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JP2016188878A - 照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 - Google Patents

照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 照明領域における照度均一性および照射角度特性の均一性を実現しつつ、高い照度を得ることのできる照明光学系。
【解決手段】 被照射面を照明する照明光学系には、第1発光面から第1照明光を射出する第1発光部と、第1発光面から間隔を隔てて配置された第2発光面から第2照明光を射出する第2発光部と、第1発光面からの第1照明光を集光する第1集光部および第2発光面からの第2照明光を集光する第2集光部を有する集光部材と、第1集光部を経た第1照明光と第2集光部を経た第2照明光との少なくとも一部を、被照射面と光学的に共役な共役面または被照射面で重畳させるリレー光学系とを備えている。
【選択図】 図2

Description

照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法に関する。
半導体素子、フラットパネルディスプレイ、MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステムス)などの製造工程で用いる露光装置が知られている。
近年、窒化ガリウムなどを用いた固体紫外光源が開発され、この種の固体紫外光源を露光装置の照明装置に適用することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。固体紫外光源では、個々のチップが放射する光量の絶対値はそれほど大きくない。このため、被照射面において所要の高い照度を得るために、複数のチップからの光を合成して照明装置に導く必要がある。このとき、照明装置では、照明光が通過する所定面上の領域の全体に亘って高い照度均一性が求められる。
米国特許出願公開第2005/0219493A1号明細書
第1形態では、被照射面を照明する照明光学系において、
第1発光面から第1照明光を射出する第1発光部と、
前記第1発光面から間隔を隔てて配置された第2発光面から第2照明光を射出する第2発光部と、
前記第1発光面からの前記第1照明光を集光する第1集光部および前記第2発光面からの前記第2照明光を集光する第2集光部を有する集光部材と、
前記第1集光部を経た前記第1照明光と前記第2集光部を経た前記第2照明光との少なくとも一部を、前記被照射面と光学的に共役な共役面または前記被照射面で重畳させるリレー光学系とを備えていることを特徴とする照明光学系を提供する。
第2形態では、前記被照射面に設置された所定のパターンを照明するための第1形態の照明光学系を備え、前記所定のパターンを基板に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
第3形態では、第2形態の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 図1の照明光学系の内部構成を概略的に示す図である。 レンズエレメントの出射端の近傍に複数の発光面の像が形成される様子を示す図である。 LED光源の放射角度特性を示す図である。 チップおよびコレクタレンズをレンズエレメントの出射端から見た様子を示している。 複数のコレクタレンズをほぼ稠密に配置した数値例を示す図である。 レンズアレイを用いる変形例を概略的に示す図である。 光源からの光をライトガイドで導く変形例を概略的に示す図である。 回折光学素子を用いて変形照明を行う変形例を概略的に示す図である。 フライアイレンズを省略した変形例を概略的に示す図である。 複数のチップが円形状に点灯した様子を示す図である。 複数のチップが輪帯状に点灯した様子を示す図である。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
