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JP2016202388A - 生体情報測定装置、センサユニット、及び、生体情報測定システム - Google Patents

生体情報測定装置、センサユニット、及び、生体情報測定システム Download PDF

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JP2016202388A JP2015085234A JP2015085234A JP2016202388A JP 2016202388 A JP2016202388 A JP 2016202388A JP 2015085234 A JP2015085234 A JP 2015085234A JP 2015085234 A JP2015085234 A JP 2015085234A JP 2016202388 A JP2016202388 A JP 2016202388A
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

【課題】生体情報の測定精度を向上する。
【解決手段】生体情報測定装置2は、ドップラーセンサ21と、静電容量センサ22と、プロセッサ24と、を備えてよい。プロセッサ24は、静電容量センサ22の検出信号に含まれる周波数成分の変化を基に、ドップラーセンサ21の検出信号から、生体の動きに応じて周波数が変化する信号成分を検出してよい。
【選択図】図2

Description

本明細書に記載する技術は、生体情報測定装置、センサユニット、生体情報測定システムに関する。
人体の心拍や脈拍を心電計や脈拍計を用いて測定する技術が知られている。心電計や脈拍計は、人体の皮膚に電極等を直接に取り付けて測定を行なう「接触式」のものが多い。その一方で、例えば、ドップラーセンサを用いて心拍を非接触で測定する技術も知られている。
特表2009−501044号公報 特開平4−348741号公報 特開2003−275185号公報
ドップラーセンサを用いて心拍を非接触で計測する場合、ドップラーセンサが心拍とは異なる要因で人体に対して動いてしまうと、その動きに応じてドップラーセンサの検出値にノイズ成分が加わる。ドップラーセンサの検出値にノイズ成分が加わると、例えば、心拍の検出精度が低下する。なお、心拍や脈拍は生体情報の一例である。
1つの側面では、本明細書に記載する技術の目的の1つは、心拍等の生体情報の測定精度を向上することにある。
1つの側面において、生体情報測定装置は、ドップラーセンサと、静電容量センサと、プロセッサと、を備えてよい。ドップラーセンサは、生体に電波を照射して反射波を受信する。静電容量センサは、前記生体との間の静電容量の変化を検出する。プロセッサは、前記静電容量センサの検出信号に含まれる周波数成分の変化を基に、前記ドップラーセンサの検出信号から、前記生体の動きに応じて周波数が変化する信号成分を検出してよい。
また、1つの側面において、センサユニットは、ドップラーセンサと、静電容量センサと、プロセッサと、を備えてよい。静電容量センサは、前記ドップラーセンサが距離変化を検出可能な空間範囲と重なる空間範囲における静電容量変化を検出してよい。プロセッサは、前記ドップラーセンサの出力と前記静電容量センサの出力とを用いて演算を行なってよい。
更に、1つの側面において、生体情報測定システムは、センサユニットと、プロセッサと、を備えてよい。センサユニットは、ドップラーセンサと静電容量センサとを有してよい。プロセッサは、前記ドップラーセンサの検出信号と前記静電容量センサの検出信号とを受信し、前記静電容量センサの検出信号に含まれる周波数成分の変化を基に、前記ドップラーセンサの検出信号から、前記生体の動きに応じて周波数が変化する信号成分を検出してよい。
1つの側面として、生体情報の測定精度を向上できる。
一実施形態に係るセンシングシステムの一例を示すブロック図である。 図1に例示した非接触バイタルセンサの構成例を示すブロック図である。 図2に例示した非接触バイタルセンサにおけるドップラーセンサの構成例を示すブロック図である。 図2に例示した非接触バイタルセンサにおける静電容量センサの構成例を示すブロック図である。 図4に例示した静電容量センサの検出信号の時間変化の一例を示す図である。 図1に例示した管理システムの構成例を示すブロック図である。 第1実施例に係るセンシングシステムの動作例を説明するためのフローチャートである。 第1実施例に係るドップラーセンサの検出信号の一例を示す図である。 図8に例示したドップラーセンサの検出信号の周波数解析結果の一例を示す図である。 図8に例示したドップラーセンサ値の信号波形から分離された呼吸成分に相当する信号波形の一例を示す図である。 図8に例示したドップラーセンサ値の信号波形から分離された心拍成分に相当する信号波形の一例を示す図である。 (A)は図2に例示した慣性センサの検出軸を模式的に示す図であり、(B)は(A)に例示した慣性センサを人体に取り付けた状態を模式的に示す図である。 図7の閾値判定処理に用いる閾値の一例を示す図である。 第2実施例に係るセンシングシステムの動作例を説明するためのフローチャートである。 図2に例示した非接触バイタルセンサの外観の一例を示す図である。 図15に例示した非接触バイタルセンサの本体に、ハーネスを取り付け可能な冶具が取り付けられた例を示す図である。 図16に例示した非接触バイタルセンサの冶具にハーネスが取り付けられた例を示す図である。 図16に例示した非接触バイタルセンサの冶具にハーネスが取り付けられた例を示す図である。 図15〜図18に例示した非接触バイタルセンサの内部構成例を模式的に示す図である。 図7の特徴点の比較処理を説明するための、ドップラーセンサの検出信号の周波数解析結果の一例を示す図である。 図7の特徴点の比較処理を説明するための、慣性センサの検出信号の周波数解析結果の一例を示す図である。 図7の特徴点の比較処理を説明するための、静電容量センサの検出信号の周波数解析結果の一例を示す図である。
以下、図面を参照して実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。また、以下に説明する各種の例示的態様は、適宜に組み合わせて実施しても構わない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
図1は、一実施形態に係るセンシングシステムの一例を示すブロック図である。図1に示すセンシングシステム1は、例示的に、非接触バイタルセンサ2、通信機器3、ネットワーク(NW)4、及び、管理システム5を備えてよい。
非接触バイタルセンサ2は、例示的に、センシング対象の一例である生体の情報を非接触でセンシングすることが可能である。「生体の情報」は、「生体情報」と略称してもよいし、「バイタル情報」と言い換えてもよい。「センシング」は、「検出」あるいは「測定」と言い換えてもよい。したがって、「センシングシステム1」は、「生体情報測定システム1」と称してもよい。
「バイタル情報」の非限定的な一例は、生体の心拍や、呼吸、動き等を示す情報である。「生体」には、生体の「臓器」が含まれてよい。「心拍」は、「臓器」の一例である「心臓」の動きを示す情報と捉えてもよい。
生体の「動き」(「位置変化」と言い換えてもよい。)は、便宜的に、「体動」と略称してよい。「体動」には、例示的に、生体の活動中の動きに限らず、生体の睡眠時等の安静時の心拍や呼吸に応じた生体表面(例えば、皮膚)の動きが含まれてよい。
生体表面の動きは、生体の臓器の動きに応じて生じる、と捉えてよい。例えば、心臓の鼓動に応じて皮膚に動きが生じる。また、呼吸に伴う肺臓の伸縮に応じて皮膚に動きが生じる。
非接触バイタルセンサ2(単に「バイタルセンサ2」又は「センサ2」と略称することがある。)は、例示的に、マイクロ波等の電波をセンシング対象に照射し、センシング対象で反射して受信される反射波の変化を基に、生体の「動き」を検出することができる。
