JP2016221835A - インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】記録装置の大型化やコストの増大を引き起こすことなくインクの吐出特性が低下するような吐出不良を検出する。【解決手段】記録ヘッド製造時のテストパターン解析により吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報が予め記憶された記録ヘッドと、記録装置に設けられた光学的検出機構を用いた吐出不良検出と、の2種類を備えた。【選択図】図12
Description
本発明は、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびプログラムに関する。
インクを吐出する複数の吐出口を配列した吐出口列を有する記録ヘッドを、記録媒体の単位領域に対して相対的に移動させながらインクの吐出を行う記録走査と、記録媒体の搬送を行う副走査と、を繰り返し行うことで画像の記録を行う画像記録装置が知られている。
上述のような画像記録装置において、複数の吐出口のうちのある吐出口においてインクの吐出不良が発生した場合、画像に白抜けが生じ、得られる画像の画質が低下してしまうことが知られている。これに対し、特許文献1には、発光素子と受光素子からなる吐出不良検出手段が開示されている。詳細には、発光素子から受光素子に入射される光束中にインクを打込み、インク滴の遮光による受光素子の受光量の変化に応じた出力の変化に基づいて不吐出を検出することが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された技術によっては、インクが吐出されないような吐出不良に関しては検出できたものの、インクの吐出量の低下やインクの吐出方向のずれ等といったインクの不吐出とはならずともインクの吐出特性が低下するような吐出不良に関しては検出することができなかった。これに対し、特許文献2には特許文献1に記載されたような発光素子と受光素子からなる吐出不良検出手段を記録装置内に複数設けることにより、吐出特性の低下を検出すると記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載された構成では複数の吐出不良検出手段を記録装置ごとに設けなければならないため、記録装置の大型化やコストの増大に繋がってしまう。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、記録装置の大型化やコストの増大を引き起こすことなくインクの吐出特性が低下するような吐出不良を検出することを目的とするものである。
そこで、本発明は、インクを吐出するための複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列を少なくとも有する記録ヘッドと、前記複数の吐出口のうちのインクの吐出不良が存在する第1の吐出口を特定するための第1の情報が予め記憶されたメモリと、前記複数の吐出口からのインクの吐出の有無を測定することにより、前記複数の吐出口それぞれにおけるインクの吐出不良を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出されたインクの吐出不良が存在する第2の吐出口を特定するための第2の情報を取得する取得手段と、前記メモリに記憶された前記第1の情報により特定される前記第1の吐出口と、前記取得手段によって取得された前記第2の情報により特定される前記第2の吐出口と、から記録すべき画像を、前記複数の吐出口のうちの前記第1、第2の吐出口以外の吐出口を用いて補完記録するように制御する補完記録制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびプログラムによれば、記録装置の大型化やコストの増大を引き起こすことなくインクの吐出性能が低下するような吐出不良を検出することが可能となる。
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、プリンタ、記録装置とも称する)の外観を示している。これはいわゆるシリアル走査型のプリンタであり、記録媒体Pの搬送方向(Y方向)に対して直交する交差方向(X方向)に記録ヘッドを走査して画像を記録するものである。
図1は本実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、プリンタ、記録装置とも称する)の外観を示している。これはいわゆるシリアル走査型のプリンタであり、記録媒体Pの搬送方向(Y方向)に対して直交する交差方向(X方向)に記録ヘッドを走査して画像を記録するものである。
図1を用いてこのインクジェット記録装置の構成および記録時の動作の概略を説明する。まず不図示の搬送モータによりギヤを介して駆動される搬送ローラによって記録媒体Pを保持しているスプール6より記録媒体PがY方向に搬送される。一方、所定の搬送位置において不図示のキャリッジモータによりキャリッジユニット2をX方向に延在するガイドシャフト8に沿って走査させる。そして、この走査の過程で、エンコーダ7によって得られる位置信号に基づいたタイミングでキャリッジユニット2に装着可能な記録ヘッド(後述)の吐出口から吐出動作を行わせ、吐出口の配列範囲に対応した一定のバンド幅を記録する。本実施形態においては、走査速度40インチ毎秒で走査し、600dpi(1/600inch)の解像度で吐出動作を行う構成とした。その後、記録媒体Pの搬送を行い、さらに次のバンド幅について記録を行う構成となっている。
このようなプリンタでは、1回の走査で記録媒体上の単位領域に画像を記録(いわゆる1パス記録)しても良いし、複数回の走査で画像を記録(いわゆるマルチパス記録)しても良い。1パス記録を行う場合には各走査間でバンド幅分の記録媒体の搬送を行っても良い。また、マルチパス記録を行う場合には、1走査毎には搬送を行わず、記録媒体上の単位領域に対して複数回走査を行ってから、該単位領域に1バンド前後の搬送を行っても良い。また、他のマルチパス記録として、1走査毎に所定のマスクパターンによって間引かれたデータを記録してから1/nバンド前後の紙送りを行い、再度走査を行うことによって、記録媒体上の単位領域に対し記録に関与するノズルを異ならせた複数回(n回)の走査と搬送とによって画像を完成させる方法がある。このマルチパス記録については後述する。
なお、キャリッジモータからキャリッジユニット2への駆動力の伝達には、キャリッジベルトを用いることができる。しかしキャリッジベルトの代わりに、例えばキャリッジモータにより回転駆動され、X方向に延在するリードスクリュと、キャリッジユニット2に設けられ、リードスクリュの溝に係合する係合部とを具えたものなど、他の駆動方式を用いることも可能である。
送給された記録媒体Pは、給紙ローラとピンチローラとに挟持搬送されて、プラテン4上の記録位置(記録ヘッドの主走査領域)に導かれる。通常休止状態では記録ヘッドのフェイス面にはキャッピングが施されているため、記録に先立ってキャップを開放して記録ヘッドないしキャリッジユニット2を走査可能状態にする。その後、1走査分のデータがバッファに蓄積されたらキャッリッジモータによりキャリッジユニット2を走査させ、上述のように記録を行う。
ここで、記録ヘッドに対しては、吐出駆動のための駆動パルスやヘッド温調用信号などを供給するためのフレキシブル配線基板19が取り付けられている。フレキシブル基板の他端は、本プリンタの制御を実行するCPU等の制御回路を備えた制御部(不図示)に接続されている。また、制御部の近傍にはインクジェット記録装置内の雰囲気温度を検出するための温度センサであるサーミスタ(不図示)が設けられている。
また、ホームポジション(不図示)にはキャップや回復ユニットが設けられており、必要に応じて間欠的に記録ヘッドの回復処理を行う。更に、ホームポジションには光学的検出機構(後述)が設けられており、所定のタイミングごとにインクの吐出不良の検出が行われる。なお、この光学的検出機構は必ずしも記録ヘッドと別体に記録装置内に設けられている必要はなく、例えば、記録ヘッドと記録ヘッドが一体に設けられていても良い。
図2は本実施形態で使用する記録ヘッドを示す。
記録ヘッド9は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、フォトマゼンタ(Pm)、シアン(C)、フォトシアン(Pc)、ブラック(Bk)、グレイ(Gy)、フォトグレイ(Pgy)、レッド(R)、ブルー(B)、記録面の保護や光沢の均一性向上等の着色以外の目的を有する処理液(P)の各インクをそれぞれ吐出可能な11個の吐出口列22Y、22M、22Pm、22C、22Pc、22Bk、22Gy、22Pgy、22R、22B、22P(以下、これらの吐出口列のうちの1つの吐出口列を吐出口列22とも称する)がこの順にX方向に並んで配置されることにより構成される。これらの吐出口列22は、それぞれのインクを吐出する1280個の吐出口(以下、ノズルとも称する)30が1200dpiの密度でY方向(所定方向)に配列されることで構成されている。それぞれの吐出口30と対向する位置には記録素子が設けられており、駆動パルスが記録素子に印加されることにより記録素子が駆動され、吐出口30からインクが吐出される。なお、Y方向に互いに隣接する位置にある吐出口30同士はX方向に互いにずれた位置に配置される。ここで、本実施形態における一つの吐出口30から一度に吐出されるインクの吐出量は約4.5ngである。
これらの吐出口列22は、それぞれ対応するインクを貯蔵する不図示のインクタンクに接続され、インクの供給が行われる。なお、本実施形態にて用いる記録ヘッド7とインクタンクは一体的に構成されるものでも良いし、それぞれが分離可能な構成のものでも良い。
また、記録ヘッド9には不揮発性のメモリとして機能するEEPROM23が設けられている。EEPROM23には記録ヘッドの製造時(出荷前)に工場等においてインクの吐出不良に関する情報等、任意の情報を記憶させておくことができる。そして、記録装置による記録動作の際にはEEPROM23に記憶された情報を適宜読み出して利用することが可能である。この点については後述する。
図3は、本実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。主制御部300は、演算、選択、判別、制御などの処理動作を実行するCPU301と、CPU301によって実行すべき制御プログラム等を格納するROM302と、記録データのバッファ等として用いられるRAM303、および入出力ポート304等を備えている。ROM302には、後述する画像データやマスクパターン等が格納されている。更に、後述する光学的検出機構により検出されたインクの吐出不良に関する情報や、記録ヘッドEEPROM23より読み出されたインクの吐出不良に関する情報もまた、ROM302に格納される。そして、入出力ポート304には、搬送モータ(LFモータ)309、キャリッジモータ(CRモータ)310、記録ヘッド9におけるアクチュエータなどの各駆動回路305、306、307、308が接続されている。さらに、主制御部300はインターフェイス回路311を介してホストコンピュータであるPC312に接続されている。
(マルチパス記録方式)
本実施形態では、複数回の走査で単位領域に記録を行うマルチパス記録方式に従って画像を形成する。以下にマルチパス記録方式について詳細に説明する。
本実施形態では、複数回の走査で単位領域に記録を行うマルチパス記録方式に従って画像を形成する。以下にマルチパス記録方式について詳細に説明する。
図4は4回の記録走査により記録媒体上の単位領域内に記録を行う際に行う一般的なマルチパス記録方式について説明するための図である。なお、以下の説明では簡単のため、吐出口列22Kについてのみ記載する。更に、簡単のため吐出口列22Kを16個の吐出口30からなり、Y方向において長さLを有する吐出口列とし、各走査において1つの単位領域に対して4つの吐出口からインクを吐出する形態を例として記載する。
インクを吐出する吐出口列22Kに設けられたそれぞれの吐出口30は、副走査方向に沿って4つの吐出口群201、202、203、204に分割される。
1回目の記録走査(1パス)では、記録媒体P上の単位領域211に対して吐出口群201からインクが吐出される。
次に、記録媒体Pを記録ヘッド7に対してY方向の上流側から下流側にL/4の距離だけ相対的に搬送する。なお、ここでは簡単のため、記録ヘッド7を記録媒体Pに対してY方向の下流側から上流側に搬送した場合を図示しているが、搬送後の記録媒体Pと記録ヘッド7との相対的な位置関係は記録媒体PをY方向下流側へ搬送した場合と同じとなる。
この後に2回目の記録走査を行う。2回目の記録走査(2パス)では、記録媒体上の単位領域211に対しては吐出口群202から、単位領域212に対しては吐出口群201からインクが吐出される。
以下、記録ヘッド7の記録走査と記録媒体Pの相対的な搬送を交互に繰り返す。この結果、4回目の記録走査(4パス)が行われた後には、記録媒体Pの単位領域211では吐出口群201〜204のそれぞれから1回ずつインクが吐出されたことになる。
なお、以下の説明では、記録媒体における画素相当の領域を、単に「画素」と記載することがある。
本実施形態では、上述のマルチパス記録方式において、各画素におけるインクの吐出または非吐出を定める1ビットの情報を有するデータと、各画素に対するインクの吐出の許容または非許容を定める1ビットの情報を有するマスクパターンと、を用いて、各走査での記録に用いる1ビットの記録データを生成する。なお、ここでの各画素におけるインクの吐出または非吐出を定める1ビットの情報を有するデータとは、量子化処理が行われた後の量子化データを指す。
図5は4パス記録方式においてそれぞれ1ビットの情報を有する量子化データおよびマスクパターンを用いて記録データを生成する過程を説明するための図である。
