローター上で)4℃で保温し、1分、5分、15分、30分、及び60分の時点で停止した。ビーズを分離し、1×BBで洗浄し、続いてQiazol溶解とmiRNeasyキットを使用する総RNA単離を実施した。選択されたmRNA標的及びlet−7aマイクロRNAに対してRT−qPCRを実施した。標準対照は0.4mLの血漿を使用する超遠心分離であった。
エポキシビーズ微細小胞間結合についての経時的試験における1分、5分、15分、30分及び60分の時点における様々な標的の平均Ct値が図58に示されており、同時点における各標的の回収率(%)の値が図59に示されている。ビーズ微細小胞間結合時間の関数としての回収率(%)が図60に示されている。
30分(HPRT及びlet−7aについては15分)の保温によりEGFRを除く全ての標的について最高の微細小胞性RNA検出がもたらされることが結果により示された。シグナルは60分で低下し始めた。EGFRが検出されたが、非常に弱いシグナルであった(5分の時点で約4.4%の回収率)。一つ一つの種類のビーズ(エポキシ)が(これまでに観察されたように)(回収率(%)において)同様に挙動するようである。
1つのビーズ種に捕捉された微細小胞が他の種類のビーズに結合した微細小胞と同一であるが、異なる親和性/相互作用を介して結合しているのか評価するように将来の試験をデザインする。
実施例31:エポキシビーズへの微細小胞の結合についての追加の試験
完全に捕捉されていないとしたら上清中の残りの微細小胞が追加の新しいビーズによってさらに捕捉され得るかどうか評価するように、及びエッペンドルフチューブへのバックグラウンドレベルの微細小胞の吸着を評価するように本明細書に記載される試験をデザインした。これらの試験の概略が図61に示されている。簡単に説明すると、これらの試験は次のステップ:
・2本のエポキシビーズアリコット(B/E比=5)に対する連続的な1回の血漿(0.4mL、1mLの1×BB中に事前混合)結合の実施。ビーズ結合微細小胞(両方のアリコットに対して)並びに上清中に存在する遊離未結合微細小胞のモニタリング。
・空のエッペンドルフチューブへの事前混合血漿(0.4mL)の添加によるモックビーズ結合の実施。チューブ結合微細小胞並びに上清中に存在する遊離未結合微細小胞のモニタリング。
・ビーズ/チューブに結合した微細小胞の量、又は上清中に遊離状態の微細小胞の量がRT−qPCR(注記:qPCRは単一標的アッセイとして実施された)により選択されたRNA標的の量として測定及び表現された
を用いて実施された。
収集画分(エポキシビーズのみ)における様々なRNA標的の平均Ct値が図62に示されており、これらのRNA標的の回収率(%)が図63に示されている。
EGFRの標準物又はBRAFの標準物のどちらにも高い直線性の(R2>0.99)曲線が測定され、どちらの標的についても信頼できるRT−qPCRアッセイを意味した。連続的ビーズ結合試験の結果より、微細小胞は主に(90〜124%)第1ビーズアリコットに捕捉され、10%未満が第2ビーズアリコットに捕捉されることが示された。しかしながら、なお7〜59%の微細小胞が上清中に存在しており、それらの微細小胞はビーズ結合について不活性であるか、又は最適条件にないかのどちらかであることが示唆される。モックビーズ結合の結果より、微細小胞は主に上清中に存在すると考えられ、微細小胞のわずかに0.05〜0.51%がチューブに吸着されることが示された。EGFR微細小胞の捕捉は問題を残したままであるが、様々なビーズをスクリーニングし、検査するための将来の試験が実施される。
本明細書において提供される試験によって、臨床的有用性の点でより適切なフォーマットである(磁気又は非磁気)ビーズを使用する微細小胞単離の実用可能性が示されている。正に帯電しているビーズ、負に帯電しているビーズ、及び中性のビーズ全てが好適な微細小胞捕捉効率を示すことが結果より示された。この観察は、それらのビーズが微細小胞の表面上の様々なリガンドに対して作用することができ、そうして様々な(複数の)力を介して様々な(官能化されている)粒子によって1つの微細小胞が捕捉され得ることを示唆している。
実施例32:EXO50微細小胞単離とRNA抽出
この実施例はEXO50スピンカラムと微細小胞単離、その後のRNA抽出、及びRNA調製物の標的発現分析のためのプロトコルを説明する。この例において説明される方法を、所望により特定の実施例に記載されるように幾つかの変更を加えて次の実験に使用した。
