JP2016132986A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空燃比の制御性の低下及び燃焼安定性の低下を抑制することができる内燃機関の冷却装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の吸気ポート周辺と吸気ポート周辺よりも高温な高温部周辺とを連通する冷却水流路を備え、他の冷却水回路よりも低温の冷却水が循環する低温冷却水循環回路と、低温冷却水循環回路に設けられる冷却水温度検出手段と、低温冷却水循環回路に設けられるウォータポンプと、低温冷却水循環回路に設けられる熱交換器と、冷却水流路に流入する冷却水の流入方向を切替可能な循環方向切替手段と、循環方向切替手段を制御する制御装置と、を備えた内燃機関の冷却装置であって、制御装置は、冷却水温度が所定値よりも低い場合、冷却水が高温部周辺から吸気ポート周辺に流れるように循環方向切替手段を制御し、冷却水温度が所定値以上の場合、冷却水が吸気ポート周辺から高温部周辺に流れるように循環方向切替手段を制御することを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】内燃機関の吸気ポート周辺と吸気ポート周辺よりも高温な高温部周辺とを連通する冷却水流路を備え、他の冷却水回路よりも低温の冷却水が循環する低温冷却水循環回路と、低温冷却水循環回路に設けられる冷却水温度検出手段と、低温冷却水循環回路に設けられるウォータポンプと、低温冷却水循環回路に設けられる熱交換器と、冷却水流路に流入する冷却水の流入方向を切替可能な循環方向切替手段と、循環方向切替手段を制御する制御装置と、を備えた内燃機関の冷却装置であって、制御装置は、冷却水温度が所定値よりも低い場合、冷却水が高温部周辺から吸気ポート周辺に流れるように循環方向切替手段を制御し、冷却水温度が所定値以上の場合、冷却水が吸気ポート周辺から高温部周辺に流れるように循環方向切替手段を制御することを特徴とする。
【選択図】図5
Description
この発明は、内燃機関の冷却装置に関する。
従来、内燃機関の各部位と冷却水とを熱交換させる冷却水通路を備えた内燃機関が知られている。例えば、特許文献1には、排気の熱を冷却水に伝える冷却水通路とエンジンヘッドを通過する冷却水通路とを備えた内燃機関が開示されている。この内燃機関では、この内燃機関の冷間始動時、排気の熱を冷却水に伝える冷却水通路からシリンダヘッドを通過する冷却水通路へと冷却水が流れるように制御される。これにより、シリンダヘッドが早期に暖機されて、燃料の着火性の向上及び燃焼性の向上を実現することができる。
しかしながら、特許文献1の内燃機関における冷却水通路の構成では、内燃機関の温間時、ノッキング防止のために吸気ポートを冷却しようとした場合、エンジンヘッドの熱を冷却水が受熱して昇温することがある。このため、吸気ポートの温度及び吸気温度の低下が遅れるおそれがある。この結果、空燃比の制御性の低下及び燃焼安定性の低下が引き起こされるおそれがある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の冷間始動時における燃料の着火性の向上及び燃焼性の向上、及び内燃機関の温間時における空燃比の制御性の向上及び燃焼安定性の向上を両立することができる内燃機関の冷却装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の冷却装置であって、
内燃機関の吸気ポート周辺と前記吸気ポート周辺よりも高温な高温部周辺とを連通する冷却水流路を備え、温度の異なる冷却水が循環する複数の独立した冷却水回路のうちの1つであって、他の冷却水回路よりも低温の冷却水が循環する低温冷却水循環回路と、
前記低温冷却水循環回路に設けられる冷却水温度検出手段と、
前記低温冷却水循環回路に設けられるウォータポンプと、
前記低温冷却水循環回路に設けられる熱交換器と、
前記冷却水流路に流入する冷却水の流入方向を切替可能な循環方向切替手段と、
前記循環方向切替手段を制御する制御装置と、を備えた内燃機関の冷却装置であって、
前記制御装置は、前記冷却水温度検出手段によって検出された冷却水温度が所定値よりも低い場合、冷却水が前記高温部周辺から前記吸気ポート周辺に流れるように前記循環方向切替手段を制御し、前記冷却水温度検出手段によって検出された冷却水温度が前記所定値以上の場合、冷却水が前記吸気ポート周辺から前記高温部周辺に流れるように循環方向切替手段を制御することを特徴とする。
内燃機関の吸気ポート周辺と前記吸気ポート周辺よりも高温な高温部周辺とを連通する冷却水流路を備え、温度の異なる冷却水が循環する複数の独立した冷却水回路のうちの1つであって、他の冷却水回路よりも低温の冷却水が循環する低温冷却水循環回路と、
