本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。尚、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」という場合があり、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合がある。以下では、「リプレイa」、「リプレイb」を特に区別する必要がない場合にはまとめて単に「リプレイ」と言う場合がある。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では後述するRT0〜4の規定数として3、RBの規定数として2が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報が表示される等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(例えば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、後述するRT0〜4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施例では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(例えば、後述の図7では「ベル−スイカ−チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(例えば、後述の図7では「スイカ−スイカ−スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うメイン制御部41、制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42、乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43、スイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44、モータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45、ソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46、LED駆動信号を各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49が搭載されている。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
本実施例においてメイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
尚、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がon状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放が検出されていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施例においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、ボーナス終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2は、ボーナス終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりするようにしても良い。また、本実施例では、初期化1においてRAM41cの格納領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化される構成であるが、RAM41cの全ての領域が初期化される構成としても良い。
また、特別ワークは、遊技状態を示す遊技状態フラグが格納される遊技状態格納ワーク及び内部当選フラグが格納される内部当選フラグ格納ワークを含み、前述のように設定変更状態に移行する場合にも特別ワークは初期化されることがないため、設定変更がされた場合でも設定変更前の遊技状態及び内部当選フラグが維持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜RT4、RB)に応じて設定可能な賭数の規定数(本実施例では、RT0〜4においては3、RBにおいては2)が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態(RT0〜4、RB)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態という)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、RT2中の旨を示すRT中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
本実施例では、遊技制御基板40が、インターフェイス(IF)基板を介して試験装置と接続可能とされており、試験用信号が試験装置から遊技制御基板40に対して入力されるとともに、遊技の結果に関連して発生する試験信号が遊技制御基板40から試験装置に対して出力されるようになっており、遊技制御基板40と試験装置を接続することにより自動的にシミュレーション試験を行うことが可能とされている。
本実施例では、投入要求ランプ信号、スタート可能ランプ信号、BB中信号、RBゲーム中信号、リプレイゲーム中信号、第1〜3リールストップ可能ランプ信号、第1〜3リールインデックス信号、払出要求信号、払出カウント信号、打止信号、設定値表示用7セグメント表示a〜g信号、内部当選フラグ信号、第1リールモータ励磁信号、第2リールモータ励磁信号、第3リールモータ励磁信号が、試験信号として遊技制御基板40から試験装置に対して出力される。これら遊技制御基板40から試験装置1300に対して出力される試験信号は、メイン制御部41の制御によって出力されるようになっている。
投入要求ランプ信号は、投入要求LED17の駆動信号、すなわち投入要求LED17が点灯しているか否かを示す信号であり、メダルの投入が要求されている状態か否かを特定可能とされている。スタート可能ランプ信号は、スタート有効LED18の駆動信号、すなわちスタート有効LED18が点灯しているか否かを示す信号であり、ゲームの開始操作が要求されている状態か否かを特定可能とされている。BB中信号、RBゲーム中信号、リプレイゲーム中信号は、各々遊技状態がBB中、RB中、リプレイゲーム中を示す信号であり、その時点の遊技状態を特定可能とされている。第1〜3リールストップ可能ランプ信号は、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rの駆動信号、すなわち左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯しているか否かを示す信号であり、左リール、中リール、右リールの停止操作が可能か否かを特定可能とされている。第1〜3リールインデックス信号は、リールセンサ33L、33C、33Rの検出信号であり、左リール、中リール、右リールの基準位置の通過を特定可能とされている。払出要求信号は、ホッパーモータ34bの駆動信号、すなわちホッパーモータ34bが駆動しているか否かを示す信号であり、メダルの払出動作が行われている旨を特定可能とされている。払出カウント信号は、入賞に伴うメダルの払出を検出する毎に出力される信号であり、試験装置1300側でメダルの払出をカウントさせるための信号である。打止信号は、打止状態に制御されている旨を示す信号である。設定値表示用7セグメント表示a〜g信号は、設定値表示器24の各セグメントを構成するLEDの駆動信号であり、設定値表示器24に表示されている設定値を特定可能とされている。内部当選フラグ信号は、役の当選状況を示す信号である。第1〜3リールモータ励磁信号は、リールモータ32L、32C、32R、すなわち左リール、中リール、右リールを駆動するリールモータの駆動信号であり、各リールの駆動状況を特定可能とされている。
本実施例では、投入スイッチ信号、リールスタートスイッチ信号、第1〜3リールストップスイッチ信号、払出スイッチ信号、打止解除スイッチ信号、設定キースイッチ信号、設定スイッチ信号が、試験用信号として試験装置から遊技制御基板40に対して入力される。これら試験用信号は、スロットマシン1が備える各種スイッチやセンサの検出信号と同様に機能する信号であり、これら試験用信号は、遊技制御基板40が備えるスイッチ検出回路44により検出され、メイン制御部41により各試験用信号に対応したスイッチやセンサの検出が判定されるようになっている。
投入スイッチ信号は、投入メダルセンサ31に対応する信号であり、リールスタートスイッチ信号は、スタートスイッチ7に対応する信号である。第1〜3リールストップスイッチ信号は、ストップスイッチ8L、8C、8Rに各々対応する信号である。払出スイッチ信号は、払出センサ34cに対応する信号である。打止解除スイッチ信号は、リセットスイッチ23に対応する信号である。設定キースイッチ信号は、設定キースイッチ37に対応する信号である。設定スイッチ信号は、リセット/設定スイッチ38に対応する信号である。
また、本実施例において遊技制御基板40には、IF基板からの配線を接続可能な接続端子が設けられているともに、メイン制御部41及び各種駆動回路から出力された試験信号を接続端子に伝達するための配線パターン、及び接続端子からスイッチ検出回路44へ試験用信号を伝達するための配線パターンが形成されており、メイン制御部41及び各種駆動回路から出力された試験信号がこれら配線パターン及び接続端子を介して出力されるとともに、接続端子及び配線パターンを介して入力された試験用信号がスイッチ検出回路44に入力されるようになっている。また、接続端子は、例えば、IF基板からのプローブを接続可能な信号ピンやIF基板からのケーブルを接続可能なコネクタにて構成されているため、これら接続端子を介してIF基板からの配線を簡単に接続することが可能となる。また、接続端子は、IF基板を接続するために便宜的に設けられたものであり、これらの試験信号及び試験用信号の入出力が行われる接続端子は、遊技店に出荷されるスロットマシンの遊技制御基板40には必要のないものである。このため、本実施例の遊技制御基板40には、接続端子が設けられた部分を切断するための複数の切断孔が形成され、これら切断孔に沿って切断できるようになっており、遊技店への出荷時には、接続端子が設けられた部分を切断して不要な信号の入出力ができない状態とすることができる。これにより、例えば、ホール機器にて内部当選フラグ信号を検出し、内部当選フラグ信号から内部当選フラグの当選状況を特定してその旨を報知する等、試験信号が試験以外の目的で容易に利用できてしまうことを防止できる。また、遊技制御基板40に対して不要な信号が容易に入力されてしまうことを防止できる。
尚、第3者機関が試験を行うために提供するスロットマシンは通常数台程度であり、その他、遊技店に出荷される量産用のスロットマシンは、これら試験信号や試験用信号の入出力を行う必要性が低いことから、これら量産用のスロットマシンには、配線パターンは形成されているものの前述した接続端子を設けない遊技制御基板40を搭載するようにしても良く、これにより量産用のスロットマシンの製造コストを軽減することができる。更にこの場合には、遊技制御基板40に試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターンは形成されているため、接続端子を実装するのみでIF基板や試験装置1300を簡単に接続することが可能となる。また、試験用のスロットマシンのみ試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターン及びIF基板や試験装置と接続するための接続端子を設け、量産用のスロットマシンには、これら配線パターンや接続端子を設けない構成としても良い。すなわちメイン制御部41が試験信号の出力制御を行うが、実際に試験信号が出力されない構成としても良い。これにより量産用のスロットマシンの製造コストを更に軽減できる。
本実施例では、このような試験用信号、試験信号のやりとりをスロットマシンと試験装置との間で行うことにより、自動的にシミュレーション試験が行われるようになっており、試験装置では、これらの試験結果としてスロットマシンの払出率を出力することが可能とされている。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、ART抽選結果コマンド、リール加速情報コマンド、リール加速情報2コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態(RT0〜4、RB)を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
ART状態コマンドは、AT中か否か、ART中か否か、後述する規定ゲーム数に到達するまでの残りゲーム数、前兆期間の残りゲーム数、ARTの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの後に送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの送信後に送信される。内部当選コマンドは、ゲームが開始したときであって、ART状態コマンドの後に送信される。
遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
フリーズコマンドは、当該ゲームにおいて遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態に制御されるか否か、フリーズ状態に制御される場合にはその種類を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信後に送信される。
ART抽選結果コマンドは、後述のART抽選に当選したか否かを特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、ART抽選が行われたゲームにおいて内部当選コマンドの送信後に送信される。
リール加速情報1コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。尚、フリーズ状態の終了に伴ってリールの回転を開始するときにも送信されるため、フリーズコマンドによりフリーズ状態の開始が特定された後、リール加速情報1コマンドを受信することで遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨だけではなく、フリーズ状態の終了も特定可能となる。
リール加速情報2コマンドは、フリーズ状態において行われるリール演出の開始を特定可能なコマンドであり、フリーズ状態においてリール演出に伴うリールの変動を開始するときに送信する。リール加速情報2コマンドは、フリーズ状態においてリール演出に伴うリールの変動が開始されたときに送信されるので、リール加速情報2コマンドを受信することで、フリーズ状態においてリール演出が開始したことを特定可能である。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
図6〜図8は、本実施例のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、及び役に関連する技術事項について説明するための図である。図9は、本実施例のスロットマシン1における移行出目の図柄組合せ、及び移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図11は、遊技状態の概要を示す図である。
本実施例におけるスロットマシン1は、図10に示すように、RT0〜4、RB(BB中のRB含む)のいずれかに制御される。
まず、図6を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
次に、図7を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリー、角チェリーが含まれる。尚、以下、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8を区別する必要がない場合には、単に上段ベルと呼ぶ。
上段ベル1は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−チェリーa−チェリーa」、「リプレイa−チェリーa−白7」、「リプレイa−チェリーa−BAR」、「リプレイa−チェリーb−チェリーa」、「リプレイa−チェリーb−白7」、「リプレイa−チェリーb−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル1が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル2は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−チェリーa−プラム」、「リプレイa−チェリーb−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル2が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル3は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−プラム−チェリーa」、「リプレイa−プラム−白7」、「リプレイa−プラム−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル3が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル4は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−プラム−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル4が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル5は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイb−チェリーa−チェリーa」、「リプレイb−チェリーa−白7」、「リプレイb−チェリーa−BAR」、「リプレイb−チェリーb−チェリーa」、「リプレイb−チェリーb−白7」、「リプレイb−チェリーb−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル5が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル6は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイb−チェリーa−プラム」、「リプレイb−チェリーb−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル6が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル7は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイb−プラム−チェリーa」、「リプレイb−プラム−白7」、「リプレイb−プラム−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル7が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル8は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−プラム−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル8が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。
中段ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段ベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。右下がりベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−ベル−赤7」、「リプレイa−ベル−リプレイa」、「リプレイb−ベル−赤7」、「リプレイb−ベル−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても右下がりベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。中段スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「スイカ−スイカ−スイカ」または「スイカ−スイカ−青7」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段スイカが入賞したときには5枚のメダルが払い出される。右下がりスイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「ベル−スイカ−チェリーb」または「ベル−スイカ−白7」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても右下がりスイカが入賞したときには5枚のメダルが払い出される。中段チェリーは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「チェリーa−ベル−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段チェリーが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。角チェリーは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「赤7−ベル−リプレイa」、「BAR−ベル−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても角チェリーが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。
次に、図8を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイが含まれる。
中段リプレイは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「リプレイa−リプレイa−リプレイa」、「リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。右上がりリプレイは、RT1〜RT4において入賞ラインLNに「ベル−リプレイa−赤7」または「ベル−リプレイa−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。昇格リプレイは、RT1において入賞ラインLNに「ベル−リプレイa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。特殊リプレイは、RT0において入賞ラインLNに「リプレイa−リプレイa−ベル」「リプレイb−リプレイa−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。転落リプレイは、RT0、RT2において入賞ラインLNに「ベル−赤7−チェリーa」、「ベル−赤7−スイカ」、「ベル−赤7−プラム」、「ベル−スイカ−チェリーa」、「ベル−スイカ−スイカ」、「ベル−スイカ−プラム」、「ベル−チェリーa−チェリーa」、「ベル−チェリーa−スイカ」、「ベル−チェリーa−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。赤7リプレイは、RT2において入賞ラインLNに「リプレイa−青7−リプレイa」、「リプレイa−スイカ−リプレイa」、「リプレイa−チェリーa−リプレイa」、「リプレイb−青7−リプレイa」、「リプレイb−スイカ−リプレイa」、「リプレイb−チェリーa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。青7リプレイは、RT2において入賞ラインLNに「チェリーa−青7−リプレイa」、「チェリーa−スイカ−リプレイa」、「チェリーa−チェリーa−リプレイa」、「ベル−青7−リプレイa」、「ベル−スイカ−リプレイa」または「ベル−チェリーa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。
次いで、図9を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、「リプレイa−チェリーa−ベル」、「リプレイa−チェリーb−ベル」、「リプレイa−プラム−ベル」、「リプレイb−チェリーa−ベル」、「リプレイb−チェリーb−ベル」、「リプレイb−プラム−ベル」、「リプレイa−ベル−チェリーa」、「リプレイa−ベル−白7」、「リプレイa−ベル−BAR」、「リプレイb−ベル−チェリーa」、「リプレイb−ベル−白7」、「リプレイb−ベル−BAR」、「ベル−チェリーa−チェリーa」、「ベル−チェリーa−白7」、「ベル−チェリーa−BAR」、「ベル−チェリーb−チェリーa」、「ベル−チェリーb−白7」、「ベル−チェリーb−BAR」、「ベル−プラム−チェリーa」、「ベル−プラム−白7」、「ベル−プラム−BAR」の組合せであり、RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。本実施例では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、移行出目が入賞ラインLNに揃う。
次に、図12〜図16を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施例では、遊技状態が、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、RT4であるか、RB(BB中RB含む)であるか、によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図12〜図16においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図12〜図14においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役となる旨を示し、×印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役とならない旨を示している。
また、○印の下に示す数値は、所定の設定値の判定値数(本実施例では設定値に関わらず共通)を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。
また、図12は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役の組合せを示し、図13及び図14は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、図14は、抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
遊技状態がRT0であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13が内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRT1であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRT2であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイ、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23、リプレイGR24、リプレイGR25、リプレイGR26が内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRT3であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRT4であるときには、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRBであるときには、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベルが内部抽選の対象役となる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、共通ベル、強チェリー、弱チェリー、スイカは、それぞれ図15に示す役または役の組合せである。尚、以下、特に区別する必要のない場合には、左ベル1〜4を単に左ベルと呼び、中ベル1〜4を単に中ベルと呼び、右ベル1〜4を単に右ベルと呼ぶ場合がある。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順ベルと呼ぶ場合がある。
通常リプレイ、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26は、それぞれ図16に示す役の組合せである。
