JP2016114645A - 現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像剤の凝集体又は異物が規制部材と現像剤担持体との間に挟まれて詰まると、その箇所では現像剤が規制部材を通過できなくなるため、印刷画面上に縦白スジの入った不良画像が生じるといった課題がある。【解決手段】現像剤担持体41への駆動伝達時は、前記現像剤担持体41がハス歯ギア55から受ける付勢力によって軸方向の一方Cに移動し、前記現像剤担持体41への駆動伝達停止時は、前記現像剤担持体41が付勢部材58から受ける付勢力によって前記駆動伝達時の移動方向Cとは反対方向Dに移動するように構成した。【選択図】図3
Description
本発明は、現像装置、これを備えるプロセスユニット及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に搭載される現像装置には、現像剤担持体の表面に担持される現像剤の量を規制する規制部材が設けられている。
例えば、トナーから成る一成分現像剤を用いる現像装置においては、一般的に、規制部材は可撓性を有するブレード状の部材等で構成され、その先端部が現像剤担持体としての現像ローラの表面に接触するように配置される{特許文献1(特開2004−12523号公報)参照}。図6に示すように、現像剤としてのトナーTが供給ローラ420によって現像ローラ410に供給されると、トナーTは現像ローラ410の回転に伴い規制部材430の先端部を通過することで一定の量(厚さ)に規制される。そして、トナーTは、現像ローラ410から潜像担持体としての感光体200の表面に供給される。これにより、感光体200上の潜像がトナー画像として現像される。
ところで、現像装置内のトナーが摩擦熱などにより溶融すると、トナー同士が接着して比較的大きな粒径の凝集体となることがある。このようなトナーの凝集体Ta又はその他の異物が規制部材430と現像ローラ410との間に挟まれて詰まると(図7参照)、その箇所ではトナーTが規制部材430を通過できなくなるため、印刷画面上に縦白スジの入った不良画像が生じるといった問題がある。
特に近年、省エネルギー化を図る観点から低融点トナーが用いられるようになってきており、斯かるトナーを用いた場合は、トナーが溶融することによる凝集体が形成されやすくなるため、上記のような問題は一層生じやすくなる。
上記課題を解決するため、本発明は、表面に現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の表面に接触又近接して前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材とを備える現像装置において、前記現像剤担持体を、前記規制部材に対して軸方向に往復移動可能に構成し、前記現像剤担持体に回転駆動力を伝達すると共に、前記現像剤担持体への駆動伝達時に前記現像剤担持体を軸方向の一方へ移動させる付勢力を生じさせるハス歯ギアと、前記現像剤担持体が前記ハス歯ギアから受ける付勢力とは反対方向に前記現像剤担持体を付勢する付勢部材とを備え、前記現像剤担持体への駆動伝達時は、前記現像剤担持体が前記ハス歯ギアから受ける付勢力によって軸方向の一方に移動し、前記現像剤担持体への駆動伝達停止時は、前記現像剤担持体が前記付勢部材から受ける付勢力によって前記駆動伝達時の移動方向とは反対方向に移動するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、現像剤担持体への駆動伝達及び停止に伴って現像剤担持体を規制部材に対して軸方向に往復移動させることができる。この現像剤担持体の往復移動によって、現像剤担持体と規制部材との間での現像剤の凝集体又は異物の詰まりを解消することができる。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのカラーレーザープリンタの概略構成図である。まず、図1を参照して、画像形成装置の全体構成について説明する。
画像形成装置は、画像形成装置本体100に対して着脱可能な画像形成ユニットである4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkを備える。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
画像形成装置は、画像形成装置本体100に対して着脱可能な画像形成ユニットである4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkを備える。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2の表面に現像剤を供給する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード5等を備える。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1M,1C,1Bkにおいては符号を省略している。
