[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2016139506A - 銀被覆樹脂粒子及び該粒子を含有する導電性材料 - Google Patents

銀被覆樹脂粒子及び該粒子を含有する導電性材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2016139506A
JP2016139506A JP2015013465A JP2015013465A JP2016139506A JP 2016139506 A JP2016139506 A JP 2016139506A JP 2015013465 A JP2015013465 A JP 2015013465A JP 2015013465 A JP2015013465 A JP 2015013465A JP 2016139506 A JP2016139506 A JP 2016139506A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
resin particles
heat treatment
conductive
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015013465A
Other languages
English (en)
Inventor
謙介 影山
Kensuke Kageyama
謙介 影山
博一 塚田
Hirokazu Tsukada
博一 塚田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Electronic Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Materials Electronic Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Electronic Chemicals Co Ltd filed Critical Mitsubishi Materials Electronic Chemicals Co Ltd
Priority to JP2015013465A priority Critical patent/JP2016139506A/ja
Publication of JP2016139506A publication Critical patent/JP2016139506A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】導電性材料に含まれる導電性フィラー或いは熱伝導性材料に含まれる熱伝導性フィラーとして好適な銀被覆樹脂粒子であって、これを用いて形成される電極や電気配線等において大幅な低抵抗化を図ることができると共に、高い熱伝導性を付与できる銀被覆樹脂粒子及び該粒子を含有する導電性材料を提供する。
【解決手段】コア樹脂粒子と、コア樹脂粒子を被覆する銀被覆層とを備えた扁平状の銀被覆樹脂粒子であり、コア樹脂粒子が球状の熱可塑性樹脂を扁平加工した扁平状の樹脂粒子からなり、コア樹脂粒子が熱処理により球状に回復する性質を有し、これにより温度100〜200℃での熱処理により球状に変形する性質を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、等方性導電材料や異方性導電材料等の導電性材料に含まれる導電性フィラー或いは熱伝導性材料に含まれる熱伝導性フィラーとして好適な銀被覆樹脂粒子及び該銀被覆樹脂粒子を含有する導電性材料に関する。
例えば、太陽電池パネル、液晶ディスプレイ、タッチパネル等の電子機器、電子表示機器又は半導体素子等が備える電子部品(電極又は電気配線等)を形成する材料、或いはこれらを電気的に接続する材料等には、例えば等方性の導電性ペースト(以下、単に導電性ペーストという。)等の等方性導電材料が広く使用されている。また、等方性導電材料のほかにも、電子部品の電気的な接続や実装等には、異方性導電接着剤、異方性導電フィルム等の異方性導電材料や導電スペーサ等が使用されている。異方性導電接着剤等の異方性導電材料は、相対する電極間の電気的接続と隣接電極間の絶縁性及び固定を目的とする機能性材料として、液晶ディスプレイ等のデバイスにおいて主に利用されてきたが、現在では、他のデバイスへの積極的な用途展開も検討されている。
このような電子部品の形成や実装等に用いられる導電性材料或いは熱伝導グリース等の熱伝導性材料には、導電性や熱伝導性を付与するための成分として金属粒子等からなる導電性フィラー或いは熱伝導性フィラーが含まれる。導電性材料や熱伝導性材料に含まれる導電性フィラー或いは熱伝導性フィラーは、その使用目的や機能、或いは需要に応じた改良により、様々な構造や形状を有するものが開発されている。例えば、特許文献1には、樹脂粉末に下地としてニッケルを無電解めっきし、その上面に金を被覆させた構造の導電性無電解めっき粉体が開示されている。この特許文献1の発明に係る導電性無電解めっき粉体では、基材として実質的に球状で、特定範囲の粒子性状を備える樹脂を選択し、その表面に無電解めっき法により上記金属被覆を施したことにより、極めて密着性に優れためっき被膜が形成されるうえ、対象マトリックス成分に対する分散性が効果的に改善され、高度の導電性能が付与されるとされている。この導電性無電解めっき粉体のような被覆構造を有する粉体は、主に、異方性導電材料や導電スペーサ等に使用される導電性フィラーとして好適に利用できるが、このような被覆構造を採る手法は、異方性導電材料等に使用される導電性フィラーに利用できるばかりでなく、等方性の導電性ペースト等に含まれる導電性フィラーに応用すれば、高価な金属の使用量を抑えられるため、低コスト化や軽量化が図れる。
また、アクリル系樹脂等の樹脂表面に、錫吸着層を介して銀を被覆させた銀被覆球粒子が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に示される銀被覆球状樹脂では、銀よりも低比重の樹脂を使用し、その表面に銀を被覆する構造を採ることにより、低比重で、しかも銀と同等の導電性が得られるとされている。また、銀粉を導電性フィラーとして使用した導電性ペーストに比べて、コストの高い銀使用量が抑えられるため、生産コストの面等でも優れる。また、この銀被覆球状粒子は、アクリル系樹脂等の弾性を持つ母粒子表面を金属で被覆する構造になっており、フィラーの潰れ方や回復率が適度であることから、異方導電材料や導電スペーサ等に使用される導電性フィラーとしても好適に使用される。
また、上記特許文献1,2にも挙げられているように、被覆構造を採る導電性フィラーの課題として、例えば単層の金属粒子等と比較した場合の導電性に関する課題が挙げられるが、導電性を向上させる手法としては、特許文献3には、例えば扁平状のコート粒子と、球状粉のコートを混合させる手法、また、特許文献4には、化粧料用の樹脂粉体をメディア粉砕することにより扁平化する手法が開示されている。