本実施例では、押し順ベルが当選している場合には、図17に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、左ベル1が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段ベルの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順または右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、上段ベル1、上段ベル4の組み合わせまたは移行出目のいずれかが入賞ラインLNに停止する。左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4についても、同様であり、図17に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、押し順ベルの当選時には、押し順ベルの種類に応じた停止順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、停止順が一致しなければ一定の割合でしかメダルを獲得することができない。また、特にRT0やRT2では、停止順が一致しない場合に移行出目が停止することから、停止順が一致しなければ一定の割合でRT1へ移行してしまうこととなる。
尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で中段ベルが入賞して8枚のメダルを獲得できるため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、リプレイGR1〜6が当選している場合には、図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR1(中段リプレイ+昇格リプレイ)が当選し、左中右の停止順で停止操作を行った場合には、昇格リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、左中右以外の停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組み合わせが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR2〜6についても、同様であり、図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT1においてリプレイGR1〜6当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで昇格リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、昇格リプレイを入賞させることによりRT0へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければRT1が維持されることとなる。
尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で昇格リプレイが入賞してRT0へ移行するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、リプレイGR11〜13が当選している場合には、図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR11(特殊リプレイ+転落リプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、特殊リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組み合わせが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR12、13についても、同様であり、図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT0においてリプレイGR11〜13当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで特殊リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、特殊リプレイを入賞させることによりRT2へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければRT1へ移行してしまうこととなる。
尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で特殊リプレイが入賞してRT2へ移行するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、リプレイGR21〜23が当選している場合には、図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR21(中段リプレイ+赤7リプレイ+転落リプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、赤7リプレイの組み合わせが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR22、23についても、同様であり、図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT2においてリプレイGR21〜23当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで中段リプレイまたは赤7リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、中段リプレイまたは赤7リプレイを入賞させることによりRT2を維持することができるものの、停止順が一致しなければRT1へ移行してしまうこととなる。
尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で中段リプレイまたは赤7リプレイが入賞してRT2が維持されるため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、リプレイGR24〜26が当選している場合には、図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR24(中段リプレイ+青7リプレイ+転落リプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、青7リプレイの組み合わせが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR25、26についても、同様であり、図18に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT2においてリプレイGR24〜26当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで中段リプレイまたは青7リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、中段リプレイまたは青7リプレイを入賞させることによりRT2を維持することができるものの、停止順が一致しなければRT1へ移行してしまうこととなる。
尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で中段リプレイまたは青7リプレイが入賞してRT2が維持されるため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、図10及び図11に示すように、RT0〜4、ボーナス(RB、BB中のRB)のいずれかに制御される。
RT0は、RT1において昇格リプレイの入賞により移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特殊リプレイの入賞によりRT2に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。
RT1は、RT0、RT2、RT3において転落リプレイの入賞または移行出目の停止により移行する。そして、RT1は、RT1に移行してからのゲーム数に関わらず、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。RT2は、RT0において特殊リプレイの入賞により移行する。そして、RT2は、RT2に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。RT3は、ボーナス(BB、RB)の終了時に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目の停止によりRT1に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。RT4は、RT0〜3において特別役(BB、RB)の当選により移行する。そして、RT4は、RT4に移行してからのゲーム数に関わらず、RT4に移行する契機となった特別役が入賞してボーナス(BBまたはRB)に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。RBは、RT4においてRBの入賞により移行する。そして、RBは、12ゲームが消化されるか、6回入賞されることで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。BBは、RT4においてBBの入賞により移行する。そして、BBは、BBに移行してからのゲーム数に関わらず、BBに払い出されたメダルの総数が規定数(本実施例では、316枚)を超えることで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。
RT0〜4、RB、BB(RB)のうち、RB及びBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0〜4のうちRT0、2、4は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点、特にRT0は、RT2へ移行可能となる点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、2、4のうちRT2は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT0、4に比較して高い点において、RT0、4よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
また、本実施例におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT0〜2であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、ナビ演出を実行させる。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13であり、RT2であるときにはリプレイGR21〜26である。また、RT0〜2のいずれにおいても、押し順ベルが共通のナビ対象役である。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATにもARTにも制御していない通常状態(RT1かつ非ATの状態)であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。本実施例のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。ナビ報知の態様については後に詳述する。
本実施例のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、左リールを第1停止とする停止順を報知する場合には、「1−−」(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声としては、例えば、「左!」(左リールが第1停止であることを示す)(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、特に、RT2においてリプレイGR21〜26が当選し、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞する停止順を報知する場合には、上述の停止順画像に加え、各リールに赤7及び青7を狙ったタイミングでの停止操作を促す画像も表示され、そのタイミングでの停止操作が促されるようになっている。
ナビ報知及びナビ演出では、RT1においてリプレイGR1〜6のいずれかが当選したときには、昇格リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT0においてリプレイGR11〜13のいずれかが当選したときには、特殊リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT2においてリプレイGR21〜23のいずれかが当選したときには、中段リプレイまたは赤7リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT2においてリプレイGR24〜26のいずれかが当選したときには、中段リプレイまたは青7リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51、スピーカ53、54を用いたものに限らず、演出効果LED52、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。このため、遊技者は、ナビ演出に従った停止順で停止操作を行うことにより、意図的にRT1において昇格リプレイを入賞させること、中段ベルを入賞させることができ、RT0において特殊リプレイを入賞させること、中段ベルを入賞させること、転落リプレイの入賞を回避すること、移行出目の停止を回避することができ、RT2において中段ベルを入賞させること、転落リプレイの入賞を回避すること、移行出目の停止を回避することができる。
本実施例においてメイン制御部41は、抽選条件が成立した場合にART(RT2でATに制御される状態)に制御するか否かを決定する抽選を行う。また、メイン制御部41は、ART、BBまたはRBの終了時に、複数のゲーム数から規定ゲーム数を選択するとともに、ART、BBまたはRBの終了時からART、BB、RBのいずれにも継続して制御されないゲーム数を計数する。そして、メイン制御部41は、ART抽選に当選し、前兆期間が終了すること、またはART、BBまたはRBの終了時からART、BB、RBのいずれにも継続して制御されないゲーム数が規定ゲーム数に到達することでARTに制御する。ARTに制御する場合には、まずATに制御する。ATの制御を開始した後、RT2へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。
メイン制御部41は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行する。この際、RT1においては、リプレイGR1〜6の当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイを入賞させてRT1からRT0に移行させることが可能となる。また、準備状態に移行後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となる。RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR11〜13の当選時に特殊リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させてRT0からRT2に移行させることが可能となるとともに、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、前述のように押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。RT0において特殊リプレイが入賞し、RT2に移行した場合には、その後最初のリプレイGR21〜23の当選時、または最初のリプレイGR24〜26の当選時に、赤7リプレイを入賞させる停止順を報知するナビ報知または青7リプレイを入賞させる停止順を報知するナビ報知を実行するようになっており、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、赤7リプレイまたは青7リプレイを入賞させるとともに、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、前述のように押し順ベルの当選時には中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
メイン制御部41は、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することで準備状態を終了し、ARTの制御を開始する。これに伴いメイン制御部41は、ARTのゲーム数を決定するARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数を、RAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数として設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。ART開始後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、リプレイGR21〜26の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、ART中においては、抽選条件が成立した場合にARTのゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。そして、上乗せ抽選に当選した場合には、ART開始時と同様にARTのゲーム数を決定するARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数を、RAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数に加算する。また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT2の終了によりARTを中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断する。その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT3において移行出目が停止してRT1に移行した時点でATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT2に再度移行することでARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなるので、押し順ベルの当選時に移行出目の停止を回避すること、リプレイGR21〜26の当選時に転落リプレイの入賞を回避することが不可能となり、移行出目の停止または転落リプレイの入賞によりRT1に移行することで一連のAT及びARTの制御が終了することとなる。
また、本実施例においてメイン制御部41は、ART中のリプレイGR21〜26の当選時に、初回を除いて中段リプレイが入賞する停止順をナビ報知により報知するようになっており、報知された停止順を無視して停止操作を行った場合には、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞してRT2が維持される場合もあるが、転落リプレイが入賞してRT1へ移行してしまう場合もあるため、リプレイGR21〜26の当選時に、ナビ報知により報知された中段リプレイを入賞させる停止順での停止操作を促すことが可能となり、意味もなく赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することを防止できるようになっている。
本実施例においてメイン制御部41は、前述のように内部抽選の後、内部抽選の結果を特定可能な内部当選コマンドをサブ制御部91に送信することで、サブ制御部91は、内部当選コマンドから特定される内部抽選の結果に応じた演出を行うことが可能とされている。
メイン制御部41は、内部抽選においてナビ報知の対象となる報知対象役(押し順ベル、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26)が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドを送信し、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドを送信する。
尚、メイン制御部41は、内部抽選においてナビ報知の対象とならない非報知対象役(BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+強チェリー、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイ)が当選した場合には、遊技者にとって有利な停止順が変動するものではなく、ナビ報知が行われる状態か否かに関わらず、当選役の種類が特定可能な第2の内部当選コマンドを送信する。
ここで、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドとは、例えば、当選した報知対象役の種類が押し順ベルの場合には、押し順ベルが当選したこと、有利な停止順、すなわち移行出目の停止を回避し、かつ中段ベルが入賞する停止順が左リールを第1停止とする停止順であるか、中リールを第1停止とする停止順であるか、右リールを第1停止とする停止順であるか、を特定可能なコマンドであり、具体的には、押し順ベルの種類(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)を特定可能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR1〜6の場合には、リプレイGR1〜6のいずれかが当選したこと、有利な停止順、すなわち昇格リプレイが入賞する停止順が、左中右の停止順であるか、左右中の停止順であるか、中左右の停止順であるか、中右左の停止順であるか、右左中の停止順であるか、右中左の停止順であるか、を特定可能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR1〜6のいずれの当選であるかを特定可能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR11〜13の場合には、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したこと、有利な停止順、すなわち転落リプレイの入賞を回避し、かつ特殊リプレイが入賞する停止順が左リールを第1停止とする停止順であるか、中リールを第1停止とする停止順であるか、右リールを第1停止とする停止順であるか、を特定可能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR11〜13のいずれの当選であるかを特定可能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR21〜26の場合には、リプレイGR21〜26のいずれかが当選したこと、有利な停止順、すなわち転落リプレイの入賞を回避し、かつ赤7リプレイ、青7リプレイまたは中段リプレイが入賞する停止順が左リールを第1停止とする停止順であるか、中リールを第1停止とする停止順であるか、右リールを第1停止とする停止順であるか、を特定可能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR21〜26のいずれの当選であるかを特定可能なコマンドなどが該当する。
また、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドとは、例えば、当選した報知対象役の種類が押し順ベルの場合には、押し順ベルが当選したことを特定可能であるが、有利な停止順を特定不能なコマンドであり、具体的には、押し順ベルの当選のみ特定可能で、その種類(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)は特定不能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR1〜6の場合には、リプレイGR1〜6のいずれかが当選したことを特定可能であるが、有利な停止順を特定不能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR1〜6のいずれかが当選したことのみ特定可能で、リプレイGR1〜6のいずれの当選であるかは特定不能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR11〜13の場合には、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したことを特定可能であるが、有利な停止順を特定不能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したことのみ特定可能で、リプレイGR11〜13のいずれの当選であるかは特定不能なコマンドなどが該当する。また、当選した報知対象役の種類がリプレイGR21〜26の場合には、リプレイGR21〜26のいずれかが当選したことを特定可能であるが、有利な停止順を特定不能なコマンドであり、具体的には、リプレイGR21〜26のいずれかが当選したことのみ特定可能で、リプレイGR21〜26のいずれの当選であるかは特定不能なコマンドなどが該当する。
このように、内部抽選において報知対象役(押し順ベル、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26)が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信されるため、サブ制御部91は、報知対象役が当選し、ナビ報知が行われる状態であれば、第1の内部当選コマンドから特定される有利な停止順を識別可能なナビ演出を実行することが可能となり、報知対象役が当選し、ナビ報知が行われない状態であれば、第1の内部当選コマンドから特定される報知対象役の種類に応じて、特定の種類の報知対象役が当選した可能性を示唆する演出を実行することが可能となる。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選コマンドを送信する際の制御内容について説明する。
本実施例では、ROM41bに、当選役毎に、報知対象役については第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドが設定され、非報知対象役については第2の内部当選コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されている。また、内部当選コマンドテーブルにおいて報知対象役に対応する第2の内部当選コマンドは、報知対象役の種類毎に一の第2の内部当選コマンドが設定されている。具体的には、押し順ベルに対応して押し順ベルのいずれかが当選していることを特定可能な一の第2の内部当選コマンドが設定され、リプレイGR1〜6に対応してリプレイGR1〜6のいずれかが当選していることを特定可能な一の第2の内部当選コマンドが設定され、リプレイGR11〜13に対応してリプレイGR11〜13のいずれかが当選していることを特定可能な一の第2の内部当選コマンドが設定され、リプレイGR21〜26に対応してリプレイGR21〜26のいずれかが当選していることを特定可能な一の第2の内部当選コマンドが設定されている。
そして、図20に示すように、メイン制御部41は、まず、内部抽選の後に実行する内部当選コマンド設定処理において、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し(Sa01)、ナビ報知を実行するか否かを判定し(Sa02)、Sa02のステップにおいてナビ報知を実行すると判定した場合には、Sa01で読み出した内部当選フラグに基づく当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されているか否かを判定する(Sa03)。
Sa03のステップにおいて当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されている場合、すなわち当選役が報知対象役である場合には、当選役に対応する第1の内部当選コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sa04)。一方Sa03のステップにおいて当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されていない場合、すなわち当選役が非報知対象役である場合には、当選役に対応する第2の内部当選コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sa05)。
また、Sa02のステップにおいてナビ報知を実行しないと判定した場合には、Sa01で読み出した内部当選フラグに基づく当選役に対応する第2の内部当選コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sa05)。
また、Sa04、Sa05のステップにおいてコマンドキューに設定された内部当選コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されることとなる。
このように本実施例では、ROM41bに、当選役毎に、報知対象役については第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドが設定され、非報知対象役については第2の内部当選コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されているとともに、内部当選コマンドテーブルにおいて報知対象役に対応する第2の内部当選コマンドは、報知対象役の種類毎に一の第2の内部当選コマンドが設定されており、メイン制御部41は、内部抽選の後、ナビ報知を実行する場合には、当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されていれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信し、当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されていなければ、第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する一方で、ナビ報知を実行しない場合には、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信するので、メイン制御部41側でナビ報知を実行しない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順がサブ制御部91によって特定されることがないようになっている。
