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JP2016108799A - ガラスパネルユニット - Google Patents

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JP2016108799A JP2014246118A JP2014246118A JP2016108799A JP 2016108799 A JP2016108799 A JP 2016108799A JP 2014246118 A JP2014246118 A JP 2014246118A JP 2014246118 A JP2014246118 A JP 2014246118A JP 2016108799 A JP2016108799 A JP 2016108799A
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将 石橋
瓜生 英一
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英一 瓜生
阿部 裕之
Hiroyuki Abe
裕之 阿部
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Abstract

【課題】真空空間を安定して形成できるガラスパネルユニットを提供する。【解決手段】ガラスパネルユニット10は、第1ガラスパネル20と、第2ガラスパネル30と、シール40と、真空空間50とを備える。第2ガラスパネル30は、第1ガラスパネル20と対向するように配置される。シール40は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とを枠状に気密に接合する。真空空間50は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とシール40とで囲まれている。シール40は、低融点金属を含むガラスで形成されている、【選択図】図1

Description

ガラスパネルユニットが開示される。より詳しくは、一対のガラスパネルの間に真空空間を備えたガラスパネルユニットが開示される。
2枚以上のガラスパネルを間をあけて重ねて密閉した空間を形成し、その空間を真空にしたガラスパネルユニットが知られている。このようなガラスパネルユニットは、複層ガラスとも呼ばれている。このようなガラスパネルユニットは、真空断熱ガラスとも呼ばれている。ガラスパネルユニットは断熱性が高い。ガラスパネルユニットでは、真空が維持されることが重要である。
ガラスパネルユニットでは、2枚のガラスパネルがシールによって接着される(特許文献1参照)。シールは、真空空間を枠状に囲み、真空を維持する機能を有する。
米国特許第6,541,084号
シールとして、ガラスを含む材料が用いられる場合がある。特許文献1では、ガラス材料でシールが形成されている。しかしながら、ガラスパネルユニットでは、シールの近傍において強度が低下しやすい。
本開示の目的は、強度の高いガラスパネルユニットを提供することである。
ガラスパネルユニットが開示される。前記ガラスパネルユニットは、第1ガラスパネルと、第2ガラスパネルと、シールと、真空空間とを備える。前記第2ガラスパネルは、前記第1ガラスパネルと対向するように配置される。前記シールは、前記第1ガラスパネルと前記第2ガラスパネルとを枠状に気密に接合する。前記真空空間は、前記第1ガラスパネルと前記第2ガラスパネルと前記シールとで囲まれている。前記シールは、低融点金属を含むガラスで形成されている。
本開示のガラスパネルユニットによれば、強度を効果的に向上することができる。
ガラスパネルユニットの一例を示す概略断面図である。 ガラスパネルユニットの一例を示す概略平面図である。 ガラスパネルユニットの製造例を示す斜視図である。 ガラスパネルユニットの製造例を示す斜視図である。 ガラスパネルユニットの製造例を示す斜視図である。 ガラスパネルユニットの製造例を示す斜視図である。 ガラスパネルユニット用の組立て品の概略平面図である。 ガラスパネルユニット用の組立て品の概略断面図である。 ガラスパネルユニットの製造例を示す斜視図である。 ガラスパネルユニットの一例を示す概略断面図である。
図1及び図2は、ガラスパネルユニット10の一実施形態を示す。本実施形態のガラスパネルユニット10は、真空断熱ガラスユニットである。真空断熱ガラスユニットは、少なくとも一対のガラスパネルを備える複層ガラスパネルの一種であって、一対のガラスパネル間に真空空間50を有している。なお、図2では、内部構造が理解しやすいよう、第1ガラスパネル20の一部(左下)を破断して、描画している。
ガラスパネルユニット10は、第1ガラスパネル20と、第2ガラスパネル30と、シール40と、真空空間50とを備える。第2ガラスパネル30は、第1ガラスパネル20と対向するように配置される。シール40は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とを枠状に気密に接合する。真空空間50は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とシール40とで囲まれている。シール40は、低融点金属を含むガラスで形成されている。
ガラスパネルユニット10は、シール40が低融点金属を含むガラスで形成されるため、2つのガラスパネル及びシール40による熱膨張差で発生する応力が緩和される。そのため、強度の高いガラスパネルユニット10を得ることができる。
第1ガラスパネル20は、第1ガラスパネル20の平面形状を定める本体21と、コーティング22と、を備える。本体21は、矩形状であり、互いに平行な厚み方向の第1面(外面;図1における上面)及び第2面(内面;図1における下面)を有する。本体21の第1面及び第2面はいずれも平面である。第1ガラスパネル20の本体21の材料は、たとえば、ソーダライムガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、高歪点ガラス、化学強化ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、ネオセラム、物理強化ガラスである。なお、第1ガラスパネル20は、コーティング22を有さなくてもよい。第1ガラスパネル20は、本体21のみから構成されてもよい。
コーティング22は、本体21の第2面に形成される。コーティング22は、好ましくは、赤外線反射膜である。なお、コーティング22は、赤外線反射膜に限定されず、所望の物理特性を有する膜であってもよい。
第2ガラスパネル30は、第2ガラスパネル30の平面形状を定める本体31を備える。本体31は、矩形状であり、互いに平行な厚み方向の第1面(内面;図1における上面)及び第2面(外面;図1における下面)を有する。本体31の第1面及び第2面はいずれも平面である。第2ガラスパネル30の本体31の材料は、たとえば、ソーダライムガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、高歪点ガラス、化学強化ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、ネオセラム、物理強化ガラスである。本体31の材料は、本体21の材料と同じであってよい。本体31の平面形状は、本体21と同じである。つまり、第2ガラスパネル30の平面形状は、第1ガラスパネル20と同じである。
第2ガラスパネル30は、本体31のみで構成されている。つまり、本体31そのものが第2ガラスパネル30である。第2ガラスパネル30は、コーティングを有していてもよい。コーティングは、本体31の第1面に形成され得る。このコーティングは、第1ガラスパネル20のコーティング22と同じであってよい。