図5(a)は単位領域211内の16個の画素700〜715を模式的に示す図である。なお、ここでは簡単のため16個の画素相当の画素領域からなる単位領域を用いて説明するが、単位領域を構成する画素領域の数は適宜異なる値に設定できる。
図5(b)は単位領域に対応する量子化データの一例を示す図である。ここで、図5(b)のうちの黒く塗り潰された画素がインクの吐出を定める画素を、白抜けで示した画素がインクの非吐出を定める画素をそれぞれ示している。すなわち、画素700、701、704、705、708、709、713、714にはインクの吐出が定められ、画素702、703、706、707、710、711、715、716にはインクの非吐出が定められることとなる。
図5(c−1)〜(c−4)はそれぞれ1〜4回目の走査に対応し、図5(b)に示す量子化データに適用するためのマスクパターンを示す図である。すなわち、図5(b)に示す量子化データに対して図5(c−1)に示す1回目の走査に対応するマスクパターン505を適用することにより、1回目の走査で用いる記録データを生成する。同様にして、図5(b)に示す量子化データに対して図5(c−2)、(c−3)、(c−4)それぞれに示すマスクパターン506、507、508を適用することにより、それぞれ2、3、4回目の走査で用いる記録データを生成する。
ここで、図5(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターン内の各画素には、インクの吐出の許容/非許容を定める情報が割り当てられている。詳細には、図5(c−1)〜(c−4)それぞれにおける黒く塗り潰された画素が、対応する画素における量子化データがインクの吐出を定めていた場合にインクの吐出を許容する記録許容画素を示している。また、図5(c−1)〜(c−4)それぞれにおける白抜けで示した画素が、対応する画素における量子化データがインクの吐出を定めていた場合であってもインクの吐出を許容しない非記録許容画素を示している。
ここで、本実施形態において用いられる1ビットの情報を有するマスクパターンは、下記の(条件1)、(条件2)に基づいて設定される。
(条件1)
4つのマスクパターン505〜508内の同じ位置にある4つの画素のうち、いずれか1つのマスクパターン内の画素にはインクの吐出の許容が定められ、他の3つのマスクパターン内の画素にはインクの吐出の非許容が定められる。
4つのマスクパターン505〜508内の同じ位置にある4つの画素のうち、いずれか1つのマスクパターン内の画素にはインクの吐出の許容が定められ、他の3つのマスクパターン内の画素にはインクの吐出の非許容が定められる。
例えば、画素700に対しては、図5(c−1)に示すマスクパターンにてインクの吐出の許容が定められ、他の図5(c−2)、(c−3)、(c−4)に示すマスクパターンではインクの吐出の非許容が定められる。言い換えると、画素700は、図5(c−1)に示すマスクパターンでは記録許容画素であり、図5(c−2)、(c−3)、(c−4)に示すマスクパターンでは非記録許容画素である。
また、画素701に対しては、図5(c−2)に示すマスクパターンにてインクの吐出の許容が定められ、他の図5(c−1)、(c−3)、(c−4)に示すマスクパターンではインクの吐出の非許容が定められる。言い換えると、画素701は、図5(c−2)に示すマスクパターンでは記録許容画素であり、図5(c−1)、(c−3)、(c−4)に示すマスクパターンでは非記録許容画素である。
このような構成により、どの画素に対してインクの吐出が定められた場合であっても、その画素に対応する画素領域に対して4回の走査のうちの1回の走査にてインクを吐出するような記録データを生成することができる。
(条件2)
また、図5(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、記録許容画素が互いにほぼ同数となるように配置されている。より詳細には、図5(c−1)に示すマスクパターンには画素700、705、710、715の4つの画素にインクの吐出の許容が定められている。また、図5(c−2)に示すマスクパターンには画素701、706、711、712の4つの画素にインクの吐出の許容が定められている。また、図5(c−3)に示すマスクパターンには画素702、707、708、713の4つの画素にインクの吐出の許容が定められている。また、図5(c−4)に示すマスクパターンには画素703、704、709、714の4つの画素にインクの吐出の許容が定められている。すなわち、図5(c−1)〜(c−4)それぞれに示す4つのマスクパターンには、記録許容画素が4つずつ配置されている。
また、図5(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、記録許容画素が互いにほぼ同数となるように配置されている。より詳細には、図5(c−1)に示すマスクパターンには画素700、705、710、715の4つの画素にインクの吐出の許容が定められている。また、図5(c−2)に示すマスクパターンには画素701、706、711、712の4つの画素にインクの吐出の許容が定められている。また、図5(c−3)に示すマスクパターンには画素702、707、708、713の4つの画素にインクの吐出の許容が定められている。また、図5(c−4)に示すマスクパターンには画素703、704、709、714の4つの画素にインクの吐出の許容が定められている。すなわち、図5(c−1)〜(c−4)それぞれに示す4つのマスクパターンには、記録許容画素が4つずつ配置されている。
なお、ここでは各マスクパターンにおいて記録許容画素がそれぞれ互いに同じ数だけ配置されている場合について記載していたが、実際には互いにほぼ同じ数だけ配置されていれば良い。
これにより、図5(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンを用いて量子化データを4回の走査に分配して記録データを生成する際に、4回の走査それぞれにおける記録率を互いにほぼ等しくすることができる。
図5(d−1)〜(d−4)のそれぞれは、図5(b)に示す量子化データに対して図5(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンを適用して生成される記録データを示す図である。なお、図5(d−1)〜(d−4)それぞれにおいて黒く塗り潰された画素がインクの吐出を定める画素を、白抜けで示した画素がインクの非吐出を定める画素をそれぞれ示している。
例えば、画素700では、図5(b)に示す量子化データではインクの吐出が定められ、図5(c−1)に示すマスクパターンではインクの吐出の許容が定められている。そのため、図5(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データにおいても画素700に対してはインクの吐出が定められる。
また、画素701では、図5(b)に示す量子化データではインクの吐出が定められ、図5(c−1)に示すマスクパターンではインクの吐出の非許容が定められている。そのため、図5(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データにおいて、画素701に対してはインクの非吐出が定められる。
このようにして生成された図5(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データにしたがって1〜4回目の走査にてインクが吐出される。例えば、1回目の走査では図5(d−1)に示す記録データからわかるように、画素700、705に対応する記録媒体上の画素領域にインクが吐出される。
図5(e)は図5(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データの論理和を示す図である。図5(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データにしたがってインクを吐出することにより、各画素に対応する画素領域に1回ずつインクが吐出されることとなる。
以上の構成によれば、1ビットの情報を有する量子化データおよびマスクパターンに基づいて、4回の走査それぞれで用いる1ビットの記録データを生成することが可能となる。
(データの処理過程)
図6は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPUが実行する記録に用いられる記録データ生成処理のフローチャートである。
図6は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPUが実行する記録に用いられる記録データ生成処理のフローチャートである。
まず、ステップS401にてインクジェット記録装置はホストコンピュータであるPC312から入力されたRGB形式の入力データを取得する。
次に、ステップS402では、RGB形式の入力データを記録に用いるインクの色に対応する多値データに変換する色変換処理を行う。この色変換処理により、複数の画素領域からなる画素領域群それぞれにおける階調を定める8ビット256値の情報によって表される多値データが生成される。
次に、ステップS403ではディザパターンを用いて多値データを量子化する量子化処理を行う。この量子化処理により、各画素領域に対するインクの吐出または非吐出を定める1ビット2値の情報により表される量子化データが生成される。なお、ここではディザパターンを用いたディザ処理によって量子化を行う場合について記載したが、誤差拡散処理やインデックス展開処理等によって量子化を行っても良い。
次に、ステップS404ではある吐出口からの吐出においてインクの吐出不良が生じた際に他の吐出口から補完記録を行うための補完処理を実行する。この処理については後述する。
そして、ステップS405では上述したマスクパターンを用いて量子化データを複数回の走査に分配する分配処理を行う。この分配処理により、複数回の走査それぞれにおける各画素領域に対するインクの吐出または非吐出を定める1ビット2値の情報により表される記録データが生成される。
(インクの吐出不良が生じた際の画質低下)
上述のように、本実施形態では図6に示すステップS404にてインクの吐出不良の補完処理が行われる。ここで、インクの吐出不良が生じた場合に発生し得る画質の低下について詳細に説明する。
上述のように、本実施形態では図6に示すステップS404にてインクの吐出不良の補完処理が行われる。ここで、インクの吐出不良が生じた場合に発生し得る画質の低下について詳細に説明する。
図7(a)は図4、図5に示すマルチパス記録方式において16個の吐出口30のうちの3つの吐出口30a、30b、30cにインクの吐出不良が生じた際、単位領域211に記録される画像の画質に対する影響を説明するための図である。
また、図7(b)は図7(a)に示すように吐出口30a、30b、20cにインクの吐出不良が生じた際、図5(d−1)〜(d−4)に示す記録データにしたがってインクを吐出することにより単位領域211に記録される画像を模式的に示す図である。なお、図7(b)において黒く塗り潰された箇所がインクが正常に吐出される画素を、白抜けで示す箇所がインクが吐出されない画素を、灰色の箇所が正常な吐出量よりも少ない量だけインクが吐出される画素をそれぞれ示している。
インクの吐出不良には、インクが不吐出となるような吐出不良(以下、第1の吐出不良とも称する)と、インクの不吐出とはならずともインクの吐出特性が低下するような吐出不良(以下、第2の吐出不良とも称する)の2種類が存在する。なお、インクの吐出特性の低下とは、例えばインクの吐出量の低下やインクの吐出方向のずれのことを指す。
ここで、図7(a)には、吐出口群201内の最もY方向上流側に位置する吐出口30aにはインクの不吐出が、吐出口群202内の最もY方向下流側に位置する吐出口30bにはインクの吐出量の低下が、吐出口群204内のY方向下流側端部から2番目に位置する吐出口30cにはインクの吐出方向のずれがそれぞれ発生した場合について示している。なお、以下の説明では簡単のため、インクが不吐出となるような吐出不良(第1の吐出不良)が生じている吐出口を第1の吐出不良ノズル、インクの吐出特性が低下するような吐出不良(第2の吐出不良)が生じている吐出口を第2の吐出不良ノズルとも称する。
第1の吐出不良ノズル30aは、図7(a)からわかるように、単位領域211に対する1回目の走査にて単位領域211内の画素700、701、702、703にインクを吐出可能な位置に位置することとなる。ここで、図5(d−1)からわかるように、1回目の走査に対応する記録データでは画素701、702、703に対してはインクの非吐出が定められているため、第1の吐出不良ノズル30aにおけるインクの不吐出の影響はない。
しかしながら、1回目の走査に対応する記録データにおいて、画素700に対してはインクの吐出が定められている。ここで、上述のように第1の吐出不良ノズル30aからはインクを吐出することができない(インクの不吐出)。したがって、図7(b)に模式的に示すように、画素700において画像の白抜けが発生してしまう。
一方、第2の吐出不良ノズル30bは、図7(a)からわかるように、単位領域211に対する2回目の走査にて画素712、713、714、715にインクを吐出可能な位置に位置することとなる。図5(d−2)からわかるように、2回目の走査に対応する記録データでは画素713、714、715に対してはインクの非吐出が定められているため、第2の吐出不良ノズル30bにおけるインクの吐出特性の低下(インクの吐出量の低下)の影響はない。
しかしながら、2回目の走査に対応する記録データにおいて画素712に対してはインクの吐出が定められている。第2の吐出不良ノズル30bにはインクの不吐出ではなくインクの吐出量の低下が発生しているため、画素712には画像の白抜けこそ生じないものの、図7(b)に模式的に示すように濃度の低下が生じてしまう。
