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JP2016125443A - エンジンのウォータジャケットスペーサ及びそのスペーサを備えたエンジンのシリンダブロック - Google Patents

エンジンのウォータジャケットスペーサ及びそのスペーサを備えたエンジンのシリンダブロック Download PDF

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JP2016125443A
JP2016125443A JP2015001324A JP2015001324A JP2016125443A JP 2016125443 A JP2016125443 A JP 2016125443A JP 2015001324 A JP2015001324 A JP 2015001324A JP 2015001324 A JP2015001324 A JP 2015001324A JP 2016125443 A JP2016125443 A JP 2016125443A
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Japan
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water jacket
jacket spacer
engine
cylinder
heat insulating
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JP2015001324A
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中島 純
Jun Nakajima
純 中島
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】ウォータジャケットスペーサをブロック側のウォータジャケットに挿入する際の断熱部材の損傷を抑制しつつその保持性を高め且つシリンダの断熱を確実に行うことができるようにする。【解決手段】シリンダブロック5におけるウォータジャケット13の内部に保持されるエンジンのウォータジャケットスペーサ25は、シリンダボア17の周囲を囲むと共に、内側及び外側に突出する下段部25lが設けられたウォータジャケットスペーサ25と、該ウォータジャケットスペーサ25における内面及び外面を覆うと共に、下段部25lの上側部分に保持されたシート状の断熱部材30とを備えている。断熱部材30は、ウォータジャケット13の内部に配置された後に膨潤し、ウォータジャケット13の内側の内壁及び外側の内壁に密着する。【選択図】図8

Description

本発明は、エンジンのウォータジャケットスペーサ及びそのスペーサを備えたエンジンのシリンダブロックに関する。
以下の特許文献1には、シリンダブロックに設けられたブロック側のウォータジャケット(WJ)に配置されるウォータジャケットスペーサの内側の複数の部位に、冷却水で膨潤し、ウォータジャケットの壁面に密着してウォータジャケットスペーサを保持する膨潤材を設ける構成が開示されている。
特許文献1に記載された膨潤材は、ブロック側のウォータジャケットにウォータジャケットスペーサを安定的に保持するために設けられている。
特許第4465313号公報
ところで、シリンダブロックに設けられるウォータジャケットは、その開口形状が曲線状であり、且つその開口面積は狭隘である。従って、ウォータジャケットに、断熱部材(膨潤材)等を取り付けたウォータジャケットスペーサを挿入する際に、発泡性樹脂等からなる断熱部材が、ウォータジャケットスペーサの開口端によって損傷するという事態が想定される。
本発明は、上記の課題を解決するためになされ、ウォータジャケットスペーサをブロック側のウォータジャケットに挿入する際の断熱部材の損傷を抑制しつつその保持性を高め、且つシリンダの断熱を確実に行うことができる、エンジンのウォータジャケットスペーサ及びそのスペーサを備えたエンジンのシリンダブロックを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、ウォータジャケットスペーサにおける、少なくとも断熱部材の下端部との当接位置又はその近傍に下段部を設けることを特徴とする。
具体的には、本発明は、エンジンのウォータジャケットスペーサ及びそのスペーサを備えたエンジンのシリンダブロックを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、シリンダブロックにおけるウォータジャケットの内部に保持されるエンジンのウォータジャケットスペーサであって、シリンダボアの周囲を囲むと共に、内側及び外側に突出する下段部が設けられたウォータジャケットスペーサと、ウォータジャケットスペーサにおける内面及び外面を覆うと共に、下段部の上側部分に保持されたシート状の断熱部材とを備え、断熱部材は、ウォータジャケットの内部に配置された後に膨潤し、ウォータジャケットの内側の内壁及び外側の内壁に密着するものである。
