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JP2016124952A - ボールペン用水性インク組成物 - Google Patents

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嘉美 牛山
Yoshimi Ushiyama
嘉美 牛山
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Abstract

【課題】平均粒子径が小さい顔料を用いた場合にも、経時的な顔料の沈降もなく、描線品位に優れるボールペン用水性インク組成物を提供する。
【解決手段】平均粒子径が200nm以下の顔料を少なくとも含有したボールペン用水性インク組成物であって、発酵セルロース/サクシノグリカンを質量比で2/1〜1/2の範囲で、または、発酵セルロース/架橋型ポリアクリル酸を質量比で2/1〜1/2の範囲で含有したことを特徴とするボールペン用水性インク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、平均粒子径が小さい顔料を用いた場合にも、経時的な顔料の沈降もなく、描線品位に優れるボールペン用水性インク組成物に関する。
従来より、増粘剤として発酵セルロースなどの多糖類や架橋型ポリアクリル酸などを使用した筆記具用の水性インク組成物は良く知られている。
例えば、発酵セルロースを用いたものでは、1)少なくとも水、着色剤、発酵セルロースからなることを特徴とする水性ボールペン用インク組成物(例えば、特許文献1参照)や、2)発酵セルロースを添加することによる、ボールペン用水性インクの品質向上方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
また、3)必須成分として、着色剤、サクシノグリカン、及び水と水溶性有機溶媒を含み、水が50重量%以上を占める水性媒体を含有してなるボールペン用水性インク組成物(例えば、特許文献3参照)、4)エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンからなる群から選ばれた少なくとも一種の溶剤が全インク中5〜40重量%、架橋型アクリル酸重合体が全インク中0.1〜1.0重量%、および顔料が全インク中5〜10重量%含み、残部は主として水からなる直液式水性ボールペン用インク(例えば、特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、上記文献1及び2の発酵セルロースを使用した水性ボールペン用インク組成物は、筆記性、安定性など全体的なバランスに優れているが、平均粒子径が小さい顔料を用いた場合において、顔料が経時的に沈降しやすいという課題を有している。また、比重が大きい粒子に対する分散安定性が不足する場合がある。
一方、上記文献3のサクシノグリカンを使用した水性インク組成物は、粒子の分散安定性という点において優れた性質を発現するものの、特に、ボールペンインクとして使用した場合、ボールから筆記面に転写されるインクが糸を曳く現象(以下、曳糸現象)が発生しやすいなど描線品位が未だ十分でない点に課題があるものである。
また、上記文献4の架橋型ポリアクリル酸重合体を使用した水性インク組成物は、粒子の分散安定性という点において優れた性質を発現するものの、特に、ボールペンインクとして使用した場合、筆記した描線の中心部分が薄くなる現象(以下、線割れ現象)が発生しやすいなど描線品位が未だ十分でない点に課題があるものである。
特開2013−91730号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2009−161624号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平6−88050号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平8−209055号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、平均粒子径が小さい顔料を用いた場合にも、経時的な顔料の沈降もなく、描線品位に優れるボールペン用水性インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、平均粒子径が200nm以下の顔料を少なくとも含有したボールペン用水性インク組成物であって、発酵セルロース/サクシノグリカン、または、発酵セルロース/架橋型ポリアクリル酸を質量比でそれぞれ特定の範囲で含有せしめることにより、上記目的のボールペン用水性インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(3)に存する。
(1) 平均粒子径が200nm以下の顔料を少なくとも含有したボールペン用水性インク組成物であって、発酵セルロース/サクシノグリカンを質量比で2/1〜1/2の範囲で、または、発酵セルロース/架橋型ポリアクリル酸を質量比で2/1〜1/2の範囲で含有したことを特徴とするボールペン用水性インク組成物。
