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JP2016219459A - 保護膜形成用組成物、保護膜の製造方法、保護膜の剥離方法 - Google Patents

保護膜形成用組成物、保護膜の製造方法、保護膜の剥離方法 Download PDF

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JP2016219459A JP2015099191A JP2015099191A JP2016219459A JP 2016219459 A JP2016219459 A JP 2016219459A JP 2015099191 A JP2015099191 A JP 2015099191A JP 2015099191 A JP2015099191 A JP 2015099191A JP 2016219459 A JP2016219459 A JP 2016219459A
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康智 米久田
Yasutomo Yonekuta
康智 米久田
渋谷 明規
Akinori Shibuya
明規 渋谷
雅史 小島
Masashi Kojima
雅史 小島
長生 山本
Osao Yamamoto
長生 山本
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Abstract

【課題】本発明の課題は、段差基板への埋め込み性に優れ、ボイドなどの欠陥の発生が抑制され、平坦な保護膜を形成できる保護膜形成用組成物を提供することである。また、本発明の課題は、保護膜の製造方法および保護膜の剥離方法を提供することにもある。【解決手段】本発明の保護膜形成用組成物は、段差基板の埋め込みに使用される保護膜形成用組成物であって、上記保護膜形成用組成物が、樹脂P1および組成物C1の少なくとも一方を含有する。樹脂P1は、フェノール性水酸基およびビニルエーテル基を有する樹脂である。組成物C1は、フェノール性水酸基を有する樹脂P2およびビニルエーテル基を有する樹脂P3を含む組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、保護膜形成用組成物、保護膜の製造方法、保護膜の剥離方法に関する。より詳細には、半導体装置等の電子デバイスに用いられる段差基板中の微細なトレンチ(溝)等を埋め込むために使用される組成物、およびそれを用いた保護膜の製造方法、および得られた保護膜の剥離方法に関する。
電子デバイスの製造では、ホール形状やトレンチ形状を有する段差基板を埋め込んで平坦化する工程が広く知られている(例えば、特許文献1〜4)。
近年、電子デバイスのうち半導体デバイスの製造においては、高集積化による素子の性能向上のために、より一層の配線の微細化が求められている。
このような微細な配線を得るために、フォトリソグラフィーによる微細加工が行われている。フォトリソグラフィーによる微細加工は、具体的には、シリコンウエハーの上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたレジストパターンを保護材としてシリコンウエハーをエッチング処理する加工法である。
特開2011−181563号公報 特開2012−185496号公報 特開2013−016823号公報 特開2003−057828号公報
上記のエッチング処理工程において、段差基板がダメージを受けることを防ぐ目的で、ホールやトレンチなどが設けられた段差基板上を保護膜で覆うことがある。この際、ホールやトレンチのような凹部に保護膜がしっかりと埋め込まれていることが求められる。また、保護膜には平坦性も求められる。保護膜の平坦性が十分でないと、最終的に得られる段差基板の加工精度に悪影響を及ぼす。
近年、デバイスの高集積化・微細化が進行するにつれ、ホール幅・トレンチ幅はナノメートルレベルと非常に狭く、かつトレンチ深さも深くなり、それに伴いトレンチのアスペクト比(トレンチの開口幅とトレンチ深さの比)も大きくなる傾向にある。同様の傾向がホールにもみられる。
このような中、従来提案されてきた保護膜形成用材料(保護膜形成用組成物)や埋め込み方法を上記のような開口幅が狭く、かつ深いトレンチに適用した場合、トレンチ内部における材料の埋め込み性が必ずしも十分ではなく、トレンチ内にボイドや空隙などが生じたり、形成される保護膜の平坦性も十分でないという問題が顕著になる傾向あった。また、ホールの場合にも同様の問題があった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みて、段差基板への埋め込み性に優れ、平坦な保護膜を形成できる保護膜形成用組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、保護膜の製造方法および保護膜の剥離方法を提供することも目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、ビニルエーテル基を有する樹脂およびフェノール性水酸基を有する樹脂を併用した組成物、ならびに、ビニルエーテル基およびフェノール性水酸基を有する樹脂、のうち少なくとも一方をすることで、所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1]
段差基板の埋め込みに使用される保護膜形成用組成物であって、
前記保護膜形成用組成物が、下記樹脂P1および下記組成物C1の少なくとも一方を含有する、保護膜形成用組成物。
樹脂P1:フェノール性水酸基およびビニルエーテル基を有する樹脂
組成物C1:フェノール性水酸基を有する樹脂P2およびビニルエーテル基を有する樹脂P3を含む組成物
[2]
上記樹脂P1および上記樹脂P2が、後述する一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位を有する、上記[1]に記載の保護膜形成用組成物。
[3]
上記樹脂P1および上記樹脂P3が、後述する一般式(3)または一般式(4)で表される繰り返し単位を有する、上記[1]または[2]に記載の保護膜形成用組成物。
[4]
後述する一般式(3)のLが、後述する一般式(5)または(6)で表される基を表す、上記[3]に記載の保護膜形成用組成物。
[5]
上記樹脂P1、ならびに、上記樹脂P2および上記樹脂P3の少なくとも一方は、さらに、後述する一般式(7)で表される繰り返し単位を有する、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の保護膜形成用組成物。
[6]
後述する一般式(1)のAr、および、後述する一般式(2)のArが、いずれも、ベンゼン環である、上記[2]に記載の保護膜形成用組成物。
[7]
後述する一般式(4)のAr、および、後述する一般式(5)のArが、いずれも、ベンゼン環である、上記[4]に記載の保護膜形成用組成物。
[8]
さらに、界面活性剤を含有する、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の保護膜形成用組成物。
[9]
上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の保護膜形成用組成物を段差基板上に塗布し、硬化させて、保護膜を形成する工程を有する、保護膜の製造方法。
[10]
上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の保護膜形成用組成物を段差基板上に塗布し、硬化させて、保護膜を形成する工程と、
酸性溶液を上記保護膜に付与して、上記保護膜を剥離する工程と、
を有する、保護膜の剥離方法。
以下に示すように、本発明によれば、段差基板への埋め込み性に優れ、平坦な保護膜を形成できる保護膜形成用組成物を提供することができる。
本発明の保護膜の製造方法の一例を段階的に示す模式図。 実施例における評価試験において、段差基板上に保護膜を形成した状態を説明するための模式図。 実施例における埋め込み性試験において、ボイドや空隙の状態を説明するための模式図。
以下に、本発明の保護膜形成用組成物について説明する。
本発明の基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
なお、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[保護膜形成用組成物]
本発明の保護膜形成用組成物は、段差基板の埋め込みに使用される保護膜形成用組成物であって、上記保護膜形成用組成物が、下記樹脂P1および下記組成物C1の少なくとも一方を含有する。
樹脂P1:フェノール性水酸基およびビニルエーテル基を有する樹脂
組成物C1:フェノール性水酸基を有する樹脂P2およびビニルエーテル基を有する樹脂P3を含む組成物
ここで、本発明において、段差基板とは、ホールやトレンチが設けられた基板のことをいう。
本発明によれば、上記樹脂P1および組成物C1の少なくとも一方を含有する保護膜形成用組成物を用いることで、段差基板への埋め込み性に優れ、平坦な保護膜を形成することができる。
この理由の詳細は明らかになっていないが、およそ以下の理由によるものと推測される。
すなわち、本発明の保護膜形成用組成物は、ビニルエーテル基およびフェノール性水酸基を有する樹脂P1、ならびに、フェノール性水酸基を有する樹脂P2およびビニルエーテル基を有する樹脂P3を含む組成物C1、のうち少なくとも一方を含有する。
このような樹脂P1〜P3は、いずれもポリマーである。そのため、樹脂P1〜P3を用いた場合には、上記の各基が含まれるモノマーを用いた場合と比較して、ビニルエーテル基とフェノール性水酸基との架橋反応時において、反応が緩やかに進む。その結果、保護膜形成用組成物は、急激な粘度上昇や硬化を起こしにくくなるものと考えられる。
