JP2016125724A - 蓄熱式空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】室内の暖房で余った熱を蓄熱媒体に回収でき、且つ運転条件に応じて室内の暖房と蓄熱媒体の温熱の蓄熱とを確実に行うことができる蓄熱式空気調和機を提供する。
【解決手段】冷媒回路(11)は、暖房蓄熱運転において、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒だけが蓄熱用熱交換器(63)を流れる第1動作と室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒と、冷媒回路(11)の高圧冷媒とが混合した冷媒が蓄熱用熱交換器(63)を流れる第2動作とを切り換えて行うように構成される。
【選択図】図10
【解決手段】冷媒回路(11)は、暖房蓄熱運転において、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒だけが蓄熱用熱交換器(63)を流れる第1動作と室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒と、冷媒回路(11)の高圧冷媒とが混合した冷媒が蓄熱用熱交換器(63)を流れる第2動作とを切り換えて行うように構成される。
【選択図】図10
Description
本発明は、蓄熱式空気調和機に関するものである。
従来より、室内の冷房や暖房を行う空気調和機が知られている。特許文献1には、蓄熱媒体を用いた蓄熱式空気調和機が開示されている。この蓄熱式空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、及び室内熱交換器が接続された冷媒回路と、冷媒回路の冷媒と蓄熱媒体とを熱交換させる蓄熱部とを有している。例えば同文献には、暖房運転時の冷媒の温熱を蓄熱媒体に付与する暖房蓄熱運転が記載されている。この暖房蓄熱運転では、圧縮機で圧縮された冷媒が、複数の室内熱交換器で凝縮するとともに、高圧冷媒が蓄熱部を流れる。蓄熱部では、冷媒の熱が蓄熱媒体に付与される。
また、同文献の蓄熱式空気調和機では、蓄熱媒体として例えば臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB:Tetra Butyl Ammonium Bromide)水溶液が用いられる。つまり、蓄熱媒体は、水溶液の温度が所定温度(水和物生成温度)未満に至ると、包接水和物が生成される。包接水和物は、比較的大きな潜熱を有する微細な水和物結晶を構成する。
特許文献1に記載のような蓄熱式空気調和機では、室内熱交換器で冷媒を凝縮させた後、この冷媒を蓄熱熱交換器に流すことで、蓄熱媒体に温熱を付与する暖房蓄熱運転を行うことが考えられる。このような暖房蓄熱運転を行うことで、圧縮機で圧縮された高圧冷媒の熱のうち暖房に利用された熱の残りを蓄熱媒体の蓄熱にも利用できる。
一方、蓄熱式空気調和機の運転状況によっては、室内熱交換器で凝縮した冷媒の温度と蓄熱媒体の温度差が小さくなってしまい、凝縮後の冷媒により蓄熱媒体を加熱することが困難となり、暖房蓄熱運転を継続して実行することができなくなる。
本発明かかる点に鑑みてなされたものであり、室内の暖房で余った熱を蓄熱媒体に回収でき、且つ運転条件に応じて室内の暖房と蓄熱媒体の温熱の蓄熱とを確実に行うことができる蓄熱式空気調和機を提供することである。
第1の発明は、蓄熱式空気調和機を対象とし、圧縮機(22)と、室外熱交換器(23)と、室内熱交換器(72)とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、冷却されることによって包接水和物が生成される蓄熱媒体と上記冷媒回路(11)の冷媒とを熱交換させる蓄熱用熱交換器(63)と、該蓄熱媒体を循環させるポンプ(67)と、該蓄熱媒体が貯留される蓄熱タンク(62)とが接続される蓄熱回路(61)と、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、且つ高圧冷媒が上記蓄熱用熱交換器(63)を介して上記蓄熱媒体を加熱し、上記室外熱交換器(23)で冷媒が蒸発する暖房蓄熱運転と、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、且つ上記蓄熱媒体が上記蓄熱用熱交換器(63)を介して上記冷媒を加熱し、且つ冷媒が上記室外熱交換器(23)で蒸発する利用暖房運転とを切り換えて実行させるように構成される運転制御部(100)とを備え、上記冷媒回路(11)は、上記暖房蓄熱運転において、上記室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒だけが上記蓄熱用熱交換器(63)を流れる第1動作と上記室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒と、上記冷媒回路(11)の高圧冷媒とが混合した冷媒が上記蓄熱用熱交換器(63)を流れる第2動作とを切り換えて行うように構成されることを特徴とする。
第1の発明では、室内熱交換器(72)で冷媒を凝縮させて室内の暖房を行うと同時に、冷媒の熱を蓄熱媒体に付与する暖房蓄熱運転が行われる。暖房蓄熱運転では、第1動作と第2動作とが切り換えられる。
第1動作では、圧縮機(22)で圧縮された高圧冷媒が、室内熱交換器(72)で凝縮した後、蓄熱用熱交換器(63)を通過する。蓄熱用熱交換器(63)では、冷媒の熱が蓄熱媒体に付与され、蓄熱媒体に温熱が蓄えられる。その後、冷媒は室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。このように、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒を蓄熱用熱交換器(63)に直列に流すことで、特に凝縮後の冷媒の温度が高くなる条件において、暖房で余った冷媒の熱を蓄熱媒体に回収させることができる。
第2動作では、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒と、圧縮機(22)で圧縮された高圧ガス冷媒とが混合した後、蓄熱用熱交換器(63)を流れる。混合後の冷媒は、高圧冷媒により加熱されるため、第1動作と比較して高温となる。従って、蓄熱用熱交換器(63)では、冷媒と蓄熱媒体との温度差が大きくなる。この結果、例えば蓄熱媒体の温度が比較的高い条件下であっても、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱媒体に温熱を確実に付与することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記冷媒回路(11)は、上記暖房蓄熱運転中のガスライン(L2)と、上記室内熱交換器(72)と上記蓄熱用熱交換器(63)との間の流路とを繋ぐ導入管(51)と、上記導入管(51)に接続され、上記第1動作時に閉鎖され、上記第2動作時に開放される開閉機構(EV2)とを備えていることを特徴とする。
第2の発明の第1動作では、導入管(51)の開閉機構(EV2)が閉鎖状態となる。このため、第1動作では、圧縮機(22)で圧縮された高圧ガス冷媒が、ガスライン(L2)を経由して室内熱交換器(72)を流れて凝縮する。凝縮した冷媒は、蓄熱用熱交換器(63)で蓄熱媒体に温熱を付与する。第2動作では、導入管(51)の開閉機構(EV2)が開放状態となる。このため、第2動作では、圧縮機(22)で圧縮された高圧ガス冷媒の一部が室内熱交換器(72)を流れ、残りは導入管(51)を流れる。室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、導入管(51)を流出した高圧ガス冷媒と混合する。混合後の冷媒は、蓄熱用熱交換器(63)で蓄熱媒体に温熱を付与する。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記運転制御部(100)は、上記暖房蓄熱運転の第1動作において、上記室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度と、上記蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度との温度差が小さいことを示す条件が成立すると、上記第1動作から上記第2動作へ移行させることを特徴とする。
第3の発明では、第1動作中において、運転制御部(100)が第2動作へ移行するための判定を行う。この判定は、室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度と、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度との温度差ΔTが小さいことを示す条件により行われる。つまり、これらの温度差ΔTが小さい場合、第1動作を継続して行ったとしても、蓄熱用熱交換器(63)では、冷媒と蓄熱媒体との温度差ΔTが小さくなる。このため、蓄熱用熱交換器(63)では、冷媒の熱を蓄熱媒体に付与することがほとんどできず、暖房蓄熱運転が成立しなくなる。
そこで、運転制御部(100)は、上記温度差ΔTが小さいことを示す条件が成立すると、第1動作から第2動作へ移行させる。第2動作では、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒に高温の高圧ガス冷媒が混合されてから、蓄熱用熱交換器(63)へ送られるため、蓄熱媒体を確実に加熱できる。この結果、暖房蓄熱運転を継続して確実に行うことができる。
第4の発明は、第3の発明において、上記蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度を検出する温度検出部(S1)を備え、上記運転制御部(100)は、上記暖房蓄熱運転の第1動作において、上記温度検出部(S1)で検出した蓄熱媒体の温度Taが所定値より高くなると、上記第1動作から上記第2動作へ移行させることを特徴とする。
第4の発明では、温度検出部(S1)で検出した蓄熱媒体の温度Taが所定値より高くなると、上記ΔTが小さくなったと判定する。つまり、暖房蓄熱運転では、室内熱交換器(72)の凝縮温度がある程度の範囲に設定されており、室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度も大きくは変化しない。これに対し、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度は、第1動作の継続に伴い上昇していく。従って、蓄熱媒体の温度Taがわかれば、上記ΔTの大小を概ね把握できる。
そこで、運転制御部(100)は、温度検出部(S1)で検出した蓄熱媒体の温度Taが所定値より高くなるとΔTも小さくなったとみなし、第1動作から第2動作へ移行させる。この結果、暖房蓄熱運転を継続して確実に行うことができる。
第5の発明は、第4の発明において、上記蓄熱タンク(62)には、蓄熱媒体を流出させる流出管(65)が接続され、上記温度検出部(S1)は、上記流出管(65)の蓄熱媒体の温度を検出することを特徴とする。
第5の発明では、温度検出部(S1)が蓄熱タンク(62)の流出管(65)の蓄熱媒体の温度を検出する。暖房蓄熱運転の第1動作中において、流出管(65)を流れる蓄熱媒体の温度は比較的低い温度である。従って、この蓄熱媒体の温度が所定値より高くなるということは、室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度と、蓄熱媒体の温度との温度差ΔTが、蓄熱回路(61)の全体に亘って小さくなったことを意味する。そこで、運転制御部(100)は、温度検出部(S1)で検出した蓄熱媒体の温度Taが所定値より高くなると温度差ΔTも小さくなったとみなし、第1動作から第2動作へ移行させる。この結果、温度差ΔTが小さい状況化で不要に第1動作を継続してしまうことを速やかに回避できる。
