JP2016203201A - 自動プログラミング装置、ローダ装置、及び板材搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワークを安定してかつ効率よく搬送することが可能な自動プログラミング装置、ローダ装置、及び板材搬送方法を提供する。
【解決手段】板状のワークWをパッド33で吸着して搬送するローダ装置100に供給可能なパッド33の制御情報D1を作成する自動プログラミング装置1であって、ワークWに対するパッド33の吸着位置に基づいて、ワークWの搬送状態に関する安定係数kを算出する係数算出部2と、係数算出部2により算出された安定係数kに基づいて、制御情報D1のうち少なくともワークWの搬送速度を設定する設定部3と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】板状のワークWをパッド33で吸着して搬送するローダ装置100に供給可能なパッド33の制御情報D1を作成する自動プログラミング装置1であって、ワークWに対するパッド33の吸着位置に基づいて、ワークWの搬送状態に関する安定係数kを算出する係数算出部2と、係数算出部2により算出された安定係数kに基づいて、制御情報D1のうち少なくともワークWの搬送速度を設定する設定部3と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、板状のワークを搬送するための自動プログラミング装置、ローダ装置、及び板材搬送方法に関する。
パンチプレス機やレーザ加工機などの板材加工システムでは、板状のワークを搬入または搬出するためにローダ装置が用いられている。ローダ装置としては、板状のワークをパッドで吸着して搬送するものが知られており、ワークを安定して搬送することが求められている。例えば、下記の特許文献1では、ワークを複数のパッドにより吸着して搬送し、搬送方向の前側又は後側のパッドがワークから外れたことを検出した際に、搬送速度を低減して搬送するローダ装置が記載されている。
しかしながら、上記した特許文献1では、パッドがワークから離れたことを検出して搬送速度を低減するが、パッドがワークから外れるような状況であった場合でも、予め設定された速度でワークの搬送を開始している。従って、ワークに対する風圧や大きな加減速などにより、パッドがワークから離れやすくなり、ワークの落下を招くなどワークを安定して搬送することができないといった課題を有している。また、特許文献1では、パッドがワークから外れることを想定した搬送速度に設定されるため、パッドが強くワークを吸着している時でも予め設定された搬送速度でしか搬送できず、搬送効率が悪いといった問題がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、ワークを安定してかつ効率よく搬送することが可能な自動プログラミング装置、ローダ装置、及び板材搬送方法を提供することを目的とする。
本発明は、板状のワークをパッドで吸着して搬送するローダ装置に供給可能なパッドの制御情報を作成する自動プログラミング装置であって、ワークに対するパッドの吸着位置に基づいて、ワークの搬送状態に関する安定係数を算出する係数算出部と、係数算出部により算出された安定係数に基づいて、制御情報のうち少なくともワークの搬送速度を設定する設定部と、を備える。
また、係数算出部は、ワークの形状情報に対するパッドの配置関係を用いて安定係数を算出してもよい。また、パッドが、ワークをそれぞれ吸着可能な複数の小パッドにより構成される場合に、係数算出部は、小パッドのうちワークに吸着可能な数を用いて安定係数を算出してもよい。また、係数算出部は、ワークの板厚、材質、及び表面状態のうち少なくとも一つを用いて安定係数を補正してもよい。また、係数算出部は、ワークの重心位置に対するパッドの配置関係から、ワークを搬送する際のワークの姿勢に関する補正値を算出し、補正値に基づいて安定係数を補正してもよい。また、ローダ装置が複数のパッドを備える場合に、係数算出部は、ワークの重心位置に対するパッドのそれぞれの配置関係と、パッドのそれぞれで予測される吸着状態と、を用いて補正値を算出してもよい。
また、設定部は、ワークの搬送速度に加えて加速度を制御情報として設定してもよい。また、設定部は、安定係数が予め設定された閾値に達しない場合に、ワークの搬送速度を、安定係数が閾値を超える場合に設定される搬送速度よりも低い搬送速度に設定してもよい。また、設定部は、安定係数が予め設定された閾値に達しない場合に、加速度を、安定係数が閾値を超える場合に設定される加速度よりも小さい加速度に設定してもよい。
また、本発明は、板状のワークを吸着して搬送するパッドと、パッドで吸着した前記ワークの搬送を制御するコントローラと、を備えるローダ装置であって、コントローラは、ワークに対するパッドの吸着位置に基づいて、ワークの搬送状態に関する安定係数を算出する係数算出部と、係数算出部により算出された安定係数に基づいて、少なくともワークの搬送速度を設定する設定部と、を備える。
また、コントローラは、ワークに対するパッドの吸着状態に基づいて、係数算出部により安定係数を算出してもよい。また、コントローラは、安定係数が予め設定された下側閾値を下回ると設定部で判定した場合、ワークの搬送中止、または、再度パッドによるワークの吸着を指示してもよい。
また、本発明は、板状のワークをパッドで吸着して搬送する板材搬送方法であって、ワークに対するパッドの吸着位置に基づいて、ワークの搬送状態に関する安定係数を算出することと、安定係数に基づいて、少なくともワークの搬送速度を設定することと、を含む。
本発明の自動プログラミング装置によれば、安定係数に基づいて、制御情報のうち少なくともワークの搬送速度を設定するので、ワークに対してパッドが確実に吸着しているような安定係数が高い場合は搬送速度を高速としてワークの搬送効率を向上させることができる。一方、安定係数が低い場合は搬送速度を低速としてワークの落下を防止し、ワークを安定して搬送することができる。