このようにして、段差基板に塗布した保護膜形成用組成物のボイドや空隙の発生が抑制され(埋め込み性の向上)、かつ、段差基板に形成された保護膜の平坦性にも優れたものとなると推測される。
上記のように、本発明の保護膜形成用組成物は、上記のような優れた効果を有するので、エッチバック用の保護膜(エッチング処理工程において、段差基板がダメージを受けることを防ぐために使用される保護膜)の形成に好適に使用される。
また、本発明の保護膜形成用組成物は、上記のような優れた効果を有するので、表面上にナノメートルレベルの開口サイズ(例えば、開口サイズが5〜1000nm)を有し、深いホール・トレンチ(後述するアスペクト比が0.2〜50)を有する段差基板を用いた場合に好適に使用される。
以下、本発明の保護膜形成用組成物に含まれる成分、および含まれる得る成分について詳述する。
<樹脂P1>
まず、樹脂P1について説明する。
樹脂P1は、フェノール性水酸基およびビニルエーテル基を有する樹脂である。樹脂P1は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
樹脂P1は、本発明の効果が一層発揮されるという点から、後述する一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位(以下、単に「フェノール性水酸基を含む繰り返し単位」ともいう。)を有することが好ましい。
樹脂P1は、本発明の効果が一層発揮されるという点から、後述する一般式(3)または一般式(4)で表される繰り返し単位(以下、単に「ビニルエーテル基を含む繰り返し単位」ともいう。)を有することが好ましい。
樹脂P1は、その効果がより一層発揮されるという点から、上記フェノール性水酸基を含む繰り返し単位を有し、かつ、上記ビニルエーテル基を含む繰り返し単位を有することがより好ましい。
なお、本明細書においては、好ましい態様同士を組み合わせた場合には、より好ましい態様となる。
樹脂P1は、ポリマーである。ポリマーとは、所定の繰り返し単位をもち、分子量が1000以上の化合物を意図する。
樹脂P1の重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果がより発揮されるという点から、1000〜30000であることが好ましく、1000〜20000であることがより好ましく、1000〜10000であることがさらに好ましい。
樹脂P1は、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体(分子量が500未満のもの)や、オリゴマー成分(分子量が500以上1000未満のもの)が0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5が好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2である。
本発明における各成分の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)の測定は、特に断りのない限り、東ソー製HLC−8320GPC(GPCカラム:東ソー製Multipore Hxl-M 4本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ(検出器:示差屈折計)により測定される。
樹脂P1の含有量は、保護膜形成用組成物の全固形分に対して、1〜99質量%であることが好ましく、50〜99質量%であることがより好ましい。
(フェノール性水酸基を含む繰り返し単位)
上記樹脂P1には、下記一般式(1)で表される繰り返し単位、または、下記一般式(2)で表される繰り返し単位が含まれることが好ましい。
フェノール性水酸基を含む繰り返し単位の含有量は、得られる保護膜の硬化性の観点から、樹脂P1を構成する全繰り返し単位中、1〜99モル%であることが好ましく、10〜99モル%であることがより好ましく、20〜99モル%であることがさらに好ましい。
上記一般式(1)において、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。
で表される1価の有機基としては、炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10)であるものを用いることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基であることがより好ましい。アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐していてもよい。ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子としては、例えば、硫黄原子(S)、酸素原子(O)、窒素原子(N)などが挙げられる。
有機基は、無置換であってもよいし、置換基を有していてもよい。有機基が置換基を有する場合において、この置換基の具体例としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよび複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
なお、有機基が置換基を有する場合には、上記の有機基の炭素数には、置換基に含まれる炭素数を含めないこととする。
としては、本発明の効果が一層発揮されるという点から、水素原子であることが好ましい。
上記一般式(1)において、Lは、単結合または2価の連結基を表す。
で表される2価の連結基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、−N(Rd1)−、−O−、−CO−、−CO−、−S−、−SO−、−SON(Rd1)−、または、これらを組み合わせた2価の基が挙げられる。Rd1は、水素原子またはアルキル基を表す。
は、上記の中でも、本発明の効果が一層発揮されるという点から、単結合であることが好ましい。
Arは、芳香環(芳香族環)を表す。
Arで表される芳香環としては、ベンゼン環、環数2〜5の縮合多環芳香環(例えば、ナフタレン環、アントラセン環等)、ビフェニル環、テルフェニル環、クアテルフェニル環などの基が挙げられる。これらの中でも、保護膜を形成する際の耐熱性と保護膜形成用組成物中での高溶解性の両立という観点から、ベンゼン環または環数2〜5の縮合多環芳香環が好ましく、ベンゼン環またはナフタレン環がより好ましく、ベンゼン環がさらに好ましい。
Arを表す芳香環は、一般式(1)で示される−(OH)n1以外の置換基を有してもよく、このような置換基としては上述した有機基において説明した置換基が挙げられる。
n1は、1〜5の整数を表す。
n1は、1〜5の整数を表すが、保護膜形成用組成物に含まれる場合がある有機溶媒(後述する溶剤)への溶解性という観点から、1〜3の整数であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
上記一般式(2)において、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。
を表す1価の有機基の定義としては、上記一般式(1)のRにおける1価の有機基と同様である。
としては、本発明の効果が一層発揮されるという点から、水素原子であることが好ましい。
上記一般式(2)において、Arは、芳香環を表す。
Arを表す芳香環の定義としては、上記一般式(1)のArと同様であり、好ましい態様についても同様である。
Arを表す芳香環は、一般式(2)における−(OH)n2以外の置換基を有してもよく、このような置換基としては上述した有機基において説明した置換基が挙げられる。
n2は、1〜5の整数を表す。n2の好ましい態様については、上記一般式(1)のn1と同様である。
以下に、本発明の一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位の具体例を示す。
(ビニルエーテル基を含む繰り返し単位)
樹脂P1は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位、または、下記一般式(4)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
ビニルエーテル基を含む繰り返し単位の含有量は、得られる保護膜の硬化性の観点から、樹脂P1を構成する全繰り返し単位中、1〜99モル%であることが好ましく、10〜99モル%であることがより好ましく、20〜99モル%であることがさらに好ましい。
上記一般式(3)において、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。
を表す1価の有機基の定義としては、上記一般式(1)のRにおける1価の有機基と同様である。
としては、本発明の効果がより発揮されるという点から、水素原子であることが好ましい。
上記一般式(3)において、Lは、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上述の通りである。なかでも、Lは、本発明の効果がより優れる点で、下記一般式(5)または(6)で表される基であることが好ましい。
は、樹脂P1が上述する一般式(1)で表される繰り返し単位を有する場合には、本発明の効果がより発揮されるという点から、下記一般式(5)で表される基であることが好ましい。
−L5a−Ar−L5b− ・・・(5)
上記一般式(5)において、L5aは、単結合または2価の連結基を表す。L5aの2価の連結基の定義、およびL5aの好ましい態様については、上記一般式(1)のLと同様である。
上記一般式(5)において、Arは、芳香環を表す。芳香環の定義および好ましい態様については、上記一般式(1)のArと同様である。
