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JP2016102776A - 検査装置、及び検査方法 - Google Patents

検査装置、及び検査方法 Download PDF

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JP2016102776A
JP2016102776A JP2015054130A JP2015054130A JP2016102776A JP 2016102776 A JP2016102776 A JP 2016102776A JP 2015054130 A JP2015054130 A JP 2015054130A JP 2015054130 A JP2015054130 A JP 2015054130A JP 2016102776 A JP2016102776 A JP 2016102776A
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常仁 幸山
Tsunehito Koyama
常仁 幸山
弦一郎 神山
Genichiro Kamiyama
弦一郎 神山
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Abstract

【課題】簡便な構成で、欠陥検出と同時に試料の厚さ方向における欠陥の位置情報を測定することができる検査装置、及び検査方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様にかかる検査装置は、試料20を照明する照明光となる2光束を発生し、前記2光束が異なる方向から前記試料を照明する照明装置10と、試料20からの散乱光を検出する第1検出器16と、試料20からの散乱光を検出する第2検出器17と、第1検出器16からの第1検出信号をしきい値と比較することで、欠陥を検出する第1比較部51と、第2検出器17からの第2検出信号をしきい値と比較することで、欠陥を検出する第2比較部52と、欠陥の検出タイミングの時間差に応じて、試料の厚さ方向における欠陥の位置情報を取得する位置情報取得部53と、を備えたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、検査装置、及び検査方法に関する。
試料の欠陥検査を行う検査装置としては、明視野照明光学系を用いた明視野検査装置と、暗視野照明光学系を用いた暗視野検査装置がある。これらの検査装置では、試料全面を走査して、欠陥の位置を検出している。さらに、欠陥の深さを分類するには、各欠陥位置において、フォーカス位置を光軸方向に変化させる必要がある。したがって、欠陥の深さを分類するには、検査時間が長くなってしまう。
特許文献1には、ガラス基板のような透明体の検査を行う検査装置が開示されている。特許文献1の検査装置では、2つの反射型明視野光学系を用いて検査を行っている。すなわち、線状光源及びカメラ(ラインセンサ)がガラス基板の両面にそれぞれ配置されている。そして、2つのカメラが、ガラス基板の両面の画像を撮像している。そして、両方の画像に欠陥候補が見つかった場合、欠陥とみなし、一方の画像にのみ欠陥候補が見つかった場合、疑似欠陥とみなしている。
さらに、同一の欠陥候補に関して同一のカメラに現れる二つの像の距離を求めて、欠陥がこの距離に基づいて基板の主面、内部又は裏面のいずれにあるかを特定している。例えば、ガラス基板の裏面の近くに欠陥がある場合について説明する。ガラス基板の裏面から照明した場合、ガラス基板の裏面を通過した光の光路中に欠陥が存在すると、光が欠陥で散乱され、暗信号が発生する。すなわち、ガラス基板の裏面から主面に向かう光によって、欠陥が検出される。
さらに、ガラス基板の裏面から主面に向かう光の光路中に欠陥がない場合、ガラス基板の裏面を通過した光は、ガラス基板の主面で反射される。ガラス基板の主面で反射した光の光路中に欠陥が存在すると、光が欠陥で散乱され、暗信号が発生する。すなわち、ガラス基板の主面から裏面に向かう光によって、欠陥が検出される。したがって、2つの像の距離によって、欠陥がガラス基板の内部又は裏面にあるかを区別することができる。同様に、ガラス基板の主面から照明することで、欠陥がガラス基板の内部又は主面にあるかを区別することができる。
国際公開2006/057125号
しかしながら、特許文献1の構成では、基板の両側にカメラ(ラインセンサ)、及び線状光源が配置されている。したがって、裏面側にも光源及びカメラを配置する構成となっている。そのため、特許文献1では、光学系の構成が複雑になってしまうという問題がある。また、特許文献1は、明視野検査であり、暗視野検査で検査と同時に厚さ方向の情報を得る手段ではない。
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであり、簡便な構成で、試料の厚さ方向における欠陥の位置情報を測定することができる検査装置、及び検査方法を提供することを目的とするものである。
本実施形態の第1の態様にかかる検査装置は、試料を照明する照明光となる2光束を発生し、前記2光束が異なる方向から前記試料を照明する照明装置と、前記試料からの散乱光を検出する第1検出器と、前記試料からの散乱光を検出する第2検出器と、前記第1検出器からの第1検出信号をしきい値と比較することで、欠陥を検出する第1比較部と、前記第2検出器からの第2検出信号をしきい値と比較することで、前記欠陥を検出する第2比較部と、前記第1比較部による前記欠陥の検出タイミングと前記第2比較部による前記欠陥の検出タイミングとの時間差に応じて、前記試料の厚さ方向における前記欠陥の位置情報を取得する位置情報取得部と、を備えたものである。この構成によれば、簡便な構成で、欠陥検出と同時に試料の厚さ方向における欠陥の位置情報を測定することができる。
