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JP2016120800A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンと同調するモータ/ジェネレータを備えた車両において、減速度が大きい状況であってもエンジンストールの発生を抑制すること。
【解決手段】車両のエンジンと、エンジンの回転に応じて回転可能かつ回生トルクを発生可能なモータ/ジェネレータと、を備える車両に用いられる車両制御装置であって、エンジンの回転数に基づいてモータ/ジェネレータが発生させる回生トルクを決定するとともに、回生トルクを含む制動力により車両に生じる制動力の大きさが所定の制動力以上の大きさである場合に、エンジンの回転数の低下に伴う回生トルクの低下の速さを、所定の制動力未満の場合におけるエンジンの回転数の低下に伴う回生トルクの低下の速さより大きくする制御を行う回生トルク制御手段を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両制御装置に関する。
従来、エンジンとモータ/ジェネレータ(MG)とを備え、少なくとも減速中にMGによって回生発電可能なハイブリッド車両が知られている。このハイブリッド車両におけるECUには、MGの回生トルクおよびアシストトルクが、アクセル開度およびエンジン回転速度の関数となるマップが格納されている。MGによるトルクは、所定のアクセル開度に対して予め設定されたエンジン回転速度になるように調整されている。例えば特許文献1には、エンジン回転速度が低下しすぎた場合に、MGによって正側のアシストトルクを発生させることにより、エンジンの回転速度を上昇させる技術が記載されている。
特開2013−014239号公報
しかしながら、運転者がブレーキペダルを操作して車両を制動させている間、MGは、アクセルがオフにされた場合に比して大きな回生トルクを発生する。特に、急制動時などにおいて、車両に発生する制動力が高い状態になると、エンジン回転数が急激に低下する。そのため、エンジン回転数が所定値以下になったことを検出した後にMGの回生トルクを減少させたりアシストトルクを減少させたりしても、エンジンの回転数の低下速度が大きいためエンジンの回転数が低下しすぎる。これにより、車両のエンジンストールが発生する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、モータ/ジェネレータを備えた車両において、減速度が大きい状況であってもエンジンストールの発生を抑制することができる車両制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る車両制御装置は、車両のエンジンと、エンジンの回転に応じて回転可能かつ回生トルクを発生可能なモータ/ジェネレータと、を備える車両に用いられる車両制御装置であって、エンジンの回転数に基づいてモータ/ジェネレータが発生させる回生トルクを決定するとともに、回生トルクを含む制動力により車両に生じる制動力の大きさが所定の制動力以上の大きさである場合に、エンジンの回転数の低下に伴う回生トルクの低下の速さを、所定の制動力未満の場合におけるエンジンの回転数の低下に伴う回生トルクの低下の速さより大きくする制御を行う回生トルク制御手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る車両制御装置によれば、モータ/ジェネレータを備えた車両において、車両に発生する制動力が高い場合に、この制動力が低い場合に比して、エンジンの回転数の低下に伴うモータ/ジェネレータの回生トルクをより早く低下させることにより、エンジンの回転数が低下する速度を小さくできるので、エンジンストールの発生を抑制することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態による制御装置を搭載した車両の概略構成図である。 図2は、本発明の実施の形態による制御装置による制御方法を示すフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態による制御方法に用いる第1回生トルクマップおよび第2回生トルクマップを示すグラフである。 図4は、本発明の実施の形態による車両の減速度のエンジン回転数依存性を示すグラフである。 図5は、本発明の実施の形態による制御方法に用いるエンジン回転数に対応する減速度の閾値を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