以下、実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1では、投影光学系PLの像面の法線方向(すなわち投影光学系PLの光軸AXの方向:図1の紙面における鉛直方向)にZ軸を、投影光学系PLの像面内において図1の紙面に平行にX軸を、投影光学系PLの像面内において図1の紙面に垂直にY軸を設定している。
図1を参照すると、本実施形態の露光装置は、転写すべきパターンが形成されたマスク(レチクル)Mを照明する照明光学系ILを備えている。照明光学系ILの内部構成については、図2を参照して後述する。照明光学系ILは、例えばマスクMの矩形状のパターン領域全体、あるいはパターン領域全体のうちX方向に沿って細長いスリット状の領域(例えば矩形状の領域)を照明する。
マスクMのパターンからの光は、投影光学系PLを介して、感光性のレジストが塗布された基板Wの単位露光領域にマスクMのパターン像を形成する。すなわち、マスクM上での照明領域に光学的に対応するように、基板Wの単位露光領域において、マスクMのパターン領域全体と相似な矩形状の領域、あるいはX方向に細長い矩形状の領域(静止露光領域)にマスクパターン像が形成される。
基板Wは、半導体露光装置の場合にはシリコンなどの単結晶ウェハであり、液晶露光装置の場合にはプレートと呼ばれるガラスの板である。マスクMは光透過性の部材からなり、その面上に形成されたパターンは半導体素子や液晶表示素子を形成するために必要な形状をしている。特に光近接効果などを利用する場合には、基板W上に形成される像とマスクM上に形成されたパターンとは、必ずしも投影光学系PLの倍率に応じた相似形をしているわけではない。
マスクMは、マスクステージMS上においてXY平面とほぼ平行に保持されている。マスクステージMSには、X方向、Y方向、Z軸廻りの回転方向などにマスクMを移動させる機構が組み込まれている。基板Wは、基板ステージWS上においてXY平面とほぼ平行に保持されている。基板ステージWSには、X方向、Y方向、Z方向、X軸廻りの回転方向、Y軸廻りの回転方向およびZ軸廻りの回転方向に、基板ステージWS(ひいては基板W)を移動させる機構が組み込まれている。
ステップ・アンド・リピート方式では、基板W上に縦横に設定された複数の単位露光領域のうちの1つの単位露光領域に、マスクMのパターン像を一括的に露光する。その後、制御系CRが、基板ステージWSをXY平面に沿ってステップ移動させることにより、基板Wの別の単位露光領域を投影光学系PLに対して位置決めする。こうして、マスクMのパターン像を基板Wの単位露光領域に一括露光する動作を繰り返す。
ステップ・アンド・スキャン方式では、制御系CRは、投影光学系PLの投影倍率に応じた速度比でマスクステージMSおよび基板ステージWSをY方向に移動させつつ、マスクMのパターン像を基板Wの1つの単位露光領域に走査露光する。その後、制御系CRは、基板ステージWSをXY平面に沿ってステップ移動させることにより、基板Wの別の単位露光領域を投影光学系PLに対して位置決めする。こうして、マスクMのパターン像を基板Wの単位露光領域に走査露光する動作を繰り返す。
すなわち、ステップ・アンド・スキャン方式では、矩形状(一般にはスリット状)の静止露光領域の短辺方向であるY方向に沿って、マスクステージMSと基板ステージWSとを、ひいてはマスクMと基板Wとを同期的に移動(走査)させることにより、基板W上には静止露光領域の長辺に等しい幅を有し且つ基板Wの走査量(移動量)に応じた長さを有する領域に対してマスクパターンが走査露光される。
図2を参照すると、本実施形態の照明光学系ILは、固体発光光源としてのLED(Light Emission Diode)光源1を備えている。LED光源1は、縦横に間隔を隔てて配置された複数の発光部を備える。それぞれの発光部は、発光面から照明光を射出する固体発光素子1aを有する。以下の説明では、発光面を有する固体発光素子1aをチップ1aと称する。ただし、図2およびこれに関連する図では、説明の理解を容易にするとともに図面の明瞭化を図るために、LED光源1は、X方向に2列でY方向に3列の合計6つのチップ1aを有し、その発光面は円形状であるものとする。なお、本実施形態における発光面とは、チップ1aにおいて光が射出される面とすることができる。