第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とは、本体21の第2面と本体31の第1面とが互いに平行かつ対向するように配置されている。つまり、本体21の第1面はガラスパネルユニット10の外側に向けられ、本体21の第2面はガラスパネルユニット10の内側に向けられる。また、本体31の第1面はガラスパネルユニット10の内側に向けられ、本体31の第2面はガラスパネルユニット10の外側に向けられる。
第1ガラスパネル20の厚みは、特に限定されるものではないが、たとえば、1〜10mmの範囲内である。第2ガラスパネル30の厚みは、特に限定されるものではないが、たとえば、1〜10mmの範囲内である。第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とは、厚みが同じであってもよいし、厚みが異なっていてもよい。第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との厚みが同じであると、ガラスパネルユニット10の形成が容易になる。第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とは、平面視における外縁が揃っている。
図1及び図2では、ガラスパネルユニット10は、ガス吸着体60をさらに備える。ガス吸着体60は、真空空間50内に配置される。本実施形態では、ガス吸着体60は、長尺状である。ガス吸着体60は、第2ガラスパネル30の長さ方向の第2端側(図2における左端側)に、第2ガラスパネル30の幅方向に沿って形成されている。つまり、ガス吸着体60は、真空空間50の端に配置される。このようにすれば、ガス吸着体60を目立たなくすることができる。また、ガラスパネルにガス吸着体60を直接配置するようにすると、ガス吸着体60の配置が容易になる。なお、ガス吸着体60は、真空空間50の任意の場所に設けられ得る。
ガス吸着体60は、不要なガス(残留ガス等)を吸着するために用いられる。不要なガスは、たとえば、シール40が形成される際に放出されるガスである。あるいは、不要なガスは、シール40の隙間から内部に侵入するガスである。ガスが増加すると、真空度が低下し、断熱性が低下し得る。
ガス吸着体60は、ゲッタを有する。ゲッタは、所定の大きさより小さい分子を吸着する性質を有する材料である。ゲッタは、たとえば、蒸発型ゲッタである。蒸発型ゲッタは、たとえば、ゼオライトまたはイオン交換されたゼオライトである。
ガラスパネルユニット10は、少なくとも1つのスペーサ70をさらに備えることが好ましい。スペーサ70は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間に配置される。
図1及び図2では、ガラスパネルユニット10は、複数のスペーサ70を備える。複数のスペーサ70は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間隔を所定間隔に維持するために用いられる。スペーサ70により、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とのスペースがより確実に確保される。スペーサ70は1つでもよいが、ガラスパネル間の厚みを確保するためには2つ以上の方が好ましい。複数のスペーサ70が用いられると、ガラスパネルユニット10の強度が高まる。スペーサ70は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間に配置される。
複数のスペーサ70は、真空空間50内に配置されている。具体的には、複数のスペーサ70は、仮想的な矩形状の格子の交差点に配置されている。たとえば、複数のスペーサ70の間隔は、1〜10cmの範囲内であり、具体的には2cmであり得る。ただし、スペーサ70の大きさ、スペーサ70の数、スペーサ70の間隔、スペーサ70の配置パターンは、適宜選択することができる。
スペーサ70は、上記所定間隔(第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間隔)とほぼ等しい高さを有する円柱状である。たとえば、スペーサ70は、直径が0.1〜10mmの範囲内であり、高さが10〜1000μmの範囲内であってよい。具体的には、スペーサ70は、直径が0.5mmで高さが100μmであり得る。なお、各スペーサ70は、角柱状や球状などの所望の形状であってもよい。スペーサ70の高さは、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間の距離、すなわち、真空空間50の厚みを規定する。真空空間50の厚みは、たとえば、10〜1000μmの範囲内であってよい。真空空間50の厚みは、具体的には、100μmであり得る。
スペーサ70は、透明な材料を用いて形成される。それにより、スペーサ70が目立たなくなる。ただし、各スペーサ70は、十分に小さければ、不透明な材料を用いて形成されていてもよい。スペーサ70の材料は、後述する第1溶融工程、排気工程、第2溶融工程において、スペーサ70が変形しないように選択される。たとえば、スペーサ70の材料は、第1熱接着剤の第1軟化点及び第2熱接着剤の第2軟化点よりも高い軟化点(軟化温度)を有するように選択される。
複数のスペーサ70は、フィルムで形成されてもよい。フィルムが、スペーサ70の形状に合わせて切り取られることでスペーサ70が形成され得る。フィルムは、樹脂の積層体であってもよい。
シール40は、真空空間50を完全に囲むとともに、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とを気密に接合する。シール40は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間に配置される。シール40は、矩形の枠状である。真空空間50は、真空度が所定値以下である。所定値は、たとえば、0.1Paである。真空空間50は、排気により形成され得る。排気は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30とシール40のうちの少なくとも一つに排気するための孔を形成して、内部の気体を吸引することで行われ得る。ただし、後述する排気が行われて、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との両方に、排気口が存在していないことが好ましい。それにより、外観のよいガラスパネルユニット10を得ることができる。図1では、第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30は、排気口を有していない。
真空空間50は、加熱しながら排気することによって真空が形成され得る。加熱により真空性が高まる。また、加熱によって、シール40が形成され得る。真空を形成する際の加熱の温度は、300℃以上であってよい。それにより、真空性がさらに向上する。真空空間50の形成の具体的な手法は後述する。
シール40は、低融点金属を含むガラスで形成されている。シール40は、母体がガラスであり、母体の中に低融点金属が存在していてよい。シール40内では、低融点金属は、分散して配置され得る。シール40は、ガラスを主体とする熱接着剤で形成され得る。熱接着剤は、たとえば、ガラスフリットを含む。ガラスフリットは、ガラス粒子であってよい。ガラス粒子は、原料において、粉末の形状となり得る。シール40の中の低融点金属は、低融点金属粒子を由来としている。低融点金属粒子は、原料において、粉末の形状となり得る。熱接着剤は、ガラスフリットと低融点金属粒子とを含むガラスフリット組成物であってよい。シール40は、ガラスフリット組成物から形成される。ガラスフリットは、たとえば、低融点ガラスフリットである。ガラスフリットとしては、たとえば、ビスマス系ガラスフリット、鉛系ガラスフリット、バナジウム系ガラスフリットが挙げられる。シール40は、後述のように、複数の熱接着剤で形成されてもよい。