また、係数算出部が、ワークの形状情報に対するパッドの配置関係を用いて安定係数を算出する場合、ワークに対するパッドの吸着状態を把握することにより、正確な安定係数を算出できる。また、パッドが、ワークをそれぞれ吸着可能な複数の小パッドにより構成される場合に、係数算出部が、小パッドのうちワークに吸着可能な数を用いて安定係数を算出するものでは、ワークを吸着する小パッドの数によってパッドの吸着状態を容易に把握でき、正確な安定係数を算出できる。また、係数算出部が、ワークの板厚、材質、及び表面状態のうち少なくとも一つを用いて安定係数を補正する場合、ワークにパッドの吸着状態を確認でき、正確な安定係数を得ることができる。また、係数算出部が、ワークの重心位置に対するパッドの配置関係から、ワークを搬送する際のワークの姿勢に関する補正値を算出し、補正値に基づいて安定係数を補正する場合、ワークの重心位置とパッドとのずれを把握してワークの搬送時の姿勢から正確な安定係数を得ることができる。また、ローダ装置が複数のパッドを備える場合に、係数算出部が、ワークの重心位置に対するパッドのそれぞれの配置関係と、パッドのそれぞれで予測される吸着状態と、を用いて補正値を算出するものでは、ワークの重心位置に対する各パッドの一及び吸着状態を用いることで正確な補正値を算出でき、この補正値を用いことにより正確な安定係数を算出できる。
また、設定部が、ワークの搬送速度に加えて加速度を制御情報として設定する場合、加減速によるワークへの影響を考慮して、ワークを安定して搬送できる。また、設定部は、安定係数が予め設定された閾値に達しない場合に、ワークの搬送速度を、安定係数が閾値を超える場合に設定される搬送速度よりも低い搬送速度に設定するものでは、安定係数を閾値と判断するので、安定係数が低い場合に確実に搬送速度を低速に設定でき、ワークを安定して搬送できる。また、設定部は、安定係数が予め設定された閾値に達しない場合に、加速度を、安定係数が閾値を超える場合に設定される加速度よりも小さい加速度に設定するものでは、安定係数が低い場合に確実に加速度を小さく設定でき、ワークを安定して搬送できる。
また、本発明のローダ装置によれば、安定係数に基づいて、少なくともワークの搬送速度を設定するので、ワークに対してパッドが確実に吸着しているような安定係数が高い場合は搬送速度を高速としてワークの搬送効率を向上させることができる。一方、安定係数が低い場合は搬送速度を低速としてワークの落下を防止し、ワークを安定して搬送することができる。
また、コントローラが、ワークに対するパッドの吸着状態に基づいて、係数算出部により安定係数を算出する場合、実際にパッドがワークを吸着している状態を用いるので、正確な安定係数を算出できる。また、コントローラは、安定係数が予め設定された下側閾値を下回ると設定部で判定した場合、ワークの搬送中止、または、再度パッドによるワークの吸着を指示する場合、安定係数を下側閾値と比較することにより、安定して搬送できないことを容易に判断でき、その後の搬送中止やリトライを早期に実施することができる。
また、本発明の板材搬送方法によれば、安定係数に基づいて、少なくともワークの搬送速度を設定するので、安定係数が高い場合は搬送速度を高速することでワークの搬送効率を向上させることができる。一方、安定係数が低い場合は搬送速度を低速としてワークを安定して搬送することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面に平行な任意の方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をY方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
<自動プログラミング装置>
図1は、実施形態に係る自動プログラミング装置1及びローダ装置100の一例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、自動プログラミング装置1は、係数算出部2と、設定部3と、記憶部4と、を有している。自動プログラミング装置1は、ローダ装置100に供給可能な、ワークWの搬送に関する制御情報D1を作成する。係数算出部2は、ワークWの搬送状態に関する安定係数kを算出する。安定係数kは、ローダ装置100により製品を搬送しているときのワークWの安定性を表す。係数算出部2は、ワークWの形状情報D2と、パッド33の配置情報D3と、を取得し、これらの情報に基づいて、ワークWの搬送状態に関する安定係数kを算出する。
図1は、実施形態に係る自動プログラミング装置1及びローダ装置100の一例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、自動プログラミング装置1は、係数算出部2と、設定部3と、記憶部4と、を有している。自動プログラミング装置1は、ローダ装置100に供給可能な、ワークWの搬送に関する制御情報D1を作成する。係数算出部2は、ワークWの搬送状態に関する安定係数kを算出する。安定係数kは、ローダ装置100により製品を搬送しているときのワークWの安定性を表す。係数算出部2は、ワークWの形状情報D2と、パッド33の配置情報D3と、を取得し、これらの情報に基づいて、ワークWの搬送状態に関する安定係数kを算出する。
ワークWの形状情報D2は、ワークWの加工前または加工後のいずれの形状でもよく、不図示の加工装置から適宜取得してもよい。また、ワークWの形状情報D2は、加工装置に供給される加工データ(加工レシピ)を加工装置より上位のコントローラ等から取得してもよい。また、予め記憶部4に複数のワークWの形状情報D2を記憶させておき、いずれかの形状情報D2を記憶部4から取得してもよい。パッド33の配置情報D3は、ローダ装置100から取得してもよいし、予め記憶部4に記憶された情報から選択して取得してもよい。自動プログラミング装置1は、不図示の通信部を備えてもよく、外部からワークWの形状情報D2やパッド33の配置情報D3を取得する場合、通信部を介して有線または無線により取得してもよい。また、ワークWの形状情報D2やパッド33の配置情報D3は、オペレータが不図示のキーボード等の入力装置によって入力してもよい。