また、画像形成装置は、感光体2の表面を露光して潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置6と、記録媒体としての用紙Pを収容する給紙カセット15と、給紙カセット15に収容されている用紙Pを給送する給紙ローラ16と、感光体2上の画像を用紙Pに転写する転写装置7と、用紙Pに転写された画像を定着する定着装置20とを備える。なお、用紙には、厚紙、はがき、封筒、普通紙、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ等も含まれる。また、用紙以外の記録媒体として、OHPシートやOHPフィルム、布帛等を用いることも可能である。
転写装置7は、無端状のベルトで構成される中間転写ベルト8と、中間転写ベルト8を張架する駆動ローラ9及び従動ローラ10と、一次転写手段としての複数の一次転写ローラ11と、二次転写手段としての二次転写ローラ12等で構成される。複数の一次転写ローラ11は、感光体2と対向する位置で中間転写ベルト8の内周面を押圧するように配置されている。各一次転写ローラ11が中間転写ベルト8を押圧する位置では、中間転写ベルト8と感光体2とが接触し、一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、駆動ローラ9と対向する位置で中間転写ベルト8の外周面を押圧している。この二次転写ローラ12が中間転写ベルト8を押圧する位置では、両者の接触により二次転写ニップが形成されている。
さらに、画像形成装置は、中間転写ベルト8をクリーニングするベルトクリーニング装置13と、廃トナーを収容する廃トナー収容器14と、給紙ローラ16によって給送された用紙Pをタイミングを計って搬送するタイミングローラ19と、用紙Pを装置外に排出する排紙ローラ17と、装置外に排出された用紙Pを載置する排紙トレイ18とを備える。
続けて、図1を参照しつつ、本実施形態に係る画像形成装置の作像動作について説明する。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2が図の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。読取装置又はコンピュータ等からの画像情報に基づいて、露光装置6から、各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に、各現像装置4からトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像(可視画像)として現像される。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2が図の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。読取装置又はコンピュータ等からの画像情報に基づいて、露光装置6から、各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に、各現像装置4からトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像(可視画像)として現像される。
各感光体2上のトナー画像は、図の矢印の方向に回転駆動する中間転写ベルト8上に順次重ね合せて転写される。詳しくは、感光体2上の画像が一次転写ニップの位置に達すると、一次転写ローラ11に所定の電圧を印加して形成された転写電界によって感光体2上のトナー画像が中間転写ベルト8上に転写される。かくして中間転写ベルト8はその表面にフルカラーのトナー画像を担持することになる。なお、中間転写ベルト8に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
また、作像動作が開始されると、給紙ローラ16が回転して、給紙カセット15から用紙Pが給送される。給送された用紙Pは、タイミングローラ19によって搬送が一旦停止される。その後、所定のタイミングでタイミングローラ19の回転駆動が開始され、中間転写ベルト8上のトナー画像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pが二次転写ニップへ搬送される。
用紙Pが二次転写ニップに搬送された際、二次転写ローラ12には所定の電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上のトナー画像が用紙Pに一括して転写される。また、このとき、中間転写ベルト8上に残ったトナーはベルトクリーニング装置13によって除去され、廃トナー収容器14に送られる。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によってトナー画像が用紙Pに定着される。そして、用紙Pは排紙ローラ17によって装置外に排出され、排紙トレイ18上に載置される。
以上の説明は、フルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
以下、現像装置の構成について詳しく説明する。
図2に示すように、現像装置4は、トナーを収容する現像剤収容部を有する現像ケース40と、表面にトナーを担持する現像剤担持体としての現像ローラ41と、現像ローラ41にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ42と、現像ローラ41上に担持されたトナー量を規制する規制部材としての現像ブレード43と、トナーを搬送する第1のスクリュー44及び第2のスクリュー45等を備える。本実施形態では、現像剤として、トナーから成る一成分現像剤を用いている。また、現像剤として、例えば、オイル含有シリカと後処理剤とを有するトナーを用いてもよい。
