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JP2016100491A - 放熱シートおよびその製造方法 - Google Patents

放熱シートおよびその製造方法 Download PDF

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JP2016100491A JP2014237197A JP2014237197A JP2016100491A JP 2016100491 A JP2016100491 A JP 2016100491A JP 2014237197 A JP2014237197 A JP 2014237197A JP 2014237197 A JP2014237197 A JP 2014237197A JP 2016100491 A JP2016100491 A JP 2016100491A
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pressure
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graphite sheet
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藤原 誠
Makoto Fujiwara
誠 藤原
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

【課題】外部へのグラファイト粉の漏出(粉落ち)が抑制され、粘着性、熱伝導性および電気絶縁性に総合的に優れた放熱シートおよび生産性に優れた前記放熱シートの製造方法を提供する。【解決手段】基材としてグラファイトシート3が用いられ、当該グラファイトシート3の両面に粘着剤層1,5,7が形成され、当該グラファイトシート3の両面に形成されている粘着剤層5,7の端部が当該グラファイトシート3を包囲するように一体化されている放熱シートであって、前記グラファイトシート3の少なくとも一方表面に複数の粘着剤層1,7が積層され、粘着剤層1,7間に不連続面が形成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、放熱シートおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、例えば、CPU(中央演算処理装置)、トランジスタ、発光ダイオード(LED)などの半導体に使用される放熱シート、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置の発熱部の放熱のために使用される放熱シートなどとして好適に使用することができる放熱シートに関する。なお、本明細書において、放熱シートは、放熱テープを包含する概念のものである。
CPU(中央演算処理装置)、トランジスタ、発光ダイオード(LED)などの半導体、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置などは、使用中に発熱し、その熱によって電子部品の性能が低下することがある。このため、発熱する電子部品にはグラファイトシートなどの放熱体が取り付けられている。
グラファイトシートは、その面方向の熱伝導率が高いが脆いことから、一般にフィルムなどで補強され、発熱体に固定するために粘着剤層が設けられている。
しかし、グラファイトシートが脆いことに起因して当該グラファイトシートからグラファイト粉が生じやすく、当該グラファイト粉が電気回路上に付着したとき、電気回路の短絡が生じるおそれがある。
そこで、グラファイトシートから生じたグラファイト粉が飛散することを防止するために、グラファイトシートの少なくとも片側の主表面に直接熱伝導性粘着層が貼り合わされ、前記グラファイトシートの端面が封止されている熱拡散シート(例えば、特許文献1参照)、グラファイトシートの主表面の両面に、当該グラファイトシートと同サイズの第1面の熱伝導性粘着層および当該第1面の熱伝導性粘着層よりも大きいサイズの第2面の熱伝導性粘着層が貼り合わされ、第2面の熱伝導性粘着層が当該グラファイトシートの全周から突出している熱拡散シート(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
しかし、前記熱拡散シートは、いずれも、その製造時の生産性、外部へのグラファイト粉の漏出(粉落ち)の防止、粘着性および熱伝導性のうちの少なくともいずれかに劣るという欠点があるのみならず、さらに前記熱拡散シートには、電気絶縁性の向上が望まれる。
特開2010−010599号公報 特開2010−149509号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、生産性に優れ、外部へのグラファイト粉の漏出(粉落ち)が抑制され、粘着性、熱伝導性および電気絶縁性に総合的に優れた放熱シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、
(1) 基材としてグラファイトシートが用いられ、当該グラファイトシートの両面に粘着剤層が形成され、当該グラファイトシートの両面に形成されている粘着剤層の端部が当該グラファイトシートを包囲するように一体化されている放熱シートであって、前記グラファイトシートの少なくとも一方表面に複数の粘着剤層が積層され、積層された各粘着剤層間に不連続面が形成されていることを特徴とする放熱シート、
(2) 前記グラファイトシートの少なくとも一方表面に粘着剤層Aが形成され、前記グラファイトシートの他方表面に粘着剤層Bが形成され、当該粘着剤層Aの表面上にさらに粘着剤層Cが形成され、前記粘着剤層Aと前記粘着剤層Cとの間に不連続面が形成されている前記(1)に記載の放熱シート、
(3) 粘着剤層Bの端部がグラファイトシートおよび粘着剤層Aの端部から突出し、粘着剤層Cの端部がグラファイトシートの端部および粘着剤層Aの端部から突出しており、粘着剤層Bの端部と粘着剤シートCの端部とが一体化されてなる前記(2)に記載の放熱シート、
(4) 基材としてグラファイトシートを用い、当該グラファイトシートの両面に粘着剤層を形成させ、当該グラファイトシートを包囲するように当該グラファイトシートの両面に形成されている粘着剤層の端部を一体化させる放熱シートの製造方法であって、前記グラファイトシートの少なくとも一方表面に複数の粘着剤層を積層させ、積層させた各粘着剤層間に不連続面を形成させることを特徴とする放熱シートの製造方法、
(5) グラファイトシートの一方表面に粘着剤層Aを形成させ、当該グラファイトシートの他方表面に粘着剤層Bを形成させ、粘着剤層Aの表面上に粘着剤層Cを形成させる際に、粘着剤層Aおよび/または粘着剤層Cを乾燥させた後に、粘着剤層Aの表面上に粘着剤層Cを形成させる前記(4)に記載の放熱シートの製造方法、および
(6) 粘着剤層Bの端部がグラファイトシートおよび粘着剤層Aの端部から突出するように粘着剤層Bをグラファイトシート上に形成させ、粘着剤層Cの端部がグラファイトシートおよび粘着剤層Aの端部から突出するように粘着剤層Cを粘着剤層Aの表面上に形成させた後、粘着剤層Bの端部と粘着剤シートCの端部とを一体化させる前記(5)に記載の放熱シートの製造方法
に関する。
本発明の放熱シートは、外部へのグラファイト粉の漏出(粉落ち)が抑制され、粘着性、熱伝導性および電気絶縁性に総合的に優れるという優れた効果を奏する。また、本発明の放熱シートの製造方法によれば、外部へのグラファイト粉の漏出(粉落ち)が抑制され、粘着性、熱伝導性および電気絶縁性に総合的に優れた放熱シートを優れた生産性で製造することができるという優れた効果が奏される。
本発明の放熱シートの製造方法の一実施態様を示す概略説明図である。 本発明の放熱シートを複数個製造する際の概略平面図である。
本発明の放熱シートは、前記したように、基材としてグラファイトシートが用いられ、当該グラファイトシートの両面に粘着剤層が形成され、当該グラファイトシートの両面に形成されている粘着剤層の端部が当該グラファイトシートを包囲するように一体化されている放熱シートであり、前記グラファイトシートの少なくとも一方表面に複数の粘着剤層が積層され、積層された各粘着剤層間に不連続面が形成されていることを特徴とする。
グラファイトシートとしては、例えば、黒鉛粉末をシート状に圧延することによって得られるグラファイトシート、樹脂フィルムを焼成することによって得られるグラファイシートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
グラファイトシートの厚さは、本発明の放熱シートが適用される用途などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmの範囲内から選択される。グラファイトシートの厚さは、熱伝導性を向上させる観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、放熱シートの柔軟性を向上させる場合には、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。
本発明の放熱シートに用いられる粘着剤は、粘着性樹脂を必須成分として含有し、必要により、無機フィラーおよび硬化剤を含有するものである。粘着剤には、打抜き加工性を向上させる観点から、さらに粘着付与剤が含まれていてもよい。
粘着性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系粘着性樹脂、シリコーン系粘着性樹脂、ウレタン系粘着性樹脂、ビニルアルキルエーテル系粘着性樹脂、ビニルピロリドン系粘着性樹脂、アクリルアミド系粘着性樹脂、セルロース系粘着性樹脂、ゴム系放熱シートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの粘着性樹脂は、本発明の目的が阻害されない範囲内で、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