また、第2の吐出不良ノズル30cは、図7(a)からわかるように、単位領域211に対する4回目の走査にて画素708、709、710、711にインクを吐出可能な位置に位置することとなる。図5(d−4)からわかるように、2回目の走査に対応する記録データでは画素708、710、711に対してはインクの非吐出が定められているため、第2の吐出不良ノズル30cにおけるインクの吐出特性の低下(インクの吐出方向のずれ)の影響はない。
しかしながら、4回目の走査に対応する記録データにおいて画素709に対してはインクの吐出が定められている。第2の吐出不良ノズル30cにはインクの不吐出ではなくインクの吐出方向のずれが発生しているため、形成されるドットが画素709を被覆する割合が小さくなり、図7(b)に模式的に示すように画素709における濃度の低下が生じてしまう。
以上の点をまとめると、図7(a)に示したような第1の吐出不良ノズル30aおよび第2の吐出不良ノズル30b、30cが生じた際に図5(d−1)〜(d−4)に示す記録データにしたがってインクを吐出すると、画像の白抜けや濃度の低下が生じる虞がある。詳細には、図7(b)に示すように、図5(e)に示す本来記録するはずであった画像に比べて、画素700で画像の白抜けが、画素709、712で濃度の低下がそれぞれ生じてしまう。
以上記載したように、インクの不吐出(第1の吐出不良)およびインクの吐出特性の低下(第2の吐出不良)のいずれの吐出不良が生じた場合であっても、記録される画像の画質が低下してしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、複数通りの吐出不良検出制御を行い、その結果得られたインクの吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報を用いて当該吐出口から記録すべき画像を他の吐出口から補完記録するように制御する。
(光学的検出機構による吐出不良検出)
本実施形態では、光学的検出機構を用いてインクの吐出の有無を光学的に測定することにより、インクの吐出不良を検出する。
本実施形態では、光学的検出機構を用いてインクの吐出の有無を光学的に測定することにより、インクの吐出不良を検出する。
図8(a)は本実施形態における光学的検出機構の構成を示す模式図である。
本実施形態における光学的検出機構には、記録ヘッド9がホームポジションに位置する際に発光素子111と受光素子112が記録ヘッド9の下側の吐出口面近傍の領域を挟むようにして、発光素子111と受光素子112が設けられている。発光素子111と受光素子112の間には、発光素子111の近傍に絞り板113が、また、受光素子112の近傍に絞り板114がそれぞれ設けられている。また、絞り板113、114にはそれぞれ1つの開口部(以下、アパーチャとも称する)113a、114aが設けられている。
図8(b)は本実施形態におけるアパーチャ114aの形状を示す模式図である。なお、ここではアパーチャ114aを発光素子111側から見た図を模式的に示している。
アパーチャ114aは、所定の幅W(例えば4mm程度)と高さH(例えば2mm程度)を有した矩形に形成されている。アパーチャ113aも同じ形状、寸法に形成される。また、アパーチャ114aの中心位置と受光素子12の中心位置が一致するように形成されている。アパーチャ113aと発光素子111も同様の位置関係になっている。
このような構成において、インク吐出不良の検出時には発光素子から光が発せられ、その光の内でアパーチャ113a及び114aを通過する光束(以下、検出光束と称する)115が受光素子112に受光される。このように発光・受光を行っている際に記録ヘッド9からインク滴が矢印18に示す方向に吐出されると、検出光束115が瞬間的にインク滴によって遮光されることになる。これにより受光素子112の受光量が瞬間的に低下するため、受光素子112からの出力値が変化する。
一方で、ある吐出口においてインクの不吐出が発生するとその吐出口からはインクが吐出されないため、受光素子112からの出力値は変化しない。本実施形態における光学的検出機構では、このような受光素子112からの出力値の変化の有無に基づいてインクの吐出不良の有無を検出する。
本実施形態では、このような光学的検出機構を用い、所定のタイミングごとに吐出不良の検出を行う。吐出不良検出を行うタイミングは適宜設定可能であるが、例えば記録装置の電源を入れた際に毎回自動でこの処理を行っても良い。また、記録装置に記録ジョブが入力され、記録を開始する前に吐出不良検出を行っても良い。更に、ユーザの指示にしたがって吐出不良検出を行うことも可能である。
しかしながら、上記の光学的検出機構による検出制御では、インクが不吐出となるようなインクの吐出不良(第1の吐出不良)は検出することができるものの、インクの吐出特性が変化するようなインクの吐出不良(第2の吐出不良)は検出することができない虞がある。
このようなインクの吐出量の低下やインクの吐出方向のずれが生じた場合、インク滴は検出光束をある程度遮光するため、受光素子112からの出力値は若干変化することとなる。したがって、上述の光学的検出機構を用いた場合、インクの吐出量の低下やインクの吐出方向のずれが生じたとしてもインクの吐出不良が発生していないと判定される虞がある。
具体的には、本実施形態における光学的検出機構では、記録ヘッド9と記録媒体Pの間の距離が1mmである場合に、記録媒体上のインク吐出の理想位置からの着弾ずれが20μm未満となるような吐出方向のずれが生じた場合、そのずれをインクの吐出不良として検出することができない虞がある。また、インクを吐出した際に記録媒体上に形成されるドットの径が約35μm程度となる吐出量未満まで吐出量が低下した場合、その吐出量の低下をインクの吐出不良として検出できない場合がある。
このようなインクの吐出特性の低下が生じた場合であっても、場合によっては記録される画像の画質を低下させてしまうことが実験的にわかっている。
(テストパターンの解析による吐出不良検出)
本実施形態では、上述の光学的検出機構によるインクの吐出不良検出以外に、記録ヘッドの製造時にインクの吐出不良の検出を行う。詳細には、記録ヘッドから吐出不良が生じている吐出口を特定するためのテストパターンを記録し、そのテストパターンを読み取ることによって吐出不良が生じている吐出口を特定する。そして、その結果得られたインクの吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報を記録ヘッド内のEEPROM23に記憶しておき、記録ヘッドを記録装置に装着して記録を行う際にその情報を読み出すことによって吐出不良が生じている吐出口を特定する。
本実施形態では、上述の光学的検出機構によるインクの吐出不良検出以外に、記録ヘッドの製造時にインクの吐出不良の検出を行う。詳細には、記録ヘッドから吐出不良が生じている吐出口を特定するためのテストパターンを記録し、そのテストパターンを読み取ることによって吐出不良が生じている吐出口を特定する。そして、その結果得られたインクの吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報を記録ヘッド内のEEPROM23に記憶しておき、記録ヘッドを記録装置に装着して記録を行う際にその情報を読み出すことによって吐出不良が生じている吐出口を特定する。
図9は本実施形態で記録するテストパターンを模式的に示す図である。なお、ここでも図4と同様に、簡単のため16個の吐出口30からなる吐出口列22Kを用いて説明する。
本実施形態で記録するテストパターンは、開始バー411、アライメントマーク412、解析パターン413の3つのパターンから構成される。
開始バー411は、読み取り装置によって読み取られた解析パターン413を解析するときに、R、G、Bのいずれのチャンネルであるかを特定するためのパターンである。
アライメントマーク412は、読み取りの際に基準となるマークであり、これによって解析パターン413とその解析パターンを記録した吐出口30の位置を対応付けることができる。
解析用パターン413は、1つの吐出口当たり1つずつ記録されるパターンであり、それぞれの吐出口によって記録される直線画像からなるパターンである。
このようなテストパターンを読み取り装置によって読み取り、読み取られた画像のデータを解析することで吐出不良が生じている吐出口を特定する。
図10は本実施形態におけるテストパターンの読取画像の解析過程を示すフローチャートである。
まず、ステップS11では読み取り装置によって予め設定された解像度でテストパターンの読み取りが行われ、読取画像のデータが取得される。ここで、読取画像はR、G、Bの値で示されるRGB画像である。
次に、ステップS12では、読取画像のうちの開始バー411に対応する画像から得られるR、G、Bの値からインク色を特定する。更に、各インク色においてR、G、Bチャンネルのうちのいずれのチャンネルで解析を行うかが決定される。ここで、解析に用いるチャンネルはインク色ごとに予め決められており、各インク色において最も濃度が高くなるチャンネルを使用するものとする。例えば、本実施形態ではインク色がシアンである場合にはRチャンネル、マゼンタである場合にはGチャンネル、イエローである場合にはBチャンネルを用いて解析を行う。
次に、ステップS13では、読取画像のうちのアライメントマーク412に対応する画像から、アライメントマーク412のX方向およびY方向それぞれにおける重心位置(X1、Y1)を取得する。
次に、ステップS14では、複数の解析パターン413の中からインクの吐出不良の検出を行う吐出口に対応する解析パターンを特定する。ここでは吐出口No.7における吐出不良の検出を行う場合を考え、Y方向上流側から7つ目の解析パターン413aを吐出口No.7に対応する解析パターンとして特定する。なお、以降の処理は吐出口ごとに順次繰り返して行うものとする。
次に、ステップS15では、ステップS12で選択されたチャンネルを用いて解析パターン413の濃度解析を実行する。
次に、ステップS16では、ステップS15で解析された結果に基づき、各解析パターンの解析領域の範囲における濃度の最大値Dmaxを取得する。
次に、ステップS17では、各解析パターン413のX方向およびY方向それぞれにおける重心位置(X2、Y2)を取得する。
そして、ステップS18では、ステップS13で取得されたアライメントマーク411の重心位置(X1、Y1)とステップS17で取得された各解析パターン413の重心位置(X2、Y2)の差分の絶対値(│X2−X1│、│Y2−Y1│)を算出する。更に、予め設定されていたアライメントマーク411と各解析パターン413間の基準距離(Xb、Yb)を読み出し、これらの差分の絶対値を算出することで各解析パターン413の重心位置のずれ量(ΔX、ΔY)を取得する(ΔX=││X2−X1│−Xb│、ΔY=││Y2−Y1│−Yb│)。
以降の処理では、ステップS16で取得された濃度最大値DmaxとステップS18で取得された重心位置のずれ量(ΔX、ΔY)に基づいてインクの吐出不良の有無を判定する。
まず、ステップS19では、ステップS16で取得された濃度最大値Dmaxが閾値Th1未満であるか否かが判定される。閾値Th1未満であると判定された場合、その吐出口に対応する解析パターンにはほぼインクが吐出されていないとし、ステップS22にて当該吐出口をインクの不吐出が発生している吐出口であると判定する。一方、濃度最大値Dmaxが閾値Th1以上であると判定された場合、ステップS20へと進む。
ステップS20では、ステップS16で取得された濃度最大値Dmaxが閾値Th1以上、かつ、閾値Th2未満であるか否かが判定される。ここで、閾値Th2は閾値Th1よりも大きい値である。閾値Th1以上閾値Th2未満であると判定された場合、その吐出口に対応する解析パターンにはある程度インクが吐出されているものの、基準量よりも少ない量のインクしか吐出されていないとし、ステップS23にて当該吐出口をインクの吐出量の低下が発生している吐出口であると判定する。一方、濃度最大値Dmaxが閾値Th1以上、閾値Th2未満でないと判定された場合、ステップS21へと進む。
ステップS21では、ステップS18で取得された重心位置のずれ量(ΔX、ΔY)と、ずれ量の閾値(Th_X、Th_Y)との大小関係の判定を行う。X方向のずれ量ΔXが閾値Th_Xよりも大きいか、若しくはY方向のずれ量ΔYが閾値Th_Yよりも大きいと判定された場合、その吐出口に対応する解析パターンはX方向またはY方向に許容量よりも大きいずれ量だけずれてインクが吐出さているとし、ステップS24にて当該吐出口をインクの吐出方向ずれが生じている吐出口であると判定する。一方、X方向のずれ量ΔXが閾値Th_X以下であり、かつ、Y方向のずれ量ΔYが閾値Th_Y以下である場合、ステップS25にてその吐出口はインクの吐出不良が生じておらず、吐出正常ノズルであると判定する。
図11(a)は正常吐出の吐出口から記録された解析パターンに濃度解析を行った際の濃度分布を示す図である。また、図11(b)は吐出量低下が生じている吐出口から記録された解析パターンに濃度解析を行った際の濃度分布を示す図である。また、図11(c)は不吐出が生じている吐出口から記録された解析パターンに濃度解析を行った際の濃度分布を示す図である。また、図11(d)は吐出方向ずれが生じている吐出口から記録された解析パターンに濃度解析を行った際の濃度分布を示す図である。なお、ここでは重心位置のずれ量に関してはY方向におけるずれ量のみ記載している。
図11からわかるように、本実施形態におけるテストパターンの解析によれば、正常吐出、不吐出、吐出量低下、吐出方向ずれを好適に検出することが可能である。
以上記載したように、吐出口列内のすべての吐出口に対して以上の処理を行うことにより、各吐出口にインクの吐出不良が発生しているか否かの判定を行うことができる。この結果を記録ヘッド内のEEPEOM23に記憶することにより、記録ヘッド製造時の吐出不良検出の結果をユーザによる利用環境での記録装置で利用することが可能となる。