上記一般式(5)において、L5bは、「−(O−Rz5−*」を表す。Rは、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数2〜8)の直鎖または分岐状のアルキレン基を表す。z5は、1〜10の整数(好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3)を表す。*は、ビニルエーテル基との結合位置を表す。
−L6a−(C=O)−L6b− ・・・(6)
上記一般式(6)において、L6aは、単結合または2価の連結基を表す。単結合または2価の連結基を表す。L6aの2価の連結基の定義、およびL6aの好ましい態様については、上記一般式(1)のLと同様である。
6bは、「−(O−Rz6−*」を表す。Rは、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数2〜8)の直鎖または分岐状のアルキレン基を表す。
z6は、1〜10の整数(好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3)を表す。*は、ビニルエーテル基との結合位置を表す。
上記一般式(4)において、R4aは、水素原子または1価の有機基を表す。
4aを表す1価の有機基の定義としては、上記一般式(1)のRにおける1価の有機基と同様である。
4aとしては、本発明の効果が一層発揮されるという点から、水素原子であることが好ましい。
上記一般式(4)において、Arは、芳香環を表す。
Arを表す芳香環の定義としては、上記一般式(1)のArと同様であり、好ましい態様についても同様である。
Arを表す芳香環は、一般式(4)における−(OR4bz4以外の置換基を有してもよく、このような置換基としては上述した有機基において説明した置換基が挙げられる。
4bは、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数2〜8)の直鎖または分岐状のアルキレン基を表す。
z4は、1〜10の整数(好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3)を表す。
以下に、本発明の一般式(3)または一般式(4)で表される繰り返し単位の具体例を示す。
(その他の繰り返し単位)
樹脂P1は、さらに、下記一般式(7)または一般式(8)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。これにより、本発明の効果がより発揮される。
上記一般式(7)において、R7aは、水素原子または1価の有機基を表す。R7aは、を表す1価の有機基の定義としては、上記一般式(1)のRにおける1価の有機基と同様である。R7aは、水素原子であることが好ましい。
は、単結合または2価の連結基を表す。L7の2価の連結基の定義、およびLの好ましい態様については、上記一般式(1)のLと同様である。
Arは、芳香環を表す。芳香環の定義および好ましい態様については、上記一般式(1)のArと同様である。
7bは、置換または無置換の炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキレン基を表す。
また、R7bが置換されている場合の置換基の例としては、上記一般式(1)で説明した置換基と同様であるが、この中でもヒドロキシ基が好ましい。
7cは、水素原子または−O−(C=O)−R7dを表す。R7dは、置換または無置換の炭素数1〜5のアルキル基を表す。R7cは、水素原子であることが好ましい。
は、0〜5の整数を表す。nは、0〜4の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。
は、1〜5の整数を表す。nは、1〜4の整数であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
上記一般式(8)において、R8aは、水素原子または1価の有機基を表す。R8aを表す1価の有機基の定義としては、上記一般式(1)のRにおける1価の有機基と同様である。R8aとしては、本発明の効果が一層発揮されるという点から、水素原子であることが好ましい。
Arは、芳香環を表す。Arを表す芳香環の定義としては、上記一般式(1)のAr1と同様であり、好ましい態様についても同様である。Arを表す芳香環は、一般式(8)における−OR8b以外の置換基を有してもよく、このような置換基としては上述した有機基において説明した置換基が挙げられる。
8bは、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数2〜8)の直鎖または分岐状のアルキレン基を表す。R8bは、置換基を有していてもよく、置換基としては上述した有機基において説明した置換基が挙げられ、この中でも、ヒドロキシ基が好ましい。
一般式(7)(または一般式(8))で表される繰り返し単位の含有量は、得られる保護膜の硬化性の観点から、樹脂P1を構成する全繰り返し単位中、1〜99モル%であることが好ましく、10〜99モル%であることがより好ましく、20〜99モル%であることがさらに好ましい。
上記一般式(7)または(8)で表される繰り返し単位の具体例を以下に示す。
(樹脂P1の好適態様)
樹脂P1の好ましい態様としては、上記一般式(1)で表される繰り返し単位と、上記一般式(3)で表される繰り返し単位と、の組み合わせである。
本態様のより好ましい態様としては、樹脂P1が、さらに、上述した一般式(7)または一般式(8)で表される繰り返し単位(好ましくは、一般式(7)で表される繰り返し単位)を有するものである。
樹脂P1の他の好ましい態様としては、上記一般式(2)で表される繰り返し単位と、下記一般式(4)で表される繰り返し単位と、の組み合わせである。
本態様のより好ましい態様としては、樹脂P1が、さらに、上述した一般式(7)または一般式(8)で表される繰り返し単位(好ましくは、一般式(8)で表される繰り返し単位)を有するものである。
以下に、本発明の樹脂P1の具体例を示す。
(樹脂P1の製造方法)
樹脂P1としては、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。反応の濃度は通常5〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外濾過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、この反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
樹脂溶液からの沈殿または再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿または再沈殿溶媒)としては、この樹脂の貧溶媒であればよく、樹脂の種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿または再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)または水を含む溶媒が好ましい。
沈殿または再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、樹脂溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、更に好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿または再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿または再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿または再沈殿した樹脂は、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧または減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、この樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、この樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、この樹脂溶液Aに、この樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
また、上述した一般式(7)または(8)で表される繰り返し単位として導入する方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
まず、上述の方法にしたがって、フェノール性水酸基を含む繰り返し単位を有し、かつ、ビニルエーテル基を含む繰り返し単位を有する樹脂(以下、「樹脂p1」ともいう。)を合成する。次に、共役酸のpKaが12以上である含窒素化合物、および、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド化合物の少なくとも一方の有機塩基の存在下で、樹脂p1とハロゲン化アルキル化合物とを反応させる。これにより、一般式(7)で表される繰り返し単位を有する樹脂P1が得られる。
以下、本合成方法について説明する。
ハロゲン化アルキル化合物としては、エチルブロマイド、n−プロピルブロマイド、アリルブロマイド、n−ブチルブロマイド、イソプロピルブロマイド、シクロヘキシルブロマイド、クロロエタン、クロロプロパン等のハロゲン化アルキル化合物、ブロモプロパノール、ブロモエタノール、ブロモブタノール、ブロモヘキサノール、クロロプロパノール等の水酸基が置換されたハロゲン化アルキル化合物、αブロモ酪酸エチル、4−ブロモ酪酸エチル等のエステル基が置換されたハロゲン化アルキル化合物等が挙げられる。
これらのうち、ブロモプロパノール、ブロモエタノール、ブロモブタノール、ブロモヘキサノール等の水酸基を有するハロゲン化アルキル化合物が特に好適である。