(2) 更に、平均粒子径が200nmより大きい粒子を含むことを特徴とする上記(1)に記載のボールペン用水性インク組成物。
(3) 平均粒子径が200nm以下の顔料と平均粒子径が200nmより大きい粒子との割合が、質量比で2:1〜1:4であることを特徴とする上記(2)に記載のボールペン用水性インク組成物。
本発明によれば、平均粒子径が小さい顔料を用いた場合にも、経時的な顔料の沈降もなく、描線品位に優れるボールペン用水性インク組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明のボールペン用水性インク組成物は、平均粒子径が200nm以下の顔料を少なくとも含有したボールペン用水性インク組成物であって、発酵セルロース/サクシノグリカンを質量比で2/1〜1/2の範囲で、または、発酵セルロース/架橋型ポリアクリル酸を質量比で2/1〜1/2の範囲で含有したことを特徴とするものである。
本発明に用いる顔料としては、従来水性ボールペンなどの筆記具用に慣用されている無機系及び有機系顔料の中から任意のものを使用することができる。また、筆記具用水性インクの用途、目的に応じて任意の平均粒子径を有する顔料を使用することができる。
本発明においては、少なくとも平均粒子径が200nm以下の各顔料を用いるものである。
用いることができる無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン等が挙げられる。
また、有機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。具体的には、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、ハンザイエロー3G(C.I.11670)、ジスアゾイエローGR(C.I.21100)、パーマネントレッド4R(C.I.12335)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、キナクリドンレッド(C.I.46500)などが使用できる。これらの顔料は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明では、上記の顔料において、少なくとも平均粒子径が200nm以下となる顔料を用いるものである。これらの平均粒子径が200nm以下の顔料の含有量は、着色力や分散安定性の点から、ボールペン用水性インク組成物全量に対して、0.5〜30質量%(以下、単に「質量%」を「%」と略する)の範囲で適宜調整することが可能である。
なお、本発明(後述する実施例等を含む)において「平均粒子径」は、粒度分布測定装置〔粒子径測定器N4Plus(COULTER社製)〕にて測定した値である。
本発明において、上記平均粒子径が200nm以下の顔料と共に、前記顔料の経時的な沈降を防止する点から、平均粒子径が200nmより大きな粒子(200nm超過となる粒子)を含有せしめることが好ましい。
用いることができる平均粒子径が200nmより大きな粒子としては、例えば、例えば、酸化チタン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッドなどの顔料(粒子)が挙げられ、また、以下の樹脂粒子などが挙げられる。
用いることができる樹脂粒子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレートなどの単独重合体や、スチレン−アクリルニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの少なくとも2種以上のモノマーが共在している共重合体などよりなる樹脂粒子などが挙げられる。
これらの樹脂粒子は、球状、若しくは異形の形状のものなどが使用でき、更に、表面から中心まで均一な固体の樹脂粒子、または、外殻のみ固体樹脂製で中心部が気体または液体で満たされている中空樹脂粒子などが使用できる。また、これらの樹脂粒子は染料や顔料などで着色したものも使用できる。また、これらの樹脂粒子は、固体状樹脂粒子の粉末もしくは固体状樹脂粒子を水性媒体に分散した分散体としても入手でき、使用できる。
上記平均粒子径が200nmより大きな顔料や樹脂粒子は、好ましくは、分散安定性や筆記性の点から、1000nm以下の平均粒子径となるものが望ましい。
これらの粒子、すなわち、上記平均粒子径が200nmより大きな顔料及び樹脂粒子の合計含有量は、着色力や分散安定性の点から、ボールペン用水性インク組成物全量に対して、0.5〜30%の範囲で適宜調整することができる。
更に、上述の平均粒子径が200nm以下の顔料と、上記平均粒子径が200nmより大きい粒子との割合は、分散安定性と筆記性の点から、質量比で、好ましくは、2:1〜1:4、更に好ましくは、2:1〜1:2であることが望ましい。
