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JP2016107764A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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JP2016107764A JP2014246106A JP2014246106A JP2016107764A JP 2016107764 A JP2016107764 A JP 2016107764A JP 2014246106 A JP2014246106 A JP 2014246106A JP 2014246106 A JP2014246106 A JP 2014246106A JP 2016107764 A JP2016107764 A JP 2016107764A
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洋司 国弘
Yoji Kunihiro
洋司 国弘
小城 隆博
Takahiro Koshiro
隆博 小城
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Abstract

【課題】操舵フィーリングを向上させる。
【解決手段】操舵フィーリングを向上させるための目標付加摩擦トルクTftを求め(ステップ30〜90)、運転者の操舵負担を軽減するための基礎制御量Tab(ステップ20)と目標付加摩擦トルクTftとの和に基づく目標アシストトルクTatに基づいてアシストトルクを制御する(ステップ140、150)パワーステアリング装置。車速Vが非常に低く、操舵輪に作用するセルフアライニングトルクが負の値になる操舵角の範囲においては、操舵角の大きさが増大するにつれて大きくなるように目標摩擦トルクの大きさが決定される(ステップ100〜120)。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両のステアリング装置に係り、更に詳細にはパワーステアリング装置に係る。
パワーステアリング装置は、ステアリングユニットにアシストトルクを付与することにより、運転者の操舵負担、即ち運転者がステアリングホイールを回転操作する際の負担を軽減すると共に、操舵フィーリングを向上させる。例えば、下記の特許文献1には、運転者の操舵負担を軽減するための基礎制御量と、操舵フィーリングを向上させるための摩擦トルク制御量(ヒステリシス制御量)との和に基づいてアシストトルクを制御するパワーステアリング装置が記載されている。
操舵輪が車両の直進位置以外の位置にあるときには、操舵輪にはセルフアライニングトルクが作用する。セルフアライニングトルクは、車速が中高速域にあるときには、操舵角の大きさが大きくなるにつれて大きくなるが、車速が低速域にあるときには、操舵角の大きさが大きくなるにつれて小さくなる。下記の特許文献1に記載されたパワーステアリング装置においては、車速が低速域にあり操舵角の大きさが大きい範囲にあるときには、アシストトルクは操舵角の大きさが大きくなるにつれて小さくされる。このことは、例えば特許文献1の段落[0053]、[0054]、図9に記載されている。上記のアシストトルクの制御によれば、車速が低速域にあり操舵角の大きさが大きい範囲において切り増し操舵時のアシストトルクが過剰になって操舵反力が不足することを防止することができる。
特開2011−131629号公報
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、車速が微低速域のように非常に低いときには、操舵角の大きさが非常に大きい範囲において、セルフアライニングトルクが負の値になり、その大きさは操舵角の大きさが大きくなるにつれて大きくなる。負のセルフアライニングトルクはステアリングホイールを切り増し方向へ回転させるトルクを発生するため、操舵角の大きさが大きくなるにつれて摩擦トルク制御量を小さくすると、ステアリングホイールを切り増し操舵する際の抗力が小さくなって操舵反力が不足する。従って、上記特許文献1に記載されたパワーステアリング装置によっては、車速が非常に低く操舵角の大きさが非常に大きい状況において、切り増し時の操舵フィーリングが低下することを防止することができない。
本発明は、摩擦トルク制御量を含むアシストトルクを制御する従来のパワーステアリング装置における上述の如き問題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の主要な課題は、セルフアライニングトルクが負の値になる状況において切り増し操舵が行われる際の操舵フィーリングを向上させることである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
