JP2016190632A - Steering column device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はテレスコピック操作が可能な上に、衝突時の二次衝突の際に、衝撃荷重によって、インナーコラムがステアリングシャフトとともに移動し、衝撃エネルギーを吸収するステアリングコラム装置に関する。 The present invention relates to a steering column device that can be telescopically operated, and in the event of a secondary collision at the time of collision, an inner column moves together with a steering shaft by an impact load to absorb impact energy.
この種のステアリングコラム装置として、図11に示す特許文献1のステアリングコラム装置101が知られている。ステアリングコラム装置101は、車体側に固定されるアウターコラム103と、アウターコラム103内を車両前後方向に移動可能に配設されるインナーコラム104と、インナーコラム104をアウターコラム103に締結する締結手段105とを備えている。
As this type of steering column device, a
インナーコラム104は、インナーコラム104上に設置された規制部材173が、締結手段105の操作軸151上に設置したロック部材153に突当てられることで、移動範囲(テレスコ位置調整範囲)が規定されている。規制部材173は、設定値以上の荷重が加わった際に、ロック部材153に係合したロックプレート154によって、破断するように設定されており、破断することで、インナーコラム104は、テレスコの移動範囲を超えて車両前方に移動できる。
In the
また、図12に示すように、特許文献2のステアリングコラム装置201では、規制部材273が、締結手段205の操作レバー251aに連係して、インナーコラム204に対して突没可能に配設されている。規制部材273は、締結手段205がアウターコラム203をインナーコラム204に締結したロック状態で、インナーコラム204から離間した位置に保持され、締結手段205がロック解除状態で、インナーコラム204の移動範囲を規制する位置に変位する。
Also, as shown in FIG. 12, in the
ところで、特許文献1に示される規制部材173の構成では、インナーコラム104がアウターコラム103に対して前方へ移動し収縮している途中で、規制部材173を破断する。このため、衝撃エネルギーを吸収している途中で、衝撃吸収荷重が瞬間的に増大するという問題がある。
By the way, in the configuration of the regulating
また、特許文献2に示される規制部材273の構成とすることで、特許文献1が抱える問題を解消することができる。しかしながら、特許文献2に示される規制部材の構成では、規制部材273がインナーコラム204の移動範囲を規制するロック解除状態で、操作レバー251aが固定されないため、規制部材273の位置が安定しないという問題がある。
Further, by adopting the configuration of the regulating
さらに、特許文献2に示される規制部材273の構成では、インナーコラム204の位置調整を行なう際に、インナーコラム204が規制部材273に突き当たった場合、可動式の規制部材273では、突き当たった際の荷重を受けきれないおそれがある。
Further, in the configuration of the
そこで、本願発明は上記事情を考慮し、インナーコラムの位置規制をより確実に行なうことができるとともに、衝撃エネルギーを吸収している途中で規制部材の破断による衝撃吸収荷重の一時的な増大を抑制することができるステアリングコラム装置を提供することを目的とする。 In view of the above circumstances, the present invention can more reliably regulate the position of the inner column and suppress a temporary increase in impact absorbing load due to the breaking of the regulating member while absorbing the impact energy. An object of the present invention is to provide a steering column device that can be used.
本発明は、筒形状を有し、車両前後方向に沿って配設されるアウターコラムと、筒形状を有し、前記アウターコラム内に筒軸方向に移動可能に挿入されるインナーコラムと、前記インナーコラムを前記アウターコラムに締結するロック位置と前記インナーコラムを前記アウターコラムの軸方向に調節可能な解除位置とに操作可能な操作レバーを有するロック手段と、前記アウターコラムの外周面側から該アウターコラムの筒壁を貫通し、前記インナーコラムの前端位置を規制する規制位置で、前記アウターコラムに離脱可能に配設される規制部材と、前記規制部材を前記規制位置に保持する保持構造と、前記ロック手段がロック位置にある状態で前記インナーコラムに結合される強制離脱部材と、前記インナーコラムに対して筒軸方向に設定値以上の荷重が加わった際に、前記強制離脱部材が前記インナーコラムとともに筒軸方向前方に移動し、前記保持構造により保持された状態の前記規制部材を、前記規制位置から離脱させる離脱構造と、を備えることを特徴としている。 The present invention has a cylindrical shape, an outer column disposed along the vehicle longitudinal direction, an inner column having a cylindrical shape and movably inserted into the outer column in the cylindrical axis direction, Lock means having an operating lever capable of operating the lock position for fastening the inner column to the outer column and the release position where the inner column can be adjusted in the axial direction of the outer column; A restricting member that passes through the cylindrical wall of the outer column and restricts the front end position of the inner column and is detachably disposed on the outer column; and a holding structure that holds the restricting member at the restricting position; A forcible detaching member coupled to the inner column in a state where the locking means is in a locked position, and set in a cylinder axial direction with respect to the inner column When the above load is applied, the forcible detaching member moves forward in the cylinder axial direction together with the inner column, and the detaching structure for detaching the regulating member held by the holding structure from the regulating position; It is characterized by having.
本発明は、ロック手段の締結時には、規制部材は、保持構造によって、規制位置に保持され、インナーコラムに対して筒軸方向に設定値以上の荷重が加わった際には、強制離脱部材が、インナーコラムとともに筒軸方向前方へ移動し、規制部材が規制位置から離脱する。 In the present invention, when the locking means is fastened, the restricting member is held at the restricting position by the holding structure, and when a load of a set value or more is applied to the inner column in the cylinder axis direction, the forcible releasing member is It moves forward in the cylinder axis direction together with the inner column, and the restricting member leaves the restricting position.
これにより、通常のテレスコ位置調整時には、規制部材がインナーコラムの移動方向(車両前方)への移動範囲を規制し、二次衝突時に衝撃エネルギーを吸収する際には、インナーコラムが規制部材に衝突する前に強制離脱部材が規制部材を規制位置から強制的に脱落する。このため、衝撃エネルギーを吸収している途中で衝撃吸収荷重が増大することを抑制できる。 As a result, during normal telescopic position adjustment, the regulating member regulates the range of movement of the inner column in the moving direction (front of the vehicle), and when absorbing impact energy during a secondary collision, the inner column collides with the regulating member. The forcible detachment member forcibly removes the restricting member from the restricting position. For this reason, it can suppress that an impact absorption load increases in the middle of absorbing impact energy.