特開平08−311655号(請求項4,5、段落[0006]) 国際公開第2012/023566号パンフレット(請求項1、請求項9、段落[0010]) 特開2007−188845号公報(請求項1、段落[0009]、段落[0010]) 特開2007−91626号公報(段落[0012])
しかし、上記従来の特許文献1に示された導電性無電解めっき粉体では、樹脂粉末に下地としてニッケルをめっきした後、更に金めっきをしなければならないため、めっき処理が煩雑で非常に手間が掛かる。また、高価な金を使用する必要があるため、コスト的にも問題があった。また、上記特許文献2に示された銀被覆球粒子では、形状が真球状であったため、粒子同士の接触点が少なく、塗膜とした時の導電性が不十分になる場合がある。また、上記特許文献3,4に示されるように、単に扁平状のものを混合する手法や、扁平化する手法では、低抵抗化が期待する程十分に進まない。また、上記特許文献3に示される混合複合粒子では、コア粒子が金属であり、比重が重いため、スクリーン印刷等で印刷パターンを形成する際に、粒子の自重によってパターン端部にダレが生じ、形成する電極等の細線化が困難になる場合がある。
本発明の目的は、導電性材料に含まれる導電性フィラー或いは熱伝導性材料に含まれる熱伝導性フィラーとして好適な銀被覆樹脂粒子であって、これを用いて形成される電極や電気配線等において大幅な低抵抗化を図ることができると共に、高い熱伝導性を付与できる銀被覆樹脂粒子及び該粒子を含有する導電性材料を提供することにある。
本発明の第1の観点は、コア樹脂粒子と、このコア樹脂粒子を被覆する銀被覆層とを備えた扁平状の銀被覆樹脂粒子であり、銀被覆層の厚さが0.05〜0.2μmであり、コア樹脂粒子が球状の熱可塑性樹脂を扁平加工した扁平状の樹脂粒子からなり、コア樹脂粒子が熱処理により球状に回復する性質を有し、これにより温度100〜200℃での熱処理により球状に変形する性質を有する銀被覆樹脂粒子である。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に平均粒子径が0.5〜10μmであり、アスペクト比が1.5〜5.0であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点の銀被覆樹脂粒子とバインダ成分とを含有するペースト状の導電性材料である。
本発明の第4の観点は、第3の観点に基づく発明であって、単層の銀粒子を更に含有することを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1又は第2の観点の銀被覆樹脂粒子とバインダ成分とを含有するペースト状の導電性材料をフィルム状に形成したフィルム状の導電性材料である。
本発明の第6の観点は、第3又は第4の観点のペースト状の導電性材料を塗布した後、バインダ成分を硬化させる処理温度T1で熱処理を行う第1熱処理工程と、第1熱処理の後、第1熱処理工程の際の処理温度T1よりも高い100〜200℃の処理温度T2で熱処理を行う第2熱処理工程とを含む電子部品の製造方法である。
本発明の第1の観点の銀被覆樹脂粒子は、コア樹脂粒子と、このコア樹脂粒子を被覆する銀被覆層とを備えた扁平状の銀被覆樹脂粒子であり、銀被覆層の厚さが0.05〜0.2μmであり、コア樹脂粒子が球状の熱可塑性樹脂を扁平加工した扁平状の樹脂粒子からなり、コア樹脂粒子が熱処理により球状に回復する性質を有し、これにより銀被覆樹脂粒子は温度100〜200℃での熱処理により球状に変形する性質を有する。そのため、例えば、この銀被覆樹脂粒子を含有する導電性ペーストを用いて電極等を形成する際に、導電性ペーストを塗布して形成した印刷パターン内において扁平状であった銀被覆樹脂粒子が、熱処理により球状に変形する。これにより、形成された電極内において球状に変形した銀被覆樹脂粒子同士は圧着され、これらの接触点が増加するので大幅な低抵抗化を図ることができる。また、この銀被覆樹脂粒子は熱伝導性に優れた銀により被覆されているため、熱伝導性フィラーとしても利用できる。例えば、この銀被覆樹脂粒子を熱伝導グリース等の熱伝導性材料に含まれる熱伝導性フィラーとして用いた場合、電子部品等が発熱により100〜200℃の高温に達すると、銀被覆樹脂粒子が熱により球状に変形するため、グリース内において銀被覆粒子同士或いは部材との接触圧が増加することで熱伝導性が向上し、高い放熱効果を発現させる。即ち、熱負荷の増大により、自己変形し、熱伝導性が高められるというインテリジェント型の銀被覆樹脂粒子である。なお、銀被覆樹脂粒子によってもたらされる導電性と熱伝導性は銀に依存する同義の機構につき、以下は導電性のみで記述する。
本発明の第2の観点の銀被覆樹脂粒子は、平均粒子径が0.5〜10μmであり、アスペクト比が1.5〜5.0であることにより、銀被覆樹脂粒子が球状に変形することによる上述の効果がより高められる。
本発明の第3〜5の観点の導電性材料は、本発明の銀被覆樹脂粒子を導電性フィラーとして含有することにより、従来の導電性材料に比べてフィラー同士の良好な導通が得られるため、この導電性材料を電極等の形成又は電子部品の実装等に使用すれば、大幅な低抵抗化を図ることができる。また、これらの導電性材料は熱伝導性材料としても利用できる。
本発明の第6の観点の電子部品の製造方法では、本発明のペースト状の導電性材料を使用し、この導電性材料を塗布した後、バインダ成分を硬化させる処理温度T1で熱処理を行う第1熱処理工程と、第1熱処理の後、第1熱処理工程の際の処理温度T1よりも高い100〜200℃の処理温度T2で熱処理を行う第2熱処理工程とを含む。これにより、従来の導電性材料を用いて電極等を形成する場合に比べて、フィラー同士の良好な導通を確保できるため、大幅な低抵抗化を図ることができる。なお、ここで言う電子部品には、電極又は電気配線等の電子部品のほか、これらの電子部品を電気的に接合する接合部品(例えば導電スペーサを用いて実装された基板の配線部分を電気的に接続している部品又は部材)も含まれる。
実施例1で得られた扁平状の銀被覆樹脂粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)による写真図である。 実施例1で得られた扁平状の銀被覆樹脂粒子を球状に変形させた後の走査型電子顕微鏡(SEM)による写真図である。 実施例1で使用したコア樹脂粒子の走査型電子顕微鏡による写真図である。 実施例1で使用したコア樹脂粒子を球状に回復させた後の走査型電子顕微鏡(SEM)による写真図である。 銀被覆樹脂粒子同士の接触点が増加する原理を説明する模式図である。 本発明実施形態の電極等の製造工程における温度プロファイルを示すグラフである。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明の銀被覆樹脂粒子は、コア樹脂粒子と、このコア樹脂粒子を被覆する銀被覆層とを備えた扁平状の銀被覆樹脂粒子である。なお、この被覆構造には、被覆する樹脂表面の全面が、銀被覆層によって完全に被覆された構造に限らず、その一部が被覆された構造も含まれる。