係数算出部2は、取得したワークWの形状情報D2と、パッド33の配置情報D3とを用いて、ワークWに吸着できるパッド33の数や、パッド33によりワークWに対する吸着状態、ワークWに対するパッド33の配置バランス等に基づいて安定係数kを算出する。パッド33によるワークWの吸着状態は、例えばパッド33それぞれの真空度や吸着割合などにより判断される。パッド33の配置バランスは、ワークWに対するパッド33の配置やワークWの重心位置などから判断される。なお、安定係数kの算出に際して、ワークWの形状情報D2及びパッド33の配置情報D3の他に、ワークWの板厚、材質、及び表面状態のうち少なくとも一つまたは全部を用いて安定係数kを補正してもよい。ワークWの板厚や材質によりワークWの荷重が判断される。また、ワークWの表面状態により吸着時のリーク等が予測可能となる。
係数算出部2は、補正値算出部5を備えてもよい。補正値算出部5は、ワークWを搬送する際、ワークWの重心位置に対するパッド33の配置関係から、ワークWを搬送する際のワークWの姿勢に関する補正値を算出する。なお、補正値算出部5は、補正値の算出に際して、上記したワークWの板厚、材質の情報を用いてもよい。例えば、パッド33によりワークWを吸着して持ち上げた際にワークWが大きく傾く場合は補正値が大きくなり、逆にワークWの傾きが小さい場合は補正値が小さくなる。係数算出部2は、補正値算出部5により算出された補正値に基づいて安定係数kを算出する。なお、安定係数kの算出に補正値を用いるか否かは任意であり、係数算出部2に補正値算出部5がなくてもよい。
設定部3は、係数算出部2により算出された安定係数kに基づいて、制御情報D1のうち少なくともワークWの搬送速度を設定する。設定部3は、予め記憶部4に記憶している閾値と、係数算出部2により算出された安定係数kとを比較し、安定係数kが閾値を超える場合はワークWを高速で移動させる搬送速度に設定し、一方、安定係数kが閾値に達しない場合はワークWを低速で移動させる搬送速度に設定する。高速での移動速度や低速での移動速度は任意であるが、少なくとも低速での移動速度は、高速での移動速度よりも遅く、ワークWを安定して搬送可能な速度に設定される。また、設定部3は、ワークWの搬送速度に加えて加速度を制御情報D1として設定してもよい。設定部3は、安定係数kが予め設定された閾値に達しない場合に、加速度を、安定係数kが閾値を超える場合に設定される加速度よりも小さい加速度に設定してもよい。
なお、設定部3は、1つの閾値によって2種類の搬送速度のいずれかを設定することに限定されない。例えば、記憶部4に2つ以上の閾値を予め設定しておき、設定部3は、いずれかの閾値を超えた場合にその閾値に対応した搬送速度に設定してもよい。また、設定部3は、記憶部4に記憶された下側閾値に対して安定係数kが下回るときは、搬送不可を設定してもよい。
自動プログラミング装置1は、設定部3により設定されたワークWの搬送速度を実施させる制御情報D1を出力する。制御情報D1は、ローダ装置100のコントローラ40により読み取り可能なデータ形式で形成される。制御情報D1は、無線または有線によりコントローラ40に送られてもよく、また、USBメモリ等の記録媒体に格納され、この記録媒体がコントローラ40に接続されて送られるようにしてもよい。なお、制御情報D1は、ワークWの搬送速度や加速度の他に、他の情報が含まれてもよい。
自動プログラミング装置1は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置を有している。係数算出部2、設定部3、及び補正値算出部5は、演算装置が記憶部4に記憶されているプログラムに従って実行する処理又は制御に相当する。記憶部4は、安定係数kと比較される閾値や、自動プログラミング装置1の制御に必要な各種情報やプログラムを記憶する。記憶部4は、メモリなどで構成される。また、自動プログラミング装置1は、入力された各種情報や、係数算出部2によって算出された安定係数k、設定部3による設定結果等を表示する表示装置を備えてもよい。オペレータは、表示装置による表示結果を確認して制御情報D1の出力を実行させてもよい。また、オペレータは、係数算出部2で算出された安定係数kや、設定部3による設定結果に対して、不図示の入力装置によって修正可能であってもよい。
ローダ装置100は、不図示の加工装置に対してワークWを搬入または搬出する。加工装置としては、例えば、パンチプレス機やレーザ加工機である。ローダ装置100は、ワーク保持部30と、コントローラ40と、を有している。ワーク保持部30は、本体部10に支持された複数のパッド33を備える。各パッド33は、板状のワークWに吸着可能である。ローダ装置100のコントローラ40は、制御情報D1に基づいて、パッド33で吸着したワークWの搬送を制御する。
なお、パッド33は、ワークWの表面に対して真空吸着するものであり、不図示のコンプレッサ等の吸引機構に接続され、接続経路の途中で吸着または解放を行うためのバルブをパッド33ごとに備えている。このバルブは、例えば、コントローラ40によって制御されてもよい。また、パッド33は、真空吸着するものに代えて磁気吸着させるものでもよい。磁気吸着させる場合、例えばパッド33内に電磁石が形成され、コントローラ40が電磁石に対する通電を制御することによりワークWに対する吸着を制御してもよい。本明細書において、パッド33による吸着は、真空吸着及び磁気吸着の双方を含む意味で用いている。
図2は、ローダ装置100の一例を示す正面図である。また、図3(A)は、図2に示すローダ装置100の平面図、(B)はパッド33の一例を示す図である。図2及び図3に示すように、ローダ装置100は、板状のワークWを搬送する。ローダ装置100は、例えば、テーブルTB上に複数枚積層された未加工のワークWのうち最上層のワークWの上面を吸着して不図示の加工装置に搬送し、また、加工済みのワークWを加工装置から回収用のテーブルTB上に搬送する。加工済みのワークWとしては、ワークWの一部から切り取られた製品や、ワークWの一部が切り抜かれて孔が空いた状態の残材(スケルトン)も含まれる。