本合成方法では、共役酸のpKaが12以上である含窒素化合物、または、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド化合物から選ばれる有機塩基の存在下において、上述した樹脂p1とハロゲン化アルキル化合物とが反応する。
なお、本発明におけるpKa値は、市販ソフトウェアであるACD/ChemSketch(ACD/Labs 8.00 Release Product Version:8.08)で計算した値を表す。
含窒素化合物における窒素原子含有部位(R)の共役酸(R)の酸解離定数(pKa)は、下記式で表される反応式の平衡定数Kaを計算し、pKa=−log10(Ka)で表される式によってpKaを算出した。
上記の方法で算出した含窒素化合物のpKaの例を以下に挙げる。
含窒素化合物としては、特開2008−127462の段落0128〜0132に開示された含窒素化合物のうち共役酸のpKaが12以上である化合物を挙げることができる。
共役酸のpKaが12以上である含窒素化合物としては、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネンおよびイミダゾールなどのアミジン構造を有する含窒素化合物が好ましく、中でもジアザビシクロウンデセンおよびジアザビシクロノネンが好ましい。
テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
有機塩基の添加量としては、反応させるハロゲン化アルキル化合物に対して1から2当量が好ましく、より好ましくは1から1.5当量である。
本製造方法では、2種類以上の有機塩基を併用してもよい。例えば、2種の含窒素化合物の併用、2種のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド化合物の併用、含窒素化合物とテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド化合物の併用、いずれの態様であってもよい。
本製造方法では、樹脂p1、ハロゲン化アルキル化合物および有機塩基が溶媒に溶解した状態で反応が進行する。
本製造方法における反応に使用する反応溶媒は特に限定されるものでないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、ピリジン、メチルピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N‘,N’−テトラメチルジアミノエタン、N,N,N‘,N’−テトラメチルジアミノプロパン等の3級アミン溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアミド溶媒が挙げられる。中でも、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール溶媒が好ましく、メタノールおよびエタノールがより好ましい。
本製造方法における反応の反応濃度は、反応溶媒の重量に対するフェノール性水酸基を有する樹脂の重量が5〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%の範囲であることがより好ましい。
本製造方法における反応温度は、特に限定されるものでないが、30〜150℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。
本製造方法における反応の反応時間は、反応が完結するように適宜設定すればよく、特に限定されるものでないが、一般的には、1〜8時間程度である。また、反応圧力は、特に限定されるものでなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであっても良い。
反応終了後は、反応液をそのまま貧溶媒、例えば水、ヘキサン、ヘプタンに添加して析出した粉体をろ別するか、有機溶媒、例えば酢酸エチルと水で分液操作後、有機層を濃縮、または貧溶媒に添加後ろ別することにより、目的とする樹脂を回収することができる。
本製造方法は、アルキル化反応工程のあとに、更に金属不純物などを除去するための精製工程を有してもよい。
本製造方法によって得られた樹脂から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過を挙げることができる。フィルター孔径としては、ポアサイズ50nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、5nm以下がさらに好ましい。
フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のフィルターが好ましい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列または並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径および/または材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であってもよい。
また、本製造方法によって得られた樹脂に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、原料として金属含有量が少ない原料を選択する、原料に対してフィルター濾過を行う、などの方法を挙げることができる。原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上述した条件と同様である。
フィルター濾過の他、吸着材による不純物の除去を行ってもよく、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用してもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材を使用することができる。
<組成物C1>
次に、組成物C1について説明する。
組成物C1は、フェノール性水酸基を有する樹脂P2およびビニルエーテル基を有する樹脂P3を含有する。つまり、保護膜形成用組成物は、樹脂P2と、樹脂P3と、の少なくとも2種類の樹脂を含む。
樹脂P2は、本発明の効果が一層発揮されるという点から、上述した一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
樹脂P3は、本発明の効果が一層発揮されるという点から、上述した一般式(3)または一般式(4)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
樹脂P2に対する樹脂P3の含有割合(樹脂P3/樹脂P2)は、質量基準で、1〜99%であることが好ましく、10〜99%であることがより好ましく、20%〜99%であることがさらに好ましい。含有割合が上記範囲内にあることで、形成される保護膜の硬化性が良好となる。
樹脂P2および樹脂P3の含有量の合計は、保護膜形成用組成物の全固形分に対して、1〜99質量%であることが好ましく、50〜99質量%であることがより好ましい。
(樹脂P2)
樹脂P2は、上述した一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位を有する。一般式(1)および一般式(2)の定義および好適態様は、樹脂P1で説明した通りであるので、その説明を省略する。樹脂P2は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂P2においてフェノール性水酸基を含む繰り返し単位(一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位)の含有量は、得られる保護膜の硬化性の観点から、樹脂P2を構成する全繰り返し単位中、1〜100モル%であることが好ましく、10〜100モル%であることがより好ましく、20〜100モル%であることがさらに好ましい。
樹脂P2は、ポリマーである。ポリマーの定義は上述した通りである。
樹脂P2の重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果がより発揮されるという点から、500〜30000であることが好ましく、1000〜20000であることがより好ましく、1000〜10000であることがさらに好ましい。
樹脂P2は、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体(分子量が500未満のもの)や、オリゴマー成分(分子量が500以上1000未満のもの)が0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましく、0〜1質量%であることがさらに好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5が好ましく、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。
樹脂P2は、さらに、上述した一般式(7)または一般式(8)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。一般式(7)および一般式(8)で表される繰り返し単位の具体例、好適態様、好適量については、樹脂P1と同様である。
樹脂P2の具体例を以下に示す。
上記例示した化合物において、xは、繰り返し単位数を表す。
また、「60/40」、「40/40/20」等の数値は、各繰り返し単位の含有割合(モル%)を左側の繰り返し単位から順に示すものである。
樹脂P2は、例えば、上述した樹脂P1において示したような方法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。
(樹脂P3)