銀被覆樹脂粒子を構成するコア樹脂粒子(母粒子)は、球状の熱可塑性樹脂を扁平加工した扁平状の樹脂粒子からなり、熱処理により球状に回復する性質を有するものである。より具体的には、100℃以上の熱処理で球状に回復する性質を有するものが好ましい。下限値未満の温度で球状に回復するものを使用すると、形成する銀被覆層の厚さにもよるが、ペースト等に使用するバインダ成分が硬化する前にコア樹脂粒子が回復し、これにより銀被覆樹脂粒子の変形が上記硬化前に起こることで、後述の不具合を生じさせる場合がある。一方、上記熱処理の上限値については特に制限等はなく、樹脂の溶解温度未満の温度で回復する性質を有するものであれば特に問題はないが、回復及び銀被覆樹脂粒子の変形のために非常に高い温度の熱処理が必要になり、電極等を製造する際のコストが上がる場合があることから、200℃以下であることが好ましい。このうち、コア樹脂粒子は、130〜150℃の温度の熱処理で球状に回復する性質を有するものが特に好ましい。なお、コア樹脂粒子が球状に回復するとは、回復率が50%に達することをいう。コア樹脂粒子の上記熱処理による回復率が50%未満では、銀被覆樹脂粒子の変形率も低下し、接触点が増加することによる低抵抗化が十分に図れない場合がある。また、コア樹脂粒子は、上記熱処理による最終的な回復率が60%に達するものが好ましく、70〜100%を示すものが特に好ましい。なお、コア樹脂粒子の回復率とは、10個のコア樹脂粒子について、上記熱処理後のアスペクト比の平均値を計測し、その平均値Bと、真球に回復したものと仮定したときのアスペクト比A=1と、式:A/B×100(%)から算出した値である。
このようなコア樹脂粒子を得るのに用いられる扁平加工前の球状の熱可塑性樹脂には、例えばアクリル系樹脂又はスチレン系樹脂からなる球状樹脂等が挙げられる。アクリル系樹脂としては、メタクリル酸メチル樹脂(PMMA樹脂)等が挙げられる。スチレン系樹脂としては、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)等が挙げられる。このうち、耐熱性、耐薬品性、汎用性等の面から、メタクリル酸メチル樹脂(PMMA樹脂)等のアクリル系樹脂からなるものが特に好ましい。
この球状樹脂を扁平加工して扁平状にする方法としては、ロールミル、ハンマーミル等の乾式粉砕法、ビーズミル、ボールミル又はアトライタ等のメディアを使用して粉砕する方法が挙げられるが、メディアを使用して粉砕する方法が特に好ましい。その理由は、球状樹脂は粉砕機の羽等の本体、或いはメディア間に挟まれ、せん断力を受けることにより一方向に伸び扁平化するが、メディアを使用すると接触面積が増えることによりせん断力を受ける確率が大幅に向上し、またメディア径や充填率を調整することにより、意図した扁平度に調整することが比較的容易だからである。更に、メディアを使用して粉砕する方法では、球状樹脂の表面に微細な凹凸を形成することができ、これによりアンカー効果を増大させ、めっきの密着性を向上させることができる。メディアを使用して粉砕する方法は、具体的には、先ず、平均粒子径が、好ましくは0.4〜10μmの球状樹脂を用意する。そして、メディアに平均粒子径が好ましくは0.3〜2.0mmのジルコニアビーズに用いた循環式ビーズミルにより、上記球状樹脂に水中にて好ましくは1〜5時間湿式粉砕処理を施すことにより行う。このときの扁平度(アスペクト比)は、メディアの充填量、樹脂粒子のスラリー濃度、スラリーの循環量、粉砕時間の調整により行うことができる。扁平加工後のコア樹脂粒子は、平均粒子径が0.4〜10μmであり、アスペクト比(長径と短径の比)が1.5〜5.0の範囲であることが好ましい。扁平状のコア樹脂粒子の平均粒子径及びアスペクト比が上記範囲から外れると、銀被覆樹脂粒子自体の平均粒子径及びアスペクト比を、後述の好ましい範囲に制御するのが困難になる場合がある。なお、本明細書において、扁平状の粒子の平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布計(島津製作所社製 型式名:SDLD200VER)により測定した体積基準のメジアン径である。また、アスペクト比(長径と短径の比)とは、10個の粒子について走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 型式名:SU−1500)観察により一粒子の長径と短径の比(長径/短径)を計測し、これらを平均した値である。
銀を被覆する前のコア樹脂粒子の表面には、前処理により、予め錫吸着層等を設けておくことが望ましい。錫吸着層は、前処理で使用される錫化合物中の錫の2価イオンが、樹脂表面に付着することによって形成されたものである。一般に、有機質材料や無機質材料等の不導体の表面に無電解銀めっきを実施する際、予め不導体の表面に対して触媒化処理を行う必要がある。本実施形態では、前処理としての触媒化処理によりコア樹脂粒子の表面に錫吸着層を予め形成し、後述する無電解銀めっきによって、以下の特性を有する銀めっき層(銀被覆層)を形成している。
銀被覆樹脂粒子を構成する銀被覆層は、厚さが0.05〜0.2μmである。銀被覆層の厚さが下限値未満では、均一な被覆膜が得られず、十分な導電性が得られない。一方、上限値を超えると銀被覆層の強度が高くなりすぎて、銀被覆樹脂粒子が上記熱処理により球状に回復しない。このうち、銀被覆層の厚さは0.1〜0.2μmであることが好ましい。
また、銀被覆樹脂粒子における銀の含有量は、コア樹脂粒子の平均粒径と比重と所望する導電性により決められ、銀被覆樹脂粒子100質量部に対して、40〜90質量部とするのが好ましい。銀被覆樹脂粒子100質量部に対して、銀の含有量が下限値に満たないと、導電性フィラーとして銀被覆樹脂粒子が分散したときに、銀同士の接点が取り難く、十分な導電性を付与できない場合がある。一方、銀の含有量が上限値を超えると、比重が大きくなり、コストも高くなるにも拘わらず、導電性が飽和する傾向がみられる。
このように構成される銀被覆樹脂粒子は、コア樹脂粒子の形状に起因して扁平状の形状を有する粒子であり、更に温度100〜200℃での熱処理により球状に変形する性質を有する。そのため、後述のように、例えば該銀被覆樹脂粒子を含有する導電性ペーストを用いて電極等を形成する際に、印刷パターン中で扁平状であった銀被覆樹脂粒子が熱処理により球状に変形する。これにより、形成された電極内で、球状に変形した銀被覆樹脂粒子同士が圧着され、これらの接触点が増加するため、大幅な低抵抗化を図ることができる。下限値未満の熱処理で球状に変形するものでは、ペースト等に使用するバインダ成分が硬化する前に球状への変形が起こることがあり、この場合、銀被覆が剥がれやすくなったり、銀被覆樹脂粒子同士の圧着による接触点の増加が少なくなる、或いは形成する電極等の平坦性が損なわれる。一方、上限値を超える熱処理で球状に変形するものであっても、特に問題はないが、回復のために非常に高い温度の熱処理が必要になるため、電極等を製造する際のコストが上がる。なお、銀被覆樹脂粒子が球状に変形するとは、変形率が50%に達することをいう。銀被覆樹脂粒子の上記熱処理による変形率が50%未満では、電極等を形成したときに、接触点が増加することによる低抵抗化が十分に図れない場合がある。このうち、銀被覆樹脂粒子は、上記熱処理による最終的な変形率が60%に達することが好ましく、60〜100%を示すことが特に好ましい。なお、銀被覆樹脂粒子の変形率とは、10個の銀被覆樹脂粒子について上記熱処理後のアスペクト比を測定し、その平均値Bと、真球に変形したものと仮定したときのアスペクト比A=1と、式:A/B×100(%)から算出した値である。
