JP2016101626A - チェーンソー - Google Patents
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Abstract
【課題】目立て作業を容易に行うことのできるチェーンソーを得る。【解決手段】アーム51も、ハンドガード17と同様にハンドガード回動軸17Aの周りで回動可能として装着され、アーム51のハンドガード回動軸17Aの周りでの動きは、ハンドガード17によって規定される。ハンドガード17を後方に倒した図4の状態とした場合においては、砥石52は下降し、駆動歯車19に掛け渡されたソーチェーン31に当接する。この際、クラッチドラム20Bは制動されず、ソーチェーン31を走行させた状態とさせることができる。これによって、ソーチェーン31の目立て作業が行われる。【選択図】図4
Description
本発明は、ガイドバーの周縁部に沿って走行するソーチェーンによって切断作業を行うチェーンソーに関する。
樹木の切断等に用いられるチェーンソーにおいては、本体から前方に延伸したガイドバーの周縁部に掛け渡されたソーチェーンがエンジン等によって駆動される。ソーチェーンは、駆動歯車に掛け渡される側が駆動歯車と噛合するチェーンとされ、駆動歯車及びガイドバーに掛け渡され側と反対側が刃具とされているため、ガイドバーの周縁部を高速で移動するソーチェーンによって、切断作業を行うことができる。ソーチェーンを駆動する駆動歯車は、本体に固定されたエンジンのクランク軸と遠心クラッチを介して接続されている。こうしたチェーンソーの構造については、特許文献1に記載されている。
作業者は、本体の後部に設けられたリヤハンドルと、本体の前部において上側に突出し、かつガイドバーの後方に設けられたフロントハンドルとを把持し、ガイドバーの前端付近を樹木等に当接させて、切断作業を行うことができる。リヤハンドルには、ソーチェーンの駆動状態(移動速度)を調整するためのスロットルレバーが設けられており、作業者は、リヤハンドルを把持しながらこの操作を行うことができる。
また、作業者の安全や、作業者側への破片の飛散等を抑制するために、衝立状のハンドガードが本体におけるフロントハンドルよりも更に前方において上側に突出するように設けられている。特許文献1に記載のように、ハンドガードは本体に対して回動可能に装着され、ハンドガードが前方に倒れた(回動した)場合には、ソーチェーンを駆動する駆動歯車が自動的に制動される構成とされる。これにより、例えば作業時にキックバックが発生してガイドバーの先端部が作業者側に近づいた場合には、端部に質量を備えるハンドガードが自動的に慣性により前方に倒れ、ソーチェーンが自動的に停止する。
すなわち、特許文献1に記載のチェーンソーを用いて、安全に作業を行うことができる。
通常の切断機において用いられる刃具は、使用を重ねる間にその切断性能が低下する。この切断性能を復活させるためには、通常、目立て作業が行われる。
従来、この目立て作業においては、例えば特許文献2に示されるように、チェーンソーを停止させた状態で作業者が棒状のヤスリ等を用いて研磨することが多くされているが、時間がかかることや、作業者によって切れ味にばらつきが生じるという問題があった。一方、近年においては、ソーチェーンを駆動した状態で砥石をソーチェーンに接触させることで目立てを行う装置が開発されてきているが、砥石を備えた目立て装置を別途持ち運ぶ必要があったり、本体に装着することで大型化して携帯性が悪化していた。
すなわち、目立て作業を容易に行うことのできるチェーンソーが望まれた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明のチェーンソーは、動力源を備える本体から前方に向かって延伸するガイドバーの周縁部に沿って走行するソーチェーンによって切断作業を行うチェーンソーであって、前記本体に装着され作業者によって把持されるハンドルと、前記ハンドルよりも前方に設けられ、前記本体に装着されたハンドガードと、を具備し、前記ハンドガードの前記本体に対する位置は、前記動力源からソーチェーンへの動力の伝達の断続状態が制御される第一の位置と、前記ソーチェーンに砥石が接する第二の位置とに制御される構成とされたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記ハンドガードは、前記本体に対して前後方向に回動又は移動可能とされて装着され、前記ハンドガードが後方に回動又は移動することによって前記第二の位置となり、前記ソーチェーンに前記砥石が接する構成とされたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記ハンドガードは、標準位置から前後方向にそれぞれ回動可能とされ、前記ハンドガードが前記標準位置から後方に回動することによって前記第二の位置となり、前記ソーチェーンに前記砥石が接し、前記ハンドガードに外力が加わらない状態において、前記ハンドガードは前記標準位置に維持されることを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記ハンドガードの前記標準位置から前記第二の位置への移動を制限可能とする規制部材が設けられたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記ハンドガードが前記標準位置から前方に回動することによって前記第一の位置となり、前記ソーチェーンが制動される構成とされたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記ソーチェーンは、前記ガイドバーの後方側において前記本体に装着された駆動歯車に掛け渡され、前記駆動歯車の回転によって前記ソーチェーンが駆動されることを特徴とする
本発明のチェーンソーは、前記砥石が前記ソーチェーンと接する際に、前記ソーチェーンが前記駆動歯車に掛け渡された箇所における、前記ソーチェーンの前記駆動歯車と当接した側の反対側と、前記砥石とが接することを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、動力源によって回転駆動されるクラッチインナと、前記クラッチインナの回転軸から見て外側から前記クラッチインナを覆い前記駆動歯車が固定されたクラッチドラムとの間で前記動力の伝達の断続状態が制御されるクラッチが使用されたことを特徴とする
本発明のチェーンソーは、前記ハンドガードが前記標準位置から前方に回動することによって、前記クラッチドラムが制動される構成とされたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記駆動歯車及び前記砥石を覆うように前記本体に装着されたサイドケースを具備することを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、動力源を備える本体から前方に向かって延伸するガイドバーの周縁部に沿って走行するソーチェーンによって切断作業を行うチェーンソーであって、前記本体に装着され作業者によって把持されるハンドルと、前記ハンドルよりも前方に設けられ、前記本体に装着されたハンドガードと、を具備し、前記ハンドガードの前記本体に対する位置は、前記動力源からソーチェーンへの動力の伝達の断続状態が制御される第一の位置と、前記ソーチェーンに砥石が接する第二の位置とに制御される構成とされたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記ハンドガードは、前記本体に対して前後方向に回動又は移動可能とされて装着され、前記ハンドガードが後方に回動又は移動することによって前記第二の位置となり、前記ソーチェーンに前記砥石が接する構成とされたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記ハンドガードは、標準位置から前後方向にそれぞれ回動可能とされ、前記ハンドガードが前記標準位置から後方に回動することによって前記第二の位置となり、前記ソーチェーンに前記砥石が接し、前記ハンドガードに外力が加わらない状態において、前記ハンドガードは前記標準位置に維持されることを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記ハンドガードの前記標準位置から前記第二の位置への移動を制限可能とする規制部材が設けられたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記ハンドガードが前記標準位置から前方に回動することによって前記第一の位置となり、前記ソーチェーンが制動される構成とされたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記ソーチェーンは、前記ガイドバーの後方側において前記本体に装着された駆動歯車に掛け渡され、前記駆動歯車の回転によって前記ソーチェーンが駆動されることを特徴とする