例えば、センサ2とセンシング対象との間の距離が変化すると、ドップラー効果によって、反射波に変化が生じる。反射波の変化は、例示的に、反射波の振幅及び周波数の一方又は双方の変化として捉えることができる。
ここで、センサ2を、生体の一例である人体に取り付けることを想定する。人体へのセンサ2の取り付け位置は、例示的に、人体の胸部であってよい。人体に取り付けられたセンサ2は、例えば、人体の鼓動に伴って人体の皮膚と心臓との間の距離が変化する。したがって、当該距離変化に応じた変化が、センサ2が照射した電波の反射波に現われる。当該反射の変化を基に、例えば、人体の心拍や脈拍を測定することができる。
バイタルセンサ2は、例示的に、人体の皮膚に接するように取り付けられてもよいし、人体の着衣に取り付けられてもよい。ただし、バイタルセンサ2の人体への取り付けは、厳密に固定(「拘束」と称してもよい。)される態様である必要は無い。
例えば、バイタルセンサ2は、3次元方向のいずれかに人体に対して相対的な動きが生じ得る態様で、人体に対して取り付けられてよい。そのような取り付け態様の一例としては、着衣のポケットに、バイタルセンサ2を収容する態様が挙げられる。着衣のポケットは、非限定的な一例として、ワイシャツ等の上着の胸部ポケットであってよい。
別の取り付け態様として、バイタルセンサ2は、後述するように、ハーネス等の取り付け器具を用いて、人体に対して取り付けられてもよい。例えば、バイタルセンサ2を、着衣の上から、ハーネスによって人体に取り付けてよい。かかる取り付け態様であっても、着衣と人体表面との動きがずれると、バイタルセンサ2に、人体に対する相対的な動きが生じ得る。
次に、図1に例示した通信機器3は、バイタルセンサ2のセンシング結果を、例えば、ネットワーク4経由で管理システム5へ送信することが可能である。そのため、通信機器3は、有線又は無線にてネットワーク4と接続可能であってよい。
別言すると、通信機器3は、無線及び有線の一方又は双方による通信をサポートする通信インタフェース(IF)を備えていてよい。通信機器3の無線による通信には、例示的に、3GPP(3rd Generation Partnership Project)のLTE(Long Term Evolution)やLTE−Advancedに準拠した通信方式が適用されてよい。
また、通信機器3の無線による通信には、衛星通信が適用されてもよい。衛星通信を利用する場合、通信機器3は、ネットワーク4を経由せずに管理システム5と通信衛星経由で通信可能であってよい。
バイタルセンサ2のセンシング結果には、バイタル情報に限らず、バイタル情報を基にして得られた演算や判定の結果を示す情報が含まれてもよい。センシング結果は、便宜的に、「センサ情報」と称してもよい。
通信機器3は、図1に例示するようにバイタルセンサ2に外付けであってもよいし、バイタルセンサ2に内蔵されていてもよい。バイタルセンサ2に外付けの通信機器3は、例えば、バイタルセンサ2を取り付けられた人物(「利用者」と称してもよい。)が携帯する機器であってよい。
利用者が携帯する通信機器3は、例示的に、携帯電話(スマートフォンが含まれてよい。)や、ノートPC、タブレットPC等であってよい。「PC」は、「パーソナルコンピュータ」の略称である。
バイタルセンサ2と通信機器3との接続には、有線接続を適用してもよいし、無線接続を適用してもよい。別言すると、バイタルセンサ2は、無線及び有線の一方又は双方による通信をサポートする通信IFを備えていてよい。無線接続には、例示的に、「WiFi(Wireless Fidelity)」(登録商標)や「Bluetooth」(登録商標)が用いられてよい。
ネットワーク4は、例示的に、WAN(Wide Area Network)や、LAN(Local Area Network)、インターネット等であってよい。また、ネットワーク4には、無線アクセス網が含まれてもよい。無線アクセス網は、既述のLTEやLTE−Advancedに準拠した無線アクセス網であってよい。
管理システム5は、通信機器3によって送信されたセンサ情報を、ネットワーク4(又は、通信衛星でもよい。)経由で受信し、受信したセンサ情報を記憶、管理する。センサ情報の管理には、センサ情報をデータベース(DB)化することが含まれてよい。DB化されたデータは、「クラウドデータ」や「ビッグデータ」等と称されてよい。
管理システム5は、受信したセンサ情報を基に、バイタルセンサ2を取り付けられた利用者の心拍や呼吸、動き等の体動をモニタできる。また、管理システム5は、体動のモニタ結果を、利用者の身体的あるいは精神的な状態変化の予測に役立ててもよい。
例えば、管理システム5は、体動のモニタ結果を基に、利用者の生命活動が安全あるいは安定した状態にあるか否かを判断してよい。また、管理システム5は、体動の傾向に応じて利用者の身体的あるいは精神的な状態が通常とは異なる状態になる可能性があるかを予測、判断してもよい。
例えば、バイタルセンサ2を取り付けられた利用者の活動中、あるいは睡眠時等の安静時に、利用者の活動を管理システム5においてリアルタイムにモニタすることができる。また、モニタ結果を基に、利用者の身体的あるいは精神的な健康状態等を管理システム5において管理したり予測したりすることもできる。
例えば、利用者の睡眠時に得られるバイタル情報を基に、利用者に身体的あるいは精神的な疾患の兆候があるか否かを、管理システム5において、予測、判断することも可能である。
管理システム5は、例示的に、1又は複数のサーバによって実現されてよい。別言すると、バイタルセンサ2によって得られたセンサ情報は、管理システム5において、1つのサーバによって管理されてもよいし、複数のサーバによって分散的に管理されてもよい。サーバは、例えば、クラウドデータセンタに備えられたクラウドサーバに該当してもよい。
なお、バイタルセンサ2が取り付けられる利用者の非限定的な一例としては、警察官(機動隊員を含んでよい。)や、消防隊員、救助隊員、自衛隊員、軍隊の隊員、乗り物の乗員、工場作業員、スポーツ選手等が挙げられる。「乗り物の乗員」には、自動車のドライバーや、飛行機のパイロットや添乗員、船舶の船長や船員、宇宙飛行士等が含まれてよい。別言すると、バイタルセンサ2を取り付ける対象は、管理システム5において活動状態や健康状態等を管理したい生体であってよい。
(非接触バイタルセンサ2の構成例)
次に、図2を参照して、バイタルセンサ2の構成例について説明する。図2に示すように、バイタルセンサ2は、例示的に、ドップラーセンサ21、静電容量センサ22、プロセッサ24、メモリ25、及び、通信インタフェース(IF)26を備えてよい。なお、バイタルセンサ2には、慣性センサ23が追加的に備えられてもよい。慣性センサ23は、オプションであってよい。「バイタルセンサ2」は、「センサユニット2」と称してもよいし、「生体情報測定装置2」と称してもよい。
ドップラーセンサ21、静電容量センサ22、プロセッサ24、メモリ25、及び、通信インタフェース(IF)26は、互いに通信可能にバス27に接続されてよい。慣性センサ23が備えられる場合には、慣性センサ23も、バス27に接続されてよい。
ドップラーセンサ21は、例示的に、センシング対象の一例である生体に向けて送信した電波と、当該送信電波の反射波と、を位相検波してビート信号を生成する。ビート信号がドップラーセンサ21の検出信号としてプロセッサ24に与えられてよい。ドップラーセンサ21の検出信号は、便宜的に、「検出値」又は「ドップラーセンサ値」と称してよい。
例えば図3に示すように、ドップラーセンサ21は、アンテナ211、ローカル発振器(Oscillator, OSC)212、MCU(Micro Control Unit)213、検波回路214、オペアンプ(OP)215、及び、バッテリ216を備えてよい。