第6の発明は、第2の発明において、上記運転制御部(100)は、上記室外熱交換器(23)で冷媒が凝縮し、冷熱が蓄えられた上記蓄熱媒体が上記蓄熱用熱交換器(63)を介して冷媒を冷却し、且つ上記室内熱交換器(72)で冷媒が蒸発する利用冷房運転を切り換えて実行させるように構成され、上記開閉機構は、減圧弁(EV2)で構成され、上記冷媒回路(11)は、上記利用冷房運転において、上記蓄熱用熱交換器(63)から上記室内熱交換器(72)へ送られる高圧冷媒と、上記導入管(51)に分流し上記減圧弁(EV2)で減圧された冷媒とを熱交換させる熱交換器(52)を有していることを特徴とする。
第6の発明では、利用冷房運転が切り換えて実行される。利用冷房運転では、室外熱交換器(23)で凝縮した冷媒が、蓄熱用熱交換器(63)を流れる際、蓄熱媒体の冷熱が冷媒に付与される。蓄熱用熱交換器(63)を流れた高圧冷媒は、熱交換器(52)を通過する。熱交換器では、この高圧冷媒と、導入管(51)に分流して減圧された冷媒とが熱交換する。この結果、高圧冷媒が冷却され、この冷媒の過冷却度が大きくなる。
蓄熱用熱交換器(63)を通過した冷媒が室内熱交換器(72)へ送られるまでの配管(例えば連絡配管)では、圧力損失や配管の揚程の影響を受けて、冷媒が減圧されてしまう可能性がある。即ち、連絡配管では、いわゆるフラッシュガスが発生する可能性がある。これに対し、本発明では、蓄熱用熱交換器(63)を通過した冷媒を熱交換器(52)で冷却し、冷媒の過冷却度を大きくするため、このようなフラッシュガスの発生を防止できる。
一方、高圧冷媒の過冷却度を大きくする方法としては、蓄熱用熱交換器(63)の上流側に熱交換器(過冷却熱交換器)を設けることも考えられる。しかし、仮に蓄熱用熱交換器(63)の上流側で冷媒を過冷却すると、蓄熱用熱交換器(63)を流れる冷媒と、蓄熱媒体の温度差が小さくなり、蓄熱媒体の冷熱を有効に利用できなくなる。これに対し、本発明では、利用冷房運転中の蓄熱用熱交換器(63)の下流側に熱交換器(52)を配置し、冷媒を過冷却しているため、蓄熱媒体の冷熱を有効に利用しつつ、上述したフラッシュガスの発生を防止できる。
更に、本発明では、暖房蓄熱運転の第1動作と第2動作とを切り換えるための導入管(51)及び開閉機構(EV2)とが、利用冷房運転においても利用される。これにより、冷媒回路(11)の部品点数を削減できる。
第1の発明の暖房蓄熱運転では、室内熱交換器(72)による暖房で余った熱を蓄熱用熱交換器(63)を介して蓄熱媒体に付与させる第1動作と、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒に高圧ガス冷媒を混合して蓄熱用熱交換器(63)に送る動作とを切り換えて行うようにしている。このため、運転状況に応じて、暖房の余剰の熱を蓄熱媒体に回収させる動作と、蓄熱媒体に温熱を確実に蓄えることができる動作とを切り換えることができ、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱媒体に効率よく温熱を蓄積させることができる。
第3の発明では、第1動作において、室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度と、蓄熱媒体の温度との温度差ΔTが小さいことを示す条件が成立すると、第2動作へ移行する。従って、冷媒の熱を蓄熱媒体に付与できないような条件下において、不要に第1動作を継続してしまうことを防止でき、蓄熱媒体に温熱を確実に蓄えることができる。
第4の発明では、蓄熱媒体の温度のみを検出し、温度差ΔTを推測できる。この結果、温度センサ等の部品点数を削減できる。
第5の発明では、蓄熱タンク(62)の流出管(65)の蓄熱媒体の温度を基準に第1動作から第2動作への移行の判定を行うため、実質的にはΔTが比較的小さいにも拘わらず、不要に第1動作が継続されてしまうことを確実に回避できる。
第6の発明では、利用冷房運転時に熱交換器(52)で冷媒を過冷却するため、室内熱交換器(72)までの流路で冷媒が気化する、いわゆるフラッシュガスの発生を防止できる。この結果、連絡配管での異音の発生を防止したり、室内側の膨張弁の制御性の低下を防止したり、冷房運転の効率が低下を防止したりできる。加えて、利用冷房運転では、蓄熱媒体の冷熱を冷媒に効率よく回収しつつ、室内の冷房を行うことができる。
更に、導入管(51)及び開閉機構(EV2)を利用冷房運転と暖房蓄熱運転との双方で兼用でき、部品点数の削減、蓄熱式空気調和機の簡素化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態》
本発明の実施形態に係る蓄熱式空気調和機(10)は、室内の冷房と暖房とを切り換えて行う。蓄熱式空気調和機(10)は、冷媒の冷熱を蓄熱媒体に蓄え、この冷熱を冷房に利用する。蓄熱式空気調和機(10)は、冷媒の温熱を蓄熱媒体に蓄え、この温熱を暖房に利用する。
本発明の実施形態に係る蓄熱式空気調和機(10)は、室内の冷房と暖房とを切り換えて行う。蓄熱式空気調和機(10)は、冷媒の冷熱を蓄熱媒体に蓄え、この冷熱を冷房に利用する。蓄熱式空気調和機(10)は、冷媒の温熱を蓄熱媒体に蓄え、この温熱を暖房に利用する。
〈全体構成〉
図1に示すように、蓄熱式空気調和機(10)は、室外ユニット(20)と、蓄熱ユニット(40)と、複数の室内ユニット(70)とを備えている。室外ユニット(20)及び蓄熱ユニット(40)は、室外に設置される。複数の室内ユニット(70)は、室内に設置される。なお、図1では便宜上、1台の室内ユニット(70)のみを図示している。
図1に示すように、蓄熱式空気調和機(10)は、室外ユニット(20)と、蓄熱ユニット(40)と、複数の室内ユニット(70)とを備えている。室外ユニット(20)及び蓄熱ユニット(40)は、室外に設置される。複数の室内ユニット(70)は、室内に設置される。なお、図1では便宜上、1台の室内ユニット(70)のみを図示している。
室外ユニット(20)には室外回路(21)が、蓄熱ユニット(40)には中間回路(41)が、室内ユニット(70)には室内回路(71)がそれぞれ設けられる。蓄熱式空気調和機(10)では、室外回路(21)と中間回路(41)とが3本の連絡配管(12,13,14)を介して互いに接続され、中間回路(41)と複数の室内回路(71)とが2本の連絡配管(15,16)を介して互いに接続される。これにより、蓄熱式空気調和機(10)では、充填された冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)が構成される。蓄熱式空気調和機(10)は、後述する各機器を制御するコントローラ(100)(運転制御部)を有している。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(20)には、冷媒回路(11)の一部を成す室外回路(21)が設けられる。室外回路(21)には、圧縮機(22)、室外熱交換器(23)、室外膨張弁(24)、及び四方切換弁(25)が接続される。室外回路(21)には、第1過冷却回路(30)と、中間吸入管(35)とが接続されている。
室外ユニット(20)には、冷媒回路(11)の一部を成す室外回路(21)が設けられる。室外回路(21)には、圧縮機(22)、室外熱交換器(23)、室外膨張弁(24)、及び四方切換弁(25)が接続される。室外回路(21)には、第1過冷却回路(30)と、中間吸入管(35)とが接続されている。
〔圧縮機〕
実施形態の圧縮機(22)は、単段式の1台の圧縮機であり、冷媒を圧縮して吐出する圧縮部を構成している。圧縮機(22)では、ケーシング(22a)の内部にモータ及び圧縮機構(図示省略)が収容されている。実施形態の圧縮機構は、スクロール式の圧縮機構で構成されている。しかし、圧縮機構は、揺動ピストン式、ローリングピストン式、スクリュー式、ターボ式等の種々の方式を採用できる。圧縮機構では、渦巻き状の固定スクロールと可動スクロールの間に圧縮室が形成され、この圧縮室の容積が徐々に小さくなることで冷媒が圧縮される。圧縮機(22)のモータは、インバータ部によって運転周波数が可変に構成されている。つまり、圧縮機(22)は、回転数(容量)が可変なインバータ式の圧縮機である。
実施形態の圧縮機(22)は、単段式の1台の圧縮機であり、冷媒を圧縮して吐出する圧縮部を構成している。圧縮機(22)では、ケーシング(22a)の内部にモータ及び圧縮機構(図示省略)が収容されている。実施形態の圧縮機構は、スクロール式の圧縮機構で構成されている。しかし、圧縮機構は、揺動ピストン式、ローリングピストン式、スクリュー式、ターボ式等の種々の方式を採用できる。圧縮機構では、渦巻き状の固定スクロールと可動スクロールの間に圧縮室が形成され、この圧縮室の容積が徐々に小さくなることで冷媒が圧縮される。圧縮機(22)のモータは、インバータ部によって運転周波数が可変に構成されている。つまり、圧縮機(22)は、回転数(容量)が可変なインバータ式の圧縮機である。
〔室外熱交換器〕
室外熱交換器(23)は、例えばクロスフィン・アンド・チューブ式の熱交換器で構成されている。室外熱交換器(23)の近傍には、室外ファン(26)が設けられている。室外熱交換器(23)では、室外ファン(26)が搬送する空気と、室外熱交換器(23)を流れる冷媒とが熱交換する。
室外熱交換器(23)は、例えばクロスフィン・アンド・チューブ式の熱交換器で構成されている。室外熱交換器(23)の近傍には、室外ファン(26)が設けられている。室外熱交換器(23)では、室外ファン(26)が搬送する空気と、室外熱交換器(23)を流れる冷媒とが熱交換する。
〔室外膨張弁〕
室外膨張弁(24)は、室外熱交換器(23)の液側端部と連絡配管(12)の接続端の間に配置されている。室外膨張弁(24)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の流量を調節する。
室外膨張弁(24)は、室外熱交換器(23)の液側端部と連絡配管(12)の接続端の間に配置されている。室外膨張弁(24)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の流量を調節する。
〔四方切換弁〕
四方切換弁(25)は、第1から第4までのポートを有している。四方切換弁(25)の第1ポートは、圧縮機(22)の吐出管(27)に接続され、四方切換弁(25)の第2ポートは、圧縮機(22)の吸入管(28)(低圧吸入部)に接続されている。四方切換弁(25)の第3ポートは、室外熱交換器(23)のガス側端部に繋がり、四方切換弁(25)の第4ポートは、連絡配管(14)の接続端に繋がっている。
四方切換弁(25)は、第1から第4までのポートを有している。四方切換弁(25)の第1ポートは、圧縮機(22)の吐出管(27)に接続され、四方切換弁(25)の第2ポートは、圧縮機(22)の吸入管(28)(低圧吸入部)に接続されている。四方切換弁(25)の第3ポートは、室外熱交換器(23)のガス側端部に繋がり、四方切換弁(25)の第4ポートは、連絡配管(14)の接続端に繋がっている。
四方切換弁(25)は、第1ポートと第3ポートが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連通する状態(図1の実線で示す第1の状態)と、第1ポートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3ポートが連通する状態(図1の破線で示す第2の状態)とに切換可能に構成されている。
〔第1過冷却回路〕