本発明のチェーンソーは、前記砥石が前記ソーチェーンと接する際に、前記ソーチェーンが前記駆動歯車に掛け渡された箇所における、前記ソーチェーンの前記駆動歯車と当接した側の反対側と、前記砥石とが接することを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、動力源によって回転駆動されるクラッチインナと、前記クラッチインナの回転軸から見て外側から前記クラッチインナを覆い前記駆動歯車が固定されたクラッチドラムとの間で前記動力の伝達の断続状態が制御されるクラッチが使用されたことを特徴とする
本発明のチェーンソーは、前記ハンドガードが前記標準位置から前方に回動することによって、前記クラッチドラムが制動される構成とされたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記駆動歯車及び前記砥石を覆うように前記本体に装着されたサイドケースを具備することを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、目立て作業を容易に行うことのできるチェーンソーを得ることができる。
本発明の実施の形態となるチェーンソーの構成について説明する。図1は、このチェーンソー1の構成を示す上面図(a)、側面図(b)である。このチェーンソー1においては、本体10内に、動力源となるエンジン11が設けられる。本体10から前方には、鉛直面に沿った形状の細長いガイドバー30が突出して設けられている。ガイドバー30の周縁部に沿って、エンジン11で駆動されるソーチェーン31が、高速で走行する。ソーチェーン31における内周側(ガイドバー30と当接する側)は、ガイドバー30の周縁部に沿って移動可能とされ、かつその外周側は刃付け加工が施されている。このため、高速でガイドバー30の外周に沿って移動するソーチェーン31によって切断作業を行うことができる。ソーチェーン31は、ガイドバー30と本体10との連結部分付近を右側(図1(b)における紙面手前側)から覆うサイドケース12内に設けられた駆動歯車(図1において図示せず)に掛け渡され、駆動歯車が遠心クラッチ(図1において図示せず)を介してエンジン11によって回転駆動されることによって、ガイドバー30の外周に沿って走行する。なお、図1においては、ガイドバー30及びソーチェーン31における前端側の記載は省略されている。
このチェーンソー1は、作業者によって携帯されて使用される。このため、本体10には、ガイドバー30の後方において上側から本体10をまたぐ形状とされ、作業者の一方の手で把持される環状のフロントハンドル13が設けられる。一方、本体10の後部には、作業者の他方の手で把持される環状のリヤハンドル14が設けられる。リヤハンドル14における本体10との上側の連結部付近の下側には、エンジン11の出力を制御するためのスロットルレバー15が設けられている。また、リヤハンドル14の上側には、ロックレバー16が設けられており、作業者は、ロックレバー16を押し下げた状態においてのみスロットルレバー15を操作することができる。
また、本体10におけるフロントハンドル13の前方には、衝立状のハンドガード17が装着される。ハンドガード17によって、ソーチェーン31による切断作業の際に作業者側に飛散する破片等が、フロントハンドル13を把持する作業者の手に当たることが抑制される。後述するように、ハンドガード17は、本体10に対して回動可能に装着される。
上記のチェーンソー1においては、ハンドガード17の回動によって、ソーチェーン31の走行を停止させる動作と、ソーチェーン31の目立て作業を行う動作、がそれぞれ行われる。各々の動作を行わせるハンドガード17の回動の向きは、ハンドガード17の標準位置(通常作業時における位置)に対して逆向きとされる。以下に、このための構造について説明する。
図2(a)(b)は、チェーンソー1におけるサイドケース12内の構造を示す図1(b)の状態に対応した部分透視図である。ここで、図2(a)は、通常作業時における状態を示し、図2(b)は、ハンドガード17が前方に倒れ(第一の位置にあり)、ソーチェーン31の走行が制動された状態を示す。また、図3は、図2(b)におけるB−B方向の断面図である。エンジン11は、図3においては図示の範囲外の下側に位置する。