アンテナ211は、OSC212で生成された発振周波数をもつ電波を空調空間へ送信し、また、当該送信電波が空調空間に位置する利用者で反射した電波(反射波)を受信する。なお、図3の例において、アンテナ211は、送受信に共用であるが、送受信に個別であってもよい。
OSC212は、例示的に、MCU213の制御に応じて発振動作して、所定周波数の信号(便宜的に「ローカル信号」と称してよい。)を出力する。ローカル信号は、アンテナ211から送信電波として送信されると共に、検波回路214に入力される。
OSC212の発振周波数(別言すると、ドップラーセンサ21が送信する電波の周波数)は、例示的に、マイクロ波帯の周波数であってよい。マイクロ波帯は、例示的に、2.4GHz帯でもよいし、24GHz帯でもよい。
これらの周波数帯は、日本の電波法で屋内での使用が認められている周波数帯の一例である。電波法の規制を受けない周波数帯を、ドップラーセンサ21の送信電波に用いても構わない。
MCU213は、例示的に、プロセッサ24の制御に応じてOSC212の発振動作を制御する。
検波回路214は、アンテナ211で受信された反射波と、OSC212からのローカル信号(別言すると、送信電波)と、を位相検波してビート信号を出力する。なお、検波回路214は、送信電波と反射波とをミキシングするミキサに置換されてもよい。ミキサによるミキシングは、位相検波と等価であると捉えてよい。
ここで、検波回路214によって得られるビート信号には、生体の心拍や、呼吸、体動等の身体的な変化に応じて、ドップラー効果によって、振幅変化と周波数変化とが現われる。
例えば、生体の身体的な変化量(別言すると、ドップラーセンサ21に対する相対速度)が大きくなるほど、ビート信号の周波数及び振幅値は大きくなる傾向にある。別言すると、ビート信号には、生体の心拍や、呼吸、体動等の変化を示す情報が含まれる。
オペアンプ215は、検波回路214から出力されるビート信号を増幅する。増幅されたビート信号は、例示的に、ドップラーセンサ値として、プロセッサ24に入力されてよい。
バッテリ216は、例示的に、MCU213、検波回路214及びオペアンプ215に駆動電力を供給する。
次に、図2に例示した静電容量センサ22は、例示的に、静電容量センサ22の検出面とセンシング対象(例えば、人体表面)との間の距離変化を静電容量値の変化として検出することが可能である。
ドップラーセンサ21との関係では、静電容量センサ22は、ドップラーセンサ21からセンシング対象に向けて電波が照射される空間範囲と重なる空間範囲における、静電容量値の変化を検出可能に配置されればよい。
別言すると、静電容量センサ22は、静電容量値の変化を検出可能な検出軸が、ドップラー効果を利用して距離変化を検出可能なドップラーセンサ21の検出軸に沿うように配置されてよい。
図4に示すように、静電容量センサ22は、例示的に、検出電極221を備えてよい。検出電極221の検出面の面積をS[m]、検出電極221の検出面とセンシング対象(例えば、人体)との間の間隔(距離)をd[m]で表し、検出電極221と人体との間に誘電率εの誘電体(例えば、空気)が均一に充填されていると仮定する。なお、検出電極221及び人体は、いずれも導体の一例である。
検出電極221にグラウンド(GND)に対して正の電圧(V)を与えると、検出電極221には正の電荷(+Q)が生じ、検出電極221とGNDとの間に電界が生じる。当該電界中に人体が存在すると、人体は静電誘導を受けて、検出電極221の電荷(+Q)とは反対(負)の電荷(−Q)を人体表面に帯びる。このような現象は、「分極」と称されてよい。
人体が検出電極221に接近するほど電界が強くなるため、分極も大きくなる。分極が大きくなるにつれて、人体に生じた負の電荷(−Q)の誘導を受けて検出電極221の正の電荷(+Q)が増加する。
ここで、検出電極221と人体との間の電界(E)は、ガウスの法則より、E=Q/εSで表すことができる。また、検出電極221と人体との間の電圧(V)は、V=Qd/εSで表すことができる。
静電容量値(C)は、C=Q/Vで表すことができるから、検出電極221と人体との間の間隔dは、d=εSV/Qによって求めることができる。したがって、検出電極221に人体が近づく(間隔dが小さくなる)ほど、電荷Qが増加して静電容量値Cは増加し、検出電極221から人体が離れる(間隔dが大きく)なるほど、電荷Qが減少して静電容量値Cは減少することが分かる。
なお、図4において、「Cg」は、人体がGNDとの間でもつ仮想的な容量を表し、「Cp」及び「Cq」は、それぞれ、検出電極221がGNDとの間でもつ仮想的な容量を表す。「Cp」及び「Cq」の一方は、検出の基準となる容量に対応してよい。検出電極221によって検出される静電容量値Cは、容量Cgと容量Cp(又はCq)との直列容量の変化に応じて変化する、と捉えてよい。
検出電極221の静電容量値Cの変化は、検出電極221に生じる電流の変化として現われる。検出電極221に生じた電流は、例示的に、増幅器222によって、電流値に応じた電圧値に変換増幅されてよい。
増幅器222の出力電圧値が、静電容量センサ22の検出信号として例えばプロセッサ24に入力されてよい。静電容量センサ22の検出信号は、便宜的に、「検出値」又は「静電容量センサ値」と称してよい。
図5に、静電容量センサ22の検出信号の時間変化の一例を示す。図5の横軸が時間(例示的に「秒」)を表し、図5の縦軸が電圧(V)を表す。なお、静電容量センサ22は、所謂「タッチパネル」であってよい。「タッチパネル」は、「液晶パネル」であってよい。
タッチパネル22は、バイタルセンサ2の例えばプロセッサ24に情報を入力することが可能な入力機器の一例である。別言すると、静電容量センサ22は、センシング機能と、情報入力機器の一例であるタッチパネル22としての機能と、を兼用してよい。
次に、図2に例示した、オプションであってよい慣性センサ23は、例示的に、バイタルセンサ2自体の「動き」をセンシングすることが可能である。別言すると、慣性センサ23は、バイタルセンサ2に含まれるドップラーセンサ21の「動き」をセンシング可能である。バイタルセンサ2の「動き」は、例えば、バイタルセンサ2を取り付けられた生体の体動に応じて生じ得る。
慣性センサ23は、加速度センサでもよいし、ジャイロスコープでもよい。加速度センサには、例示的に、圧電式及び静電容量式のいずれのセンサを適用してもよい。ジャイロスコープには、回転機械(コマ)式、光学式、及び、振動式のいずれのセンサを適用してもよい。
慣性センサ23は、1又は複数の検出軸を有していてよい。例示的に、慣性センサ23は、検出軸が2軸又は3軸の慣性センサ23であってよい。検出軸に沿う方向の「動き」が例えば「加速度」として慣性センサ23によって検出されてよい。
慣性センサ23の少なくとも1つの検出軸(第1の検出軸)は、ドップラーセンサ21の送信電波が有する指向性の方向(便宜的に「電波送信方向」と称してよい。)に方向付けられていてよい。別言すると、慣性センサ23は、ドップラーセンサ21の電波送信方向についての、バイタルセンサ2の「動き」を検出可能に配置、設定されてよい。
また、2軸の慣性センサ23では、第2の検出軸は第1の検出軸に直交していてよく、3軸の慣性センサ23では、第2及び第3の検出軸はそれぞれ第1の検出軸に直交し、かつ、第2及び第3の検出軸も互いに直交していてよい。
慣性センサ23で検出された「動き」に応じた信号が、プロセッサ24に入力されてよい。なお、慣性センサ23は、ドップラーセンサ21の作動中に作動していればよい。慣性センサ23の検出信号は、便宜的に、「検出値」又は「慣性センサ値」と称してよい。
慣性センサ値は、後述するように、ドップラーセンサ値と静電容量センサ値とを基に生体の体動(例えば、心拍)を検出する際の、補助的な情報として用いられてよい。
次に、図2に例示したプロセッサ24は、ドップラーセンサ値及び静電容量センサ値(あるいは、ドップラーセンサ値、静電容量センサ値、及び、慣性センサ値)を、例えば通信IF26を通じて、管理システム5宛に送信することが可能である。