前記低温冷却水循環回路に設けられる冷却水温度検出手段と、
前記低温冷却水循環回路に設けられるウォータポンプと、
前記低温冷却水循環回路に設けられる熱交換器と、
前記冷却水流路に流入する冷却水の流入方向を切替可能な循環方向切替手段と、
前記循環方向切替手段を制御する制御装置と、を備えた内燃機関の冷却装置であって、
前記制御装置は、前記冷却水温度検出手段によって検出された冷却水温度が所定値よりも低い場合、冷却水が前記高温部周辺から前記吸気ポート周辺に流れるように前記循環方向切替手段を制御し、前記冷却水温度検出手段によって検出された冷却水温度が前記所定値以上の場合、冷却水が前記吸気ポート周辺から前記高温部周辺に流れるように循環方向切替手段を制御することを特徴とする。
第1の発明によれば、エンジンの冷間始動時に比較的早い段階で高温になる燃焼室と冷却水とを熱交換させることで、冷却水を加熱することができる。そして、エンジンの冷間始動時、吸気ポート及び吸気温度を上昇させることができる。これにより、ポートウェットが減少し、空燃比制御性が向上する。さらに、吸気温度が上昇することで、圧縮端温度不足による冷間時燃焼不良が改善される。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、実施の形態1のエンジンの気筒を表した図である。エンジン100は、水冷式のエンジンである。また、通常、エンジンは複数の気筒で構成されるが、図1には1つの気筒のみが描かれている。本発明において、気筒数に限定はない。
[実施の形態1の構成]
図1は、実施の形態1のエンジンの気筒を表した図である。エンジン100は、水冷式のエンジンである。また、通常、エンジンは複数の気筒で構成されるが、図1には1つの気筒のみが描かれている。本発明において、気筒数に限定はない。
エンジン100は、シリンダヘッド1及びシリンダブロック2を備えている。燃焼室10には、ピストン14が備えられている。ピストン14が上下動することで、燃焼室10の大きさが決定される。また、燃焼室10には、点火プラグ17が取り付けられている。
燃焼室10には、吸気ポート20及び排気ポート22が接続されている。吸気ポート20には、燃料噴射弁21が取り付けられている。吸気ポート20と燃焼室10との間には、吸気弁16が設けられている。排気ポート22と燃焼室10との間には、排気弁18が設けられている。
図1に斜線で示す領域は、冷却水が通過するウォータージャケットを示している。ここで、実施の形態1におけるウォータージャケットは、温度によって、以下の3種類に分類される。シリンダヘッド1における吸気ポート外周のウォータージャケットは、低温ウォータージャケット(以下、低温部という。)28に分類される。シリンダブロック2における燃焼室外周のウォータージャケットは、高温ウォータージャケット(以下、高温部という。)26に分類される。そして、その他のウォータージャケット24に分類される。
図2は、実施の形態1のエンジン100における冷却装置の構成を表した図である。実施の形態1のエンジンにおける冷却装置は、それぞれ独立した2つの冷却水循環回路によって構成されている。1つ目の冷却水循環回路は、シリンダヘッド1における低温部28と、シリンダブロック2における高温部26とを含む低温冷却水循環回路40である。ここで、低温部28と高温部26とを連通する冷却水の流路を「冷却水流路」とする。また、2つ目の冷却水循環回路は、その他のウォータージャケット24を含む高温冷却水循環回路42である。
低温冷却水循環回路40には、LT(Low Temperature)ラジエータ34が設けられている。LTラジエータ34は、後述するHT(High Temperature)ラジエータと比べて、冷却性能が高く設定されている。
低温冷却水循環回路40には、電動式の第1のウォータポンプ30が設けられている。第1のウォータポンプ30を駆動することで、低温冷却水循環回路40内の冷却水が循環する。第1のウォータポンプ30の出力を調整することによって、冷却水の吐出量を制御することができる。
低温冷却水循環回路40には、四方弁50が設けられている。四方弁50は、弁の向きを切り替える制御を行うことで、冷却水の流れる方向を変更することができる。
低温冷却水循環回路40には、低温冷却水循環回路40を流れる冷却水温度を検出するための冷却水温度検出センサ44が取り付けられている。
一方、高温冷却水循環回路42には、HTラジエータ36が設けられている。高温冷却水循環回路42には、機械式の第2のウォータポンプ32が設けられている。