ここで、従来、シールの材料として、接着強度や気密安定性の観点から、低融点ガラスが使用されることがある。シールの材料となるガラスは、ガラスパネルよりも融点が低いことが好ましい。そのため、シールの材料として低融点ガラスは好ましい。そして、低融点ガラスは、接着性が高い。しかしながら、低融点ガラスをシールに使用した場合、ガラスパネルとシールとの熱膨張性が合わなくなることがある。ガラスパネルは熱膨張性ができるだけ低いガラスが好ましく用いられるのに対し、シールの材料となる低融点ガラスは熱膨張性が高くなる傾向にあり、熱膨張性の違いが大きくなるのである。ガラスパネルとシールとの熱膨張性が合わないと、ガラスパネルユニットの製造中に破壊が生じたり、ガラスパネルに反りが発生したり、ガラスパネルユニットの強度が低下したりしやすくなる。これらの要因は、シールとガラスパネルとの接触部分の近傍に残留応力が発生するためと推測される。特に、ソーダガラスなどの熱膨張係数(α)が8〜9ppm/℃の材料でガラスパネルを形成した場合、ガラスパネルユニットの一方の面と他方の面とでの温度差が大きくなると、2枚のガラスパネルの熱膨張差により内部応力が発生しやすくなる。熱膨張差による応力は、極端な場合には、ガラスパネルユニットを破壊に至らせる。そのため、シールの材料として、熱膨張性と接着性とを考慮したガラスを使用することが求められ、使用するガラスに制約を受ける。また、ガラスパネルについても、同様に、使用するガラスに制約を受ける。シールの熱膨張性を小さくする手法として、低熱膨張性のセラミックスフィラーをシールに含ませ、その含有率を増やすことも考えられるが、その場合、シールの材料(熱接着剤)の軟化点が上昇しやすくなる。シールの材料(熱接着剤)の軟化点が、ガラスパネルの歪点付近に至ってしまうと、ガラスパネルに悪影響を及ぼしやすくなる。このように、従来のシールを用いた場合、ガラスパネルユニットの強度が十分に向上しにくい。
一方、本開示のガラスパネルユニット10は、上記のように、低融点金属を含むシール40を備えている。上記のシール40は、低融点金属を含むガラスで形成されているため、ガラス部分と低融点金属部分とを含む。シール40は、気密性と接着強度とがガラスの部分で高まり、2つのガラスパネル及びシール40による熱膨張差で発生する応力が低融点金属の部分で緩和される。そのため、シール40に用いるガラスの熱膨張性と、ガラスパネルの熱膨張性との違いが大きくなっても、強度高く2つのガラスパネルをシール40で接着することが可能になる。また、低融点金属が、熱膨張差で発生する応力を緩和するため、ガラスパネルユニット10の製造中での破壊や、ガラスパネルの反りや、ガラスパネルユニット10の強度の低下を抑制することができる。また、シール40に使用するガラスに選択の幅が広がり、熱膨張性がより低いガラスを使用することが可能になる。そのため、ガラスパネルとシール40との熱膨張差をさらに低減することができ、ガラスパネルユニット10の強度をより高めることができる。また、ガラスパネル(第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30)に使用するガラスにも選択の幅が広がり、熱膨張性がより低いガラスでガラスパネルを形成することができ、ガラスパネルユニット10の強度がさらに向上し得る。また、ガラスパネルユニット10は、ガラスパネルユニット10の一方の側(表側)と他方の側(裏側)とで温度差が大きい環境下でも、使用することが可能になる。
低融点金属は、たとえば、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれる1つ以上の金属を含んでいてよい。低融点金属は、合金であってよい。低融点金属は、低融点合金となり得る。低融点金属は、はんだに使用される金属であってよい。低融点金属粒子は、はんだ粒子であり得る。環境の観点からは、低融点金属は、鉛フリー(鉛非含有)であることが好ましい。低融点金属として、Sn−Pb系、Pb−Sn−Sb系、Sn−Sb系、Sn−Pb−Bi系、Bi−Sn系、Sn−Cu系、Sn−Pb−Cu系、Sn−In系、Sn−Ag系、Sn−Pb−Ag、及びPb−Ag系の合金が例示される。
低融点金属の融点は、たとえば、300℃未満であってよい。低融点金属の融点は、さらに250℃未満であってもよく、200℃未満であってもよい。低融点金属の融点が低いほど、上記の効果が得られやすくなる。ただし、低融点金属の融点は、接着性の点から、100℃よりも高いことが好ましく、150℃よりも高いことがより好ましい。低融点金属の融点は、特に230℃未満であることが好ましい一態様である。230℃はスズの融点程度である。低融点金属の融点が230℃未満であると、効果的に熱膨張差による応力を緩和することができる。なお、低融点金属の融点は、低融点金属粒子の融点と言い換えることができる。
シール40において、低融点金属の含有率は、特に限定されるものではないが、たとえば、1〜80質量%であることが好ましい。低融点金属の含有率がこの範囲になることで、熱膨張差による応力を緩和する効果を有効に得ることができる。シール40中の低融点金属の含有率は、5〜70質量%であることがより好ましく、10〜60質量%であることがさらに好ましい。シール40におけるガラスの含有率は、低融点金属の含有率よりも大きいことも好ましく、低融点金属の含有率の2倍よりも大きくてもよく、低融点金属の含有率の3倍よりも大きくてもよい。シール40中の低融点金属の含有率と、ガラスフリット組成物中の低融点金属粒子の含有率とは同じであってよい。
上述のように、低融点金属を含むシール40では、シール40に用いるガラス材料の選択の幅が広がる。シール40は、低熱膨張ガラスを含むことが可能である。低熱膨張ガラスの使用により、ガラスパネルユニット10の強度が向上する。低熱膨張ガラスは、低熱膨張ガラスフリットを由来とするものであってよい。シール40は、低熱膨張性を有し得る。シール40は、熱膨張係数(α)が、10ppm/℃未満であることが好ましい。たとえば、当該熱膨張係数(α)は、7〜9.5ppm/℃の範囲内であってよく、8〜9ppm/℃の範囲内であり得る。シール40の熱膨張性は、シール40自体で測定されてもよいし、シール40を形成するための材料から形成された成形体(たとえば板)で測定されてもよい。また、シール40に含まれる低熱膨張ガラスは、その低熱膨張ガラスのみで成形体(たとえば板)を形成したときの成形体の熱膨張係数(α)が、10ppm/℃未満であることが好ましい。たとえば、当該熱膨張係数(α)は、7〜9.5ppm/℃の範囲内であってよく、8〜9ppm/℃の範囲内であり得る。
また、上述のように、低融点金属を含むシール40では、ガラスパネルの材料の選択の幅が広がる。第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30は、低熱膨張性を有することが可能である。低熱膨張性を有するガラスの使用により、ガラスパネルユニット10の強度が向上する。第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30は、熱膨張係数(α)が10ppm/℃未満であることが好ましい。たとえば、第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30は、熱膨張係数(α)が7〜9.5ppm/℃の範囲内であってよく、8〜9ppm/℃の範囲内であり得る。第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30の材料として、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、及び石英ガラスから選ばれる1つを使用することが特に好ましい。これらのガラスは、熱膨張性が小さい。上記のシール40では、これらのガラスを効果的に接着できる。上記のシール40の材料では、比較的低温で2つのガラスパネルを接着できる。たとえば、2枚のガラスパネルの接着温度を、450℃未満、あるいは400℃未満、さらには350℃未満とすることも可能である。