あるいは、プロセッサ24は、上記の2種類(又は3種類)のセンサ値に基づいて、生体の心拍等の体動を示す情報を演算によってバイタル情報として検出してもよい。プロセッサ24は、各センサ値に代替して(あるいは追加で)、演算結果であるバイタル情報、あるいは、当該演算の過程で得られた情報を、通信IF26を通じて、管理システム5宛に送信してよい。
プロセッサ24は、演算能力を備えた演算装置の一例である。演算装置は、演算デバイス又は演算回路と称されてもよい。演算装置の一例であるプロセッサ24には、例示的に、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)が適用されてよい。
メモリ25は、記憶媒体の一例であり、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等であってよい。メモリ25には、プロセッサ24が読み取って動作するために用いられる、プログラムやデータが記憶されてよい。「プログラム」は、「ソフトウェア」あるいは「アプリケーション」と称されてもよい。「データ」には、プロセッサ24の動作に応じて生成されたデータが含まれてよい。
通信IF26は、例示的に、図1に例示した通信機器3との接続インタフェースを提供し、通信機器3経由で、管理システム5との通信を可能にする。例えば、通信IF26は、センサ値やバイタル情報、バイタル情報の演算過程で得られた情報等を、通信機器3を介して管理システム5宛に送信してよい。したがって、通信IF26(又は、通信IF26及び通信機器3)は、送信処理に着目すれば、管理システム5宛に情報を送信する送信部の一例である。
図2に例示したバイタルセンサ2の各エレメントの一部又は全部は、IC(Integrated Circuit)や、LSI(Large Scale Integration)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等によって実現されてよい。
(管理システム5の構成例)
図6は、図1に例示した管理システム5の構成例を示すブロック図である。図6に示す管理システム5は、例示的に、プロセッサ51、メモリ52、記憶装置53、通信IF54、及び、ペリフェラルIF55を備えてよい。プロセッサ51、メモリ52、記憶装置53、通信IF54、及び、ペリフェラルIF55は、互いに通信可能にバス56に接続されてよい。
プロセッサ51は、演算能力を備えた演算装置の一例である。プロセッサ51には、例示的に、CPUやDSPが適用されてよい。
メモリ52は、記憶媒体の一例であり、例示的に、RAMやフラッシュメモリ等であってよい。メモリ52には、プロセッサ51が読み取って動作するために用いられる、プログラムやデータが記憶されてよい。「データ」には、プロセッサ51の動作に応じて生成されたデータが含まれてよい。
記憶装置53も、記憶媒体の一例であり、例示的に、ハードディスクドライブ(HDD)や、ソリッドステートドライブ(SSD)等であってよい。記憶装置53に、バイタルセンサ2が通信機器3を介して送信した情報が記憶されてよい。
また、記憶装置53に、プロセッサ51に用いられるプログラムやデータが記憶されてもよい。プロセッサ51は、記憶装置53に記憶されたプログラムやデータをメモリ52に展開して用いてよい。したがって、メモリ52は、プロセッサ51にとっての「ワークメモリ」であってよい。
通信IF54は、例示的に、ネットワーク4との接続インタフェースを提供し、ネットワーク4に接続された通信機器3を経由してバイタルセンサ2と通信することが可能である。
管理システム5の通信IF54と、ネットワーク4及び通信機器3を経由したバイタルセンサ2との間の通信は、バイタルセンサ2から管理システム5に向かう方向の片方向通信であってよい。別言すると、管理システム5は、バイタルセンサ2が送信した情報を受信できればよく、バイタルセンサ2宛に制御情報等を送信してバイタルセンサ2の動作を制御することは行なわなくても構わない。ただし、双方向の通信が可能であってもよい。
ペリフェラルIF55は、例示的に、管理システム5に周辺機器を接続するためのインタフェースである。周辺機器には、管理システム5に情報を入力するための入力機器や、管理システム5で得られた情報を出力する出力機器が含まれてよい。入力機器には、キーボードやマウス、タッチパネル等が含まれてよい。出力機器には、ディスプレイやプリンタ等が含まれてよい。
ところで、バイタルセンサ2は、既述のように、ドップラーセンサ21から電波を人体に照射して反射波の変化を検出することで、例えば、人体の鼓動に応じた人体表面と臓器との間の距離変化を検出できる。当該距離変化を基に、人体の心拍数や呼吸数を検出することが可能である。
ここで、人体の心拍や呼吸は、予め大まかな周期を限定できるため、安静時のような安定した状態では、例えば、限定した周期に従ってドップラーセンサ値をフィルタリングすることで、ある程度のノイズ成分はキャンセルすることができる。
しかし、人体が歩行中や走行中等の活動状態では、バイタルセンサ2も人体も動くため、バイタルセンサ2と人体表面との間の距離が心拍や呼吸以外の要因によって変化しやすくなる。
そのため、人間活動に起因するノイズ成分がドップラーセンサ値に加わってしまう。また、活動中の人体の動きは、一定であるとは限らないし、予測することも難しいため、ドップラーセンサ値に加わるノイズ成分を定量化してキャンセルすることも難しい。
人体表面(別言すると「皮膚」)に直接取り付けて固定するタイプの心電計や脈拍計であれば、人間活動に伴う人体表面と心電計や脈拍計との間の距離変化は、ある程度抑えられるから、ノイズ成分を低減できると考えられる。
しかし、バイタルセンサ2が人体表面に固定されておらず、バイタルセンサ2の動きと人体の動きとが同期しないことがある場合、人間活動に起因するノイズ成分が大きくなり、活動中の人体の心拍数や呼吸数の検出精度が低下することがある。
非限定的な一例として、バイタルセンサ2を人体表面に固定するのではなく着衣の胸部ポケットに入れて、活動中の人体の心拍や呼吸の状態を検出することを想定してみる。
人体の腕の振りや上げ下ろし、歩行、走行等の人間活動や、着衣の種類や素材等によっては、人体の動きと着衣の動きとが同期しないことがある。そうすると、人体と、着衣の胸部ポケットに入れられたバイタルセンサ2と、の間の距離(便宜的に「センシング距離」と称してもよい。)が、心拍や呼吸とは異なる要因によって変化してしまうことがある。心拍や呼吸とは異なる要因は、便宜的に、「外乱」又は「非同期体動」と称してよい。
また、センシング距離は、例えば人体の大胸筋の動きによっても変化することがある。大胸筋は、例えば、歩行や走行時の腕の振りや荷物の上げ下ろしといった日常的な人間活動においても使われるし、腕立て伏せや腹ばいでの移動といったトレーニングや訓練においても使われる。
このように、人体が大胸筋を使って活動する場合も、センシング距離が変化してしまうことがある。更に、このようなセンシング距離の変化量は、大胸筋の筋肉量が多い(別言すると「胸部の厚さ」が厚い)ほど、大きくなり易い。
人体の心拍や呼吸とは異なる外乱(非同期体動)に起因したセンシング距離の変化は、バイタルセンサ2と人体との間の、心拍や呼吸に応じた距離変化の検出値(別言すると、ドップラーセンサ値)に対するノイズ成分となる。
このような外乱によってドップラーセンサ値に加わるノイズ成分は、人体との距離変化に応じて検出される静電容量値が変化する静電容量センサ22を用いてキャンセルあるいは低減することができる。例えば、ドップラーセンサ21と、着衣を介した人体と、の間の距離の変化は、静電容量値の変化として検出できる。
静電容量センサ22では、距離変化そのものは検出できないが、静電容量値の変化を、静電容量センサ値の周波数の変化として検出できる。例えば、ドップラーセンサ21と着衣との間の距離や着衣と人体との間の距離が近づくほど静電容量値は大きくなる傾向にあり、逆に、当該距離が離れるほど静電容量値は小さくなる傾向にある。