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図7に示すように、本実施形態は、手動式のステアリングコラム装置1である。ステアリングコラム装置1は、車体に固定するための取付ブラケット2を車両前後方向の二箇所に備えている。取付ブラケット2には、アウターコラム3が車両上下方向に揺動可能(チルト位置調整可能)に支持され、アウターコラム3にインナーコラム4が支持される。
DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, a first embodiment of the invention will be described with reference to the drawings. As shown in FIGS. 1 to 7, the present embodiment is a manual
取付ブラケット2とアウターコラム3とインナーコラム4とは、図4に示すロック手段5が一体に締結する。インナーコラム4に掛かる衝撃エネルギーは、衝撃吸収手段6が吸収する。アウターコラム3に対するインナーコラム4の車両前後方向の位置(テレスコ位置)の調整範囲は、図2に示すテレスコ位置の規制手段7によって設定する。
The
取付ブラケット2は、車体の天井面(図示せず)に固定される前側固定部21aと、後側固定部21bとを備えている。前側固定部21aは、アウターコラム3を揺動可能に軸支する軸支部23を備え、後側固定部21bは、その左右側縁部から垂下する一対の垂下部22を備えている。両垂下部22には、車両上下方向(チルト方向)に沿ったチルト位置調整範囲を規定する、図4に示すチルト長孔24が開口している。チルト長孔24は、軸支部23を中心とする円弧状の長孔で構成されている。
The
アウターコラム3は、筒形状を有し、一対の垂下部22(22L,22R)の間に、車両前後方向に沿って配設される。アウターコラム3は、前端側上縁部分に軸支受部30を備えており、軸支受部30が、前側固定部21aの軸支部23にボルト23aを介して軸支される。これにより、アウターコラム3の後端側が車両上下方向に揺動する。
The
また、アウターコラム3には、図4、図5に示すように、筒壁3aの下面を貫通しつつ、後端縁から筒軸方向に沿って延びるスリット31が設けられている。スリット31の筒軸方向の寸法は、アウターコラム3の後端から挿入されたインナーコラム4が、アウターコラム3に対し、衝撃吸収後の最も収縮して前方に移動した状態で、インナーコラム4の前端に対応するアウターコラム3の部位まで切込むように設定されている。
Further, as shown in FIGS. 4 and 5, the
図4に示すように、スリット31の筒軸方向に沿った両縁部には、一対のクランプ部32(32L,32R)が立設されている。両クランプ部32は、スリット31の後端側に位置し、垂下部22に対向する各部位に車両上下方向に沿って立設されている。そして、両クランプ部32には、操作軸51が、軸周りに回動自在に貫通する。なお、図5では、アウターコラム3のクランプ部32を含む車両後方側の部分を省略している
As shown in FIG. 4, a pair of clamp portions 32 (32 </ b> L, 32 </ b> R) are provided upright on both edge portions along the cylindrical axis direction of the
図5に示すように、スリット31の筒軸方向に沿った両縁部の前端部分には、一対のレバー支持部36が下方に立設され、レバー支持部36間にはレバーピン36aが架け渡されている。レバーピン36aには、後述するサポートレバー56が揺動自在に支持される。レバー支持部36の後方には、一対の前端保持部35が下方に立設され、前端保持部35間には、保持梁35aが架け渡されている。保持梁35aには、図1に示すように、後述する衝撃吸収ワイヤー64の平行部分64aが支持される。
As shown in FIG. 5, a pair of
インナーコラム4は、筒形状を有し、アウターコラム3の筒内を筒軸方向に移動可能に挿入される。インナーコラム4とアウターコラム3の筒内には、ステアリングシャフト11が軸支されている。ステアリングシャフト11は、アウターコラム3内に軸支されるロアシャフト11Lと、インナーコラム4内に軸支されるアッパーシャフト11Uとで構成されている。アッパーシャフト11Uとロアシャフト11Lとをスプライン連結することで、軸周りにはアッパーシャフト11Uとロアシャフト11Lが一体に回転し、軸方向にはアッパーシャフト11Uがロアシャフト11Lに対して移動可能に構成されている。
The
図4に示すように、ロック手段5は、操作レバー51aと、操作軸51と、固定カム52aと、回転カム52bとを備えている。なお、操作軸51、偏心カム部材53、ロックプレート54、爪プレート55、およびサポートレバー56で結合手段5bを構成している。
As shown in FIG. 4, the lock means 5 includes an
操作軸51は、軸形状を備え、両垂下部22のチルト長孔24とアウターコラム3の両クランプ部32とを車幅方向に沿って貫通し、クランプ部32に軸周りに回動自在に支持されている。また、操作軸51は、その一端側端部に、右側垂下部22Rの外面に係合するワッシャーWが、スラスト軸受Bを介してナットNにより固定されている。操作軸51の他端側端部は、一体に設けた頭部Hと左側垂下部22Lの外面側との間に、カム手段5aおよび操作レバー51aが設置される。
The
そして、操作レバー51aと左側垂下部22Lとの間に位置する操作軸51上のカム手段5aは、固定カム52aと回転カム52bを備えている。また、操作軸51上の両クランプ部32間に位置する部位に、偏心カム部材53が操作軸51と一体で回転可能に配置される。
The cam means 5a on the
固定カム52aは、その中心を操作軸51が貫通する幅広の円環形状を備え、固定カム面52a1が操作レバー51a側に面して配置されている。また、固定カム52aは、固定カム面52a1の裏面側の筒部52a2がチルト長孔24内に嵌め込まれ、操作軸51周りに回転せず、且つチルト長孔24内を上下に移動可能に配置されている。筒部52a2は、先端側が左側クランプ部32Lの固定孔32Laに挿入固定されている。固定カム面52a1には、その周方向に山部と谷部が交互に形成されている。
The fixed
回転カム52bは、その中心を操作軸51が貫通する幅広の円環形状を備え、回転カム面52b1が固定カム面52a1に面するように配置されている。また、回転カム52bは、操作レバー51aに一体で回転可能に結合され、貫通する操作軸51とともに、操作軸51周りに回転するように操作軸51に組付けられている。回転カム面52b1には、その周方向に山部と谷部が交互に形成されている。
The
偏心カム部材53は、略円筒形状を備え、軸方向中央の外周面には径方向に突出する偏心カム53aが形成されている。また、偏心カム部材53は、操作軸51とともに軸周りに回動するように、操作軸51が挿嵌されている。
The