この銀被覆樹脂粒子の平均粒子径は0.5〜10μmであることが好ましく、アスペクト比は1.5〜5.0であることが好ましい。銀被覆樹脂粒子の平均粒子径が下限値では、凝集等が起こりやすくなる場合があり、上限値を超えると粒子同士の接点が少なくなり、十分な導電性が得られない場合がある。このうち、平均粒子径は0.5〜3.0μmであることが特に好ましい。また、アスペクト比が下限値未満では、もともとの形状がほぼ球状に近いことから、熱処理を行っても、形状の変形による導電性の向上効果がほぼ得られず、十分な導電性が得られない場合がある。一方、上限値を超えると印刷パターン等を形成する際に、良好なライン平滑性やライン直線性が得られない場合がある。このうち、アスペクト比は1.5〜3.0であることが特に好ましい。
続いて、本発明の銀被覆樹脂粒子を製造する方法について説明する。先ず、コア樹脂粒子に、錫化合物の水溶液による前処理を行い(錫吸着層の形成工程)、次いで、前処理を行ったコア樹脂粒子に、還元剤を用いて無電解銀めっきを行う(銀被覆層の形成工程)。なお、コア樹脂粒子には、上述のように、メディアを使用して粉砕する方法等で球状の熱可塑性樹脂を扁平加工した扁平状の樹脂粒子であって、上述の性質を有するものを使用する。
コア樹脂粒子に錫吸着層を形成する前処理では、例えば、錫化合物の水溶液にコア樹脂粒子を添加し、攪拌する。そして、コア樹脂粒子を濾別して水洗する。攪拌時間は、以下の錫化合物の水溶液の温度及び錫化合物の含有量によって適宜決定されるが、好ましくは、0.5〜24時間である。
錫化合物の水溶液の温度は、25〜45℃であり、好ましくは26〜35℃であり、より好ましくは27〜35℃であり、最も好ましくは30〜35℃である。錫化合物の水溶液の温度が25℃未満であると、温度低下により、水溶液の活性が低くなり、コア樹脂粒子に錫化合物が十分に付着しにくくなる。一方、錫化合物の水溶液の温度が45℃より高くても、錫化合物が酸化するため、水溶液が不安定となり、コア樹脂粒子に錫化合物が十分に付着しない場合がある。この前処理を25〜45℃の水溶液で実施することによって、従来法では密着性の悪かったアクリル系樹脂やスチレン系樹脂からなる樹脂粒子に対しても、適切な結晶子径の銀の結晶粒子を析出させることができる。このため、密着性及び緻密性に優れた銀被覆層を形成できる。更に、銀被覆層が密着性及び緻密性に優れるため、一方向に、粒径の10%を圧縮したときの圧縮方向の抵抗値を、従来品と比較して10分の1以下に低減できる。
前処理で使用する錫化合物としては、塩化第一錫、フッ化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等が挙げられる。塩化第一錫を用いる場合、錫化合物の水溶液中の塩化第一錫の含有量は、30〜100g/dm3が好ましい。塩化第一錫の含有量が30g/dm3以上であれば、均一な錫吸着層を形成し易い。また、塩化第一錫の含有量が100g/dm3以下であると、塩化第一錫中の不可避不純物の量を抑制しやすい。なお、塩化第一錫は、飽和になるまで錫化合物の水溶液に含有させることができる。
錫化合物の水溶液は、塩化第一錫1gに対して、塩酸を0.5〜2cm3を含有することが好ましい。塩酸の量が0.5cm3以上であると、塩化第一錫の溶解性が向上し、かつ錫の加水分解を抑制しやすい。また、塩酸の量が2cm3以下であると、錫化合物の水溶液のpHが低くなり過ぎないため、錫をコア樹脂粒子に効率よく吸着させることができる。
銀被覆層は無電解めっき法により形成される。無電解めっき法としては、(1)錯化剤、還元剤等を含む水溶液中に、前処理をしたコア樹脂粒子を浸漬し、銀塩水溶液を滴下する方法、(2)銀塩、錯化剤を含む水溶液中に、前処理をしたコア樹脂粒子を浸漬し、還元剤水溶液を滴下する方法、(3)銀塩、錯化剤、還元剤等を含む水溶液に、前処理をしたコア樹脂粒子を浸漬し、苛性アルカリ水溶液を滴下する方法が挙げられ、いずれの方法でも適用してもよい。
銀塩としては、硝酸銀或いは銀を硝酸に溶解したもの等を用いることができる。錯化剤としては、アンモニア、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、ニトロ三酢酸、トリエチレンテトラアンミン六酢酸等の塩類を用いることができる。還元剤としては、ホルマリン、ブドウ糖、ロッシェル塩(酒石酸ナトリウムカリウム)、ヒドラジン及びその誘導体等を用いることができる。還元剤としては、ホルムアルデヒドが好ましく、少なくともホルムアルデヒドを含む2種以上の還元剤の混合物がより好ましく、ホルムアルデヒドとブドウ糖を含む還元剤の混合物が最も好ましい。
以上の工程により、本発明の銀被覆樹脂粒子が得られる。この銀被覆樹脂粒子は、電極等の形成に用いられる導電性ペースト等の等方性導電材料や、異方性導電接着剤等の異方性導電材料、或いは導電スペーサといった導電性材料に含まれる導電性フィラーとして使用することができる。
電極等の形成に用いられる導電性ペースト等を調製する場合、導電性フィラーに本発明の銀被覆樹脂粒子を使用すること以外は、特に限定されず、それぞれの用途に適した一般的な材料又は方法等により調製することができる。例えば、上述の銀被覆樹脂粒子を、熱硬化性樹脂等の一般的なバインダ成分と、必要に応じて硬化剤や溶剤等の他の成分を添加、混合することにより調製することができる。即ち、導電性ペーストは、上述の銀被覆樹脂粒子を導電性フィラーとして含むほか、例えばバインダ成分としての樹脂、硬化剤、溶剤等から構成される有機系ビヒクルを含有する。また、平均粒径が好ましくは5μm以下の単層の銀粒子を導電性フィラーとして更に含有させることもでき、更に異なった粒子径の扁平状の銀被覆樹脂粒子を2種類以上混合して使用することもできる。
導電性ペーストを調製する際、導電性ペースト中に占める銀被覆樹脂粒子の割合は、質量割合で70〜90%とするのが好ましい。下限値未満では、導電性ペーストを塗布硬化させて形成される電極又は配線等の抵抗値が上がり、導電性に優れた電極又は配線等を形成することが困難になる。一方、上限値を超えると、良好な流動性を持つペーストが得られない傾向がみられることから、印刷性等の面で、良好な電極等を形成しにくくなる。このうち、銀被覆樹脂粒子の割合は、質量割合で75〜85%とするのがより好ましい。