図2においては、エンジン11におけるクランク軸18は、紙面と垂直な方向とされ、ソーチェーン31を駆動する駆動歯車19とクランク軸18とは、遠心クラッチ(クラッチ)20を介して接続される。図3に示されるように、遠心クラッチ20は、クランク軸18に固定されたクラッチインナ20Aと、クラッチインナ20Aの外周面を覆う円筒状の外周部を具備し駆動歯車19が固定されたクラッチドラム20Bとで構成される。クランク軸18、クラッチドラム20B及び駆動歯車19は、同軸で回転する。図3に示されるように、遠心クラッチ20(クラッチインナ20A、クラッチドラム20B)は、駆動歯車19の右側(図2における紙面手前側)に設けられている。
クランク軸18が停止あるいはその回転速度が低い場合には、クラッチインナ20Aの外周面とクラッチドラム20Bの外周部の内面とは接さず、クランク軸18の回転速度が高い場合には、遠心力によってクラッチインナ20Aが広がり、クラッチインナ20Aの外周面とクラッチドラム20Bの外周部の内面とが接し、クラッチインナ20A(クランク軸18)とクラッチドラム20B(駆動歯車19)側の間で回転運動が伝達される。このため、作業者がスロットルレバー15を操作してクランク軸18の回転速度を調整することによって、遠心クラッチ20の断続状態を制御することができ、これによって駆動歯車19の回転及びソーチェーン31の走行のオン・オフを制御することができる。
まず、図2において、ソーチェーン31の走行を制動する(停止させる)動作に関わる機構について説明する。ハンドガード17は、ハンドガード回動軸17Aを軸として前後方向に回動可能とされる。第1リンク41も、ハンドガード回動軸17Aと同軸とされた第1リンク回動軸41Aの周りで本体10に対して回動可能に設けられる。図2における第1リンク41のハンドガード回動軸17Aよりも上側の部分は、ハンドガード17の側面に形成された凹部である第1リンク収容部17B内に設けられる。このため、第1リンク41が固定された状態では、ハンドガード17は、第1リンク収容部17B内で第1リンク41の上側の部分が移動できる範囲でのみ回動することができる。
また、第1リンク41の左側には、第2リンク回動軸42Aの周りで回動する第2リンク42が設けられており、第2リンク42と第1リンク41とは、連結部43を介して連結されている。第2リンク42の下部には、後方から可撓性のブレーキバンド44の一端(前端)が固定されており、前方からブレーキスプリング45の一端(後端)が係止されている。ブレーキバンド44は、クラッチドラム20Bの外周を巻くように設けられ、その他端(後端)は、クラッチドラム20Bよりも後方のブレーキバンド固定部44Aに固定されている。ブレーキスプリング45の他端(前端)は、前方において本体10に係止されている。このため、第2リンク42は、ブレーキスプリング45によって第2リンク回動軸42Aの周りで図2における反時計回りに付勢される。
この構成においては、ブレーキバンド44の前端が前方にある場合には、ブレーキバンド44はクラッチドラム20Bを締め付けるように押圧され、クラッチドラム20Bが制動される。ブレーキバンド44の前端の位置は、第2リンク42の回動角度によって定まる。
ハンドガード17が標準位置にある図2(a)の状態においては、第1リンク41は、その上端部は高く、その後端部が低い状態とされる。このため、第1リンク41の後端部は、第2リンク42の反時計回りの回動を抑止するように第2リンク42と当接する。このため、第1リンク41及び第2リンク42は、図2(a)に示された状態で安定して維持される。この場合には、ブレーキバンド44の前端は後方に位置し、ブレーキバンド44はクラッチドラム20Bに対して押圧されず、クラッチドラム20Bは制動されない。このため、図2(a)の状態でこのチェーンソー1を用いて作業をすることができる。
また、この状態においては、第1リンク41が固定されるが、第1リンク収容部17B内で第1リンク41の上側の部分が移動できる範囲で、ハンドガード回動軸17Aの周りでハンドガード17は回動することができる。しかしながら、図2(a)の状態においては、ハンドガード17に後方において本体10の上部において上側に突出するように設けられた規制部材60が、図2(a)の状態からのハンドガード17の後方への(反時計回りの)回動を抑制する。このため、ハンドガード17は、特に外力が加わらない状態においては、図2(a)に示された標準位置に維持される。規制部材60の詳細については後述する。
一方、図2(a)の状態から力が加わりハンドガード17を前方に倒れた図2(b)の場合には、第1リンク41には、ハンドガード17から第1リンク41を時計回りに回動させる力が働く。これによって、第1リンク41の後端部が、第2リンク42の反時計回りの回動を抑止するように第2リンク42を係止した状態は解かれる。このため、第2リンク42はブレーキスプリング45によって反時計回りに駆動され、ブレーキバンド44の前端は前方に引かれ、クラッチドラム20Bが制動される。