尚、本実施例では、内部抽選の後に、内部当選フラグを読み出して内部当選コマンドを設定する構成であるが、内部抽選において内部当選フラグを設定する際に、内部当選コマンドを設定する構成としても良い。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選コマンドを送信する際の制御内容の変形例1について説明する。
変形例1では、上記実施例と同様に、ROM41bに、当選役毎に、報知対象役については第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドが設定され、非報知対象役については第2の内部当選コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されているとともに、内部当選コマンドテーブルにおいて報知対象役に対応する第2の内部当選コマンドは、報知対象役の種類毎に一の第2の内部当選コマンドが設定されている。
そして、図21に示すように、メイン制御部41は、まず、内部抽選の後に実行する内部当選コマンド設定処理において、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し(Sb01)、Sb01で読み出した内部当選フラグに基づく当選役が報知対象役か否かを判定する(Sb02)。
Sb02のステップにおいて報知対象役であれば、さらにナビ報知を実行するか否かを判定し(Sb03)、Sb03のステップにおいてナビ報知を実行する場合には、当選した報知対象役を個別に特定し(Sb04)、Sb04のステップにおいて個別に特定した報知対象役に対応する第1の内部当選コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sb05)。
一方、Sb02のステップにおいて報知対象役でない場合、Sb03のステップにおいてナビ報知を実行しない場合には、当選役に対応する第2の内部当選コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sb06)。
また、Sb05、Sb06のステップにおいてコマンドキューに設定された内部当選コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されることとなる。
このように変形例1では、ROM41bに、当選役毎に、報知対象役については第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドが設定され、非報知対象役については第2の内部当選コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されているとともに、内部当選コマンドテーブルにおいて報知対象役に対応する第2の内部当選コマンドは、報知対象役の種類毎に一の第2の内部当選コマンドが設定されており、メイン制御部41は、内部抽選の後、当選役が報知対象役であり、ナビ報知を実行する場合には、当選した報知対象役を個別に特定して、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する一方、当選役が報知対象役であるがナビ報知を実行しない場合には、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信するので、メイン制御部41側でナビ報知を実行しない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順がサブ制御部91によって特定されることがないようになっている。
尚、変形例1では、内部抽選の後に、内部当選フラグを読み出して内部当選コマンドを設定する構成であるが、内部抽選において内部当選フラグを設定する際に、内部当選コマンドを設定する構成としても良い。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選コマンドを送信する際の制御内容の変形例2について説明する。
変形例2では、ROM41bに、当選役毎に、内部当選コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されている。また、変形例2では、内部抽選において報知対象役についてナビ報知が実行される場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利な停止順が異なる抽選対象役(例えば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)毎に個別に当選を判定するのに対して、ナビ報知が実行されない場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利な停止順に関わらず、1種類の抽選対象役(例えば、押し順ベル)として一括して当選を判定するようになっており、ナビ報知が実行される場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利な停止順が異なる複数種類の抽選対象役(例えば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)のいずれかが当選した場合に、それぞれ異なる値の内部当選フラグを設定するのに対して、ナビ報知が実行されない場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)に対応する1種類の抽選対象役(例えば、押し順ベル)が当選した場合に、報知対象役の種類が同じであってもナビ報知が実行される場合に設定される内部当選フラグとは異なる値の内部当選フラグを設定するようになっており、内部当選コマンドテーブルにも、1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる複数種類の抽選対象役のいずれかが当選した場合に設定される内部当選フラグ、1種類の報知対象役に対応する1種類の抽選対象役が当選した場合に設定される内部当選フラグ、それぞれに対応して異なる内部当選コマンドが設定されている。
そして、図22に示すように、メイン制御部41は、内部抽選において、ナビ報知を実行するか否かを判定し(Sc01)、Sc01のステップにおいてナビ報知を実行する場合には、1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる抽選対象役毎に個別に当選を判定する個別抽選を行う(Sc02)。個別抽選においては、図23(a)に示すように、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について、当該種類の報知対象役を構成する抽選対象役(例えば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)毎に内部抽選用乱数値が当選範囲となるか否か(詳しくは、加算値がオーバーフローするか否か)判定し、内部抽選用乱数値が当選範囲内となる抽選対象役の当選を判定し、当該種類の報知対象役を構成する抽選対象役のうち当選した抽選対象役に対応する内部当選フラグを設定する。
また、Sc01のステップにおいてナビ報知を実行しない場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利な停止順に関わらず、1種類の抽選対象役(例えば、押し順ベル)として一括して当選を判定する一括抽選を行う(Sc03)。一括抽選においては、図23(b)に示すように、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について、当該種類の報知対象役をまとめた抽選対象役(例えば、押し順ベル)について内部抽選用乱数値が当選範囲となるか否か(詳しくは、加算値がオーバーフローするか否か)判定し、内部抽選用乱数値が当選範囲内となる場合に、当該種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)の当選を判定し、当該種類の報知対象役に対応する内部当選フラグを設定する。
尚、報知対象役以外は、通常通りに当選の有無が判定されることとなる。
そして、Sc02のステップにおける個別抽選またはSc03のステップにおける一括抽選において設定された内部当選フラグに対応する内部当選コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sc04)。
また、Sc04のステップにおいてコマンドキューに設定された内部当選コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されることとなる。
また、特に図示しないが、ナビ報知が実行されない場合に、報知対象役が当選した場合には、内部抽選の後、有利な停止順を複数種類の停止順から選択する停止順選択抽選を行い、その結果に応じて有利な停止順が変化するようになっている。
このように変形例2では、ROM41bに、当選役毎に、内部当選コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されているとともに、内部当選コマンドテーブルにおいて1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる複数種類の抽選対象役のいずれかが当選した場合に設定される内部当選フラグ、1種類の報知対象役に対応する1種類の抽選対象役が当選した場合に設定される内部当選フラグ、それぞれに対応して異なる内部当選コマンドが設定されており、メイン制御部41は、内部抽選においてナビ報知が実行される場合には、1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる抽選対象役毎に個別に当選を判定する個別抽選を行い、当選役に対応する内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する一方、内部抽選においてナビ報知が実行されない場合には、1種類の報知対象役について有利な停止順に関わらず、1種類の抽選対象役として一括して当選を判定する一括抽選を行い、当選役に対応する内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する。すなわち1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる抽選対象役が当選した場合に送信される内部当選コマンドが、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドとして送信され、1種類の報知対象役が当選した場合に送信される内部当選コマンドが、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドとして送信されるようになっているので、メイン制御部41側でナビ報知を実行しない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順がサブ制御部91によって特定されることがないようになっている。
尚、変形例2では、内部抽選において内部当選フラグを設定する際に、内部当選コマンドを設定する構成であるが、内部抽選の後に、内部当選フラグを読み出して内部当選フラグを設定する構成としても良い。
本実施例では、メイン制御部41が内部抽選の結果を特定可能な内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信することで、サブ制御部91が内部抽選の結果を特定し、ATに制御されている場合には、特定した内部抽選の結果に基づいて遊技者にとって有利な停止順を報知するようになっている。このような構成において、内部抽選の結果を示すコマンドは、ATに制御されているか否かに関わらず、サブ制御部91に対して送信され、内部抽選の結果が全て特定可能となる構成とすると、サブ制御部91側に不正がなされることで、メイン制御部41側でATに制御する旨が決定されていないにも関わらず、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定され、ATに制御されていないにも関わらず、有利な停止順が報知されてしまう可能性があった。
これに対して本実施例では、内部抽選において報知対象役(押し順ベル、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜26)が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信されるので、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順が特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされてもナビ報知が実行されている状態以外で有利な操作順が報知されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、押し順ベルの当選時において、押し順ベルの種類に対応する停止順で停止操作がされた場合に、遊技者にとって相対的に有利となる中段ベルを入賞させる制御が行われ、押し順ベルの種類に対応する停止順以外の停止順で停止操作がされた場合に、中段ベルを入賞させない制御が行われるとともに、共通ベルの当選時においては、停止順に関わらず、中段ベルを入賞させることが可能な制御が行われるようになっている。そして、押し順ベルの当選時においては、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、押し順ベルが当選したことも遊技者にとって有利な停止順、すなわち中段ベルを入賞させる停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、押し順ベルが当選したことは特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される一方で、押し順ベルと同じく、中段ベルの入賞が許容され、かついずれの停止順であっても中段ベルを入賞させることが可能となる共通ベルの当選時には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、押し順ベルに対応する第1の内部当選コマンド及び押し順ベルに対応する第2の内部当選コマンドとは異なる内部当選コマンドであって、共通ベルが当選したことが特定できる共通ベルに対応する第2の内部当選コマンドが送信されるので、サブ制御部91側で、中段ベルが入賞可能な状況において、押し順ベルに対応した停止順で操作されなければ中段ベルが入賞可能とならないのか、停止順に関わらず中段ベルが入賞可能となるか、を特定することができる。特に、停止順に関わらず中段ベルが入賞可能となることが特定された場合には、停止順に関わらず中段ベルが入賞可能となる可能性を示唆する演出を行うことも可能となる。
また、本実施例では、共通ベルが遊技者にとって有利なBBへの移行を伴うBB、遊技者にとって有利なRBへの移行を伴うRBと同時に当選する可能性のある抽選対象役であり、中段ベルが入賞することでBBやRBに当選している可能性が示唆されることとなるため、サブ制御部91側で、共通ベルに対応する内部当選コマンドにより、BBやRBの当選可能性が示唆される中段ベルの入賞が当選していることを特定可能となるため、このような状況においてBBやRBの当選を期待させる演出を行うことも可能となる。
尚、本実施例では、押し順ベルの当選時においては、ナビ報知が行われる状態であれば、押し順ベルが当選したことも遊技者にとって有利な停止順、すなわち中段ベルを入賞させる停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、押し順ベルが当選したことは特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される一方で、押し順ベルと同じく、中段ベルの入賞が許容され、かついずれの停止順であっても中段ベルを入賞させることが可能となる共通ベルの当選時には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、押し順ベルに対応する第1の内部当選コマンド及び押し順ベルに対応する第2の内部当選コマンドとは異なる内部当選コマンドであって、共通ベルが当選したことが特定できる共通ベルに対応する第2の内部当選コマンドが送信される構成であるが、報知対象役の当選時においては、ナビ報知が行われる状態であれば、報知対象役が当選したことも遊技者にとって有利な操作手順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、報知対象役が当選したことは特定可能であるが遊技者にとって有利な操作手順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される一方で、報知対象役と同じく、有利表示結果の導出が許容され、かついずれの操作手順であっても有利表示結果を導出させることが可能となる特定の抽選結果となった場合には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、報知対象役に対応する第1の内部当選コマンド及び報知対象役に対応する第2の内部当選コマンドとは異なる内部当選コマンドであって、特定の抽選結果となったことが特定できる第2の内部当選コマンドが送信される構成とした場合でも、上記と同様にサブ制御部91側で、有利表示結果が導出可能な状況において、報知対象役に対応した操作手順で操作されなければ有利表示結果が導出可能とならないのか、操作手順に関わらず有利表示結果が導出可能となるか、を特定することができる。
例えば、リプレイGR1〜6の当選時においては、ナビ報知が行われる状態であれば、リプレイGR1〜6が当選したことも遊技者にとって有利な操作手順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、リプレイGR1〜6が当選したことは特定可能であるが遊技者にとって有利な操作手順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される一方で、リプレイGR1〜6と同じく、昇格リプレイの入賞が許容され、かついずれの操作手順であっても昇格リプレイを導出させることが可能となる特定の抽選結果となった場合には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、リプレイGR1〜6に対応する第1の内部当選コマンド及びリプレイGR1〜6に対応する第2の内部当選コマンドとは異なる内部当選コマンドであって、特定の抽選結果となったことが特定できる第2の内部当選コマンドが送信される構成とした場合でも、上記と同様の効果が得られる。
また、このような構成においても、特定の抽選結果が遊技者にとって有利なBBへの移行を伴うBB、遊技者にとって有利なRBへの移行を伴うRBと同時に当選する可能性のある抽選結果であることが好ましく、このようにすることで、昇格リプレイ等の有利表示結果が導出されることでBBやRBに当選している可能性が示唆されることとなるため、サブ制御部91側で、特定の抽選結果に対応する内部当選コマンドにより、BBやRBの当選可能性が示唆される有利表示結果の導出が許容されていることを特定可能となるため、このような状況においてBBやRBの当選を期待させる演出を行うことも可能となる。
尚、本実施例では、報知対象役の当選時に遊技者にとって有利となる操作手順として停止順を適用しているが、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作手順、複数の停止順のうちいずれかの停止順で操作する操作手順、これらの組合せによる操作手順を遊技者にとって有利となる操作手順として適用するものであれば良い。
また、本実施例では、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信されることで、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順が特定されることのない構成であるが、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態か否かに関わらず、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な内部当選コマンドを送信し、ナビ報知が行われる状態であれば、さらに当選した報知対象役の種類に応じて遊技者にとって有利な停止順を特定可能な有利手順コマンドを内部当選コマンドとは別個に送信する一方、ナビ報知が行われない状態であれば、有利手順コマンドを送信しないようにすることで、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順が特定されることのない構成としても良い。
また、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な内部当選コマンドを送信し、ナビ報知が行われない状態であれば、内部当選コマンドを送信しないことにより、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順が特定されることのない構成としても良い。
また、本実施例では、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、有利な操作手順が複数手順からなる場合(例えば、リプレイGR1〜6において、第1停止リールが正解となる順番であり、かつ第2停止リールも正解となる順番である操作手順)に、複数手順の全てについて報知され、その際に送信される第1の内部当選コマンドから複数手順の全てについて特定可能となる構成であるが、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、複数手順からなる有利な操作手順のうち一部の操作手順のみ報知する一部ナビ報知を行う場合(例えば、正解となる第1停止リールのみ報知する場合、有利な操作手順が特定の停止順、かつ特定のタイミングである場合に、停止順またはタイミングのみ報知する場合等)に、一部ナビ報知により報知される有利な操作手順の一部のみが特定可能となる内部当選コマンドを送信する構成としても良く、このような構成とすることで、本来であれば、有利な操作手順の一部のみが報知される状態において、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な操作手順の全てが特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされても有利な操作手順の全てが報知されるナビ報知が実行されている状態以外で有利な操作手順の全てが報知されてしまうことを防止できる。
また、本実施例における報知対象役とは、原則として、報知対象役を構成する抽選対象役に応じて有利表示結果を導出させる操作手順が異なるものであり、有利表示結果を導出させることが可能な抽選結果であってもその操作手順が変化することのない抽選結果(例えば、スイカ、角チェリー等の操作タイミングによっては取りこぼす可能性のある役)は、報知対象役とはならない。また、抽選対象役に応じて有利表示結果を導出させる操作手順が異なる抽選結果であっても、あえて取りこぼしを誘発することによりチャンス目等を導出させる抽選結果(例えば、取りこぼすことでチャンス目が導出される1枚役等)等、報知の有無により遊技者の有利度に影響を与えることを目的としない抽選結果は、報知対象としなくても良く、このような抽選結果となった場合に、当選した役の種類も遊技者にとって有利な操作手順も特定可能な第1の内部当選コマンドを送信する構成であっても良い。
また、本実施例では、報知対象役が当選した場合に、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作手順で操作された場合に、必ず遊技者にとって有利となる有利表示結果(中段ベル、昇格リプレイ、特殊リプレイ等)が導出される構成であるが、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作手順で操作された場合に、さらに報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じて変動することのない特定の操作手順で操作された場合に、有利表示結果を導出し、特定の操作手順以外の操作手順で導出操作手段が操作された場合に、有利表示結果以外の表示結果を導出する制御を行うものでも良い。この場合に、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じて変動することのない特定の操作手順とは、例えば、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた停止順で操作され、かつ特定の操作タイミングで操作される操作手順、一のリールにおいて報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作タイミングで操作され、かつ他のリールにおいて特定の操作タイミングで操作される操作手順などが該当する。
また、本実施例では、押し順ベルと同じく、中段ベルの入賞が許容される共通ベルの当選時において、停止順に関わらず、左リールが特定のタイミングで操作された場合に中段ベルが入賞する構成であるが、共通ベルの当選時において、停止順、操作タイミングに関わらず、必ず中段ベルが入賞する構成でも良い。
また、本実施例では、報知対象役が当選した場合に、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作手順で操作された場合に導出される有利表示結果として、メダルの付与を伴う小役の入賞態様、遊技者にとって有利な遊技状態(RT0、RT2)への移行を伴う再遊技役の入賞態様を適用しているが、遊技者にとって有利な表示結果とは、メダルや再遊技の付与、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴わない他の表示結果に対してメダルや再遊技の付与、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う表示結果、メダルの付与を伴う他の表示結果に対してさらに多くのメダルの付与を伴う表示結果、遊技者にとって有利な特典(ART等)の付与を伴わない他の表示結果に対して特典の付与を伴う表示結果、遊技者にとって不利な遊技状態への移行を伴う他の表示結果に対して現在の遊技状態を維持する表示結果または現在の遊技状態よりも有利な遊技状態への移行を伴う表示結果等であれば良い。
ここで遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であっても良い。
また、本実施例では、メイン制御部41側で制御するナビ報知と、サブ制御部91側で制御するナビ演出の双方にて遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成であるが、サブ制御部91側で制御するナビ演出だけで遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成としても良い。
スロットマシンとしては、遊技の制御を行う遊技制御手段と、演出の制御を行う演出制御手段と、を備え、遊技制御手段は、遊技制御手段側で遊技者にとって有利な操作手順が報知されるAT(アシストタイム)に制御するか否かを決定し、ATに制御する旨が決定された場合に、演出制御手段が、遊技制御手段から送信されたコマンドに基づいて遊技者にとって有利な操作手順を報知するようにしたものが提案されている(例えば、特開2003−62162号公報参照)。
このようなスロットマシンでは、遊技制御手段が役抽選の結果を特定可能なコマンドを演出制御手段に対して送信することで、演出制御手段が役抽選の結果を特定し、ATに制御されている場合には、特定した役抽選の結果に基づいて遊技者にとって有利な操作手順を報知する構成であるが、役抽選の結果を示すコマンドは、ATに制御されているか否かに関わらず、演出制御手段に対して送信されるため、演出制御手段側に不正がなされることで、遊技制御手段側でATに制御する旨が決定されていないにも関わらず、コマンドから役抽選の結果に応じた遊技者にとって有利な操作手順が特定され、ATに制御されてしまう可能性があった。
これに対して本実施例において例示したスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
遊技の制御を行う遊技制御手段(メイン制御部41)と、
遊技制御手段から送信された制御情報(コマンド)に基づいて演出を行う演出制御手段(サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作手順(停止順)を識別可能に報知することが可能な操作手順報知手段(ナビ演出)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段(内部抽選)と、
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段(リールの停止制御)と、
前記導出操作手段の操作手順(停止順)が報知される報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御する報知状態制御手段と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果(抽選結果)に関する特定制御情報(内部当選コマンド)を前記演出制御手段(サブ制御部91)に対して送信する特定制御情報送信手段と、
を含み、