バインダー成分としての樹脂(バインダ樹脂)には、当該分野において公知のものを使用することができ、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル等の各種変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。これら樹脂は、単独でも、又は2種類以上を併用することもできる。なお、本発明においては、後述の処理温度T2(100〜200℃)よりも低い処理温度、即ち処理温度T1で硬化が進む樹脂を使用するのが好ましいことから、上記樹脂のうち、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル等の各種変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルアルコールを使用するのが特に好ましい。
バインダ樹脂は、導電性ペーストの経時変化による品質劣化を抑制できると同時に、主鎖に剛直な骨格を持ち、硬化物が耐熱性や耐湿性に優れていることから、形成する電極等の耐久性を向上させることができる。バインダ樹脂は、バインダ樹脂(後述の硬化剤の量も含む)と導電性フィラーの質量比(「バインダ樹脂+硬化剤」:「導電性フィラー」)が10〜40:60〜90、好ましくは20〜30:70〜80となる割合で導電性ペースト中に含まれる。バインダ樹脂の割合が下限値未満では、密着性不良のような不具合が生じる。上限値を超えると、導電性が低下する等の不具合が生じる。
硬化剤としては、一般的に用いられるイミダゾール類、第3級アミン類又はフッ化ホウ素を含むルイス酸、或いはその化合物が好適である。イミダゾール類には、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。第3級アミン類には、ピペリジン、ベンジルジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イソフォロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。フッ化ホウ素を含むルイス酸には、フッ化ホウ素モノエチルアミン等のフッ化ホウ素のアミン錯体が挙げられる。また、DICY(ジシアンジアミド)のような潜在性の高い硬化剤を用い、その促進剤として上記硬化剤を組み合わせて用いてもよい。このうち、密着性向上の理由から、イミダゾール類の2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールが特に好ましい。
溶剤としては、ジオキサン、ヘキサン、トルエン、メチルセロソルブ、シクロヘキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジアセトンアルコール、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ブチルセルソルブ、ブチルセロソルブアセテート、エチルセルソルブ、α−テルピネオール等が挙げられる。このうち、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、α―テルピネオールが特に好ましい。
導電性ペーストの調製するには、先ず、好ましくは温度50〜70℃、更に好ましくは60℃の条件で、上記溶剤に上記バインダ樹脂を混合する。このとき、バインダ樹脂の割合は、溶剤100質量部に対して5〜50質量部とするのが好ましく、20〜40質量部とするのが更に好ましい。次に、上記硬化剤を適量混合し、更に上記導電性フィラーを添加して、例えば3本ロールミル又はライカイ機等の混練機を用いて、好ましくは0.1〜1時間混練し、ペースト化することにより導電性ペーストが調製される。このとき、調製される導電性ペーストに適性な粘度及び必要な流動性を持たせるため、また、上述の理由から、導電性ペースト中に占める導電性フィラーの割合が上述の所定の割合になるように混合する。また、バインダ樹脂の使用量は、上述の理由から、導電性フィラーとの質量比が上述の所定の質量比になるように調整する。その結果、粘度が好ましくは10〜300Pa・sに調整される。粘度がこの範囲に調整されることで導電性ペーストの印刷性が向上するとともに、印刷後の印刷パターン形状も良好に保たれる。
以上の工程により、導電性フィラーに上述の銀被覆導電性樹脂を用いた導電性ペーストが得られる。この導電性ペーストを用いて、電極等を形成するには、先ず、基材に導電性ペーストを塗布して印刷パターン(塗布膜又はゲル膜)を形成する。その後、必要に応じて乾燥等を行った後、後述の温度プロファイルにて熱処理を施すことにより、所望の導電性を有する電極等を形成することができる。なお、導電性ペーストの塗布には、例えばスクリーン印刷法等の一般的な印刷法を使用することができ、また、熱処理には、熱風循環炉等の装置を使用することができる。
図5は、この銀被覆樹脂粒子を導電性フィラーに用いた、例えば上記導電性ペースト等のペースト状の導電性材料を用いて、電極等を形成するときに、銀被覆樹脂粒子同士の接触点が増加する原理を説明した模式図である。導電性ペーストを用いて形成した、熱処理前の印刷パターン(塗布膜又はゲル膜)11中の銀被覆樹脂粒子12は、図5左図のように、扁平状の形状を有している。熱処理前の形状が扁平状であることにより、球状である場合に比べて印刷パターンの単位体積当たりに含まれる銀被覆樹脂粒子数を多くすることができる。そして、この印刷パターンに、図6に示す温度プロファイルにて熱処理を施す。
即ち、先ず、基材に塗布して形成した印刷パターンを、処理温度T1で熱処理を行い(第1熱処理工程)、続いて第1熱処理工程の際の処理温度T1よりも高い100〜200℃の処理温度T2で熱処理を行う(第2熱処理工程)。処理温度T1での第1熱処理工程では、ペースト等に含まれるバインダ成分の硬化が進み、処理温度T2での第2熱処工程では、銀被覆樹脂粒子が、図5左図に示す扁平状の銀被覆樹脂粒子12から、図5右図に示す球状の銀被覆樹脂粒子22に形状が変形する。即ち、処理温度T2は、処理温度T1よりも高く、上記100〜200℃の範囲内であって、銀被覆樹脂粒子22が変形する(上述の変形率が50%に達する)温度以上の温度であることが好ましい。第1熱処理工程における処理温度T1は80〜150℃とするのが好ましく、処理時間は30分〜1時間とするのが好ましい。また、第2熱処理工程における処理時間は1〜2時間とするのが好ましい。なお、第2熱処工程では、銀被覆樹脂粒子が球状に変形することによる割れ等を防止するため、印刷パターンを加圧し、かつ側面を保持しながら行うことが望ましい。これにより、形成された電極21内で、球状に変形した銀被覆樹脂粒子22同士が圧着され、これらの接触点が増加することにより、大幅な低抵抗化を図ることができる。
また、本発明の銀被覆樹脂粒子を用いて異方性導電接着剤を調製する方法、異方性導電フィルムを形成する方法、導電スペーサとして使用する方法について以下に説明する。異方性導電接着剤及び異方性導電フィルム等の異方性導電性材料には、バインダ成分としての絶縁性のバインダ樹脂と、この絶縁性のバインダ樹脂中に分散された導電性微粒子(導電性フィラー)が導電性成分として含まれ、本発明の銀被覆樹脂粒子は該導電性微粒子として使用することができる。銀被覆樹脂粒子の含有量は、特に限定されず、用途等に応じて適宜決定されるが、質量割合で0.5%〜5%程度とするのが好ましい。