ローダ装置100は、本体部10と、移動部20と、ワーク保持部30と、を有している。本体部10は、移動部20を介してレールRaに吊り下げられている。移動部20は、ガイドローラー21と、不図示のローラー駆動部とを有している。ガイドローラー21は、レールRaに沿って回転可能である。レールRaは、X方向に沿って設けられている。ローラー駆動部は、例えば本体部10に設けられており、ガイドローラー21を駆動する。本体部10は、移動部20によってレールRaに沿ってX方向に移動可能に設けられる。
ワーク保持部30は、本体部10の−Z側に配置され、昇降フレーム31と、開閉フレーム32とを有している。昇降フレーム31は、例えば矩形状に形成され、複数のシリンダ31aを介して本体部10に接続されている。昇降フレーム31は、シリンダ31aによってZ方向に昇降可能に設けられている。開閉フレーム32は、昇降フレーム31まで延びる接続フレーム32Aを備えている。開閉フレーム32は、例えばシリンダ装置などの不図示の駆動源により接続フレーム32Aを伸縮させ、昇降フレーム31に対してX方向に移動可能に設けられている。
昇降フレーム31、開閉フレーム32の−Z側の面(下面)には、それぞれ複数のパッド33が設けられている。各パッド33は、昇降フレーム31及び開閉フレーム32の下面から下方に延びるパッド支持部34aを介して形成される。各パッド33は、図3(B)に示すように、小パッド38を束ねた状態で形成された、いわゆるマルチパッドが用いられる。小パッド38は、それぞれ不図示の吸引機構に接続されるが、ワークWに対する吸着または解放は、パッド33ごとに行われる。なお、1つのパッド33における小パッド38の数は任意である。また、このような小パッド38を束ねたパッド33が用いられるか否かは任意であり、例えばパッド33の大きさに相当する1つのパッドが用いられてもよい。
ワーク保持部30は、開閉フレーム32をX方向に移動させることにより、+X側及び−X側のパッド33の配置をX方向に変化させることができ、X方向に長さが変化するワークWに対して、開閉フレーム32を開くことで、パッド33をワークWに対応させることが可能となる。なお、図2及び図3に示すようなローダ装置100に限定するものではなく、例えば、パッド33の位置がX方向だけでなくY方向にも移動可能なものでもよく、また、パッド33の配置が移動しない固定されたものでもよい。
また、−X側の開閉フレーム32には、連結部材35を介してパッド36が形成される。昇降フレーム31には、連結部材37を介してパッド36が形成される。連結部材35、37は、2つのパッド36の移動方向が互いに平行となるような機構を備えている。2つのパッド36は、不図示の吸引機構に接続され、ワークWに対して吸着可能である。2つのパッド36は、ワークWを所定位置に位置決めする際に用いられるが、ワークWの搬送に利用してもよい。
また、図3(A)に示すように、例えば、テーブルTBは、エンドロケータ61と、ワークホルダ62,63,64とを備える。エンドロケータ61は、ワークWの−X側の辺Waを保持し、ワークWのX方向についての位置決めを行う。図3(A)に示すテーブルTBは、例えば、パンチプレス機やレーザ加工機におけるワークWの搬入搬出部に相当する。エンドロケータ61は、第1センサ61aを備え、ワークWの辺Waがエンドロケータ61に当接したか否かを検出する。ワークホルダ62〜64は、ワークWの−Y側の辺Wbを保持する。ワークホルダ62〜64は、X方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。ワークホルダ62〜64には、それぞれ第2センサ62a,63a,64aが設けられ、ワークWの辺Wbがワークホルダ62〜64に当接したか否かを検出する。
このように、エンドロケータ61やワークホルダ62〜64によりワークWを保持することによりワークWとローダ装置100とを正確に位置決めでき、ワークWに対するパッド33、36の配置関係が正確になる。また、上記したパッド36によりワークWを保持して、これらパッド36を移動させることにより、エンドロケータ61等にワークWを適正に保持させることができる。なお、図3(A)では、パッド36によりワークWの位置決めを行っている状態を示している。これによりワークWとローダ装置100とを正確に位置決めできる。
図2及び図3に示すローダ装置100に対して、図1に示す自動プログラミング装置1によりワークWを搬送するための制御情報D1を作成する手順について説明する。図4は、ローダ装置100に対して、自動プログラミング装置1により制御情報D1を作成する手順の一例を示すフローチャートである。図4のフローチャートを説明するに際して適宜図5を参照する。
図4に示すように、まず、係数算出部2は、ワークW1の形状情報D2に基づき、搬送対象となるワークW1の形状を確認する(ステップS1)。搬送対象となるワークW1は、未加工のワークW1や、ワークW1の一部を抜き取った製品、ワークW1の一部が抜き取られた残材等である。ワークW1の形状情報D2は、上記のとおり、加工装置や加工装置より上位のコントローラ等から取得する。
次に、係数算出部2は、ワークW1に対するパッド33の位置を確認する(ステップS2)。図5は、ワークW1に対するパッド33の配置関係の一例を示す図である。図5に示す例では、ワークW1の形状は、内側部分に矩形状の孔W1aが開いた枠形状となっており、このワークW1に4つのパッド33A〜33Dが対応している。また、ワークW1は、矩形状の孔W1aの中心位置が重心位置G1となっている。係数算出部2は、ワークW1の形状や重心位置G1を例えばXY座標値として認識する。