樹脂P3は、上述した一般式(3)または一般式(4)で表される繰り返し単位を有する。一般式(3)および一般式(4)の定義および好適態様は、樹脂P1で説明した通りであるので、その説明を省略する。樹脂P3は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂P3においてビニルエーテル基を含む繰り返し単位(一般式(3)または一般式(4)で表される繰り返し単位)の含有量は、得られる保護膜の硬化性の観点から、樹脂P3を構成する全繰り返し単位中、1〜100モル%であることが好ましく、10〜100モル%であることがより好ましく、20〜100モル%であることがさらに好ましい。
樹脂P3は、ポリマーである。ポリマーの定義は上述した通りである。
樹脂P3の重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果がより発揮されるという点から、500〜30000であることが好ましく、1000〜20000であることがより好ましく、1000〜10000であることがさらに好ましい。
樹脂P3は、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体(分子量が500未満のもの)や、オリゴマー成分(分子量が500以上1000未満のもの)が0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましく、0〜1質量%であることがさらに好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5が好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2である。
樹脂P3は、さらに、上述した一般式(7)または一般式(8)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。一般式(7)および一般式(8)で表される繰り返し単位の具体例、好適態様、好適量については、樹脂P1と同様である。
樹脂P3の具体例を以下に示す。下記具体例において、yは繰り返し単位数を示す。
樹脂P3は、例えば、上述した樹脂P1において示したような方法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。
(組成物C1の好適態様)
組成物C1の好ましい態様としては、上述した一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂P2と、上述した一般式(3)で表される繰り返し単位を有する樹脂P3と、の組み合わせである。
本態様のより好ましい態様としては、樹脂P2および樹脂P3の少なくとも一方が、さらに、上述した一般式(7)または一般式(8)で表される繰り返し単位(好ましくは、上述した一般式(7)で表される繰り返し単位)を有するものである。
また、組成物C1の他の好ましい態様としては、上述した一般式(2)で表される繰り返し単位を有する樹脂P2と、上述した一般式(4)で表される繰り返し単位を有する樹脂P3と、の組み合わせである。
本態様のより好ましい態様としては、樹脂P2および樹脂P3の少なくとも一方が、さらに、上述した一般式(7)または一般式(8)で表される繰り返し単位(好ましくは、上述した一般式(8)で表される繰り返し単位)を有するものである。
<界面活性剤>
本発明の保護膜形成用樹脂組成物は、塗布性の改良などを目的として、さらに、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、フッ素および/またはシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)を使用できる。
フッ素系および/またはシリコン系界面活性剤として、US2008/0248425Aの[0276]に記載の界面活性剤が挙げられ、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106、KH−20(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、222D((株)ネオス製)等である。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることができる。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
上記に該当する界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(DIC(株)製)、C13基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体等を挙げることができる。
また、US2008/0248425Aの[0280]に記載の、フッ素系および/またはシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
界面活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤を含有する場合の含有量は、保護膜形成用組成物の全固形分に対して、0.001〜50質量%であることが好ましく、0.01〜50質量%であることがより好ましく、0.1〜50質量%であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内にあることで、保護膜形成用組成物の塗布性がより向上する。
<溶剤>
上述した樹脂(樹脂P1〜P3)は、樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液の形態で使用されることが好ましい。すなわち、本発明の保護膜形成用組成物は、溶剤を含有することが好ましい。
このような溶剤としては、特に限定されないが、例えば以下に挙げるものから適宜選択して用いることができる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のトリエチレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエテルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル、乳酸n−ブチル、乳
酸i−ブチル等の乳酸エステル類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸n−プロピル、ギ酸i−プロピル、ギ酸n−ブチル、ギ酸i−ブチル、ギ酸n−アミル、ギ酸i−アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸i−プロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、酪酸i−ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類; ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン、アニソール、テトラリン、3−フェニル−1−プロパノール、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のアリール類;
メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
γ−ブチロラクトン等のラクトン類;などの溶剤が挙げられる。
溶剤を含有する場合の含有量としては、特に限定されないが、保護膜形成用組成物の固形分濃度が0.1〜30質量%となることが好ましく、1〜20質量%となることがさらに好ましい。保護膜形成用組成物の固形分濃度を上記範囲内とすることで、段差基板に対する塗布性が向上する。
<その他の成分>
保護膜形成用組成物は、必要に応じて、酸発生剤、架橋剤、熱硬化性重合体、放射線吸収剤などを含有してもよい。
(酸発生剤)
酸発生剤とは、露光または加熱により酸を発生する成分である。酸発生剤を含有させることにより、架橋反応阻害(段差基板(特に、低誘電体膜)から発生する物質(例えば、OH、CH 、NH 等の塩基)の保護膜への拡散により、保護膜中の酸を失活させ、架橋反応を阻害する問題)を解消することが可能となる。つまり、形成される保護膜中の酸発生剤が阻害物質と反応することにより、阻害物質の保護膜への拡散を防ぐことが可能となる。
酸発生剤のうち、露光により酸を発生する酸発生剤(以下、「光酸発生剤」ともいう)としては、例えば、国際公開第07/105776号の[0076]〜[0081]段落に記載の化合物等が挙げられる。
これらの光酸発生剤の中でも、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネートが好ましく、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートがより好ましい。なお、これらの光酸発生剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
また、加熱により酸を発生する酸発生剤(以下、「熱酸発生剤」ともいう)としては、例えば、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、アルキルスルホネート類等が挙げられる。これらの熱酸発生剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。なお、酸発生剤として、光酸発生剤と熱酸発生剤とを併用することもできる。
酸発生剤を含有する場合の含有量は、上述した樹脂P1(または、樹脂P2および樹脂P3の合計)100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましく、0.1〜10質量部がさらに好ましい。酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、上述の効果を良好に発揮することができる。