粘着性樹脂のなかでは、粘着性および耐定荷重剥離性に優れており、さらに種々の被着体に使用することができ、汎用性の幅が広いことから、(メタ)アクリル系粘着性樹脂が好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体成分を重合させることによって得られる(メタ)アクリル系粘着樹脂がより好ましい。
なお、前記「(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体成分」は、単量体成分における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有率が50質量%以上であることを意味する。単量体成分における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有率は、粘着性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに一層好ましくは80質量%以上である。また、単量体成分における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有率の上限値は、好ましくは100質量%であるが、耐熱性を向上させる観点から、より好ましくは97質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのなかでは、粘着性に優れており、種々の被着体に使用することができ、汎用性の幅が広い(メタ)アクリル系粘着性樹脂を得る観点から、アルキルエステルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキルエステルの炭素数が1〜18であるアクリル酸アルキルエステルがより好ましい。好適な(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルのなかでは、粘着性を向上させる観点から、アルキルエステルの炭素数が1〜18であるアクリル酸アルキルエステルが好ましく、n−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートがより好ましく、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートがさらに好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」および/または「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」および/または「メタクリル」を意味する。
単量体成分には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の単量体が含まれていてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の単量体としては、例えば、カルボキシル基を有する単量体、水酸基を有する単量体、酸性リン酸エステル系単量体、エポキシ基を有する単量体、窒素原子を有する単量体、2個以上の重合性二重結合を有する単量体、芳香族系単量体、ハロゲン原子を有する単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの単量体のなかでは、カルボキシル基を有する単量体および水酸基を有する単量体が好ましい。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのカルボキシル基を有する単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのカルボキシル基を有する単量体のなかでは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸およびメタクリル酸がより好ましく、粘着性および耐湿熱性を向上させる観点から、アクリル酸がさらに好ましい。単量体成分におけるアクリル酸の含有率は、粘着性および耐湿熱性を向上させる観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、粘着性および耐湿熱性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。なお、カルボキシル基を有する単量体は、炭素−炭素二重結合とカルボキシル基とを有するので、多官能単量体である。
水酸基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水酸基を有する単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの水酸基を有する単量体のなかでは、2−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましい。酸基を有する単量体は、炭素−炭素二重結合と水酸基とを有するので、多官能単量体である。
酸性リン酸エステル系単量体としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの酸性リン酸エステル系単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
エポキシ基を有する単量体としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのエポキシ基を有する単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。エポキシ基を有する単量体は、炭素−炭素二重結合とエポキシ基とを有するので、多官能単量体である。
窒素原子を有する単量体としては、例えば、N−ビニルピロリドンをはじめ、アクリルアミド、メタクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、イミドアクリレート、イミドメタクリレート、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどの窒素原子を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの窒素原子を有する単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。窒素原子を有する単量体のなかでは、粘着性および耐湿熱性を向上させる観点から、N−ビニルピロリドンが好ましい。単量体成分におけるN−ビニルピロリドンの含有率は、粘着性および耐湿熱性を向上させる観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、粘着性および耐湿熱性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
2個以上の重合性二重結合を有する単量体としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、アリルオキシメチルアクリル酸メチルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの2個以上の重合性二重結合を有する単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。2個以上の重合性二重結合を有する単量体は、2個以上の重合性二重結合を有することから、多官能単量体である。
芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの芳香族系単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ハロゲン原子を有する単量体としては、例えば、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。ハロゲン原子を有する単量体は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ビニルエステル系単量体としては、例えば、酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。ビニルエステル系単量体は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。ビニルエステル系単量体のなかでは、粘着性、耐湿熱性および打抜き加工性を向上させる観点から、酢酸ビニルが好ましい。単量体成分における酢酸ビニルの含有率は、粘着性、耐湿熱性および打抜き加工性を向上させる観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、粘着性、耐湿熱性および打抜き加工性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
ビニルエーテル系単量体としては、例えば、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのビニルエーテル系単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体成分におけるアクリル酸アルキルエステル以外の単量体の含有率は、粘着性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに一層好ましくは20質量%以下である。また、単量体成分におけるアクリル酸アルキルエステル以外の単量体の含有率の下限値は、好ましくは0質量%であるが、耐熱性を向上させる観点から、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。
粘着性樹脂は、硬化剤で硬化するようにするために、架橋性基を有する。架橋性基を有する粘着性樹脂は、モノマー成分に前記多官能単量体を含有させることによって調製することができる。