ロックプレート54は、幅方向に円弧状に湾曲する帯状の板材からなり、インナーコラム4の外周面に筒軸方向に沿って配設された状態で固定される。また、ロックプレート54には、図3、図5に示すように、複数のロック孔54aが仕切桟54bに仕切られた状態で長手方向に連続して開口し、梯子形状に形成されている。
The
爪プレート55は、図5に示すように、弾性を有する長方形の板材からなる基板55aに、複数のロック爪55bと、弾性腕部55cと、支持部材55eとが形成されている。
As shown in FIG. 5, the
ロック爪55bは、基板55aからロックプレート54に向かって、車両後方側を切り起こすように、ロック孔54aに対して挿入可能に、斜めに切り起こされた弾性片によって構成されている。また、複数のロック爪55bは、ロックプレート54の複数のロック孔54aに同時に係合可能なように、筒軸方向に連続して複数切り起こされることで、爪列55dを形成している。さらに、基板55aには、同様の爪列55dが、操作軸方向に隣接して設けられ、これら二つの爪列55dは、ロック爪55bの筒軸方向の間隔が互いに1/2だけずれるように設定されている。
The
弾性腕部55cは、爪プレート55の四隅に、インナーコラム4の外周面に対して当接可能に、且つロック爪55bよりも高く、且つ長く斜めに切り起こされた弾性片によって構成されている。
The
支持部材55eは、爪プレート55の前端部の両側面を、下方に向けて略直角に曲げ形成した一対の鉤状の部材であり、後述する衝撃吸収ワイヤー64の係止部を有している。
The
サポートレバー56は、断面四角形を備えた角棒状の部材からなり、その一端がアウターコラム3の外周に設けられたレバー支持部36に、レバーピン36aを介して揺動自在に軸支され、他端側が偏心カム部材53と爪プレート55との間に挟持される。この場合、偏心カム部材53が、サポートレバー56を介して爪プレート55をロックプレート54に押付ける構成となる。このような構成とすることで、偏心カム部材53の回転方向の力(摩擦力)が爪プレート55には伝わらず、径方向の力のみが爪プレート55に伝わることになる。これにより、ロック操作をする際に、インナーコラム4が所望する位置から筒軸方向にずれることなく固定することができる。
The
図5に示すように、衝撃吸収手段6は、衝撃吸収ワイヤー64をしごくように曲げ変形させるために、しごき部61と、補助軸62と、衝撃吸収ワイヤー64とを備える。
As shown in FIG. 5, the
しごき部61は、円筒形状を備え、偏心カム部材53と一体に、偏心カム53aの両脇に位置する部位に設定されている。
The squeezing
補助軸62は、図4に示す一対のクランプ部32間において、両端が支持孔32aに挿入支持された状態で、操作軸51と平行になるように配置されている。補助軸62は、図1に示すように筒軸方向の位置が操作軸51と同じであって、しごき部61との間に衝撃吸収ワイヤー64が挿通可能な間隔を空けて配置されている。
The
衝撃吸収ワイヤー64は、線条材を二つ折りにした、平面視で略U字形状を備えている。衝撃吸収ワイヤー64は、車両前後方向に延設される一対の縦棒部分となる平行部分64aと、平行部分64aの後部側に位置し、車幅方向に延設される横棒部分となる二つ折り部分64bとを備えている。二つ折り部分64bは、一対の支持部材55eに、図1のように係止されて固定される。平行部分64aは、二つ折り部分64bの両端部から、しごき部61に巻き掛けるように折返し部64cで折返されつつ、筒軸方向に沿って車両後方に延設されている。折返し部64cを境にして二つ折り部分64bと反対側の平行部分64aは、しごき部61と補助軸62との間の隙間に通して、車両前方に配索される。
The
前方に配索された衝撃吸収ワイヤー64の平行部分64aは、その前端部分64a1が、アウターコラム3の保持梁35aとスリット31との間に配置される。これにより、平行部分64aは、筒軸方向に沿って配索されるとともに、その弾性力によって保持梁35aに係止保持される。そして、衝撃吸収ワイヤー64は、後述する図7のようにして、しごき部61でしごかれつつ、曲げ変形することで衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材となる。
The front end portion 64a1 of the
図2に示すテレスコ位置の規制手段7は、アウターコラム3のテレスコ長孔34と、インナーコラム4のストッパ41と、テレスコ長孔34の後側ストッパ72と、図1、図3、図5に示す規制部材としての前側ストッパ73とを備えている。
The telescopic position restricting means 7 shown in FIG. 2 includes the telescopic
テレスコ長孔34は、アウターコラム3の天井部分に、筒壁3aを貫通しつつ、筒軸方向に沿って延びる長孔として形成される。テレスコ長孔34の筒軸方向の寸法は、インナーコラム4の上面に突設したストッパ41が、テレスコ位置調整範囲の全域、および衝撃吸収範囲の全域で前側端面に当接しないように、筒軸方向前側が衝撃吸収範囲よりも広くなるように設定されている。
The telescopic
後側ストッパ72は、テレスコ長孔34の車両後方側の端面であって、インナーコラム4の外周面の天井部分に突設されているストッパ41が当接する。
The
前側ストッパ73は、図5に示すように、底壁部となる本体部73aと、本体部73aの車幅方向両端から上方に向けて立ち上がる、互いに平行な一対の脚部73bとを備えている。両脚部73bの外側面には、アウターコラム3の筒壁3aに対して係脱可能な係止爪73dが設けられている。前側ストッパ73は、スリット31の筒軸方向前端部分に設定される規制位置において、係止爪73dが、アウターコラム3の筒壁3aに係合して保持される。前側ストッパ73は、両脚部73bが、サポートレバー56を跨ぐようにして、筒壁3aを貫通する方向に沿ってアウターコラム3の外周面側から組付けられる。組み付けられた状態の前側ストッパ73は、両脚部73bの先端が、アウターコラム3の外周面側から内周面側に向けて突出する。
As shown in FIG. 5, the
前側ストッパ73は、図1、図3に示すように、アウターコラム3の前端保持部35とレバー支持部36との間に配置されることで、筒軸前後方向の位置が規定され、スリット31内に配設されることで、左右方向の位置が規定される。そして、前側ストッパ73は、衝撃吸収ワイヤー64の平行部分64aにおける前端部分64a1によって下方から支えられることで、上下方向の位置が規定される。
As shown in FIGS. 1 and 3, the
このとき、係止爪73dが、アウターコラム3の筒壁3aに係止し、衝撃吸収ワイヤー64の前端部分64a1が、前側ストッパ73の下面に係合することで、前側ストッパ73がアウターコラム3に保持される。つまり、前側ストッパ73の係止爪73d、および衝撃吸収ワイヤー64の前端部分64a1が、前側ストッパ73を規制位置に保持する保持構造として機能する。
At this time, the locking
