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JP2016128936A - モード分割多重伝送のために設計された多重lpモードファイバ - Google Patents

モード分割多重伝送のために設計された多重lpモードファイバ Download PDF

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JP2016128936A JP2016048029A JP2016048029A JP2016128936A JP 2016128936 A JP2016128936 A JP 2016128936A JP 2016048029 A JP2016048029 A JP 2016048029A JP 2016048029 A JP2016048029 A JP 2016048029A JP 2016128936 A JP2016128936 A JP 2016128936A
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Abstract

【課題】伝送において所望する特性を持つ低コア相対デルタ(0.8%近く)の改良されたステップインデックスおよびグレーデッドインデックス(GRIN)ファイバを提供する。【解決手段】本願発明の低デルタファイバは、減少されたレイリー散乱に起因するより低い減衰損失を有し、複数モードの多重化において性能を向上させることが望ましい。ファイバ設計は、2つおよび4つのLPモードをサポートするため、最適化されたレイズド・トライアングル・プロファイルおよびデプレスド・クラッド・プロファイルを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、空間分割多重伝送(SDM)のために設計された光ファイバに関するものである。さらに具体的には、相当なクロストーク無しに多重モードで光信号を効率よく伝送する光ファイバに関するものである。
(以下は、従来技術を構成するかもしれないし、そうではないかもしれない。)
モード分割多重伝送のための多重モード光ファイバにおける先行研究は、最適化された2つのLPモードファイバ(3つの空間的モードを持つ)に関するステップインデックスおよびグレーテッドインデックス(GRIN)ファイバの設計に向けられていた。我々はさらに、クラッドにシェルフとトレンチを包含し、4つのLPモード(6つの空間的モードを持つ)をサポートするように最適化された、1%のコア相対デルタを持つGRINファイバの設計を公開する。
我々はここで、伝送にとって望ましい特性を持つ、より低いコア相対デルタ(0.8%近く)のGRINファイバを設計した。これら低デルタファイバは、減少されたレイリー散乱に起因する、より低い減衰損失を持つであろうし、性能を向上させるには望ましい。我々は、さらに、2つおよび4つのLPモードをサポートするため、最適化されたレイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド・プロファイル(raised−triangle,depressed cladding profiles)を持つファイバを設計した。空間分割多重伝送(SDM)をサポートするために設計されたファイバにおける近年の研究が報告されている。この研究は、一般に、コア間で弱結合を持つ複数コアを含むファイバか、あるいは少数モードの伝搬をサポートする単一コアを持つファイバのどちらかに向けられている。
クラッド構造のない仮想のステップインデックスあるいはグレーデッドインデックスのFMF(少数モードファイバ)におけるモード伝搬定数の例となる略図である。 ステップインデックス(α=∞)と放物線(α=2)コア形状の屈折率を説明する。 ステップインデックスファイバのLPlmモードについて、Vの関数として正規化伝搬定数blmを示す。垂直の赤線は、LP11とLP02のモード間でのDGD(微分群遅延)がゼロであるV=3.15に位置している。 ステップインデックスファイバの最初の6つのLPlmモードについて、Vの関数として群遅延を示す。 放物線コアの最初の6つのモードについて、正規化伝搬定数を示す。 放物線(α=2.00)コアファイバの6つのモードについて、群遅延曲線を示す。 配置されたFMF伝送ラインでのモード結合の強度である。 低DGDと製造の容易さについて最適化されたレイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド・インデックス・プロファイルを説明している。 レイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド・プロファイル形状について、広範囲のV値におよぶLP01およびLP11のモード間での低微分群遅延を示す。 V値の関数としてレイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド設計の正規化伝搬定数を示す。 実際のVADコア形状に基づくレイズド・トライアングル・プロファイルを説明する。 本発明の推奨実施形態、例2における屈折率プロファイルを示す。 例2の光ファイバにおける微分群遅延を示す。 2つの群のファイバ形状における、V値に対する正規化伝播定数を示す。 放物線のGRIN−FMF(下側の曲線)とCバンドでの運用のために最適化された、クラッド構造を持つGRIN−FMF(上側の曲線)について、LP01、LP11、LP02、LP21、LP03およびLP12モードの群遅延を示す。 本発明の別の実施形態、例3における屈折率プロファイルである。 例3の実施形態における微分群遅延データを示す。 本発明の別の実施形態、例4における屈折率プロファイルである。 例4の実施形態における微分群遅延データを示す。 本発明の別の実施形態、例5における屈折率プロファイルである。 例5の実施形態における微分群遅延データを示す。 6つのモード設計である本発明の別の実施形態、例6における屈折率プロファイルである。 例6の設計における、最初の5つの、より高次のLPモードとLP01モード間の微分群遅延データを示す。 例7の設計、超拡大実効断面積・少数モードファイバ(ULA−FMF)の設計における屈折率プロファイルを示す。 例7におけるLP11モードおよびLP01モード間での微分群遅延を示す。 例8の設計、第二の超拡大実効断面積・少数モードファイバ(ULA−FMF)の設計における屈折率プロファイルを示す。 例8におけるLP11モードおよびLP01モード間での微分群遅延を示す。 例9の設計、第三の超拡大実効断面積・少数モードファイバ(ULA−FMF)の設計における屈折率プロファイルを示す。 例9におけるLP11モードおよびLP01モード間での微分群遅延を示す。