EXO50スピンカラムは本明細書においてEXO50と呼ばれ、膜フィルター(好ましくは、Q官能化)を備える。そのカラムは外部フリットと内部チューブとの間にその膜フィルターを保持するカラムホルダーも含み得る(図64)。そのカラムは収集チューブの中に配置される(図65)。その膜フィルターに生体試料を添加した後にそのカラムを回転し、通過画分を廃棄する。洗浄緩衝液を膜に添加し、そのカラムを回転し、そして通過画分を廃棄する。必要であれば洗浄ステップを繰り返してよい。その後、溶解緩衝液、すなわち、Qiazolを微細小胞の溶解とその後の微細小胞性RNAの溶離のために膜に添加する。そのカラムを再度回転して微細小胞性RNAを回収する。クロロホルム抽出とエタノール調整により、及び/又はシリカカラムを使用し、単離されたRNAをそのシリカカラムから溶出してRNA抽出を実施することができる。
後の定量的PCRによるRNA標的の検出を活用して微細小胞単離及び/又はRNA抽出の特性を判定する。微細小胞画分から一旦RNAが抽出されたところで例えばmRNAについてはスーパースクリプトII(登録商標)VILO cDNA合成キット(Life Technologies)を使用することで、又は短鎖RNAについてはmiスクリプトII RTキット(Qiagen)を使用することでそのRNAをcDNAに逆転写する。特異的RNA標的プライマーと所望によりプローブを使用して定量的PCR又はTaqman分析を実施してCt値を決定する。二回一組又は三回一組で発現分析を実施する。
発現分析のために様々なRNA標的を選択した。大RNA(すなわち、リボソーマルRNA及びメッセンジャーRNA)と小RNA(すなわち、miRNA)の両方を検出した。検出されたリボソーマルRNAの例には18Sと28Sが含まれる。標的メッセンジャーRNAにはハウスキーピング遺伝子、例えばHPRT1、GAPDHが含まれた。他のメッセンジャーRNAには癌特異的遺伝子、例えば、野生型(wt)BRAF、突然変異型BRAF V600Eが含まれた。標的miRNAの例にはlet7a、miR16が含まれる。幾つかの実験では対照粒子に由来する標的遺伝子、例えば、Qβ(すなわち、Qβコートタンパク質)を評価した。
実施例33:様々な膜フィルターの分析
微細小胞の単離に適切な膜フィルターは帯電していることが好ましい。下の表は微細小胞の単離に適切な様々な種類の膜フィルターを提示している。
上の表に記載される膜のそれぞれの微細小胞を単離する能力を評価した。具体的にはRNA標的シグナル(Ct値)の評価が微細小胞単離の特質を定量するための手段として決定された。次の膜:再生セルロース膜、例えば、再生セルロースで補強されている強化安定セルロース膜、金属キレート膜、再生セルロース結合膜、及びDEAEセルロース紙を使用して微細小胞を単離した。試験された各膜の分離方法が上の表に示されている。実施例32に記載されるカラムに類似するそれらの様々な膜を含有するカラムに生体試料を添加した。通過画分を廃棄し、溶解緩衝液を使用して例えば膜上で微細小胞を溶解した。その後、シリカカラムを使用して微細小胞性RNAを抽出した。mRNA標的遺伝子であるGAPDH、HPRT、及び野生型(wt)BRAF、並びにmiRNA標的遺伝子であるhsa−let−7a及びhsa−miR16の検出をqPCR分析によって判定した(図66)。各特異的標的遺伝子に対して各膜フィルターについて得られたCt値の比較より、生体試料からの微細小胞の単離を成功するそれらの膜のそれぞれの能力が示された。各膜の全ての緩衝液条件は同一であった。
図66に示されるように、それらの膜の全てがRNA抽出とRNA標的の少なくとも1つの検出に充分な微細小胞を単離することができた。しかしながら、RC/SBAE膜、RC/WBAE膜、及びRCCM膜は試験された他の膜よりも好適に挙動した。RC/SBAE官能化膜は全ての他の膜と比較して最も好適に挙動した。具体的にはアッセイされたmRNA標的とmiRNA標的のそれぞれについて、他のあらゆる膜による微細小胞画分と比較してRC/SBAE膜により単離された微細小胞に由来するRNA調製物からより低いCt値が得られた。次の例に記載されるEXO50カラムの捕捉面はRC/SBAE膜から構成される。
正に帯電している(陰イオン性)イオン交換膜が生理的pHにおいて小胞を精製したことがこれらの結果により示される。しかしながら、負帯電イオン交換は生理的pHにおいて小胞を非効率的に精製した。
図71は走査電子顕微鏡観察により検出されたEXO50膜に結合した微細小胞を示している。矢印は捕捉された微細小胞を示している。
実施例34:EXO50膜の投入容量
次に膜に添加した投入血漿体積の量を滴定することによりRC/SBAE膜の投入容量を評価した。試料投入体積の増加、例えば、0.5ml、1.0ml、2.0ml、4.0ml、8.0ml、及び16mlの血漿がRC/SBAE膜に加えられた。実施例32に記載されるように微細小胞画分を単離し、微細小胞性RNAを抽出した。mRNA遺伝子であるwtBRAFとHPRT1、及びmiRNAであるlet7a、miR16、及び18Sを検出するためにqPCR分析を実施した。図67に示されるように、0.5mlと4.0mlの間の試料からmRNA遺伝子とmiRNA遺伝子の両方のqPCRシグナルが直線的に増加した(すなわち、Ct値の直線的減少)。しかしながら、4.0mlを超える試料(すなわち、8.0ml及び16ml)は検出されたシグナルに追加的な増加を示すことができなかった。これらの結果は4mlを超える試料体積はどのような増加も示すことが無いことを示している。図68においてEXO50により単離された微細小胞画分から抽出されたRNAに由来するコピー数を通過画分に由来するコピー数と比較した。この実験により、微細小胞が通過画分に存在し、且つ、通過画分に由来するRNAシグナルが検出されるような膜を飽和する最大試料投入体積が特定される。例えば、4.0mlを超える投入体積は4.0mlの試料から検出されるシグナルと比較されると直線的に増加したシグナルを示さなかった。これらの結果と一致して、通過画分から検出されるシグナルは4.0mlを超える体積と共に増加した。
様々な標的遺伝子の相対的発現レベルを第1EXO50カラムにおける生体試料の最初の負荷単離と第2EXO50カラムにおける通過画分との間で比較した。生体試料をEXO50に添加し、実施例32に記載されるように微細小胞単離、RNA抽出及び標的遺伝子分析を実施した。その後、第1EXO50カラム由来の通過画分を、第1EXO50カラムに対する一次生体試料に使用されたのと同じ方法を用いる微細小胞単離、RNA抽出、及び標的遺伝子分析のために第2EXO50カラムに負荷した。様々な体積の一次生体試料(0.5ml〜16mlの血漿)を検査した。標的遺伝子にはmRNA標的であるwtBRAF、GAPDH、及びHPRT1、並びにmiRNAであるlet7a、miR16、並びにリボソーマルRNA18Sが含まれる。各標的遺伝子の発現レベルを最初の負荷ステップの対応する標的遺伝子の検出された発現レベルに対して正規化した。図69に示されるように、0.5mlと4.0mlの間の試料に由来する通過画分はどの標的遺伝子についても非常にわずかな発現しか有さず、EXO50がその生体試料に由来する微細小胞の全てを効率的に捕捉したことを示した。対照的に、8.0ml及び16mlの試料に由来する通過画分は幾つかの標的遺伝子については少なくとも10%の発現上昇の検出を示し、他の標的遺伝子については最大で200%の発現上昇の検出を示した。これらの結果は、より大きい試料投入体積に由来する通過画分はなお第2EXO50カラムから単離される微細小胞を含んでいたことを示しており、それにより8ml及び16mlの試料体積から微細小胞が完全に取り除かれないことを示している。さらに、これらの結果は、0.5mlと4mlの間の生体試料に由来する微細小胞の全てを単離するためには2回の単離ステップと溶解ステップは必要ではないことを示している。
実施例35:試料を取り出すための膜層の数の決定
4.0mlの血漿試料から微細小胞性RNAを完全に取り出すために膜層の数を評価した。1層から6層のRC/SBAEをEXO50カラムの中で互いに隣接させて配置した。微細小胞性RNAを実施例32に記載されるように試料及び通過画分から抽出し、分析した。評価された標的遺伝子はwtBRAFとGAPDHであった。
図70に示されている結果は、通過画分(濾過分)データポイントから検出されたシグナルによって示されるように、1層及び2層は試料から微細小胞の全てを捕捉するには不充分であったことを示している。しかしながら、4層以上を有するカラムは投入データポイントに由来するシグナルにどのような増加も示さなかったが、一方で通過画分(濾過分)からはあらゆるシグナルが完全に取り除かれた。したがって、これらの結果は、充分な微細小胞の捕捉を確実にするには3層が最適であり、一方で層の数を4以上に増加することは微細小胞の捕捉についてどのような追加的利益も生み出さないことを示している。
実施例36:微細小胞単離のためのEXO50緩衝液の条件
EXO50カラム及び実施例32に記載される方法を使用する最適な微細小胞単離のために様々な緩衝液条件を評価した。そのカラムへの負荷のために各試料に添加される様々な負荷緩衝液を評価した。試験されたそれらの緩衝液には