前記演出制御手段は、前記報知状態(ナビ報知が実行される状態)において前記特定制御情報(内部当選コマンド)から特定される遊技者にとって有利な有利操作手順を識別可能に報知させる制御(ナビ演出の実行)を行う報知制御手段を含み、
前記特定制御情報送信手段は、
前記報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御されている場合において前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果(抽選結果)が報知の対象となる報知対象結果(報知対象役)となったときに、報知対象結果となった旨も有利操作手順も特定できる第1の特定制御情報(第1の内部当選コマンド)を前記演出制御手段(サブ制御部91)に対して送信し、
前記報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御されていない場合において前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果(抽選結果)が報知対象結果(報知対象役)となったときに、報知対象結果となった旨は特定できるが有利操作手順を特定できない第2の特定制御情報(第2の内部当選コマンド)を前記演出制御手段(サブ制御部91)に対して送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技制御手段と演出制御手段とを備え、遊技制御手段から送信された特定制御情報から特定される遊技者にとって有利な有利操作手順を識別可能に報知させる制御を行う構成において、遊技制御手段側で操作手順報知手段により遊技者にとって有利な有利操作手順が報知される報知状態に制御するとともに、遊技制御手段は、報知状態に制御されている場合において事前決定手段の決定結果が報知対象結果となったときに、報知対象結果となった旨も有利操作手順も特定できる第1の特定制御情報を演出制御手段に対して送信する一方、報知状態に制御されていない場合において事前決定手段の決定結果が報知対象結果となったときに、報知対象結果となった旨は特定できるが有利操作手順を特定できない第2の特定制御情報を演出制御手段に対して送信するので、遊技制御手段側で報知状態に制御していない場合には、特定制御情報から事前決定手段の決定結果に応じた有利操作手順が特定されることはないため、演出制御手段側に不正がなされても報知状態以外で有利操作手順が報知されてしまうことを防止できる。
尚、導出操作手段の操作手順は、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作手順、複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作手順、これらの組合せによる操作手順等が該当する。
本実施例では、前述のようにメイン制御部41が、遊技補助表示器12の点灯態様によりストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を識別可能に報知するナビ報知を実行する。
図24に示すように、遊技補助表示器12は、第1〜第8セグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器12L、12Rからなり、それぞれのセグメントを白、桃、黄、橙、赤、緑、青の7色に点灯させることが可能な表示器である。
ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様は、図25に示すように、報知される停止順(中左右、中右左、右左中、右中左、左−−(左第1停止)、−中−(中第1停止)、−−右(右第1停止))毎に点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せから停止順が識別できるようになっている。例えば、表示器12Lの第1セグメント、第2セグメント、第4セグメント、第6セグメントが点灯し、表示器12Rの第2セグメント、第4セグメント、第6セグメント、第7セグメントが点灯し、他のセグメントが消灯している状態であれば左中右の停止順を識別可能となる。ただし、停止順に対応して点灯するセグメントの組合せは、停止順を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表等がなければ容易に識別できないものである。
また、押し順ベルの当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが黄色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、中段ベルが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR1〜6の当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが橙色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、昇格リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR11〜13の当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが緑色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、特殊リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR21〜23の当選時に実行するナビ報知のうち中段リプレイを入賞させるナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが青色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、中段リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR21〜23の当選時に実行するナビ報知のうち赤7リプレイを入賞させるナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが桃色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR24〜26の当選時に実行するナビ報知のうち中段リプレイを入賞させるナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが青色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、中段リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR24〜26の当選時に実行するナビ報知のうち青7リプレイを入賞させるナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが桃色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、赤7リプレイまたは青7リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、本実施例では、表示器12Rの第8セグメントを赤色に点灯させることで、ART(AT含む)中であることが識別できるようになっている。
次に、ナビ報知及びナビ演出の実行態様について説明する。
図26(a)に示すように、遊技補助表示器12は、小役の入賞によるメダルの払出がある場合の次ゲームの開始までの期間を除き、全てのセグメントが消灯状態とされており、液晶表示器51にも通常状態に対応する画像が表示されている。
この状態でATの制御が開始すると、図26(b)に示すように、メイン制御部41は、表示器12Rの第8セグメントを赤色点灯し、ART(AT)中である旨の報知を開始する。
また、ATまたはART中にナビ対象役が当選した場合には、図26(c)、図26(d)に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知として遊技補助表示器12の対応するセグメントを点灯させて停止順を報知し、停止順コマンドを送信することで、サブ制御部91にナビ演出を実行させる。
この際、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合、例えば、押し順ベル当選時に中段ベルを入賞させる停止順と、リプレイGR11〜13の当選時に特殊ベルを入賞させる停止順と、が同一となる場合には、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できるようになっている。例えば、図26(c)に示すように、押し順ベルの当選時であれば、点灯するセグメントが黄色点灯となることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで中段ベルが入賞することが識別可能となり、図26(d)に示すように、リプレイGR11〜13の当選時であれば、点灯するセグメントが橙色点灯となることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで特殊リプレイが入賞することが識別可能となる。
また、ナビ演出においても、停止順を報知する画像の態様は同じであるが、入賞する役の画像が表示されることで、入賞する役も識別できるようになっている。例えば、図26(c)に示すように、押し順ベルの当選時であれば、停止順を報知する画像に加え、「ベル」が表示されることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで中段ベルが入賞することが識別可能となり、図26(d)に示すように、リプレイGR11〜13の当選時であれば、停止順を報知する画像に加え「リプレイa/リプレイb−リプレイa−ベル」が表示されることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで特殊リプレイが入賞することが識別可能となる。
また、ARTの残りゲーム数が0となり、ナビストックも0となってARTが終了する場合には、図26(e)に示すように、メイン制御部41は、表示器12Rの第8セグメントを消灯し、ART中である旨の報知を終了する。
また、本実施例では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜13の当選時、リプレイGR21〜23当選時、リプレイGR24〜26当選時において、第1停止リールのみ停止順が一致すれば、第2停止リール以降の停止順に関わらず、対象となる役が入賞することとなる。すなわち第2停止リール以降は、任意の停止順にて停止操作を行えば、対象となる役を入賞させることが可能となる。このため、メイン制御部41が行うナビ報知では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜13の当選時、リプレイGR21〜23当選時、リプレイGR24〜26当選時において、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右及び中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中及び右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用している。
一方で、サブ制御部91は、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜13の当選時、リプレイGR21〜23当選時、リプレイGR24〜26当選時において、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順を抽選等により振り分け、振り分けた結果に基づいて、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順についてもナビ演出により報知するようになっている。
例えば、左ベルの当選時には、左リールを第1停止とする停止順で停止操作がされることで、図27(a)(b)に示すように、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様でナビ報知が行われるのに対して、ナビ演出では、図27(a)に示す左中右の停止順を報知する報知態様と、図27(b)に示す左右中の停止順を報知する報知態様と、のいずれか一方の報知態様にて停止順が報知されるようになっている。
また、本実施例では、ATまたはART中にナビ対象役が当選した場合に、図28に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始(スタートスイッチ7が操作されたとき)から全リール停止(第3停止操作のストップスイッチを離したとき)までの期間にわたりナビ報知を継続する。この際、小役が入賞した場合には、図28(d)に示すように、ゲーム終了時から次ゲーム開始までの期間にわたりメダルの払出枚数を遊技補助表示器12に表示する。この際、ナビ報知では用いられていない赤色にてメダルの払出枚数が表示されることで、ナビ報知であるか、払出枚数であるか、を明確に区別できるようになっている。
尚、ゲーム開始(スタートスイッチ7が操作されたとき)から全リール停止(第3停止操作のストップスイッチを離したとき)までの期間にわたりナビ報知を継続する構成であるが、ゲーム開始(スタートスイッチ7が操作されたとき)から全リール停止(第3停止操作のストップスイッチを押下したとき)までの期間にわたりナビ報知を継続する構成でも良い。
一方、図28(a)〜(d)に示すように、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、図28(e)に示すように、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了するようになっている。
本実施例においてサブ制御部91は、入賞ラインLNにいずれかの役が揃って入賞した場合に、その旨を報知する入賞報知演出を実行可能である。
入賞報知演出では、入賞した役に応じて入賞ラインLN上に揃っている図柄(例えば、入賞ラインLNに同一の図柄が揃う中段ベル等が入賞した場合)の領域に対応するリールLED55、または無効ラインLM1〜LM4に揃っている指標図柄(例えば、入賞ラインLNに揃った図柄が同一の図柄とはならないが、無効ラインに揃った指標図柄が同一の図柄となる右下がりベル等が入賞した場合)の領域に対応するリールLED55の点灯態様を変化させるとともに、液晶表示器51に入賞した旨の画像を表示することにより役が入賞した旨が報知される。
尚、本実施例では、入賞報知演出として、リールLED55の点灯態様を変化させること、液晶表示器51の表示態様を変化させることにより役が入賞した旨を報知する演出を適用しているが、音声の出力、演出効果LED52等の他の演出装置により役が入賞した旨を報知する演出を適用しても良い。
サブ制御部91は、役が入賞した際に、常に入賞報知演出を実行するのではなく、通常状態であり、かつナビ報知が実行されない場合において昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイ以外の役が入賞した場合、ナビ報知が実行され、報知された停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合に入賞報知演出を実行するのに対して、通常状態であり、かつナビ報知が実行されない場合において昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイが入賞した場合、ナビ報知が実行され、報知された停止順以外の停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合には、入賞報知演出を実行しない。
例えば、図29(a)(b)に示すように、リプレイGR11〜13の当選時にナビ報知が実行され、報知された停止順で停止操作がされて特殊リプレイが入賞した場合には、入賞報知演出が実行されるのに対して、図29(c)(d)に示すように、リプレイGR11〜13の当選時にナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて転落リプレイが入賞した場合には、入賞報知演出が実行されることがない。
以上説明したように、本実施例では、遊技の制御を行うメイン制御部41と演出の制御を行うサブ制御部91とを備える構成において、メイン制御部41が遊技補助表示器12により遊技者にとって有利となるリールの停止順を識別可能に報知させる制御、すなわちナビ報知を行う制御を行うため、サブ制御部91側に異常が生じても遊技者の有利度に影響を与えてしまうことを防止できる。
また、遊技補助表示器12によるナビ報知において、例えば、中段ベルが入賞する押し順ベルの当選時と、特殊リプレイが入賞するリプレイGR11〜13の当選時と、で同じ停止順を識別可能に報知する場合でも、異なる点灯色にて報知されるので、ナビ報知により識別される停止順が同じであっても、その際の点灯色により報知された停止順に従って停止操作を行うことにより入賞する役を認識させることができる。
また、本実施例では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知されるようになっており、サブ制御部91による液晶表示器51等を用いたナビ演出によって報知される停止順に着目させることができる。また、ナビ演出が機能しない場合でも、対応表等を用いることにより停止順を識別させることができる。即座に識別することが困難な報知態様とは、例えば、停止順等の操作手順に対応して定められた識別記号、識別番号等を報知するものが該当する。
尚、本実施例では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知される構成であるが、後述の変形例にて説明するように、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順が報知される構成としても良い。
また、本実施例では、サブ制御部91が、メイン制御部41によりナビ報知が実行される場合に、液晶表示器51によりナビ報知よりも目立つ報知態様にてナビ報知にて報知される停止順を識別可能に報知させる制御を行うようになっており、液晶表示器51等の演出装置を用いることにより好適な態様にて遊技者にとって有利なリールの停止順を報知することができる。尚、ナビ報知よりも目立つ報知態様とは、ナビ報知が行われる遊技補助表示器12よりも大きい画面にてナビ演出が行われる報知態様、複数の演出装置にてナビ演出が行われる報知態様、即座に操作手順を把握できる報知態様などであれば良い。
また、本実施例では、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了するようになっており、報知された停止順とは異なる操作手順で停止操作されたときに、ナビ報知による報知は継続することで、その後も報知内容を確認できる一方で、ナビ報知よりも目立つ態様で報知される液晶表示器51による報知は終了するので、操作ミスをした場合に遊技者に対して煩わしい思いをさせてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了する構成であるが、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続し、サブ制御部91も、ナビ報知に従った停止順で停止操作された否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続する構成としても良いし、メイン制御部41も、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ報知を終了し、サブ制御部91も、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了する構成としても良いし、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ報知を終了する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作された否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続する構成としても良い。
また、本実施例では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜13の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、第1停止リールのみ停止順が一致すれば、第2停止リール以降の停止順に関わらず、対象となる役が入賞することとなる。すなわち第2停止リール以降は、任意の停止順にて停止操作を行えば、対象となる役を入賞させることが可能となるため、メイン制御部41が行うナビ報知では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜13の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右及び中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中及び右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用している。一方で、サブ制御部91は、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜13の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順を抽選等により振り分け、振り分けた結果に基づいて、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順についてもナビ演出により報知するようになっており、メイン制御部41の負荷を増やすことなく、液晶表示器51等の演出装置により多彩な報知態様にて停止順の報知を行うことができる。
尚、本実施例では、メイン制御部41が行うナビ報知では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜13の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右及び中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中及び右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用しているが、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜13の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において左中右の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様をそれぞれ振り分けてナビ報知を行う構成としても良い。また、サブ制御部91が、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜13の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、第1停止リールの停止順のみナビ演出により報知する構成としても良い。
また、本実施例では、サブ制御部91は、役が入賞した際に、常に入賞報知演出を実行するのではなく、ナビ報知が実行され、報知された停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合に入賞報知演出を実行するのに対して、ナビ報知が実行され、報知された停止順以外の停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合には、入賞報知演出を実行しないようになっており、ナビ報知により停止順が報知され、報知された停止順以外の停止順で停止操作されていずれかの役が入賞した場合には入賞報知演出が実行されないことから、報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、図29(c)(d)で示す例では、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞する役が、一直線上に同一または類似の図柄が揃わない構成であるが、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞する役が、一直線上に同一または類似の図柄が揃う構成、すなわち一見して入賞を把握することができる役である場合に、入賞報知演出を実行しないことにより、より効果的に報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、ナビ報知が実行されない場合に、入賞した場合には入賞報知演出が実行される役が、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞した場合に、入賞報知演出が実行されないようにしても良く、このような構成とした場合でも、より効果的に報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行っている。すなわちナビ報知に係る情報以外も表示可能な遊技補助表示器12を用いてナビ報知を行っているので、ナビ報知を行う報知手段を、ナビ報知だけでなく他の情報を報知する報知手段と共用することができる。
また、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12と共用する場合には、ナビ報知において表示される報知態様と、払出枚数の報知態様またはエラーコードの報知態様と、が異なる報知態様(例えば、表示色が異なる報知態様、表示内容が重複しない報知態様等)となることが好ましく、このようにすることで、遊技補助表示器12に表示されている報知内容を誤認してしまうことを防止できる。
また、例えば、ゲームの進行中にエラーが検知された場合に、遊技補助表示器12にエラーが検知された時点でエラーコードを表示するものの、ゲーム終了時までエラー状態には制御しない構成においては、ナビ報知の実行中にエラーが検知された場合に、エラーコードを表示せず、ナビ報知をゲーム終了時まで継続する構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、ナビ報知中のエラーにより報知された内容を確認できず、遊技者に不利益となってしまうことを防止できる。さらにこの場合には、ナビ報知で用いていないセグメント(例えば、表示器12Lの第8セグメント)を用いてエラーが検知されたことを報知することが好ましく、このようにすることで、ナビ報知を継続しつつ、エラーが検知されたことを認識させることができる。
尚、本実施例では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行う構成であるが、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16を用いてナビ報知を行う構成(例えば、1BETLED14の点灯で左リールの停止操作、2BETLED15の点灯で中リールの停止操作、3BETLED16の点灯で右リールの停止操作を指示するナビ報知等)としたり、後述する変形例で説明するように、専用の表示器にてナビ報知を行う構成としても良い。
本実施例では、ナビ報知により報知される操作手順として、リールの停止順、すなわち複数のリールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによる複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作手順を適用しているが、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作手順、停止順と操作タイミングの組合せによる操作手順を適用しても良い。
また、本実施例では、ナビ報知により報知される特定の操作手順として複数の操作手順からランダムに決定された操作手順が報知される構成であるが、ナビ報知により報知される特定の操作手順は一律に固定された操作手順でも良い。
また、本実施例では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できる構成であるが、一方が点灯で他方が点滅による報知、点滅の切替速度が異なる報知とすることで、入賞する役も識別できる構成としても良い。また、後述する変形例で説明するように、表示内容が異なる報知とすることで、入賞する役も識別できる構成としても良い。特に、一方が点灯で他方が点滅による報知、点滅の切替速度が異なる報知、表示内容が異なる報知を適用する場合には、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、単色表示の表示器を用いてナビ報知を行っても、入賞する役を識別することができる。
