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JP2016202671A - 遊技機 - Google Patents

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JP2016202671A JP2015089320A JP2015089320A JP2016202671A JP 2016202671 A JP2016202671 A JP 2016202671A JP 2015089320 A JP2015089320 A JP 2015089320A JP 2015089320 A JP2015089320 A JP 2015089320A JP 2016202671 A JP2016202671 A JP 2016202671A
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Abstract

【課題】スロットマシン等の遊技機に関し、ART等の有利遊技中に、上乗せゲーム数等の利益値の保障値(例えば上乗せ保障ゲーム数等)を予め設定しておき、遊技者が獲得した上乗せゲーム数等のトータル値が保障値に満たない場合に、保障値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにしたものである。【解決手段】利益値抽選手段252、利益値抽選手段252により決定された利益値のトータル値を算出するトータル値算出手段253、トータル値算出手段253により算出されるトータル値の最小限度を保障値として予め記憶した保障値記憶手段254、トータル値が保障値記憶手段254に記憶された保障値を超えている場合に、トータル値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにし、トータル値が保障値に満たない場合に、保障値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにする保障管理手段255を備える。【選択図】図5

Description

この発明は、スロットマシン等の遊技機に関し、ART等の有利遊技中に、上乗せゲーム数等の利益値の保障値(例えば上乗せ保障ゲーム数等)を予め設定しておき、遊技者が獲得した上乗せゲーム数等のトータル値が保障値に満たない場合に、保障値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにしたものである。
従来、ART遊技から移行する複数回の特別上乗せゲームにおいて、所定の上乗せ抽選により獲得したゲーム数を報知し、獲得したゲーム数の総数をART遊技へ加算するようにしたスロットマシン等の「遊技機」が知られている(特許文献1の段落番号「0729」、「0730」、「0734」及び「0735」、並びに図132及び図133参照)。
上記従来の特別上乗せゲームには、保障ゲーム数(5G〜16G)が設定されている。
また、従来、通常遊技から移行する無限有利遊技(ART)の所定の期間に対して保障値(300回)が設定され、所定の期間に渡って、無限有利遊技(ART)の遊技結果に関する数(遊技回数)をカウントし、カウント値が保障値よりも小さかったときには、所定の有利な制御を実行するようにしたスロットマシン等の「遊技機」が知られている(特許文献2の段落番号「0064」〜「0069」及び図3参照)。
さらに、従来、所定の遊技期間(5G)からなるポイント獲得遊技において、各獲得遊技で所定のポイントが獲得できなかった場合、その遊技にてポイントを補てんするようにした「スロットマシン」が知られている(特許文献3の請求項1、請求項2、段落番号「0168」、「0169」、「0202」、並びに図31及び図36〜38参照)。
また、従来、通常モードから移行するBBモードにおいて、BBモード中、払出し前の総獲得枚数が所定枚数(480枚)に達するか否かを判定し、「所定枚数−獲得枚数」を算出し、算出した枚数を獲得枚数とするようにした遊技機用の「プログラム及び記録媒体」が知られている(特許文献4の段落番号「0042」〜「0044」及び図3参照)。
特開2013-173027号公報 特開2013-022058号公報 特開2012-095754号公報 特開2005-144050号公報
しかし、上記した従来の特許文献1では、保障ゲーム数が、特別上乗せゲームの期間の長さであって、上乗せゲームを消化(期間が経過)する毎に減算されるゲーム数に過ぎず、特別上乗せゲームにおいて、ART遊技に加算されるゲーム数が保障されるものでなく、遊技者の技量差や偶然等により左右されやすく、遊技者に公平に利益を分配できないという危険性があった。
また、上記した従来の特許文献2では、保障値が、所定の期間の長さ、を示すものであって、所定の期間においてBBに当選した場合、カウント値と保障値を比較し、「カウント値<保障値」ならば、所定の期間の残り分のART遊技が、所定の期間が終了した後のBBの終了後に実行されるに過ぎず、上記した従来の特許文献1と同様に、ART遊技に加算されるゲーム数が保障されるものでない。
さらに、上記した従来の特許文献3は、各獲得遊技で規定のポイントを獲得できなかった場合、所定の遊技期間内に補てんする、ものであるが、所定の期間内ではあるものの、基本、毎遊技で回補てんするものであり、所定の期間内の総数を担保するものでなく、又、ポイントを獲得できなかった場合、単に、抽選により決定したポイントを補てんするものに過ぎない。
また、上記した従来の特許文献4では、所定枚数は、BBモードで獲得可能な最大の枚数(上限値)であって、下限値ではなく、最大枚数を超えて獲得するときに、最大枚数を超えない枚数を算出するものに過ぎない。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技者が獲得した利益値のトータル値が保障値を超えている場合に、保障値を超えた利益を遊技者に享受させることができるようにするとともに、運悪く、トータル値が保障値に満たない場合にも、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができるようにしたものである。
その結果、請求項1に記載の発明によれば、遊技者の技量差や偶然等に影響されずに、最低限、保障値による利益を遊技者に公平に分配することができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
すなわち、請求項2に記載の発明は、終了条件の成立を契機として、トータル値と保障値とを比較させることで、終了条件の成立時において、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
すなわち、請求項3に記載の発明は、複数ゲームの最終ゲームにおいて、トータル値が保障値に満たない場合に、当該保障値との差分値を求め、当該差分値をトータル値に加算することで、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができるようにしたものである。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項3に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
すなわち、請求項4に記載の発明は、最終ゲームにおいて利益値抽選手段により決定された利益値に、保障値との差分値を加算した合計値を、遊技者に報知することができるようにしたものである。
その結果、請求項4に記載の発明によれば、保障の結果を遊技者にわかりやすく報知することができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
すなわち、請求項5に記載の発明は、継続抽選の繰り返し回数をカウントすることで、利益値を構成する基準値を増加させることできるようにしたものである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
すなわち、請求項6に記載の発明は、継続率を抽選により決定することで、継続抽選の繰り返し回数を変化させることできるようにしたものである。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、次の点を目的とする。
すなわち、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同様の技術思想の下、有利遊技における上乗せゲーム数を保障することができるようにしたものである。
これに加え、請求項7に記載の発明は、トータルゲーム数を複数回の抽選により決定し、各回の抽選により決定された上乗せゲーム数を遊技者に報知することができるようにしたものである。
さらに、請求項7に記載の発明は、最終回に実行される抽選においては、加算ゲーム数が保障ゲーム数に満たない場合に、保障ゲーム数との差分を求め、当該差分ゲーム数に最終上乗せゲーム数を加算して得られた合計ゲーム数を、遊技者に報知することができるようにしたものである。
その結果、請求項7に記載の発明によれば、保障の結果を遊技者にわかりやすく報知することができる。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、次の点を目的とする。
すなわち、請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同様の技術思想の下、有利遊技における上乗せ区間を保障することができるようにしたものである。
これに加え、請求項8に記載の発明は、複数ゲーム間において、上乗せ抽選確率を高確率に設定することができるようにしたものである。
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技の進行に伴って、遊技者の利益を規定する利益値を決定し、当該決定された利益値の値が高いほど、その後の遊技を有利に展開できるようにした遊技機(10)において、予め設定された抽選条件が満たされた場合に、前記利益値を抽選により決定する利益値抽選手段(252)と、前記利益値抽選手段(252)により決定された利益値のトータル値を算出するトータル値算出手段(253)と、前記トータル値算出手段(253)により算出される前記トータル値の最小限度を保障値として予め記憶した保障値記憶手段(254)と、前記トータル値算出手段(253)により算出されたトータル値が前記保障値記憶手段(254)に記憶された保障値を超えている場合に、当該トータル値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにし、前記トータル値算出手段(253)により算出されたトータル値が前記保障値記憶手段(254)に記憶された保障値に満たない場合に、当該保障値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにする保障管理手段(255)と、を備えていることを特徴とする。
本請求項1に記載の発明は、「トータル値>保障値」の場合と、「トータル値<保障値」の場合と、を特定したものである。
「利益値」の獲得のしかたによっては、「トータル値=保障値」の場合も考えられる。すなわち、「トータル値=保障値」の場合は、結果として同じであるため、「保障値」を「利益値」としてもよいし、或いは「トータル値」を「利益値」としてもよい。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2に記載の発明は、所定の開始条件が成立した後に前記抽選条件を満たすと、前記利益値抽選手段(252)による抽選を実行させ、前記開始条件が成立した後に成立する所定の終了条件が成立すると、前記保障管理手段(255)により前記トータル値と前記保障値とを比較させ、当該比較した結果、前記トータル値又は前記保障値を用いて、その後の遊技を有利に展開できるようにしていることを特徴とする。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項3に記載の発明は、前記利益値抽選手段(252)は、予め設定された複数ゲームの期間内において抽選が実行され、前記保障管理手段(255)は、前記複数ゲームの最終ゲームにおいて、前記利益値抽選手段(252)により抽選が実行され、当該抽選により決定された利益値を加算した前記トータル値が前記保障値に満たない場合に、当該保障値との差分値を求め、当該差分値を前記トータル値に加算することで、最終ゲームの後の遊技を有利に展開できるようにしていることを特徴とする。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項3に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項4に記載の発明は、前記利益値抽選手段(252)により決定された利益値を、報知手段(70)により報知可能な報知制御手段(331)を備え、前記保障管理手段(255)は、前記差分値を、前記最終ゲームにおいて前記利益値抽選手段(252)により決定された利益値に加算して合計値を求め、前記報知制御手段(331)は、前記保障管理手段(255)が求めた前記合計値を、前記最終ゲームにおいて前記利益値に代えて前記報知手段(70)により報知させるようにしていることを特徴とする。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項5に記載の発明は、前記利益値抽選手段(252)に、前記利益値を構成する基準値を抽選により決定する基準値抽選手段(400)と、前記基準値を増加させるための継続抽選を実行し、当該継続抽選に当選したことを条件に、前記継続抽選を繰り返して実行可能な継続抽選手段(410)と、前記継続抽選手段(410)による前記継続抽選の繰り返し回数をカウント可能なカウント手段(430)と、前記継続抽選に外れ、当該継続抽選の繰り返しの終了後、前記基準値抽選手段(400)により決定された前記基準値と、前記カウント手段(430)のカウント値とを乗算した乗算値を算出する利益値算出手段(440)とを備え、前記利益値抽選手段(252)は、前記利益値算出手段(440)により算出される前記乗算値を前記利益値として決定するようにしていることを特徴とする。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項6に記載の発明は、前記継続抽選手段(410)が、予め定められた継続率で当選か否かを決定する継続抽選を実行可能なものであり、前記利益値抽選手段(252)は、前記継続抽選手段(410)による前記継続抽選が繰り返し実行される前に、前記継続抽選の継続率を抽選により決定する継続率抽選手段(420)を備えることを特徴とする。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項7に記載の発明は、通常遊技と、前記通常遊技より遊技者に有利で、複数のゲーム数の間、実行可能な有利遊技とを有する遊技機(10)において、前記有利遊技において、少なくとも複数回の抽選が実行され、当該抽選により上乗せゲーム数を決定する利益値抽選手段(252)と、前記利益値抽選手段(252)により決定された前記上乗せゲーム数のトータルゲーム数を算出するトータル値算出手段(253)と、前記トータル値算出手段(253)により算出される前記トータルゲーム数の最小値を保障ゲーム数として予め記憶した保障値記憶手段(254)と、前記複数回の抽選のうち、最終回に実行される最終抽選を除き、前記最終回に至る間に実行された抽選により決定された前記上乗せゲーム数を報知手段(70)により毎回報知した後、当該報知した前記上乗せゲーム数の加算後の前記トータルゲーム数を報知する報知制御手段(331)と、前記最終抽選において、当該最終抽選により決定された最終上乗せゲーム数を前記トータルゲーム数に加算して得られた加算ゲーム数が、前記保障値記憶手段(254)に記憶された前記保障ゲーム数を超えている場合に、前記最終上乗せゲーム数を前記報知手段(70)により報知させた後、前記加算ゲーム数を前記報知手段(70)により前記トータルゲーム数として報知させ、前記加算ゲーム数が前記保障ゲーム数に満たない場合に、当該保障ゲーム数との差分を求め、当該差分ゲーム数に前記最終上乗せゲーム数を加算して得られた合計ゲーム数を前記報知手段(70)により報知させた後、前記保障ゲーム数を前記報知手段(70)により前記トータルゲーム数として報知させる保障管理手段(255)と、を備えていることを特徴とする。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項8に記載の発明は、通常遊技を制御する通常遊技制御手段(例えば遊技状態制御手段240)と、前記通常遊技より有利で、予め設定された所定の遊技区間の有利遊技を制御する有利遊技制御手段(250)と、前記有利遊技の前記遊技区間を延長可能な上乗せ区間を上乗せ抽選により決定するとともに、予め設定された複数ゲーム間において複数回の前記上乗せ抽選を実行する上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)と、前記複数ゲーム間において前記上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)により決定された前記決定区間のトータル区間を算出し、前記複数ゲームの終了時までに算出された前記トータル区間と前記保障区間とを比較し、前記トータル区間が前記保障区間に対し長い場合に、当該トータル区間を遊技者に付与し、前記トータル区間が前記保障区間に対し短い場合に、前記保障区間以上の前記上乗せ区間を遊技者に付与する上乗せ管理手段(例えば保障管理手段255)とを備え、前記上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)は、前記複数ゲームを少なくとも前半ゲームと後半ゲームとに仮に区切り、前記前半用の上乗せ抽選確率が、前記前半ゲームにおいて前記保障区間を獲得させるために、高確率に仮に設定され、前記後半用の上乗せ抽選確率が、前記前半用の上乗せ抽選確率に比較し、低確率に仮に設定された場合を仮想し、前記複数ゲーム間において、前記上乗せ抽選確率が一定に設定された所定抽選確率を用い、当該所定抽選確率を前記仮想した前記後半用の上乗せ抽選確率より高確率に設定していることを特徴とする。
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、遊技者が獲得した利益値のトータル値が保障値を超えている場合に、保障値を超えた利益を遊技者に享受させることができるようにするとともに、運悪く、トータル値が保障値に満たない場合にも、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができる。
その結果、請求項1に記載の発明によれば、遊技者の技量差や偶然等に影響されずに、最低限、保障値による利益を遊技者に公平に分配することができる。
例えば、所定の確率に従った抽選により利益値を決定する場合、例え同じ回数だけ複数の利益値を決定したとしても、これらのトータル値は、必ずしも毎回同じトータル値となる訳ではない。例えば、或るトータル値は大きな利益を示す値(例えば500ゲーム・500枚・500Pt(ポイント、以下「Pt」という。))になったり(上振れを起こしたり)、或るトータル値は小さな利益を示す値(例えば10ゲーム・10枚・10Pt)になったり(下振れを起こしたり)する。この様に、トータル値は、抽選により決定される利益値のトータル(合計・総計)であるため、このトータル値そのままに基づいて、その後の遊技を展開すると、遊技の有利さに大きな幅が生じてしまうことがある。
これに対し、請求項1に係る発明では、トータル値そのままではなく、トータル値と保障値とを比較した結果に応じて、その後の遊技を展開するようにしている。このため、トータル値が大きな利益を示す値となって、その後の遊技が「有利さ:大」で展開されたとしても、これ(上振れ)を許容している。一方、トータル値が小さな利益を示す値となって、その後の遊技が「有利さ:小」で展開される場合には、これ(下振れ)を許容せずに、予め定めた保障値に基づいて、その後の遊技が「有利さ:中(>小)」で展開されるようにするものである。
従って、遊技者は、最低限の有利さ(中)が保障されたなかで、利益値を決定する遊技を行うことができつつも、その後の遊技が「有利さ:大」で展開されることを期待することができる。しかも、利益値を決定していくなかで、例えば利益値が少ない場合に抽選確率を上げたり、或いは利益値が多い場合に抽選確率を下げたりするなど、トータル値を算出するまでの抽選確率を必ずしも変化させる必要がないため、利益値抽選手段で用いる抽選テーブルが少なくなって容量が削減され、簡易な抽選処理を実現することができる。これは、請求項1記載の発明に係る利益値抽選手段や保障管理手段をメイン制御基板に設けたときに、好適となるものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、終了条件の成立を契機として、トータル値と保障値とを比較させることで、終了条件の成立時において、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができる。
(請求項3)
請求項3に記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項3に記載の発明によれば、複数ゲームの最終ゲームにおいて、トータル値が保障値に満たない場合に、当該保障値との差分値を求め、当該差分値をトータル値に加算することで、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明によれば、上記した請求項3に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項4に記載の発明によれば、最終ゲームにおいて利益値抽選手段により決定された利益値に、保障値との差分値を加算した合計値を、遊技者に報知することができる。
その結果、請求項4に記載の発明によれば、保障の結果を遊技者にわかりやすく報知することができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明によれば、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項5に記載の発明によれば、継続抽選の繰り返し回数をカウントすることで、利益値を構成する基準値を増加させることできる。