多官能単量体のなかでは、粘着剤層の厚さが薄くても熱伝導性、熱抵抗性、粘着性および耐温湿熱性に総合的に優れた放熱シートを得る観点から、例えば、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有する単量体、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの水酸基を有する単量体および2個以上の重合性二重結合を有する単量体が好ましく、カルボキシル基を有する単量体および水酸基を有する単量体がより好ましい。
単量体成分における多官能単量体の含有率は、当該多官能単量体の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、粘着性樹脂を十分に硬化させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、粘着性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、さらに一層好ましくは1質量%以下である。
単量体成分を重合させる際には、分子量分布の増大やゲル化を抑制する観点から、必要により連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸などのメルカプトカルボン酸類;メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、3−メルカプトプロピオン酸ステアリル、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)などのメルカプトカルボン酸エステル類;エチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,2−ジメルカプトエタンなどのアルキルメルカプタン類;2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノールなどのメルカプトアルコール類;ベンゼンチオール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール、2−ナフタレンチオールなどの芳香族メルカプタン類;トリス〔(3−メルカプトプロピオニロキシ)エチル〕イソシアヌレートなどのメルカプトイソシアヌレート類;2−ヒドロキシエチルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド類;ベンジルジエチルジチオカルバメートなどのジチオカルバメート類;α−メチルスチレンダイマーなどのダイマー類;四臭化炭素などのハロゲン化アルキルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの連鎖移動剤のなかでは、入手が容易であること、架橋防止性に優れていること、重合速度の低下の度合いが小さいことなどから、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類、アルキルメルカプタン類、メルカプトアルコール類、芳香族メルカプタン類、メルカプトイソシアヌレート類などのメルカプト基を有する化合物が好ましい。
連鎖移動剤の量は、単量体成分の組成、重合温度などの重合条件、目的とする重合体の分子量などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得る場合には、単量体成分100質量部あたり、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜15質量部であることがより好ましい。
単量体成分を重合させる方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
塊状重合は、例えば、紫外線、電子線、放射線などのエネルギー線の照射や加熱などによって行なうことができる。エネルギー線の照射によって単量体成分の塊状重合を行なう場合には、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中や空気を遮断した雰囲気中でエネルギー線を単量体成分に照射することによって単量体成分を重合させることが好ましい。
塊状重合法によって単量体成分を重合させる際には、光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系重合開始剤、ベンゾインエーテル系重合開始剤、ベンジルケタール系重合開始剤、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤、ベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン系重合開始剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。光重合開始剤の量は、得られる重合体の所望する物性などに応じて適宜設定すればよいが、通常、単量体成分100質量部あたり、好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.03〜20質量部である。
単量体成分を溶液重合法によって重合させる場合、溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン系溶媒;ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒などの有機溶媒が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。溶媒の量は、重合条件、単量体成分の組成、得られる重合体の濃度などを考慮して適宜決定すればよい。
単量体成分を溶液重合法によって重合させる際には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、例えば、アゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。重合開始剤の量は、得られる重合体の所望する物性などに応じて適宜設定すればよいが、通常、単量体成分100質量部あたり、好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.005〜10質量部である。
単量体成分を重合させる際の重合条件は、重合方法に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。重合温度は、好ましくは室温〜200℃、より好ましくは40〜140℃である。また、単量体成分を重合させる際の雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであることが好ましい。反応時間は、単量体成分の重合反応が完結するように適宜設定すればよい。
以上のようにして単量体成分を重合させることにより、(メタ)アクリル系粘着性樹脂が得られる。
(メタ)アクリル系粘着性樹脂の重量平均分子量は、放熱シートに形成されている粘着剤層の粘着性および耐温湿熱性ならびに無機フィラーの分散安定性を向上させる観点から、好ましくは10万以上、より好ましくは20万以上、さらに好ましくは30万以上である。(メタ)アクリル系粘着性樹脂の重量平均分子量の上限は、特に限定されないが、放熱シートに形成されている粘着剤層の粘着性および耐温湿熱性ならびに無機フィラーの分散安定性を向上させる観点から、好ましくは150万以下、より好ましくは120万以下、さらに好ましくは100万以下、さらに一層好ましくは90万以下である。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル系粘着性樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の測定装置として、東ソー(株)製、品番:HLC−8220GPC、分離カラム:東ソー(株)製、品番:TSKgel Super HZM−Mを用い、標準ポリスチレン〔東ソー(株)製〕による換算値を意味する。
(メタ)アクリル系粘着性樹脂のガラス転移温度は、当該(メタ)アクリル系粘着性樹脂を調製する際に用いられるモノマーの種類およびその量を適宜調整することによって容易に調節することができる。
(メタ)アクリル系粘着性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、放熱シートに形成されている粘着剤層の粘着性を向上させる観点から、好ましくは−65℃以上、より好ましくは−63℃以上、さらに好ましくは−62℃以上であり、放熱シートに形成されている粘着剤層の粘着性および耐温湿熱性を向上させる観点から、好ましくは−20℃以下、より好ましくは−30℃以下、さらに好ましくは−40℃以下である。
なお、本願明細書において、(メタ)アクリル系粘着性樹脂のガラス転移温度は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂の原料として用いられるモノマー成分に使用されているモノマーのホモポリマーのガラス転移温度を用いて、式:
1/Tg=Σ(Wm/Tgm)/100
〔式中、Wmはポリマーを構成するモノマー成分におけるモノマーmの含有率(質量%)、Tgmはモノマーmのホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度:K)を示す〕
で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求められた温度を意味する。