また、本実施例では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで導出されることとなる異なる役として、中段ベルと特殊リプレイ、中段リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイ(押し順ベルとリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23、リプレイGR24〜26)、すなわち一方はメダルの払出を伴う小役、他方は再遊技の付与を伴う再遊技役であり、かつ遊技状態の移行を伴う役、特殊リプレイと中段リプレイ、青7リプレイまたは赤7リプレイ(リプレイGR11〜13とリプレイGR21〜23、リプレイGR24〜26)、すなわちいずれも再遊技の付与を伴う再遊技役であるが、一方は遊技状態の移行を伴う役、他方は遊技状態の移行を伴わない役を適用しているが、特定の操作手順で操作された場合に、前者が一のラインに第1の図柄組合せが導出されるのに対して後者が一のラインに第1の図柄組合せとは異なる第2の図柄組合せが導出されるもの(例えば、「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃うことで入賞する中段ベルと「ベル−リプレイa−リプレイa」の組合せが揃うことで入賞する昇格リプレイ等)、特定の操作手順で操作された場合に、前者が第1のラインに特定の図柄組合せが導出されるのに対して後者が第1のラインとは異なる第2のラインに特定の図柄組合せが導出されるもの(例えば、「リプレイa/リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せが入賞ラインLNに揃う中段リプレイと「リプレイa/リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せが無効ラインLM4に揃う右上がりリプレイ)、特定の操作手順で操作された場合に、前者が第1数のメダルの付与を伴う第1の小役が導出されるのに対して後者が第2数のメダルの付与を伴う第2の小役が導出されるもの(例えば、8枚のメダルの払出を伴う中段ベルと1枚のメダルの払出を伴う角チェリー)、特定の操作手順で操作された場合に、前者がメダルの付与を伴う小役が導出されるのに対して後者が再遊技の付与を伴う再遊技役または遊技状態の移行を伴う特別役が導出されるもの(例えば、メダルの付与を伴う中段ベルと再遊技の付与を伴う中段リプレイまたは遊技状態の移行を伴うBB)、特定の操作手順で操作された場合に、前者が再遊技の付与を伴う再遊技役が導出されるのに対して後者が遊技状態の移行を伴う特別役が導出されるもの、特定の操作手順で操作された場合に、前者が第1の遊技状態への移行を伴う第1の特別役が導出されるのに対して後者が第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態への移行を伴う第2の特別役が導出されるもの(例えば、BBへの移行を伴うBBとRBへの移行を伴うRB)、これらの組合せなどが該当する。また、遊技状態の移行を伴う役は、特別役に限られず、小役、再遊技役、ハズレのうちの特定役を適用しても良い。
また、本実施例では、ナビ報知が行われることで、遊技者にとって有利な操作手順が識別可能となる構成であるが、内部抽選の結果(内部当選フラグの当選状況)が識別可能に表示される構成(例えば、当選役毎に割り当てられた、2進数、10進数、16進数等の番号が表示される構成等)であっても良く、このような構成とすることで、例えば、試射試験等を行う場合に、各ゲームにおける内部抽選の結果を把握することが可能となる。
また、このような構成においては、試射試験等、遊技者に積極的に認識させるものではないことから、前面扉1bの内側に設けられた表示器(例えば、設定値表示器24等)や筐体1a内に設けられた表示器に表示されることが好ましい。また、遊技者から見える表示器(遊技補助表示器12等)を用いる場合には、遊技者が即座に認識できない態様で表示されることが好ましい。
次に、ナビ報知の変形例1〜5について説明する。
上記実施例では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できる構成であった。
これに対して変形例1では、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せが異なることで、入賞する役も識別できるようになっている。
詳しくは、ナビ報知における遊技補助表示器の点灯態様が、図30に示すように、報知される停止順(中左右、中右左、右左中、右中左、左−−(左第1停止)、−中−(中第1停止)、−−右(右第1停止))及びナビ報知の対象役の種類毎に点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せから停止順及び報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役も識別できるようになっている。
このような構成とすることにより、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、単色表示の表示器を用いてナビ報知を行っても、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役を識別することができる。
尚、変形例1では、停止順及びナビ報知の対象役に対応して点灯するセグメントの組合せが、停止順やナビ報知の対象役を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表等がなければ容易に識別できないものであるが、後述のようにナビ報知において報知された停止順及びナビ報知の対象役を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順及び報知の対象役が報知される構成としても良い。
上記実施例では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知される構成であった。
これに対して変形例2、3では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順が報知される。
変形例2では、ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様が、図31及び図32に示すように、リール回転開始から第1停止までの第1期間、第1停止から第2停止までの第2期間、第2停止から第3停止までの第3期間の各期間毎に変化する。第1期間における点灯態様は、表示器12Rの点灯態様が第1停止リールに該当するリールを示す文字(左リールがL、中リールがC、右リールがr)となり、第2期間における点灯態様は、表示器12Rの点灯態様が第2停止リールに該当するリールを示す文字となり、第3期間における点灯態様は、表示器12Rの点灯態様が第3停止リールに該当するリールを示す文字となる。例えば、中左右の停止順を報知する場合には、表示器12Rの点灯態様が、C→L→rの順番で切り替わる。また、左−−(第1停止リールが左、第2停止リール、第3停止リールは任意の場合)の停止順を報知する場合には、表示器12Rの点灯態様が、L→−→−の順番で切り替わる。これにより、ナビ報知における遊技補助表示器12の表示器12Rにより第1期間、第2期間、第3期間に表される文字によってリールの停止順を識別できるようになっている。
また、第1期間から第3期間のいずれの期間においても、表示器12Lには、ナビ報知の対象役を示す番号(押し順ベルが1、リプレイGR1〜6が2、リプレイGR11〜13が3、リプレイGR21〜23で中段リプレイの停止順が報知される場合が4、リプレイGR21〜23で赤7リプレイが報知される場合が5、リプレイGR24〜26で中段リプレイの停止順が報知される場合が6、リプレイGR24〜26で青7リプレイが報知される場合が7)が表示されるようになっており、第1期間から第3期間において表示器12Lに表示された番号から、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役が識別できるようになっている。
このような構成とすることにより、ナビ報知において報知された停止順及び入賞する役を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順が報知されるので、例えば、液晶表示器51等の演出装置が機能しない場合でも、対応表等を用いることなく操作手順や入賞する役を認識させることができる。
変形例3では、ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様が、図33に示すように、リール回転開始から第1停止までの第1期間、第1停止から第2停止までの第2期間、第2停止から第3停止までの第3期間の各期間毎に変化する。第1期間における点灯態様は、表示器12Lの点灯態様がナビ報知の対象役の種類を示す番号となり、表示器12Rの点灯態様が第1停止リールに該当するリールを示す番号(左リールが1、中リールが2、右リールが3)となる第1の状態と、表示器12L及び表示器12Rの点灯態様が第1停止リールを停止させる目安となる停止位置(いわゆる目押しすべき位置)を示す番号(図柄番号、ただし任意の停止位置で良い場合には99とする)となる第2の状態と、が一定時間毎に切り替わる点灯態様となり、第2期間における点灯態様は、表示器12Lの点灯態様がナビ報知の対象役の種類を示す番号となり、表示器12Rの点灯態様が第2停止リールに該当するリールを示す番号となる第1の状態と、表示器12L及び表示器12Rの点灯態様が第2停止リールを停止させる目安となる停止位置を示す番号となる第2の状態と、が一定時間毎に切り替わる点灯態様となり、第3期間における点灯態様は、表示器12Lの点灯態様がナビ報知の対象役の種類を示す番号となり、表示器12Rの点灯態様が第3停止リールに該当するリールを示す番号となる第1の状態と、表示器12L及び表示器12Rの点灯態様が第3停止リールを停止させる目安となる停止位置を示す番号となる第2の状態と、が一定時間毎に切り替わる点灯態様となる。例えば、リプレイGR21当選時に赤7リプレイを入賞させる停止順を報知するナビ報知において、左−−(第1停止リールが左リールで、第2停止リール、第3停止リールは任意の場合)で、全てのリールに停止させる目安となる停止位置として「赤7」が指定される場合には、第1期間においてリプレイGR21〜23の当選及び左リールの停止操作を示す51と左リールの赤7の図柄番号を示す20とが交互に表示され、第2期間においてリプレイGR21〜23の当選及び中リール及び右リールのうちより左側に位置する中リールの停止操作を示す52と中リールの赤7の図柄番号を示す18とが交互に表示され、第3期間においてリプレイGR21〜23の当選及び右リールの停止操作を示す53と右リールの赤7の図柄番号を示す18とが交互に表示される。これにより、ナビ報知における遊技補助表示器12により第1期間、第2期間、第3期間に表される交互に表示される番号によってリールの停止順及び停止操作の目安となる停止位置、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役を識別できるようになっている。
停止させる目安となる停止位置とは、例えば、遊技者にとって有利となる停止位置が複数存在する場合に、そのうちの最も狙いやすい図柄(「赤7」、「青7」、「BAR」のように他の図柄よりも大きい図柄、他の図柄の色彩に比較して識別し易い色彩の図柄、透かしを有し、リールLED55の点灯により発行して見える図柄など)、遊技者にとって有利となる停止位置が狙いにくい図柄であれば、その近辺の狙いやすい図柄等が該当する。
また、上記のように停止させる目安となる停止位置が図柄番号で報知される場合には、遊技者の操作により液晶表示器51に表示されるメニュー画面等において、図柄配列と図柄番号と、の関係を確認できる構成とすることが好ましい。
このような構成とすることにより、ナビ報知において報知された停止順や停止操作の目安となる停止位置、入賞する役を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順が報知されるので、例えば、液晶表示器51等の演出装置が機能しない場合でも、対応表等を用いることなく操作手順や入賞する役を認識させることができる。
尚、即座に識別することが可能な報知態様は、変形例2、3で説明したものに限らず、例えば、報知手順を文字、操作すべき導出操作手段に対応する番号、頭文字、リールを停止させる際のタイミングの目安となる図柄番号、リールを停止させる際のタイミングの目安となる図柄、その図柄を示す文字、頭文字、その図柄の色等(例えば、赤7の場合にr7、青7の場合にb7等)を報知するものであれば良い。
上記実施例では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行う構成であった。
これに対して変形例4、5では、専用の表示器にてナビ報知を行うようになっている。
変形例4では、ナビ報知を行うために、図34(a)に示すように、8のセグメントを有する5桁の表示器を専用に設けたものであり、いずれか3桁の表示器において左リール、中リール、右リールの停止順が報知され、残りの2桁の表示器において上述の第1期間、第2期間、第3期間においてそれぞれ停止操作の目安となる停止位置が報知されることで操作手順を識別できるようになっている。また、ナビ報知の対象役は、表示色、表示/非表示の切替の有無、表示/非表示の切替速度等により識別可能となる。
変形例5では、ナビ報知を行うために、図34(b)に示すように、8のセグメントを有する9桁の表示器を専用に設けたものであり、いずれか3桁の表示器において左リール、中リール、右リールの停止順が報知され、残りの6桁の表示器のうちいずれか2桁の表示器において左リールの停止操作の目安となる停止位置が報知され、残りの4桁の表示器のうちいずれか2桁の表示器において中リールの停止操作の目安となる停止位置が報知され、残りの2桁の表示器において右リールの停止操作の目安となる停止位置が報知されることで操作手順を識別できるようになっている。また、ナビ報知の対象役は、表示色、表示/非表示の切替の有無、表示/非表示の切替速度等により識別可能となる。
このようにナビ報知を行うために、専用の表示器を用いることにより、操作手順や入賞する役等の情報をより分かりやすく報知することが可能となる。
尚、変形例4、5では、全ての表示器について専用の表示器を設ける構成であるが、一部については、他の情報を報知する表示器と併用する構成としても良い。
また、変形例4、5では、8のセグメントを有する表示器を適用しているが、例えば、左リール、中リール、右リールに対応する3つのLEDを設けて、停止時期毎に対応するLEDを点灯することにより停止順を識別可能となる構成としても良い。この場合にも、ナビ報知の対象役は、表示色、表示/非表示の切替の有無、表示/非表示の切替速度等により識別可能となる。
上記実施例及び変形例では、ナビ報知によりリールの操作手順に加え、報知された操作手順に従って停止操作を行うことにより入賞する役も識別可能となる構成であったが、ナビ報知により少なくともリールの操作手順が識別可能となる構成であれば良い。
上記実施例では、メイン制御部41が行う操作手順を識別可能な報知として、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知について説明しているが、操作手順を識別可能な報知として、内部抽選結果に応じて入賞し得る役を識別可能に報知する役報知を実行し、報知内容から操作手順を識別可能となる構成としても良い。
役報知では、図35に示すように、遊技補助表示器12の点灯態様として、内部抽選結果、またはその組合せに応じて、点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せからリールの操作手順及び入賞し得る役が識別できるようになっている。
例えば、遊技補助表示器12に1Aと表示されている場合には、共通ベルが当選していることが識別され、これにより、どの停止順、かつどのタイミングで停止操作を行っても遊技者の有利度に影響しないことから、任意の停止順、任意のタイミングでの停止操作を識別でき、中段ベルまたは右下がりベルが入賞し得る役として識別できるようになっている。
また、遊技補助表示器12に2Fと表示されている場合には、スイカ、強チェリーまたは弱チェリーのいずれかが当選していることが識別され、これにより、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリーまたは角チェリーを入賞させるためには、引込範囲内での停止操作を必要とすることから、左リールについては、「スイカ」及び「チェリー」の引込範囲、中リール及び右リールについては、「スイカ」の引込範囲となるタイミングでの停止操作を識別でき、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリーまたは角チェリーが入賞し得る役として識別できるようになっている。
このように、メイン制御部41が、内部抽選結果に応じて入賞し得る役を識別可能に報知する役報知を実行し、報知内容から操作手順及び入賞し得る役を識別可能となる構成とした場合においても、メイン制御部41が遊技補助表示器12によりリールの操作手順を識別可能に報知させる制御、すなわち役報知を行う制御を行うため、サブ制御部91側に異常が生じても遊技者の有利度に影響を与えてしまうことを防止できるとともに、遊技補助表示器12による役報知において、例えば、中段ベルまたは右下がりベルが入賞し得る共通ベルの当選時と、中段リプレイ、昇格リプレイが入賞し得るリプレイGR1〜6の当選時と、で同じ操作手順を識別可能に報知する場合でも、異なる報知態様にて報知されるので、役報知により識別される操作手順が同じであっても、その際の報知態様の違いにより、報知された操作手順に従って停止操作を行うことにより入賞し得る役を認識させることができる。
本実施例においてメイン制御部41は、内部抽選においてART抽選の対象役が当選したときに、上述のフリーズ状態に制御するか否かを決定するフリーズ抽選を行い、フリーズ抽選にてフリーズ状態に制御する旨が決定された場合に、フリーズ状態に制御し、その間にリール2L、2C、2Rを通常の遊技とは異なる態様で変動させるリール演出を実行する。
また、メイン制御部41は、内部抽選においてART抽選の対象役が当選したときにART抽選を行う。ART抽選では、単にART抽選の対象役が当選した場合よりも、ART抽選の対象役が当選し、かつフリーズ状態に制御された場合の方が、ARTに当選する確率が高く設定されている。さらにART抽選では、フリーズ状態において実行されるリール演出の種類に応じてARTに当選する確率が異なるように設定されている。これにより、フリーズ状態に制御されてリール演出が行われることでARTに制御される可能性が高い旨が示唆されるようになっており、さらに、その際のリール演出の種類に応じてARTに制御される可能性が変化するようになっている。
リール演出は、図36に示すように、フリーズ状態の制御を開始した後に、通常の遊技における変動態様(順方向へ加速し、定速回転とする変動)とは異なる変動態様(例えば、逆方向への変動)にてリールを変動させる特殊変動演出と、図37に示すように、フリーズ状態の制御を開始した後に、特定の図柄(例えば「赤7」)が中段に停止するまで各リールを変動させることで、入賞ラインLN上に特定の図柄の組合せ(例えば、「赤7−赤7−赤7」)を揃える図柄変換演出と、を含む。
尚、本実施例では、リール演出の一例として、上記の特殊変動演出、図柄変換演出を例示しているが、フリーズ状態においてリールを回転させ、通常の遊技と同様に停止操作により対応するリールを停止させることにより表示結果を導出させる擬似遊技演出をリール演出として適用しても良い。尚、擬似遊技演出は、フリーズ状態において行われるものであり、擬似遊技演出によって導出された表示結果によって入賞が発生することはなく、メダルの付与、再遊技の付与、遊技状態の移行を伴うことはない。
メイン制御部41は、フリーズ抽選に当選した場合に、リール演出の種類を決定するリール演出選択抽選を行う。尚、フリーズ抽選においてフリーズ状態に制御するか否かに加え、リール演出の種類についても決定する構成としても良い。
リール演出の種類は、リール演出の演出パターンによって異なり、リール演出選択抽選では、複数の演出パターンからいずれかの演出パターンを抽選により選択する。
リール演出の演出パターンは、図38に示すように、左リールにおける励磁パターンの組合せデータを特定する識別データ(データt1、データt2、データt3…、データz1、データz2、テータz3…)、中リールにおける励磁パターンの組合せデータを特定する識別データ、右リールにおける励磁パターンの組合せデータを特定する識別データからなるデータであり、演出パターンの種類(T1、T2…、Z1、Z2…)に対応して、ROM41bに割り当てられた演出パターンテーブルに格納されている。このうち演出パターンT1、T2…は、特殊変動演出を実行するための演出パターンであり、演出パターンZ1、Z2…は、図柄変換演出を実行するための演出パターンである。
励磁パターンの組合せデータは、図39に示すように、励磁パターンを特定する識別データ(A、B、C…、N−1、N−2、N−3…)を適用する順番に定めたデータであり、組合せテータを特定する識別データ(データt1、データt2、データt3…、データz1、データz2、テータz3…)に対応して、ROM41bに割り当てられた組合せデータテーブルに格納されている。このうちデータt1、データt2、データt3…は、特殊変動演出を実行するための励磁パターンの組合せデータであり、データz1、データz2、データz3…は、図柄変換演出を実行するための励磁パターンの組合せである。例えば、データt1に対応する組合せデータ「BCCCJ」では、リール演出においてBの励磁パターン、Cの励磁パターン、Cの励磁パターン、Cの励磁パターン、Hの励磁パターンの順番で該当するリールモータを駆動させることを示す。
励磁パターンは、図40に示すように、リールモータの励磁パターン(ステップ数、各ステップの時間、ステップ毎の励磁相の励磁状態)を定めたデータであり、励磁パターンを特定する識別データ(A、B、C…、N−1、N−2、N−3…)に対応して、ROM41bに割り当てられた励磁パターンテーブルに格納されている。また、励磁パターンには、ステップ数と各ステップの時間が定められており、励磁パターンを適用した場合の時間も規定されることとなる。また、励磁パターンは、例えば、Cの励磁パターン、Dの励磁パターンのように変動態様は同じであるが、実行時間が異なる励磁パターンを含む。また、A、B、C…に対応する励磁パターンには、リール演出開始時のリールの位置に関わらず、リールを変動させる励磁パターン(例えば、Aには所定時間リールを停止したまま待機させる励磁パターン、Bには逆回転でリールを加速させる励磁パターン、Cには逆回転でリールを定速回転させる励磁パターン)が定められている。一方で、N−1、N−2、N−3…に対応する励磁パターンには、リール演出開始時のリールの位置に応じてリールを変動させる励磁パターン(例えば、N−1には「赤7」を中段に移動させる励磁パターン、N−2には「青7」を中段に移動させる励磁パターン、N−3には「白7」を中段に移動させる励磁パターン)が定められている。
そして、メイン制御部41は、リール演出選択抽選により選択したリール演出の演出パターンを読み出し、読み出した演出パターンに対応する組合せデータを特定する識別データを左リール、中リール、右リールに対してそれぞれ設定する。次いで、メイン制御部41は、各リールに対して設定された組合せデータを構成する最初の励磁パターンを読み出し、読み出した励磁パターンに従って該当するリールのリールモータを駆動する制御を行う。その後、読み出した励磁パターンによるリールモータを駆動する制御が終了した場合には、各リールに対して設定された組合せデータを構成する次の励磁パターンが定められているか否かを判定し、次の励磁パターンが定められている場合には、次の励磁パターンを読み出し、読み出した励磁パターンに従って該当するリールのリールモータを駆動する制御を行い、各リールに対して設定された組合せデータを構成する次の励磁パターンが定められていない場合には、リール演出を終了する。
このように本実施例では、リール演出に用いる複数種類の励磁パターンと、リール演出を構成する励磁パターンを特定可能な組合せデータと、が別個に記憶されるとともに、組合せデータは、2以上の励磁パターンの組合せを特定可能な組合せデータを含み、メイン制御部41は、2以上の励磁パターンの組合せを特定可能な組合せデータが選択されたときに、組合せデータから特定される2以上の励磁パターンに基づいてリール演出を実行するので、リール演出の種類毎に励磁パターンを記憶しておくよりも、リール演出を実行するためのデータ量を削減できる。
また、本実施例では、リール演出の演出パターンとしてリール毎に別個の組合せデータを定めることが可能であり、一の演出パターンを実行する場合に、リール毎に異なる組合せデータを選択してリール演出を実行することが可能となるため、リール演出を実行するためのデータ量を削減しつつ、多様なリール演出を実行することができる。
尚、本実施例では、組合せデータとして、複数の励磁パターンを組み合わせが定められたものと、一の励磁パターンのみ定められたものと、の双方を含む構成であるが、少なくとも複数の励磁パターンを組合せが定められたものを含む構成であれば良い。
また、本実施例では、リール演出選択抽選により、リール毎の組合せデータを定めた演出パターンを選択し、選択した演出パターンに基づいて各リールの組合せデータが選択される構成であるが、リール演出選択抽選ではなく、リール毎に組合せデータを抽選により選択する構成としても良い。
また、本実施例では、リール毎に異なる組合せデータを選択してリール演出を実行することが可能な構成であるが、全リールに対して一の組合せデータを選択してリール演出を実行する構成としても良い。
次に、メイン制御部41がフリーズ状態に伴うリール演出を終了させる際であって、リール演出から通常の遊技に移行する前にリールの回転を開始させる際に実行するリール加速処理について説明する。
リール加速処理では、まず、リール毎に設けられた一定の範囲で更新される乱数カウンタから、左遅延用乱数値、中遅延用乱数値、右遅延用乱数値をそれぞれ抽出し、これら抽出した乱数値に基づいて左リール、中リール、右リールの遅延時間に応じた遅延用タイマカウンタ値を算出し、左リール、中リール、右リール毎に設定する。その後、タイマ割込処理(メイン)が一定回数実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算し、遅延用タイマカウンタ値が0となること、すなわち乱数値に基づく遅延時間が経過することで、対応するリールの回転を開始させるようになっている。
本実施例では、各リールに対応する遅延用タイマカウンタ値が、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されるようになっており、遅延用タイマカウンタにより(タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、遅延用タイマカウンタ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに本実施例では、約33.6ms要することとなるので、擬似遊技の後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで各リールの回転が開始することとなる。
このため、本実施例では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の実行後、通常の遊技を開始するにあたり、上記のリール加速処理を実行することで、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した時点で、左リールの回転を開始し、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した後、中リールの回転を開始し、全てのリールが定速回転となった時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように本実施例では、リール演出の後、通常の遊技を開始するにあたり、それぞれのリールが回転するまでの時間が、それぞれのリール毎に変化することで、リール演出の後、通常の遊技における停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係が変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行った場合であっても、このようなリール演出を行わなかった場合であっても、その後、通常の遊技において停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行った場合でも、リール演出を行わなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行うことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、本実施例では、リール演出の後、通常の遊技を開始するにあたり、それぞれのリールが回転するまでの時間が乱数を用いて決定されるようになっており、リール演出の後、通常の遊技における停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係をランダムに変化させることができる。
尚、本実施例では、リール演出の後、通常の遊技を開始するにあたり、それぞれのリールが回転するまでの時間を、それぞれのリール毎に変化させることで、3つのリールの相対的な位置関係を異ならせる構成であるが、最初に回転を開始させるリール(第1開始リール)の回転を開始させた後、2番目に回転を開始させるリール(第2開始リール)の回転を開始させるまでの時間、第2開始リールの回転を開始させた後、3番目に回転を開始させるリール(第3開始リール)の回転を開始させるまでの時間を変化させることで、3つのリールの相対的な位置関係を異ならせる構成としても良いし、第1開始リールが定速回転となった後、第2開始リールの回転を開始させるまでの時間、第2開始リールが定速回転となった後、第3開始リールの回転を開始させるまでの時間を変化させることで、3つのリールの相対的な位置関係を異ならせる構成としても良い。
また、本実施例では、リール演出の後、通常の遊技を開始するにあたり、それぞれのリールが回転するまでの時間が乱数を用いて決定することで、リール演出の後、通常の遊技における停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係をランダムに変化させる構成であるが、リール演出開始前の3つのリールの相対的な位置関係を記憶しておき、リール演出の後、通常の遊技を開始するにあたり、3つのリールの相対的な位置関係を記憶されている相対的な位置関係に戻すことにより、3つのリールの位置関係を異ならせる構成としても良く、このような構成においても、リール演出を行った場合でも、リール演出を行わなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行うことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、フリーズ状態に伴うリール演出の実行中に電断が生じた場合は、電断からの復帰時に、電断時のリール演出を継続して実行するのではなく、各リールの相対的な位置関係をランダムな位置関係としつつ定速回転に近づけるリール加速処理を実行するようになっており、フリーズ状態に伴うリール演出によりリール同士の相対的な位置関係に一定の規則性が生まれた場合でも、電断復帰後のリール加速処理によってリール同士の相対的な位置関係がランダムな位置関係となるため、遊技者の技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。さらに、フリーズ状態に伴うリール演出においてリール同士の相対的な位置関係に一定の規則性が生まれた状態で電断が生じた場合には、電断からの復帰時に、リール演出を継続するのではなく、リール加速処理が実行されるため、スロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことを防止しつつ、スロットマシンの処理負担も軽減することができる。