次に、係数算出部2は、4つのパッド33A〜33DがワークW1を吸着する際の位置を確認する(ステップS2)。パッド33A〜33Dは、図2及び図3(A)に示した複数のパッド33のうちの4つのパッド33に相当する。図5に示す例では、図3と同様に各パッド33A〜33Dが、それぞれ19個の小パッド38A〜38Dを備えている。また、図5に示す例では、各パッド33A〜33Dの中心位置とワークW1の重心位置G1との距離はそれぞれ同一の距離Lとなっている。係数算出部2は、パッド33A〜33DがワークW1を吸着する際の位置(パッド33A等の中心位置)を例えばXY座標値として認識する。
次に、係数算出部2は、加工後のワークW1の形状と各パッド33A〜33Dの位置とに基づいて、各パッド33A〜33Dにおける小パッド38A〜38DがワークW1を吸着する数を確認する(ステップS3)。図5に示す例では、パッド33A〜33dにおける小パッド38A〜38Dのうち、それぞれ16個の小パッド38A等がワークW1の孔W1aの部分に位置するため、ワークW1の吸着には関与しない。一方、小パッド38A〜38Dのうち3個の小パッド38AがワークW1の吸着に関与する。
次に、係数算出部2は、ステップS3で確認した小パッド38A等の吸着数に基づいて安定係数kを算出する(ステップS4)。係数算出部2は、例えば、パッド33A〜33Dにおいて、全ての小パッド38A〜38Dの数に対して、吸着に関与する小パッド38A〜38Dの数の割合を安定係数kとして算出する。図5に示す例では、全ての小パッド38A等の数は76(19個×4)であり、吸着に関与する小パッド38A等の数は12(3個×4)である。従って、安定係数kは約15.8%(≒12/76)と算出される。安定係数kは値が大きいほど安定性が高いことを示している。
なお、上記したように、各パッド33A〜33Dから重心位置G1までの距離Lが同一であるため、係数算出部2は、補正値算出部5(図1参照)による補正値の算出を行わない。ただし、補正値算出部5により補正値0と算出してもよい。また、係数算出部2は、ワークW1の板厚、材質、及び表面状態の情報を用いて安定係数kを補正してもよい。例えば、ワークW1の板厚や材質の情報からワークW1の荷重が推定され、この荷重に基づいて安定係数kに所定の係数をかけてもよい。また、ワークW1の表面状態(例えば、表面粗度など)の情報から安定係数kに所定の係数をかけてもよい。これらワークW1の板厚、材質、及び表面状態の情報は、例えば、ワークW1の加工データとして工作機械または上位のコントローラ等から入手可能である。
次に、設定部3は、係数算出部2で算出された安定係数kが予め設定された閾値を超えるか否か判定する(ステップS5)。設定部3は、安定係数kが所定の閾値を超えると判定した場合(ステップS5のYES)、ローダ装置100がワークW1を搬送する際にワークW1の保持が十分でかつ姿勢が安定していると判断する。例えば、閾値が15%に設定されている場合、設定部3は、上記安定係数kが約15.8%であることから、ワークW1の保持が十分でかつ姿勢が安定していると判断する。
この場合、設定部3は、制御情報D1として、ワークW1の搬送速度を高速の搬送速度H1に設定する(ステップS6)。この搬送速度H1は、例えば、安全率等を見込んだうえで、ワークW1を最も高速で移動可能な速度に設定されてもよい。また、ステップS6において、設定部3は、搬送速度H1に加えて、大きな加速度A1に設定してもよい。ワークW1を搬送する際にワークW1の保持が十分でかつ姿勢が安定しているので、大きな加速度により加速または減速することが可能と判断される。なお、設定部3が加速度を設定するか否かは任意である。
また、設定部3は、安定係数kが所定の閾値に達しないと判定した場合(ステップS5のNO)、ローダ装置100がワークW1を搬送する際にワークW1の保持が不十分、またはワークW1の姿勢が安定していないと判断する。例えば、閾値が12%に設定されている場合、設定部3は、上記安定係数kが約15.8%であることから、ローダ装置100がワークW1を搬送する際にワークW1の保持が不十分、またはワークW1の姿勢が安定していないと判断する。この場合、設定部3は、制御情報D1として、ワークW1の搬送速度を低速の搬送速度H2に設定する(ステップS7)。
搬送速度H2は、搬送速度H1より低い速度に設定されている。搬送速度H2は、例えば、搬送速度H1の1/2や1/3などに設定されてもよい。また、ステップS7において、設定部3は、搬送速度H2に加えて、小さな加速度A2に設定してもよい。ワークW1の保持が不十分等のため、大きな加速度A1により加速または減速するとパッド33の吸着が外れる可能性がある。加速度A2は、加速度A1より小さく設定されている。例えば、加速度A2は、加速度A1の1/2や1/3などに設定されてもよい。
以上のステップS1〜S7により、制御情報D1が作成される。この制御情報D1は、ローダ装置100のコントローラ40に供給可能な点は、上記のとおりである。なお、制御情報D1は、搬送速度H1等や加速度A1等の他に各種情報を含んでもよい。例えば、制御情報D1は、ワークW1の搬送ルートを含んでもよい。図6は、ワークW1の搬送ルートの一例を示す図である。図6に示すように、パッド33B、33D(パッド33A、33Cも含む)は、ワークW1を吸着した後、R1方向(+Z方向)に移動し、続いて、R2方向(−X方向)に移動することでワークW1を搬送するルートと、ワークW1を吸着した後、R3方向(+Zかつ−X方向)にワークW1を搬送するルートと、がある。
このように、ワークW1を吸着した後、搬送するルートについても上記した安定係数kが閾値を超えるか否かによって変更してもよい。例えば、安定係数kが閾値を超える場合は、パッド33A等によるワークW1の保持が安定しているので、R3方向の搬送ルートを選択してもよく、一方、安定係数kが閾値に達しない場合は、パッド33A等によるワークW1の保持が不十分、またはワークW1の姿勢が不安定のため、R1方向及びR2方向の搬送ルートを選択してもよい。なお、図6において、R3方向は湾曲した搬送ルートを記載しているが直線的な方向であってもよい。
次に、自動プログラミング装置1によって制御情報D1を作成する手順の他の例について説明する。図7は、ローダ装置100に対して、自動プログラミング装置1により制御情報D1を作成する手順の他の例を示すフローチャートである。図7のフローチャートを説明するに際して適宜図8を参照する。