異方性導電接着剤としては、例えば異方性導電ペースト、異方性導電インキ等が挙げられる。異方性導電接着剤の場合、絶縁性のバインダ樹脂は、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂のほか、硬化性樹脂組成物等の熱や光によって硬化する組成物を使用できる。熱可塑性樹脂としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、アクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂組成物としては、グリシジル基を有するモノマーやオリゴマーと、イソシアネート等の硬化剤とを含有する樹脂組成物が挙げられる。また、単層の銀粒子を導電性微粒子(導電性フィラー)として更に含有させることもできる。
異方性導電フィルムは、フィルム状に成形された異方性導電膜であり、例えば以下の方法によって製造される。導電性微粒子が絶縁性の樹脂中に分散する組成物を作製し、この組成物をPET等の支持フィルムの表面に塗布する。これによって、異方性導電フィルムが得られる。異方性導電フィルムの場合、絶縁性の樹脂には、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分として含む樹脂組成物を使用できる。また、単層の銀粒子を導電性微粒子(導電性フィラー)として更に含有させることもできる。
導電スペーサとは、液晶表示装置等において、液晶物質を挟む上下2枚の基板の配線部分を電気的に上下に接続し、かつ基板の間隙を所定の寸法に保持するものである。本発明の銀被覆樹脂粒子を導電スペーサに使用するには、例えば、銀被覆樹脂粒子をバインダ成分としての熱硬化性樹脂や紫外光硬化型接着剤等に添加して樹脂組成物を作製する。そして、上下2枚の基板の配線部分に、上記樹脂組成物を塗布して2枚の基板を貼り合わせる。樹脂組成物中の銀被覆樹脂粒子の含有量は、特に限定されず、用途等に応じて適宜決定されるが、質量割合で2%〜10%程度とするのが好ましい。この導電スペーサ等を用いた実装方法においても、図6に示す温度プロファイルにて熱処理を施すことにより、接合する電子部品等の大幅な低抵抗化を図ることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、平均粒子径が1.2μmの球状のアクリル系樹脂(PMMA樹脂)を用意し、循環式ビーズミル(メディアに0.5mmのジルコニアビーズを使用)を用いて水中で6時間湿式粉砕処理を行い、その後、ろ過、乾燥することにより扁平状の樹脂粒子を作製した。なお、作製した扁平状の樹脂粒子について、上述の方法により測定した平均粒子径とアスペクト比、及び熱処理によって球状に回復した(回復率が50%に達した)ときの温度、及び後述の処理温度T2における回復率を以下の表1に示す。また、作製した扁平状の樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 型式名:SU−1500))で観察したときの写真図を図3に示す。また、この扁平状の樹脂粒子を後述の処理温度T2で2時間熱処理し、球状に回復させた後の写真図を図4に示す。
上記作製した扁平状の樹脂粒子をコア樹脂粒子として用い、このコア樹脂粒子の表面に銀被覆層を形成した。具体的には、先ず、塩化第一錫20gと、濃度が35%の塩酸15cm3を、容量1dm3のメスフラスコを用いて水で1dm3に希釈(メスアップ)し、30℃に保温した。この水溶液に、上記コア樹脂粒子を添加して1時間撹拌して前処理を行い、その後、該コア樹脂粒子を濾別して水洗した。
次に、上記前処理により表面に錫被覆層が形成されたコア樹脂粒子の表面に、無電解めっきにより銀被覆層を形成した。具体的には、先ず、水2dm3に、錯化剤としてエチレンジアミン四酢酸ナトリウム16gを添加して、錯化剤水溶液を調製した。また、硝酸銀63g、25%濃度のアンモニア水、水320mlを混合し、pHが11の硝酸銀含有水溶液を調製した。
上記調製した錯化剤水溶液中に、上記前処理後のコア樹脂粒子を浸漬させた。その後、該水溶液を撹拌しながら、上記硝酸銀含有水溶液を滴下した後、更に還元剤としてホルマリン(ホルムアルデヒド濃度37質量%)92mlを添加することにより、コア樹脂粒子の表面に銀めっきを施した。これにより、上記コア樹脂粒子の表面に銀被覆層を形成し、銀被覆樹脂粒子を得た。銀被覆樹脂粒子は、その後、水洗、乾燥して回収した。
<実施例2〜12>
実施例1と同様の湿式粉砕処理による扁平加工を行うことにより、表1に示す扁平状のアクリル系樹脂粒子を作成した。その際、粉砕時間を調整することでアスペクト比等をそれぞれ調整した。また、これらの樹脂粒子をコア樹脂粒子として使用し、実施例1と同様の方法により、上記コア樹脂粒子の表面に銀被覆層を形成して銀被覆樹脂粒子を得た。その際、コア樹脂粒子の質量に対する硝酸銀水溶液の投入量や硝酸銀水溶液中の銀含有率等を調整することにより銀被覆層の厚さをそれぞれ調整した。
<実施例13>
実施例2で得られた銀被覆樹脂粒子と同じ銀被覆樹脂粒子を、実施例13の銀被覆樹脂粒子として用意した。
<比較例1,2>
硝酸銀水溶液中の銀含有率を高くする或いは低くすることにより、銀被覆樹脂粒子の厚さを以下の表1に示す厚さに調整したこと以外は、それぞれ実施例1,2と同様にして、銀被覆樹脂粒子を得た。
<比較例3>
平均粒子径が2μmの球状のアクリル系樹脂に、実施例1と同様の湿式粉砕処理による扁平加工を行った、表1に示す平均粒子径及びアスペクト比を有し、かつ熱処理しても回復率が50%に達しない扁平状の樹脂粒子をコア樹脂粒子に使用したこと以外は、実施例8と同様にして、銀被覆樹脂粒子を得た。
<比較例4>
平均粒子径が2μmの球状のアクリル系樹脂に、実施例1と同様の方法で扁平加工を行った、表1に示す扁平状の樹脂粒子をコア樹脂粒子に使用したこと以外は、実施例8と同様にして、銀被覆樹脂粒子を得た。
<比較試験及び評価>
実施例1〜13及び比較例1〜4で得られた銀被覆樹脂粒子を用いて、以下の(i),(ii)の評価を行った。これらの結果を、以下の表1に示す。また、実施例1で得られた銀被覆樹脂粒子の走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 型式名:SU−1500)による写真図を図1に示す。また、この銀被覆樹脂粒子を後述の処理温度T2で2時間熱処理し、球状に変形させた後の写真図を図2に示す。
(i) 銀被覆層の厚さ:銀被覆樹脂粒子中の銀含有量をICP発光分光分析により測定し、銀被覆樹脂粒子の平均粒子径、銀及びコア樹脂粒子の比重から算出した。
(ii) 体積抵抗値:実施例1〜3,5,6,8、及び比較例1〜4では、先ず、導電性フィラーとしての銀被覆樹脂粒子と、バインダ成分としてのエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ、日本化薬社製 商品名:NC3000)と、硬化剤としての第三級アミン系硬化剤と、溶剤としてのブチルカルビトールアセテートをそれぞれ用意した。そして、調製後のペースト100質量%に占める不揮発分(導電性フィラー、バインダ成分、硬化剤)濃度が60質量%となるように、かつ導電性フィラー(銀被覆樹脂粒子)と、バインダ成分(エポキシ樹脂)及び硬化剤との質量基準での比率(「銀被覆樹脂粒子」:「エポキシ樹脂+硬化剤」)が80:20となるように混合して、導電性ペーストを調製した。