6つのチップ1aの発光面から射出された照明光は、それぞれのチップ1aと対応するように配置された6つのコレクタレンズ2により集光された後に、リレーレンズ3を介してフライアイレンズ4に入射する。各コレクタレンズ2は、その前側焦点位置が対応するチップ1aの発光面の位置とほぼ一致するように配置されている。また、各コレクタレンズ2の後側焦点位置が位置する面に、リレーレンズ3の前側焦点位置がほぼ一致している。各コレクタレンズ2は、その光軸がリレーレンズ3の光軸(ひいては照明光学系ILの光軸AXi)とほぼ平行になるように配置されている。
フライアイレンズ4は、並列的に配置された多数のレンズエレメント(波面分割要素)4aを有するオプティカルインテグレータである。図2およびこれに関連する図では、説明の理解を容易にするとともに図面の明瞭化を図るために、フライアイレンズ4は、図3に示すようにX方向に5列でY方向に3列の合計15個のレンズエレメント4aを有し、各レンズ要素4aの断面はX方向に細長い矩形状であるものとする。また、15個のレンズエレメント4aは稠密に配置され、フライアイレンズ4の断面はほぼ正方形状であるものとする。
したがって、図2において細い実線で示すように、各チップ1aの発光面の中心から射出された光は、対応するコレクタレンズ2を経てほぼ平行な光束になり、光軸AXiとほぼ平行な経路に沿ってリレーレンズ3に入射する。リレーレンズ3に入射した6つのほぼ平行な光束は、その後側焦点位置の近傍に位置するフライアイレンズ4の入射側の面に集光する。
図2において破線で示すように、各チップ1aの発光面の端からコレクタレンズ2の光軸とほぼ平行(ひいては照明光学系ILの光軸AXiとほぼ平行)に射出された光は、コレクタレンズ2の後側焦点位置の近傍に集光した後、リレーレンズ3の作用により、その後側焦点面の近傍に位置するフライアイレンズ4の入射側の面に投影される。こうして、各チップ1aからの照明光は、対応するコレクタレンズ2およびリレーレンズ3を経て、フライアイレンズ4の入射側の面で重畳される。
すなわち、LED光源1の各チップ1aの円形状の発光面の像が、フライアイレンズ4の入射側の面でほぼ重なり合うように形成される。このとき、LED光源1の各チップ1aの発光面は、コレクタレンズ2およびリレーレンズ3の作用により、フライアイレンズ4の入射側の面の有効領域を覆う大きさまで拡大されて投影される。
各レンズエレメント4aは、その入射側の面による焦点位置が出射面の位置とほぼ一致し、出射面による焦点位置が入射側の面とほぼ一致するように構成されている。また、各レンズエレメント4aは、その光軸が照明光学系ILの光軸AXiとほぼ平行になるように配置されている。フライアイレンズ4に入射した光束は複数のレンズエレメント4aにより波面分割され、各レンズエレメント4aの出射端の近傍の位置には、図3に示すように6つの小光源21、すなわち6つのチップ1aの発光面の像21が形成される。
なお、図3では、図示した15個のレンズエレメント4aの入射側の面の全体を覆う領域に亘って、各チップ1aからの照明光が重畳されるものとしている。実際には、上述したように、フライアイレンズ4のほぼ正方形状の入射側の面には、その内側において光軸AXiを中心とする円形状の照野が形成される。そして、入射側の面に形成された円形状の照野に対応するように、フライアイレンズ4の出射端には光軸AXiを中心とする円形状の領域内で分布する多数の小光源21が形成される。
フライアイレンズ4の複数のレンズエレメント4aを経た光束は、その出射端の近傍に配置された開口絞り5、およびコンデンサレンズ6を介して、マスクMを照明する。コンデンサレンズ6は、その前側焦点位置がフライアイレンズ4の出射端の位置とほぼ一致し、後側焦点位置がマスクMのパターン面の位置とほぼ一致するように配置されている。すなわち、各レンズエレメント4aの入射側の面とマスクMのパターン面とは、光学的にほぼ共役に配置されている。開口絞り5には、例えば光軸AXiを中心とした円形状の開口部(光透過部)が形成されている。ここで、開口絞り5が配置されている面は、投影光学系PLの開口数を決定するための投影開口絞り(不図示)が配置されている面と光学的に共役な関係である。