(請求項6)
請求項6に記載の発明によれば、上記した請求項5に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項6に記載の発明によれば、継続率を抽選により決定することで、継続抽選の繰り返し回数を変化させることできる。
(請求項7)
請求項7に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項7に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の技術思想の下、有利遊技における上乗せゲーム数を保障することができる。
これに加え、請求項7に記載の発明によれば、トータルゲーム数を複数回の抽選により決定し、各回の抽選により決定された上乗せゲーム数を遊技者に報知することができる。
さらに、請求項7に記載の発明によれば、最終回に実行される抽選においては、加算ゲーム数が保障ゲーム数に満たない場合に、保障ゲーム数との差分を求め、当該差分ゲーム数に最終上乗せゲーム数を加算して得られた合計ゲーム数を、遊技者に報知することができる。
その結果、請求項7に記載の発明によれば、保障の結果を遊技者にわかりやすく報知することができる。
(請求項8)
請求項8に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項8に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の技術思想の下、有利遊技における上乗せ区間を保障することができる。
これに加え、請求項8に記載の発明によれば、複数ゲーム間において、上乗せ抽選確率を高確率に設定することができる。
本発明の実施の形態であって、遊技機の概略正面図である。 本発明の実施の形態であって、図柄の配列を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態であって、遊技制御手段を説明するための概略ブロック図である。 本発明の実施の形態であって、図3の遊技状態制御手段の詳細を説明するための概略ブロック図である。 本発明の実施の形態であって、図3の有利遊技制御手段の詳細を説明するための概略ブロック図である。 本発明の実施の形態であって、メイン制御手段側で管理されている遊技状態の一例の説明図である。 本発明の実施の形態であって、メイン制御手段及びサブ制御手段が共働で管理されている遊技状態の一例の説明図である。 本発明の実施の形態であって、役の構成の一例を説明するための図表である。 本発明の実施の形態であって、図8に続く図表である。 本発明の実施の形態であって、図9に続く図表である。 本発明の実施の形態であって、役抽選の抽選対象・抽選結果の一例を説明するための図表である。 本発明の実施の形態であって、図11に続く図表である。 本発明の実施の形態であって、遊技の概略の流れの一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態であって、第2ART状態のAT状態の処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態であって、図14に続くフローチャートである。 本発明の実施の形態であって、上乗せ獲得パターンの一例である例1を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態であって、図16における報知画像の一例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態であって、上乗せ獲得パターンの一例である例2を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態であって、上乗せ獲得パターンの一例である例3を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態であって、上乗せ獲得パターンの一例である例4を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態であって、上乗せ獲得パターンの一例である例5を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態であって、利益値抽選手段の詳細を説明するための概略ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態であって、特殊上乗せゲーム数抽選の流れの一例を説明するための説明図である。 本発明の第3の実施の形態であって、初期ゲーム数抽選の流れの一例を説明するための説明図である。
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前方向」とし、その逆方向を「後方向」とする。また、同様に、「左方向」や「右方向」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
(上パネル20)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。
(図柄表示窓部16)
この上パネル20の略中央には、3個のリール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全てのリール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、リール62の正面側に設けられて、リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。リール62は、図柄表示窓部16を介して複数の図柄61を変動表示可能なものである。
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の奥には、3個の駆動モータによってリール62を回転させるためのリールユニット60が配置されている。
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像で報知させる演出装置70が形成されている。この演出装置70は、前扉14に配置されたスピーカー72と、画像表示部84と、演出用ランプ78とを備えている。
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記画像表示部84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部に配置された下部ランプ82とを備えている。
(下パネル22)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。
(操作部30)
そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38から予めメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
(精算スイッチ36)
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
(ストップスイッチ50)
この精算スイッチ36の左側には、操作により対応するリール62の回転を停止させるため、3個のリール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。
すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数のリール62それぞれに対応して設けられ、複数のリール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
(スタートスイッチ40)
ストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件にリール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
(マックスベットスイッチ34)
スタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。
なお、本実施の形態では、後述するように有効ライン86は1本であるため、マックスベットスイッチ34の他に、クレジットしたメダルを1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けていないが、有効ラインを1本以外の2本以上の複数本設定されている場合は、投入枚数を遊技者が選択可能にするために、シングルベットスイッチを設けるようにしてもよい。
(ホッパーユニット24)
前記前扉14の下部の奥には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24(図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
(メダル払出口28、メダル受け皿26)
そして、前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。
このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
(1回の遊技及び有効ライン86)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。
そして、スタートスイッチ40の押下操作により、リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、「有効ライン86」という。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
なお、「有効ライン86」は、後述の遊技結果判定手段230の判定対象となるラインを意味し、後述する小役の「入賞」等は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左リール64の下段と、中リール66及び右リール68の中段とを結んだ1本のみからなるものである。また、有効ライン86は1本に限定されず、2本以上であってもよい。
(図柄61)
図2に示すように、左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、「R7」(赤7)、「W7」(白7)、「B1」(ベル1)、「B2」(ベル2)、「CH」(チェリー)、「WM」(スイカ)、「RP」(再遊技、リプレイ)、「BR」(ブランク)、「D1」(オレンジ1)、「D2」(オレンジ2)の複数の種々の図柄61が形成されている。
なお、図柄61の種類や配列は、図2に例示したものに限定されない。
これら図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたリールテープ63をリール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、図2の図柄番号(コマ番号)は、リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
(遊技制御手段100)
遊技機10の内部には、図3に示すように、遊技機10の全体の動作を制御するための遊技制御手段100が形成されている。
前記遊技制御手段100は、大別すると、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御手段300とを備えている。
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われている。
メイン制御手段200は、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50等の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24の作動を制御する。
サブ制御手段300は、メイン制御手段200からコマンドを入力し、画像表示部84等の演出装置70の作動を制御する。
サブ制御手段300の出力側には、演出装置70としてのスピーカー72、画像表示部84、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御手段200、サブ制御手段300のそれぞれは、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、遊技結果判定手段230、遊技状態制御手段240、有利遊技制御手段250、ホッパー制御手段260及び送信制御手段270の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
なお、これらの手段の全てをメイン制御手段200が制御することなく、その一部をサブ制御手段300側で制御してもよいし、或いはメイン制御手段200とサブ制御手段300とが協同して制御するようにしてもよい。
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、リール62の回転及び停止を制御し、リール62がすべて停止したときに停止図柄判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を実行するためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として「3」が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技でのリール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべてのリール62の回転が開始する。
リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサによりリール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応したリール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべてのリール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、図8〜図10に例示した役構成に対応した枚数のメダルが遊技者に対して払い出される。
メイン制御手段200により制御される遊技状態としては、図6に示すように、大別すると、「ノーマル状態」(RT0、NOM)、「RT状態」(RT2〜5)、「RT1状態」(RT1)が設けられている。「RT」は、いわゆる「リプレイ・タイム」の略語であり、「RT状態」においては、「ノーマル状態」及び「RT1状態」と比較し、リプレイ役が当選するリプレイ確率が高確率に設定されている。なお、詳細については、図6を用いて後述する。
また、メイン制御手段200により主として制御され、当該メイン制御手段200からのコマンドによりサブ制御手段300の制御により実行される遊技状態としては、図7に示すように、大別すると、「通常状態」(非AT状態)と、「AT状態」とが設けられている。「AT」は、いわゆる「アシスト・タイム」の略語であり、本実施の形態では、「AT」中の状態を、「AT状態」ともいう。
AT状態は、ストップスイッチの押し順が設定された抽選結果(役)に当選した場合に押し順(例えば、遊技者にとって有利な役が成立する特定の押し順)を報知する確率が高く設定されている。「AT状態」は、開始及び終了がメイン制御手段200により制御され、メイン制御手段200からのコマンドにより、サブ制御手段300のAT状態制御手段330により実行される。具体的には、サブ制御手段300に接続された画像表示部84を用いて、ストップスイッチ50の押し順が視覚的に報知される。
なお、「AT状態」の開始及び終了を、メイン制御手段200により制御したが、これに限定されず、サブ制御手段300と共働して制御するようにしてもよい。
「AT状態」には、大別すると、「ART準備状態」と、「ART状態」と、「上乗せ特化状態」(上乗せ特化ゾーン)とが設けられている。「ART」は、「RT」と「AT」を組み合わせた遊技性であり、本実施の形態では、「有利遊技」を構成し、又、「ART」中の状態を「ART状態」ともいう。具体的には、図6において、「RT4」又は「RT5」の状態であり、且つ図7においては「第1ART状態」又は「第2ART状態」にある。
「非AT状態」は、「AT状態」と異なり、ストップスイッチ50の押し順の報知が発生しづらい遊技状態であり、「通常一般状態」、「特殊特化状態」及び「ART前兆状態」が設けられている。
本実施形態では、ATとRTとを組み合わせたARTの状態と言う点では、「ART状態」と「ART準備状態」とは共通する。しかし、「ART準備状態」は、通常状態(RT1)から段階(RT2・RT3)を経て「ART状態」(RT4・RT5)へ移行させるために設けられた状態であって、「ART状態」に比べ、ストップボタン50の押し順が報知される確率が低く設定されている(出玉率が「ART状態」よりも低く設定されている)点で異なる。
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、図11及び図12に示す「役抽選の対象」のいずれかに当選したか、或いは非当選、すなわち「ハズレ」かの抽選(役抽選)により決定するものである。役抽選手段210には、役抽選用の抽選テーブル211を備えており、当該抽選テーブル211はメイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
なお、役抽選手段210による処理は、後述するステップS12(図13参照)において行われる。
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応するリール62の回転位置とに基づいて、各リール62の回転を停止させる。
具体的には、各リール62の駆動モータを制御することで、回転方向に予め定められた図柄数分、本実施の形態では4コマ以内の図柄までの範囲に、当選した役に対応する図柄が含まれている場合には、当該図柄が有効ライン86上に揃うように引き込み制御を行い、且つ、当選していない役に対応した図柄が有効ライン86上に揃わないように蹴飛ばし制御を行う。
なお、リール制御手段220による処理は、後述するステップS13(図13参照)において行われる。
(遊技結果判定手段230)
遊技結果判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべてのリール62が停止した際における有効ライン86上の図柄の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
(遊技状態制御手段240)
遊技状態制御手段240は、図6に示す遊技状態を制御するためのものである。
また、遊技状態制御手段240は、通常遊技を制御する通常遊技制御手段としても機能する。
ここで、「通常遊技」は、メイン制御手段200により制御される遊技状態が「ノーマル状態」及び「RT1状態」において実行される遊技であり、このとき、サブ制御手段300により制御される図7に示す遊技状態が「通常状態」(非AT状態)にある。
具体的には、遊技状態制御手段240には、図4に示すように、大別すると、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(3)については後述する。
(1)ノーマル状態制御手段241
(2)RT1状態制御手段242
(3)RT状態制御手段243
なお、遊技状態制御手段240は、上記した(1)〜(3)の手段に限定されない。
(ノーマル状態制御手段241)
ノーマル状態制御手段241は、「ノーマル状態」(RT0、NOM)の遊技の進行を制御するものである。
ここで、「ノーマル状態」は、図6に示すように、「RT1状態」及び「RT状態」以外の遊技状態であり、「RT0」ともいい、リプレイ確率が「通常確率」に設定されている。
(RT1状態制御手段242)
RT1状態制御手段242は、「RT1状態」の遊技の進行を制御するものである。
ここで、「RT1状態」は、図6に示すように、ノーマル状態において第1RT移行図柄が表示されると移行し、リプレイ確率が、「ノーマル状態」と同様に、「通常確率」に設定されている。
(RT状態制御手段243)
RT状態制御手段243は、RT状態の遊技の進行を制御するものである。
ここで、「RT状態」は、図6に示すように、RT1状態において第2RT移行図柄、第4RT移行図柄、第5移行図柄のいずれかが表示されると移行し、リプレイ確率が、「ノーマル状態」及び「RT1状態」と比較し、「高確率」に設定されている。
「RT状態」には、「RT2」〜「RT5」の4個の状態が設けられている。
「RT状態」において、第6RT移行図柄、第7RT移行図柄のいずれかが表示されると、「ノーマル状態」に移行する。
(有利遊技制御手段250)
有利遊技制御手段250は、通常遊技より有利で、予め設定された所定の遊技区間の有利遊技、例えばART状態を制御するためのものであり、具体的には、ART状態の開始及び終了を決定している。
有利遊技制御手段250において、ART状態の開始が決定されると、開始コマンドが送信制御手段270を介してサブ制御手段300に送信される。サブ制御手段300は、受信制御手段310を介して開始コマンドを受信すると、AT状態に移行させ、AT状態制御手段330にAT状態を実行させる。このとき、メイン制御手段200により制御されている遊技状態が、「RT4」又は「RT5」であることから、ART状態に移行する。
その後、有利遊技制御手段250において、ART状態の終了が決定されると、終了コマンドがサブ制御手段300に送信される。サブ制御手段300は、終了コマンドを受信すると、AT状態から通常状態(非AT状態)に移行させ、通常状態制御手段320により通常状態を実行させる。
なお、ART状態の「開始条件」と「終了条件」との両方を、メイン制御手段200側の有利遊技制御手段250で制御したが、これに限定されず、「ART状態」の開始・終了をサブ制御手段300側と共働させて制御させたり、或いはART状態の「終了」のみをサブ制御手段300側で制御させてもよい。また、有利遊技として、ART状態を例示したが、これに限定されず、単なる「AT状態」でもよい。