第1過冷却回路(30)は、第1導入管(31)と第1過冷却熱交換器(32)とを有している。第1導入管(31)の一端は、室外膨張弁(24)と連絡配管(12)の接続端との間に接続される。第1導入管(31)の他端は、圧縮機(22)の吸入管(28)に接続される。つまり、第1導入管(31)は、液ライン(L1)と圧縮機(22)の低圧側の吸入管(28)とを繋ぐ低圧導入管を構成している。ここで、液ライン(L1)は、室外熱交換器(23)の液側端部と室内熱交換器(72)の液側端部に亘るまでの流路である。第1導入管(31)には、その一端から他端に向かって順に、第1減圧弁(EV1)、第1伝熱流路(33)が接続されている。第1減圧弁(EV1)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで第2伝熱流路(34)の出口の冷媒の過冷却度を調節する。第1過冷却熱交換器(32)は、第2伝熱流路(34)を流れる冷媒と、第1伝熱流路(33)を流れる冷媒とを熱交換させる第1熱交換器を構成する。第2伝熱流路(34)は、冷媒回路(11)の液ライン(L1)のうち、室外膨張弁(24)と連絡配管(12)の接続端との間に設けられる。
第1過冷却回路(30)は、第1導入管(31)と第1過冷却熱交換器(32)とを有している。第1導入管(31)の一端は、室外膨張弁(24)と連絡配管(12)の接続端との間に接続される。第1導入管(31)の他端は、圧縮機(22)の吸入管(28)に接続される。つまり、第1導入管(31)は、液ライン(L1)と圧縮機(22)の低圧側の吸入管(28)とを繋ぐ低圧導入管を構成している。ここで、液ライン(L1)は、室外熱交換器(23)の液側端部と室内熱交換器(72)の液側端部に亘るまでの流路である。第1導入管(31)には、その一端から他端に向かって順に、第1減圧弁(EV1)、第1伝熱流路(33)が接続されている。第1減圧弁(EV1)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで第2伝熱流路(34)の出口の冷媒の過冷却度を調節する。第1過冷却熱交換器(32)は、第2伝熱流路(34)を流れる冷媒と、第1伝熱流路(33)を流れる冷媒とを熱交換させる第1熱交換器を構成する。第2伝熱流路(34)は、冷媒回路(11)の液ライン(L1)のうち、室外膨張弁(24)と連絡配管(12)の接続端との間に設けられる。
〔中間吸入管〕
中間吸入管(35)は、中間圧の冷媒を圧縮機(22)の圧縮室の圧縮途中に導入する中間吸入部を構成している。中間吸入管(35)の始端は、連絡配管(13)の接続端に接続され、中間吸入管(35)の終端は、圧縮機(22)の圧縮機構の圧縮室に接続されている。中間吸入管(35)は、圧縮機(22)のケーシング(22a)の内部に位置する内側配管部(36)を有している。中間吸入管(35)の内圧は、基本的に、冷媒回路(11)の高圧と低圧の間の中間圧力に相当する。中間吸入管(35)には、上流側から下流側に向かって順に、第1電磁弁(SV1)、逆止弁(CV1)が接続される。第1電磁弁(SV1)は、流路を開閉する開閉弁である。逆止弁(CV1)は、主蓄熱用流路(44)(詳細は後述する)から圧縮機(22)へ向かう方向(図1の矢印方向)の冷媒の流れを許容し、圧縮機(22)から主蓄熱用流路(44)へ向かう方向の冷媒の流れを禁止する。
中間吸入管(35)は、中間圧の冷媒を圧縮機(22)の圧縮室の圧縮途中に導入する中間吸入部を構成している。中間吸入管(35)の始端は、連絡配管(13)の接続端に接続され、中間吸入管(35)の終端は、圧縮機(22)の圧縮機構の圧縮室に接続されている。中間吸入管(35)は、圧縮機(22)のケーシング(22a)の内部に位置する内側配管部(36)を有している。中間吸入管(35)の内圧は、基本的に、冷媒回路(11)の高圧と低圧の間の中間圧力に相当する。中間吸入管(35)には、上流側から下流側に向かって順に、第1電磁弁(SV1)、逆止弁(CV1)が接続される。第1電磁弁(SV1)は、流路を開閉する開閉弁である。逆止弁(CV1)は、主蓄熱用流路(44)(詳細は後述する)から圧縮機(22)へ向かう方向(図1の矢印方向)の冷媒の流れを許容し、圧縮機(22)から主蓄熱用流路(44)へ向かう方向の冷媒の流れを禁止する。
〈蓄熱ユニット〉
蓄熱ユニット(40)は、室外ユニット(20)と室内ユニット(70)に介在する中継ユニットを構成している。蓄熱ユニット(40)には、冷媒回路(11)の一部を成す中間回路(41)が設けられる。中間回路(41)には、主液管(42)、主ガス管(43)、及び主蓄熱用流路(44)が接続されている。中間回路(41)には、第2過冷却回路(50)が接続されている。蓄熱ユニット(40)には、蓄熱装置(60)が設けられる。
蓄熱ユニット(40)は、室外ユニット(20)と室内ユニット(70)に介在する中継ユニットを構成している。蓄熱ユニット(40)には、冷媒回路(11)の一部を成す中間回路(41)が設けられる。中間回路(41)には、主液管(42)、主ガス管(43)、及び主蓄熱用流路(44)が接続されている。中間回路(41)には、第2過冷却回路(50)が接続されている。蓄熱ユニット(40)には、蓄熱装置(60)が設けられる。
〔主液管〕
主液管(42)は、液ライン(L1)の一部を構成している。主液管(42)は、連絡配管(12)の接続端と連絡配管(15)の接続端とを接続している。主液管(42)には、第2電磁弁(SV2)が接続される。第2電磁弁(SV2)は、流路を開閉する開閉弁である。主液管(42)は、単純暖房運転(1)において、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒が蓄熱用熱交換器(63)をバイパスして室外熱交換器(23)へ送る第2バイパス流路を構成している。
主液管(42)は、液ライン(L1)の一部を構成している。主液管(42)は、連絡配管(12)の接続端と連絡配管(15)の接続端とを接続している。主液管(42)には、第2電磁弁(SV2)が接続される。第2電磁弁(SV2)は、流路を開閉する開閉弁である。主液管(42)は、単純暖房運転(1)において、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒が蓄熱用熱交換器(63)をバイパスして室外熱交換器(23)へ送る第2バイパス流路を構成している。
〔主ガス管〕
主ガス管(43)は、ガスライン(L2)の一部を構成している。ここで、ガスライン(L2)は、四方切換弁(25)の第4ポートから室内熱交換器(72)のガス側端部に亘るまでの流路である。主ガス管(43)は、連絡配管(14)の接続端と連絡配管(16)の接続端とを連結している。
主ガス管(43)は、ガスライン(L2)の一部を構成している。ここで、ガスライン(L2)は、四方切換弁(25)の第4ポートから室内熱交換器(72)のガス側端部に亘るまでの流路である。主ガス管(43)は、連絡配管(14)の接続端と連絡配管(16)の接続端とを連結している。
〔主蓄熱用流路〕
主蓄熱用流路(44)は、主液管(42)と主ガス管(43)との間に接続されている。主蓄熱用流路(44)の一端は、連絡配管(12)の接続端と第2電磁弁(SV2)の間に接続されている。主蓄熱用流路(44)には、主液管(42)側から主ガス管(43)側に向かって順に、第3電磁弁(SV3)、予熱側冷媒流路(64b)、蓄熱用膨張弁(45)、蓄熱側冷媒流路(63b)、第4電磁弁(SV4)が接続されている。第3電磁弁(SV3)及び第4電磁弁(SV4)は、流路を開閉する開閉弁である。蓄熱用膨張弁(45)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の圧力を調節する。
主蓄熱用流路(44)は、主液管(42)と主ガス管(43)との間に接続されている。主蓄熱用流路(44)の一端は、連絡配管(12)の接続端と第2電磁弁(SV2)の間に接続されている。主蓄熱用流路(44)には、主液管(42)側から主ガス管(43)側に向かって順に、第3電磁弁(SV3)、予熱側冷媒流路(64b)、蓄熱用膨張弁(45)、蓄熱側冷媒流路(63b)、第4電磁弁(SV4)が接続されている。第3電磁弁(SV3)及び第4電磁弁(SV4)は、流路を開閉する開閉弁である。蓄熱用膨張弁(45)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の圧力を調節する。
主蓄熱用流路(44)には、蓄熱用膨張弁(45)をバイパスする第1バイパス管(44a)が接続されている。第1バイパス管(44a)には、蓄熱用膨張弁(45)と並列に第5電磁弁(SV5)が接続されている。第5電磁弁(SV5)は、流路を開閉する開閉弁である。また、主蓄熱用流路(44)には、蓄熱用膨張弁(45)と並列に圧力逃がし弁(RV)が接続されている。
主蓄熱用流路(44)は、高圧冷媒が上記室内熱交換器(72)をバイパスして蓄熱用熱交換器(63)へ流れる第1バイパス流路を構成している。
〔第2過冷却回路〕
第2過冷却回路(50)は、第2導入管(51)と第2過冷却熱交換器(52)とを有している。第2導入管(51)の一端は、第2電磁弁(SV2)と連絡配管(15)の接続端との間に接続される。第2導入管(51)の他端は、主ガス管(43)に接続される。主ガス管(43)において、第2導入管(51)の接続部は、主蓄熱用流路(44)の接続部と連絡配管(16)の接続端の間に位置している。第2導入管(51)には、その一端から他端に向かって順に、第2減圧弁(EV2)、第3伝熱流路(53)が接続されている。第2減圧弁(EV2)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで第4伝熱流路(54)の出口の冷媒の過冷却度を調節する。第2過冷却熱交換器(52)は、第4伝熱流路(54)を流れる冷媒と、第3伝熱流路(53)を流れる冷媒とを熱交換させる。第4伝熱流路(54)は、主液管(42)のうち第2電磁弁(SV2)と連絡配管(15)の接続端の間に設けられる。第2過冷却回路(50)は、詳細は後述する利用冷房運転や利用蓄冷運転において、連絡配管(15)を流れる冷媒が気化してフラッシュするのを防止するための過冷却器を構成する。
第2過冷却回路(50)は、第2導入管(51)と第2過冷却熱交換器(52)とを有している。第2導入管(51)の一端は、第2電磁弁(SV2)と連絡配管(15)の接続端との間に接続される。第2導入管(51)の他端は、主ガス管(43)に接続される。主ガス管(43)において、第2導入管(51)の接続部は、主蓄熱用流路(44)の接続部と連絡配管(16)の接続端の間に位置している。第2導入管(51)には、その一端から他端に向かって順に、第2減圧弁(EV2)、第3伝熱流路(53)が接続されている。第2減圧弁(EV2)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで第4伝熱流路(54)の出口の冷媒の過冷却度を調節する。第2過冷却熱交換器(52)は、第4伝熱流路(54)を流れる冷媒と、第3伝熱流路(53)を流れる冷媒とを熱交換させる。第4伝熱流路(54)は、主液管(42)のうち第2電磁弁(SV2)と連絡配管(15)の接続端の間に設けられる。第2過冷却回路(50)は、詳細は後述する利用冷房運転や利用蓄冷運転において、連絡配管(15)を流れる冷媒が気化してフラッシュするのを防止するための過冷却器を構成する。
第2導入管(51)は、暖房蓄熱運転中のガスライン(L2)と、室内熱交換器(72)と蓄熱用熱交換器(63)との間の流路とを繋ぐ導入管を構成している。第2減圧弁(EV2)は、導入管(51)に接続され、第1動作(暖房蓄熱運転(1))時に閉鎖され、第2動作(暖房蓄熱運転(2))時に開放される開閉機構(EV2)を構成している(詳細は後述する)。
〔その他の配管〕
中間回路(41)には、中間中継管(46)と、第1分岐管(47)と、第2分岐管(48)と、第3分岐管(49)とが接続される。中間中継管(46)の一端は、主蓄熱用流路(44)における第3電磁弁(SV3)と予熱側冷媒流路(64b)との間に接続される。中間中継管(46)の他端は、連絡配管(13)を介して中間吸入管(35)と接続している。第1分岐管(47)の一端は、主蓄熱用流路(44)における蓄熱側冷媒流路(63b)と第4電磁弁(SV4)との間に接続される。
中間回路(41)には、中間中継管(46)と、第1分岐管(47)と、第2分岐管(48)と、第3分岐管(49)とが接続される。中間中継管(46)の一端は、主蓄熱用流路(44)における第3電磁弁(SV3)と予熱側冷媒流路(64b)との間に接続される。中間中継管(46)の他端は、連絡配管(13)を介して中間吸入管(35)と接続している。第1分岐管(47)の一端は、主蓄熱用流路(44)における蓄熱側冷媒流路(63b)と第4電磁弁(SV4)との間に接続される。