また、照明光学系ILの射出側から見た開口絞り5の像が照明光学系の射出瞳であり、この照明光学系の射出瞳と光学的に共役な位置である、開口絞り5が配置されている面を照明瞳と称することができる。そして、この照明瞳には、フライアイレンズの複数のレンズエレメント4aによって、多数の発光部位からなる実質的な面光源としての二次光源(一般には照明瞳における所定の光強度分布)が形成される。言い換えると、フライアイレンズ4の複数のレンズエレメント4aからの光が照明瞳に分布される。また、照明瞳とは、照明瞳と被照射面(露光装置の場合にはマスクまたはウェハ)との間の光学系の作用によって、被照射面が照明瞳のフーリエ変換面となるような位置として定義されてもよい。
また、フライアイレンズ4による波面分割数(レンズエレメント4aの個数)が比較的大きい場合、フライアイレンズ4の入射面に形成される大局的な光強度分布と、二次光源全体の大局的な光強度分布(瞳強度分布)とが高い相関を示す。このため、フライアイレンズ4の入射面および当該入射面と光学的に共役な面における光強度分布についても瞳強度分布と称してもよい。
フライアイレンズ4の複数のレンズエレメント4aからの光束は、開口絞り5の開口部により制限された後、コンデンサレンズ6を介してマスクMを重畳的に照明する。その結果、マスクMのパターン面(被照射面)には、X方向に沿って細長い矩形状の照明領域が形成される。このように、フライアイレンズ4の入射側の面で分割された光は、コンデンサレンズ6を介して、それぞれマスクMの照明領域でほぼ重なり合うように投影され、照明領域における照度の平均化が行われる。
本実施形態において近傍と表現している範囲は、光の波長をλとするとき、結像光束の開口数NAによる焦点深度(1/2)×(λ/NA)を示しているわけではなく、照明光束の広がりによる光量の低下が無視できる程度の範囲、およそ2×(λ/NA)の範囲を示している。LED光源1の場合、発光部としての各チップ1aは、図4に示すように、ほぼ完全拡散光源と考えられる。図4において、半径方向が光の放射強度に、方位角(原点を中心とした回転方向)が光の放射角度に対応している。
このため、各チップ1aから角度θの斜め方向に進む光の照度は、各チップ1aの発光面から角度0で法線方向に進む光の照度のcosθ倍になる。つまり、各チップ1aからの光をできるだけ効率良く取り込むには、各チップ1aの発光面の法線から大きく傾いた光をコレクタレンズ2で取り込む必要がある。しかしながら、大きく傾いた光をコレクタレンズ2で取り込むと、コレクタレンズ2を経た光束の周辺光量が中心光量に比してcosθだけ減衰してしまう。
例えば米国特許出願公開第2005/0219493A1号明細書に開示された従来技術にしたがってフライアイレンズ4の入射側の面をケーラー照明するように構成すると、フライアイレンズ4の入射側の面で周辺光量が中心光量に比してcosθだけ減衰した不均一な照度分布が形成される。この場合、フライアイレンズ4では入射光束を複数のレンズエレメント4aにより分割して被照射面で重ね合わせるので、フライアイレンズ4への入射光束の照度分布が不均一であっても、被照射面上ではほぼ均一な照度分布が得られる。
しかしながら、フライアイレンズ4で分割された光束は、各レンズエレメント4aを透過して、フライアイレンズ4の出射端に達する。フライアイレンズ4の出射端はコンデンサレンズ6の前側焦点位置の近傍に配置されているので、フライアイレンズ4の出射端での光量分布の状態と、マスクMを照明する光束の角度方向の光量分布の状態とが対応することになる。換言すると、フライアイレンズ4の出射端において周辺光量が中心光量よりも小さい不均一な光量分布に起因して、マスクMを照明する光束において、入射角度が0度で垂直入射する光よりも入射角度の大きい光の方が強度の小さい不均一な照射角度特性が得られることになる。ここで、照射角度特性とは、照明光の入射角度に関する光強度の均一性ということができる。
露光装置では、フライアイレンズ4の出射端の近傍に、照明光束の角度範囲を制限するための開口絞り5が設けられている。より細かいパターンを解像するには、より回折角の大きな回折光を投影光学系PLに取り込む必要がある。照明光束の周辺からの光による回折光の回折角が取り込める最大の回折角になるので、照明光の角度分布の周辺の光(入射角度の大きい光)の強度が弱いと、細かいパターンの回折光の強度が弱く十分なコントラストが得られなくなってしまうという問題がある。
