本発明の例示的な実施形態が、添付の図面を参照して以下でより完全に説明されることとなり、添付の図面では、すべてではないが、いくつかの実施形態が示されている。実際には、本発明は、多くの異なる形態で具現化することが可能であり、本明細書で述べられている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきでない。むしろ、本開示が適用可能な法的要件を満足することとなるように、これらの実施形態は提供されている。同様の番号は、全体を通して同様のエレメントを表すことが可能である。
本発明の態様によれば、電力システム、発電プラント、および/または火力発電ユニットの性能を最適化するために使用され得るシステムおよび方法が開示されている。例示的な実施形態では、この最適化は、経済的な最適化を含み、経済的な最適化によって、発電プラントのオペレーターは、収益性を強化するために、代替的な動作のモードのいずれかを決定する。実施形態は、特定の電力システムの中で利用され得、給電プロセスの間の有利な経済的な起動停止計画を獲得する際に競争上の優位性を提供するようになっている。アドバイザー機能は、オペレーターが、正確な経済的比較および予想に基づいて動作モードのいずれかを選ぶことを可能にすることができる。別の特徴として、将来の発電期間のための燃料を見込みで購入するプロセスは、不足のリスクを増加させない状態で燃料在庫が最小化されるように改善され得る。本発明の他の構成は、下記に説明されているように、電力システム、および複数の火力発電ユニットを有する発電プラントをモデル化するためのコンピューター実装型の方法および装置を提供する。本発明のいくつかの構成の技術的効果は、様々な物理的な条件、動作条件、および/または経済的な条件の下での性能を予測するエネルギーシステムモデルの生成およびソリューションを含む。本発明の例示的な実施形態は、様々な周囲条件および動作条件の下での性能を予測する発電プラントモデルを、経済的な制約、目標、および市場条件を含む経済モデルと組み合わせ、収益性を最適化するようになっている。こうする際に、本発明の最適化システムは、周囲条件、動作条件、契約上の条件、規制上の条件、法的条件、ならびに/または、経済的な条件および市場条件の特定の組み合わせに関して、収益性を最大化する最適化された設定点を予測することが可能である。
図1は、本発明の態様、ならびに、実施形態が動作し得る例示的な環境を含む電力システム10の概略図を図示している。電力システム10は、たとえば、図示されている風力発電プラントおよび火力発電プラントなどのような、発電機またはプラント12を含むことが可能である。火力発電プラントは、ガスタービン、石炭燃焼蒸気タービン、および/またはコンバインドサイクルプラントなどのような発電ユニットを含むことが可能であるということが認識されることとなる。加えて、電力システム10は、太陽光発電設備、水力電源、地熱電源、原子力電源、および/または、現在知られているかもしくは今後発見される任意の他の適切な電源などのような、他のタイプの発電プラント(図示せず)を含むことが可能である。送電線14は、様々な発電プラント12を電力システム10の顧客または負荷16に接続することが可能である。送電線14は、電力システムのためのグリッドまたは配電ネットワークを表し、所望の通りにまたは必要に応じて、複数のセクションおよび/または変電所を含むことが可能であるということが理解されるべきである。発電プラント12から発生される電力は、送電線14を介して負荷16に送達させることが可能であり、負荷16は、たとえば、地方自治体用顧客、住宅用顧客、または企業用顧客を含むことが可能である。また、電力システム10は、貯蔵デバイス18を含むことが可能であり、貯蔵デバイス18は、送電線14に接続され、過剰発電の期間の間に、エネルギーを貯蔵するようになっている。
また、電力システム10は、コントロールシステムまたはコントローラー22、23、25を含み、コントロールシステムまたはコントローラー22、23、25は、電力システム10の中に含有されるコンポーネントのいくつかの動作を管理または制御する。たとえば、プラントコントローラー22は、発電プラント12のそれぞれの動作を制御することが可能である。負荷コントローラー23は、電力システム10の一部である異なる負荷16の動作を制御することが可能である。たとえば、負荷コントローラー23は、顧客の電力購入の様式またはタイミングを管理することが可能である。給電指令当局24は、電力システム10の動作の特定の態様を管理することが可能であり、また、電力システムコントローラー25を含むことが可能であり、電力システムコントローラー25は、経済給電手順を制御し、経済給電手順によって、負荷起動停止計画が、参加発電プラントの間で分配される。コントローラー22、23、25は、長方形ブロックによって表されており、コントローラー22、23、25は、通信回線または通信接続21を介して、通信ネットワーク20に接続され得、通信ネットワーク20によって、データが交換される。接続21は、有線または無線とすることが可能である。通信ネットワーク20は、インターネットまたはプライベートコンピューターネットワークなどのような、より大規模な通信システムまたはネットワークに接続されるか、またはその一部であることが可能であるということが認識されることとなる。加えて、コントローラー22、23、25は、通信ネットワーク20を通して、データライブラリーおよびデータリソースから、情報、データ、およびインストラクションを受け取り、かつ/もしくは、データライブラリーおよびデータリソースへ、情報、データ、およびインストラクションを送ることが可能であり、データライブラリーおよびデータリソースは、本明細書で一般的に「データリソース26」と称することが可能であり、または、代替的に、1つまたは複数のそのようなデータリポジトリーをローカルで貯蔵もしくは収容することが可能である。データリソース26は、それに限定されないが、市場データ、動作データ、および周囲データを含む、いくつかのタイプのデータを含むことが可能である。市場データは、エネルギー販売価格、燃料コスト、人件コスト、規制などのような、市場条件に関する情報を含む。動作データは、発電プラントの中の温度または圧力の測定値、空気流量、燃料流量などのような、発電プラントまたはその発電ユニットの動作条件に関連する情報を含む。周囲データは、周囲空気温度、湿度、および/または圧力などのような、プラントにおける周囲条件に関連した情報を含む。市場データ、動作データ、および周囲データは、履歴記録、現在の条件データ、および/または、予想に関連するデータをそれぞれ含むことが可能である。たとえば、データリソース26は、現在のおよび予想の気象/気候情報、現在のおよび予想の市場条件、発電プラントの動作についての使用状況および性能の履歴記録、および/または、同様のコンポーネントおよび/または構成を有する他の発電プラントの動作に関して測定されたパラメーター、ならびに、必要に応じたおよび/または所望の通りの他のデータを含むことが可能である。動作時に、たとえば、給電指令当局24の電力システムコントローラー25は、電力システム10の中の他のコントローラー22、23からデータを受け取り、かつ電力システム10の中の他のコントローラー22、23にインストラクションを発行することが可能である。次いで、プラントコントローラーおよび負荷コントローラーのそれぞれは、それが担当するシステムコンポーネントを制御し、かつシステムコンポーネントについての情報を電力システムコントローラー25へ中継し、かつ電力システムコントローラー25からインストラクションを受け取る。
図2は、本発明による発電プラントの中で使用され得る例示的な火力発電ユニット、すなわち、ガスタービンシステム30の概略ダイアグラムである。図示されているように、ガスタービンシステム30は、圧縮機32、燃焼器34、および、圧縮機32に駆動可能に連結されているタービン36、ならびに、コンポーネントコントローラー31を含む。コンポーネントコントローラー31は、プラントコントローラー22に接続することが可能であり、プラントコントローラー22は、オペレーター39からの通信を受け取るためのユーザー入力デバイスに接続することが可能である。代替的に、コンポーネントコントローラー31とプラントコントローラー22を組み合わせ、単一のコントローラーとすることが可能であるということが認識されることとなる。吸気ダクト40は、周囲空気を圧縮機32へ導く。図3で議論されているように、注入される水および/または他の加湿剤が、吸気ダクト40を通して圧縮機へ導かれ得る。吸気ダクト40は、吸気ダクト40を通って圧縮機32の入口ガイドベーン41の中へ流入する周囲空気の圧力損失に寄与するフィルター、スクリーン、および吸音デバイスを有することが可能である。排気ダクト42は、たとえば、排出制御および吸音デバイスを通して、タービン36の出口から燃焼ガスを導く。吸音材料および排出制御デバイスは、タービン36に背圧を加えることが可能である。タービン36は、電力を作り出す発電機44を駆動することが可能であり、電力は、次いで、送電線14を介して電力システム10を通して分配され得る。
ガスタービンシステム30の動作は、いくつかのセンサー46によって監視することが可能であり、いくつかのセンサー46は、ガスタービンシステム30の全体を通して様々な動作条件または動作パラメーターを検出し、それは、たとえば、圧縮機32、燃焼器34、タービン36、発電機44、および周囲環境33の中の条件を含む。たとえば、温度センサー46は、周囲温度、圧縮機吐出温度、タービン排気温度、および、ガスタービンシステム30の流路の中の他の温度を監視することが可能である。同様に、圧力センサー46は、周囲圧力、圧縮機入口、圧縮機出口、タービン排気、および、ガスタービンシステムの中の他の適切な場所における静圧および動圧レベルを監視することが可能である。湿球温度計および乾球温度計などのような、湿度センサー46は、圧縮機の吸気ダクトの中の周囲湿度を測定することが可能である。また、センサー46は、フローセンサー、速度センサー、火炎検出器センサー、バルブ位置センサー、ガイドベーン角度センサー、および、ガスタービンシステム30の動作に関する様々な動作パラメーターおよび動作条件を測定するために典型的に使用される他のセンサーを含むことが可能である。本明細書で使用されているように、「パラメーター」という用語は、ガスタービンシステム30または本明細書で説明されている他の発電システムなどのような、システムの中の動作条件を定義するために使用され得る、動作の測定可能な物理的特性を表している。動作パラメーターは、作動流体の経路に沿って定義される場所における温度、圧力、湿度、およびガスフロー特性、ならびに、周囲条件、燃料特性、および、制限なく適切であり得るような他の測定可能な特性を含むことが可能である。また、コントロールシステム31は、いくつかのアクチュエーター47を含み、アクチュエーター47によって、コントロールシステム31は、ガスタービンシステム30の動作を機械的に制御するということが認識されることとなる。アクチュエーター47は、所望の動作の結果またはモードにしたがって、プロセス出力(すなわち、制御された変数)の制御のための特定のプロセス入力(すなわち、操作される変数)の操作を可能にする、可変の設定点または設定値を有する電気機械的なデバイスを含むことが可能である。たとえば、コンポーネントコントローラー31によって発生させられるコマンドは、タービンシステム30の中の1つまたは複数のアクチュエーター47が、フローレベル、燃料スプリット、および/または、燃焼される燃料のタイプを調整する、燃料供給部と燃焼器34との間のバルブを調節することを引き起こすことが可能である。別の例として、コントロールシステム31によって発生させられるコマンドは、1つまたは複数のアクチュエーターが、入口ガイドベーンの配向角度を変更する入口ガイドベーン設定を調節することを引き起こすことが可能である。
コンポーネントコントローラー31は、プロセッサーを有するコンピューターシステムであることが可能であり、プロセッサーは、センサー測定値、および、ユーザーまたはプラントオペレーター(以降では、「オペレーター39」)からのインストラクションを使用して、ガスタービンシステム30の動作を制御するようにプログラムコードを実行する。より詳細に以下に議論されているように、コントローラー31によって実行されるソフトウェアは、本明細書で説明されているサブシステムのいずれかを調整するためのスケジューリングアルゴリズムを含むことが可能である。コンポーネントコントローラー31は、そのデジタルメモリーの中に記憶されているアルゴリズムに部分的に基づいて、ガスタービンシステム30を調整することが可能である。これらのアルゴリズムは、たとえば、コンポーネントコントローラー31が、タービン排気の中のNOxおよびCO排出量を、ある所定の排出制限値の中に維持することを可能にし、または、別の場合では、燃焼器燃焼温度を所定の制限値の中に維持することを可能にし得る。アルゴリズムは、圧縮機圧力比、周囲湿度、入口圧力損失、タービン排気背圧などのようなパラメーター変数、ならびに、任意の他の適切なパラメーターのための入力を含むことが可能であるということが認識されることとなる。コンポーネントコントローラー31によって実行されるスケジュールおよびアルゴリズムは、周囲条件の変化に適応しており、周囲条件は、全負荷および部分負荷の動作条件などにおける排出量、燃焼器ダイナミックス、燃焼温度制限値に影響を及ぼす。より詳細に以下に議論されているように、コンポーネントコントローラー31は、ガスタービンシステムの操作性限界を遵守しながら性能目標を満足させる目標を持って、所望のタービン排気温度および燃焼器燃料スプリットを設定するものなどのような、ガスタービンをスケジューリングするためのアルゴリズムを適用することが可能である。たとえば、コンポーネントコントローラー31は、部分負荷動作の間の燃焼器温度上昇およびNOxを決定することが可能であり、動作マージンを燃焼ダイナミックス限界まで増加させ、それによって、発電ユニットの操作性、信頼性、および稼働性を改善するようになっている。
図3を見てみると、本発明の態様による複数の発電ユニットまたはプラントコンポーネント49を有する例示的な発電プラント12の概略ダイアグラムが提供されている。図3の図示されている発電プラント12は、共通の構成であり、したがって、以下に提示されている本発明の例示的な実施形態のいくつかを議論するために使用されることとなる。しかし、認識されることとなるように、本明細書で説明されている方法およびシステムは、図3に示されている発電ユニットよりも多くの発電ユニットを有する発電プラントに、より広く適用可能および拡張可能である可能性があり、一方、図2に図示されているものなどのような単一の発電コンポーネントを有する発電プラントにも依然として適用可能である。図3の発電プラント12は、コンバインドサイクルプラントであり、コンバインドサイクルプラントは、ガスタービンシステム30および蒸気タービンシステム50を含む、いくつかのプラントコンポーネント49を含むということが認識されることとなる。発電は、吸気コンディショニングシステム51、および/または、ダクトファイアリングシステムを有する熱回収蒸気発生器(以降では、「HRSGダクトファイアリングシステム52」)などのような、他のプラントコンポーネント49によって増強され得る。ガスタービンシステム30、HRSGダクトファイアリングシステム52を含む蒸気タービンシステム50、および吸気コンディショニングシステム51のそれぞれは、それぞれのプラントコンポーネントに専用のセンサー46およびアクチュエーター47と電子的に通信するコントロールシステムまたはコンポーネントコントローラー31を含むということが認識されることとなる。本明細書で使用されているように、吸気コンディショニングシステム51は、別段の記述がない限り、圧縮機に進入する前の空気をコンディショニングするために使用されるコンポーネントを表すことが可能であり、それは、吸気チリングシステムすなわちチラー、蒸発器、噴霧器、注水システム、および/または、いくつかの代替的なケースでは、加熱エレメントを含むことが可能である。
動作時に、吸気コンディショニングシステム51は、ガスタービンシステム30に進入する空気を冷却し、ユニットの発電能力を強化するようになっている。HRSGダクトファイアリングシステム52は、燃料を燃やし、追加的な熱を提供し、タービン53を通して膨張させられる蒸気の供給を増加させるようになっている。このように、HRSGダクトファイアリングシステム52は、ガスタービンシステムからの高温排気ガス55によって供給されるエネルギーを増強し、それによって、蒸気タービンシステムの発電能力を増加させる。
例示的な動作として、図3の発電プラント12は、燃焼のために燃料のフローをガスタービンシステム30の燃焼器34へ方向付けする。タービン36は、燃焼ガスによって動力を与えられ、圧縮機32および発電機44を駆動し、発電機44は、電力システム10の送電線14へ電気エネルギーを送達する。ガスタービンシステム30のコンポーネントコントローラー31は、燃料流量に関するガスタービンシステムのためのコマンドを設定し、かつ空気入口温度、湿度、電力出力、シャフト速度、および、排気ガスの温度などのような、ガスタービンシステムからセンサーデータを受け取ることが可能である。また、コンポーネントコントローラー31は、圧力センサーおよび温度センサー、フロー制御デバイス、ならびに、ガスタービンシステムの動作を監視する他のデバイスから、他の動作データを収集することが可能である。コンポーネントコントローラー31は、ガスタービンシステムの動作に関するデータを送り、かつプロセス入力を制御するアクチュエーターのための設定点に関するインストラクションをプラントコントローラー22から受け取ることが可能である。
特定の動作のモードの間に、ガスタービンシステム30に進入する空気は、吸気コンディショニングシステム51によって冷却され、または別の方法でコンディショニングされ得、ガスタービンシステムの発電能力を増強するようになっている。吸気コンディショニングシステム51は、冷却水のための冷蔵(refrigeration)システム65と、吸気コンディショニングシステム51の動作を制御するコンポーネントコントローラー31とを含むことが可能である。この場合には、コンポーネントコントローラー31は、冷却水の温度に関する情報、ならびに、所望の注入のレベルに関するインストラクションを受け取ることが可能であり、インストラクションは、プラントコントローラー22から来ることが可能である。また、吸気コンディショニングシステム51のコンポーネントコントローラー31は、冷蔵システム65が特定の温度および流量を有する冷却水を作り出すことを引き起こすコマンドを発行することが可能である。吸気コンディショニングシステム51のコンポーネントコントローラー31は、吸気コンディショニングシステム51の動作に関するデータを送ることが可能である。
蒸気タービンシステム50は、タービン53およびHRSGダクトファイアリングシステム52、ならびに、図示されているように、蒸気タービンシステム50の動作の制御に専用のコンポーネントコントローラー31を含むことが可能である。ガスタービンシステム30の排気ダクトからの高温排気ガス55は、蒸気タービンシステム50の中へ方向付けされ、蒸気を作り出すことが可能であり、蒸気は、タービン53を通して膨張させられる。認識されることとなるように、HRSGダクトファイアリングシステムは、蒸気の生産のための追加的なエネルギーを提供するために常時使用され、蒸気タービンシステムの発電能力を増加させるようになっている。蒸気によってタービン53の中に誘発される回転は、発電機44を駆動し、電気エネルギーを作り出すようになっており、次いで、電気エネルギーは、送電線14を横切って電力システム10の中で販売されるということが認識されることとなる。蒸気タービンシステム50のコンポーネントコントローラー31は、ダクトファイアリングデバイス52によって燃やされる燃料の流量を設定し、それによって、排気ガス55単独で作り出され得る量を超えて、蒸気の発生を増加させることが可能である。蒸気タービンシステム50のコンポーネントコントローラー31は、プラントコンポーネント49の動作に関するデータを送り、蒸気タービンシステム50がどのように動作するべきかということに関するインストラクションをそのデータから受け取ることが可能である。
図3のプラントコントローラー22は、図示されているように、コンポーネントコントローラー31のそれぞれに接続され、これらの接続を介して、いくつかのプラントコンポーネント49のセンサー46およびアクチュエーター47と通信することが可能である。発電プラント12を制御することの一部として、プラントコントローラー22は、発電プラント12の動作をシミュレートすることが可能である。より具体的には、プラントコントローラー22は、デジタルモデル(または、単に「モデル」)を含み、または、デジタルモデルと通信することが可能であり、モデルは、それぞれのプラントコンポーネント49の動作をシミュレートする。モデルは、プロセス入力変数をプロセス出力変数に相関させるアルゴリズムを含むことが可能である。アルゴリズムは、インストラクション、ロジック、数学的公式、機能的関係の記述、スケジュール、データ収集などのセットを含むことが可能である。この場合には、プラントコントローラー22は、ガスタービンシステム30の動作をモデル化するガスタービンモデル60と、吸気コンディショニングシステム51の動作をモデル化する吸気コンディショニングシステムモデル61と、蒸気タービンシステム50およびHRSGダクトファイアリングシステム52の動作をモデル化する蒸気タービンモデル62とを含む。一般的な注釈として、システムおよびその関連のモデル、ならびに、本明細書で提供される方法の別個のステップは、本発明の範囲から実質的に逸脱することなく、様々な方式で細分化され、かつ/または、組み合わせられ得るということ、および、それぞれが説明される様式は、別段の記述または請求がない限り、例示的なものであるということが認識されることとなる。これらのモデルを使用して、プラントコントローラー22は、たとえば、熱力学的性能または動作を記述するパラメーターなど、発電プラント12の動作をシミュレートすることが可能である。
次いで、プラントコントローラー22は、シミュレーションからの結果を使用することが可能であり、最適化された動作モードを決定するようになっている。そのような最適化された動作モードは、パラメーターセットによって記述され得、パラメーターセットは、複数の動作パラメーターおよび/もしくはアクチュエーターのための設定点、ならびに/または他の動作条件を含む。本明細書で使用されているように、最適化された動作モードは、最低でも、定義された基準または性能指標による少なくとも1つの代替的な動作モードよりも好ましい動作モードであり、定義された基準または性能指標は、プラント動作を評価するためにオペレーターによって選択され得る。より具体的には、最適化された動作モードは、本明細書で使用されているように、またプラントモデルによってシミュレートされた1つまたは複数の他の可能性のある動作モードよりも好ましいものとして評価される動作モードである。最適化された動作モードは、発電プラントがそれぞれの動作モードの下で動作することをモデルがどのように予測するかということを評価することによって決定される。以下に議論されているように、オプティマイザー64、たとえば、デジタルソフトウェア最適化プログラムは、様々なパラメーターセットにしたがってデジタル発電プラントモデルを走らせ、次いで、結果を評価することによって、好ましいまたは最適化された動作のモードを特定することが可能である。設定点の変化は、分析のために選ばれた設定点の周りで適用される摂動によって発生させられ得る。これらは、履歴動作に部分的に基づくことが可能である。最適化された動作モードは、1つまたは複数の定義されたコスト関数に基づいて、オプティマイザー64によって決定され得るということが認識されることとなる。そのようなコスト関数は、たとえば、電力を作り出すコスト、収益性、効率、または、オペレーター39によって定義されるようないくつかの他の基準を考慮することが可能である。
コストおよび収益性を決定するために、プラントコントローラー22は、経済モデル63を含み、または、経済モデル63と通信することが可能であり、経済モデル63は、たとえば、ガスタービンシステム、吸気コンディショニングシステム、およびHRSGダクトファイアリングシステムで使用される燃料のコストなど、電力の価格および特定の他の可変コストを追跡する。経済モデル63は、プラントコントローラー22によって使用されるデータを提供し、提案される設定点(すなわち、選ばれた設定点であり、それについての動作が、最適化された設定点を決定するためにモデル化される)のうちのどれが最小生産コストまたは最大収益性を表すかということを判断することが可能である。他の実施形態によれば、より詳細に図4で議論されているように、プラントコントローラー22のオプティマイザー64は、カルマンフィルターなどのようなフィルターを含み、または、そのようなフィルターとともに動作し、デジタルモデルをチューニング、調節、および較正することを支援することが可能であり、モデルが、発電プラント12の動作を正確にシミュレートするようになっている。以下に議論されているように、モデルは、動的モデルとすることが可能であり、動的モデルは、学習モードを含み、学習モードでは、実際の動作(すなわち、発電プラント12の実際の動作を反映する測定された動作パラメーターに関する値)と予測される動作(すなわち、モデルが予測した同じ動作パラメーターに関する値)との間で行われる比較を介して、モデルがチューニングされ、または照合調整される(reconciled)。また、コントロールシステムの一部として、フィルターは、リアルタイムで、または、たとえば、数分ごともしくは1時間ごと、または指定通りになど、ほぼリアルタイムで、モデルを調節または較正するために使用され得る。
プラントコントローラー22によって発生させられる最適化された設定点は、推奨される動作のモードを表し、たとえば、ガスタービンシステムのための燃料設定および空気設定、吸気コンディショニングシステムのための温度および水質量流量、蒸気タービンシステム50の中でのダクトファイアリングのレベルを含むことが可能である。特定の実施形態によれば、これらの示唆される動作設定点は、コンピューターディスプレイスクリーン、プリンター、またはサウンドスピーカーなどのような、インターフェースデバイスを介して、オペレーター39に提供され得る。最適化された設定点を知ることによって、オペレーターは、次いで、プラントコントローラー22および/またはコンポーネントコントローラー31の中へ設定点を入力することが可能であり、プラントコントローラー22および/またはコンポーネントコントローラー31は、次いで、推奨される動作のモードを実現するための制御情報を発生させる。最適化された設定点が、動作モードを実現するための特定の制御情報を含まないような実施形態では、コンポーネントコントローラーが、このために必要な制御情報を提供することが可能であり、より詳細に以下に議論されているように、コンポーネントコントローラーは、次の最適化サイクルまで、推奨される動作モードにしたがって、クローズドループの様式でプラントコンポーネントを制御し続けることが可能である。また、オペレーターの選択に応じて、プラントコントローラー22は、オペレーターの関与なしで、最適化された設定点を直接的にまたは自動的に実装することが可能である。
例示的な動作として、図3の発電プラント12は、燃焼のためにガスタービンシステム30の燃焼器34へ燃料のフローを方向付けする。タービン36は、燃焼ガスによって動力を与えられ、圧縮機32および発電機44を駆動し、圧縮機32および発電機44は、電力システム10の送電線14へ電気エネルギーを送達する。コンポーネントコントローラー31は、燃料流量に関するガスタービンシステム30のためのコマンドを設定し、かつ空気入口温度および湿度、電力出力、シャフト速度、ならびに、排気ガスの温度などのような、ガスタービンシステム30からのセンサーデータを受け取ることが可能である。また、コンポーネントコントローラー31は、圧力センサーおよび温度センサー、フロー制御デバイス、ならびに、ガスタービンシステム30を監視する他のデバイスから、他の動作データを収集することが可能である。ガスタービンシステム30のコンポーネントコントローラー31は、システムの動作に関するデータを送り、かつプロセス入力を制御するアクチュエーターのための設定点に関するインストラクションをプラントコントローラー22から受け取ることが可能である。
特定の動作のモードの間に、ガスタービンシステム30に進入する空気は、吸気コンディショニングシステム51から入口空気ダクト40に供給される冷水によって冷却され得る。ガスタービンに進入する空気を冷却することは、電力を発生させるためのガスタービンエンジンの能力を増強するために行われ得るということが認識されることとなる。吸気コンディショニングシステム51は、冷却水のための冷蔵システムまたは冷蔵器65と、コンポーネントコントローラー31とを含むことが可能である。この場合には、コンポーネントコントローラー31は、冷却水の温度に関する情報、および、取り入れ空気の所望の冷却に関するコマンドを受け取る。これらのコマンドは、プラントコントローラー22から来ることが可能である。また、吸気コンディショニングシステム51のコンポーネントコントローラー31は、冷蔵システム65が特定の温度および流量を有する冷却水を作り出すことを引き起こすコマンドを発行することが可能である。吸気コンディショニングシステム51のコンポーネントコントローラー31は、吸気コンディショニングシステム51の動作に関するデータを送り、かつコントローラー22からインストラクションを受け取ることが可能である。
蒸気タービンシステム50は、ダクトファイアリングデバイスを備えるHRSG52、蒸気タービン53、および、蒸気タービンシステム50の動作に専用であり得るコンポーネントコントローラー31を含むことが可能である。ガスタービンシステム30の排気ダクト42からの高温排気ガス55は、蒸気タービンシステム50の中へ方向付けされ、蒸気タービンシステム50を駆動する蒸気を作り出す。HRSGダクトファイアリングシステム52は、追加的な熱エネルギーを提供するために使用され、蒸気を作り出すことが可能であり、蒸気タービンシステム50の発電能力を増加させるようになっている。蒸気タービン53は、発電機44を駆動し、電気エネルギーを作り出し、電気エネルギーは、送電線14を介して電力システム10に送達される。蒸気タービンシステム50のコンポーネントコントローラー31は、ダクトファイアリングデバイス52によって燃やされる燃料の流量を設定することが可能である。ダクトファイアリングデバイスによって発生させられる熱は、タービン36単独からの排気ガス55によって作り出される量を超えて、蒸気の発生を増加させる。蒸気タービンシステム50のコンポーネントコントローラー31は、システムの動作に関するデータを送り、かつプラントコントローラー22からのインストラクションを受け取ることが可能である。
プラントコントローラー22は、オペレーター39およびデータリソース26と通信し、たとえば、送達される電力に関する価格および需要などのような市場条件についてのデータを受け取ることが可能である。特定の実施形態によれば、プラントコントローラー22は、ガスタービンシステム30、吸気コンディショニングシステム51、および蒸気タービンシステム50に対する所望の動作設定点に関するオペレーター39への推奨を発行する。プラントコントローラー22は、発電プラント12のコンポーネントおよびサブシステムの動作についてのデータを受け取り、記憶することが可能である。プラントコントローラー22は、プロセッサーと、データ、デジタルモデル60、61、62、63、オプティマイザー64、および、他のコンピュータープログラムを記憶するメモリーとを有する、コンピューターシステムであることが可能である。コンピューターシステムは、単一の物理的なまたは仮想的なコンピューティングデバイスの中に具現化されるか、または、ローカルのまたはリモートのコンピューティングデバイスにわたって分散され得る。デジタルモデル60、61、62、63は、システムのそれぞれの動作パラメーターに関係する、たとえば、伝達関数などのアルゴリズムのセットとして具現化され得る。モデルは、物理学に基づく空気熱力学的コンピューターモデル、回帰適合モデル、または、他の適切なコンピューター実装型モデルを含むことが可能である。好適な実施形態によれば、モデル60、61、62、63は、定期的に、自動的に、および、リアルタイムで、またはほぼリアルタイムで、チューニングされ、調節され、もしくは較正され、または、予測される動作と実際の動作の測定されたパラメーターとの間の進行中の比較にしたがってチューニングされ得る。モデル60、61、62、63は、フィルターを含むことが可能であり、フィルターは、コンバインドサイクル発電プラントの実際の物理的なおよび熱力学的な動作条件に関するデータ入力を受け取る。これらのデータ入力は、発電プラント12の動作の間に、リアルタイムで、または、5分ごと、15分ごと、1時間ごと、1日ごとなど周期的に、フィルターに供給され得る。データ入力は、デジタルモデル60、61、62、63によって予測されるデータと比較され得、比較に基づいて、モデルは、連続的に改良され得る。
図4は、プラントコントローラー22の概略システム構成を図示しており、プラントコントローラー22は、本発明の態様による、フィルター70、人工ニューラルネットワーク構成71(「ニューラルネットワーク71」)、およびオプティマイザー64を含む。フィルター70は、たとえば、カルマンフィルターであることが可能であり、フィルター70は、発電プラント12のセンサー46からの測定された動作パラメーターの実際のデータ72を、発電プラント12の動作をシミュレートする、モデル60、61、62、63およびニューラルネットワーク71によって予測される同じ動作パラメーターのデータ73と比較することが可能である。次いで、実際のデータと予測されるデータとの間の相違が、フィルター70によって使用され、ニューラルネットワーク71およびデジタルモデルによってシミュレートされた発電プラントのモデルをチューニングすることが可能である。
本発明の特定の態様は、ニューラルネットワークベースのモデルの形態のモデルを参照して本明細書で説明されているが、本発明は、それらに限定されないが、物理学に基づくモデル、データ駆動型モデル、経験的に開発されたモデル、ヒューリスティクスに基づくモデル、サポートベクトルマシンモデル、線形回帰によって開発されたモデル、「第1の原理」の知識を使用して開発されたモデルなどを含む、他のタイプのモデルを使用して実装され得るということが予期されるということが理解されるべきである。追加的に、操作される変数/外乱変数と制御される変数との間の関係を適正に取り込むために、特定の好適な実施形態によれば、発電プラントモデルは、以下の特性のうちの1つまたは複数を有することが可能である。1)非直線性(非直線モデルは、操作される変数/外乱変数と制御される変数との間の、直線ではなくむしろ曲線の関係を表すことができる);2)複数の入力/複数の出力(モデルは、複数の入力(操作される変数および外乱変数)と複数の出力(制御される変数)との間の関係を取り込むことができる);3)動的であるということ(入力の変化が、瞬間的に出力に影響を及ぼすのではなく、むしろ、時間遅延が存在することが可能であり、時間遅延に続いて、変化に対する動的応答が起こり、たとえば、入力の変化がシステムにわたって十分に伝播するのに数分を要することが可能である。最適化システムは、所定の頻度で実行するので、モデルは、これらの経時的な変化の効果を表し、それを考慮に入れなければならない);4)適応的であるということ(モデルは、それぞれの最適化の開始時に更新され、現在の動作条件を反映することが可能である);および5)経験的データから導出されるということ(それぞれの発電プラントは固有であるので、モデルは、発電ユニットから得られる経験的データから導出され得る)。先述の要件を前提とすると、ニューラルネットワークベースのアプローチが、必要なプラントモデルを実装するのに好適な技術である。ニューラルネットワークは、高度な回帰アルゴリズムを使用して、経験的データに基づいて開発され得る。認識されることとなるように、ニューラルネットワークは、発電プラントコンポーネントの動作において一般に示される非直線性を取り込むことができる。また、ニューラルネットワークは、複数の入力および出力を備えるシステムを表すために使用され得る。加えて、ニューラルネットワークは、フィードバックバイアスまたはオンライン適応的学習のいずれかを使用して更新され得る。また、動的モデルは、ニューラルネットワークベースの構造の中に実装され得る。様々な異なるタイプのモデルアーキテクチャーが、動的ニューラルネットワークの実装形態に関して使用されてきた。ニューラルネットワークモデルアーキテクチャーの多くが、動的ニューラルネットワークを上手く訓練するために大量のデータを必要とする。ロバストな発電プラントモデルを前提とすると、操作される変数の変化が制御される変数に与える効果を算出することが可能である。そのうえ、プラントモデルは動的であるので、将来の計画対象期間にわたって、操作される変数の変化の効果を算出することが可能である。