特に、本実施例では、現在のリールの位置を把握したうえで、リールの位置を特定の位置に変動させる図柄変換制御の実行中に電断が生じた場合に、再度図柄変換制御を行うことなく、リール加速処理を実行して通常遊技に移行するので、電断からの復帰時には、リールの位置を再検出して図柄変換制御のためのステップ数等を再設定する制御を行うことをせずに済むため、電断からの復帰時のリール制御を簡素化することができる。
図41は、本実施例のスロットマシン1が搭載するリールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。尚、ロータ32aは、図示しない多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。
メイン制御部41は、前述したタイマ割込処理(メイン)において各リールモータの各励磁相φ1〜φ4の励磁状態を更新する処理を行い、それに応じてモータ駆動回路45から位相信号が出力されるようになっており、リールモータ32L、32C、32Rは、この位相信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ=約1.07(360/336)度)ずつロータ32aを回転させる。
図42は、リールの回転開始時においてリールを加速させる際のリールモータの励磁パターンを示すタイミングチャートである。
1ステップは、一の励磁パターンが適用される単位であり、定速回転時においては、1ステップ毎に前述した所定の角度(約1.07(360/336)度)ずつロータ32aが回転することとなり、本実施例のステッピングモータでは、前述のように336ステップの周期でリールが1周するようになっており、リールには21の図柄が配置されていることから、16ステップ毎に1図柄移動することとなる。励磁パターンの更新は、メイン制御部41が行うタイマ割込処理(メイン)にて行うようになっており、カウント数は、次回励磁パターンの更新を行うまでのタイマ割込処理(メイン)の回数であり、(カウント数)×0.56ms(タイマ割込処理(メイン)の間隔)が、当該ステップの励磁パターンが継続する励磁時間(ステップレート)となる。また、ステップ数は、対応する励磁時間が連続して適用される回数を示す。また、図中のφ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を各々示す。
メイン制御部41は、図42に示すように、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、各励磁相φ1〜φ4が消磁された状態から後述する1−2相励磁方式にて回転方向に励磁を開始する。詳しくは、最初のステップにて(φ1、φ2)を励磁状態とし、1ステップ毎に、(φ1、φ2)、(φ2)、(φ2、φ3)、(φ3)、(φ3、φ4)、(φ4)、(φ4、φ1)、(φ1)…の順番で、φ1〜φ4を1相、2相、1相、2相と交互に励磁パターンを更新する。
また、徐々に定速回転のステップレート(2.24ms)に近づくように、各ステップのステップレートを短縮していく。この際、一律にステップレートを短縮するのではなく、長いステップレートと短いステップレートを織り交ぜて、徐々に短いステップレートを多くしていくことにより、リールをスムーズに加速させるようになっている。
定速状態に移行後は、図42に示すように、1−2相励磁方式の励磁パターンを2.24msのステップレートにて更新する定速回転の励磁パターン(以下、定速回転パターンという)によりリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。詳しくは、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ1、φ2)、(φ2)、(φ2、φ3)、(φ3)、(φ3、φ4)、(φ4)、(φ4、φ1)、(φ1)、(φ1、φ2)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4の励磁パターンを更新して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
リールの停止制御を行う場合には、図43に示すように、停止操作等の停止条件の成立後、停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持し、ブレーキ開始位置に到達した際に、定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aを減速させ、次のステップ(4ステップ手前のステップ)で全ての励磁相φ1〜φ4を励磁する全相励磁を開始する。これによりロータ32aに急制動がかけられることで、オーバーシュート(脱調)した結果、停止位置でロータ32aが停止することとなる。
本実施例では、停止制御において全相励磁を行った後、5ステップ分オーバーシュートして滑るため、図43に示すように、回転方向に対して停止位置よりも6ステップ手前のステップでブレーキを開始し、停止位置よりも5ステップ手前で全相励磁を開始することとなる。そして、リールが停止位置で停止した後、全相励磁を解除し、各励磁相をOFF状態としたまま次のリール回転開始まで待機する。
このように本実施例では、位相信号の出力状態を変化させることで、各励磁相φ1〜φ4の励磁状態が変化し、これによりリールモータ32L、32C、32Rが駆動させるようになっており、これによりリールを回転及び停止させることができるようになっている。すなわち位相信号の出力状態が変化することでリールが動作する状態となり、位相信号の出力状態を変化させないことによりリールが停止した状態となる。
次に、図44〜図47に基づいてメイン制御部41がユーザプログラムに従って実行する処理を説明する。メイン制御部41は、電源投入に伴う起動時またはリセット信号の入力に伴う再起動時に、起動処理(メイン)を実行する。
図44は、メイン制御部41が実行する起動処理(メイン)の内容を示すフローチャートである。起動処理(メイン)では、まず割込を禁止に設定して(Sa1)、パラレル出力ポート513を初期化し(Sa2)、内蔵レジスタを初期化する(Sa3)。次いで電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否か、すなわち電圧が不安定な状態か否かを判定し(Sa4)、電圧低下信号が検出されている場合には、電圧低下信号が検出されなくなるまで待機する。
Sa4のステップにおいて電圧低下信号が検出されない場合には、割込発生時に実行するプログラムのアドレスをIレジスタに設定して(Sa5)、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa6)、さらにスタックポインタを設定する(Sa7)。
次いで、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa8)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sa9)。後述のように前回の電源遮断時に正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであるので、Sa9のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、Sa13のステップに進む。
一方、Sa9のステップにおいてRAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa10)。後述のように前回の電源遮断時に正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa10のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)には、RAM41cのデータが正常ではなく、Sa13のステップに進む。
Sa10のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa11)、RAM41cのデータが正常である旨を示すRAM正常フラグをRAM41cに設定し(Sa12)、Sa13のステップに進む。
Sa13のステップでは、設定キースイッチ37がonか否かを判定し、設定キースイッチ37がonであれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行する(Sa14)。その後、割込を許可し(Sa15)、設定値を変更可能な設定変更状態に制御される設定変更処理に移行し(Sa16)、新たに設定値が設定されることにより設定変更処理が終了した後、ゲーム処理に移行する。
Sa13のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM正常フラグの設定の有無に基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定し(Sa17)、RAM41cのデータが正常でないと判定された場合には、Sa14のステップと同様の初期化1を実行してRAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化し(Sa18)、割込を許可する(Sa19)。そして、RAM異常を示すエラーコードを設定し(Sa20)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。RAM異常エラーは、通常のエラーと異なり、新たに設定値が設定されるまでゲームを進行可能な状態には復帰することがない。
Sa17のステップにおいてRAM41cのデータが正常であると判定された場合には、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行う(Sa21)。その後、スタックポインタを電断前の状態に復帰し(Sa22)、パラレル入力ポート511に入力された各種スイッチ類等の検出信号の入力状態が格納される入力バッファを初期化する(Sa23)。
次いで、電断前の状態において停止操作が有効であったか否かをRAM41cのデータに基づいて判定する(Sa24)。Sa24のステップにおいて、電断前の状態において停止操作が有効であったと判定された場合には、停止操作を一時的に無効化するための無効化フラグをRAM41cに設定し(Sa25)、電断前の状態で有効な状態であった停止操作の受付を無効化する(Sa26)。
そして、Sa26のステップにおいて停止操作の受付を無効化した後、及びSa24のステップにおいて電断前の状態において停止操作が有効でなかったと判定された場合には、パラレル出力ポート513の出力状態を電断前の制御状態に復帰し(Sa27)、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa28)、割込を許可して(Sa29)、電断前の最後に実行していたゲーム処理における処理に戻る。この際、電断前の状態で、リールモータを駆動する制御を行っていた場合には、電断時の励磁パターン、かつ電断時の励磁状態からリールモータを駆動する制御を再開する。
このように起動処理(メイン)では、スロットマシン1の電源が投入された際に、電断前の制御状態に復帰可能な場合には、電断前の制御状態に復帰する。特に、電断前の状態で、リールモータを駆動する制御を行っていた場合には、電断時の励磁パターン、かつ電断時の励磁状態からリールモータを駆動する制御を再開する。一方、電断前の制御状態において停止操作が有効であったか否かを特定し、電断前の制御状態において停止操作が有効であった場合には、電断前の制御状態において有効であった停止操作を一時的に無効化するための無効化フラグを設定することで、電断前の制御状態において停止操作が有効であった停止操作の受付を無効化するようになっている。
図45は、メイン制御部41が実行するゲーム処理の内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)が順に実行され、ゲーム終了時処理が終了すると再びBET処理から順に実行される。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づいてクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
次に、メイン制御部41が上述のゲーム処理のSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容について図46に基づいて説明する。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Si1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Si1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定し(Si2)、全リールについて停止制御テーブルを設定するテーブル設定処理を行う(Si3)。
Si3のステップにおけるテーブル設定処理が完了した後、各リールモータの回転開始時の設定を行い、上述のリール始動時のパターンで各リールモータを励磁させて各リールの回転を開始させる(Si4)。
そして、回転中の全リールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行するか、リールの回転異常が検出されるまで待機する(Si5〜Si8、Si10〜Si11)。
Si5のステップでは、回転中のリールについてリールセンサ33L、33C、33Rの出力に基づいてリール基準位置が検出された否かを判定し、いずれかのリールのリール基準位置が検出された場合には、当該リールを再始動させる制御を行った回数を計数するリール再始動カウンタを初期化して0に戻す(Si6)。Si6のステップの後、リール基準位置が検出されたリールについて定速回転に移行したか否かを判定する(Si7)。定速回転に移行したか否かは、リール回転開始時からのステップ数が、定速回転へ移行するのに必要なステップ数以上であるか否かにより判定する。
Si7のステップにおいて定速回転に移行したと判定した場合には、回転中の全リールについてリール基準位置が検出されたか否かを判定し(Si8)、回転中の全リールについてリール基準位置が検出されていない場合には、Si5のステップに戻り、回転中の全リールについてリール基準位置が検出されている場合、すなわち回転中の全リールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行している場合には、停止操作の受付を有効化する(Si9)。
Si5のステップにおいて、リール基準位置が検出されなかった場合には、回転中のリール毎に回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数(本実施例では、400ステップであり、リールが1周するために要する336ステップよりも大きな値に設定されている。)以下か否かを判定し(Si10)、いずれかのリールについてリール基準位置が検出されずに回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、リールの回転異常として、該当するリールのリール再始動カウンタが3未満か否かを判定する(Si11)。
Si11のステップにおいて、リール再始動カウンタが3未満である場合には、リール基準位置が検出されることなく回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えたリールのリールモータについては、その時点での励磁パターンを一旦クリアしてリール始動時の励磁パターンを新たに設定することで、Si4のステップと同様にリール始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態を変化させて当該リールを再始動させる(Si12)とともに、当該リールのリール再始動カウンタに1加算して、Si5のステップに戻る。その後、再始動されたリールが正常に回転された場合には、Si5においてリール基準位置が検出されることとなる。
また、Si5のステップでは、複数のリールが回転中である場合には、各リールについてリール基準位置が検出されたか否かを判定し、Si10のステップにおいてリール基準位置が検出されなかったリールについて、順次ステップ数が所定ステップ数以下か否かを判定して、回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、他のリールについてリール基準位置が検出されることなく回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えたか否かに関わらず、Si12のステップにおいて当該リールから順次リール始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態を変化させて再始動の制御を行う。一方で、Si12のステップにて再始動されたリールが正常に回転されなかった場合には、Si5においてリール基準位置が検出されることがなく、当該リールを再始動させる制御(Si12)及びリール再始動カウンタに1加算する制御(Si13)を繰り返し行う。そして、Si11のステップにおいてリール再始動カウンタが3以上となった場合、すなわち同一のリールについてリールを再始動させる制御が3回繰り返し実行されたものの当該リールが正常に回転されなかった場合には、全てのリールの回転を停止させて(Si25)、リール回転エラーを示すコード設定し(Si26)、ゲームを進行させないように不能化するエラー状態に制御し(Si32)。その後、所定のクリア操作により当該エラー状態が解除されると、再びSi4のステップに戻り、リールの回転を再開させる。
Si9のステップにおいて停止操作の受付が有効化されると、回転中のリールについて停止操作が検出されるか、リールの回転異常等が検出されるまで待機する(Si14〜16、Si19〜Si20、Si23、Si24)。
Si14のステップにおいて、回転中のリールの停止操作が検出されなかった場合には、回転中のリールについてリール基準位置が検出されたか否かを判定し(Si15)、回転中のいずれかのリールのリール基準位置が検出されなかった場合には、前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数以下であるか否かを判定し(Si23)、リール基準位置が検出されることなく前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、回転中の全てのリールの停止操作の受付を無効化したうえで(Si24)、Si12のステップに戻り、当該リールを再始動させる。
また、Si15のステップでは、複数のリールが回転中である場合には、各リールについてリール基準位置が検出されたか否かを判定し、Si23のステップにおいてリール基準位置が検出されなかったリールについて、順次ステップ数が所定ステップ数以下か否かを判定して、前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、他のリールについてリール基準位置が検出されることなく前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えたか否かに関わらず、Si12のステップにおいて当該リールから順次リール始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態を変化させて再始動の制御を行う。
その後、回転中の全リールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行している場合には、停止操作の受付を有効化された場合には、再び回転中のリールについて停止操作が検出されるか、リールの回転異常等が検出されるまで待機する(Si14〜16、Si19〜Si20、Si23、Si24)。一方、リールを再始動させる制御が3回繰り返し実行されたものの当該リールが正常に回転されなかった場合には、全てのリールの回転を停止させて(Si25)、リール回転エラーを示すコード設定し(Si26)、エラー状態に制御し(Si32)。その後、所定のクリア操作により当該エラー状態が解除されると、再びSi4のステップに戻り、リールの回転を再開させる。
Si18のステップにおいては回転中投入エラー(リール回転中、すなわちメダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し、Si19のステップにおいては回転中払出エラー(リール回転中、すなわちメダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し、Si19、Si20のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Si14のステップに戻る。
Si19のステップにおいて回転中投入エラーの発生が判定された場合、またはSi20のステップにおいて回転中払出エラーが判定された場合には、リールの回転を一時的に停止し(Si21)、リール回転中投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Si22)、エラー状態に制御し(Si32)。その後、所定のクリア操作により当該エラー状態が解除されると、再びSi4のステップに戻り、リールの回転を再開させる。
Si15のステップにおいて、いずれかのリールのリール基準位置が検出された場合には、RAM41cを参照して上述の起動処理(メイン)により無効化フラグが設定されているか否かを判定し(Si16)、無効化フラグが設定されている場合には、回転中の全てのリールについてリール基準位置が検出されるか、リールの回転異常が検出されるまで待機し(Si15〜Si17、Si23)、Si17のステップにおいて回転中の全てのリールについてリール基準位置が検出された場合には、回転中のリールに対応する停止操作を有効化し(Si18)、上述の無効化フラグをクリアする。
一方、Si15のステップにおいて回転中のいずれかのリールのリール基準位置が検出されなかった場合には、前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数以下であるか否かを判定し(Si23)、リール基準位置が検出されることなく前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、回転中の全てのリールの停止操作の受付を無効化したうえで(Si24)、Si12のステップに戻り、当該リールを再始動させる。その後、回転中の全リールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行して停止操作の受付を有効化された場合には、再び回転中のリールについて停止操作が検出されるか、リールの回転異常等が検出されるまで待機する(Si14〜16、Si19〜Si20、Si23、Si24)。一方、リールを再始動させる制御が3回繰り返し実行されたものの当該リールが正常に回転されなかった場合には、全てのリールの回転を停止させて(Si25)、リール回転エラーを示すコード設定し(Si26)、エラー状態に制御し(Si32)。その後、所定のクリア操作により当該エラー状態が解除されると、再びSi4のステップに戻り、リールの回転を再開させる。
また、Si14のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出された場合には、停止操作に対応するリールのリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止操作位置をRAM41cに設定して(Si27)、当該リールの停止操作の受付を無効化し(Si28)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Si29)。
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、全てのリールが停止したか否かを判定し(Si30)、全てのリールが停止していなければ、テーブル設定処理を実行し、回転中のリール毎に停止制御テーブルを再度設定したうえで(Si31)、Si14のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、ゲーム処理の制御(図45のフローチャート)に復帰する。
このように、本実施例のリール回転処理では、リールの回転を開始させた後、全てのリールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することでリールの停止操作の受付を有効化する。一方、停止操作の受付が有効化される前に、いずれかのリールについてリール基準位置が検出されることなく、回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、当該リールについてリール始動時の励磁パターンによりリールモータの励磁状態を再度変化させることでリールを再始動させる再始動制御を行い、3回にわたり再始動制御を行っても、回転開始からのステップ数が所定ステップ数以内でリール基準位置が検出されない場合には、リールの回転を停止し、エラー状態に制御して遊技の進行を不能化する。
また、停止操作の受付が有効化された後、いずれかのリールについてリール基準位置が検出されることなく、前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、全てのリールの停止操作の受付を無効化し、当該リールを再始動させる再始動制御を行い、その結果、当該リールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することでリールの停止操作の受付を有効化する。一方で、3回にわたり再始動制御を行っても、回転開始からのステップ数が所定ステップ数以内でリール基準位置が検出されない場合には、リールの回転を停止し、エラー状態に制御して遊技の進行を不能化する。
また、停止操作の受付が有効化された状態で、電断して復帰した場合には、全リールのリール基準位置が検出されるまで待機し、全リールのリール基準位置が検出された場合には、停止操作の受付を有効化する。また、いずれかのリールについてリール基準位置が検出されることなく、前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、全てのリールの停止操作の受付を無効化し、当該リールを再始動させる再始動制御を行い、その結果、当該リールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することでリールの停止操作の受付を有効化する。一方で、3回にわたり再始動制御を行っても、回転開始からのステップ数が所定ステップ数以内でリール基準位置が検出されない場合には、リールの回転を停止し、エラー状態に制御して遊技の進行を不能化する。
また、複数のリールが回転中である状態において、いずれかのリールについて回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、他のリールについてリール基準位置が検出されることなく前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えたか否かに関わらず、当該リールから順次リール始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態を変化させてリールの回転を開始させるようになっている。
次に、メイン制御部41により実行される電断処理(メイン)の制御内容について図47に基づいて説明する。
メイン制御部41は、上述の起動処理(メイン)が実行された後、後述のゲーム処理を実行し、当該ゲーム処理を実行している間に、タイマ割込処理(メイン)において電断を検出したことに応じて電断処理(メイン)を実行する。
電断処理(メイン)においては、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sm1)。
次いで、破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))をセットして(Sm2)、パラレル出力ポート513を初期化する(Sm3)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してRAM41cにセットし(Sm4)、RAM41cへのアクセスを禁止し(Sm5)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電圧低下信号の出力状況を監視した状態で待機する(Sm6)。この状態で、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理(メイン)からプログラムをスタートさせる。一方、電圧低下信号が入力されたまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。
以上の処理によって、AC100Vの電力供給が停止される場合には、電断処理(メイン)が実行され、電断前のレジスタがスタック領域に退避されるとともに、RAM41cの内容も保持されるため、スロットマシン1への電力供給が再開された際に実行される起動処理(メイン)において、電断前の制御状態に復帰させることが可能となる。さらに電断前の制御状態において停止操作が有効であったか否も特定できるようになっている。