(架橋剤)
本発明の保護膜形成用組成物は、架橋剤を含有することにより、より低温で硬化して保護膜を形成することが可能となる。
このような架橋剤としては、多核フェノール類や、これ以外の種々の硬化剤を使用することができる。
多核フェノール類としては、例えば、4,4’−ビフェニルジオール、4,4’−メチレンビスフェノール、4,4’−エチリデンビスフェノール、ビスフェノールA等の2核フェノール類;4,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール等の3核フェノール類;ノボラック等のポリフェノール類等が挙げられる。これらの中でも、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、ノボラックが好ましい。なお、これらの多核フェノール類は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
また、硬化剤としては、例えば、ジイソシアナート類や、エポキシ化合物、メラミン系硬化剤、ベンゾグアナミン系硬化剤、グリコールウリル系硬化剤等が挙げられる。これらの中でも、メラミン系硬化剤、グリコールウリル系硬化剤が好ましく、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルがより好ましい。なお、これらの硬化剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、架橋剤として、多核フェノール類と硬化剤とを併用することもできる。
架橋剤を含有する場合の含有量は、上述した樹脂P1(または、樹脂P2および樹脂P3の合計)100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、1〜20質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。架橋剤の含有量を上記範囲とすることで、得られる保護膜の所定の性能を低下させることなく、上述した架橋剤の持つ効果をより発揮できる。
(熱硬化性重合体)
熱硬化性重合体としては、種々の熱硬化性重合体を使用することができる。熱硬化性重合体は、加熱により硬化して、得られる保護膜のエッチング速度を調整する作用を有する成分である。このような熱硬化性重合体としては、例えば、アクリル系重合体類(熱硬化アクリル系重合体類)、フェノール重合体類、尿素重合体類、メラミン重合体類、アミノ系重合体類、芳香族炭化水素重合体類、エポキシ重合体類、アルキド重合体類等が挙げられる。これらの中でも、尿素重合体類、メラミン重合体類、芳香族炭化水素重合体類が好ましい。
(放射線吸収剤)
放射線吸収剤としては、例えば、油溶性染料、分散染料、塩基性染料、メチン系染料、ピラゾール系染料、イミダゾール系染料、ヒドロキシアゾ系染料等の染料類;ビクシン誘導体、ノルビクシン、スチルベン、4,4’−ジアミノスチルベン誘導体、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体等の蛍光増白剤類、紫外線吸収剤類などが挙げられる。なお、これらの放射線吸収剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
放射線吸収剤を含有する場合の含有量としては、上述した樹脂P1(または、樹脂P2および樹脂P3の合計)100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。
(その他の成分)
本発明の保護膜形成用組成物は、上記成分以外にも、必要に応じて、保存安定剤、消泡剤、接着助剤等のその他の成分を含有していてもよい。
<保護膜形成用組成物の調製方法>
本発明の保護膜形成用組成物の調製方法(製造方法)は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、溶剤中に所定量の樹脂(さらに、必要に応じて上述した各成分)を添加して、適宜攪拌処理を施すことにより、本発明の保護膜形成用組成物を得ることができる。また、必要に応じて、所望のタイミングで濾過等の処理を行ってもよい。
[保護膜の製造方法]
本発明の保護膜の製造方法は、上述した保護膜形成用組成物を段差基板上に塗布し、硬化させて、保護膜を形成する工程を有する。これにより、段差基板上に保護膜が形成される。
以下、本発明の保護膜の製造方法について、さらに詳細に説明する。本発明の保護膜形成方法は、以下の工程を有することが好ましい。
図1は、本発明の保護膜の製造方法の一例を段階的に示す模式図である。本発明の保護膜形成方法における各工程について、図1に基づいて詳述する。
<塗布工程>
塗布工程は、所定の開口幅および深さの凹部が形成された段差基板上に、上述した保護膜形成用組成物を塗布して、凹部に保護膜形成用組成物を浸透させる工程である。
より具体的には、トレンチ構造を例にして説明すると、まず、図1(A)に示すように所定の開口幅および深さのトレンチ12を有する段差基板10を用意する。次に、図1(B)に示すように段差基板10上に、上記保護膜形成用組成物を塗布し、塗膜14を作製する。この工程によって、トレンチ12内部に保護膜形成用組成物が流入して、トレンチ12が充填される。
段差基板10上に保護膜形成用組成物を塗布する方法としては、適宜の公知の塗布方法を用いることができる。このような塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ローラーブレード法、スプレー法などが挙げられる。
保護膜形成用組成物の塗布量としては、段差基板10上のトレンチ12が満たされるに足る量が塗布されればよい。なかでも、段差基板10の表面(段差基板10のうち、トレンチ12が形成されていない部分)における塗膜厚さ(図1(B)中、Aとして表示)として、好ましくは10〜1000nm、より好ましくは30〜500nmであればよい。
トレンチ12を有する段差基板10の製造方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、フォトレジスト処理とエッチング処理とを組み合わせた方法などが挙げられる。より具体的には、基板上にマスク窒化膜/パッド酸化膜からなる絶縁膜を堆積し、次いでこれをパターン状にエッチングする方法などが挙げられる。
上記段差基板としては、例えば、有底のホール構造やトレンチ構造等が挙げられる。有底のホール構造としては、例えば、高さ/直径で示されるアスペクト比が0.2〜50であり、好ましくは0.5〜20であり、より好ましくは1〜10である。有底のトレンチ構造としては、例えば、高さ/溝幅で示されるアスペクト比が0.2〜50であり、好ましくは0.5〜20であり、より好ましくは1〜10である。
なお、上記ホール構造及びトレンチ構造の開口幅、深さの測定方法は公知の方法で測定でき、例えば、段差基板の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察して求めることができる。
段差基板10は、その表面上に同一の開口サイズ(溝幅や直径)・深さ・アスペクト比のホールおよびトレンチを有していてもよく、異なる開口サイズ(溝幅や直径)・深さ・アスペクト比を有する複数種のホールおよびトレンチを有していてもよい。
段差基板10を構成する材料としては特に制限されず、シリコン、炭化シリコン、金属(金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなど)、金属窒化物(窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、窒化タングステンなど)、ガラス(石英ガラス、ホウ酸ガラス、ソーダガラスなど)、樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドなど)、絶縁膜(酸化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウムなど)が挙げられる。
<溶媒除去工程>
本発明の保護膜の製造方法は、必要に応じて、塗布された塗膜には加熱処理などを施し、塗膜中に含まれる溶媒(溶剤)を除去する、溶媒除去工程を有していてもよい。
溶媒除去は、塗布後の塗膜を好ましくは60〜500℃、より好ましくは100〜450℃の条件下に、好ましくは1〜10分、より好ましくは1〜5分間おくことにより行う。なお、溶媒除去は、異なる条件で2回以上実施してもよい。
<硬化工程>
硬化工程は、塗膜14を硬化させて保護膜16を形成する工程である(図1(C)参照)。これにより、段差基板10と、保護膜16と、からなる積層体18が得られる。
なお、硬化工程は、上述した溶媒除去工程を兼ねるものであってもよい。
上記塗膜14の硬化方法は、これに限定されないが、塗膜14に対して、光照射処理および加熱処理の少なくとも一方の処理を行う方法を用いることができる。
光照射処理や加熱処理に用いる装置は、公知の光照射装置や加熱装置を用いればよく、特に限定されるものではない。
光照射処理に用いる光としては、例えば、保護膜形成用組成物に酸発生剤が含有されている場合には、この酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等から適切に選択すればよい。
加熱処理における加熱温度は、特に限定されないが、90℃〜650℃が好ましく、90℃〜450℃がさらに好ましく、90℃〜350℃が特に好ましい。加熱処理の時間は、特に限定されないが、1秒〜10分であることが好ましく、10秒〜5分であることがより好ましい。
本発明の保護膜の製造方法は、上述した保護膜形成用組成物を用いている。そのため、表面にナノメートルレベルの開口サイズ(例えば5〜1000nm)を有し、深いホール・トレンチ(上述したアスペクト比が0.2〜50)を有する段差基板を用いた場合であっても、保護膜形成用組成物の埋め込み性に優れ、平坦性に優れた保護膜が得られる。