第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30は、シール40よりも融点の高いガラスから形成され得る。第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30に含まれるガラスの融点は、たとえば、500℃より高いことが好ましく、700℃より高いことがより好ましく、1000℃より高いことがさらに好ましい。第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30に含まれるガラスの融点は、さらに1500℃より高くなってもよい。一方、シール40は、第1ガラスパネル20及び第2ガラスパネル30よりも融点の低いガラスから形成され得る。シール40に含まれるガラスの融点は、たとえば、600℃より低いことが好ましく、500℃より低いことがより好ましく、450℃より低いことがさらに好ましい。
シール40は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間の距離を調整する材料を備えていることが好ましい。それにより、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間のスペースが確実に形成され得る。第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間の距離を調整する材料としては、たとえば、粒子、線材などが挙げられる。粒子は、熱接着剤(ガラスフリット組成物)に容易に混合され、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間の距離を形成することができる。
シール40は、第1ガラスパネル20と第2ガラスパネル30との間の距離を形成するための粒子が含まれ得る。粒子は、熱接着剤がシール40に変化する際の熱によって変形しない特性を有し得る。粒子が2つのガラスパネルに挟まれるため、2つのガラスパネルが接着されるときには、2つのガラスパネルの間の隙間は、粒子径より小さくならない。そのため、シール40は、潰れずに、高さ(ガラスパネル間の距離)を確保することができる。粒子は、金属粒子、高融点ガラス粒子などが用いられ得る。粒子は、ビーズであってよい。粒子の大きさによって、シール40の高さを調整することができる。ガラスフリット組成物は、ガラスフリットと、低融点金属粒子と、距離調整粒子とを含み得る。
ガラスパネルユニット10は、窓に使用可能である。窓としては、建築物の窓、乗物(車、列車、船、飛行機などを含む)用の窓、展示用の窓が挙げられる。ガラスパネルユニット10は、ディスプレイにも使用可能である。
図3〜図9により、ガラスパネルユニット10の製造方法について説明する。図3〜図9は、ガラスパネルユニット10の製造例である。図3〜図9に示す方法により、図1及び図2で示されるガラスパネルユニット10が製造され得る。図3〜図9の方法では、排気口を有さないガラスパネルユニット10が製造される。
ガラスパネルユニット10は、まず、図3〜図5に示されるように仮組立て品100を得た後、所定の処理によって、図6〜図8に示す組立て品110を得るようにする。その後、図9に示すように、組立て品110から一部を切り出してガラスパネルユニット10を得ることができる。
ガラスパネルユニット10の製造方法は、準備工程と、組立工程と、密閉工程と、除去工程と、を有する。なお、準備工程は、省略してもよい。
準備工程は、第1ガラス基板200、第2ガラス基板300、枠体410、仕切り420、ガス吸着体60、及び複数のスペーサ70を準備する工程である。準備工程により、内部空間500、通気路600、排気口700が形成され得る。
第1ガラス基板200は、第1ガラスパネル20に利用される基板である。図8に示すように、第1ガラス基板200は、第1ガラス基板200の平面形状を定めるガラス板210と、コーティング220と、を備える。ガラス板210は、矩形状の平板であり、互いに平行な厚み方向の第1面及び第2面を有する。コーティング220は、ガラス板210の第2面に形成される。ガラス板210は、第1ガラスパネル20の本体21を構成する。ガラス板210の第1面は本体21の第1面に対応し、ガラス板210の第2面は本体21の第2面に対応する。コーティング220は、第1ガラスパネル20のコーティング22を構成する。なお、コーティング220は存在しなくてもよい。
第2ガラス基板300は、第2ガラスパネル30に利用される基板である。図8に示すように、第2ガラス基板300は、第2ガラス基板300の平面形状を定めるガラス板310を備える。ガラス板310は、矩形状の平板であり、互いに平行な厚み方向の第1面及び第2面を有する。第2ガラス基板300は、第2ガラスパネル30の本体31を構成する。ガラス板310の第1面は本体31の第1面に対応し、ガラス板310の第2面は本体31の第2面に対応する。ガラス板310の平面形状及び平面サイズは、ガラス板210と同じである。つまり、第2ガラス基板300の平面形状は、第1ガラス基板200と同じである。また、ガラス板310の厚みは、ガラス板210と同じである。第2ガラス基板300は、ガラス板310のみで構成されている。つまり、ガラス板310が第2ガラス基板300そのものである。
第2ガラス基板300は、第1ガラス基板200に対向するように配置される。具体的には、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とは、ガラス板210の第2面とガラス板310の第1面とが互いに平行かつ対向するように配置される。
枠体410は、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300との間に配置され、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とを気密に接合する。これによって、図5に示すように、枠体410と第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とで囲まれた内部空間500が形成される。
枠体410は、熱接着剤(第1軟化点を有する第1熱接着剤)で形成される。枠体410は最終的にシール40に変化し得る。第1熱接着剤は、たとえば、第1のガラスフリット組成物である。第1のガラスフリット組成物は、ガラスフリットと、低融点金属粒子とを含む。ガラスフリット及び低融点金属粒子は、上記のシール40で述べた材料を用いることができる。第1のガラスフリット組成物は、上記で説明した距離調整粒子を含んでもよい。
枠体410は、矩形の枠状である。枠体410の平面形状は、ガラス板210,310と同じであるが、枠体410の平面サイズはガラス板210,310より小さい。図3に示すように、枠体410は、第2ガラス基板300の外周に沿って形成されている。つまり、枠体410は、第2ガラス基板300上のほぼすべての領域を囲うように形成されている。
仕切り420は、内部空間500内に配置される。図5に示すように、仕切り420は、内部空間500を、排気空間510と通気空間520とに仕切る。排気空間510は後に排気される空間であり、通気空間520は排気空間510の排気に使用される空間である。仕切り420は、排気空間510が通気空間520よりも大きくなるように、第2ガラス基板300の中央よりも第2ガラス基板300の長さ方向(図3における左右方向)の第1端側(図3における右端側)に形成される。