第1分岐管(47)の他端は、主ガス管(43)における主蓄熱用流路(44)の接続部と第2導入管(51)の接続部との間に接続される。第1分岐管(47)には、第3減圧弁(EV3)が接続される。第3減圧弁(EV3)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の圧力を調節する。第3減圧弁(EV3)は、室内熱交換器(72)が蒸発器となる運転時において、連絡配管(16)の圧力損失や室内ユニット(70)と室外ユニット(20)の設置条件によるヘッド差に起因して、室内熱交換器(72)の蒸発圧力とガス管(41)の圧力差により、蓄熱用熱交換器(63)の圧力が過剰に低くならないように、その開度が調節される。
第2分岐管(48)と第3分岐管(49)とは、主液管(42)と主蓄熱用流路(44)との間に並列に接続されている。第2分岐管(48)及び第3分岐管(49)の一端は、主蓄熱用流路(44)における蓄熱側冷媒流路(63b)と第4電磁弁(SV4)との間に接続される。第2分岐管(48)及び第3分岐管(49)の他端は、主液管(42)における第2電磁弁(SV2)と第2導入管(51)の接続部との間に接続される。第2分岐管(48)には、第4減圧弁(EV4)が接続される。第4減圧弁(EV4)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の圧力を調節する。第3分岐管(49)には、第6電磁弁(SV6)が接続されている。第6電磁弁(SV6)は、流路を開閉する開閉弁である。
第3分岐管(49)は、暖房蓄熱運転(1)において、室内熱交換器(72)と蓄熱用熱交換器(63)とを繋ぐ直列流路を構成している。
[蓄熱装置]
蓄熱装置(60)は、冷媒回路(11)の冷媒と蓄熱媒体とを熱交換させる蓄熱部を構成している。蓄熱装置(60)は、蓄熱回路(61)と、該蓄熱回路(61)に接続される蓄熱タンク(62)とを有している。蓄熱装置(60)は、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)を有している。
蓄熱装置(60)は、冷媒回路(11)の冷媒と蓄熱媒体とを熱交換させる蓄熱部を構成している。蓄熱装置(60)は、蓄熱回路(61)と、該蓄熱回路(61)に接続される蓄熱タンク(62)とを有している。蓄熱装置(60)は、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)を有している。
蓄熱回路(61)は、充填された蓄熱媒体が循環する閉回路である。蓄熱タンク(62)は、中空筒状の容器である。蓄熱タンク(62)は開放容器であってもよい。蓄熱タンク(62)には、蓄熱媒体が貯留される。蓄熱タンク(62)の上部には、蓄熱タンク(62)内の蓄熱媒体を流出させる流出管(65)(流出部)が接続される。蓄熱タンク(62)の下部には、蓄熱タンク(62)の外部の蓄熱媒体を蓄熱タンク(62)内に流入させる流入管(66)(流入部)が接続される。つまり、蓄熱タンク(62)では、流出管(65)の接続部が流入管(66)の接続部よりも高い位置にある。蓄熱回路(61)には、流出管(65)から流入管(66)に向かって順に、予熱側蓄熱流路(64a)、ポンプ(67)、蓄熱側蓄熱流路(63a)が接続されている。
予熱用熱交換器(64)は、予熱側蓄熱流路(64a)を流れる蓄熱媒体と、予熱側冷媒流路(64b)を流れる冷媒とを熱交換させる。蓄熱用熱交換器(63)は、蓄熱側蓄熱流路(63a)を流れる蓄熱媒体と、蓄熱側冷媒流路(63b)を流れる冷媒とを熱交換させる。ポンプ(67)は、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体を循環させる。
蓄熱回路(61)では、蓄熱タンク(62)と予熱用熱交換器(64)との間の流路に温度センサ(S1)(温度検出部)が設けられる。具体的に、温度センサ(S1)は流出管(65)内の蓄熱媒体の温度を検出する位置に設けられる。温度センサ(S1)の位置は、これに限らず蓄熱回路(61)の他の位置に設けてもよい。なお、温度センサ(S1)は、便宜上、図1のみに図示し、他の図2〜図11での図示は省略している。
[蓄熱媒体]
蓄熱回路(61)に充填される蓄熱媒体について詳細に説明する。蓄熱媒体には、冷却によって包接水和物が生成される蓄熱材、即ち流動性を有する蓄熱材が採用される。蓄熱媒体の具体例としては、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB:Tetra Butyl Ammonium Bromide)水溶液、トリメチロールエタン(TME:Trimethylolethane)水溶液、パラフィン系スラリーなどが挙げられる。例えば、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、安定的に冷却されて当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも低くなった過冷却状態でもその水溶液の状態を維持するが、この過冷却状態にて何らかのきっかけが与えられると、過冷却の溶液が包接水和物を含んだ溶液(即ちスラリー)へと遷移する。即ち、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、過冷却状態を解消して、臭化テトラnブチルアンモニウムと水分子とからなる包接水和物(水和物結晶)が生成されて粘性の比較的高いスラリー状となる。ここで、過冷却状態とは、蓄熱媒体が水和物生成温度以下の温度となっても包接水和物が生成されずに溶液の状態を保っている状態を言う。逆に、スラリー状となっている臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、加熱により当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも高くなると、包接水和物が融解して流動性の比較的高い液状態(溶液)となる。
蓄熱回路(61)に充填される蓄熱媒体について詳細に説明する。蓄熱媒体には、冷却によって包接水和物が生成される蓄熱材、即ち流動性を有する蓄熱材が採用される。蓄熱媒体の具体例としては、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB:Tetra Butyl Ammonium Bromide)水溶液、トリメチロールエタン(TME:Trimethylolethane)水溶液、パラフィン系スラリーなどが挙げられる。例えば、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、安定的に冷却されて当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも低くなった過冷却状態でもその水溶液の状態を維持するが、この過冷却状態にて何らかのきっかけが与えられると、過冷却の溶液が包接水和物を含んだ溶液(即ちスラリー)へと遷移する。即ち、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、過冷却状態を解消して、臭化テトラnブチルアンモニウムと水分子とからなる包接水和物(水和物結晶)が生成されて粘性の比較的高いスラリー状となる。ここで、過冷却状態とは、蓄熱媒体が水和物生成温度以下の温度となっても包接水和物が生成されずに溶液の状態を保っている状態を言う。逆に、スラリー状となっている臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、加熱により当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも高くなると、包接水和物が融解して流動性の比較的高い液状態(溶液)となる。
本実施形態では、上記蓄熱媒体として、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液を採用している。特に、上記蓄熱媒体は、調和濃度の近傍の濃度を有する媒体であることが好ましい。本実施形態では、調和濃度を約40%とする。この場合の臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液の水和物生成温度は、約12℃である。
〈室内ユニット〉
複数の室内ユニット(70)には、冷媒回路(11)の一部を成す室内回路(71)がそれぞれ設けられる。複数の室内回路(71)は、連絡配管(15)(液管)と連絡配管(16)(ガス管)との間に並列に接続されている。複数の室内回路(71)と上述した主蓄熱用流路(44)とは、液ライン(L1)とガスライン(L2)の間に並列に接続されている。各室内回路(71)には、ガス側端部から液側端部に向かって順に、室内熱交換器(72)と室内膨張弁(73)とがそれぞれ接続されている。
複数の室内ユニット(70)には、冷媒回路(11)の一部を成す室内回路(71)がそれぞれ設けられる。複数の室内回路(71)は、連絡配管(15)(液管)と連絡配管(16)(ガス管)との間に並列に接続されている。複数の室内回路(71)と上述した主蓄熱用流路(44)とは、液ライン(L1)とガスライン(L2)の間に並列に接続されている。各室内回路(71)には、ガス側端部から液側端部に向かって順に、室内熱交換器(72)と室内膨張弁(73)とがそれぞれ接続されている。
〔室内熱交換器〕
室内熱交換器(72)は、例えばクロスフィン・アンド・チューブ式の熱交換器で構成されている。室内熱交換器(72)の近傍には、室内ファン(74)が設けられている。室内熱交換器(72)では、室内ファン(74)が搬送する空気と、室内熱交換器(72)を流れる冷媒とが熱交換する。
室内熱交換器(72)は、例えばクロスフィン・アンド・チューブ式の熱交換器で構成されている。室内熱交換器(72)の近傍には、室内ファン(74)が設けられている。室内熱交換器(72)では、室内ファン(74)が搬送する空気と、室内熱交換器(72)を流れる冷媒とが熱交換する。
〔室内膨張弁〕
室内膨張弁(73)は、室内熱交換器(72)の液側端部と連絡配管(15)の接続端の間に配置されている。室内膨張弁(73)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の流量を調節する。
室内膨張弁(73)は、室内熱交換器(72)の液側端部と連絡配管(15)の接続端の間に配置されている。室内膨張弁(73)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の流量を調節する。
〈コントローラ〉
コントローラ(100)は、各機器を制御する運転制御部を構成している。具体的に、コントローラ(100)は、圧縮機(22)のON/OFFの切換、四方切換弁(25)の状態の切換、各電磁弁(SV1-6)の開閉の切換、各膨張弁(24,45,73)や減圧弁(EV1-4)の開度の調節、各ファン(26,74)のON/OFFの切換、ポンプ(67)のON/OFFの切換等を行う。また、蓄熱式空気調和機(10)には、図示を省略した各種のセンサが設けられている。コントローラ(100)は、これらの検出値に基づいて、上述した各機器を制御する。
コントローラ(100)は、各機器を制御する運転制御部を構成している。具体的に、コントローラ(100)は、圧縮機(22)のON/OFFの切換、四方切換弁(25)の状態の切換、各電磁弁(SV1-6)の開閉の切換、各膨張弁(24,45,73)や減圧弁(EV1-4)の開度の調節、各ファン(26,74)のON/OFFの切換、ポンプ(67)のON/OFFの切換等を行う。また、蓄熱式空気調和機(10)には、図示を省略した各種のセンサが設けられている。コントローラ(100)は、これらの検出値に基づいて、上述した各機器を制御する。
〈蓄熱式空気調和機の運転動作〉
