JP2016121641A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着できるように構成されたキャニスタと、キャニスタとエンジンの吸気通路とをつなぐパージ通路と、パージ通路に設けられており、キャニスタ内の蒸発燃料を吸気通路に送るパージポンプとを備える蒸発燃料処理装置であって、パージポンプ30は、ポンプ部32と、そのポンプ部32を駆動させるモータ部36とからなり、蒸発燃料の液化により生じた液化燃料がポンプ部32からモータ部36に浸入しないように構成されている。
【選択図】図3
Description
以下、図1から図8に基づいて本発明の実施形態1に係る蒸発燃料処理装置20の説明を行なう。本実施形態の蒸発燃料処理装置20は、図1、図2に示すように、車両のエンジンシステム10に設けられており、車両の燃料タンク15内で発生した蒸発燃料が外部に漏れ出ないようにするための装置である。
蒸発燃料処理装置20は、図2に示すように、キャニスタ22と、そのキャニスタ22に接続されたベーパ通路24、パージ通路26、及び大気通路28とを備えている。キャニスタ22内には、吸着材としての活性炭(図示省略)が装填されており、燃料タンク15内の蒸発燃料を前記吸着材により吸着できるように構成されている。ベーパ通路24の一端部(上流側端部)は、燃料タンク15内の気層部と連通されており、ベーパ通路24の他端部(下流側端部)がキャニスタ22内と連通されている。キャニスタ22は、図1に示すように、燃料タンク15の近傍で車室の床下に設けられている。
イグニッションスイッチがオフしてエンジン14が停止すると、ECU19がパージバルブ26vを閉弁してパージ通路26を遮断するとともに、パージポンプ30を停止する。この状態で、燃料タンク15内の蒸発燃料がベーパ通路24を介してキャニスタ22内に導かれ、その蒸発燃料が吸着材に吸着されるようになる。また、燃料タンク15に給油が行なわれる際、即ち、リッド15rが開かれてリッドスイッチ15sがオンする場合にも、燃料タンク15内で発生した蒸発燃料がベーパ通路24を介してキャニスタ22内に導かれるようになる。
パージポンプ30は、図3に示すように、ポンプ部32と、そのポンプ部32を駆動させるモータ部36とから構成されている。ポンプ部32は、軸心回りに回転可能に構成された円板状の回転羽根33と、その回転羽根33を軸心回りに回転自在な状態で収納するハウジング34とを備えている。回転羽根33には、表面側と裏面側との外周縁の位置に多数の羽根部33wが円周方向に等間隔で形成されている。また、ハウジング34内には、回転羽根33の表面側と裏面側との羽根部33wに対応する位置に円弧状に延びる流路34fが形成されている。さらに、ハウジング34には、円弧状に延びる流路34fの長さ方向における一端側に接続されるポンプ入口32eと、前記流路34fの他端側に接続されるポンプ出口32pが設けられている。また、ハウジング34内には、ポンプ入口32eと連通する位置であって前記流路34fよりも低い位置に液化燃料を溜める液溜り部34sが設けられている。
本実施形態に係る蒸発燃料処理装置20によると、パージポンプ30は、ポンプ部32からモータ部36への液化燃料の浸入を防止できるように構成されている。即ち、ポンプ部32のハウジング34内には回転羽根33の外周縁に沿って設けられた流路34fよりも低い位置に液化燃料を溜める液溜り部34sが設けられている。このため、液化燃料がポンプ部32のハウジング34内に流入してもその液化燃料は液溜り部34sに溜り、回転羽根33の軸部37fとモータ部36の出力軸37とを伝ってモータハウジング39内に浸入することはない。したがって、パージ通路26内で蒸発燃料の一部が液化しても、その液化燃料がパージポンプ30のポンプ部32からモータ部36へ浸入することがない。このため、安全性が確保される。
以下、図9から図11に基づいて本発明の実施形態2に係る蒸発燃料処理装置の説明を行なう。本実施形態では、図9に示すように、パージ通路26に設けられたパージバルブ26vとパージポンプ30間に液化燃料を溜める液溜り容器40を設け、パージ通路26内で発生した液化燃料を液溜り容器40に導けるようにしたものである。即ち、液溜り容器40は、パージバルブ26vとパージポンプ30間に位置するパージ通路26の上流側(パージバルブ26v側)と第1連通管41によって接続されており、前記パージ通路26の下流側(パージポンプ30側)と第2連通管43によって接続されている。これにより、パージ通路26内で発生した液化燃料は第1連通管41によって液溜り容器40まで導かれる。このため、液化燃料が直接的にパージポンプ30のポンプ部32内に流入するようなことがなくなる。また、液溜り容器40は、熱伝導性の高い材料、例えば、金属等により形成されており、エンジンルーム内の熱を効率的に吸収できるように構成されている。このため、液溜り容器40に溜められた液化燃料がエンジンルーム内の熱で気化し、第2連通管43によってパージ通路26に戻される。そして、パージ通路26に戻された気化燃料がパージポンプ30によってエンジン14の吸気通路16に圧送される。このため、液溜り容器40に溜められた液化燃料の有効利用を図れる。