仕切り420は、壁部421と、一対の遮断部422(第1遮断部4221及び第2遮断部4222)と、を備える。壁部421は、第2ガラス基板300の幅方向に沿って形成されている。幅方向とは、図5においては、矩形状の仮組立て品100の短辺に沿った方向を意味する。ただし、壁部421の長さ方向の両端は、枠体410とは接触していない。一対の遮断部422は、壁部421の長さ方向の両端から、第2ガラス基板300の長さ方向の第1端側に延びている。
仕切り420は、熱接着剤(第2軟化点を有する第2熱接着剤)で形成されている。仕切り420は最終的にシール40に変化し得る。第2熱接着剤は、たとえば、第2のガラスフリット組成物である。第2のガラスフリット組成物は、ガラスフリットと、低融点金属とを含む。第2のガラスフリット組成物は、上記で説明した距離調整粒子を含んでもよい。ガラスフリット及び低融点金属は、上記のシール40で述べた材料を用いることができる。第2熱接着剤は、第1熱接着剤と同じであってよい。そのため、第2軟化点と第1軟化点は等しい。
ガス吸着体60は、排気空間510内に配置される。具体的には、ガス吸着体60は、排気空間510の端に配置される。また、ガス吸着体60は、仕切り420及び通気路600から離れた位置にある。そのため、排気空間510の排気時に、ガス吸着体60が排気を妨げる可能性を低くできる。
図3に示すように、複数のスペーサ70は、縦横に所定の間隔で配置され得る。複数のスペーサ70は、フィルムで形成されてもよい。フィルムは、樹脂の積層体であってもよい。フィルムが、スペーサ70の形状に合わせて切り取られることでスペーサ70が形成され得る。準備工程に、スペーサ70を形成する工程が加えられてもよい。
通気路600は、内部空間500内で排気空間510と通気空間520とをつなぐ。通気路600は、第1通気路610と、第2通気路620と、を備える。第1通気路610は、第1遮断部4221と第1遮断部4221に対向する枠体410の部分との間に形成された空間である。第2通気路620は、第2遮断部4222と第2遮断部4222に対向する枠体410の部分との間に形成された空間である。上記のように仕切り420を配置することで、通気路600が形成される。
排気口700は、通気空間520と外部空間とをつなぐ孔である。排気口700は、通気空間520及び通気路600を介して排気空間510を排気するために用いられる。したがって、通気路600と通気空間520と排気口700とは、排気空間510を排気するための排気路を構成する。排気口700は、通気空間520と外部空間とをつなぐように第2ガラス基板300に形成されている。具体的には、排気口700は、第2ガラス基板300の角部分に位置している。
以上のような部材により、準備工程が行われる。準備工程は、第1〜第6工程を有する。なお、第2〜第6工程の順番は、適宜変更してもよい。
第1工程は、第1ガラス基板200及び第2ガラス基板300を形成する工程(基板形成工程)である。たとえば、第1工程では、第1ガラス基板200及び第2ガラス基板300を作製する。また、第1工程では、必要に応じて、第1ガラス基板200及び第2ガラス基板300を洗浄する。
第2工程は、排気口700を形成する工程である。第2工程では、第2ガラス基板300に、排気口700を形成する。また、第2工程では、必要に応じて、第2ガラス基板300を洗浄する。なお、排気口700は、第1ガラス基板200に設けられてもよい。
第3工程は、枠体410及び仕切り420を形成する工程(シール材形成工程)である。第3工程では、ディスペンサなどを利用して、枠体410の材料(第1熱接着剤;第1のガラスフリット組成物)及び仕切り420の材料(第2熱接着剤;第2のガラスフリット組成物)を第2ガラス基板300(ガラス板310の第1面)上に塗布する。そして、枠体410の材料及び仕切り420の材料を乾燥させるとともに、仮焼成する。たとえば、枠体410の材料及び仕切り420の材料が塗布された第2ガラス基板300を480℃で20分間加熱する。なお、第1ガラス基板200を第2ガラス基板300と一緒に加熱してもよい。つまり、第1ガラス基板200を第2ガラス基板300と同じ条件(480℃で20分間)で加熱してもよい。これにより、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300との反りの差を低減できる。
第4工程は、スペーサ70を設置する工程(スペーサ設置工程)である。第4工程では、複数のスペーサ70を予め形成しておき、チップマウンタなどを利用して、複数のスペーサ70を、第2ガラス基板300の所定位置に設置する。なお、複数のスペーサ70は、公知の薄膜形成技術を利用して形成されていてもよい。例えば、スペーサ70を形成するための流動性組成物を第2ガラス基板300の上に塗布することで、スペーサ70が形成され得る。
第5工程は、ガス吸着体60を形成する工程(ガス吸着体形成工程)である。第5工程では、ゲッタの粉体が分散された溶液を第2ガラス基板300の所定位置に塗布し、乾燥させることで、ガス吸着体60を形成する。
第1工程から第5工程が終了することで、図3に示されるような、枠体410、仕切り420、通気路600、排気口700、ガス吸着体60、複数のスペーサ70が形成された第2ガラス基板300が得られる。
第6工程は、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とを配置する工程(配置工程)である。第6工程では、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とは、ガラス板210の第2面とガラス板310の第1面とが互いに平行かつ対向するように配置される。図4は、第1ガラス基板200を第2ガラス基板300に重ねている様子を示している。なお、本例では、第2ガラス基板300に各部材(枠体410、仕切り420など)を配置しているが、第1ガラス基板200に各部材を配置してもよい。
組立工程は、仮組立て品100を用意する工程である。具体的には、組立工程では、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とを接合することで、仮組立て品100を用意する。つまり、組立工程は、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とを枠体41により気密に接合する工程(第1溶融工程)である。
第1溶融工程では、第1軟化点以上の所定温度(第1溶融温度)で第1熱接着剤を一旦溶融させることで、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とを気密に接合する。第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とは、枠体410によって気密に接合される。具体的には、第1ガラス基板200及び第2ガラス基板300は、溶融炉内に配置され、第1溶融温度で所定時間(第1溶融時間)だけ加熱される。
第1溶融温度及び第1溶融時間は、枠体410の熱接着剤によって第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とが気密に接合されるが、仕切り420によって通気路600が塞がれることがないように、設定される。つまり、第1溶融温度の下限は、第1軟化点であるが、第1溶融温度の上限は、仕切り420によって通気路600が塞がれることがないように設定される。たとえば、第1軟化点及び第2軟化点が434℃である場合、第1溶融温度は、440℃に設定される。また、第1溶融時間は、たとえば、10分である。なお、第1溶融工程では、枠体410からガスが放出されるが、このガスはガス吸着体60によって吸着されてもよい。
上述した組立工程(第1溶融工程)によって、図5に示される仮組立て品100が得られる。仮組立て品100は、第1ガラス基板200と、第2ガラス基板300と、枠体410と、内部空間500と、仕切り420と、通気路600と、排気口700と、ガス吸着体60と、複数のスペーサ70と、を備える。