本発明の増粘剤として用いる発酵セルロースは、セルロース生産菌、例えば、アセトバクター属、シュードモナス属、アグロバクテリウム属等に属する細菌が産生するセルロースであり、これらのセルロースであれば特に限定されない。通常、発酵セルロースは、セルロース生産菌を既知の方法(培養する培地及び条件等)に従って培養し、得られる発酵セルロースを所望に応じて適宜精製することによって製造することができる。
かかる発酵セルロースは、植物由来の一般的なセルロース繊維の繊維径に比べて非常に微細な繊維径を有するものである。また、発酵セルロースを構成する多糖類の化学構造は、基本的に、β1−4結合したグルコースによる直鎖状の高分子多糖類である。
本発明に用いる発酵セルロースは、水に不溶性であり、インク組成物中では三次元網目構造を形成する。発酵セルロースは、増粘多糖類と異なり、低粘度でべとつきが少なく、種々のインクの共存成分、温度、pHなどにおいて安定して使用することができる。
用いることができる発酵セルロースとしては、上記製造に得た発酵セルロースや市販の三栄源エフ・エフ・アイ社製のサンアーティストシリーズ、例えば、サンアーティスト H−PN、サンアーティスト H−PGなどが挙げられる。
本発明の増粘剤として用いるサクシノグリカンは、微生物に由来する多糖類の一種であり、ガラクトースおよびグルコースから誘導される糖単位に加え、コハク酸およびピルビン酸および随意成分としての酢酸またはこれらの酸の塩から誘導される単位を含むものである。
用いることができるサクシノグリカンとしては、例えば、市販のレオザンSH(RHODIA社製)が挙げられる。なお、本発明において「サクシノグリカン」とは、精製物及び変性物も含むものとする。
本発明において、上記発酵セルロース(A)とサクシノグリカン(B)は、平均粒子径200nm以下となる小さい顔料を用いた場合にも、経時的な顔料の沈降を抑制し、かつ、インクの曳糸現象を抑制して、優れた描線品位を発揮せしめる点から併用するものであり、その合計含有量は、上記本発明の効果をより効果的に発揮せしめる点から、ボールペン用水性インク組成物全量に対して、0.05〜5%、好ましくは、0.1〜2%に調整することが望ましい。
用いる発酵セルロース(A)とサクシノグリカン(B)の含有比率は、質量比で2/1〜1/2の範囲、好ましくは、1.5/1〜1/1.5の範囲で含有せしめることが望ましい。
この含有比率〔(A)/(B)〕が1/2未満であると、インクの曳糸現象があり、描線品位に劣り、一方、2/1を超えると、経時的な顔料の沈降が生じることとなり、本発明の効果を発揮できないこととなり、好ましくない。
本発明では、また、上記サクシノグリカンの代わりに、架橋型ポリアクリル酸を用いて、発酵セルロースとの併用により、すなわち、発酵セルロース/架橋型ポリアクリル酸を質量比で2/1〜1/2の範囲で含有することによっても本発明の効果を発揮できるものとなる。
本発明の増粘剤として用いる架橋型ポリアクリル酸は、アクリル酸を主成分として重合して得られる親水性(水溶性)ポリマーであり、架橋型ポリアクリル酸、又は架橋型ポリアクリル酸塩の何れであってもよい。
インク組成物調整の際に、各成分の混合時に架橋型ポリアクリル酸を使用する場合でも、pHを調整すると、結果として得られる組成物中では、その一部又は全部が架橋型ポリアクリル酸塩になっている場合がある。従って、その他の成分とを混合する時に架橋型ポリアクリル酸を使用し、pH調整により、場合によりその一部又は全部を架橋型ポリアクリル酸塩として組成物の粘度を上げてもよく、また、混合時から架橋型ポリアクリル酸塩を使用することもできる。
架橋型ポリアクリル酸塩としては、架橋型ポリアクリル酸のナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;ポリアクリル酸のモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩のようなアミン塩;ポリアクリル酸のアンモニウム塩などを使用できる。
用いることができる架橋型ポリアクリル酸(塩)は、質量平均分子量が50万〜300万のものが好ましい。
具体的に用いることができる架橋型ポリアクリル酸としては、例えば、市販の、ハイビスワコー103、104、105(和光純薬工業社製)、レオジック260H(東亜合成社製)等が挙げられる。
なお、本発明(後述する実施例を含む)において「質量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算分子量として評価した。
本発明において、上記発酵セルロース(A)と架橋型ポリアクリル酸(C)は、平均粒子径200nm以下となる小さい顔料を用いた場合にも、経時的な顔料の沈降を抑制し、かつ、描線の線割れ現象を抑制して、優れた描線品位を発揮せしめる点から併用するものであり、その合計含有量は、上記本発明の効果をより効果的に発揮せしめる点から、ボールペン用水性インク組成物全量に対して、0.05〜5%、好ましくは、0.1〜2%に調整することが望ましい。