主要なホモポリマーのガラス転移温度(Tg)を示せば、例えば、n−ブチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は−54℃、2−エチルへキシルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は−70℃、N−ビニルピロリドンのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は180℃、アクリル酸のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は106℃、アリルオキシメチルアクリル酸メチルのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は84℃、2−ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は−15℃、酢酸ビニルのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は32℃、メタクリル酸のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は130℃、メチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は8℃、エチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は−22℃、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は55℃、4−ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は−32℃、メチルメタクリレートのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は105℃、アクリロニトリルのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は125℃、スチレンのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は100℃である。
本明細書においては、(メタ)アクリル系粘着性樹脂のガラス転移温度は、特に断りがない限り、前記式に基づいて求められたガラス転移温度を意味する。なお、特殊単量体、多官能単量体などのようにガラス転移温度が不明の単量体については、単量体成分における当該ガラス転移温度が不明の単量体の合計量が10質量%以下である場合には、ガラス転移温度が判明している単量体のみを用いてガラス転移温度が求められる。単量体成分におけるガラス転移温度が不明の単量体の合計量が10質量%を超える場合には、(メタ)アクリル系粘着性樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)、示差熱量分析(DTA)、熱機械分析(TMA)などによって求められる。
この(メタ)アクリル系粘着性樹脂のガラス転移温度を考慮して、当該(メタ)アクリル系粘着性樹脂の原料として用いられる単量体成分の組成を決定することができる。
示差走査熱量の測定装置としては、例えば、セイコーインスツル(株)製、品番:DSC220Cなどが挙げられる。また、示差走査熱量を測定する際、示差走査熱量(DSC)曲線を描画する方法、示差走査熱量(DSC)曲線から一次微分曲線を得る方法、スムージング処理を行なう方法、目的のピーク温度を求める方法などには特に限定がない。例えば、前記測定装置を用いた場合には、当該測定装置を用いることによって得られたデータから作図すればよい。その際、数学的処理を行なうことができる解析ソフトウェアを用いることができる。当該解析ソフトウェアとしては、例えば、解析ソフトウェア〔セイコーインスツル(株)製、品番:EXSTAR6000〕などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、このようにして求められたピーク温度には、上下5℃程度の作図による誤差が含まれることがある。
無機フィラーとしては、板状無機粒子および球状無機粒子が挙げられる。これらの粒子は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。無機フィラーのなかでは、粘着剤層の厚さが薄くても熱伝導性および熱抵抗性に優れた放熱シートを得る観点から、板状無機粒子と球状無機粒子とを併用することが好ましい。このように、板状無機粒子と球状無機粒子とを併用した場合には、両者併用による相乗効果によって粘着剤層の厚さが薄くても熱伝導性および熱抵抗性に優れた放熱シートを得ることができるという利点がある。
板状無機粒子としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、グラファイト、アルミニウム、亜鉛、スズなどの典型金属、鉄、ニッケル、銅、マンガン、銀、白金などの遷移金属などの金属からなる板状金属粒子;アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素、シリコンカーバイド、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレイ、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂などの無機材料からなる板状無機粒子などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの板状無機粒子は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。板状無機粒子のなかでは、熱伝導性を向上させる観点から、アルミニウム、銀、銅またはそれらの合金からなる板状無機粒子、窒化ホウ素からなる板状無機粒子、グラファイトからなる板状無機粒子、アルミナからなる板状無機粒子、タルクおよびマイカが好ましく、アルミニウム、銀、銅またはそれらの合金からなる板状無機粒子、窒化ホウ素からなる板状無機粒子、グラファイトからなる板状無機粒子およびアルミナからなる板状無機粒子がより好ましく、アルミニウム、銀、銅またはそれらの合金からなる板状無機粒子、窒化ホウ素からなる板状無機粒子およびグラファイトからなる板状無機粒子がさらに好ましい。前記板状無機粒子は、いずれも、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
板状無機粒子には、必要により、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、シランカップリング処理、チタネート処理、酸化処理、樹脂被覆処理、エネルギー線照射処理、電気化学的処理などをはじめ、ステアリン酸などの飽和脂肪酸やオレイン酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸を板状無機粒子に吸着させる処理などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの表面処理のなかでは、樹脂被覆処理が施された板状無機粒子は、絶縁性に優れることから好ましい。
樹脂被覆処理が施された板状無機粒子、すなわち樹脂が被覆された粒子に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。アクリル系樹脂のなかでは、例えば、アクリル酸エステルを主成分とする単量体成分を重合させることによって得られるアクリル系樹脂が好ましく、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリル酸、エポキシ化ポリブタジエンおよびジビニルベンゼンを含有する単量体成分を重合させることによって得られる樹脂がより好ましい。
球状無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどの金属酸化物からなる球状無機粒子;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物からなる球状無機粒子;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素などの金属窒化物からなる球状無機粒子;炭化ケイ素などの金属炭化物からなる球状無機粒子;カーボンブラック、グラファイトなどの無機粉体からなる球状無機粒子;ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、スズなどの典型金属、鉄、ニッケル、銅、マンガン、銀、白金などの遷移金属などの金属からなる金属粒子などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの球状無機粒子は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの球状無機粒子のなかでは、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒化アルミニウムおよび炭化ケイ素が好ましい。
無機フィラーの平均粒子径は、放熱シートの熱伝導性を向上させる観点から、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.01〜10μmである。また、無機フィラーの最大粒子径は、放熱シートに形成されている粘着剤層の表面粗さRaを低減し、熱抵抗性および粘着性を向上させる観点から、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.01〜7μmである。なお、無機フィラーの平均粒子径および最大粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置〔(株)堀場製作所製、品番:LA−920〕を用いて測定したときの値である。
粘着性樹脂の不揮発分100質量部あたりの無機フィラーの量は、放熱シートの熱伝導率を向上させる観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上であり、無機フィラーの分散安定性および放熱シートに形成されている粘着剤層の粘着性を向上させる観点から、好ましくは600質量部以下、より好ましくは550質量部以下、さらに好ましくは530質量部以下、さらに一層好ましくは520質量部以下、特に好ましくは500質量部以下である。