フィルター70は、デジタルモデルおよびニューラルネットワークの入力または出力に適用される性能乗数を発生させることが可能であり、または、論理ユニットに適用される重み付け、および、デジタルモデルおよびニューラルネットワークによって使用されるアルゴリズムを修正することが可能である。フィルターによるこれらの作用は、実際の条件データと予測されるデータとの間の相違を低減させる。フィルターは、相違をさらに低減し、または起こり得る変動に対処するように動作し続ける。例として、フィルター70は、ガスタービンの中の圧縮機吐出圧力および温度、ガスタービンおよび蒸気タービンの効率、ガスタービンシステム、吸気コンディショニングシステム、およびHRSGダクトファイアリングシステムへの燃料のフロー、ならびに/または、他の適切なパラメーターに関する予測されたデータのための性能乗数を発生させることが可能である。動作データのこれらのカテゴリーは、経時的な性能の劣化を受ける動作パラメーターを反映するということが認識されることとなる。これらのタイプのデータのための性能乗数を提供することによって、フィルター70は、モデルおよびニューラルネットワークを調節し、発電プラントの性能の劣化を考慮する際に、とりわけ有用である可能性がある。
図4に図示されているように、本発明の特定の実施形態によれば、図3の発電プラントのいくつかのプラントコンポーネント49のデジタルモデル60、61、62、63のそれぞれは、アルゴリズムを含み、アルゴリズムは、いくつかのグラフによって表されており、グラフは、対応するシステムをモデル化するために使用される。モデルは、ニューラルネットワーク71と相互作用および通信し、そうする際に、ニューラルネットワーク71は、コンバインドサイクル発電プラント12の全体のモデルを形成するということが認識されることとなる。このように、ニューラルネットワークは、プラントの熱力学的および経済的な動作をシミュレートする。図4において実線の矢印によって示されているように、ニューラルネットワーク71は、モデル60、61、62、63によって出力されるデータを収集し、かつ、デジタルモデルによって入力として使用されることとなるデータを提供する。
また、図4のプラントコントローラー22は、コンピュータープログラムなどのようなオプティマイザー64を含み、オプティマイザー64は、ニューラルネットワーク71と相互作用し、ガスタービンシステム、吸気コンディショニングシステム、蒸気タービンシステム、およびHRSGダクトファイアリングシステムに関する最適な設定点を探索し、定義された性能目標を実現する。性能目標は、たとえば、発電プラントの収益性を最大化することとすることが可能である。オプティマイザー64は、ニューラルネットワーク71が様々な動作設定点においてデジタルモデル60、61、62、63を走らせることを引き起こすことが可能である。オプティマイザー64は、摂動アルゴリズムを有することが可能であり、摂動アルゴリズムは、モデルの動作設定点を変化させることを支援する。摂動アルゴリズムは、デジタルモデルおよびニューラルネットワークによって提供されるコンバインドサイクル発電プラントのシミュレーションが、プラントに関する現在の動作設定点とは異なる設定点において動作することを引き起こす。異なる設定点における発電プラントの動作をシミュレートすることによって、オプティマイザー64は、より経済的にプラントが動作することを引き起こすこととなる動作設定点、または、オペレーター39によって定義され得るいくつかの他の基準によって性能を改善することとなる動作設定点を探索する。
例示的な実施形態によれば、経済モデル63は、どの設定点が最も高収益となるかということを決定するためにオプティマイザー64によって使用されるデータを提供する。経済モデル63は、たとえば、1年の各シーズンの間などのような期間にわたって燃料のコストを相関させるチャート630などのような、フォーマットされた燃料コストデータを受け取り、記憶することが可能である。別のチャート631は、1日、1週間、または1カ月の異なる時間における電力に対して受け取られる価格を相関させることが可能である。経済モデル63は、電力に対して受け取られる価格、および、電力を作り出すために使用される燃料のコスト(ガスタービン燃料、ダクトファイアリング燃料、および吸気コンディショニングシステム燃料)に関するデータを提供することが可能である。経済モデル63からのデータは、オペレーターによって定義された性能目標にしたがって、発電プラントの動作状態のそれぞれを評価するために、オプティマイザー64によって使用され得る。オプティマイザー64は、オペレーター39によって定義されるような性能目標を前提として、発電プラント12の動作状態のうちのどれが最適である(それは、本明細書で使用されているように、代替的な動作状態よりも少なくとも好ましいということを意味している)かということを特定することが可能である。説明されているように、デジタルモデルは、ガスタービンシステム、吸気コンディショニングシステム、または蒸気タービンシステムの熱力学的動作をモデル化するなど、発電プラント12のプラントコンポーネント49の動作をシミュレートするために使用され得る。モデルは、数学的方程式およびルックアップテーブルなどのような、アルゴリズムを含むことが可能であり、アルゴリズムは、ローカルで記憶され、周期的に更新され、または、データリソース26を介してリモートで取得され得、それは、特定の入力条件に対するプラントコンポーネント49の応答をシミュレートする。そのようなルックアップテーブルは、リモートの発電プラント設備において動作するコンポーネントの同じタイプの動作を記述する測定された動作パラメーターを含むことが可能である。
ガスタービンシステム30の熱モデル60は、たとえば、入口空気の温度の影響を電力出力に相関させるアルゴリズム600を含む。このアルゴリズムは、入口空気温度が閾値602温度を超えて増加するときに、電力出力が最大値601から減少することを示すことが可能であるということが認識されることとなる。また、モデル60は、エンジンの異なる電力出力レベルにおけるガスタービンのヒートレートを相関させるアルゴリズム603を含むことが可能である。議論されているように、ヒートレートは、ガスタービンエンジンまたは他の発電ユニットの効率を表しており、効率に反比例する。より低いヒートレートは、より高い熱力学的性能効率を示す。デジタルモデル61は、吸気コンディショニングシステム51の熱力学的動作をシミュレートすることが可能である。このケースでは、たとえば、デジタルモデル61は、アルゴリズム610を含み、アルゴリズム610は、吸気コンディショニングシステム51の冷蔵システム65を走らせるために加えられるエネルギーに基づいてチリング能力を相関させ、計算されるチリング能力が、ガスタービンに進入する空気に適用される冷却の量を示すようになっている。冷蔵システム65によって実現され得る最大チリング能力値611が存在し得る。別のケースでは、関連のアルゴリズム612は、冷蔵システム65を走らせるために加えられるエネルギーを、ガスタービンシステム30の圧縮機32に進入する冷気の温度に相関させることが可能である。モデル61は、たとえば、ガスタービンに進入する空気の温度を周囲空気の露点613よりも下方に低減させると、吸気コンディショニングシステムを走らせるために必要とされる電力が劇的に増加するということを示すことが可能である。蒸気タービンシステム50のケースでは、デジタルモデル62は、アルゴリズム620を含むことが可能であり、アルゴリズム620は、蒸気タービンシステムの電力出力を、ダクトファイアリングによって消費される燃料の量などのような、HRSGダクトファイアリングシステム52によって追加されるエネルギーに相関させる。モデル62は、たとえば、HRSGダクトファイアリングシステムによって実現され得る蒸気タービンシステム出力の増加に対して、上側閾値レベル621が存在し得るということを示すことが可能であり、それは、アルゴリズム620の中に含まれ得る。
本発明の特定の実施形態によれば、図4に図示されているように、ニューラルネットワーク71は、図3の発電プラント12のいくつかのプラントコンポーネント49のデジタルモデルのそれぞれと相互作用し、それらの間の通信を提供することが可能である。相互作用は、モデルから出力データを収集すること、および、さらなる出力データを発生させるためにモデルによって使用される入力データを発生させることを含むことが可能である。ニューラルネットワーク71は、論理素子に接続されているデジタルネットワークであることが可能である。論理素子は、データ入力を受け入れて1つまたは複数のデータ出力を発生させるアルゴリズムをそれぞれ具現化することが可能である。単純な論理素子は、入力の値を合計し、出力データを作り出すことが可能である。他の論理素子は、入力の値を乗算するか、または、他の数学的関係を入力データに適用することが可能である。ニューラルネットワーク71の論理素子のそれぞれへのデータ入力は、1からゼロの間の乗数などのような重み付けを割り当てられ得る。重み付けは、学習モードの間に修正され得、学習モードは、発電プラントの性能をより良好にモデル化するようにニューラルネットワークを調節する。また、重み付けは、フィルターによって提供されるコマンドに基づいて調節され得る。ニューラルネットワークの中の論理ユニットへのデータ入力の重み付けを調節することは、コンバインドサイクル発電プラントの動作の間にニューラルネットワークが動的に修正され得る方式の1つの例である。他の例は、蒸気タービンシステム、吸気コンディショニングシステム、およびガスタービンのための熱力学的デジタルモデルのそれぞれの中のアルゴリズム(それは、論理ユニットの例である)へのデータ入力の重み付けを修正することを含む。プラントコントローラー22は、オプティマイザーおよび/またはフィルターによって提供されるデータに基づいて、論理ユニットおよびアルゴリズムに対して行われる調節など、他の方式で修正され得る。
プラントコントローラー22は、コンバインドサイクル発電プラント12に関して推奨される設定点または最適化された設定点74の出力を発生させることが可能であり、その出力は、図示されているように、発電プラントアクチュエーター47に伝達されて発電プラントアクチュエーター47によって実装される前に、承認を得るためにオペレーター39を通過することが可能である。図示されているように、最適化された設定点74は、図6に関連して下記に説明されているものなどのようなコンピューターシステムを介して、オペレーター39からの入力を含み、または、オペレーター39によって承認され得る。最適化された設定点74は、たとえば、吸気コンディショニングシステムによって発生させられ、ガスタービンシステムに進入する空気を冷却するために使用される、冷却水に関する温度および質量流量;ガスタービンシステムへの燃料流量;ならびに、ダクトファイアリングレートを含むことが可能である。また、最適化された設定点74は、次いで、ニューラルネットワーク71およびモデル60、61、62、63によって使用され得、進行中のプラントシミュレーションが動作データを予測し得るようになっており、その動作データは、後に、実際の動作データと比較され得、プラントモデルが継続的に改良され得るようになっているということが認識されることとなる。
図5は、オプティマイザー64および発電プラントモデル75を備えるプラントコントローラー22の簡単化されたシステム構成を図示している。この例示的な実施形態では、プラントコントローラー22は、オプティマイザー64および発電プラントモデル75(それは、たとえば、図4に関連して上記に議論されているニューラルネットワーク71およびモデル60、61、62、63を含む)を有するシステムとして示されている。発電プラントモデル75は、発電プラント12の全体的な動作をシミュレートすることが可能である。図示されている実施形態によれば、発電プラント12は、複数の発電ユニットまたはプラントコンポーネント49を含む。プラントコンポーネント49は、たとえば、火力発電ユニット、または、すでに説明されているような他のプラントサブシステムを含むことが可能であり、それらのそれぞれは、対応するコンポーネントコントローラー31を含むことが可能である。プラントコントローラー22は、コンポーネントコントローラー31と通信することが可能であり、コンポーネントコントローラー31を通して、および、コンポーネントコントローラー31によって、センサー46およびアクチュエーター47への接続を介して、発電プラント12の動作を制御することが可能である。
発電プラントは、その動作に影響を及ぼす多数の変数を有しているということが認識されることとなる。これらの変数のそれぞれは、一般的に、入力変数または出力変数のいずれかとして分類され得る。入力変数は、プロセス入力を表しており、空気および燃料流量などのような、プラントオペレーターによって操作され得る変数を含む。また、入力変数は、周囲条件などのような、操作できない変数も含む。出力変数は、操作され得る入力変数を操作することによって制御される、電力出力などのような変数である。発電プラントモデルは、入力変数と出力変数または制御される変数との間のアルゴリズム関係を表すように構成されており、入力変数は、操作できる変数または「操作される変数」、および、操作できない変数または「外乱変数」を含み、出力変数または制御される変数は、「制御される変数」と称されることとなる。より具体的には、操作される変数は、制御される変数に影響を及ぼすために、プラントコントローラー22によって変化させられ得る変数である。操作される変数は、燃料および空気フローを制御するバルブ設定点のようなものを含む。外乱変数は、制御される変数に影響を及ぼすが、操作または制御できない変数を表す。外乱変数は、周囲条件、燃料特性などを含む。オプティマイザー64は、(1)発電プラントの性能目標(たとえば、収益性を最大化させながら負荷要件を満足させる)、および、(2)発電プラントを動作させることに関連付けられる制約(たとえば、排出量および機器制限)を前提として、操作される変数のための最適なセットの設定点の値を決定する。
本発明によれば、「最適化サイクル」は、所定の頻度(たとえば、5〜60秒ごと、または1〜30分ごと)で開始することが可能である。最適化サイクルの開始時に、プラントコントローラー22は、コンポーネントコントローラー31から、および/または、プラントコンポーネント49のそれぞれのセンサー46から直接的に、操作される変数、制御される変数および外乱変数に関する現在のデータを得ることが可能である。次いで、プラントコントローラー22は、発電プラントモデル75を使用し、現在のデータに基づいて、操作される変数に関して最適な設定点の値を決定することが可能である。こうする際に、プラントコントローラー22は、様々な動作設定点において、プラントモデル75を走らせることが可能であり、発電プラントの性能目標を前提とすると動作設定点のどのセットが最も好ましいかということを決定するようになっており、これは、「シミュレーションラン」と称することが可能である。たとえば、性能目標は、収益性を最大化することとすることが可能である。異なる設定点における発電プラントの動作をシミュレートすることによって、オプティマイザー64は、プラントが最適に(または、少なくとも、好ましい様式で)動作することを引き起こすということをプラントモデル75が予測する設定点のセットを探索する。述べられているように、この最適な設定点のセットは、「最適化された設定点」または「最適化された動作モード」と称することが可能である。典型的に、最適化された設定点に到達する際に、オプティマイザー64は、多数のセットの設定点を比較することとなり、最適化された設定点は、オペレーター定義された性能目標を前提とすると、他のセットのそれぞれよりも優位であることが見出されることとなる。発電プラント12のオペレーター39は、最適化された設定点を承認するオプションを有することが可能であり、または、最適化された設定点は、自動的に承認され得る。プラントコントローラー22は、コンポーネントコントローラー31に、または、代替的に、プラントコンポーネント49のアクチュエーター47に直接的に、最適化された設定点を送ることが可能であり、設定値が、最適化された設定点にしたがって調節され得るようになっている。プラントコントローラー22は、クローズドループで走らせることが可能であり、測定された現在の動作条件に基づいて、所定の頻度で(たとえば、10〜30秒ごとに、または、より頻繁に)、操作される変数の設定点の値を調節するようになっている。
オプティマイザー64は、制約のセットを受けることとなる「コスト関数」を最小化するために使用され得る。コスト関数は、本質的に、プラント性能目標の数学的表現であり、制約は、発電プラントがその中で動作しなければならない限界である。そのような限界は、法的な制約、規制上の制約、環境的な制約、機器上の制約、または物理的な制約を表すことが可能である。たとえば、NOxを最小化するために、コスト関数は、NOxのレベルが減少するにしたがって減少する項を含む。そのようなコスト関数を最小化するための1つの共通の方法は、たとえば、「勾配降下最適化」として知られている。勾配降下は、現在の点における関数の勾配(または、近似勾配)の負数に比例したステップをとることによって関数の極小に接近する最適化アルゴリズムである。複数の異なる最適化技法が、モデルの形態、ならびに、コストおよび制約に応じて使用され得るということが理解されるべきである。たとえば、様々な異なるタイプの最適化アプローチを個別にまたは組み合わせて使用することによって、本発明が実装され得るということが予期される。これらの最適化アプローチは、それらに限定されないが、線形計画法、二次計画法、混合整数非線形計画法、確率的計画法、大域的非線形計画法、遺伝的アルゴリズム、および粒子群最適化技法を含む。追加的に、プラントモデル75は、動的であることが可能であり、変化の影響が、将来の計画対象期間にわたって考慮に入れられるようになっている。したがって、コスト関数は、将来の計画対象期間にわたる項を含む。モデルが計画対象期間にわたって予測するために使用されるので、このアプローチは、モデル予測制御と称され、それは、S. Piche, B. Sayyar-Rodsari, D. Johnson and M. Gerules, "Nonlinear model predictive control using neural networks," IEEE Control Systems Magazine, vol. 20, no. 2, pp. 53-62, 2000に説明されており、それは、参照により本明細書に完全に組み込まれている。
制約は、将来の計画対象期間にわたる発電プラントのプロセス入力(それは、操作される変数を含む)およびプロセス出力(それは、制御される変数を含む)の両方に課され得る。典型的に、プラントコントローラーに関連付けられる制限値と一致する制約が、操作される変数に課される。出力に関する制約は、解かれる問題によって決定され得る。本発明の実施形態によれば、および、最適化サイクルの中のステップとして、オプティマイザー64は、将来の計画対象期間、たとえば、1時間にわたって、操作される変数の移動の完全な軌跡を算出することが可能である。したがって、30秒ごとに実行する最適化システムに関して、120個の値が、それぞれの操作された変数に関して1時間の将来の計画対象期間にわたって算出され得る。プラントモデル、または性能目標、または制約は、次の最適化サイクルの前に変化する可能性があるので、プラントコントローラー22/オプティマイザー64は、それぞれの操作される変数に関して最適化された設定点として、それぞれの操作される変数に関する計画対象期間の中の最初の値だけをコンポーネントコントローラー31に出力することが可能である。次の最適化サイクルにおいて、プラントモデル75は、現在の条件に基づいて更新され得る。また、コスト関数および制約は、変化していた場合には、更新され得る。次いで、オプティマイザー64は、計画対象期間にわたる操作される変数に関する値のセットを再算出するために使用され得、計画対象期間の中の最初の値は、それぞれの操作される変数に関して、それぞれの操作される変数のための設定点の値として、コンポーネントコントローラー31へ出力される。オプティマイザー64は、それぞれの最適化サイクルに関してこのプロセスを繰り返すことが可能であり、それによって、発電プラント12が、負荷、周囲条件、燃料特性などのような項目において想定外の変化によって影響を及ぼされるときに、最適な性能を一定に維持する。
図6を見てみると、プラントコントローラーおよび制御プログラムのための例示目的の環境およびユーザー入力デバイスが、例示的な実施形態にしたがって図示されている。他の構成も可能であるが、実施形態は、ディスプレイ81と、プロセッサー82と、ユーザー入力デバイス83と、メモリー84とを有するコンピューターシステム80を含む。コンピューターシステム80の態様は、発電プラント12に位置付けされ得るが、一方、他の態様が、リモートであり、および、通信ネットワーク20を介して接続され得る。議論されているように、コンピューターシステム80は、発電プラント12のそれぞれの発電ユニットまたは他のプラントコンポーネント49に接続され得る。発電プラントコンポーネント49は、ガスタービンシステム30、蒸気タービンシステム50、吸気コンディショニングシステム51、HRSGダクトファイアリングシステム52、および/または、それらに関連した任意のサブシステムもしくはサブコンポーネント、または、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である。また、コンピューターシステム80は、必要に応じてまたは所望の通りに、1つまたは複数のセンサー46およびアクチュエーター47に接続され得る。述べられているように、センサー46は、コンポーネントの動作条件およびパラメーターを感知し、これらの条件に関してコンピューターシステム80へ信号を中継するように構成され得る。コンピューターシステム80は、これらの信号を受け取り、本明細書で説明されている様式でそれらの信号を使用するように構成され得、それは、アクチュエーター47のうちの1つまたは複数へ信号を送信することを含むことが可能である。しかし、別段に必要とされない限り、本発明は、発電プラント12を直接的に制御し、かつ/または、動作条件を感知するようには構成されていない実施形態を含むことが可能である。発電プラント12を制御し、かつ/または、動作条件を感知する本発明の構成では、そのような入力または制御は、発電プラントならびにそのセンサーおよびアクチュエーターの物理的なコンポーネントとより直接的に相互作用する1つまたは複数の別々のソフトウェアまたはハードウェアシステムから/へ信号を受信および/または送信することによって提供され得る。コンピューターシステム80は、発電プラント制御プログラム(「制御プログラム」)を含むことが可能であり、制御プログラムは、本明細書で説明されているプロセスを実施することによって、プラントコントローラーの中のデータを管理するようにコンピューターシステム80を動作可能にさせる。
一般に、プロセッサー82は、制御プログラムを定義するプログラムコードを実行し、制御プログラムは、メモリー84の中に少なくとも部分的に固定されている。プログラムコードを実行する間に、プロセッサー82は、データを処理することが可能であり、それは、メモリー84から変換されたデータを読み込むこと、および/または、メモリー84へ変換されたデータを書き込むことを結果として生じさせることが可能である。ディスプレイ81および入力デバイス83は、人間ユーザーがコンピューターシステム80および/または1つもしくは複数の通信デバイスと相互作用することを可能にし、システムユーザーが任意のタイプの通信リンクを使用してコンピューターシステム80と通信することを可能にし得る。実施形態では、ネットワーキングハードウェア/ソフトウェアなどのような通信ネットワークは、通信ネットワークがその中にインストールされているノードの内外の他のデバイスとコンピューターシステム80が通信することを可能にし得る。この程度まで、本発明の制御プログラムは、人間ユーザーおよび/またはシステムユーザーが制御プログラムと相互作用することを可能にするインターフェースのセットを管理することが可能である。さらに、制御プログラムは、以下に議論されているように、任意のソリューションを使用して、制御データなどのようなデータを管理する(たとえば、記憶する、読み出す、生成する、操作する、編成する、提示するなど)ことが可能である。
コンピューターシステム80は、本明細書で定義される制御プログラムなどのようなプログラムコードを実行することができる1つまたは複数の汎用コンピューティング製品を含むことが可能であり、プログラムコードは、コンピューターシステム80の上にインストールされる。本明細書で使用されているように、「プログラムコード」は、任意の言語、コード、または表記法で書かれたインストラクションの任意の集合体を意味し、インストラクションは、情報処理能力を有するコンピューティングデバイスが、直接的に、または、(a)別の言語、コード、もしくは表記法への変換、(b)異なる材料形態での再生産、および/または(c)復元の任意の組み合わせの後で、特定の作用を実施することを引き起こすということが理解される。追加的に、コンピューターコードは、オブジェクトコード、ソースコード、および/または実行可能コードを含むことが可能であり、また、少なくとも1つのコンピューター可読媒体の上にあるときにコンピュータープログラム製品の一部を形成することが可能である。「コンピューター可読媒体」という用語は、現在知られているかまたは後に開発される任意のタイプの有形的表現媒体のうちの1つまたは複数を含むことが可能であり、プログラムコードのコピーは、有形的表現媒体から、知覚され、再現され、または、その他の方法でコンピューティングデバイスによって伝達され得るということが理解される。コンピューターがコンピュータープログラムコードを実行するとき、コンピューターは、本発明を実施するための装置になり、汎用マイクロプロセッサーの上で、特定の論理回路が、コンピューターコードセグメントを備えるマイクロプロセッサーの構成によって生成される。実行可能インストラクションの技術的効果は、発電プラント制御方法および/またはシステムおよび/またはコンピュータープログラム製品を実装することであり、それは、想定される周囲条件および/もしくは市場条件、性能パラメーター、ならびに/または、それに関連したライフサイクルコストを前提として、モデルを使用し、発電プラントの動作特性を強化し、または増強し、または最適化し、発電プラントの経済的利益をより効率的に活用するようになっている。現在の情報を使用することに加えて、履歴情報および/または予想情報を用いることが可能であり、また、フィードバックループが、変動する条件の間に、より効率的にプラントを動的に動作させるように確立され得る。制御プログラムのコンピューターコードは、プラントコントローラー22によって実行可能なコンピューターインストラクションの中に書かれ得る。この程度まで、コンピューターシステム80によって実行される制御プログラムは、システムソフトウェアおよび/またはアプリケーションソフトウェアの任意の組み合わせとして具現化され得る。さらに、制御プログラムは、モジュールのセットを使用して実装され得る。このケースでは、モジュールは、コンピューターシステム80が、制御プログラムによって使用されるタスクのセットを実施することを可能にすることができ、また、モジュールは、別々に開発され、かつ/または、制御プログラムの他の部分から離れて実装され得る。本明細書で使用されているように、「コンポーネント」という用語は、ソフトウェアの有無にかかわらず、ハードウェアの任意の構成を意味し、それは、任意のソリューションを使用して、コンポーネントと併せて説明される機能性を実装し、一方、「モジュール」という用語は、コンピューターシステムが、任意のソリューションを使用して、モジュールと併せて説明されている作用を実装することを可能にするプログラムコードを意味している。プロセッサー82を含むコンピューターシステム80のメモリー84の中に固定されているとき、モジュールは、作用を実装するコンポーネントの実体的な部分である。それにかかわらず、2つ以上のコンポーネント、モジュール、および/またはシステムは、それらのそれぞれのハードウェアおよび/またはソフトウェアのうちのいくつか/すべてを共有することが可能であるということが理解される。さらに、本明細書で議論されている機能性のうちのいくつかは実装されなくてもよく、または、追加的な機能性が、コンピューターシステム80の一部として含まれ得るということが理解される。コンピューターシステム80が複数のコンピューティングデバイスを含むときには、それぞれのコンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスの上に固定されている制御プログラムの一部分だけ(たとえば、1つまたは複数のモジュール)を有することが可能である。それにかかわらず、コンピューターシステム80が複数のコンピューティングデバイスを含むときには、コンピューティングデバイスは、任意のタイプの通信リンクによって通信することが可能である。さらに、本明細書で説明されているプロセスを実施する間に、コンピューターシステム80は、任意のタイプの通信リンクを使用して、1つまたは複数の他のコンピューターシステムと通信することが可能である。
本明細書で議論されているように、制御プログラムは、コンピューターシステム80が発電プラント制御製品および/または方法を実装することを可能にする。コンピューターシステム80は、任意のソリューションを使用して、発電プラント制御データを得ることが可能である。たとえば、コンピューターシステム80は、発電プラント制御データを発生させることが可能であり、かつ/または、発電プラント制御データを発生させるために使用され、1つまたは複数のデータストア、リポジトリー、またはソースから発電プラント制御データを読み出し、発電プラント、プラントコントローラー、コンポーネントコントローラーなどの内外の別のシステムまたはデバイスから発電プラント制御データを受け取ることが可能である。別の実施形態では、本発明は、たとえば発電プラント制御プログラムのためのプログラムコードのコピーを提供する方法を提供し、プログラムコードは、プロセス本明細書で説明されているうちのいくつかまたはすべてを実装することが可能である。本発明の態様は、加入契約ベース、広告ベース、および/または料金ベースで、本明細書で説明されているプロセスを実施するビジネス方法の一部として実装され得るということが理解される。サービスプロバイダーは、本明細書で説明されているような発電プラント制御プログラムおよび/または方法を実装することを提案することが可能である。このケースでは、サービスプロバイダーは、1つまたは複数の顧客のために本明細書で説明されているプロセスを実施する、コンピューターシステム80などのようなコンピューターシステムを管理する(たとえば、生成する、維持する、支持するなど)ことが可能である。
発電プラントのコンピューターモデルが構築され、次いで、発電プラント動作を制御および最適化するために使用され得る。そのようなプラントモデルは、動的であることが可能であり、実際の(すなわち、測定される)動作パラメーターとプラントモデルによって予測されるものと同じパラメーターとの間の進行中の比較を介して、繰り返し更新され得る。そのようなモデル準備および維持する際に、ユーザー入力に応答してエネルギーシステム発電ユニットおよびコンポーネントのライブラリー(「コンポーネントのライブラリー」)を発生させるようにコンピューターシステム80のプロセッサー82に命令するインストラクションが書かれ、またはその他の方法で提供される。いくつかの構成では、ユーザー入力および発生させられるライブラリーは、ライブラリーを備えるコンポーネントの特性、ならびに、動作値および特性値にしたがってスクリプトを発生させるルールを含む。これらの特性値は、メモリー84の中にローカルで記憶されたデータからコンパイルすることが可能であり、かつ/または、リモート場所において維持されている中央データリポジトリーから取得することも可能である。コンポーネントのライブラリーは、経済的コンポーネントまたは法的コンポーネントなどのような、非物理的なコンポーネントを含むことが可能である。経済的なコンポーネントの例は、燃料の購入および販売であり、法的コンポーネントの例は、排出制限およびクレジットである。これらの非物理的なコンポーネントは、数学的ルールを用いてモデル化され得、それは、物理的な機器を表すコンポーネントが数学的ルールを用いてモデル化され得るのと全く同様である。インストラクションは、オペレーターによって構成され得るように、ライブラリーからのエネルギーシステムコンポーネントの構成を組み立てるように構成され得る。エネルギーシステムコンポーネントのライブラリーは、ユーザーがその中からコンポーネントを選択することができるように提供され得、実際の発電プラントを複製し、または、仮想の発電プラントを生成させるようになっている。それぞれのコンポーネントは、モデル化されている実際の発電プラントまたは仮想の発電プラントの動作条件に適合する特定の値を入力するためにユーザーによって使用され得るいくつかの特性を有することが可能であるということが認識されることとなる。組み立てられたエネルギーシステムコンポーネントおよびそれらの構成に関して、スクリプトが発生させられ得る。発生させられるスクリプトは、エネルギーシステムコンポーネント構成の中で使用される場合には、経済的コンポーネントおよび/または法的コンポーネントを含む、エネルギーシステムコンポーネントの中のおよび/またはエネルギーシステムコンポーネントの間の数学的関係を含むことが可能である。次いで、コンピューターシステム80は、数学的関係を解き、ディスプレイ81の上に解いた結果を示すことが可能である。信号がコンピューター80から送信され得る構成では、信号は、解いた結果にしたがってエネルギーシステムを制御するために使用され得る。そうでなければ、結果が、表示または印刷され得、また、結果は、物理的な機器パラメーターを設定するために、ならびに/または、燃料の購入および/または販売などのような非物理的なパラメーターを決定し、および/もしくは、決定された非物理的なパラメーターを使用するために、使用され、したがって、好適なまたは最適化された動作のモードが実現される。プラントコンポーネントのライブラリーは、データの中央リポジトリーを含むことが可能であり、データの中央リポジトリーは、それぞれのプラントコンポーネントが異なるパラメーターおよび条件の下でどのように動作するかということに関連するデータの進行中の蓄積を表す。データの中央リポジトリーは、たとえば、センサーデータが信頼できないと決定されるときに、「プラグデータ」を提供するために使用され得る。
図7から図9を見てみると、経済的な給電プロセスのより詳細な議論が提供され、それは、上記に議論されているコントロールシステムが、どちらのケースが該当するにせよ、そのようなシステムに参加している電力システム中央当局または個々の発電プラントの両方の視点から、そのような給電手順を最適化するために使用され得る、方式を含む。中央当局給電指令所の視点から、経済的な給電プロセスの目標は、システムの中で発生するコストを依然として最小化させながら、変化する負荷要件または周囲条件を含む変化する変数に動的に応答することであるということが認識されることとなる。参加発電プラントに関して、一般に、目標は、発生するコストを最小化して経済的利益を最大化しながら、利用可能な能力を利用することであるということが認識されることとなる。電力システムの複雑さを前提とすると、経済的な給電のプロセスは、典型的に、給電指令所による参加発電プラントの負荷を頻繁に調節することを含む。上手くいったときには、プロセスは、利用可能な発電プラントが、それらの増分発電コストがおおよそ同じになる負荷において動作させられることを結果として生じさせ、それは、発電コストを最小化することを結果として生じさせ、一方、最大および最小許容負荷、システム安定性などのような、システム制約も遵守する。正確な増分コストデータは、経済的な給電が最適に機能するために必要であるということが認識されることとなる。そのような増分コストデータは、燃料コストおよび増分燃料消費を含む主要コンポーネントを有する。増分燃料消費データは、通常、増分ヒートレート対電力出力の曲線として与えられる。具体的には、火力発電ユニットの増分ヒートレートIHRは、ヒートレート曲線の傾きとして定義され、ユニットのヒートレートは、任意の負荷における電気出力に対してプロットされる熱入力の比である。このデータのエラーは、総発電コストを最小化しない負荷においてユニットの給電を結果として生じさせることとなる。
複数の項目が、増分ヒートレート曲線の中へエラーを導入する可能性がある。これらは、2つのカテゴリーにグループ化され得る。第1のカテゴリーは、データが給電指令所に与えられるときに存在するエラーを作り出す項目を含む。たとえば、テストすることによってデータが収集される場合には、計器の不正確さに起因するエラーは、それを用いて行われるすべての計算の中に含まれることとなる。より詳細に以下に議論されているように、本発明の特定の態様は、データ収集の間にセンサー精度を確認する方式、および、収集されたデータが、センサー誤動作に起因して信頼できない可能性があるときに、インスタンスを適時に特定する方式を含む。エラーの第2のカテゴリーは、時間の経過とともにデータが正確でなくなることを引き起こす項目を含む。たとえば、発電ユニットの性能が、機器劣化、または修理、または周囲条件の変化に起因して変化する場合には、給電のために使用される増分ヒートレートデータは、そのようなデータが更新されるまで、エラーになることとなる。本発明の1つの態様は、増分ヒートレート計算に大きく影響を及ぼし得る火力発電ユニットのそれらのパラメーターを特定することである。そのようなパラメーター、および、それらの相対的な重要性の知識は、次いで、真のプラント性能を反映するためにどれくらいの頻度で給電データが更新されるべきであるということを決定するために使用され得る。