SDMへの関心は、主に、差し迫った“容量不足”に起因しており、光ファイバ伝送のスペクトル効率が増加することに対する基本的な非線形シャノン限界が、単に高速の送信機を配備することによりビット毎の限界費用を減少することよりもむしろ通信事業者に加速的にファイバケーブルを配備することを強いり、それ故に基幹ネットワークの経済状況を損なっている。標準シングルモードファイバ(SSMF)の100倍から1000倍の容量を持つ高価な新しい伝達手段が要求されるであろう。マルチコアファイバテクノロジーと組み合わせられた少数モードファイバ(FMF)テクノロジーが、そのような伝達手段を生み出すことができるかもしれない。本明細書の以下の部分はシングルコアFMFの働きを見直し、さらに強結合のマルチコアファイバを使ったスーパーモードの概念について簡単に触れるであろう。大容量のSDM伝送での利用には、導波路が以下であることが望ましい。
・Nが少なくとも2、場合により10から20である、N個の固有モードの低損失伝搬をサポートする。ここで低損失は従来型のシングルモードファイバのものであると見なされる。
・例えば約0.02dB/kmより少ないというような、低差動モード減衰(DMA)を持つ。DMAは、マルチ入力・マルチ出力(MIMO)信号処理に基づく伝送の容量を制限する、根本的な修正不可の障害である。
・受信機の設計を単純化できるように全ての低損失モード間で低DGDをもたらす。10年の時間枠で達成可能であろうASIC(特定用途向け集積回路)テクノロジーを使った1000km伝送をサポートするために、FMF伝送ラインの累積したDGDは、時間領域等化器において、おそらく何百ものT/2間隔の複合タップで均等化可能である必要がおそらくある。これは技術的な、しかし根本的ではない制約を意味する。ファイバのDGDと累積したDGDとの間の関係は以下で考察されるであろう。逆の見解では、大きいDGDは、モード間の非線形クロストークを減少するという有益な効果を持つであろう。
・分散モード結合の強度を最適化する。ファイバ内の低モード結合はMIMOクロストークを緩和するハードウェアの複雑さを最小限にするであろうということをもたらす。逆の見解では、強モード結合は、ファイバ内でのDMAの効果と増幅器でのモード依存利得を最小限にするのと同様に、距離と共にDGDの累積を最小にするという恩恵を持つ。
・低損失モードの実効断面積を最大限にすることを含む、非線形の伝搬障害に起因する低レベルの伝送ペナルティを提供する。
・最先端のファイバ製造技術によりコスト効率良く実現することができる。
FMFについて別の提案が最も有益な特性として提案されていることに留意されたい。本明細書の以下の部分で、ステップインデックスとグレーデッドインデックスファイバにおけるFMFの設計方針を考察し、任意の一連の目的を満たす設計を達成しようとするなかで作られる免れない代償を考える。少数モードファイバに関する最近のファイバ設計と伝送実験は、2つの制限を念頭において実施される。ある事例において、Nモードのファイバでのモード結合が、M<Nの時、Mモードの一部に限定されるであろうと仮定される。この低モード結合の一実例において、ファイバは5つの空間的モード(LP01、LP11、およびLP21からなる)をサポートし、そこで唯一の強結合はLP11aとLP11bの間、およびLP21aとLP21bの間である。したがって、1つの10×10MIMOアルゴリズムの代わりに、2つの4×4MIMO回復アルゴリズムを実行することだけが必要であった。他の系列的な事例では、完全2N×2NのMIMOの信号回復が必要である(ここで、各空間的モードについて2Nは2つの偏光からなる)というように、全てのNファイバの空間的なモードは十分に混合すると仮定される。先の研究では、独立したデータ流は3つの独立した空間的モード(LP01とLP11からなる)に多重化され、それらのxおよびy偏光は6×6MIMOの回復アルゴリズムにより10km、次に96km、そして次に1200kmにわたって逆多重化される。96km伝送では、大きなペナルティがLP11aおよびLP11bの4×4MIMOの復調の減少された複雑さについて観測される。これは受信機の設計と実施に関して、さらに複雑な事例である。前者の場合、ファイバの設計は分散モード結合を減らすため、最近傍のモード間で比較的大きいΔβを保持しなければならない。後者の場合、導波モード間でのより小さいΔβは、長さの関数としてDGDの累積を有益に遅らせ、より強いモードの混合(低損失モードの内部およびそれらの間における)を通じてDMAの効果を軽減するであろう。
このような状況において、DMA、モード結合および最大の累積したDGDは相互に関連した量であると見なすことは重要であると同時に興味深い。図1におけるファイバモード伝搬定数の説明図を考察する(伝搬定数はneff=β/kにより実効屈折率に変換することができる)。クラッド屈折率より上のモードは固定されたモードであり、クラッドより下のモードは漏洩モード(leaky mode)である。減衰およびDMAは、モードのマクロベンドおよびマイクロベンドの損失によって強く影響されるであろう。マクロベンド損失は通常βを最大限に(あるいは実効屈折率neffを同等に)することにより最小限にされる。上記βminをある最小レベルより上にすることは、SSMFでの損失とFMFでのDMAを最小限にするために重大である。SSMFは通常、クラッド屈折率の真上に技術的には固定されているものの損失の多いモードがあるように設計され、そのモードは高損失によって効果的に削除されると考えられている。同様の原理は、クラッドのない構造のステップインデックスあるいはグレーデッドインデックスFMFにも適用でき、最適化された設計は図1で破線として示されたクラッド屈折率の真上にモードを持つ。構築されたクラッドの事例では、損失の多いモードはクラッド屈折率の下に落ち漏洩モードとなるかもしれない。実際には、Δβlossy>>Δβijというようなモード空間を設計するのは困難である。