これによれば、ウォータジャケットスペーサには、その内側及び外側に突出する下段部が設けられているため、ウォータジャケットスペーサをブロック側のウォータジャケットに挿入する際に、該下段部によって断熱部材の損傷が抑制される。その上、断熱材の保持性が向上すると共に、シリンダの断熱を確実に行うことができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、ウォータジャケットスペーサは、下段部の上側で、且つ内側及び外側に突出する上段部が設けられており、断熱部材は、上段部と下段部との間に保持されるものである。
これによれば、ウォータジャケットスペーサの下段部と、その上側に設けられた上段部とによってシート状の断熱部材の保持性をより高めることができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、ウォータジャケットスペーサは、シリンダボアの周囲を囲む上側部材と下側部材とから形成され、上段部は下側部材の上端部に設けられ、且つ下段部は下側部材の下端部に設けられているものである。
これによれば、シリンダの昇温速度が低い下側部材を断熱部材で断熱することにより昇温速度を高め、シリンダの均一膨張を促進することができる。
第4の発明は、上記第1〜第3の発明において、エンジンは、複数のシリンダボアを有し、断熱部材は、ウォータジャケットスペーサにおけるシリンダボア同士の間の部位において、ウォータジャケットスペーサと保持具により保持されているものである。
これによれば、ウォータジャケットスペーサにおけるシリンダボア同士の間の部位には、構成上、屈曲部が設けられるため、スペース(隙間)が大きくなる。この部位に保持具を配置することが可能となり、ウォータジャケットにウォータジャケットスペーサを挿入する際に、該保持具がウォータジャケットと干渉することを防止できる。
第5の発明は、シリンダブロックにおけるウォータジャケットの内部に保持されるウォータジャケットスペーサを備えたエンジンのシリンダブロックであって、シリンダボアが形成されたシリンダブロックと、シリンダボアの周囲を囲むと共に、内側及び外側に突出する下段部が設けられたウォータジャケットスペーサと、ウォータジャケットスペーサにおける内面及び外面を覆うと共に、下段部の上側部分に保持されたシート状の断熱部材とを備え、断熱部材は、ウォータジャケットの内部に配置された後に膨潤し、ウォータジャケットの内側の内壁及び外側の内壁に密着するものである。
これによれば、ウォータジャケットスペーサには、その内側及び外側に突出する下段部が設けられているため、ウォータジャケットスペーサをブロック側のウォータジャケットに挿入する際に、該下段部によって断熱部材の損傷が抑制される。その上、断熱材の保持性が向上すると共に、シリンダの断熱を確実に行うことができる。
第6の発明は、上記第5の発明において、ウォータジャケットスペーサは、下段部の上側で、且つ内側及び外側に突出する上段部が設けられており、断熱部材は、上段部と下段部との間に保持されるものである。
これによれば、ウォータジャケットスペーサの下段部と、その上側に設けられた上段部とによってシートの状断熱部材の保持性を高めることができる。
第7の発明は、上記第6の発明において、ウォータジャケットスペーサは、シリンダボアの周囲を囲む上側部材と下側部材とから形成され、上段部は下側部材の上端部に設けられ、且つ下段部は下側部材の下端部に設けられているものである。
これによれば、シリンダの昇温速度が低い下側部材を断熱部材で断熱することにより昇温速度を高め、シリンダの均一膨張を促進することができる。
第8の発明は、上記第5〜第7の発明において、エンジンは、複数のシリンダボアを有し、断熱部材は、ウォータジャケットスペーサにおけるシリンダボア同士の間の部位において、ウォータジャケットスペーサと保持具により固定されているものである。
これによれば、ウォータジャケットスペーサにおけるシリンダボア同士の間の部位に設けられる屈曲部は、そのスペース(隙間)が大きくなるので、この部位に保持具を配置することが可能となる。これにより、ウォータジャケットにウォータジャケットスペーサを挿入する際に、該保持具がウォータジャケットと干渉することを防止できる。
第9の発明は、上記第7の発明において、ウォータジャケットスペーサは、少なくとも下側部材に設けられた、冷却水の導入部と対応する導入開口部を有しており、導入開口部と連通し、ウォータジャケットスペーサの上側部材とシリンダボアの上部との間に、シリンダボアの周囲を囲むように形成された冷却水路が設けられているものである。
これによれば、シリンダの下側部材側は断熱部材で断熱される一方、シリンダの上側部材におけるシリンダボア側は冷却水が循環することにより冷却性を確保することができる。