増分ヒートレートデータのエラーは、発電プラントが誤って給電されている状況につながり、それは、典型的に、電力システムに関する発電コストの増加を結果として生じさせる。たとえば、図7のグラフを参照すると、真の増分ヒートレートが、給電プロセスにおいて使用されている増分ヒートレートとは異なっている状況が提供される。ユニットに給電する際に、給電指令当局は、示されているように、「E」だけエラーになっている増分ヒートレートデータを使用する。(図7は、電力システムの増分ヒートレートが、所与のユニットに課される負荷によって影響を及ぼされないということを仮定しており、それは、電力システムが所与の発電ユニットのサイズと比較して大きいものである場合に、実質的に正しくなり得るということが留意されるべきである。)示されているように、発電ユニットは、L1において給電されることとなり、L1は、利用可能な情報に基づいて、ユニットおよびシステムの増分ヒートレートが等しくなる負荷である。正しい増分ヒートレート情報が使用された場合には、ユニットは、L2において給電されたはずであり、L2は、プラントの真の増分ヒートレートが電力システムの増分ヒートレートに等しい負荷である。認識されることとなるように、エラーは、発電プラントの過小利用を結果として生じさせる。別の例が該当するケースでは、すなわち、真の増分ヒートレートプロットに対して正しい増分ヒートレートプロットの位置が反対であるケースでは、エラーは、ユニットが過大に割り当てされることを結果として生じさせ、それは、その給電された負荷起動停止計画を満足するために、ユニットが非効率的に動作することを要求する可能性がある。電力システムの中央給電指令当局の視点から、給電プロセスの中で使用されるデータの中のエラーを低減させることは、合計のシステム燃料コストを低減させ、システム効率を上昇させ、かつ/または、負荷要件も満たさないリスクを減少させることとなるということが認識されることとなる。システムの中の発電プラントのオペレーターにとって、そのようなエラーを低減させることは、プラントの十分な利用を促進し、経済的利益を改善するはずである。
図8および図9は、本発明の態様によるプラントコントローラー22の概略ダイアグラムおよび制御方法のフローダイアグラム169をそれぞれ図示している。これらの例では、経済的な給電を使用し、可能性のあるプロバイダーの間で負荷を分配する、電力システムの中での経済的な最適化を図示する方法が提供される。経済的な給電の基本的なプロセスは、様々な方式で、多くの電力システムに共通の多層の階層構造の中に定義される任意の2つのレベルの間に用いられ得るプロセスである。ある場合では、たとえば、経済的な給電プロセスは、競争プロセスの一部として使用され得、競争プロセスによって、中央政府当局または業界協同組合は、いくつかの競合企業の間で負荷を分割する。代替的に、経済的な給電の同じ原理は、共同所有された発電プラントの間で負荷を分け合うために使用され得、プラントの所有者のために発電コストを最小化するようになっている。また、この原理は、プラントレベルにおいて、オペレーターまたはプラントコントローラーが、利用可能な異なるローカルの発電ユニットの間でその負荷要件を分け合うことができるように、使用され得る。別段の記述がない限り、本発明のシステムおよび方法は、経済的な給電プロセスのこれらの可能性のある現れ方のいずれかに全体的に適用可能であるということが認識されることとなる。
一般に、給電プロセスは、給電スケジュールの生成を介して電力システムの中の発電コストを最小化しようとし、給電スケジュールの中では、それぞれの参加発電プラントまたは発電ユニットに関する増分発電コストはおおよそ同じである。認識されることとなるように、いくつかの用語が、経済的な給電プロセスを説明するために使用されることが多く、したがって、以下のように定義されることとなる。「予測計画対象期間」は、最適化が実施されることとなる所定の期間である。たとえば、典型的な予測計画対象期間は、数時間から数日までであることが可能である。予測計画対象期間の中の「間隔」は、最適化の所定の時間分解能、すなわち、上述の「最適化サイクル」であり、それは、予測計画対象期間の間に、どれくらいの頻度で最適化が実施されることとなるかということを記述する。たとえば、最適化サイクルに関する典型的な時間間隔は、数秒から数分までであることが可能である。最後に、「予測長さ」は、最適化が実施されることとなる時間間隔の数であり、予測計画対象期間を時間間隔で割ることによって得ることが可能である。したがって、12時間の予測計画対象期間および5分間の時間間隔では、予測長さは、144個の時間間隔である。
本発明の態様は、発電プラントのための制御の方法および/またはコントローラー、ならびに、性能、費用効果、および効率を最適化するための方法およびシステムを提供する。たとえば、本発明によれば、火力発電ユニットまたは発電プラントに関して、最小可変動作コストが実現され得、それは、可変性能特性およびコストパラメーター(すなわち、燃料コスト、周囲条件、市場条件など)とライフサイクルコスト(すなわち、可変動作およびそのメンテナンススケジュールに対する影響、部品交換など)をバランスさせる。そのような要因を考慮に入れて火力発電ユニットの1つまたは複数のパラメーターを変化させることによって、その耐用寿命にわたってユニットからより経済的な利点を得ることが可能である。たとえば、ガスタービンを含む発電プラントにおいて、燃焼温度は、動作プロファイル、周囲条件、市場条件、予想、発電プラント性能、および/または他の要因に基づいて、より経済的に所望の負荷レベルを提供するように変化させられ得る。結果として、起動回数が制限されているユニットの中に残っている時間ベースの残存寿命を有する部品の廃棄が低減され得る。さらに、正しく動作しているとして定期的にテストされ確認されているセンサーからの実質的にリアルタイムのデータによって更新されるフィードバックループを含む発電プラントコントロールシステムは、さらなるプラント最適化を可能にすることとなる。すなわち、本発明の特定の実施形態によれば、発電プラントコントロールシステムと給電指令当局との間にリアルタイムフィードバックループを導入することによって、目標負荷およびユニット起動停止計画は、非常に正確なオファー曲線に基づくことが可能であり、オファー曲線は、リアルタイムエンジン性能パラメーターに基づいて構築される。
図8は、本発明の態様による例示的なプラントコントローラー22の概略設計を図示している。プラントコントローラー22は、図9の方法169を実装するのにとりわけ適している可能性があるということが認識されることとなる。これに起因して、図8および図9は、一緒に議論されることとなるが、それぞれは、より一般的な使用状況に適用可能な態様を有することが可能であるということが認識されることとなる。図8に表されている電力システム10は、「発電プラント12a」ならびに「他の発電プラント12b」を含み、プラントコントローラー22は「発電プラント12a」の専用であり、「他の発電プラント12b」は、発電プラント12aと競争する電力システムの中の発電プラントを表すことが可能である。また、図示されているように、電力システム10は、給電指令当局24を含み、給電指令当局24は、専用のシステムコントローラー25を通して、システムの中のすべての参加発電プラント12a、12bの間の給電プロセスを管理する。
発電プラント12aは、多数のセンサー46およびアクチュエーター47を含むことが可能であり、多数のセンサー46およびアクチュエーター47によって、プラントコントローラー22は、動作条件を監視し、かつプラントの動作を制御する。プラントコントローラー22は、多数のデータリソース26と通信することが可能であり、多数のデータリソース26は、プラントコントローラー22からリモートに位置付けされ得、通信ネットワークによってアクセス可能であり、かつ/または、ローカルに含有され、ローカルのネットワークによってアクセス可能であり得る。図示されているように、プラントコントローラー22の概略図は、いくつかのボックスによって互いから区切られているいくつかのサブシステムを含む。これらのサブシステムまたは「ボックス」は、主として機能によって分離されており、説明を支援するようになっている。しかし、別段の記述がない限り、分離されているボックスは、個々のチップまたはプロセッサーまたは他の個々のハードウェアエレメントを表していてもよく、または表していなくてもよく、プラントコントローラーの中で実行されるコンピュータープログラムコードの分離されているセクションを表していてもよく、または表していなくてもよいということが認識されることとなる。同様に、方法169が、2つの主要なセクションまたはブロックに分けられているが、これは、便宜上のためであり、説明を支援するためのものである。図9に示されている別々のブロックまたはステップのいずれかまたはすべてと同様に、図8に示されている別々のボックスのいずれかまたはすべては、プラントコントローラー22の中で1つまたは複数のセクションへと組み合わせられ得るということが認識されることとなる。
図9の方法169は、たとえば、制御セクション170から開始することが可能であり、制御セクション170は、(ステップ171において)使用のための現在の情報およびデータを受け取りまたは集め、データは、市場データ、動作データ、および/または周囲データを含むことが可能である。プラントコントローラー22の中で、対応する制御モジュール110は、データリソース26または任意の他の適切なソースからこのタイプのデータを要求する/受け取るように配置され得る。また、制御モジュール110は、給電指令当局24から目標負荷128を受け取るように構成され得る(しかし、初期ランのときには、そのような目標負荷は利用可能でなく、所定の初期目標負荷が使用され得る)。周囲データは、リモートまたはローカルのデータリポジトリーおよび/または予想サービスから受け取られ得、データリソース26のコンポーネントとして含まれ得る。また、周囲データは、発電プラント12aの周りに配備されている周囲センサーを介して集められ得、また、給電指令当局24との通信リンクを介して受け取られ得る。本発明の態様によれば、周囲データは、発電プラント12aに関する周囲条件を記述する履歴データ、現在のデータ、および/または予想データを含み、それは、たとえば、空気温度、相対湿度、圧力などを含むことが可能である。市場データは、リモートまたはローカルのデータリポジトリーおよび/または予想サービスから受け取られ得、データリソース26のコンポーネントとして含まれ得る。また、市場データは、給電指令当局24との通信リンクを介して受け取られ得る。本発明の態様によれば、市場データは、発電プラント12aに関する市場条件を記述する履歴データ、現在のデータ、および/または予想データを含み、それは、たとえば、エネルギー販売価格、燃料コスト、人件コストなどを含む。また、動作データは、データリポジトリー、および/または予想サービスから受け取られ得、データリソース26のコンポーネントとして含まれ得る。動作データは、複数のセンサー46から収集されるデータを含むことが可能であり、複数のセンサー46は、発電プラント12およびそのプラントコンポーネント49の中に配備されており、プラント動作に関連する物理的なパラメーターを測定する。動作データは、履歴データ、現在のデータ、および/または予想データ、ならびに、様々なプロセス入力および出力を含むことが可能である。
図9に見ることができるように、発電プラント12に関する初期設定点は、たとえば、図8のプラントコントローラー22の中の制御モデル111によって決定され得る。たとえば、制御モデル111は、発電プラント12の熱力学的詳細および/または物理的詳細、ならびに、周囲データ、または市場データ、またはプロセスデータなどのような追加的な情報を使用し、(図9のステップ172において)発電プラント12に関する動作パラメーターの値を決定するように構成され得る。ある場合では、たとえば、動作パラメーターの値は、目標負荷を満たすのに十分な電力出力を実現するために必要とされることとなる値であることが可能である。決定された値は、(また、図9のステップ172において)発電プラント12のそれぞれの動作パラメーターに関する初期設定点として使用され得る。そのような動作パラメーターの例は、燃料流量、燃焼温度、入口ガイドベーンに関する位置(ガイドベーンが存在する場合)、蒸気圧力、蒸気温度、および蒸気流量を含むことが可能であるということが認識されることとなる。次いで、性能指標は、(図9のステップ173において)プラントコントローラー22の性能モデル112を使用して決定され得る。性能指標は、発電プラント12の効率などのような動作特性を提供することが可能である。性能モデル112は、発電プラント12の熱力学的詳細および/または物理的詳細、ならびに、制御モデル111によって決定される設定点を使用するように構成され得、発電プラント12の動作特性の値を決定するようになっている。性能モデル112は、周囲条件、市場条件、プロセス条件、および/または他の関連情報などのような、追加的な情報を考慮するように構成され得る。
加えて、本発明の特定の態様によれば、たとえば、図8のプラントコントローラー22の中に含まれるライフサイクルコスト(LCC)モデル113などを用いて、(図9のステップ174において)発電プラント12のLCCの推定値が決定され得る。LCCモデル113は、コンピュータープログラムなどであることが可能であり、LCCモデル113は、発電プラント12についての物理的な情報および/またはコスト情報、ならびに、制御モデル111からの設定点を使用し、発電プラント12の推定ライフサイクルコストを決定するように構成され得る。ライフサイクルコストは、たとえば、その耐用年数にわたる発電プラント12の総コスト、メンテナンスコスト、および/または動作コストを含むことが可能である。LCCモデル113は、強化した精度のために性能モデル112の結果を考慮するように構成され得る。したがって、LCCモデル113は、制御モデル111の決定された設定点、および、性能モデル112からの動作特性、ならびに、他の情報を使用し、所望の通りに、発電プラント12の耐用年数を推定し、その耐用年数の間に発電プラント12を動作させ、かつ/または維持するのにどれくらいのコストがかかり得るかということを推定することが可能である。前述のように、発電プラントの耐用年数は、動作の時間および/または起動の数で表現され得、所与の発電プラントは、発電プラントの製造業者によって提供され得る期待耐用年数を有する。したがって、期待耐用年数の所定の値は、少なくとも、LCCモデル113および/または強化モジュール114のための開始点として使用され得る。
初期設定点、性能指標、および推定ライフサイクルを決定することからの結果などのような、本発明の他の実施形態からの情報を使用して、下記に説明されているように、(ステップ175において)発電プラント12に関する最適化問題が解決され得る。そのような最適化問題は、望まれる分析の深さに応じて複数の等式および変数を含むことが可能であり、また、目標関数を含むことが可能であり、目標関数は、実施形態では、LCCベースの目標関数であることが可能である。解決は、たとえば、LCCベースの目標関数を最小化することなどによって、発電プラント12の動作パラメーターの強化または増強を提供することを含むことが可能である(やはりステップ175)。実施形態では、最適化問題の解決は、図8のプラントコントローラー22の強化モジュール114によって実施され得る。
最適化理論から知られているように、目標関数は、最適化されることとなる特性またはパラメーターを表し、最適化問題がどのように定義されるかに応じて、多くの変数および/またはパラメーターを考慮に入れることが可能である。最適化問題では、特定の問題および/または目標関数によって表されているパラメーターに応じて、目標関数は、最大化または最小化させられ得る。たとえば、上記に示されているように、実施形態によるLCCを表現している目標関数は、LCCを可能な限り低く維持するように発電プラント12を走らせるために使用され得る少なくとも1つの動作パラメーターを作り出すために最小化させられることとなる。発電プラント12のための最適化問題、または少なくとも目標関数は、発電プラント特性、サイトパラメーター、顧客仕様、制御モデル111からの結果、性能モデル112、および/または、LCCモデル113、周囲条件、市場条件、および/またはプロセス条件、ならびに、適切および/または所望であり得る任意の追加的な情報などのような要因を考慮に入れることが可能である。そのような要因は、目標関数の項の中へ集められ得、たとえば、LCCベースの目標関数が、時間とともに表されるメンテナンスコストおよび動作コストを含むようになっており、時間は、推定コンポーネント耐用年数に基づく予測計画対象期間である。本発明の実装形態において、複雑な目標関数および/または最適化問題が使用され得、それぞれが、本明細書で説明されている様々な関数および/または要因の多くまたはすべてを含むことが可能であるということが認識されることとなる。
たとえば、メンテナンスコストは、発電プラント12の部品をモデル化し、すでに議論されているものなどのような様々なパラメーターに基づいて摩耗を推定することによって決定され得る。発電プラント12の任意の部品が、これらの目的のためにモデル化され得るということが認識されることとなる。しかし、実際の適用では、発電プラント12のより少数のより大きな部分、またはより少数の選択部分に関連付けられる部品がモデル化され得、かつ/または、モデル化する代わりに、いくつかの部品に関して、定数もしくはプラグ値が使用され得る。どんな詳細のレベルが用いられても、そのようなLCCベースの目標関数の最小化は、最適化問題の一部であり、その最適化問題は、上記に提供されているものなどのような多くの要因の結果として、所与の発電プラントに関して変化し得、また、たとえば、LCCを最小化することなどにしたがって、少なくとも1つの強化されたまたは増強された発電プラント12の動作パラメーターを含むことが可能である。加えて、所定の稼働時間および/もしくは休止時間、発電プラント12の様々な場所における所定の上限温度および/もしくは下限温度、所定のトルク、所定の電力出力、ならびに/または、所望の通りのおよび/もしくは必要に応じた他の制約などのような、少なくとも1つの制約が最適化問題に課され得るということを、当業者は認識することとなる。別段の記述がない限り、どんな制約が適用されるべきであるかということ、および、所与の最適化問題に関してどのような様式で適用されるべきであるかということを決定することは、当業者の管理権限内である。さらに、最適化問題への実行可能解を可能にするためにスラック変数を加えることなどのような、追加的な最適化理論技法が適用され得る状況を、当業者は認識することとなる。
発電プラント12の動作に関する最適化問題を解決するために、たとえば、強化モジュール114(図8)によって、公知の技法が用いられ得る。必要に応じておよび/または所望の通りに、たとえば、整数計画法、線形法、混合整数線形法、混合整数非線形法、および/または別の技法が使用され得る。加えて、例示的な目標関数に見ることができるように、最適化問題は、予測計画対象期間にわたって解決され得、発電プラント12の少なくとも1つの動作パラメーターに関する値のアレイを提供することが可能である。強化または増強は、たとえば、24時間、または、さらに分のオーダーなどの、比較的に短い予測計画対象期間にわたって実施され得るが、強化モジュール114(図8)は、望まれる分析の深さに応じて、たとえば、最大で発電プラント12の推定耐用年数までなどの、より長い予測計画対象期間を用いることが可能である。実施形態では、たとえば、制御モデル111(図8)などによって決定された初期設定点が、最適化問題の解決に応答して、および/または、最適化問題の解決の一部として調節され、強化された、または増強された、または最適化された設定点を生み出すことが可能である。加えて、結果を改良し、かつ/または、発電プラント12の制御設定点をより強化もしくは増強するために、(図9のステップ172〜175において)初期設定点を決定すること、性能指標の値を決定すること、推定LCCコストを決定すること、および、強化または増強することとともに、反復が使用され得る。
説明されることとなるように、オファー曲線セクション180は、オファー曲線、または、オファー曲線のセットを発生させることが可能であり、その例は、図7に関連して先に示された。プラントコントローラー22では、制御モジュール110および/またはデータリソース26からの制御情報115が、(図9のステップ181において)オファー曲線モジュール120によって受け取られ得る。特定の実施形態によれば、制御情報115は、制御設定点、性能、周囲条件、および/または市場条件を含む。また、この情報は、「ランの時の(as run)」情報として知られている可能性がある。加えて、周囲条件予想121および/または市場条件予想122は、(ステップ182において)受け取られ得る。特定の実施形態によれば、データベース123が含まれ得、データベース123は、現在の情報、「ランの時の」情報、および/または履歴情報をローカルで記憶することが可能であり、それは、周囲条件、市場条件、発電プラント性能情報、オファー曲線、制御設定点、および/または、適切であり得る任意の他の情報のいずれかまたはすべてを含む。データベース123は、たとえば、発電プラント12のオフラインのモデル124などを用いて、(ステップ183において)発電プラント12の動作をシミュレートするための情報を提供するために使用され得る。
オフラインのモデル124は、制御モデル111と同様のモデルを含むことが可能であるが、追加的なモデル化情報を含むことも可能である。たとえば、オフラインのモデル124は、制御モデル111、性能モデル112、LCCモデル113、および/または追加的なモデル化情報の一部分または全部を組み込むことが可能である。LCCを強化または増強することからの設定点および/または情報を用いて、オフラインのモデル124を走らせることによって、オフラインのモデル124の出力は、予測計画対象期間の中のそれぞれの時間間隔に関する電力生産のコストのための推定値、および、発電プラント12の電力出力の様々な値のための推定値を決定するために使用され得、(ステップ184において)1つまたは複数のオファー曲線125を発生させ、1つまたは複数のオファー曲線125は、(ステップ185において)給電指令当局24に送られるか、またはその他の方法で提供され得る。オフラインのモデル124は、発電プラント12の推定動作コストおよび/または条件を決定する際に、履歴情報、現在の情報、および/または予想情報などのような、任意の適切な情報を使用することが可能である。加えて、実施形態におけるオフラインのモデル124は、たとえば、モデルチューニングモジュール126などによって、(ステップ186において)チューニングされ得る。チューニングは、たとえば、プラントコントローラー22の他の部品によって受け取られかつ/または提供される情報に基づいて、オフラインのモデル124に関するパラメーターを周期的に調節し、発電プラント12の実際の動作をより良好に反映することを含むことが可能であり、発電プラント12の動作をより良好にシミュレートするようになっている。したがって、所与の動作パラメーターのセットに関して、プラントコントローラー22が、オフラインのモデル124が予測したものとは異なる実際のプロセス条件を観測した場合には、プラントコントローラー22は、それにしたがってオフラインのモデル124を変化させることが可能である。
発電プラント12aからのオファー曲線125に加えて、図示されているように、給電指令当局24は、その制御下にある他の発電プラント12bからオファー曲線125を受け取ることが可能である。給電指令当局24は、オファー曲線125にアクセスすることが可能であり、電力システム10にかかる負荷に対応するために給電スケジュールを発生させることが可能である。給電指令当局24は、予想される周囲条件、負荷予想、および/または、必要に応じたおよび/または所望の通りの他の情報を追加的に考慮に入れることが可能であり、それは、給電指令当局24がアクセスする様々なローカルのまたはリモートのデータリソース26から受け取られ得る。図示されているように、給電指令当局24によって作り出される給電スケジュールは、目標負荷128を含む発電プラント12のための制御信号を含み、上記に説明されているように、プラントコントローラー22は、その制御信号に応答することが可能である。
ライフサイクルコストの考慮事項を含めることは、本明細書で説明されているように、最適化プロセスの中で使用されるプラントモデルの範囲および精度を増加させ、こうする際に、手順に対する強化を可能にするように役割を果たすことが可能であるということが認識されることとなる。オファー曲線125は、上記に説明されているように、(メガワットの発電プラント出力に対して、メガワット時当たりのドルで測定される)可変コストを表すことが可能である。オファー曲線125は、増分可変コストオファー曲線および平均可変コストオファー曲線を含むことが可能である。見ることができるように、本発明の実施形態は、それらの発生させられたオファー曲線125を介して、可変コストの正確な査定を提供することが可能である。本発明の実施形態を使用して、増分可変コストオファー曲線は、実際の増分可変コスト曲線を非常に厳密に予測するように示されているが、一方、平均可変コストオファー曲線は、実際の平均可変コスト曲線を非常に厳密に予測するように示されている。本発明の実施形態によって発生させられるオファー曲線の精度は、図8のプラントコントローラー22の中で使用される様々なモデルが、概説目的のために適切な代表的なモデルを提供するということを示している。
ここで、図10から図12を見てみると、本発明の他の態様が、上記に提供されている特定のシステムおよび方法を参照して、また、それらを含めて、説明されている。図10は、ガスおよび蒸気タービンシステムを有するコンバインドサイクル発電プラントの中で使用され得るプラント最適化システム200のためのアーキテクチャーを実証するデータフローダイアグラムである。提供されている実施形態では、システム200は、上記に議論されているセンサーおよびアクチュエーターなどのような、ガスタービン(202)および蒸気タービンシステム(204)のそれぞれに関連付けられた監視および制御計器202、204を含む。監視および制御計器202、204のそれぞれは、測定された動作パラメーターを示す信号をプラントコントローラー208へ送信することが可能である。プラントコントローラー208は、信号を受け取り、所定のアルゴリズムにしたがって信号を処理し、制御信号を監視および制御計器202、204へ送信し、プラント動作に対する変化に影響を及ぼす。
プラントコントローラー208は、データ収集モジュール210とインターフェース接続している。データ収集モデル210は、将来の参照および分析のために保管データを維持するデータベース/ヒストリアン212に通信可能に連結され得る。ヒートバランスモジュール214は、要求に応じて、データ収集モデル210およびデータベース/ヒストリアン212からデータを受け取ることが可能であり、測定されたデータに可能な限り厳密に適合するように、発電プラントの質量バランスモデルおよびエネルギーバランスモデルをチューニングするアルゴリズムを処理する。モデルと測定されるデータとの間の不一致は、データの中のエラーを示す可能性がある。認識されることとなるように、性能モジュール216は、プラント機器モデルを使用し、主要なプラントコンポーネントおよび機器の期待性能を予測することが可能である。期待性能と現在の性能との間の相違は、それに限定されないが、汚れ、スケーリング腐食、および破損などのような、プラント機器、部品、およびコンポーネントの条件の劣化を表すことが可能である。本発明の態様によれば、性能モジュール216は、経時的な劣化を追跡することが可能であり、プラント性能に対して最も重大な影響を有する性能問題が特定されるようになっている。
図示されているように、オプティマイザーモジュール218が含まれ得る。オプティマイザーモジュール218は、プラントの経済的な給電を最適化するための方法論を含むことが可能である。たとえば、実施形態によれば、発電プラントは、ヒートレートが財源と等価であるという仮定にしたがって、ヒートレートまたは増分ヒートレートに基づいて給電され得る。発電プラントが、追加的な製造プロセス(図示せず)を含み、追加的な製造プロセスのために、蒸気が直接的に使用される(すなわち、作り出される蒸気が、蒸気タービンの中の発電から別の製造使用へ転用され得る)、代替的なシナリオでは、オプティマイザーモジュール218は、最適化問題を解決することが可能であり、より高いヒートレートを備えるコンポーネントが給電され得るということが認識されることとなる。たとえば、特定の状況では、蒸気に関する需要が、電気に関する需要を上回ることが可能であり、または、電気出力は、電気的なシステム要件によって制約され得る。そのようなケースでは、より低い効率のガスタービンエンジンに給電することは、限界を超えて電気出力を上昇させることなく、より大きい熱が回収されることを可能にすることができる。そのようなシナリオでは、より高いヒートレートを有するコンポーネントに給電することが、経済的に最適化された代替例である。
オプティマイザーモジュール218は、オンライン(自動)モードとオフライン(手動)モードとの間で選択可能であり得る。オンラインモードでは、オプティマイザー218は、発生させられる電気のコスト、それぞれの発電のレベルにおける増分コスト、プロセス蒸気のコスト、および、たとえば、リアルタイムでまたは5分ごとに1回などの、所定の周期性でのプラント動作利益などのような、現在のプラント経済的なパラメーターを自動的に算出する。オフラインモードは、定常状態性能をシミュレートし、「what−if」シナリオを分析し、予算およびアップグレードオプションを分析し、現在の発電能力、目標ヒートレート、条件を保証するための現在のプラント動作の補正、動作制約およびメンテナンス作用の影響、および燃料消費を予測するために使用され得る。オプティマイザー218は、プラントヒートバランスとプラント財務モデルを組み合わせることによる効率に基づいて出力を計算するのではなく、リアルタイムの経済的なコストデータ、出力価格、負荷レベル、および機器劣化に基づいて、発電プラントに関する利益最適化された出力を計算する。オプティマイザー218は、それぞれのコンポーネントの劣化に個別に適合するようにチューニングされ得、アドバイザリー出力220を作り出すことが可能であり、かつ/または、クローズドフィードバックループ制御出力222を作り出すことが可能である。アドバイザリー出力220は、発電プラントの制御可能なパラメーターをどこに設定すべきかをオペレーターに推奨し、それぞれのプラントコンポーネントを最適化し、収益性を最大化することを促進させるようになっている。例示的な実施形態では、アドバイザリー出力220は、コンピューター実行オプティマイザーモジュール218に通信可能に連結されているコンピューターディスプレイスクリーンである。代替的な実施形態では、アドバイザリー出力は、リモートワークステーションディスプレイスクリーンであり、ワークステーションは、ネットワークを通してオプティマイザーモジュール218にアクセスする。クローズドフィードバックループ制御出力222は、オプティマイザーモジュール218からデータを受け取ることが可能であり、リアルタイムフィードバック制御を実装するために、システム200のモジュールための最適化された設定点および/またはバイアス設定値を計算する。
図11は、リアルタイム火力発電プラント最適化システム230の簡単化されたブロック図であり、リアルタイム火力発電プラント最適化システム230は、本発明の態様によれば、サーバーシステム231と、複数のクライアントサブシステムとを含み、複数のクライアントサブシステムは、クライアントシステム234とも称され、サーバーシステム231に通信可能に連結されている。本明細書で使用されているように、リアルタイムは、結果に影響を及ぼす入力の変化の後に、実質的に短期間で発生する結果、たとえば、コンピューターによる計算を表している。期間は、定期的に繰り返されるタスクのそれぞれの反復の間の時間の量を表している。そのような繰り返されるタスクは、本明細書では、周期的タスクまたはサイクルと称され得る。時間期間は、リアルタイムシステムの設計パラメーターであり、リアルタイムシステムは、結果の重要度、および/または、結果を発生させるための入力の処理を実装するシステムの能力に基づいて、選択され得る。追加的に、リアルタイムで発生するイベントは、実質的な意図的遅延なしで発生する。例示的な実施形態では、計算は、1分以下の周期性で、リアルタイムで更新され得る。クライアントシステム234は、ウェブブラウザを含むコンピューターであることが可能であり、サーバーシステム231が、インターネットまたは何らかの他のネットワークを介して、クライアントシステム234にアクセス可能であるようになっている。クライアントシステム234は、多くのインターフェースを通して、インターネットに相互接続され得る。クライアントシステム234は、インターネットに相互接続することができる任意のデバイスであることが可能である。より詳細に下記に説明されているように、データベースサーバー236は、複数の事柄に関する情報を含有するデータベース239に接続されている。一実施形態では、集中型データベース239は、上記に議論されているデータリソース26の態様を含み、集中型データベース239は、サーバーシステム231の上に記憶され、また、クライアントシステム234を通してサーバーシステム231にログオンすることによって、クライアントシステム234のうちの1つにおいて潜在的ユーザーによってアクセスされ得る。代替的な実施形態では、データベース239は、サーバーシステム231からリモートで記憶され、非集中型であることが可能である。
本発明の態様によれば、上記に議論されている制御方法のいくつかは、図10および図11のシステムダイアグラムとともに使用するために開発され得る。たとえば、1つの方法は、発電プラント監視計器データを受け取るソフトウェアコードセグメントのプラント性能モジュールを使用して、発電プラント性能をシミュレートすることを含む。データは、プラントコントローラー、または、サーバーの上で実行するデータベース/ヒストリアンソフトウェアプログラムから、ネットワークを通して受け取られ得る。吸気コンディショニングシステムまたはHRSGダクトファイアリングシステムなどのような、任意の追加的なプラントコンポーネントは、発電プラント性能をシミュレートするために使用されるものと同様の様式でシミュレーションされ得る。それぞれのプラントコンポーネントの性能を同じ様式で決定することは、全体的な発電プラントが単一のプラントとして扱われることを可能にし、それぞれのコンポーネントのためのそのような設定点を別々に決定するのではなく、発電プラントのための最適化された設定点を決定する。それぞれのプラントコンポーネントに関する測定可能な量は、コンポーネントごとの出力または発電プラント効率を表現するようにパラメーター化され得る。プラント機器およびプラント性能をパラメーター化することは、それらに限定されないが、ガスタービン圧縮機、ガスタービン、熱回収蒸気発生器(HRSG)、通風ファン、冷却塔、復水器、給水加熱器、蒸発器、フラッシュタンクなどのような、コンポーネントに関する効率を計算することを含む。同様に、ヒートレートおよび性能計算は、パラメーター化され得、結果として生じる連立方程式が、リアルタイムで解かれ得、計算された結果が、それぞれのパラメーターがサンプリングされた時間から意図的な遅延なしで利用可能であるようになっているということが認識されることとなる。また、パラメーター化された連立方程式および制約を解決することは、発電プラントのための現在のヒートバランスを決定することと、それらに限定されないが、動作予備力要件、電気的なシステム需要、メンテナンス活動、清浄水需要、およびコンポーネント停止などのような、発電プラントの動作についての現在の制約を使用して期待性能を決定することとを含むことが可能である。また、パラメーター化された等式および制約を解決することは、将来のヒートバランスが決定された期待性能に等しくなるように、現在のヒートバランスを修正するように調節するためのパラメーターを決定することを含むことが可能である。代替的な実施形態では、パラメーター化された連立方程式および制約を解決することは、発電プラントへの入口条件を決定すること、決定された入口条件および発電プラントの所定のモデルに基づいて発電プラントの出力を予測すること、発電プラントの現在の出力を決定すること、予測された出力を決定された出力と比較すること、および、決定された出力が予測された出力に等しくなるまでプラントパラメーターを調節することを含む。例示的な実施形態では、方法は、また、パラメーター化された等式を使用して、制御可能なプラントパラメーター、プラント機器、およびプラント性能を相関させることと、発電プラントのヒートレートを最小化することおよび/または発電プラントの利益を最大化することを含む目標関数を使用して、最適化の目標を定義することと、制約を使用して、機器のそれぞれの個々のピースの動作の物理的に可能性な範囲、および/または、全体的な制限値を定義することとを含み、全体的な制限値は、最大電力生産、最大燃料消費などを含む。
図12は、本発明による、パラメーター化された連立方程式および制約を解決するための例示的な方法250のフローチャートである。方法250は、(252において)発電プラントに関する現在のヒートバランスを決定することと、(254において)動作に関する現在の制約を使用して期待性能を決定することと、(256において)将来のヒートバランスが決定された期待性能に等しくなるように、現在のヒートバランスを修正するように調節するためのパラメーターを決定することとを含む。また、方法250は、発電プラントへの入口条件を決定すること258と、決定された入口条件および発電プラントの所定のモデルに基づいて発電プラントの出力を予測すること260と、発電プラントの現在の出力を決定すること262と、予測された出力を決定された出力と比較すること264と、決定された出力が予測された出力に等しくなるまでプラントパラメーターを調節すること266とを含む。説明されている方法、および、図10および図11に関連して議論されているシステムは、コンバインドサイクル発電プラントを最適化するための、コスト効率の良い信頼性の高い手段を提供するということが認識されることとなる。