密閉工程は、仮組立て品100に上記所定の処理を行って組立て品110を得る工程である。密閉工程は、排気工程と、溶融工程(第2溶融工程)と、を有する。つまり、排気工程及び第2溶融工程が上記所定の処理に相当する。
排気工程は、所定温度(排気温度)で、排気空間510を、通気路600と通気空間520と排気口700とを介して排気して真空空間50とする工程である。このように、排気工程では加熱されることが好ましい。それにより、真空性が高まる。
排気は、たとえば、真空ポンプを用いて行われる。真空ポンプは、図5に示されるように、排気管810と、シールヘッド820と、により仮組立て品100に接続される。排気管810は、たとえば、排気管810の内部と排気口700とが連通するように第2ガラス基板300に接合される。そして、排気管810にシールヘッド820が取り付けられ、これによって、真空ポンプの吸気口が排気口700に接続される。
第1溶融工程と排気工程と第2溶融工程とは、第1ガラス基板200及び第2ガラス基板300を溶融炉内に配置したまま行われる。このとき、第2ガラス基板300は、枠体410、仕切り420、通気路600、排気口700、ガス吸着体60、複数のスペーサ70が設けられている。排気管810は、少なくとも第1溶融工程の前に、第2ガラス基板300に接合される。
排気工程では、所定の排気温度で所定時間(排気時間)だけ、通気路600と通気空間520と排気口700とを介して排気空間510を排気する。排気温度は、ガス吸着体60のゲッタの活性化温度(たとえば、350℃)より高く、かつ、第1軟化点及び第2軟化点(たとえば、434℃)より低く設定される。排気温度は、好ましくは、300℃以上である。たとえば、排気温度は、390℃である。このようにすれば、枠体410及び仕切り420は変形しない。また、ガス吸着体60のゲッタが活性化し、ゲッタが吸着していた分子(ガス)がゲッタから放出される。そして、ゲッタから放出された分子(つまりガス)は、排気空間510、通気路600、通気空間520、及び、排気口700を通じて排出される。したがって、排気工程では、ガス吸着体60の吸着能力が回復する。排気時間は、所望の真空度(たとえば、0.1Pa以下の真空度)の真空空間50が得られるように設定される。たとえば、排気時間は、120分に設定される。
第2溶融工程は、仕切り420を変形させて、通気路600を塞ぐ隔壁42を形成することで、真空空間50を囲むシール40を形成する工程である。第2溶融工程では、第2軟化点以上の所定温度(第2溶融温度)で第2熱接着剤を一旦溶融させることで、仕切り420を変形させて隔壁42を形成する。具体的には、第1ガラス基板200及び第2ガラス基板300は、溶融炉内で、第2溶融温度で所定時間(第2溶融時間)だけ加熱される。
第2溶融温度及び第2溶融時間は、第2熱接着剤が軟化し、通気路600を塞ぐ隔壁42が形成されるように設定される。第2溶融温度の下限は、第2軟化点(434℃)である。ただし、第2溶融工程では、第1溶融工程とは異なり、仕切り420を変形させることを目的としているから、第2溶融温度は、第1溶融温度(440℃)より高くしている。たとえば、第2溶融温度は、460℃に設定される。また、第2溶融時間は、たとえば、30分である。
隔壁42が形成されると、真空空間50が通気空間520から分離される。そのため、真空ポンプで真空空間50を排気することはできなくなる。第2溶融工程が終了するまでは、枠体410及び隔壁42が加熱されているから、枠体410及び隔壁42からガスが放出されることがある。しかしながら、枠体410及び隔壁42から放出されたガスは、真空空間50内のガス吸着体60に吸着される。そのため、真空空間50の真空度が悪化することが防止される。つまり、ガラスパネルユニット10の断熱性が悪くなることが防止される。
第1溶融工程でも、枠体410及び隔壁42が加熱されているから、枠体410及び隔壁42からガスが放出されることがある。枠体410及び隔壁42から放出されたガスはガス吸着体60に吸着されるから、第1溶融工程によってガス吸着体60の吸着能力が低下している場合がある。しかしながら、排気工程では、ガス吸着体60のゲッタの活性化温度以上の排気温度で排気空間510の排気を行い、これによって、ガス吸着体60の吸着能力を回復させている。したがって、ガス吸着体60は、第2溶融工程において、枠体410及び隔壁42から放出されたガスを十分に吸着できる。つまり、ガス吸着体60が枠体410及び隔壁42から放出されたガスを十分に吸着できずに真空空間50の真空度が悪化することを防止できる。
また、第2溶融工程では、排気工程から継続して、通気路600と通気空間520と排気口700とを介して排気空間510を排気する。つまり、第2溶融工程では、第2溶融温度で、通気路600と通気空間520と排気口700とを介して排気空間510を排気しながら、仕切り420を変形させて通気路600を塞ぐ隔壁42を形成する。これによって、第2溶融工程中に、真空空間50の真空度が悪化することがさらに防止される。ただし、第2溶融工程では、必ずしも、通気路600と通気空間520と排気口700とを介して排気空間510を排気する必要はない。
上記所定の処理では、所定温度(排気温度)で、通気路600、通気空間520、及び排気口700を介して排気空間510を排気して排気空間510を真空空間50とする。排気温度は、ガス吸着体60のゲッタの活性化温度より高くしている。これによって、排気空間510の排気とゲッタの吸着能力の回復とが同時に行える。
また、上記所定の処理では、仕切り420を変形させて、通気路600を塞ぐ隔壁42を形成することで、真空空間50を囲むシール40を形成する(図7参照)。仕切り420は、第2熱接着剤を含んでいるから、第2軟化点以上の所定温度(第2溶融温度)で第2熱接着剤を一旦溶融させることで、仕切り420を変形させて隔壁42を形成することができる。なお、第1溶融温度は、第2溶融温度より低くしている。これによって、枠体410で第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とを接合する際に、仕切り420が変形して通気路600が塞がれることを防止できる。なお、仕切り420は、枠体410よりも溶融時の変形性が大きい材料で形成されてもよい。
仕切り420は、第1遮断部4221が第1通気路610を塞ぎ、第2遮断部4222が第2通気路620を塞ぐように、変形される。このようにして仕切り420を変形することで得られた隔壁42は、真空空間50を通気空間520から(空間的に)分離する。隔壁(第2部分)42と枠体410において真空空間50に対応する部分(第1部分)41とが、真空空間50を囲むシール40を構成する。
このように、真空空間50は、通気空間520、及び排気口700を介して排気空間510を排気することで形成される。真空空間50は、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とシール40とで完全に密閉されているから、通気空間520及び排気口700から分離されている。
また、矩形の枠状のシール40が形成される。シール40は、第1部分41と、第2部分42と、を有する。第1部分41は、枠体410において真空空間50に対応する部分である。つまり、第1部分41は、枠体410において真空空間50に面している部分である。第1部分41は、略U字状であり、シール40の四辺のうちの三辺を構成する。第1部分41は、第1のガラスフリット組成物から形成される。第2部分42は、仕切り420を変形することで得られる隔壁である。第2部分42は、I字状であり、シール40の四辺のうちの残りの一辺を構成する。第2部分42は、第2のガラスフリット組成物から形成される。