図2に示すように、現像装置4は、トナーを収容する現像剤収容部を有する現像ケース40と、表面にトナーを担持する現像剤担持体としての現像ローラ41と、現像ローラ41にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ42と、現像ローラ41上に担持されたトナー量を規制する規制部材としての現像ブレード43と、トナーを搬送する第1のスクリュー44及び第2のスクリュー45等を備える。本実施形態では、現像剤として、トナーから成る一成分現像剤を用いている。また、現像剤として、例えば、オイル含有シリカと後処理剤とを有するトナーを用いてもよい。
現像ケース40の内部は、連通口48aを有する仕切部材48によって、第1のスクリュー44が配置された第1の領域46と、第2のスクリュー45や現像ローラ41、供給ローラ42及び現像ブレード43が配置された第2の領域47とに区画されている。このように仕切部材48によって現像ケース40の内部を区画することにより、供給ローラ42にトナーの圧力が集中して大きな負荷がかかるのを抑制することができる。
現像ローラ41は、金属製の芯金と、その芯金の外周に配設された導電性ゴムで構成されている。本実施形態では、芯金の外径をφ6、導電性ゴムの外周をφ12、ゴム硬度Hs75に設定している。また、導電性ゴムは、体積抵抗値を約105〜107Ω程度に調整されている。導電性ゴムとしては、例えば、導電性ウレタンゴムやシリコーンゴム等が一般的に使用可能である。現像ローラ41は、現像ケース40に回転可能に設けられている。印刷動作時は、現像ローラ41は、図の反時計回りの方向に回転し、表面に保持したトナーを感光体2との対向位置へと搬送する。
供給ローラ42としては、一般的に、スポンジローラなどが用いられる。スポンジローラは、金属製の芯金の外周に、カーボンを混合して半導電化させた発泡ポリウレタンを付着したものが適当である。本実施形態では、芯金の外径をφ6、スポンジ部分の外径をφ12に設定している。供給ローラ42は、現像ローラ41に対して接触して配置される。供給ローラ42と現像ローラ41との接触により形成されるニップ部は、通常約1mm〜3mm程度に設定されている。本実施形態では、そのニップ部を2mmとしている。また、供給ローラ42は、現像ローラ41に対してカウンター方向(図2において反時計回り)に回転することで、現像ケース40内のトナーを現像ローラ41の表層まで効率よく供給することが可能である。さらに、本実施形態では、現像ローラ41と供給ローラ42の回転数比を1に設定することで、良好なトナー供給機能を確保している。
現像ブレード43は、可撓性を有する金属板等で構成される。現像ブレード43の一端側は、補強のためのホルダに対して溶接、加締め、ねじ止めなどの方法で固定され、自由端である他端側は、現像ローラ41の表面に所定の圧力で接触することによりニップ部を形成している。斯かるニップ部を現像ローラ41上のトナーが通過することにより、トナー量が均一化される。本実施形態では、現像ブレード43を厚さ0.1mmのSUS材で構成している。さらに、撓みの計算式から得られる計算上の現像ブレード43の接触圧を45N/m、ニップ部の位置を現像ブレード43の先端から0.2mm、現像ブレード43の支持端部から自由端(先端)までの長さ(自由長)を14mmに設定することで、現像ローラ41上に安定したトナーの薄層を形成できるようにしている。
作像動作が開始されると、現像ローラ41と供給ローラ42が図2の矢印方向に回転し、供給ローラ42から現像ローラ41にトナーが供給され現像ローラ41上に担持される。現像ローラ41に担持されるトナーは、現像ローラ41の回転に伴い現像ブレード43と現像ローラ41とのニップ部を通過することにより一定の量(厚さ)に規制される。その後、現像ローラ41上のトナーは、感光体2と対向する位置に搬送され、現像ローラ41と感光体2との間に形成される転写電界によって感光体2上に転移する。また、感光体2に転移せずに現像ローラ41上に残ったトナーは、現像ローラ41の回転に伴って再び現像ケース40内に戻される。
また、図2に示すように、現像ローラ41の周囲には、入口シール38と端部シール39とが配置されている。入口シール38は、現像ローラ41上のトナーが現像ケース40内に戻される箇所、すなわち、図2において現像ローラ41の下側に配置され、現像ローラ41に対し軸方向に渡って表面に接触している。一方、端部シール39は、現像ローラ41の軸方向両端部側にそれぞれ配置され、各端部側で現像ローラ41の表面に接触している。このように配置される入口シール38及び端部シール39によって、現像ケース40内にトナーが戻される箇所と現像ローラ41の軸方向端部側からのトナー漏れが防止される。
また、本実施形態では、現像装置4に対して、補給用のトナーを収容する現像剤収容器としてのトナーカートリッジ50が着脱可能となっている。トナーカートリッジ50には、内部のトナーを排出するための排出口50aと、トナーを排出口50aまで搬送するためのスクリュー51と、このスクリュー51の方へトナーを寄せるためのアジテータ52とが設けられている。本実施形態では、現像剤収容器を着脱可能なトナーカートリッジ50としているが、現像剤収容器と現像装置4とを一体的に構成してもよい。