信号と損失の多いあるいは漏洩モードを伝達する固定したモード間での結合強度は方程式11.5によって左右され、ケーブル応力の存在下でマイクロベンド損失の原因となる。最も低い結合モードおけるマイクロベンド損失はΔβlossyの強力な働きであり、そのためΔβlossyを最大限にすることはDMAを最小限にするための条件でもある。強力なモード混合の実例における理想的な事例において、全てのΔβijは小さく、Δβminは比較的大きく、Δβλ0σσΨ>>Δβijである。これは、モードが強く対に結合するファイバが、(1)たとえ数百kmの短いリンク全域であっても、ファイバ長の平方根に比例する(方程式11.7参照)DGDの累積と、(2)DMAの有害な効果の軽減の原因となることをもたらすであろう。その上、最も低い導波モードのマクロベンドあるいはマイクロベンドは小さく、低DMAの原因となる。実際のところ、これらは実現するのが困難な状態である。隣接したモード間の間隔は少数モードにおいては強く変化しないことはよくあることで、通常クラッド屈折率全域でモード間隔に突然の変化はない。言い換えれば、複数の低損失の固定モード間での混合を促進し、同時に最も低い固定モードの損失を最小化するようにファイバを設計することは能力が試されることである。
低DMAは基本的な必要条件なので、低マクロベンドのためにはβminはあるしきい値よりも大きくなければならず、Δβlossy(通常、Δβijに似ている)はマイクロベンド損失を最小限にするために十分大きくなければならないと断定する。ひとたびこれら2つの基準が実現された場合、通常、Δβijの大きさを操作する柔軟性はわずかしかないであろう。
図2に示されるとおり、無限の半径方向の広がりと半径方向に変化する屈折率のクラッドを持つ円状に対称な光ファイバを考察する。クラッドの屈折率はncladで与えられ、r=0でのコアの屈折率はncoreである。半径方向の位置rでのコアの屈折率n(r)は、
ここで、aはコア半径、αはコア形状パラメータである。理想的なステップインデックスのコア形状はαが無限大になった場合に生じる。
この導波路構造によって誘導されるモードの実効屈折率、β/kは不等式
を満たさなければならないということを示すことができる。ここで、βはモードの伝搬定数、k=2π/λは自由空間における平面波の伝搬定数である。実効屈折率がクラッド屈折率よりも大きいとき、クラッド領域の横軸の領域における解は、変形方向に一過性であり、それゆえ、モードのエネルギーは導波路構造の中に閉じ込められ、モードは導波モードと見なされる。その実効屈折率がクラッドの屈折率と同じとき、クラッドの横軸の領域における解は一過性というよりはむしろ振動性であり、エネルギーはファイバ軸から取り除かれるので、モードは排除されると考えられている。通常、これはクラッドでの一過性領域の急速な消滅を引き起こすので、モードについてはクラッドの屈折率よりはるか上に実効屈折率を持ち、曲げ損失に左右されないのが望ましい。
弱い誘導前提を適用する、すなわち(ncore−nclad)/nclad<<1のとき、導波路特性は、長手方向の領域成分を持たない、すなわち偏光はファイバ軸に対して横断面である直線偏光されたモードによって、正確に近似できる。直線偏光されたモードの領域と特性方程式は、導波路特性の計算を単純化する単純な解析公式によって説明できる。LPモードの特性は、幅広い状態にわたる弱い誘導ファイバのそれら実際のモードの良い近似である。これらの理由により、LPモード解析は、光通信システムに使用される標準的な光ファイバを考察するときにしばしば使用される。LPモードは、弱い誘導の近似を使用しない、より一般的な解析により与えられるHE、TEおよびTMモードといった劣化したグループに相当する。領域の方位変動のない、すなわち方位角のモード番号がゼロのLPモードにおいて、LPモードは2つの劣化したモード、HE1xモードの2つの偏光からなる。領域の方位変動を持つ、すなわち方位角のモード番号がゼロより大きいLPモードにおいて、LPモードは、4つのほとんど劣化したモード、HE,EH,TEおよびTMモードの一式からなる。LPlmの命名は、一般に、個々の直線偏光されたモードに名前をつけるのに使用される。ここでは、方位角および半径方向のモード番号が各々にlとmで与えられる。最も低次のLP01モードはしばしば基本モードと見なされ、HE11モードの2つの偏光に相当する。最初のより高次なモード、LP11モードは、HE21モードの2つの偏光と、TM01およびTE01のモード、すなわち4つのほとんど劣化した実際のモードからなる。ステップインデックスファイバの正規化周波数は、
と定義される。ここで、Δ=(ncore−nclad)/ncladである。導波路が大きいV値を持つとき、いかなる与えられた導波モードもうまくコアに閉じ込められる、すなわち、より強く誘導されるので、正規化周波数は時に導波路強度と見なされる。
図3は、正規化周波数Vの関数として、ステップインデックスファイバの誘導されたLPlmモードの正規化された伝搬定数を示す。ijモードbijの正規化された伝播定数は、
と定義される。Vは2.405より小さいとき、基本のLP01のみが、実効屈折率がncladより大きくそれゆえファイバは単一モードであるという状態を満たす。Vが2.405より大きいとき、追加モードが伝搬状態を満たし、ファイバは1つ以上のLPモードの伝搬をサポートする。
シングルモードファイバの屈折率プロファイルを設計する場合、最も短い動作波長においてV値を2.405よりわずかに大きく、おおよそV〜2.8といったところに設定するのが通常である。たとえファイバは理論上はLP11モードの伝搬をサポートするとしても、LP11モードの実効屈折率はとても低く、ゆるく固定されたLP11モードは曲げや導波路の欠陥が原因である過剰損失の影響を受けやすい。実際の配備状態におけるこの設計のファイバでは、曲げに起因する過剰損失のせいでLP11は効果的に排除される。この、カットオフV値よりわずかに上のV値における導波路の動作の設計技は“より強固な導波路”をもたらし、それゆえ、基本モードは、他の可能性より良いモードの閉じ込めと曲げ損失の影響の受けにくさを持つ。この同じ設計の取り組みはFMFを設計する際も使用できる。
