JP2016103558A - 磁気エンコーダの着磁装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記環状磁性体が、前記複列の磁気エンコーダトラックがこれら磁気エンコーダトラックの中心軸と直交する平面上に並ぶアキシアルタイプの磁気エンコーダ用である場合、前記着磁ヨークを前記チャックの径方向に進退させて、前記複列の磁気エンコーダトラックに対する前記一方の着磁ヘッドの相対位置を切り替える。
また、前記環状磁性体が、前記複列の磁気エンコーダトラックがこれら磁気エンコーダトラックの中心軸から円筒面上に並ぶラジアルタイプの磁気エンコーダ用である場合、前記着磁ヨークを前記チャックの前記回転軸方向に移動させて、前記複列の磁気エンコーダトラックに対する前記一方の着磁ヘッドの相対位置を切り替える。
いずれの場合も、交番磁束が流れるための閉回路からなる磁気回路が構成される。
磁気エンコーダトラックと対向する着磁ヘッドである一方の着磁ヘッドと磁気エンコーダトラックの対向部は、磁気エンコーダトラックに狭いピッチで着磁するために、両者の対向面積を狭くするのが良い。これに対し、チャックの磁路と対向する着磁ヘッドである他方の着磁ヘッドとチャックの磁路の対向部は、磁気飽和が起きるのを防ぐために、両者の対向面積を広くするのが良い。他方の着磁ヘッドの一対の着磁ヘッドの並び方向の幅を広くして、他方の着磁ヘッドとチャックの磁路との対向面積を広くすると、両者間の磁気抵抗を小さくなるので、磁気飽和を防げる。磁気抵抗が小さくなることで、他方の着磁ヘッドとチャックの磁路間での漏れ磁束が減り、着磁強度が向上する。また、磁気飽和が起こり難いので、励磁コイルにかける電圧を上げることができ、より一層着磁強度を高めることができる。さらに、磁気飽和防止のために印加電圧の調整に注意を払わなくて済むため、効率良く着磁を行うことができる。
磁気エンコーダトラックと対向する一方の着磁ヘッドの幅は各列の磁気エンコーダトラックの幅とほぼ同等であるから、着磁対象の磁気エンコーダトラックを切り替える際には、着磁ヨークを着磁ヘッドの幅とほぼ同じ距離だけスライドさせる。このため、上記寸法関係とすることにより、着磁対象の磁気エンコーダトラックを切り替えるために着磁ヨークをスライドさせても、常に他方の着磁ヘッドの先端面が全面でチャックの磁路と対向することとなり、磁気飽和が起きるのを防ぐことができる。
この着磁装置1は、例えば、各種機器の回転検出、回転角度検出に使用する磁気エンコーダの着磁装置に適用される。この着磁装置1により得られる磁気エンコーダは、図10(A)に示すようなアキシアルタイプの磁気エンコーダAEである。この磁気エンコーダ用の環状磁性体10は、断面L形の芯金11のつば状部11aの表面に未着磁の磁気エンコーダトラック12,13を設けたものである。磁気エンコーダトラック12,13を着磁することで、磁気エンコーダトラック12,13がN極とS極が円周方向に交互に並ぶ磁気パターンの磁石となる。
因みに、他方の着磁ヘッド2bとチャック5間の磁気抵抗Rmは、Rm=d/μSで表される。ここで、μは透磁率、dは磁路の長さ(アキシアル隙間15の寸法)、Sは断面積(対向面積)である。
2列の磁気エンコーダトラック12,13のうちの外径側の磁気エンコーダトラック12に着磁する場合、図1(A)のように、着磁ヨーク2の一方の着磁ヘッド2aを外径側の磁気エンコーダトラック12に対向させる。このとき、他方の着磁ヘッド2bの先端面の全面がチャック5の上端面に対向している。
磁気エンコーダトラック12,13と対向する一方の着磁ヘッド2aの幅W1は各列の磁気エンコーダトラック12,13の幅とほぼ同等であるから、着磁対象の磁気エンコーダトラックを切り替える際には、着磁ヨーク2を着磁ヘッド2a,2bの幅とほぼ同じ距離だけスライドさせる。このため、上記寸法関係とすることにより、着磁対象の磁気エンコーダトラックを切り替えるために着磁ヨーク2をスライドさせても、常に他方の着磁ヘッド2bの先端面が全面でチャック5の磁路と対向することとなり、磁気飽和が起きるのを防ぐことができる。
この着磁装置1も、前記実施形態と同様に、D≧W1+W2の関係とすることで、着磁対象の磁気エンコーダトラック12,13を切り替えるために着磁ヨーク2を移動させても、常に他方の着磁ヘッド2bの先端面が全面でチャック5の磁路と対向するようになっている。
これにより、図7(A)に示すように、一方の着磁ヘッド2a→磁気エンコーダトラック12(13)→芯金11→磁気形成部材20→他方の着磁ヘッド2bの順の磁束の流れと、この逆の順の磁束の流れとを繰り返す交番磁束が発生する。チャック5は、磁気回路に対して一切関与しておらず、磁性体である必要はない。
図8と図1を比較して分かるように、図8のチャック5は図1のチャック5よりも直径が小さく、かつ図8の着磁ヨーク2は図1の着磁ヨーク2よりも一対の着磁ヘッド2a,2bの間隔が広い。言い換えると、図8の構成は、チャック5の直径が小さく、着磁ヨーク2の一対の着磁ヘッド2a,2bの間隔が広い場合に適用するのが有効である。