上述の主要な課題は、本発明によれば、操舵角の大きさが増大するにつれて操舵輪に作用するセルフアライニングトルクが小さくなる範囲内にて、前記操舵角の大きさが増大するにつれて大きさが小さくなるように目標摩擦トルクを決定し、前記目標摩擦トルクに基づいてステアリングユニットに摩擦トルクを付与するパワーステアリング装置において、
車速が、前記操舵角の大きさが基準値以上である場合にセルフアライニングトルクが負の値になる車速であるときには、前記操舵角の大きさが前記基準値以上の範囲内において増大するにつれて大きさが大きくなるように前記目標摩擦トルクを決定するように構成されたパワーステアリング装置によって達成される。
上記の構成によれば、操舵角の大きさが増大するにつれて操舵輪に作用するセルフアライニングトルクが小さくなる範囲内においては、操舵角の大きさが増大するにつれて大きさが小さくなるよう目標摩擦トルクが決定される。しかし、操舵輪に作用するセルフアライニングトルクが負の値になる車速域においては、操舵角の大きさが増大するにつれて大きくなるよう目標摩擦トルクの大きさが決定され、切り増し操舵の抗力が増大される。よって、例えば車速が非常に低く操舵角の大きさが非常に大きい状況において、セルフアライニングトルクが切り増し方向に作用することに起因して切り増し操舵時の操舵反力が不足することを防止し、これにより従来に比して操舵フィーリングを向上させることができる。
なお、操舵角の大きさが基準値以上である場合にセルフアライニングトルクが負の値になり、負のセルフアライニングトルクの大きさは、車速が非常に低いほど負のセルフアライニングトルクの大きさが大きくなる。よって、目標摩擦トルクの大きさは、セルフアライニングトルクが負の値になる範囲において、車速が低いほど大きくなるよう決定されることが好ましい。
本発明によるパワーステアリング装置の第一の実施形態の概略を示す説明図である。 第一の実施形態におけるアシストトルク制御ルーチンを示すフローチャートである。 図2のステップ70において実行される目標操舵角θtの演算ルーチンを示すフローチャートである。 本発明によるパワーステアリング装置の第二の実施形態におけるアシストトルク制御ルーチンを示すフローチャートである。 操舵トルクT及び車速Vに基づいて、目標基本アシストトルクTabを演算するためのマップである。 操舵角θの絶対値及び車速Vに基づいて、目標摩擦トルクTftを演算するためのマップである。 車速Vが基準値Vc2よりも大きい場合に車速V及び操舵角θの絶対値に基づいてゲインKtを演算するためのマップである。 車速Vが基準値Vc2以下である場合に車速V及び操舵角θの絶対値に基づいてゲインKtを演算するためのマップである。 第二の実施形態において、車速Vが基準値Vc2以下である場合に車速V及び操舵角θの絶対値に基づいて目標摩擦トルクTftを演算するためのマップである。 車速V及び操舵角θの絶対値とセルフアライニングトルクTsatとの関係を示すグラフである。 従来の場合(二点鎖線)及び第一の実施形態の場合(実線)について、操舵角θの絶対値と戻しトルクTreとの関係を示すグラフである。
以下に添付の図を参照しつつ、幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本発明によるパワーステアリング装置10の第一の実施形態の概略を示す説明図である。この実施形態のパワーステアリング装置10は、コラムアシスト型の電動式パワーステアリング装置として構成されている。なお、本発明によるパワーステアリング装置は、アシストトルクを制御し得る限り、例えばラック同軸式のラックアシスト型の電動式パワーステアリング装置のように、他の型式のパワーステアリング装置であってもよい。
図1に於いて、パワーステアリング装置10はステアリングユニット12に適用されている。ステアリングユニット12は、運転者により操作されるステアリングホイール14と、ステアリングホイール14と共に回転するアッパステアリングシャフト16と、インタミディエットシャフト18と、操舵機構20とを含んでいる。インタミディエットシャフト18は、上端にてユニバーサルジョイント22を介してアッパステアリングシャフト16の下端に連結され、下端にてユニバーサルジョイント24を介して操舵機構20のピニオンシャフト26に連結されている。
操舵機構20は、ラック・アンド・ピニオン装置28と、タイロッド30L及び30Rとを含み、ラック・アンド・ピニオン装置28はピニオンシャフト26の回転をラックバー32の車両横方向の直線運動に変換し、またこの逆の変換を行う。タイロッド30L及び30Rは、内端にてラックバー32の先端に枢着されており、タイロッド30L及び30Rの外端は左右の前輪34L及び34Rのキャリア(図示せず)に設けられたナックルアーム36L及び36Rに枢着されている。