本実施例では、図48(a)に示すように、停止状態にある各リールモータをリール始動時の励磁パターンにより励磁状態を変化させることで、各リールの回転が開始され、リールが正常に回転している場合には、少なくとも1周することでリール基準位置が検出されることとなる。そして、回転中の全てのリールについて、リール基準位置が検出され、かつ定速回転パターン移行することにより、回転中のリールの停止操作の有効化条件が成立する。この有効化条件の成立に伴って、回転中のリールの停止操作の受付が有効化され、この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、停止操作が有効に受け付けられて該当するリールの停止制御が行われることとなる。一方、図48(b)に示すように、停止状態にある各リールモータ32L、32C、32の回転を開始させた後、いずれか少なくとも1つのリールについて、リール基準位置が検出されることなく、回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数がリール1周分を超える所定ステップ数を超えた場合には、当該リールが回転異常の状態であると判断され、該当リールについては、再度、リール始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態を変化させてリールの回転が再始動させる再始動制御が行われる。そして、再度リール始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態の変化を開始させてからのステップ数が所定のステップ数以内にリール基準位置が検出され、全てのリールについて、リール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することにより、回転中のリールの停止操作の有効化条件が成立して、停止操作の受付が有効化されることとなる。
また、図49に示すように、停止操作の受付が有効化された状態において、リールが正常に回転しなくなり、回転中のリールについてリール基準位置が検出されることなく、前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、当該リールが回転異常の状態であると判断され、全てのリールについて停止操作の受付が無効化されて、リール基準位置が検出されないリールについては、再度、リール始動時の励磁パターンからリールモータの励磁状態を変化させることで、当該リールの回転が再始動される。そして、再度リール始動時の励磁パターンによりリールモータの励磁状態の変化を開始させてから所定ステップ数以内にリール基準位置が検出され、全てのリールについて、リール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することにより、回転中のリールの停止操作の有効化条件が成立して、回転中のリールの受付が有効化されることとなる。
また、図50に示すように、停止操作の受付が有効化された状態において、リールが正常に回転しなくなり、当該リールのリール基準位置が検出されることなく、当該リールのリールモータの励磁状態を変化させるステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、当該リールが回転異常の状態であると判断され、全てのリールについて停止操作の受付が無効化され、リール基準位置が検出されないリールについては、再度、リール始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態を変化させることで、当該リールの回転が再始動されることとなる。そして、当該リールについて連続して最大3回、再始動させたにもかかわらず、所定ステップ数以内にリール基準位置が検出されなかった場合には、回転中の全てのリールが停止されるとともにエラー制御を開始して、ゲームの進行を不能化させる。
また、図51(a)に示すように、停止操作の受付が有効な状態で生じた電断から復帰した際には、電断時の励磁パターンであり、かつ電断時の励磁状態から復帰することとなるが、電断復帰時から停止操作の受付が無効となる。その後、リールが正常に回転されて、回転中の全てのリールについて前回リール基準位置が検出されてからの所定ステップ数以内にリール基準位置が検出されることにより、回転中のリールの停止操作の有効化条件が成立する。この有効化条件の成立に伴って、回転中のリールの停止操作の受付が有効化され、この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、停止操作が有効に受け付けられて該当するリールの停止制御が行われることとなる。一方、図51(b)に示すように、リールモータのトルクが足りず、リールが正常に回転しない場合等、いずれかのリールについてリール基準位置が検出されることなく、前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、当該リールが回転異常の状態であると判断され、該当リールについては、再度、リール始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態を変化させられることで、リールの回転が再始動される。そして、全てのリールについて、リール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することにより、回転中のリールの停止操作の有効化条件が成立して、回転中のリールの受付が有効化されることとなる。
また、複数のリールが回転中である状態において、いずれかのリールについて回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合には、他のリールについてリール基準位置が検出されることなく前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えたか否かに関わらず、当該リールから順次リールが再始動されるようになっており、例えば、複数のリールについて、異なるタイミングでリールの回転異常が生じた場合でも、後に回転異常が判断されたリールの再始動を待たずに、先に回転異常が判断されたリールから順次再始動されることとなる。
本実施例のメイン制御部41は、リールの回転が開始された後、回転中の全てのリールについてリール基準位置及び定速回転が検出されることで停止操作の有効化条件が成立したときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rによる回転中のリールの停止操作を受け付ける停止操作が有効な状態となる一方で、リールの回転が開始された後、リール基準位置が検出されることなく、回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が1周分を超える所定ステップ数を超えた場合には、リールの回転異常と判断されるようになっている。
このような構成において、リールの回転異常が1度でも生じた場合に、リールの回転異常と判断して、エラー状態として遊技の進行を不能化してしまうと、一時的にリールの回転が滞ったのみで、その後正常回転させることが可能となる状況でも、遊技の進行が不能化されてしまうこととなり、遊技を円滑に進行させることに支障をきたすという問題がある。
これに対して、本実施例では、リールの回転が開始された後、回転中の全てのリールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行しており、停止操作の有効化条件が成立した状況において、リールの回転異常と判断されたときに、リール始動時の励磁パターンによりリールモータの励磁状態を再度変化させることでリールを再始動させる再始動制御を行うので、回転異常と判定される度に、遊技の進行が不能化されることがなく、遊技を円滑に進行させることができる。
また、回転異常と判断されてから、再始動制御を行った後に停止操作の有効化条件が成立するまでの期間においては停止操作の受付を無効化するので、リールの回転が正常でない状況でリールの停止制御が実行されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、停止操作の有効化条件が成立した状態で電断が生じて電力供給が停止された後、電力供給が再開されて電断から復帰したときに、電断前の制御状態からリールモータの励磁状態を変化させる制御を再開することとなるが、その後、リール基準位置が検出されることで正常回転が特定された場合には、そのときから停止操作の受付を有効化するため、瞬停などが発生しても、回転中のリールについて正常回転が維持されていれば、電力供給が再開されて直ぐに遊技を進行させることが可能となる。
また、停止操作の有効化条件が成立した状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、リールを回転させるためのトルクが足りず、リールが回転されないために回転異常と判定されても、当該リールについて再始動制御が行われ、すぐに遊技の進行が不能化されることがないため、遊技を円滑に進行させることができる。
また、このような場合には、電力供給が再開されたときから、リールの回転異常と判定されて再始動制御が行われた後に、回転中の全てのリールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することで有効化条件が成立するまでの期間においては、停止操作の受付を無効化するので、電力供給が再開した後、リールが正常回転であるかが不明な状況においてリールの停止制御が実行されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、リール基準位置が検出され、かつリールの回転が定速回転に移行することで、停止操作の有効化条件が成立したと判断するようになっており、リールが定速回転に到達していないにも関わらず、停止操作により回転中のリールの停止制御が実行されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態を変化させる再始動制御の後、リール基準位置が検出されず、停止操作の有効化条件が成立しない場合に、再始動制御を繰り返し実施し、再始動制御を所定回数(本実施例では3回)行っても停止操作の有効化条件が成立しない場合に、エラー状態に制御して遊技を不能化するようになっており、再始動制御によってもリールが正常回転とならない場合、すなわち再始動制御では、問題を解決できない状況であれば、遊技を不能化させることができる。
また、本実施例では、停止操作の有効化条件が成立した状態で複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合に、回転異常が判定されたリールから順次再始動制御を行うようになっており、複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合でも、各リールを極力早い段階で正常回転とすることができる。
尚、本実施例では、メイン制御部41が、停止操作の有効化条件が成立した状態で複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合に、回転異常が判定されたリールから順次再始動制御を行う構成であるが、例えば、いずれかのリールの回転異常が判定された場合に、残りのリールの回転異常が判定され得る期間(所定ステップ数分の期間)が経過するまで、再始動制御を遅延させる構成、すなわち停止操作の有効化条件が成立した状態で複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合に、最も早く回転異常が判定されたリールの再始動制御を、最も遅く回転異常が判定されたリールの再始動制御まで遅延させる構成としても良く、このような構成とすることで、複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合にも、回転異常が判定された複数のリールを同じタイミングで再始動させることができるので、再始動時の見栄えが良くなる。
また、本実施例では、リール基準位置が検出されることなく、回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数がリール1周を超える所定ステップ数(400ステップ)を超えた場合に、リールの回転異常を特定する構成であるが、当該所定ステップ数は、リールが1周するために要するステップ数よりも大きな値、すなわち、リールが正常回転している場合にリール基準位置が検出されるまでに要するステップ数よりも大きな値であれば良い。
また、本実施例では、リール基準位置が検出されることなく、回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合に、当該リールを再始動させる制御を所定回数(本実施例では3回)行っても停止操作の有効化条件が成立しない場合に、リール回転異常と判定して遊技を不能化する構成であるが、停止操作の有効化条件が成立しない場合に、リールを再始動させる制御を少なくとも1回以上行う構成であれば、頻繁に遊技が不能化されることを防止することができる。
また、本実施例では、回転開始後、リール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することで停止操作の受付が有効化される構成であるが、少なくともリール基準位置が検出されることで停止操作の受付が有効化される構成であれば良い。
また、本実施例では、リール回転開始時からのステップ数が、定速回転へ移行するのに必要なステップ数以上であるか否かにより定速回転に移行したか否かを判定する構成であるが、リール基準位置が検出され、次回リール基準位置が検出されるまでのステップ数または時間に基づいて一定速度を満たすか否かを判定することにより、定速回転に移行したか否かを判定する構成としても良い。
次に本実施例のリール2L、2C、2Rの構造について説明する。図52(a)は、リール2L、2C、2Rの断面図であり、図52(b)は、図52(a)におけるA−A断面図である。
図52(a)に示すように、リール2L、2C、2Rは、外周をなす外リールシート400と、外リールシート400の内周に貼着されたレンチキュラシート410と、レンチキュラシートの内周に貼着された内リールシート420と、から構成される。
外リールシート400には、透過領域401と、非透過領域402と、が形成されており、非透過領域402には図柄が描かれている。レンチキュラシート410は、透過性を有する部材であり、図52(b)に示すように、リールの周方向に断面視U字状の突部が複数形成されている。
内リールシート420の外周において、外リールシート400における透過領域401に対応する位置には、レンチキュラシート410の突部に沿って交互に異なる複数の図柄が描かれており、レンチキュラシート410を透したときに視差を利用して立体的に図柄が見えるようになっている。尚、レンチキュラシート410を透したときに視認する方向によって異なる図柄が見えるようにしても良い。
このように本実施例では、外リールシート400のうち透過領域401では、内リールシート420に描かれた図柄が立体的に見えるのに対して、非透過領域402では、外リールシート400に描かれた図柄が見えるので、全ての図柄を立体的に見せるのではなく、一部の図柄のみ立体的に見せることで、立体的に見せる図柄をより際立たせることができる。
また、本実施例では、外リールシート400の内周の全周にわたってレンチキュラシート410及び内リールシート420が貼着されているので、重心がリールの回転軸の中心からずれてしまうことがなく、回転にばらつきが生じることを防止できる。
尚、本実施例では、外リールシート400の内周の全周にわたってレンチキュラシート410及び内リールシート420が貼着されている構成であるが、図52(c)に示すように、外リールシート400の透過領域401に対応する位置にのみ、その内周にレンチキュラシート410’及び内リールシート420’を貼着する構成としても良い。このような構成においては、レンチキュラシート410’及び内リールシート420’が貼着された位置が他の位置よりも重くなってしまうことから、重心がリールの回転軸の中心に位置するように非透過領域402の内周に重り430を設けることが好ましく、これにより重心がリールの回転軸の中心からずれてしまうことがなく、回転にばらつきが生じることを防止できる。
また、本実施例では、一部の図柄がレンチキュラシート410を透して立体的に見える構成、すなわち視認方向や視差によって見え方が変化する構成であるが、レンチキュラシート410を用いず、全ての図柄が視認方向や視差によって見え方が変化しない図柄によって構成されていても良い。
図53は、メイン制御部41におけるアドレスマップの一例を示している。メイン制御部41が管理するメモリ領域は、図53に示すように、ROM41bに割り当てられたROM領域と、RAM41cに割り当てられたRAM領域と、を含む。
さらにROM領域は、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが用いる遊技データが記憶される遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが記憶される非遊技データ領域と、未使用領域と、を含む。
尚、遊技の進行とは、遊技を構成する一連のプロセスを進行させることであり、スロットマシンであれば、賭数を設定してゲームを開始可能とする段階、ゲームを開始してリールを回転させる段階、リールを停止させて表示結果を導出させる段階、表示結果に応じてメダル等の価値を付与する段階を進行させることである。
遊技プログラム領域と遊技データ領域、非遊技プログラム領域と非遊技データはそれぞれ連続するアドレス領域に割り当てられており、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、は未使用領域を挟んで連続しないアドレス領域に割り当てられている。
また、RAM領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、遊技RAM領域の未使用領域1と、非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、非遊技RAM領域の未使用領域2と、未使用スタック領域と、使用中スタック領域と、を含む。
遊技RAM領域と非遊技RAM領域とは未使用領域を挟んで連続しないアドレス領域に割り当てられている。
以下では、遊技プログラム領域、遊技データ領域及び遊技RAM領域をまとめて遊技領域と称す場合があり、非遊技プログラム領域、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域をまとめて非遊技領域と称す場合がある。また、未使用領域1及び未使用領域2をまとめて未使用領域と称す場合がある。
遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わるプログラムであり、当該プログラムに基づく処理を実行しないと、遊技の進行に支障をきたす処理を実行するためのプログラムである。
一方、非遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わらないプログラムであり、遊技プログラムから呼び出されて当該プログラムに基づく処理が実行されずに遊技プログラムに復帰した場合でも、遊技を進行させることが可能な処理を実行するためのプログラムである。
遊技プログラムは、図54に示すように、遊技プログラムだけに含まれる遊技専用プログラムと、遊技プログラム及び非遊技プログラム双方に含まれる共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む。
遊技専用プログラムは、例えば、BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理、外部出力1処理を含む。BET処理は、1ゲームの制御の終了後、メダルの投入等により賭数を設定し、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されることでゲームを開始させるための処理であり、内部抽選処理は、内部抽選を行い、当選フラグの設定等を行う処理であり、リール回転処理は、リールの回転を開始し、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることでリールを停止させるための処理であり、払出処理は、停止したリールの停止位置に応じて入賞が発生したか否かを判定し、メダルの払出、再遊技の設定、遊技状態の移行等を行うための処理であり、外部出力1処理は、外部出力信号のうちメダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、RT中信号の出力制御を行うための処理である。また、特に図示しないが、遊技プログラムは、前述のATに関連する処理(ATに係る抽選やナビ報知に係る制御等)、前述の内部当選コマンドを送信する処理も含む。
遊技プログラムにおける共通判定プログラムは、例えば、投入判定処理、払出判定処理を含む。投入判定処理は、投入メダルセンサ31によるメダルの正常な通過であるか否かを判定する処理であり、賭数の設定等のためにメダルの投入が可能な状態において実行される処理である。払出判定処理は、払出センサ34cによるメダルの正常な通過であるか否かを判定する処理であり、小役の入賞時やクレジットの精算時にメダルの払出が許可されている状態において実行される処理である。
遊技プログラムにおける共通汎用プログラムは、遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、例えば、カウンタ更新処理、ポート入力処理、データ変換処理、LED表示処理、データ設定処理、コマンド設定処理を含む。カウンタ更新処理は、指定されたカウンタ値を更新するための処理であり、ポート入力処理は、指定されたポートの入力状態を取得する処理であり、データ変換処理は、遊技データを用いて入力されたデータを変換して出力する処理であり、LED表示処理は、指定された値をLEDに表示させるために設定する処理であり、データ設定処理は、指定されたデータを設定する処理であり、コマンド設定処理は、指定されたコマンドをコマンドキューに設定する処理である。
非遊技プログラムは、図54に示すように、非遊技プログラムだけに含まれる非遊技専用プログラムと、遊技プログラムと同じ共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む。
非遊技専用プログラムは、例えば、試験信号出力処理、異物検知処理、ドア監視処理、外部出力2処理、投入メダルエラー判定処理、払出メダルエラー判定処理、起動処理、設定値異常確認処理、エラー処理を含む。試験信号出力処理は、遊技の結果に関連して発生する試験信号を出力するための処理であり、異物検知処理は、投入口センサ26によるメダル通路内の異物を検知するための処理であり、ドア監視処理は、前面扉1bの開放を検知するための処理であり、外部出力2処理は、外部出力信号のうちセキュリティ信号(ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号)の出力制御を行うための処理であり、投入メダルエラー判定処理は、投入メダルセンサ31の検出状況に基づいて投入メダルの逆流検知、メダルセレクタ29内のメダル詰り検知、メダルセレクタ29内の異物検知を行うための処理であり、払出メダルエラー判定処理は、払出センサ34cの検出状況に基づいて払出メダルの逆流検知、払出口付近のメダル詰り検知、払出口付近の異物検知を行うための処理であり、起動処理は、電源投入時においてゲームを可能な状態とするための処理(乱数異常確認、RAM異常確認、バックアップ異常確認、レジスタ初期化等)であり、設定値異常確認処理は、設定値が正常な範囲の値であるか否かを判定するための処理であり、エラー処理は、各種の異常(メダルの投入異常、メダルセレクタ29内の異物検知、リール回転異常、メダルの払出異常、払出口付近の異物検知、RAM異常、設定値異常、ホッパータンク34aの空、オーバーフロータンク35の満タン検知等)が検知された場合に遊技を不能化するための処理である。
非遊技プログラムにおける共通汎用プログラムは、非遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、遊技プログラムにおける共通汎用プログラムと同様に、例えば、カウンタ更新処理、ポート入力処理、データ変換処理、LED表示処理、データ設定処理、コマンド設定処理を含む。
特に、非遊技プログラムは、上述のように異常が検知された場合に、異常の種別に応じた解除条件(乱数異常、RAM異常、バックアップ異常、設定値異常の場合は、設定値の再設定、それ以外の異常の場合はリセット操作)が成立するまで遊技の進行を不能化するエラー処理を含む。
また、非遊技プログラムは、遊技の進行に係わらない検知手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)の検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理を含む。
また、非遊技プログラムは、複数の制御状態(BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理)のうち特定の制御状態においては、遊技の進行に係わる検知手段として機能し、他の制御状態においては、遊技の進行に係わらない検出手段として機能する検出手段(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)が、遊技の進行に係わらない制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理(例えば、リール回転中のメダルの投入やメダルの払出が検出されたことによる異常を検知するための投入メダルの検出処理や払出メダルの検出処理)を含む。尚、このような判定処理は、遊技プログラムにおいて遊技の進行に係わる制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理と同じ処理であるため、共通判定プログラムに該当する。
尚、遊技プログラムに含まれる処理のうち、外部出力1処理、BET処理においてメダルの投入数を計数する処理、流路切替ソレノイド30を切り替える処理、払出処理においてメダルの払出数を計数する処理、ホッパータンク34aが空になったことを検知する処理、ソフトウェア乱数を更新する処理、ATに関連する処理、内部当選コマンドの送信処理等、ゲームの進行に直接的には関連しないものであればこれらの処理の全部または一部が非遊技プログラムに含まれる構成であっても良い。一方で、非遊技プログラムに含まれる処理のうち起動処理、設定値異常確認処理等、遊技の進行に間接的に関連するものであればこれらの処理の全部または一部が遊技プログラムに含まれる構成であっても良い。
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、図55に示すように、遊技プログラムに基づく処理において非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムに基づく処理を実行し、非遊技プログラムに基づく処理の終了後、遊技プログラムに基づく処理に復帰する。
CPU41aは、図56に示すように、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、CPU41aが演算に用いる演算用のレジスタ(A、F、BC、DE、HLレジスタ、以下では、演算用のレジスタを単にレジスタと称す)の値を全てスタック領域に退避し、遊技プログラムが使用していたデータを保護する。そして、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後、スタック領域に退避していた値をレジスタに復帰し、その後、遊技プログラムに基づく処理に復帰するようになっている。
尚、本実施例では、遊技プログラムが使用していたレジスタの値をスタック領域に退避することで保護する構成であるが、表レジスタと裏レジスタの値を変更することで遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護する構成としても良い。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させる構成であるが、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良い。
図55に示すように、CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。
また、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
また、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされている。また、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域は、連続するアドレス領域に割り当てられることが好ましいが、一部または全部が連続しないアドレス領域に割り当てられる構成であっても良い。
ただし、起動処理におけるRAM異常確認、バックアップ異常確認、RAM41cの初期化、後述する電断処理は、非遊技プログラムに含まれるが、これらの処理は例外として、RAM41cの全領域へのアクセスが可能とされている。
また、本実施例では、メイン制御部41のIAT回路506aが監視する指定エリアとして、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がそれぞれ別個に設定されており、これら指定エリアとして設定された遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域以外でユーザプログラムが実行された場合に、IAT回路506aがIAT発生信号を出力するようになっている。そして、CPU41aは、IAT発生信号が出力された場合に、エラー状態に制御し、遊技を不能化するようになっている。この場合は、通常のエラーと異なり、新たに設定値が設定されるまでゲームを進行可能な状態には復帰することがない。