図2に示すように、トナーカートリッジ50を現像装置4の上部に装着すると、トナーカートリッジ50の排出口50aが現像装置4の補給口40aに接続されることで、トナーカートリッジ50から現像装置4へトナーを補給可能な状態となる。
トナーの補給は、トナー残量検知手段による現像装置4内のトナー残量の検知結果に基づいて行われる。すなわち、トナー残量検知手段によって現像装置4内のトナー量が所定値以下になっていることが検知されると、予め設定されている時間だけトナーカートリッジ50内のスクリュー51が駆動され、所定量のトナーが現像装置4へ補給される。
図3は、現像装置を正面(感光体側)から見た図であり、(a)は現像ローラ41の駆動伝達時の状態を示し、(b)は現像ローラ41の駆動伝達停止時の状態を示す。
図3に示すように、現像ローラ41の軸方向両端部には、現像ローラ41を回転可能に支持する軸受53,54が配置されている。これらの軸受53,54のうち、一方(図の右側)の軸受54に両側には、現像ローラ41の軸方向位置を規制する位置規制部材としての一対のEリング56が取り付けられている。Eリング56同士の間隔Gは、軸受54の軸方向幅Hよりも大きい間隔に設定されている。このため、図3(a)(b)に示すように、現像ローラ41は、Eリング56同士の間隔が軸受54の軸方向幅よりも大きい分だけ、軸方向に往復移動可能となっている。
図3に示すように、現像ローラ41の軸方向両端部には、現像ローラ41を回転可能に支持する軸受53,54が配置されている。これらの軸受53,54のうち、一方(図の右側)の軸受54に両側には、現像ローラ41の軸方向位置を規制する位置規制部材としての一対のEリング56が取り付けられている。Eリング56同士の間隔Gは、軸受54の軸方向幅Hよりも大きい間隔に設定されている。このため、図3(a)(b)に示すように、現像ローラ41は、Eリング56同士の間隔が軸受54の軸方向幅よりも大きい分だけ、軸方向に往復移動可能となっている。
また、Eリング56が取り付けられている端部側には、現像ローラ41に所定の電圧を印加するための電極59が配置されている。この電極59は、導電性のゴムシートなどで構成され、現像ローラ41の軸方向へ弾性変形可能となっている。
一方、上記Eリング56が取り付けられている端部側とは反対側の端部側には、現像ローラ41に回転駆動力を伝達するための駆動伝達部材であるハス歯ギア55が設けられている。また、同じ端部側には、現像ローラ41を反対の端部側へ付勢する付勢部材としてのバネ58も設けられている。
以下、駆動伝達時と駆動伝達停止時の現像ローラ41の動作について説明する。
作像動作の開始に伴って駆動手段から現像ローラ41に回転駆動力が付与されると、現像ローラ41は図3(a)の矢印Aで示す方向に回転駆動する。このとき、現像ローラ41は、ハス歯ギア55から回転方向の力のほか、軸方向{図3(a)の矢印C方向}の付勢力を受ける。ここで、現像ローラ41には、バネ58による付勢力も付与されている。このバネ58による付勢力は、ハス歯ギア55による付勢力とは反対方向{図3(a)の矢印D方向}に作用するが、その大きさはハス歯ギア55による付勢力よりも小さい。このため、図3(a)に示すように、現像ローラ41は、バネ58の付勢力に抗して、図の右側のEリング56が軸受54に突き当たるまで図の左側へ移動する。その後、現像ローラ41への駆動伝達中は、上記ハス歯ギア55による軸方向の付勢力が作用し続けるため、現像ローラ41は図の左側へ移動した状態で保持される。
作像動作の開始に伴って駆動手段から現像ローラ41に回転駆動力が付与されると、現像ローラ41は図3(a)の矢印Aで示す方向に回転駆動する。このとき、現像ローラ41は、ハス歯ギア55から回転方向の力のほか、軸方向{図3(a)の矢印C方向}の付勢力を受ける。ここで、現像ローラ41には、バネ58による付勢力も付与されている。このバネ58による付勢力は、ハス歯ギア55による付勢力とは反対方向{図3(a)の矢印D方向}に作用するが、その大きさはハス歯ギア55による付勢力よりも小さい。このため、図3(a)に示すように、現像ローラ41は、バネ58の付勢力に抗して、図の右側のEリング56が軸受54に突き当たるまで図の左側へ移動する。その後、現像ローラ41への駆動伝達中は、上記ハス歯ギア55による軸方向の付勢力が作用し続けるため、現像ローラ41は図の左側へ移動した状態で保持される。
その後、作像動作が終了し、現像ローラ41への駆動伝達が停止すると、上記ハス歯ギア55の付勢力が生じなくなるため、図3(b)に示すように、現像ローラ41は、バネ58の付勢力により、図の左側のEリング56が軸受54に突き当たるまで図の右側へ移動する。こうして、現像ローラ41は元の位置に戻される。
以上のように、本実施形態に係る現像装置では、現像ローラ41への駆動伝達及び停止に伴って現像ローラ41が軸方向に往復移動する。このとき、現像ローラ41は現像ブレード43に対して軸方向に摺動するので、現像ローラ41と現像ブレード43との間にトナー凝集体が詰まっていたとしてもトナー凝集体を分解することができる。なお、縦白スジ画像が発生した現像装置からトナー凝集体を採取して、それを金属板でこすると、容易に凝集体がくずれることが電子顕微鏡による観察結果からわかっている。このように、本実施形態によれば、現像ブレード43に対する現像ローラ41の摺動によって両者の間に詰まっているトナー凝集体を分解し、凝集体の詰まりを解消することができる。