上記の検査装置において、前記照明装置が、第1の波長の第1照明光と、第1の波長と異なる第2の波長の第2照明光と、の2光束を発生し、前記第1検出器は第2の波長の光を遮光する第1フィルタを介して、散乱光を検出し、前記第2検出器は第1の波長の光を遮光する第2フィルタを介して、散乱光を検出するようにしてもよい。第1検出器及び第2検出器で異なる波長の散乱光を検出するため、欠陥が近接している状態でもより高い精度で試料の厚さ方向における欠陥の位置情報を測定することができる。
上記の検査装置において、前記2光束が入射するレンズをさらに備え、前記レンズによって、前記2光束が異なる方向から前記試料を照明するようにしてもよい。
上記の検査装置において、前記試料からの散乱光を受光する対物レンズと、前記対物レンズからの散乱光を分岐する光分岐手段と、をさらに備え、前記光分岐手段で分岐された一方の光を前記第1検出器が検出し、前記光分岐手段で分岐された他方の光を前記第2検出器が検出するようにしてもよい
上記の検査装置において、前記照明装置が、第1の波長の第1照明光と、第1の波長と異なる第2の波長の第2照明光と、の2光束を発生し、前記光分岐手段が波長に応じて前記第1の波長の散乱光と、前記第2の波長の散乱光を分岐するようにしてもよい。
上記の検査装置において、前記試料の前記厚さ方向における位置に応じて、前記2光束による照明位置がずれていくように、前記試料が照明され、前記2光束による照明位置がずれる方向に、前記試料を移動させるステージが設けられているものである。これにより、厚さ方向における欠陥の位置情報を適切に測定することができる。
上記の検査装置において、前記2光束による照明位置がずれる方向と直交する方向に、前記照明光を走査するスキャナが設けられていてもよい。こうすることで、広い領域を照明することができるため、スループットを向上することができる。
本実施形態の第2の態様にかかる検査方法は、試料を照明する照明光となる2光束を発生するステップと、前記2光束が異なる方向から前記試料を照明するステップと、第1検出器及び第2検出器によって前記試料からの散乱光をそれぞれ検出するステップと、前記第1検出器からの第1検出信号をしきい値と比較することで、欠陥を検出するステップと、前記第2検出器からの第2検出信号をしきい値と比較することで、前記欠陥を検出するステップと、前記第1検出信号での前記欠陥の検出タイミングと前記第2検出信号での前記欠陥の検出タイミングとの時間差に応じて、前記試料の厚さ方向における前記欠陥の位置情報を取得するステップと、を備えたものである。この方法によれば、簡便な構成で、欠陥検出と同時に試料の厚さ方向における欠陥の位置情報を測定することができる。
上記の検査方法において、前記2光束には、第1の波長の第1照明光と、第1の波長と異なる第2の波長の第2照明光と、が含まれ、前記第1検出器は第2の波長の光を遮光する第1フィルタを介して、散乱光を検出し、前記第2検出器は第1の波長の光を遮光する第2フィルタを介して、散乱光を検出するようにしてもよい。第1検出器及び第2検出器で異なる波長の散乱光を検出するため、欠陥が近接している状態でもより高い精度で試料の厚さ方向における欠陥の位置情報を測定することができる。
上記の検査方法において、前記2光束が入射するレンズによって、前記2光束が異なる方向から前記試料を照明するようにしてもよい。
上記の検査方法において、対物レンズが前記試料からの散乱光を受光し、前記対物レンズからの散乱光を光分岐手段によって分岐し、前記光分岐手段で分岐された一方の光を前記第1検出器が検出し、前記光分岐手段で分岐された他方の光を前記第2検出器が検出するようにしてもよい。
上記の検査方法において、前記2光束には、第1の波長の第1照明光と、第1の波長と異なる第2の波長の第2照明光と、が含まれ、前記光分岐手段が波長に応じて前記第1の波長の散乱光と、前記第2の波長の散乱光を分岐するようにしてもよい。
上記の検査方法において、前記試料の前記厚さ方向における位置に応じて、前記2光束の照明位置がずれていくように、前記試料が照明され、前記2光束の照明位置がずれる方向に前記試料を移動させながら、前記第1検出器及び第2検出器が前記散乱光を検出するようにしてもよい。これにより、厚さ方向における欠陥の位置情報を適切に測定することができる。
上記の検査方法において、前記2光束による照明位置がずれる方向と直交する方向に前記照明光を走査しながら、前記第1検出器及び第2検出器が前記散乱光を検出するようにしてもよい。こうすることで、広い領域を照明することができるため、スループットを向上することができる。
本発明によれば、簡便な構成で、試料の厚さ方向における欠陥の位置情報を測定することができる検査装置、及び検査方法を提供することができる。
本実施形態にかかる検査装置の構成を示す図である。 実施形態1に係る検査装置において、欠陥に入射する照明光の様子を示す図である。 試料の表面に欠陥がある場合の第1及び第2検出信号を示す図である、 試料の内部に欠陥がある場合の第1及び第2検出信号を示す図である、 試料の裏面に欠陥がある場合の第1及び第2検出信号を示す図である、 欠陥のZ方向位置と欠陥検出タイミングを模式的に示す図である 処理装置の構成を示すブロック図である。 実施形態2に係る検査装置において、欠陥に入射する照明光の様子を示す図である。 実施形態3に係る検査装置の構成を示す図である。
以下、本実施の形態の具体的構成について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
実施の形態1.