排気工程では、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とが近づく方向の力が発生する。このとき、スペーサ70が、第1ガラス基板200と第2ガラス基板300との間の空間を確保する。
ここで、シール40が、低融点金属粒子を含むガラスフリット組成物から形成された場合、低融点金属粒子を含まないガラスフリット組成物から形成された場合に比べて、熱膨張差を低減することができ、熱膨張差で発生する応力を緩和することができる。そして、製造中におけるガラスパネルの破壊や、ガラスパネルの反りなどを低減させることができる。また、2つのガラスパネルを強度高く接着することができる。
上述した密閉工程によって、図6〜図8に示される組立て品110が得られる。組立て品110は、第1ガラス基板200と、第2ガラス基板300と、シール40と、真空空間50と、通気空間520と、ガス吸着体60と、複数のスペーサ70と、を備える。図7では、内部構造が理解しやすいよう、第1ガラス基板200の一部(右下)を破断して、描画している。
除去工程は、組立て品110から通気空間520を有する部分11を除去することで、真空空間50を有する部分であるガラスパネルユニット10を得る工程である。図7に示されるように、具体的には、溶融炉から取り出された組立て品110は、切断線900に沿って切断され、真空空間50を有する所定部分(ガラスパネルユニット)10と、通気空間520を有する部分(不要な部分)11と、に分割される。不要な部分11は、主に、第1ガラス基板200のうち通気空間520に対応する部分230と、第2ガラス基板300のうち通気空間520に対応する部分320と、枠体410のうち通気空間520に対応する部分411と、を含んでいる。ガラスパネルユニット10の製造コストを考慮すれば、不要な部分11は小さいほうが好ましい。図9では、組立て品110から不要な部分11を除去する様子を示している。
切断は、適宜の切断装置によって行われる。切断装置としては、スクライバ、レーザが例示される。第1ガラス基板200と第2ガラス基板300とを同時に切断すると、ガラスパネルユニット10を効率よく切り出すことができる。なお、切断線900の形状は、ガラスパネルユニット10の形状によって定まる。ガラスパネルユニット10は矩形状であるから、切断線900は、壁42の長さ方向に沿った直線となっている。
上述した、準備工程、組立工程、密閉工程、及び除去工程を経て、図1及び図2に示すようなガラスパネルユニット10が得られる。第1ガラスパネル20は、第1ガラス基板200のうち真空空間50に対応する部分である。第2ガラスパネル30は、第2ガラス基板300のうち真空空間50に対応する部分である。真空空間50を形成するための排気口700は、第2ガラス基板300において通気空間520に対応する部分320に存在し、排気管810は部分320に接続されている。そのため、第2ガラスパネル30には、排気口700が存在していない。
以下、ガラスパネルユニットの更なる変形例を説明する。変形例の説明にあたっては、同様の構成の番号について括弧を付す。
上記実施形態では、ガラスパネルユニット(10)は矩形状であるが、ガラスパネルユニット(10)は、円形状や多角形状など所望の形状であってもよい。つまり、第1ガラスパネル(20)、第2ガラスパネル(30)、及びシール(40)は、矩形状ではなく、円形状や多角形状など所望の形状であってもよい。なお、第1ガラス基板(200)、第2ガラス基板(300)、枠体(410)、及び、隔壁(42)のそれぞれの形状は、上記実施形態の形状に限定されず、所望の形状のガラスパネルユニット(10)が得られるような形状であればよい。なお、ガラスパネルユニット(10)の形状や大きさは、ガラスパネルユニット(10)の用途に応じて決定される。
また、第1ガラスパネル(20)の本体(21)の第1面及び第2面はいずれも平面に限定されない。同様に、第2ガラスパネル(30)の本体(31)の第1面及び第2面はいずれも平面に限定されない。
また、第1ガラスパネル(20)の本体(21)と第2ガラスパネル(30)の本体(31)とは同じ平面形状及び平面サイズを有していなくてもよい。また、本体(21)と本体(31)とは同じ厚みを有していなくてもよい。また、本体(21)と本体(31)とは同じ材料で形成されていなくてもよい。同様に、第1ガラス基板(200)のガラス板(210)と第2ガラス基板(300)のガラス板(310)とは同じ平面形状及び平面サイズを有していなくてもよい。また、ガラス板(210)とガラス板(310)とは同じ厚みを有していなくてもよい。ガラス板(210)とガラス板(310)とは同じ材料で形成されていなくてもよい。
また、シール(40)は、第1ガラスパネル(20)及び第2ガラスパネル(30)と同じ平面形状を有していなくてもよい。同様に、枠体(410)は、第1ガラス基板(200)及び第2ガラス基板(300)と同じ平面形状を有していなくてもよい。
また、第1ガラスパネル(20)は、さらに、所望の物理特性を有して本体(21)の第2平面に形成されるコーティングを備えていてもよい。あるいは、第1ガラスパネル(20)は、コーティング(22)を備えていなくてもよい。つまり、第1ガラスパネル(20)は、本体(21)のみで構成されていてもよい。
また、第2ガラスパネル(30)は、さらに、所望の物理特性を有するコーティングを備えていてもよい。コーティングは、たとえば、本体(31)の第1平面及び第2平面にそれぞれ形成される薄膜の少なくとも一方を備えていればよい。コーティングは、たとえば、特定波長の光を反射する膜(赤外線反射膜、紫外線反射膜)などである。
上記実施形態では、枠体(410)は、第1熱接着剤(第1のガラスフリット組成物)で形成されている。ただし、枠体(410)は、第1熱接着剤に加えて、芯材等の他の要素を備えていてもよい。つまり、枠体(410)は、第1熱接着剤(第1のガラスフリット組成物)を含んでいればよい。また、上記実施形態では、枠体(410)は、第2ガラス基板(300)のほぼすべての領域を囲うように形成されている。しかしながら、枠体(410)は、第2ガラス基板(300)上の所定の領域を囲うように形成されていればよい。つまり、枠体(410)は、第2ガラス基板(300)のほぼすべての領域を囲うように形成されている必要はない。また、組立て品(110)は、2以上の枠体(410)を有していてもよい。つまり、組立て品(110)は、2以上の内部空間(500)を有していてもよい。この場合、1つの組立て品(110)から2以上のガラスパネルユニット(10)を得ることができる。
上記実施形態では、仕切り(420)は、第2熱接着剤(第2のガラスフリット組成物)で形成されている。ただし、仕切り(420)は、第2熱接着剤に加えて、芯材等の他の要素を備えていてもよい。つまり、仕切り(420)は、第2熱接着剤(第2のガラスフリット組成物)を含んでいればよい。また、上記実施形態では、仕切り(420)はその両端が枠体(410)とは連結されていない。そして、仕切り(420)の両端と枠体(410)との隙間が、通気路(610,620)である。ただし、仕切り(420)は、その両端の一方のみが枠体(410)に連結されていなくてもよく、この場合、仕切り(420)と枠体(410)との間に一つの通気路(600)が形成される。あるいは、仕切り(420)は、その両端が枠体(410)に連結されていてもよい。この場合、通気路(600)は、仕切り(420)に形成された貫通孔であってもよい。あるいは、通気路(600)は、仕切り(420)と第1ガラス基板(200)との隙間であってもよい。あるいは、仕切り(420)は、間隔をあけて配置された2以上の仕切りで形成されていてもよい。この場合、通気路(600)は、2以上の仕切りの隙間であってもよい。
上記実施形態では、内部空間(500)は、一つの排気空間(510)と一つの通気空間(520)とに仕切られている。ただし、内部空間(500)は、1以上の排気空間(510)と1以上の通気空間(520)とに仕切られていてもよい。内部空間(500)が2以上の排気空間(510)を有する場合、1つの組立て品(110)から2以上のガラスパネルユニット(10)を得ることができる。