本発明によれば、ウォータジャケットスペーサをブロック側のウォータジャケットに挿入する際の断熱部材の損傷を抑制しつつその保持性を高め、且つシリンダの断熱を確実に行うことができる。
図1は一実施形態に係るシリンダブロックを示す平面図である。 図2は一実施形態に係るシリンダブロックにおけるウォータジャケットにウォータジャケットスペーサを組み付ける直前の様子を示す模式的な斜視図である。 図3は一実施形態に係るシリンダブロックにおけるウォータジャケットにウォータジャケットスペーサを組み付けた後の様子を示す模式的な斜視図である。 図4は一実施形態に係るウォータジャケットスペーサの後側を示す斜視図である。 図5は一実施形態に係るウォータジャケットスペーサの前側を示す斜視図である。 図6は一実施形態に係るウォータジャケットスペーサにシート状の断熱部材を取り付ける様子を模式的に示す斜視図である。 図7は一実施形態に係るウォータジャケットスペーサにおける断熱部材の膨潤後の様子を示す斜視図である。 図8(a)及び図8(b)は、図1のVIII-VIII線における断面構成であって、図8(a)はウォータジャケットスペーサの挿入直後の断熱部材の膨潤前の様子を示す断面図であり、図8(b)は断熱部材の膨潤後の様子を示す断面図である。 図9(a)及び図9(b)は、図1のIX-IX線における断面構成であって、図9(a)はウォータジャケットスペーサの挿入直後の断熱部材の膨潤前の様子を示す断面図であり、図9(b)は断熱部材の膨潤後の様子を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物又はその用途を制限することを意図しない。
(一実施形態)
図1は、一実施形態に係るエンジンのウォータジャケットスペーサを有する多気筒エンジン(以下、単にエンジンと呼ぶ。)を構成するシリンダブロックの平面構成を表している。
本実施形態に係るエンジンは、シリンダ同士の間にウォータジャケット13を設けないサイアミーズ型のシリンダ5がクランク軸(図示せず)の軸方向に沿って並ぶ直列4気筒エンジンである。該エンジンは、例えば、アルミニウム合金製のシリンダブロック3と該シリンダブロック3の上側に組み付けられる、同じくアルミニウム合金製のシリンダヘッド(図示せず)とによって構成され、シリンダブロック3とシリンダヘッドとによって形成されるシリンダ5内でピストン(図示せず)が上下動するように構成されている。
本エンジンは、車両前部に設けられたエンジンルーム内に、例えば、クランク軸が車幅方向に延びるように横置きに搭載される。具体的には、エンジンの左側(図1において上側)には、各シリンダ5内に吸気を導入するための吸気マニホールド(図示せず)が配設される一方、該エンジンの右側(図1において下側)には、排気系(排気マニホールド等、図示せず)が設けられている。シリンダブロック3において、その長手方向(シリンダ列方向であり、以下、エンジン前後方向とも呼ぶ。)の両端部及びシリンダボア間9のそれぞれの吸気側及び排気側には、ボルトによりシリンダヘッドと締結するためのボルト穴11が形成されている。
エンジンには、後述するように、シリンダブロック3に形成されたウォータジャケット13内に冷却水を送出するためのウォータポンプ(図示せず)が配設されている。該ウォータポンプは、シリンダブロック3に設けられたクランクプーリ(図示せず)を介してクランク軸によって駆動される。なお、冷却水には、通常の不凍液を用いることができる。
シリンダブロック3は、ほぼ直方体状のブロック材の上面に、シリンダ5を構成するシリンダボア17が直列に並んで開口するように形成されている。シリンダブロック3には、各シリンダ5の内周面上(シリンダボア17の内周面上)に配設されるシリンダライナ(鋳ぐるみシリンダライナ)19(例えば、図8(a)を参照。)の周囲を冷却するように、シリンダボア17の吸気側及び排気側に冷却水の流通路としてのウォータジャケット(シリンダブロックウォータジャケット)13が設けられている。
ウォータジャケット13は、通常、シリンダボア間9に対応する部位が屈曲している。また、ウォータジャケット13の外周壁を形成するシリンダブロック外周壁21における排気側の前端部には、ウォータポンプから送給される冷却水をウォータジャケット13に導入する冷却水導入部23が設けられている。該冷却水導入部23は、シリンダブロック外周壁21におけるウォータジャケット13の中央部下側に対応する部位に形成され、エンジンの前側のシリンダ5に近づくに従ってエンジンの後側に傾斜している。このため、冷却水導入部23からウォータジャケット13に導入された冷却水は、エンジンの前側及び後側に分岐し、その大部分がエンジンの後側に流れると共に、その残部がエンジンの前側に流れる。
ウォータジャケット13には、該ウォータジャケット13を流れる冷却水の水路を限定的に形成するウォータジャケットスペーサ25が4つのシリンダライナ19のほぼ全周を囲むように配設されている。