用いる発酵セルロース(A)/架橋型ポリアクリル酸(C)の含有比率は、質量比で2/1〜1/2の範囲、好ましくは、1.5/1〜1/1.5の範囲で含有せしめることが望ましい。
この含有比率〔(A)/(C)〕が1/2未満であると、描線の線割れ現象があり、描線品位に劣り、一方、2/1を超えると、経時的な顔料の沈降が生じることとなり、本発明の効果を発揮できないこととなり、好ましくない。
本発明のボールペン用水性インク組成物において、上記平均粒子径が200nm以下の顔料、発酵セルロース及びサクシノグリカン、または、発酵セルロース及び架橋型ポリアクリル酸の他、残部として溶媒である水(水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)、また、筆記具用水性インク用に通常用いられる各成分、例えば、水溶性有機溶剤、潤滑剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤、pH調整剤などを本発明の効果を損なわない範囲で、適宜含有することができる。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、単独或いは混合して使用することができる。
これらの水溶性有機溶剤の含有量は、ボールペン用水性インク組成物全量に対して、好ましくは、1〜30%とすることが望ましい。
潤滑剤としては、顔料の表面処理剤にも用いられる多価アルコールの脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、アルキル燐酸エステルなどのノニオン系や、リン酸エステル、高級脂肪酸アミドのアルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのアニオン系、ポリアルキレングリコールの誘導体やフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
また、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロへキシルアンモニウムナイトライト、サポニン類など、防腐剤もしくは防菌剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モルホリン、トリエチルアミン等のアミン化合物、アンモニア等が挙げられる。
このボールペン用水性インク組成物を製造するには、従来から知られている方法が採用可能であり、例えば、上記平均粒子径が200nm以下の顔料、発酵セルロース及びサクシノグリカン、または、発酵セルロース及び架橋型ポリアクリル酸の他の他、更に、平均粒子径が200nmより大きな粒子、上記水性における各成分を所定量配合し、ホモミキサー、もしくはディスパー等の攪拌機により攪拌混合することによって得られる。更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子等を除去してもよい。
本発明のボールペン用水性インク組成物は、金属チップ、樹脂チップなどのペン先部を備えたボールペンなどに搭載して使用に供することができる。
用いることができるボールペンは、上記組成となるボールペン用水性インク組成物を搭載したものであり、好ましくは、金属ボール等を回転自在に抱持したボールペンチップを直接又は中継部材を介して挿着したパイプ又はパイプ形状の成形物等からなるインク収容管内に上記特性のインク組成物を充填し、かつ、該インク組成物後端面にインク追従体を配設してなる構成となるものが望ましい。インク追従体としては、インク収容管内に収容された水性ボールペン用インク組成物とは相溶性がなく、かつ、該水性ボールペン用インク組成物に対して比重が小さい物質、例えば、ポリブテン、シリコーンオイル、鉱油等が挙げられる。
なお、ボールペンの構造は、特に限定されず、例えば、軸筒自体をインク収容体として該軸筒内に上記構成のボールペン用水性インク組成物を充填したコレクター構造(インキ保持機構)を備えた直液式のボールペンであってもよいものである。
このように構成される本発明のボールペン用水性インク組成物が、何故、平均粒子径が小さい顔料を用いた場合にも、経時的な顔料の沈降もなく、インクの曳糸現象又は描線の線割れ現象もなく、描線品位に優れた機能を発揮するかは、定かではないが、発酵セルロースとサクシノグリカンの立体構造が、または、発酵セルロースと架橋型ポリアクリル酸の立体構造が、相互補完する作用を示し、溶液中で密なネットワークを形成して顔料を保持する効果を発現するためと推測される。
本発明のボールペン用水性インク組成物では、本発明の効果を発揮せしめる持続効果が極めて優れており、しかも、その効果の発現期間・持続時間も長く、更に水溶性であるために経時的な安定性にも優れたものとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜14及び比較例1〜8〕