さらに、変形照明を行う際に、照明瞳における光強度分布を輪帯状にするために開口絞り5の開口部を輪帯形状にすることもある。この場合も、光量低下を最小限に抑えるために、被照射面への照明光の照射角度特性は均一であることが望ましい。本実施形態では、ほぼ完全拡散光源と考えられる各チップ1aの発光面の像を、フライアイレンズ4の入射側の面の近傍にほぼ重なり合うように投影することにより、フライアイレンズ4に入射する光束の光量分布をほぼ均一にすることができ、ひいては被照射面への照明光の照射角度特性をほぼ均一にすることができる。
特別な場合を除いて、露光装置でパターンを形成する際に、パターンの方向により解像度が異なるのは望ましくない。そこで、照明光束の角度範囲が方位依存性を持たないように、開口絞り5の開口部は光軸AXiを中心とした回転対称になっていることが望ましい。ここで、照明光束の角度範囲の方位依存性がないとは、照明光束の主光線を含む面(メリジオナル面)での角度範囲が、当該主光線を軸としてメリジオナル面を回転させた際にどの角度でも一定であることと言うことができる。所定の開口角に照明光束を限定する通常照明の場合には、開口絞り5の開口部は円形になっている。各チップ1aの発光面が矩形状である場合、開口絞り5は円形状の開口部がフライアイレンズ4の出射端に形成される矩形状の照野にほぼ内接するように配置されることになる。
ここで、円形状の開口部の外側に入射する光は開口絞り5を通過することができないため、開口絞り5により遮られる光は照明に寄与することなく光量損失になってしまう。円形状の開口部が正方形状の照野に完全に内接するように配置しても、20%以上の光は開口絞り5を通過することができない。LED光源1の発光部であるチップ1aの発光面を光軸AXi方向から見た形状が円形である場合には、開口絞り5の開口部の円形と相似になり、各チップ1aから射出される光の損失を最小限に抑えることができる。
LED光源1のチップ1aとコレクタレンズ2との組の数を増やすことにより、被照射面であるマスクMのパターン面(ひいては基板1の露光面)における照度を高めることができる。しかしながら、フライアイレンズ4では、光が入射したレンズエレメント4aと異なる(例えば隣の)レンズエレメント4aから出射した光は大きく曲げられて、コンデンサレンズ6に取り込まれないか、あるいは取り込まれても照明領域以外に到達してしまう。このため、フライアイレンズ4のレンズエレメント4aの出射面内に、LED光源1のチップ1aから出射された光が入っている必要がある。
つまり、図5に示すように、LED光源1の各チップ1aの発光面および各コレクタレンズ2は、フライアイレンズ4のレンズエレメント4aの出射端がフライアイレンズ4とリレーレンズ3とにより投影される範囲内に配置されている必要がある。図5では、LED光源1の各チップ1aおよび各コレクタレンズ2を、レンズエレメント4aの出射端から見た様子を示している。
図5において、二点鎖線で示す矩形状の領域4aaは、フライアイエレメント4の出射端がフライアイレンズ4とリレーレンズ7とにより投影される範囲を示している。矩形状の領域4aaの範囲内に、LED光源1の各チップ1aおよび各コレクタレンズ2が含まれている必要がある。より厳密には、各コレクタレンズ2の後側焦点位置に形成される各チップ1aの発光面からの光による各スポットが、フライアイエレメント4の出射端がフライアイレンズ4とリレーレンズ7とにより投影される範囲4aaに入っている必要がある。
LED光源1の各チップ1aからの光を有効に取り込むために、各コレクタレンズ2の有効径は各チップ1aの有効径よりも大きくなっている。LED光源1において、複数のチップ1aは互いに接していない。その結果、LED光源1の各チップ1aを冷却するための冷却媒体(冷却液体)を、チップ1aの裏面側だけでなく表面側の発光面以外の部分にも通すことにより、より良い冷却効率を得ることが可能である。