すでに述べたように、FMFにとって、多重化されたデータ流間でのクロストークを最小限にするためにSDM多重化で使用されるであろうモード間の低モード結合を持つことが望ましい。追加的必要条件は、SDM配置に使用される最も高次のモードは、これらのモードに結合されたエネルギーがエネルギー損失に終わるので、たとえ高次を誘導したとしても、漏洩あるいは放射モードへの低モード結合を持つことである。
理想的なファイバの誘導されたモードの領域形状は直交条件を満たし、それゆえ、エネルギーはモード間で結合されない。しかしながら、実際のファイバでは、直交性はファイバ内の欠陥、例えば、屈折率、ファイバ軸の歪みあるいはコアサイズの不均一性、コアの非真円度などによって壊され、モード間のエネルギー結合をもたらす。伝送路や接続点での欠陥は、光モードにパワーを交換させることができる。この問題は、MIMO信号処理に対して取り組まれているが、FMF特性の十分な理解のためには、モード結合の可能性と予想される結果を理解しなければならない。劣化したモード(同一の位相定数を持つLP01の2つの偏光のように)において、モード結合は通常、強固であり、すなわち、相当な光パワーが数十メートルでモード間を伝搬されるであろう。他のモード(例えば、LP11からLP01まで)の場合、結合はもっと弱く、位相定数における相対的な差によって決まる。そのような場合、光信号は、他のモードへのかなりな結合がある前に数十キロメートル伝わるかもしれない。異なるFMF設計の戦略は、強固な、あるいは弱いモード結合をもたらすことができる。先の取り組みは、欠陥が、モードの長手方向の伝搬定数における差Δβに相当する長手方向の空間周波数成分を持つとき、2つのモード間でエネルギーが結合するということを明らかにした。2つのモード間での結合の強度は、Δβの狭義関数である。隣接したモード群のモード間での結合は、
に比例する。ここで、pは摂動のパワースペクトルの特徴を示し、通常は、外部ストレスの種類、ファイバ外径および被覆特性によって0、1、あるいは2という値を持つ。この結果は、モード結合を最小限にするためには、モードのΔβを最大限にしなければならないということを暗示している。
図3より、Vが約4であるステップインデックスの2モードファイバにおいて、LP01とLP11のモード間でのΔβとLP11とLP21のモード間でのΔβが同時に最大限となることがわかる。この状態は、SDMに使用されるLP01とLP11のモード間での低モード結合と、LP11と損失の多いLP21のモード間での低モード結合をもたらす。同時に、LP01、LP11、LP21およびLP02モードの伝搬をサポートする4モードのステップインデックスファイバにおいて、その4つのモード間のモード結合は、V〜5.5のとき最小となる。しかしながら、LP21とLP02の間での結合は、他のモードの組み合わせでの結合と比べて、常に、比較的より強固であるであろう。
独立したSDMデータチャンネルを伝えるモードの群速度が異なる場合、ファイバの様々なモードに同時に発せられるパルスは、異なった時間でファイバ端に到達するであろう。モード結合とDGDが両方存在するとき、モード間のクロストークは複数ビット周期にわたって拡がる。モード間の累積DGDが増大し、クロストークが多くのビット周期にわたって拡がるとき、SDMの受信機ハードウェアでのチャンネルクロストークに対処したMIMO信号処理の電子機器は、さらに複雑になる。それゆえ、長距離のSDM伝送において、DGDを最小限にするのが望ましい。図4、ステップインデックスファイバの様々なモードにおける正規化群遅延を、Vの関数としてプロットしている。図4、Vがおよそ3.15に等しいとき、LP01とLP11のモードの群遅延曲線が交差しDGDがゼロになることを示す。V〜4のとき、2モードのステップインデックスファイバのΔβは最大限になるということが先節で分かっていることに留意しなければならない。それゆえ2モードのステップインデックスファイバにおいて、DGDとモード結合の両者を同時に最小限にすることは不可能である。4モードファイバにおいては、図4、最も低次の4モード全ての間での群遅延がゼロのところではステップインデックス設計は存在しないことを示す。ステップインデックスファイバにおいて、導波モードの一部の群遅延が等しくなるV値があることを留意しなければならない。例えば、Vが約6.5に等しいとき、LP02、LP21およびLP12のモードの群遅延はおおよそ等しい。しかしながら、V〜6.5のとき、ファイバはかなり異なる群遅延を持つ3つのさらなるモードをサポートする。
図4において、垂直線は、LP01とLP11のモード間でのDGDがゼロとなるV=3.15に位置している。しかしながら、V=3.15のとき、LP11モードの正規化伝搬定数はとても小さく、LP11のモードと漏洩モードとの間の結合は大きくDMAの原因となるであろう。V〜4.5のとき、正規化伝搬定数とLP01およびLP11の伝搬定数の差は大きく、LP01とLP11のモード間およびLP11と漏洩モードの間でのモード結合への感度が低くなる。その上、LP02とLP21のモードの伝搬定数はとても小さく、これらのモードはとても損失が多く、それゆえ、2つの最も低次なモードのみが低損失で伝搬する。しかしながら、V〜4.5のとき、LP01とLP11モードのDGDはかなり大きい。ファイバプロファイル設計のΔβの大きさに加え、モード結合もまたファイバの配備と関連する要因によって決まる。ここで、ケーブルの敷設とスプライスの影響を考察する必要がある。ケーブル応力は、ファイバの摂動のさらなる発生源をもたらすことにより、分布されたモード結合を増加するであろう。スプライスと接続は個別のモード結合点をもたらす。
小さくランダムなモード結合を考察する場合、DGDは、相関長さよりもはるかに短い距離において長さの平方根である距離に対して、直線的に増大するであろう。2モードの場合は、PMDに対して得られる結果に完全に相似している。短パルスが各モードに同時に発せられるとすると、パルス部分の到達時間の相違はファイバ長Lの関数として与えられ、
である。ここで、lは相関長さであり、Tはファイバを通過する飛行時間である。第二の方程式(長尺ファイバ極限)より、到達時間の広がりは製品の相関長さとファイバ長の平方根で増減する。同様の増減法則はいかなる数のモードの誘導についても適用できる。