なお、EEPROM23に記憶する際にはインクの不吐出、インクの吐出量の低下、インクの吐出方向ずれの3種類の吐出不良のそれぞれを記録装置に装着した後に識別可能な形式で記憶させても良いし、まとめて1種類の同じ吐出不良として記憶させても良い。
また、ここでは読み取り装置を用いて解析パターンを解析したが、目視によって解析パターンに吐出不良が存在するか否かを判定しても良い。
このようなテストパターンの解析による吐出不良検出によれば、インクが不吐出となるような吐出不良だけではなく、インクの吐出量が低下するような吐出不良やインクの吐出方向がずれるような吐出不良までの検出することが可能となる。
一方で、このテストパターン解析による吐出不良検出は記録ヘッドの製造時にしかできない。そのため、ユーザが記録装置を使用して記録を行う過程で新たな吐出不良が生じた場合、そのテストパターン解析による吐出不良を検出することはできない。
(光学的検出機構とテストパターン解析の差異)
以上記載したように、本実施形態では記録装置に設けられた光学的検出機構を用いた吐出不良検出と、記録ヘッドの製造時のテストパターン解析による吐出不良検出と、の2種類の検出制御を実行する。
以上記載したように、本実施形態では記録装置に設けられた光学的検出機構を用いた吐出不良検出と、記録ヘッドの製造時のテストパターン解析による吐出不良検出と、の2種類の検出制御を実行する。
図12はこれらの2種類の吐出不良の検出制御についてまとめた図である。
光学的検出機構による吐出不良検出によって検出された吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報は、記録装置内のROM302に記憶される。ここで、ジョブの開始時やユーザの指示があった際など、記録装置を使用する過程において随時所定のタイミングごとに行うことができることが光学的検出機構による吐出不良検出の利点である。したがって、ユーザによる記録装置の使用過程において新たに吐出不良が生じた場合であっても、所定のタイミングごとにその吐出不良を検出することができる。一方で、光学的検出機構ではインクの不吐出となるような吐出不良は検出することができるものの、インクの吐出量が低下するような吐出不良やインクの吐出方向がずれるような吐出不良は検出することができない虞がある。
一方、テストパターン解析による吐出不良検出によって検出された吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報は、記録ヘッドに設けられたEEPROM23に記憶される。テストパターン解析による吐出不良検出の利点として、テストパターン解析によればインクの不吐出となるような吐出不良だけではなく、インクの吐出量が低下するような吐出不良やインクの吐出方向がずれるような吐出不良も検出することが可能となる。しかしながら、テストパターン解析による吐出不良検出は記録ヘッドの製造時にのみ行うため、テストパターン解析によってはユーザによる記録装置の使用過程において新たに生じた吐出不良を検出することができない。
以上の点を鑑み、本実施形態では、光学的検出機構による吐出不良検出とテストパターン解析による吐出不良検出の2通りの吐出不良検出制御を行い、それにより得られた吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報に基づいて補完制御を行う。
(吐出不良ノズルの補完制御)
図13は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPUが実行する記録に用いられる吐出不良ノズル補完処理のフローチャートである。
図13は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPUが実行する記録に用いられる吐出不良ノズル補完処理のフローチャートである。
図6に示す補完処理S404が開始されると、まず、ステップS411にて吐出不良ノズルを特定するための情報を取得する。ここでは、上述のように、ROM302から光学的検出機構により検出された吐出不良ノズル情報を、また、EEPROM23からテストパターン解析により検出された吐出不良ノズル情報をそれぞれ読み出すことにより、すべての吐出不良ノズル情報を取得する。
次に、ステップS412では、図6に示す分配処理で用いる図5(c−1)〜(c−4)に模式的に示す1〜4回目の走査に対応するマスクパターン505〜508を取得する。
次に、ステップS413では、ステップS411にて取得された吐出不良ノズル情報に基づいて、吐出口列内に吐出不良が生じている吐出口が存在するか否かを判定する。1つも吐出不良が生じている吐出口が存在していないと判定された場合、補完処理を終了する。少なくとも1つの吐出口にて吐出不良が生じていると判定された場合、ステップS414に進む。
そして、ステップS414では、各マスクパターン内の吐出不良ノズルに対応する記録許容画素を、他のマスクパターン内の当該吐出不良ノズルと同じ画素領域に対してインクを吐出可能な吐出正常ノズルに対応する非記録許容画素と置換する処理を行う。
図14は本実施形態におけるステップS414での補完処理の実行過程におけるデータの様子を模式的に示す図である。
図14(a)、(b)はそれぞれ図5(a)、(b)に示したものと同様である。また、図14(c−1)〜(c−4)もそれぞれ図5(c−1)〜(c−4)に示したものと同様であり、本実施形態における1〜4回目の走査に対応するマスクパターン505〜508を示す図である。また、図14(c´−1)〜(c´−4)はそれぞれ図14(c−1)〜(c−4)に示すマスクパターンに対して本実施形態における補完処理を実行することにより生成される1〜4回目の走査に対応するマスクパターン505´〜508´を示す図である。
ここで、以下の説明では図7に示すような吐出不良ノズル30a、30b、30cが生じた場合について記載する。
まず、インクの不吐出が発生している吐出不良ノズル30aに関し、1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素700、701、702、703が吐出不良ノズル30aに対応する画素となる。このうち、画素700は記録許容画素となっているため、吐出不良ノズル30aと対応するにも関わらず画素700と対応する画素領域に対してインクを吐出するような記録データが生成される虞がある。
したがって、このマスクパターン505内の画素700における記録許容画素と、他のマスクパターン506、507、508内の画素700における非記録許容画素のいずれかと、を置換する処理が行われる。ここでは、置換先として3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素700における非記録許容画素を選択する。これにより、補完処理を実行した後には、図14(c´−1)に示すように1回目の走査に対応するマスクパターン505´内の画素700は非記録許容画素となり、かつ、図14(c´−3)に示すように3回目の走査に対応するマスクパターン507´内の画素700は記録許容画素となる。
次に、インクの吐出特性の低下が生じている吐出不良ノズル30bに関し、2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素712、713、714、715が吐出不良ノズル30bに対応する画素となる。このうち、画素712は記録許容画素となっているため、吐出不良ノズル30bと対応するにも関わらず画素712と対応する画素領域に対してインクを吐出するような記録データが生成される虞がある。
したがって、このマスクパターン506内の画素712における記録許容画素と、他のマスクパターン505、507、508内の画素712における非記録許容画素のいずれかと、を置換する処理が行われる。ここでは、置換先として1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素712における非記録許容画素を選択する。これにより、補完処理を実行した後には、図14(c´−2)に示すように2回目の走査に対応するマスクパターン506´内の画素712は非記録許容画素となり、かつ、図14(c´−1)に示すように1回目の走査に対応するマスクパターン505´内の画素712は記録許容画素となる。
そして、インクの吐出特性の低下が生じている吐出不良ノズル30cに関し、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素708、709、710、711が吐出不良ノズル30cに対応する画素となる。このうち、画素709は記録許容画素となっているため、吐出不良ノズル30cと対応するにも関わらず画素709と対応する画素領域に対してインクを吐出するような記録データが生成される虞がある。
したがって、このマスクパターン508内の画素709における記録許容画素と、他のマスクパターン505、506、507内の画素709における非記録許容画素のいずれかと、を置換する処理が行われる。ここでは、置換先として2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素709における非記録許容画素を選択する。これにより、補完処理を実行した後には、図14(c´−4)に示すように4回目の走査に対応するマスクパターン508´内の画素709は非記録許容画素となり、かつ、図14(c´−2)に示すように2回目の走査に対応するマスクパターン506´内の画素709は記録許容画素となる。
以上のようにして、ステップS414における補完処理が実行され、図14(c´−1)〜(c´−4)に示す補完処理後のマスクパターン505´〜508´が生成される。そして、図6のステップS405における分配処理では、この補完処理後のマスクパターン505´〜508´を用いて量子化データの複数回の走査への分配を行う。
図14(d−1)〜(d−4)のそれぞれは、図14(b)に示す画像データに対して図14(c´−1)〜(c´−4)それぞれに示す補完処理後のマスクパターンを適用して生成される記録データを示す図である。
本実施形態における補完処理を実行した後のマスクパターン505´〜508´を用いることにより、図5(d−1)〜(d−4)に示した記録データに比べ、図14(d−1)〜(d−4)に示す記録データでは、吐出不良ノズル30aに対応する1回目の走査で用いる記録データにおける画素700、吐出不良ノズル30bに対応する2回目の走査で用いる記録データにおける画素712、吐出不良ノズル30cに対応する4回目の走査で用いる記録データにおける画素709の3つの画素でインクの非吐出が定められていることがわかる。その代わり、図5(d−1)〜(d−4)に示した記録データに比べ、図14(d−1)〜(d−4)に示す記録データでは、吐出正常ノズルに対応する3回目の走査で用いる記録データにおける画素700、吐出正常ノズル30bに対応する1回目の走査で用いる記録データにおける画素712、吐出正常ノズル30cに対応する2回目の走査で用いる記録データにおける画素709の3つの画素でインクの吐出が定められる。
図14(e)は図7(a)に示すような吐出不良ノズル30a、30b、30cが発生した場合に、図14(d−1)〜(d−4)に示す記録データにしたがってインクを吐出した際に単位領域211に記録される画像を模式的に示す図である。
図14(d−1)〜(d−4)からわかるように、本実施形態による補完処理実行後のマスクパターンを適用すれば吐出不良ノズルに対応するすべての画素にはインクの非吐出が定められることとなる。したがって、図7(b)と比較するとわかるように、図14(e)に示すように白抜けや濃度の低下のない画像を記録することができる。
以上記載したように、本実施形態では光学的検出機構とテストパターン解析の2通りの吐出不良検出を行い、ある走査にて吐出不良ノズルから記録すべき画像をその走査以外の走査にて吐出不良ノズルである吐出口以外の吐出口から補完記録する。これにより、インクの吐出不良が発生した場合であっても白抜けや濃度の低下のない画像を記録することが可能となる。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、テストパターン解析により得られた吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報のすべてをEEPROMに記憶する形態について記載した。
上述の第1の実施形態では、テストパターン解析により得られた吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報のすべてをEEPROMに記憶する形態について記載した。
これに対し、本実施形態ではテストパターン解析により得られた吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報のうち、一部の情報のみをEEPROMに記憶する形態について記載する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図12からわかるように、インクの吐出不良のうち、インクが不吐出となるような吐出不良(第1の吐出不良)に関しては光学的検出機構による吐出不良検出でも検出可能である。
したがって、本実施形態では、テストパターン解析により得られたインクが不吐出となるような吐出不良とインクの吐出特性が低下するような吐出不良のうち、吐出特性が低下するような吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報のみをEEPROM23に記憶させる。言い換えると、EEPROM23にはインクの吐出量の低下とインクの吐出方向のずれの2種類の吐出不良のみを記憶させる。