図1及び2には図示されていないが、実施の形態1のエンジン100は、ECU(Electronic Control Unit)を備えている。ECUは、冷却水温度検出センサ44の出力から、低温冷却水循環回路40を流れる冷却水温度を検出する。ECUの出力側には、第1のウォータポンプ30、四方弁50、燃料噴射弁21などのアクチュエータが接続されている。ECUは、第1のウォータポンプ30に信号を出力して、それぞれのウォータポンプを駆動する。ECUは、四方弁50に信号を出力して、四方弁50の向きを切替える。ECUは、燃料噴射弁21に信号を出力して、燃料噴射量を決定する。
ところで、エンジン100の冷間始動時には、吸気ポート20の温度及び吸気温度が低くなる。これにより、エンジン100の冷間始動時、吸気ポート20では、燃料噴射弁21が噴射した燃料を短時間で十分に気化するだけの熱量が足りない。このため、噴射された燃料は、気化せずに、吸気ポート20の壁面に液体として付着する。吸気ポート20に液体として付着した燃料(以下、ポートウェットともいう。)は、燃焼に寄与しない。
ECUは、上記ポートウェットの量を予測して、燃料噴射量を制御する。ところが、予測精度には限界があり、空燃比のズレが生じる。また、ポートウェットが液滴として燃焼室10に入った場合には、エミッションが悪化する。
さらに、エンジン100の冷間始動時、吸気温度が低下することで、燃焼性が低下する。これは、ポート噴射及び直噴によらず、着火環境温度低下による着火不良及び層流燃焼速度低下に伴う火炎伝播不良により生じる。
そこで、実施の形態1では、エンジン100の冷間始動時には、吸気温度及び吸気ポート20の温度を早期に暖機するため、四方弁50を制御して、低温部28に熱が伝わりやすくなるように冷却水の流れる向きを変更する。一方、エンジン100の温間時には、ノッキングの抑制のため、四方弁50を制御して、高温部26が冷却されるよう冷却水の流れる向きを変更する。
以下、四方弁50の制御による冷却水の流れる向きの変更について、図3及び図4を参照して説明する。
[四方弁の制御による冷却水の流れる向きの変更]
図3は、エンジン100の温間時、低温部28から高温部26に冷却水が流れるように四方弁50が制御されている様子を表す図である。図3の黒矢印は、エンジン100の温間時、低温冷却水循環回路40における冷却水の流れる向きを示している。これは、四方弁50が図3に示すように制御されて、第1のウォータポンプ30が駆動された際の冷却水の流れである。冷却水がこの向きに流れることで、冷却水は、低温部28から高温部26へと流入する。このため、冷却水が、高温部26よりも先に、低温部28で熱交換される。この結果、吸気ポート20の温度が低下して、吸気温度を低下させることができる。以下、図3において黒矢印で示す冷却水の流れる向きを「順方向」という。
図3は、エンジン100の温間時、低温部28から高温部26に冷却水が流れるように四方弁50が制御されている様子を表す図である。図3の黒矢印は、エンジン100の温間時、低温冷却水循環回路40における冷却水の流れる向きを示している。これは、四方弁50が図3に示すように制御されて、第1のウォータポンプ30が駆動された際の冷却水の流れである。冷却水がこの向きに流れることで、冷却水は、低温部28から高温部26へと流入する。このため、冷却水が、高温部26よりも先に、低温部28で熱交換される。この結果、吸気ポート20の温度が低下して、吸気温度を低下させることができる。以下、図3において黒矢印で示す冷却水の流れる向きを「順方向」という。
図4は、エンジン100の冷間始動時、高温部26から低温部28に冷却水が流れるように四方弁50が制御されている様子を表す図である。図4の黒矢印は、エンジン100の冷間始動時、低温冷却水循環回路40における冷却水の流れる向きを示している。これは、四方弁50が図4に示すように制御されて、第1のウォータポンプ30が駆動された際の冷却水の流れである。冷却水がこの向きに流れることで、冷却水は、高温部26から低温部28へと流入する。このため、低温部28に熱が伝わりやすくなり、吸気ポート20が暖機される。この結果、エンジン100の冷間始動時において、吸気温度及び吸気ポート20の温度を上昇させることができる。以下、図4において黒矢印で示す冷却水の流れる向きを「逆方向」という。
以下、上記図3及び図4で説明した冷却水の流れの向きの変更の具体的な制御内容について、図5を参照して説明する。
[実施の形態1の冷却水流入方向切替制御フロー]
図5は、実施の形態1における冷却水流入方向切替制御フローである。ECUは、まず、冷却水温度が所定値以上であるか否かを判定する(S100)。ここでいう冷却水温度は、冷却水温度検出センサ44が検出する冷却水温度である。ECUは、冷却水温度が所定値より小さいと判定した場合、エンジン100が冷間始動時であると判定し、四方弁50を制御して、冷却水を逆方向に循環させる(S104)。ここで、逆方向とは、図4で説明した冷却水の流れる向きをいう。その後、本制御は終了する。