有利遊技制御手段250は、図5に示すように、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(5)については述する。
(1)AT抽選手段251
(2)利益値抽選手段252
(3)トータル値算出手段253
(4)保障値記憶手段254
(5)保障管理手段255
なお、有利遊技制御手段250は、上記した(1)〜(5)の手段に限定されない。
(AT抽選手段251)
AT抽選手段251は、役抽選手段210の役抽選結果にもとづいて、「AT状態」に移行させるかを抽選により決定するものである。
(利益値抽選手段252)
利益値抽選手段252は、予め設定された抽選条件が満たされた場合に、「利益値」を抽選により決定するものである。
ここで、「利益値」は、利益値抽選手段252により決定された「値」を意味し、例えば有利遊技(例えばいわゆる「ART」)の「上乗せゲーム数」が相当する。ここで、「値」は、自然数(正の整数)のほか、「0」を含むものであるが、これに限定されず、「0」を除いてもよいし、或いは「負の整数」を加えてもよい。
なお、「利益値」として、例えば有利遊技(例えば「ART」)の「上乗せゲーム数」を例示したが、これに限定されず、例えば図23に示す「初期ゲーム数」でもよいし、或いはゲーム数に限定されず、セット数やポイント数等でもよい。また、有利遊技として、いわゆる「ART」を例示したが、これに限定されず、いわゆる「AT」でもよい。
また、「所定の開始条件」が成立した後に前記抽選条件を満たすと、利益値抽選手段252による抽選を実行させ、前記「開始条件」が成立した後に成立する「所定の終了条件」が成立すると、後述する保障管理手段255により「トータル値」と「保障値」とを比較させ、当該比較した結果、「トータル値」又は「保障値」を用いて、その後の遊技を有利に展開できるようにしている。
ここで、「所定の開始条件」としては、例えば「ART状態」中の「上乗せ特化ゾーン」(上乗せ特化状態)への突入が相当する。
ここで、「トータル値」は、利益値抽選手段252により決定された利益値を合計して得られた「値」であるが、利益値が1回しか得られない場合には、当該利益値に一致する。
ここで、「保障値」は、「利益値」のうち、後述する保障値記憶手段254に記憶され、遊技者に保障された「利益値」を意味する。
なお、「所定の開始条件」として、「上乗せ特化ゾーン」(上乗せ特化状態)への突入を例示したが、これに限定されず、「上乗せ特化ゾーン」において所定の役の成立時、所定の図柄の表示時、ストックやポイントが所定値に達したとき、或いは開始条件の成否の抽選により決定してもよい。
さらに、利益値抽選手段252は、予め設定された複数ゲームの期間内において抽選が実行される。
具体的には、利益値抽選手段252は、「有利遊技」において、少なくとも複数回の抽選が実行され、当該抽選により「上乗せゲーム数」を決定するものである。
ここで、「有利遊技」としては、例えばいわゆる「ART」が相当する。
ここで、「上乗せゲーム数」には、自然数(正の整数)のほか、「0」を含むものであるが、これに限定されず、「0」を除いてもよいし、或いは「負の整数」を加えてもよい。
なお、「有利遊技」として、いわゆる「ART」を例示したが、これに限定されず、いわゆる「AT」でもよい。
一方、利益値抽選手段252は、「有利遊技」の「遊技区間」を延長可能な「上乗せ区間」を上乗せ抽選により決定するとともに、予め設定された複数ゲーム間において複数回の上乗せ抽選を実行する「上乗せ抽選手段」としても機能する。
ここで、「有利遊技」としては、例えばいわゆる「ART」が相当する。
ここで、「遊技区間」は、例えば「ゲーム数」で規定している。
ここで、「上乗せ区間」は、例えば「上乗せゲーム数」で規定している。
なお、「有利遊技」として、いわゆる「ART」を例示したが、これに限定されず、いわゆる「AT」でもよい。
また、「遊技区間」として、「ゲーム数」を例示したが、これに限定されず、例えばセット数やポイント数等で規定してもよい。
さらに、「上乗せ区間」として、「上乗せゲーム数」を例示したが、これに限定されず、例えばセット数やポイント数等で規定してもよい。
また、利益値抽選手段252は、「上乗せ抽選手段」として機能する場合に、複数ゲームを少なくとも前半ゲームと後半ゲームとに仮に区切り、前半用の上乗せ抽選確率が、前半ゲームにおいて保障区間を獲得させるために、高確率に仮に設定され、後半用の上乗せ抽選確率が、前半用の上乗せ抽選確率に比較し、低確率に仮に設定された場合を仮想し、複数ゲーム間において、上乗せ抽選確率が一定に設定された所定抽選確率を用い、当該所定抽選確率を仮想した前記後半用の上乗せ抽選確率より高確率に設定している。
なお、「上乗せ抽選確率」の一定化と「保障処理」との関係については、後述する。
(トータル値算出手段253)
トータル値算出手段253は、利益値抽選手段252により決定された利益値のトータル値を算出するものである。
ここで、「トータル値を算出する」の算出のタイミングとしては、例えば「利益値の抽選の度、その都度」が相当する。
なお、「トータル値を算出する」の算出のタイミングとして、「利益値の抽選の度、その都度」を例示したが、これに限定されず、「最終ゲーム」における一括算出を含むものである。
具体的には、トータル値算出手段253は、利益値抽選手段252により決定された上乗せゲーム数の「『トータルゲーム数』を算出する」ものである。
ここで、「トータルゲーム数」は、例えば図5に示す利益値抽選手段252により決定された上乗せゲーム数を合計して得られた「ゲーム数」であるが、自然数(正の整数)の上乗せゲーム数が1回しか得られない場合には、当該上乗せゲーム数に一致する。
ここで、「トータルゲーム数を算出する」の算出のタイミングとしては、例えば「上乗せゲーム数の抽選の度、その都度」が相当する。
なお、「トータルゲーム数を算出する」の算出のタイミングとしては、「上乗せゲーム数の抽選の度、その都度」を例示したが、これに限定されず、「最終ゲーム」における一括算出を含むものである。
(保障値記憶手段254)
保障値記憶手段254は、トータル値算出手段253により算出されるトータル値の最小限度を保障値として予め記憶したものである。
具体的には、保障値記憶手段254は、トータル値算出手段253により算出されたトータルゲーム数の最小値を「保障ゲーム数」として予め記憶したものである。
ここで、「保障ゲーム数」は、保障値記憶手段254に記憶され、遊技者に保障された「上乗せゲーム数」を意味する。
(保障管理手段255)
保障管理手段255は、トータル値算出手段253により算出されたトータル値が保障値記憶手段254に記憶された保障値を超えている場合に、当該トータル値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにし、トータル値算出手段253により算出されたトータル値が保障値記憶手段254に記憶された保障値に満たない場合に、当該保障値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにするものである。
ここでは、「トータル値>保障値」の場合と、「トータル値<保障値」の場合と、を特定した。
「利益値」の獲得のしかたによっては、「トータル値=保障値」の場合も考えられる。すなわち、「トータル値=保障値」の場合は、結果として同じであるため、「保障値」を「利益値」としてもよいし、或いは「トータル値」を「利益値」としてもよい。
また、「所定の開始条件」が成立した後に前記抽選条件を満たすと、利益値抽選手段252による抽選を実行させ、前記「開始条件」が成立した後に成立する「所定の終了条件」が成立すると、保障管理手段255により「トータル値」と「保障値」とを比較させ、当該比較した結果、前記トータル値又は前記保障値を用いて、その後の遊技を有利に展開できるようにしている。
ここで、「所定の終了条件」は、例えば「上乗せ特化ゾーン」(上乗せ特化状態)の「最終ゲーム」が相当する。
なお、「所定の終了条件」として、「上乗せ特化ゾーン」(上乗せ特化状態)の「最終ゲーム」を例示したが、これに限定されず、「上乗せ特化ゾーン」において所定の役の成立時、所定の図柄の表示時、ストックやポイントが所定値に達したとき、或いは終了条件の成否の抽選により決定してもよい。
さらに、保障管理手段255は、複数ゲームの最終ゲームにおいて、利益値抽選手段252により抽選が実行され、当該抽選により決定された「利益値」を加算した「トータル値」が保障値に満たない場合に、当該保障値との「差分値」を求め、当該差分値をトータル値に加算することで、最終ゲームの後の遊技を有利に展開できるようにしている。
ここで、「利益値」は、最終回の最終抽選により決定された「最終的な利益値」を意味する。
ここで、「トータル値」は、「最終的な利益値」に、抽選により決定され、トータル値算出手段253により算出されたトータル値に、「最終的な利益値」を加算して得られた利益値を意味する。
ここで、「差分値」は、「保障値」から「トータル値」を減算した利益値を意味する。
また、保障管理手段255は、差分値を、最終ゲームにおいて利益値抽選手段252により決定された利益値に加算して合計値を求めている。
具体的には、保障管理手段255は、最終抽選において、当該最終抽選により決定された最終上乗せゲーム数をトータルゲーム数に加算して得られた加算ゲーム数が、保障値記憶手段254に記憶された保障ゲーム数を超えている場合に、最終上乗せゲーム数を報知手段70により報知させた後、加算ゲーム数を報知手段70によりトータルゲーム数として報知させるものである。
これに加え、保障管理手段255は、加算ゲーム数が保障ゲーム数に満たない場合に、当該保障ゲーム数との差分を求め、当該差分ゲーム数に最終上乗せゲーム数を加算して得られた合計ゲーム数を報知手段70により報知させた後、保障ゲーム数を報知手段70によりトータルゲーム数として報知させるものである。
一方、保障管理手段255は、複数ゲーム間において上乗せ抽選手段(利益値抽選手段252)により決定された「決定区間」の「トータル区間」を算出し、複数ゲームの終了時までに算出されたトータル区間と「保障区間」とを比較し、トータル区間が保障区間に対し長い場合に、当該トータル区間を遊技者に付与し、トータル区間が保障区間に対し短い場合に、保障区間以上の上乗せ区間を遊技者に付与する「上乗せ管理手段」としても機能する。
ここで、「決定区間」は、例えば図5に示す上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)により決定された「区間」を意味し、例えば有利遊技(例えば「ART」)の「上乗せゲーム数」が相当する。なお、「決定区間」は、個々の「区間」を意味し、これに対し、「上乗せ区間」は全体的な「区間」を意味するが、複数ゲームの終了時までに一つの「決定区間」しか得られない場合には、当該「決定区間」と「上乗せ区間」とは一致する。
ここで、「トータル区間」は、例えば図5に示す上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)により決定された「決定区間」を合計して得られた「区間」であるが、「決定区間」が1回しか得られない場合には、トータル区間と一致する。
ここで、「保障区間」は、遊技者に予め保障された「上乗せ区間」を意味する。
なお、「決定区間」、「トータル区間」及び「保障区間」として、「上乗せゲーム数」を例示したが、これに限定されず、例えばセット数やポイント数等で規定してもよい。
(ホッパー制御手段260)
ホッパー制御手段260は、遊技結果判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。ホッパー制御手段260は、遊技結果判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
なお、ホッパー制御手段260による処理は、後述するステップS15(図13参照)において行われる。
(送信制御手段270)
送信制御手段270は、サブ制御手段300へコマンドを送信するためのものである。
(サブ制御手段300)
サブ制御手段300は、受信制御手段310、通常状態制御手段320及びAT状態制御手段330の各手段を有する。手段の詳細については後述する。なお、これらの手段の全てをサブ制御手段300が制御することなく、その一部をメイン制御手段200側で制御してもよいし、或いはメイン制御手段200とサブ制御手段300とが協同して制御するようにしてもよい。
以上の構成をもって、サブ制御手段300は、演出の有無、態様を決定し、遊技の状態に応じた演出を制御する手段として機能することとなる。
サブ制御手段300は、所定の演出を実行することが決定された場合に演出を実行するためのものである。
具体的には、サブ制御手段300は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、画像表示部84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
(受信制御手段310)
受信制御手段310は、送信制御手段270からのコマンドを受信するものである。
(通常状態制御手段320)
通常状態制御手段320は、通常状態、すなわち非AT状態を制御するものである。
具体的には、通常状態制御手段320は、図7に示す「通常一般状態」、「特殊特化状態」及び「ART前兆状態」を制御している。
(AT状態制御手段330)
AT状態制御手段330は、メイン制御手段200側の有利遊技制御手段250からの指示で行われるAT状態の実行を制御するものである。
具体的には、AT状態制御手段330は、図7に示す「ART準備遊技状態」、「ART状態」及び「上乗せ特化状態」を制御している。
AT状態制御手段330は、報知制御手段331を備える。
(報知制御手段331)
報知制御手段331は、利益値抽選手段252により決定された「利益値」(利益値に基づいて決定された値)を、利益値を決定したときに「報知手段70」により報知可能なものである。なお、利益値抽選手段252により決定された「利益値」(利益値に基づいて決定された値)、すなわち上乗せゲーム数を獲得するか否かに関わらず、抽選の度に報知制御手段331により報知することも可能である。
また、報知制御手段331は、保障管理手段255が求めた「合計値」を、最終ゲームにおいて利益値に代えて報知手段70により報知させるようにしている。
ここで、「利益値」は、最終回の最終抽選により決定された「最終的な利益値」を意味する。
ここで、「報知手段70」としては、図3に示す画像表示部84、演出用ランプ78及びスピーカー72を例示し、図9に示すように、画像表示部84に各種の表示画像を表示させている。
ここで、「合計値」は、「最終的な利益値」に、「差分値」を加算した値を意味する。
具体的には、報知制御手段(331)は、複数回の抽選のうち、最終回に実行される最終抽選を除き、最終回に至る間に実行された抽選により決定された上乗せゲーム数を報知手段70により毎回報知した後、当該報知した前記上乗せゲーム数の加算後のトータルゲーム数を報知するものである。
(図6を用いた遊技状態の説明)
図6を用いて、メイン制御手段200側で管理されている遊技状態の一例を説明する。
遊技状態としては、大別すると、「ノーマル状態」(RT0、NOM)、「RT1状態」(RT1)、「RT状態」(RT2〜RT5)が含まれている。
まず、遊技状態を、リプレイ確率のうえから説明すると、次の通りである。
(1)リプレイ確率=「通常」の状態
リプレイ確率が「通常」の状態に設定されているのは、「ノーマル状態」(RT0、NOM、以下「RT0」ともいう。)、「RT1状態」(RT1、以下「RT1」ともいう。)である。
(2)リプレイ確率=「高確」の状態
リプレイ確率が「高確」の状態に設定されているのは、「RT2」・「RT3」(図7のART準備遊技状態)、「RT4」(図7の第1ART状態)、「RT5」(図7の第2ART状態)である。
(図6の移行の契機)
つぎに、遊技状態を、移行の契機のうえから説明すると、次の通りである。
(1)「RT0」及び「RT2」〜「RT5」→「RT1」の契機
「RT0」及び「RT2」〜「RT5」より「RT1」への移行の契機は、「『第1RT移行図柄』が表示されたとき」である。
例えば、「RT0」状態で、「AT_R1」〜「AT_R4」(図12)のいずれかに当選し、「ベル役」を「左押し」で取りこぼした場合である。
所定の「第1RT移行図柄」が表示されるようになっているため、「第1RT移行図柄」が表示され、「RT1」へ移行する。
(2)「RT1」及び「RT3」→「RT2」の契機
「RT1」及び「RT3」より「RT2」への移行の契機は、「『第2RT移行図柄』が表示されたとき」である。
例えば、「RT1」状態で、「RP_A1」〜「RP_A4」(図11)のいずれかに当選し、「特定の押し順イ」で停止操作が行われた場合である。
「RT2」移行をともなう「リプレイH役」(RPH1、図8)が成立し、「第2RT移行図柄」が表示され、「RT2」状態へ移行する。
(3)「RT2」→「RT3」の契機
「RT2」より「RT3」への移行の契機は、「『第3RT移行図柄』が表示されたとき」である。
例えば、「RT2」状態で、「RP_B1」〜「RP_B4」(図11)のいずれかに当選し、「特定の押し順ハ」で停止操作が行われた場合である。
「RT3」移行をともなう「リプレイI役」(RPI1〜RPI6、図8)が成立し、「第3RT移行図柄」が表示され、「RT3」状態へ移行する。
(4)「RT1」及び「RT3」→「RT4」の契機
「RT1」及び「RT3」より「RT4」への移行の契機は、「『第4RT移行図柄』が表示されたとき」である。
例えば、「RT3」状態で、「RP_C1」〜「RP_C6」(図11)のいずれかに当選し、「特定の押し順ホ」で停止操作が行われた場合である。
「RT4」移行をともなう「リプレイJ役」(RPJ1〜RPJ18、図8)が成立し、「第4RT移行図柄」が表示され、「RT4」状態へ移行する。
(5)「RT1」〜「RT3」→「RT5」の契機
「RT1」〜「RT3」より「RT5」への移行の契機は、「『第5RT移行図柄』が表示されたとき」である。
例えば、「RT3」状態で、「RP_D1」〜「RP_D6」(図11)のいずれかに当選し、「特定の押し順ト」で停止操作が行われた場合である。
「RT5」移行をともなう「リプレイK役」(RPK1〜RPK4、図8)が成立し、「第5RT移行図柄」が表示され、「RT5」状態へ移行する。
(6)「RT1」〜「RT3」→「RT0」の契機
「RT1」〜「RT3」より「RT0」への移行の契機は、「『第6RT移行図柄』が表示されたとき」である。
例えば、「RT2」状態で、「RP_B1」〜「RP_B4」(図11)のいずれかに当選し、「特定の押し順ロ」で停止操作が行われた場合である。
「RT0」移行をともなう「リプレイQ役」(RPQ1〜RPQ4、図8)が成立し、「第6RT移行図柄」が表示され、「RT0」へ移行する。
(7)「RT0」〜「RT5」→「RT0」の契機
「RT0」〜「RT5」より「RT0」への移行の契機は、「『第7RT移行図柄』が表示されたとき」である。
例えば、「RT2」状態で「AT_C1」〜「AT_C4」(図12)のいずれかに当選し、「中押し」で停止操作が行われた場合である。
「RT0」移行をともなう「ベルD役」(BED1〜BED4、図10)が成立し、「第7RT移行図柄」が表示され、「RT0」へ移行する。
(図7を用いた遊技状態の説明)
図7を用いて、主としてメイン制御手段200により制御され、メイン制御手段200からのコマンドにもとづいて、サブ制御手段300で実行される遊技状態の一例について説明する。
遊技状態としては、大別すると、「通常状態」(非AT状態)、「AT状態」が含まれている。「通常状態」には、「通常一般状態」、「特殊特化状態」及び「ART前兆状態」が含まれている。「AT状態」には、大別すると、「ART準備遊技状態」、「ART状態」及び「上乗せ特化状態」(上乗せ特化ゾーン)が含まれている。
まず、遊技状態を、図6に示すメイン制御手段200側(以下、「メイン側」という。)の遊技状態と、サブ制御手段300側(以下、「サブ側」という。)のAT・非ATの別から説明すると、次の通りである。
(1)「通常状態」
「通常状態」は、メイン側が「RT1」又は「RT0」で、又、サブ側が「非AT状態」にある。
(1−1)「通常一般状態」
「通常一般状態」は、前兆状態や特化ゾーンなど特殊な状態に滞在していない一般的な通常状態である。
(1−2)「ART前兆状態」
「ART前兆状態」は、ART状態に内部当選している状態であって、前兆ゲーム数を消化している状態である。
具体的には、「ART前兆状態」は、「通常状態」の一つであって、「ART状態」の内部当選状態であり、所定の前兆ゲーム数を消化しているときの状態である。
「ART前兆状態」は、図示しないが、大別すると、「第1ART状態」に対する「第1ART前兆状態」と、「第2ART状態」に対する「第2ART前兆状態」とに分かれる。
「ART前兆状態」のゲーム数は、「ART状態」への移行抽選に当選したときに、所定の前兆ゲーム数抽選により決定しておく。
(1−3)「特殊特化状態」
「特殊特化状態」は、所定のゲーム数(10G、20G、30G)から成る、ART状態を高確率で獲得可能な状態である。
具体的には、「特殊特化状態」は、「規定のゲーム数」から成る自力高確状態(自力解除ゾーン)であって、「特殊状態中ART移行抽選」を毎遊技実行する。
「規定のゲーム数」は、「特殊特化状態」への突入時(開始遊技)に、設定値に応じて、10G、20G、30Gから抽選して決定する。
(2)「AT状態」
(2−1)「ART準備遊技状態」
「ART準備状態」は、メイン側が「RT2」又は「RT3」に滞在する共に、サブ側が「AT状態」に滞在している状態であって、メイン側が「RT4」又は「RT5」へ移行するまでの状態(移行待ち状態)である。そして、例えば通常状態から後述する「第1ART状態」へ移行するには、RT4とRT3を経る必要があるなど、ART準備状態を介して移行する場合には、通常状態からART状態へ直接移行することがなくなる。よって、ART準備状態を設けているため、意図しないタイミングで偶然に、通常状態からART状態へ移行することが阻止される。「偶然」としては、例えば、RT移行図柄を表示させる押し順が報知されていないにも関わらず、RT移行図柄が表示される等がある。