・160mMのトリス、142mMのCl-、pH7.0
・192mMイミダゾール、159mMのCl-、pH6.5〜6.8
・300mMのビストリス、211mMのCl-、pH6.3〜6.4
・40mMのクエン酸、124mMのNa+、pH6.7〜6.9
・50mMのリン酸、265mMのNa+、185mMのCl-、pH7.0〜7.2
・80mMのビストリスプロパン、14mMのCl-、pH6.7
が含まれた。
図72に示されるように、全ての緩衝液によって微細小胞の単離が成功し、RNA標的であるBRAF、GAPDH、及びHPRTが検出された。
様々なpH条件も評価した。試料を負荷するためにpH2.0、pH4.75、pH10.25、及びpH13.0の2×PBSで緩衝液を調製した。洗浄緩衝液は1×であった。EXO50カラムへの負荷時に試料に1000コピーのQβを添加した。pHを上昇させた緩衝液により最適な緩衝液条件はpH2〜10.25の間であることが示されたが、一方で非常に塩基性の緩衝液によりあまり効率的でない微細小胞単離が生じた(図73)。単離に最適な範囲はpH4〜8の間である。
処理が様々な強度の界面活性剤を有する緩衝液に対して耐性であることを示すために様々な量の界面活性剤を使用して緩衝液を試験した。図74は、結合緩衝液と洗浄緩衝液の両方の中の0.001%までのSDS界面活性剤、0.01%までのトリトンX−100界面活性剤、及び0.1%までのツイーン界面活性剤が微細小胞の単離とその後の微細小胞性RNAの抽出分析に成功したことを示している。
実施例37:EXO50 RNAの調製
図76に示されている結果は、EXO50により精製されたRNAがPCRで増幅可能なRNAであること、すなわち、増幅とPCR処理に適切であること、及びEXO50が超遠心分離と同量及び同品質のRNAを大量の血漿から単離することを示している。EXO50又は超遠心分離のどちらかにより4mlの血漿試料を処理した。RNA標的(wtBRAF、GAPDH、Qβ、let7a、miR16)の単離と検出の比較によって、EXO50が超遠心分離により得られるものと同様の品質を有するRNAを精製することが示された。幾つかの標的遺伝子に関して、Ctシグナルの増加によって示されるようにEXO50によりRNAの品質が改善されたことが示された。
さらに、EXO50は微細小胞からmRNAを高いパーセンテージで精製する。例えば、EXO50は市販の癌エキソソーム又は癌細胞培養上清に由来するmRNAの100%を精製する。投入量を増加した結腸癌細胞株由来の市販の癌エキソソーム(150、1500、及び3000ng)をEXO50又は直接溶解(Qiagen miRNeasy RNA単離キットを使用)によって処理した。図78に示されている結果は、EXO50処理の通過画分がmRNAの検出を示さなかった(RPL0についてCtシグナル無し、及びGAPDHについて非常に高いCtシグナル)ことを示しており、したがってmRNAの100%がその試料の微細小胞画分からうまく抽出されたことを示している。
EXO50 RNA調製物は非常にわずかな混入DNAも含む。逆転写されていないRNA調製物(−RT)からのある特定の標的のバックグラウンドレベルの検出は、幾らかのバックグラウンドレベルの混入DNAが存在することを示している(図79)。EXO50 RNA調製物をRNaseAで消化し、それにより標的遺伝子のCtシグナルの喪失が示され、その調製物がたいていはRNAと非常にわずかな混入DNAを含むことが示された。RNase消化RNA調製物のqPCR分析は、その試料が逆転写されていないときに検出されるものと同様の非常に低いバックグラウンドレベルのBRAFを示した。逆転写されていないDNase消化試料におけるシグナルの喪失によって示されるように、DNaseの添加によってそのバックグラウンドDNAシグナルが取り除かれることが示された。
実施例38:EXO50操作性実験
EXO50は多数の試料の並行処理に対して頑健である。EXO50を使用して8本の4mlの血漿試料を並行処理し、各試料が単離の一つ一つのステップのピペッティングのために3分の遅れを加えた。したがって、1つの試料を通常通り処理し(0分)、各ステップの間に3分を入れて2つ目の試料を処理し(3分)、各ステップの間に6分を入れて3つ目の処理を処理し(6分)、等々、各ステップの間に21分を入れて8つ目の試料を処理した。各ステップの間に21分を入れても標的であるGAPDH、wtBRAF、hsa−miR−142−3p、及びhsa−miR−92aについて検出されたCt値に有意な差はなかった(図80)。単離複製実験間の個々のアッセイの標準偏差は0.5Ct未満であった。この実験は、EXO50処理が単離効率を変化させることなく多数の複製試料を処理することを可能にし、ステップ当たり21分ものピペッティング時間が考慮されていることを示している。