したがって、静電容量センサ値を周波数解析すると、静電容量値の変化に応じた周波数変化が現われ、他に比べて相対的に大きな変化を示す周波数成分(便宜的に「ピーク周波数」と称してよい。)が現われる。
当該ピーク周波数は、時間領域において静電容量値が変化したタイミング(あるいは期間。以下、同様。)を示す、と捉えてよい。当該タイミングを基に、ドップラーセンサ値から、心拍や呼吸に応じた信号成分と、外乱に起因したノイズ成分と、を分離することが可能となる。
例えば、ドップラーセンサ値及び静電容量センサ値をそれぞれFFT(Fast Fourier Transform)処理し、それぞれのFFT結果に現われるピーク周波数(便宜的に「FFTピーク周波数」と称してよい。)を比較する。なお、「FFT」は、「DFT(Discrete Fourier Transform」に代替されてもよい(以下、同様)。
静電容量センサ値のFFTピーク周波数とピーク周波数が一致する、ドップラーセンサ値のFFTピーク周波数は、ドップラーセンサ値において、人体活動に応じた非同期体動に起因したノイズ成分が加わっている周波数成分であると判定してよい。
これに対し、静電容量センサ値のFFTピーク周波数とピーク周波数が一致しない、ドップラーセンサ値のFFTピーク周波数は、ドップラーセンサ値において、心拍や呼吸に応じた変化が支配的な周波数成分であると判定してよい。
このようにして、静電容量センサ値を用いて、ドップラーセンサ値において、心拍や呼吸に応じた変化が支配的な周波数成分と、人体活動に応じた外乱(非同期体動)に起因するノイズ成分と、を切り分けることができる。
したがって、ドップラーセンサ値から、人体活動に応じた非同期体動に起因するノイズ成分をキャンセル(あるいは「フィルタリング」と称してもよい。)又は低減することが可能となる。よって、バイタルセンサ2による、心拍数や呼吸数の検出精度の向上を図ることが可能となる。
(動作例)
以下、図7〜図14を参照して、上述したセンシングシステムの動作例について説明する。なお、以下に説明する動作例は、静電容量センサ値を用いてドップラーセンサ値のノイズ成分をキャンセル又は低減する処理(便宜的に「ノイズキャンセリング」と総称してよい。)に着目した動作例である。
また、以下では、バイタルセンサ2に慣性センサ23が備えられており、慣性センサ値が「ノイズキャンセリング」に補助的に用いられ、「ノイズキャンセリング」が管理システム5(例えば、プロセッサ51)にて実施される例について説明する。ただし、慣性センサ値は「ノイズキャンセリング」に必須でなくてよく、また、「ノイズキャンセリング」は、バイタルセンサ2(例えば、プロセッサ24)にて実施されてもよい。
(第1実施例)
図7は、第1実施例に係るノイズキャンセリングに着目した動作例を説明するフローチャートである。
図7に例示するように、管理システム5は、バイタルセンサ2が管理システム5宛に送信したセンサ情報を受信する。センサ情報には、例示的に、ドップラーセンサ値、静電容量センサ値、及び、慣性センサ値が含まれる。これらのセンサ情報は、管理システム5の通信IF54にて受信され、管理システム5のプロセッサ51に入力される(処理P11a,P11b,P11c)。
なお、図7に例示するように、静電容量センサ22は、バイタルセンサ2のプロセッサ24によって駆動が制御されてよい。プロセッサ24は、機能的に、ライン駆動部241と、タッチパネル制御部242と、を備えてよい。
ライン駆動部241は、静電容量センサ22の一例であるタッチパネルに格子状に配置された電極(「ライン電極」と称してもよい。)に電圧を与えてタッチパネルを駆動してよい。タッチパネル制御部242は、ライン駆動部241によるタッチパネル22の駆動を制御してよい。ライン駆動部241及びタッチパネル制御部242は、プロセッサ24が、メモリ25からタッチパネルを駆動制御するためのプログラムやデータを読み取って動作することで具現されてよい。
プロセッサ51は、ドップラーセンサ値の受信に応じて、ドップラーセンサ値を周波数解析する(処理P12a)。周波数解析には、FFTを適用してよい。例えば、ドップラーセンサ値は、FFTによって時間領域の信号から周波数領域の信号(便宜的に「周波数信号」と称してよい。)に変換される。
プロセッサ51は、ドップラーセンサ値の周波数信号から、FFTピーク周波数を検出(「抽出」と称してもよい。)する(処理P13a)。ドップラーセンサ値のFFTピーク周波数は、心拍や呼吸に応じた特徴的な変化を示す周波数成分の一例であり、便宜的に「特徴点」と称してもよい。
ドップラーセンサ値の「特徴点」は、単位時間あたりに複数検出されることもある。プロセッサ51は、単位時間あたりに複数の「特徴点」が検出されると、当該「特徴点」を、例えばメモリ52(又は、記憶装置53でもよい。)に、記憶してよい(処理P14aのYESルートから処理P15a)。なお、「単位時間」は、秒単位でもよいし分単位でもよい。また、「単位時間」は、可変であってよい。
一方、単位時間あたりの「特徴点」の検出数が1つであれば(処理P14aでNOの場合)、プロセッサ51は、記憶処理P15aをバイパスして、「特徴点」の比較処理を実施してよい(処理P16a)。
「特徴点の比較処理」は、例示的に、ドップラーセンサ値、静電容量センサ値、及び、慣性センサ値のそれぞれから得られた「特徴点」の比較処理であってよい。「比較処理」において、例えば、心拍や呼吸に応じた特徴的な変化を示す情報の候補から、静電容量センサ値や慣性センサ値から得られる、体動に応じた特徴的な変化を示す情報を、除外することが可能である。したがって、「比較処理」は、便宜的に、「フィルタリング」と称してもよい。
静電容量センサ値、及び、慣性センサ値についての「特徴点」は、ドップラーセンサ値と同様に、周波数解析によって求めてよい。例えば、プロセッサ51は、静電容量センサ値の受信(処理P11b)に応じて、静電容量値を算出し(処理P12b)、その算出結果を周波数解析してよい(処理P13b)。
静電容量値の周波数解析にも、FFTを適用してよい。プロセッサ51は、静電容量値のFFT結果から、ピーク周波数に相当する特徴点を抽出してよい(処理P14b)。静電容量センサ値についての特徴点は、心拍や呼吸とは異なる体動に応じた特徴的な変化を示す周波数成分の一例である。
また、プロセッサ51は、慣性センサ値の受信(処理P11c)に応じて、慣性センサ値の振幅を算出し(処理P12c)、その算出結果が閾値以上であるか否かを判定してよい(処理P13c)。
慣性センサ値の振幅が大きいほど体動が大きく、ドップラーセンサ値に大きなノイズ成分が加わり易いと捉えてよい。そのため、ドップラーセンサ値に加わるノイズ成分は、静電容量センサ値が示す体動に起因するノイズ成分よりも、慣性センサ値が示す体動に起因するノイズ成分の方が、支配的になることがある。したがって、静電容量センサ値を用いなくても、慣性センサ値を基にドップラーセンサ値のノイズ成分を効果的にキャンセルできることがある。
逆に、慣性センサ値の振幅が小さくて、ドップラーセンサ値に加わるノイズ成分が、慣性センサ値が示す体動に起因するノイズ成分よりも、静電容量センサ値が示す体動に起因するノイズ成分の方が、支配的になることもある。したがって、慣性センサ値を用いなくても、静電容量センサ値を基にドップラーセンサ値のノイズ成分を効果的にキャンセルできることもある。
判定処理P13cに用いる閾値は、以上のように静電容量センサ値及び慣性センサ値のいずれを用いた方がノイズキャンセリングに効果的であるか、という基準あるいはポリシーに基づいて設定されてよい。閾値は、例えば図6に示したメモリ52又は記憶装置53に記憶、設定されてよい。閾値の具体例については後述する。
閾値判定の結果、慣性センサ値の振幅が閾値以上であれば(処理P13cでYESの場合)、プロセッサ51は、慣性センサ値から算出した振幅を周波数解析してよい(処理P14c)。当該周波数解析にも、FFTを適用してよい。