図2はシリンダブロック3にウォータジャケットスペーサ25が挿入される直前の様子を模式的に表している。また、図3はシリンダブロック3にウォータジャケットスペーサ25が挿入された様子を模式的に表している。
図4及び図5は、ウォータジャケットスペーサ25の斜視図であって、それぞれ吸気側及び排気側から見ている。図4に示すように、本実施形態に係るウォータジャケットスペーサ25は、ジャケットスペーサ下部25aと該ジャケットスペーサ下部25aの上端部と連続して一体に形成されたジャケットスペーサ上部25bとから構成されている。ここで、ウォータジャケットスペーサ25は、例えば、加熱された冷却水に耐え得る樹脂材を用いることができる。
ウォータジャケットスペーサ25には、シリンダブロック外周壁21に形成された冷却水導入部23と対応して冷却水を該ウォータジャケットスペーサ25の内側、すなわちシリンダボア17側に導入する導入口43が形成されている。
さらに、本実施形態の特徴として、ウォータジャケットスペーサ25におけるジャケットスペーサ下部25aの表裏面のほぼ全面には、シート状の断熱部材30が複数の保持具31により保持されている。該断熱部材30は、エンジンの作動時におけるシリンダブロック3を保温するための外部との断熱に用いられる。ここでは、例えば、圧縮成形され且つ冷却水により膨潤可能な発泡性ゴムを用いることができる。
保持具31は、ジャケットスペーサ下部25aにおけるシリンダボア間9と対向する部位において、断熱部材30をウォータジャケットスペーサ25に保持する。このように、保持具31を、ウォータジャケットスペーサ25におけるシリンダボア17同士の間の部位に設けると、該部位は、ウォータジャケット13に屈曲部が構成されて、そのスペースが大きくなる。従って、この部位に保持具31を配置することにより、ウォータジャケット13にウォータジャケットスペーサ25を挿入する際に、該保持具31がウォータジャケット13と干渉することを防止することができる。
なお、シリンダブロック3の前側及び後側において、断熱部材30が分離されている場合には、断熱部材30における吸気側部分及び排気側部分のそれぞれの両端部(4箇所)で、ウォータジャケットスペーサ25と、例えば接着材で接着することができる。断熱部材30を保持具31によってウォータジャケットスペーサ25に保持する際に、ウォータジャケットスペーサ25がその後側で分離されていると、複数の保持具31の位置合わせに多少のずれが生じたとしても、ウォータジャケットスペーサ25と断熱部材30との密着性が低下することがない。
なお、図4に示すシート状の断熱部材30は、ウォータジャケットスペーサ25の後側の側面には貼り付けていないが、分離された断熱部材30同士の間隔を小さくすることにより、ウォータジャケットスペーサ25の後側の側面を断熱部材30で覆ってもよい。
図6は、ウォータジャケットスペーサ25にシート状の断熱部材30を取り付ける様子を模式的に表した斜視図である。図6に示すように、ウォータジャケットスペーサ25におけるシリンダボア間9と対向する部位には、保持具31(詳しくは係合爪付きクリップ)の心棒を通す複数の留め孔25cが設けられている。同様に、断熱部材30におけるウォータジャケットスペーサ25の各留め孔25cと対応する部位には、留め孔30aがそれぞれ設けられている。なお、後述するように、保持具31を構成するクリップの心棒は、ウォータジャケットスペーサ25の内側に載置された 例えば環状の留め部材によって固持される。
図7は、ウォータジャケットスペーサ25にシート状の断熱部材30が取り付けられ、さらに、取り付けられた断熱部材30が冷却水により膨潤した状態を模式的に表した斜視図である。図7に示すように、ウォータジャケットスペーサ25のジャケットスペーサ下部25aには、その外面と内面とに断熱部材30が保持具31により取り付けられている。保持具31は、一例として、係合爪付きクリップ31aとその心棒を固持する留め部材31bとによって構成される。係合爪付きクリップ31aには、例えば樹脂を用いることができる。留め部材31bには、例えば樹脂を用いることができ、また、断熱部材30と同等の発泡性ゴムを用いることができる。図7では、断熱部材30が取り付け時の状態から膨潤しているため、吸気側の断熱部材30から露出する係合爪付きクリップ31aの表面(頂面)が断熱部材30の表面よりも低くなっている。