図5は、実施の形態1における冷却水流入方向切替制御フローである。ECUは、まず、冷却水温度が所定値以上であるか否かを判定する(S100)。ここでいう冷却水温度は、冷却水温度検出センサ44が検出する冷却水温度である。ECUは、冷却水温度が所定値より小さいと判定した場合、エンジン100が冷間始動時であると判定し、四方弁50を制御して、冷却水を逆方向に循環させる(S104)。ここで、逆方向とは、図4で説明した冷却水の流れる向きをいう。その後、本制御は終了する。
一方、ECUは、S100において、冷却水温度が所定値以上であると判定した場合、エンジン100が温間時であると判定し、四方弁50を制御して、冷却水を順方向に循環させる(S102)。ここで、冷却水の順方向の循環とは、図3で説明した冷却水の流れる向きをいう。その後、本制御は終了する。
実施の形態1の制御を行うことで、エンジン100の温間時、冷却損失低下が比較的少ない低温部28から高温部26へと冷却水を流して、吸気ポート20を集中的に冷却することができる。これにより、エンジン100の温間時に吸気温度を低下させて、ノッキングを抑制することができる。
また、実施の形態1の制御を行うことで、エンジン100の冷間始動時に比較的早い段階で高温になる燃焼室10と冷却水とを熱交換させることで、冷却水を加熱することができる。そして、エンジン100の冷間始動時、吸気ポート20及び吸気温度を上昇させることができる。これにより、ポートウェットが減少し、空燃比制御性が向上する。さらに、吸気温度が上昇することで、圧縮端温度不足による冷間時燃焼不良が改善される。
実施の形態1における冷却水流入方向切替制御フローは、ハイブリッドエンジンにおける間欠始動時に実行することが好ましい。これは、ハイブリッドエンジンのように間欠始動を繰り返す車両の場合、水温が上がりにくいためである。このため、ハイブリッドエンジンにおいて実施の形態1の冷却水流入方向切替制御フローを実行することで、間欠始動時に、水温を上げることができる。この変形例は、以下の他の実施の形態でも適用することができる。
また、実施の形態1では、低温冷却水循環回路40における冷却水の循環方向切替手段として四方弁を用いたが、これに限るものではない。例えば、逆回転可能なウォータポンプを用いることで、冷却水の循環方向を切替えてもよい。この変形例は、以下の他の実施の形態でも適用することができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1と同様の構成において、冷却水の流入方向の切替判定に、冷却水温度のみではなく運転領域を考慮する点で実施の形態1と相違する。以下、図6及び図7を参照して説明する。
実施の形態2は、実施の形態1と同様の構成において、冷却水の流入方向の切替判定に、冷却水温度のみではなく運転領域を考慮する点で実施の形態1と相違する。以下、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、実施の形態2の規定領域を説明するための図である。図6の縦軸には負荷率が、横軸にはエンジン回転速度が示されている。図6には、低負荷域から中負荷域において規定領域が示されている。この規定領域とは、ノッキングが発生するおそれのない領域をいう。実施の形態2では、エンジン100が温間時であっても、エンジン100の運転領域がこの規定領域にある場合、高温部26から低温部28に冷却水が流入するように四方弁50が制御される。これにより、低温部28に熱が伝わりやすくなり、吸気温度が上昇する。このため、筒内吸入空気密度が低下して、吸気量が低下する。この結果、スロットル絞り量を低減させることができるため、ポンプ損失の低減が可能になる。
図7は、実施の形態2における冷却水流入方向切替制御フローである。ECUは、まず、冷却水温度が所定値以上であるか否かを判定する(S200)。ECUは、冷却水温度が規定温度より小さいと判定した場合、四方弁を逆方向に循環するように切り替える(S206)。その後、本制御は終了する。
一方、ECUは、S200において、冷却水温度が所定値以上であると判定した場合、エンジン回転速度及び負荷率が共に規定領域内にあるか否かを判定する(S202)。この規定領域とは、図6で説明した低負荷から中負荷域における運転領域のことである。ECUは、エンジン回転速度及び負荷率が共に規定領域内にないと判定した場合、四方弁50を制御して、冷却水を順方向に循環させる(S204)。その後、本制御は終了する。