プロセッサ51は、慣性センサ値の振幅のFFT結果から、ピーク周波数に相当する特徴点を抽出する(処理P15c)。慣性センサ値から得られた特徴点は、心拍や呼吸とは異なる非同期体動に応じた特徴的な変化を示す周波数成分の一例である。
上述したドップラーセンサ値、静電容量センサ値、及び、慣性センサ値から特徴点をそれぞれ抽出する処理は、プロセッサ51においてパラレルに実行されてよい。プロセッサ51は、各センサ値の特徴点を比較して、ドップラーセンサ値の、非同期体動に起因するノイズ成分をフィルタリングしてよい(処理P16a)。
例えば、ドップラーセンサ値のFFT結果において、人体の心拍成分は、0.7Hz〜3Hz程度の周波数レンジにおいてピーク周波数が現われる傾向にある。また、ドップラーセンサ値のFFT結果において、人体の呼吸成分は、0.1Hz〜0.3Hz程度の周波数レンジにおいてピーク周波数が現われる傾向にある。
したがって、プロセッサ51は、これらの周波数レンジにおいて、ドップラーセンサ値のFFTピーク周波数と、静電容量センサ値および慣性センサ値の一方又は双方のFFTピーク周波数と、を比較する。
比較の結果、プロセッサ51は、FFTピーク周波数が一致する周波数成分は、心拍や呼吸に応じた変化ではなく非同期体動に応じたノイズ成分であると判定して、当該ノイズ成分をドップラーセンサ値のFFT結果から削除してよい。このようにして、プロセッサ51は、ドップラーセンサ値のFFT結果において、心拍成分や呼吸成分に相当する周波数成分を絞り込むことが可能となる。
なお、上述した人体の心拍成分や呼吸成分等のセンシング対象の周波数成分が取り得るレンジが予め分かっている場合や容易に予測できる場合には、プロセッサ51は、上述したFFT前に、FFT対象の信号を予めフィルタリングしてもよい。例えば、上述した周波数レンジの一例において、プロセッサ51は、0.1Hz未満の周波数成分をFFT前にローパスフィルタリング(LPF)してもよい。
図8に、ドップラーセンサ値の時間変化の一例を示し、図9に、図8に例示したドップラーセンサ値のFFT結果の一例を示す。図9に例示するように、ドップラーセンサ値のFFT結果には、低周波数側に呼吸成分に相当するピーク周波数が現われ、高周波側に心拍成分に相当するピーク周波数が現れる。
プロセッサ51は、このようにFFT結果に現われるピーク周波数を中心周波数として、図8に例示したドップラーセンサ値を例えば帯域通過フィルタリング(BPF)してよい。
当該BPFによって、図10及び図11に例示するように、図8に例示したドップラーセンサ値の信号波形から、呼吸成分に相当する信号波形と、心拍成分に相当する信号波形と、を分離できる。
別言すると、プロセッサ51は、静電容量センサ値に含まれる周波数成分の変化を基に、ドップラーセンサ値から、人体の呼吸や鼓動に伴う「動き」に応じて周波数が変化する信号成分を検出できる。
処理P16aでのフィルタリングの非限定的な一例について、図20〜図22を参照して説明する。図20は、ドップラーセンサ値の周波数解析結果の一例を示し、図21は、慣性センサ値の周波数解析結果の一例を示し、図22は、静電容量センサ値の周波数解析結果の一例を示す。
図20において、符号a1〜a5でそれぞれ示す周波数が、ドップラーセンサ値についての「特徴点」の一例であるFFTピーク周波数を表し、例えば、既述の特徴点抽出処理P13aによって得られる。なお、例示的に、a1<a2<a3<a4<a5である。
同様に、図21において、符号b1〜b3でそれぞれ示す周波数が、慣性センサ値についての「特徴点」の一例であるFFTピーク周波数を表し、例えば、既述の特徴点抽出処理P15cによって得られる。なお、例示的に、b1<b2<b3である。
また、図22において、符号c1〜c4でそれぞれ示す周波数が、静電容量センサ値についての「特徴点」の一例であるFFTピーク周波数を表し、例えば、既述の特徴点抽出処理P14bによって得られる。なお、例示的に、c1<c2<c3<c4である。
比較処理P16aでは、例えば、ドップラーセンサ値について得られた「特徴点」と、慣性センサ値について得られた「特徴点」と、を比較する。特徴点a1〜a5の集合を「A」で現し、特徴点b1〜b3の集合を「B」で表すと、比較処理P16aでは、集合Aに含まれていて集合Bには含まれない(別言すると、「A\B」の関係を満たす)特徴点を求める。
図20及び図21の例において、仮に、a2=b2及びa5=b3であるとすると、ドップラーセンサ値ついての特徴点a1、a3、及び、a4が候補となる。
同様に、静電容量センサ値についての特徴点c1〜c4の集合を「C」で表すと、比較処理P16aでは、例えば、集合Aに含まれていて集合Cには含まれない(別言すると、「A\C」の関係を満たす)特徴点を求める。
図20及び図22の例において、仮に、a2=c2、a4=c3、及び、a5=c4であるとすると、ドップラーセンサ値ついての特徴点a1及びa3が候補となる。
そして、集合Aに含まれていて集合Bには含まれていない特徴点と、集合Aに含まれていて集合Cには含まれていない特徴点と、は、(A\B)∩(A\C)と表現でき、例えば、特徴点a1及びa3が候補となる。
比較処理P16aでは、以上のようにして絞り込まれた候補特徴点(別言すると、周波数)に基づいて、ドップラーセンサ値の原信号波形(例えば図8参照)にBPF処理を施す。これにより、図10や図11に例示したように、呼吸成分に相当する信号波形と、心拍成分に相当する信号波形と、を分離できる。
プロセッサ51は、BPF処理によって得られた信号波形から心拍数や呼吸数を算出できる。例えば、心拍数であれば、プロセッサ51は、図11に例示した信号波形の特徴点(例えば、振幅のピーク)を識別し、特徴点の時間間隔(例えば「秒」)を求める。
プロセッサ51は、例えば、求めた時間間隔で1分(=60秒)を除することにより、1分あたりの心拍数を算出することができる(処理P17a)。呼吸数についても同様にしてプロセッサ51において算出できる。
プロセッサ51が算出した心拍数や呼吸数は、ペリフェラルIF55を通じて、ディスプレイやプリンタ等の出力機器に適宜に出力されてよい(処理P18a)。
なお、処理P12bにおいてドップラーセンサ値から静電容量値を算出する処理は、既述の閾値判定処理P13cにおいて慣性センサ値の振幅が閾値未満であると判定された場合(NOの場合)に限ってイネーブルされる設定にしてもよい。これにより、プロセッサ51の消費電力の低減化を図ることができる。
例えば、慣性センサ値の振幅が閾値未満であれば、プロセッサ51は、ドップラーセンサ値に加わるノイズ成分において、静電容量センサ値の示す体動に起因するノイズ成分が支配的である、と判定してよい。
したがって、プロセッサ51は、静電容量センサ値に基づくノイズキャンセリングを有効として、既述のBPFを実施してよい。別言すると、プロセッサ51は、慣性センサ23の検出値の変化からは検知しきれない程度の体動に起因するノイズ成分を、静電容量センサ22の検出値の変化から検知してドップラーセンサ値からキャンセルしてよい。
慣性センサ23の検出値の変化からは検知しきれない程度の体動に起因するノイズ成分を、静電容量センサ22の検出値の変化から検知することは、非同期体動の検出感度を上げることに相当する、と捉えてもよい。
このように、プロセッサ51は、ドップラーセンサ値のノイズキャンセリングに用いるセンサ値を、静電容量センサ値及び慣性センサ値のいずれかに、慣性センサ値が示す変化の大きさに応じて適応的に制御してよい。
(慣性センサ値の判定閾値の一例)
次に、図12及び図13を参照して、図7の処理P13cで用いる判定閾値の一例について説明する。図12(A)は、慣性センサ23の検出軸の一例を示し、図12(B)は、慣性センサ23(別言すると「バイタルセンサ2」)が人体に取り付けられた様子を模式的に示す側面図である。また、図13は、バイタルセンサ2が取り付けられた人体の姿勢に応じた判定閾値の設定例を示す図である。