図2(a)の状態とされたチェーンソー1を用いた作業時にキックバックが生じ、作業者側にチェーンソー1が急激に引き寄せられた場合には、慣性力によりハンドガード17は前方に倒され、図2(a)においてハンドガード17を時計回りに回動させる。これによって、自動的にクラッチドラム20Bが制動され、ソーチェーン31の走行が停止する。このため、作業者が走行中のソーチェーン31と触れることが防止され、安全にこのチェーンソー1を使用することができる。また、ハンドガード17は、フロントハンドル13を把持した作業者の手が、ハンドガード17に後方側から当接することによっても前方に倒され、ソーチェーン31が制動される。
次に、ソーチェーン31の目立てを行う動作に関わる機構について説明する。図2に示されるように、ハンドガード回動軸17Aには、アーム51の一端(前端)側も回転自在で装着され、アーム51の他端(後端)側には、ソーチェーン31の目立て作業に用いられる砥石52が下向きに固定される。砥石52の位置は、ハンドガード17の設定角度によって調整される。ソーチェーン31の目立て作業は、図2においてアーム51を反時計回りに回動させ、駆動歯車19に掛け渡された箇所のソーチェーン31と砥石52とを、駆動歯車19を回転駆動させた状態で当接させることによって行われる。この場合、砥石52は、ソーチェーン31が駆動歯車19に掛け渡された箇所における、ソーチェーン31における駆動歯車19と当接した側の反対側における刃付け加工がされた箇所と接する。
前記のクラッチドラム20Bを制動させるための機構は、図2(a)の状態(標準位置)からハンドガード17を前方に倒すことによって働いた。これに対して、ソーチェーン31の目立て作業は、図2(a)の状態(標準位置)からハンドガード17を後方に倒す(反時計回りに回動させる)ことによって行われる。図4は、ハンドガード17が標準位置から後方に倒され(第二の位置にあり)目立て作業が行われる際の状態を示す部分透視図である。
また、図5は、ハンドガード回動軸17A周辺におけるハンドガード17とアーム51の3つの状態における関係を、図3におけるC−C方向の断面において示す断面図である。図5(a)は、図2(b)、図5(b)は図2(a)、図5(c)は図4の状態に対応している。図5においては、ハンドガード17とアーム51は図2、図4と同様の向きで示されており、(a)〜(c)の順でハンドガード17は前方から後方(図2における反時計回り)に向かっており、図5(b)が標準位置とされている。
アーム51も、ハンドガード17と同様にハンドガード回動軸17Aの周りで回動可能として装着され、アーム51のハンドガード回動軸17Aの周りでの動きは、ハンドガード17によって規定される。このため、図5に示されるように、ハンドガード17におけるハンドガード回動軸17Aの周りには、ハンドガード回動軸17Aから見た特定方向にアーム駆動部17Cが設けられている。アーム51は、アーム駆動部17Cと当接することによって駆動される。
また、アーム51は、バネ(図示せず)によって図2、図4における時計回り、すなわち、砥石52が駆動歯車19(ソーチェーン31)から離間する側に付勢される。この方向は図5においては、ハンドガード回動軸17Aを中心とした時計回りとなる。ただし、図5において、アーム51は、ストッパ(図示せず)によって図5(a)(b)に示された状態よりも時計回りには回動しない構成とされる。この状態においては、図2(a)(b)に示されるように、駆動歯車19に掛け渡された箇所のソーチェーン31と、砥石52とは離間する。
ハンドガード17が標準位置である図5(b)においては、このようにアーム51がストッパで規定された角度とされ、かつアーム駆動部17Cがアーム51と軽く接する。ハンドガード17が前方に倒された図5(a)の状態では、アーム駆動部17Cはアーム51から離間する方向に移動するため、アーム51はハンドガード17の回動の影響を受けず、砥石52と駆動歯車19(ソーチェーン31)から離間した状態が保たれている。