ここで図13から図16を見てみると、本発明の特定の態様による制御方法論を図示しているいくつかのフローダイアグラムおよびシステム構成に注意が払われることとなる。一般に、例示的な実施形態によれば、ガスタービンシステムなどのような火力発電ユニット、または発電プラントのためのコントロールシステムは、モデルの第1および第2のインスタンスを含むことが可能であり、モデルの第1および第2のインスタンスは、たとえば、物理学に基づくモデルを利用することによって、または数学的にモデル化することによって(たとえば、伝達関数など)、タービンの動作をモデル化する。第1のモデル(それは、「1次モデル」とも称され得る)は、ガスタービンシステムの現在の動作パラメーターを提供することが可能であり、それは、タービンの動作のモードおよびそれに対応する動作条件を記述する。本明細書で使用されているように、「パラメーター」は、それらに限定されないが、タービンの中の定義された場所における温度、圧力、ガスフロー、ならびに、圧縮機、燃焼器、およびタービンの効率レベルなどのような、タービンの動作条件を定義するために使用され得る項目を表している。また、性能パラメーターは、「モデル補正係数」とも称され得、タービンの動作を反映するように第1または第2のモデルを調節するために使用される係数を表している。第1のモデルへの入力は、感知または測定され、オペレーターによって提供され得る。現在の性能パラメーターに加えて、本発明の方法は、ガスタービンシステムの現在または将来の動作に影響を及ぼし得る、周囲条件などのような外部要因または外乱変数に関する情報を受け取り、または別の方法で得ることを含むことが可能である。
第2のモデル(「2次モデル」または「予測モデル」とも称される)は、操作される変数などのような現在の動作パラメーター、および、1つまたは複数の外乱変数を考慮に入れて、制御される変数などのような、ガスタービンシステムの1つまたは複数の動作パラメーターを特定または予測するために発生させられる。タービンの例示的な動作パラメーターは、それらに限定されないが、排気温度、タービン出力、圧縮機圧力比、ヒートレート、排出量、燃料消費、期待される収入などのような実際のタービン動作条件を含む。したがって、この第2のモデルまたは予測モデルは、特定の動作設定点におけるタービン挙動、性能目標、または、現在の動作条件とは異なる動作条件を示し、または予測するために利用され得る。本明細書で使用されているように、「モデル」という用語は、一般的に、モデルの出力に基づいて、モデル化し、シミュレートし、予測し、または示す作用を表している。「第2のモデル」という用語が本明細書で利用されているが、いくつかの場合では、第1および第2のモデルの定式化の間に相違は存在しない可能性があり、「第2のモデル」は、調節されたパラメーターまたは追加的な入力もしくは異なる入力によって、第1のモデルを走らせることを表すようになっているということが認識される。
したがって、外部要因および/または異なる動作条件を考慮する第2のモデルまたは予測モデルを利用してタービン動作挙動をモデル化することによって、タービン制御は、これらの異なる動作条件の下で、または、想定外の外部要因を考慮して、より効率的に動作するように調節され得る。したがって、このシステムは、モデル化された挙動および動作特性に基づく自動化されたタービン制御を可能にする。加えて、説明されているモデル化システムは、オペレーター特定のシナリオ、入力、動作点、動作目標、および/または動作条件を生成し、これらのオペレーター特定の条件におけるタービン挙動および動作特性を予測することを可能にする。そのような仮想のシナリオを予測することは、オペレーターが、スケジューリング、ローディング、ターンダウンなどのような、より多くの情報に基づく制御および動作決定を行うことを可能にする。本明細書で使用されているように、「動作点」という用語は、一般的に、動作点、条件、および/または目標を表しており、限定することを意図していない。したがって、動作点は、ベース負荷、ターンダウンポイント、およびピークファイヤーなどのような、目標または設定点を表すことが可能である。
説明されているタービンモデル化システムの1つの例示的な使用は、タービン動作を調節し、最も効率的なレベルにおいて依然として動作しながら、グリッド準拠要件を満足させることを含む。たとえば、地方のグリッド当局は、典型的に、発電プラントが周波数混乱の間にグリッドを支持することができなければならないという要件を規定している。混乱の間にグリッドを支持することは、グリッド状態に応じて、特定の条件の下でタービン負荷を増加または減少させることを伴う。たとえば、混乱の間に、発電プラントは、その発電出力を(たとえば、2%程度だけ)増加させ、他の供給不足を補償することが期待される。したがって、タービン動作は、典型的に、ベース負荷点を制約し、マージン付きの出力レベル(「予備マージン」とも称される)においてタービンが動作させられることを可能にし、必要な場合には、オーバーファイアリングに関連付けられる追加的なメンテナンス要因を招くことなく、増加した負荷が提供され得るようになっている。1つの例として、予備マージンは、典型的なベース負荷の98%であることが可能であり、したがって、100%ベース負荷を超えることなく、グリッド要件に対応するために負荷を増加させることを可能にする(たとえば、2%増加させる)。しかし、温度、湿度、または圧力などのような、想定外の外部要因が、タービン効率に悪影響を及ぼす可能性がある。日中の気温が上がるにつれて、熱は、タービンがより低い効率で動作することを引き起こし、タービンが当初に計画した通りの100%負荷に到達できないので、タービンは、タービンが必要とする2%の予備力を有さない可能性がある。それを補償するために、従来のヒートレート曲線は、可能性のある機械効率損失を考慮して、終日にわたり、より効率的な状態でタービンを動作させることを引き起こす(たとえば、96%などで)。しかし、本明細書で説明されているタービンモデル化システムは、現在の外部要因(たとえば、温度、湿度、圧力など)にしたがってリアルタイムでタービン挙動をモデル化することを可能にし、したがって、現在の周囲条件を前提として最も効率的に動作するように、タービン動作を制御することを可能にする。同様に、1日の熱変動に応答してタービン挙動を予測するように、将来のタービン挙動が予測され得、タービン動作プランニングが、最も効率的で経済的に採算の合う動作を実現することを可能にする。別の例として、発電プラントは、典型的に、夜間にガスタービンをシャットダウンするかどうか、または、単に出力レベルを低減させる(たとえば、ターンダウンする)かどうかについて、決定を行う。排出量、排気温度などのようなタービン動作特性は、この決定に影響を与える。本明細書で説明されているタービンモデル化システムを利用して、事前に、またはリアルタイムで、またはほぼリアルタイムで、のいずれかで、よりインテリジェントに決定を行うことが可能である。外部要因および期待されるタービン動作パラメーターは、第2のモデルに供給され、タービン動作特性がどのようになることになるかについて決定することが可能である。したがって、これらの特性(たとえば、効率、排出量、コストなど)を考慮して、モデル化された特性が利用され、タービンがシャットダウンされるべきかまたはターンダウンされるべきかについて決定することが可能である。
さらなる別の例として、タービンモデル化システムは、所与の時間においてタービンメンテナンスを実施する利益を評価するために利用され得る。本発明のタービンモデル化システムは、現在の性能パラメーターに基づいて、現在の能力において、タービンの動作特性をモデル化するために利用され得る。次いで、メンテナンスが実施される場合にタービンの動作特性をモデル化する(たとえば、期待性能アップを示すように性能パラメーター値を改善させる)、オペレーター特定のシナリオを発生させることが可能である。たとえば、タービンが経時的に劣化するにつれて、性能パラメーターは、機械劣化を反映する。いくつかの場合では、メンテナンスは、それらの性能パラメーター、ひいては、タービンの動作特性を改善させるために実施され得る。改善された動作特性をモデル化または予測することによって、コスト−利益分析が実施され、メンテナンスを実施することによって得られる利益とかかるコストを比較することが可能である。
図13は、タービン動作挙動をモデル化するために使用され得る例示的なシステム300を図示している。この実施形態によれば、圧縮機および燃焼器を有するガスタービンを含む発電プラント302が提供される。圧縮機への吸気ダクトは、周囲空気と、場合によっては注入される水とを、圧縮機へ給送する。吸気ダクトの構成は、圧縮機の中へ流入する周囲空気の圧力損失に寄与する。発電プラント302のための排気ダクトは、たとえば、排出制御および吸音デバイスを通して、発電プラント302の出口から、燃焼ガスを方向付けする。入口圧力損失および背圧の量は、吸気ダクトおよび排気ダクトへのコンポーネントの追加に起因して、ならびに、吸気ダクトおよび排気ダクトの詰まりに起因して、経時的に変化する可能性がある。
発電プラント302の動作は、発電プラント302の1つまたは複数の観測可能な条件、すなわち、動作パラメーターまたは性能パラメーターを検出する1つまたは複数のセンサーによって、監視され得る。加えて、周囲環境などのような外部要因は、1つまたは複数のセンサーによって測定され得る。多くの場合では、二重化または三重化されたセンサーが、同じパラメーターを測定することが可能である。たとえば、冗長の温度センサーのグループは、発電プラント302を取り囲む周囲温度、圧縮機吐出温度、タービン排気ガス温度、ならびに、発電プラント302の全体にわたる他の温度を監視することが可能である。同様に、冗長の圧力センサーのグループは、周囲圧力、および圧縮機入口および出口、タービン排気、ならびに、エンジン全体にわたる他の場所における静圧および動圧レベルを監視することが可能である。冗長の湿度センサーのグループは、圧縮機の吸気ダクトの中の周囲湿度を測定することが可能である。また、冗長のセンサーのグループは、発電プラント302の動作に関する様々なパラメーターを感知するフローセンサー、速度センサー、火炎検出器センサー、バルブ位置センサー、ガイドベーン角度センサーなどを含むことが可能である。燃料コントロールシステムは、燃料供給部から燃焼器へ流れる燃料を調整することが可能である。また、燃料コントローラーは、燃焼器のための燃料のタイプを選択することが可能である。
述べられているように、「動作パラメーター」は、温度、圧力、圧縮機圧力比、タービンの中の定義された場所におけるガスフロー、負荷設定点、燃焼温度、ならびに、タービンもしくは圧縮機劣化のレベルおよび/またはタービンもしくは圧縮機の効率のレベルに対応する1つまたは複数の条件などのような、タービンシステムの動作条件を定義するために使用され得る項目を表している。いくつかのパラメーターは、直接的に測定される。他のパラメーターは、タービンモデルによって推定され、または、間接的に知られる。さらなる他のパラメーターは、仮想の条件または将来の条件を表すことが可能であり、プラントオペレーターによって定義され得る。測定されるパラメーターおよび推定されるパラメーターは、所与のタービン動作状態を表すために使用され得る。本明細書で使用されているように、「性能指標」は、特定の測定される動作パラメーターの値から導出される動作パラメーターであり、定義された期間にわたる発電プラントの動作に関する性能基準を表している。たとえば、性能指標は、ヒートレート、出力レベルなどを含む。
図13に図示されているように、システム300は、1つまたは複数のコントローラー303a、303bを含み、1つまたは複数のコントローラー303a、303bは、それぞれ、発電プラントまたは発電ユニット302の動作を制御するためのプログラムを実行する1つまたは複数のプロセッサーを有するコンピューターシステムであることが可能である。図13は、2つのコントローラーを図示しているが、単一のコントローラー303が設けられてもよいということが認識される。好適な実施形態によれば、冗長的なおよび/または分散された処理を提供するために、複数のコントローラーが含まれ得る。制御作用は、たとえば、センサー入力、またはプラントオペレーターからのインストラクションに依存することが可能である。コントローラー303によって実行されるプログラムは、燃焼器への燃料フローを調整するためのアルゴリズム、グリッド準拠、ターンダウンを管理するためのアルゴリズムなどのような、スケジューリングアルゴリズムを含むことが可能である。コントローラー303によって発生させられるコマンドは、タービンの上のアクチュエーターが、たとえば、燃料供給部と燃焼器との間のバルブを調節することを引き起こすことが可能であり、燃料フロー、スプリット、および燃料のタイプを調整するようになっている。アクチュエーターは、圧縮機の上の入口ガイドベーンを調節することが可能であり、または、タービンの上の他の制御設定点を活性化させることが可能である。コントローラー303は、発電プラントの制御を促進することに加えて、本明細書で説明されているように、第1のモデルおよび/または第2のモデルを発生させるために使用され得るということが認識されることとなる。コントローラー303は、オペレーターのおよび/または現在のモデル化された出力(または、任意の他のシステム出力)を受け取ることが可能である。先に説明されているように、コントローラー303は、メモリーを含むことが可能であり、メモリーは、プログラムされたロジック(たとえば、ソフトウェア)を記憶し、また、感知された動作パラメーター、モデル化された動作パラメーター、動作限界および目標、動作プロファイルなどのような、データを記憶することが可能である。プロセッサーは、オペレーティングシステムを利用し、プログラムされたロジックを実行することが可能であり、また、そうする際に、その上に記憶されているデータを利用することが可能である。ユーザーは、少なくとも1つのユーザーインターフェースデバイスを介して、コントローラー303とインターフェース接続することが可能である。コントローラー303は、I/Oインターフェースを介して、動作している間に、発電プラントとオンラインで通信することが可能であり、また、動作していない間に、発電プラントとオフラインで通信することが可能である。コントローラー303のうちの1つまたは複数は、本明細書で説明されているモデルベースのコントロールシステムの実行を行うことが可能であり、それは、それらに限定されないが、動作パラメーターおよび性能パラメーターを感知すること、モデル化すること、および/もしくは受け取ること;現在のタービン動作を反映する第1の発電プラントモデルを発生させること;外部要因情報を感知すること、モデル化すること、および/もしくは受け取ること;性能目標などのようなオペレーター入力および他の変数を受け取ること;供給される追加的なデータを考慮して動作を反映する第2の発電プラントモデルを発生させること;現在のもしくは将来のタービン動作を制御すること;ならびに/または、モデル化された動作特性を提示することを含むことが可能であるということが認識されることとなる。追加的に、他の外部デバイス、または複数の他の発電プラントもしくは発電ユニットは、I/Oインターフェースを介してコントローラー303と通信することが可能であるということが認識されるべきである。コントローラー303は、それが制御する発電プラントに対してリモートに位置付けされ得る。さらに、コントローラー303、および、コントローラー303によって実装されたプログラムされたロジックは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、または、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である。
第1のコントローラー303a(それは、述べられているように、第2のコントローラー303bと同じまたは異なるコントローラーであることが可能である)は、第1のモデルまたは1次モデル305によって発電プラント302をモデル化するように動作可能であり得、それは、タービンの現在の性能パラメーターをモデル化することを含む。第2のコントローラー303bは、第2のモデルまたは予測モデル306を介して、異なる条件の下でタービン動作特性をモデル化するように動作可能であり得る。第1のモデル305および第2のモデル306は、それぞれ、タービン挙動の1つまたは複数の数学的表現の構成であることが可能である。これらの表現のそれぞれは、入力値に依存し、モデル化された動作パラメーターの推定値を発生させることが可能である。状況によっては、数学的表現は、測定されるパラメーター値が利用可能でない状況で使用され得る代用(surrogate)動作パラメーター値を発生させることが可能である。次いで、第1のモデル305は、発電プラント302の現在の性能パラメーター、および、外部要因、オペレーター供給されたコマンドもしくは条件、および/または調節された動作状態などのような任意の他の要因に基づいて、タービン動作特性を決定するために、第2のモデル306への基礎および/または入力を提供するために利用され得る。上記に説明されているように、「第2のモデル306」は、単に、第1のモデル305と同じモデルのインスタンスであることが可能であり、第2のモデル306は、外部要因、異なる動作点などのような、追加的な入力または異なる入力を考慮し、異なる入力を考慮して、異なる性能パラメーターまたはタービン挙動をモデル化するようになっているということが認識される。システム301は、インターフェース307をさらに含むことが可能である。
引き続き図13を参照すると、システムコンポーネント同士の間の相互関係の簡単な説明が提供される。説明されているように、第1のモデルまたは1次モデル305は、発電プラント302の現在の性能パラメーター308をモデル化する。これらの現在の性能パラメーター308は、それに限定されないが、タービン劣化のレベルに対応する条件、タービン効率のレベルに対応する条件(たとえば、ヒートレート、または、電力出力に対する燃料の比)、入口ガイドベーン角度、燃料フローの量、タービン回転速度、圧縮機入口圧力および温度、圧縮機出口圧力および温度、タービン排気温度、発電機電力出力、圧縮機空気フロー、燃焼器燃料/空気比、燃焼温度(タービン入口)、燃焼器火炎温度、燃料システム圧力比、ならびに音響特性を含むことが可能である。これらの性能パラメーター308のうちのいくつかは、タービン動作から直接的に測定または感知され得、また、いくつかは、他の測定されたまたは感知されたパラメーターに基づいてモデル化され得る。性能パラメーターは、第1のモデル305によって提供され得、かつ/または、たとえば、コントローラーによって感知され、かつ/または測定される場合などには、一般的に、コントローラーによって提供され得る。第1のモデル305を発生させると、性能パラメーター308(それは、モデルによって提供される任意のタービン挙動を表すことを意図している)は、第2のモデルまたは予測モデル306を発生させるために提供される。他の変数309が、その意図した使用に応じて、第2のモデル306に提供され得る。たとえば、他の変数は、一般的に制御不能であって単純に対応されなければならない、周囲条件などのような外部要因を含むことが可能である。加えて、他の変数309は、コントローラー特定のシナリオまたは動作点(たとえば、第1のモデル305に基づくタービン制御などのようなコントローラー303によって発生させられ、または、そうでなければ、コントローラー303を介して提供される、タービン動作点など)と、測定される入力とを含むことが可能であり、測定される入力は、場合によっては第1のモデル305によってモデル化されるものとして説明されているような同じ測定される入力のうちのいくつかまたはすべてであることが可能である。図14を参照して説明されているように、オペレーター特定のシナリオ313(たとえば、異なるタービン動作点または条件を示す1つまたは複数のオペレーター供給によるコマンド)は、また、オペレーター入力を介して第2のモデル306に供給され得る。たとえば、1つの例示的な使用例として、他の変数309は、コントローラー特定のシナリオを含むことが可能であり、コントローラー特定のシナリオは、外部要因または測定された入力などのような追加的な入力に基づいて、リアルタイムでまたはほぼリアルタイムで現在のタービン挙動をモデル化しようと試みるときに、1つまたは複数の入力として第2のモデル306に提供される。これらの追加的な入力のうちの1つまたは複数に加えて、第1のモデルのコントローラー特定のシナリオを利用することによって、期待される発電プラント302のリアルタイム挙動は、これらの追加的な入力を考慮に入れて、第2のモデル306によってモデル化され得、そして、それは、発電プラント302を制御するために、または、制御プロファイル入力310によって第1のモデル305を調節するために利用され得る。
図14を参照すると、オペレーター特定の動作モードまたはシナリオ313は、インターフェース307を介した第2のモデルまたは予測モデル306への1つまたは複数の入力として提供され、次いで、第2のモデルまたは予測モデル306は、様々な条件の下での将来のタービン挙動をモデル化または予測する。たとえば、オペレーターは、インターフェース307にコマンドを供給し、発電プラント302が異なる動作点(たとえば、異なる負荷、構成、効率など)において動作するシナリオを発生させることが可能である。例示目的の例として、動作条件のセットは、オペレーター特定のシナリオ313を介して供給され得、オペレーター特定のシナリオ313は、周囲条件または需要要件などのような、翌日(または、他の将来の時間フレーム)に関して期待される条件を表す。次いで、これらの条件は、第2のモデル306によって使用され、その時間フレームの間に、発電プラント302に関して期待されるまたは予測されるタービン動作特性314を発生させることが可能である。オペレーター特定のシナリオの下で第2のモデル306を走らせるときに、予測される動作特性314は、それらに限定されないが、ベース負荷出力能力、ピーク出力能力、最小ターンダウン点、排出量レベル、ヒートレートなどのような、タービン挙動を表す。これらのモデル化されるまたは予測される動作特性314は、たとえば、電力スポット市場計画および入札のためなど、電力生産レベルを計画し約束するときに、有用である可能性がある。
図15は、例示的な方法320を図示しており、例示的な方法320によって、本発明の実施形態は動作することが可能である。図13および図14を参照して説明されているものなどのような、1つまたは複数のコントローラーによって実行され得るような、タービンをモデル化するためのシステムの基本動作のフローチャートが提供される。方法320は、ステップ325において開始することが可能であり、ステップ325では、コントローラーは、第1のモデルまたは1次モデルによって、現在の動作にしたがって、タービンの1つまたは複数の現在の性能パラメーターをモデル化することが可能である。この第1のモデルを発生させるために、コントローラーは、モデルへの入力として、タービンの現在の動作を示す1つまたは複数の動作パラメーターを受け取ることが可能である。上記に説明されているように、これらの動作パラメーターは、感知もしくは測定され得、かつ/または、それらは、パラメーターが感知され得なかった場合に発生することができるようにモデル化され得る。現在の動作パラメーターは、上記に説明されているように、現在のタービン動作を示す任意のパラメーターを含むことが可能である。本明細書で開示されている方法およびシステムは、動作パラメーターが測定されるかまたはモデル化されるかに直接的に依存しないということが認識される。コントローラーは、たとえば、発生させられるガスタービンのモデルを含むことが可能である。モデルは、動作パラメーターの1つまたは複数の数学的表現の構成であることが可能である。これらの表現のそれぞれは、入力値に依存し、モデル化される動作パラメーターの推定値を発生させることが可能である。数学的表現は、測定されるパラメーター値が利用可能でない状況で使用され得る代用動作パラメーター値を発生させることが可能である。
ステップ330において、コントローラーは、現在のおよび/または将来の動作に影響を与えることができる1つまたは複数の外部要因を受け取り、またはそうでなければ決定することが可能である。上記に説明されているように、これらの外部要因は、典型的に、(そうである必要はないが)制御不能であり、したがって、それらの影響を第2のモデルの中に組み込むことは、所望のタービン制御プロファイルおよび/または動作挙動を発生させるのに有益である。外部要因は、それに限定されないが、周囲温度、湿度、または気圧、ならびに、燃料組成および/または供給圧力を含むことが可能であり、それは、タービン動作挙動に影響を与える可能性がある。これらの外部要因は、測定もしくは感知され得、(たとえば、オペレーターが、仮想のシナリオまたは将来の条件に基づいて予測される挙動を要求する場合には)推定され、もしくは、そうでなければ、オペレーターによって手動で提供され得、および/または、第三者情報リソース(たとえば、気象サービスなど)によって提供され得る。
ステップ335において、コントローラーは、調節された動作点および/または他の変数を受け取り、現在のタービン条件とは異なる条件におけるタービン挙動を予測することが可能である。調節された動作点は、それらに限定されないが、予備マージン(たとえば、ベース負荷の98%)におけるタービンをモデル化する場合、または、たとえば、ピーク負荷におけるまたはターンダウンの間のタービンをモデル化する場合などには、所望の出力レベルを特定することを含むことが可能である。動作点は、それらに限定されないが、高温ガス流路耐久性(または、燃焼温度)、排気フレーム耐久性、NOx排出量、CO排出量、燃焼器リーンブローアウト、燃焼ダイナミックス、圧縮機サージ、圧縮機アイシング、圧縮機空気力学的制限値、圧縮機クリアランス、および圧縮機吐出温度などのような、動作限界をさらに含むことが可能である。したがって、これらの調節された動作点または他の変数を提供することによって、オペレーターは、仮想のシナリオを提供することが可能であり、その仮想のシナリオに関して、タービンモデルは、それらのシナリオの下での動作特性を予測し、それは、タービンの将来の動作を制御するために、および/または、将来の発電および起動停止計画を計画するために有用であり得る。
ステップ335に続くのはステップ340であり、ステップ340では、タービンの第2のモデルまたは予測モデルが、ステップ325において発生させられた第1のモデル、ならびに、随意的に、外部要因、および/または、ステップ335において提供された調節された動作点もしくは他の変数に基づいて発生させられる。したがって、この第2のモデルまたは予測モデルは、動作パラメーター、また、そこから、将来の動作期間の間のタービンに関する性能指標を正確に示し、または予測することが可能である。
ステップ345において、モデル化された性能が利用され、現在のまたは将来のタービン動作を調節し、かつ/または、モデル化される性能をオペレーターに表示することが可能である。したがって、現在のタービン動作を調節する場合には、タービンコントローラーは、たとえば、現在のタービン制御に関して利用される様々な設定点および/または基準を修正することなどによって、現在の制御モデル(たとえば、第1のモデル)または現在の制御プロファイルを変更するための入力として、モデル化された性能パラメーターを受け取ることが可能である。ステップ340において発生させられた第2のモデルへの入力が、現在のタービン条件または現在の外部要因を表すものであるときに、タービンのこのリアルタイムまたはほぼリアルタイムの制御は実施されることとなるということが想定される。たとえば、温度、圧力、または湿度を考慮し、かつ/またはタービン劣化および/または効率をより正確に表すタービンの動作パラメーターまたは性能パラメーターを考慮した性能特性を、第2のモデルが表すときに、ステップ345におけるリアルタイムまたはほぼリアルタイムの調節が実施され得る。図16は、随意的にオペレーター特定の入力を受け取り、異なる動作条件の下での予測される挙動を発生させることができる、1つの例示的な実施形態を説明している。また、ステップ340において発生させられるモデルの出力は、インターフェースを介してオペレーターに表示され、または別の方法で提示され得る。たとえば、オペレーターがステップ335において仮想の動作シナリオを提供する一実施形態では、予測されたタービン動作特性は、分析のために、および、将来の制御または計画活動の中に含める可能性のために、表示され得る。したがって、方法320は、ステップ345の後に終了することが可能であり、第1のモデルによってタービンの現在の性能パラメーターをモデル化させ、次いで、追加的な外部要因、調節された動作点、または他の追加的なデータを考慮して同じタービンをモデル化させ、この追加的なデータに基づいてタービン動作を予測するようになっている。
図16は、例示的な方法400を図示しており、例示的な方法400によって、代替的な実施形態は動作することが可能である。図13および図14を参照して説明されているものなどのような、1つまたは複数のコントローラーによって実行され得るような、タービンをモデル化するためのシステムの動作の例示的なフローチャートが提供される。方法400は、システム301の使用を図示しており、オペレーターは、随意的に追加的な変数を供給し、モデル化能力を利用し、仮想のシナリオの下でのタービン挙動を予測することが可能である。方法400は、決定ステップ405において開始することが可能であり、決定ステップ405では、タービンが、現在のタービン動作パラメーターおよび性能パラメーターにしたがってモデル化されるべきであるかどうか、または、オペレーター供給によるパラメーターが、モデルを発生させるときに考慮されるべきであるかどうかということが決定される。たとえば、仮想の動作シナリオを予測するためにシステムが利用されている場合には、現在の性能パラメーターは、(基本的なタービン動作および挙動をモデルがすでに反映していると仮定して)モデルへの入力として必要とされない可能性がある。したがって、決定ステップ405において、現在のパラメーターが利用されるべきでないということが決定された場合には、動作は、ステップ410に進み、ステップ410では、オペレーターは、異なる性能パラメーターを供給し、異なる動作点の下でおよび異なる動作条件において(たとえば、より劣化した状態で、異なる効率のレベルにおいてなど)、タービンをモデル化することを可能にする。そうでなければ、たとえば、図15のステップ325を参照して説明されているように、現在の性能パラメーターおよび/または動作パラメーターが利用され、動作は、ステップ415へ続く。ステップ415において、コントローラーは、第1のモデルまたは1次モデルによって、ステップ410からのオペレーター供給による入力またはタービンの現在の動作にしたがって、タービンの1つまたは複数の性能パラメーターをモデル化することが可能である。たとえば、ステップ410において、オペレーター供給によるパラメーターに少なくとも部分的に基づいて、モデルが発生させられる場合には、ステップ415において発生させられるモデルは、それらの性能パラメーターの下での予測されるタービン挙動を表す。
ステップ415に続くのは決定ステップ420であり、決定ステップ420では、後続のモデル化(たとえば、「第2のモデル」または「予測モデル」)が、現在の温度、圧力、または湿度などのような現在の外部要因に基づくべきであるか、または、オペレーターによって供給される異なる外部要因に基づくべきであるかということが決定される。たとえば、あるシナリオでは、コントローラーは、1つまたは複数の現在の外部要因の追加的なデータに基づいて、タービン動作挙動をモデル化することが可能であり、それは、現在の条件を考慮したタービン挙動のさらなる予測を可能にすることとなる。しかし、別のシナリオでは、コントローラーは、オペレーター供給による条件にしたがってタービンをさらにモデル化するために利用され得、それは、様々な仮想のシナリオの下でタービン動作特性を予測することを可能にする。したがって、ステップ420において、オペレーター供給による外部要因データが、モデル化するときに考慮されるべきであるということが決定された場合には、動作は、ステップ425へ続く。そうでなければ、動作は、現在の外部要因を利用するステップ430へ続く。ステップ430において、コントローラーは、第2のモデルまたは予測モデルを発生させるときに考慮されることとなる外部要因を、それらが現在の状態を表していても、または仮想の要因を表していても、受け取る。ステップ430に続くのはステップ435〜445であり、ステップ435〜445は、図15のステップ325〜345を参照して説明されているものと同じまたは同様の様式で、異なる動作点を考慮すること、受け取られたデータに基づいて予測モデル発生させること、および、予測された挙動を表示することを、随意的にそれぞれ可能にする。方法400は、ステップ445の後に終了することが可能であり、オペレーター特定のシナリオに基づいて、随意的にタービン動作挙動をモデル化させる。
したがって、本明細書で説明されている実施形態は、現在の性能パラメーターおよび特定された1つまたは複数の外部要因を考慮に入れてタービン挙動を予測することに加えて、タービンモデルを利用し、実際のタービンのタービン挙動および対応する動作パラメーターを示すことを可能にする。したがって、これらの実施形態は、現在のタービン動作とは異なる動作点または動作条件におけるタービン挙動を示し、または予測する技術的効果を提供する。さらに、モデル化された挙動および動作特性に少なくとも部分的に基づく自動化されたタービン制御を可能にする、追加的な技術的効果が提供され、それは、随意的に、これらのオペレーター特定の条件におけるタービン挙動および動作特性を予測するために、オペレーター特定のシナリオ、入力、動作点、および/または動作条件を生成させることを含むことが可能である。実現されるさらなる技術的効果は、オペレーターが、スケジューリング、ローディング、ターンダウンなどのような、より多くの情報に基づく制御および動作決定を行うことを可能にする、様々な仮想のシナリオを予測する能力を含む。認識されることとなるように、本明細書では、本発明の例示的な実施形態によるシステムのステップダイアグラム、方法、装置、およびコンピュータープログラム製品が参照される。
ここで図17を参照すると、本発明の代替的な実施形態によるフローダイアグラム500が図示されている。認識されることとなるように、フローダイアグラム500は、発電プラント501の最適化を促進するための制御方法またはコントロールシステムの一部として使用され得る態様を含む。発電プラント501は、図2および図3に関連して議論されているもののいずれかと同様であることが可能であるが、添付の特許請求の範囲において別段に制限されない限り、本発明は、他のタイプの発電プラントに関連しても使用され得るということが認識されるべきである。好適な実施形態では、発電プラント501は、図1に関連して議論されているものなどのような、電力システム市場の中で販売される電気を発生させる複数の火力発電ユニットを含むことが可能である。発電プラント501は、多くの可能性なタイプの動作モードを含むことが可能であり、それは、たとえば、プラントの火力発電ユニットが関与し、または動作させられる異なる方式、プラントの出力レベル、プラントが、負荷要件を満足させながら、変化する周囲条件に反応する方式などを含む。動作モードは、発電プラント501の動作の特定の態様の物理的特性を考慮した動作パラメーターによって記述および定義され得るということが認識されることとなる。図17にさらに図示されているように、本発明は、発電プラントモデル502を含むことが可能である。発電プラントモデル502は、プラントの動作を模倣するように意図されているシミュレーションの一部としてプロセス入力および出力を相関させる、発電プラントのコンピューター化された表現を含むことが可能である。示されているように、本発明は、チューニングモジュール503と、プラントコントローラー505と、チューニングされる発電プラントモデル507と、プラントオペレーターモジュール509と、オプティマイザー510とをさらに含み、それらのそれぞれは、以下に個別に議論されることとなる。
発電プラント501は、動作パラメーターを測定するセンサー511を含むことが可能である。これらのセンサー511、ならびに、これらのセンサー511が測定する動作パラメーターは、本明細書ですでに議論されているもののいずれかを含むことが可能である。本方法の一部として、センサー511は、初期の動作の期間、現在の動作の期間、または第1の動作の期間(以降では、「第1の動作期間」)の間に動作パラメーターの測定値を取得することが可能であり、それらの測定値は、発電プラントの数学的モデルをチューニングするために使用され得、次いで、その数学的モデルは、以下に議論されているように、後続の動作の期間または第2の動作の期間(以降では、「第2の動作期間」)の間に、改善されたまたは最適化された動作の様式で、発電プラント501を制御するための最適化プロセスの一部として使用され得る。測定された動作パラメーターは、それ自身、プラント性能を評価するために使用され得、または、発電プラントの動作および性能の特定の態様に関係する性能指標を導出するための計算の中で使用され得る。認識されることとなるように、このタイプの性能指標は、ヒートレート、効率、発電能力、ならびにその他を含むことが可能である。したがって、初期のステップとして、第1の動作期間の間にセンサー511によって測定される動作パラメーターは、1つまたは複数の性能指標として使用され得る(または、1つまたは複数の性能指標に関する値を計算するために使用され得る)。本明細書で使用されているように、性能指標に関するそのような値(すなわち、動作パラメーターの測定値に基づく値)は、本明細書で「測定値」と称されることとなる。動作パラメーターの測定値、および/または性能指標に関する測定値は、示されているように、プラントコントローラー505およびチューニングモジュール503の両方に伝達され得る512。チューニングモジュール503は、より詳細に以下に議論されているように、発電プラントモデル502をチューニングして、チューニングされた発電プラントモデル507を構成する際に使用するために、データ照合調整またはチューニングプロセスからのフィードバックを計算するように構成され得る。