[保護膜の剥離方法]
上記の保護膜の製造方法により得られた保護膜は、製造後、段差基板から剥離してもよい。
本発明の保護膜の剥離方法としては、これに限定されないが、例えば、液体を用いて剥離する方法が挙げられる。
このような液体としては、以下の剥離液を用いることができる。
剥離液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ類の水溶液等や、水溶性有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテルなどのエチレングリコールアルキルエーテル(アルキルは炭素原子数1〜6の低級アルキル基)類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル2−アセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル(アルキルは炭素原子数1〜6の低級アルキル基)類、多価アルコール類、およびその誘導体が挙げられる。
本発明の保護膜の剥離方法の好ましい態様としては、上述の保護膜の製造方法により得られた保護膜に対して酸性溶液を付与して、保護膜を剥離する方法が挙げられる。
酸性溶液を付与する方法としては、保護膜を酸性溶液に浸漬する方法が好ましく用いられる。
酸性溶液としては、pH6以下の溶液が挙げられ、具体的には、SPM(硫酸と過酸化水素水の混合溶液)、10%トルエンスルホン酸水溶液などを用いることができる。
なお、上記液体として塩基性溶液を用いる場合には、塩基性溶液としては、pH8以上の溶液が挙げられ、具体的には、SC1(アンモニア、水、および過酸化水素水の混合溶液)、EKC(ヒドロキシルアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、カテコール、および水の混合溶液)シリーズなどを用いることができる。
なお、段差基板上に保護膜の残渣が存在している場合には、必要に応じて、本剥離方法に準じる方法で剥離することができる。
以下、実施例を用いて、本発明の保護膜形成用組成物について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
[樹脂の合成]
実施例および比較例の保護膜形成用組成物の調製にあたって、まず、各樹脂を合成した。
<合成例1(樹脂1の合成)>
(1−bの合成)
Journal of the American Chemical Society, 131, 13949 (2009)に記載の方法にしたがって、4−アセトキシスチレン(下記1−a)を出発原料として、水酸化ナトリウム、塩化水素の下で加水分解することで下記1−bを収率良く合成した。
(1−cの合成)
温度計、ガス吹込み管、冷却管、および水浴を備えた1L三つ口ナス型フラスコに1−b(21.5g)、ジメチルスルホキシド(500g)、水酸化ナトリウム(14.3g)を入れ、70℃で30分撹拌した。次いで温度を70℃に保ちながら、2−クロロエチルビニルエーテル(東京化成社製、22.9g)をゆっくりと滴下した後、85℃で5時間反応させた。放冷後、0.1Nの希塩酸に反応液をゆっくりと注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液は硫酸マグネシウムで脱水処理した後、エバポレーションで濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製することで化合物1−cを30g合成した(収率88.0%)。構造はH−NMRにより確認した。
(樹脂1の合成)
温度計、ガス吹込み管、冷却管、攪拌装置および水浴を備えた300mL四つ口ナス型フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(45.7g)を入れ85℃まで加熱し、そこに1−c(28.5g)と重合開始剤V-601(和光純薬工業製、6.9g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(103.9g)を4時間かけて滴下した。滴下後、85℃で3時間撹拌させた反応溶液をヘプタン中へ滴下し、得られた沈殿物をろ過することで樹脂1を27.9g得た(収率97.8%)。構造はH−NMR、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(重量平均分子量(Mw)=3300、数平均分子量(Mn)=2160)により確認した。
<合成例2(樹脂2の合成)>
パラヒドロキシスチレン(日本曹達製VP−2500)と上記1−cを出発原料とした以外は、樹脂1と同様の方法で樹脂2を合成した。構造はH−NMR、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(重量平均分子量(Mw)=4320、数平均分子量(Mn)=3740)により確認した。
<合成例3>
(3−(4−ビニルフェノキシ)プロパン−1−オールの合成)
温度計、ガス吹込み管、冷却管、攪拌装置および水浴を備えた四つ口フラスコに、上記1−b 20g、メタノール 300gを加え、室温にて完全に溶解させた後に、ブロモプロパノール 34.7gを加えた。得られた溶液を攪拌しながら50℃まで昇温した後、そこにメタノール20gに溶解させたジアザビシクロウンデセン 21.8gを30分かけて滴下し、さらに還流させながら6時間攪拌した。その後、室温まで冷却後、酢酸8.7gを添加し、酢酸エチルで抽出した。抽出液は硫酸マグネシウムで脱水処理した後、エバポレーションで濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)により精製することで目的のモノマーである(3−(4−ビニルフェノキシ)プロパン−1−オール)を27.3g合成した(収率92.0%)。構造はH−NMRにより確認した。
(樹脂3の合成)
1−b、1−cと3−(4−ビニルフェノキシ)プロパン−1−オールを出発原料として使用した以外は樹脂1と同様の方法で樹脂3を合成した。樹脂の組成比や分子量はH−NMR(下記構造式の左から順に、50:30:20)、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(重量平均分子量(Mw)=3560、数平均分子量(Mn)=2280)により確認した。
<合成例4(樹脂4の合成)>
温度計、ガス吹込み管、冷却管、および水浴を備えた1L三つ口ナス型フラスコに、クレゾールノボラック(DIC製PR−50、20g)、ジメチルスルホキシド(500g)、水酸化ナトリウム(14.3g)を入れ、70℃で30分撹拌した。次いで温度を70℃に保ちながら、2−クロロエチルビニルエーテル(東京化成社製、34.4g)をゆっくりと滴下した後、85℃で5時間反応させた。放冷後、0.1Nの希塩酸に反応液をゆっくりと注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液をヘプタン中へ滴下し、得られた沈殿物をろ過することで樹脂4を26.2g得た(収率92.3%)。構造はH−NMR、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(重量平均分子量(Mw)=7850、数平均分子量(Mn)=1630)により確認した。
<合成例5(樹脂5の合成)>
2−クロロエチルビニルエーテルを4.55gとした以外は、合成例4と同様の方法で樹脂5を合成した。樹脂の組成比や分子量はH−NMR(下記構造式の左から順に、80:20)、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(重量平均分子量(Mw)=5150、数平均分子量(Mn)=1065)により確認した。
<合成例6(樹脂6の合成)>
(2−(ビニルオキシ)エチルメタクリレートの合成)
温度計、ガス吹込み管、冷却管、および水浴を備えた1L三つ口ナス型フラスコに、エチレングリコールモノビニルエーテル(30g、東京化成製)、脱水THF(テトラヒドロフラン)150mL、トリエチルアミン(72mL、和光純薬製)を入れ、0℃で5分間撹拌した。そこにメタクリル酸クロリド(53.4g、東京化成製)をゆっくりと滴下した後、80℃のウォーターバスで2時間反応させた。放冷後、酢酸エチルを加えた有機層を、10%水酸化ナトリウム水溶液で2回、純水で1回洗浄した。エバポレーションにて溶媒を除去した後、NMR(核磁気共鳴)測定により2−(ビニルオキシ)エチルメタクリレート(49.8g、収率94%)の構造を確認した。
(樹脂6の合成)
上記1−bと2−(ビニルオキシ)エチルメタクリレートを出発原料として使用した以外は樹脂1と同様の方法で樹脂6を合成した。樹脂の組成比や分子量はH−NMR(下記構造式の左から順に、70:30)、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(重量平均分子量(Mw)=3860、数平均分子量Mn=2390)により確認した。
<合成例7(樹脂7の合成)>
上記1−b、上記1−cおよび2−(ビニルオキシ)エチルメタクリレートを出発原料として使用した以外は、樹脂1と同様の方法で樹脂7を合成した。樹脂の組成比や分子量はH−NMR(下記構造式の左から順に、60:20:20)、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(重量平均分子量(Mw)=3630、数平均分子量Mn=2170)により確認した。
[保護膜形成用組成物の調製]
第1表の各成分が第1表の比率になるように、第1表中の樹脂および界面活性剤を第1表中の溶剤に溶解させ、これを孔径0.1μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製フィルターでろ過し、実施例および比較例の各保護膜形成用組成物を得た。