一方、前記の通り、図2(a)の状態では、第1リンク収容部17B内で第1リンク41の上側の部分が移動できる範囲で、ハンドガード回動軸17Aの周りでハンドガード17は回動することができる。このため、図4に示されるように、第1リンク41及び第2リンク42を図2(a)の状態に維持した状態で、ハンドガード17を図2(a)の状態から後方に倒した図4の状態とした場合においては、図5(c)に示されるように、アーム駆動部17Cは、アーム51と当接し、アーム51を図中反時計回りに駆動する。これによって、図4に示されるように砥石52は下降し、駆動歯車19に掛け渡されたソーチェーン31に当接する。この際、第1リンク41及び第2リンク42は図2(a)の状態に維持されているため、クラッチドラム20Bは制動されず、ソーチェーン31を走行させた状態とさせることができる。これによって、ソーチェーン31の目立て作業が行われる。
このため、上記のチェーンソー1においては、ハンドガード17を前方に倒すことによってソーチェーン31の走行が制動され、ソーチェーン31を走行させた状態でハンドガード17を後方に倒すことによって、ソーチェーン31の目立て作業が行われる。すなわち、単一のハンドガード17を用いて、ソーチェーン31の制動と目立て作業という異なる機能を行わせることができる。この際、目立て作業において砥石52とソーチェーン31とが当接する箇所は、ソーチェーン31が駆動歯車19に掛け渡された箇所であり、通常はサイドケース12によって覆われている。このため、目立て作業において破片や粉末が外部に飛散することが抑制される。また、作業者がハンドガード17の上部をもち、これを後方(フロントハンドル13側)に引く操作を行うことのみによって、目立て作業を行うことができるため、実際に目立てが行われている領域(駆動歯車19周囲)の近くを作業者が触れる必要はない。このため、目立て作業を容易に行うことができる。
また、砥石52は目立て作業の度に消耗する消耗品であるため、これを定期的に交換する必要がある。この交換作業は、エンジン11を停止した状態でサイドケース12を取り外し、容易に行うことができる。
上記のようにハンドガード17が前方に倒れる動きを用いてソーチェーン31を制動する機構は、チェーンソーを安全に用いるための機構として広く用いられている。上記の構成においては、これにアーム51、砥石52を組み合わせることによって、目立て作業を行わせることも可能としている。このため、従来のチェーンソーに対して僅かな部品を追加することによって、上記の構成を実現することができ、上記のチェーンソー1を安価とすることができる。
上記の構成において、目立て作業は定期的、あるいは必要に応じ行われるため、その頻度は高くない。一方、通常作業中(ソーチェーン31を用いた切断作業中)にソーチェーン31が砥石52と当接することは、作業の障害となるために、好ましくない。このため、通常作業中は、図2(a)の状態からハンドガード17が後方に倒れることが抑制される構成とすることが好ましく、このために、図2(a)の状態においてハンドガード17の後方でハンドガード17と当接する規制部材60が設けられている。
この規制部材60が上方に突出した状態とされた場合には、ハンドガード17が後方に倒れることが抑制され、この規制部材60が上方に突出しない状態とされた場合には、ハンドガード17を後方に倒すことができる。図2(a)においては規制部材60が上方に突出した状態とされ、図4においては規制部材60が上方に突出しない状態とされている。図6は、規制部材60に関わる構造を示す断面図であり、図2(a)における紙面と垂直な鉛直方向の断面を示している。
規制部材60は、クランク軸18等と平行とされその中心軸の周りで回動可能に本体10に装着された規制部材回動軸61に、その中心軸から見て一方向に突出するように固定される。図6においては、規制部材回動軸61の中心軸に沿った断面が示されている。図2(a)における規制部材回動軸61には、ノブ62が固定されている。図1に示されるように、ノブ62は、本体10における右側(図1(b)における紙面手前側)に設けられている。このため、ノブ62を用いて規制部材回動軸61を回動させることによって、規制部材60が上側に突出した図2(a)の状態と、規制部材60が上側に突出しない図4の状態を切り替えることができる。規制部材60が上側に突出した図2(a)の状態においては、ハンドガード17が後方に倒れることを規制部材60が抑止する。なお、図2(a)(b)においては、規制部材回動軸61、ノブ62の記載が、図4においてはノブ62の記載が省略されている。