実施形態に係る蓄熱式空気調和機(10)の運転動作について説明する。蓄熱式空気調和機(10)は、単純冷房運転、蓄冷運転、利用冷房運転、冷房蓄冷運転、単純暖房運転、蓄熱運転、利用暖房運転、及び暖房蓄熱運転を切り換えて行う。コントローラ(100)は、これらの各運転を切り換えるように、各機器を制御する。
実施形態に係る蓄熱式空気調和機(10)の運転動作について説明する。蓄熱式空気調和機(10)は、単純冷房運転、蓄冷運転、利用冷房運転、冷房蓄冷運転、単純暖房運転、蓄熱運転、利用暖房運転、及び暖房蓄熱運転を切り換えて行う。コントローラ(100)は、これらの各運転を切り換えるように、各機器を制御する。
〔単純冷房運転〕
単純冷房運転では、蓄熱装置(60)が停止し、室内ユニット(70)で室内の冷房が行われる。図2に示す単純冷房運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第4電磁弁(SV4)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態になる。第2減圧弁(EV2)及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第1減圧弁(EV1)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が停止状態となり作動しない。単純冷房運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、第1過冷却熱交換器(32)が過冷却器となり、室内熱交換器(72)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。単純冷房運転では、低圧側のガスライン(L2)と主蓄熱用流路(44)とが連通する。これにより、主蓄熱用流路(44)の内部での液溜まりを回避できる。
単純冷房運転では、蓄熱装置(60)が停止し、室内ユニット(70)で室内の冷房が行われる。図2に示す単純冷房運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第4電磁弁(SV4)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態になる。第2減圧弁(EV2)及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第1減圧弁(EV1)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が停止状態となり作動しない。単純冷房運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、第1過冷却熱交換器(32)が過冷却器となり、室内熱交換器(72)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。単純冷房運転では、低圧側のガスライン(L2)と主蓄熱用流路(44)とが連通する。これにより、主蓄熱用流路(44)の内部での液溜まりを回避できる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮する。凝縮した冷媒の多くは、第2伝熱流路(34)を流れ、残りは第1減圧弁(EV1)で減圧された後、第1伝熱流路(33)を流れる。第1過冷却熱交換器(32)では、第2伝熱流路(34)の冷媒が第1伝熱流路(33)の冷媒によって冷却される。液ライン(L1)に流入した冷媒は、室内膨張弁(73)で減圧された後、室内熱交換器(72)で蒸発する。ガスライン(L2)を流れる冷媒は、第1導入管(31)を流入した冷媒と合流し、圧縮機(22)に吸入される。
〔蓄冷運転〕
蓄冷運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)の蓄熱媒体に冷熱が蓄えられる。図3に示す蓄冷運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第3電磁弁(SV3)、及び第4電磁弁(SV4)が開状態になり、残りは閉状態になる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び室内膨張弁(73)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、蓄熱用膨張弁(45)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)は作動し、室内ファン(74)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄冷運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)が放熱器(冷媒冷却器)となり、蓄熱用熱交換器(63)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。蓄冷運転では、高圧の液ライン(L1)から室内ユニット(70)までに亘る流路に余剰の冷媒を保持することができる。
蓄冷運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)の蓄熱媒体に冷熱が蓄えられる。図3に示す蓄冷運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第3電磁弁(SV3)、及び第4電磁弁(SV4)が開状態になり、残りは閉状態になる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び室内膨張弁(73)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、蓄熱用膨張弁(45)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)は作動し、室内ファン(74)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄冷運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)が放熱器(冷媒冷却器)となり、蓄熱用熱交換器(63)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。蓄冷運転では、高圧の液ライン(L1)から室内ユニット(70)までに亘る流路に余剰の冷媒を保持することができる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮する。凝縮した冷媒は、主蓄熱用流路(44)の予熱側冷媒流路(64b)を流れる。予熱用熱交換器(64)では、蓄熱媒体が冷媒によって加熱される。これにより、蓄熱タンク(62)から流出した包接水和物の核(微小な結晶)が融解する。予熱側冷媒流路(64b)で冷却された冷媒は、予熱用熱交換器(64)で減圧された後、蓄熱側冷媒流路(63b)を流れる。蓄熱用熱交換器(63)では、蓄熱媒体が冷媒によって冷却され、蒸発する。主蓄熱用流路(44)からガスライン(L2)に流入した冷媒は、圧縮機(22)に吸入される。蓄熱タンク(62)には、蓄熱用熱交換器(63)で冷却された蓄熱媒体が貯留される。
〔利用冷房運転〕
利用冷房運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に蓄えられた蓄熱媒体の冷熱が、室内の冷房に利用される。図4に示す利用冷房運転では、四方切換弁(25)が第1状態に第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第5電磁弁(SV5)、及び第6電磁弁(SV6)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。利用冷房運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)、蓄熱用熱交換器(63)、及び第2過冷却熱交換器(52)が放熱器(冷媒冷却器)となり、室内熱交換器(72)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
利用冷房運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に蓄えられた蓄熱媒体の冷熱が、室内の冷房に利用される。図4に示す利用冷房運転では、四方切換弁(25)が第1状態に第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第5電磁弁(SV5)、及び第6電磁弁(SV6)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。利用冷房運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)、蓄熱用熱交換器(63)、及び第2過冷却熱交換器(52)が放熱器(冷媒冷却器)となり、室内熱交換器(72)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮する。凝縮した冷媒は、主蓄熱用流路(44)の予熱用熱交換器(64)で冷却され、第1バイパス管(44a)を通過した後、蓄熱用熱交換器(63)で更に冷却される。主蓄熱用流路(44)、第3分岐管(49)を流れて液ライン(L1)に流入した冷媒の多くは、第4伝熱流路(54)を流れ、残りは第2減圧弁(EV2)で減圧された後、第3伝熱流路(53)を流れる。第2過冷却熱交換器(52)では、第4伝熱流路(54)を流れる冷媒が第3伝熱流路(53)の冷媒によって冷却される。第2過冷却熱交換器(52)で冷却された冷媒は、室内膨張弁(73)で減圧された後、室内熱交換器(72)で蒸発する。ガスライン(L2)を流れる冷媒は、第2導入管(51)を流出した冷媒と合流し、圧縮機(22)に吸入される。
このように利用冷房運転では、室外熱交換器(23)で凝縮した冷媒が、蓄熱用熱交換器(63)を流れる際、蓄熱媒体の冷熱が冷媒に付与される。蓄熱用熱交換器(63)を流れた高圧冷媒は、第2過冷却熱交換器(52)を通過する際に冷却され、この冷媒の過冷却度が増大する。
蓄熱ユニット(40)と室内ユニット(70)とを繋ぐ連絡配管(15)は、極めて長い長配管で構成される。このため、連絡配管(15)では、圧力損失や配管の揚程の影響を受けて、冷媒が減圧されてしまう。従って、連絡配管(15)の冷媒が減圧されると、この冷媒が周囲の空気から吸熱して蒸発・気化してしまう可能性がある。即ち、連絡配管(15)では、いわゆるフラッシュガスが発生する可能性がある。これに対し、本実施形態では、蓄熱用熱交換器(63)を通過した冷媒を第2過冷却熱交換器(52)で冷却し、冷媒の過冷却度を大きくするため、このようなフラッシュガスの発生を防止できる。
一方、高圧冷媒の過冷却度を大きくする方法としては、蓄熱用熱交換器(63)の上流側に熱交換器(即ち、第1過冷却熱交換器(32))を利用することも考えられる。しかし、仮に蓄熱用熱交換器(63)の上流側で冷媒を過冷却すると、蓄熱用熱交換器(63)を流れる冷媒と、蓄熱媒体の温度差が小さくなり、蓄熱媒体の冷熱を有効に回収できなくなる。これに対し、本実施形態では、利用冷房運転中の蓄熱用熱交換器(63)の下流側に第2過冷却熱交換器(52)を配置し、冷媒を過冷却しているため、蓄熱媒体の冷熱を有効に回収しつつ、上述したフラッシュガスの発生を防止できる。
〔冷房蓄冷運転〕