本発明は上記した実施形態1,2に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、実施形態1では、パージポンプ30のポンプ部32のハウジング34内にポンプ入口32eと連通する液溜り部34sを設ける例を示した(図3、図4参照)。また、前記ハウジング34の内外にポンプ入口32eと連通する流入室34xを設ける例を示した(図7、図8参照)。しかし、上記構成に加えて、液溜り部34sに溜った液化燃料、あるいは流入室34xの下部に溜った液化燃料をエンジン14の熱で気化させる手段や、前記液化燃料を燃料タンク15に戻す手段を付加することも可能である。また、実施形態2では、液溜り容器40内に溜った液化燃料をエンジン14の熱を利用して気化させる例を示した。しかし、例えば、ヒータの熱を利用して液溜り容器40内に溜った液化燃料を気化させることも可能である。また、実施形態1、2では、パージポンプ30のポンプ部32内に液化燃料が入り難い構造にする例、あるいはポンプ部32内に入り込んだ液化燃料を液溜り部34sに溜める例を示した。しかし、上記構成の代わりに、パージポンプ30のポンプ部32とモータ部36との間にシール材を設けることで、ポンプ部32の液化燃料がモータ部36内に浸入しないようにすることも可能である。
15・・・・燃料タンク
16・・・・吸気通路
22・・・・キャニスタ
26v・・・パージバルブ
26・・・・パージ通路
30・・・・パージポンプ
32e・・・ポンプ入口
32・・・・ポンプ部
33・・・・回転羽根
34・・・・ハウジング
34f・・・流路
34x・・・流入室
34z・・・導入路
34s・・・液溜り部
36・・・モータ部
37・・・出力軸
40・・・液溜り容器(液溜り部)
Claims (8)
- 燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着できるように構成されたキャニスタと、前記キャニスタとエンジンの吸気通路とをつなぐパージ通路と、前記パージ通路に設けられており、前記キャニスタ内の蒸発燃料を前記吸気通路に送るパージポンプとを備える蒸発燃料処理装置であって、
前記パージポンプは、ポンプ部と、そのポンプ部を駆動させるモータ部とからなり、前記蒸発燃料の液化により生じた液化燃料が前記ポンプ部からモータ部に浸入しないように構成されている蒸発燃料処理装置。 - 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置であって、
前記パージポンプのポンプ部は、軸心回りに回転可能な回転羽根と、その回転羽根を回転自在な状態で収納するハウジングとを備え、
前記ハウジング内には、前記回転羽根の外周縁に沿って前記蒸発燃料を圧送するための流路が設けられており、さらに前記流路よりも低い位置に前記液化燃料を溜める液溜り部が設けられている蒸発燃料処理装置。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された蒸発燃料処理装置であって、
前記パージ通路が接続される前記パージポンプのポンプ部の入口は下向きに開放されている蒸発燃料処理装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された蒸発燃料処理装置であって、
前記パージポンプのモータ部は、前記ポンプ部よりも高い位置に配置されている蒸発燃料処理装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された蒸発燃料処理装置であって、
前記パージポンプのポンプ部の入口には、前記パージ通路から蒸発燃料が流入する流入室が設けられており、前記流入室の上部からポンプ部の流路内に蒸発燃料を導く導入路が設けられている蒸発燃料処理装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載された蒸発燃料処理装置であって、
前記キャニスタと前記パージポンプとの間には、前記パージ通路を開閉可能なパージバルブが設けられており、
前記パージポンプとパージバルブとの間には、前記パージ通路内で発生した液化燃料を溜める液溜り部が設けられている蒸発燃料処理装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載された蒸発燃料処理装置であって、
前記パージポンプと前記液溜り部とはエンジンルーム内に設けられている蒸発燃料処理装置。 - 請求項2から請求項7のいずれかに記載された蒸発燃料処理装置であって、
前記液溜り部に溜められた液化燃料が前記燃料タンクに戻されるように構成されている蒸発燃料処理装置。
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