発電プラントモデル502は、議論されているように、発電プラント501の動作をシミュレートするように構成されているコンピューター化されたモデルであることが可能である。本方法によれば、発電プラントモデル502は、発電プラント501の第1の動作期間に対応する発電プラント動作をシミュレートするように構成され得る。これを実現するために、発電プラントモデル502は、第1の動作期間の動作パラメーターに関する情報およびデータを供給され得る。この情報は、第1の動作期間の間に測定される動作パラメーターのいずれかを含むことが可能であるが、発電プラントモデル502のための入力データは、測定される動作パラメーターのサブセットに限定され得るということが認識されることとなる。このように、発電プラントモデル502は、次いで、入力データセットから除外された、選択された動作パラメーターのための値を計算するために使用され得る。より具体的には、発電プラントモデルは、シミュレーションのための入力データを供給され得、シミュレーションのための入力データは、動作パラメーターのために測定される値の多くを含むが、そこから、選択された動作パラメーターに関する特定の測定値が省略されている。出力として、シミュレーションは、選択された動作パラメーターに関してシミュレートされた値を予測するように構成され得る。次いで、本方法は、シミュレートされた値を使用し、性能指標に関する値を予測することが可能である。このケースでは、性能指標に関するこれらの値は、本明細書で、「予測された値」と称されることとなる。このように、測定された発電プラント動作パラメーターから直接的に決定された性能指標に関する測定値は、対応する予測された値を有することが可能である。図示されているように、性能指標に関する予測された値は、チューニングモジュール503へ伝達され得る514。
チューニングモジュール503は、性能指標に関する対応する測定された値と予測された値を比較するように構成され得、その間の差分を決定するようになっている。認識されることとなるように、それにしたがって計算されると、差分は、実際の性能(または、その測定値)と発電プラントモデルによってシミュレートされた性能との間のエラーレベルを反映する。発電プラントモデル502は、この差分またはフィードバック515に基づいてチューニングされ得る。このように、チューニングされた発電プラントモデル507は構成されている。チューニングされた発電プラントモデル507は、オフラインモデルまたは予測モデルとも称され得、チューニングされた発電プラントモデル507は、次いで、提案されるまたは可能性のある動作モードをシミュレートすることによって、後続の動作の期間に関する最適化された動作モードを決定するために使用され得る。シミュレーションは、周囲条件などのような将来の未知の動作条件についての推定または予想を含むことが可能である。認識されることとなるように、最適化は、1つまたは複数の性能目標516に基づくことが可能であり、1つまたは複数の性能目標516の中には、コスト関数が定義されている。図示されているように、性能目標516は、プラントオペレーターモジュール509を通してオプティマイザー510に伝達され得る。
プラントモデルのチューニングのプロセスは、いくつかのステップを含む繰り返しプロセスとして構成され得る。認識されることとなるように、特定の実施形態によれば、発電プラントモデル502は、論理ステートメントおよび/またはパラメーター化された方程式が、プロセス入力(すなわち、燃料供給、空気供給など)をプロセス出力(発生させられる電気、プラント効率など)に相関させるアルゴリズムを含むことが可能である。発電プラントモデル502をチューニングするステップは、発電プラントモデル502の中のアルゴリズムのうちの1つを調節することと、次いで、調節された発電プラントモデル502を使用して、調節が及ぼした影響を決定するように、第1の動作期間に関する発電プラント501の動作をシミュレートすることを含むことが可能である。より具体的には、性能指標に関する予測された値は、発電プラントモデルへの調節が計算された差分に及ぼした影響を決定するように再計算され得る。調節された発電プラントモデル502を使用して、差分が小さくなると判明した場合には、発電プラントモデル502は、前進するその調節を含むように更新され、または「チューニング」され得る。発電プラントモデル502は、発電プラントが特定の条件の下で動作する方式の変化を反映するために使用される性能乗数を含む複数の論理ステートメントによって構築され得るということがさらに認識されることとなる。そのようなケースでは、計算された差分に基づいて発電プラントモデル502をチューニングすることは、a)性能乗数のうちの1つまたは複数に対して調節を行うステップと、b)調節された性能乗数を有する発電プラントモデル502を用いて、第1の動作期間に関する発電プラントの動作をシミュレートするステップと、c)再計算が差分の低減を結果として生じさせるかどうかを決定するように、性能乗数によって調節されるような発電プラントモデル502を使用して、性能指標に関する予測された値を再計算するステップとを含むことが可能である。性能乗数のうちの1つに対して行われる調節が、差分を低減させることを結果として生じさせるまで、これらのステップを繰り返すことが可能であり、差分を低減させることは、モデルが実際の性能をより正確にシミュレートしていることを示すこととなる。性能乗数は、たとえば、プラントの動作の累積された時間に基づく期待性能劣化に関係する可能性があるということが認識されることとなる。性能指標が発電能力を含む別の例では、発電プラントモデル502をチューニングするステップは、測定された発電能力と予測された発電能力との間の差分に基づいて、係数に対する調節を推奨することを含むことが可能である。そのような調節は、予測された発電能力が測定された発電能力と実質的に等しくなることを結果として最終的に生じさせる変化を含むことが可能である。したがって、発電プラントモデル502をチューニングするステップは、性能指標に関する予測された値またはシミュレートされた値が性能指標に関する測定値と実質的に等しくなる(または、性能指標に関する測定値のマージン内になる)まで、発電プラントモデル502の中の1つまたは複数の相関関係を修正することを含むことが可能である。
チューニングされると、方法は、次いで、チューニングされたモデル507を使用し、提案される発電プラントの動作をシミュレートすることが可能である。特定の実施形態によれば、本方法の次のステップは、定義された性能目標516を前提としてどのシミュレートされた動作が好ましいかということを決定することを含む。このように、発電プラントを動作させる最適化されたモードが決定され得る。好適な実施形態によれば、最適化された動作モードを決定するプロセスは、いくつかのステップを含むことが可能である。第1に、複数の提案される動作モードは、多くの可能性のあるものから選択され、または選ばれ得る。提案される動作モードのそれぞれに関して、対応する提案されるパラメーターセット517が、第2の動作期間に関して発生させられ得る。本明細書で使用されているように、パラメーターセットは、複数の動作パラメーターに関する値を定義しており、集合的に、パラメーターセットが、特定の動作のモードの態様を定義または記述するようになっている。そのように、提案されるパラメーターセットは、発電プラント501の可能性のある動作モードの多くを記述し、または、発電プラント501の可能性のある動作モードの多くに関係するように構成され得、また、動作をシミュレートするためのチューニングされた発電プラントモデル507のための入力データセットとして構成され得る。動作パラメーターが発生させられ、提案されるパラメーターセットへと編成されると、チューニングされた発電プラントモデル507は、提案されるパラメーターセットのそれぞれにしたがって、発電プラント501の動作をシミュレートすることが可能である。次いで、オプティマイザー510は、提案されるパラメーターセット517のそれぞれに関するシミュレートされた動作519の結果を評価することが可能である。プラントオペレーターによって定義された性能目標、および、その中に定義されたコスト関数にしたがって、評価を行うことが可能である。最適化プロセスは、本明細書で説明されている方法のいずれかを含むことが可能である。
性能目標によって定義されるコスト関数は、第2の動作期間にわたる発電プラント501のシミュレートされた動作の経済的な性能を評価するために使用され得る。評価に基づいて、提案されるパラメーターセットのうちの1つが、他の提案されるパラメーターセットによって作り出されるものと比較して優先的であるシミュレートされた動作を作り出すものとしてみなされ得る。本発明によれば、最も好ましいシミュレートされた動作を作り出す提案されるパラメーターセットに対応するか、またはそれによって記述される、動作のモードは、最適化された動作モードとして指定される。決定されると、さらに以下に議論されているように、最適化された動作モードは、検討のためにプラントオペレーターに渡され、または、自動化された実装のためにプラントコントローラーに伝達され得る。
好適な実施形態によれば、本発明の方法は、特定の動作のモードを評価し、好ましい代替例を決定および推奨するために使用され得る。認識されることとなるように、発電プラント501の発電ユニットは、可変設定点を有するアクチュエーターによって制御され、可変設定点は、プラントコントローラー505などのようなコントロールシステムに制御可能にリンクされている。発電プラント501の動作パラメーターは、3つのカテゴリー、すなわち、操作される変数、外乱変数、および制御される変数へとクラス分けされ得る。操作される変数は、制御される変数を制御するようにアクチュエーターを介して操作され得る制御可能なプロセス入力を評価し、一方、外乱変数は、制御される変数に影響を及ぼす制御不能なプロセス入力を評価する。制御される変数は、定義された目標レベルに対して制御されるプロセス出力である。好適な実施形態によれば、制御方法は、第2の動作期間(すなわち、最適化された動作のモードが計算されている動作の期間)についての外乱変数に関する予想された値を受け取ることを含むことが可能である。外乱変数は、周囲温度、圧力、および湿度などのような周囲条件を含むことが可能である。そのようなケースでは、第2の動作期間に関して発生させられる、提案されるパラメーターセットは、外乱変数に関して予想される値に関係する外乱変数に関する値を含むことが可能である。より具体的には、それぞれの周囲条件パラメーターに関する発生させられる値は、周囲条件パラメーターのそれぞれに関する値の範囲を含むことが可能である。この範囲は、たとえば、低いケース、中程度のケース、および高いケースを含むことが可能である。複数のケースを有することは、プラントオペレーターが最善/最悪ケースのシナリオのために計画することを可能にし得るということが認識されることとなる。予想される値は、異なるケースに対応する尤度評価(likelihood rating)を含むことが可能であり、それは、プラントのオペレーターが、様々な動作上の不測事態に関して計画し、かつ/または損失をヘッジすることをさらに支援することが可能である。
提案されるパラメーターセットを発生させるステップは、制御される変数に関する目標レベルを発生させることを含むことが可能である。目標レベルは、発電プラント501の競合する動作モードまたは代替的な動作モードに対応するように発生させられ得、かつオペレーター入力を含むことが可能である。そのようなオペレーター入力は、プラントオペレーターモジュール509によって促進され得る。好適な実施形態によれば、そのような目標レベルは、発電プラント501に関する所望の出力レベルを含むことが可能であり、所望の出力レベルは、プラントに関する過去の使用状況パターンを前提とする起こり得る出力レベルに基づくことが可能である。本明細書で使用されているように、「出力レベル」は、第2の動作期間の間の商用配電のために発電プラント501によって発生させられる負荷レベルまたは電気のレベルを反映している。提案されるパラメーターセットを発生させるステップは、出力レベルが同じまたは一定のままである複数のケースを発生させることを含むことが可能である。そのような一定の出力レベルは、プラントまたは発電ユニットのセットに関するベース負荷を反映することが可能である。複数の目標レベルは、それぞれの目標レベルが発電ユニットのそれぞれからの異なる関与のレベルに対応する場合に発生させられ得、これらは、履歴使用状況を前提として起こり得る動作モードを得るために引き出され得る。次いで、方法は、公知の制約を前提として最も効率的な動作モードを決定することが可能である。追加的に、提案されるパラメーターセットは、外乱変数が、それぞれの目標レベルに関して発生させられる複数のケースについて一定のレベルを維持するように発生させられ得る。外乱変数のための一定のレベルは、受け取られる予想された値に基づくことが可能である。そのようなケースでは、本発明の1つの態様によれば、提案されるパラメーターセットを発生させるステップは、予想される周囲条件または期待される周囲条件を前提としてベース負荷レベルを実現するための最適化された動作モードを決定するように、操作される変数を各範囲にわたって変化させる、複数のケースを発生させることを含む。例示的な実施形態によれば、コスト関数は、プラント効率もしくはヒートレートとして定義され、または動作コスト、収入、または利益などのような、より直接的な経済的な指標を含むことが可能である。このように、発電プラント501を制御する最も効率的な方法は、ベース負荷が知られており、外乱変数が比較的に高い精度レベルで予測され得る状況において決定され得る。そのようなケースで本発明によって決定される最適化された動作モードは、より最適な機能を実現するためにプラントコントローラー505によって使用され得る特定の制御ソリューション(すなわち、特定の設定点、および/または、したがって、発電プラントの操作される変数を制御するアクチュエーターに関する範囲)を含むように構成され得る。このように計算されると、制御ソリューションは、様々な外乱変数に関して予想される値を前提として、定義されたまたは契約された目標負荷を満足させるための最適化された動作モードを表す。このタイプの機能性は、日間のまたは市場間の期間の最適化アドバイザーまたはチェックとしての役割を果たすことが可能であり、それは、以前に固定された負荷レベルを依然として満足させる、より効率的な動作モードを見つける目的のために、バックグラウンドで進行中の動作を分析する。たとえば、以前の給電入札によってカバーされる市場期間が進行するときに、周囲条件が知られるようになり、または、少なくとも、周囲条件を正確に予測する信頼のレベルが、入札プロセスの間に推定されたものを超えて増加する。これを前提とすると、本方法は、周囲条件のより確かな知識を前提として、給電される負荷を満たすための制御ソリューションを最適化するために使用され得る。この特定の機能性は、第2のパラメーターセット517として、および、第2のパラメーターセット517に関連したシミュレートされた動作519として、図17に図示されている。このように、本発明の最適化プロセスは、「微調整」態様を含むことも可能であり、それによって、チューニングされる発電プラントモデル507の上でのシミュレーションランが、より効率的な制御ソリューションについてアドバイスし、次いで、それは、プラントコントローラーに伝達され、プラントコントローラーによって実装され得る。
本発明の別の態様は、発電プラント501のための燃料購入を最適化するためのその使用状況を含む。発電プラントは、典型的に、特定の様式で動作する燃料市場から定期的な燃料購入を行うということが認識されることとなる。具体的には、そのような燃料市場は、典型的に、見込みベースで動作させられ、見込みベースでは、発電プラント501は、将来の動作期間に必要な燃料の量を予測し、次いで、予測に基づいて購入を行う。そのようなシステムでは、発電プラント501は、低い燃料在庫を維持することによって、利益を最大化しようとする。しかし、発電プラント501は、余分な燃料量を定期的に購入し、給電プロセスの間にプラントが提供するように契約した電力の量を発生させるのに不十分な購入された燃料の供給を有するコストのかかる状況を回避するようになっている。このタイプの状況は、たとえば、変化する周囲条件が、予測されたよりも効率の低い発電を結果として生じさせるときに、または、発電プラントの真の発電能力が過大推定されるときに、起こる可能性がある。すでに議論されている本出願のいくつかの態様は、最適化された動作のモードを決定し、それを使用して、必要とされる燃料供給のための非常に正確な予測を計算するために使用され得るということが認識されることとなる。すなわち、本最適化プロセスは、プラント効率および負荷能力に関するより正確な予測を提供することが可能であり、それは、将来の動作期間に必要とされる燃料の量を推定するために使用され得る。これは、プラントオペレーターが燃料購入に関してより小さいマージンを維持することを可能にし、それは、プラントの経済的な性能に利益をもたらす。
代替的な実施形態によれば、本発明は、プラント性能を最適化するための方法を含み、その方法では、予測計画対象期間が定義され、最適化プロセスの中で使用される。認識されることとなるように、予測計画対象期間は、動作の将来の期間であり、それは、予測計画対象期間の初期の時間間隔に関して最適化された動作のモードを決定する目的のために、定期的に繰り返す間隔へと分割されている。具体的には、発電プラントの動作は、予測計画対象期間の全体にわたって性能を最適化することによって最適化され、それは、次いで、初期の時間間隔に関する最適化された動作のモードを決定するために使用される。認識されることとなるように、プロセスは、次いで、次の時間間隔の間に発電プラントがどのように動作するべきであるかということを決定するように繰り返され、それは、認識されることとなるように、最適化サイクルのその次の繰り返しに対して初期の時間間隔になる。この後続の最適化に関して、予測計画対象期間は、同じままであることが可能であるが、初期の時間間隔として現在定義されているものに対して再定義される。これは、予測計画対象期間が、繰り返しごとに追加的な時間間隔によって効果的に将来へ推し進められるということ意味している。すでに述べられているように、「提案されるパラメーターセット」は、複数の動作パラメーターに関する値を含み、それによって、発電プラント501に関する可能性のある動作モードのうちの1つを定義または記述する、データセットを表している。好適な実施形態によれば、予測計画対象期間に関与する場合に最適化された動作モードを決定するプロセスは、以下のステップのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。第1に、複数の提案される計画対象期間パラメーターセットが、予測計画対象期間に関して発生させられる。本明細書で使用されているように、「提案される計画対象期間パラメーターセット」は、予測計画対象期間の時間間隔のそれぞれに関する提案されるパラメーターセットを含む。たとえば、24時間の予測計画対象期間は、24個の1時間の時間間隔を含むものとして定義され得、それは、提案される計画対象期間パラメーターセットが、24個の時間間隔のそれぞれに関する提案されるパラメーターセットを含むということを意味している。次のステップとして、提案される計画対象期間パラメーターセットは、予測計画対象期間にわたる動作をシミュレートするために使用される。次いで、シミュレーションランのそれぞれに関して、コスト関数が、経済的な性能を評価するために使用され、提案される計画対象期間パラメーターセットのどれが、最も好適であること、すなわち、本明細書で使用されているように、「最適化された計画対象期間シミュレーションラン」を表すかということを決定するようになっている。例示的な実施形態によれば、予測計画対象期間の初期の時間間隔に関する最適化された計画対象期間シミュレーションランの中で記述される動作モードは、次いで、初期の時間間隔に対応する動作の期間に関する最適化された動作モードとして指定され得る。次いで、最適化プロセスは、後続の時間間隔に関して繰り返され得る。本発明は、予測計画対象期間の中で定義された時間間隔のそれぞれに関する外乱変数に関して予想される値を受け取ることを含むことが可能である。次いで、提案される計画対象期間パラメーターセットは、時間間隔のそれぞれに対応する提案されるパラメーターセットが、外乱変数に関して受け取られた予想される値に関係する外乱変数に関する値を含むように、発生させられ得る。
認識されることとなるように、提案される計画対象期間パラメーターセットは、外乱変数に関する値の範囲をカバーするように発生させられ得る。前述のように、その範囲は、外乱変数のそれぞれについての複数のケースを含むことが可能であり、予想される値の上方および下方をそれぞれ表す高い値および低い値を含むことが可能である。説明されている実施形態のいずれかによれば、動作のモードをシミュレートするステップ、および、シミュレーションから最適化された動作モードを決定するステップは、繰り返され、繰り返しプロセスへと構成され得るということが認識されることとなる。本明細書で使用されているように、それぞれの繰り返しは、「最適化サイクル」と称される。それぞれの繰り返しは、最適化のための後続のまたは次の動作の期間を定義することを含むことが可能であるということが認識されることとなる。この後続の期間は、以前のサイクルによって最適化された動作の期間の直後に発生する可能性があり、または、ケース、たとえば、給電入札を準備する目的のために、または、代替的なメンテナンススケジュールの経済的な影響についてアドバイスする目的のために、本方法が使用される場合に当てはまるように、将来の期間に対応する動作の期間を含むことが可能である。
発電プラントモデル502をチューニングするステップは、チューニングされた発電プラントモデル507を更新するように繰り返され得る。このように、最近のチューニングを反映するチューニングされた発電プラントモデル507は、最適化サイクルとともに使用され、より効果的な結果を作り出すことが可能である。代替的な実施形態によれば、最適化サイクルおよび発電プラントモデル502をチューニングするサイクルは、互いに対して分離され得、それぞれのサイクルが、自分自身のスケジュールにしたがって反復するようになっている。他の実施形態では、発電プラントモデル502は、所定の数の最適化サイクルの繰り返しの後に、更新され、またはチューニングされ得る。更新されチューニングされた発電プラントモデル507は、次いで、所定の数の繰り返しが行われ、別のチューニングサイクルを開始させるようになるまで、後続の最適化サイクルの中で使用される。特定の実施形態では、チューニングサイクルは、それぞれの最適化サイクルの後に行われる。代替的な実施形態によれば、発電プラントモデル502のチューニングを開始させる最適化サイクルの数は、予測計画対象期間の時間間隔の数に関連している。
本発明は、述べられているように、性能目標にしたがって、発電プラント501の動作を最適化することが可能であり、性能目標は、プラントオペレーターによって定義され得る。好適な実施形態によれば、本方法は、発電プラントの動作を経済的に最適化するために使用される。そのようなケースでは、性能目標は、経済的な最適化に関する基準を提供するコスト関数を含み、定義する。例示的な実施形態によれば、提案されるパラメーターセットのそれぞれに関するシミュレートされた動作は、出力として、選択された性能指標に関する予測された値を含む。コスト関数は、性能指標に関する予測された値を、動作コストまたは経済的な性能のいくつかの他の指示に相関させるアルゴリズムを含むことが可能である。このように使用され得る他の性能指標は、たとえば、発電プラントヒートレートおよび/または燃料消費を含む。代替的な実施形態によれば、シミュレーション出力は、発電プラント501の火力発電ユニットのうちの1つまたは複数のための高温ガス流路温度に関する予測された値を含み、それらは、消費されるコンポーネント寿命コストを計算するために使用され得る。このコストは、シミュレートされた動作から結果として生じる高温ガス流路コンポーネントに関連付けられる予測された劣化コストを反映する。コスト関数は、性能指標に関する予測された値を動作収入に相関させるアルゴリズムをさらに含むことが可能である。そのようなケースでは、動作収入は、次いで、動作コストと比較され得、発電プラント501に関する純収入または純利益を反映するようになっている。本方法は、最適化されている期間にわたり市場の中で販売される電気のための予想される価格を受け取るステップをさらに含むことが可能であり、選択される性能指標は、電気の出力レベルを含むことが可能であり、電気の出力レベルは、次いで、次に来る動作の期間に関する期待される動作収入を計算するために使用され得る。このように、本方法は、動作コストと収入を比較することによって、経済的利益を最大化するために使用され得る。
認識されることとなるように、性能目標は、選択された操作性制約を含むようにさらに定義され得る。特定の代替的な実施形態によれば、本方法は、定義された操作性制約のうちのいずれか1つに違反するシミュレートされた動作を作り出す提案されるパラメーターセットのいずれかを不適格とするステップを含む。操作性制約は、たとえば、排出閾値、最大動作温度、最大機械的応力レベルなど、ならびに、法的規制もしくは環境的な規制、契約条件、安全規制、ならびに/またはマシンまたはコンポーネントの操作性閾値および制限を含むことが可能である。
本方法は、すでに述べられているように、発電プラント501の代替的なまたは可能性のある動作モードを記述する提案されるパラメーターセット517を発生させることを含む。図示されているように、提案されるパラメーターセット517は、プラントオペレーターモジュール509の中で発生させられ得、プラントマネージャーまたは人間のオペレーターからの入力を含むことが可能である。大まかに言うと、可能性のある動作モードは、競合するモードと考えられ得、競合するモードに関して、シミュレーションが実施され、性能目標および想定される条件を最良に満足させる動作のモードを決定するようになっている。例示的な実施形態によれば、これらの代替的な動作モードは、いくつかの方式で選択され、または定義され得る。好適な実施形態によれば、代替的な動作モードは、発電プラント501に関する様々な出力のレベルを含む。出力レベルは、本明細書で使用されているように、定義された市場期間の間に、市場の中の商用配電のために、発電プラント501によって発生させられる電気のレベルに関係する。提案されるパラメーターセットは、異なる出力レベルのそれぞれにおける複数のケースを定義するように構成され得る。いくつかの出力レベルは、提案されるパラメーターセットによってカバーされ得、選ばれる出力レベルは、発電プラント501に関する可能性のある出力の範囲と一致するように構成され得る。可能性のある出力レベルの範囲は、直線的でなくてもよいということが認識されることとなる。具体的には、発電プラントの複数の発電ユニット、および、それらに関連したスケーラビリティー制限に起因して、提案されるパラメーターセットは、発電プラント501の特定の構成を前提として、より実現可能なまたは好ましいレベルにおいて、グループ化されまたは集中させられ得る。
述べられているように、競合する動作モードのそれぞれは、複数のケースを含むことが可能である。たとえば、競合する動作モードが異なって定義されている場合には、複数のケースが選ばれ得、出力レベルがそれによって実現される異なる様式を反映するようになっている。発電プラントが複数の発電ユニットを有する場合には、それぞれの出力レベルにおける複数のケースは、火力発電ユニットのそれぞれがどのように動作させられかつ/または関与されるかということによって、差別化され得る。一実施形態によれば、いくつかの発生させられるケースは、発電ユニットのそれぞれによって提供される出力レベルのパーセンテージを変化させることによって差別化される。たとえば、発電プラント501は、コンバインドサイクル発電プラント501を含むことが可能であり、コンバインドサイクル発電プラント501の中では、火力発電ユニットがガスタービンおよび蒸気タービンを含む。追加的に、ガスタービンおよび蒸気タービンは、チラーなどのような吸気コンディショニングシステムおよびHRSGダクトファイアリングシステムによって、それぞれ増強され得る。認識されることとなるように、吸気コンディショニングシステムは、たとえば、ガスタービンの入口空気を冷却するために構成され得、その発電能力を増強するようになっており、かつHRSGダクトファイアリングシステムは、ボイラーに対して二次的な熱源として構成され得、蒸気タービンの発電能力を増強するようになっている。この例によれば、火力発電ユニットは、ガスタービン、または、代替的に、吸気コンディショニングシステムによって増強されたガスタービンと、蒸気タービン、または、代替的に、HRSGダクトファイアリングシステムによって増強された蒸気タービンとを含む。次いで、提案されるパラメーターセットによってカバーされる複数のケースは、競合する動作モードとして選ばれた異なる出力レベルを依然として満足させながら、これらの特定の火力発電ユニットが異なる方式で関与される場合を含むことが可能である。次いで、シミュレートされた動作は、定義された基準にしたがって、どれが、最適化された動作モードを反映するかということを決定するために分析され得る。
代替的な実施形態によれば、提案されるパラメーターセットは、異なる動作モードを得るために引き出され、メンテナンス動作の経済的な利益を計算することが可能である。これを実現するために、競合する動作モードのうちの1つは、最適化のために選ばれた動作の期間の前に、メンテナンス動作が完了されるように仮定されているものとして定義され得る。この動作モードは、このメンテナンス動作の完了を伴うように期待される性能アップを反映するように定義され得る。代替的な動作モードは、メンテナンス動作が実施されないものとして定義され得、それは、この動作モードに関する複数のケースのシミュレーションが、期待性能アップを含むこととならないということを意味している。次いで、シミュレーションからの結果は、経済的な効果がより良好に理解されるように分析され得、また、複数のケースが使用され、異なっているシナリオ(たとえば、燃料価格の変動または期待されない周囲条件など)がどのように結果に影響を及ぼすかということを示すことが可能である。認識されることとなるように、同じ原理を使用して、競合する動作モードは、ターンダウンモードおよびシャットダウンモードを含むことが可能である。
本発明は、異なる方式をさらに含み、異なる方式では、最適化プロセスが、発電プラントオペレーターによってプロセスを自動化し、効率および性能を改善するために使用され得る。一実施形態によれば、図17に図示されているように、方法は、発電プラント501が最適化された動作モードにしたがって制御される前に、人間のオペレーターによる承認を得るために、計算された最適化された動作のモード521をプラントオペレーターモジュール509へ伝達するステップを含む。アドバイザーモードでは、本方法は、代替的な動作のモードおよびそれぞれのモードに関連付けられる経済的な波及効果を提示するように構成され得、そのような代替例をプラントオペレーターに気付かせるようになっている。代替的に、本方法のコントロールシステムは、最適化されたソリューションを自動的に実装するように機能することが可能である。そのようなケースでは、最適化された動作モードは、プラントコントローラー505へ電子的に伝達され得、それに一致する様式で発電プラント501の制御を促進させるようになっている。発電プラント501のグループ間で発電を分配するための経済的な給電システムを含む電力システムでは、本発明の最適化方法は、中央当局または給電指令所へ提出するためのより正確で競争力のある入札を発生させるために使用され得る。当業者が認識することとなるように、すでに説明されている最適化機構は、真の発電能力、効率、ヒートレートを反映する入札を発生させると同時に、発電プラントが異なる動作モードを選ぶことによって将来の市場期間において行う経済的なトレードオフに関して有用な情報をプラントオペレーターへ提供するために使用され得る。このタイプの精度の向上および追加的な分析は、発電プラントが、入札プロセスにおいて競争力を保持すると同時に、予期しない不測事態に起因して全く採算の合わない給電結果を得るリスクを最小化することを確実にすることを助ける。
図18から図21は、発電プラントのターンダウンおよび/またはシャットダウン動作に関係する本発明の例示的な実施形態を図示している。「ターンダウンアドバイザー」と称され得る図18のフローダイアグラム600に図示されているように、第1の実施形態は、定義されたまたは選択された動作の期間(「選択された動作期間」)の間の発電プラントに関するターンダウンレベルをシミュレートおよび最適化するための方法およびシステムを教示している。好適な実施形態では、本方法は、複数のガスタービンを有する発電プラントとともに使用され、それは、複数のガスタービンおよび1つまたは複数の蒸気タービンを有するコンバインドサイクルプラントを含むことが可能である。チューニングされた発電プラントモデルは、選択された動作期間の間のターンダウンレベルで発電プラントを動作させるための最適化された最小負荷を決定するために使用され得る。前述のように、「最適化された」動作モードは、1つまたは複数の他の可能性のある動作モードよりも好ましいとみなされ、または評価される動作モードとして定義され得る。これらの実施形態の目的のための動作モードは、負荷起動停止計画または他の性能目標を果たすための特定の発電ユニットの割り当て、ならびに、発電プラントの中の発電ユニットの物理的な構成を含むことが可能である。そのような機能性は、最適化されたまたは強化された動作モードに到達する際に、本発明が、多数のプラント組み合わせを考慮することが可能であり、多数のプラント組み合わせは、それぞれの発電ユニットの異なるターンダウン構成、ならびに、他のユニットはフルまたはターンダウンレベルで動作したままの状態でユニットの1つまたは複数をシャットダウンする構成を考慮に入れるということを意味する。方法は、性能および/または効率を強化する発電プラントに関する強化されたターンダウン動作モードの計算において、操作性制約、性能目標、コスト関数、オペレーター入力、および周囲条件などのような他の制約をさらに考慮に入れることが可能である。本方法は、本明細書で説明されているように、および/または、添付の特許請求の範囲において正確に記述されているように、ターンダウン動作モードの最適化のために、現在の周囲条件および予測された周囲条件を考慮に入れることが可能であり、また、ユニット構成および/または制御を変化させ、実際の条件がそれらの予測された条件から逸脱するときに、発電ユニットのうちの1つまたは複数の動作を動的に調節するようになっている。好適な実施形態によれば、そのような性能は、提案されるターンダウン動作期間にわたる燃料使用状況または消費のレベルを最小化するものとして少なくとも部分的に定義される。
本発明のターンダウンアドバイザーは、最適化されたもしくは強化されたターンダウンソリューションおよび/または推奨されるターンダウン作用に到達する際に、いくつかの要因、基準、および/または動作パラメーターを考慮に入れることが可能である。好適な実施形態によれば、これらは、それに限定されないが、ガスタービンエンジン動作限界(すなわち、温度の動作限界、空気力学的な動作限界、燃料スプリットの動作限界、希薄吹消の動作限界、機械的な動作限界、および排出制限値の動作限界)、ガスタービンおよび蒸気タービンコントロールシステム、最小蒸気タービンスロットル温度、復水器上の真空シールのメンテナンス、ならびに、システムまたはシステムの制御の構成またはラインナップなどのような他の要因を含む。最適化の出力のうちの1つは、1つまたは複数の発電プラントの推奨される動作モードおよび構成を含むことが可能であり、複数の発電プラントは、風力、太陽光、往復動エンジン、原子力、および/または他のタイプを含む、異なるタイプの発電プラントを含む。推奨される動作モードは、自動的に開始され、または、承認を得るためにプラントオペレーターへ電子的に伝達され得るということが認識されることとなる。そのような制御は、発電ユニットの動作を制御するように構成されているオフプレミスまたはオンプレミスコントロールシステムを介して実装され得る。追加的に、発電プラントが複数のガスタービンエンジンを含む状況では、本方法の出力は、ターンダウン期間の間に、ガスタービンのうちのどれが動作し続けるべきであり、どれがシャットダウンされるべきであるかということを特定することを含むことが可能であり、それは、図19に関連してより詳細に議論されているプロセスである。ターンダウン期間の間にアドバイザーが継続動作を推奨するガスタービンのそれぞれに関して、本方法は、負荷レベルをさらに計算することが可能である。別の出力は、ターンダウン期間の間の発電プラントに関する合計の負荷を計算することを含むことが可能であり、また、述べられているように、条件が変化する場合に調節される、予測される周囲条件に基づいて、毎時の目標負荷プロファイルを計算することを含むことが可能である。また、本発明は、ターンダウン動作期間の間の発電プラントの予測される燃料消費および排出量を計算することが可能である。開示されている方法の出力は、発電ユニットおよびプラントに対して利用可能な制御設定点を前提として動作ラインナップ/構成を含むことが可能であり、より効率的に目標発電レベルを実現するようになっている。