上記した図4のフローチャートでは、安定係数kを、ワークWに吸着する小パッド38A等の数の割合(パーセント)に基づいて算出していた。しかし、ワークWの重心位置Gと各パッド33A〜33Dとの距離によってワークWを搬送する際の安定性が変化する。本例では、係数算出部2により、ワークW2の重心位置G2と各パッド33A〜33Dとの距離などを考慮した上で安定係数kaを算出する。
図7に示すように、まず、係数算出部2は、図6と同様に、ワークW2の形状情報D2に基づき、搬送対象となるワークW2の形状を確認する(ステップS1)。搬送対象となるワークW2の形状情報D2は、上記のとおり、加工装置や加工装置より上位のコントローラ等から取得する。
次に、係数算出部2は、ワークW2に対するパッド33の位置を確認する(ステップS2)。図8は、ワークW2に対するパッド33A〜33Dの位置関係の他の例を示す図である。図8に示す例では、ワークW2の形状は、左側の領域に矩形状の孔W2aが開いており、さらに、右上の領域が矩形状に切り抜かれた切り欠き部W2bを有した形状となっている。また、ワークW2の重心位置はG2である。係数算出部2は、ワークW2の形状や重心位置G2を例えばXY座標の情報として認識する。
次に、係数算出部2は、4つのパッド33A〜33DがワークW2を吸着する際の位置を確認する(ステップS2)。図8に示す例では、各パッド33A〜33Dの中心位置とワークW2の重心位置G2との距離はそれぞれ距離L1、L2、L3、L4となっている。係数算出部2は、パッド33A〜33DがワークW2を吸着する際の位置(パッドの中心位置)を例えばXY座標の情報として認識する。
次に、係数算出部2は、加工後のワークW2の形状と各パッド33A〜33Dの位置とに基づいて、各パッド33A〜33Dにおける小パッド38A〜38DがワークW2を吸着する数を確認する(ステップS3)。図8に示す例では、パッド33Aにおける全ての16個の小パッド38AがワークW2の孔W2aに位置するため、ワークW2の吸着に関与しない。また、パッド33Bにおける小パッド38Bは、一部がワークW2の切り欠きW2bに位置し、3個の小パッド38BがワークW2の吸着に関与する。また、パッド33Cにおける小パッド38Cは、一部がワークW2の孔W2aに位置し、12個の小パッド38CがワークW2の吸着に関与する。また、パッド33Dにおける全ての19個の小パッド38DがワークW2の吸着に関与する。
次に、係数算出部2は、ステップS3で確認した小パッド38A等の吸着数に基づいて安定係数kを算出する(ステップS4)。係数算出部2は、例えば、パッド33A〜33Dにおいて、全ての小パッド38A〜38Dの数に対して、吸着に関与する小パッド38A〜38Dの数の割合を安定係数kとして算出する。図8に示す例では、全ての小パッド38A等の数は76個であり、吸着に関与する小パッド38A等の数は34個(0+3+12+19)である。従って、安定係数kは44.7%(≒34/76)と算出される。この段階で算出される安定係数は比較的大きく、安定度が高いように見受けられる。ただし、図8の左図に示すように、パッド33A,33Bにおける小パッドの吸着数が少なく、パッド33C,33Dにおける小パッドの吸着数が多いといった吸着数の偏りが生じている。
また、ワークW2の重心位置G2と各パッド33A〜33Dの位置との距離L1〜L4も異なっている。このような状況では、図8の右図に示すように、パッド33A〜33DでワークW2を吸着して持ち上げた場合、ワークW2が傾いた姿勢となる。また、図8の右図に示すワークW2の板厚tの大きさや材質によって、ワークW2の荷重が変化する。例えば、ワークW2の荷重が重くなると、パッド33A〜33Dに対する傾きの影響が大きくなり、小パッド38A等への負担が大きくなる。特に、重心位置G2より+Y側は、パッド33Bの3個の小パッド38BでワークW2を吸着しているので、小パッド38Bの負担が過大となる。
そこで、係数算出部2は、形状情報D2に基づいて、ワークW2の重心位置G2を算出し、重心位置G2と各パッド33A〜33Dの位置との距離L1〜L4を算出する(ステップS11)。続いて、係数算出部2は、補正値算出部5(図1参照)において、ステップS11で算出した距離L1〜L4と各パッド33A〜33Dの吸着数とをそれぞれ乗算した値に基づいて補正値c1を算出する。また、補正値算出部5は、形状情報D2等からワークW2の板厚tや材質を確認し、ワークW2の荷重に応じた補正値c2を算出する(ステップS12)。補正値算出部5による補正値の算出は、予め用意されたテーブルから該当する数値を適用してもよいし、所定の計算式により求められる数値であってもよい。
係数算出部2は、ステップS4で算出された安定係数kに対して各補正値c1、c2に基づき補正し、新たな安定係数kaを算出する。例えば、安定係数kが44.7%であり、補正値c1が0.5であり、補正値c2が0.7であるとした場合、安定係数kと補正値c1、c2を掛け合わせると、新たな安定係数kaとして15.645%の値が得られる。
次に、設定部3は、補正後の安定係数kaが予め設定された閾値以上であるか否か判定する(ステップS5A)。設定部3は、安定係数kaが所定の閾値を超えると判定した場合(ステップS5AのYES)、ローダ装置100がワークW2を搬送する際にワークW2の保持が十分でかつ姿勢が安定していると判断する。例えば、閾値が15%に設定されている場合、設定部3は、上記安定係数kaが約15.645%であることから、ワークW2の保持が十分でかつ姿勢が安定していると判断する。この場合、図4に示す場合と同様に、設定部3は、制御情報D1として、ワークW2の搬送速度を高速の搬送速度H1に設定する(ステップS6)。また、ステップS6において、設定部3は、搬送速度H1に加えて、大きな加速度A1に設定してもよい。なお、設定部3が加速度を設定するか否かは任意である。