そして、インクが不吐出となるような吐出不良に関してはすべて光学的検出機構による吐出不良検出によって検出する。
このような構成によっても、第1の実施形態と同じように、インクの吐出不良が生じたとしても白抜けや濃度の低下のない画像を記録することが可能となる。更に、本実施形態によれば、記録ヘッド内のEEPROM23にインクが不吐出となるような吐出不良が生じている吐出口を特定するための情報を記憶させないため、EEPROM23の記憶容量の消費量を低減させることが可能となる。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態では、インクが不吐出となるような吐出不良とインクの吐出特性が低下するような吐出不良のいずれかが生じた場合、それらの吐出不良が生じている吐出口から記録すべき画像をそれらの吐出不良が生じていない吐出口から補完記録する形態について記載した。
第1、第2の実施形態では、インクが不吐出となるような吐出不良とインクの吐出特性が低下するような吐出不良のいずれかが生じた場合、それらの吐出不良が生じている吐出口から記録すべき画像をそれらの吐出不良が生じていない吐出口から補完記録する形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、ある画素領域にインクを吐出可能な吐出口のうち、インクが不吐出となるような吐出不良とインクの吐出特性が低下するような吐出不良のいずれかが生じている吐出口の数が所定の閾値よりも多い場合に、インクが不吐出となるような吐出不良が生じている吐出口から記録すべき画像をインクが不吐出となるような吐出不良が生じていない吐出口から補完記録する形態について記載する。
なお、上述した第1、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図15は図7(a)に示す状態であった記録ヘッドを更に使用し続け、その結果、新たに3つの吐出口30d、30e、30fにインクが不吐出となるような吐出不良が発生した際の様子を示す模式図である。
ここで、吐出口30d、30e、30fはそれぞれ吐出口群201、203、204内の最もY方向下流側に位置する吐出口である。したがって、図15からわかるように、インクの不吐出が発生している第1の吐出不良ノズル30d、30e、30fと、インクの吐出特性の低下が生じている第2の吐出不良ノズル30bは単位領域211内のY方向において同じ画素にインクを吐出することができる。
詳細には、1回目の走査にて第1の吐出不良ノズル30dが単位領域内の画素700、701、702、703にインクを吐出可能な位置に位置する。また、2回目の走査にて第2の吐出不良ノズル30bが単位領域内の画素700、701、702、703にインクを吐出可能な位置に位置する。また、3回目の走査にて第1の吐出不良ノズル30eが単位領域内の画素700、701、702、703にインクを吐出可能な位置に位置する。そして、4回目の走査にて第1の吐出不良ノズル30fが単位領域内の画素700、701、702、703にインクを吐出可能な位置に位置する。
ここからわかるように、単位領域211に対する4回の走査中に画素700、701、702、703に対して吐出正常ノズルが対向することはない。そのため、画素700、701、702、703に対してインクの吐出を定める量子化データが入力されたとしても、吐出正常ノズルにて画素700、701、702、703に補完記録を行うことができない。
以上の点を鑑み、本実施形態では、第1の吐出不良ノズルと第2の吐出不良ノズルの数が閾値(本実施形態では3)よりも多くなった場合、第1の吐出不良ノズルで記録すべき画像を、第1の吐出不良ノズル以外の吐出口にて補完記録を行うように制御する。ここで、補完記録を行う吐出口は第2の吐出不良ノズルを含むノズルから選ばれる。すなわち、本実施形態では、吐出特性の低下が生じている吐出口から補完記録を行う場合もある。これは、第1の吐出不良ノズルに記録データが割り当てられてインクが吐出されなくなってしまう(白抜け)よりは、インクの吐出特性の低下が生じているとはいえ、ある程度はインクが吐出される第2の吐出不良ノズルから記録を行う方が画質の低下を小さくすることができるためである。
図16は本実施形態におけるステップS414での補完処理の実行過程におけるデータの様子を模式的に示す図である。
図16(a)、(b)はそれぞれ図5(a)、(b)に示したものと同様である。また、図16(c−1)〜(c−4)もそれぞれ図5(c−1)〜(c−4)に示したものと同様であり、本実施形態における1〜4回目の走査に対応するマスクパターン505〜508を示す図である。また、図16(c´−1)〜(c´−4)はそれぞれ図16(c−1)〜(c−4)に示すマスクパターンに対して本実施形態における補完処理を実行することにより生成される1〜4回目の走査に対応するマスクパターン505´´〜508´´を示す図である。
ここで、以下の説明では図15に示すような吐出不良ノズル30a、30b、30c、30d、30e、30fが生じた場合について記載する。
なお、吐出不良ノズル30a、30cに対する補完処理については図14に示す第1の実施形態における補完処理過程と同様の過程となるため、以降では説明を省略する。
上述のように、4つの吐出口30b、30d、30e、30fは同じ画素領域にインクを吐出可能な吐出口であり、吐出口30d、30e、30fは第1の吐出不良ノズルに、吐出口30bは第2の吐出不良ノズルにそれぞれ対応する。したがって、本実施形態では、第1の吐出不良ノズル30d、30e、30fから記録すべき画像を第2の吐出不良ノズル30bから補完記録するように、マスクパターン内の各画素を置換する。
まず、第1の吐出不良ノズル30dに関し、1回目の走査に対応するマスクパターン505内の画素712、713、714、715が第1の吐出不良ノズル30dに対応する画素となる。このうち、マスクパターン505では画素715が記録許容画素となっている。
したがって、このマスクパターン505内の画素715における記録許容画素と、2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素715における非記録許容画素と、を置換する処理が行われる。ここで、置換先に2回目の走査に対応するマスクパターン506を選択したのは、マスクパターン506では画素715が第2の吐出不良ノズル30bに対応する画素となっているためである。これにより、補完処理を実行した後には、図16(c´−1)に示すように1回目の走査に対応するマスクパターン505´´内の画素715は非記録許容画素となり、かつ、図16(c´−2)に示すように2回目の走査に対応するマスクパターン506´´内の画素715は記録許容画素となる。
次に、第1の吐出不良ノズル30eに関し、3回目の走査に対応するマスクパターン507内の画素712、713、714、715が第1の吐出不良ノズル30eに対応する画素となる。このうち、マスクパターン507では画素713が記録許容画素となっている。
したがって、このマスクパターン507内の画素713における記録許容画素と、2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素713における非記録許容画素と、を置換する処理が行われる。ここで、置換先に2回目の走査に対応するマスクパターン506を選択したのは、先と同様にマスクパターン506では画素713が第2の吐出不良ノズル30bに対応する画素となっているためである。これにより、補完処理を実行した後には、図16(c´−3)に示すように3回目の走査に対応するマスクパターン507´´内の画素713は非記録許容画素となり、かつ、図16(c´−2)に示すように2回目の走査に対応するマスクパターン506´´内の画素713は記録許容画素となる。
そして、第1の吐出不良ノズル30fに関し、4回目の走査に対応するマスクパターン508内の画素712、713、714、715が第1の吐出不良ノズル30fに対応する画素となる。このうち、マスクパターン505では画素714が記録許容画素となっている。
したがって、このマスクパターン508内の画素714における記録許容画素と、2回目の走査に対応するマスクパターン506内の画素714における非記録許容画素と、を置換する処理が行われる。ここで、置換先に2回目の走査に対応するマスクパターン506を選択したのは、先と同様にマスクパターン506では画素714が第2の吐出不良ノズル30bに対応する画素となっているためである。これにより、補完処理を実行した後には、図16(c´−4)に示すように4回目の走査に対応するマスクパターン508´´内の画素714は非記録許容画素となり、かつ、図16(c´−2)に示すように2回目の走査に対応するマスクパターン506´´内の画素714は記録許容画素となる。
以上のようにして、ステップS414における補完処理が実行され、図16(c´−1)〜(c´−4)に示す補完処理後のマスクパターン505´´〜508´´が生成される。そして、図6のステップS405における分配処理では、この補完処理後のマスクパターン505´´〜508´´を用いて量子化データの複数回の走査への分配を行う。
図16(d−1)〜(d−4)のそれぞれは、図16(b)に示す画像データに対して図16(c´−1)〜(c´−4)それぞれに示す補完処理後のマスクパターンを適用して生成される、1〜4回目の走査のそれぞれで用いる記録データを示す図である。
ここで、図14(d−2)に示すように、吐出口30d、30e、30fに吐出不良が生じるまではインクの吐出特性の低下が生じている吐出口30bからはインクを吐出しないように、吐出口30bに対応する2回目の走査で用いる記録データにおける画素712、713にはインクの非吐出が定められていた。その代わり、図14(d−1)に示すようにインクの吐出不良が存在しない吐出口30dに対応する1回目の走査で用いる記録データにおける画素712にてインクの吐出が定められていた。また、図14(d−3)に示すようにインクの吐出不良が存在しない吐出口30eに対応する3回目の走査で用いる記録データにおける画素713にてインクの吐出が定められていた。
これに対し、図16(d−1)、(d−3)、(d−4)に示すように、本実施形態によれば、吐出口30d、30e、30fにインクが不吐出となるような吐出不良が発生した後には、インクの不吐出が生じている吐出口30d、30e、30fからインクを吐出しないように、吐出口30d、30e、30fそれぞれに対応する1、3、4回目の走査で用いる記録データにおける画素712、713にはインクの非吐出が定められることになる。一方で、図16(d−2)に示すように、インクの吐出特性の低下が生じている吐出口30bに対応する2回目の走査で用いる記録データにおいては、画素712、713にてインクの吐出が定められる。
このように、本実施形態によれば、ある画素領域にインクを吐出可能な吐出口のうち、インクが不吐出となるような吐出不良とインクの吐出特性が低下するような吐出不良のいずれかが生じている吐出口の数が所定の閾値以下である場合には、それらの吐出不良が生じている第1の吐出不良ノズルと第2の吐出不良ノズルから記録すべき画像を第1、第2の吐出不良ノズル以外の吐出口によって補完記録する。これにより、インクの吐出不良が比較的少ない場合には白抜けや濃度の低下の発生を抑制して記録を行うことができる。
また、ある画素領域にインクを吐出可能な吐出口のうち、インクが不吐出となるような吐出不良とインクの吐出特性が低下するような吐出不良のいずれかが生じている吐出口の数が所定の閾値よりも多い場合には、インクの不吐出が発生している第1の吐出不良ノズルから記録すべき画像を第1の吐出不良ノズル以外の吐出口によって補完記録する。これにより、記録装置の使用開始から時間が経過し、インクの吐出不良が比較的多くなってきた際にはより画質を低下させる白抜けの発生を優先的に抑制して記録を行うことが可能となる。
(第4の実施形態)
第1から第3の実施形態では、各画素におけるインクの吐出または非吐出を定める1ビットの情報を有する量子化データと、各画素に対するインクの吐出の許容または非許容を定める1ビットの情報を有するマスクパターンと、を用いて分配処理を行う形態について記載した。
第1から第3の実施形態では、各画素におけるインクの吐出または非吐出を定める1ビットの情報を有する量子化データと、各画素に対するインクの吐出の許容または非許容を定める1ビットの情報を有するマスクパターンと、を用いて分配処理を行う形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、各画素におけるインクの吐出回数を定める複数ビットの情報を有する量子化データと、各画素に対するインクの吐出の許容回数を定める複数ビットの情報を有するマスクパターンと、を用いて分配処理を行う形態について記載する。
なお、上述した第1から第3の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図17はそれぞれ複数ビット(nビット)の情報を有する画像データおよびマスクパターンを用いて記録データを生成する過程を説明するための図である。なお、本実施形態では画像データ、マスクパターンともに2ビットの情報を有する場合について記載する。また、図18は4図17に示すような記録データの生成に際して用いるデコードテーブルを示す図である。
図17(a)は図5(a)に示したものと同様である。
図17(b)は単位領域に対応する画像データの一例を示す図である。ここで、nビットの情報を有する画像データは最大で2^n通りのインクの吐出回数を再現可能である。ここでは上述のように画像データは2ビットの情報から構成されるため、最大で2の2乗である4(=2^2)通りのインクの吐出回数を表現することができる。