以下、投影光学系PLの像側開口数0.8、照明のコヒーレンスファクター(σ値)0.8で、基板W上の30mm×10mmの矩形状の単位露光領域へ、マスクMのパターンを1/4の倍率で縮小露光する露光装置の照明光学系ILに適用した場合の数値例を示す。1/4の倍率で縮小露光するため、マスクM上では、単位露光領域の4倍の寸法を有する照明領域、すなわち120mm×40mmの矩形状の照明領域が必要になる。マスクM上のパターン領域は、マスクMの設置誤差などを考慮し、照明領域よりもやや小さく設定される。
照明のコヒーレンスファクターが0.8であるため、基板W上の開口数である0.8に倍率1/4および照明のコヒーレンスファクター0.8をかけて得られる値である開口数0.16(角度に換算すると9.2°)の角度範囲で強度の均一な光がマスクMの照明領域に照射される必要がある。一例として、コレクタレンズ2の焦点距離を400mmとし、開口絞り5の円形状の開口部の内径(直径)を128mmφとすることができる。
フライアイレンズ4の焦点距離を20mmとし、レンズエレメント4aの断面形状を6mm×2mmの矩形状とすることができる。レンズエレメント4aの断面サイズ6mm×2mmは、マスクM上の120mm×40mmの照明領域を、リレーレンズ6とフライアイレンズ4とにより投影した大きさに他ならない。フライアイレンズ4は、開口絞り5の円形状の開口部の内側領域を少なくとも埋めている必要があるため、例えば22段×64段のレンズエレメント4aにより構成される。
コンデンサレンズ3の焦点距離を400mmとし、コレクタレンズ2の焦点距離を3mmとし、LED光源1において直径1mmφの円形状の発光面を有するチップ1aからの光を、フライアイレンズ4の入射側の面において直径133mmφの円形状の領域に拡大投影する。このとき、フライアイレンズ4では、開口絞り5の円形状の開口部の最外周に相当するレンズエレメント4aの全面に亘って照明光が当たっている必要がある。開口絞り5の円形状の開口部の外側に対応するレンズエレメント4aの部分領域に入射する光は、照明に寄与することなく光量損失になるが、照明光の照射角度特性の均一性を保つために必要な損失である。
チップ1aからの光のうち、開口数換算で0.8までの範囲の光(角度換算で53.1°までの範囲の光)をコレクタレンズ2で取り込もうとすると、コレクタレンズ2では少なくとも5.8mmφの直径が必要になる。実際には、コレクタレンズ2において、収差補正のため、8mmφ程度の直径が必要である。チップ1aとコレクタレンズ2との組は、6mm×2mmのレンズエレメント4aの出射端をフライアイレンズ4とリレーレンズ3とにより投影した120mm×40mmの範囲4aaに入っている必要がある。
図6に示すように、120mm×40mmの投影範囲4aaに、直径が8mmφのコレクタレンズ2を最大で73個配置することができる。1つのチップ1a当たりの出力が1Wである場合、LED光源1の73個のチップ1aからの光出力は73Wになる。コレクタレンズ2の取り込み角が開口数換算で0.8であるため、その取り込み効率は0.8を二乗して64%となる。
フライアイレンズ4の入射側の面に形成される照野に対する開口絞り5の開口部の面積比および取り込み効率64%を光出力73Wにかけて照明領域の面積で割ると、照明光学系ILの光学面での反射や硝材の光吸収などの影響を無視した照度が求まる。以上の計算を実行すると、基板Wの単位露光領域で14.35W/cmの照度が得られる。照明光学系ILおよび投影光学系PLの光学面での反射や硝材の吸収による光量損失を70%程度とすると、基板Wの単位露光領域で10W/cmの照度が得られる。
以上のように、本実施形態の照明光学系ILでは、複数のチップ1aの発光面からの光を、互いにほぼ平行な光軸を有する複数のコレクタレンズ2によりそれぞれ集光している。そして、複数のコレクタレンズ2を経た光束を、リレーレンズ3により、被照射面であるマスクMのパターン面と光学的にほぼ共役な位置にあるフライアイレンズ4の入射側の面で重ね合わせるとともに、複数のチップ1aの発光面からの光束の合成を行っている。
換言すると、各チップ1aの発光面の像を、フライアイレンズ4の入射側の面にほぼ重なり合うように投影している。その結果、フライアイレンズ4に入射する光束の光量分布をほぼ均一にすることができる。なお、フライアイレンズ4の入射側の面を照明光が通過する所定面上の領域と見なすことができる。