本実施の形態に係る検査装置は、透明な試料にある欠陥を検出する検査装置である。具体的には、検査装置は、暗視野照明光学系を用いて試料を照明し、欠陥で散乱した光を検出することで欠陥を検出している。透明な試料は、例えば、半導体やディスプレイの製造に用いられるガラスウェハ等の透明基板である。例えば、試料の材料としては、サファイアガラスや石英ガラスである。本実施形態では、試料がガラスウェハブランクスであるものとして説明する。さらに、検査装置は、2光束照明を用いて、試料の厚さ方向における欠陥の位置情報を取得する。すなわち、検査装置は、厚さ方向における欠陥の位置を特定することができる。
図1を用いて検査装置の構成について、説明する。図1は、検査装置100の構成を模式的に示す図である。検査装置100は、照明装置10、スキャナ13、レンズ14、XYステージ15、第1検出器16、第2検出器17、第1フィルタ18、及び第2フィルタ19を備えている。検査対象となる試料20はXYステージ15の上に載置されている。なお、以下の説明において、照明光学系における光軸方向をZ方向として、試料20の面内方向をX方向、及びY方向とするXYZ直交座標系を用いて説明する。また、検査装置100は、暗視野照明光学系101を用いて、試料20を照明している。
まず、暗視野照明光学系101の構成について説明する。本実施の形態において、照明装置10は、試料20を照明する2光束を発生する。そのため、照明装置10は、第1光源11、第2光源12を備えている。第1光源11は、第1照明光L1を出射する。第2光源12は第2照明光L2を出射する。第1照明光L1と第2照明光L2とは、異なる光束として、試料20を照明する。
第1光源11、第2光源12は、レーザ光源であり、異なる波長のレーザ光を生成する。第1照明光L1の波長を波長λ1、第2照明光L2の波長を波長λ2とする。波長λ1と波長λ2とは異なる波長である。波長λ1と波長λ2とは、できるだけ近い波長にすることが好ましい。すなわち、後述する第1及び第2フィルタで分離できる程度に近い二波長λ1、λ2を用いることが好ましい。このようにすることで、第1検出器16及び第2検出器17における欠陥の検出感度の差を低減することができる。
なお、照明装置10に用いられる光源は、レーザ光源に限らず、ランプ光源やLED光源であってもよい。なお、本実施の形態では、2光束を生成する照明装置10として、2つの光源を用いたが、1つの光源を分岐する構成を用いてもよい。すなわち、ビームスプリッタやダイクロイックミラーなどで二つに分岐した一方を第1照明光L1とし、他方を第2照明光L2としてもよい。1つの光源のみを用いる場合、ランプ光源等の単色ではない光源を利用する。
第1照明光L1、及び第2照明光L2はそれぞれ平行光束となって伝搬する。第1照明光L1及び第2照明光L2は別々の平行光束となって、スキャナ13に入射する。すなわち、第1照明光L1及び第2照明光L2は、スキャナ13の異なる位置に入射する。
スキャナ13は、試料20上での照明位置を走査するために、第1照明光L1と第2照明光L2を偏向する。例えば、スキャナ13としてガルバノミラーやポリゴンミラーなどを用いることができる。スキャナ13は、紙面と垂直方向に2本の光束を走査する。ここで、スキャナ13による照明光の走査方向をY方向とする。スキャナ13で反射した第1照明光L1及び第2照明光L2はレンズ14に入射する。本実施形態では、試料20の表面上において12mm/51μsecでY方向に移動するよう、スキャナ13としてポリゴンミラーを用いて照明光をスキャンしている。各スキャンの時間間隔は250μsecである。
レンズ14は対物レンズであり、試料20の直上に配置されている。試料20は上記のように透明基板であり、例えば、厚さ0.5mmのガラスウェハである。レンズ14は、第1照明光L1及び第2照明光L2を試料20に集光する。より具体的には、レンズ14は、試料20の表面に第1照明光L1及び第2照明光L2を集光する。レンズ14によって集光された第1照明光L1及び第2照明光L2は、試料20の表面の同じ位置を照明する。例えば、レンズ14の一部の領域に入射した第1照明光L1は、レンズ14の光軸と試料20の表面が交差する位置に集光される。同様に、レンズ14の一部の領域に入射した第2照明光L2は、レンズ14の光軸と試料20の表面が交差する位置に集光される。したがって、異なる方向に伝搬する第1照明光L1と第2照明光L2は、試料20の表面で交差する。焦点位置において、第1照明光L1と第2照明光L2のビーム径は約70μmとなっている。すなわち、試料20の表面において、第1照明光L1と第2照明光L2は、直径70μmの円形のスポットを形成する。
第1照明光L1と第2照明光L2はレンズ14の光軸からずれた位置において、レンズ14に入射する。また、第1照明光L1と第2照明光L2とは、レンズ14の異なる位置に入射している。例えば、図1において、第1照明光L1は、レンズ14の左側半分における一部の領域に入射し、第2照明光L2はレンズ14の右側半分における一部の領域に入射する。さらに、レンズ14でのXY平面において、第1照明光L1の入射位置は、第2照明光の入射位置と対称になっている。
例えば、試料20に対する第1照明光L1と第2照明光L2の入射角度は45°となっている。すなわち、レンズ14により屈折された第1照明光L1は、45°の入射角°で試料20に入射し、レンズ14により屈折された第2照明光L2は、−45°の入射角°で試料20に入射する。このように、第1照明光L1と第2照明光L2は試料20に対して斜め入射する。すなわち、第1照明光L1と第2照明光L2の光軸は、レンズ14の光軸から傾いている。本実施の形態では、第1照明光L1及び第2照明光L2の2光束を用いているため、1光束の場合に比べて、2光束全体での焦点深度が浅くなる。よって、欠陥の深さ分類が可能なる。