このようなテレスコ位置の規制手段7によって、テレスコ位置調整のために、インナーコラム4を筒軸方向後方に移動させた際に、テレスコ長孔34の後端縁の後側ストッパ72にストッパ41が当接することで、テレスコ位置調整範囲の後端側が規定される。また、インナーコラム4を筒軸方向前方に移動させた際に、前側ストッパ73にインナーコラム4の前端が当接することで、テレスコ位置調整範囲の前端側が規定される。
When the
図1に示す離脱構造8は、前側ストッパ73を規制位置から離脱させるもので、図5に示すように強制離脱部材81と傾斜部82とを備えている。
The detachment structure 8 shown in FIG. 1 is for detaching the
強制離脱部材81は、角棒状の部材からなり、サポートレバー56の下面に筒軸方向に沿って配設される。また、強制離脱部材81は、後端部分に嵌合フック81aを備え、前端部分にクサビ部81bを備えている。
The
嵌合フック81aは、弾性を有し、対向配置される一対の鉤爪からなり、この嵌合フック81aが撓み変形して、衝撃吸収ワイヤー64の二つ折り部分64bが嵌合フック81aの間に嵌め込まれる。
The
クサビ部81bは、下面81cの先端に形成される傾斜部82を有している。傾斜部82は、後端側から前端に向かうに従って、下面81cと上面81dとの間の厚さが徐々に薄くなるように設定されている。つまり、クサビ部81bは、前側ストッパ73が規制位置から下方へ向けて離脱する離脱方向に対して傾斜している。
The
前側ストッパ73にも、本体部73aのクサビ部81bと対向する部位に、傾斜部82としてのクサビ受面73eが形成されている。クサビ受面73eは、筒軸方向後方から前方に向かうに従って、下面73fと上面73gとの間の厚さが徐々に厚くなる傾斜面に設定されている。つまり、クサビ受面73eは、前側ストッパ73が規制位置から下方へ向けて離脱する離脱方向に対して傾斜している。
The
そして、クサビ部81bは、前側ストッパ73の両脚部73b間に配置される。つまり、強制離脱部材81は、後端部が衝撃吸収ワイヤー64に、前端側が前側ストッパ73のクサビ受面73e上にそれぞれ支持されることで、サポートレバー56の下面に沿って配設される。
The
次に、本実施形態のステアリングコラム装置1の組立手順を説明する。まず、インナーコラム4に固定したロックプレート54をアウターコラム3のスリット31に挿入しながら、アウターコラム3の筒内にインナーコラム4を挿入する。このとき、ストッパ41をアウターコラム3のテレスコ長孔34に入り込ませる。
Next, the assembly procedure of the
次に、取付ブラケット2(後側固定部21b)の垂下部22間にアウターコラム3を配設する。続いて、アウターコラム3の軸支受部30を取付ブラケット2(前側固定部21a)の軸支部23に支持させつつ、懸架バネ14を用いてアウターコラム3を取付ブラケット2(後側固定部21b)に懸架する。
Next, the
また、レバー支持部36にレバーピン36aを介してサポートレバー56を揺動自在に配置する。そして、サポートレバー56の後端側とロックプレート54との間に爪プレート55を配置する。そして、偏心カム部材53のしごき部61と補助軸62との間の隙間に、衝撃吸収ワイヤー64の平行部分64aを、前端部分64a1側から車両前方に向けて挿通させつつ、一端側の二つ折り部分64bを支持部材55eに固定する。さらに、衝撃吸収ワイヤー64の二つ折り部分64bに、強制離脱部材81の嵌合フック81aを嵌め込み、強制離脱部材81をサポートレバー56の下面に沿って配置する。これとともに、前側ストッパ73を規制位置に設置する。前側ストッパ73は、係止爪73dが、アウターコラム3の筒壁3aに係合することで、規制位置に固定される。
A
次に、図4に示す操作軸51を、偏心カム部材53に貫通させつつ、取付ブラケット2(後側固定部21b)とアウターコラム3とに組付ける。操作軸51は、図4の図中左側から操作レバー51a、回転カム52b、固定カム52a、左側垂下部22Lのチルト長孔24、左側クランプ部32L、偏心カム部材53、右側クランプ部32R、右側垂下部22Rのチルト長孔24の順に貫通する。操作軸51は、さらに右側垂下部22Rの外側で、ワッシャーW、スラスト軸受Bを貫通し、ナットNを螺着して組付ける。
Next, the operating
衝撃吸収ワイヤー64は、しごき部61に巻き掛けられつつ折返し部64cで折返され、しごき部61と補助軸62との間の隙間に通して、折返し部64cより前方の平行部分64aが前方に配索される。そして、図1に示すように、衝撃吸収ワイヤー64の平行部分64aの前端部分64a1を、アウターコラム3の保持梁35aの上に係止させ、保持梁35aより前方の前端部分64a1で前側ストッパ73の下面を支える。そして、ステアリングシャフト11を、ロアシャフト11Lにアッパーシャフト11Uをスプライン連結した状態でアウターコラム3の前端側から挿入する。このとき図1に示すように、アウター軸受12を介して、アウターコラム3の筒内にロアシャフト11Lを軸支するとともに、インナー軸受13を介して、インナーコラム4の筒内にアッパーシャフト11Uを軸支する。
The
次に、本実施形態のステアリングコラム装置1の操作手順を説明する。
Next, an operation procedure of the
インナーコラム4を所望の位置に固定するには、次の手順で行う。図6(a)に示すインナーコラム4とアウターコラム3の締結が解除された状態で、インナーコラム4を所望する位置に、チルト方向(車両上下方向)とテレスコ方向(車両前後方向)へ移動させる。図6(b)は、図6(a)に対し、インナーコラム4を前方に移動させた状態を示す。インナーコラム4を所望する位置に移動させた状態で、操作レバー51aを上方に揺動操作する。操作レバー51aを上方に揺動操作することによって、操作軸51が軸周りに締結方向に回動する。なお、図6、図7ではアウターコラム3を省略している。
The
操作軸51とともに、操作レバー51aと一体の回転カム52bが締結方向に回動することで、固定カム52aの山部と回転カム52bの山部が重なり、回転カム52bが固定カム52aから離間する方向に移動してカム手段5aの軸方向寸法が拡がる。これによって、操作軸51がカム手段5a側に引っ張られ、垂下部22とクランプ部32とが圧接され、任意のチルト位置にアウターコラム3が保持される。このとき、一対のクランプ部32間が狭まることで、アウターコラム3が縮径し、インナーコラム4が任意のテレスコ位置に保持される。
The
また、操作軸51が締結方向に回動することで、結合手段5bは、偏心カム部材53が回転し、偏心カム53aがサポートレバー56を介して爪プレート55をロックプレート54に押付ける。爪プレート55をロックプレート54に押付けることで、いずれかのロック爪55bが、いずれかのロック孔54aに挿入される。挿入されたロック爪55bの先端は、互いに隣接するロック孔54a相互を仕切る仕切桟54bに係合する。
Further, when the
爪プレート55をロックプレート54に押付けた際に、他のロック爪55bが仕切桟54b上に位置していた場合、このロック爪55bは仕切桟54bに押付けられたまま、押付け方向に対して後退するように弾性変形する。これによって、操作軸51の回動操作が妨げられることはなく、いずれかのロック爪55bが仕切桟54bに係合する。図6(c)は、図6(a)の状態でインナーコラム4とアウターコラム3が締結された状態を示す。