そして、被照射面であるマスクMのパターン面に入射する照明光の照度分布をほぼ均一にでき、且つ当該パターン面に入射する照明光の照射角度特性をほぼ均一にすることができる。すなわち、本実施形態では、マスクM上の照明領域における照度均一性および照射角度特性の均一性を実現しつつ、複数のチップ1aの発光面からの光束の合成により照明領域において高い照度を得ることができる。
上述の実施形態では、間隔を隔てて配置された複数のチップ1aに対応するように、チップ1aと同数のコレクタレンズ2を個別に配置している。しかしながら、これに限定されることなく、個別に配置された複数のコレクタレンズ2に代えて、図7に示すように一枚の光透過性の基板に複数のレンズ12aを形成したレンズアレイ12を用いてもよい。すなわち、図2の実施形態における複数のコレクタレンズ2を一体に形成する変形例が可能である。
一般に、図2の実施形態におけるコレクタレンズ2は、対応するチップ1aの発光面からの照明光を集光する集光部として機能している。この集光部として、屈折作用を有するレンズだけでなく、反射作用を有するミラー、回折作用を有する回折光学素子などを用いることができる。また、複数の集光部が個別に設けられた集光部材、あるいは複数の集光部が一体に形成された集光部材を用いることができる。
発光部であるチップ1aは半導体プロセスにより基板上に形成されるため、その位置精度は非常に高い。これに対して、合成されるチップ1aの数が多くなった場合、多数のコレクタレンズ2をその光軸を位置合わせしながら配置するのは困難である。そこで、レンズアレイ12のように複数の集光部が一体に形成された集光部材も半導体プロセスを用いて高い精度で作成し、LED光源1およびレンズアレイ12の双方に位置合わせ用のマークを設け、これらの位置合わせマークを重ね合わせることにより、多数のチップ1aに対する多数の集光部の位置決め作業が容易になるという利点がある。
上述の実施形態では、各チップ1aからの照明光を、対応するコレクタレンズ2およびリレーレンズ3を介して、被照射面であるマスクMのパターン面と光学的にほぼ共役に配置されたフライアイレンズ4の入射側の面で重畳させている。すなわち、被照射面であるマスクMのパターン面と光学的に共役な共役面が、フライアイレンズ4の複数のレンズエレメント4aの入射側の面とほぼ一致している。しかしながら、これに限定されることなく、上記共役面をリレーレンズ(リレー光学系)とコンデンサレンズ(コンデンサー光学系)との間に位置決めして、複数の発光面からの照明光が上記共役面で少なくとも部分的に重なり合うように構成しても良い。
言い換えると、各コレクタレンズ2およびリレーレンズ3からなる光学系に関して各チップ1aの発光面と光学的に共役な関係になる共役面と、フライアイレンズ4の複数のレンズエレメント4aの入射側の面との光軸方向における位置関係を一致させないようにしても良い。このとき、フライアイレンズ4の複数のレンズエレメント4aの入射側の面では、複数の発光面からの照明光が部分的に重なり合うことになる。ここで、上記位置関係を変更することにより、フライアイレンズ4の複数のレンズエレメント4aの入射側の面における照度分布を変更することができる。
上述の実施形態では、光源としてLED光源1を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、間隔を隔てて配置された複数の発光部を有する光源、例えば半導体レーザアレイなどを用いることができる。また、図8に示すように、半導体レーザ(レーザダイオード)21からの光をインプットレンズ22により光ファイバー(ライトガイド)23へ入射させて誘導する変形例も可能である。図8の変形例では、複数の光ファイバー23の射出面23aを二次光源として、コレクタレンズ2の前側焦点位置の近傍に配置している。すなわち、図8の変形例における複数の光ファイバー23の射出面23aが、図2の実施形態における複数のチップ1aの発光面に対応している。発光面としての射出面23aは、必要に応じて、円形、矩形、多角形などの形状を有する。なお、複数の光ファイバー23の射出面23aにおけるファイバーコアの部分、すなわち光が射出される部分を発光面としても良い。