以下に、図面を参照して本発明に係る変速制御装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の概略構成図である。図1に示すように、車両100は、1モータ型のハイブリッド車両から構成される。車両100は、エンジン(ENG)1、モータ/ジェネレータ(MG)2、クラッチ3、有段変速機(T/M)4、デファレンシャルギア5、複数の駆動輪6、油圧制御装置7、および補機8を備える。エンジン1には、プーリー11,12,13が設けられている。プーリー11,12,13には伝動ベルト14が掛け渡されている。車両100はさらに、インバータ20、高電圧バッテリ21、電力変換器22、バッテリ23、および各種の負荷24などの電気系統に関する機器を備える。
また、車両100は、エンジン回転数センサ31、クラッチペダルセンサ32、アクセルペダルセンサ33、およびブレーキペダルセンサ34などのセンサ類を備える。また、車両100において運転者が操作するペダルとして、クラッチペダル40、アクセルペダル41、およびブレーキペダル42などのペダル類が設けられている。そして、車両100のそれぞれの機器を制御するECU(Electronic Control Unit)50を備える。
エンジン1は、車両100の動力源として機能し、その出力軸1aの一端がクラッチ3を介して有段変速機4に連結されている。エンジン1の出力トルク(エンジントルク)は、出力軸1aから出力されてクラッチ3を介して有段変速機4に入力され、デファレンシャルギア5を介して駆動輪6に伝達される。なお、プーリー11は、出力軸1aの別の一端に連結されている。
モータ/ジェネレータ(MG)2は、例えば永久磁石型交流同期電動モータによって構成されている。MG2の回転軸にはプーリー12が一体回転可能に設けられている。MG2の回転軸とエンジン1の出力軸1aとは、プーリー11、12と伝動ベルト14とを介して連結されている。これにより、MG2のモータトルクは、出力軸1aに付与されて、エンジン1と同期して回転する。また、MG2は、力行駆動によって発生したモータトルクをエンジン1の出力軸1aに付与し、車両100の動力源として動作する。一方で、MG2は、回生駆動によって発電機としても動作し、回生トルクを発生可能に構成されている。MG2の駆動状態はインバータ20によって制御される。
クラッチ機構としてのクラッチ3は、例えば摩擦係合式のクラッチ装置によって構成されている。クラッチ3は、係合または開放されることによってエンジン1の出力軸1aと駆動輪6との間でエンジントルクを伝達または遮断する。クラッチ3は、運転者によるクラッチペダル40の操作に応じて伝達状態と遮断状態とを切換可能に構成されている。
有段変速機4は、運転者によるシフトレバーの操作に応じてシフトレバーのシフトポジションに対応する変速を実行する手動変速機である。有段変速機4の入力軸に入力されたエンジン1の回転は、有段変速機4において変速され、出力軸1aを介して左右の駆動輪6に伝達される。
油圧制御装置7は、ECU50から入力される制御信号に応じて、クラッチ3への油圧の流入および流出を制御することによって、伝達状態と遮断状態との間でクラッチ3の状態を切り替える。
補機8は、パワーステアリング用のポンプやエアコン用のコンプレッサ等であり、その入力軸にはプーリー13が一体回転可能に設けられている。従って、補機8の入力軸と、MG2の回転軸およびエンジン1の出力軸1aとは、プーリー11,12,13と伝動ベルト14とを介して連結されている。
高電圧バッテリ21は、インバータ20に接続され、MG2にモータ駆動電力を供給するための電源として用いられる。一方、MG2が発電機として機能する際には、高電圧バッテリ21は発電された電力を蓄電する。高電圧バッテリ21は、例えば48Vのリチウムイオン電池から構成されている。
電力変換器22は、DC/DCコンバータ(図示せず)を備える。電力変換器22は、インバータ20、高電圧バッテリ21、およびバッテリ23に接続されている。バッテリ23は、例えば12Vの鉛電池で構成されている。電力変換器22は、高電圧バッテリ21の電圧、およびMG2によって発電された電力の電圧を降圧して、バッテリ23に充電可能に構成されている。そして、バッテリ23は、車両100に搭載される各種の電気部品や電気装置である負荷24に対して、電力を供給する電源として用いられる。
回転数検出手段としてのエンジン回転数センサ31は、ECU50に電気的に接続されている。エンジン回転数センサ31は、エンジンの出力軸1aに連結されたクランク軸の回転数をエンジン回転数として検出する。検出されたエンジン回転数を示す信号は、エンジン回転数センサ31によってECU50に出力される。