なお、表中の各成分の含有量は、質量を基準とした比率(質量%)である。
第1表で示した成分は、次の通りである。
・樹脂1〜7(上記式参照)
・樹脂8〜9(下記式参照、特開2012−188671号公報にしたがって合成した樹脂)
・PHS(ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(下記式参照)、重量平均分子量:4300、数平均分子量:3950、日本曹達社製)
・架橋剤A(下記式参照、商品名「ジビニルカルビトール」、東京化成社製、ビニルエーテル基を有するモノマー)
・架橋剤B(下記式参照、特開2012−188671号公報にしたがって合成、ビニルエーテル基を有するモノマー)
・界面活性剤
W1:商品名「トロイゾルS366」、トロイケミカル社製
・溶剤
S1:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
S2:PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)
S3:3−エトキシプロピオン酸エチル
S4:3−フェニル−1−プロパノール
[評価試験]
<平坦性および埋め込み性の評価>
実施例および比較例の各保護膜形成用組成物をスピンコート法により、配線溝(トレンチ:L/S = 25nm/25nm, Height = 100nm)を有するSiOウエハー基板(段差基板)上に塗布した。そして、ホットプレート上で205℃、1分間焼成して、保護膜を形成した。膜厚は、ISOパターンエリアで150nmであった。
図2は、本評価試験において段差基板上に保護膜を形成した状態を説明するための模式図である。図2に示すように、ISOパターンとは、配線溝が形成されていない領域を指し、LSパターンとは、配線溝が形成された領域を指す。
その後、走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製S−4800)を用いて、実施例および比較例の保護膜形成用組成物を塗布した配線溝を有するSiOウエハー基板の断面形状を観察することにより、保護膜形成用組成物の埋め込み性と平坦性を評価した。
(平坦性)
平坦性の評価は、以下式によりISOパターン上と、LSパターン上の膜厚差ΔFTを求め、ΔFTの値によって1〜5段階評価(5が最も優れる)した。評価結果を上記第1表に示す。
(式) ΔFT=(ISOパターン上の保護膜の膜厚)−(LSパターン上の保護膜の膜厚)
1: ΔFT > 50nm
2: 50nm ≧ ΔFT > 40nm
3: 40nm ≧ ΔFT > 30nm
4: 30nm ≧ ΔFT > 25nm
5: 25nm ≧ ΔFT
(埋め込み性)
埋め込み性の評価は、保護膜形成用組成物が埋め込まれたトレンチ埋め込み部(LSパターン)に空隙もしくはボイドが無いかを確認し、以下の第2表に記載の基準で1〜5段階(5が最も優れる)評価した。評価結果を上記第1表に示す。
ここで、空隙とは「埋め切れなかったトレンチ底部の空間」、ボイドとは「保護膜中に存在する微小な空洞」と定義する。図3は、埋め込み性試験におけるボイドや空隙の状態を説明するための模式図であり、上述した図2におけるLSパターンの一部を拡大した図である。
第1表に示す通り、フェノール性水酸基およびビニルエーテル基を有する樹脂P1、ならびに、フェノール性水酸基を有する樹脂P2およびビニルエーテル基を有する樹脂P3を含む組成物C1、の少なくとも一方を含有する保護膜形成用組成物を用いることで、保護膜形成用組成物の埋め込み性に優れ、平坦性に優れた保護膜を形成できることがわかった(実施例)。
また、実施例2と実施例3との対比、および、実施例6と実施例7との対比により、上述した一般式(7)で表される繰り返し単位を含む樹脂を用いることで(実施例3、実施例7)、得られる保護膜の平坦性がより優れることが示された。
実施例2と実施例6との対比、および、実施例3と実施例7との対比により、主鎖骨格に結合する基が全てベンゼン環であることで(実施例2、実施例3)、得られる保護膜の平坦性がより優れることが示された。この理由としては、各繰り返し単位の構造に共通する部分が多く、各成分の相溶性が高まったことによるものと推測される。
実施例1と実施例4との対比、および、実施例2と実施例5との対比により、主鎖骨格に芳香環を有していない方が(実施例1、2)、平坦性および埋め込み性の評価の少なくとも一方がより優れたものになることが示された。
一方、ビニルエーテル基を有する成分として、ポリマー(樹脂)を使用せず、モノマーである架橋剤Aまたは架橋剤Bを用いた比較例1および比較例2の保護膜形成用組成物を用いると、埋め込み性、および、形成される保護膜の平坦性の少なくとも一方が低下することが示された。
10 段差基板
12 トレンチ
14 塗膜
16 保護膜
16a トレンチ埋め込み部
18 積層体

Claims (10)

  1. 段差基板の埋め込みに使用される保護膜形成用組成物であって、
    前記保護膜形成用組成物が、下記樹脂P1および下記組成物C1の少なくとも一方を含有する、保護膜形成用組成物。
    樹脂P1:フェノール性水酸基およびビニルエーテル基を有する樹脂
    組成物C1:フェノール性水酸基を有する樹脂P2およびビニルエーテル基を有する樹脂P3を含む組成物
  2. 前記樹脂P1および前記樹脂P2が、一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位を有する、請求項1に記載の保護膜形成用組成物。

    上記一般式(1)において、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。
    は、単結合または2価の連結基を表す。
    Arは、芳香環を表す。
    n1は、1〜5の整数を表す。

    上記一般式(2)において、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。
    Arは、芳香環を表す。
    n2は、1〜5の整数を表す。
  3. 前記樹脂P1および前記樹脂P3が、一般式(3)または一般式(4)で表される繰り返し単位を有する、請求項1または2に記載の保護膜形成用組成物。

    上記一般式(3)において、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。
    は、単結合または2価の連結基を表す。

    上記一般式(4)において、R4aは、水素原子または1価の有機基を表す。
    Arは、芳香環を表す。
    4bは、炭素数1〜20の直鎖または分岐状のアルキレン基を表す。
    z4は、1〜10の整数を表す。
  4. 上記一般式(3)のLが、下記一般式(5)または(6)で表される基を表す、請求項3に記載の保護膜形成用組成物。
    −L5a−Ar−L5b− ・・・(5)
    上記一般式(5)において、L5aは、単結合または2価の連結基を表す。
    Arは、芳香環を表す。
    5bは、「−(O−Rz5−*」を表す。Rは、炭素数1〜20の直鎖または分岐状のアルキレン基を表す。z5は、1〜10の整数を表す。*は、ビニルエーテル基との結合位置を表す。
    −L6a−(C=O)−L6b− ・・・(6)
    上記一般式(6)において、L6aは、単結合または2価の連結基を表す。
    6bは、「−(O−Rz6−*」を表す。Rは、炭素数1〜20の直鎖または分岐状のアルキレン基を表す。z6は、1〜10の整数を表す。*は、ビニルエーテル基との結合位置を表す。
  5. 前記樹脂P1、ならびに、前記樹脂P2および前記樹脂P3の少なくとも一方は、さらに、下記一般式(7)で表される繰り返し単位を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の保護膜形成用組成物。

    上記一般式(7)において、R7aは、水素原子または1価の有機基を表す。
    は、単結合または2価の連結基を表す。
    Arは、芳香環を表す。
    7bは、置換または無置換の炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
    7cは、水素原子または−O−(C=O)−R7dを表す。R7dは、置換または無置換の炭素数1〜5のアルキル基を表す。
    は、0〜5の整数を表す。
    は、1〜5の整数を表す。
  6. 前記一般式(1)のAr、および、前記一般式(2)のArが、いずれも、ベンゼン環である、請求項2に記載の保護膜形成用組成物。
  7. 前記一般式(4)のAr、および、前記一般式(5)のArが、いずれも、ベンゼン環である、請求項4に記載の保護膜形成用組成物。
  8. さらに、界面活性剤を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の保護膜形成用組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の保護膜形成用組成物を段差基板上に塗布し、硬化させて、保護膜を形成する工程を有する、保護膜の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の保護膜形成用組成物を段差基板上に塗布し、硬化させて、保護膜を形成する工程と、
    酸性溶液を前記保護膜に付与して、前記保護膜を剥離する工程と、
    を有する、保護膜の剥離方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024176757A1 (ja) * 2023-02-20 2024-08-29 日産化学株式会社 保護膜形成用組成物、半導体基板、及び電子部品

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