冷房蓄冷運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱媒体に冷熱が蓄えられるとともに、室内ユニット(70)で室内の冷房が行われる。図5に示す冷房蓄冷運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第3電磁弁(SV3)、及び第4電磁弁(SV4)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第3減圧弁(EV3)、及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)、蓄熱用膨張弁(45)、及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。冷房蓄冷運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)及び第2過冷却熱交換器(52)が放熱器(冷媒冷却器)となり、蓄熱用熱交換器(63)及び室内熱交換器(72)が蒸発器となる。
冷房蓄冷運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱媒体に冷熱が蓄えられるとともに、室内ユニット(70)で室内の冷房が行われる。図5に示す冷房蓄冷運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第3電磁弁(SV3)、及び第4電磁弁(SV4)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第3減圧弁(EV3)、及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)、蓄熱用膨張弁(45)、及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。冷房蓄冷運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)及び第2過冷却熱交換器(52)が放熱器(冷媒冷却器)となり、蓄熱用熱交換器(63)及び室内熱交換器(72)が蒸発器となる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮する。凝縮した冷媒は、第2伝熱流路(34)を流れ、主蓄熱用流路(44)と主液管(42)とに分流する。主蓄熱用流路(44)の冷媒は、予熱用熱交換器(64)の蓄熱媒体によって冷却され、蓄熱用膨張弁(45)で減圧される。主液管(42)の冷媒の多くは、第4伝熱流路(54)を流れ、残りは第2減圧弁(EV2)で減圧された後、第3伝熱流路(53)を流れる。第2過冷却熱交換器(52)では、第4伝熱流路(54)を流れる冷媒が第3伝熱流路(53)の冷媒によって冷却される。第2過冷却熱交換器(52)で冷却された冷媒は、室内膨張弁(73)で減圧された後、室内熱交換器(72)で蒸発する。ガスライン(L2)を流れる冷媒は、第2導入管(51)を流出した冷媒と合流し、圧縮機(22)に吸入される。
このように利用蓄熱運転では、高圧冷媒が、第2過冷却熱交換器(52)を通過する際に冷却され、この冷媒の過冷却度が増大する。この結果、連絡配管(15)でのフラッシュガスの発生を防止できる。
一方、高圧冷媒の過冷却度を大きくする方法としては、蓄熱用熱交換器(63)の上流側に熱交換器(即ち、第1過冷却熱交換器(32))を利用することも考えられる。しかし、仮に予熱用熱交換器(64)の上流側で冷媒を過冷却すると、予熱用熱交換器(64)を流れる冷媒と、蓄熱媒体の温度差が小さくなり、冷媒によって蓄熱媒体を十分に加熱できない。この結果、蓄熱タンク(62)から流出した包接水和物の結晶を冷媒によって十分に加熱できず、この結晶が配管内で蓄積して閉塞してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、利用蓄冷運転中の予熱用熱交換器(64)及び蓄熱用熱交換器(63)の下流側に第2過冷却熱交換器(52)を配置し、冷媒を過冷却しているため、蓄熱回路()の結晶を確実に融解することができる。
〔単純暖房運転〕
単純暖房運転では、蓄熱装置(60)が停止し、室内ユニット(70)で室内の暖房が行われる。図6に示す単純暖房運転では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)が開状態となり、残りは全て閉状態なる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び蓄熱用膨張弁(45)が全閉状態に、室内膨張弁(73)及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が停止状態となり作動しない。単純暖房運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。室内膨張弁(73)は、室内熱交換器(72)の出口冷媒の過冷却度を制御する。
単純暖房運転では、蓄熱装置(60)が停止し、室内ユニット(70)で室内の暖房が行われる。図6に示す単純暖房運転では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)が開状態となり、残りは全て閉状態なる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び蓄熱用膨張弁(45)が全閉状態に、室内膨張弁(73)及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が停止状態となり作動しない。単純暖房運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。室内膨張弁(73)は、室内熱交換器(72)の出口冷媒の過冷却度を制御する。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、室内熱交換器(72)で凝縮する。液ライン(L1)に流出した冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。
〔蓄熱運転〕
蓄熱運転では、蓄熱タンク(62)に温熱を蓄えた蓄熱媒体が貯留される。図7に示す蓄熱運転では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第4電磁弁(SV4)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び室内膨張弁(73)が全閉状態に、室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)は作動し、室内ファン(74)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄熱運転の冷媒回路(11)では、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)が凝縮器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
蓄熱運転では、蓄熱タンク(62)に温熱を蓄えた蓄熱媒体が貯留される。図7に示す蓄熱運転では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第4電磁弁(SV4)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び室内膨張弁(73)が全閉状態に、室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)は作動し、室内ファン(74)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄熱運転の冷媒回路(11)では、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)が凝縮器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、蓄熱用熱交換器(63)で放熱し、第2バイパス管(44a)を通過した後、予熱用熱交換器(64)で更に放熱する。主蓄熱用流路(44)を流出した冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。蓄熱タンク(62)には、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)で加熱された蓄熱媒体が貯留される。
〔利用暖房運転〕
利用暖房運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に蓄えられた蓄熱媒体の温熱が、室内の暖房に利用される。利用暖房運転は、第1利用暖房運転(以下、利用暖房運転(1)という)と、第2利用暖房運転(以下、利用暖房運転(2)という)とに大別される。
利用暖房運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に蓄えられた蓄熱媒体の温熱が、室内の暖房に利用される。利用暖房運転は、第1利用暖房運転(以下、利用暖房運転(1)という)と、第2利用暖房運転(以下、利用暖房運転(2)という)とに大別される。
[利用暖房運転(1)]
利用暖房運転(1)は、蓄熱用熱交換器(63)で蒸発する冷媒の圧力(MP)と、室外熱交換器(23)で蒸発する冷媒の圧力(LP)との差(MP−LP)が比較的小さくなるような条件下で実行される。例えば冬季において、外気温度が比較的高い一方、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的低いような場合が、この条件に相当する。
利用暖房運転(1)は、蓄熱用熱交換器(63)で蒸発する冷媒の圧力(MP)と、室外熱交換器(23)で蒸発する冷媒の圧力(LP)との差(MP−LP)が比較的小さくなるような条件下で実行される。例えば冬季において、外気温度が比較的高い一方、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的低いような場合が、この条件に相当する。
図8に示す利用暖房運転(1)では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りが閉状態となる。第1減圧弁(EV1)及び室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)が全閉状態に、第4減圧弁(EV4)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)及び室内ファン(74)は作動し、室外ファン(26)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。利用暖房運転(1)の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、蓄熱用熱交換器(63)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、室内熱交換器(72)で凝縮する。液ライン(L1)に流出した冷媒は、その全量が第2分岐管(48)に流入する。第2分岐管(48)では、第4減圧弁(EV4)によって冷媒が低圧まで減圧される。減圧された冷媒は、蓄熱用熱交換器(63)の蓄熱側冷媒流路(63b)を流れ、蓄熱媒体から吸熱して蒸発する。蓄熱用熱交換器(63)で蒸発した冷媒は、第1バイパス管(44a)と通過し、予熱用熱交換器(64)の予熱側冷媒流路(64b)を流れ、蓄熱媒体から吸熱して更に蒸発する。この冷媒は、主蓄熱用流路(44)を流れ、第1導入管(31)と室外熱交換器(23)とに分流する。これらの冷媒は、吸入管(28)で合流し、圧縮機(22)に吸入される。
このように、外気温度が高く、暖房負荷が小さい条件下では、室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の質量流量も比較的少ない。従って、利用暖房運転(1)では、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の全量を蓄熱用熱交換器(63)へ送ったとしても、この冷媒を蓄熱媒体の顕熱だけで十分に蒸発させることができる。この結果、蓄熱媒体に蓄熱した温熱を十分に回収しつつ、暖房運転を行うことができる。