さらに、試料20の上には第1検出器16及び第2検出器17が配置されている。第1検出器16及び第2検出器17は、フォトマルチプライアやフォトダイオードなどの光検出器である。本実施形態では、検査装置100が暗視野照明光学系101を有している。したがって、第1検出器16及び第2検出器17は、レンズ14を介さずに試料20からの散乱光を検出する。第1照明光L1及び第2照明光L2が照明した箇所に欠陥がある場合、欠陥で光が散乱する。欠陥で散乱した散乱光の一部は、レンズ14に入射せずに、第1検出器16又は第2検出器17に入射する。すなわち、第1検出器16及び第2検出器17は、レンズ14の外側を通過した散乱光を検出する。XY平面において、第1検出器16及び第2検出器17は光軸に対して対称な位置に配置されている。
第1検出器16の前には第1フィルタ18が配置されている。第1フィルタ18は、例えば、バンドパスフィルタであり、波長λ1の光を透過して、波長λ2の光を遮光する。したがって、第1検出器16は、欠陥に入射した第1照明光L1の散乱光を検出する。すなわち、第1検出器16は、欠陥で散乱した波長λ1の散乱光を検出する。このように、第1検出器16は、欠陥で第1検出器16の方向に散乱した散乱光のうち、波長λ1の散乱光のみを検出する。
第2検出器17の前には第2フィルタ19が配置されている。第2フィルタ19は、例えば、バンドパスフィルタであり、波長λ2の光を透過して、波長λ1の光を遮光する。したがって、第2検出器17は、欠陥に入射した第2照明光L2の散乱光を検出する。すなわち、第2検出器17は、欠陥で散乱した波長λ2の散乱光を検出する。このように、第2検出器17は、欠陥で第2検出器17の方向に散乱した散乱光のうち、波長λ2の散乱光のみを検出する。
第1フィルタ18、及び第2フィルタ19を第1検出器16、及び第2検出器17の入射側にそれぞれ配置することで、波長λ1の散乱光と波長λ2の散乱光を独立して検出することができる。試料20は、XYステージ15の上に載置されている。XYステージ15は、試料20のエッジ部を保持している。すなわち、XYステージ15は、試料20のエッジ部のみと接触しており、試料20の中央の下側は空間となっている。XYステージ15は、X方向に試料20を移動している間、第1検出器16及び第2検出器17が散乱光を検出する。例えば、XYステージ15は、100mm/secの速度でX方向に移動している。第1検出器16は、検出した散乱光強度に応じた第1検出信号を処理装置(図1では図示せず)に出力する。第2検出器17は、検出した散乱光強度に応じた第2検出信号を処理装置に出力する。
処理装置は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置やA/D変換器等の電子回路を備えている。処理装置が第1及び第2検出信号に対して、所定の処理を行うことで、本実施形態に係る検査方法を実現することができる。処理装置は、検出信号としきい値との比較結果に応じて、欠陥を検出する。暗視野照明光学系101を用いているため、照明光が欠陥に入射するタイミングで検出信号が大きくなる。したがって、検出信号が予め設定されたしきい値を越えた場合、処理装置は、欠陥が存在すると判定する。一方、検出信号がしきい値を越えない場合、処理装置は、欠陥が存在しないと判定する。そして、処理装置には、XYステージ15の座標及びスキャナ13の角度が入力されているため、処理装置は、XY平面における照明位置を特定することができる。すなわち、検出信号がしきい値を越えたタイミングを欠陥検出タイミングとし、処理装置は欠陥検出タイミングにおける照明位置から欠陥座標を特定する。さらに、処理装置は、第1及び第2検出信号に対して所定の処理を行うことで、厚さ方向における欠陥の位置を特定することができる。処理装置における処理については後述する。
図2は、欠陥に入射する照明光の様子を示す図である。なお、図2では、試料20の表面に存在する欠陥を欠陥21として示しており、試料20の裏面に存在する欠陥を欠陥23として示している。さらに、試料20の内部に存在する欠陥を欠陥22として示している。以下、欠陥21、欠陥22、又は欠陥23が存在する場合についてそれぞれ説明する。なお、図2では、XYステージ15によって、試料20が矢印方向(+X方向)に移動している。欠陥の大きさは、ビーム径よりも十分に小さいものであり、例えば1μm〜10μm程度である。
試料20はガラス等の透明材料によって形成されている。このため、第1照明光L1と第2照明光L2は、試料20の内部を透過していく。さらに、試料20と空気との界面で、第1照明光L1と第2照明光L2が屈折する。上記のように、第1照明光L1と第2照明光L2は、異なる光束となっており、レンズ14の異なる位置を通っている。そして、レンズ14が、第1照明光L1と第2照明光L2を試料20の表面に集光している。第1照明光L1と第2照明光L2は試料20の表面で交差して、試料20の内部を伝搬していく。図2では、第1照明光L1が試料20に対して、左上側(−X側)から斜めに入射し、第2照明光L2が試料20に対して右上側(+X側)から斜めに入射している。
したがって、試料20の厚さ方向(Z方向)に応じて、第1照明光L1と第2照明光L2とが通過する位置が変化していく。例えば、図2では、試料20の表面において、第1照明光L1と第2照明光L2が試料20の同じ位置を通過している。一方、試料20の裏面側では、第1照明光L1が第2照明光よりも右側を通過している。このように、Z方向の位置に応じて、X方向における第1照明光L1と第2照明光L2の照明位置がずれていく。試料20の裏面側に行くほど、第1照明光L1と第2照明光L2の照明位置のずれ量が大きくなる。試料20の内部及び裏面では、第1照明光L1による照明位置と第2照明光L2による照明位置がX方向にずれている。すなわち、第2照明光L2は、第1照明光L1の照明位置と異なる位置を照明している。そして、XYステージ15をX方向に移動しているため、欠陥の深さに応じて、第1照明光L1と第2照明光L2が欠陥に入射するタイミングが異なっている。このように、XYステージ15が、照明位置のずれる方向(X方向)に試料20を移動している。
まず、試料20の表面に欠陥21が存在する場合について説明する。試料20の表面に欠陥21がある場合、第1照明光L1と第2照明光L2は同時に欠陥21に入射する。照明光が欠陥21に入射すると散乱光強度が高くなり、検出信号がしきい値を越える。したがって、図3に示すように、第1検出器16の第1検出信号と、第2検出器17の第2検出信号では、同じタイミングで欠陥が検出される。すなわち、第1検出信号による欠陥検出タイミングと、第2検出信号による欠陥検出タイミングがほぼ同じタイミングとなっている。