具体的には、「ART準備遊技状態」は、図示しないが、移行先に応じて、「第1ART準備遊技状態」と「第2ART準備遊技状態」との2種類設けている。
「第1ART準備遊技状態」は、「第1ART状態」(メイン側「RT4」)へ移行するまでの状態(移行待ち状態)であって、RT4移行契機役成立で終了する。
「第2ART準備遊技状態」は、「第2ART状態」(メイン側「RT5」)へ移行するまでの状態(移行待ち状態)であって、RT5移行契機役成立で終了する。
(2−2)「ART状態」
「ART状態」は、「第1ART状態」及び「第2ART状態」の2個の「ART状態」を含む。
(2−2−1)「第1ART状態」
「第1ART状態」は、規定の50ゲームから成る、継続率とストックで継続管理されるART状態である。
具体的には、「第1ART状態」は、メイン側が「RT状態」(「RT4」)に滞在しているときの「AT状態」であって、2種類の「ART状態」うちの1つに移行する。
「第1ART状態」は、50ゲーム固定の「ART状態」であって、「継続率」と「ストック数」とで継続管理される。
「第1ART状態」中は、「ストック抽選」を実行して、ストックを獲得する(上限:5個)。
「第1ART状態」の開始時に、所定の継続率で「継続抽選」を実行し、これに当選すると、1セット(50G)のARTが継続する。
なお、今回の「第1ART状態」では、上乗せ特化ゾーンへは移行しないものとしている。
(2−2−2)「第2ART状態」
「第2ART状態」は、初期30ゲームから成る、上乗せ抽選によりゲーム数が上乗せされるART状態である。
具体的には、「第2ART状態」は、メイン側が「RT状態」(「RT5」)に滞在しているときの「AT状態」であって、2種類の「ART状態」のうちの1つに移行する。
「第2ART状態」において、毎遊技、役抽選の結果に応じて、「上乗せゲーム数抽選」を実行し、上乗せゲーム数を獲得する。
獲得した上乗せゲーム数は、「第2ART状態」の残りゲーム数に加算され、「第2ART状態」の終了タイミングが延長される。
「第2ART状態」において、毎遊技、役抽選の結果に応じて、「上乗せ特化状態放出抽選」を実行し、
この放出抽選に当選すると、抽選により決定された前兆ゲーム数を消化後、予め決定しておいた「上乗せ特化状態」(3種の特化状態の何れか)へ移行する。
ここで、放出抽選により移行する「上乗せ特化状態」は、「第2ART状態」への突入時に、「特殊上乗せ特化状態」、「第1上乗せ特化状態」、「第2上乗せ特化状態」、の中から抽選しておく。
(2−3)「上乗せ特化状態」
「上乗せ特化状態」は、「特殊上乗せ特化状態」、「第1上乗せ特化状態」及び「第2上乗せ特化状態」の3個の「上乗せ特化状態」を含む。「上乗せ特化状態」は、「上乗せ特化ゾーン」、或いは「特化ゾーン」ともいう。
(2−3−1)「特殊上乗せ特化状態」
「特殊上乗せ特化状態」は、規定ゲーム数の遊技消化で終了するゲーム数上乗せ特化ゾーンである。
具体的には、「特殊上乗せ特化状態」は、いわゆる上乗せ特化ゾーンであって、本発明に係る「上乗せ保障機能」が適用される点で、「第1・第2上乗せ特化状態」とは異なる。
「特殊上乗せ特化状態」は、当該特化状態の最初の遊技を開始するときに、10Gの初期値を設定し、毎遊技、1ゲームの減算処理を行い、残りゲーム数がなくなると終了する。
「特殊上乗せ特化状態」では、毎遊技、役抽選の結果に応じて、「特殊上乗せゲーム数抽選」を実行し、獲得する上乗せゲーム数を決定する。
「特殊上乗せ特化状態」では、獲得した上乗せゲーム数は、トータル上乗せゲーム数に加算され、「特殊上乗せ特化状態」が終了するときに、トータル上乗せゲーム数が「30G未満」の場合、「30G」の上乗せに書き換えられる。
なお、本実施形態では、上乗せゲーム数を抽選により決定している(図14のステップS22)ため、特殊上乗せ特化状態において、一度も上乗せゲーム数が決定されない場合が想定される。このとき、所定の保障ゲーム数と同じゲーム数が上乗せされるようにしている(図14のステップS56)が、これ以外にも、より多くの上乗せゲーム数が獲得できるよう特殊上乗せ特化状態の上乗せ抽選を設定しているにも関わらず、一度も上乗せゲーム数が決定されないのは、極めて稀なこと(レアケース)であるため、このようなレアケースを獲得したということで、保障ゲーム数を超えるゲーム数(例えば100G)が上乗せされるようにしてもよい。
(2−3−2)「第1上乗せ特化状態」
「第1上乗せ特化状態」は、特定役の成立で終了するゲーム数上乗せ特化ゾーンである。
具体的には、「第1上乗せ特化状態」は、「第1ART状態」の開始時に決定され、「上乗せ特化放出抽選」での当選により開始される上乗せ特化ゾーンである。
「第1上乗せ特化状態」では、1回の遊技毎に、役抽選の結果と「第1上乗せ特化状態」の「遊技履歴」に応じて、「特殊上乗せゲーム数抽選」が実行される。
前記「遊技履歴」は、ハズレ・リプレイ役以外の役の連続当選回数であって、連続回数が多いほど、上乗せが高期待となる。
なお、抽選結果と上乗せゲーム数とを規定した抽選テーブルが、連続当選回数毎に複数設けられている。
「第1上乗せ特化状態」の開始後、7ゲーム目以降に、ハズレ「HZ」、又は、リプレイ役「RP」の成立で終了する。
「第1上乗せ特化状態」が終了するときに、トータル上乗せゲーム数が「40G以下」の場合、「40G」の上乗せに書き換える。
特殊上乗せゲーム数抽選は、「第1上乗せ特化状態」の遊技履歴に応じて抽選テーブルを切替わる点を除き、「特殊上乗せ特化状態」での抽選と同様である。
(2−3−3)「第2上乗せ特化状態」
「第2上乗せ特化状態」は、継続抽選の非当選で終了するゲーム数上乗せ特化ゾーンである。
具体的には、「第2上乗せ特化状態」は、「第1ART状態」の開始時に決定され、「上乗せ特化放出抽選」での当選により開始される上乗せ特化ゾーンである。
「第2上乗せ特化状態」では、1回の遊技毎に、役抽選の結果に応じて、「特化状態継続抽選」と「特殊上乗せゲーム数抽選」とを実行する。
「第2上乗せ特化状態」の開始後、特定の役(ハズレ・リプレイ役)に3回成立したときから、特定の役(ハズレ・リプレイ役)が成立した遊技で、「特化状態継続抽選」を実行する。
この継続抽選に当選すると、特化状態が引き続き継続し、継続抽選で非当選となると、「第2上乗せ特化状態」が終了する。
「第2上乗せ特化状態」が終了するときに、トータル上乗せゲーム数が「30G以下」の場合、「30G」の上乗せに書き換える。
特殊上乗せゲーム数抽選は、役抽選の結果に応じた抽選確率が異なる点を除き、「特殊上乗せ特化状態」でのゲーム数抽選と同様である。
特化状態継続抽選は、特定の役が3回成立するまでに要した遊技回数に応じた継続率(25%、50%、75%、90%)で行う継続抽選であって、原則、この継続抽選で非当選となると終了するものの、上乗せゲーム数を獲得するまでは継続抽選で終了しないこととしている。
(図7の移行の契機)
つぎに、遊技状態を、移行の契機のうえから説明すると、次の通りである。
(1)契機(a)
契機(a)は、「通常ART移行抽選」に当選である。当該当選により、「通常一般状態」から「ART前兆状態」に移行する。
(2)契機(b)
契機(b)は、ART前兆ゲーム数を消化することである。当該消化により、「ART前兆状態」から「ART準備遊技状態」に移行する。
(3)契機(c)
契機(c)は、「特殊特化状態移行抽選」に当選である。当該当選により、「通常一般状態」から「特殊特化状態」に移行する。
(4)契機(d)
契機(d)は、「特化状態中ART移行抽選」に当選し、特殊特化状態のゲーム数を消化することである。当該消化により、「特殊特化状態」から「ART準備遊技状態」に移行する。
(5)契機(e)
契機(e)は、「特化状態中ART移行抽選」に当選することなく、特殊特化状態のゲーム数を消化することである。当該消化により、「特殊特化状態」から「通常一般状態」に移行する。
(6)契機(f)
契機(f)は、第4RT移行図柄(「RT4」移行役成立)・第5RT移行図柄(「RT5」移行役成立)が表示されることであり、「ART準備遊技状態」から「ART状態」に移行する。
(7)契機(g)
契機(g)は、「上乗せ特化状態放出抽選」に当選である。当該当選により、「ART状態」から「上乗せ特化状態」に移行する。
(8)契機(h)
契機(h)は、上乗せ特化状態の終了条件(例えば規定ゲーム数の消化)を満たしたときである。当該終了条件を満たしたときに、「上乗せ特化状態」から「ART状態」に移行する。
(9)契機(i)
契機(i)は、ART状態の残りゲーム数が0になり、引き戻し抽選で非当選となったときである。当該非当選となったときに、「ART状態」から「通常状態」に移行する。
(図8〜図10を用いた役の構成の一例の説明)
図8〜図10を用いて役の構成の一例について説明する。
役の構成は、大別すると、次の通りである。
(1)「再遊技役」(図8)
「再遊技役」は、図8に示すように、「リプレイA役」〜「リプレイQ役」の計17種類から構成されている。
(2)「ベル役」(図10)
「ベル役」は、図10に示すように、「ベルA役」〜「ベルD役」の計4種類から構成されている。
(3)「チェリー役」(図9)
「チェリー役」は、図9に示すように、「チェリーA役」〜「チェリーH役」の計8種類から構成されている。
(4)「スイカ役」(図9)
「スイカ役」は、図9に示すように、1種類から構成されている。
(5)「チャンス役」(図9)
「チャンス役」は、図9に示すように、「チャンスA役」〜「チャンスB役」との計2種類から構成されている。
(6)「特殊チャンス役」(図10)
「特殊チャンス役」は、図9に示すように、「特殊チャンスA役」〜「特殊チャンスB役」の計12種類から構成されている。
例えば、再遊技役である「リプレイJ役」は、図8に示すように、「第1リプレイJ役」(RPIJ)、「第2リプレイJ役」(「RPJ2」)・・・「第18リプレイJ役」(「RPJ18」)、の18個存在する。
すなわち、「リプレイJ役」は、18個の「リプレイJ役」の総称であり、全体を指す名称である。
(図11及び図12を用いた役抽選の抽選対象・抽選結果の一例の説明)
図11及び図12を用いて、役抽選の抽選対象・抽選結果の一例について説明する。
役抽選の抽選対象は、次の通りである。
(1)再遊技同士の重複当選(図11)
再遊技同士の重複当選としては、図11に示すように、「押し順リプレイA〜E」、「特殊リプレイ」、「確定リプレイ」、「赤7リプレイ」、「白7リプレイ」、「通常リプレイ」がある。
(2)ベル役同士の重複当選(図12)
ベル役同士の重複当選としては、図12に示すように、「押し順ベルL」(1個)、「押し順ベルC」(4個)、「押し順ベルR」(4個)がある。
(3)ベル役と特殊チャンス役の重複当選(図12)
ベル役と特殊チャンス役の重複当選としては、図12に示すように、「レアベル」(2個)がある。
(4)スイカ役の単独当選(図12)
スイカ役の単独当選としては、図12に示すように、「スイカ役」(1個)がある。
(5)チェリー役と特殊チャンス役の重複当選(図12)
チェリー役と特殊チャンス役の重複当選としては、図12に示すように、「チャンス目」(2個)と、「強チェリーの『CH_03』」(1個)がある。
(6)チェリー役同士の重複当選(図12)
チェリー役同士の重複当選としては、図12に示すように、「弱チェリー」(1個)と、「強チェリーの『CH_02』」(1個)がある。
(7)ベル役と特殊チャンス役との重複当選(図12)
ベル役と特殊チャンス役との重複当選としては、図12に示すように、「特殊チャンス目A」(2個)、「特殊チャンス目B」(2個)、「特殊チャンス目」(2個)がある。
いずれの役にも当選してない抽選対象
(8)ハズレ(1個)(図12)
例えば、役抽選において、再遊技役同士の重複当選となる抽選結果の内、「押し順リプレイA」としては、「第1押し順リプレイA」(「RP_A1」)、「第2押し順リプレイA」(「RP_A2」)、「第3押し順リプレイA」(「RP_A3」)が設けられており、これらのうち、「第2押し順リプレイA(RP_A2)」に当選した場合、次の(a)〜(d)の4種類の役に重複当選していることになる。
(a)「リプレイA役(第1〜第2リプレイA役:RPA1〜RPA2)」
(b)「リプレイH役(第1リプレイH役:RPH1)」
(c)「リプレイQ役(第1〜第4リプレイQ役:RPQ1〜RPQ4)」
(d)「第1リプレイE役(RPE1)」
そして、「特定の押し順イ」で停止操作された場合、「リプレイH役」である「RPH1」が成立し、「特定の押し順ロ」で停止操作された場合、「リプレイQ役」である「RPQ1」〜「RPQ4」のいずれかが成立し、「特定の押し順イ・ロ」以外の順序で停止操作された場合、「リプレイA役」である「RPA1」、「RPA2」のどちらかが成立する。
なお、「第1押し順リプレイA」(「RP_A1」)は、「RT1状態」でのみ抽選されるものであり、「リプレイH役」は「RT2移行役」(「第2RT移行図柄」が表示)であるため、「押し順イ」で停止操作すると、「RT2状態」へ移行、「リプレイQ役」は「RT0移行役」(「第6RT移行図柄」が表示)であるため、「押し順ロ」で停止操作すると、「RT1状態」へ移行、「リプレイA役」はRT変動を伴わないため、「押し順イ・ロ」以外の押し順で停止操作すると、「RT1状態」のままとなる。
(図13を用いた遊技の概略の流れの一例の説明)
図13に示すフローチャートを用いて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する遊技制御処理について説明する。
先ず、ステップS10において、賭け数設定処理が行われる。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数に達しているか否かの判定が行われる。本実施の形態では、規定の賭け数は、2枚又は3枚である。このため、所定数の賭け数が設定された場合に、次のステップS11に進む。所定数の賭け数が設定されていない場合には当該ステップS10にとどまることになる。
ステップS11において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS12に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS11となる。
ステップS12において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS13に進む。
ステップS13において、リールユニット60におけるリール62の回転変動処理が行われる。リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御手段200により、回転中のリール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する停止操作順番は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。ここで、第3番目のストップスイッチ50の停止操作が行われると、メイン制御手段200からサブ制御手段300へ全リール62の回転停止情報が送信される。そして、全てのリール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS14に進む。
ステップS14において、ホッパー制御手段260により、図柄の停止態様に対応した払出処理等が行われる。なお、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
(図14及び図15を用いた第2ART状態のAT状態の処理の流れの一例の説明)
つぎに、図14及び図15を用いて、第2ART状態のAT状態の処理の流れの一例について説明する。
まず、図14に示すように、ステップS20に進み、第2ART状態のAT状態の開始時にAT残りゲーム数(以下、「ゲーム数」を「G数」ともいう。)、すなわち初期設定値として「50G」を設定する。当該設定は、図3及び図5に示す有利遊技制御手段250により実行される。
ステップS20の終了後、次のステップS21に進み、図7に示す「特殊上乗せ特化状態中」か否かが判定される。「特殊上乗せ特化状態」は、本発明の保障機能を搭載したものであり、第1ART状態からは移行せず、第2ART状態から移行するものである。当該判定は、有利遊技制御手段250により行われる。
上記判定の結果、「特殊上乗せ特化状態」中の場合には、ステップS21から次のステップS22に進み、「特殊上乗せ特化状態(上乗せ抽選による上乗せG数の決定)」中の抽選処理が実行される。当該抽選処理は、図5に示す利益値抽選手段252により実行される。
ステップS22の「特殊上乗せ特化状態の抽選処理」では、所定の上乗せゲーム数を抽選する上乗せ抽選処理が実行され、当該処理で決定した「上乗せゲーム数」は、のちに、トータル上乗せG数に加算されることとなる上乗せゲーム数であり(図15に示すステップS52・S55)、また、保障G数との比較を行うとき(ステップS51)や保障G数との差分を求めるとき(ステップS56)に用いられる上乗せゲーム数である。
上記抽選処理後、ステップS22から次のステップS23に進み、「特殊上乗せ特化状態」の「残りG数」を更新する。当該更新としては、ゲーム毎に「残りG数」のカウント値が「1」Gずつ減算される。当該減算は、有利遊技制御手段250により実行される。なお、「残りG数」は、後述するステップS31において、初期設定値として「10G」に設定されている。
上記更新後、後述する図15に示すフローチャートに進む。
一方、先に説明したステップS21における判定結果が、「特殊上乗せ特化状態」中でない場合には、分岐し、次のステップS30に進む。当該ステップS30においては、「特殊上乗せ特化状態」への移行時か否かが判定される。当該判定は、有利遊技制御手段250により行われる。
なお、前記特殊上乗せ特化状態へ移行するか否かは、後述するステップS40の「AT状態中の抽選処理」の一部として実行される上乗せ特化状態放出抽選(先に説明した段落「0119」)により決定される。前掲したステップS40の「AT状態中の抽選処理」では、特殊上乗せ特化状態・第1上乗せ特化状態・第2上乗せ特化状態へ移行させるか否かを決定する「上乗せ特化状態放出抽選」が実行される(段落「0119」参照)。この「上乗せ特化状態放出抽選」にて特殊上乗せ特化状態への移行を決定した場合には、その旨を示す情報を記憶し(特殊上乗せ特化状態移行フラグを「ON」に設定し)、のちに、特殊上乗せ特化状態への移行時か否かを判断する際に用いる(ステップS30)。なお、上乗せ特化状態放出抽選により第1上乗せ特化状態又は第2上乗せ特化状態への移行を決定した場合には、先に説明した段落「0122」〜「0124」に示す内容で処理が行われる。
上記判定の結果、「特殊上乗せ特化状態」への移行時の場合には、ステップS30から次のステップS31に進み、「特殊上乗せ特化状態」の「残りG数」を「10G」に設定する。当該設定は、有利遊技制御手段250により実行される。
上記設定後、ステップS31から次のステップS32に進み、「特殊上乗せ特化状態」の「保障G数」を「30G」に設定する。「保障G数」は、図5に示す保障値記憶手段254に記憶され、当該設定は、有利遊技制御手段250により実行される。
上記設定後、ステップS32から先に説明したステップS22に進み、「特殊上乗せ特化状態」が開始される。
一方、先に説明したステップS30における判定結果が、「特殊上乗せ特化状態」への移行時でない場合には、分岐し、ステップS40に進む。当該ステップS40においては、「AT状態」中、すなわち図7に示す「ART状態」中の抽選処理が実行される。当該抽選処理として、上乗せ抽選や特化ゾーン移行判定が行われる。当該抽選や判定は、有利遊技制御手段250により実行される。
上記抽選処理後、ステップS40から次のステップS41に進み、「AT残りG数」が更新される。当該更新としては、ゲーム毎に「AT残りG数」のカウント値が「1」Gずつ減算される。当該減算は、有利遊技制御手段250により実行される。なお、「AT残りG数」は、先に説明したステップS20において、初期設定値として「50G」に設定されている。
上記更新後、ステップS41から次のステップS42に進み、「AT残りG数」が「0」Gか否かが判定される。当該判定は、有利遊技制御手段250により行われる。
上記判定の結果、「AT残りG数」が「0」Gの場合には、「AT状態」を終了する。
これに対し、ステップS42における判定結果が、「AT残りG数」が「0」Gでない場合、すなわち「AT残りG数」が残っている場合には、後述する図15に示すフローチャートに進む。
(図15を用いた、図14に続くフローチャートの説明)
先の図14に示すステップS23に続き、図15に示すステップS50に進み、「特殊上乗せ特化状態」の「残りG数」が「0」Gか否かが判定される。当該判定は、有利遊技制御手段250により行われる。
上記判定の結果、「残りG数」が「0」Gの場合には(すなわち、特殊上乗せ特化状態の最終ゲームにおいては)、ステップS50から次のステップS51に進む。ステップS51においては、「(トータル上乗せG数+上乗せG数)<保障G数」か、すなわち「トータル上乗せG数+上乗せG数)」が「保障G数」を超えているか否かが判定される。「上乗せG数」は、「特殊上乗せ特化状態」において、毎ゲームの役抽選の結果を契機として、所定の上乗せG数抽選が実行され、当該上乗せG数抽選(図14に示すステップS22)で決定された「上乗せG数」を累積的に加算して得られた数値である。なお、「保障G数」は、図14を用いて先に説明したステップS32において、「30G」に設定されている。当該判定は、図5に示す保障管理手段255により行われる。
上記判定の結果、「上乗せG数+上乗せG数)」が「保障G数」(30G)より小さくない場合、すなわち「上乗せG数+上乗せG数)」が「保障G数」(30G)を上回っている場合や、「上乗せG数+上乗せG数)」と「保障G数」(30G)とが等しいには、ステップS51から次のステップS52に進む。当該ステップS52においては、「上乗せG数」を「トータル上乗せG数」へ加算する。当該加算は、図5に示すトータル値算出手段253により実行される。
上記加算後、ステップS52から次のステップS53に進み、「トータル上乗せG数」を、「AT残りG数」へ加算する。その結果、「AT残りG数」が増加する。このとき、「保障G数」の設定数である「30G」を超えた「上乗せG数」が得られる。当該加算は、保障管理手段255により実行される。