図9のチャック5は図6のものよりも軸方向寸法が短い。言い換えると、この構成は、チャック5の軸方向寸法が短い場合に適用するのが有効である。
2…着磁ヨーク
2a…一方の着磁ヘッド
2b…他方の着磁ヘッド
3…励磁コイル
4…着磁電源
5…チャック(磁路)
6…切替手段
10…環状磁性体
12,13…磁気エンコーダトラック
20…磁路形成部材(磁路)
AE…アキシアルタイプの磁気エンコーダ
L…回転軸
RE…ラジアルタイプの磁気エンコーダ
Claims (7)
- 複列の隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラックを一体に有する環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、それぞれの前記磁気エンコーダトラックに互いに異なる磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、
前記環状磁性体を周面で把持して前記磁気エンコーダトラックの中心軸と一致する回転軸回りに回転するチャックと、磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有し、前記チャックに把持された前記磁気エンコーダの前記未着磁の磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回された励磁コイルと、この励磁コイルに着磁電流を供給して前記一対の着磁ヘッド間に磁束を通す着磁電源と、前記着磁ヨークを前記一対の着磁ヘッドの並び方向にスライドさせて着磁対象の磁気エンコーダトラックを切り替える切替手段とを備え、
前記一対の着磁ヘッドは、それぞれの先端面が互いに同一方向を向き、一方の着磁ヘッドの先端面は前記磁気エンコーダトラックに対向し、かつ他方の着磁ヘッドの先端面は前記チャックに設けられた磁性体からなる磁路に対向し、この磁性体からなる磁路は、前記チャックにおける前記環状磁性体に接する接触部分と前記他方の着磁ヘッドの先端面に対向する対向部分とに渡って設けられたものであることを特徴とする磁気エンコーダの着磁装置。 - 請求項1に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記磁性体からなる磁路は、前記チャック自体に形成されている磁気エンコーダの着磁装置。
- 請求項1に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記磁性体からなる磁路は、前記チャックとは別体の磁路形成部材に形成されている磁気エンコーダの着磁装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記磁気エンコーダトラックに対向する前記一方の着磁ヘッドの先端面よりも、前記チャックに対向する前記他方の着磁ヘッドの先端面の方が、前記一対の着磁ヘッドの並び方向の幅が広い磁気エンコーダの着磁装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記環状磁性体は、前記複列の磁気エンコーダトラックがこれら磁気エンコーダトラックの中心軸と直交する平面上に並ぶアキシアルタイプの磁気エンコーダ用であり、前記着磁ヨークを前記チャックの径方向に進退させて、前記複列の磁気エンコーダトラックに対する前記一方の着磁ヘッドの相対位置を切り替える磁気エンコーダの着磁装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記環状磁性体は、前記複列の磁気エンコーダトラックがこれら磁気エンコーダトラックの中心軸と中心とする円筒面上に並ぶラジアルタイプの磁気エンコーダ用であり、前記着磁ヨークを前記チャックの前記回転軸方向に進退させて、前記複列の磁気エンコーダトラックに対する前記一方の着磁ヘッドの相対位置を切り替える磁気エンコーダの着磁装置。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記環状磁性体は、隣り合って並ぶ2列磁気エンコーダトラックを有し、前記着磁ヨークを前記2列の磁気エンコーダトラックの並び方向に進退させて、着磁対象の磁気エンコーダトラックを切り替えるものであり、
前記チャックにおける前記並び方向の前記他方の着磁ヘッド側端から、前記他方の着磁ヘッドから遠い側の磁気エンコーダトラックに着磁するときの前記他方の着磁ヘッドにおける前記一方の着磁ヘッド側端までの前記並び方向の距離値は、前記一方の着磁ヘッドの前記並び方向の幅と前記他方の着磁ヘッドの前記並び方向の幅とを加算した値よりも大きい磁気エンコーダの着磁装置。
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