When another
また、インナーコラム4の位置調整を行なうには、インナーコラム4とアウターコラム3の締結を解除する。このためには、まず、操作レバー51aを下方(解除方向)に揺動操作する。操作レバー51aを下方に揺動操作することによって、操作軸51が軸周りに締結解除方向に回動する。
Further, in order to adjust the position of the
操作軸51とともに、操作レバー51aと一体の回転カム52bが締結解除方向に回動することで、固定カム52aの山部と回転カム52bの谷部が重なり、回転カム52bが固定カム52aに接近してカム手段5aの軸方向寸法が狭まる。これによって、操作軸51が緩み、垂下部22とクランプ部32との圧接が解消され、取付ブラケット2に対してアウターコラム3がチルト方向(車両上下方向)に移動可能となる。さらに、一対のクランプ部32間が拡がることで、アウターコラム3が拡径し、インナーコラム4がテレスコ方向(車両前後方向)に移動可能となる。
The
また、操作軸51が締結解除方向に回動することで、結合手段5bは、偏心カム部材53が回転して、偏心カム53aがインナーコラム4外周面から離間する方向へ移動する。そして、弾性腕部55cの弾性力によって、ロック爪55bがロック孔54aから離間し、ロックが解除される。
Further, as the operating
次に、図6(c)のように操作レバー51aを締結操作し、インナーコラム4がアウターコラム3に締結された状態で、インナーコラム4に設定値以上の荷重が加わった場合を想定する。この場合には、ロック孔54aに係合したロック爪55bを隣接する仕切桟54bが押すことになる。ロック爪55bが押されると、爪プレート55の支持部材55eに固定された衝撃吸収ワイヤー64の二つ折り部分64bが、図7(a)のように、強制離脱部材81およびインナーコラム4とともに筒軸方向前方へ移動する。
Next, it is assumed that the
このとき、衝撃吸収ワイヤー64の平行部分64aは、二つ折り部分64bに引っ張られ、しごき部61に巻きつくようにしてしごかれつつ、曲げ変形位置が前端部分64a1に徐々に近づく。平行部分64aが引っ張られることで、前端部分64a1は前側ストッパ73から離間する。また、強制離脱部材81は、筒軸方向前方へ移動する際に、クサビ部81bが前側ストッパ73のクサビ受面73e上を押し付けるようにして摺動し、前側ストッパ73を押下げる。これにより、前側ストッパ73は、係止爪73dの筒壁3aとの係合が外れて脱落し、最終的に図7(b)の状態となる。
At this time, the
インナーコラム4が衝撃吸収ワイヤー64の二つ折り部分64bとともに筒軸方向前方へ移動する際に、衝撃吸収ワイヤー64がしごき部61と補助軸62によってしごかれつつ、曲げ変形することで、衝撃エネルギーを吸収する。このとき、前側ストッパ73が、図7(a)のようにインナーコラム4が当接する位置から外れることで、インナーコラム4が筒軸方向前方にテレスコ位置の調整範囲を超えて移動する際の障害物が無くなる。このため、途中で衝撃吸収荷重が増大することなく、インナーコラム4を前方へ移動させてアウターコラム3に対して収縮させることができる。
When the
なお、テレスコ位置調整によって、図6(b)のようにインナーコラム4の前端部が前側ストッパ73に突き当たっている状態で、インナーコラム4に設定値以上の荷重が加わった場合には、荷重によってインナーコラム4が前側ストッパ73を破断する。これにより、インナーコラム4の筒軸方向前方への移動が可能になる。このように、テレスコ位置調整によって、インナーコラム4の前端部が前側ストッパ73に突き当たっている状態で、インナーコラム4に設定値以上の荷重が加わった場合には、荷重によって最初に前側ストッパ73が破断されるため、途中で荷重が増大することはない。
In addition, as a result of the telescopic position adjustment, when a load greater than a set value is applied to the
以上、上記実施形態によれば、通常時には、前側ストッパ73は、係止爪73dと衝撃吸収ワイヤー64の前端部分64a1によって、規制位置に保持される。二次衝突によりインナーコラム4に対して筒軸方向に設定値以上の荷重が加わった際に、インナーコラム4とともに、強制離脱部材81が筒軸方向前方へ移動することによって、前側ストッパ73が規制位置から離脱する。
As described above, according to the above embodiment, in the normal state, the
これにより、通常のテレスコ位置調整時には、前側ストッパ73がインナーコラム4の移動範囲を規制する。衝撃エネルギーを吸収する際には、前側ストッパ73が規制位置から脱落することで、インナーコラム4がテレスコ位置の調整範囲を超えて車両前方側へ移動しても、衝撃エネルギーの吸収荷重の増大を抑制できる。
As a result, the
傾斜部82として、強制離脱部材81の前端部分にクサビ部81bと、前側ストッパ73の本体部73aにおけるクサビ部81bと対向する部位にクサビ受面73eとを形成している。クサビ部81bをクサビ受面73eに突当て、離脱構造8として前側ストッパ73を規制位置から押出す構成としたことで、コンパクトな構成で、前側ストッパ73を確実に離脱させることができる。
As the
前側ストッパ73の保持構造は、インナーコラムの筒軸方向に対して直交する半径方向への前側ストッパ73の移動を規制する。これにより、通常のテレスコ操作でインナーコラム4が前側ストッパ73に当接したときの衝撃が保持構造に作用することを抑制できる。このため、インナーコラム4の前側ストッパ73による位置規制をより確実に行なうことができるとともに、前側ストッパ73を保持する荷重を下げることができ、強制離脱部材81が前側ストッパ73を移動させることができる。
The holding structure of the
前側ストッパ73の保持構造は、前側ストッパ73と一体に形成され、アウターコラム3の筒壁3aに対して係脱可能な弾性片からなる係止爪73dを含むものとしている。これにより、簡便な構成で前側ストッパ73を保持でき、インナーコラム4の位置規制をより確実に行なうことができるとともに、小さな荷重で前側ストッパ73を離脱させることができる。
The holding structure for the
前側ストッパ73の保持構造は、衝撃吸収ワイヤー64の他端となる前端部分64a1が前側ストッパ73を支持するものとしている。このため、インナーコラム4に対して筒軸方向に設定値以上の荷重が加わった際の衝撃を吸収する衝撃吸収ワイヤー64を、保持構造として有効利用することができる。
In the holding structure of the
次に、本発明の第2の実施形態のステアリングコラム装置について説明する。 Next, a steering column device according to a second embodiment of the present invention will be described.