2モードのステップインデックスファイバが低DGD、低モード結合および低DMAを同時にもたらすことができないことは、さらに複雑にされたコア形状を持つファイバの考察につながる。先の研究で、コア形状パラメータαが2.5の場合、V〜5.5のときLP01とLP11モードの群遅延曲線が交差し、ファイバは事実上2モードであるということが指摘された。図5および図6、正規化伝搬定数と群遅延の曲線を、それぞれ放物線(α=2.00)コアファイバの最初の6つのLPモードにおけるVの関数として示す。非ステップインデックスファイバ、すなわちα≠∞において、事前にステップインデックスファイバについて定義したようにVを定義する。αが有限な場合、V<2.405・(1+2/α) [34]のとき、ファイバは単一モードである。例えば、放物線プロファイルにおいてV=3.40のとき、カットオフが生じる。コア形状パラメータαは特定の波長において、DGDを最小限にするよう選択することができる。
図5は、V〜6のとき、LP01とLP11モードの伝搬定数の差が大きく、LP01とLP11のモード間でのモード結合に対する低感度をもたらすことを説明している。さらに、V〜6のとき、放物線コアファイバのLP11モードの正規化伝搬定数はかなり大きく、漏洩モードへのLP11の結合を最小限にする。その上、LP02とLP21モードの伝搬定数はとても小さく、これらのモードはとても損失が多く、それゆえ、2つの最も低次なモードのみが低損失で伝搬する。図6は放物線コア形状において、V〜6のとき、LP01とLP11モードの群遅延での差が少ないことを示す。
図5および図6は、さらに、放物線コア形状ファイバのVが6よりわずかに大きい値を持つとき、最初の4つのLPモードは、広く間隔をとった伝搬定数を持ち、低DGDだけでなく低モード結合をももたらす。その上、より高次なモードが効果的に削除される一方で、LP02とLP21モードの伝搬定数は最大にされる。
V〜6の時、正規化伝搬定数およびLP01とLP11モードの伝搬定数の差は大きく、LP01とLP11モード間、およびLP11と漏洩モード間でのモード結合に対する低感度をもたらす。その上、LP02とLP21モードの伝搬定数はとても小さく、これらのモードはとても損失が多く、それゆえ、2つの最も低次なモードのみが低損失で伝搬する。さらに、V〜6のとき、LP01とLP11モードの群遅延での差は少ない。
図6は、放物線(α=2.00)コアファイバの6モードについて群遅延曲線を示す。V〜6でのLP01とLP11モードの群遅延曲線の差は小さい。
少数モード伝送における強固な、および弱いモード結合という2つの形態が熟考されてきた一方で、弱い結合形態が配備された伝送リンクに存在するであろうといういくらかの懸念があるだろう。事実は、考察によってFMF伝送リンクでのモード結合の強度が、広がりと個別の寄与によって決まることを明らかにすることができる。図7は実現性を説明する四象限チャートを示す。配備されたファイバにおいて、ケーブルのスプライスはおよそ5km毎に生じるであろうから、80kmの増幅距離は平均16のスプライスを含む。その上、波長選択スイッチや光アンプといった他の構成要素も、モード結合にとってノードとなる。スプライスでのモード結合が十分で、10個のケーブル部分で相関長さlが5に等しいというならば、ファイバでの分散されたモード結合の強度にかかわらず(すなわちΔβijにかかわらず)、伝送は強力にモード結合された形態において生じる。これは、DGDはリンクにおいて√Lとして累積するという有益な結果を持ち、DMAの効果を和らげるが、全ての場合において完全な2N×2NのMIMO処理を必要とするであろう。しかしながら、それにもかかわらず大きいΔβは、通常考えられる最も小さいDMAをもたらし、このような基本的な理由のため、大きいΔβは、おそらく常に好ましい。図7に関連して、配備されたFMF伝送ラインでのモード結合の強度は、分散された、および個別のモード結合の両方によって決まるであろう。弱いモード結合形態での伝送は、どちらの寄与も弱いことを必要とする。スプライス、接続部およびインライン部品での個別のモード結合が十分に強固であるならば、ファイバでのモード間隔Δβはモード混合の考察のためにはそれほど重要でないが、DMAを最小限にすることにおいては一番に重要であり続けるであろう。
初期の研究は従来のMMFのスプライスでの損失とモード混合を考察していたが、モード結合において最新FMFのスプライスの効果は未だ定量的に究明されていない。スプライス、コネクタ、および部品が通常、強固なモード結合形態をもたらすという事例の場合、図7の右上の象限は、受信機において完全な2N×2NのMIMO処理を必要とするにもかかわらず、FMF設計への最良の取り組みであり、考えられる最も小さいDGDとDMAを生じることを証明するであろう。
表1は、LPモードのモード内容を、より基本となるHE、TE、およびTMモードの観点から示している。どのデータが多重化できるかについてモードの全数を計算するには、各空間モードパターンにおける2つの偏光を構成する2つを乗じる。
この表は、例えば10個の低損失で直交する空間モードをサポートするFMFを設計することは、伝送における最も低い6個のLPモードについて設計することと同等であるということを説明している。低損失モードの数の増加はV値の増加を必要とする。もし、Vがコア直径の大きくすることにより増加するならば、モードはさらに間隔が接近し、モードAeffは増加し、Δβlossyは小さくなり高DMAにつながるであろう。もし、VがコアΔの増加によって増加するならば、モードAeffは減少し、レイリー散乱損失はGeO2のより高い濃度が原因で増加し、モード間隔は増加しDMAを最小限にするのに役立つ。プロファイルにおける他の自由度同様に、コアΔと直径を調整するのに賢明な組み合わせは10〜20のモードを低DMAおよび低減衰損失で誘導することが必要である。
図4は、ステップインデックスファイバについて、V値が3.15近いときのみ、すなわち群遅延曲線が交差するところで、LP01とLP11のモード間でのDGDを小さくすることができることを示す。それゆえ、ステップインデックスプロファイルで低DGDを獲得することは、V値が3.15に近接していることを確実にするようにコアデルタとコア半径における厳しい精度を必要とする。図4はさらに、波長の狭範囲でのみ群遅延が低く留まるであろうことを示す。