次に、試料20の内部に欠陥22が存在する場合について説明する。試料20の内部に欠陥22が存在する場合、第1照明光L1が欠陥22に入射するタイミングと、第2照明光L2が欠陥22に入射するタイミングがずれる。すなわち、XYステージ15が+X方向に移動しているため、第2照明光L2が欠陥22に入射した後、第1照明光L1が欠陥22に入射する。よって、図4に示すように、第1照明光L1による欠陥検出タイミングが第2照明光L2による欠陥検出タイミングから遅れる。
次に、試料20の裏面に欠陥23が存在する場合について説明する。試料20の裏面に欠陥23が存在する場合、第1照明光L1が欠陥22に入射するタイミングと、第2照明光L2が欠陥22に入射するタイミングがさらにずれる。すなわち、XYステージ15が+X方向に移動しているため、第2照明光L2が欠陥22に入射した後、第1照明光L1が欠陥22に入射する。よって、図5に示すように、第1照明光L1による欠陥検出タイミングが第2照明光L2による欠陥検出タイミングからさらに遅れる。
X方向におけるXYステージ15の移動速度が既知となっている。そして、第1照明光L1と第2照明光L2の入射角度、拡がり角度、スポット径も既知となっている。さらに、試料20の厚さと、波長λ1、λ2における試料20の屈折率も既知となっている。よって、欠陥検出タイミングの時間差から、位置情報取得部53は、Z方向における欠陥の位置を特定することができる。すなわち、上記の既知の情報から、欠陥検出タイミングの時間差を、Z方向における欠陥の位置に変換することができる。
図6に、欠陥検出タイミングと、Z方向の位置との関係を示す。上記したように、−Z側に向かうにつれて、欠陥検出タイミングのずれが大きくなる。例えば、ガラスウエハの厚さを0.5mm、ステージ速度100mm/sec、照明光の入射角度を45°とした場合、試料20の内部にある欠陥22の検出タイミングが約2.7msecずれる。なお、ビーム径が70μm、欠陥サイズが10μmとすると、図3〜図5に示す検出信号が示す欠陥の幅は約0.4μsec程度に相当する。
このように、欠陥の深さに応じて、第1検出信号による欠陥検出タイミングと第2検出信号による欠陥検出タイミングの時間間隔が変化する。処理装置は、この時間間隔に応じて、Z方向における欠陥の位置を検出している。すなわち、処理装置は、欠陥検出タイミングの間隔に応じて、Z方向(厚さ方向)における欠陥の位置情報を取得している。
上記の処理を行うための処理装置の構成について、図7を用いて説明する。図7は、処理装置50の構成を示すブロック図である。処理装置50は、第1比較部51と、第2比較部52と、位置情報取得部53と、を備えている。処理装置50には、第1検出器16からの第1検出信号と、第2検出器17からの第2検出信号が入力されている。
第1比較部51は、第1検出信号をしきい値と比較して、欠陥を検出する。すなわち、第1検出信号がしきい値を越えた場合、第1比較部51は欠陥が存在すると判定する。第2比較部52は、第2検出信号をしきい値と比較して、欠陥を検出する。すなわち、第2検出信号がしきい値を越えた場合、第2比較部52は欠陥が存在すると判定する。第1比較部51におけるしきい値と第2比較部52におけるしきい値は、同じ値でもよく、異なる値でもよい。例えば、照明波長による感度の差に応じて、しきい値を調整してもよい。XYステージ15の位置及びスキャナ13の偏向角が処理装置50に入力されているため、第1比較部51及び第2比較部52の検出結果に基づいて、欠陥位置を検出することができる。
位置情報取得部53は、第1比較部51による欠陥検出タイミングと第2比較部52による欠陥検出タイミングとの時間差に応じてZ方向における欠陥の位置情報を求める。これにより、欠陥の深さ分類を行うことができる。位置情報取得部53は、第1比較部51による欠陥検出タイミングと、第2比較部による欠陥検出タイミングとの時間差を求める。そして、位置情報取得部53は、時間差に応じて、欠陥のZ方向位置を検出する。上記したように、試料20の裏面側が向かうにつれて、時間差が大きくなっている。したがって、時間差に応じて、Z方向における欠陥の位置情報を検出することができる。
本実施の形態では、試料20の一方の表面側に暗視野照明光学系101を配置している。こうすることで、試料20の裏面側に、光学部品を配置する必要がなくなるため、特許文献1に比べて光学系を簡素化することができる。特に、第1照明光L1及び第2照明光L2に対して、スキャナ13やレンズ14等の光学部品を共通化することができるため、部品点数を少なくすることができる。
本実施の形態では、欠陥の検出と、Z方向の位置情報の取得を同時に行うことができる。すなわち、第1比較部51、及び第2比較部52の比較結果によって欠陥を検出するとともに、欠陥検出のタイミング差に応じて、欠陥のZ位置を検出することができる。従って、本実施形態に係る検査装置100では、1度の走査で、欠陥検出と厚さ方向における位置の特定を行うことができる。よって、スループットを向上することができる。これに対して、通常の光学系による検査では、欠陥を検出した後、欠陥位置において焦点位置をZ方向に変えていく必要がある。よって、通常の光学系による検査に比べて、高いスループットで検査を行うことができる。
本実施の形態では、異なる波長の第1照明光L1第2照明光L2とで試料20を照明するとともに、第1検出器16と第2検出器17とが異なる波長の散乱光を検出している。すなわち、第1フィルタ18、及び第2フィルタ19をそれぞれ第1検出器16、及び第2検出器17の前に配置して、他方の波長の光を検出しないようにしている。このようにすることで、2つの欠陥が近接する場合でも、分離して検出することが可能になる。また、第1及び第2検出器で欠陥を検出したタイミングの時間差に応じて、厚さ方向における欠陥の位置を測定している。よって、高い分解能で欠陥の位置を測定することができる。