上記加算後、ステップS53から次のステップS54に進み、「特殊上乗せ特化状態」を終了する。
上記終了後、次のAT遊技に移行し、図14に示す先に説明したステップS20に進み、先のステップS53で獲得した「AT残りG数」を用いて、以降の「AT状態」を進行できる。
一方、先のステップS50の判定結果が、「残りG数」が「0」Gでない場合、すなわち、「残りG数」が残っている場合には、分岐し、ステップS55に進む。当該ステップS55においては、上乗せG数抽選(図14に示すステップS22)で決定された「上乗せG数」を、「特化ゾーン中トータル上乗せG数」へ加算する。当該加算は、トータル値算出手段253により実行される。
上記加算後、「特殊上乗せ特化状態」のまま、図14に示す先に説明したステップS20に進む。
一方、先のステップS51の判定結果が、「(トータル上乗せG数+上乗せG数)<保障G数」の場合、すなわち「トータル上乗せG数+上乗せG数」が「保障G数」(30G)より小さい、或いは下回っている場合、分岐し、ステップS56に進む。
ステップS56においては、「トータル上乗せG数+上乗せG数」と「保障G数」(30G)との差分を、「上乗せG数」へ加算する。当該加算は、保障管理手段255により実行される。本処理が本発明における「保障処理」であり、「トータル上乗せG数+上乗せG数」が「保障G数」を下回っている場合にも、「保障G数」の設定数である「30G」の「上乗せG数」を獲得できる。
例えば、9Gが終了した時点のトータルG数が「20G」であった場合、最終ゲーム(10G)で上乗せG数として「7G」を獲得した場合(ステップS22)、(20G+7G)と保障G数(30G)とを比較することになる(ステップS51)。そして、保障G数に達しなかった場合、「30G−(20G+7G)=3G」を差分として算出し、差分の「3G」を上乗せG数の「7G」に加算して、上乗せG数を「7G」から「10G」にする(ステップS56)。その後、その時点でのトータルG数「20G」に上乗せG数「10G」を加算して(ステップS52)、トータルG数を「30G」(=保障G数(保障値))にする。
なお、本実施の形態では、上記一連のG数をメイン制御手段200において決定しているため、ステップS56において、差分の「3G」を加算した上乗せG数(10G)は、画像表示部84(報知手段)にて表示すべくサブ制御手段300へ送信される。同様に、ステップS52において、前記上乗せG数(10G)が加算されたトータル上乗せG数(20G)は、サブ制御手段300へ送信される。
また、図15におけるステップS51及びステップS56に示すように、特殊上乗せ特化状態中に決定したトータル上乗せゲーム数と所定の保障ゲーム数とを比較する処理と、トータル上乗せゲーム数が保障ゲーム数に達しない場合には、保障ゲーム数に達するようトータル上乗せゲーム数を加算する処理と、の両方又は後者の処理を、以下では「保障処理」ともいう。
上記加算後、ステップS56から先に説明したステップS52に進む。
(図16〜図21を用いた上乗せ獲得パターンの一例の説明)
図16〜図21を用いて、上乗せ獲得パターンの一例について説明する。
まず、図16及び図17を用いて、上乗せ獲得パターンの例1について説明する。
図7に示す「通常一般状態」中に第2ART抽選に当選すると、「ART前兆」を経由して「第2ART状態」(初期「50G」)へ移行する。
このとき、図1及び図3に示す画像表示部84に、図17中の(A)に示すように、例えば「RUSH!」の文字を表示させ、「第2ART状態」の開始を報知する。その後、図17中の(B)に示すように、例えば「残りG数:49G」の文字を表示させ、第2ART遊技の残り遊技回数を報知する。
また、「第2ART状態」中、図17中の(C)に示すように、例えば「残りG数:39G」の文字を表示させ、その時点(ゲーム)における、第2ART遊技の残り遊技回数を報知する。
「第2ART状態」を進めていく中で、10G終了時点で、図7に示す「特殊上乗せ特化状態」への移行条件が成立したと仮定する。
「特殊上乗せ特化状態」へ突入すると、図17中の(D)に示すように、例えば「ZONE突入!」の文字を表示させ、その旨を報知する。
「特殊上乗せ特化状態」を進めていく中で、2G目で上乗せG数(5G)を獲得すると、図17中の(E)に示すように、例えば「+5G!」の文字を表示させ、その旨を報知する。
「特殊上乗せ特化状態」を進めていく中で、6G目で上乗せG数(15G)を獲得すると、図17中の(F)に示すように、例えば「+15G!」の文字を表示させ、その旨を報知する。
「特殊上乗せ特化状態」の最終G(10G目)で、上乗せG数(7G)を獲得すると、図17中の(G)に示すように、例えば「+10G!」の文字を表示させ、上乗せG数(10G)を報知する。
この10G目で報知される上乗せG数は、獲得した上乗せG数(7G)ではなく、「保障G数」と「トータル上乗せG数」との差分(3G)を加算した上乗せG数(10G)となっている。
この結果、「特殊上乗せ特化状態」による「トータル上乗せG数」は「30G」となり、これが報知される。その後、図17中の(H)に示すように、例えば「Total:+30G」の文字を表示させ、「特殊上乗せ特化状態」において獲得したトータルの上乗せG数が報知される。
「特殊上乗せ特化状態」の最終G(10G目)が終了すると、「第2ART状態」の11Gに移行し、図17中の(I)に示すように、例えば「残りG数:69G」の文字を表示させ、その時点(ゲーム)における、第2ART遊技の残り遊技回数が報知される。
「特殊上乗せ特化状態」から戻った「第2ART状態」は、「50G→80G」へ、ART遊技回数が増加している。
9Gまでのトータル上乗せG数は、「20G」である。
10G目での獲得G数(G数判定前)は、「7G」である。
「トータル上乗せG数<保障G数」の関係、すなわち、「トータル上乗せG数」(20G+7G)が「保障G数」(30G)を下回っている(20G+7G<30G)。
差分G数は、次の式で求められる。
差分G数=30−(20+7)=3G
10G目での獲得G数(G数判定後)は、「10G」となる(獲得G数(G数判定前)の「7G」に、「差分G数」の「3G」を加算したG数)。
その結果、「特殊上乗せ特化状態」の終了時の上乗せG数は、「30G」となる。このため、「第2ART状態」のゲーム数の合計は、初期「50G」に、上乗せG数の「30G」を加えた「80G」となる。
なお、図18〜図20において、「上乗せ抽選結果」の横に記載した四角は、「実線」で記載した四角と、「点線」で記載した四角の2種類がある。「実線」で記載された四角は、上乗せ抽選の実行条件が成立して上乗せ抽選が実行された場合を意味し、四角内に記載された数値は獲得した「上乗せG数」である。点線で記載された四角は、上乗せ抽選の実行がない場合を意味する。
(図18を用いた上乗せ獲得パターンの例2の説明)
図18を用いて、上乗せ獲得パターンの例2について説明する。
同図は、「特殊上乗せ特化状態」の毎遊技で上乗せ抽選を実行するのではなく、特定の上乗せ抽選を実行する条件が成立すると、上乗せ抽選を実行するものであって、最終Gで上乗せ抽選が実行され、7Gを獲得したものの、上乗せ保障G数に達しなかった例である。
すなわち、最終G、すなわち、10G目での獲得G数(G数判定前)は、「7G」である。
「トータル上乗せG数<保障G数」の関係、すなわち、「トータル上乗せG数」(20G+7G)が「保障G数」(30G)を下回っている(20G+7G<30G)。
差分G数は、次の式で求められる。
差分G数=30−(20+7)=3G
10G目での獲得G数(G数判定後)は、「10G」となる(獲得G数(G数判定前)の「7G」に、「差分G数」の「3G」を加算したG数)。
その結果、「特殊上乗せ特化状態」の終了時の上乗せG数は、「30G」となる。
(図19を用いた上乗せ獲得パターンの例3の説明)
図19を用いて、上乗せ獲得パターンの例3について説明する。
同図は、「特殊上乗せ特化状態」の毎遊技で上乗せ抽選を実行するのではなく、特定の上乗せ抽選を実行する条件が成立すると、上乗せ抽選を実行するものであって、最終Gで上乗せ抽選が実行されなかったもの、最終Gの獲得G数が「10G」となる例である。
すなわち、最終G、すなわち、10G目までの獲得G数(G数判定前)は、「20G」(20G+0G)である。
「トータル上乗せG数<保障G数」の関係、すなわち、「トータル上乗せG数」(20G+0G)が「上乗せ保障G数」(30G)を下回っている(20G+0G<30G)。
差分G数は、次の式で求められる。
差分G数=30−(20+0)=10G
10G目での獲得G数(G数判定後)は、「10G」となる(獲得G数(G数判定前)の「0G」に、「差分G数」の「10G」を加算したG数)。
その結果、「特殊上乗せ特化状態」の終了時の上乗せG数は、「30G」となる。
(図20を用いた上乗せ獲得パターンの例4の説明)
図20を用いて、上乗せ獲得パターンの例4について説明する。
同図は、「特殊上乗せ特化状態」の毎遊技で上乗せ抽選を実行するのではなく、特定の上乗せ抽選を実行する条件が成立すると、上乗せ抽選を実行するものであって、「特殊上乗せ特化状態」の途中で「保障G数」に達し、「保障G数」を超える「上乗せG数」が加算される例である。
9Gまでのトータル上乗せG数は、「35G」である(5G+5G+15G+10G=35G)。
10G目での獲得G数(G数判定前)は、「7G」である。
「トータル上乗せG数<保障G数」の関係、すなわち、「トータル上乗せG数」(35G)が「上乗せ保障G数」(30G)を上回っている(35G<30G)。
このため、10G目での獲得G数(G数判定後)は、「7G」となり、保障機能が実行されない。
その結果、「特殊上乗せ特化状態」の終了時の上乗せG数は、「保障G数」を上回る「42G」となる。
(図21を用いた上乗せ獲得パターンの例5の説明)
図21を用いて、上乗せ獲得パターンの一例である例5について説明する。
同図は、「特殊上乗せ特化状態」の毎遊技で上乗せ抽選を実行するもので、最終Gで7Gを獲得したものの、保障G数に達しなかった例である。
すなわち、最終G、すなわち、10G目での獲得G数(G数判定前)は、「7G」である。
「トータル上乗せG数<保障G数」の関係、すなわち、「トータル上乗せG数」(20G+7G)が「保障G数」(30G)を下回っている(20G+7G<30G)。
差分G数は、次の式で求められる。
差分G数=30−(20+7)=3G
10G目での獲得G数(G数判定後)は、「10G」となる(獲得G数(G数判定前)の「7G」に、「差分G数」の「3G」を加算したG数)。
その結果、「特殊上乗せ特化状態」の終了時の上乗せG数は、「30G」となる。
(上乗せ抽選確率の一定化と保障処理)
上乗せ抽選確率の一定化と保障処理について説明する。
上乗せ抽選確率の一定化した場合には、最終的には保障処理が必要となる。
「本発明の抽選方法」による「上乗せ抽選確率の一定化」について、「従来の抽選方法」と比較して説明する。
(上乗せ抽選確率の一定化と従来の抽選方法の比較1)
(1)計算式を用いた説明
例えば、80%の確率で当選する抽選Aの場合、抽選Aに当選し続ける回数(連荘回数)の期待値は、5回、となる。
(計算式1) 1÷(1−80%)=1÷(1−0.8 )= 5
例えば、90%の確率で当選する抽選Bの場合、抽選Bに当選し続ける回数(連荘回数)の期待値は、「10回」となる。
(計算式2) 1÷(1−90%)=1÷(1−0.9 )= 10
(2)確率の考え方からの説明
例えば、80%の確率で当選する抽選Aの場合、「80%=80/100=4/5」であるため、抽選Aを5回実行すると4回当選する可能性が高い、言い換えると、5回に1回は非当選となる可能性が高い。
よって、抽選Aを繰り返し実行し、5回目の抽選で初めて非当選(5回は抽選できる)となる可能性が高いため、抽選Aに当選し続ける回数(連荘回数)の期待値は、「5回」、となる。
例えば、90%の確率で当選する抽選Bの場合、「90%=90/100=9/10」、であるため、抽選Bを10回実行すると9回当選する可能性が高く、言い換えると、10回に1回は非当選となる可能性が高い。
よって、抽選Bを繰り返し実行し、10回目の抽選で初めて非当選(10回は抽選できる)となる可能性が高いため、抽選Bに当選し続ける回数(連荘回数)の期待値は、「10回」となる。
(3)上記(1)又は(2)を前提とする説明
例えば、平均10個当選する期待値の抽選を実現する場合、「従来の抽選方法」では、初めに保障個数=5個を付与した後、80%の確率で抽選を繰り返し実行する(80%ループ)。
「従来の抽選方法」における期待値は、始めの「5個」に、80%ループで獲得する「5個」(1÷(1−80%))を加えた、合計=「10個」、となる。
「本発明の抽選方式」では、保障個数を付与することなく(0個)、90%の確率で抽選を繰り返し実行する(90%ループ)。
この抽選方法における期待値は、90%ループで獲得する「10個」(1÷(1−90%))となる。
つまり、期待値「10個」を実現する抽選であっても、従来と本発明とでは、その実現方法(考え方)が異なる。
(4)上振れ・下振れへの影響
しかしながら、当選を期待できる個数が平均10個と言う点では、従来も本発明も変わらないが、一般的に、抽選(試行)する機会によっては、平均を下回る場合(下振れ)や、平均を上回る場合(上振れ)が生ずる。
ここで、本発明では、「従来の抽選方法」よりも期待値の高い抽選(5回<10回)を実行しているため、同程度に上振れが生じた場合でも、従来の抽選よりも、より大きな個数が得られる(上に振れた場合に大きくなる。)。
一方、本発明では、平均10個(=保障値)に満たなかった場合には、強制的に10個に書き換えるため、下振れが生じた場合でも平均の期待値を保障することができる。
(上乗せ抽選確率の一定化と従来の抽選方法の比較2)
(1)別の考え方での説明
上記比較1の(1)及び(2)の部分を別の考え方で説明すると、以下の通りである。
(2)従来の抽選方法の考え方による説明
例えば、上乗せ遊技区間を「10ゲーム」とし、この区間での各ゲームにおける抽選値(当選確率)は次の通りである。
1G〜4G:1/1
5G〜10:1/6
このとき、1回の上乗せ抽選に当選した場合に獲得できるゲーム数を「1ゲーム」とした場合、上乗せ遊技区間が全て終了した時点で、獲得する総上乗せゲーム数の期待値は、次の通りである。
(計算式3) (1/1)×4+(1/6)×6=4+1=5ゲーム
つまり、保障ゲーム数は、「4ゲーム」で、上乗せ遊技区間における総上乗せゲーム数の期待値は、「5ゲーム」である。
(3)本発明の抽選方法の考え方による説明
例えば、上乗せ遊技区間が「10ゲーム」とし、この区間での各ゲームにおける抽選値(当選確率)は次の通りである。
1G〜10G:1/2
このとき、1回の上乗せ抽選に当選した場合に獲得できるゲーム数を「1ゲーム」とした場合、上乗せ遊技区間が全て終了した時点で、獲得する総上乗せゲーム数の期待値は、次の通りである。
(計算式4) (1/2)×10=5ゲーム
つまり、保障ゲーム数はない(0ゲーム)が、上乗せ遊技区間における総上乗せゲーム数の期待値は、「5ゲーム」である。
(4)従来の抽選方法と本発明の抽選方法との比較
上記(2)のように、最初に1G〜4Gで4ゲームを渡すような考え方が、「従来の抽選方法」の考え方である。
上記(3)のように、最初に保障ゲーム数を渡さず、高い当選確率で抽選を行う考え方が、「本発明の抽選方法」の考え方である。
勿論、「本発明の抽選方法」の場合、このままではゲーム数を保障できないため、10G目の上乗せ抽選が終了した時点で、保障ゲーム数に達していないと、保障ゲーム数(4ゲーム)に書き換えるものである。
(図22及び図23を用いた第2の実施の形態)
図22及び図23を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態の特徴は、利益値抽選手段252による利益値の抽選に特徴を有するものである。
(図22を用いた利益値抽選手段の詳細の説明)
図22を用いて、利益値抽選手段の詳細について説明する。
図3に図示したメイン制御手段200の利益値抽選手段252の他の実施例を説明するものであり、利益値抽選手段252には、図22に示すように、次の手段を備える。
なお、利益値抽選手段252の手段は、次の(1)〜(5)に限定されない。
(1)基準値抽選手段400
基準値抽選手段400は、利益値を構成する「基準値」を抽選により決定するもものである。
ここで、「基準値」は、利益値を構成する「値」であり、図23に示す「基準ゲーム数」が相当する。
なお、「基準値」として、「基準ゲーム数」を例示したが、これに限定されず、セット数やポイント数等でもよい。
(2)継続抽選手段410
継続抽選手段410は、前記「基準値」を増加させるための継続抽選を実行し、当該継続抽選に当選したことを条件に、継続抽選を繰り返して実行可能なものである。
また、前記継続抽選手段410は、予め定められた継続率で当選か否かを決定する継続抽選を実行可能なものである。
(3)継続率抽選手段420
継続率抽選手段420は、継続抽選手段410による継続抽選が繰り返し実行される前に、継続抽選の継続率を抽選により決定するものである。
(4)カウント手段430
カウント手段430は、継続抽選手段410による継続抽選の繰り返し回数をカウント可能なものである。
(5)利益値算出手段440
利益値算出手段440は、継続抽選に外れ、当該継続抽選の繰り返しの終了後、基準値抽選手段400により決定された基準値と、カウント手段430の「カウント値」とを乗算した「乗算値」を算出するものである。その結果、利益値抽選手段252は、利益値算出手段440により算出される「乗算値」を前記「利益値」として決定するようにしている。
ここで、「カウント値」は、カウント手段430によるカウント回数、すなわち継続抽選手段410による継続抽選の繰り返し回数を意味し、図23に示す「倍加回数」が相当する。
ここで、「乗算値」は、「基準値×カウント値」の式で算出しているが、これに限定されず、「カウント値×基準値」の式で求めてもよい。また、「利益値」も、「基準値×カウント値→利益値」としているが、これに限定されず、「カウント値×基準値→利益値」としてもよい。
(図23を用いた特殊上乗せゲーム数抽選の流れ一例の説明)
図23を用いて、特殊上乗せゲーム数抽選の流れの一例について説明する。
「特殊上乗せゲーム数抽選」は、「特殊上乗せ状態」において、1回の遊技毎に実行され、「第1ART状態」へ加算されることとなる「上乗せゲーム数」を決定する抽選である。
第2の実施の形態に係る「特殊上乗せゲーム数抽選」(図23)は、第1の実施の形態における「特殊上乗せ特化状態の抽選処理」(図14に示すステップS22)において実行される上乗せゲーム数抽選に対応している。そして、特殊上乗せゲーム数抽選により決定された上乗せゲーム数(ステップS67)は、第1の実施の形態と同様に、トータル上乗せG数に加算されたり、保障G数との比較や差分を算出する場面で用いられる。
上乗せゲーム数は、次の様に、3段階の抽選結果を用いて決定される。
(1)基準ゲーム数抽選は、ゲーム数を示す複数の値(0、10、20、30、40、50、100、200、300)から1つの値を決定するための抽選であって、この基準ゲーム数抽選により決定した値を、基準ゲーム数として決定する(ステップS61)。
(2)継続率抽選は、ステップS63の継続抽選に適用する継続率を示す複数の値(0%、50%、60%、70%、80%)から1つの値を決定するための抽選であって、この継続率抽選により決定した値を、継続抽選の継続率として決定する(ステップS62)。
(3)上記(2)で抽選された継続率で倍加する回数を抽選(倍加回数抽選)により決定する(上限回数30回、ステップS63〜S66)。
(4)上記(1)での結果(基準ゲーム数)に、上記(3)の結果(倍加回数)が、上乗せするゲーム数(「基準ゲーム数」×「倍加回数」)となる(S67)。
ここで、「基準ゲーム数抽選」は、役抽選結果に応じて設定された確率で、9種類の中から基準ゲーム数を決定する。
「継続率抽選」は、役抽選結果に応じて設定された確率で、5種類の中から継続率を決定する。
「倍加回数抽選」は、継続率抽選で決定した継続率を用いたループ抽選(最大30回継続)により倍加回数を決定する。
例えば、基準ゲーム数=10G、倍加回数(継続当選回数)=4回の場合、上乗せゲーム数は「40G」となる(「上乗せゲーム数」=10G×4回=40G)。
(図24を用いた第3の実施の形態)
図24を用いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
同図は、初期ゲーム数抽選の流れの一例の説明図である。
本実施の形態の特徴は、本発明の「保障処理」を、初期ゲーム数の決定に利用した点である。
すなわち、図7に示す「通常一般状態」中にART抽選に当選すると、「ART前兆」を経由して「ART状態」へ移行するが、このとき、「ART状態」の初期ゲーム数が初期ゲーム数抽選により決定される。
まず、ステップS70に進み、スタートレバー(スタートスイッチ40)が操作されたか判定される。当該判定は、図3に示す有利遊技制御手段250により行われる。
上記判定の結果、スタートレバー(スタートスイッチ40)が操作されている場合には、ステップS70から次のステップS71に進み、「基本ゲーム数抽選」が実行され、「基本ゲーム数」(例えば、0、5、10、20、30、40、50G)が決定される。当該抽選は、有利遊技制御手段250により実行される。
上記抽選後、ステップS71から次のステップS72に進み、抽選による「基本ゲーム数」を「総ゲーム数」に加算する。「総ゲーム数」は、抽選による「基本ゲーム数」の累積的な加算である。当該加算は、有利遊技制御手段250により実行される。
上記加算後、ステップS72から次のステップS73に進み、「継続抽選」が実行される。当該抽選は、有利遊技制御手段250により実行される。
上記抽選後、ステップS73から次のステップS74に進み、「継続抽選」に非当選か否かが判定される。当該判定は、有利遊技制御手段250により行われる。
上記判定の結果、「継続抽選」に非当選でない場合、すなわち当選した場合には、先に説明したには、ステップS71に進み、「基本ゲーム数抽選」が再度、実行される。
これに対し、上記判定の結果、「継続抽選」に非当選の場合、ステップS74から次のステップS75に進み、「総ゲーム数<保障ゲーム数」か、すなわち「総ゲーム数」が「保障ゲーム数」(例えば50G)を下回っているか否かが判定される。「保障ゲーム数」は、予め設定され、遊技者に保障された「初期ゲーム数」を意味する。当該判定は、有利遊技制御手段250により行われる。