一方、実施例4,7では、導電性フィラーとしての銀被覆樹脂粒子80質量%と、バインダ成分としてのアクリル樹脂(関西ペイント社製 商品名:アクリックNo.1000クリヤー)20質量%とを混合して、導電性ペーストを調製した。また、実施例9〜13では、上記実施例1と同様にして、導電性ペーストを調製した。なお、実施例13では、導電性フィラーとして、実施例13の銀被覆樹脂粒子以外に、平均粒子径が5μmの単層の銀粒子を用意し、この銀粒子を、銀被覆樹脂粒子との合計100質量%に対して40質量%となる割合で使用した。
上記調製した導電性ペーストを、スクリーン印刷法により100×100mm角のガラス基板上に塗布し、厚さ100μmの塗布膜を形成した。この塗布膜を、大気雰囲気中、図6に示す温度プロファイルにて熱処理を施した。この時の処理温度T1及びT2を以下の表1に示す。なお、処理温度T1での処理時間は1時間、処理温度T2での処理時間は2時間とした。これにより、試験用サンプル(電極)を作製した。作製した試験用サンプルについて、四端子四探針方式の表面固有抵抗表面抵抗計(三菱化学社製、ローレスタ)を用いて体積抵抗値を求めた。
(iii) コア樹脂粒子の回復率、銀被覆樹脂粒子の変形率:上述の走査型電子顕微鏡を用いて計測した。具体的には、コア樹脂粒子の回復率については、10個のコア樹脂粒子について、処理温度T2で熱処理した後の粒子のアスペクト比を上記走査型電子顕微鏡観察により測定して、それらの平均値を算出し、この算出した平均値Bと、真球に回復したものと仮定したときのアスペクト比A=1と、式:A/B×100(%)から算出した。また、銀被覆樹脂粒子の変形率については、10個の銀被覆樹脂粒子について、処理温度T2で熱処理した後の粒子のアスペクト比を上記走査型電子顕微鏡観察により測定して、それらの平均値を算出し、この算出した平均値Bと、真球に回復したものと仮定したときのアスペクト比A=1と、式:A/B×100(%)から算出した。
表1から明らかなように、実施例1〜13と比較例1〜5とを比較すると、銀被覆層の厚さが所定値に満たない比較例1では、銀の量が不足し、均一な銀被覆膜が形成されず、十分な導電性が得られなかった。一方、銀被覆層の厚さが所定値を超える比較例2では、扁平状の銀被覆樹脂粒子の球状への変形率が悪くなり、十分な導電性が得られなかった。
また、比較例3では、熱処理を行っても銀被覆樹脂粒子の形状が扁平状から球状に殆ど変形しなかったため、十分な導電性が得られなかった。また、比較例4では、バインダ樹脂が硬化する温度よりも低い温度で銀被覆樹脂粒子の形状が扁平状から球状に変形してしまい、バインダ樹脂の硬化前に銀被覆が剥がれてしまい、また、銀被覆樹脂粒子同士の密着力も低くなったため大幅な低抵抗化を測ることができなかった。
これに対し、実施例1〜13では、いずれも、非常に小さい体積抵抗率が得られ、大幅な低抵抗化を図ることができた。
本発明は、太陽電池パネル、液晶ディスプレイ、タッチパネル等の電子機器又は電子表示機器或いは半導体素子等の製造に好適に利用できる。また、チップインダクタ、チップ抵抗、チップ型積層セラミックコンデンサ、チップ型積層セラミックキャパシタ、チップサーミスタ等のチップ型電子部品の外部端子電極を形成する導電性ペーストに利用することもできる。

Claims (6)

  1. コア樹脂粒子と、前記コア樹脂粒子を被覆する銀被覆層とを備えた扁平状の銀被覆樹脂粒子であり、
    前記銀被覆層の厚さが0.05〜0.2μmであり、
    前記コア樹脂粒子が球状の熱可塑性樹脂を扁平加工した扁平状の樹脂粒子からなり、
    前記コア樹脂粒子が熱処理により球状に回復する性質を有し、
    これにより温度100〜200℃での熱処理により球状に変形する性質を有することを特徴とする銀被覆樹脂粒子。
  2. 平均粒子径が0.5〜10μmであり、アスペクト比が1.5〜5.0である請求項1記載の銀被覆樹脂粒子。
  3. 請求項1又は2記載の銀被覆樹脂粒子とバインダ成分とを含有するペースト状の導電性材料。
  4. 単層の銀粒子を更に含有する請求項3記載のペースト状の導電性材料。
  5. 請求項1又は2記載の銀被覆樹脂粒子とバインダ成分とを含有するペースト状の導電性材料をフィルム状に形成したフィルム状の導電性材料。
  6. 請求項3又は4記載のペースト状の導電性材料を塗布した後、前記バインダ成分を硬化させる処理温度T1で熱処理を行う第1熱処理工程と、
    前記第1熱処理の後、前記第1熱処理工程の際の処理温度T1よりも高い100〜200℃の処理温度T2で熱処理を行う第2熱処理工程とを含む電子部品の製造方法。
JP2015013465A 2015-01-27 2015-01-27 銀被覆樹脂粒子及び該粒子を含有する導電性材料 Pending JP2016139506A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015013465A JP2016139506A (ja) 2015-01-27 2015-01-27 銀被覆樹脂粒子及び該粒子を含有する導電性材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015013465A JP2016139506A (ja) 2015-01-27 2015-01-27 銀被覆樹脂粒子及び該粒子を含有する導電性材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016139506A true JP2016139506A (ja) 2016-08-04

Family

ID=56560350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015013465A Pending JP2016139506A (ja) 2015-01-27 2015-01-27 銀被覆樹脂粒子及び該粒子を含有する導電性材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016139506A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017066267A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 三菱マテリアル株式会社 熱伝導性組成物
CN115698379A (zh) * 2020-07-03 2023-02-03 三菱材料电子化成株式会社 金属包覆树脂粒子及其制造方法、包含金属包覆树脂粒子的导电性膏以及导电性膜

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05301810A (ja) * 1992-04-23 1993-11-16 Kao Corp 樹脂粉末及び化粧料