なお、レンズ14に入射する第1照明光L1のビーム径を小さくして、第1照明光L1の光束の焦点深度を深くすることが好ましい。同様に、レンズ14に入射する第2照明光L2のビーム径を小さくして、第2照明光L2の光束の焦点深度を深くすることが好ましい。こうすることで、裏面での各ビーム径の拡がりを小さくすることができるため、高い分解能で欠陥を検出することができる。また、ビーム径を細くすることで特に試料20の表面付近における厚さ方向の分解能が向上する。
上記の説明では、試料20の表面で第1照明光L1と第2照明光L2が交差したが、第1照明光L1と第2照明光L2が交差する深さは、試料20の表面に限られるものではあい。例えば、第1照明光L1と第2照明光L2が試料20の裏面で交差するようにしてもよく、試料20の内部で交差するようにしてもよい。第1照明光L1の照明位置と第2照明光の照明位置がZ方向の位置に応じてずれていくように、レンズ14が第1照明光L1と第2照明光L2を屈折すればよい。
レンズ14と試料20との間の距離を変えることで、欠陥の検出感度のよい深さにすることも可能となる。例えば、試料20内部での感度を高くした場合、試料20内部で、第1照明光L1と第2照明光L2が交差するようにする。さらに、レンズ14と試料20との間の距離を変えることで、試料20の表面上でのビーム径を変えることが可能になる。これにより、レンズ14のNAを変えずに、スループットを変えることも可能になる
上記の説明ではXYステージ15が試料20のエッジ部を保持するようにしたが、試料20の裏面と接触してもよいのであれば、試料20の全体を保持するステージを透明ステージにすることも可能である。こうすることで、試料20が撓むのを防ぐことができる。あるいは、試料20の全体を保持するステージを非透明な材料とすることも可能である。例えば、試料20の裏面と接触してもよく、かつ、試料20の裏面を検査しないのであれば、非透明なステージで試料20全体を保持することが可能となる。この場合、裏面からの信号は決まったタイミング差で検出されるため、裏面からの散乱光による信号を分離することができる。
なお、サイズが大きい欠陥については、同じタイミングで欠陥が検出されてしまう。例えば、試料20の内部での照明光の分離間隔よりも大きい300μm程度の欠陥では、第1比較部51による欠陥検出タイミングと第2比較部52による欠陥検出タイミングが重なってしまう。また、サイズが大きいと、欠陥21の左右のエッジについて、照明光L1と照明光L2の感度が変わってしまう。例えば、照明光の入射方向とエッジの向きによって、感度に差が出てしまう。このため、サイズが大きい欠陥については、検査後に明視野レビューで深さを分類するようにしてもよい。
なお、XYステージ15の移動方向と、照明位置がずれる方向にXYステージ15が試料20を移動させている。こうすることで、XYステージ15が、適切な速度で照明位置をX方向に移動させることができる。Z方向における欠陥の位置情報を正確に測定することができる。また、スキャナ13がY方向に第1及び第2照明光をスキャンしている。スキャナ13による走査速度は、照明位置のずれ量に対して十分に速い。よって、スキャナ13がY方向に第1照明光L1と第2照明光L2を走査することで、Y方向に広い領域を短時間で照明することができる。よって、スループットを向上することができる。
なお、上記の説明では、XYステージ15を用いて照明位置を変えたが、光学系全体を移動して照明位置を変えるようにしてもよい。例えば、スキャナ13、レンズ14、第1検出器16、及び第2検出器17を移動することで、照明位置を変えるようにしてもよい。このように、試料20における照明位置を変える手段はXYステージ15に限られるものではなく、試料20と照明光の入射位置を相対的に変えることができればよい。
位置情報取得部53が取得する位置情報は、Z方向における欠陥の座標に限られるものではない。例えば、Z方向における分解能が低い場合、欠陥が試料20の表面、内部、裏面にあるかを判別するだけであってもよい。また、試料20の裏面側に2つの検出器を設けて、同様の処理を行ってもよい。こうすることで、より高い精度で、欠陥のZ方向位置を測定することができる。
実施の形態2.
本実施の形態に係る検査装置について、図8を用いて説明する。図8は、検査装置100において、試料20を照明する第1照明光L1と第2照明光L2の様子を示す図である。なお、検査装置100の構成及び処理は、実施の形態1に示した構成、及び処理と同様であるため、重複する内容については説明を省略する。本実施の形態では、第1照明光L1及び第2照明光L2を同じ波長としている。そして、図1に示した第1フィルタ18、及び第2フィルタ19を取り除いた構成としている。したがって、第1検出器16と第2検出器17が同じ波長の散乱光を検出している。
実施の形態1と同様に、第1検出器16からの第1検出信号としきい値とを比較して、欠陥を検出する。第2検出器17からの第2検出信号としきい値とを比較して、欠陥を検出する。実施形態1と同様に、欠陥検出タイミングの時間差に基づいて、厚さ方向における欠陥の位置情報を取得することができる。試料20の内部又は裏面に欠陥がある場合、1つの欠陥が2回異なるタイミングで照明される。すなわち、第1照明光L1と第2照明光L2が欠陥に入射するタイミングがずれている。したがって、例えば、1つの欠陥について、第1検出信号がしきい値を2回越える。同様に、1つの欠陥について、第2検出信号がしきい値を2回越える。処理装置50は、2つの欠陥検出タイミングの時間差に基づいて、厚さ方向における欠陥の位置情報を取得する。こうすることで、実施の形態1と同様に、Z方向における欠陥の位置情報を取得することができる。
なお、同じ波長の散乱光を検出する場合、試料20において欠陥が近接していると分離が困難になってしまう。すなわち、2つの欠陥が孤立していない場合、処理装置50が同じ欠陥による散乱光であるか、2つの欠陥による散乱光であるかを判別することが困難となってしまうためである。試料20の裏面での照明光の分離間隔程度に欠陥が孤立していれば、欠陥の深さを検出することができる。
実施の形態3.