規制部材60が上側に突出した状態においては、規制部材60がハンドガード17によって下側に押された場合においても、規制部材60が移動(回動)しない構成とすることが好ましい。このため、ノブ62には、ノブ固定用バネ63が収容されるバネ収容孔62Aが設けられ、ノブ固定用バネによってノブ62とサイドケース12との間に挟持されたボール64がサイドケース12側に付勢される。また、サイドケース12の表面には、ノブ62(規制部材60)が図2(a)の状態とされた場合においてボール64と嵌合する凹部であるボール嵌合凹部12Aが設けられている。このため、図2(a)の状態において、規制部材60に上側から力が加わっても、規制部材60が容易に移動(回動)することはない。
このため、作業者は、通常作業時にはノブ62を操作することによって規制部材60を図2(a)の状態としてハンドガード17が後方に倒れることを抑制し、目立て作業を行う場合には、規制部材60を図4の状態として目立て作業を行うことができる。これによって、通常作業時に不意に目立て作業が始まることが抑制される。この際、緊急時においてソーチェーン31を停止させるために行われるハンドガード17が前方に倒れる動作は、規制部材60の状態に関わらず行われる。
なお、規制部材回動軸61をサイドケース12に装着する必要はなく、上記のように、規制部材60が上側に突出した状態においてハンドガード17の後方への回動を抑制できる限りにおいて、他の箇所に装着することもできる。例えば、サイドケース12を固定する部品である本体10等にこれを装着することができる。
上記の構成においては、ハンドガード17を作業者から見た前方に倒した場合にソーチェーン31(クラッチドラム20B)が制動され、ハンドガード17を後方に倒した場合にソーチェーン31の目立て作業が行われたが、こうした構成以外においても、ソーチェーン31を走行させた状態でハンドガード17に対して行うことのできる他の操作によって、同様に砥石とソーチェーンとが接する構成とすることができる。例えば、上記の例ではハンドガード17が本体10に対して回動可能に装着されたが、ハンドガードを水平方向に移動可能とすることもでき、こうした場合においても、同様にハンドガードの第二の位置、第一の位置に応じて目立て作業を行わせる機構、ソーチェーンを制動する機構を設けることができる。こうした場合においても、従来のチェーンソーに対して僅かな部品を追加することによって、目立て作業を容易に行うことができるチェーンソーとすることができる。
この際、砥石がソーチェーンと接する箇所は、ソーチェーンが駆動歯車に掛け渡された箇所である必要はなく、目立て作業が可能である任意の箇所とすることができる。また、遠心クラッチ以外のクラッチを用いた場合でも、同様の構成を実現することができる。ただし、ソーチェーンの走行を制動するための機構と、ソーチェーンに対する目立て作業を行うための機構とをサイドケースによって覆われた箇所において設けた上記の構成は、チェーンソー全体を大型にすることなく実現できるため、最も好ましい。
1 チェーンソー
10 本体
11 エンジン
12 サイドケース
12A ボール嵌合凹部
13 フロントハンドル
14 リヤハンドル
15 スロットルレバー
16 ロックレバー
17 ハンドガード
17A ハンドガード回動軸
17B 第1リンク収容部
17C アーム駆動部
18 クランク軸
19 駆動歯車
20 遠心クラッチ(クラッチ)
20A クラッチインナ
20B クラッチドラム
30 ガイドバー
31 ソーチェーン
41 第1リンク
41A 第1リンク回動軸
42 第2リンク
42A 第2リンク回動軸
43 連結部
44 ブレーキバンド
45 ブレーキスプリング
51 アーム
52 砥石
60 規制部材
61 規制部材回動軸
62 ノブ
62A バネ収容孔
63 ノブ固定用バネ
64 ボール
10 本体
11 エンジン
12 サイドケース
12A ボール嵌合凹部
13 フロントハンドル
14 リヤハンドル
15 スロットルレバー
16 ロックレバー
17 ハンドガード
17A ハンドガード回動軸
17B 第1リンク収容部
17C アーム駆動部
18 クランク軸
19 駆動歯車
20 遠心クラッチ(クラッチ)
20A クラッチインナ
20B クラッチドラム
30 ガイドバー
31 ソーチェーン
41 第1リンク
41A 第1リンク回動軸
42 第2リンク
42A 第2リンク回動軸
43 連結部
44 ブレーキバンド
45 ブレーキスプリング
51 アーム
52 砥石
60 規制部材
61 規制部材回動軸
62 ノブ
62A バネ収容孔
63 ノブ固定用バネ
64 ボール
Claims (10)
- 動力源を備える本体から前方に向かって延伸するガイドバーの周縁部に沿って走行するソーチェーンによって切断作業を行うチェーンソーであって、
前記本体に装着され作業者によって把持されるハンドルと、