状態検出手段としてのクラッチペダルセンサ32は、ECU50に電気的に接続されている。クラッチペダルセンサ32は、運転者によるクラッチペダル40の操作量を検出し、クラッチ3が遮断状態から伝達状態に移行を開始したか否かを検出する。検出されたクラッチペダル40の操作量を示す信号は、クラッチペダルセンサ32によってECU50に出力される。なお、状態検出手段としては、クラッチペダルセンサ32以外にも、クラッチ3のクラッチ位置(係合および開放に係る位置)またはクラッチトルクを検出可能なクラッチセンサを採用してもよい。
状態検出手段としてのアクセルペダルセンサ33は、ECU50に電気的に接続されている。アクセルペダルセンサ33は、運転者によるアクセルペダル41の操作量を検出し、アクセルペダル41のオンやオフを検出する。検出されたアクセルペダル41の操作量を示す信号は、アクセルペダルセンサ33によってECU50に出力される。
同様に、状態検出手段としてのブレーキペダルセンサ34は、ECU50に電気的に接続されている。ブレーキペダルセンサ34は、運転者によるブレーキペダル42の操作量を検出し、ブレーキペダル42のオンやオフを検出する。検出されたブレーキペダル42の操作量を示す信号は、ブレーキペダルセンサ34によってECU50に出力される。
ECU50は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力等のインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路から構成される。これらのECU50の機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、CPUの制御のもとで制御対象を動作させるとともに、RAMやROMにおけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。
ECU50は、上述したセンサを含む各種センサの検知結果に基づいてエンジン1の運転状態を検知する。そして、ECU50は、インジェクタによる燃料噴射量や噴射時期、点火プラグによる点火時期などを制御する。また、ECU50は、エンジン回転数がアイドル回転数未満になった場合には運転者のアクセル操作に関わらず電子制御スロットルの開度を高め、エンジン回転数を上昇させる制御を行う。また、ECU50は、クラッチペダルセンサ32の検知結果に基づいて、油圧制御装置7に制御信号を出力して制御する。油圧制御装置7は、制御信号に基づいて伝達状態と遮断状態との間でクラッチ3の状態を切り替える。そして、以下に説明するこの実施の形態による車両制御装置は、ECU50を含む構成により実現される。
(制御装置による制御方法)
次に、以上のように構成された車両100を制御する車両制御装置による制御方法について説明する。図2は、この実施の形態による制御方法を説明するためのフローチャートである。図3は、エンジンにおけるトルクのエンジン回転数依存性を示すトルクマップである。図4は、図3に対応して、車両100における減速度のエンジン回転数依存性を示すグラフである。図5は、この実施の形態による制御方法に用いる、車両におけるエンジン回転数に対応する減速度の閾値を示すグラフである。なお、図3に示す「スタート」から「エンド」までの制御ルーチンは、エンジン1が回転している間、例えば10ms程度の周期で繰り返し実行されるものである。
すなわち、図2に示すように、まず、ECU50は、アクセルペダルセンサ33から供給されるアクセルペダル41の操作量を表す信号に基づいて、アクセルペダル41が踏まれているオンの状態と、踏まれていないオフの状態とを判断する(ステップST1)。アクセルペダル41がオンの状態の場合(ステップST1:No)、制御処理を終了する。一方、アクセルペダル41がオフの状態の場合(ステップST1:Yes)、ステップST2に移行する。
ステップST2において、ECU50は、クラッチペダルセンサ32から供給されるクラッチペダル40の操作量を表す信号に基づいて、クラッチペダル40が踏まれているオンの状態と、踏まれていないオフの状態とを判断する。クラッチペダル40がオンの状態の場合(ステップST2:No)、制御処理を終了する。一方、クラッチペダル40がオフの状態の場合(ステップST2:Yes)、ステップST3に移行する。
ステップST3において、ECU50は、ブレーキペダルセンサ34から供給されるブレーキペダル42の操作量を表す信号に基づいて、ブレーキペダル42が踏まれているオンの状態と、踏まれていないオフの状態とを判断する。ブレーキペダル42がオフの状態の場合(ステップST3:No)、制御処理を終了する。一方、ブレーキペダル42がオンの状態の場合(ステップST3:Yes)、ステップST4に移行する。