また、現像ローラ41への駆動伝達を停止した際、現像ローラ41は駆動伝達時の回転方向とは逆方向{図3(b)に示す矢印B方向}に回転する。これは、ハス歯ギア55にバックラッシュ(ギア歯間の遊び)が存在するためで、このバックラッシュの分だけ現像ローラ41は逆回転する。これにより、現像ローラ41の軸方向の移動によって分解したトナー凝集体Taを、現像ローラ41と現像ブレード43との間から排出することができる(図4参照)。また、トナー凝集体を分解しきれなかったとしても、現像ローラ41の逆回転によって現像ローラ41と現像ブレード43との間からトナー凝集体を排出することもできる。
また、この現像ローラ41の逆回転は、ハス歯ギア55のバックラッシュの分だけであるので、感光体2に設けられたギアが現像ローラ41に設けられたハス歯ギア55と連結されている構成であっても、感光体2を逆回転させずに現像ローラ41を逆回転させることができる。このため、感光体2を逆回転させて現像ローラ41を逆回転させる場合とは異なり、感光体2の摩耗を従来構成と同程度に維持することができる。
また、本実施形態では、電極59が軸方向へ弾性変形可能な部材で構成されているので、現像ローラ41が軸方向へ移動しても、これに追従して電極59が弾性変形することができる。これにより、電極59と現像ローラ41との密着性が確保され、現像ローラ41に安定して電圧を供給することができる。
また、図3に示すように、現像ローラ41が軸方向に往復移動可能な距離J1,J2は、現像ローラ41が移動してもその表面の軸方向端部Kが端部シール39の軸方向内側の端部Lよりも軸方向内側に配置されないような距離に設定されている。これにより、現像ローラ41が軸方向に移動しても、現像ローラ41が端部シール39と接触可能な範囲から外れてしまうことがないので、軸方向端部側におけるシール性が確保されトナー漏れを防止することができる。
また、現像ローラ41が軸方向に往復移動可能な距離J1,J2は、200μm以上であることが望ましい。トナー凝集体は大きいもので幅200μm程度あるので、この大きい凝集体のサイズ以上の距離に移動可能な距離を設定することで、凝集体をより確実に分解することが可能となる。
また、本実施形態に係る現像装置の効果を確認するための試験を行った。
試験は、上記本発明の実施形態と同様に現像ローラを軸方向に移動可能にした現像装置と、現像ローラを軸方向に移動しないようにした従来の現像装置とにおいて、温度23℃、湿度50%の環境下で、5分間印刷するごとに1分間印刷を停止し、合計35分間印刷を行った。そして、各場合における縦白スジの発生数を確認した。その結果を図5に示す。
試験は、上記本発明の実施形態と同様に現像ローラを軸方向に移動可能にした現像装置と、現像ローラを軸方向に移動しないようにした従来の現像装置とにおいて、温度23℃、湿度50%の環境下で、5分間印刷するごとに1分間印刷を停止し、合計35分間印刷を行った。そして、各場合における縦白スジの発生数を確認した。その結果を図5に示す。
図5のグラフにおいて、実線は本発明の実施形態に係る現像装置を用いて印刷した場合の結果を示し、点線は比較例に係る現像装置を用いて印刷した場合の結果を示す。図5に示すように、点線で示す比較例では、累積印刷時間が増加するにつれて縦白スジの発生本数が増加した。これに対し、実線で示す本発明の実施形態は、縦白スジが全く生じなかった。これは、上記のように、本発明に係る実施形態では、現像ローラを軸方向に移動させることで、トナーの凝集体が現像ローラと現像ブレードとの間で詰まった状態となるのを防止できたからと考えられる。
以上のように、本発明によれば、現像剤担持体と規制部材との間で現像剤の凝集体が詰まっても、これを解消して縦白スジの入った不良画像の発生を防止することができる。これにより、従来よりも長期間に亘って画像品質を良好に維持することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
上述の実施形態では、現像ブレードを現像ローラに接触するように配置した現像装置に本発明の構成を適用した場合を例に説明したが、本発明は、現像ブレードを現像ローラに対して近接するように(非接触に)配置した現像装置にも適用可能である。斯かる現像装置においても、現像ブレードと現像ローラとの間に詰まったトナー凝集体あるいはその他の異物を、現像ローラの軸方向の移動により分解して除去することが可能である。
また、本発明に係る現像装置を備える画像形成装置は、図1に示すようなカラーレーザープリンタに限らない。モノクロ画像形成装置や、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等にも、本発明を適用可能である。
2 感光体(潜像担持体)
4 現像装置
39 端部シール
41 現像ローラ(現像剤担持体)
43 現像ブレード(規制部材)
55 ハス歯ギア
58 バネ(付勢部材)
59 電極
J1 現像ローラが軸方向に移動可能な距離
J2 現像ローラが軸方向に移動可能な距離
K 現像ローラの表面の軸方向端部
L 端部シールの軸方向内側の端部
4 現像装置
39 端部シール
41 現像ローラ(現像剤担持体)
43 現像ブレード(規制部材)
55 ハス歯ギア
58 バネ(付勢部材)
59 電極
J1 現像ローラが軸方向に移動可能な距離
J2 現像ローラが軸方向に移動可能な距離
K 現像ローラの表面の軸方向端部
L 端部シールの軸方向内側の端部
Claims (8)