本実施の形態にかかる検査装置について、図9を用いて説明する。図9は、検査装置100の構成を示す図である。本実施の形態では、実施形態1に対して第1の照明光源11、第2の照明光源12の位置と、第1検出器16、第2検出器17の位置が入れ替わっている。具体的には、第1の照明光源11からの第1照明光L1と第2の照明光源12からの第2照明光L2がレンズ14の外側から、試料20を照明する。そして、第1検出器16、第2検出器17がレンズ14を通過した散乱光を検出する。
第1の照明光源11からの第1照明光L1は、レンズ31で試料20に集光される。第2の照明光源12からの第2照明光L2は、レンズ32で試料20に集光される。このように、第1照明光L1、及び第2照明光L2は、レンズ14の外側と通って、試料20を照明する。第1照明光L1、及び第2照明光L2は、異なる方向から試料20の同一箇所を照明する2光束となる。第1照明光L1、及び第2照明光L2は、上記の実施の形態1と同様に異なる波長λ1、λ2となっている
そして、レンズ14が試料20の照明箇所の真上に配置されている。したがって、対物レンズであるレンズ14は、試料20の照明箇所からの散乱光を受光する。レンズ14で屈折した散乱光は、ダイクロイックミラー33に入射する。ダイクロイックミラー33は、波長に応じて光を分岐する光分岐手段である。すなわち、波長λ1の散乱光は、ダイクロイックミラー33を透過し、波長λ2の散乱光は、ダイクロイックミラー33で反射される。
ダイクロイックミラー33を透過した波長λ1の散乱光は、レンズ34によって第1検出器16に集光される。ダイクロイックミラー33で反射した波長λ2の散乱光は、レンズ35によって第2検出器17に集光される。これにより、実施の形態1と同様に、第1検出器16が、欠陥で散乱した波長λ1の散乱光を検出し、第2検出器17は、欠陥で散乱した波長λ2の散乱光を検出する。したがって、実施の形態1の処理を行うことで、欠陥検出のタイミング差から、Z方向における欠陥の位置情報を取得することができる。
図9に示す構成においても実施の形態1、2と同様に試料20を暗視野照明することができる。本実施の形態の構成では、第1検出器16、第2検出器17の前に、第1フィルタ18、第2フィルタ19を配置する必要がなくなる。また、第1検出器16、第2検出器17として、画素が1列に配列されたラインセンサを用いることが可能になる。例えば、画素が図9の紙面と垂直な方向に沿って配列された1次元ラインセンサを第1検出器16、第2検出器17として用いることが可能になる。第1検出器16、第2検出器17としては、CCDやフォトマルチプライアを用いることができる。
ラインセンサを用いる場合、レンズ31、32をシリンドリカルレンズとして、照明光を楕円形としてもよい。このようにすることで、一度に広い領域を照明することができる。すなわち、照明光のスポット形状の長手方向に沿って、画素を配列する。そして、照明光のスポット形状の長手方向と直交する方向に走査する。こうすることで、短時間に検査することができる。
また、本実施の形態の構成を、実施の形態2と組み合わせて用いることも可能となる。この場合、ダイクロイックミラー33以外の光分岐手段を用いて、光を分岐することができる。例えば、ハーフミラーを用いて、第1検出器16に向かう光と第2検出器17に向かう光を分岐することができる。一方、光を分岐せずにダイクロイックミラー33がない状態にて例えば第1検出器16のみを用いても良い。
その他の実施形態.
第1照明光L1、及び第2照明光L2として、パルス光を用いることも可能である。そして、2つのパルス光の照射タイミングをずらして、試料20に照射する。発振したタイミングでトリガをかけて、散乱光を検出する。このようにすることで、同じ波長の光を用いた場合でも、2つの検出器で第1照明光L1及び第2照明光L2による散乱光を分離して検出することができる。
例えば、照明装置10としてパルスレーザー光源を用いる、あるいは、第1照明光L1、及び第2照明光L2を変調して、パルス光とする。照明装置10にパルスレーザー光源を2つ搭載してもよい。そして、照明光L1の発振と第1検出器16の受光を同期して、第2照明光L2の発振と第2検出器17の受光を同期させる。あるいは、1つのパルスレーザー光源からのパルスレーザー光を分岐して、一方のパルスレーザー光を遅延させてもよい。2つのパルスレーザー光に0.1μsecの遅延を持たせたい場合、片方のビームを大気中で30m余分に通す必要がある。そのため、パルス遅延素子等を用いることで、所望の時間だけ片方のパルスを遅らせることができる。パルス遅延素子としては、一対の向かい合う高い反射率のミラーやガラスで構成された光学素子や、光ファイバーを用いることができる。分岐させる場合は分岐された光路にハーフミラーなどで構成された同期モニター用の受光部を設ける。
パルス光を用いる場合には繰り返し周波数を高くすることが好ましい。繰り返し周波数を高くすることで、連続するパルス光のスポットが重なるように、試料20の表面が照明される。よって、試料20の全体を検査することができる。例えば、実施の形態1に示す構成の場合、繰り返し周波数を3MHz以上とする。
また、試料20の裏面に下地パターンや接着層があるような場合、時間差に応じて、裏面からの信号を分離するこができる。裏面に下地パターンや接着層が試料を検査する場合、裏面からの散乱光強度が高くなり、ノイズとなってしまう。しかしながら、裏面差からの散乱光は常に同じタイミング差で検出されるため、ノイズを分離することができる。
さらには、時間差に応じて、試料20の表面にある高さ方向に大きなパターンや異物の高さ測定を行うことができる。すなわち、異物などの高さによって、検出タイミングが異なるため、欠陥深さと同様に、異物欠陥の高さを測定することも可能となる。また、上記の実施の形態において、第1検出器16、第2検出器17に画素が2次元アレイ状に配列されたエリアセンサを用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。