図12(A)に例示する慣性センサ23は、3つの検出軸(X,Y及びZ)を有する3軸慣性センサである。慣性センサ23は、例示的に、幅W[cm]×高さH[cm]×厚さD[cm]のサイズを有する。非限定的な一例として、W=3[cm]、H=5[cm]、D=1[cm]であってよい。
慣性センサ23の幅(W)方向に第1の検出軸Xが設定され、高さ(H)方向に第2の検出軸Yが設定され、厚さ(D)方向に第3の検出軸Zが設定されてよい。慣性センサ23は、図12(B)に例示するように、検出軸X及びYが成す面が人体表面と平行な位置関係になるように、人体に取り付けられてよい。
例えば、バイタルセンサ2を人体の着衣の胸部ポケットに収容すると、人体に対する3つの検出軸X,Y及びZは、図12(B)に例示するような配置関係となる。当該配置関係において、検出軸Zは、人体胸部から離れる方向(又は近づく方向)の動きを例えば加速度として検出できる。
当該検出軸Zは、ドップラーセンサ21の送信電波が有する指向性の方向に方向付けられていてよい。ドップラーセンサ21の送信電波が有する指向性の方向は、ドップラーセンサ21の検出軸の方向に相当すると捉えてもよい。したがって、慣性センサ23は、ドップラーセンサ21の検出軸方向の加速度を検出可能に、いずれかの検出軸が方向付けられていてよい。
プロセッサ51は、図13に例示するように、慣性センサ23の検出軸X,Y及びZについての検出値に応じて、図7の判定処理P13cに用いる判定閾値を可変してよい。図13は、人体の姿勢に応じて検出軸X,Y及びZの検出値(重力加速度[G])が可変し得ることを示している。別言すると、検出軸X,Y及びZの検出値を基に、人体の姿勢を判定することができる。
例えば図13に示すように、検出軸X,Y,Zについての検出値が、それぞれ、「0G,−1G,0G」であれば、人体が「立位」の姿勢にあると判定してよく、「0G,−0.8G,0.2G」であれば、人体が「中腰位」の姿勢にあると判定してよい。
また、検出軸X,Y,Zについての検出値が、それぞれ、「0G,0G,−1G」であれば、人体が「背臥位」(所謂「仰向け」)の姿勢にあると判定してよく、「0G,0G,1G」であれば、人体が「腹臥位」(所謂「腹ばい」)の姿勢にあると判定してよい。
更に、検出軸X,Y,Zについての検出値が、それぞれ、「1G(又は−1G),0G,0G」であれば、人体が「側臥位」の姿勢にあると判定してよく、「±0.4G,±1.8G,0.7G」であれば、人体が「歩行中」の姿勢にあると判定してよい。
なお、図13に示す検出軸X,Y,Zについての検出値は、あくまでも例示である。また、人体がとり得る姿勢は、図13に示した例に限られない。図13には明記しない他の姿勢が、検出軸X,Y,Zについての検出値を基に判定されてよい。これらの人体の姿勢の相違に応じた判定閾値が、プロセッサ51に与えられてよい。
例えば図13に例示するデータ(便宜的に「判定閾値データ」と称してよい。)は、メモリ52(図6参照)に記憶されてよい。メモリ52に記憶される判定閾値データの形式は、テーブル形式やリスト形式であってよいが、これらの形式に限定されない。
プロセッサ51は、慣性センサ23の検出軸X,Y及びZ毎の検出値(例えば、振幅値)を基に、メモリ52の判定閾値データを参照して対応する判定閾値を選択的に読み出して、図7の判定処理P13cに用いてよい。
図13に例示するように、「立位」に比べて「中腰位」に対応する判定閾値は、絶対値として小さい値に設定されてよい。また、「中腰位」に比べて「背臥位」に対応する判定閾値は、絶対値として小さい値に設定されてよい。
更に、「腹臥位」及び「側臥位」に対応する判定閾値は、絶対値として「立位」の判定閾値よりも小さく且つ「背臥位」の判定閾値よりは大きい値に設定されてよい。また、「歩行中」に対応する判定閾値は、例示的に、「立位」と同じ判定閾値に設定されてよい。
判定閾値が大きくなるほど、図7の処理P13cにおいて「NO」と判定される機会が増えるから、静電容量センサ値を用いたドップラーセンサ値のノイズキャンセリングが実施され易くなる。
別言すると、判定閾値を大きな値に変更することは、静電容量センサ22の検出値を基にした非同期体動の検出感度を上げることに相当する、と捉えてもよい。例えば、「背臥位」は、睡眠時等の安静時に人体がとる姿勢であることが多いと考えられるため、他の姿勢に比べて判定閾値を小さい値に設定して非同期体動の検出感度を下げておいてよい。
これに対し、「中腰位」や「腹臥位」、「側臥位」の姿勢では、ドップラーセンサ値に含まれる信号成分が、心拍や呼吸に応じた信号成分と、その他の非同期体動に応じた信号成分と、のいずれが支配的であるのかを区別しにくいと考えられる。なお、「中腰位」や「腹臥位」、「側臥位」の姿勢は、便宜的に、「中間姿勢」と称してもよい。
そこで、プロセッサ51は、判定閾値を大きな値に変更して非同期体動の検出感度を上げてよい。これにより、静電容量センサ値を用いたドップラーセンサ値のノイズキャンセリングが、より実行され易くなる。
したがって、「中間姿勢」において非同期体動(例えば、大胸筋の動き)に起因した、ドップラーセンサ値のノイズ成分を、効果的にキャンセルすることが可能になる。
「立位」や「歩行中」の姿勢では、「中間姿勢」に比べて、更に、ドップラーセンサ値に含まれる信号成分が、心拍や呼吸に応じた信号成分と、その他の非同期体動に応じた信号成分と、のいずれが支配的であるのかを区別しにくいと考えられる。
そこで、プロセッサ51は、更に判定閾値を大きな値に変更して非同期体動の検出感度を更に上げてよい。これにより、「立位」や「歩行中」の姿勢で非同期体動(例えば、大胸筋の動き)があっても、当該非同期体動に起因したドップラーセンサ値のノイズ成分を、効果的にキャンセルすることが可能になる。
なお、判定閾値は、慣性センサ23の検出軸の別に設定されてもよい。この場合、いずれの判定閾値による判定結果を優先するかを示す情報(「ポリシー」と称してよい。)が、予め設定されておいてよい。
(第2実施例)
上述した第1実施例では、図7の比較処理P16aにおいて、「特徴点」の比較によって、心拍や呼吸に応じた周波数成分と、非同期体動に起因したノイズ成分と、を分離して、ドップラーセンサ値からノイズ成分をキャンセルする例について説明した。
第2実施例では、「波形分離」によって、ドップラーセンサ値の信号波形に重畳されている、心拍や呼吸に応じた信号成分と非同期体動に起因したノイズ成分とを分離する例について、図14を参照して説明する。
図14において、図7にて説明した、ドップラーセンサ値、静電容量センサ値、及び、慣性センサ値についての特徴点の抽出処理P13a、P14b、及び、P15cは、不要でよい。また、図14において、図7にて説明した、ドップラーセンサ値についての特徴点の候補判定処理P14aも不要でよい。更に、図14において、図7の比較処理P16aは、波形分離処理P21に代替されてよい。
波形分離処理P21は、複数の信号成分が重畳(「合成」と称してもよい。)された信号から、各信号成分に対応する信号波形を周波数解析によって分離する処理の一例である。例えば、プロセッサ51は、ドップラーセンサ値の周波数解析結果と、静電容量センサ値及び慣性センサ値の一方又は双方の周波数解析結果と、を基に、ドップラーセンサ値に含まれる、心拍や呼吸に応じた信号成分に相当する波形と、非同期体動に起因したノイズ成分に相当する波形と、を分離できる。
プロセッサ51は、ドップラーセンサ値から分離した、心拍や呼吸に応じた信号成分を基に、第1実施例と同様にして、心拍数や呼吸数を算出できる。算出結果は、ペリフェラルIF55を通じて、ディスプレイやプリンタ等の出力機器に適宜に出力されてよい。
第2実施例によれば、第1実施例に比して、各センサ値の周波数解析結果から特徴点を求めなくてもよいので、プロセッサ51の演算能力にもよるが、演算処理の高速化を見込める。
なお、上述した第1実施例及び第2実施例では、慣性センサ値によっては静電容量センサ値を用いたノイズキャンセリングが実施されない場合があるが、静電容量センサ値は、慣性センサ値に関わらず、ノイズキャンセリングに用いられる設定であってもよい。