- 表面に現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の表面に接触又近接して前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材とを備える現像装置において、
前記現像剤担持体を、前記規制部材に対して軸方向に往復移動可能に構成し、
前記現像剤担持体に回転駆動力を伝達すると共に、前記現像剤担持体への駆動伝達時に前記現像剤担持体を軸方向の一方へ移動させる付勢力を生じさせるハス歯ギアと、
前記現像剤担持体が前記ハス歯ギアから受ける付勢力とは反対方向に前記現像剤担持体を付勢する付勢部材とを備え、
前記現像剤担持体への駆動伝達時は、前記現像剤担持体が前記ハス歯ギアから受ける付勢力によって軸方向の一方に移動し、
前記現像剤担持体への駆動伝達停止時は、前記現像剤担持体が前記付勢部材から受ける付勢力によって前記駆動伝達時の移動方向とは反対方向に移動するように構成したことを特徴とする現像装置。 - 前記現像剤担持体が軸方向に移動可能な距離を、200μm以上にした請求項1に記載の現像装置。
- 前記現像剤担持体の軸方向端部側の表面に接触し、前記現像剤担持体の軸方向端部側からの現像剤漏れを防止する端部シールを備え、
前記現像剤担持体が軸方向に移動可能な距離を、前記現像剤担持体が移動してもその表面の軸方向端部が前記端部シールの軸方向内側の端部よりも軸方向内側へ配置されないような距離にした請求項1又は2に記載の現像装置。 - 前記現像剤担持体への駆動伝達が停止した際、前記現像剤担持体が前記ハス歯ギアのバックラッシュ以下の距離だけ逆回転する請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤担持体と接触して前記現像剤担持体に所定の電圧を印加するための電極を備え、
前記電極を、前記現像剤担持体の軸方向に弾性変形可能な部材で構成した請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記現像剤として、オイル含有シリカと後処理剤とを有するトナーを用いる請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置。
- 表面に潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体上の潜像を現像する現像装置とを少なくとも備えると共に、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットにおいて、
前記現像装置として、請求項1から6のいずれか1項に記載の現像装置を備えることを特徴とするプロセスユニット。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の現像装置、又は請求項7に記載のプロセスユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014250804A JP2016114645A (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | 現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014250804A JP2016114645A (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | 現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置 |
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JP2016114645A true JP2016114645A (ja) | 2016-06-23 |
Family
ID=56141709
Family Applications (1)
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JP2014250804A Pending JP2016114645A (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | 現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置 |
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JP (1) | JP2016114645A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018005038A (ja) * | 2016-07-05 | 2018-01-11 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置 |
JP2018036318A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置 |
-
2014
- 2014-12-11 JP JP2014250804A patent/JP2016114645A/ja active Pending
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