また、図7に示すように、ジャケットスペーサ下部25aの高さは、冷却水の導入口43側が低く、排気側、後側、吸気側及び前側に至るまで徐々に高くなるように設定されている。具体的には、ウォータジャケットスペーサ25の内側のジャケットスペーサ下部25aは、導入口43からウォータジャケットスペーサ25の内側に導入された冷却水が、比較的に低温のシリンダの深い位置から比較的に高温の浅い位置へと徐々に移動するように、冷却水路が形成されている。すなわち、冷却水路は、ウォータジャケットスペーサ25のジャケットスペーサ上部25bとシリンダボア17の上部との間で該シリンダボア17の周囲を囲むと共に、水流を徐々にシリンダボア17のより上部に流通させるように形成されている。この構成を持つウォータジャケットスペーサ25のジャケットスペーサ下部25aと該ジャケットスペーサ下部25aの表裏面に貼り付けられた断熱部材30により、シリンダ5からシリンダブロック外周壁21への放熱が抑制されると共に、シリンダライナ19の早期の昇温及び温度の均一化を達成できる。また、シリンダライナ19の上部の冷却性を確保することができる。
図8(a)及び図8(b)は、図1のVIII-VIII線、すなわちシリンダボア17の排気側と吸気側とを結ぶ中心線における断面構成であって、図8(a)はウォータジャケットスペーサ25の挿入直後の断熱部材30の膨潤前の様子を表し、図8(b)は断熱部材30の膨潤後の様子を表している。
また、図9(a)及び図9(b)は、図1のIX-IX線、すなわちシリンダボア間9の排気側と吸気側とを結ぶ中心線における断面構成であって、図9(a)はウォータジャケットスペーサ25の挿入直後の断熱部材30の膨潤前の様子を表し、図9(b)は断熱部材30の膨潤後の様子を表している。
本実施形態のもう1つの特徴として、図8(a)及び図8(b)に示すように、ウォータジャケットスペーサ25には、ジャケットスペーサ下部25aの下端部に、断熱部材30の下端部を保護する下段部25lが設けられている。また、これと同様に、ウォータジャケットスペーサ25におけるジャケットスペーサ下部25a及びジャケットスペーサ上部25bとの境界部分には、断熱部材30の上端部を保護する上段部25uが設けられている。ここで、下段部25l及び上段部25uは、ウォータジャケットスペーサ25の内側及び外側に鍔(つば)状にそれぞれ突出するように設けられている。また、ウォータジャケットスペーサ25に、下段部25lだけでなく、上段部25uを設けることにより、断熱部材30に対する保護性とその保持性が向上する。
図8(a)及び図9(a)に示すように、ウォータジャケットスペーサ25におけるジャケットスペーサ下部25aの表裏面にそれぞれ保持されたシート状の断熱部材30の表面は、ウォータジャケット13への挿入直後には、下段部25l及び上段部25uの側面と同等か該側面の内側に収まっている。これにより、ジャケットスペーサ下部25aの表裏面にそれぞれ保持された断熱部材30は、ウォータジャケットスペーサ25をウォータジャケット13に組み付ける(挿入する)際に、該断熱部材30の下端部がジャケットスペーサ下部25aの下段部25l及び上段部25uによって保護される。このため、断熱部材30がウォータジャケット13の上端部等によって損傷するという不具合を抑止することができる。
なお、本実施形態においては、下段部25lをジャケットスペーサ下部25aの下端部に設けたが、該下段部25lは、必ずしもジャケットスペーサ下部25aの下端部に設ける必要はなく、ジャケットスペーサ下部25aの途中の部位に設けてもよい。
また、図9(a)に示すように、ジャケットスペーサ下部25aにおけるシリンダボア間9と対向する部位においては、下段部25lの下面に、ウォータジャケット13の底面に支持される支持部25dを設けてもよい。
一方、断熱部材30が冷却水により膨潤した後の図8(b)に示すように、断熱部材30におけるウォータジャケット13と対向する面は、該ウォータジャケット13と密着して、冷却水の流通を阻止すると共に、シリンダ5に対する断熱性が向上する。
なお、図9(b)に示す、ウォータジャケット13におけるシリンダボア間9と対向する部位においては、内側の断熱部材30が膨潤しても、ウォータジャケット13の内側の壁面との間には空隙が残る。しかしながら、シリンダボア間9においては、互いに隣接する2つのシリンダボア17からの熱伝導によって温度が上昇し易いため、シリンダ5は、断熱部材30による保温にそれ程頼らなくて済む。
−効果−
以上より、本実施形態によれば、ウォータジャケットスペーサ25には、ジャケットスペーサ上部25bに対して非対称(螺旋状)の冷却水路を形成するジャケットスペーサ下部25aを設けておき、その表裏面に冷却水により膨潤可能な断熱部材30を取り付けている。これにより、シリンダ5の効率的な冷却及び断熱を確実に行うことができる。
また、ジャケットスペーサ下部25aには、膨潤前の断熱部材30の下端部を保護する鍔状の下段部25lを設けると共に、ジャケットスペーサ下部25aとジャケットスペーサ上部25bとの境界部分には、膨潤前の断熱部材30の上端部を保護する鍔状の上段部25uを設けている。これにより、ウォータジャケットスペーサ25をウォータジャケット13に挿入する際に、断熱部材30がウォータジャケット13の上端部等によって損傷するという不具合を減らすことができる。
本発明に係るエンジンのウォータジャケットスペーサ及びそのスペーサを備えたエンジンのシリンダブロックは、ウォータジャケットスペーサの組み付け時に該ウォータジャケットスペーサに保持された断熱部材の損傷を低減することが必要な用途等に適用することができる。