上記に議論されているように、トレーダーおよび/またはプラントマネージャー(それらを区別しない限り、以降では、「プラントオペレーター」)は、既存の契約条件に縛られず、典型的に、電力スポット市場などのような有望な市場でそれらの発電プラントを入札する。追加的な考慮事項として、プラントオペレーターは、発電プラントが目標または契約された発電レベルを満たすことができるように、十分な燃料供給が維持されることを確実にする任務を負う。しかし、多くのケースでは、燃料市場は、見込みで動作し、事前に将来の燃料購入を約束する意思があり、または約束することができる発電プラントに、有利な価格条件が利用可能となるようになっている。より具体的には、より早く燃料が購入されるほど、有利な価格になる。これらの市場ダイナミックスを前提とすると、発電プラントが最適化されたまたは高レベルの経済的利益を実現するために、プラントオペレーターは、その発電能力を利用するために、他の発電ユニットに対して競争力を持ってプラントを入札しなければならず、それと同時に、1)より低い価格を確保するために燃料が事前に購入され得るように、および、2)大きい燃料バッファーを必要とせずに、少ない燃料在庫が維持され得るように、将来の発電期間に必要とされる燃料を正確に推定する。これに成功すれば、プラントオペレーターは、将来の燃料購入を早く約定することによってより良い価格を確保すると同時に、不必要で出費のかさむ予備燃料が必要とされる過大購入せず、または、燃料供給不足のリスクを冒す購入不足も生じない。
本発明の方法は、特に、これらが、発電市場のシェアを確保するための給電入札の準備に関係するので、発電ユニットまたはプラントの特定の構成についてのIHRプロファイルを特定することによって、発電活動の効率および収益性を最適化し、または強化することが可能である。本方法は、発電プラントの中の複数の発電ユニットにわたって、または、いくつかのプラントにわたって、最適な発電割り当てを特定することを含むことが可能である。本方法は、それらの発電ユニットにとって利用可能な動作および制御構成を考慮に入れることが可能であり、可能性のある配置を入れ替え、それによって、選択された場合には、低減されたまたは最小化されたコストで入札期間にわたる電力の発生を可能にする入札を実現することが可能である。こうする際に、本方法は、すべての適用可能な物理的な、規制上のおよび/または契約上の制約を考慮することが可能である。この全体的なプロセスの一部として、本方法は、複数の発電ユニットを有する発電プラントに関するターンダウンおよびシャットダウン動作を最適化または強化するために使用され得る。この手順は、たとえば、気象条件または周囲条件などのような想定される外因性の条件、ガス品質、発電ユニットの信頼性、ならびに、蒸気発生などのような付随する義務を考慮に入れることを含むことが可能である。本方法が使用され、複数の構成を有する複数の発電ユニットに関するIHRプロファイル、ならびに選択されたターンダウン構成に関する制御設定値を列挙し、次いで、プラント給電入札の準備において想定される外因性の条件のために制御することが可能である。
オペレーターのための1つの共通の決定は、需要または負荷要件が最小であるときに、夜間などのようなオフピーク期間の間に発電プラントをターンダウンするかまたはシャットダウンするかということに関係する。認識されることとなるように、この決定の結果は、これらの可能性のある動作のモードのそれぞれに関連した経済的な波及効果についてのプラントオペレーターの理解に大きく依存する。特定のケースでは、発電プラントをターンダウンする決定は、容易に明らかになり得るが、ターンダウン期間の間に発電プラントを維持する最適な最小負荷が不確実なままである。すなわち、プラントオペレーターは、特定の期間にわたって発電プラントをターンダウンする決定を行っているが、オペレーターは、最もコスト効率の良い様式で発電プラントのいくつかの発電ユニットを走らせるターンダウン動作点について確信が持てない。
図18のターンダウンアドバイザーは、発電プラントを動作させる最適な最小負荷を推奨するためのプロセスの一部として使用され得る。このアドバイザー機能は、周囲条件、経済的な入力、ならびに、動作パラメーターおよび制約の特定のシナリオを前提として、発電プラントのための最善策をさらに推奨することが可能である。図19に関連してより詳細に議論されることとなるように、これらの入力から、プロセスは、最良の動作レベルを計算することが可能であり、次いで、発電プラントの制御に必要な動作パラメーターを推奨することが可能である。認識されることとなるように、この機能性は、いくつかの付属的な利益を結果として生じさせることが可能であり、それは、部品寿命の延長、より効率的なターンダウン動作、経済的な性能の改善、および、燃料購入を行う際の精度の改善を含む。
フローダイアグラム600に図示されているように、特定の情報および関連した基準が、初期のステップの間に集められ得る。ステップ602において、発電プラントシステムおよび発電ユニットに関連付けられるデータ、変数、および他の要因が決定され得る。これらは、上記に列挙されている要因または情報のいずれかを含むことが可能である。好適な実施形態によれば、周囲プロファイルが受け取られ得、それは、選択された動作期間の間の周囲条件の予想を含むことが可能である。また、関連した排出量データは、このステップの一部として集められ得、それは、発電プラントに関する排出量制限値ならびに今までの排出量を含むことが可能である。別の要因は、選択された動作期間の間の電力および/または蒸気の潜在的販売に関連したデータを含む。このステップの一部として決定され得る他の変数は、プラントにおけるガスタービンの数、ガスタービンのそれぞれに関する燃焼システムおよびコントロールシステムの数、ならびに、以下に議論されている計算に関連し得る任意の他のプラント特有の制限を含む。
ステップ604において、提案されるターンダウン動作の期間(または、「選択される動作期間」)が、詳細に定義され得る。認識されることとなるように、これは、ユーザーまたはプラント動作によって定義され、選択される動作期間を含むことが可能であり、選択される動作期間の間に、利用可能なターンダウン動作モードの分析が望まれる。選択される動作期間の定義は、その想定される長さ、ならびに、ユーザー指定のスタート時間(すなわち、選択される動作期間がスタートすることとなる時間)および/またはストップ時間(すなわち、選択される動作期間が終了することとなる時間)を含むことが可能である。このステップは、選択される動作期間の中の間隔を定義することをさらに含むことが可能である。間隔は、選択される動作期間を複数の順次の一定間隔の時間期間へと細分化するように構成され得る。本明細書で提供される例のために、間隔は、1時間として定義されることとなり、選択される動作期間は、複数の1時間間隔を含むものとして定義されることとなる。
ステップ606において、選択される動作期間に関する最適化プロセスに関与するガスタービンの数が選択され得る。これは、発電プラントにおけるガスタービンのすべて、または、そのいくつかの部分を含むことが可能である。より詳細に以下に説明されているように、方法は、蒸気タービンシステムなどのような、発電プラントにおける他の発電ユニットの考慮をさらに含み、選択される動作期間の間のそれらの動作状態を考慮に入れることが可能である。ターンダウン動作に関与するガスタービンの決定は、プラントオペレーターからの入力を促し、または受け取ることを含むことが可能である。
ステップ608において、本方法は、選択される動作期間の間の提案されるターンダウン動作の一部として決定されたガスタービンの数を前提として、置換行列を構成することが可能である。認識されることとなるように、置換行列は、複数のガスタービンエンジンが、選択される動作期間の間に関与させられまたは動作させられ得る様々な方式を含む行列である。たとえば、図18の例示的な置換行列609に図示されているように、2つのガスタービンのケースに関する置換行列は、可能性のある構成のそれぞれをカバーする4つの異なる組み合わせを含む。具体的には、発電プラントが、第1のガスタービンおよび第2のガスタービンを含む場合には、置換行列は、以下の行またはケースを含む:a)第1のガスタービンおよび第2のガスタービンの両方が「オン」であり、すなわち、ターンダウン動作の状態で動作させられている;2)第1のガスタービンおよび第2のガスタービンの両方が「オフ」であり、すなわち、シャットダウン動作の状態で動作させられている;3)第1のガスタービンが「オン」であり、第2のガスタービンが「オフ」である;ならびに、4)第1のガスタービンが「オフ」であり、第2のガスタービンが「オン」である。認識されることとなるように、単一のガスタービンのケースでは、2つの置換だけが可能であり、一方、3つのガスタービンに関しては、7つの異なる行またはケースが可能であることとなり、そのそれぞれは、「オン」および「オフ」の動作状態の観点から、特定の時間フレームの間に、3つのガスタービンエンジンがどのように関与し得るかについて異なる構成を表す。図17に関連して、および、図17に関連した本文において議論されている最適化プロセスに関連して、置換行列のそれぞれのケースまたは行は、異なるまたは競合する動作モードを表すものとして考えられ得る。
ステップ610、613、614、616、および618によって表されているステップの一部として、本方法は、提案されるターンダウン動作に関する提案されるパラメーターセットを構成することが可能である。述べられているように、選択される動作期間は、いくつかの1時間に及ぶ時間間隔へと分割され得る。提案されるパラメーターセットを構成するためのプロセスは、ステップ610において開始することが可能であり、ステップ610において、間隔のそれぞれが対処されたかどうかについて決定される。この質問への回答が「はい」である場合には、プロセスは、図示されているように、出力ステップ(すなわち、ステップ611)へ続くことが可能であり、出力ステップにおいて、ターンダウン分析の出力が、オペレーター612に提供される。間隔のすべてがカバーされていない場合には、プロセスは、ステップ613へ続くことが可能であり、未だカバーされていない間隔のうちの1つが選択される。次いで、ステップ614において、周囲条件が、受け取られた予想に基づいて、選択される間隔に関して設定され得る。ステップ616へ続いて、プロセスは、置換行列から行を選択することが可能であり、ステップ618において、特定の行にしたがって、ガスタービンのオン/オフ状態を設定することが可能である。
そこから、本方法は、2つの異なる経路に沿って続くことが可能である。具体的には、方法は、ステップ620によって表されている最適化ステップへ続くことが可能であり、一方、ステップ621における決定ステップへも続き、ステップ621において、プロセスは、置換行列のすべての置換または行が、選択される間隔に関してカバーされたかどうかということを決定する。これに対する回答が「いいえ」である場合には、プロセスは、ステップ616へループバックすることが可能であり、ステップ616において、間隔に関する異なる置換行が選択される。これに対する回答が「はい」である場合には、プロセスは、図示されているように、ステップ610へ続くことが可能であり、間隔のすべてがカバーされたかどうかということを決定するようになっている。認識されることとなるように、それぞれの間隔に関する置換行列の行のうちのすべてが対処されると、プロセスは、ステップ611の出力ステップへ前進することが可能である。
ステップ620において、本方法は、先に図17で議論されているように、チューニングされた発電プラントモデルを使用して、性能を最適化することが可能である。このアプローチに一致して、複数のケースが、競合する動作モードのそれぞれに関して、すなわち、選択される動作期間の間隔のそれぞれに関する置換行列の行のそれぞれに関して生成され得る。好適な一実施形態によれば、本方法は、選択される動作パラメーターまたは性能指標に対する影響を決定するようにいくつかの動作パラメーターが変化させられる、提案されるパラメーターセットを発生させる。たとえば、この実施形態によれば、提案されるパラメーターセットは、入口ガイドベーン(「IGV」)および/またはタービンの排気温度(「Texh」)に関する設定値を操作することを含むことが可能であり、特定の行のオン/オフ状態および特定の間隔に関する周囲条件予想を前提として、発電プラントに関する最小化された合計の燃料消費率をどの組み合わせが生み出すかということを決定するようになっている。認識されることとなるように、ターンダウン動作に関連付けられる他の制約を満足させながら燃料消費を最小化する動作は、1つの様式を表し、その1つの様式によって、ターンダウン性能は、1つまたは複数の代替的な動作のモードに対して、経済的に最適化され、または、少なくとも、経済的に強化され得る。
示されているように、特定の実施形態によれば、コスト関数、性能目標、および/または操作性制約が、この最適化プロセスの間に本発明によって使用され得る。これらは、プラントオペレーターを介して提供され得、ステップ622によって表されている。これらの制約は、IGVの設定値に関する制限、Texh制限、燃焼限界など、ならびに、発電プラントの一部であり得る他の熱システムに関連付けられる制限を含むことが可能である。たとえば、コンバインドサイクルシステムを有する発電プラントにおいて、ターンダウン動作の間の蒸気タービンの動作またはメンテナンスは、たとえば、最小蒸気温度または復水器真空シールの維持など、特定の制約を提示することが可能である。別の操作性制約は、特定の付属的なシステムが、特定の動作モードで影響を及ぼされ得、かつ/または、蒸発冷却器およびチラーなどのような特定のサブシステムが、相互に排他的であるという、必要なロジックを含むことが可能である。
置換行列の間隔および異なる行を前提として、本方法が反復を通して一巡すると、最適化の結果は、ステップ611において、プラントオペレーターへ伝達され得る。これらの結果は、時間間隔のそれぞれに関する置換行列の行のそれぞれについての最適化されたケースを含むことが可能である。1つの例によれば、出力は、最適化された動作を記述し、それは、間隔のそれぞれについての置換のそれぞれについての発電プラントに関する燃料消費のコスト関数によって定義される。具体的には、出力は、操作性制約、性能目標、および想定される周囲条件も満足させながら、それぞれの間隔についての(置換行列の行によって表されているような)可能性のあるプラント構成のそれぞれに(すでに説明されている方法にしたがって、チューニングされた発電プラントモデルを使用して最適化された)必要とされる最小燃料を含むことが可能である。別の実施形態によれば、出力は、同じ方式で、間隔のそれぞれに関する可能性のあるプラント構成についての発電出力レベル(すなわち、メガワット)を最小化する最適化を含む。認識されることとなるように、(置換行列の置換によって表されているような)可能性のあるプラント構成のいくつかは、出力レベルを発電するための燃料供給にかかわらず、操作性制約を満足させることができない可能性がある。そのような結果は、廃棄され、それ以上考慮されず、または、ステップ611の出力の一部として報告されなくてもよい。
図19および図20は、過渡動作に関連付けられる典型的な制約を前提として、定義された間隔(図では「I」)を含む選択された動作期間にわたって、発電プラントのガスタービンが動作させられ得る方式を、図式的に表している。認識されることとなるように、過渡動作は、異なる動作モードの間で発電ユニットを切り替えることを含み、シャットダウン動作モードへ、または、シャットダウン動作モードからの移行を伴うものを含む。示されているように、複数の動作経路またはシーケンス639が、以下に応じて実現され得る:1)ガスタービンの初期状態640;および、2)過渡動作制約を前提として変化が可能である間隔において動作モードを変化させるかどうかに関して行われる決定。認識されることとなるように、いくつかの異なるシーケンス639は、示されている間隔にわたって発電ユニットが動作させられ得る複数の方式を表している。
認識されることとなるように、図18の方法の出力は、図19および図20のダイアグラムと併せて使用され、発電プラントの発電ユニットのための提案されるターンダウン動作シーケンスを構成することが可能である。すなわち、図19および図20は、発電プラントの発電ユニットがどのように関与され得るかということ、および、時間間隔の経過にしたがってその動作モードがどのように修正され得るかということについての例を図示しており、それは、発電ユニットの動作モードが不変のままである場合、ユニットの動作モードがシャットダウン動作モードからターンダウン動作モードへ修正される場合、ならびに、ユニットの動作モードがシャットダウン動作モードからターンダウン動作モードへ修正される場合を含むことが可能である。図示されているように、この例で使用される過渡動作制約は、動作モードを修正することが、ユニットが最小でも間隔のうちの少なくとも2つにわたって修正された動作モードに留まることを必要とするということである。発電ユニットが最後の間隔に到達するための多くのシーケンス(または、経路)は、過渡動作制約を前提としてユニットが利用できる可能性のあるターンダウン動作シーケンスを表している。
認識されることとなるように、図18からの分析結果、すなわち、行列置換のそれぞれについての最適化されたターンダウン動作は、可能性のあるターンダウン動作シーケンスから、複数の好適なケースを選択するために使用され得、それは、提案されるターンダウン動作シーケンスと称することが可能である。具体的には、図18に関連して説明されている方法の結果を前提とすると、提案されるターンダウン動作シーケンスは、選択されたコスト関数(たとえば、MW出力または燃料消費など)にしたがって性能も最適化しながら、プラント性能目標および制約を満足させるターンダウン動作のケースから選ばれ得る。図19および図20に図示されている考慮事項は、過渡動作制約を前提としてターンダウン動作シーケンスが達成可能であるかどうかということを決定する方式を表している。すなわち、図18から図20の組み合わせ分析によって到達される提案されるターンダウン動作シーケンスは、1つの動作モードから別の動作モードへユニットを移行させることに関連付けられる時間的制限に適合する動作シーケンスである。
ここで図21を見ると、発電プラントのターンダウン動作をさらにモデル化し、分析する方法が提供されている。認識されることとなるように、この方法は、定義された時間間隔にわたって単一の発電ユニットを伴う特有のケースについてのターンダウンコスト対シャットダウンコストを分析するために使用され得る。しかし、それは、プラントレベルコストを分析するためにも使用され得、そこでは、いくつかの発電ユニットの動作が複数の間隔を有する選択された動作期間にわたって制御され得る方式に関する推奨が求められる。このように、図18および図20の出力は、複数の間隔のスパンにわたる可能性のある動作モードまたはシーケンスを構成するように組み立てられ得、それは、実証されることとなるように、次いで、図21の方法にしたがって分析され得、より広い動作期間にわたるターンダウン動作のより十分な理解を提供するようになっている。
プラントオペレーターは、すでに議論されているように、オフピーク時間の間に、ターンダウン動作モードかシャットダウン動作モードかを定期的に決定しなければならない。特定の条件は、その決定を単純明快なものにする可能性もあるが、多くの場合、とりわけ、最新の発電プラントの複雑さの増加、および、それぞれの中に通常含有される複数の火力発電ユニットを前提とすると、それは困難である。認識されることとなるように、発電プラントをターンダウンするか、またはシャットダウンするかを決定することは、それぞれの動作のモードに関連付けられる経済的な利益の十分な認識に大きく依存する。本発明は、図21に図示されている代替的な実施形態によれば、意思決定を強化するように、これらの異なる動作モードのそれぞれに関連付けられるトレードオフの理解の改善を得るために、プラントオペレーターによって使用され得る。特定の実施形態によれば、図21の方法は、図18のターンダウンアドバイザーと連動して使用され得、組み合わせアドバイザー機能を可能にするようになっており、組み合わせアドバイザー機能は、1)公知の条件および経済的な要因を前提として、発電プラントの発電ユニットに関して、ターンダウン動作モードとシャットダウン動作モードとの間の最善策を推奨し、2)ターンダウン動作がそれらのユニットのいくつかにとって最善策である場合には、最適な最小ターンダウン負荷レベルを推奨する。このように、プラントオペレーターは、周囲条件、経済的な入力、および動作パラメーターの特定のシナリオを前提として、どちらが発電プラントに関する経済的な最善策を表すかということに基づいて、発電プラントのユニットをシャットダウンするのではなくターンダウンするべき状況、またはその逆の状況を、より容易に特定することが可能である。また、コンポーネント部品寿命を延長するなどのような付属的な利益も可能である。また、図18および図21に関連して説明されている方法およびシステムを別々に用いることが可能であるということが認識されるべきである。
一般に、フローダイアグラム700の方法は、「ターンダウンアドバイザー」の一部であることが可能であり、または、本明細書で「ターンダウンアドバイザー」と称することが可能であり、フローダイアグラム700の方法は、ユーザー入力および分析的動作からのデータを適用し、発電プラントをターンダウンすることに関連付けられるコストと発電プラントをシャットダウンすることに関連付けられるコストとを評価する計算を実施するようになっている。認識されることとなるように、図21のフローダイアグラム700は、特定の好適な実施形態によれば、上記に詳しく議論されているチューニングされた発電プラントモデルを活用することによって、このアドバイザー機構を提供する。この機能性の一部として、本発明は、オフピーク需要期間の間に発電プラントをターンダウンすることとシャットダウンすることとの間の様々な結果、経済的な結果、およびそれ以外の結果をアドバイスすることが可能である。本発明は、特定の市場期間にわたって発電プラントをシャットダウンするよりも、発電プラントをターンダウンする方が好ましいかどうかについて明らかにする関連データを提供することが可能である。特定の実施形態によれば、次いで、より低いコストを有する動作が、適当な措置としてプラントオペレーターに推奨され得るが、本明細書でも提示されているように、決定に影響を及ぼし得る付随的問題または他の考慮事項も、プラントオペレーターに伝達され得る。本方法は、潜在的コスト、ならびに、そのようなコストを招く確率を出すことが可能であり、これらの考慮事項は、どの動作モードが好ましいかということについての最終的な決定に影響を及ぼす可能性がある。そのような考慮事項は、たとえば、プラントメンテナンス、動作効率、排出レベル、機器アップグレードなどに関連付けられる短期間の動作コストならびに長期間の動作コストの両方の完全な分析を含むことが可能である。
認識されることとなるように、ターンダウンアドバイザーは、上記に説明されているシステムおよび方法、とりわけ、図16から図20に関連して議論されているシステムおよび方法の多くを使用して実装され得る。図21のターンダウンアドバイザーは、以下のタイプのデータのうちの1つまたは複数を収集し、使用することが可能である:提案されるターンダウン動作期間についてのユーザー指定のスタートおよびストップ時間(すなわち、ターンダウン動作モードが分析され、または考慮される期間);燃料コスト;周囲条件;タイムオフブレーカー;交流電源使用;関連した期間の間の電力または蒸気の販売/価格;その期間にわたる動作およびメンテナンスコスト;ユーザー入力;計算されたターンダウン負荷;動作に関する予測される排出量;発電プラントによって費やされる現在の排出量レベル、および、定義された規制期間に関する制限;ターニングギヤの動作に関する仕様;パージプロセスに関連した規制および機器;発電プラント動作のモードに関する固定費;スタートアップ動作に関連したコスト;プラントスタートアップ信頼性;遅延したスタートアップに関するインバランス料金または過料;スタートアップに関連した排出量;蒸気タービンが存在する場合に補助ボイラーのために使用される燃料比;および、発電プラントのガスタービンがどのようにターンダウンおよびシャットダウン動作モードで動作していたかということに関する履歴データ。特定の実施形態では、以下に議論されているように、本発明からの出力は、以下を含むことが可能である:関連した期間にわたる発電プラントについての推奨される動作モード(すなわち、ターンダウン動作モードおよびシャットダウン動作モード);それぞれの動作モードに関連付けられるコスト;ある時間にわたる推奨されるプラント動作負荷および負荷プロファイル;ユニットスタートアップを開始するために推奨される時間;ならびに、年初来消費される排出量および本年の残りの期間について残存する排出量。特定の実施形態によれば、本発明は、関連した期間にわたる発電プラントの燃料消費および排出量を計算または予測することが可能であり、それは、次いで、1つまたは複数の特定のガスタービンエンジンについてのターンダウン対シャットダウンのコストを計算するために使用され得る。本方法は、シャットダウンモードおよびターンダウンモードでのそれぞれのガスタービンのコストを使用し、最小動作コストを有する組み合わせを決定することが可能である。そのような最適化は、異なる基準に基づくことが可能であり、その異なる基準は、プラントオペレーターによって定義され得る。たとえば、基準は、収入、純収入、排出量、効率、燃料消費などに基づくことが可能である。加えて、代替的な実施形態によれば、本方法は、パージクレジットをとるべきか否か;シャットダウンされるべきガスタービンユニット、および/または、ターンダウンされるべきガスタービンユニット(それは、たとえば、履歴スタートアップ信頼性、および、遅延したスタートに起因して課され得る潜在的インバランス料金に基づくことが可能である)などのような、特定の措置を推奨することが可能である。本発明は、燃料消費に関連した予測を強化するためにさらに使用され得、見込みの燃料購入をより正確に行うようになっており、または、代替的に、さらに将来の市場期間についての燃料購入を可能にし、それは、燃料価格および/またはより少ない燃料在庫もしくはマージンの維持にプラスの影響を有するはずである。
図21は、本発明の例示的な実施形態によるターンダウンアドバイザーの例示的な実施形態を図示しており、それは、フローダイアグラム700の形態をしている。ターンダウンアドバイザーは、発電ユニットをターンダウンモードで動作させながら、発電プラントまたはその一部分をシャットダウンする将来の動作の期間にわたる相対的なコストに関してアドバイスするために使用され得る。この例示的な実施形態によれば、シャットダウン動作モードおよびターンダウン動作モードに関連付けられる可能なコストが分析され、次いで、適当な措置のためにプラントオペレーターに伝達され得る。
初期のステップとして、選択されるターンダウン動作期間の間の動作コストに影響を及ぼし、またはその動作コストを決定するために使用され得る、特定のデータまたは動作パラメーターが集められ得る。これらは、図示されているように、ターンダウンデータ701;シャットダウンデータ702;および共通のデータ703の間でそれにしたがってグループ化される。共通のデータ703は、シャットダウン動作モードおよびターンダウン動作モードの両方に関係するそれらのコスト項目を含む。共通のデータ703は、たとえば、選択される動作期間を含み、選択される動作期間にわたって、ターンダウン動作モードの分析が実施される。2つ以上の選択される動作期間は、ターンダウン動作の競合するモードに関して定義され、別々に分析され得、より幅広い最適化が、拡張された時間フレームにわたって実現されるようになっているということが認識されることとなる。認識されることとなるように、選択される動作期間を定義することは、期間の長さおよびその開始点または終了点を定義することを含むことが可能である。他の共通のデータ703は、示されているように、燃料の価格、発電プラントに関する様々な排出制限値、および、周囲条件に関するデータを含むことが可能である。排出制限値に関して、収集されるデータは、1年間などのような、定義された規制期間の間に課され得る制限、発電プラントによってすでに発生させられた量、および、適用可能な規制期間がすでに適用された程度を含むことが可能である。さらに、排出量データは、制限のいずれかを超過することに関連付けられる過料または他のコストを含むことが可能である。このように、本方法は、毎年のまたは周期的な規制制限に対する発電プラントの現在の状況、ならびに、起こり得る違反の可能性、および、そのような非準拠に関連付けられる過料について情報を受けることが可能である。この情報は、それぞれのタイプの動作がプラント排出量に異なる影響を与えるときに、発電ユニットをシャットダウンするかまたはターンダウンするかについての決定に関連し得る。周囲条件データに関して、そのようなデータは、本明細書ですでに説明されてきたそれらのプロセスにしたがって得られ、使用され得る。
ターンダウン動作モードは、認識されることとなるように、ターンダウン動作モードに関連付けられる動作コストの決定に固有に関連したデータを有する。そのようなターンダウンデータ701は、図示されているように、発電プラントがターンダウンされたレベルで動作する間に発生させられる電力を介して獲得され得る収入を含む。より具体的には、ターンダウン動作モードは、より低いレベルではあるが発電が継続する動作モードであるので、その電力が発電プラントのための収入を作り出す可能性が存在する。これが行われる限りでは、収入は、ターンダウン動作モードに関連付けられる他の動作コストのいくらかを相殺するために使用され得る。したがって、本方法は、ターンダウンモードで動作している間にプラントが発生させる電力の販売または商用利用に関連付けられる価格または他の経済的な指示を受け取ることを含む。これは、履歴データに基づくことが可能であり、獲得される収入は、発電プラントが動作するターンダウンレベルに依存し得る。
ターンダウンデータ701は、選択される動作期間の間にターンダウンレベルでプラントを動作させることに関連付けられる動作およびメンテナンスをさらに含むことが可能である。また、これは、履歴データに基づくことが可能であり、そのようなコストは、発電プラントに関するターンダウンレベル、および、発電プラントがどのように構成されているかに依存し得る。場合によっては、この料金は、負荷レベルおよび同様の動作の履歴記録に依存する1時間ごとのコストとして反映され得る。ターンダウンデータ701は、ターンダウンモードで動作している間のプラント排出量に関連したデータをさらに含むことが可能である。
また、シャットダウンデータ702は、シャットダウン動作モードに固有のいくつかの項目を含み、このタイプのデータは、本方法のこの段階において集められ得る。特定の実施形態によれば、これらのうちの1つは、シャットダウン期間の間のターニングギヤの動作に関連するデータである。追加的に、シャットダウン動作の様々な局面に関するデータが、定義されることとなる。これは、たとえば、以下に関連したデータを含むことが可能である:通常の負荷レベルから、ターニングギヤが係合している状態へ、発電ユニットを持っていくのに必要な時間の長さに関する履歴データを含むことが可能である、シャットダウン動作自体;選択される動作期間にしたがって発電プラントがシャットダウンしたままである時間の長さ;発電ユニットが典型的にターニングギヤの上に留まる時間の長さ;および、発電ユニットがシャットダウンした後で再スタートさせられ、またはオンライン状態に戻されるプロセスに関するデータ、ならびに、これを行うために必要とされる時間、スタートアップ燃料要件、およびスタートアップ排出量データ。スタートアップ時間を決定する際に、発電ユニットについて可能性なスタートアップのタイプ、および、それに関連した仕様などのような情報が決定され得る。当業者は認識することとなるように、スタートアッププロセスは、発電プラントがシャットダウンしたままである時間に依存し得る。スタートアップ時間に影響を及ぼす別の考慮事項は、スタートアップ時間に影響を及ぼし、もしくはスタートアップ時間を短くし得る特定の機構を発電プラントが含むかどうか、および/または、発電プラントのオペレーターがこれらの機構のいずれかに関与することを選ぶかどうかということである。たとえば、パージプロセスは、必要な場合には、スタートアップ時間を長くすることが可能である。しかし、発電プラントが特定の様式でシャットダウンされた場合には、パージクレジットが利用可能である可能性がある。シャットダウン動作に関連付けられる固定費は、スタートアップに関連付けられる固定費を含み、関連した発電ユニットのいずれかに特定のコストとともに、このステップの間に確認され得る。また、発電プラントのスタートアップおよび/またはシャットダウンに関連付けられる排出量データも確認され得る。これらは、動作の履歴記録に基づいてもよく、またはそうでなくてもよい。最後に、火力発電ユニットのそれぞれについてのスタートアップ信頼性に関連したデータが確認され得る。認識されることとなるように、ユニットをオンラインに戻すプロセスが、負荷義務を満たすことができなくなる発電プラントを結果として生じさせる遅延を含む場合には、発電プラントは、手数料、過料、および/または損害賠償額を課され得る。これらのコストが決定され得、より詳細に以下に議論されているように、スタートアップ信頼性に関連した履歴データを考慮して考察され得る。このように、そのような料金は、負担の可能性を反映するようにディスカウントされ、かつ/または、そのような料金のリスクをヘッジし、またはそのようなリスクに対して保険を掛けるための支出を含む可能性がある。
701から703の初期のデータ収集ステップから、図21に図示されている例示的な実施形態は、ターンダウンアナライザー710およびシャットダウンアナライザー719を介して進むことが可能であり、そのそれぞれは、それが対応する動作モードに関する動作コストを計算するように構成され得る。図示されているように、これらのアナライザー710、719のそれぞれは、コスト、排出、および/または他のデータをステップ730に提供することに向かって進むことが可能であり、ステップ730において、可能性のあるターンダウンおよびユニットシャットダウンシナリオに関するデータがコンパイルされ、比較され、最終的に、ステップ731において、発電プラントオペレーターに対して出力が行われ得るようになっている。議論されることとなるように、この出力731は、可能性のあるシナリオのうちの1つまたは複数についてのコストおよび他の考慮事項を含むことが可能であり、最終的に、特定の措置およびその理由を推奨することが可能である。
ターンダウンアナライザー710に関して、方法は、第1に、選択された動作期間の間の提案されるターンダウン動作についての負荷レベルを決定することが可能である。以下でさらに議論されているように、ターンダウン動作に関連付けられるコストのほとんどは、発電プラントが動作する負荷レベルに大きく依存する可能性があり、また、その負荷を発生させるためにプラントがどのように構成されているかに大きく依存する可能性があり、それは、たとえば、様々な火力発電ユニットがどのように関与させられるか(すなわち、どの火力発電ユニットがターンダウンされ、どれがシャットダウンされるか)を含むことが可能である。提案されるターンダウン動作のためのターンダウン負荷レベルは、本発明の代替的な実施形態によるいくつかの異なる方式で決定され得る。第1に、プラントオペレーターは、ターンダウン負荷レベルを選択することが可能である。第2に、負荷レベルは、プラントが効率的に動作した過去のターンダウンレベルに関する履歴記録の分析を介して、選択され得る。これらの記録から、提案される負荷レベルは、たとえば、効率、排出量、1つまたは複数のサイト特有の目標の達成、ターンダウン条件の間に発生させられる電力に関する代替的な商用利用の利用可能性、周囲条件、ならびに他の要因などのような、オペレーター供給による基準に基づいて分析および選択され得る。
提案されるターンダウン動作についてターンダウンレベルを選択する第3の方法として、図18に関連して説明されているものなどのような、コンピューター実装型最適化プログラムは、最適化されたターンダウンレベルを計算するために使用され得る。図21では、このプロセスは、ステップ711および712によって表されている。ステップ711において、ターンダウン動作モードを提案することによって、および、次いで、ステップ712において、発電プラントに関する動作限界が満足されているかどうかを分析することによって、最適化されたターンダウンレベルが計算され得る。認識されることとなるように、どのようにこれが達成されるかについてのより詳細な説明は、図18に関連して上記に提供されている。このようなプロセスを使用してターンダウンレベルを最適化することによって、選択される動作期間についてのシャットダウン代替モードに対する比較のために選択されるターンダウン動作モードが、最適化されたケースを表すこととなるということ、および、これを前提とすると、ターンダウン代替モードとシャットダウン代替モードとの間の比較が、意味のあるものになることとなるということが認識されることとなる。図18に関連して述べられているように、最小ターンダウンレベルは、オペレーター選択による基準および/またはコスト関数にしたがってターンダウンレベルを最適化する最適化プロセスを介して計算され得る。関数のうちの1つは、提案されるターンダウン動作期間の間の燃料消費のレベルであることが可能である。すなわち、最適化されたターンダウンレベルは、すべての他の動作限界またはサイト特有の性能目標も満足させながら、最小レベルに向けて燃料消費を最適化することによって決定され得る。