よって、ステアリングホイール14の回転変位及び回転トルクは、ステアリングユニット12及び操舵機構20により、前輪34L及び34Rのキングピン軸(図示せず)の周りの揺動変位及び揺動トルクに変換されて前輪34L及び34Rへ伝達される。また、左右の前輪34L及び34Rが路面38から受けるキングピン軸の周りの揺動変位及び揺動トルクは、ステアリングユニット12及び操舵機構20により、ステアリングホイール14へそれぞれ回転変位及び回転トルクとして伝達される。
パワーステアリング装置10は、電動機42及び変換装置44を含むパワーステアリングユニット46を有している。図1には示されていないが、変換装置44は電動機42の回転軸に固定されたウオームギヤ及びアッパステアリングシャフト16に固定されたウオームホイールを含んでいる。電動機42の回転トルクは、変換装置44によってアッパステアリングシャフト16の回転トルクに変換され、アシストトルクとしてアッパステアリングシャフト16へ伝達される。よって、パワーステアリングユニット46は、アシストトルクをステアリングユニット12のアッパステアリングシャフト16に対し付与する。
また、パワーステアリング装置10は、電子制御装置50を有している。電子制御装置50は、電動機42の回転トルクを制御することにより、後に詳細に説明するように、アシストトルクを制御する制御装置として機能する。電子制御装置50には、アッパステアリングシャフト16に設けられた操舵角センサ52及びトルクセンサ54からそれぞれ操舵角θ及び操舵トルクTを示す信号が入力される。また、電子制御装置50には、車速センサ56から車速Vを示す信号も入力される。
なお、電子制御装置50は、CPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータを含み、ROMは後述の制御プログラム、マップなどを記憶していてよい。また、操舵角センサ52及びトルクセンサ54は、それぞれ車両の左旋回方向への操舵の場合を正として操舵角θ及び操舵トルクTを検出する。
電子制御装置50のマイクロコンピュータは、操舵角θ、操舵トルクT及び車速Vに基づいて図2及び図3に示されたフローチャートに従って、目標アシストトルクTatを演算し、目標アシストトルクTatに基づいてパワーステアリングユニット46を制御する。なお、図2に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオンであるときに、所定の時間毎に繰返し実行される。
まず、ステップ10においては、操舵角センサ52により検出された操舵角θを示す信号などが読み込まれる。ステップ20においては、操舵トルクT及び車速Vに基づいて、図5に示されたマップから、操舵トルクTの大きさが大きいほど大きくなると共に、車速Vが高いほど小さくなるよう、目標基本アシストトルクTabが演算される。
ステップ30においては、操舵角θの絶対値及び車速Vに基づいて、図6に示されたマップから、目標摩擦トルクTftが演算される。図6に示されているように、目標摩擦トルクTftは、操舵角θの絶対値が大きいほど大きくなると共に、車速Vが高いほど大きくなるよう演算される。
図10に示されているように、車速Vが第一の車速基準値Vc1(正の定数)よりも高いときには、操舵角θの絶対値が大きいほどセルフアライニングトルクTsatが大きくなる。よって、操舵角θの大きさが大きい領域における保舵力を低減し操舵の安定性を向上させるために、目標摩擦トルクTftは上述のように操舵角θの大きさが大きいほど大きい値に演算される。また、セルフアライニングトルクTsatは車速Vが高いほど大きくなる。よって、車速Vが高いほど中高速走行時に必要な保舵力を低減し操舵の安定性を向上させると共に、低速走行時における操舵抵抗を低減するために、目標摩擦トルクTftは上述のように車速Vが高いほど大きい値に演算される。
ステップ30が完了すると、制御はステップ70へ進み、ステップ70においては、図3に示されたフローチャートに従って目標操舵角θtが演算される。なお、目標操舵角θt及び後述の目標付加摩擦トルクTctも左旋回方向を正として演算される。
ステップ80においては、操舵角θ及び目標操舵角θtに基づいて、下記の式(1)に従って目標付加摩擦トルクTctが演算される。なお、下記の式(1)におけるゲインKは、正の値であり、ステップ70の目標操舵角θtの演算において使用されるゲインKと同一である(後述のステップ73の説明参照)。下記の式(1)から解るように、目標付加摩擦トルクTctの符号、即ちその作用方向は、操舵角θ及び目標操舵角θtの大小関係によって決定される。
Tct=K(θt−θ) …(1)