EXO50処理の使いやすさ及び結果の再現性を評価するために様々な研究拠点における様々な使用者によるEXO50処理の操作性を、様々なqPCR分析試薬を使用して現場での実験において比較した。本実験において使用された試料は900本の単一採取血液に由来する血漿のプールを含んだ。その試料をドライアイス保冷して、幾つかは異なる大陸にある8箇所の異なる検査室に送付した。各検査室は三つ一組で2ml又は0.2mlの血漿を使用してEXO50処理を実施した。2種類のmRNA(すなわち、wtBRAF、GAPDH)と2種類のmiRNA(すなわち、miR−16及びlet−7a)に対するRT−qPCR分析を実施し、結果を図81において比較した。全ての検査室においてEXO50法は再現性を有し、PCR産出量は0.2mLから2mLまでの血漿投入量に応じて直線的に増減する。同じPCRプライマーを使用する新規使用者が非常に類似した出力PCRシグナルを示した(図81)。これらの結果は使用者及び研究拠点と無関係の再現性についてのEXO50の頑健性を示している。
実施例39:EXO50ミニスピン−カラムフォーマット
EXO50フォーマットをミニスピンカラムフォーマットにも適合させてその再現性と規模拡大性を評価した。EXO50ミニフォーマットはミニチュアRC/SBAE膜を備える。ミニチュアRC/WBAE膜及びミニチュアRC/SACE膜も比較のために試験した。2ml及び0.2mlの血漿試料を試験した。標準緩衝液である100mMのリン酸緩衝液、370mMのNaClの結合緩衝液(2×);50mMのリン酸緩衝液、185mMのNaClの洗浄緩衝液(1×)を使用した。ミニフォーマットの結果を超遠心分離とも比較した。標的mRNAと標的miRNAの検出により、ミニチュアRC/SBAE膜はミニチュアRC/SACE膜及びミニチュアRC/WBAE膜と比較して最良のCtシグナルを有することが示された(図84)。EXO50ミニフォーマット(RC/SBAE膜)と超遠心分離との間の比較が図83に示されている。
実施例40:他の方法とのEXO50の比較
標準的超遠心分離処理は生体試料の事前濾過、すなわち、血漿の0.8μmフィルターへの事前濾過を含む。その後、濾過液を超遠心分離機に負荷し、100,000×g超で1〜3時間回転する。上清を除去し、微細小胞を含むペレットを溶解する。その後、シリカカラム、すなわち、市販のRNA単離カラム(Qiagen)上で製造業者のプロトコルを用いて微細小胞性RNAを精製する。
超遠心分離又はEXO50により抽出されたRNAのバイオアナライザープロファイルの比較はRNAサイズ分布に関して同様であった(図86)。EXO50は小RNAも大RNAも単離することが示された。微細小胞性RNAの分離はエタノール分画により達成された。rRNA(すなわち、大RNA)のピークは2Kbと4Kbにおいて明らかに視認できた。単離された小RNAの大多数が50〜200塩基対の間であった。
超遠心分離、EXO50、及び自己組立て膜捕捉システムの間の比較が図87に示されている。その自己組立て膜捕捉システムもQ官能化膜を備える。各カラムについて2つの独立した技術的複製抽出が示されている。白抜きの円(miR−16及びmiR−92a)は遊離循環タンパク質結合miRNAとして存在することが知られている。本明細書において示される結果はEXO50と自己組立てQ膜が微細小胞性RNA標的のCtシグナルを増加させることを示している。
0.2mlの血漿も使用して同様の比較実験を実施し、超遠心分離、直接溶解、及びEXO50を比較した。図88に示されるように、EXO50もほとんど全ての遺伝子について直接溶解よりも好適に挙動した。EXO50通過画分は幾らかのmiRNAシグナルがなお通過画分に検出されたことを示している。
しかしながら、4mlの血漿までの試料体積の増加により、超遠心分離と比較して、検出されるCtシグナルがEXO50によって増加したことが示された(図89)。
実施例41:癌突然変異のEXO50検出