ステップST4においては、回生トルク制御手段を含む車両制御装置としてのECU50は、ブレーキペダル42がオンの状態の場合における、通常の回生制御を行う。すなわち、ECU50は、図3中に実線で示す第1回生トルクマップに従ってエンジン回転数に応じた回生トルクを決定して、MG2において回生トルクを発生させる。なお、第1回生トルクマップは、ECU50の記録媒体に必要に応じて読み出し可能に格納されており、1通りの回生トルクマップであっても、シフトポジションにより選択されたギア段ごとに設定された回生トルクマップであってもよい。ここで、車両100に生じる減速度Gはエンジン回転数に応じて変化する。具体的に、車両100における減速度(負の加速度)Gは、図4中に実線で示す第1回生トルクマップに従った第1回生トルクによる減速度とエンジンブレーキによる減速度との加算による減速度に、さらに摩擦ブレーキによる減速度が加わった減速度になる。なお、図3および図4において、エンジン回転数の左側の破線は、エンジン1のアイドル回転数を示す。
ステップST5において、ECU50は、図4中に実線で示す第1回生トルクマップに従った回生トルクおよびエンジンブレーキによって生じた減速度に、車両100における摩擦ブレーキによって生じる減速度(図4中、図示せず)が加わった減速度G(以下、車両100の減速度Gという)の大きさが、所定の閾値G_dec1の大きさ以上であるか否かを判断する。なお、所定の閾値G_dec1は、運転者要求として、図5中に破線で示すように、あらかじめエンジン回転数ごとに設定された減速度Gの閾値である。また、所定の閾値G_dec1は、例えばECU50の記憶媒体に必要に応じて読み出し可能なテーブルとして格納されている。ここで、車両100の減速度Gと所定の閾値G_dec1との大小の比較は、減速度の大きさ、すなわち減速度の絶対値によって行う。そして、車両100の減速度Gが、所定の閾値G_dec1未満の場合(ステップST5:No)、制御処理を終了する。一方、車両100の減速度Gが、所定の閾値G_dec1以上の場合(ステップST5:Yes)、ステップST6に移行する。
ステップST6においては、ECU50は、MG2に対して発生させる回生トルクとして、第1回生トルクマップから第2回生トルクマップに切り換える。ここで、第2回生トルクマップは、図3において破線で示す回生トルクマップである。図3に示すように、第2回生トルクマップは、回生トルクの発生を第1回生トルクマップにおける回生トルクの発生よりエンジン回転数が大きい時点としている。また、第2回生トルクマップは、エンジンの回転数に対する回生トルクの大きさが、第1回生トルクマップに比して急峻に増加する回生トルクマップである。換言すると、エンジン回転数の低下に伴い、第2回生トルクマップにおける回生トルクの大きさは、第1回生トルクマップにおける回生トルクの大きさより早く低下する。このように、ECU50は、エンジン回転数と運転者がブレーキペダル42をオンにしていることによる車両100の減速度Gの大きさとから判断して、エンジン回転数の低下に伴う回生トルクの減少のさせ方を制御する。なお、図3および図4において右側の破線は、第1回生トルクマップと第2回生トルクマップとにおいて回生トルクがほぼ一致するエンジン回転数Nを示す。
このように、ECU50が、エンジン1に適用する回生トルクマップを、第1回生トルクマップから第2回生トルクマップに切り換えることにより、車両100の減速度Gは、図4に破線で示すようなエンジン回転数依存性を示す。具体的に、図4中に破線で示すように、車両100の減速度Gは、エンジン回転数依存性を有し、第2回生トルクマップに従った第2回生トルクによる減速度に、エンジンブレーキによる減速度が加わった減速度になる。これにより、エンジン回転数が低下しすぎることを抑制する。その後、ステップST7に移行する。
ステップST7において、ECU50は、ブレーキペダル42がオンである状態が続いているか否かを判断する。ブレーキペダル42がオンの状態の場合(ステップST7:Yes)、ステップST8に移行する。
ステップST8において、ECU50は、車両100の減速度Gが所定の閾値G_dec2以上であるか否かを判断する。車両100の減速度Gが、所定の閾値G_dec2以上である場合(ステップST8:Yes)、制御処理を終了する。なお、図5に示すように、この所定の閾値G_dec2の大きさは、上述した減速度の所定の閾値G_dec1の大きさより小さい値である。この所定の閾値G_dec2は、車両100、エンジン1、またはMG2などの種類によって、あらかじめ任意に設定可能な値である。このように、第2回生トルクマップに切り換えられた後において、車両100の減速度が閾値G_dec1と異なる任意の閾値G_dec2以上である場合、ECU50は、継続して第2回生トルクマップに基づいてMG2の回生トルクを制御する。