ステップ90においては、目標付加摩擦トルクTctがローパスフィルタ処理されることにより、高周波のノイズ成分が除去されたローパスフィルタ処理後の目標付加摩擦トルクTctfが演算される。
なお、以上のステップ10〜90による目標基本アシストトルクTab及びローパスフィルタ処理後の目標付加摩擦トルクTctfの演算について、必要ならば本願出願人の出願にかかる特開2009−126244号公報を参照されたい。
ステップ100においては、車速Vが第二の車速基準値Vc2(第一の車速基準値Vc1よりも小さい正の定数)以下であるか否かの判別が行われる。肯定判別が行われたときには、制御はステップ120へ進み、否定判別が行われたときには、制御はステップ110へ進む。
図10に示されているように、操舵角θの絶対値が操舵機構20によって許容される最大値θmaxであるときのセルフアライニングトルクTsatは、車速Vが低下するにつれて小さくなる。第二の車速基準値Vc2は、操舵角θの絶対値が最大値θmaxであるときにセルフアライニングトルクTsatが0になる車速である。よって、第二の車速基準値Vc2は、操舵角θの絶対値が増大するとセルフアライニングトルクTsatが負の値になる車速Vのうちの最大値として、例えば実験的に求められてよい。なお、セルフアライニングトルクTsatが負の値になる操舵角θの範囲は、車速Vが低いほど0に近い側へ拡張する。よって、基準値θc(車速Vが第二の車速基準値Vc2以下である場合に、セルフアライニングトルクTsatが0になる操舵角θ)は、車速Vが低いほど小さくなる。
ステップ110においては、図7に示された複数のマップから目標付加摩擦トルクTctを補正するためのゲインKtのマップが車速Vに応じて選択されると共に、操舵角θの絶対値に基づいてゲインKtが演算される。
ステップ120においては、図8に示された複数のマップから目標付加摩擦トルクTctを補正するためのゲインKtのマップが車速Vに応じて選択されると共に、操舵角θの絶対値に基づいてゲインKtが演算される。
なお、図8に示されたゲインKtは、後述の補正後の目標付加摩擦トルクTctfが、図10に示された負のセルフアライニングトルクTsatの符号反転値、即ち絶対値が同一で符号が正の値に転換された値と実質的に同一になるよう、例えば実験的に求められてよい。
ステップ130においては、補正後の目標付加摩擦トルクTctfaとゲインKtとの積Tctf・Ktとして補正後の目標付加摩擦トルクTctfaが演算される。
ステップ140においては、目標基本アシストトルクTabと補正後の目標付加摩擦トルクTctfaとの和Tab+Tctfaとして目標アシストトルクTatが演算される。
ステップ150においては、パワーステアリングユニット46のアシストトルクTaが目標アシストトルクTatになるよう、目標アシストトルクTatに基づいてパワーステアリングユニット46が制御される。
次に、図3に示されたフローチャートを参照して、上記ステップ70における目標操舵角θtの演算について更に説明する。
まず、ステップ71においては、目標操舵角θtの初期化が完了しているか否かの判別、即ち、今回が制御の初回であるか否かの判別が行われる。肯定判別が行われたときには、制御はステップ73へ進み、否定判別が行われたときには、制御はステップ72へ進む。
ステップ72においては、目標操舵角θtが現在の操舵角θに設定されることにより、目標操舵角θtの初期化が行われる。なお、目標操舵角θtの初期値は0であってもよい。
ステップ73においては、ステップ30において演算された目標摩擦トルクTftとゲインKとの積Tft・Kとして、偏差上限値Δが演算される。なお、目標摩擦トルクTft及びゲインKは正の値であるので、偏差上限値Δも正の値である。ゲインKは、操舵系の剛性などを考慮して決定される任意の固定値であってよい。ただし、ゲインKが、操舵系の最も剛性が低い部位(一般的には、アッパステアリングシャフト16に組み込まれるトーションバーの部分)の捩じり剛性よりも低い値である場合には、ステアリングホイール14を回転させても操舵輪の舵角を目標操舵角θtに対応する舵角にすることができない。よって、ゲインKは、操舵系の最も剛性が低い部位の捩じり剛性よりも高い値であることが好ましい。
ステップ74においては、操舵角θが目標操舵角θtと偏差上限値Δとの和θt+Δよりも大きいか否かの判別、即ち、目標操舵角θtの低減修正が必要であるか否かの判別が行われる。否定判別が行われたときには、制御はステップ76へ進み、肯定判別が行われたときには、ステップ75において目標操舵角θtが操舵角θから偏差上限値Δが減算された値θ−Δに修正される。
ステップ76おいては、操舵角θが目標操舵角θtと偏差上限値Δとの差θt−Δよりも小さいか否かの判別、即ち、目標操舵角θtの増大修正が必要であるか否かの判別が行われる。否定判別が行われたときには、制御はステップ80へ進み、肯定判別が行われたときには、制御はステップ77において目標操舵角θtが操舵角θに偏差上限値Δが加算された値θ+Δに修正される。