上記判定の結果、「総ゲーム数」が「保障ゲーム数」を下回っている場合には、ステップS75から次のステップS76に進み、「総ゲーム数」と「保障ゲーム数」との差分(ゲーム数)を算出する(差分(ゲーム数)=「保障ゲーム数」−「総ゲーム数」)。当該算出は、有利遊技制御手段250により行われる。
上記算出後、ステップS76から次のステップS77に進み、算出した差分(ゲーム数)を、「総ゲーム数」へ加算する(「総ゲーム数」(保障後)=差分(ゲーム数)+「総ゲーム数」)。当該加算は、有利遊技制御手段250により行われる。
上記ステップS75及びステップS76が、本初期ゲーム数抽選における「保障機能」である。
上記加算後、ステップS77から次のステップS78に進み、「総ゲーム数」を「初期ゲーム数」に設定し、本初期ゲーム数抽選の処置を終了する。当該算出は、有利遊技制御手段250により行われる。
一方、先のステップS70の判定結果が、スタートレバー(スタートスイッチ40)が操作されたていない場合には、本初期ゲーム数抽選の処理を終了する。
また、先のステップS75の判定結果が、「総ゲーム数<保障ゲーム数」でない場合、すなわち「総ゲーム数」と「保障ゲーム数」とが等しい場合、或いは「総ゲーム数」が「保障ゲーム数」を上回っている場合には、「保障処理」(ステップS75及びステップS76)を行うこと無く、ステップS78に進み、「総ゲーム数」を「初期ゲーム数」に設定する。
その結果、「保障ゲーム数」を上回る「初期ゲーム数」を獲得できる場合がある。
(上乗せ獲得パターンの変形例A)
つぎに、上乗せ獲得パターンの変形例A〜Gについて説明する。
まず、図16〜21を用いて説明した例1〜例5(以下、「先に説明した例」という。)では、ART移行抽選の当選を条件としてART状態へ移行させるものである。しかし、これに限らず、所定のポイント獲得抽選により獲得したポイントの累計が規定の目標ポイントに達することを条件としてART状態へ移行させる遊技性にも適用可能である。
具体的には、通常一般状態において、毎遊技の役抽選の結果や設定値に応じてポイント獲得抽選を実行し、この抽選で獲得したポイントをトータルポイントとして累計しておく。一方、通常状態には、通常一般状態に比べてポイントを獲得し易い特殊特化状態(30Gの特殊高確ゾーン)を設けておき、この特化状態へ所定の移行抽選に当選することで移行させる。そうすると、通常遊技を進めていくことで、逐次、ポイントを獲得してき、特殊特化状態へ移行することで、大きくポイントを獲得して、規定の目標ポイント(100Pt)に近づける遊技性となる。
このとき、特殊特化状態では、通常一般状態より有利なポイント獲得抽選を実行するものの、それでも期待したほどのポイントが獲得できない場合がある。よって、特殊特化状態が終了するときに、特殊特化状態中に獲得した累計ポイントと、規定の保障ポイント(30Pt)と対比し、所定の保障処理を実行する。これにより、特殊特化状態に対して保障ポイントが設定され、特殊特化状態へ突入すると、必ず、保障ポイント以上のポイントを獲得することができる。
(上乗せ獲得パターンの変形例B)
先に説明した例では、予め区間の長さが確定している上乗せ特化状態に対して規定の保障ゲーム数を設定したものである。しかし、これに限らず、ART状態へ移行するためのART準備状態の様に、予め区間の長さが確定しておらず、任意のタイミングで終了する可能性のある状態に対しても適用可能である。
具体的には、第2ART準備状態において、毎遊技の役抽選結果に応じて、上乗せゲーム数抽選を実行すると共に、各遊技で獲得した上乗せゲーム数の累計(トータル上乗せゲーム数)を算出しておく。そして、第5RT移行図柄が表示されてRT5への移行条件を満たし、次の遊技から第2ART状態へ移行することとなった場合、このタイミングで、それまでのトータル上乗せゲーム数と、規定の保障ゲーム数とを対比し、所定の保障処理を実行する。これにより、ART準備状態の期間が短くて、早期にRT移行条件を満たしていても、必ず、保障ゲーム数以上の上乗せゲーム数を獲得することができる。
なお、ART準備状態で獲得した上乗せゲーム数は、最初からART初期ゲーム数に加算してART状態を開始してもよいし、ART状態の途中で加算してもよい。
(上乗せ獲得パターンの変形例C)
先に説明した例は、10ゲームの上乗せ特化状態において、1回の遊技毎に獲得する上乗せゲーム数、つまり、10回のスターレバー操作(契機)で獲得した10個の上乗せゲーム数に対して規定の保障ゲーム数を設定したものである。しかし、これに限らず、例えば、1回のスタートレバー操作(契機)で獲得する上乗せゲーム数に対して規定の保障ゲーム数を設定することも可能である。
例えば、ART状態における最初の遊技を開始するためのスタートレバー操作を契機に、ART状態の初期ゲーム数を決定するものとする。この場合、図24のように、規定の継続率でループ抽選を実行することで総ゲーム数を算出し、算出した総ゲーム数と、規定の保障ゲーム数とを対比し、所定の保障処理を実行する。これにより、1回のスタート操作で獲得する総ゲーム数、つまり、ART状態の初期ゲーム数に対して規定の保障ゲーム数を設定することが可能となる。
(上乗せ獲得パターンの変形例D)
先に説明した例では、10ゲームの上乗せ特化状態(一定の期間)に対して規定の保障ゲーム数を設定したものである。よって、一定の期間内に獲得した上乗せゲーム数を対象としており、その期間内には、当然、上乗せゲーム数抽選が実行されない遊技も含まれる可能性がある。このような一定の期間ではなく、一定回数の上乗せゲーム数抽選に対して規定の保障ゲーム数を設定することも可能である。
具体的には、ART状態において、10回の上乗せゲーム数抽選を実行するチャンス(権利)を獲得したとする。このとき、チャンスを実行したときには、必ず、上乗せゲーム数抽選が実行される。この10回の上乗せゲーム数抽選は、10回連続してチャンスを利用してもよいし、一定の期間を挟んでバラバラに10回チャンスを利用してもよい。ただし、10回目のチャンスを利用したときには、それまでのトータルゲーム数と、規定保障ゲーム数とを対比し、所定の保障処理を実行する。これにより、10回の上乗せゲーム数抽選で獲得する上乗せゲーム数に対して規定の保障ゲーム数を設定することが可能となる。
(上乗せ獲得パターンの変形例E)
先に説明した例は、AT状態又はRT状態である上乗せ特化状態に対して規定の保障ゲーム数を設定したものである。しかし、これに限らず、例えば前兆状態の様に、非AT状態又は非RT状態である通常状態に対しても規定の保障ゲーム数を設定すること可能である。
例えば、前兆ゲーム数として「40G」が設定された前兆状態において、1回の遊技毎に、ゲーム数を抽選により決定しておく。そして、前兆ゲーム数を消化したときに、各遊技で決定したゲーム数の累計であるトータルゲーム数を算出し、このトータルゲーム数に基づいて、ART状態の初期ゲーム数を決定することとする(「トータルゲーム数=30G」→「初期ゲーム数=300G」)。
このとき、各遊技で獲得するゲーム数は抽選によるため、トータルゲーム数が著しく少ないゲーム数となる場合がありえる。そこで、本発明の様に、前兆ゲーム数を消化したときのトータルゲーム数と、規定の保障ゲーム数とを対比することで、トータルゲーム数、引いてはART状態の初期ゲーム数に対して規定の保障ゲーム数を設定することが可能となる。
(上乗せ獲得パターンの変形例F)
先に説明した例では、ART状態へ高確率に移行させることが可能な特殊特化状態を設けている。このような特殊特化状態に対して保障ゲーム数を設定し、結果、100%の確率でART状態へ移行させることが可能な特殊特化状態を設けることも可能である。
具体的には、通常一般状態において、特殊特化状態(10Gの特殊ゾーン)へ移行するか否かの特殊ゾーン移行抽選を、通常ART移行抽選とは別に設けておく。この特殊ゾーン移行抽選に当選すると、10ゲームから成る特殊ゾーンへ移行すると共に、当該ゾーン中の各遊技でゲーム数を抽選により獲得していく。そして、特殊ゾーンを終了するときまでに獲得した累計ゲーム数を、ART初期ゲーム数としたART状態を開始する。
ここで、特殊ゾーン中のゲーム数は抽選により獲得するため、累計ゲーム数が「0G」となる場合も起こり得る。すると、この場合、ART初期ゲーム数が「0G」となり、0ゲームのART状態が開始されることになる。これは、とりもなおさず、ART状態へ移行しない(非当選)、と同じ意味になる。よって、このような特殊ゾーンは、ART状態へ高確率に移行させることが可能な従来の特殊特化状態、に相当する。
これに対し、上記の様な特殊ゾーンに対して規定の保障ゲーム数を設定した場合、特殊ゾーンが終了するときに、例え累計ゲーム数が「0G」であったとしても、規定の保障ゲーム数(30G)を対比させることで、保障ゲーム数分のゲーム数を担保する。すると、特殊ゾーンを消化すると、保障ゲーム数以上のゲーム数を獲得することができ、必ず、0Gを超えるゲーム数がART初期ゲーム数として設定することができる。これは、言い換えると、ARTゲーム数は異なるかもしれないが、100%の確率で、ART状態へ移行させることができる、と言うことになる。
したがって、保障ゲーム数を設定しない特殊ゾーンは、ART状態へ高確率に移行させることが可能な特殊特化状態と言え、保障ゲーム数を設定した特殊ゾーンは、ART状態へ100%の確率で移行させることが可能な特殊特化状態と言える。この様に、保障ゲーム数を設定する(保障処理を実行させる)ことで、ART状態への移行を確定させることができる。
(上乗せ獲得パターンの変形例G)
先に説明した例は、上乗せ特化状態において獲得する上乗せゲーム数の長さを決定する場面で保障処理を実行するものである。しかし、これに限らず、ART状態へ移行するか否かを決定する場面で保障処理を実行することも可能である。
例えば、通常遊技状態において獲得するポイントが規定の目標値に達するとART状態へ移行可能(当選)となる仕様において、通常時に比べ、規定の目標値へより早く達するよう、ポイントが獲得し易い特殊特化状態(10G)を設けておく。この場合、特殊特化状態において、1回の遊技毎に、ポイント獲得抽選を実行すると共に、これにより獲得したポイントをトータルポイントに加算する。そして、特殊特化状態が終了するときに(10ゲーム目の遊技)、トータルポイントと、規定の保障ポイントと、を対比することで、トータルポイント数、引いては、特殊特化状態で獲得可能なポイント数に対して保障を付けることが可能となる。
最終的に、特殊特化状態で獲得したポイント数を、特殊特化状態へ突入する前までに獲得していた累計ポイント数に加算し、この加算したポイント数と、規定の目標値とを比較して、ART遊技状態へ移行するかを決定する。
(実施の形態の補足説明)
先に説明した例では、特殊上乗せ特化状態は、初期ゲーム数(10G)が設定され、この初期ゲーム数を消化すると、当該特化状態を終了して、第2ART状態へ移行する。しかし、この様に、特殊上乗せ特化状態の終了時期を予め決定しておく以外にも、特殊上乗せ特化状態の終了時期が変化(延長、短縮)するようにしてもよい。
具体的には、初期ゲーム数を再設定するか否かを決定する抽選(ゲーム数巻戻し抽選)を実行し、これに当選した場合は、その時点での残りゲーム数を、初期ゲーム数に再設定するなどして、特殊上乗せ特化状態の終了時期が変化するようにする。例えば、特殊上乗せ特化状態を「ゲーム数巻戻し抽選」を実行しつつ消化し、残り4ゲームとなった時点で「ゲーム数巻戻し抽選」に当選した場合には、残りゲーム数を「10ゲーム」に再設定することで、特殊上乗せ特化状態を延長することができる。
(実施の形態の補足的な説明)
上記実施の形態は、以下の技術思想を包含する特徴点を含むものである。
(1)第1の特徴点
(1−1)第1の特徴点の構成
第1の特徴点は、次の通りである。
第一に、遊技の進行に伴って、遊技者の利益を規定する利益値を決定し、当該決定された利益値の値が高いほど、その後の遊技を有利に展開できるようにした遊技機(10)である。
第二に、遊技機(10)には、例えば図3に示すように、次の構成を備える。
(1)利益値抽選手段(252)
利益値抽選手段(252)は、予め設定された抽選条件が満たされた場合に、利益値を抽選により決定するものである。
(2)トータル値算出手段(253)
トータル値算出手段(253)は、利益値抽選手段(252)により決定された利益値のトータル値を算出するものである。
(3)保障値記憶手段(254)
保障値記憶手段(254)は、トータル値算出手段(253)により算出されるトータル値の最小限度を保障値として予め記憶したものである。
(4)保障管理手段(255)
保障管理手段(255)は、トータル値算出手段(253)により算出されたトータル値が保障値記憶手段(254)に記憶された保障値を超えている場合に、当該トータル値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにし、トータル値算出手段(253)により算出されたトータル値が保障値記憶手段(254)に記憶された保障値に満たない場合に、当該保障値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにするものである。
ここで、第1の特徴点の構成において、前記保障管理手段は、上述の通り、前記トータル値算出手段により算出されたトータル値が前記保障値記憶手段に記憶された保障値に満たない場合に、前記保障値と同じ値を利益値とすることで、その後の遊技を有利に展開できるようにすることが可能である。しかし、これ以外にも、例えば、前記保障値記憶手段に記憶された保障値以上の値を決定することが可能な保障値抽選手段を設けておき、前記保障管理手段は、前記トータル値が前記保障値に満たない場合、前記保障値抽選手段により値を決定し、この値(すなわち、保障値以上となる値)を利益値とするなど、前記保障値以上の値を利益値としてもよい。
また、第1の特徴点の構成において、前記保障値記憶手段により予め記憶される保障値は、遊技全体を通じて一定の保障値とすることができる。しかし、これ以外にも、例えば、複数の上乗せ特化状態(又はART準備状態・チャンスゾーン)が設けられる場合に、各上乗せ特化状態(又はART準備状態・チャンスゾーン)毎に保障値を設定して記憶するなど、前記保障値記憶手段は、前記利益値選手段に利益値が決定される状態(複数ゲームの期間)毎に設定される複数の保障値を記憶しておいてもよい。あるいは、前記保障値記憶手段に記憶される保障値は、所定の抽選により決定された値としてもよい。
(1−2)第1の特徴点と実施の形態との対応関係
第1の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「利益値」は、例えば図5に示す利益値抽選手段(252)により決定された「値」を意味し、例えば有利遊技(例えばいわゆる「ART」)の「上乗せゲーム数」が相当する。ここで、「値」は、自然数(正の整数)のほか、「0」を含むものであるが、これに限定されず、「0」を除いてもよいし、或いは「負の整数」を加えてもよい。
ここで、「トータル値」は、例えば図5に示す利益値抽選手段(252)により決定された利益値を合計して得られた「値」であるが、利益値が1回しか得られない場合には、当該利益値に一致する。
ここで、「保障値」は、「利益値」のうち、例えば図5に示す保障値記憶手段(254)に記憶され、遊技者に保障された「利益値」を意味する。
ここで、「トータル値を算出する」の算出のタイミングとしては、例えば「利益値の抽選の度、その都度」が相当する。
(1−3)第1の特徴点のバリエーション
第1の特徴点のバリエーションも、次の通りである。
ここで、「利益値」として、例えば有利遊技(例えば「ART」)の「上乗せゲーム数」を例示したが、これに限定されず、例えば図23に示す「初期ゲーム数」でもよいし、或いはゲーム数に限定されず、セット数やポイント数等でもよい。また、有利遊技として、いわゆる「ART」を例示したが、これに限定されず、いわゆる「AT」でもよい。
ここで、「トータル値を算出する」の算出のタイミングとして、「利益値の抽選の度、その都度」を例示したが、これに限定されず、「最終ゲーム」における一括算出を含むものである。
ここでは、「トータル値>保障値」の場合と、「トータル値<保障値」の場合と、を特定した。「利益値」の獲得のしかたによっては、「トータル値=保障値」の場合も考えられる。すなわち、「トータル値=保障値」の場合は、結果として同じであるため、「保障値」を「利益値」としてもよいし、或いは「トータル値」を「利益値」としてもよい。
なお、前記トータル値算出手段によるトータル値が前記保障値記憶手段の保障値に満たない場合(或いは等しい場合)、保障値を超える利益値を用いてもよい。
(1−4)第1の特徴点の作用効果
第1の特徴点の作用効果は、次の通りである。
すなわち、第1の特徴点によれば、遊技者が獲得した利益値のトータル値が保障値を超えている場合に、保障値を超えた利益を遊技者に享受させることができるようにするとともに、運悪く、トータル値が保障値に満たない場合にも、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができる。
その結果、第1の特徴点によれば、遊技者の技量差や偶然等に影響されずに、最低限、保障値による利益を遊技者に公平に分配することができる。
例えば、所定の確率に従った抽選により利益値を決定する場合、例え同じ回数だけ複数の利益値を決定したとしても、これらのトータル値は、必ずしも毎回同じトータル値となる訳ではない。例えば、或るトータル値は大きな利益を示す値(例えば500ゲーム・500枚・500Pt(ポイント、以下「Pt」という。))になったり(上振れを起こしたり)、或るトータル値は小さな利益を示す値(例えば10ゲーム・10枚・10Pt)になったり(下振れを起こしたり)する。この様に、トータル値は、抽選により決定される利益値のトータル(合計・総計)であるため、このトータル値そのままに基づいて、その後の遊技を展開すると、遊技の有利さに大きな幅が生じてしまうことがある。
これに対し、第1の特徴点では、トータル値そのままではなく、トータル値と保障値とを比較した結果に応じて、その後の遊技を展開するようにしている。このため、トータル値が大きな利益を示す値となって、その後の遊技が「有利さ:大」で展開されたとしても、これ(上振れ)を許容している。一方、トータル値が小さな利益を示す値となって、その後の遊技が「有利さ:小」で展開される場合には、これ(下振れ)を許容せずに、予め定めた保障値に基づいて、その後の遊技が「有利さ:中(>小)」で展開されるようにするものである。
従って、遊技者は、最低限の有利さ(中)が保障されたなかで、利益値を決定する遊技を行うことができつつも、その後の遊技が「有利さ:大」で展開されることを期待することができる。しかも、利益値を決定していくなかで、例えば利益値が少ない場合に抽選確率を上げたり、或いは利益値が多い場合に抽選確率を下げたりするなど、トータル値を算出するまでの抽選確率を必ずしも変化させる必要がないため、利益値抽選手段で用いる抽選テーブルが少なくなって容量が削減され、簡易な抽選処理を実現することができる。これは、第1の特徴点に係る利益値抽選手段や保障管理手段をメイン制御基板に設けたときに、好適となるものである。
(2)第2の特徴点
(2−1)第2の特徴点の構成
第2の特徴点は、上記した第1の特徴点に加え、次の通りである。
すなわち、所定の開始条件が成立した後に前記抽選条件を満たすと、利益値抽選手段(252)による抽選を実行させ、前記開始条件が成立した後に成立する所定の終了条件が成立すると、保障管理手段(255)によりトータル値と保障値とを比較させ、当該比較した結果、前記トータル値又は前記保障値を用いて、その後の遊技を有利に展開できるようにしている。
(2−2)第2の特徴点と実施の形態との対応関係
第2の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「所定の開始条件」としては、例えば「ART状態」中の「上乗せ特化ゾーン」(上乗せ特化状態)への突入が相当する。
ここで、「所定の終了条件」は、例えば「上乗せ特化ゾーン」(上乗せ特化状態)の「最終ゲーム」が相当する。
(2−3)第2の特徴点のバリエーション
第2の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「所定の開始条件」として、「上乗せ特化ゾーン」(上乗せ特化状態)への突入を例示したが、これに限定されず、「上乗せ特化ゾーン」において所定の役の成立時、所定の図柄の表示時、ストックやポイントが所定値に達したとき、或いは開始条件の成否の抽選により決定してもよい。
ここで、「所定の終了条件」として、「上乗せ特化ゾーン」(上乗せ特化状態)の「最終ゲーム」を例示したが、これに限定されず、「上乗せ特化ゾーン」において所定の役の成立時、所定の図柄の表示時、ストックやポイントが所定値に達したとき、或いは終了条件の成否の抽選により決定してもよい。
(2−4)第2の特徴点の作用効果
第2の特徴点は、上記した第1の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第2の特徴点によれば、終了条件の成立を契機として、トータル値と保障値とを比較させることで、終了条件の成立時において、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができる。
(3)第3の特徴点
(3−1)第3の特徴点の構成
第3の特徴点は、上記した第1の特徴点又は第2の特徴点に加え、次の通りである。
第一に、利益値抽選手段(252)は、予め設定された複数ゲームの期間内において抽選が実行される。
第二に、保障管理手段(255)は、複数ゲームの最終ゲームにおいて、利益値抽選手段(252)により抽選が実行され、当該抽選により決定された利益値を加算したトータル値が保障値に満たない場合に、当該保障値との差分値を求め、当該差分値をトータル値に加算することで、最終ゲームの後の遊技を有利に展開できるようにしている。
(3−2)第3の特徴点と実施の形態との対応関係
第3の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「利益値」は、最終回の最終抽選により決定された「最終的な利益値」を意味する。