また、主蓄熱用流路(44)を通過した冷媒は、第1導入管(31)と室外熱交換器(23)とに分流し、圧縮機(22)に吸入される。このため、冷媒の圧力損失を低減でき、圧縮機(22)の動力を軽減できる。この際、第1導入管(31)を流れる冷媒は、第1過冷却熱交換器(32)を流れるが、第1過冷却熱交換器(32)は空気熱交換器でないため、熱ロスも少ない。また、室外ファン(26)は停止状態であるため、冷媒が室外熱交換器(23)を流れても、熱ロスが少ない。このように、利用暖房運転(1)では、低圧ガス冷媒の圧力損失や熱ロスの低減を図ることができる。また、第1導入管(31)は、冷媒を過冷却するための低圧インジェクション管を兼用するので、配管の本数を削減できる。
なお、利用暖房運転(1)において、第1減圧弁(EV1)と室外膨張弁(24)のうち室外膨張弁(24)だけを全閉状態とし、低圧ガス冷媒を第1導入管(31)だけに流してもよい。また、第1減圧弁(EV1)と室外膨張弁(24)のうち第1減圧弁(EV1)だけを全閉状態とし、低圧ガス冷媒を室外熱交換器(23)だけに流してもよい。
[利用暖房運転(2)]
利用暖房運転(2)は、蓄熱用熱交換器(63)で蒸発する冷媒の圧力(MP)と、室外熱交換器(23)で蒸発する冷媒の圧力(LP)との差(MP−LP)が比較的大きくなるような条件下で実行される。例えば冬季において、外気温度が比較的低い一方、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的高いような場合が、この条件に相当する。
利用暖房運転(2)は、蓄熱用熱交換器(63)で蒸発する冷媒の圧力(MP)と、室外熱交換器(23)で蒸発する冷媒の圧力(LP)との差(MP−LP)が比較的大きくなるような条件下で実行される。例えば冬季において、外気温度が比較的低い一方、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的高いような場合が、この条件に相当する。
図9に示す利用暖房運転(2)では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第1電磁弁(SV1)、第2電磁弁(SV2)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、及び第3減圧弁(EV3)が全閉状態に、第4減圧弁(EV4)、室内膨張弁(73)、及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。利用暖房運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、蓄熱用熱交換器(63)及び室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、室内熱交換器(72)で凝縮する。液ライン(L1)に流出した冷媒は、第2分岐管(48)と主液管(42)とに分流する。第2分岐管(48)の冷媒は、第4減圧弁(EV4)で中間圧(冷媒回路(11)の高圧圧力と低圧圧力との間の中間圧力)にまで減圧され、主蓄熱用流路(44)に流出する。主蓄熱用流路(44)の冷媒は、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)で加熱され、蒸発する。蒸発した冷媒は、中間中継管(46)、連絡配管(13)、及び中間吸入管(35)を順に流れ、圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に吸入される。
主液管(42)の冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)の吸入管(28)に吸入される。圧縮機(22)の圧縮室では、吸入管(28)から吸入された低圧冷媒が中間圧まで圧縮された後、中間吸入管(35)から吸入された中間圧冷媒と混合し、高圧圧力まで圧縮される。
利用暖房運転(2)は、外気温度が低く、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的高い条件下で実行されるため、蓄熱用熱交換器(63)の冷媒の蒸発圧力MPと、室外熱交換器(23)の冷媒の蒸発圧力LPとの圧力差(MP−LP)とが比較的大きくなる。このため、圧縮機(22)の圧縮室の圧縮途中では、圧縮室の内圧が中間吸入管(35)より導入される冷媒の圧力より大きくなることを抑制でき、中間吸入管(35)の冷媒を圧縮室に確実に導入できる。
しかも、中間吸入管(35)には、圧縮機(22)から主蓄熱用流路(44)へ向かう逆流を禁止する逆止弁(CV1)が設けられている。このため、仮に中間吸入管(35)を流出する冷媒の圧力MPが、圧縮途中の圧縮室の内圧より低くなったとしても、圧縮室の冷媒が中間吸入管(35)を逆流してしまうことがない。なお、逆止弁(CV1)は、中間吸入管(35)のうち圧縮機(22)のケーシング(22a)内に位置する内側配管部(36)に設けてもよい。これにより、圧縮機構の圧縮途中の圧縮室から逆止弁(CV1)までの流路長さを最小限に抑えることができ、ひいては冷媒の圧縮に寄与しない死容積を最小限に抑えることができる。この結果、圧縮機(22)の圧縮効率の低下を防止できる。
また、MP−LPが比較的大きい条件下で冷媒が圧縮されると、圧縮機(22)で冷媒を高圧まで圧縮させるために要する総仕事量が軽減される。この結果、利用暖房運転(2)では、蓄熱媒体の温熱を冷媒に回収させつつ、省エネ性の高い暖房を行うことができる。
〔暖房蓄熱運転〕
暖房蓄熱運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に温熱が蓄えられるとともに、室内ユニット(70)で室内の暖房が行われる。暖房蓄熱運転は、第1動作(以下、暖房蓄熱運転(1)という)と、第2動作(以下、暖房蓄熱運転(2)という)とに大別される。
暖房蓄熱運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に温熱が蓄えられるとともに、室内ユニット(70)で室内の暖房が行われる。暖房蓄熱運転は、第1動作(以下、暖房蓄熱運転(1)という)と、第2動作(以下、暖房蓄熱運転(2)という)とに大別される。
[暖房蓄熱運転(1)]
運転制御部(100)は、暖房蓄熱運転を開始する信号が入力されると、暖房蓄熱運転(1)が実行される。図10に示す暖房蓄熱運転(1)では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第5電磁弁(SV5)、及び第6電磁弁(SV6)が開状態となり、残りが閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室内膨張弁(73)及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄熱運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)が放熱器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
運転制御部(100)は、暖房蓄熱運転を開始する信号が入力されると、暖房蓄熱運転(1)が実行される。図10に示す暖房蓄熱運転(1)では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第5電磁弁(SV5)、及び第6電磁弁(SV6)が開状態となり、残りが閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室内膨張弁(73)及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄熱運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)が放熱器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、その全量が室内熱交換器(72)を流れる。室内熱交換器(72)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、その全量が第3分岐管(49)を流れ、蓄熱用熱交換器(63)を流れる。蓄熱用熱交換器(63)では、冷媒が蓄熱媒体へ放熱し、蓄熱媒体が加熱される。蓄熱用熱交換器(63)を流れた冷媒は、予熱用熱交換器(64)で更に蓄熱媒体へ放熱し、液ライン(L1)を流れる。この冷媒は、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。
以上のように、暖房蓄熱運転(1)では、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の全量が、蓄熱用熱交換器(63)を流れる。これにより、蓄熱媒体の温度が比較的低く、且つ室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度が比較的高い条件下では、冷媒から蓄熱媒体へ温熱が付与される。この結果、暖房に利用されなかった余剰の冷媒の熱を蓄熱媒体の温蓄熱に利用できる。
[暖房蓄熱運転(2)]
暖房蓄熱運転(1)が継続して行われると、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が徐々に上昇していく。これにより、室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度と、蓄熱媒体の温度との差ΔTが小さくなっていく。運転制御部(100)は、この温度差ΔTが所定値より小さくなると、暖房蓄熱運転(1)から暖房蓄熱運転(2)へと運転を切り換える。
暖房蓄熱運転(1)が継続して行われると、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が徐々に上昇していく。これにより、室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度と、蓄熱媒体の温度との差ΔTが小さくなっていく。運転制御部(100)は、この温度差ΔTが所定値より小さくなると、暖房蓄熱運転(1)から暖房蓄熱運転(2)へと運転を切り換える。
具体的に、暖房蓄熱運転(1)では、温度検出部(S1)が蓄熱媒体の温度Taを検出する。この温度Taは、暖房蓄熱運転を継続することで大きく変化する。これに対し、室内熱交換器(72)を流出する冷媒の温度Trはさほど大きく変化しないため、温度Taは、温度差ΔTを示す指標となる。そこで、運転制御部(100)は、蓄熱媒体の温度Taが所定値より高くなると、温度差ΔTが小さくなったと判定し、暖房蓄熱運転(1)から暖房蓄熱運転(2)へと運転を切り換える。
図11に示す暖房蓄熱運転(2)では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第5電磁弁(SV5)、第6電磁弁(SV6)が開状態となり、残りが閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び蓄熱用膨張弁(45)が全閉状態になる。室内膨張弁(73)は、例えば室内熱交換器(72)の出口冷媒の過冷却度が所定値になるように開度が調節される。第2減圧弁(EV2)は、蓄熱用熱交換器(63)の蓄熱側冷媒流路(63b)の出口冷媒の過冷却度が所定値になるように開度が調節される。室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄熱運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)及び蓄熱用熱交換器(63)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)が放熱器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、一部が室内熱交換器(72)を流れ、残りが第2導入管(51)を流れる。室内熱交換器(72)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、主液管(42)を流れ、第2導入管(51)から流出した高圧冷媒と合流する。混合された冷媒は、第3分岐管(49)を流れ、蓄熱用熱交換器(63)を流れる。蓄熱用熱交換器(63)では、高圧冷媒が混入された冷媒と蓄熱媒体との温度差が大きくなるため、蓄熱媒体に確実に温熱を付与することができる。蓄熱用熱交換器(63)で凝縮した冷媒は、第1バイパス管(44a)、予熱用熱交換器(64)を流れ、室外膨張弁(24)で減圧される。減圧後の冷媒は、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。