そこから、図21の本方法は、ステップ711および712を介して決定されるターンダウン動作モードの特性にしたがって、選択された動作期間についての提案されるターンダウン動作モードに関連付けられるコストを決定することが可能である。図示されているように、ステップ713は、燃料消費を計算することが可能であり、それから、提案されるターンダウン動作についての燃料コストを計算することが可能である。燃料消費を最小化することに基づいて最適化を説明する、正に議論されている例示的な実施形態にしたがって、燃料コストは、単に、最適化ステップの一部として計算される燃料レベルを取得することによって、および、次いで、想定されるまたは公知の燃料に関する価格を掛けることによって、導出され得る。次のステップ(ステップ714)において、選択された動作期間の間に発生させられる電力から導出される収入が、選択された動作期間の間の提案されるターンダウンレベルおよび商用需要の利用可能性を前提として計算され得る。次いで、ステップ716において、動作コストおよびメンテナンスコストが決定され得る。提案されるターンダウン動作に関連付けられる動作コストおよびメンテナンスコストは、任意の従来の方法を介して計算され得、ターンダウンレベルに依存し得る。動作コストおよびメンテナンスコストは、ターンダウン動作の履歴記録から導出される1時間ごとの料金として反映され得、かつ、提案されるターンダウン動作の間に使用される様々なコンポーネントシステムの期待寿命の一部分を反映するコンポーネント使用料金を含むことが可能である。ステップ717によって示されている次のステップにおいて、選択された動作期間についての提案されるターンダウン動作モードに関する正味コストが、コスト(燃料、動作、およびメンテナンス)を加算することによって、および、収入を減算することによって、計算され得る。
また、本方法は、ステップ718を含み、ステップ718は、提案されるターンダウン動作モードを前提として、選択された動作期間にわたるプラント排出量を決定し、それは、「排出量の影響」と称され得る。次いで、正味コストおよび排出量の影響は、コンパイルおよび比較ステップに提供され得、コンパイルおよび比較ステップは、ステップ730として表されており、異なるターンダウンシナリオのコストおよび排出量の影響が分析され得るようになっており、最終的に、以下でさらに議論されているように、出力ステップ731において、推奨が提供され得るようになっている。
シャットダウンアナライザー719を見てみると、シャットダウンアナライザー719は、選択された動作期間の間にシャットダウン動作モードにおいて発電プラントの発電ユニットのうちの1つまたは複数を動作させることに関連する態様を計算するために使用され得る。本発明のこの態様の一部として、発電プラントをシャットダウンし、次いで、選択された期間の最後に再スタートさせる手順を含む動作が、コストおよび排出量について分析され得る。好適な実施形態によれば、シャットダウンアナライザー719は、初期のステップ720および721の一部として、提案されるシャットダウン動作モードを決定することが可能であり、提案されるシャットダウン動作モードは、最適化されたシャットダウン動作モードを表すことが可能である。提案されるシャットダウン動作モードは、発電ユニットのうちの1つまたは複数をシャットダウンし、次いで、選択された動作期間の最後にユニットをオンライン状態に戻すように再スタートさせるプロセスを含む。認識されることとなるように、発電ユニットが動作していない間の時間期間の長さは、発電ユニットが利用可能である可能性のあるスタートアッププロセスのタイプを決定することが可能である。たとえば、ホットスタートアップまたはコールドスタートアップのいずれが利用可能であるかということは、それぞれ、シャットダウン期間が短いものであるかまたは長いものであるかに依存する。提案されるシャットダウン動作モードを決定する際に、本方法は、スタートアッププロセスが発電ユニットを動作負荷レベルに戻すために必要な時間を計算することが可能である。ステップ721において、本発明の方法は、提案されるシャットダウン動作手順が発電プラントのすべての動作限界を満足させることを確認するためにチェックすることが可能である。動作限界のうちの1つが満足させられていない場合には、方法は、ステップ720に戻ることが可能であり、代替的なスタートアップ手順を計算するようになっている。これは、発電プラントの動作限界を満足させる最適化されたスタートアップ手順が計算されるまで繰り返され得る。認識されることとなるように、上記に議論されている方法およびシステムにしたがって、チューニングされた発電プラントモデルは、代替的なシャットダウン動作モードをシミュレートするために使用され得、関連した動作期間およびプロジェクト周囲条件を前提として最適化されたケースを決定するようになっている。
ステップ720および721の提案されるシャットダウン動作モードを前提とすると、プロセスは、それに関連付けられるコストを決定することによって継続することが可能である。初期のステップは、シャットダウン動作モードが含むスタートアッププロセスの特性を分析することを含む。ステップ722において、プロセスは、スタートアップの特定の動作パラメーターを決定することが可能であり、それは、プラントオペレーターによってパージが必要とされ、または要求されているかどうかについての決定を含むことが可能である。決定されたスタートアップを前提として、燃料コストが、ステップ723において決定され得る。例示的な実施形態によれば、シャットダウンアナライザー719は、次いで、スタートアッププロセスの間にかかる場合のある遅延に関連付けられるコストを計算する。具体的には、ステップ724に示されているように、プロセスは、そのような遅延の確率を計算することが可能である。この計算は、入力として、スタートアップのタイプ、ならびに発電プラントにおける関連した発電ユニットの過去のスタートアップに関する履歴記録、ならびに、他の発電プラントにおけるそのような発電ユニットのスタートアップに関するデータを含むことが可能である。この一部として、プロセスは、スタート遅延発生の確率、および、課されることとなる損害賠償額などのような過料を反映する、提案されるシャットダウン動作モードに関連したコストを計算することが可能である。このコストは、ヘッジ戦術に関連付けられる任意のコストを含むことが可能であり、ヘッジ戦術によって、発電プラントは、そのような過料を招くリスクの一部分をサービスプロバイダーまたは他の保険会社に渡す。
ステップ726において、本方法は、シャットダウンプロセスの間にターニングギヤを動作させることに関連付けられるコストを決定することが可能である。方法は、シャットダウン期間を前提とすると、ターニングギヤに関する速度プロファイルを計算することが可能であり、これを使用して、ターニングギヤを動作させるために必要とされる補助電力のためのコストが決定される。認識されることとなるように、これは、ガスタービンのローターブレードが冷却するときにガスタービンのローターブレードのターニングを維持するために必要とされる電力を表し、それは、反りまたは変形を防止するために行われ、反りまたは変形は、そうでない場合に、ブレードが静止位置で冷却することを許された場合に発生することとなる。ステップ727において、図示されているように、シャットダウン動作のための動作コストおよびメンテナンスコストが決定され得る。提案されるシャットダウンに関連付けられる動作コストおよびメンテナンスコストは、任意の従来の方法を介して計算され得る。動作コストおよびメンテナンスコストは、提案されるシャットダウン動作の間に使用される様々なコンポーネントシステムの期待される寿命の一部分を反映するコンポーネント使用料金を含むことが可能である。ステップ728によって示されている次のステップにおいて、選択された動作期間についての提案されるシャットダウン動作モードに関する正味コストが、燃料、ターニングギヤ、ならびに、動作およびメンテナンスの決定されたコストを加算することによって計算され得る。また、本方法は、ステップ729を含むことが可能であり、ステップ729では、提案されるシャットダウン動作モードを前提として、選択された動作期間にわたるプラント排出量が決定され、それは、前述のように、動作モードの「排出量の影響」と称することが可能である。次いで、正味コストおよび排出量の影響は、ステップ730のコンパイルおよび比較ステップに提供され得る。
ステップ730において、本方法は、選択された動作期間についての様々なプラントターンダウン動作モードをコンパイルし、比較することが可能である。一実施形態によれば、本方法は、図18から図20に関連して説明されている方法およびプロセスの一部として特定された競合するターンダウン動作モードを分析することが可能である。ステップ730において、競合するターンダウン動作モードのそれぞれについてのコンパイルされたコストデータおよび排出量の影響が比較され、ステップ731の一部として、出力として提供され得る。このように、競合する動作モードがどのように比較されるかにしたがって、選択されたターンダウン動作期間の間に発電プラントがどのように動作させられるべきであるかということについての推奨が提供され得、その推奨は、タービンのどれが、シャットダウンされるべきであり、タービンのどれが、ターンダウンされるべきであるかということ、および、タービンが動作されるべきターンダウンレベルを含む。
また、排出量データは、とりわけ、分析された競合する動作のモードが類似の経済的な結果を有する場合に、ステップ731の出力の一部として提供され得る。認識されることとなるように、それぞれの代替モードがどのようにプラント排出量に影響を与えるかということ、および、その影響を前提として、現在の規制期間の間の非準拠の可能性についての通知が、提供され得、同様に、それに関連した経済的な結果も提供され得る。具体的には、規制期間の間の1つまたは複数の発電プラント汚染物質の累積された排出量が、その時間フレームの間に許容可能な全体的な制限値と比較され得る。特定の好適な実施形態によれば、比較の結果を伝達するステップは、現在の規制排出期間にわたる累積的な排出制限を平均することによって導出される排出率に対して、現在の規制排出期間の一部分にわたる発電プラントについての累積的な排出レベルを平均することによって導出される発電プラントの排出率を示すことを含むことが可能である。これは、違反を招くことなく許容可能な平均排出率と比較して、発電プラントがどの程度であるかということを決定するために行われ得る。方法は、現在の規制期間の間に発電プラントが依然として利用できる排出量を決定することが可能であり、また、提案される動作モードのいずれかに対応するのに利用可能な十分なレベルが存在するかどうか、または、むしろ、排出量の影響が将来の規制違反の確率を容認できない程に増加するかどうかということを決定することが可能である。
出力として、本方法は、推奨される措置を提供することが可能であり、推奨される措置は、提案されるターンダウン動作モードとシャットダウン動作モードとの間で、経済的な点およびそれ以外の点の両方について、利点/不利益に関してアドバイスする。推奨は、コストを報告すること、ならびに、コストがかかったカテゴリーの間の詳細な内訳、および、コストを計算する際に行った仮定を報告することを含むことが可能である。追加的に、推奨される措置は、最も好適な動作モードを選択するための決定に影響を及ぼし得る任意の他の考慮事項の概要を含むことが可能である。これらは、適用可能な排出制限値および規制期間に関連した情報、ならびに、それに関連して発電プラントの現在の累積的な排出量がどの程度であるかということを含むことが可能である。これは、排出閾値に違反するリスク、ならびに、そのような違反に関連したコストを不合理に増加させる任意の動作モードに関して、発電プラントオペレーターが通知されることを含むことが可能である。
本発明は、統一システムアーキテクチャーまたは統合コンピューティングコントロールシステムをさらに含むことが可能であり、統一システムアーキテクチャーまたは統合コンピューティングコントロールシステムは、上記に説明されている機能的な態様の多くの性能を効率的に可能にし、改善する。発電プラントは、共同所有されているものであっても、異なる市場、異なる政府管轄、および異なる時間帯にわたって動作することが多く、それらの管理に参加する多くのタイプの利害関係者および意思決定者を含み、様々なタイプのサービスおよび他の契約上の約定の下で存在する。そのような様々な設定値の中で、単一の所有者は、複数の発電プラントを制御および動作させることが可能であり、複数の発電プラントのそれぞれは、オーバーラップする市場にわたって、複数の発電ユニットおよびタイプを有する。また、所有者は、効果的な発電プラント動作を評価するための異なる基準を有することが可能であり、それは、たとえば、固有のコストモデル、応答時間、稼働性、柔軟性、サイバーセキュリティー、機能性、および、別々の市場が動作する方式に固有の相違を含むことが可能である。しかし、認識されることとなるように、ほとんどの現在の電力取引市場は、複数の当事者および意思決定者によって供給される様々なオフライン生成ファイルに頼り、それは、トレーダー、プラントマネージャー、および規制当局の間で送信されるものを含む。そのような複雑さを前提とすると、市場セグメントの中での発電プラントおよび/または発電ユニットの能力は、とりわけたとえば、個々の発電ユニットから発電プラントまで広がる、または、発電プラントからそのようなプラントのフリートまで広がる多層の階層構造にわたって、十分に理解されない可能性がある。そのように、電力取引市場のそれぞれの連続するレベルは、典型的に、以下のレベルによって報告される性能をヘッジする。連続するヘッジはシステムの過小利用の度合いを増すので、これは、所有者にとっての非効率および収入減に転換される。本発明の別の態様は、以下に議論されているように、これらの問題の根本にある分断を軽減するように機能する。一実施形態によれば、統一システムアーキテクチャーの上で分析を実施し、履歴データを収集して評価し、what−ifシナリオまたは代替的なシナリオの分析を実施するシステムまたはプラットフォームが開発される。統一アーキテクチャーは、発電プラントモデル化、動作決定サポートツール、発電プラント動作および性能の予測、ならびに、性能目標にしたがった最適化などのような、様々な機能、様々なコンポーネントをより効率的に可能にすることが可能である。特定の態様によれば、統一アーキテクチャーは、発電プラントにとってローカルのコンポーネントと、たとえば、中央でホストされるインフラストラクチャーまたはクラウドベースのインフラストラクチャーの上でホストされるコンポーネントなどのような、発電プラントにとってリモートのコンポーネントとの統合を介して、これを実現することが可能である。認識されることとなるように、そのような統合の態様は、結果の整合性、有効性、またはタイムラインに影響を与えずに、強化されたより正確な発電プラントモデルを可能にすることができる。これは、ローカルでホストされるコンピューティングシステムおよび外部でホストされるコンピューティングシステムの上で、すでに議論されているチューニングされた発電プラントモデルを利用することを含むことが可能である。外部でホストされるインフラストラクチャーの上でのその配備を前提とすると、システムアーキテクチャーは、追加的なサイトおよびユニットを扱うように都合よく拡大され得る。
ここで図22から図25を見てみると、拡張可能であるアーキテクチャーおよびコントロールシステムが提示されており、それは、複数の発電ユニットがいくつかの場所にわたって分散されている発電プラントのフリートを制御し、管理し、かつ最適化することに関連付けられる多くの要件を支持するために使用され得る。ローカル/リモートのハイブリッドアーキテクチャーは、本明細書で提供されているように、状況的に特有のまたはケースに特有の特定の基準またはパラメーターに基づいて用いられ得る。たとえば、システム機能性の特定の態様がローカルでホストされ、一方、他の態様は、クラウドベースのインフラストラクチャーなどのような、中央でホストされる環境であり、発電ユニットのすべてからのデータをプールし、共通のデータリポジトリーとしての役割を果たすようになっており、共通のデータリポジトリーは、分析機能もサポートしながら、共通の機器、構成、および条件からの相互参照値を介して、データをスクラビングするために使用され得るということを、一連の発電プラントを有する所有者またはオペレーターが望む可能性がある。様々なタイプの所有者/オペレーターのそれぞれにとって適切なアーキテクチャーを選ぶ方法は、発電プラントの動作を駆動する重大な利害関係、ならびに、プラントが動作する電力市場の特有の特性に焦点を当てることが可能である。特定の実施形態によれば、以下に提供されているように、性能計算は、ローカルで実施され得、特定の発電プラントのクローズドループ制御をサポートし、サイバーセキュリティーを改善し、または、ほぼリアルタイムの処理に対応するために必要とされる応答速度を提供するようになっている。他方では、本システムは、ローカルシステムとリモートシステムとの間のデータフローが、ローカルのデータおよびモデルチューニングパラメーターを含むように構成され得、ローカルのデータおよびモデルチューニングパラメーターは、チューニングされた発電プラントモデルの生成のために、中央でホストされるインフラストラクチャーへ転送され、次いで、チューニングされた発電プラントモデルは、代替的なシナリオ分析などのような分析のために使用される。リモートまたは中央でホストされるインフラストラクチャーは、共通のプラントモデルにアクセスすることを必要とする異なるユーザータイプの固有のニーズにしたがって、共通のプラントモデルとの相互作用を適合させるために使用され得る。追加的に、特定の市場の固有の態様に依存する応答時間およびサービス契約に基づいて、拡張のための戦略が決定され得る。最終結果の利用可能性についてのより速い応答時間が必要とされる場合には、分析プロセスは、ソフトウェアリソースおよびハードウェアリソースの両方の観点から拡張され得る。システムアーキテクチャーは、冗長性をさらにサポートする。分析を走らせる任意のシステムが動作不能になった場合には、同じ発電プラントモデルおよび履歴データを含む冗長ノードの上で、処理が継続され得る。統一アーキテクチャーは、アプリケーションおよびプロセスを1つにまとめることが可能であり、性能を高めるようになっており、また、機能性の範囲を増加させ、技術的な利点および商業的な利点の両方を実現するようになっている。認識されることとなるように、そのような利点は、新しい発電プラントモデルの簡便な統合;手順およびモデルの分離;オペレーターのそれぞれのニーズにしたがった固有の方式でデータを提示しながら、異なるオペレーターがリアルタイムで同じデータを共有することを可能にすること;簡便なアップグレード;および、監視制御を送るためのNERC−CIP制限への準拠を含む。
図22は、本発明の特定の態様によるフリートレベルの最適化のための高レベルロジックフローダイアグラムまたは方法を図示している。示されているように、フリートは、複数の発電ユニットまたは資産802を含むことが可能であり、資産802は、複数の発電プラントにわたる別々の発電ユニット、または、発電プラント自身を表すことが可能である。フリートの資産802は、単一の所有者または事業体によって所有され得、顧客グリッドによって必要とされる負荷の分担を発電する契約上の権利を求めて、1つまたは複数の市場にまたがって、他のそのような資産に対して競争することが可能である。資産802は、同じタイプの構成を有する複数の発電ユニットを含むことが可能である。ステップ803において、プラントの様々な資産においてセンサーによって収集される性能データは、中央データリポジトリーに電子的に伝達され得る。次いで、ステップ804において、下記に説明されているように、それぞれの資産についての性能レベルのより正確なまたはより実際通りの指示が決定されるように、測定されるデータは、照合調整され、またはフィルタリングされ得る。
上記に詳細に説明されているように、この照合調整が行われ得る1つの方式は、測定されるデータを発電プラントモデルによって予測される対応するデータと比較することであり、発電プラントモデルは、議論されているように、資産のうちの1つの動作をシミュレートするように構成され得る。そのようなモデルは、オフラインモデルまたは予測モデルと称することが可能であり、そのようなモデルは、物理学ベースのモデルを含むことが可能であり、照合調整プロセスは、モデルを周期的にチューニングするように使用され得、モデルがシミュレーションを介して実際の動作を表す精度を維持し、かつ/または改善するようになっている。すなわち、先に詳細に議論されているように、方法は、ステップ805において、最も新しく収集されたデータを使用し、発電プラントモデルをチューニングすることが可能である。このプロセスは、資産のそれぞれについてのモデル、すなわち、発電ユニットおよび/または発電プラントのそれぞれについてのモデル、ならびに、複数の発電プラントの動作またはフリート動作の態様をカバーする、より一般化されたモデルをチューニングすることを含むことが可能である。また、照合調整プロセスは、不一致を解決するためにおよび/または異常を特定するために収集されたデータ、とりわけ、類似の構成を有する同じタイプの資産から収集されたデータが、類似の資産802同士の間で比較されることを伴うことが可能である。このプロセスの間に、コンパイルされたデータの集合性および冗長性を前提として、重大なエラーが排除され得る。たとえば、より高い精度能力を有するセンサー、または、つい最近にチェックされたばかりで、正しく動作することが実証されているセンサーにしたがうことが可能である。このように、収集されたデータは、比較して相互チェックされ、検証され、かつ照合調整され得、より正確な実際のフリート性能を計算するために使用され得る単一の一貫したデータのセットを構築するようになっている。次いで、このデータのセットは、オフライン資産モデルをチューニングするために使用され得、オフライン資産モデルは、次いで、将来の市場期間の間のフリートのための最適化された制御ソリューションをシミュレートして決定するために使用され得、それは、たとえば、給電入札手順の間の発電プラントの競争力を強化するために使用され得る。
ステップ806において、図示されているように、発電プラントの真の性能能力が、照合調整された性能データおよびステップ805のチューニングされたモデルから決定される。次いで、ステップ807において、フリートの資産802は、選択された最適化基準を前提として集合的に最適化され得る。認識されることとなるように、これは、上記ですでに詳細に議論されている同じプロセスを伴うことが可能である。ステップ808において、最適化された供給曲線または資産スケジュールが作り出され得る。これは、資産がスケジュールされまたは動作させられる様式を説明することが可能であり、また、たとえば、発電プラントフリートについての提案されたまたは仮想の負荷レベルを満足させるように、それぞれの資産が関与させられるレベルを説明することが可能である。最適化のための基準は、資産のオペレーターまたは所有者によって選ばれ得る。たとえば、最適化基準は、効率、収入、収益性、または、いくつかの他の測定値を含むことが可能である。
図示されているように、後続のステップは、将来の市場期間についての負荷発電契約に関する入札の一部として、最適化された資産スケジュールを伝達することを含むことが可能である。これは、ステップ809において、最適化された資産スケジュールをエネルギートレーダーに伝達することを含むことが可能であり、エネルギートレーダーは、次いで、最適化された資産スケジュールにしたがって入札を提出する。認識されることとなるように、ステップ810において、入札は、電力システム全体給電プロセスに参加するために使用され得、電力システム全体給電プロセスによって、負荷が、システムの中に位置付けされている複数の発電プラントおよび発電ユニットの間で分配され、その多くは、競合する所有者によって所有され得る。給電プロセスのための入札またはオファーは、電力システムの特定の給電指令所によって決定されるような、可変の発電コストまたは効率などのような、定義された基準にしたがって構成され得る。ステップ811において、電力システムの最適化の結果は、電力システムの中の様々な資産が予測される需要を満たすためにどのように関与させられるべきかということを反映する資産スケジュールを発生させるために使用され得る。ステップ811の資産スケジュールは、システム全体の最適化または給電プロセスの結果を反映するものであり、それは、次いで、資産802の所有者へ伝達して戻され得、ステップ812において、たとえば、資産のそれぞれが動作させられる負荷を含み得る動作設定点(または、とりわけ、動作モード)が、資産802の動作を制御するコントローラーに伝達され得るようになっている。ステップ813において、コントローラーは、制御ソリューションを計算し、次いで、制御ソリューションを伝達し、かつ/または、資産802を直接的に制御することが可能であり、給電プロセスの間に契約した負荷要件を満足させるようになっている。フリート所有者は、1つまたは複数の発電プラントが条件の変化にしたがって動作する方式を調節することが可能であり、収益性を最適化するようになっている。
図23は、代替的な実施形態による、ローカルシステムとリモートシステムとの間のデータフローを図示している。述べられているように、特定の機能性は、ローカルでホストされ得、一方、他の機能性は、中央でホストされる環境においてオフサイトでホストされ得る。本発明による適切なアーキテクチャーを選ぶ方法は、フリートの中の資産の動作の重要なドライバーである考慮事項を決定することを含む。したがって、サイバーセキュリティー問題などのような考慮事項は、特定のシステムがローカルのままであることを必要とする可能性がある。また、時間のかかる性能計算は、ローカルでホストされるままであり、必要なタイムラインが維持されるようになっている。図23に図示されているように、ローカルのプラントコントロールシステム816は、センサー測定値を取り込み、データをチューニングモジュール817へ伝達することが可能であり、チューニングモジュール817において、とりわけ、図17に関連して、以前に議論されているように、プラントまたは資産モデルによって予測される値と実際の値または測定値を比較する性能計算を使用して、チューニングまたはデータ照合調整プロセスが完了され得る。データルーター818を介して、図示されているように、モデルチューニングパラメーターおよび照合調整されたデータは、次いで、リモート中央データベース819などのような中央でホストされるインフラストラクチャーに伝達され得る。そこから、モデルチューニングパラメーターは、オフライン発電プラントモデル820をチューニングするために使用され、次いで、オフライン発電プラントモデル820が使用され、上記に説明されているように、将来のフリート動作を最適化し、代替的なシナリオまたは「what−if」分析を提供し、資産フリートの可能性のあるまたは競合する動作のモードの間でアドバイスをするようになっている。
オフライン発電プラントモデル820を使用して実施される分析の結果は、図示されているように、ウェブポータル821を介してフリートオペレーターに伝達され得る。ウェブポータル821は、フリートの管理のために、カスタマイズされたアクセス822をユーザーに提供することが可能である。そのようなユーザーは、プラントオペレーター、エネルギートレーダー、所有者、フリートオペレーター、エンジニア、ならびに、他の利害関係者を含むことが可能である。ウェブポータルアクセスによるユーザー相互作用にしたがって、オフライン発電プラントモデル820を使用して実施される分析によってオファーされる推奨に関する決定が行われ得る。
図24および図25は、本発明の特定の代替的な態様による統一アーキテクチャーの概略システム構成を図示している。図25に図示されているように、リモート中央リポジトリーおよび分析コンポーネント825は、フリートレベル最適化を実施するために、いくつかの資産802から性能および測定された動作パラメーターを受け取ることが可能である。フリートレベル最適化は、追加的な入力データに基づくことが可能であり、追加的な入力データは、たとえば、それぞれの発電プラントにおいて貯蔵されて利用可能な現在の燃料量、それぞれの発電プラントに関する燃料の地域特有の価格、それぞれの発電プラントにおいて発生させられる電気に関する地域特有の価格、現在の気象予想、および、リモートに位置付けされている資産の間での相違点、ならびに/または、停止およびメンテナンススケジュールを含むことが可能である。たとえば、ガスタービンのためのコンポーネントオーバーホールのスケジュールは、より高い温度における短期間の動作がより経済的であるということを意味し得る。次いで、プロセスは、供給曲線を計算することが可能であり、供給曲線は、発電プラントのフリートのための最適化された可変の発電コストを含む。追加的に、本発明は、図示されているように、より自動化された入札準備を可能にすることができ、少なくとも特定の状況において、入札が、システム全体の給電指令当局826に直接的に転送され得、それによって、エネルギートレーダー809をバイパスするようになっている。図25に図示されているように、(システム全体の給電指令当局を介した)電力システムの最適化の結果が使用され、電力システムの中の様々な資産が予測される需要を満たすようにどのように関与させられるべきかということを反映する資産スケジュールを作り出すことが可能である。この資産スケジュールは、システム全体の最適化を反映することが可能であり、また、図示されているように、資産802のフリートの所有者に伝達して戻され得、資産についての動作設定点および動作モードが、システムの中のそれぞれの資産を制御するコントローラーに伝達され得るようになっている。
したがって、方法およびシステムは、図22から図25にしたがって開発され得、それによって、競争力のある電力システムの中で動作する発電プラントのフリートは、強化された性能および将来の市場期間に関連した入札に向けて最適化される。動作条件およびパラメーターに関する現在のデータは、フリートの中の発電プラントのそれぞれからリアルタイムで受け取られ得る。次いで、発電プラントおよび/またはフリートモデルは、現在のデータにしたがってチューニングされ得、モデル精度および予測の範囲が改善し続けるようになっている。認識されることとなるように、これは、測定される性能指標と、発電プラントまたはフリートモデルによって予測される対応する値との間の比較を介して実現され得る。次のステップにおいて、チューニングされた発電プラントモデルおよび/またはフリートレベルモデルが使用され、チューニングされたモデルを用いてシミュレートされる競合する動作モードに基づいて、フリートの中の発電プラントのそれぞれについての真の発電能力を計算することが可能である。次いで、真のプラント能力、および、プラントまたはフリートオペレーターによって定義された最適化基準を使用して、最適化が実施される。最適化された動作のモードを決定すると、フリートの中の発電プラントのそれぞれについての最適な動作点を計算する資産スケジュールが作り出され得る。認識されることとなるように、動作点は、次いで、それらの動作点にしたがってそれぞれを制御するために、異なる発電プラントへ転送され得、または、代替的に、動作点は、中央給電指令当局に提出するための入札を行うための基礎としての役割を果たすことが可能である。
また、複数の電力ユニットの制御および最適化を集中させることに関連して、図26および図27は、電力システム850を図示しており、電力システム850では、ブロックコントローラー855が、複数の電力ブロック860を制御するために使用されている。電力ブロック860は、示されているように、発電資産(「資産」)のフリート861を画定することが可能である。認識されることとなるように、これらの実施形態は、より詳細に上記に説明されている最適化および制御の方法の別の例示的な適用例を提供しているが、フリートレベルに対する最適化の視点を拡大させることを含む。その際に、本発明は、最新の発電システム、とりわけ、多数のリモートのおよび様々な火力発電ユニットを有する発電システムに依然として影響を与える特定の非効率性を低減させる方式をさらにオファーすることが可能である。資産のそれぞれは、たとえば、ガスタービンおよび蒸気タービン、ならびに、HRSG、吸気コンディショナー、ダクトバーナーなどのような、関連のサブコンポーネントなどのような、本明細書で議論されている火力発電ユニットのいずれかを表すことが可能である。資産は、サブコンポーネントがどのように関与させられているかということにしたがって、複数の発電構成にしたがって動作可能であり得る。複数の電力ブロック860からの発電は、ブロックコントローラー855によって中央で制御され得る。より詳細に以下に議論されることとなる図27のシステムに関して、ブロックコントローラー855は、最適化プロセスにしたがってシステムを制御することが可能であり、最適化プロセスは、資産および電力ブロックヘルス、ならびに、発電スケジュール、メンテナンススケジュール、ならびに、場所依存の変数を含む、資産または電力ブロック860のうちの1つに特有であり得る他の要因を考慮に入れる。加えて、フリートの一部ではなく、同様に構成されている資産および電力ブロックから収集された動作データから学習することは、制御戦略をさらに改良するために利用され得る。
典型的に、従来の資産コントローラー(それは、図26において「DCS」として示されている)は、発電資産にとってローカルであり、実質的に孤立して動作する。これに起因して、そのようなコントローラーは、電力ブロック860および/またはフリート861を構成する他の資産の現在のヘルスを考慮に入れることができない。認識されることとなるように、その視点から考慮されたときに、この欠如した視点は、フリート861についての最適ではない発電につながる。すでに説明されている方法およびシステム、とりわけ、図3、図4、および図17から図25に関連するものを引き続き参照すると、例示的な本実施形態は、グループ化された資産または電力ブロックにわたる、強化されたパワーシェアリング戦略、コスト効率性、および、改善された効率を含む、いくつかのシステム全体の利益を可能にするフリートレベル制御システムを教示している。
示されているように、制御システムは、ブロックコントローラー855によって表されているように、資産コントローラーと相互作用することが可能である。また、ブロックコントローラー855は、グリッド862、ならびに、その管理に関連付けられている中央給電指令当局または他の運営当局と通信することが可能である。このように、たとえば、供給および需要情報は、フリート861と中央当局との間で交換され得る。例示的な実施形態によれば、給電入札などのような供給情報は、フリート861のブロックコントローラーの最適化に基づくことが可能である。本発明は、入札期間同士の間に起こる最適化プロセスをさらに含むことが可能であり、それは、すでに確立されている負荷レベルを満足させるようにフリート861が構成されている方式を周期的に最適化するために使用され得る。具体的には、そのような入札間の最適化は、動的なおよび想定外の動作変数に対処するために使用され得る。電力ブロック860の資産についての適当な制御措置は、ブロックコントローラー855によって、電力ブロック860のそれぞれの中の制御システムへ伝達され、または、より直接的に、資産へ伝達され得る。好適な実施形態によれば、ブロックコントローラー855の制御ソリューションの実装形態は、特定の所定の条件が満たされるときに、それが資産コントローラーをオーバーライドすることを可能にすることを含むことが可能である。そのようなオーバーライドに影響を及ぼす要因は、電力ブロック/資産のそれぞれについての可変の発電コスト、高温ガス流路コンポーネントの残存有用部品寿命、変化する需要のレベル、変化する周囲条件、ならびに、その他を含むことが可能である。
ブロックコントローラー855は、図示されているように、フリート861のいくつかの電力ブロック860に通信可能にリンクされ、ならびに、資産に直接的に通信可能にリンクされ得、それによって、多くのデータ入力を受け取ることが可能であり、本明細書で説明されている制御ソリューションは、そのデータ入力に基づいている。最適化手順は、以下の入力のうちの1つまたは複数を考慮することが可能である:ヘルスおよび性能劣化;発電スケジュール;グリッド周波数;メンテナンスおよび検査スケジュール;燃料利用可能性;燃料コスト;燃料使用状況パターンおよび予測;過去の問題および機器故障;真の性能能力;寿命(lifing)モデル;スタートアップおよびシャットダウン特徴;過去および現在の測定動作パラメーターデータ;気象データ;コストデータなど。他の実施形態に関連してより詳細に議論されているように、入力は、フリート861の発電資産のそれぞれについて測定された動作パラメーターに関する詳細な現在のデータおよび履歴データを含むことが可能である。過去および現在のすべてのそのような入力は、従来の方法にしたがって、たとえば、中央データベースの中に記憶され得、それによって、本明細書で説明されている手順ステップのいずれかにしたがって必要となり得るように、ブロックコントローラー855からの質問に応じて利用可能にされる。
コスト関数は、フリートオペレーターの選択にしたがって開発され得る。好適な実施形態によれば、フリートロバスト性インデックスの重み付き平均合計が、好ましいまたは最適化されたパワーシェアリング構成を決定するために使用され得る。フリートロバスト性インデックスは、たとえば、所与の需要またはフリート出力レベルに適用可能ないくつかの要因にしたがって、最適化を含むことが可能である。これらの要因は、熱応力および機械的な応力;劣化の速度を含む、劣化または損失;発電のコスト;および/または燃料消費を含むことが可能である。このように、本実施形態は、フリート制御に関連するいくつかの進行中の問題に対処するために使用され得、とりわけ、複数の様々な発電資産を有するいくつかの電力ブロックにわたる性能を最適化する。