ここで、「トータル値」は、「最終的な利益値」に、抽選により決定され、図5に示すトータル値算出手段(253)により算出されたトータル値に、「最終的な利益値」を加算して得られた利益値を意味する。
ここで、「差分値」は、「保障値」から「トータル値」を減算した利益値を意味する。
ここで、第3の特徴点の構成において、「複数ゲームの最終ゲームにおいて」とは、第1の実施の形態(図15及び図16)において、「10ゲームの特殊上乗せ特化状態の10G目のゲームにおいて」に相当する。
また、第3の特徴点の構成において、「利益値抽選手段により決定された利益値を加算したトータル値が保障値に満たない場合」とは、第1の実施の形態(図15及び図16)において、「上乗せ抽選により決定された上乗せG数(7)とトータル上乗せG数(20)とを加算した値(27)が保障G数(30)に満たない場合」に相当する。
また、第3の特徴点の構成において、「保障値との差分値を求め、当該差分値をトータル値に加算する」とは、第1の実施の形態(図15及び図16)において、「上乗せ抽選により決定された上乗せG数(7)とトータル上乗せG数(20)とを加算した値(27)と、保障G数(30)との差分値(3)を求め、この差分値(3)を上乗せG数(7)に加算し、この加算後の上乗せG数(10)をトータル上乗せゲーム数(20)に加算する」に相当する。
また、第3の特徴点の構成において、「最終ゲームの後の遊技を有利に展開する」とは、第1の実施の形態(図15及び図16)において、「特殊上乗せ特化状態を終了し、当該特化状態で獲得したゲーム数(20)が加算された第2ART状態(残り40Gから残り60Gへ増加した状態)へ移行する」に相当する。
なお、第1の実施の形態では、図15に示す様に、最終ゲームにおいて、トータル上乗せG数が保障G数に満たないか否かを判定した(S51)後に、上乗せ抽選により決定された上乗せG数をトータル上乗せG数に加算している(S52)。このため、保障G数と判定されるの際のトータル上乗せG数は、当該遊技において上乗せ抽選により決定された上乗せG数を加算していない値である。よって、保障G数との判定のとき(S51)や、差分値を求めるとき(S56)には、上述の通り、その時点でのトータル上乗せG数ではなく、その時点でのトータル上乗せG数に当該遊技において決定された上乗せG数を加算した値を用いることになる。
なお、例えば、上乗せ抽選により決定された上乗せG数をトータル上乗せG数に加算した後、保障G数との判定や差分値を求める場合には、第1の実施の形態とは異なり、前記トータル上乗せG数そのものが保障G数に満たないか否かを判定し、前記トータル上乗せG数そのものと保障G数との差分値を求めることとなる。
(3−3)第3の特徴点の作用効果
第3の特徴点は、上記した第1の特徴点又は第2の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第3の特徴点によれば、複数ゲームの最終ゲームにおいて、トータル値が保障値に満たない場合に、当該保障値との差分値を求め、当該差分値をトータル値に加算することで、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができる。
(4)第4の特徴点
(4−1)第4の特徴点の構成
第4の特徴点は、上記した第3の特徴点に加え、次の通りである。
第一に、利益値抽選手段(252)により決定された利益値を、報知手段(例えば画像表示部84)により報知可能な報知制御手段(331)を備える。
第二に、保障管理手段(255)は、差分値を、最終ゲームにおいて利益値抽選手段(252)により決定された利益値に加算して合計値を求める。
第三に、報知制御手段(331)は、保障管理手段(255)が求めた合計値を、最終ゲームにおいて利益値に代えて報知手段(70)により報知させるようにしている。
第4の特徴点の構成において、報知制御手段は、例えば利益値抽選手段により利益値を決定したときに、この決定した利益値が遊技者にとって有利な利益値である場合(例えば上乗せ抽選により決定したゲーム数が「0」を超える場合)に、この決定した利益値を報知するように設けるとよい。ただし、これ以外にも、報知制御手段は、利益値抽選手段により利益値を決定したときに利益値を報知したり、利益値抽選手段による抽選が行われたときに利益値を報知するようにしてもよい。
(4−2)第4の特徴点と実施の形態との対応関係
第4の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「報知手段」としては、例えば図3に示す画像表示部(84)を例示したが、これに限定されず、演出用ランプ(78)を用いて表示させたり、或いはスピーカ(72)を用いて音声により報知するようにしてもよい。
ここで、「合計値」は、「最終的な利益値」に、「差分値」を加算した値を意味する。
ここで、第4の特徴点の構成において、「差分値を、最終ゲームにおいて利益値抽選手段により決定された利益値に加算して合計値に求める」とは、第1の実施の形態(図15及び図16)において、「特殊上乗せ特化状態の10G目の遊技において、差分値(3)を、上乗せ抽選により決定された上乗せG数(7)とに加算して合計値(10)を求める」ことに相当する。
また、第4の特徴点の構成において、「合計値を、最終ゲームにおいて利益値に代えて報知手段により報知させる」とは、第1の実施の形態(図15及び図16、図17(G))において、「合計値(10)を、10G目の上乗せ抽選により決定された上乗せG数(7)に代えて報知する」ことに相当する。
(4−3)第4の特徴点の作用効果
第4の特徴点は、上記した第3の特徴点の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第4の特徴点によれば、最終ゲームにおいて利益値抽選手段により決定された利益値に、保障値との差分値を加算した合計値を、遊技者に報知することができる。
その結果、第4の特徴点によれば、保障の結果を遊技者にわかりやすく報知することができる。
(5)第5の特徴点
(5−1)第5の特徴点の構成
第5の特徴点は、上記した第1〜第4の特徴点のいずれか一つの特徴点に加え、次の通りである。
第一に、利益値抽選手段(252)には、例えば図22に示すように、次の構成を備える。
(1)基準値抽選手段(400)
基準値抽選手段(400)は、利益値を構成する基準値を抽選により決定するものである。
(2)継続抽選手段(410)
継続抽選手段(410)は、前記基準値を増加させるための継続抽選を実行し、当該継続抽選に当選したことを条件に、継続抽選を繰り返して実行可能なものである。
(3)カウント手段(430)
カウント手段(430)は、継続抽選手段(410)による継続抽選の繰り返し回数をカウント可能なものである。
(4)利益値算出手段(440)
利益値算出手段(440)は、継続抽選に外れ、当該継続抽選の繰り返しの終了後、基準値抽選手段(400)により決定された基準値と、カウント手段(430)のカウント値とを乗算した「乗算値」を算出するものである。
第二に、利益値抽選手段(252)は、利益値算出手段(440)により算出される「乗算値」を「利益値」として決定するようにしている。
ここで、第5の特徴点の構成において、利益値算出手段は、基準値抽選手段により決定された基準値と、カウント手段よりカウントされたカウント値(繰り返し回数)を乗算した乗算値を算出し、この算出した乗算値を、利益値抽選手段が利益値として決定する。
よって、例えば、基準値が「10」である場合、カウント手段によるカウント値が「1」であると乗算値は「10」となり、結果、利益値は「10」に決定される。同様に、基準値が「10」である場合、カウント手段によるカウント値が「5」であると乗算値は「50」となり、結果、利益値は「50」に決定される。ここで、前者の利益値は、基準値そのものの値(利益値=基準値)であり、また、後者の利益値は、基準値を5倍した値(利益値=基準値×5)である。この様に、基準値を繰り返し加算した結果が利益値となる、言い換えると、複数の基準値を集めた結果が最終的な利益値となることから、第5の特徴点の構成においては、「利益値を構成する基準値」、としている。
なお、第5の特徴点の構成において、カウント手段によるカウント値の初期値を「0」とし、継続抽選に当選しなかった場合、利益値算出手段により算出する乗算値(ひいては利益値)が「0」となる(利益値=0、利益値が得られない)ように設けることができる。しかし、これ以外にも、例えばカウント手段によりカウント値の初期値を「1」とするなど、利益値算出手段による算出値(利益値)が、常に「0」を超える(利益値>0、利益値が得られる)ように設けてもよい。
(5−2)第5の特徴点と実施の形態との対応関係
第5の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「基準値」は、利益値を構成する「値」であり、例えば図23に示す「基準ゲーム数」が相当する。
ここで、「カウント値」は、例えば図22に示すカウント手段(430)によるカウント回数、すなわち継続抽選手段(410)による継続抽選の繰り返し回数を意味し、例えば図23に示す「倍加回数」が相当する。
ここで、「乗算値」は、「基準値×カウント値」の式で算出している。また、「利益値」も、「基準値×カウント値→利益値」としている。
(5−3)第5の特徴点のバリエーション
第5の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「基準値」として、「基準ゲーム数」を例示したが、これに限定されず、セット数やポイント数等でもよい。
ここで、「乗算値」として、「基準値×カウント値」の式を例示したが、これに限定されず、「カウント値×基準値」の式で求めてもよい。また、「利益値」も、「基準値×カウント値→利益値」を例示したが、これに限定されず、「カウント値×基準値→利益値」としてもよい。
(5−4)第5の特徴点の作用効果
第5の特徴点は、上記した第1〜第4の特徴点のいずれか一つの特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第5の特徴点によれば、継続抽選の繰り返し回数をカウントすることで、利益値を構成する基準値を増加させることできる。
(6)第6の特徴点
(6−1)第6の特徴点の構成
第6の特徴点は、上記した第5の特徴点に加え、次の通りである。
第一に、継続抽選手段(410)は、予め定められた継続率で当選か否かを決定する継続抽選を実行可能なものである。
第二に、利益値抽選手段(252)は、例えば図22に示すように、継続抽選手段410による継続抽選が繰り返し実行される前に、継続抽選の継続率を抽選により決定する継続率抽選手段(420)を備える。
(6−2)第6の特徴点の作用効果
第6の特徴点は、上記した第5の特徴点の作用効果に加え、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第6の特徴点によれば、継続率を抽選により決定することで、継続抽選の繰り返し回数を変化させることできる。
(7)第7の特徴点
(7−1)第7の特徴点の構成
第7の特徴点は、次の通りである。
第一に、通常遊技と、通常遊技より遊技者に有利で、複数のゲーム数の間、実行可能な有利遊技とを有する遊技機(10)である。
第二に、遊技機(10)には、例えば図3及び図5に示すように、次の構成を備える。
(1)利益値抽選手段(252)
利益値抽選手段(252)は、有利遊技において、少なくとも複数回の抽選が実行され、当該抽選により上乗せゲーム数を決定するものである。
(2)トータル値算出手段(253)
トータル値算出手段(253)は、利益値抽選手段(252)により決定された上乗せゲーム数のトータルゲーム数を算出するものである。
(3)保障値記憶手段(254)
保障値記憶手段(254)は、トータル値算出手段(253)により算出されるトータルゲーム数の最小値を保障ゲーム数として予め記憶したものである。
(4)報知制御手段(331)
報知制御手段(331)は、複数回の抽選のうち、最終回に実行される最終抽選を除き、最終回に至る間に実行された抽選により決定された上乗せゲーム数を報知手段(70)により毎回報知した後、当該報知した上乗せゲーム数の加算後のトータルゲーム数を報知するものである。
(5)保障管理手段(255)
保障管理手段(255)は、最終抽選において、当該最終抽選により決定された最終上乗せゲーム数をトータルゲーム数に加算して得られた加算ゲーム数が、保障値記憶手段(254)に記憶された保障ゲーム数を超えている場合に、最終上乗せゲーム数を報知手段(70)により報知させた後、加算ゲーム数を報知手段(70)によりトータルゲーム数として報知させるものである。
さらに、保障管理手段(255)は、加算ゲーム数が保障ゲーム数に満たない場合に、当該保障ゲーム数との差分を求め、当該差分ゲーム数に最終上乗せゲーム数を加算して得られた合計ゲーム数を報知手段(70)により報知させた後、保障ゲーム数を報知手段(70)によりトータルゲーム数として報知させるものである。
(7−2)第7の特徴点と実施の形態との対応関係
第7の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「有利遊技」としては、例えばいわゆる「ART」が相当する。
ここで、「上乗せゲーム数」は、自然数(正の整数)のほか、「0」を含むものであるこれに限定されず、「0」を除いてもよいし、或いは「負の整数」を加えてもよい。
ここで、「トータルゲーム数」は、例えば図5に示す利益値抽選手段(252)により決定された上乗せゲーム数を合計して得られた「ゲーム数」であるが、自然数(正の整数)の上乗せゲーム数が1回しか得られない場合には、当該上乗せゲーム数に一致する。
ここで、「トータルゲーム数を算出する」の算出のタイミングとしては、例えば「上乗せゲーム数の抽選の度、その都度」が相当する。
ここで、「保障ゲーム数」は、例えば図5に示す保障値記憶手段(254)に記憶され、遊技者に保障された「上乗せゲーム数」を意味する。
(7−3)第7の特徴点のバリエーション
第7の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「有利遊技」として、いわゆる「ART」を例示したが、これに限定されず、いわゆる「AT」でもよい。
ここで、「トータルゲーム数を算出する」の算出のタイミングとしては、「上乗せゲーム数の抽選の度、その都度」を例示したが、これに限定されず、「最終ゲーム」における一括算出を含むものである。
(7−4)第7特徴点の作用効果
第7の特徴点は、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第7の特徴点によれば、上記した第1の特徴点と同様の技術思想の下、有利遊技における上乗せゲーム数を保障することができる。
これに加え、第7の特徴点によれば、トータルゲーム数を複数回の抽選により決定し、各回の抽選により決定された上乗せゲーム数を遊技者に報知することができる。
さらに、第7の特徴点によれば、最終回に実行される抽選においては、加算ゲーム数が保障ゲーム数に満たない場合に、保障ゲーム数との差分を求め、当該差分ゲーム数に最終上乗せゲーム数を加算して得られた合計ゲーム数を、遊技者に報知することができる。
その結果、第7の特徴点によれば、保障の結果を遊技者にわかりやすく報知することができる。
(8)第8の特徴点
(8−1)第8の特徴点の構成
第8の特徴点は、次の通りである。
第一に、遊技機(10)には、例えば図3及び図5に示すように、次の構成を備える。
(1)通常遊技制御手段(例えば遊技状態制御手段240)
通常遊技制御手段(例えば遊技状態制御手段240)は、通常遊技を制御するものである。
(2)有利遊技制御手段(250)
有利遊技制御手段(250)は、通常遊技より有利で、予め設定された所定の遊技区間の有利遊技を制御するものである。
(3)上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)
上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)は、有利遊技の遊技区間を延長可能な上乗せ区間を上乗せ抽選により決定するとともに、予め設定された複数ゲーム間において複数回の上乗せ抽選を実行するものである。
(3)上乗せ管理手段(例えば保障管理手段255)
上乗せ管理手段(例えば保障管理手段255)は、複数ゲーム間において上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)により決定された決定区間のトータル区間を算出し、複数ゲームの終了時までに算出されたトータル区間と保障区間とを比較し、トータル区間が保障区間に対し長い場合に、当該トータル区間を遊技者に付与し、トータル区間が保障区間に対し短い場合に、保障区間以上の上乗せ区間を遊技者に付与するものである。
第二に、上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)は、複数ゲームを少なくとも前半ゲームと後半ゲームとに仮に区切り、前半用の上乗せ抽選確率が、前半ゲームにおいて保障区間を獲得させるために、高確率に仮に設定され、後半用の上乗せ抽選確率が、前半用の上乗せ抽選確率に比較し、低確率に仮に設定された場合を仮想し、複数ゲーム間において、上乗せ抽選確率が一定に設定された所定抽選確率を用い、当該所定抽選確率を仮想した後半用の上乗せ抽選確率より高確率に設定している。
(8−2)第8の特徴点と実施の形態との対応関係
第8の特徴点と実施の形態との対応関係は、次の通りである。
ここで、「有利遊技」としては、例えばいわゆる「ART」が相当する。
ここで、「遊技区間」は、例えば「ゲーム数」で規定している。
ここで、「上乗せ区間」は、例えば「上乗せゲーム数」で規定している。
ここで、「決定区間」は、例えば図5に示す上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)により決定された「区間」を意味し、例えば有利遊技(例えば「ART」)の「上乗せゲーム数」が相当する。なお、「決定区間」は、個々の「区間」を意味し、これに対し、「上乗せ区間」は全体的な「区間」を意味するが、複数ゲームの終了時までに一つの「決定区間」しか得られない場合には、当該「決定区間」と「上乗せ区間」とは一致する。
ここで、「トータル区間」は、例えば図5に示す上乗せ抽選手段(例えば利益値抽選手段252)により決定された「決定区間」を合計して得られた「区間」であるが、「決定区間」が1回しか得られない場合には、トータル区間と一致する。
ここで、「保障区間」は、遊技者に予め保障された「上乗せ区間」を意味する。
つぎに、先に説明した段落「0185」及び「0186」の例を用いて説明する。
ここで、「前記上乗せ抽選手段は、前記複数ゲームを少なくとも前半ゲームと後半ゲームとに仮に区切り、」としては、「複数ゲーム」として「10ゲーム」を例示し、「前半ゲーム」として「1G〜4G」を例示し、「後半ゲーム」として「5G〜10G」を例示している。
ここで、「前記前半用の上乗せ抽選確率が、前記前半ゲームにおいて前記保障区間を獲得させるために、高確率に仮に設定され、」としては、「1/1」を例示している。
ここで、「前記後半用の上乗せ抽選確率が、前記前半用の上乗せ抽選確率に比較し、低確率に仮に設定された場合を仮想し、」として、「1/6」を例示し、前半用の「1/1」に比較し、低確率に設定している。
ここで、前記複数ゲーム間において一定に設定される上乗せ抽選は、前記複数ゲーム(10G)を前記前半ゲーム(4G)と前記後半ゲーム(6G)とに区切った場合、前記前半ゲームの上乗せ抽選における上乗せ区間の期待値(1/1×4=4ゲーム)と、前記後半ゲーム(6G)の上乗せ抽選における上乗せ区間の期待値(1/6×6=1ゲーム)と、を合計した値(5ゲーム)となる期待値(5ゲーム)が前記複数ゲーム(10G)において得られる抽選確率(5/10=1/2)に設定されている。
なお、第8の特徴点について、先に説明した段落「0185」及び「0186」と関連付けて説明したが、これらは一例であり、段落「0185」及び「0186」に例示した数値に限定されない。
(8−3)第8の特徴点のバリエーション
第8の特徴点のバリエーションは、次の通りである。
ここで、「有利遊技」として、いわゆる「ART」を例示したが、これに限定されず、いわゆる「AT」でもよい。
ここで、「遊技区間」として、「ゲーム数」を例示したが、これに限定されず、例えばセット数やポイント数等で規定してもよい。
ここで、「上乗せ区間」、「決定区間」、「トータル区間」及び「保障区間」として、「上乗せゲーム数」を例示したが、これに限定されず、例えばセット数やポイント数等で規定してもよい。
(8−4)第8の特徴点の作用効果
第8の特徴点は、次のような作用効果を奏する。
すなわち、第8の特徴点によれば、上記した第1の特徴点と同様の技術思想の下、有利遊技における上乗せ区間を保障することができる。
これに加え、第8の特徴点によれば、複数ゲーム間において、上乗せ抽選確率を高確率に設定することができる。
(第1の実施の形態)
10 遊技機 12 筐体
14 前扉 16 図柄表示窓部
20 上パネル
22 下パネル 24 ホッパーユニット
26 メダル受け皿 28 メダル払出口
30 操作部 34 マックスベットスイッチ
36 精算スイッチ 38 メダル投入口
40 スタートスイッチ 50 ストップスイッチ
L 左ストップスイッチ C 中ストップスイッチ
R 右ストップスイッチ
60 リールユニット
61 図柄 62 リール
63 リールテープ 64 左リール
66 中リール 68 右リール
70 演出装置
72 スピーカー 74 上部スピーカー
76 下部スピーカー 78 演出用ランプ
80 上部ランプ 82 下部ランプ
84 画像表示部 86 有効ライン
100 遊技制御手段 200 メイン制御手段
210 役抽選手段 220 リール制御手段
230 遊技結果判定手段
240 遊技状態制御手段 241 ノーマル状態制御手段
242 RT1状態制御手段 243 RT状態制御手段
250 有利遊技制御手段(ART) 251 AT抽選手段
252 利益値抽選手段 253 トータル値算出手段
254 保障値記憶手段 255 保障管理手段
260 ホッパー制御手段 270 送信制御手段
300 サブ制御手段
310 受信制御手段 320 通常状態制御手段