図8は、第2の実施形態のステアリングコラム装置の前記図5に対応する分解斜視図である。第2の実施形態が第1の実施形態に対して大きく異なる点は、規制部材としての前側ストッパ73A、前側ストッパ73Aの保持構造、およびロックプレート54Aである。その他の構成は第1の実施形態と略同様である。
FIG. 8 is an exploded perspective view corresponding to FIG. 5 of the steering column device of the second embodiment. The second embodiment differs greatly from the first embodiment in a
アウターコラム3Aは、図5の第1の実施形態における一対の前端保持部35を備える部位近傍に、前側ストッパ73Aを保持するための一対のフック部37が設けられている。フック部37は、スリット31の開口縁から下方に延びる一対の側壁部38に形成されている。一対の側壁部38は、互いに平行で、車幅方向から見た側面視で略矩形状となっている。
The
各側壁部38は、矩形の前端縁から後方に向けて水平に切り欠かれた横溝38aと、横溝38aの後端から上方に向けて切り欠かれた縦溝38bとが形成され、横溝38aと縦溝38bとで略L字形状となっている。縦溝38bの上下方向の長さは、横溝38aの前後方向の長さよりも短い。各側壁部38は、横溝38aおよび縦溝38bを形成することによって、前方に突出する係止突起38cが形成される。
Each
前側ストッパ73Aは、底壁部となる本体部73Aaと、本体部73Aaの車幅方向両端から上方に向けて立ち上がる、互いに平行な一対の脚部73Abとを備えている。両脚部73Abの外側面73Ab1の略中央位置には、車幅方向に向けて突出する円柱形状の突出部73Acが設けられている。
The
一対の脚部73Abの外側面73Ab1相互の間隔は、アウターコラム3Aの一対の側壁部38の内面相互間の間隔よりも僅かに小さい。このため、前側ストッパ73Aは、一対の脚部73Abの外側面73Ab1が一対の側壁部38の内面にそれぞれ向い合った状態で、一対の側壁部38相互間に挿入設置することができる。
The distance between the outer surfaces 73Ab1 of the pair of leg portions 73Ab is slightly smaller than the distance between the inner surfaces of the pair of
前側ストッパ73Aを一対の側壁部38相互間に挿入する際には、側壁部38のレバー支持部36が設けられた前部側から挿入する。このとき、突出部73Acを横溝38aの前方の開口部から入り込ませ、横溝38aの後端から上方に移動させて図10のように縦溝38bに入り込ませる。これにより、前側ストッパ73Aをアウターコラム3Aのフック部37に保持させることができる。
When the
前側ストッパ73Aの突出部73Acの直径は、縦溝38bの溝幅よりも僅かに大きくしてあり、相互間の摩擦力によって突出部73Acが縦溝38bに保持される。したがって、図10に示すように、突出部73Acは縦溝38bの上端位置で摩擦力によって保持された状態が維持される。突出部73Acと、横溝38aおよび縦溝38bを備えるフック部37とによって、前側ストッパ73Aを規制位置に保持する保持構造を構成している。
The diameter of the protrusion 73Ac of the
図10のようにアウターコラム3Aに取り付けた状態の前側ストッパ73Aに対し、図8に示すサポートレバー56は、第1の実施形態と同様に両脚部73Ab相互間に挿入される。両脚部73Ab相互間に挿入されたサポートレバー56の先端は、レバーピン36aに揺動自在に連結される。
The
前側ストッパ73Aは、第1の実施形態と同様に、本体部73Aaに傾斜部82としてのクサビ受面73Aeが形成されている。クサビ受面73Aeは、強制離脱部材81のクサビ部81bと対向する部位に位置している。クサビ受面73eは、筒軸方向後方から前方に向かうに従って、下面73Afと上面73Agとの間の厚さが徐々に厚くなる傾斜面に設定されている。つまり、クサビ受面73Aeは、前側ストッパ73Aが規制位置から下方へ向けて離脱する離脱方向に対して傾斜している。
As in the first embodiment, the
第2の実施形態においても、強制離脱部材81のクサビ部81bは、前側ストッパ73Aの両脚部73Ab間に配置される。つまり、強制離脱部材81は、後端部を衝撃吸収ワイヤー64に、前端側を前側ストッパ73Aのクサビ受面73Ae上にそれぞれ支持されることで、サポートレバー56の下面に沿って配設される。
Also in the second embodiment, the
前側ストッパ73Aのクサビ受面73Aeより後方の本体部73Aaは、脚部73Abよりも後方に突出し、突出した端部から下方に向けて屈曲する支持部としてのワイヤー支持部73Ahが形成されている。ワイヤー支持部73Ahは、車幅方向両端に、上部が凹状に湾曲するワイヤー受面73Ah1を備えている。ワイヤー受面73Ah1に、衝撃吸収ワイヤー64の前端部分64a1が載せられて支持される。
The body portion 73Aa behind the wedge receiving surface 73Ae of the
図8では不図示のインナーコラムに固定されるロックプレート54Aは、車幅方向両側縁から下方に延びる側板54Asが形成されている。側板54Asの前端54As1が、前側ストッパ73Aの両脚部73Abの後端面73Ab2に当接することで、テレスコ位置調整範囲の前端側が規定される。
In FIG. 8, the
第2の実施形態によれば、通常時には、前側ストッパ73Aは、突出部73Acとアウターコラム3Aのフック部37とによって、規制位置に保持される。つまり、当該規制位置では、インナーコラムを前方に移動させたときに、ロックプレート54Aの前端54As1が、前側ストッパ73Aの後端面73Ab2に当接してテレスコ位置調整範囲の前端側となる。
According to the second embodiment, at the normal time, the
上記テレスコ位置調整範囲の前端側以外の状態で、二次衝突によりインナーコラムに対して筒軸方向に設定値以上の荷重が加わった際には、インナーコラムとともに強制離脱部材81が筒軸方向前方へ移動することで、前側ストッパ73Aが規制位置から離脱する。