重要なことに、EXO50が黒色腫患者に由来する2mlの血漿試料から癌突然変異の検出に成功したことが示された。超遠心分離(UC)又はEXO50により試料を処理した。野生型BRAF(wtBRAF)のqPCR分析によりコピー数を決定し、突然変異型BRAF(BRAF V600E)のコピー数と比較した。図90に示されるように、超遠心分離とEXO50は両方ともwtBRAFのコピーを検出することができた。しかしながら、EXO50だけが突然変異型BRAF V600Eの存在を検出することができた。これらの結果は、EXO50は微細小胞性RNAから癌突然変異を検出することができたが、一方で超遠心分離は癌突然変異の存在を明らかにすることができなかったことを示している。
実施例42:EX051溶出ステップ
この実施例は、本明細書においてEX051とも呼ばれるRNAの溶解と抽出の前にフィルター膜から微細小胞を単離するための任意の溶出ステップを示している。具体的には膜から完全な単離された微細小胞を単離するために洗浄/溶出ステップによりEXO50カラムから微細小胞を単離した。10mlの洗浄/溶出緩衝液をそのカラムに2回添加した。幾つかの事例では2回目と比べて異なるNaCl濃度を1回目に使用し、一方で幾つかの事例では同一のNaCl濃度を使用した。例えば、185mM、1000mM、及び2000mMのNaCl緩衝液を1回目の洗浄に使用した。2回目の洗浄については185mM、1000mM、及び2000mMのNaCl緩衝液を使用した。それらのカラムを5,000×gで1分間回転した。EXO50と比較する、様々な溶出プロトコルを使用した様々な遺伝子(すなわち、GAPDH、BRAF、Kras等)のCt値の比較により、EX051のRNA単離はEXO50のRNA単離と同等であることが示された(図91)。
EX051から溶出された微細小胞の走査電子顕微鏡観察により50〜200nmまでのサイズの微細小胞が示された(図85)。比較すると、超遠心分離により単離された微細小胞は単離された微細小胞中に、RNAの溶解と抽出、RNAの純度、及びRNA調製物からRNA配列を検出/増幅する能力に影響を与える可能性があり得るより多くの繊維タンパク質構造体様物質を示した。EX051単離は、UC法を用いて得られた精製物質と類似しているが、原材料とは類似していない粒子を含んだ。EX051法由来の通過画分は精製された小胞物質とは異なる大量の粒子をなお含んだ。
追加の濃縮ステップをEX051プロトコルと共に活用することができる。様々なサイズカットオフ値を有する様々な回転濃縮器(例えば、VivaSpin20カラム)を使用した。例えば、10,000MW、50,000MW、及び100,000MWカットオフ濃縮器を使用した。溶離液を5分間回転した。濃縮分体積が大きすぎる(200μl超)場合にその濃縮分を所望の体積、すなわち、200μl未満になるまで5分ずつ回転した。濃縮された溶離液を穏やかに再懸濁して濃縮器の上部チャンバー(フィルター側)から移した。1×洗浄緩衝液を使用してその濃縮された溶離液を200μLの総体積までにした。これで、溶解し、RNA抽出する準備がそれらの試料に整った。濃縮回転速度と回数は、RNA収量又はその後のRNA発現分析から得られるCt値に重大な変化を与えることなく微細小胞溶離液を濃縮するために800×gから4500×gまでの範囲であった。
実施例43:DNAのEX052単離
EXO50カラムを使用して血漿からDNAの全てを単離することもできる。RNAに加えてDNA単離のためにEXO50カラムを活用するための2つの方法が図92(EX052)及び図93(EX052.2)に示されている。具体的にはそれらの2つの処理であるEX052とEX052.2の間の差異は、使いやすさ、プロトコルの合理化、及び再現性の向上のためにEX052.2ではRNAとDNAの抽出が1つのチューブに組み合わされていることである。図94はEXO50RNA+DNA(EX052.2)において1.5Ctという獲得値を示している。図95は、相分離時のクロロホルム量の増加がDNAを水相に逆添加し、そうしてそのDNAが通常のEXO50法によって共単離されることを示している。相分離時のpHレベルのさらなる最適化も図96に示されているようにDNAを調製物に加える。
したがって、EX052及びEX052.2において示されているように、EXO50法を使用して血漿試料から全てのDNAを単離することができる。DNAは相分離後にQIAzol溶解の下部の疎水性相から回収される。EXO50法はEX052法(例えば、EX052又はEX052.2)と組み合わされて同じ試料体積について同様のレベルでRNAとDNAを分離し、RNAとDNAが互いに分離され得る。本開示のこれらの方法は市販の単離キット、例えば、Qiagenと同量又はより多くのmRNAとさらにより多くのmiRNAを捕捉する。