また、設定部3は、安定係数kaが所定の閾値に達しないと判定した場合(ステップS5AのNO)、ローダ装置100がワークW1を搬送する際にワークW1の保持が不十分、またはワークW1の姿勢が安定していないと判断する。例えば、閾値が12%に設定されている場合、設定部3は、安定係数kaが約15.645%であることから、ローダ装置100がワークW1を搬送する際にワークW1の保持が不十分、またはワークW1の姿勢が安定していないと判断する。この場合、設定部3は、制御情報D1として、ワークW1の搬送速度を低速の搬送速度H2に設定する(ステップS7)。また、ステップS7において、設定部3は、搬送速度H2に加えて、小さな加速度A2に設定してもよい。
以上のステップS1〜S7により、制御情報D1が作成される。この制御情報D1は、ローダ装置100のコントローラ40に供給可能な点は、上記のとおりである。
このように、本実施形態によれば、安定係数k、kaに基づいて、制御情報D1のうち少なくともワークの搬送速度を設定するので、ワークに対してパッドが確実に吸着しているような安定係数が高い場合は搬送速度を上げてワークW等を早く搬送することができ、ワークWの搬送効率を向上させることができる。一方、安定係数k、kaが低い場合は搬送速度を低速としてワークWが安定した状態で慎重に搬送することができる。
<ローダ装置及び板材搬送方法>
図9は、実施形態に係るローダ装置100を備えた板材加工システム200の一例を示す図である。図9に示すように、板材加工システム200は、ローダ装置100と、加工装置210と、を備えている。ローダ装置100のレールRaは、加工装置210のテーブルTBに対してワークWの搬入または搬出可能に配置されている。ローダ装置100は、テーブルTBに対して未加工のワークWを搬入し、また、テーブルTBに載置された加工済みのワークW(例えば、製品や残材)を搬出する。なお、ローダ100においてワークWを吸着する構成は図2及び図3と同様である。
図9は、実施形態に係るローダ装置100を備えた板材加工システム200の一例を示す図である。図9に示すように、板材加工システム200は、ローダ装置100と、加工装置210と、を備えている。ローダ装置100のレールRaは、加工装置210のテーブルTBに対してワークWの搬入または搬出可能に配置されている。ローダ装置100は、テーブルTBに対して未加工のワークWを搬入し、また、テーブルTBに載置された加工済みのワークW(例えば、製品や残材)を搬出する。なお、ローダ100においてワークWを吸着する構成は図2及び図3と同様である。
加工装置210は、例えば、パンチプレス機やレーザ加工機である。加工装置210は、ローダ装置100によりテーブルTBに未加工のワークWが搬入され、加工部211によりワークWの加工を行う。加工済みのワークW(例えば、製品)は、テーブルTBからローダ装置100により所定の保管棚等に搬出される。なお、製品が抜き取られたあとの残材は、例えば、ローダ装置100によって搬送してもよく、また、不図示のグリッパ装置等によりテーブルTBから排出されてもよい。
加工装置210は、加工部211等を制御する制御部212を備える。制御部212は、ローダ装置100のコントローラ40との間で各種情報の送受信を行っている。なお、制御部212及びコントローラ40は、別に構成されることに代えて、1つの制御装置中に制御部212及びコントローラ40の機能を含んで構成されてもよい。コントローラ40は、図9に示すように、係数算出部2と、設定部3と、を含んでいる。これら係数算出部2及び設定部3は、上記した自動プログラミング装置1に備えるものと同様である。また、図9に示すコントローラ40では、記憶部4(図1参照)の記載を省略している。
コントローラ40は、係数算出部2により、ワークWに対するパッド33(図2及び図3参照)の吸着位置に基づいてワークWの搬送状態に関する安定係数k、kaを算出し、設定部3により、安定係数k、kaに基づいて、少なくともワークWの搬送速度を設定する。コントローラ40は、設定部3の設定に基づいて、高速または低速によるワークWの搬送速度を指示する。コントローラ40におけるワークWの搬送速度の指示は、上記した図4または図7に示すフローチャートと同様の手順により決定される。すなわち、コントローラ40により、ワークWに対するパッド33の吸着位置に基づいて、ワークWの搬送状態に関する安定係数k、kaを算出することと、安定係数k、kaに基づいて、少なくともワークWの搬送速度を設定することと、とを含んだ板材搬送方法が実施される。
なお、ワークWの搬送速度を3段階以上に分けて設定してもよく、また、加速度を設定してもよい点は、上記した自動プログラミング装置1と同様である。また、コントローラ40は、パッド33(図2等参照)がワークWを吸着した状態のデータに基づいて安定係数kを算出してもよい。また、コントローラ40は、加工装置210によるワークWの加工開始または加工終了のタイミングを制御部212等から取得し、ワークWの搬送を制御してもよい。このとき、コントローラ40は、設定部3により設定された搬送速度に対して、加工装置210の状況に応じてワークWの搬送速度等を変更してもよい。例えば、テーブルTB上で製品をピックアップする場合、加工部211で次のワークWの加工終了までに時間があるときは、搬送速度を高速から低速に切り替えてもよい。また、板材加工システム200において、2台以上のローダ装置100が使用されてもよい。この場合、各ローダ装置100は、それぞれコントローラ40により高速または低速でワークWを搬送してもよく、また、高速用のローダ装置と低速用のローダ装置とで分けてもよい。
図10は、ローダ装置100の動作の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS5、S5Aにおいて、安定係数k、kaが閾値に達していない場合(ステップS5、S5AのNO)、設定部3は、安定係数k、kaが下側閾値を超えるか否かを判定する(ステップS21)。下側閾値は、予め記憶部4等に記憶されており、パッド33によるワークWの搬送が難しい場合の値に設定されている。ステップS21において、安定係数k、kaが下側閾値を超える場合(ステップS21のYES)は、図4または図7のステップS7に移行する。