In a state other than the front end side of the telescopic position adjustment range, when a load greater than the set value is applied to the inner column in the cylinder axis direction due to a secondary collision, the
強制離脱部材81が筒軸方向前方へ移動すると、強制離脱部材81の先端が前側ストッパ73Aのクサビ受面73Aeに当接して押し付けることによって、前側ストッパ73Aが下方へ移動する。このとき、前側ストッパ73Aの突出部73Acは、縦溝38bを下方に移動して横溝38aに入り込む。
When the
強制離脱部材81がさらに筒軸方向前方へ移動して前側ストッパ73Aを前方へ押し付けると、突出部73Acが横溝38a内を前方へ移動しながら、前側ストッパ73Aが前方へ移動する。前側ストッパ73Aが前方へ移動し、突出部73Acが横溝38aを外れると、前側ストッパ73Aは下方へ脱落する。強制離脱部材81が筒軸方向前方へ移動する際には、第1の実施形態と同様に、衝撃吸収ワイヤー64がしごき部61と補助軸62によってしごかれつつ、曲げ変形することで、衝撃エネルギーを吸収する。
When the
以上より、通常のテレスコ位置調整時には、前側ストッパ73Aがインナーコラムの移動範囲を規制する。衝撃エネルギーを吸収する際には、前側ストッパ73Aが規制位置から脱落することで、インナーコラムがテレスコ位置の調整範囲を超えて車両前方側へ移動しても、衝撃エネルギーの吸収荷重の増大を抑制できる。
Thus, during normal telescopic position adjustment, the
テレスコ位置調整範囲の前端側が規定された状態では、ロックプレート54Aの前端54As1が、前側ストッパ73Aの後端面73Ab2に当接している。この状態で、インナーコラムに設定値以上の荷重が加わった場合には、インナーコラムと一体のロックプレート54Aが前側ストッパ73Aに荷重を付与し、前側ストッパ73Aの突出部73Acをせん断破壊する。
In a state where the front end side of the telescopic position adjustment range is defined, the front end 54As1 of the
これにより、前側ストッパ73Aがフック部37から外れて脱落し、インナーコラムの筒軸方向前方への移動が可能になる。このとき、ロックプレート54Aと前側ストッパ73Aとは、筒軸方向に沿ってほぼ同一直線状に位置している。このため、ロックプレート54Aから前側ストッパ73Aに付与される荷重が効率よく伝達され、突出部73Acのせん断破壊がより効率よくなされる。
As a result, the
このように、テレスコ位置調整によってロックプレート54Aが前側ストッパ73Aに突き当たっている状態で、インナーコラムに設定値以上の荷重が加わった場合には、荷重によって最初に前側ストッパ73Aが破断されるため、途中で荷重が増大することはない。
In this way, when a load greater than the set value is applied to the inner column in a state where the
第2の実施形態の保持構造は、前側ストッパ73Aの突出部73Acと、アウターコラム3Aの横溝38aおよび縦溝38bを有するフック部37とを備えている。このため、前側ストッパ73Aをアウターコラム3Aに取付ける際には、突出部73Acをフック部37の横溝38aおよび縦溝38bに入り込ませるだけでよいので、組み付け性が向上する。
The holding structure of the second embodiment includes a protrusion 73Ac of the
第2の実施形態は、フック部37の保持溝を構成する横溝38aおよび縦溝38bが、アウターコラム3Aの筒壁3Aaから下方に延びる側壁部38に設けられ、縦溝38bに突出部73Acが保持される。このため、インナーコラムが前方へ移動してテレスコ位置調整範囲の前端側が規定される状態を、縦溝38bが突出部73Acの前方への移動を規制することで、より確実に維持することができる。
In the second embodiment, the
第2の実施形態は、前側ストッパ73Aが、衝撃吸収ワイヤー64の他端側となる前端部分64a1を支持するワイヤー支持部73Ahを備えている。このため、衝撃吸収ワイヤー64の前端部分64a1を支持する専用の部品が不要となり、部品点数の削減効果が得られる。
In the second embodiment, the
なお、本発明は前述した各実施形態に限定されずに各種の変形が可能である。例えば、各実施形態は、傾斜部82として、前側ストッパ73,73Aにクサビ受面73e,73Aeを、強制離脱部材81にクサビ部81bをそれぞれ設けているが、クサビ受面73e,73Aeのみ、あるいはクサビ部81bのみを設ける構成でもよい。
The present invention is not limited to the embodiments described above, and various modifications can be made. For example, in each of the embodiments, the
傾斜部82としてクサビ受面73e,73Aeのみを設ける場合には、強制離脱部材81の先端を球状にするか、あるいは強制離脱部材81の先端を長手方向に対して略直角な面としてもよい。傾斜部82としてクサビ部81bのみを設ける場合には、クサビ受面73e,73Aeとしている部位を、強制離脱部材81の長手方向に対して略直角な面とし、当該略直角な面の上端縁にクサビ部81bを当接させる。
When only the
1…ステアリングコラム装置
3,3A…アウターコラム
3a,3Aa…アウターコラムの筒壁
4…インナーコラム
5…ロック手段
5b…結合手段
8…離脱構造
38…アウターコラムの側壁部
38a…フック部の横溝(保持溝、保持構造)
38b…フック部の縦溝(保持溝、保持構造)
51a…操作レバー
64…衝撃吸収ワイヤー(衝撃吸収部材)
64a1…衝撃吸収ワイヤーの前端部分(保持構造)
73,73A…前側ストッパ(規制部材)
73d…前側ストッパの係止爪(保持構造)
73e…前側ストッパのクサビ受面(傾斜部)
73Ac…前側ストッパの突出部(保持構造)
73Ah…前側ストッパのワイヤー支持部(支持部)
81…強制離脱部材
81b…強制離脱部材のクサビ部(傾斜部)
82…傾斜部
DESCRIPTION OF
38b ... Hook vertical groove (holding groove, holding structure)
51a ...