実施例44:CSFからのEXO60微細小胞単離とRNA抽出
この実施例は本明細書においてEXO60と呼ばれる処理においてEXO50RC/SBAE膜含有カラムを使用して脳脊髄液(CSF)から微細小胞性RNAを単離及び抽出することができることを示している。
患者由来のCSF試料の体積を増加させて(0.5ml、1ml、2ml、及び4ml)滴定実験を実施した。凍結前にCSF試料を0.8umフィルターにより事前濾過した。CSFを実施例32に記載されるようにそのカラムに通して処理した。qPCR分析の結果が図97に示されており、標的遺伝子(mRNAとmiRNAの両方)のCtシグナルが試料体積と共に直線的に増加したことを示している。この実験はEXO60によってCSF試料からの微細小胞の単離に成功したことを示している。
様々な患者試料及び供給源からEXO60と超遠心分離を比較する追加実験を実施した。EXO60単離由来の通過画分と超遠心分離からの上清も評価して微細小胞抽出の特質を決定した。評価された遺伝子はmRNA標的のGAPDH及びHIF1Aであり、miRNA標的のhsa−miR−16及びhsa−miR−124−3pであった。図99に示されるように、微細小胞性RNAがうまく単離され、超遠心分離から得られる結果と同様であった。
図100に示されるように、EXO60はサイズ濾過又は超遠心分離に基づく方法よりも好適にCSFからRNAを単離する。EXO60について、70%EtOHを使用してRNAを抽出し、一方でuCSC抽出は30%イソプロパノールを使用し、UC抽出は60%EtOHを使用した。EXO60は少なくとも0.2〜2mLのCSF投入量の範囲において直線的なPCR産出量を示した。EXO60の通過画分にはわずかに幾らかのmiR−16 miRNAが見いだされ、GAPDHとHIF1AのmRNAは見いだされなかった。uCSC抽出については対照的に、miR−16はカラム画分においてのみ見出され、GAPDHとHIF1A及び幾らかのmiR−16が通過画分に見出された。UC抽出により、mRNAとmiRNAの大半が上清中に残ることが示された。ペレット画分にHIF1aは見いだされず、わずかに幾らかのGAPDHが見出された。
実施例45:尿からのEXO70微細小胞単離とRNA抽出
本明細書においてEXO70と呼ばれる方法である微細小胞性RNAのEXO50ベース単離を濾過ベースの単離(uCSC)と比較するように本明細書において提示される試験をデザインした。20mlの尿試料を使用して各単離方法を実行した。EXO70単離について、実施例32に従うが、mRNAのみの捕捉のために30%EtOHを使用してRNAを抽出及び抽出した。uCSC単離について実施例32に従ってRNAを抽出及び単離した。
図101に示されるように、EXO70と濾過により単離されたRNAは、エタノール調整が大RNAだけを単離するように調節されると同様のRNAサイズ分布を示した。それらの試験は両方の方法が同じ強度を有するPCRシグナルを生じることも示した。
図102、103A及び103Bに示されるように、EXO70由来の通過画分の新しいuCSCカラムへの負荷がmRNAシグナルについてずっと高いCt値(約8Ct値)を生じた。これは通過画分において1%未満のシグナルだけが残されていることを意味している。したがって、1%のmRNAとmiRNAが通過画分に残されているので、EXO70は99%を超える効率でmRNAとmiRNAを捕捉した。
EXO70カラムに負荷されたuCSC由来の通過画分は4人の患者のうちの2人においてmRNAのシグナルをほとんどから全く生ぜず、検出可能なシグナルが有る場合にはそれはオンカラムデータポイントよりも約15Ct値高かった。1%未満のmRNAシグナルがEXO70とuCSCの両方の尿通過画分に残される。
実施例46:細胞上清試料におけるEXO50微細小胞単離
EXO50法及びキットの細胞上清試料との使用を試験するように本明細書において提示される試験をデザインした。それらの試料を上の実施例32に示されるように処理した。
図104及び105に見られるように、EXO50によりヒト細胞培養上清から小胞性RNAが単離された。Gli36細胞株上清を有する様々な濃度の2×結合緩衝液(BB)を図105に示されるように使用した。
他の実施形態
本発明の詳細な説明と併せて本発明を記載してきたが、前記の説明は本発明の範囲を例示することを意図されており、本発明の範囲を限定することを意図されておらず、本発明の範囲は添付されている特許請求の範囲によって規定される。他の態様、利点、及び修正点が後続の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (30)