図8は、低DGDと広域波長における2モードファイバおよび狭域波長における4モードファイバの製造のしやすさについて最適化されたレイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド・インデックス・プロファイルを説明している。図8においてncladはドープされていないシリカ(ゼロデルタ)である。コアは、コア中心ncoreから半径aまで広がる部分からなり、そこで屈折率はa地点に向かって直線的に屈折率が減少する。a地点での最大屈折率値はncoreでの値の半分より大きい。コアに隣接するのは図示されたとおりダウンドープド・トレンチである。図8において、トレンチはコアに接した状態で示されている。しかしながら、ある事例では、コアとトレンチの間にはレッジがあるかもしれない。
用語“レッジ”は、本明細書でアップドープド・コアとダウンドープド・トレンチを隔てる領域を定義するのに使用される。通常、レッジ部分はドープされていない。
一般論として、記載されている光ファイバは、コアとそのコアを取り囲むクラッドを持ち、そこで、コアとクラッドは、複数の所望する信号伝達モードの伝搬をサポートするように構築された屈折率プロファイルを持ち、好ましくないモードを抑制し、そこで、コアはコア中心ncoreから半径aまで広がる部分からなり、そこで屈折率はncoreからa地点まで直線的に減少し、そこで、クラッドはコアに隣接するダウンドープド・クラッド領域とそのダウンドープド・クラッド領域に隣接するドープされていないクラッド領域からなり、そこでコアとクラッドは複数の所望するモードのからなる空間的に多重化された光信号の伝搬をサポートするように構成され、同時に好ましくないモードを抑制し、そこで、外側のクラッド領域に漏出する漏洩モードをもたらすように好ましくないモードがそれぞれクラッド屈折率に近いか、より低い屈折率を持つというようにコアとコアを取り囲むクラッドは構築され、そこで、最も低い屈折率を持つ所望モードと最も高い屈折率を持つ漏洩モード間での屈折率間隔が十分に大きく、実質的に、それらの間での結合を防いでいる。
図8に示された屈折率プロファイルは、レイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド設計に言及し、ステップインデックスプロファイルよりも広いVの範囲において低DGDを持つ2モードの操作を提供するように最適化される。このプロファイル形状を持つ2モードファイバ設計のDGDはV値に対して鈍感である。
図9はVAD処理を使って製造されたレイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド・ファイバの試作品について算出された群遅延曲線を示す。LP01およびLP11のモードにおける群遅延曲線は、広域のV値にわたってお互いがとても近接して下降している。この性質は、単一モード伝送ファイバ製造に使用される標準の製造技術およびSSMFに典型的な製造精度を使用しつつ、低DGDを保持する、すなわちCバンド全体にわたり100ps/km未満である。VADおよびロッドインチューブ法の製造技術は、低DGD、低DMAおよび軸方向の均一性が良い数百kmのレイズド・トライアングル・デプレスド・クラッドで2モードの光ファイバを製造するために使用された。LP01およびLP11モードのAeffはそれぞれ155μmと160μmである。2モードファイバの減衰は0.2dB/kmである。
図10は、レイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド設計のV値の関数として正規化伝搬定数を示す。V〜4.5のとき、導波路は、図9に示されたとおり低DGDを持つ2モードの伝搬をサポートする。先の例は、ステップインデックス形状、放物線インデックス形状およびレイズド・トライアングル・コア・デプレスド・クラッド・インデックス形状を持つ2モードファイバにおいてゼロDGDが達成できることを示す。図4はステップインデックスファイバについて、全伝搬モードの群遅延曲線は、V=3.15のとき2モードの事例にのみ交差することを示す。図6は、放物線コアファイバについて、全ての群遅延曲線、ただし最も高次の伝搬モードがお互いすぐ近くに位置し、それゆえ低DGDは達成可能であるようにVは選択することができるということを示す。最も高次のモードが効果的に削除されたとき、Vは適切に選択される。図9は、レイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド・ファイバについてV〜5.31のとき、初めの4つのLPモードにおいて群遅延曲線は同時に交差し、4つの低損失モード全ての全域で低DGDをもたらす。しかしながら、LP02およびLP21モードのβは小さく、マクロベンドに対して高い感度と漏洩モードへの強い結合をもたらすかもしれない。群遅延曲線は、大きいV値において同時に交差しないので、4つ以上のLPモードにおいて、この設計は低DGDをもたらさない。
例1
図11は、実際のVADコア形状に基づくレイズド・トライアングル・プロファイルを示す。このファイバは、1550nmでLP01、LP11、LP02およびLP21のモードにおいて116ps/kmのDGDを持つ。
次に続く表は、先の図で示されたレイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド・プロファイルの算出された特性を示す。
レイズド・トライアングル・デプレスド・クラッド・プロファイルといったステップインデックス形状における多様性は、4つ以下のモードが伝搬を許されたとき、低DGDについて狭い設計空間しか提供しないので、代替手段はグレーデッドインデックス(GRIN)ファイバ設計を検討することにある。本明細で検討される屈折率プロファイルは、グレーデッドインデックスコア領域とデプレスド・クラッド領域(すなわち“トレンチ”)からなる。コアとトレンチ間でのシェルフ領域、あるいはコアとトレンチ間での屈折率ステップといったグレーデッドコアとトレンチの間での多くの追加的設計の特徴が存在するであろう。コア領域外側での屈折率プロファイルに対するこれらの特徴の目的は、モード伝搬定数の間隔を操作するための追加的柔軟性を提供し、所望する伝送特性の組み合わせを取得することである。グレーデッドコア領域を特徴づける簡単な方法は、方程式1に示されている。αパラメータは1から∞の間で選択し得るが、一方で、α=2は逆放物線に相当する。