なお、以上の目標操舵角θtの演算についても、必要ならば上記特開2009−126244号公報を参照されたい。
以上の説明から解るように、ステップ20において、運転者の操舵負担を軽減するための基本制御量としての目標基本アシストトルクTabが演算され、ステップ30〜130において、操舵フィーリングを向上させるためのヒステリシス制御量としての補正後の目標付加摩擦トルクTctfaが演算される。更に、ステップ140において、目標基本アシストトルクTabと補正後の目標付加摩擦トルクTctfaとの和として目標アシストトルクTatが演算され、ステップ150において、目標アシストトルクTatに基づいてパワーステアリングユニット46が制御される。
特に、車速Vが基準値Vc2以下であり、セルフアライニングトルクTsatが負の値になる可能性がある状況においては、ステップ100において肯定判別が行われ、ステップ120において図8に示されたマップによりゲインKtが演算される。更に、ステップ130において補正後の目標付加摩擦トルクTctfがローパスフィルタ処理後の目標付加摩擦トルクTctfとゲインKtとの積Tctf・Ktとして演算される。
上述のように、図8に示されたゲインKtは、補正後の目標付加摩擦トルクTctfが、図10に示された負のセルフアライニングトルクTsatの符号反転値と実質的に同一になるよう、設定されている。よって、車速Vが基準値Vc2以下であり、操舵角θの絶対値が基準値θc以上の非常に大きい状況において、ステアリングホイール14を切り増し方向へ付勢する負のセルフアライニングトルクTsatに対抗する摩擦トルクを発生させることができる。従って、車速が非常に低く操舵角の大きさが非常に大きい状況において、セルフアライニングトルクが負の値になることに起因して切り増し操舵時の操舵反力が不足することを防止することができ、これにより従来に比して操舵フィーリングを向上させることができる。
例えば、図11において二点鎖線にて示されているように、車速Vが非常に低く操舵角θの絶対値が基準値θc以上の非常に大きい状況において、セルフアライニングトルクTsatが負の値になることに対応して、切り増し時の戻しトルクTreも負の値になる。換言すれば、戻しトルクTreが切り増し方向に作用する。よって、従来のパワーステアリング装置の場合には、矢印にて示された操舵に対し戻しトルクTreは破線にて示されているように変化する。
これに対し、第一の実施形態によれば、負のセルフアライニングトルクTsatが摩擦トルクによって相殺されるので、セルフアライニングトルクTsatが負の値になる領域における切り増し時の戻しトルクTreは0になる。換言すれば、戻しトルクTreが切り増し方向に作用することを回避することができる。なお、第一の実施形態の場合には、矢印にて示された操舵に対し戻しトルクTreは、例えば図11において実線にて示されているように変化する。
[第二の実施形態]
図4は、本発明によるパワーステアリング装置10の第二の実施形態におけるアシストトルク制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、図4において図2に示されたステップと同一のステップには、図2において付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
この第二の実施形態においては、ステップ20が完了すると、制御はステップ40へ進む。ステップ40においては、第一の実施形態のステップ100と同様に、車速Vが第二の基準値Vc2以下であるか否かの判別が行われる。肯定判別が行われたときには、制御はステップ60へ進み、否定判別が行われたときには、制御はステップ50へ進む。
ステップ50においては、車速Vに基づいて図6に示された複数のマップから目標摩擦トルクTftを演算するためのマップが選択されると共に、選択されたマップから操舵角θの絶対値に基づいて目標摩擦トルクTftが演算される。なお、この場合、車速Vは基準値Vc2よりも高いので、図6に示された複数のマップのうち低車速についてのマップは選択されない。
ステップ60においては、車速Vに基づいて図9に示された複数のマップから目標摩擦トルクTftを演算するためのマップが選択されると共に、選択されたマップから操舵角θの絶対値に基づいて目標摩擦トルクTftが演算される。なお、図9に示された複数のマップは、操舵角θの絶対値が基準値θcよりも大きい領域については、図10に示された負のセルフアライニングトルクTsatが正の値に符号反転された値に対応している。