以上のように、暖房蓄熱運転(2)では、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒に、高温の高圧冷媒が混合される。従って、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱用熱交換器(63)で蓄熱媒体を十分に加熱できる。
−実施形態の効果−
上記実施形態の暖房蓄熱運転では、室内熱交換器(72)による暖房で余った熱を蓄熱用熱交換器(63)を介して蓄熱媒体に付与させる暖房蓄熱運転(1)と、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒に高圧ガス冷媒を混合して蓄熱用熱交換器(63)に送る暖房蓄熱運転(2)とを切り換えて行うようにしている。このため、運転状況に応じて、暖房の余剰の熱を蓄熱媒体に回収させる動作と、蓄熱媒体に温熱を確実に蓄えることができる動作とを切り換えることができ、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱媒体に効率よく温熱を蓄積させることができる。
上記実施形態の暖房蓄熱運転では、室内熱交換器(72)による暖房で余った熱を蓄熱用熱交換器(63)を介して蓄熱媒体に付与させる暖房蓄熱運転(1)と、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒に高圧ガス冷媒を混合して蓄熱用熱交換器(63)に送る暖房蓄熱運転(2)とを切り換えて行うようにしている。このため、運転状況に応じて、暖房の余剰の熱を蓄熱媒体に回収させる動作と、蓄熱媒体に温熱を確実に蓄えることができる動作とを切り換えることができ、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱媒体に効率よく温熱を蓄積させることができる。
暖房蓄熱運転(1)では、室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度と、蓄熱媒体の温度との温度差ΔTが小さいことを示す条件が成立すると、暖房蓄熱運転(2)へ移行する。従って、冷媒の熱を蓄熱媒体に付与できないような条件下において、不要に暖房蓄熱運転(1)を継続してしまうことを防止でき、蓄熱媒体に温熱を確実に蓄えることができる。
暖房蓄熱運転(1)では、蓄熱媒体の温度Taのみを検出し、温度差ΔTを推測できる。この結果、温度センサ等の部品点数を削減できる。暖房蓄熱運転では、蓄熱タンク(62)の流出管(65)の蓄熱媒体の温度Taを基準に暖房蓄熱運転(1)から暖房蓄熱運転(2)への移行の判定を行うため、実質的にはΔTが比較的小さいにも拘わらず、不要に第1動作が継続されてしまうことを確実に回避できる。
利用冷房運転では、第2過冷却熱交換器(52)で冷媒を過冷却するため、連絡配管(15)でのフラッシュガスの発生を防止できる。この結果、連絡配管での異音の発生を防止したり、室内側の膨張弁の制御性の低下を防止したり、冷房運転の効率の低下を防止したりできる。加えて、利用冷房運転では、蓄熱媒体の冷熱を冷媒に効率よく回収しつつ、室内の冷房を行うことができる。
更に、第2導入管(51)及び第2減圧弁(EV2)は、利用冷房運転と暖房蓄熱運転との双方で兼用されるので、部品点数の削減、蓄熱式空気調和機の簡素化を図ることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、蓄熱媒体の温度Taを検出することで、温度差ΔTが小さくなることを示す条件が成立したか否かを判定している。しかしながら、暖房蓄熱運転(1)において、蓄熱媒体の温度と、室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度との双方を検出し、温度差ΔTが小さくなったことを判定してもよい。
上記実施形態では、蓄熱媒体の温度Taを検出することで、温度差ΔTが小さくなることを示す条件が成立したか否かを判定している。しかしながら、暖房蓄熱運転(1)において、蓄熱媒体の温度と、室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度との双方を検出し、温度差ΔTが小さくなったことを判定してもよい。
上記実施形態では、暖房蓄熱運転(1)時に蓄熱媒体の温度Taが所定値より高くなると、暖房蓄熱運転(2)を実行するようにしている。しかし、例えば運転制御部(100)は、蓄熱式空気調和機(10)の停止中に暖房蓄熱運転を開始させる信号が入力されると、蓄熱媒体の温度Taが所定値より高いか否かを判定し、この温度Taが所定値以下の場合に暖房蓄熱運転(1)を実行し、この温度Taが所定値より高い場合に暖房蓄熱運転(2)を実行するようにしてもよい。これにより、暖房蓄熱運転の開始に併せて、運転状況に応じた蓄熱媒体に温熱を蓄積させることができる。
上記実施形態では、単段圧縮式の冷凍サイクルを行う蓄熱式空気調和機である。しかしながら、複数の圧縮機が直列に接続され、冷媒を2段階に圧縮する二段圧縮式の冷凍サイクルを行う蓄熱式空気調和機に本発明に係る暖房蓄熱運転を適用してもよい。ここで、圧縮機(22)は、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構を1つのケーシングに収納し、同一の回転軸で回転させる一軸型二段圧縮機であってもよいし、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構を個別のケーシングに収納する二段圧縮機構であってもよい。
以上説明したように、本発明は、蓄熱式空気調和機について有用である。
10 蓄熱式空気調和機
11 冷媒回路
22 圧縮機
23 室外熱交換器
51 第2導入管(導入管)
52 第2過冷却熱交換器(熱交換器)
EV2 第2減圧弁(開閉機構)
61 蓄熱回路
62 蓄熱タンク
63 蓄熱用熱交換器
65 流出管
67 ポンプ
72 室内熱交換器
100 運転制御部(コントローラ)
S1 温度センサ(温度検出部)
11 冷媒回路
22 圧縮機
23 室外熱交換器
51 第2導入管(導入管)
52 第2過冷却熱交換器(熱交換器)
EV2 第2減圧弁(開閉機構)
61 蓄熱回路
62 蓄熱タンク
63 蓄熱用熱交換器
65 流出管
67 ポンプ
72 室内熱交換器
100 運転制御部(コントローラ)
S1 温度センサ(温度検出部)
Claims (6)
- 蓄熱式空気調和機であって、
圧縮機(22)と、室外熱交換器(23)と、室内熱交換器(72)とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、
冷却されることによって包接水和物が生成される蓄熱媒体と上記冷媒回路(11)の冷媒とを熱交換させる蓄熱用熱交換器(63)と、該蓄熱媒体を循環させるポンプ(67)と、該蓄熱媒体が貯留される蓄熱タンク(62)とが接続される蓄熱回路(61)と、
上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、且つ高圧冷媒が上記蓄熱用熱交換器(63)を介して上記蓄熱媒体を加熱し、上記室外熱交換器(23)で冷媒が蒸発する暖房蓄熱運転と、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、且つ上記蓄熱媒体が上記蓄熱用熱交換器(63)を介して上記冷媒を加熱し、且つ冷媒が上記室外熱交換器(23)で蒸発する利用暖房運転とを切り換えて実行させるように構成される運転制御部(100)とを備え、
上記冷媒回路(11)は、上記暖房蓄熱運転において、
上記室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒だけが上記蓄熱用熱交換器(63)を流れる第1動作と
上記室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒と、上記冷媒回路(11)の高圧冷媒とが混合した冷媒が上記蓄熱用熱交換器(63)を流れる第2動作とを切り換えて行うように構成される
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項1において、
上記冷媒回路(11)は、
上記暖房蓄熱運転中のガスライン(L2)と、上記室内熱交換器(72)と上記蓄熱用熱交換器(63)との間の流路とを繋ぐ導入管(51)と、
上記導入管(51)に接続され、上記第1動作時に閉鎖され、上記第2動作時に開放される開閉機構(EV2)とを備えている
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項1又は2において、
上記運転制御部(100)は、上記暖房蓄熱運転の第1動作において、上記室内熱交換器(72)を流出した冷媒の温度と、上記蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度との温度差が小さいことを示す条件が成立すると、上記第1動作から上記第2動作へ移行させる
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項3において、
上記蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度を検出する温度検出部(S1)を備え、
上記運転制御部(100)は、上記暖房蓄熱運転の第1動作において、上記温度検出部(S1)で検出した蓄熱媒体の温度Taが所定値より高くなると、上記第1動作から上記第2動作へ移行させる
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項4において、
上記蓄熱タンク(62)には、蓄熱媒体を流出させる流出管(65)が接続され、
上記温度検出部(S1)は、上記流出管(65)の蓄熱媒体の温度を検出する
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項2において、
上記運転制御部(100)は、上記室外熱交換器(23)で冷媒が凝縮し、冷熱が蓄えられた上記蓄熱媒体が上記蓄熱用熱交換器(63)を介して冷媒を冷却し、且つ上記室内熱交換器(72)で冷媒が蒸発する利用冷房運転を切り換えて実行させるように構成され、
上記開閉機構は、減圧弁(EV2)で構成され、
上記冷媒回路(11)は、上記利用冷房運転において、上記蓄熱用熱交換器(63)から上記室内熱交換器(72)へ送られる高圧冷媒と、上記導入管(51)に分流し上記減圧弁(EV2)で減圧された冷媒とを熱交換させる熱交換器(52)を有している
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020015285A1 (zh) * | 2018-07-17 | 2020-01-23 | 珠海格力电器股份有限公司 | 空调机组的压力控制方法、系统、计算机设备和存储介质 |
CN114466995A (zh) * | 2019-09-17 | 2022-05-10 | 东芝开利株式会社 | 空调机 |
-
2014
- 2014-12-26 JP JP2014265608A patent/JP2016125724A/ja active Pending
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