2モード設計に関して、LP01およびLP11モード間の低DGDは、1から∞の間のいかなるαであっても、ncore、rcore、トレンチの深さおよび位置といった他のプロファイルパラメータの適切な値を兼ね備えることで獲得できる。しかしながら、2つのLPモードを超えるFMFの設計に関しては、αは、全てのLPモードで低DGDを得るために逆放物線形状に近いように優先的に選択される。望ましい範囲は2.0±0.03である。トレンチの特徴には3つの機能がある。図1に示されたとおり、Δβijはできるだけ大きくなければならない。トレンチ構造はβmin(2モードのうちのLP01モード)がクラッド屈折率により近いことを許し、低損失を維持し、βlossyをクラッド屈折率より下に押し下げ漏洩モードとなる。トレンチは、減少された曲げ損失とLP01およびLP11モード両方の差動モード減衰(DMA)をさらに促進する。レイズドインデックスコアの周辺のトレンチはさらに、DGD、とりわけ高次モードを操作する屈折率構造を形成する。
本発明のファイバプロファイルは、システム性能にとって重要な、低減衰損失をもたらすであろう0.8%の最大Δを持つ。
例2
図12は例2における屈折率プロファイルを示す。ファイバはGRINコアでシェルフとトレンチを持つ。このプロファイルは、とりわけ複数モードの多重化に関して効果的である光ファイバの一般的分類を説明している。コア、シェルフ、トレンチを説明するファイバ設計に関するプロファイルパラメータは、以下である。
図13は、例2の光ファイバにおける微分群遅延を示す。
述べたとおり、図2の屈折率プロファイルは、特にモード多重伝送に関して複数のモードをサポートするために開発された光ファイバ設計群を代表するものである。それらの設計の多くはαコアを特徴とし、通常、1.5から2.5、望ましくは1.8から2.2の間でのα値を持ち、エッジは切り取られている。切り取られたエッジは、2μmあるいはそれ以内で正のデルタ屈折率値からゼロまで屈折率曲線が落ちる部分と定義される。トレンチは同様に、コアに隣接し、ゼロかあるいはその付近でデルタ値から実質的な負の値に2μmあるいはそれ以内で落下する屈折率曲線の部分を持つと定義される。なので、一般にこの種類で望ましい設計は切り取られたαコア、レッジ、トレンチおよびドープされていないクラッドを持つ。
いくつかの光ファイバ設計において、コアを切り取る必要がないかもしれないということが分かっている。さらに、トレンチを除いたいくつかの設計も効果があるということも分かっている。
効果があると判明した半径幅に関する設計パラメータは、
切り取られた(あるいは標準の)コア半径:5〜20μm
レッジ:1〜5μm
トレンチ:1〜10μm
である。
図14は、2つのファイバプロファイル群に関して、V値に対する正規化伝搬定数を示す。実線曲線は単純放物線(α=2)GRINプロファイルであり、破線曲線はGRINのFMF(破線)に関する。図14の実線曲線は、図4のα=2.00GRINファイバに相当する。破線曲線は、Cバンドでの伝送に最適化されたαプロファイルコアとトレンチ構造を持つGRIN設計に相当する。この新しい設計のモード構造は、図4のものと同じようであるが、正規化伝搬定数においていくらかの改良がある。同じコア屈折率において、モードはマクロベンド特性が改良され、改良されたDMAをもたらす。4つのLPモード、特にLP01、LP11、LP02およびLP21は、V≒7.5でよく誘導され、次により高次のモードLP12のカットオフ波長は1550nmより下である。V値は、最も低い2つの導波LPモードとクラッドの間で大きな実効屈折率差に達するように選択される。異なる導波LPモード間での正規化伝搬定数の大きい間隔は、大きいΔβlossyをサポートし、DMAを低く保つ。図13は広帯域幅における低DGDを裏付ける。
図15は、放物線GRIN−FMF(下側の曲線)およびCバンドでの運用のために最適化されたクラッド構造を持つGRIN−FMF(上側の曲線)における、LP01、LP11、LP02、LP21、LP03およびLP12モードの群遅延を示す。V値=7.5付近の垂直線は、4つのモード運用に相当する。
例3
本発明のさらなる実施形態は、図16の屈折率プロファイルによって表される。関連する設計パラメータは、以下の表で与えられる。
図17は、例3の実施形態における微分群遅延データを示す。
例4
本発明のさらなる実施形態は、図18の屈折率プロファイルで表される。関連する設計パラメータは以下の表で与えられる。
図19は、例4の実施形態における微分群遅延データを示す。
例5
本発明のさらなる実施形態は、図20の屈折率プロファイルで表される。関連する設計パラメータは以下の表で与えられる。
図21は、例5の実施形態に関する微分群遅延データを示す。
例6
本発明のさらなる実施形態は、図22の屈折率プロファイルで表される。この設計は6つのモード設計である。関連する設計パラメータは以下の表で与えられる。
図23は、上記表の設計における最初の5つのより高次なLPモードとLP01モードとの間での微分群遅延データを示す。
以下の表は、図22における6モード設計の波長に対するLP01、LP11、LP02、LP21、LP12およびLP31モードの実効断面積を示す。
光ファイバの大きい実効断面積は、モード内部とモード間の両方で非線形効果を減少させることができる。加えて、いくらかの微分群遅延はモード間の非線形効果を減少させることができる。しかしながら、同様の実効断面積を持つ逆の微分群遅延と微分群遅延勾配の組は、単純かつ低コストな受信機MIMO設計のため、全スパン群遅延を減少させることが望ましい。
モード多重伝送における複数の独立したモードをサポートする実効断面積のとても大きいファイバを設計する試みにおいて、LP01モードに関して160μmより大きい実効断面積をもたらし、ゼロに近い微分群遅延を持ち、逆の微分群遅延と微分群遅延勾配の組に関して調整可能な少数モードのファイバの設計空間を研究した。我々は、それらを実効断面積超拡大型・数モードファイバ設計(ULA−FMF)と呼ぶ。
例7 ULA−FMF設計1
例7のULA−FMFにおける屈折率プロファイルは、図24に示される。屈折率プロファイルの数値は以下である。
このULA−FMF設計では、デルタは低減衰において小さいままである。
この例におけるLP11モードとLP01モード間の微分群遅延は、図25に示される。
この設計の大きい実効断面積を説明するため、実効断面積は波長範囲に対して以下の表に示される。