100 検査装置
10 照明装置
11 第1の照明光源
12 第2の照明光源
13 スキャナ
14 レンズ
15 XYステージ
16 第1検出器
17 第2検出器
18 第1フィルタ
19 第2フィルタ
20 試料
21 欠陥
50 処理装置
51 第1比較部
52 第2比較部
53 位置情報取得部

Claims (14)

  1. 試料を照明する照明光となる2光束を発生し、前記2光束が異なる方向から前記試料を照明する照明装置と、
    前記試料からの散乱光を検出する第1検出器と、
    前記試料からの散乱光を検出する第2検出器と、
    前記第1検出器からの第1検出信号をしきい値と比較することで、欠陥を検出する第1比較部と、
    前記第2検出器からの第2検出信号をしきい値と比較することで、前記欠陥を検出する第2比較部と、
    前記第1比較部による前記欠陥の検出タイミングと前記第2比較部による前記欠陥の検出タイミングとの時間差に応じて、前記試料の厚さ方向における前記欠陥の位置情報を取得する位置情報取得部と、を備えた検査装置。
  2. 前記照明装置が、第1の波長の第1照明光と、第1の波長と異なる第2の波長の第2照明光と、の2光束を発生し、
    前記第1検出器は第2の波長の光を遮光する第1フィルタを介して、散乱光を検出し、
    前記第2検出器は第1の波長の光を遮光する第2フィルタを介して、散乱光を検出する請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記2光束が入射するレンズをさらに備え、
    前記レンズによって、前記2光束が異なる方向から前記試料を照明することを特徴とする請求項1、又は2に記載の検査装置。
  4. 前記試料からの散乱光を受光する対物レンズと、
    前記対物レンズからの散乱光を分岐する光分岐手段と、をさらに備え、
    前記光分岐手段で分岐された一方の光を前記第1検出器が検出し、
    前記光分岐手段で分岐された他方の光を前記第2検出器が検出する請求項1に記載の検査装置。
  5. 前記照明装置が、第1の波長の第1照明光と、第1の波長と異なる第2の波長の第2照明光と、の2光束を発生し、
    前記光分岐手段が波長に応じて前記第1の波長の散乱光と、前記第2の波長の散乱光を分岐する請求項4に記載の検査装置。
  6. 前記試料の前記厚さ方向における位置に応じて、前記2光束による照明位置がずれていくように、前記試料が照明され、
    前記2光束による照明位置がずれる方向に、前記試料を移動させるステージが設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査装置。
  7. 前記2光束による照明位置がずれる方向と直交する方向に、前記照明光を走査するスキャナが設けられている請求項6に記載の検査装置。
  8. 試料を照明する照明光となる2光束を発生するステップと、
    前記2光束が異なる方向から前記試料を照明するステップと、
    第1検出器及び第2検出器によって前記試料からの散乱光をそれぞれ検出するステップと、
    前記第1検出器からの第1検出信号をしきい値と比較することで、欠陥を検出するステップと、
    前記第2検出器からの第2検出信号をしきい値と比較することで、前記欠陥を検出するステップと、
    前記第1検出信号での前記欠陥の検出タイミングと前記第2検出信号での前記欠陥の検出タイミングとの時間差に応じて、前記試料の厚さ方向における前記欠陥の位置情報を取得するステップと、を備えた検査方法。
  9. 前記2光束には、第1の波長の第1照明光と、第1の波長と異なる第2の波長の第2照明光と、が含まれ、
    前記第1検出器は第2の波長の光を遮光する第1フィルタを介して、散乱光を検出し、
    前記第2検出器は第1の波長の光を遮光する第2フィルタを介して、散乱光を検出する請求項8に記載の検査方法。
  10. 前記2光束が入射するレンズによって、前記2光束が異なる方向から前記試料を照明することを特徴とする請求項8、又は9に記載の検査方法。
  11. 対物レンズが前記試料からの散乱光を受光し、
    前記対物レンズからの散乱光を光分岐手段によって分岐し、
    前記光分岐手段で分岐された一方の光を前記第1検出器が検出し、
    前記光分岐手段で分岐された他方の光を前記第2検出器が検出する請求項8に記載の検査方法。
  12. 前記2光束には、第1の波長の第1照明光と、第1の波長と異なる第2の波長の第2照明光と、が含まれ、
    前記光分岐手段が波長に応じて前記第1の波長の散乱光と、前記第2の波長の散乱光を分岐する請求項11に記載の検査方法。
  13. 前記試料の前記厚さ方向における位置に応じて、前記2光束の照明位置がずれていくように、前記試料が照明され、
    前記2光束の照明位置がずれる方向に前記試料を移動させながら、前記第1検出器及び第2検出器が前記散乱光を検出する請求項8〜12のいずれか1項に記載の検査方法。
  14. 前記2光束による照明位置がずれる方向と直交する方向に前記照明光を走査しながら、前記第1検出器及び第2検出器が前記散乱光を検出する請求項13に記載の検査方法。
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CN111141745A (zh) * 2020-01-07 2020-05-12 武汉精立电子技术有限公司 一种图像检测装置及其检测方法

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