硬化剤には、粘着性樹脂が有する架橋性基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合物を用いることができる。
硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート系硬化剤、多官能エポキシ系硬化剤、シリコーン系硬化剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
ポリイソシアネート系硬化剤としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、前記芳香族ポリイソシアネートの水素添加物などの脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの2量体または3量体、これらのポリイソシアネートとトリメチロールプロパンなどのポリオールとからなるアダクト体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのポリイソシアネート系硬化剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ポリイソシアネートは、例えば、コロネートL、コロネートL−55E、コロネートHX、コロネートHL、コロネートHL−S、コロネート2234、アクアネート200、アクアネート210〔以上、日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートおよびアクアネートは登録商標〕、デスモジュールN3400〔住友バイエルウレタン(株)(現バイエルA.G.社)製、デスモジュールは登録商標〕、デュラネートD−201、デュラネートTSE−100、デュラネートTSS−100、デュラネート24A−100、デュラネートE−405−80T〔以上、旭化成ケミカルズ(株)製、デュラネートは登録商標〕、タケネートD−110N、タケネートD−120N、タケネートM−631N、MTERT−オレスターNP1200〔以上、三井化学(株)製、タケネートおよびオレスターは登録商標〕などとして商業的に容易に入手することができる。これらのポリイソシアネートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能エポキシ系硬化剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの多官能エポキシ系硬化剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
シリコーン系硬化剤としては、例えば、信越化学工業(株)製、品番:X−92−122などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。シリコーン系硬化剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
硬化剤のなかでは、ポリイソシアネートの2量体、ポリイソシアネートの3量体、ポリイソシアネートの2官能プレポリマーおよびポリイソシアネートのアダクト体などが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートの2量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(3量体)およびトリレンジイソシアネートのアダクト体がより好ましく、トリレンジイソシアネートのアダクト体がさらに好ましく、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体がさらに一層好ましい。
硬化剤の量は、粘着性樹脂が有する架橋性基(官能基)の合計量を1当量としたとき、通常、好ましくは0.01〜1当量、より好ましくは0.05〜0.8当量である。また、粘着性樹脂の不揮発分100質量部あたりの硬化剤の量(不揮発分量)は、放熱シートに形成されている粘着剤層の凝集破壊を抑制する観点から、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、粘着性を向上させる観点から、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
また、粘着剤には、硬化促進剤を適量で用いてもよい。硬化促進剤としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、2−エチルヘキサノエート鉛、チタン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサノエート鉄、2−エチルヘキサノエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクタン酸錫、オクタン酸ビスマス、テトラn−ブチル錫、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトナートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
粘着剤は、粘着付与剤を含有することが好ましい。粘着剤が粘着付与剤を含有する場合、本発明の放熱シートの打抜き加工性を向上させることができるという利点がある。
粘着付与剤としては、例えば、ロジンエステル系粘着付与剤、重合ロジンエステル系粘着付与剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの粘着付与剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
粘着付与剤は、商業的に容易に入手することができるものである。商業的に容易に入手することができる粘着付与剤としては、例えば、ハリマ化成(株)製、商品名:ハリエステターDS−90、ハリエステターDS−130、ハリエステターAD−130、荒川化学工業(株)製、商品名:スーパーエステルA−18、スーパーエステルA−100、スーパーエステルA−115、スーパーエステルA−125などのロジンエステル系粘着付与剤、丸善油化商事(株)製、商品名:PEDR−120M、荒川化学工業(株)製、商品名:ペンセルD−125、ペンセルD−135、ペンセルD−160などの重合ロジンエステル系粘着付与剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
粘着性樹脂の不揮発分100質量部あたりの粘着付与剤の量は、打抜き加工性を向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上、さらに一層好ましくは15質量部以上であり、粘着性および耐温湿熱性を向上させる観点から、好ましくは95質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下、さらに一層好ましくは30質量部以下である。
また、粘着剤には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、必要により、例えば、可塑剤、密着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、沈降防止剤、増粘剤、チクソトロピー付与剤、界面活性剤、消泡剤、静電気防止剤、表面処理剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤などの添加剤を適量で含有させてもよい。
可塑剤としては、放熱シートが被着体になじむようにする観点から、脂肪族カルボン酸エステルが好ましく、炭素数が2〜20の脂肪族カルボン酸のエステル化物がより好ましく、エステル基の炭素数が2〜20のアルキル基である脂肪族カルボン酸のエステル化物がさらに好ましい。
可塑剤としては、例えば、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、リシノール酸エステル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、オレイン酸エステルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの可塑剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの可塑剤のなかでは、アジピン酸エステルおよびセバシン酸エステルが好ましく、アジピン酸ジイソノニルおよびセバシン酸ジ2−エチルヘキシルがより好ましい。
可塑剤の量は、特に限定されないが、可塑性を放熱性シートの粘着剤層に付与するとともに、粘着性を向上させる観点から、通常、粘着性樹脂の不揮発分100質量部あたり、0.3〜10質量部であることが好ましい。
密着性付与剤は、打抜き加工性を維持しながら、粘着性を向上させる性質を有する。密着性付与剤は、商業的に容易に入手することができるものである。商業的に容易に入手することができる密着性付与剤としては、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:BYK−4512などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
粘着剤における不揮発分量は、生産性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、塗工性を向上させる観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。粘着剤における不揮発分量は、粘着剤に含まれる溶媒の量、添加剤の量などを調整することによって調節することができる。前記溶媒としては、前記粘着性樹脂溶液に用いられる有機溶媒と同様であればよい。
粘着剤は、粘着性樹脂、無機フィラー、硬化剤、および必要によりその他の成分を混合することによって容易に調製することができる。このとき、無機フィラーなどが均一に分散された粘着剤を調製する観点から、粘着性樹脂を有機溶媒に溶解させた粘着性樹脂溶液を用いることが好ましい。