330 AT状態制御手段 331 報知制御手段
(第2の実施の形態)
400 基準値抽選手段
410 継続抽選手段 420 継続率抽選手段
430 カウント手段 440 利益値算出手段
そこで、本発明に係る遊技機は、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とする。
すなわち、本発明に係る遊技機は、継続抽選の繰り返し回数をカウントすることで、利益値を構成する基準値を増加させることできるようにしたものである。
また、本発明に係る遊技機は、遊技者が獲得した利益値のトータル値が保障値を超えている場合に、保障値を超えた利益を遊技者に享受させることができるようにするとともに、運悪く、トータル値が保障値に満たない場合にも、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができるようにしたものである。
その結果、本発明に係る遊技機によれば、遊技者の技量差や偶然等に影響されずに、最低限、保障値による利益を遊技者に公平に分配することができる。
また、本発明に係る遊技機は、継続率を抽選により決定することで、継続抽選の繰り返し回数を変化させることできるようにしたものである。
また、本発明に係る遊技機は、終了条件の成立を契機として、トータル値と保障値とを比較させることで、終了条件の成立時において、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができるようにしたものである。
また、本発明に係る遊技機は、複数ゲームの最終ゲームにおいて、トータル値が保障値に満たない場合に、当該保障値との差分値を求め、当該差分値をトータル値に加算することで、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができるようにしたものである。
また、本発明に係る遊技機は、最終ゲームにおいて利益値抽選手段により決定された利益値に、保障値との差分値を加算した合計値を、遊技者に報知することができるようにしたものである。
その結果、請求項4に記載の発明によれば、保障の結果を遊技者にわかりやすく報知することができる。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明に係る遊技機は、遊技の進行に伴って、遊技者の利益を規定する利益値を決定し、当該決定された利益値の値が高いほど、その後の遊技を有利に展開できるようにした遊技機(10)において、予め設定された抽選条件が満たされた場合に、前記利益値を抽選により決定する利益値抽選手段(252)を備えていることを特徴とする。
これに加え、本発明に係る遊技機は、前記利益値抽選手段(252)に、前記利益値を構成する基準値を抽選により決定する基準値抽選手段(400)と、前記基準値を増加させるための継続抽選を実行し、当該継続抽選に当選したことを条件に、前記継続抽選を繰り返して実行可能な継続抽選手段(410)と、前記継続抽選手段(410)による前記継続抽選の繰り返し回数をカウント可能なカウント手段(430)と、前記継続抽選に外れ、当該継続抽選の繰り返しの終了後、前記基準値抽選手段(400)により決定された前記基準値と、前記カウント手段(430)のカウント値とを乗算した乗算値を算出する利益値算出手段(440)とを備え、前記利益値抽選手段(252)は、前記利益値算出手段(440)により算出される前記乗算値を前記利益値として決定するようにしていることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記利益値抽選手段(252)により決定された利益値のトータル値を算出するトータル値算出手段(253)を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記トータル値算出手段(253)により算出される前記トータル値の最小限度を保障値として予め記憶した保障値記憶手段(254)を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記トータル値算出手段(253)により算出されたトータル値が前記保障値記憶手段(254)に記憶された保障値を超えている場合に、当該トータル値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにし、前記トータル値算出手段(253)により算出されたトータル値が前記保障値記憶手段(254)に記憶された保障値に満たない場合に、当該保障値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにする保障管理手段(255)を備えていることを特徴とする。
本発明に係る遊技機は、「トータル値>保障値」の場合と、「トータル値<保障値」の場合と、を特定したものである。
「利益値」の獲得のしかたによっては、「トータル値=保障値」の場合も考えられる。すなわち、「トータル値=保障値」の場合は、結果として同じであるため、「保障値」を「利益値」としてもよいし、或いは「トータル値」を「利益値」としてもよい。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記継続抽選手段(410)が、予め定められた継続率で当選か否かを決定する継続抽選を実行可能なものであり、前記利益値抽選手段(252)は、前記継続抽選手段(410)による前記継続抽選が繰り返し実行される前に、前記継続抽選の継続率を抽選により決定する継続率抽選手段(420)を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、所定の開始条件が成立した後に前記抽選条件を満たすと、前記利益値抽選手段(252)による抽選を実行させ、前記開始条件が成立した後に成立する所定の終了条件が成立すると、前記保障管理手段(255)により前記トータル値と前記保障値とを比較させ、当該比較した結果、前記トータル値又は前記保障値を用いて、その後の遊技を有利に展開できるようにしていることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、予め設定された複数ゲームの期間内において抽選が実行され、前記保障管理手段(255)は、前記複数ゲームの最終ゲームにおいて、前記利益値抽選手段(252)により抽選が実行され、当該抽選により決定された利益値を加算した前記トータル値が前記保障値に満たない場合に、当該保障値との差分値を求め、当該差分値を前記トータル値に加算することで、最終ゲームの後の遊技を有利に展開できるようにしていることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記利益値抽選手段(252)により決定された利益値を、報知手段(70)により報知可能な報知制御手段(331)を備え、前記保障管理手段(255)は、前記差分値を、前記最終ゲームにおいて前記利益値抽選手段(252)により決定された利益値に加算して合計値を求め、前記報知制御手段(331)は、前記保障管理手段(255)が求めた前記合計値を、前記最終ゲームにおいて前記利益値に代えて前記報知手段(70)により報知させるようにしていることを特徴とする。
本発明に係る遊技機は、以下のような効果を奏する。
すなわち、本発明に係る遊技機は、継続抽選の繰り返し回数をカウントすることで、利益値を構成する基準値を増加させることできる。
また、本発明に係る遊技機は、遊技者が獲得した利益値のトータル値が保障値を超えている場合に、保障値を超えた利益を遊技者に享受させることができるようにするとともに、運悪く、トータル値が保障値に満たない場合にも、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができる。
その結果、本発明に係る遊技機によれば、遊技者の技量差や偶然等に影響されずに、最低限、保障値による利益を遊技者に公平に分配することができる。
例えば、所定の確率に従った抽選により利益値を決定する場合、例え同じ回数だけ複数の利益値を決定したとしても、これらのトータル値は、必ずしも毎回同じトータル値となる訳ではない。例えば、或るトータル値は大きな利益を示す値(例えば500ゲーム・500枚・500Pt(ポイント、以下「Pt」という。))になったり(上振れを起こしたり)、或るトータル値は小さな利益を示す値(例えば10ゲーム・10枚・10Pt)になったり(下振れを起こしたり)する。この様に、トータル値は、抽選により決定される利益値のトータル(合計・総計)であるため、このトータル値そのままに基づいて、その後の遊技を展開すると、遊技の有利さに大きな幅が生じてしまうことがある。
これに対し、本発明に係る遊技機では、トータル値そのままではなく、トータル値と保障値とを比較した結果に応じて、その後の遊技を展開するようにしている。このため、トータル値が大きな利益を示す値となって、その後の遊技が「有利さ:大」で展開されたとしても、これ(上振れ)を許容している。一方、トータル値が小さな利益を示す値となって、その後の遊技が「有利さ:小」で展開される場合には、これ(下振れ)を許容せずに、予め定めた保障値に基づいて、その後の遊技が「有利さ:中(>小)」で展開されるようにするものである。
従って、遊技者は、最低限の有利さ(中)が保障されたなかで、利益値を決定する遊技を行うことができつつも、その後の遊技が「有利さ:大」で展開されることを期待することができる。しかも、利益値を決定していくなかで、例えば利益値が少ない場合に抽選確率を上げたり、或いは利益値が多い場合に抽選確率を下げたりするなど、トータル値を算出するまでの抽選確率を必ずしも変化させる必要がないため、利益値抽選手段で用いる抽選テーブルが少なくなって容量が削減され、簡易な抽選処理を実現することができる。これは、請求項1記載の発明に係る利益値抽選手段や保障管理手段をメイン制御基板に設けたときに、好適となるものである。
また、本発明に係る遊技機によれば、終了条件の成立を契機として、トータル値と保障値とを比較させることで、終了条件の成立時において、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができる。
また、本発明に係る遊技機によれば、複数ゲームの最終ゲームにおいて、トータル値が保障値に満たない場合に、当該保障値との差分値を求め、当該差分値をトータル値に加算することで、最低限、保障値による利益を遊技者に享受させることができる。
また、本発明に係る遊技機によれば、最終ゲームにおいて利益値抽選手段により決定された利益値に、保障値との差分値を加算した合計値を、遊技者に報知することができる。
その結果、本発明に係る遊技機によれば、保障の結果を遊技者にわかりやすく報知することができる。
ここで、「合計値」は、「最終的な利益値」に、「差分値」を加算した値を意味する。
具体的には、報知制御手段331は、複数回の抽選のうち、最終回に実行される最終抽
選を除き、最終回に至る間に実行された抽選により決定された上乗せゲーム数を報知手段70により毎回報知した後、当該報知した前記上乗せゲーム数の加算後のトータルゲーム数を報知するものである。
(図6を用いた遊技状態の説明)
図6を用いて、メイン制御手段200側で管理されている遊技状態の一例を説明する。
また、本発明に係る遊技機は、最終ゲームにおいて利益値抽選手段により決定された利益値に、保障値との差分値を加算した合計値を、遊技者に報知することができるようにしたものである。
その結果、本発明に係る遊技機によれば、保障の結果を遊技者にわかりやすく報知することができる。
本発明に係る遊技機は、遊技の進行に伴って、遊技者の利益を規定する利益値を決定し、当該決定された利益値の値が高いほど、その後の遊技を有利に展開できるようにした遊技機(10)において、予め設定された抽選条件が満たされた場合に、前記利益値を抽選により決定する利益値抽選手段(252)を備えていることを特徴とする。
これに加え、本発明に係る遊技機は、前記利益値抽選手段(252)に、前記利益値を構成する基準値を抽選により決定する基準値抽選手段(400)と、前記基準値を増加させるための継続抽選を実行し、当該継続抽選に当選したことを条件に、前記継続抽選を繰り返して実行可能な継続抽選手段(410)と、前記継続抽選手段(410)による前記継続抽選の繰り返し回数をカウント可能なカウント手段(430)と、前記継続抽選に外れ、当該継続抽選の繰り返しの終了後、前記基準値抽選手段(400)により決定された前記基準値と、当該継続抽選の繰り返しが終了したときの前記カウント手段(430)のカウント値とを乗算した乗算値を算出する利益値算出手段(440)とを備え、前記利益値抽選手段(252)は、前記継続抽選の繰り返しの終了後、前記利益値算出手段(440)により算出される前記乗算値を前記利益値として決定するようにしていることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記基準値抽選手段(400)は、「0」を含む複数の値から抽選により選択した値を前記基準値として決定することを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記利益値抽選手段(252)により決定された利益値のトータル値を算出するトータル値算出手段(253)を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記トータル値算出手段(253)により算出される前記トータル値の最小限度を保障値として予め記憶した保障値記憶手段(254)を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記トータル値算出手段(253)により算出されたトータル値が前記保障値記憶手段(254)に記憶された保障値を超えている場合に、当該トータル値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにし、前記トータル値算出手段(253)により算出されたトータル値が前記保障値記憶手段(254)に記憶された保障値に満たない場合に、当該保障値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにする保障管理手段(255)を備えていることを特徴とする。
本発明に係る遊技機は、「トータル値>保障値」の場合と、「トータル値<保障値」の場合と、を特定したものである。
「利益値」の獲得のしかたによっては、「トータル値=保障値」の場合も考えられる。すなわち、「トータル値=保障値」の場合は、結果として同じであるため、「保障値」を「利益値」としてもよいし、或いは「トータル値」を「利益値」としてもよい。
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、さらに、前記継続抽選手段(410)が、予め定められた継続率で当選か否かを決定する継続抽選を実行可能なものであり、前記利益値抽選手段(252)は、前記継続抽選手段(410)による前記継続抽選が繰り返し実行される前に、前記継続抽選の継続率を抽選により決定する継続率抽選手段(420)を備えることを特徴とする。

Claims (8)

  1. 遊技の進行に伴って、遊技者の利益を規定する利益値を決定し、当該決定された利益値の値が高いほど、その後の遊技を有利に展開できるようにした遊技機において、
    予め設定された抽選条件が満たされた場合に、前記利益値を抽選により決定する利益値抽選手段と、
    前記利益値抽選手段により決定された利益値のトータル値を算出するトータル値算出手段と、
    前記トータル値算出手段により算出される前記トータル値の最小限度を保障値として予め記憶した保障値記憶手段と、
    前記トータル値算出手段により算出されたトータル値が前記保障値記憶手段に記憶された保障値を超えている場合に、当該トータル値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにし、
    前記トータル値算出手段により算出されたトータル値が前記保障値記憶手段に記憶された保障値に満たない場合に、当該保障値を用いてその後の遊技を有利に展開できるようにする保障管理手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 所定の開始条件が成立した後に前記抽選条件を満たすと、前記利益値抽選手段による抽選を実行させ、
    前記開始条件が成立した後に成立する所定の終了条件が成立すると、前記保障管理手段により前記トータル値と前記保障値とを比較させ、当該比較した結果、前記トータル値又は前記保障値を用いて、その後の遊技を有利に展開できるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記利益値抽選手段は、
    予め設定された複数ゲームの期間内において抽選が実行され、
    前記保障管理手段は、
    前記複数ゲームの最終ゲームにおいて、前記利益値抽選手段により抽選が実行され、当該抽選により決定された利益値を加算した前記トータル値が前記保障値に満たない場合に、当該保障値との差分値を求め、当該差分値を前記トータル値に加算することで、前記最終ゲームの後の遊技を有利に展開できるようにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記利益値抽選手段により決定された利益値を、報知手段により報知可能な報知制御手段を備え、
    前記保障管理手段は、
    前記差分値を、前記最終ゲームにおいて前記利益値抽選手段により決定された利益値に加算して合計値を求め、
    前記報知制御手段は、
    前記保障管理手段が求めた前記合計値を、前記最終ゲームにおいて前記利益値に代えて前記報知手段により報知させるようにしていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記利益値抽選手段には、
    前記利益値を構成する基準値を抽選により決定する基準値抽選手段と、
    前記基準値を増加させるための継続抽選を実行し、当該継続抽選に当選したことを条件に、前記継続抽選を繰り返して実行可能な継続抽選手段と、
    前記継続抽選手段による前記継続抽選の繰り返し回数をカウント可能なカウント手段と、
    前記継続抽選に外れ、当該継続抽選の繰り返しの終了後、前記基準値抽選手段により決定された前記基準値と、前記カウント手段のカウント値とを乗算した乗算値を算出する利益値算出手段とを備え、
    前記利益値抽選手段は、前記利益値算出手段により算出される前記乗算値を前記利益値として決定するようにしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に遊技機。
  6. 前記継続抽選手段は、予め定められた継続率で当選か否かを決定する継続抽選を実行可能なものであり、
    前記利益値抽選手段は、
    前記継続抽選手段による前記継続抽選が繰り返し実行される前に、前記継続抽選の継続率を抽選により決定する継続率抽選手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
  7. 通常遊技と、
    前記通常遊技より遊技者に有利で、複数のゲーム数の間、実行可能な有利遊技とを有する遊技機において、
    前記有利遊技において、少なくとも複数回の抽選が実行され、当該抽選により上乗せゲーム数を決定する利益値抽選手段と、
    前記利益値抽選手段により決定された前記上乗せゲーム数のトータルゲーム数を算出するトータル値算出手段と、
    前記トータル値算出手段により算出される前記トータルゲーム数の最小値を保障ゲーム数として予め記憶した保障値記憶手段と、
    前記複数回の抽選のうち、最終回に実行される最終抽選を除き、
    前記最終回に至る間に実行された抽選により決定された前記上乗せゲーム数を報知手段により毎回報知した後、当該報知した前記上乗せゲーム数の加算後の前記トータルゲーム数を報知する報知制御手段と、
    前記最終抽選において、当該最終抽選により決定された最終上乗せゲーム数を前記トータルゲーム数に加算して得られた加算ゲーム数が、前記保障値記憶手段に記憶された前記保障ゲーム数を超えている場合に、前記最終上乗せゲーム数を前記報知手段により報知させた後、前記加算ゲーム数を前記報知手段により前記トータルゲーム数として報知させ、
    前記加算ゲーム数が前記保障ゲーム数に満たない場合に、当該保障ゲーム数との差分を求め、当該差分ゲーム数に前記最終上乗せゲーム数を加算して得られた合計ゲーム数を前記報知手段により報知させた後、前記保障ゲーム数を前記報知手段により前記トータルゲーム数として報知させる保障管理手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  8. 通常遊技を制御する通常遊技制御手段と、
    前記通常遊技より有利で、予め設定された所定の遊技区間の有利遊技を制御する有利遊技制御手段と、
    前記有利遊技の前記遊技区間を延長可能な上乗せ区間を上乗せ抽選により決定するとともに、予め設定された複数ゲーム間において複数回の前記上乗せ抽選を実行する上乗せ抽選手段と、
    前記複数ゲーム間において前記上乗せ抽選手段により決定された決定区間のトータル区間を算出し、前記複数ゲームの終了時までに算出された前記トータル区間と前記保障区間とを比較し、
    前記トータル区間が前記保障区間に対し長い場合に、当該トータル区間を遊技者に付与し、
    前記トータル区間が前記保障区間に対し短い場合に、前記保障区間以上の前記上乗せ区間を遊技者に付与する上乗せ管理手段とを備え、
    前記上乗せ抽選手段は、
    前記複数ゲームを少なくとも前半ゲームと後半ゲームとに仮に区切り、
    前記前半用の上乗せ抽選確率が、前記前半ゲームにおいて前記保障区間を獲得させるために、高確率に仮に設定され、
    前記後半用の上乗せ抽選確率が、前記前半用の上乗せ抽選確率に比較し、低確率に仮に設定された場合を仮想し、
    前記複数ゲーム間において、前記上乗せ抽選確率が一定に設定された所定抽選確率を用い、当該所定抽選確率を前記仮想した前記後半用の上乗せ抽選確率より高確率に設定していることを特徴とする遊技機。
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