3 シリンダブロック
5 シリンダ
9 シリンダボア間
13 ウォータジャケット
17 シリンダボア
19 シリンダライナ
23 冷却水導入部
25 ウォータジャケットスペーサ
25a ジャケットスペーサ下部(下側部材)
25b ジャケットスペーサ上部(上側部材)
25c 留め孔
25d 支持部
25l 下段部
25u 上段部
30 断熱部材
30a 留め孔
31 保持具
31a 係合爪付きクリップ
31b 留め部材
43 導入口(導入開口部)

Claims (9)

  1. シリンダブロックにおけるウォータジャケットの内部に保持されるエンジンのウォータジャケットスペーサであって、
    シリンダボアの周囲を囲むと共に、内側及び外側に突出する下段部が設けられたウォータジャケットスペーサと、
    前記ウォータジャケットスペーサにおける内面及び外面を覆うと共に、前記下段部の上側部分に保持されたシート状の断熱部材とを備え、
    前記断熱部材は、前記ウォータジャケットの内部に配置された後に膨潤し、前記ウォータジャケットの内側の内壁及び外側の内壁に密着することを特徴とするエンジンのウォータジャケットスペーサ。
  2. 請求項1において、
    前記ウォータジャケットスペーサは、前記下段部の上側で、且つ内側及び外側に突出する上段部が設けられており、
    前記断熱部材は、前記上段部と前記下段部との間に保持されることを特徴とするエンジンのウォータジャケットスペーサ。
  3. 請求項2において、
    前記ウォータジャケットスペーサは、前記シリンダボアの周囲を囲む上側部材と下側部材とから形成され、
    前記上段部は前記下側部材の上端部に設けられ、且つ、前記下段部は前記下側部材の下端部に設けられていることを特徴とするエンジンのウォータジャケットスペーサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記エンジンは、複数のシリンダボアを有し、
    前記断熱部材は、前記ウォータジャケットスペーサにおける前記シリンダボア同士の間の部位において、前記ウォータジャケットスペーサと保持具により保持されていることを特徴とするエンジンのウォータジャケットスペーサ。
  5. シリンダブロックにおけるウォータジャケットの内部に保持されるウォータジャケットスペーサを備えたエンジンのシリンダブロックであって、
    シリンダボアが形成されたシリンダブロックと、
    前記シリンダボアの周囲を囲むと共に、内側及び外側に突出する下段部が設けられたウォータジャケットスペーサと、
    前記ウォータジャケットスペーサにおける内面及び外面を覆うと共に、前記下段部の上側部分に保持されたシート状の断熱部材とを備え、
    前記断熱部材は、前記ウォータジャケットの内部に配置された後に膨潤し、前記ウォータジャケットの内側の内壁及び外側の内壁に密着することを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
  6. 請求項5において、
    前記ウォータジャケットスペーサは、前記下段部の上側で、且つ内側及び外側に突出する上段部が設けられており、
    前記断熱部材は、前記上段部と前記下段部との間に保持されることを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
  7. 請求項6において、
    前記ウォータジャケットスペーサは、前記シリンダボアの周囲を囲む上側部材と下側部材とから形成され、
    前記上段部は前記下側部材の上端部に設けられ、且つ、前記下段部は前記下側部材の下端部に設けられていることを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項において、
    前記エンジンは、複数のシリンダボアを有し、
    前記断熱部材は、前記ウォータジャケットスペーサにおける前記シリンダボア同士の間の部位において、前記ウォータジャケットスペーサと保持具により保持されていることを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
  9. 請求項7において、
    前記ウォータジャケットスペーサは、少なくとも前記下側部材に設けられた、冷却水の導入部と対応する導入開口部を有しており、
    前記導入開口部と連通し、前記ウォータジャケットスペーサの前記上側部材と前記シリンダボアの上部との間に、前記シリンダボアの周囲を囲むように形成された冷却水路が設けられていることを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
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