粘着性樹脂溶液に用いられる有機溶媒は、粘着性樹脂を溶解させるものであればよく、特に限定されない。前記有機溶媒としては、例えば、前記単量体成分を溶液重合法によって重合させる際に用いられる有機溶媒のほか、ガソリン、コールタールナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、テレビン酸、ミネラルスピリットなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。粘着性樹脂溶液における不揮発分の濃度は、特に限定されないが、通常、10〜70質量%程度である。
好適な粘着剤は、例えば、(株)日本触媒製、品番:AST−8350Eなどにより、商業的に容易に入手することができるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の放熱シートは、グラファイトシートおよび粘着剤層のみで構成されていてもよく、グラファイトシートと粘着剤層と剥離ライナーとを有するものであってもよい。
本発明の放熱シートは、例えば、グラファイトシートの両面に粘着剤層を形成させ、当該グラファイトシートを包囲するように当該グラファイトシートの両面に形成されている粘着剤層の端部を一体化させる際に、前記グラファイトシートの少なくとも一方表面に複数の粘着剤層を積層させ、積層させた各粘着剤層間に不連続面を形成させることによって製造することができるが、本発明は、かかる方法のみに限定されるものではない。
以下に本発明の放熱シートの製造方法の一実施態様を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の放熱シートの製造方法の一実施態様を示す概略説明図である。
(1)粘着剤層Aの形成
図1(A)に示されるように、粘着剤層A1は、例えば、剥離ライナーA2に粘着剤を塗布し、乾燥させることによって形成することができる。
粘着剤を剥離ライナーA2に塗布する方法としては、例えば、ナイフコーター、スロットダイコーター、リップコーター、ロールコーター、フローコーター、スプレーコーター、バーコーター、コンマコーター、ドクターブレードなどを用いる塗布方法、ディッピングなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。このように粘着剤を剥離ライナーA2に塗布した後、乾燥させることにより、剥離ライナーA2上に粘着剤層A1を形成させることができる。
剥離ライナーA2としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、グラシン紙などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、剥離ライナーA2として樹脂フィルムを用いる場合には、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂加工が施されていてもよい。
剥離ライナーA2の大きさおよび形状は、通常、粘着剤層A1に対応した大きさおよび形状となるように調節することが好ましい。
粘着剤を剥離ライナーA2に塗布した後、乾燥させることにより、剥離ライナーA2上に粘着剤層A1が形成されるが、その乾燥方法としては、例えば、熱風、遠赤外線の照射などが挙げられる。
乾燥後の粘着剤層A1の厚さは、本発明の放熱シートの粘着性を向上させる観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、本発明の放熱シートの熱抵抗値を低減させる観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。また、乾燥後の粘着剤層A1の厚さは、本発明の放熱シートの熱抵抗値を低減させる観点から、グラファイトシートの厚さよりも好ましくは5〜300μm程度、より好ましくは10〜100μm程度小さいことが好ましい。
(2)剥離ライナーA1と粘着剤層A2とグラファイトシート3との積層体Aの製造
図1(B)に示されるように、前記(1)で剥離ライナーA2上に形成された粘着剤層A1の表面上にグラファイトシート3を貼り合わせ、粘着剤層A1とグラファイトシート3とを一体化させることにより、剥離ライナーA2と粘着剤層A1とグラファイトシート3との積層体Aを製造することができる。
なお、粘着剤層A1の大きさおよび形状は、グラファイトシート3の大きさおよび形状とほぼ同一であることが好ましい。したがって、例えば、図1(C)に示されるように、剥離ライナーA2と粘着剤層A1とグラファイトシート3との積層体を当該グラファイトシート3の面から打抜き型を用いて打ち抜くことにより、粘着剤層A1の大きさおよび形状をグラファイトシート3の大きさおよび形状とほぼ同一にすることができる。前記積層体Aの打抜きを行なう際、剥離ライナーA2を打抜かずに粘着剤層A1およびグラファイトシート3のみを打抜くことが、当該剥離ライナーA2を剥離させるときの作業性を向上させる観点から好ましい。
(3)剥離ライナーBと粘着剤層Bとの積層体Bの製造
図1(D)に示されるように、粘着剤層B5は、前記粘着剤層A1の形成と同様に、例えば、剥離ライナーB4に粘着剤を塗布し、乾燥させることにより、剥離ライナーB4と粘着剤層B5との積層体Bを製造することができる。
粘着剤を剥離ライナーB4に塗布する方法は、前記粘着剤層A1の形成における塗布方法と同様であればよい。このように粘着剤を剥離ライナーB4に塗布した後、乾燥させることにより、剥離ライナーB4上に粘着剤層B5を形成させることができる。
剥離ライナーB4は、粘着剤層A1の形成の際に用いられる剥離ライナーA2と同様であればよい。
剥離ライナーB4の大きさおよび形状は、通常、粘着剤層B5に対応した大きさおよび形状を有することが好ましい。
粘着剤を剥離ライナーBに塗布した後、乾燥させるが、その乾燥方法としては、例えば、熱風、遠赤外線の照射などが挙げられる。
乾燥後の粘着剤層B5の厚さは、本発明の放熱シートの機械的強度を高める観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、本発明の放熱シートの熱抵抗値を低減させる観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。また、乾燥後の粘着剤層B5の厚さは、本発明の放熱シートの熱抵抗値を低減させる観点から、グラファイトシート3の厚さよりも小さいことが好ましい。
粘着剤層B5の大きさは、粘着剤層A1とグラファイトシート3との積層体の厚さなどによって異なるので一概には決定することができないが、粘着剤層B5の端部と後述する粘着剤層C7の端部とを重ね合せることにより、粘着剤層A1とグラファイトシート3との積層体を包囲することができる大きさに調整することが好ましい。粘着剤層B5の端部と後述する粘着剤層C7の端部とを重ね合せる際の粘着剤層B5の重ね合せ代は、粘着剤層A1とグラファイトシート3との積層体を強固に包囲するとともに、無駄な重ね合せ代をなくする観点から、通常、1〜5mm程度であることが好ましい。
(4)積層体Aと積層体Bとからなる積層体Cの製造
図1(E)に示されるように、前記(2)で得られた積層体Aのグラファイトシート3面と、前記(3)で得られた積層体Bの粘着剤層B5の粘着面とを貼り合わせ、両者を一体化させることにより、積層体Aと積層体Bとの積層体Cを製造することができる。
(5)剥離ライナーAの除去
次に、図1(F)に示されるように、前記で得られた積層体Cから剥離ライナーA2を剥離させることにより、粘着剤層A1の粘着面が露出した積層体Cを得ることができる。
(6)剥離ライナーCと粘着剤層Cとの積層体Dの製造
図1(G)に示されるように、粘着剤層C7は、前記粘着剤層A1の形成と同様に、例えば、剥離ライナーC6に粘着剤を塗布し、乾燥させることにより、剥離ライナーC6と粘着剤層C7との積層体Dを製造することができる。
粘着剤を剥離ライナーC6に塗布する方法は、前記粘着剤層A1の形成における塗布方法と同様であればよい。このように粘着剤を剥離ライナーに塗布した後、乾燥させることにより、剥離ライナーC6上に粘着剤層C7を形成させることができる。
前記剥離ライナーC6は、粘着剤層A1の形成の際に用いられる剥離ライナーA2と同様であればよい。
剥離ライナーC6の大きさおよび形状は、通常、粘着剤層C7に対応した大きさおよび形状を有することが好ましい。
粘着剤を剥離ライナーC6に塗布した後、乾燥させるが、その乾燥方法としては、例えば、熱風、遠赤外線の照射などが挙げられる。
乾燥後の粘着剤層C7の厚さは、本発明の放熱シートの機械的強度を高める観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、本発明の放熱シートの熱抵抗値を低減させる観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。また、乾燥後の粘着剤層C7の厚さは、本発明の放熱シートの熱抵抗値を低減させる観点から、グラファイトシート3の厚さよりも小さいことが好ましい。
粘着剤層C7の大きさは、粘着剤層A1とグラファイトシート3との積層体Aの厚さなどによって異なるので一概には決定することができないが、粘着剤層C7の端部と粘着剤層B5の端部とを重ね合せることにより、粘着剤層A1とグラファイトシート3との積層体Aを包囲することができる大きさに調整することが好ましい。粘着剤層C7の端部と粘着剤層B5の端部とを重ね合せる際の粘着剤層C7の重ね合せ代は、粘着剤層A1とグラファイトシート3との積層体Aを強固に包囲するとともに、無駄な重ね合せ代をなくする観点から、通常、1〜5mm程度であることが好ましい。
(7)積層体Cと積層体Dとからなる積層体Eの製造
図1(H)に示されるように、前記(5)で得られた積層体Cの粘着剤層A1の粘着面と、前記(6)で得られた積層体Dの粘着剤層C7の粘着面とを貼り合わせ、両者を一体化させることにより、積層体Cと積層体Dとの積層体Eを製造することができる。