実施例1〜7及び比較例1〜4の発酵セルロース及びサクシノグリカンの併用では下記表1に示す配合処方にしたがって、また、実施例8〜14及び比較例5〜8の発酵セルロース及び架橋型ポリアクリル酸の併用では下記表2に示す配合処方にしたがって、それぞれ常法により各ボールペン用水性インク組成物を調製した。
得られた各ボールペン用水性インク組成物(全量100質量%)について、下記方法により経時顔料沈降、描線品位A(インクの曳糸現象)又は描線品位B(描線の線割れ現象)の評価を行った。
これらの結果を下記表1及び表2に示す。
(経時顔料沈降の評価方法)
容量10ccの板蓋付き透明容器(バルク)に各ボールペン用水性インク組成物を入れ、50℃、2週間保管後、目視による顔料沈降を下記評価基準に基づいて評価を行った。
評価基準:
◎:外観に変化なし。
○:バルク底部に僅かに顔料沈降が見られる。
△:バルク底部に少量の顔料沈降が見られる。
×:バルク底部に多量の顔料沈降が見られる。
〔描線品位A(インクの曳糸現象)、描線品位B(描線の線割れ現象)の評価方法〕
ボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:シグノUM−151〕の軸を使用し、内径3.8mm、長さ113mmのポリプロピレン製インク収容管とボールペンチップ(ホルダー:ステンレス製、ボール:超硬合金ボール、ボール径0.7mm)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに、上記で得られた各ボールペン用水性インク組成物を充填し、インク後端にポリブテンからなるインク追従体を充填して水性ボールペン(各5本)を作製した。
この水性ボールペンを用いて、表1の実施例1〜7及び比較例1〜4の描線品位A(インクの曳糸現象)の評価では、原稿用紙に「三菱鉛筆」と筆記を行い、下記評価基準に基づいて描線品位A(インクの曳糸現象)の評価を行い、また、表2の実施例8〜14及び比較例5〜8の描線品位B(描線の線割れ現象)の評価では、原稿用紙に直径2cmの円を筆記し、下記評価基準に基づいて描線品位B(描線の線割れ現象)の評価を行った。
評価基準:描線品位A(インクの曳糸現象)
◎:描線に糸状の汚れの問題等は全くなく、優れた描線と認められる。
○:描線に糸状の汚れが僅かに認められる。
△:描線に糸状の汚れが少量認められる。
×:描線に糸状の汚れが多量に認められる。
評価基準:描線品位B(描線の線割れ現象)
◎:線割れが全くなく、きれいな描線が表現できている。
○:ごく一部分に線割れが認められるが、全体的にきれいな描線が表現できている。
△:線割れが多少あり、描線濃度が薄い。
×:線割れがあり、描線が醜い。
Figure 2016124952
Figure 2016124952
上記表1及び表2の結果から明らかなように、本発明となる実施例1〜7の発酵セルロース及びサクシノグリカンの併用、並びに、本発明となる実施例8〜14の発酵セルロース及び架橋型ポリアクリル酸の併用の各ボールペン用水性インク組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜8の各ボールペン用水性インク組成物に較べて、経時的な顔料の沈降もなく、インクの曳糸現象又は描線の線割れ現象もなく、描線品位に優れるボールペン用水性インク組成物であることが判明した。また、実施例1〜7の発酵セルロース及びサクシノグリカンの併用の各ボールペン用水性インク組成物においても、描線の線割れ現象はなく、きれいな描線が表現できており、並びに、実施例8〜14の発酵セルロース及び架橋型ポリアクリル酸の併用の各ボールペン用水性インク組成物おいても、インクの曳糸現象もなく、きれいな描線が表現できていることを確認した。
これに対して、比較例を更に考察すると、比較例1、2、5及び6の発酵セルロース、サクシノグリカン、架橋型ポリアクリル酸の各単独使用の場合や、比較例3、4の発酵セルロース/サクシノグリカンの質量比の割合、並びに、比較例7、8の発酵セルロース/架橋型ポリアクリル酸の質量比の割合がそれぞれ本発明の範囲外となる場合には、本発明の効果を発揮できないことが判った。
水性ボールペンに好適なボールペン用水性インク組成物が得られる。

Claims (3)

  1. 平均粒子径が200nm以下の顔料を少なくとも含有したボールペン用水性インク組成物であって、発酵セルロース/サクシノグリカンを質量比で2/1〜1/2の範囲で、または、発酵セルロース/架橋型ポリアクリル酸を質量比で2/1〜1/2の範囲で含有したことを特徴とするボールペン用水性インク組成物。
  2. 更に、平均粒子径が200nmより大きい粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のボールペン用水性インク組成物。
  3. 平均粒子径が200nm以下の顔料と平均粒子径が200nmより大きい粒子との割合が、質量比で2:1〜1:4であることを特徴とする請求項2記載のボールペン用水性インク組成物。
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