  1. 生体試料から核酸を抽出するための方法であって、
    (a)生体試料を提供すること、
    (b)捕捉面と前記生体試料を前記捕捉面上又は前記捕捉面中での微細小胞画分の保持に充分な条件下で接触させること、
    (c)前記微細小胞が前記捕捉面上又は前記捕捉面中にある間に前記微細小胞画分を溶解すること、及び
    (d)前記微細小胞画分から前記核酸を抽出すること
    を含む、方法。
  2. 前記捕捉面が正に帯電している、請求項1に記載の方法。
  3. 前記捕捉面が膜である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記膜が再生セルロースを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記膜が少なくとも3umの孔径を有する、請求項3に記載の方法。
  6. 前記膜が第四級アンモニウムR−CH2−N+(CH33で官能化されている、請求項3に記載の方法。
  7. 前記捕捉面が1枚より多い膜を備える、請求項1に記載の方法。
  8. 少なくとも1枚の膜が帯電している、請求項7に記載の方法。
  9. 前記捕捉面がそれぞれ異なる電荷を有する少なくとも2枚の膜を備える、請求項7に記載の方法。
  10. 前記捕捉面が互いに直接的に隣接する3枚の膜を備える、請求項7に記載の方法。
  11. 前記3枚の膜が互いに同一である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記生体試料が血漿、血清、尿、脳脊髄液又は細胞培養上清である、請求項1に記載の方法。
  13. ステップ(a)が前記生体試料を負荷緩衝液と接触させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記負荷緩衝液が中性のpHを有する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記核酸がRNAを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記RNAがmRNA、miRNA、又はそれらの組合せを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記核酸がDNAを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 生体試料から核酸を抽出するための方法であって、
    (a)生体試料を提供すること、
    (b)捕捉面と前記生体試料を前記捕捉面上又は前記捕捉面中での微細小胞画分の保持に充分な条件下で接触させること、
    (c)前記捕捉面から前記微細小胞を溶出して微細小胞画分を獲得すること、及び
    (d)前記微細小胞画分から前記核酸を抽出すること
    を含む、方法。
  19. ステップ(c)由来の前記溶出微細小胞画分を回転濃縮器により濃縮して濃縮微細小胞画分を獲得し、且つ、前記核酸を前記濃縮微細小胞画分から抽出する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記捕捉面が正に帯電している、請求項18に記載の方法。
  21. 前記捕捉面が膜である、請求項18に記載の方法。
  22. 前記膜が再生セルロースを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記膜が少なくとも3umの孔径を有する、請求項21に記載の方法。
  24. 前記膜が第四級アンモニウムR−CH2−N+(CH33で官能化されている、請求項21に記載の方法。
  25. 前記捕捉面が1枚より多い膜を備える、請求項18に記載の方法。
  26. 少なくとも1枚の膜が帯電している、請求項25に記載の方法。
  27. 前記捕捉面がそれぞれ異なる電荷を有する少なくとも2枚の膜を備える、請求項25に記載の方法。
  28. 前記捕捉面が互いに直接的に隣接する3枚の膜を備える、請求項25に記載の方法。
  29. 前記3枚の膜が互いに同一である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記生体試料が血漿、血清、尿、脳脊髄液又は細胞培養上清である、請求項18に記載の方法。
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