一方、ステップST7において、ブレーキペダル42がオフの状態の場合(ステップST7:No)、ステップST9に移行する。ステップST9において、ECU50は、MG2に適用させる回生トルクの回生トルクマップを、第2回生トルクマップ(図3中破線)から、第1回生トルクマップ(図3中実線)に復帰させる。この場合、エンジン回転数の低下に伴う回生トルクの大きさの低下の速さが比較的緩やかになる。これは、ブレーキペダル42がオンからオフに変化した状態では、制動力が低下していることにより、エンジン回転数が低下する速度も緩やかになるためである。この状態では、ECU50が、MG2に発生させる回生トルクを通常の第1回生トルクマップに従うように制御しても、エンジンストールの発生する可能性は低下する。その後、制御処理は終了する。
他方、ブレーキペダル42がオンの状態(ステップST7:Yes)であっても、ステップST8において、車両100の減速度Gが所定の閾値G_dec2未満である場合(ステップST8:No)、ステップST9に移行する。これは、車両100の減速度Gが所定の閾値G_dec2未満と低下していることから、ECU50がMG2を第1回生トルクマップに従うように制御しても、エンジンストールが発生する可能性は低下するためである。そして、上述したステップST9の処理を行った後、制御処理を終了する。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、急制動時などの車両100の減速度Gの大きさが減速度の所定の閾値G_dec1の大きさより大きくなった場合に、回生トルクマップを、所定の閾値G_dec1より小さい場合に比してエンジン回転数の低下に対する回生トルクの低下が早くなる回生トルクマップに切り換えている。これにより、回生トルクマップの切り換えを行わない場合に比して、エンジン回転数が低下する速度を低減できるので、従来に比して、エンジンストールの発生を抑制することが可能となる。
また、従来、エンジン1と同調して回転するMG2において回生トルクを発生させることにより、通常のアクセルペダル41がオフである状態で発生するエンジンブレーキよりも大きな減速度が得られる場合においても、上述した効果と同様の効果が得られる。すなわち、シフトポジションが高いギア段に選択されていた場合であっても、エンジン回転数が低くなりすぎることに起因するエンジンストールの発生も抑制することが可能となる。さらに、車両100において、このような状態でのエンジンストールを抑制することによって、回生量の減少を抑制し、燃費の悪化を回避することができる。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上述の実施の形態においては、車両100として、アクセルペダル41、ブレーキペダル42、およびクラッチペダル40を備えた、いわゆる3ペダルのマニュアルトランスミッション(MT)車両を採用しているが、本発明はMT車両に限定されない。本発明は、2ペダルのオートマチックトランスミッション(AT)車両に適用することも可能である。
また、例えば、上述の実施の形態においては、ECU50による回生トルクマップの切り換えの判断を、制動力が大きい、すなわち高い制動力の状態で行い、制動力が大きい状態として、車両100の減速度Gを指標として所定の閾値G_dec1との大小で判断している。しかしながら、制動力が大きい状態という判断は、必ずしも車両100の減速度Gを指標とすることに限定されない。すなわち、制動力が大きい状態として、ブレーキペダル42の操作量が所定の操作量以上になった場合や、マスタシリンダ圧が所定のマスタシリンダ圧以上になった場合などを採用してもよい。すなわち、ECU50による回生トルクマップの切り換えの判断の指標を、ブレーキペダル42の操作量の大小やマスタシリンダ圧の大小にすることも可能である。
1 エンジン
2 MG(モータ/ジェネレータ)
3 クラッチ
4 有段変速機
5 デファレンシャルギア
6 駆動輪
7 油圧制御装置
8 補機
31 エンジン回転数センサ
33 アクセルペダルセンサ
34 ブレーキペダルセンサ
41 アクセルペダル
42 ブレーキペダル
50 ECU
100 車両

Claims (1)

  1. 車両のエンジンと、前記エンジンの回転に応じて回転可能かつ回生トルクを発生可能なモータ/ジェネレータと、を備える車両に用いられる車両制御装置であって、
    前記エンジンの回転数に基づいて前記モータ/ジェネレータが発生させる回生トルクを決定するとともに、前記回生トルクを含む制動力により前記車両に生じる制動力の大きさが所定の制動力以上の大きさである場合に、前記エンジンの回転数の低下に伴う前記回生トルクの低下の速さを、前記所定の制動力未満の場合における前記エンジンの回転数の低下に伴う前記回生トルクの低下の速さより大きくする制御を行う回生トルク制御手段を備える
    ことを特徴とする車両制御装置。
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