また、本実施形態では、nビットの情報を有する画像データによって再現するインクの吐出回数の最大値を(2^n)−1回とする。本実施形態ではn=2であるため、表現するインクの吐出回数のうちの最大値は2の2乗から1を引いた値である3(=(2^2)−1)回であるとする。
具体的には、ある画素に対応する画像データを構成する2ビットの情報が示す値(以下、画素値とも称する)が「00」である場合には、当該画素に対してインクは1回も吐出されない。また、画素値が「01」である場合には、対応する画素に対してインクは1回吐出される。また、画素値が「10」である場合には、対応する画素に対してインクは2回吐出される。また、画素値が「11」である場合には、対応する画素に対してインクは3回吐出される。
図17(b)に示す画像データに関しては、例えば画素703、707、711、715における画素値は「00」であるため、画素703、707、711、715に対応する画素領域にはインクが1回も吐出されないこととなる。また、例えば画素700、704、708、712における画素値は「11」であるため、画素700、704、708、712に対応する画素領域にはインクが3回も吐出されることとなる。
図17(c−1)〜(c−4)はそれぞれ1〜4回目の走査に対応し、図17(b)に示す画像データに適用するためのマスクパターンを示す図である。すなわち、図17(b)に示す画像データに対して図17(c−1)に示す1回目の走査に対応するマスクパターン515を適用することにより、1回目の走査で用いる記録データを生成する。同様にして、図17(b)に示す画像データに対して図17(c−2)、(c−3)、(c−4)それぞれに示すマスクパターン516、517、518を適用することにより、それぞれ2、3、4回目の走査で用いる記録データを生成する。
ここで、図17(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターン内の各画素には、「00」、「01」、「10」、「11」の4(=2^m)通りの値のいずれかが2ビットの情報が示す値(以下、コード値とも称する)として割り当てられている。
ここで、図18に示すデコードテーブルを参照するとわかるように、コード値が「00」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれであっても、インクを吐出しない。すなわち、マスクパターン内の「00」のコード値はインクの吐出をまったく許容しない(インクの吐出の許容回数が0回)ということに対応する。本実施形態では、「00」のコード値が割り当てられたマスクパターン内の画素のことを非記録許容画素とも称する。
一方、図18に示すデコードテーブルを参照するとわかるように、コード値が「01」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」、「10」である場合にはインクを吐出しないが、「11」である場合にはインクを吐出する。言い換えると、「01」のコード値は、4通りの画素値(「00」、「01」、「10」、「11」)に対して1回だけインクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が1回)、ということに対応する。
また、コード値が「10」である場合、対応する画素における画素値が「00」、「01」である場合にはインクを吐出しないが、「10」、「11」である場合にはインクを吐出する。すなわち、「10」のコード値は4通りの画素値に対して2回インクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が2回)ということに対応する。
更に、コード値が「11」である場合、対応する画素における画素値が「00」の場合にはインクを吐出しないが、「01」、「10」、「11」である場合にはインクを吐出する。すなわち、「11」のコード値は4通りの画素値に対して3回インクの吐出を許容する(インクの吐出の許容回数が3回)ということに対応する。なお、本実施形態では「01」、「10」、「11」の3(=2^m−1)通りのコード値のうちのいずれかが割り当てられたマスクパターン内の画素を記録許容画素とも称する。
ここで、本実施形態における4パス記録方式にて用いられる複数ビットの情報を有するマスクパターンは、下記の(条件1)、(条件2)に基づいて設定される。
(条件1)
ここで、複数のマスクパターン内の同じ位置にある複数の画素には、記録許容画素が(2^m)−1個配置されるように設定される。この(2^m)−1個の記録許容画素は互いに異なる数だけインクの吐出を許容する。詳細には、本実施形態ではm=2であるため、図17(c−1)〜(c−4)に示す4つのマスクパターン内の同じ位置にある4つの画素のうちの3(=2^2−1)つの画素に対しては「01」、「10」、「11」のいずれかのコード値が1つずつ割り当てられ(記録許容画素)、残りの1(=4−3)つの画素に対しては「00」のコード値が割り当てられる(非記録許容画素)。
ここで、複数のマスクパターン内の同じ位置にある複数の画素には、記録許容画素が(2^m)−1個配置されるように設定される。この(2^m)−1個の記録許容画素は互いに異なる数だけインクの吐出を許容する。詳細には、本実施形態ではm=2であるため、図17(c−1)〜(c−4)に示す4つのマスクパターン内の同じ位置にある4つの画素のうちの3(=2^2−1)つの画素に対しては「01」、「10」、「11」のいずれかのコード値が1つずつ割り当てられ(記録許容画素)、残りの1(=4−3)つの画素に対しては「00」のコード値が割り当てられる(非記録許容画素)。
例えば、画素700に対しては、図17(c−3)に示すマスクパターンにて「01」、図17(c−2)に示すマスクパターンにて「10」、図17(c−1)に示すマスクパターンにて「11」のコード値が割り当てられている。そして、残りの図17(c−4)に示すマスクパターンにて「00」のコード値が割り当てられている。言い換えると、画素700は、図17(c−1)、(c−2)、(c−3)に示すマスクパターンでは記録許容画素であり、図17(c−4)に示すマスクパターンでは非記録許容画素である。
また、画素701に対しては、図17(c−2)に示すマスクパターンにて「01」、図17(c−1)に示すマスクパターンにて「10」、図17(c−4)に示すマスクパターンにて「11」のコード値が割り当てられている。そして、残りの図17(c−3)に示すマスクパターンにて「00」のコード値が割り当てられている。言い換えると、画素701は、図17(c−1)、(c−2)、(c−4)に示すマスクパターンでは記録許容画素であり、図17(c−3)に示すマスクパターンでは非記録許容画素である。
このような構成により、ある画素における画素値が「00」、「01」、「10」、「11」のいずれであったとしても、その画素値に対応するインクの吐出回数だけ当該画素に対応する画素領域にインクを吐出するような記録データを生成することができる。
(条件2)
また、図17(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が互いにほぼ同数となるように配置されている。より詳細には、図17(c−1)に示すマスクパターンには画素702、707、708、713の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図17(c−2)に示すマスクパターンには画素701、706、711、712の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図17(c−3)に示すマスクパターンには画素700、705、710、715の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図17(c−4)に示すマスクパターンには画素703、704、709、714の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。すなわち、図17(c−1)〜(c−4)それぞれに示す4つのマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が4つずつ配置されている。
また、図17(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が互いにほぼ同数となるように配置されている。より詳細には、図17(c−1)に示すマスクパターンには画素702、707、708、713の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図17(c−2)に示すマスクパターンには画素701、706、711、712の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図17(c−3)に示すマスクパターンには画素700、705、710、715の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。また、図17(c−4)に示すマスクパターンには画素703、704、709、714の4つの画素に「01」のコード値が割り当てられている。すなわち、図17(c−1)〜(c−4)それぞれに示す4つのマスクパターンには、「01」のコード値に対応する記録許容画素が4つずつ配置されている。
同様に、図17(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「10」のコード値に対応する記録許容画素も互いに同じ数となるように配置されている。更に、図17(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンには、「11」のコード値に対応する記録許容画素もまた互いに同じ数となるように配置されている。
なお、ここでは各マスクパターンにおける「01」、「10」、「11」それぞれにコード値に対応する記録許容画素がそれぞれ互いに同じ数だけ配置されている場合について記載していたが、実際には互いにほぼ同じ数だけ配置されていれば良い。
これにより、図17(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンを用いて画像データを4回の走査に分配して記録データを生成する際に、4回の走査それぞれにおける記録率を互いにほぼ等しくすることができる。
図17(d−1)〜(d−4)のそれぞれは、図17(b)に示す画像データに対して図17(c−1)〜(c−4)それぞれに示すマスクパターンを適用して生成される記録データを示す図である。
例えば、図17(d−1)に示す1回目の走査に対応する記録データにおける画素700では、画像データの画素値は「11」、マスクパターンのコード値は「11」である。そのため、図18に示すデコードテーブルを参照してわかるように、画素700ではインクの吐出(「1」)が定められる。また、画素701では、画像データの画素値は「10」、マスクパターンのコード値は「10」であるため、インクの吐出(「1」)が定められる。また、画素704では、画像データの画素値は「11」、マスクパターンのコード値は「00」であるため、インクの非吐出(「0」)が定められる。
このようにして生成された図17(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データにしたがって1〜4回目の走査にてインクが吐出される。例えば、1回目の走査では図17(d−1)に示す記録データからわかるように、画素700、701、705、708、710、712に対応する記録媒体上の画素領域にインクが吐出される。
図17(e)は図17(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データの論理和を示す図である。図17(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データにしたがってインクを吐出することにより、各画素に対応する画素領域には図17(e)に示す回数だけインクが吐出されることになる。
例えば、画素700においては、図17(d−1)、(d−2)、(d−3)に示す1、2、3回目の走査に対応する記録データにおいてインクの吐出が定められている。したがって、図17(e)に示すように、画素700に対応する画素領域に対しては合計で3回インクが吐出されることになる。
また、画素701においては、図17(d−1)、(d−4)に示す1、4回目の走査に対応する記録データにおいてインクの吐出が定められている。したがって、図17(e)に示すように、画素701に対応する画素領域に対しては合計で2回インクが吐出されることになる。
図17(e)に示す記録データと図17(b)に示す画像データを比較すると、いずれの画素においても画像データの画素値に対応する吐出回数だけインクが吐出されるように記録データが生成されることがわかる。例えば、画素700、705、708、712では図17(b)に示す画像データの画素値は「11」であるが、生成された記録データの論理和により示されるインクの吐出回数も3回となる。
以上の構成によれば、複数ビットの情報を有する画像データおよびマスクパターンに基づいて、4回の走査それぞれで用いる1ビットの記録データを生成することが可能となる。
しかしながら、インクの吐出不良が生じた場合、図17(e)に示すようにすべての画素において画像データの画素値に対応する回数だけインクを吐出することができなくなる虞がある。
図17(f)は図7に示すような吐出不良ノズル30a、30b、30cが生じた場合に図17(d−1)〜(d−4)に示す記録データにしたがってインクを吐出した際、実際に各画素に対してインクが吐出される回数を模式的に示す図である。