一方、ECUは、S202において、エンジン回転速度及び負荷率が共に規定領域内にあると判定した場合、四方弁50を制御して、冷却水を逆方向に循環させる(S206)。その後、本制御は終了する。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1と同様の構成において、冷却水の流入方向の切替判定に、冷却水温度のみではなく規定の負荷率を考慮する点で実施の形態1と相違する。以下、図8及び図9を参照して説明する。
実施の形態3は、実施の形態1と同様の構成において、冷却水の流入方向の切替判定に、冷却水温度のみではなく規定の負荷率を考慮する点で実施の形態1と相違する。以下、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、実施の形態3の規定の負荷率を説明するための図である。図8の縦軸には負荷率が、横軸にはエンジン回転速度が示されている。図8には、実施の形態3における規定領域とともに、第1の規定負荷率及び第2の規定負荷率が表されている。図8で示す規定領域とは、エンジン100にEGRガスを導入することができる運転領域を示している。
実施の形態3では、エンジン100が冷間始動時であり、かつ、負荷率が図8に示す第1の規定負荷率以上である場合、冷却水を図3で説明した順方向に循環させて、吸気ポート20を冷却する。その後、負荷率が第2の規定負荷率より小さい場合には、吸気弁16と排気弁18をオーバーラップさせて、内部EGRを導入する。通常、内部EGRは、EGRガスを冷却してから燃焼室10に導入することができないため、ノッキングが引き起こされやすい。ところが、実施の形態3では、吸気ポート20を冷却して吸気温度を低下させて内部EGRを導入するため、ノッキングが生じる可能性が低くなる。この結果、外部EGRを使用できない冷間時でも内部EGRを活用して、燃費を向上させることができる。
図9は、実施の形態3における冷却水流入方向切替制御フローである。ECUは、まず、冷却水温度が所定値以上であるか否かを判定する(S300)。ECUは、冷却水温度が所定値以上であると判定した場合、実施の形態1の冷却水流入方向切替制御フローにおけるS102、または、実施の形態2の冷却水流入方向切替制御フローにおけるS202、S204、S206の処理が行われる。
一方、ECUは、S300において、冷却水温度が所定値より低いと判定した場合、負荷率が第1の規定負荷率以上か否かを判定する(S304)。ECUは、負荷率が第1の規定負荷率より小さいと判定した場合、四方弁50を制御して、冷却水を逆方向に循環させる(S312)。次に、ECUは、冷間時における通常のオーバーラップ制御を実行する(S314)。その後、本制御は終了する。
一方、ECUは、S304において、負荷率が第1の規定負荷率以上であると判定した場合、四方弁50を制御して、冷却水を順方向に循環させる(S306)。次に、負荷率が第2の規定負荷率より小さいか否かを判定する(S308)。ECUは、負荷率が第2の規定負荷率以上であると判定した場合、本制御は終了する。
一方、ECUは、S308において、負荷率が第2の規定負荷率より小さいと判定した場合、冷間時における内部EGR活用専用オーバーラップ制御を実行する(S310)。その後、本制御は終了する。
10 燃焼室
20 吸気ポート
26 高温部
28 低温部
40 低温冷却水循環回路
50 四方弁
20 吸気ポート
26 高温部
28 低温部
40 低温冷却水循環回路
50 四方弁
Claims (1)
- 内燃機関の吸気ポート周辺と前記吸気ポート周辺よりも高温な高温部周辺とを連通する冷却水流路を備え、温度の異なる冷却水が循環する複数の独立した冷却水回路のうちの1つであって、他の冷却水回路よりも低温の冷却水が循環する低温冷却水循環回路と、
前記低温冷却水循環回路に設けられる冷却水温度検出手段と、
前記低温冷却水循環回路に設けられるウォータポンプと、
前記低温冷却水循環回路に設けられる熱交換器と、
前記冷却水流路に流入する冷却水の流入方向を切替可能な循環方向切替手段と、
前記循環方向切替手段を制御する制御装置と、を備えた内燃機関の冷却装置であって、
前記制御装置は、前記冷却水温度検出手段によって検出された冷却水温度が所定値よりも低い場合、冷却水が前記高温部周辺から前記吸気ポート周辺に流れるように前記循環方向切替手段を制御し、前記冷却水温度検出手段によって検出された冷却水温度が前記所定値以上の場合、冷却水が前記吸気ポート周辺から前記高温部周辺に流れるように循環方向切替手段を制御することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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