JP2007091626A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Sumitomo Seika Chem Co Ltd 扁平粒状樹脂粉末およびこれを用いた化粧料
JP2007188845A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 導電性粉末、導電性ペーストおよび電気回路
US20070295943A1 (en) * 2005-02-22 2007-12-27 Cheil Industries Inc. Polymer Particles and Conductive Particles Having Enhanced Conducting Properties, and Anisotropic Conductive Packaging Materials Containing the Same
JP2010159328A (ja) * 2009-01-07 2010-07-22 Sekisui Chem Co Ltd 導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体
JP2014080485A (ja) * 2012-10-15 2014-05-08 Hitachi Chemical Co Ltd 架橋ポリマー粒子、導電性粒子、異方性導電材料及び回路部材の接続構造体
WO2014185249A1 (ja) * 2013-05-14 2014-11-20 ダイセル・エボニック株式会社 紫外線散乱剤を含有する樹脂粉体及びその製造方法並びに化粧料

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05301810A (ja) * 1992-04-23 1993-11-16 Kao Corp 樹脂粉末及び化粧料
US20070295943A1 (en) * 2005-02-22 2007-12-27 Cheil Industries Inc. Polymer Particles and Conductive Particles Having Enhanced Conducting Properties, and Anisotropic Conductive Packaging Materials Containing the Same
JP2007091626A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Sumitomo Seika Chem Co Ltd 扁平粒状樹脂粉末およびこれを用いた化粧料
JP2007188845A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 導電性粉末、導電性ペーストおよび電気回路
JP2010159328A (ja) * 2009-01-07 2010-07-22 Sekisui Chem Co Ltd 導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体
JP2014080485A (ja) * 2012-10-15 2014-05-08 Hitachi Chemical Co Ltd 架橋ポリマー粒子、導電性粒子、異方性導電材料及び回路部材の接続構造体
WO2014185249A1 (ja) * 2013-05-14 2014-11-20 ダイセル・エボニック株式会社 紫外線散乱剤を含有する樹脂粉体及びその製造方法並びに化粧料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017066267A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 三菱マテリアル株式会社 熱伝導性組成物
CN115698379A (zh) * 2020-07-03 2023-02-03 三菱材料电子化成株式会社 金属包覆树脂粒子及其制造方法、包含金属包覆树脂粒子的导电性膏以及导电性膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5497183B2 (ja) 銀被覆球状樹脂、及びその製造方法、並びに銀被覆球状樹脂を含有する異方性導電接着剤、異方性導電フィルム、及び導電スペーサー
KR20090047328A (ko) 도전성 페이스트 및 이를 이용한 인쇄회로기판
KR102226646B1 (ko) 은 피복 입자의 제조 방법
US20100270516A1 (en) Method for forming nanometer scale dot-shaped materials
WO2017141473A1 (ja) 導電性ペースト及びこれを用いて形成された導電性膜
EP3125254B1 (en) Conductive paste
WO2016114189A1 (ja) 銀被覆樹脂粒子及びその製造方法並びにそれを用いた導電性ペースト
CN108137930B (zh) 树脂组合物、接合体及半导体装置
CN110942842A (zh) 一种导体浆料及导体材料
JP4881013B2 (ja) 導電性粉末、導電性ペーストおよび電気回路
WO2018088314A1 (ja) 金属被覆粒子及び樹脂組成物
JP2016139506A (ja) 銀被覆樹脂粒子及び該粒子を含有する導電性材料
JP2015199970A (ja) 銀被覆球状樹脂粒子及びその製造方法並びに銀被覆球状樹脂粒子を用いた導電性組成物
CN105764168A (zh) 一种汽车后挡风玻璃加热线银浆及其制备方法
WO2015093597A1 (ja) 銀被覆導電性粒子、導電性ペースト及び導電性膜
JP6488156B2 (ja) 導電性ペースト
KR101454454B1 (ko) 다중수소결합에 의해 고차구조를 지니는 탄소나노소재를 이용한 인쇄용 전도성 페이스트 조성물 및 그 제조방법
JP2006131978A (ja) 球状NiP微小粒子およびその製造方法ならびに、異方性導電フィルム用導電粒子
CN111951996B (zh) 导电性粘结剂、导电性薄膜、导电性间隔物及它们的制法
EP4177375B1 (en) Metal coated resin particles, method for producing same, conductive paste containing metal coated resin particles, and conductive film
JP2014203546A (ja) 導電粒子、異方導電性接着剤及び導電粒子の製造方法
JP7125319B2 (ja) 銀被覆樹脂粒子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181211

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190618