なお、ここで各画素における「+」の記号は0回以上1回未満の吐出回数を示している。すなわち、インクの吐出特性が低下するような吐出不良が生じている吐出口(第2の吐出不良ノズル)からある画素に対してインクを吐出すると、ある程度のインクはその画素に吐出されるが、本来得たかった量だけ吐出されることはない。このような吐出が1回行われた場合を「+」の記号を付すことで示している。例えば、ある画素において「0+」と記載している場合、その画素に第2の吐出不良ノズルから1回だけインクが吐出されたことを示している。また、ある画素において「2+」と記載している場合、その画素に吐出正常ノズルから2回、第2の吐出不良ノズルから1回だけインクが吐出されたことを示している。
図17(e)と図17(f)を比べるとわかるように、図17(d−1)〜(d−4)に示す記録データにしたがってインクを吐出した場合、吐出不良ノズルが生じることで所望の画質からずれてしまう虞がある。
(吐出不良ノズルの補完制御)
本実施形態では、ステップS414での置換処理において、各マスクパターン内の吐出不良ノズルに対応する記録許容画素を、他のマスクパターン内の当該吐出不良ノズルと同じ画素領域に対してインクを吐出可能な吐出正常ノズルに対応する非記録許容画素と置換する処理を行う。
本実施形態では、ステップS414での置換処理において、各マスクパターン内の吐出不良ノズルに対応する記録許容画素を、他のマスクパターン内の当該吐出不良ノズルと同じ画素領域に対してインクを吐出可能な吐出正常ノズルに対応する非記録許容画素と置換する処理を行う。
図19は本実施形態におけるステップS414での置換処理の実行過程におけるデータの様子を模式的に示す図である。
図19(a)、(b)はそれぞれ図17(a)、(b)に示したものと同様である。また、図19(c−1)〜(c−4)もそれぞれ図17(c−1)〜(c−4)に示したものと同様であり、本実施形態における1〜4回目の走査に対応するマスクパターン515〜518を示す図である。また、図19(c´−1)〜(c´−4)はそれぞれ図19(c−1)〜(c−4)に示すマスクパターンに対して本実施形態における置換処理を実行することにより生成される1〜4回目の走査に対応するマスクパターン515´〜518´を示す図である。
ここで、以下の説明では図7に示すような吐出不良ノズル30a、30b、30cが生じた場合について記載する。
まず、インクの不吐出が発生している吐出不良ノズル30aに関し、1回目の走査に対応するマスクパターン515内の画素700、701、702、703が吐出不良ノズル30aに対応する画素となる。このうち、画素700、701、702にはそれぞれコード値「11」、「10」、「01」が割り当てられているため、記録許容画素に対応する。
したがって、このマスクパターン515内の画素700、701、702における記録許容画素を他のマスクパターン内の画素700、701、702における非記録許容画素と置換する処理が行われる。ここで、画素700、701、702には、それぞれ4回目の走査に対応するマスクパターン518、3回目の走査に対応するマスクパターン517、2回目の走査に対応するマスクパターン516にてコード値「00」が割り当てられている(非記録許容画素)。
そのため、マスクパターン515内の画素700におけるコード値「11」の記録許容画素はマスクパターン518内の画素700における非記録許容画素と置換される。また、マスクパターン515内の画素701におけるコード値「10」の記録許容画素はマスクパターン517内の画素701における非記録許容画素と置換される。また、マスクパターン515内の画素702におけるコード値「01」の記録許容画素はマスクパターン516内の画素702における非記録許容画素と置換される。
これにより、補完処理を実行した後には、図19(c´−1)に示すように1回目の走査に対応するマスクパターン515´内の画素700、701、702には「00」のコード値が割り当てられ、非記録許容画素となる。一方、4回目の走査に対応するマスクパターン518´内の画素700には「11」のコード値が、3回目の走査に対応するマスクパターン517´内の画素701には「10」のコード値が、2回目の走査に対応するマスクパターン516´内の画素702には「01」のコード値がそれぞれ割り当てられ、記録許容画素となる。
次に、インクの吐出特性の低下が発生している吐出不良ノズル30bに関し、2回目の走査に対応するマスクパターン516内の画素712、713、714、715が吐出不良ノズル30bに対応する画素となる。このうち、画素712、714、715にはそれぞれコード値「01」、「11」、「10」が割り当てられているため、記録許容画素に対応する。
したがって、このマスクパターン516内の画素712、714、715における記録許容画素を他のマスクパターン内の画素712、714、715における非記録許容画素と置換する処理が行われる。ここで、画素712、714、715には、それぞれ3回目の走査に対応するマスクパターン517、1回目の走査に対応するマスクパターン515、4回目の走査に対応するマスクパターン518にてコード値「00」が割り当てられている(非記録許容画素)。
そのため、マスクパターン516内の画素712におけるコード値「01」の記録許容画素はマスクパターン517内の画素712における非記録許容画素と置換される。また、マスクパターン516内の画素714におけるコード値「11」の記録許容画素はマスクパターン515内の画素714における非記録許容画素と置換される。また、マスクパターン516内の画素715におけるコード値「10」の記録許容画素はマスクパターン518内の画素715における非記録許容画素と置換される。
これにより、補完処理を実行した後には、図19(c´−2)に示すように2回目の走査に対応するマスクパターン516´内の画素712、714、715には「00」のコード値が割り当てられ、非記録許容画素となる。一方、3回目の走査に対応するマスクパターン517´内の画素712には「01」のコード値が、1回目の走査に対応するマスクパターン515´内の画素714には「11」のコード値が、4回目の走査に対応するマスクパターン518´内の画素715には「10」のコード値がそれぞれ割り当てられ、記録許容画素となる。
そして、インクの吐出特性の低下が発生している吐出不良ノズル30cに関し、4回目の走査に対応するマスクパターン518内の画素708、709、710、711が吐出不良ノズル30cに対応する画素となる。このうち、画素708、709、711にはそれぞれコード値「10」、「01」、「11」が割り当てられているため、記録許容画素に対応する。
したがって、このマスクパターン518内の画素708、709、711における記録許容画素を他のマスクパターン内の画素708、709、711における非記録許容画素と置換する処理が行われる。ここで、画素708、709、711には、それぞれ2回目の走査に対応するマスクパターン516、1回目の走査に対応するマスクパターン515、3回目の走査に対応するマスクパターン517にてコード値「00」が割り当てられている(非記録許容画素)。
そのため、マスクパターン518内の画素708におけるコード値「10」の記録許容画素はマスクパターン516内の画素708における非記録許容画素と置換される。また、マスクパターン518内の画素709におけるコード値「01」の記録許容画素はマスクパターン515内の画素709における非記録許容画素と置換される。また、マスクパターン518内の画素711におけるコード値「11」の記録許容画素はマスクパターン517内の画素711における非記録許容画素と置換される。
これにより、補完処理を実行した後には、図19(c´−4)に示すように4回目の走査に対応するマスクパターン518´内の画素708、709、711には「00」のコード値が割り当てられ、非記録許容画素となる。一方、2回目の走査に対応するマスクパターン516´内の画素708には「10」のコード値が、1回目の走査に対応するマスクパターン515´内の画素709には「01」のコード値が、3回目の走査に対応するマスクパターン517´内の画素711には「11」のコード値がそれぞれ割り当てられ、記録許容画素となる。
以上のようにして、ステップS414における補完処理が実行され、図19(c´−1)〜(c´−4)に示す補完処理後のマスクパターン515´〜518´が生成される。そして、図6のステップS405における分配処理では、この補完処理後のマスクパターン515´〜518´を用いて量子化データの複数回の走査への分配を行う。
図19(d−1)〜(d−4)のそれぞれは、図19(b)に示す画像データに対して図19(c´−1)〜(c´−4)それぞれに示す補完処理後のマスクパターンと、図18に示すデコードテーブルと、を用いて生成される記録データを示す図である。
本実施形態における補完処理を実行した後のマスクパターン515´〜518´を用いることにより、図17(d−1)〜(d−4)に示した記録データに比べ、図19(d−1)〜(d−4)に示す記録データでは、吐出不良ノズル30aに対応する1回目の走査で用いる記録データにおける画素700、701、吐出不良ノズル30bに対応する2回目の走査で用いる記録データにおける画素712、714、吐出不良ノズル30cに対応する4回目の走査で用いる記録データにおける画素708の5つの画素でインクの非吐出が定められていることがわかる。
その代わり、図17(d−1)〜(d−4)に示した記録データに比べ、図19(d−1)〜(d−4)に示す記録データでは、1回目の走査で用いる記録データにおける画素714、2回目の走査で用いる記録データにおける画素708、3回目の走査で用いる記録データにおける画素701、712、4回目の走査で用いる記録データにおける画素700の5つの画素でインクの吐出が定められる。これらの5つの画素は吐出正常ノズルに対応する画素である。
図19(e)は図19(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データの論理和を示す図である。図17(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データと同様に、図19(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データの論理和もまた画像データが示す回数だけ各画素に対応する画素領域にインクを吐出できる。
図17(d−1)〜(d−4)それぞれに示す記録データにしたがってインクを吐出することにより、各画素に対応する画素領域には図17(e)に示す回数だけインクが吐出されることになる。
図19(f)は図7(a)に示すような吐出不良ノズル30a、30b、30cが発生した場合に、図19(d−1)〜(d−4)に示す記録データにしたがってインクを吐出した際に実際に単位領域211に記録される画像を模式的に示す図である。
図19(d−1)〜(d−4)からわかるように、本実施形態による補完処理実行後のマスクパターンを適用すれば吐出不良ノズルに対応するすべての画素にはインクの非吐出が定められることとなる。したがって、図17(f)と比較するとわかるように、画質の低下のない画像を記録することができる。
以上記載したように、本実施形態ではそれぞれ複数ビットの情報を有する量子化データ、マスクパターンを用いて分配処理を実行する。そのような場合であっても、本実施形態によれば、インクの吐出不良が生じた際の補完処理を好適に行うことが可能となる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、短パルス加熱制御や予備吐出制御を更に実行する形態について記載する。
本実施形態では、短パルス加熱制御や予備吐出制御を更に実行する形態について記載する。
なお、上述した第1から第4の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態における記録装置は、記録開始時にインクの温度を所定温度以上とするため、記録開始前にインクが吐出されない程度の短パルスを記録素子に印加してインクを加熱する短パルス加熱制御を実行可能である。なお、短パルス加熱制御はインク粘度を下げて吐出し易くする目的や、インクの吐出量を一定にする目的によって行われることもある。
更に、本実施形態における記録装置は、記録開始前に記録素子に駆動パルスを印加し、記録装置内に設けられた所定の予備吐出部にインクを予備吐出する予備吐出制御を実行可能である。この予備吐出制御を実行することにより、記録開始時に発生し得る吐出口内でのインクの増粘等を解消することができる。
ここで、インクが不吐出となるような吐出不良が発生する要因の一つとして、記録素子に接続された配線が断線してしまうことがある。このような断線が生じている場合にその記録素子にパルスを繰り返し印加しようとすると、隣接する記録素子に接続された配線までもが断線してしまう虞がある。
上記の点を鑑み、本実施形態ではインクが不吐出となるような吐出不良が生じている吐出口、すなわち光学的検出機構を用いて吐出不良が検出された吐出口に対しては、隣接する吐出口内の記録素子における断線を発生させないように、上述の短パルス加熱制御や予備吐出制御においてもパルスを印加しないように制御する。
一方、インクの吐出特性が低下するような吐出不良が生じている吐出口に対しては、上述の断線は発生していないため、短パルス加熱制御や予備吐出制御においてその吐出口に対向する記録素子にパルスを印加しても問題はない。したがって、本実施形態ではインクの吐出特性が低下するような吐出不良が生じている吐出口、すなわち、光学的検出機構では吐出不良が検出されず、かつ、テストパターン解析では吐出不良が検出された吐出口内の記録素子に対しては、短パルス加熱制御や予備吐出制御の実行時にパルスを印加する。
以上の構成によれば、ある吐出口内の記録素子に断線が生じた場合であっても、隣接する吐出口内の記録素子においては断線が生じないように制御することが可能となる。
(第6の実施形態)
第1から第5の実施形態では、記録媒体上の単位領域に対して複数回の記録走査によって記録を行う形態について記載した。