データ入力は、コンピューターモデル化、メンテナンス、最適化、および、モデルフリーの適応学習プロセスに関連するものを含む、すでに本明細書で議論されているタイプのものを含むことが可能である。たとえば、本実施形態によれば、コンピューターモデル、伝達関数、またはアルゴリズムは、資産、および/または、集合的に、電力ブロックもしくはフリートの動作(または、動作の特定の態様)が、様々なシナリオの下でシミュレートされ得るように、開発および維持され得る。シミュレーションからの結果は、特定の性能指標に関する値を含むことが可能であり、それは、資産、電力ブロックの動作および性能の態様、または、選択された動作期間にわたるフリート性能についての予測を表す。性能指標は、1つまたは複数のコスト結果との公知のまたは開発された相関関係に起因して選択され得、したがって、それぞれのシミュレーションの経済的態様を比較するために使用され得る。「コスト結果」は、本明細書で使用されているように、選択された動作期間にわたるフリート861の動作に関連付けられたプラスまたはマイナスの任意の経済的効果を含むことが可能である。したがって、コスト結果は、その期間にわたる電力の発生から獲得される任意の収入、ならびに、フリートによって生じた任意の動作コストおよびメンテナンスコストを含むことが可能である。これらの動作コストおよびメンテナンスコストは、シナリオ、および、それぞれから結果として生じるシミュレートされた動作を前提として、フリートの資産に対する結果として生じる劣化を含むことが可能である。認識されることとなるように、シミュレーション結果から抽出されたデータは、フリートについての代替的な動作モードのどれが、より望ましくまたはコスト効率が良いかということを計算するために使用され得る。
資産、ブロック、またはフリートに関するモデルは、物理学ベースのモデルを通して開発されるアルゴリズムもしくは伝達関数、適応型のもしくは学習される「モデルフリー」プロセス入力/出力相関関係、または、それらの組み合わせを含むことが可能である。プロセス入力/出力をそれぞれの資産タイプについての劣化または損失データに相関させるベースライン劣化または損失モデルが開発され得る。したがって、劣化または損失データ、および、それに関連したコスト結果は、フリートの提案される、代替的な、または競合する動作モードの動作パラメーターについての予測される値に基づいて計算可能であり得、それは、特定の実施形態によれば、資産および電力ブロックが関与させられている様式、発電がフリート資産にわたって共有されている方式、ならびに、本明細書で説明されている他の要因によって差別化され得る。述べられているように、同様に構成されている資産からの学習が、このプロセスの一部として使用されるモデルに情報を与え、またはさらに改良するために使用され得る。たとえば、劣化モデルは、選択された性能指標についての値を前提として生じた(accrued)機器劣化および損失を計算するために開発され得る。次いで、そのような劣化は、競合する動作モードのそれぞれについての経済的効果またはコスト結果を計算するために使用され得る。これらの経済的効果は、資産性能に対する劣化、コンポーネントに対する摩耗、消費された有用部品寿命(すなわち、動作の期間の間に消費されたコンポーネントの有用寿命の一部分)、ならびに、たとえば、排出量に関連したコスト、規制上の料金、燃料消費、ならびに、出力レベルに依存する他の可変のコストなどのような価値の尺度を含むことが可能である。認識されることとなるように、特定の資産についての有用部品寿命の劣化および消費が、非線形的に発生し、ならびに、動的なおよび/または場所特有の変数に依存し得るので、とりわけ、全体のフリートの発電能力および効率に最小に影響を与えるために、最小化が資産にわたって共有される場合には、全体のフリート劣化を最小化するためにフリートの出力レベルを分配させることによって、かなりのコスト節約が、時間の経過とともに実現され得る。
したがって、想定される需要の予想および周囲条件の予想を含み得る、将来の市場期間について予測される条件を考慮に入れ、フリートについての複数の競合する動作モードが、最適化された、または、少なくとも、好適なフリート動作モードを決定するために、分析および/またはシミュレーションのために選択され得る。競合するフリート動作モードのそれぞれは、フリート861についての固有の発電構成を記述することが可能である。競合するフリート動作モードは、特定のフリート出力レベルがそれによって到達される固有の発電構成を画定するパラメーターセットおよび/または制御設定を含むように開発され得る。述べられているように、フリート出力レベルは、多数の方式で選択され得る。第1に、それは、すでに公知のフリート出力レベル、たとえば、最近に結論を出された(concluded)給電プロセスを介して確立された出力レベルを反映するように選択され得、最適化プロセスが、最適化されたフリート構成を決定するために使用され得るようになっており、最適化されたフリート構成によって、特定の出力レベルが満足される。また、フリート出力レベルは、履歴発電記録を前提として期待される負荷レベル、期待される顧客需要、および/または、他の予想される条件にしたがって選択され得る。また、代替的に、フリート出力レベルは、選ばれた範囲にわたって様々であることが可能である。このように、フリート861についての可変の発電コストが、計算され得、次いで、たとえば、入札手順の一部として使用され、競争力のある入札の準備に情報を与えるようなっている。したがって、フリート出力レベルがフリートオペレーターによって画定される様式が使用され得、あるときには、競争力のある入札を準備することの周りの活動が支持されるようになっており、一方、またあるときには、出力レベルが、アドバイザー関数を支持するように選択され得るようになっており、アドバイザー関数は、実際の条件が想定される条件から逸脱し得るので、フリート性能を最適化するように動作する。
例示的な動作によれば、図27のより詳細なシステムによって示されているように、競合するフリート動作モードのそれぞれを記述するパラメーターセットが開発され得、そして、競合するフリート動作モードのそれぞれに関して、異なるシナリオまたはケースが開発され得、その異なるシナリオまたはケースの中では、操作可能な変数が、選択される範囲にわたって可変であり、フリートの全体の動作に対する変化の効果を決定するようになっている。競合するフリート動作モードについての異なるケースは、代替的な方式をカバーするように構成され得、代替的な方式では、フリート出力レベルが、電力ブロック860および/または資産にわたって共有される。別の例によれば、異なるケースは、資産のうちの特定のものに利用可能な代替的な構成に基づいて選択され得、それは、様々な方式を含み、その様々な方式によって、資産のそれぞれが関与させられる。たとえば、いくつかのケースは、ダクトバーナーまたは吸気コンディショナーなどのような、資産の特定のサブコンポーネントの関与を含むことが可能であり、他の資産がシャットダウンレベルまたはターンダウンレベルにおいて動作することを推奨しながら、発電能力を増強するようになっている。他のシナリオは、それらの資産構成がいくらか変化させられ、または、全く逆にされる状況を探索することが可能である。
図27に図示されているように、ブロックコントローラー855は、データおよび分析コンポーネント865と通信することが可能であり、データおよび分析コンポーネント865は、いくつかのモジュールを含むことが可能であり、そのモジュールによって、関連データが、収集され、正規化され、記憶され、ブロックコントローラー855からの質問に応じて利用可能にされる。データ記録モジュールは、発電資産に関連付けられた監視システムから、リアルタイムおよび履歴データ入力を受け取ることが可能である。また、性能監視に関連したモジュールが含まれ得、そして、それに関連した1つまたは複数のオフラインモデルが維持され得る。これらのモジュールのそれぞれは、本明細書で議論されている他の実施形態と実質的に一致して機能することが可能である。また、フリート861の中で動作していない同様に構成されている資産または電力ブロックからの動作データの収集のために、学習モジュールが含まれ得る。認識されることとなるように、このデータは、学習機能を支持することが可能であり、学習機能によって、より深くより完全な資産の動作理解が得られる。また、そのようなデータは、フリート861から収集される測定されたデータを正規化するために使用され得、発電資産の性能劣化が正確に計算され得るようになっており、それは、燃料特性、周囲条件などのような、出力能力および効率に影響を及ぼし得る他の変数の効果を考慮することを含むことが可能である。
図24および図25に関連して説明されているように、フリートレベル最適化は、局所性(locality)依存の変数に基づくことが可能である。これらの変数は、固有である条件であって、ある特定の資産または電力ブロックに適用する条件を反映することが可能であり、たとえば、それぞれの資産において記憶されて利用可能である現在の燃料量;それぞれの資産についての燃料に関する場所特有の価格;それぞれの資産において発生させられる電気に関する場所特有の市場価格;現在の気象予想、および、フリートの中のリモートに位置付けされている資産の間の相違点;ならびに、それぞれの資産についての停止スケジュールおよびメンテナンススケジュールを含むことが可能である。たとえば、ガスタービン資産についてスケジュールされるコンポーネントオーバーホールは、より高い温度での短期間の動作が、より経済的に有益であるということを意味し得る。図示されているように、データおよび分析コンポーネント865は、これらの相違を考慮するためのモジュールを含むことが可能である。
ブロックコントローラー855は、示されているように、発電モデル(それは、資産モデル、ブロックモデル、フリートモデル、ならびに、劣化モデルまたは損失モデルを含むことが可能である)、オプティマイザー、およびコスト関数に関するモジュールをさらに含むことが可能である。資産、電力ブロック、および/またはフリートモデルは、生成され、チューニングされ、かつ/または照合調整され、すでに本明細書で説明されている方法にしたがって維持され得る。これらのモデルは、フリートの動作、または、それらの選択された部分を、選択された動作期間にわたって、シミュレートし、またはそうでなければ予測するために使用され得、オプティマイザーモジュールが、画定されるコスト関数にしたがって好適なシナリオを決定することができるようになっている。より具体的には、シミュレーションからの結果は、それぞれについてのコスト結果を計算するために使用され得、それは、電力ブロックおよび/またはフリート資産にわたる、収入、動作コスト、劣化、消費された有用部品寿命、および、本明細書で述べられている他のコストの総和を含むことが可能である。認識されることとなるように、収入は、計画される出力レベルに市場単価を掛けることを介して決定され得る。述べられているように、コストの計算は、シミュレーションの中で資産が動作する様式に経済的結果を相関させる劣化モデルまたはアルゴリズムを含むことが可能である。シミュレーション結果からの性能データは、フリート全体の動作コスト、劣化、および、すでに説明されているような他の損失を決定するために使用され得る。認識されることとなるように、固定された態様の動作コストなどのような、特定のコスト考慮事項は、競合するフリート動作モード同士の間で大幅に異なることにはならず、したがって、そのような計算から除外され得る。追加的に、本明細書で説明されているシミュレーションは、資産の全体のフリートまたはその一部分を含むように構成され得、また、本明細書で提供されているように、コスト結果を予測する際にとりわけ関連すると見出された資産動作の限定された態様に焦点を合わせることが可能である。
特定の実施形態によれば、コスト関数モジュールは、フリートロバスト性インデックスを含むことが可能であり、代替的な動作モード同士の間を効率的に差別化するようになっている。フリートロバスト性インデックスは、電力ブロックの中で生じる損失の平均総和を表すことが可能である。ロバスト性インデックスは、消費された有用部品寿命に関連したコストを示す要因を含むことが可能であり、それは、ガスタービンの中の高温ガス流路パーツおよび圧縮機ブレードなどのような、資産にわたり消費される部品寿命の総和であることが可能である。たとえば、競合するフリート動作モードのうちの1つにしたがって、選択される動作期間の間にシャットダウンされるようにスケジュールされた発電資産は、それぞれのシャットダウン/スタートアップ手順ごとに消費される有用部品寿命に対応する経済的損失を発生させることとなる。一方で、同じ動作期間の間に全負荷で動作するようにスケジュールされた発電資産は、それらの動作の時間に相応する損失を発生させ得る。認識されることとなるように、そのような損失は、特定の負荷レベルを満足させるように予測される負荷レベルおよび動作パラメーターを前提として期待される、特定の熱的な負荷および機械的な負荷を反映するようにさらに較正され得、それは、たとえば、予想される周囲条件、燃料特性などのような要因に依存し得る。他の経済的損失が、フリート損失の総和の中に含まれ得、競合するフリート動作モードのそれぞれについてのコスト結果を導出するようになっている。これらは、フリート資産についての燃料消費の総和、ならびに、たとえば、シミュレーション結果を前提として予測される排出量レベルの経済的影響を含むことが可能である。
フリート全体の収入および/または損失の総和が、シミュレートされたシナリオのそれぞれについて完了されると、本方法は、1つまたは複数の好適なケースまたは最適化されたケースを計算するステップを含むことが可能である。次いで、本方法は、好適なケースまたは最適化されたケースに関係する1つまたは複数の出力を含むことが可能である。たとえば、好適なケースまたは最適化されたケースは、ユーザーインターフェース866などを通して、フリートオペレーターへ電子的に伝達され得る。そのようなケースでは、本方法の出力は、電力ブロック/資産ヘルスアドバイザー、パワーシェアリング推奨、停止プランナー、電力ブロックについての最適な設定点制御ソリューション、DCSオーバーライド、および/または、期待される発電スケジュールを含むことが可能である。また、出力は、自動化された制御応答を含むことが可能であり、自動化された制御応答は、資産コントローラーのうちの1つを自動的にオーバーライドすることを含むことが可能である。別の代替例によれば、出力は、好適なケースまたは最適化されたケースのうちの1つまたは複数にしたがって給電入札を発生させることを含むことが可能である。認識されることとなるように、本方法の出力は、ユーザーインターフェース866の上に示されているように、多数の方式でフリート節約を可能にすることができる。第1に、たとえば、好適なパワーシェアリング構成は、フリート劣化を最小化し、低減させ、または、有利には、フリート劣化を分け合うことが可能であり、フリート劣化は、将来の動作期間にわたり発電能力および効率に大きく影響を与える可能性がある。第2に、アドバイザー関数は、説明されているコンポーネントを使用して、メンテナンス間隔を最適化し、または、少なくとも、メンテナンス間隔を強化するように構成され得、それによって、劣化損失が、回復可能なものも回復不可能なものも両方とも緩和される。劣化の速度を監視および予測すること、ならびに、圧縮機洗浄またはフィルタークリーニングなどのようなメンテナンス手順を効果的にスケジューリング/実行することは、ガスタービンが最も効率的に動作することを確実にすることとなる。
ここで図28を見てみると、本発明の別の関連の態様が議論されており、それは、電力ブロックとして動作する複数のガスタービンエンジンの動作を制御することのより具体的な例を説明している。認識されることとなるように、ガスタービンエンジンは、特定の発電プラントにおいて、または、いくつかのリモートの発電プラントにわたって位置付けされ得る。すでに議論されているように、パワーシェアリングを最適化または強化するようにガスタービンのブロックを制御することは、挑戦である。現在の制御システムは、複数のエンジンのブロックにわたって効果的に同期させておらず、その代わりに、電力ブロックが集合的に担当する出力レベルを単純に分け合うことに個別に基づいて、エンジンのそれぞれを実質的に関与させる。認識されることとなるように、これは、アンバランスなおよび非効率的な劣化の速度につながることが多い。したがって、より最適な制御戦略に対する必要性が存在しており、とりわけ、ユニットが電力ブロックとして集合的に考慮されるときに、よりコスト効率の良い損失または劣化速度を促進する、複数のガスタービンにわたり効率的なパワーシェアリング戦略を提供するシステムコントローラーに対する必要性が存在している。たとえば、ガスタービンブロックが、同じ定格を有するいくつかのエンジンを有する場合には、本発明は、エンジンの現在の劣化状態に基づいて、ユニットのどれが、より高い出力レベルで動作するべきであるかということ、および、どれが、低減されたレベルで動作するべきであるかということに関して推奨することが可能である。すでに本明細書で議論されている態様にしたがって、とりわけ、図24から図27に関して議論されているものにしたがって、本発明はこれを達成することが可能である。当業者が認識することとなるように、そのような機能性の利点は、ガスタービンの寿命および性能の増加;寿命予測の改善(それは、より競争力のあるおよび/またはリスク分担サービス合意を可能にし得る);全体としての電力ブロックについてのより大きい動作フレキシビリティー;および、動作トレードオフを効率的に考慮に入れるロバストな多目的の最適化を含み、動作トレードオフは、たとえば、高温ガス流路の有用部品寿命の消費、現在の劣化レベル、および、劣化の速度、ならびに、需要、効率、燃料消費などのような現在の発電性能に関することが可能である。
これが達成され得る1つの方式は、システム900にしたがっており、ここで、システム900は、図28に関して説明されることとなる。示されているように、複数のガスタービン901は、電力ブロックすなわち「ブロック902」の一部として動作させられ得る。上記のシステムの一部として議論されているように、資産901のそれぞれについての動作パラメーター903が集められ、ブロックコントローラー904へ電子的に伝達され得る。好適な実施形態によれば、動作パラメーターは、ローター速度、圧縮機サージマージン、およびブレード先端部クリアランスを含むことが可能である。認識されることとなるように、圧縮機サージマージンは、測定されるローター速度に関して計算され得、ブレード先端部クリアランスは、たとえば、マイクロ波センサーを含む任意の従来の方法にしたがって測定され得る。さらなる入力として、ブロックコントローラーは、すでに議論されているもののいずれかなどのようなデータベースコンポーネントから記録905を受け取ることが可能であり、それは、ローター速度、サージマージン、ブレード先端部クリアランス、制御設定、周囲条件データなどを含む、現在のおよび過去の動作パラメーター測定値を記録することが可能であり、プロセス入力および出力を適応的に相関させるようになっている。
好適な実施形態によれば、ブロックコントローラー904は、モデルフリー適応コントローラーとして動作するように構成され得る。モデルフリー適応コントローラーは、需要、ヒートレートなどに対応する、ガスタービンのそれぞれからの(たとえば、記録905を介した)入力を有するニューラルネットワークベースのセットアップを含むことが可能である。認識されることとなるように、モデルフリー適応制御は、時間的に変化するパラメーターおよび時間的に変化する構造を伴う未知の離散時間非線形システムのためのとりわけ効果的な制御方法である。モデルフリー適応制御の設計および分析は、プロセス入力および出力に重点を置き、それらの間の関係を説明する予測相関関係またはアルゴリズムを「学習する」ようになっている。システムの測定される入力と出力との間の相関関係が制御される。このように機能して、ブロックコントローラー904は、制御コマンドまたは推奨を導出することが可能であり、これらは、実装のために、出力906として、マスター制御システム907へ伝達され得る。好適な実施形態によれば、ブロックコントローラー904からの出力906は、好適なまたは最適化されたパワーシェアリングコマンドまたは推奨を含む。他の実施形態によれば、出力906は、ガスタービン901の高温ガス流路コンポーネントについての変調される冷却剤フロー、および/または、ガスタービン901の圧縮機ユニットについての変調されるIGV設定に関連したコマンドまたは推奨を含むことが可能である。
マスター制御システム907は、電力ブロック902のガスタービン901に通信可能にリンクされ得、出力906を前提として制御ソリューションを実装するようになっている。また、図示されているように、マスター制御システム907は、そのような情報をブロックコントローラー904へ伝達することが可能である。そのように構成されているので、図28の制御システムは、電力ブロック902のいくつかのガスタービンを制御するように動作することが可能であり、定義されたコスト関数にしたがって、強化されたまたは最適化された様式で、組み合わされた負荷または出力レベル(たとえば、給電入札プロセスによって決定され得るような契約出力レベルなどであり、ガスタービンが集合的にそれを担当する)を発生させるようになっている。この制御ソリューションは、ガスタービンのそれぞれが寄与すべき組み合わされた出力レベルのパーセンテージを推奨することを含むことが可能である。加えて、マスター制御システム907は、以前に議論されているように、最適化された動作モードにしたがってガスタービンを制御するための物理学ベースのモデルを含むことが可能である。
例示的な実施形態によれば、たとえば、クリアランスおよびサージマージンデータは、ガスタービンのそれぞれについてトラッキングされ得る。ガスタービンのいずれかについてのクリアランスまたはサージマージンデータが、所定の閾値を上回ることが決定される場合には、特定のタービンが、低減された負荷で動作させられ得る。そのガスタービンを低減されたレベルで動作させることが可能でない場合には、IGV設定または高温ガス流路コンポーネントへの冷却剤フローを変調させることなどのような他の推奨がなされ得る。他方では、ガスタービンのうちの1つが、低減されたレベルで動作するように選択される場合には、最適化された発電構成は、任意の不足分を埋め合わせるように他のガスタービンのうちの1つまたは複数がより高い/ピーク負荷で動作することを推奨することを含むことが可能である。方法は、サージマージンおよびクリアランスデータに基づいて、より高い/ピーク負荷タービンを選択することが可能であり、より高いブロック出力レベルおよび効率をより高く維持しながら、動作寿命を集合的に拡張するように、電力ブロックのガスタービンの間の現在の劣化レベルおよび劣化の速度のバランスをとる所望の効果を有する。述べられているように、性能劣化速度および有用部品寿命消費は、非線形的に生じ得、ならびに、地理的に分散したユニットにわたって可変のパラメーターに依存し得るので、本明細書で説明されているブロックレベルの視点を使用し、ブロックについてのコスト結果を最適化する方式で負荷を分け合うことによって、節約が実現され得る。したがって、ブロックのガスタービンについての性能劣化レベル、劣化の速度、残存部品寿命、および、真の性能能力を評価する際に極めて有効で効率的であると決定されたリアルタイムデータ(とりわけ、サージマージンおよびクリアランスデータ)を考慮に入れることによって、発電は、ブロック902にわたるコストを最適化するように分け合うことが可能である。
ここで図29を参照すると、本発明の別の例示的な実施形態は、コンバインドサイクル発電プラントのより効率的なおよび/または最適化されたシャットダウンを提供するシステムおよび方法を含む。認識されることとなるように、コンバインドサイクルプラントのシャットダウンの間に、コントローラーは、典型的に、ガスタービンへの燃料フローを徐々に低減させ、最小速度に向けてローター速度を低減させるようになっている。この最小速度は、「ターニングギヤ速度」と称することが可能である。その理由は、それが、ローターがターニングギヤによって係合され、それによって、シャットダウン期間の間のローターの熱曲がりを防止するように回転させられる速度を表すからである。ガスタービンエンジンの性質に応じて、燃料フローは、典型的なフルスピードの約20パーセント程度で停止され得、ターニングギヤは、フルスピードの約1パーセントで係合される。しかし、このように徐々に燃料のフローを低減させることは、ローター速度の低減との直接的な関係を提供しない。むしろ、シャットダウン期間にわたるローターの速度の大きい非妥協的な(unyielding)変化が典型的である。次いで、ローター速度の変化は、空気に対する燃料の比のかなりの相違を引き起こす可能性があり、それは、空気取り入れがローター速度の関数であり、一方、燃料フローはそうではないという事実に起因している。次いで、そのような変化は、燃焼温度、過渡温度勾配、排出量、冷却剤フロー、ならびに、その他のかなりの急激な変化につながり得る。シャットダウン挙動の変化は、タービンクリアランス、および、したがって、全体のタービン性能およびコンポーネント寿命時間に対して影響を有する可能性がある。
したがって、これらの問題の1つまたは複数を是正することによってプラントシャットダウンを改善するコンバインドサイクルシャットダウンコントローラーに対する要求が存在している。好ましくは、そのようなコントローラーは、ある時間にわたるタービンローターおよび関連のコンポーネントの減速のレートを制御することとなり、不均一なシャットダウン変化を最小化し、それによって、エンジンシステムおよびコンポーネントに対するマイナスの影響を最小化するようになっている。特定の実施形態によれば、より効果的なコントローラーが、ローター応力、ならびに、ローター速度およびトルクのスルーレート(slew rate)を最適化するように機能する。また、シャットダウンコントローラーは、サブシステムの可変性を修正することが可能であり、たとえば、冷却剤フローおよびホイールスペース温度が好適なレベルを維持するようになっている。好適な実施形態によれば、本方法は、ある時間にわたるローターおよび関連のコンポーネントの減速のレートを制御することが可能であり、コスト、プラント損失、および、他のマイナスの効果を低減させる方式でシャットダウン変化を最小化するようになっている。すでに説明されているシステムおよび方法によれば、シャットダウンコストに影響を与える要因がオペレーター規定による基準またはコスト関数にしたがって最適化されるように、制御方法論は機能することが可能である。これが達成され得る1つの方式は、プロセス920にしたがうものであり、ここで、プロセス920は、図29に関して説明されることとなる。当業者には明らかになることとなるように、プロセス920の態様は、とりわけ、図3および図4に関連した議論を参照して、すでに本明細書で議論されている主題に基づいており、それは、簡潔化のために、要約されることとなり、完全には繰り返されない。
一実施形態によれば、本発明のシャットダウン手順および/またはコンバインドサイクルシャットダウンコントローラーは、従来のループ形成コントローラーとして構成されている。本発明のコントローラーは、添付の特許請求の範囲において正確に記述されているように、モデルフリー適応制御ならびにモデルベースの制御の態様を含むことが可能である。コンバインドサイクルシャットダウンコントローラーは、目標シャットダウン時間コントローラー、および実際のシャットダウン時間コントローラーを含むことが可能であり、プラントシャットダウンのすべての態様とは言えないとしてもほとんどを制御することが可能である。コントローラーは、排気スプレッド、ホイールスペース温度、クリアランス、サージマージン、蒸気タービンおよびガスタービンローター応力、ガスタービンローターの減速のレート、需要、燃料フロー、現在の電力生産、グリッド周波数、二次的なファイアリング、およびドラムレベルなどのような入力を受け取ることが可能である。これらの入力に基づいて、シャットダウンコントローラーは、より詳細に以下に説明されているように、シャットダウンについての時間範囲(たとえば、シャットダウンのレート)、ローター減速のスルーレート、補正された冷却剤フロー、および、入口ガイドベーンプロファイル、ならびに/または、シャットダウンの間に望まれる発電機リバーストルクを計算することが可能である。特定の実施形態によれば、これらの出力のそれぞれは、発電プラントセンサーのうちの1つによって検出される潜在的に有害なシャットダウン変化をオフセットするために使用され得る。コンバインドサイクルシャットダウンコントローラーは、時間プロファイルに対するRPM/スルーレートの軌跡、および、シャットダウン動作により適切な現在の電力生産プロファイルに対する減速のレートを提供することが可能であり、両方とも、HRSG、蒸気タービン、およびボイラーなどのような、コンバインドサイクルシステムを考慮に入れることが可能である。シャットダウンコントローラーは、ターニングギヤ速度が実現されるまで、本明細書で説明されているコンポーネントを制御することが可能であり、したがって、コンポーネント応力も低下させながら、より最適な蒸気タービンおよびHRSG操作性条件を提供する。
図29は、図3に関連して説明されている発電プラント12などのようなコンバインドサイクル発電プラントをシャットダウンさせるのに適切なプロセス920の実施形態を示すフローチャートである。プロセス920は、コンバインドサイクルシャットダウンコントローラーによって実行可能なコンピューターコードとして実装され得、シャットダウンコマンドを受け取った(ステップ921)後に開始させられ得る。シャットダウンコマンドは、たとえば、メンテナンスイベント、燃料変化イベントなどに基づいて受け取られ得る。次いで、プロセス920は、プラントコンポーネントの現在の状態を読み出すことが可能であり(ステップ922)、それは、すでに本明細書で説明されているセンサー、システム、および/または方法のいずれかごとに、感知され、集められ、記憶され、読み出され得る。プラントコンポーネントの現在の状態は、たとえば、タービンローター速度、コンポーネントの温度、排気温度、圧力、流量、クリアランス(すなわち、回転コンポーネントと静止コンポーネントとの間の距離)、振動測定などを含むことが可能である。プラントの状態は、現在の電力生産、および、たとえば、電力を生産しないコスト、市場レートでの電力のコスト、グリーンクレジット(green credits)(たとえば、排出量クレジット)などのような原価計算データを追加的に含むことが可能である。
次のステップにおいて、たとえば、会計システム、将来の取引システム、エネルギー市場システム、または、それらの組み合わせを含む、様々なシステムに質問することによって、原価計算または損失データが読み出され得る(ステップ923)。履歴データが、追加的に読み出され得る(ステップ924)。履歴データは、システムの性能についてのログデータ、メンテナンスデータ、フリート全体の履歴データ(たとえば、様々な地理的な場所に配設されているプラントの中の他のコンポーネントからのログ)、検査報告、および/または履歴コストデータを含むことが可能である。
次いで、プロセスは、シャットダウン動作に関連したプラントシャットダウン劣化または損失に関するアルゴリズムを導出することが可能である(ステップ925)。そのような導出は、たとえば、ガスタービンシステム、蒸気タービンシステム、HRSGユニットに関連した履歴動作データ、ならびに、存在し得るような任意の他のサブコンポーネントについての履歴動作データを含む、いくつかの入力タイプを使用して決定され得る。特定の実施形態によれば、様々なモデルまたはアルゴリズムが開発され得、それによって、コンバインドサイクルシャットダウン損失が導出される。図4に関連した議論においてより完全に議論されているように、そのようなアルゴリズムは、温度、圧力、流量、クリアランス、応力、振動、シャットダウン時間などのような、選択される動作パラメーターまたは性能指標についての値に基づいて、発電プラントシャットダウン損失の総和を提供するように機能することが可能である。認識されることとなるように、本明細書で説明されている他の実施形態に一致して、コンバインドサイクル発電プラントについての代替的な提案されるまたは競合するシャットダウンモードは、コンバインドサイクル発電プラントモデルの中でシミュレートされ得る。すなわち、コンバインドサイクル発電プラントモデルは、開発され、チューニングされ、かつ維持され得、次いで、代替的なまたは競合するシャットダウン動作モードをシミュレートするために使用され得、特定の所定の性能指標についての予測される値を導出するようになっている。次いで、性能パラメーターについての予測される値は、導出された損失アルゴリズムにしたがってシャットダウンコストを計算するために使用され得る。
たとえば、シャットダウン損失および予測される熱応力プロファイルと相関するアルゴリズムが開発され得、それは、競合するシャットダウン動作モードのうちの1つに関連した動作パラメーターを前提として特定の性能パラメーターについての予測された値から決定され得る。特定の実施形態によれば、そのような損失は、競合するシャットダウン動作モードの全体の経済的影響を反映することが可能であり、たとえば、高温ガス流路コンポーネントに対する劣化、および/または、シャットダウンモードを前提として消費された有用部品寿命のパーセンテージ、ならびに、結果として生じるプラントについての任意の性能劣化を考慮に入れることが可能であり、シャットダウンの開始からシャットダウンの実現された時間までを計算され得、シャットダウンの実現された時間は、たとえば、ターニングギヤ速度が実現されたときであることが可能である。同様に、損失アルゴリズムは、圧縮機およびタービンの機械的な応力;静止部と回転部との間のクリアランス;シャットダウン排出量;シャットダウン燃料消費;蒸気タービンローター/ステーター熱応力;ボイラードラム圧力勾配などに関連した損失を決定するように開発され得る。
次いで、プロセス920は、強化されたまたは最適化されたシャットダウン動作モードを導出することが可能であり(ステップ926)、それは、時間プロファイルに対するRPM/スルーレート、および/または、コンバインドサイクル発電プラントのシャットダウンにとりわけ良く適している現在の電力生産プロファイルに対する減速のレートを含むことが可能である。たとえば、最適化されたシャットダウン動作モードは、蒸気タービン、HRSGユニット、ボイラー、および/または、コンバインドサイクルプラントの他のコンポーネントの動作を最良に収容し、考慮に入れるものとして決定され得る。一実施形態によれば、コントローラーは、上述の入力を取り込み、様々なRPM/スルータイムパラメーターにおいて、期待される条件をそれから導出し、応力を最小化する、かつ/または、シャットダウンコストを最適化する時間軸線に沿ってプロットされるRPM/スルーカーブを導出するようになっている。同様に、現在の電力生産プロファイルに対する減速のレートは、より望ましくは(他の提案されるシャットダウンモードと比較したときに)シャフトの減速に基づいて現在の電力生産を改善する燃料フローを含むことが可能である。他の実施形態によれば、コスト関数が定義され得、そのコスト関数によって、より好ましいまたは最適化された他のシャットダウン動作モードが導出および選択される。認識されることとなるように、たとえば、ガスタービンについての応力および/はまたは損失を最小化するシナリオ、蒸気タービンについての応力および/または損失を最小化するシナリオ、HRSGについての応力および/または損失を最小化するシナリオ、または、それらの組み合わせが導出され得る。コスト関数がどのように定義されるかということに応じて、さらに最適化されたシャットダウン動作モードが、シャットダウン期間の間の電力生産についてのコスト、プラント排出量、燃料消費、および/または、限定なしにそれらの組み合わせなどのような、基準に基づいて決定され得る。
コンバインドサイクルシャットダウンコントローラーは、最適化されたシャットダウンモードにしたがって、発電プラントをシャットダウンさせるための制御システムをさらに含むことが可能である。好適な実施形態によれば、この制御システムは、物理学ベースのモデラーまたはモデルベースのコントローラーを含むことが可能であり、次いで、それは、最適化されたシャットダウンモードを前提として、制御ソリューションを導出する。モデルベースのコントローラーは、アクチュエーターおよび制御デバイスを制御するための制御入力および設定を導出することが可能であり、コンバインドサイクル発電プラントが、好適なまたは最適化されたシャットダウン動作モードにしたがって、シャットダウン期間の間に動作させられるようになっている。たとえば、シャットダウンコントローラーは、所望の燃料流量に適合するように燃料バルブを作動させることが可能であり、一方、蒸気タービンの蒸気バルブを追加的に制御し、蒸気タービンシャットダウンを制御しながら、ガスタービン排気の入口ガイドベーンを制御し、HRSGの中への排気フローを制御する。様々なコンポーネントの制御を互いにおおよそ同時に組み合わせることによって、プラントについてのシャットダウンが改善され得、所望のシナリオに適合し得る。
最も実用的で好適な実施形態であると現在考えられているものに関して、本発明は説明されてきたが、本発明は、開示されている実施形態に限定されるべきではなく、それとは対照的に、添付の特許請求の範囲の精神および範囲の中に含まれる様々な修正例および均等な構成をカバーすることを意図しているということが理解されるべきである。