前記ハンドルよりも前方に設けられ、前記本体に装着されたハンドガードと、を具備し、
前記ハンドガードの前記本体に対する位置は、前記動力源からソーチェーンへの動力の伝達の断続状態が制御される第一の位置と、前記ソーチェーンに砥石が接する第二の位置とに制御される構成とされたことを特徴とするチェーンソー。 - 前記ハンドガードは、前記本体に対して前後方向に回動又は移動可能とされて装着され、前記ハンドガードが後方に回動又は移動することによって前記第二の位置となり、前記ソーチェーンに前記砥石が接する構成とされたことを特徴とする請求項1に記載のチェーンソー。
- 前記ハンドガードは、標準位置から前後方向にそれぞれ回動可能とされ、
前記ハンドガードが前記標準位置から後方に回動することによって前記第二の位置となり、前記ソーチェーンに前記砥石が接し、
前記ハンドガードに外力が加わらない状態において、前記ハンドガードは前記標準位置に維持されることを特徴とする請求項2に記載のチェーンソー。 - 前記ハンドガードの前記標準位置から前記第二の位置への移動を制限可能とする規制部材が設けられたことを特徴とする請求項3に記載のチェーンソー。
- 前記ハンドガードが前記標準位置から前方に回動することによって前記第一の位置となり、前記ソーチェーンが制動される構成とされたことを特徴とする請求項3又は4に記載のチェーンソー。
- 前記ソーチェーンは、前記ガイドバーの後方側において前記本体に装着された駆動歯車に掛け渡され、前記駆動歯車の回転によって前記ソーチェーンが駆動されることを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
- 前記砥石が前記ソーチェーンと接する際に、前記ソーチェーンが前記駆動歯車に掛け渡された箇所における、前記ソーチェーンの前記駆動歯車と当接した側の反対側と、前記砥石とが接することを特徴とする請求項6に記載のチェーンソー。
- 動力源によって回転駆動されるクラッチインナと、前記クラッチインナの回転軸から見て外側から前記クラッチインナを覆い前記駆動歯車が固定されたクラッチドラムとの間で前記動力の伝達の断続状態が制御されるクラッチが使用されたことを特徴とする請求項6又は7に記載のチェーンソー。
- 前記ハンドガードが前記標準位置から前方に回動することによって、前記クラッチドラムが制動される構成とされたことを特徴とする請求項8に記載のチェーンソー。
- 前記駆動歯車及び前記砥石を覆うように前記本体に装着されたサイドケースを具備することを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014241536A JP2016101626A (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | チェーンソー |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020179523A (ja) * | 2019-04-23 | 2020-11-05 | 株式会社マキタ | チェーンソー |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014098682A1 (en) * | 2012-12-20 | 2014-06-26 | Husqvarna Ab | Chain saw comprising a chain sharpening member |
-
2014
- 2014-11-28 JP JP2014241536A patent/JP2016101626A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014098682A1 (en) * | 2012-12-20 | 2014-06-26 | Husqvarna Ab | Chain saw comprising a chain sharpening member |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020179523A (ja) * | 2019-04-23 | 2020-11-05 | 株式会社マキタ | チェーンソー |
JP7278852B2 (ja) | 2019-04-23 | 2023-05-22 | 株式会社マキタ | チェーンソー |
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