第1から第5の実施形態では、記録媒体上の単位領域に対して複数回の記録走査によって記録を行う形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、記録媒体の幅方向(Z方向)の全域に対応した長さを有するそれぞれのインクに対応する記録ヘッドを複数用い、記録ヘッドと記録媒体との相対的な記録走査を1回行うことで記録を行う記録装置を用いる場合について記載する。
なお、前述した第1から第6の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図20は、本実施形態に係る画像記録装置の内部の構成を部分的に示す側面図である。
4個の記録ヘッド601〜604には、それぞれ1つの記録ヘッド(吐出口列群)につきイエロー(Y)、マゼンタ(M)、フォトマゼンタ(Pm)、シアン(C)、フォトシアン(Pc)、ブラック(Bk)、グレイ(Gy)、フォトグレイ(Pgy)、レッド(R)、ブルー(B)、処理液(P)の各インクを吐出する所定数の吐出口(不図示)がZ方向に配列されている。よって、1色のインクを吐出する吐出口列は記録ヘッド601〜604に合計で4個配列されている。吐出口列のZ方向の長さは、記録媒体P上のZ方向の全域に記録を行うことが可能なように、記録媒体PのZ方向の長さ以上である。これらの記録ヘッド601〜604はZ方向と交差するW方向に並んで配置されている。なお、4個の記録ヘッド601〜604をまとめて記録ユニットとも称する。
搬送ベルト400は記録媒体Pを搬送するためのベルトであり、搬送ベルト400が回転することによって記録媒体Pを給送部401から排出部402までZ方向と交差するW方向に搬送する。
この記録装置では、1回の記録走査で画像を完成することができるため、記録時間の短縮化を達成することが可能となる。
本実施形態では、図20に示す記録ヘッド601〜604内の同じ色のインクを吐出する4個の吐出口列に対し第1から第5の実施形態で用いた各走査に対応するマスクパターンを用いて量子化データを分配する。例えば、記録ヘッド601には図5(c−1)に示す1回目の走査に対応するマスクパターンを対応付けて設定する。同様にして、記録ヘッド602、603、604にはそれぞれ図5(c−2)、(c−3)、(c−4)に示すマスクパターンを対応付けて設定する。そして、図13、図14を用いて説明した補完処理を実行することにより、複数の記録ヘッドを用いる場合、ある吐出口列内の吐出口に吐出不良が生じた場合にその吐出口列以外の吐出口列の吐出口から補完記録を行うことが可能となる。
また、本実施形態で用いた吐出口列のZ方向の長さは記録媒体の幅に相当する長さであったが、短尺な吐出口列をZ方向に複数配列することで長尺化を行った、いわゆるつなぎヘッドを記録ヘッドとして使用することも可能である。
なお、以上に説明した各実施形態では、テストパターン解析による吐出不良検出を記録ヘッドの製造時にのみ実行する形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、記録装置を使用する過程においてユーザの指示によってテストパターンを記録させ、テストパターン解析を実行しても良い。このような場合、テストパターン解析による吐出不良検出を実行するにはテストパターンの記録や読み取り、読取画像の解析等多くの処理を行う必要がある。そのため、テストパターン解析による吐出不良検出では光学的検出機構による吐出不良検出よりも処理時間が掛かり、かつ、インクや記録媒体の消費量が多くなってしまう。したがって、記録装置を使用する過程においてテストパターン解析を行う場合であっても、テストパターン解析による吐出不良検出を行うタイミング間隔が光学的検出機構による吐出不良検出を行うタイミング間隔よりも長い場合であれば、2通りの吐出不良検出を実行する利点はあると考えられる。また、このように記録装置を使用する過程においてテストパターン解析を行って吐出不良検出をする場合、得られた吐出不良ノズルを特定するための情報は必ずしもEEPROM23に記憶させる必要はなく、例えば記録装置内のROM203に記憶させても良い。
また、各実施形態では加熱により生じる発泡のエネルギーによりインクの吐出を行ういわゆるサーマルジェット型のインクジェット記録装置および記録方法について記載した。しかし、本発明はサーマルジェット型のインクジェット記録装置に限定されるものではない。例えば圧電素子を利用してインクの吐出を行ういわゆるピエゾ型のインクジェット記録装置等、様々な画像記録装置に対して有効に適用できる。
また、各実施形態には画像記録装置を用いた画像記録方法について記載したが、各実施形態に記載の画像記録方法を行うためのデータを生成する画像処理装置または画像処理方法、プログラムを画像記録装置とは別体に用意する形態にも適用できる。また、画像記録装置の一部に備える形態にも広く適用できることは言うまでもない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも含む。
さらに、「インク」とは、記録媒体上に付与されることで、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
9 記録ヘッド
23 EEPROM
30 吐出口
301 CPU
302 ROM
23 EEPROM
30 吐出口
301 CPU
302 ROM
Claims (17)
- インクを吐出するための複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列を少なくとも有する記録ヘッドと、
前記複数の吐出口のうちのインクの吐出不良が存在する第1の吐出口を特定するための第1の情報が予め記憶されたメモリと、
前記複数の吐出口からのインクの吐出の有無を測定することにより、前記複数の吐出口それぞれにおけるインクの吐出不良を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出されたインクの吐出不良が存在する第2の吐出口を特定するための第2の情報を取得する取得手段と、
前記メモリに記憶された前記第1の情報により特定される前記第1の吐出口と、前記取得手段によって取得された前記第2の情報により特定される前記第2の吐出口と、から記録すべき画像を、前記複数の吐出口のうちの前記第1、第2の吐出口以外の吐出口を用いて補完記録するように制御する補完記録制御手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記検出手段は、前記複数の吐出口それぞれからのインクの吐出の有無を光学的に測定することにより、前記インクの吐出不良を検出することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第2の情報により特定される前記第2の吐出口に存在するインクの吐出不良は、インクの不吐出であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記メモリは、前記複数の吐出口それぞれから記録媒体上にインクを吐出することで記録されたテストパターンに基づいてインクの吐出不良を検出する工程によって取得された情報を前記第1の情報として記憶していることを特徴とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1の情報により特定される前記第1の吐出口に存在するインクの吐出不良は、インクの不吐出およびインクの吐出特性の低下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1の情報により特定される前記第1の吐出口に存在するインクの吐出不良は、インクの吐出特性の低下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクの吐出特性の低下は、インクの吐出量の低下であることを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクの吐出特性の低下は、インクの吐出方向のずれであることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドを記録媒体上の単位領域に対して複数回走査させる走査手段と、
前記走査手段による走査と走査の間に前記単位領域の前記所定方向における幅に対応する距離だけ前記記録媒体を前記所定方向に搬送する搬送手段を更に有し、
前記補完記録制御手段は、前記複数回の走査のうちの所定の走査において前記単位領域内の前記所定方向における所定の画素領域にインクを吐出可能な第3の吐出口が前記第1、第2の吐出口のいずれかに対応する場合、前記第3の吐出口から記録すべき画像を、前記複数回の走査のうちの前記所定の走査以外の走査において前記吐出口列内の前記所定の画素領域にインクを吐出可能な前記吐出口であって、前記第1、第2の吐出口のいずれにも対応しない前記吐出口を用いて補完記録するように制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記補完記録制御手段は、(i)前記複数回の走査のそれぞれにおいて前記単位領域内の前記所定方向における同じ画素領域にインクを吐出可能な複数の第4の吐出口に関し、前記複数の第4の吐出口のうちの前記第1、第2の吐出口のいずれかに対応する吐出口の数が所定の閾値よりも少ない場合、当該吐出口から記録すべき画像を、前記複数の第4の吐出口のうちの前記第1、第2の吐出口のいずれにも対応しない吐出口を用いて補完記録し、(ii)前記複数の第4の吐出口のうちの前記第1、第2の吐出口のいずれかに対応する吐出口の数が前記所定の閾値よりも多い場合、前記複数の第4の吐出口のうちの前記第2の吐出口に対応する吐出口から記録すべき画像を、前記複数の第4の吐出口のうちの前記第2の吐出口に対応しない吐出口を用いて補完記録するように制御することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
- 記録媒体を前記所定方向と交差する交差方向に搬送する搬送手段を更に有し、
前記記録ヘッドは、前記所定方向において互いにほぼ同じ位置に配置された複数の前記吐出口列を更に有し、
前記補完記録制御手段は、前記複数の吐出口列のうちの所定の吐出口列内の前記記録媒体上の前記所定方向における所定の画素領域にインクを吐出可能な第5の吐出口が前記第1、第2の吐出口のいずれかに対応する場合、前記第5の吐出口から記録すべき画像を、前記複数の吐出口列のうちの前記所定の吐出口列以外の吐出口列内の前記所定の画素領域にインクを吐出可能な前記吐出口であって、前記第1、第2の吐出口のいずれにも対応しない前記吐出口を用いて補完記録するように制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記補完記録制御手段は、(i)前記複数の吐出口列のそれぞれに配列された前記単位領域内の前記所定方向における同じ画素領域にインクを吐出可能な複数の第6の吐出口に関し、前記複数の第5の吐出口のうちの前記第1、第2の吐出口のいずれかに対応する吐出口の数が所定の閾値よりも少ない場合、当該吐出口から記録すべき画像を、前記複数の第6の吐出口のうちの前記第1、第2の吐出口のいずれにも対応しない吐出口を用いて補完記録し、(ii)前記複数の第6の吐出口のうちの前記第1、第2の吐出口のいずれかに対応する吐出口の数が前記所定の閾値よりも多い場合、前記複数の第6の吐出口のうちの前記第2の吐出口から記録すべき画像を、前記複数の第6の吐出口のうちの前記第2の吐出口に対応しない吐出口を用いて補完記録するように制御することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
- 記録の開始前に、前記複数の吐出口のうちの前記第2の吐出口は加熱せず、且つ、前記第2の吐出口以外の吐出口をインクが吐出されない程度に加熱する加熱手段を更に有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 記録開始前に、前記複数の吐出口のうちの前記第2の吐出口からはインクを吐出せず、且つ、前記第2の吐出口からはインクを予備吐出する予備吐出手段を更に有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドは、前記メモリを更に有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- インクを吐出するための複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列を少なくとも有する記録ヘッドと、前記複数の吐出口のうちのインクの吐出不良が存在する第1の吐出口を特定するための第1の情報が予め記憶されたメモリと、を用いて画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記複数の吐出口からのインクの吐出の有無を測定することにより、前記複数の吐出口それぞれにおけるインクの吐出不良を検出する検出工程と、
前記検出工程によって検出されたインクの吐出不良が存在する第2の吐出口を特定するための第2の情報を取得する取得工程と、
前記メモリに記憶された前記第1の情報により特定される前記第1の吐出口と、前記取得工程によって取得された前記第2の情報により特定される前記第2の吐出口と、から記録すべき画像を、前記複数の吐出口のうちの前記第1、第2の吐出口以外の吐出口を用いて補完記録するように制御する補完記録制御工程と、を有することを特徴とするインクジェット記録方法。 - 請求項16に記載のインクジェット記録方法を実行するために、インクジェット記録装置のコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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