ステップ70〜90及び150は、それぞれ第一の実施形態のステップ70〜90及び150と同様に実行され、ステップ90が完了すると制御はステップ140へ進む。
ステップ140においては、目標基本アシストトルクTabとローパスフィルタ処理後の目標付加摩擦トルクTctfとの和Tab+Tctfとして目標アシストトルクTatが演算される。
以上の説明より解るように、第二の実施形態によれば、ステップ20において、運転者の操舵負担を軽減するための基本制御量としての目標基本アシストトルクTabが演算される。ステップ40〜90において、操舵フィーリングを向上させるためのヒステリシス制御量としてのローパスフィルタ処理後の目標付加摩擦トルクTctfが演算される。更に、ステップ140において、目標基本アシストトルクTabとローパスフィルタ処理後の目標付加摩擦トルクTctfとの和として目標アシストトルクTatが演算され、ステップ150において、目標アシストトルクTatに基づいてパワーステアリングユニット46が制御される。
特に、車速Vが基準値Vc2以下であり、セルフアライニングトルクTsatが負の値になる可能性がある状況においては、ステップ40において肯定判別が行われ、ステップ60において図9に示されたマップより目標摩擦トルクTftが演算される。更に、ステップ70及び80において目標摩擦トルクTftに基づいて目標付加摩擦トルクTctが演算され、ステップ90において目標付加摩擦トルクTctfがローパスフィルタ処理されることにより、最終的な目標付加摩擦トルクTctfが演算される。
上述のように、図9に示された複数のマップは、操舵角θの絶対値が基準値θcよりも大きい領域については、図10に示された負のセルフアライニングトルクTsatが正の値に符号反転された値に対応している。よって、第一の実施形態の場合と同様に、車速Vが基準値Vc2以下であり、操舵角θの絶対値が基準値θc以上の非常に大きい状況において、ステアリングホイール14を切り増し方向へ付勢する負のセルフアライニングトルクTsatに対抗する摩擦トルクを発生させることができる。従って、車速が非常に低く操舵角の大きさが非常に大きい状況において、セルフアライニングトルクが負の値になることに起因して切り増し操舵時の操舵反力が不足することを防止することができ、これにより従来に比して操舵フィーリングを向上させることができる。
なお、第一及び第二の実施形態によれば、摩擦トルクが増大されることにより、切り戻し操舵時には操舵トルクTの大きさが大きくなる。しかし、操舵トルクTの大きさの増大に対応して目標基本アシストトルクTabの大きさが大きくなるので、切り戻し操舵時における運転者の操舵負担が過剰に増大することはない。
以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の実施形態においては、目標アシストトルクTatは、目標基本アシストトルクTabと摩擦制御量(第一の実施形態における補正後の目標付加摩擦トルクTctf、第二の実施形態におけるローパスフィルタ処理後の目標付加摩擦トルクTctf)との和として演算されるようになっている。しかし、目標アシストトルクTatは、摩擦制御量を含んでいる限り、操舵トルクの振動変化を減衰させるための減衰制御量及び/又はステアリングホイール14を中立位置へ戻すための戻し制御量を含む値として演算されてもよい。
10…パワーステアリング装置、12…ステアリングユニット、14…ステアリングホイール、20…操舵機構、46…パワーステアリングユニット、50…電子制御装置、52…操舵角センサ、54…トルクセンサ、56…車速センサ

Claims (1)

  1. 操舵角の大きさが増大するにつれて操舵輪に作用するセルフアライニングトルクが小さくなる範囲内にて、前記操舵角の大きさが増大するにつれて大きさが小さくなるように目標摩擦トルクを決定し、前記目標摩擦トルクに基づいてステアリングユニットに摩擦トルクを付与するパワーステアリング装置において、
    車速が、前記操舵角の大きさが基準値以上である場合にセルフアライニングトルクが負の値になる車速であるときには、前記操舵角の大きさが前記基準値以上の範囲内において増大するにつれて大きさが大きくなるように前記目標摩擦トルクを決定するように構成されたパワーステアリング装置。

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Cited By (2)

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GB2621362A (en) * 2022-08-09 2024-02-14 Zf Automotive Uk Ltd A dual motor assembly

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