ステップS21において、安定係数k、kaが下側閾値に達していない場合(ステップS21のNO)は、ローダ装置100のコントローラ40は、ワークWの搬送不可、またはリトライを指示する(ステップS22)。コントローラ40は、ワークWの搬送不可を指示する場合、ローダ装置100に備える不図示の表示装置等に搬送不可であることが表示してもよいし、上位のコントローラへの通知や音や光等によってオペレータ等に通知してもよい。また、リトライする場合、コントローラ40は、一旦パッド33によるワークWの吸着を解除し、同一または異なる吸着位置にパッド33を吸着させる。リトライの場合は、例えば、再度安定係数kを算出して下側閾値を超えるか否かを判定してもよい。
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記したローダ装置100のように開閉フレーム32(図2及び図3参照)によってパッド33の位置を変更可能な場合、自動プログラミング装置1またはコントローラ40は、ワークWに対してパッド33の配置が最適となるように検討し、このパッド33の最適な配置に基づいて安定係数k、kaを算出してもよい。また、安定係数k、kaが低い場合、パッド33の配置を変えて安定係数k、kaの算出を行ってもよい。
W、W1、W2…ワーク
c1、c2…補正値
D1…制御情報
D2…ワークの形状情報
D3…パッドの配置情報
G1、G2…重心位置
H1、H2…搬送速度
k、ka…安定係数
1…自動プログラミング装置
2…係数算出部
3…設定部
5…補正値算出部
33、33A〜33D…パッド
38、38A〜38D…小パッド
40…コントローラ
100…ローダ装置
c1、c2…補正値
D1…制御情報
D2…ワークの形状情報
D3…パッドの配置情報
G1、G2…重心位置
H1、H2…搬送速度
k、ka…安定係数
1…自動プログラミング装置
2…係数算出部
3…設定部
5…補正値算出部
33、33A〜33D…パッド
38、38A〜38D…小パッド
40…コントローラ
100…ローダ装置
Claims (13)
- 板状のワークをパッドで吸着して搬送するローダ装置に供給可能な制御情報を作成する自動プログラミング装置であって、
前記ワークに対する前記パッドの吸着位置に基づいて、前記ワークの搬送状態に関する安定係数を算出する係数算出部と、
前記係数算出部により算出された前記安定係数に基づいて、前記制御情報のうち少なくとも前記ワークの搬送速度を設定する設定部と、を備える、自動プログラミング装置。 - 前記係数算出部は、前記ワークの形状情報に対する前記パッドの配置関係を用いて前記安定係数を算出する、請求項1記載の自動プログラミング装置。
- 前記パッドが、前記ワークをそれぞれ吸着可能な複数の小パッドにより構成される場合に、前記係数算出部は、前記小パッドのうち前記ワークに吸着可能な数を用いて前記安定係数を算出する、請求項2記載の自動プログラミング装置。
- 前記係数算出部は、前記ワークの板厚、材質、及び表面状態のうち少なくとも一つを用いて前記安定係数を補正する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動プログラミング装置。
- 前記係数算出部は、前記ワークの重心位置に対する前記パッドの配置関係から、前記ワークを搬送する際の前記ワークの姿勢に関する補正値を算出し、前記補正値に基づいて前記安定係数を補正する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の自動プログラミング装置。
- 前記ローダ装置が複数の前記パッドを備える場合に、前記係数算出部は、前記ワークの重心位置に対する前記パッドのそれぞれの配置関係と、前記パッドのそれぞれで予測される吸着状態と、を用いて前記補正値を算出する、請求項5記載の自動プログラミング装置。
- 前記設定部は、前記ワークの搬送速度に加えて加速度を前記制御情報として設定する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の自動プログラミング装置。
- 前記設定部は、前記安定係数が予め設定された閾値に達しない場合に、前記ワークの搬送速度を、前記安定係数が前記閾値を超える場合に設定される搬送速度よりも低い搬送速度に設定する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の自動プログラミング装置。
- 前記設定部は、前記安定係数が予め設定された閾値に達しない場合に、加速度を、前記安定係数が前記閾値を超える場合に設定される加速度よりも小さい加速度に設定する、請求項8記載の自動プログラミング装置。
- 板状のワークを吸着して搬送するパッドと、前記パッドで吸着した前記ワークの搬送を制御するコントローラと、を備えるローダ装置であって、
前記コントローラは、前記ワークに対する前記パッドの吸着位置に基づいて、前記ワークの搬送状態に関する安定係数を算出する係数算出部と、
前記係数算出部により算出された前記安定係数に基づいて、少なくとも前記ワークの搬送速度を設定する設定部と、を備える、ローダ装置。 - 前記コントローラは、前記ワークに対する前記パッドの吸着状態に基づいて、前記係数算出部により前記安定係数を算出する、請求項10記載のローダ装置。
- 前記コントローラは、前記安定係数が予め設定された下側閾値を下回ると前記設定部で判定した場合、前記ワークの搬送中止、または、再度前記パッドによる前記ワークの吸着を指示する、請求項10または請求項11記載のローダ装置。
- 板状のワークをパッドで吸着して搬送する板材搬送方法であって、
前記ワークに対する前記パッドの吸着位置に基づいて、前記ワークの搬送状態に関する安定係数を算出することと、
前記安定係数に基づいて、少なくとも前記ワークの搬送速度を設定することと、を含む、板材搬送方法。
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