(バイタルセンサ2の外観例)
図15〜図18に、バイタルセンサ2の外観の一例を示す。図15には、バイタルセンサ2の本体の外観の一例が示されている。バイタルセンサ2本体には、図16に例示するように、ハーネスを取り付け可能にする冶具201が取り付けられてよい。
冶具201は、例えば図17及び図18に模式的に示すように、バイタルセンサ2本体の長手方向端部と当該冶具201との間に、帯状のハーネス202を通すことが可能な空間が形成されるように、バイタルセンサ2本体に取り付けられてよい。冶具201のバイタルセンサ2本体への取り付けには、ねじ止めが適用されてよい。
ハーネス202によって、バイタルセンサ2の例えば人体への取り付け及び固定が容易になる。ただし、バイタルセンサ2は、既述のとおり、ハーネス202を用いずに着衣のポケット等に収容されても構わない。
例えば、冶具201付きのバイタルセンサ2が着衣のポケットに収容されてもよいし、冶具201無しのバイタルセンサ2本体が着衣のポケットに収容されてもよい。バイタルセンサ2は、図18に模式的に例示するように、静電容量センサ22の一例である液晶パネルの設けられた面が、人体表面と対向するように、人体に取り付けられてよい。
別言すると、タッチパネルの面の法線が、図12(B)に例示した、慣性センサ23の検出軸Z(ドップラーセンサ21の検出軸でもある。)に沿う方向に向くように、人体にバイタルセンサ2が取り付けられてよい。
なお、図19に模式的に例示するように、ドップラーセンサ21は、バイタルセンサ2本体の内部において、タッチパネル22の設けられた領域に対応する空間を避けた空間に配置されてよい。
例えば、バイタルセンサ2本体の内部において、タッチパネル22が設けられた領域に対応する空間に、図7に例示したプロセッサ24(ライン駆動部241及びタッチパネル制御部242)が配置されてよい。この場合、プロセッサ24が占める空間を避けた空間に、ドップラーセンサ21が配置されてよい。
これにより、ドップラーセンサ21のアンテナ211から送信される電波が、タッチパネル22に吸収されて、ドップラーセンサ21の検出感度が低下することを防止あるいは抑制できる。なお、慣性センサ23も、ドップラーセンサ21と同様に、プロセッサ24が占める空間を避けた空間に配置されてよい。例えば、ドップラーセンサ21と慣性センサ23とは、セットでプロセッサ24が占める空間を避けた空間に配置されてよい。
以上のように、上述した第1及び第2実施例を含む実施形態によれば、ドップラーセンサ値を静電容量センサ値(又は、静電容量センサ値及び慣性センサ値)に応じて補正するので、ドップラーセンサ値のノイズ成分をキャンセル又は低減できる。
例えば、人体と、人体に取り付けられたバイタルセンサ2と、が人体の活動に応じて非同期に動くことがあっても、そのような非同期体動に起因したノイズ成分を、静電容量センサ22によって検出して、ドップラーセンサ値からキャンセル又は低減できる。
静電容量センサ22の検出値は、人体に接近するほど大きくなるから、当該検出値を例えば周波数解析することで、静電容量センサ22と人体との間の距離変化を検出できる。したがって、検出した距離変化に応じてドップラーセンサ値に加わった、非同期体動に起因するノイズ成分をキャンセル又は低減することが可能となる。
ドップラーセンサ値から非同期体動に起因したノイズ成分をキャンセル又は低減できることで、ドップラーセンサ値に基づく心拍数や呼吸数等の検出精度が向上する。したがって、人体の活動によってバイタルセンサ2と人体との間に距離変化が生じたとしても、人体の心拍数や呼吸数等を精度良く検出できる。
例えば、バイタルセンサ2が人体の着衣ポケットに収容されて人体に対して固定されない状況を想定してみる。かかる状況で人体が歩行や走行等の活動を行なうと、バイタルセンサ2(ドップラーセンサ21)が、人体の活動に応じて人体表面に近づいたり離れたりして、心拍や呼吸とは非同期の「動き」がドップラーセンサ21に生じ易くなる。
このような非同期の「動き」がドップラーセンサ21に生じてドップラーセンサ値にノイズ成分が加わったとしても、非同期の「動き」を静電容量センサ22によって検知して、ノイズ成分をキャンセル又は低減できる。したがって、活動中の人体の心拍数や呼吸数等を非接触で精度良く検出できる。
(その他)
なお、上述した各実施例を含む実施形態では、バイタルセンサ2が取り付けられる「生体」の一例として「人体」を例示したが、バイタルセンサ2が取り付けられる「生体」は、人体以外の動物であってもよい。
例えば、動物は、哺乳類、魚類、鳥類等であってよい。非限定的な一例として、犬や猫等のペット、あるいは、牛や馬等の家畜に、バイタルセンサ2を取り付けて、ペットや家畜の健康状態等を管理システム5において管理してもよい。
1 センシングシステム
2 非接触バイタルセンサ
21 ドップラーセンサ
211 アンテナ
212 ローカル発振器(Oscillator, OSC)
213 MCU(Micro Control Unit)
214 検波回路
215 オペアンプ(OP)
216 バッテリ
22 静電容量センサ
221 検出電極
222 増幅器
23 慣性センサ
24 プロセッサ
241 ライン駆動部
242 タッチパネル制御部
25 メモリ
26 通信インタフェース(IF)
27 バス
3 通信機器
4 ネットワーク
5 管理システム
51 プロセッサ
52 メモリ
53 記憶装置
54 通信IF
55 ペリフェラルIF
56 バス
201 冶具
202 ハーネス

Claims (7)

  1. 生体に電波を照射して反射波を受信するドップラーセンサと、
    前記生体との間の静電容量の変化を検出する静電容量センサと、
    前記静電容量センサの検出信号に含まれる周波数成分の変化を基に、前記ドップラーセンサの検出信号から、前記生体の動きに応じて周波数が変化する信号成分を検出するプロセッサと、
    を備えた、生体情報測定装置。
  2. 前記プロセッサによる前記信号成分の検出は、
    前記ドップラーセンサの検出信号から、前記静電容量センサの検出信号に含まれる、前記静電容量の変化に応じた周波数成分を、除去することを含む、請求項1に記載の生体情報測定装置。
  3. 前記静電容量センサは、前記ドップラーセンサから前記電波が照射される空間範囲と重なる空間範囲における、前記静電容量の変化を検出可能に配置されている、請求項1又は2に記載の生体情報測定装置。
  4. 前記生体情報測定装置の動きを検出可能な慣性センサを備え、
    前記プロセッサは、
    前記慣性センサの検出信号の振幅値が閾値以下である場合に、前記補正を実施する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
  5. 前記慣性センサは、複数の検出軸を有し、
    前記プロセッサは、前記生体の姿勢に応じて前記検出軸のそれぞれについて得られる検出信号の振幅値に基づいて前記閾値を可変する、請求項4に記載の生体情報測定装置。
  6. ドップラーセンサと、
    前記ドップラーセンサが距離変化を検出可能な空間範囲と重なる空間範囲における静電容量変化を検出する静電容量センサと、
    前記ドップラーセンサの出力と前記静電容量センサの出力とを用いて演算を行なうプロセッサと、
    を備えた、センサユニット。
  7. ドップラーセンサと静電容量センサとを有するセンサユニットと、
    前記ドップラーセンサの検出信号と前記静電容量センサの検出信号とを受信し、前記静電容量センサの検出信号に含まれる周波数成分の変化を基に、前記ドップラーセンサの検出信号から、前記センサユニットが取り付けられた生体の動きに応じて周波数が変化する信号成分を検出するプロセッサと、
    を備えた、生体情報測定システム。
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