積層体Cの粘着剤層A1の粘着面と積層体Dの粘着剤層C7の粘着面とを貼り合わせる際に、粘着剤層A1の粘着面および/または粘着剤層C7の粘着面を乾燥させることにより、積層体Cの粘着剤層A1の粘着面と積層体Dの粘着剤層C7の粘着面との間に不連続面を形成させることができる。積層体Cの粘着剤層A1の粘着面と積層体Dの粘着剤層C7の粘着面とを貼り合わせる際に、粘着剤層A1の粘着面および粘着剤層C7の粘着面がいずれも乾燥されていない場合には、粘着剤層A1と粘着剤層C7とが一体化することから、両者間に不連続面が形成されない。したがって、前記積層体Cの粘着剤層A1の粘着面と積層体Dの粘着剤層C7の粘着面との間に形成されている不連続面は、換言すれば、粘着剤層A1と粘着剤層C7とが一体化していない面であると言うことができる。
本発明の放熱シートは、このように、積層体Cの粘着剤層A1の粘着面と積層体Dの粘着剤層C7の粘着面との間に不連続面が形成されているので、電気絶縁性に優れている。
積層体Eは、図1(H)に示されるように、上から順に、剥離ライナーB4、粘着剤層B5、グラファイトシート3、粘着剤層C7および剥離ライナーC6が積層された構造を有する。
(8)積層体Eの端部の封止
前記(7)で得られた積層体Eを例えば、ロールなどを用いて押圧することにより、図1(H)に示されるように、グラファイトシート3と粘着剤層A1との積層体の端部から突出している粘着剤層B5の下面と粘着剤層C7の上面とが重ね合わされ、グラファイトシート3の端部を包囲するように貼り合わされることから、グラファイトシート3が封止される。
図1に示される実施態様においては、グラファイトシート3の一方表面に粘着剤層A1と粘着剤層C7と剥離ライナーC6とからなる積層体が形成されているが、当該積層体は、グラファイトシート3の両面に形成されていてもよい。また、図1に示される実施態様においては、粘着剤層A1と粘着剤層C7とが積層された2層構造の粘着剤層が剥離ライナーC6上に形成されているが、当該積層されている粘着剤層は、複数であればよい。積層される粘着剤層の数は、例えば、2〜6層が挙げられるが、本発明の放熱シートの厚さを小さくする観点から、好ましくは2〜4層、より好ましくは2または3層、さらに好ましくは図1に示されるように2層である。
以上のようにして本発明の放熱シートが得られるが、本発明の放熱シートを同時に複数個製造する際には、例えば、図2に示されるように、剥離ライナーC6上に、剥離ライナーB4、粘着剤層B5、グラファイトシート3および粘着剤層C7の積層体8を形成させ、各積層体8間の粘着剤層B5と粘着剤層C7とを貼り合わせた部分(封止箇所)の中間部の破線部9で示される箇所を裁断することにより、複数個の放熱シートを製造することができる。なお、図2は、本発明の放熱シートを複数個製造する際の概略平面図である。
前記積層体8の大きさは、本発明の放熱シートの用途によって異なるので一概には決定することができないが、その一例として、例えば、図2に示される積層体の概略平面図において、縦の長さが60mmであり、横の長さが30mmである積層体が挙げられる。また、各積層体8の間隙についても特に限定がないが、その一例として、例えば、2mmの間隙が挙げられる。
本発明の放熱シートの全体の厚さは、熱抵抗を下げる観点から、好ましくは10〜600μm、より好ましくは10〜500μm、より一層好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは10〜200μm、さらに一層好ましくは10〜100μm、さらに一層好ましくは10〜30μm、特に好ましくは10〜20μmである。また、放熱シートの全体の厚さは、被着体の凹凸に追従させる観点から、好ましくは10〜600μm、より好ましくは15〜500μm、さらに好ましくは20〜300μmである。
本発明の放熱シートの一方表面には、1枚の剥離ライナーで保護されていてもよく(シングルセパレータタイプ)、その両表面が2枚の剥離ライナーでそれぞれ保護されていてもよい(ダブルセパレータタイプ)。
シングルセパレータタイプの放熱シートでは、当該放熱シートの表面および裏面でそれぞれ剥離性が異なることが好ましい。また、ダブルセパレータタイプの放熱シートでは、表面および裏面に貼付されている剥離ライナーの剥離力は、それぞれ異なることが好ましい。ダブルセパレータタイプの放熱シートでは、剥離ライナーとして、例えば、樹脂フィルムからなる剥離ライナーと紙からなる剥離ライナーを用いることができる。これらの剥離ライナーで保護された放熱シートは、剥離ライナーが粘着層との界面で剥がれずに、粘着剤層が付着した状態で剥がれる現象(いわゆる「泣き分かれ現象」)、放熱シートを被着体に貼付した後、剥離ライナーを放熱シートから剥離したときに粘着剤層が剥離ライナーに付着した状態で剥離ライナーが剥離する現象、粘着剤層の皺、撚れなどの発生、剥離ライナーの浮きなどを抑制することができる。
本発明の放熱シートの形態としては、例えば、テープ状、シート状などが挙げられるが、本発明は、かかる形態のみによって限定されるものではない。本発明の放熱シートは、テープ状を有する場合、ロール状に巻回されたものであってもよい。また、本発明の放熱シートは、シート状を有する場合、当該シート状の放熱シートが積層されていてもよい。シングルセパレータタイプの放熱シートがロール状に巻回されている場合、剥離ライナーと粘着剤層とを容易に剥離することができるようにするために、剥離ライナーとして両面に剥離処理層が形成されている剥離ライナーを用いることが好ましい。
以上のようにして得られる本発明の放熱シートは、外部へのグラファイト粉の漏出(粉落ち)が抑制され、粘着性、熱伝導性および電気絶縁性に総合的に優れていることから、例えば、CPU(中央演算処理装置)、トランジスタ、発光ダイオード(LED)などの半導体に使用される放熱シート、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置の発熱部の放熱のために使用される放熱シートなどとして好適に使用することができる。
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
粘着剤〔(株)日本触媒製、品番:AST−8350E〕を剥離ライナーA〔東洋紡(株)製、品番:E−7006、幅:1100mmのロール〕を用い、当該剥離ライナーAにおいて、一辺の長さが1000mmである正方形の領域に塗布し、100℃の雰囲気中で2分間乾燥させることにより、乾燥後の厚さが約30μmの粘着剤層Aが形成された積層体を得た。
前記で得られた積層体の粘着剤層Aの表面上にグラファイトシート〔大成ラミネーター(株)製、商品名:ファーストグラファイトシート、厚さ:50μm〕を貼り合わせ、粘着剤層Aとグラファイトシートとを一体化させることにより、剥離ライナーAと粘着剤層Aとグラファイトシートとの積層体Aを得た。得られた積層体Aの粘着剤層Aおよびグラファイトシートのみをグラファイトシートの面から打抜き型を用いて打ち抜くことにより、粘着剤層Aの大きさおよび形状がグラファイトシートの大きさおよび形状とほぼ同一となるように調整した。
一方、剥離ライナーB〔東洋紡(株)製、品番:E−7006、幅:1100mmのロール〕を用い、当該剥離ライナーBにおいて、一辺の長さが1000mmである正方形の領域に粘着剤層B〔(株)日本触媒製、品番:AST−8350E〕を塗布し、100℃の雰囲気中で2分間乾燥させることにより、乾燥後の厚さが約30μmの粘着剤層Bが形成された積層体Bを得た。
前記で得られた積層体Aのグラファイトシート面と、前記で得られた積層体Bの粘着剤層Bの粘着面とを貼り合わせ、両者を一体化させることにより、積層体Aと積層体Bとの積層体Cを製造した。前記で得られた積層体Cから剥離ライナーAを剥離させることにより、粘着剤層Aの粘着面が露出した積層体Cを得た。
次に、剥離ライナーC〔東洋紡(株)製、品番:E−7006、幅:1100mmのロール〕を用い、当該剥離ライナーCにおいて、一辺の長さが1000mmである正方形の領域に粘着剤〔(株)日本触媒製、品番:AST−8350E〕を塗布し、100℃の雰囲気中で2分間乾燥させることにより、乾燥後の厚さが約30μmの粘着剤層Cが形成された積層体Dを得た。
次に、前記で得られた積層体Cの粘着剤層Aの粘着面と、前記で得られた積層体Dの粘着剤層Cの粘着面とを貼り合わせ、両者を一体化させることにより、積層体Cと積層体Dとの積層体Eを作製した。得られた積層体Eをロールで押圧し、グラファイトシートよりも大きいサイズの粘着剤層Aと粘着剤層Cとをグラファイトシートの端部を包囲するように貼り合わせ、グラファイトシートを封止させることにより、放熱シートを得た。
比較例1
特開2010−149509号公報の段落[0047]に記載の方法に準じて放熱シートを作製した。より詳しくは、以下の方法に基づいて放熱シートを作製した。
フッ素離型処理をしたポリエステルフィルムに粘着剤〔(株)日本触媒製、品番:AST−8350E〕を塗布し、100℃の雰囲気中で2分間乾燥させることにより、乾燥後の厚さが約30μmの粘着剤層を形成させ、当該粘着剤層とグラファイトシート〔大成ラミネーター(株)製、商品名:ファーストグラファイトシート、厚さ:50μm〕をラミネート加工し、その上に粘着剤〔(株)日本触媒製、品番:AST−8350E〕を塗布し、100℃の雰囲気中で2分間乾燥させることにより、乾燥後の厚さが約30μmの粘着剤層を形成させた。フッ素離型処理をしたポリエステルフィルム上の粘着剤層をグラファイトシートよりも四辺とも各5mm大きいもので打ち抜き、バリ部を除去した。グラファイトシートの大きさは、幅25mm、長さ100mmであった。前記2つの積層シートを貼り合わせることにより、放熱シートを得た。
比較例2
特開2013−102180号公報の段落[0034]〜[0036]に記載の方法に準じて放熱シートを作製した。より詳しくは、以下の方法に基づいて放熱シートを作製した。