尚、本実施例では、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域が未使用領域を挟んで連続しないアドレス領域に割り当てられているが、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域が連続するアドレス領域に割り当てられている場合でも、IAT回路506aが監視する指定エリアとして、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がそれぞれ別個に設定されていることが好ましい。
このように本実施例では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが参照する遊技データが読み出し可能に記憶される遊技データ領域と、遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技データ領域と、非遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技データ及び遊技プログラムのワークデータと、非遊技プログラム、非遊技データ及び非遊技プログラムのワークデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データ領域と、を分けることで、それぞれの機能に応じてROM41bに占める領域をコンパクトに管理することができるため、各領域において該当するデータを特定することがさらに容易となる。
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照することが可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、遊技プログラムを実行するにあたり、非遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができ、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を更新することは不可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされているので、遊技プログラムが非遊技RAM領域において参照可能なデータ、非遊技プログラムが参照可能なデータが特定の領域に制限されているため、遊技プログラムまたは非遊技プログラムの参照先を容易に特定することができる。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、異常が検知された場合に、異常の種別に応じて解除条件が成立するまで遊技の進行を不能化するエラー処理を含むため、非遊技プログラムにおける処理で異常等が検知されたときにそのまま遊技が進行してしまうことを防止できる。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、遊技プログラムに含まれる共通判定プログラム(例えば、投入判定処理、払出判定処理)と同じ内容の共通判定プログラムを含むため、遊技プログラム及び非遊技プログラムが互いの結果に影響を及ぼさずに同様の判定を行うことができる。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、非遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、遊技プログラムに含まれる共通汎用プログラムと同様の共通汎用プログラムを含むため、処理内容が同じ共通汎用プログラムであっても遊技プログラムと非遊技プログラムとでそれぞれ備えるため、処理内容が同じ共通汎用プログラムであっても遊技プログラムに含まれるものか非遊技プログラムに含まれるものかを容易に特定することができる。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、遊技の進行に係わらない検知手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)の検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理を含むため、遊技の進行に係わらない検知手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで遊技プログラムが複雑となってしまうことがない。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、複数の制御状態(BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理)のうち特定の制御状態においては、遊技の進行に係わる検知手段として機能し、他の制御状態においては、遊技の進行に係わらない検出手段として機能する検出手段(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)が、遊技の進行に係わらない制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理(例えば、リール回転中のメダルの投入やメダルの払出が検出されたことによる異常を検知するための投入メダルの検出処理や払出メダルの検出処理)を含むため、上記のような検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況では、当該検出手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで、当該検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況においても検出手段の検出結果を利用できるうえに、遊技プログラムが必要以上に複雑となってしまうことがない。
また、本実施例では、遊技プログラムが非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムを実行する際に、遊技プログラムが実際に使用していたレジスタであるか否かに関わらずレジスタの全ての領域を保護する処理が行われるため、遊技プログラムに復帰する際に、非遊技プログラムが呼び出された時点の状態から確実に復帰することができる。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させるようになっているため、遊技プログラムの容量を削減することができる。
尚、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良く、このような構成とすることで、非遊技プログラムの呼び出し前にレジスタの保護処理が行われ、非遊技プログラムからの復帰後にレジスタの復旧処理が行われるため、非遊技プログラムによってレジスタに記憶されたデータが遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
また、本実施例では、メイン制御部41のIAT回路506aが監視する指定エリアとして、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がそれぞれ別個に設定されており、これら指定エリアとして設定された遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域以外でユーザプログラムが実行された場合に、IAT回路506aがIAT発生信号を出力するようになっている。そして、CPU41aは、IAT発生信号が出力された場合に、エラー状態に制御し、遊技を不能化するようになっている。また、IAT回路506aが監視する指定エリアとして、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がそれぞれ別個に設定されているので、遊技プログラム領域の遊技プログラムや非遊技プログラム領域の非遊技プログラムが変更された場合でも指定領域として設定された記憶領域を簡単に再設定することができる。
次に、メイン制御部41が、電源投入に伴う起動時またはリセット信号の入力に伴う再起動時に実行する起動処理及び電断を検出したときに実行する電断処理について説明する。尚、本実施例において起動処理及び電断処理は、非遊技プログラムに含まれる。
図57に示すように、起動処理では、まず割込を禁止に設定して(Sd1)、パラレル出力ポート513を初期化し(Sd2)、内蔵レジスタを初期化する(Sd3)。次いで電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否か、すなわち電圧が不安定な状態か否かを判定し(Sd4)、電圧低下信号が検出されている場合には、電圧低下信号が検出されなくなるまで待機する。
ステップSd4において電圧低下信号が検出されない場合には、乱数回路の異常を判定する乱数異常確認処理を行い(Sd5)、割込発生時に実行するプログラムのアドレスをIレジスタに設定して(Sd6)、RAM41cへのアクセスを許可し(Sd7)、さらにスタックポインタを設定する(Sd8)。
次いで、RAM41cの遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域1を含む)のRAMパリティ(以下、RAMパリティ1と称す)及び非遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域2及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティ(以下、RAMパリティ2と称す)、スタック領域(未使用スタック領域及び使用中スタック領域)のRAMパリティ(以下、RAMパリティ3と称す)を計算し(Sd9)、RAMパリティ1〜3が0か否かを判定する(Sd10)。後述のように前回の電源遮断時に正常に電断処理が行われていれば、RAMパリティ1〜3がいずれも0になるはずであるので、Sd10のステップにおいてRAMパリティ1〜3のいずれか1つでも0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、ステップSd14に進む。
一方、Sd10のステップにおいてRAMパリティ1〜3が0であれば、更に遊技RAM領域に格納されている破壊診断用データ1、非遊技RAM領域に格納されている破壊診断用データ2、スタック領域に格納されている破壊診断用データ3が正常か否かを判定する(Sd11)。後述のように前回の電源遮断時に正常に電断処理が行われていれば、破壊診断用データ1が遊技RAM領域に設定され、破壊診断用データ2が非遊技RAM領域に設定され、破壊診断用データ3がスタック領域に設定されているはずであり、Sd11のステップにおいて破壊診断用データ1〜3が正常でない場合(破壊診断用データ1〜3が電断時に格納される5A(H)(00(H)以外の特定の値)以外の場合)には、RAM41cのデータが正常ではなく、Sd14のステップに進む。
Sd11のステップにおいて破壊診断用データ1〜3が正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、破壊診断用データ1〜3をクリアし(Sd12)、RAM41cのデータが正常である旨を示すRAM正常フラグをRAM41cに設定し(Sd13)、Sd14のステップに進む。
Sd14のステップでは、設定キースイッチ37がonか否かを判定し、設定キースイッチ37がonであれば、RAM41cの格納領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域を初期化する初期化1を実行する(Sd14)。初期化1では、遊技RAM領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域及び未使用領域1を初期化する初期化処理と、非遊技RAM領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域及び未使用領域2を初期化する初期化処理と、スタック領域を初期化する初期化処理と、をそれぞれ別個に行う。尚、初期化1において、遊技RAM領域及び非遊技RAM領域を分けずに、全ての領域を一括して初期化する構成であっても良い。
Sd15のステップにおける初期化1の後、割込を許可し(Sd16)、設定値を変更可能な設定変更状態に制御される設定変更処理に移行し(Sd17)、新たに設定値が設定されることにより設定変更処理が終了した後、レジスタを初期化し(Sd18)、遊技プログラムのうちのBET処理の先頭に移行する。
Sd14のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM正常フラグの設定の有無に基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定し(Sd22)、RAM41cのデータが正常でないと判定された場合には、Sd15のステップと同様の初期化1を実行してRAM41cの格納領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域を初期化し(Sd19)、割込を許可する(Sd20)。そして、RAM異常を示すエラーコードを設定し(Sd21)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。また、RAM異常エラーは、通常のエラーと異なり、新たに設定値が設定されるまでゲームを進行可能な状態には復帰することがない。
Sd22のステップにおいてRAM41cのデータが正常であると判定された場合には、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域1、未使用領域2及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行う(Sd23)。その後、スタックポインタを電断前の状態に復帰し(Sd24)、パラレル入力ポート511に入力された各種スイッチ類等の検出信号の入力状態が格納される入力バッファを初期化し(Sd25)、パラレル出力ポート513の出力状態を電断前の状態に復帰し(Sd26)、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタック領域に保存されている状態に復帰し(Sd27)、割込を許可して(Sd28)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
図58に示すように、電断処理においては、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sm1)。
次いで、破壊診断用データ1を遊技RAM領域に、破壊診断用データ2を非遊技RAM領域に、破壊診断用データ3をスタック領域に、それぞれセットする(Sm2)。破壊診断用データは、いずれも5A(H)である。次いで、パラレル出力ポート513を初期化(Sm3)、遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域1を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ1を計算して遊技RAM領域にセットし、非遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域2を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ2を計算して非遊技RAM領域にセットし、スタック領域の全ての領域(未使用スタック領域及び使用中スタック領域)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ3を計算してスタック領域にセットし(Sm4)、RAM41cへのアクセスを禁止し(Sm5)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電圧低下信号の出力状況を監視した状態で待機する(Sm6)。この状態で、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理からプログラムをスタートさせる。一方、電圧低下信号が入力されたまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。
以上の処理によって、AC100Vの電力供給が停止される場合には、電断処理が実行され、破壊診断用データ1〜3及びRAMパリティ調整用データ1〜3がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされる。
このように本実施例では、電断を検出したときに実行する電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティ調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティを算出する処理、電源投入時にRAMパリティに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域に分けて行うため、これらの処理を設計するうえで必要なデータの記憶領域を容易に特定することができる。
尚、本実施例では、電断処理において対象となる領域の演算結果が特定の値(本実施例では0)となるように調整用データを対象となる領域に設定し、起動処理において対象となる領域の演算結果が特定の値となるか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定しているが、電断処理において対象となる領域の演算結果と、起動処理において対象となる領域の演算結果と、が一致するか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成としても良い。また、演算方法は、排他的論理和に限らず、他の演算方法(例えば、総和)を用いても良い。
また、本実施例では、電断処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含む非遊技RAM領域全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含む非遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定するようになっており、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
尚、本実施例では、電断処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含む非遊技RAM領域全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含む非遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成であるが、未使用領域1を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良い。
また、電断処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良く、このような構成であっても、未使用領域1に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域1に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
また、電断処理において未使用領域1を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域2を含む非遊技RAM領域全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域1を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域2を含む非遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良く、このような構成であっても、未使用領域2に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域2に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
また、本実施例では、電断を検出したときに実行する電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティ調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティを算出する処理、電源投入時にRAMパリティに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域に分けて行う構成であるが、電断処理において、遊技RAM領域に格納されたデータ及び非遊技RAM領域に格納されたデータの双方を用いた演算結果が特定の値となる調整用データを算出して遊技RAM領域または非遊技RAM領域に設定し、起動処理において遊技RAM領域に格納されたデータ及び非遊技RAM領域に格納されたデータの双方を用いた演算結果が特定の値となるか否かに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成、すなわち電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するための調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのデータを算出する処理、電源投入時に算出したデータに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域を区別することなく行う構成としても良く、このような構成とすることで、電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するための調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのデータを算出する処理、電源投入時に算出したデータに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理に必要なプログラム容量を削減できる。
また、このような構成においても、電断処理において遊技RAM領域、非遊技RAM領域だけでなく、未使用領域1、2を含む全ての領域のデータを用いて調整用データを算出し、起動処理においても遊技RAM領域、非遊技RAM領域だけでなく、未使用領域1、2を含む全ての領域のデータを用いて算出した結果が特定の値となるか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成とすることが好ましく、このような構成においても、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
また、本実施例では、RAM41cのデータを初期化する場合に、遊技RAM領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域及び未使用領域1を初期化する初期化処理と、非遊技RAM領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域及び未使用領域2を初期化する初期化処理と、をそれぞれ別個に行うようになっており、例えば、遊技RAM領域、非遊技RAM領域のサイズ等を変更した場合でも、容易に対応することができる。
尚、本実施例では、遊技RAM領域及び非遊技RAM領域がそれぞれ連続するアドレス領域に割り当てられた構成であるが、遊技RAM領域の全部または一部が連続しないアドレス領域に割り当たられた構成、非遊技RAM領域の全部または一部が連続しないアドレス領域に割り当てられた構成としても良い。
また、このような構成とした場合には、例えば、初期化2により初期化される遊技RAM領域の一般ワークと、初期化2により初期化される非遊技RAM領域の一般ワークと、を連続するアドレス領域に割り当てる等、遊技RAM領域のうち特定の初期化条件が成立した場合に初期化される領域と、非遊技RAM領域のうち特定の初期化条件が成立した場合に初期化される領域と、が連続するアドレス領域に割り当てることで、特定の初期化条件が成立した場合に、初期化される遊技RAM領域の先頭アドレスから初期化される非遊技RAM領域の終了アドレスまで一括して初期化することが可能となり、初期化処理に要するプログラム容量を削減することができる。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機としては、例えば、遊技者の操作に応じて抽選や各部の動作を行わせるための遊技の進行に係わるプログラムと、遊技の進行とは直接係わらない異常検知(例えば、異常入賞判定)等に係るプログラムと、が一の記憶領域に混在して格納されている(例えば、特開2007−222418号公報参照)。
このような構成の遊技機では、一の記憶領域において遊技の進行に係わるプログラムと、遊技の進行とは直接係わらないプログラムと、が混在していると、どのプログラムが遊技の進行に係わるプログラムであるか、の判別が困難となる。
これに対して本実施例において例示した遊技機は、
遊技を行う遊技機(スロットマシン1)において、
遊技の進行に係わる遊技プログラム(遊技プログラム)が記憶される遊技プログラム記憶領域(遊技プログラム領域)と、
前記遊技プログラムが参照する遊技用固定データ(遊技データ)が読み出し可能に記憶される遊技用固定データ記憶領域(遊技データ領域)と、
前記遊技プログラムが参照する遊技用変動データ(遊技プログラムのワークデータ)が読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技用変動データ記憶領域(遊技RAM領域)と、
前記遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム(非遊技プログラム)が記憶される非遊技プログラム記憶領域(非遊技プログラム領域)と、
前記非遊技プログラムが参照する非遊技用固定データ(非遊技データ)が読み出し可能に記憶される非遊技用固定データ記憶領域(非遊技データ領域)と、
前記非遊技プログラムが参照する非遊技用変動データ(非遊技プログラムのワークデータ)が読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技用変動データ記憶領域(非遊技RAM領域)と、
前記遊技プログラム及び前記非遊技プログラムを実行するプログラム実行手段(CPU41a)と、
前記プログラム実行手段が用いる特定記憶領域(レジスタ)と、
を備え、
前記プログラム実行手段は、
前記遊技プログラムを実行する際に、前記非遊技用変動データ記憶領域(非遊技RAM領域)を参照も更新もせず、
前記非遊技プログラムを実行する際に、前記遊技用変動データ記憶領域(遊技RAM領域)を参照することはあるが更新はせず、
前記非遊技プログラムを実行する際に、前記遊技プログラムが使用していた領域であるか否かに関わらず特定記憶領域(レジスタ)の全ての領域を保護する保護処理(スタックに退避する処理)を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム記憶領域と、遊技プログラムが参照する遊技用固定データが読み出し可能に記憶される遊技用固定データ記憶領域と、遊技プログラムが参照する遊技用変動データが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技用変動データ記憶領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム記憶領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技用固定データが読み出し可能に記憶される非遊技用固定データ記憶領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技用変動データが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技用変動データ記憶領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技用固定データ及び遊技用変動データと、非遊技プログラム、非遊技用固定データ及び非遊技用変動データと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、プログラム実行手段が、遊技プログラムを実行する際に、非遊技用変動データ記憶領域を参照も更新もしない一方で、非遊技プログラムを実行する際に、遊技用変動データ記憶領域を参照することはあるが更新はしないため、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができつつ、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
また、非遊技プログラムを実行する際に、遊技プログラムが使用していた領域であるか否かに関わらず特定記憶領域の全ての領域を保護する保護処理が行われるため、遊技プログラムに復帰する際に、非遊技プログラムが呼び出された時点の状態から確実に復帰することができる。
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例1に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
実施例1では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
また、実施例1では、遊技の制御を行うメイン制御部41において遊技の進行に係わる遊技プログラムと遊技の進行に係わらない非遊技プログラムを区別し、さらに遊技プログラムを含む遊技領域と非遊技プログラムを含む非遊技領域を区別して管理する構成であるが、遊技の制御の一部(例えば、リール制御、クレジットの制御、メダルの払出制御、ATに関連する制御)を、メイン制御部41以外の一または複数の制御部に行わせる構成とした場合には、これらの制御部において、遊技の進行に係わる遊技プログラムと遊技の進行に係わらない非遊技プログラムを区別し、さらに遊技プログラムを含む遊技領域と非遊技プログラムを含む非遊技領域を区別して管理する構成としても良い。