例7において、トレンチの幅は1μm未満である。一般に、モード分割多重伝送において、2μm未満のトレンチ幅を持つ設計は、効果的であるが、稀である。
例8 ULA−FMF設計2
図26は、ULA−FMFファイバ設計の第二の例における屈折率プロファイルを示す。
この例における設計パラメータは、以下である。
図27は、例8の設計におけるLP11モードとLP01モード間の微分群遅延を示す。
この設計の実効断面積は、波長範囲に対して以下の表に示される。
例9 ULA−FMF設計3
図28は、ULA−FMFファイバ設計の第三の例における屈折率プロファイルを示す。
この例における設計パラメータは、以下である。
図29は、例9の設計におけるLP11モードとLP01モード間の微分群遅延を示す。
例9のULA−FMF設計は2つの導波モード(LP01およびLP11)を持つ。LP02モードは1.421μmで削除される。LP01モードの実効断面積は、1550nmにおいて196.35μmであり、ULA−FMF設計2のそれ(1550nmで215.5μm)と近い。DGD勾配は逆の兆候を持つ。それゆえ、ULA−FMF設計2および3は、全伝送スパンにわたり全DGDを減少させるため、対で使用されるであろう。DGD値は更に増加することができ、DGD値/DGD勾配は、モード間の非線形効果を最小限にし、累積された正味の全スパンのDGDを減少するようにさらに最適化することができる。
LP01モードおよびLP11モードの両方を使用した空間モード分割多重伝送の応用に加え、LP01モードに放たれた単一モードは他の潜在用途でもある。長距離伝送に広く配された接続に起因するいくらかのクロストークがあるであろう。しかしながら、小さい正味のDGDが時間領域内での広く配された接続の広がりを減少するのを助けることができる。現状のテクノロジーによると、本発明において熟考された少数モードファイバは、通常、2〜10個のモードをサポートする。この文脈におけるサポートとは、2〜10個の各モードが効果的な伝送チャンネルであり、致命的なクロストークなしに光信号を独立して伝送する能力があるということを意味する。致命的なクロストークとは、信号が情報にならないほど劣化することである。
当事者にとっては、本発明の多様な追加的改良が生じるであろう。基本的に技術が進歩してきた原理およびそれと同等のものに依存している本発明の具体的な教えからの全ての逸脱は、記載され請求されたとおり本発明の範囲内で適切に考慮される。

Claims (9)

  1. 光ファイバであって、
    1つのコアと前記コアを囲む1つのクラッドとを備え、
    前記コアとクラッドが、好ましくないモードを抑制するとともに所望する複数の搬送信号モードの伝搬をサポートするよう構築された屈折率プロファイルを有し、
    前記コアが、前記コアの中心ncoreから半径aまで広がる部分を備え、前記屈折率はncoreからa地点まで直線的に減少し、
    前記クラッドは、前記コアに境を接する又は隣接するダウン・ドープされたクラッド領域と、前記ダウン・ドープされたクラッド領域に境を接するドープされていないクラッド領域とを備え、
    前記コアとクラッドは、好ましくないモードを抑制するとともに所望する複数の固定されたモードの伝搬をサポートするよう構成され、それら複数の固定されたモード上へそれぞれ複数の独立したデータ流が致命的なクロストークなしに空間的に多重化され、
    損失の多い固定されたモード又は前記外側クラッド領域に漏れる漏洩モードをもたらすよう前記クラッドの屈折率に近い又はそれ以下であるそれぞれの実効屈折率を有するモードを前記好ましくないモードが含むよう、前記コアと取り囲むクラッドが構成され、
    最も低い実効屈折率を有する前記所望する固定されたモードと最も高い実効屈折率を有する前記好ましくないモードとの間での屈折率間隔は、その間での結合を実質的に防ぐように十分大きい、光ファイバ。
  2. 前記a地点における最大屈折率値が前記ncoreにおける値の半分より大きい、請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 前記光ファイバが2〜10個のモードに対して設計された少数モードファイバ(FMF)である、請求項1に記載の光ファイバ。
  4. 光ファイバであって、
    1つのコアと前記コアを囲む1つのクラッドとを備え、
    前記コアとクラッドが、好ましくないモードを抑制するとともに所望する複数の搬送信号モードの伝搬をサポートするように構築された屈折率プロファイルを有し、
    前記コアがαコアからなり、
    前記クラッドは、前記コアに境を接する又は隣接するダウン・ドープされたトレンチと前記トレンチに境を接するドープされていないクラッド領域とを備え、
    前記コアとクラッドは、好ましくないモードを抑制するとともに所望する複数の固定されたモードの伝搬をサポートするよう構成され、それら複数の固定されたモード上へそれぞれ複数の独立したデータ流が致命的なクロストークなしに空間的に多重化され、
    損失の多い固定されたモード又は前記外側クラッド領域に漏れる漏洩モードをもたらすよう前記クラッドの屈折率に近い又はそれ以下であるそれぞれの実効屈折率を有するモードを前記好ましくないモードが含むよう、前記コアと取り囲むクラッドが構成され、
    最も低い実効屈折率を有する前記所望する固定されたモードと最も高い実効屈折率を有する前記好ましくない漏洩モードとの間での屈折率間隔は、その間での結合を実質的に防ぐように十分大きい、光ファイバ。
  5. 前記光ファイバが2〜10個のモードに対して設計された少数モードファイバ(FMF)である、請求項4に記載の光ファイバ。
  6. 前記コアが切り取られたαコアからなる、請求項4に記載の光ファイバ。
  7. 前記クラッドが前記コアと前記トレンチの間のレッジを備える、請求項4に記載の光ファイバ。
  8. 前記屈折率プロファイルが、
    切り取られたコア半径:5〜20μm
    レッジ:1〜5μm
    トレンチ:1〜10μm
    を有する、請求項4に記載の光ファイバ。
  9. 前記トレンチが3μm未満の幅を有する、請求項8に記載の光ファイバ。
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