フッ素離型処理をしたポリエステルフィルムに粘着剤〔(株)日本触媒製、品番:AST−8350E〕を塗布し、100℃の雰囲気中で2分間乾燥させることにより、乾燥後の厚さが約30μmの粘着剤層を形成させた。形成された粘着剤層の粘着面にグラファイトシート〔大成ラミネーター(株)製、商品名:ファーストグラファイトシート、厚さ:50μm〕を載置し、さらに上にフッ素離型処理をしたポリエステルフィルムを載置し、グラファイトシートの片面のみを120℃の温度で60分間加熱加圧した。
次に、グラファイトシート面側のポリエステルフィルムを除去し、打ち抜き型で粘着剤層側のポリエステルフィルムを離型台紙にして打ち抜き、バリの部分を除去した。
前記で得られた積層体の上から片面粘着フィルムを空気が混入しないようにラミネートし、粘着剤層側のポリエステルフィルムを剥がした後、数ミリメートル幅にスリットした片面粘着フィルムを用いてグラファイトシートの端面部を埋め、粘着剤層の一部に重なるように貼り付けた。
次に、前記片面粘着付きフィルムの中間部をフルカットし、粘着剤層に保護カバーを載せ、グラファイトシートの端面が封止された放熱シートを得た。
比較例3
特開2013−102180号公報の段落[0043]〜[0045]に記載の方法に準じて放熱シートを作製した。より詳しくは、以下の方法に基づいて放熱シートを作製した。
フッ素離型処理をしたポリエステルフィルムに粘着剤〔(株)日本触媒製、品番:AST−8350E〕を塗布し、100℃の雰囲気中で2分間乾燥させることにより、乾燥後の厚さが約30μmの粘着剤層を形成させた。形成された粘着剤層の粘着面にグラファイトシート〔大成ラミネーター(株)製、商品名:ファーストグラファイトシート、厚さ:50μm〕を載置し、さらに上にフッ素離型処理をしたポリエステルフィルムを載置し、グラファイトシートの片面のみを120℃の温度で60分間加熱加圧した。
次に、グラファイトシート面側のポリエステルフィルムを除去し、打ち抜き型で粘着剤層側のポリエステルフィルムを離型台紙にして打ち抜き、バリの部分を除去した。
グラファイトシート面に粘着剤〔(株)日本触媒製、品番:AST−8350E〕を流し込み、フッ素離型処理が施されたポリエステルフィルムを被せ、加熱加圧することにより、グラファイトシートの端面を封止した。
次に、粘着剤層側のフッ素離型処理が施されたポリエステルフィルムを剥がし、溝部分に刃を入れることによってカットし、粘着剤層に保護カバーを載せ、グラファイトシートの端面が封止された放熱シートを得た。
実験例
前記で得られた放熱シートを製造する際の生産性、ならびに前記で得られた放熱シートの物性として、粉落ち、粘着性、熱伝導性および電気絶縁性を以下の方法に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
〔生産性〕
放熱シートをロール上で連続して製造することができるか否かを調べ、以下の評価基準に基づいて生産性を評価した。
(評価基準)
◎:放熱シートをロール上で連続して製造することができる場合
×:放熱シートをロール上で連続して製造することができない場合
〔粉落ち〕
グラファイトシートの端部と粘着剤層との間に間隙がないかどうかを目視によって観察し、以下の評価基準に基づいて粉落ちを評価した。
(評価基準)
◎:グラファイトシートの端部と粘着剤層との間に間隙が認められない。
×:グラファイトシートの端部と粘着剤層との間に間隙が認められる。
〔粘着性〕
長さ50mm、幅25mmの放熱シートの剥離ライナーの片面を剥離し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:25μm)を裏打ちすることにより、試験片を作製した。
前記で得られた試験片の他方の剥離ライナーを剥離し、粘着面をアルミニウム板(厚さ:1mm)に貼り付け、質量が2kgのローラーで加圧圧着させ、24時間放置した後、試験片を180°の方向に300mm/minの剥離速度でアルミニウム板から引き剥がし、そのときの粘着力を測定し、以下の評価基準に基づいて粘着性を評価した。
なお、試験片の作製および剥離試験は、いずれも温度23℃、相対湿度65%の雰囲気中で行なった。
(評価基準)
◎:粘着力が8N/25mm以上
○:粘着力が5N/25mm以上8N/25mm未満
△:粘着力が1N/25mm以上5N/25mm未満
×:粘着力が1N/25mm未満
〔熱伝導性〕
熱拡散率・熱伝導率測定装置〔(株)日立ハイテクノロジーズ製、商品名:ai−phase mobile 1〕を用いて放熱シートの熱拡散率を測定した。
放熱シートの比熱を示差走査熱量計〔セイコーインスツル(株)製、品番:DSC220C〕を用いて測定した。
また、放熱シートの比重を当該放熱シートを縦50mm、横50mmの大きさに裁断し、得られた試験片の質量を測定することによって求めた。
次に、熱伝導率を式:
〔熱伝導率〕=〔熱拡散率〕×〔比熱〕×〔比重〕
に基づいて求め、以下の評価基準に基づいて放熱シートの熱伝導性を評価した。
(評価基準)
◎:熱伝導率が2W/mK以上
○:熱伝導率が1W/mK以上2W/mK未満
△:熱伝導率が0.3W/mK以上1W/mK未満
×:熱伝導率が0.3W/mK未満
〔電気絶縁性〕
アルミニウム板(縦:150mm、横:70mm、厚さ:1mm)の全面に放熱シートを貼り付けることにより、試験片を作製した。絶縁耐力試験装置〔(株)双興電機製作所製、品番:IT−303〕を用い、前記で得られた試験片の絶縁破壊電圧を以下の試験条件で測定し、以下の評価基準に基づいて電気絶縁性を評価した。
(試験条件)
・電圧印加法:短時間法
・測定温度:23℃
・周囲媒体:シリコーンオイル
・試験電極:直径が25mmの円柱(印加面)/全面アルミニウム箔(接地面)
・検知電流:10mA
(評価基準)
◎:試験片の絶縁破壊電圧が5kV/mm以上
○:試験片の絶縁破壊電圧が2kV/mm以上5kV/mm未満
△:試験片の絶縁破壊電圧が0.5kV/mm以上2kV/mm未満
×:試験片の絶縁破壊電圧が0.5kV/mm未満
〔総合評価〕
前記各試験項目において、◎の評価を50点、○の評価を30点、△の評価を10点、×の評価を0点とし、各得点の合計点を求めた。その結果を表1に示す。なお、評価項目で×の評価が存在するものは、不合格である。
Figure 2016100491
表1に示された結果から、各比較例で得られた放熱シートでは、総合評価がいずれも140点であるのに対し、実施例1で得られた放熱シートでは、総合評価が210点であることから、生産性、粉落ちの防止性、粘着性、熱伝導性および電気絶縁性に総合的に優れていることがわかる。
本発明の放熱シートは、生産性、粉落ちの防止性、粘着性、熱伝導性および電気絶縁性に総合的に優れていることから、例えば、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンスなどが用いられた照明用器具、バックライト用照明用器具、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置、太陽電池、リチウムイオン電池などの電池、トランジスタ、IC、CPUなどのコンピュータ用部品、モジュールなどの電力制御装置、インバーターなどの電源回路、タッチパネル、電磁シールド、薄型化が要求されるスマートフォンやタブレット端末、ワイヤレス給電などに用いられる電子機器内部の部品を固定したり、放熱したりする際に好適に使用することができるのみならず、グラファイトシート、金属箔、それらの加工品などに粘着性を付与するための粘着性放熱シートなどとして使用することが期待されるものである。
1 粘着剤層A
2 剥離ライナーA
3 グラファイトシート
4 剥離ライナーB
5 粘着剤層B
6 剥離ライナーC
7 粘着剤層C
8 積層体
9 破線

Claims (6)

  1. 基材としてグラファイトシートが用いられ、当該グラファイトシートの両面に粘着剤層が形成され、当該グラファイトシートの両面に形成されている粘着剤層の端部が当該グラファイトシートを包囲するように一体化されている放熱シートであって、前記グラファイトシートの少なくとも一方表面に複数の粘着剤層が積層され、積層された各粘着剤層間に不連続面が形成されていることを特徴とする放熱シート。
  2. 前記グラファイトシートの少なくとも一方表面に粘着剤層Aが形成され、前記グラファイトシートの他方表面に粘着剤層Bが形成され、当該粘着剤層Aの表面上にさらに粘着剤層Cが形成され、前記粘着剤層Aと前記粘着剤層Cとの間に不連続面が形成されている請求項1に記載の放熱シート。
  3. 粘着剤層Bの端部がグラファイトシートおよび粘着剤層Aの端部から突出し、粘着剤層Cの端部がグラファイトシートの端部および粘着剤層Aの端部から突出しており、粘着剤層Bの端部と粘着剤シートCの端部とが一体化されてなる請求項2に記載の放熱シート。
  4. 基材としてグラファイトシートを用い、当該グラファイトシートの両面に粘着剤層を形成させ、当該グラファイトシートを包囲するように当該グラファイトシートの両面に形成されている粘着剤層の端部を一体化させる放熱シートの製造方法であって、前記グラファイトシートの少なくとも一方表面に複数の粘着剤層を積層させ、積層させた各粘着剤層間に不連続面を形成させることを特徴とする放熱シートの製造方法。
  5. 前記グラファイトシートの一方表面に粘着剤層Aを形成させ、当該グラファイトシートの他方表面に粘着剤層Bを形成させ、当該粘着剤層Aの表面上に粘着剤層Cを形成させる際に、粘着剤層Aおよび/または粘着剤層Cを乾燥させた後に、粘着剤層Aの表面上に粘着剤層Cを形成させる請求項4に記載の放熱シートの製造方法。
  6. 粘着剤層Bの端部がグラファイトシートおよび粘着剤層Aの端部から突出するように粘着剤層Bをグラファイトシート上に形成させ、粘着剤層Cの端部がグラファイトシートおよび粘着剤層Aの端部から突出するように粘着剤層Cを粘着剤層Aの表面上に形成させた後、粘着剤層Bの端部と粘着剤シートCの端部とを一体化させる請求項5に記載の放熱シートの製造方法。
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