64a1 ... front end portion of shock absorbing wire (holding structure)
73, 73A ... front stopper (regulating member)
73d ... front stopper locking claw (holding structure)
73e ... Wedge receiving surface (inclined part) of front stopper
73Ac ... Protruding part of front stopper (holding structure)
73Ah: Front stopper wire support (support)
81 ...
82 ... inclined part
Claims (8)
筒形状を有し、前記アウターコラム内に筒軸方向に移動可能に挿入されるインナーコラムと、
前記インナーコラムを前記アウターコラムに締結するロック位置と前記インナーコラムを前記アウターコラムの軸方向に調節可能な解除位置とに操作可能な操作レバーを有するロック手段と、
前記アウターコラムの外周面側から該アウターコラムの筒壁を貫通し、前記インナーコラムの前端位置を規制する規制位置で、前記アウターコラムに離脱可能に配設される規制部材と、
前記規制部材を前記規制位置に保持する保持構造と、
前記ロック手段がロック位置にある状態で前記インナーコラムに結合される強制離脱部材と、
前記インナーコラムに対して筒軸方向に設定値以上の荷重が加わった際に、前記強制離脱部材が前記インナーコラムとともに筒軸方向前方に移動し、前記保持構造により保持された状態の前記規制部材を、前記規制位置から離脱させる離脱構造と、を備えることを特徴とするステアリングコラム装置。 An outer column having a cylindrical shape and disposed along the longitudinal direction of the vehicle;
An inner column having a cylindrical shape and inserted in the outer column so as to be movable in the axial direction of the cylinder;
Lock means having an operation lever operable to lock a position for fastening the inner column to the outer column and a release position capable of adjusting the inner column in the axial direction of the outer column;
A regulating member that is detachably disposed on the outer column at a regulating position that penetrates the cylindrical wall of the outer column from the outer peripheral surface side of the outer column and regulates the front end position of the inner column;
A holding structure for holding the restricting member at the restricting position;
A forced detachment member coupled to the inner column in a state where the locking means is in a locked position;
When the load greater than a set value is applied to the inner column in the cylinder axis direction, the forcing member is moved forward together with the inner column in the cylinder axis direction and is held by the holding structure. A steering column device, comprising: a detaching structure that detaches the control unit from the restriction position.
前記離脱構造は、
前記強制離脱部材の前端部と、該前端部に対向する部位の前記規制部材との少なくともどちらか一方に形成され、
前記規制部材が前記規制位置から離脱する離脱方向に対して傾斜し、
前記強制離脱部材が、筒軸方向前方に移動する際に突き当たり、前記規制部材を前記規制位置から押出す傾斜部を備えることを特徴とするステアリングコラム装置。 In the steering column device according to claim 1,
The separation structure is
Formed on at least one of the front end portion of the forcible detachment member and the restriction member at a portion facing the front end portion;
The restricting member is inclined with respect to a separating direction in which the restricting member leaves the restricting position;
A steering column device comprising an inclined portion that abuts when the forcible detaching member moves forward in the cylinder axis direction and pushes out the restricting member from the restricting position.
前記保持構造は、前記インナーコラムの筒軸方向に対して直交する半径方向への前記規制部材の移動を規制することを特徴とするステアリングコラム装置。 In the steering column device according to claim 1 or claim 2,
The steering column device according to claim 1, wherein the holding structure restricts movement of the restricting member in a radial direction perpendicular to the cylinder axis direction of the inner column.
前記保持構造は、前記規制部材と一体に形成され、前記アウターコラムの筒壁に対して係脱可能な弾性片からなる係止爪を含むことを特徴とするステアリングコラム装置。 In the steering column device according to claim 3,
The steering column device according to claim 1, wherein the holding structure includes a locking claw formed integrally with the restricting member and made of an elastic piece that can be engaged and disengaged with respect to the cylindrical wall of the outer column.
前記インナーコラムに対して筒軸方向に設定値以上の荷重が加わった際に、該インナーコラムとともに筒軸方向前方に一端が移動するようにして変形する衝撃吸収部材を備え、
前記保持構造は、前記衝撃吸収部材の他端を含むことを特徴とするステアリングコラム装置。 In the steering column device according to claim 3 or claim 4,
When a load equal to or greater than a set value is applied to the inner column in the cylinder axis direction, the shock absorber is deformed so that one end moves in the cylinder axis front together with the inner column,
The steering column device, wherein the holding structure includes the other end of the shock absorbing member.
前記保持構造は、
前記規制部材に設けられ、車幅方向に向けて突出する突出部と、
前記アウターコラムに設けられ、前記突出部が保持されるフック部と、を備えていることを特徴とするステアリングコラム装置。 In the steering column device according to claim 3,
The holding structure is
A protrusion provided on the restriction member and protruding in the vehicle width direction;
A steering column device comprising: a hook portion provided on the outer column and holding the protruding portion.
前記フック部は、前記アウターコラムの筒壁から下方に延びる側壁部に設けられ、車両前方から後方に向けて延びる横溝と、横溝の後端から上方に向けて延びる縦溝とを備え、
前記縦溝に前記突出部が保持されることを特徴とするステアリングコラム装置。 The steering column device according to claim 6, wherein
The hook portion is provided on a side wall portion extending downward from the cylindrical wall of the outer column, and includes a horizontal groove extending from the front to the rear of the vehicle and a vertical groove extending upward from the rear end of the horizontal groove,
A steering column device, wherein the protrusion is held in the vertical groove.
前記インナーコラムに対して筒軸方向に設定値以上の荷重が加わった際に、該インナーコラムとともに筒軸方向前方に一端が移動するようにして変形する衝撃吸収部材を備え、
前記規制部材は、前記衝撃吸収部材の他端側を支持する支持部を備えていることを特徴とするステアリングコラム装置。 In the steering column device according to claim 6 or 7,
When a load equal to or greater than a set value is applied to the inner column in the cylinder axis direction, the shock absorber is deformed so that one end moves in the cylinder axis front together with the inner column,
The steering column device, wherein the restriction member includes a support portion that supports the other end of the shock absorbing member.
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