上記実施形態では、第2熱接着剤(第2のガラスフリット組成物)は、第1熱接着剤(第1のガラスフリット組成物)と同じであり、第2軟化点と第1軟化点は等しい。ただし、第2熱接着剤は、第1熱接着剤と異なる材料であってもよい。たとえば、第2熱接着剤は、第1熱接着剤の第1軟化点と異なる第2軟化点を有していてもよい。ここで、第2軟化点は、第1軟化点より高いことが好ましい。この場合、第1溶融温度を、第1軟化点以上第2軟化点未満とすることができる。このようにすれば、第1溶融工程において、仕切り(420)が変形してしまうことを防止できる。
また、第1接着剤及び第2熱接着剤は、ガラスフリット組成物に限定されず、たとえば、ガラスフリットと低融点金属粒子とが別剤となった材料などであってもよい。
上記実施形態では、枠体(410)、ガス吸着体(60)、及び仕切り(420)の加熱に溶融炉を利用している。しかしながら、加熱は、適宜の加熱手段で行うことができる。加熱手段は、たとえば、レーザや、熱源に接続された伝熱板などである。
上記実施形態では、通気路(600)は2つの通気路(610,620)を備えているが、通気路(600)は、一つの通気路だけで構成されていてもよいし、3以上の通気路で構成されていてもよい。また、通気路(600)の形状は、特に限定されない
上記実施形態では、排気口(700)は、第2ガラス基板(300)に形成されている。しかし、排気口(700)は、第1ガラス基板(200)のガラス板(210)に形成されていてもよいし、枠体(410)に形成されていてもよい。要するに、排気口(700)は、不要な部分(11)に形成されていればよい。
上記実施形態では、ガス吸着体(60)のゲッタは蒸発型ゲッタであるが、ゲッタは非蒸発型ゲッタであってもよい。非蒸発型ゲッタは、所定温度(活性化温度)以上になると、吸着された分子が内部に入り込むことで、吸着能力が回復する。ただし、蒸発型ゲッタとは異なり、吸着された分子を放出するわけではないので、非蒸発型ゲッタは、ある程度以上の分子を吸着すると、たとえ活性化温度以上に加熱されても、吸着能力が回復しなくなる。
上記実施形態では、ガス吸着体(60)は、長尺状であるが、他の形状であってもよい。また、ガス吸着体(60)は、必ずしも真空空間(50)の端にある必要はない。また、上記実施形態では、ガス吸着体(60)は、ゲッタの粉体を含む液体(たとえばゲッタの粉体を液体に分散して得られた分散液や、ゲッタの粉体を液体に溶解させて得られた溶液)を塗布することにより形成される。しかしながら、ガス吸着体(60)は、基板と、基板に固着されたゲッタと、を備えていてもよい。このようなガス吸着体(60)は、ゲッタの粉末を含む液体に基板を浸漬し、乾燥することで得ることができる。なお、基板は、所望の形状であってよく、たとえば、長尺の矩形状である。
あるいは、ガス吸着体(60)は、第2ガラス基板(300)のガラス板(310)の表面(第1面)に全体的あるいは部分的に形成された膜であってもよい。このようなガス吸着体(60)は、第2ガラス基板(300)のガラス板(310)の表面(第1面)をゲッタの粉末を含む液体でコーティングすることで得ることができる。
あるいは、ガス吸着体(60)は、スペーサ(70)に含まれていてもよい。たとえば、スペーサ(70)を、ゲッタを含む材料で形成すれば、ガス吸着体(60)を含むスペーサ(70)を得ることができる。
あるいは、ガス吸着体(60)は、ゲッタで形成された固形物であってもよい。このようなガス吸着体(60)は、比較的大きく、第1ガラス基板(200)と第2ガラス基板(300)との間に配置できないことがある。この場合には、第2ガラス基板(300)のガラス板(310)に凹所を形成して、この凹所にガス吸着体(60)を配置すればよい。
あるいは、ガス吸着体(60)は、ゲッタが分子を吸着しないように、予めパッケージ内に配置しておいてもよい。この場合、第2溶融工程の後に、パッケージを破壊して、ガス吸着体(60)を真空空間(50)に曝せばよい。
上記実施形態では、ガラスパネルユニット(10)はガス吸着体(60)を備えているが、ガラスパネルユニット(10)は、ガス吸着体(60)を備えていなくてもよい。
上記実施形態では、ガラスパネルユニット(10)は複数のスペーサ(70)を備えているが、ガラスパネルユニット(10)は、一つのスペーサ(70)を備えていてもよいし、スペーサ(70)を備えていなくてもよい。
上記実施形態では、不要な部分(11)を除去することで、排気口を有さないガラスパネルユニット(10)を形成することを説明したが、ガラスパネルユニット(10)は、排気口を有していてもよい。その場合、排気口は、第1ガラスパネル(20)と、第2ガラスパネル(30)とのうちの少なくともいずれか一方に設けられ得る。真空空間(50)の真空を維持するため、排気口は閉じられる。第1ガラスパネル(20)及び第2ガラスパネル(30)の少なくともいずれか一方に排気口が設けられた場合、キャップ材により排気口が閉じられ得る。ただし、外観をよくするためには、ガラスパネルユニット(10)は排気口を有していないことが好ましい。
図10に、ガラスパネルユニットの変形例(ガラスパネルユニット10A)を示す。ガラスパネルユニット10Aは、第2ガラスパネル30に排気口700を有する。排気口700は、封止部81により、閉鎖されている。これにより、真空空間50は真空が維持される。封止部81は、排気管810から形成されている。封止部81は、たとえば排気管810を構成するガラスの熱溶着で形成され得る。封止部81の外側にはキャップ80が配置されている。キャップ80は封止部81を覆っている。キャップ80が封止部81を覆うことで、排気口700を高く閉鎖できる。また、キャップ80により、排気口700部分での破損を抑制できる。ガラスパネルユニット10Aは、排気口700、封止部81及びキャップ80が設けられていること以外は、図1及び図2のガラスパネルユニット10と同じである。図1及びス2のガラスパネルユニット10と同じ構成については同じ符号を付しており、それらの構成には、適宜、図1及び図2で行った説明を適用できる。ガラスパネルユニット10Aは、仮組立て品100の作製方法に準じて製造することができる。ガラスパネルユニット10Aは、排気口700を有する部分を除去しなくてもよいため、製造が容易になり得る。
10 ガラスパネルユニット
20 第1ガラスパネル
30 第2ガラスパネル
40 シール
50 真空空間

Claims (5)

  1. 第1ガラスパネルと、
    前記第1ガラスパネルと対向するように配置された第2ガラスパネルと、
    前記第1ガラスパネルと前記第2ガラスパネルとを枠状に気密に接合するシールと、
    前記第1ガラスパネルと前記第2ガラスパネルと前記シールとで囲まれた真空空間とを備え、
    前記シールは、低融点金属を含むガラスで形成されている、
    ガラスパネルユニット。
  2. 前記シールは、低熱膨張ガラスを含む、
    請求項1に記載のガラスパネルユニット。
  3. 前記第1ガラスパネル及び第2ガラスパネルは、低熱膨張性を有する、
    請求項1又は2に記載のガラスパネルユニット。
  4. 前記シールは、前記第1ガラスパネルと前記第2ガラスパネルとの間の距離を調整する材料を含む、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガラスパネルユニット。
  5. 第1ガラスパネルと第2ガラスパネルとの間に配置される少なくとも1つのスペーサをさらに備える、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガラスパネルユニット。
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