図8では、半導体レーザ21からの光をインプットレンズ22により光ファイバー23に導いている例を示しているが、半導体レーザ21の光を光ファイバー23へ導く具体的な構成については様々な形態が可能である。また、図8の変形例における光源21は、半導体レーザに限定されることなく、ファイバーレーザやLEDのような固体発光素子を用いることができる。光ファイバー(ライトガイド)を用いる場合、光ファイバーの前側に配置される光源を任意の距離だけ離して自由に配置することができるため、その発光部に対して十分な冷却対策を施すことができるという利点がある。
上述の実施形態のように、固体紫外光源を用いる場合、従来の超高圧水銀ランプに比べて寿命が長い利点がある。また、ランプ交換の際に冷却してからしか交換作業を行うことができないという問題が生じないため、装置の稼働時間を長くすることができる利点がある。また、固体紫外光源は、水銀ランプに比して光への変換効率が高く、使用する電力を抑えることができる利点がある。
さて、上述の実施形態では、複数のチップ1aの円形状の発光面からの光をフライアイレンズ4の入射側の面で重畳させて円形状の照野を形成している。しかしながら、これに限定されることなく、図9に示すように、複数のコレクタレンズ2とリレーレンズ3との間の光路に挿入可能に回折光学素子24を配置する変形例も可能である。図9では、入射光の角度を変化させて射出する偏向部材としての回折光学素子24をリレーレンズ3の前側焦点位置の近傍に配置することにより、フライアイレンズ4の入射側の面に任意の形状の照野(光量分布)を形成する例を示している。
一例として、回折光学素子24は、リレーレンズ3の前側焦点位置の近傍に配置され、発光部であるチップ1aの円形状の発光面からの光を、リレーレンズ3の後側焦点位置の近傍において、ひいてはフライアイレンズ4の入射側の面において輪帯形状や他の所望の断面形状の光束に変換する。回折光学素子24上のパターンはフーリエ変換によって形成されているので位置依存性がなく、コレクタレンズ2の光軸の位置を意識することなく回折光学素子24を配置すれば良い。つまり、光路に挿入される回折光学素子24を交換することにより、照明光の角度分布を任意の形に変化させることができる。すなわち、不図示の出し入れ機構を用いて所要の特性を有する回折光学素子を光路に挿入することにより、必要に応じて照明光の角度分布を選ぶことができる。なお、回折光学素子24は透過型でも反射型でも良い。また、回折光学素子24に代えて、或いは加えて、アキシコンプリズム等の屈折光学素子やアキシコンミラー等の反射光学素子を用いても良い。
上述の実施形態では、並列的に配置された多数のレンズエレメント4aを有するフライアイレンズ4を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、図10に示すように、フライアイレンズ4およびコンデンサレンズ6を省略した変形例も可能である。図10の変形例では、図11に示すように、LED光源31の複数のチップ31aが、マスクM上の照明領域と相似(ひいては基板W上の単位露光領域と相似)な矩形状の発光面を有する。また、円形状の開口部32aを有する開口絞り32がリレーレンズ3の前側焦点位置の近傍に配置され、マスクMのパターン面がリレーレンズ3の後側焦点位置の近傍に配置されている。
ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパー露光機)の場合には、投影光学系PLの視野は円形であることが多く、チップ31aの発光面は円形状の視野に内接する正方形または正方形に近い矩形状と相似である。ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(スキャン型露光機)では、投影光学系PLの視野は長方形であることが多く、チップ31aの発光面は視野の長方形と相似である。LED光源31の各チップ31aの発光面は対応するコレクタレンズ2の前側焦点位置の近傍に配置され、発光面上の一点から放射された光はコレクタレンズ2でほぼ平行な光束に変換される。各コレクタレンズ2を経た光束は、開口絞り32およびリレーレンズ3を介して、マスクMに照射される。
コレクタレンズ2の後側焦点位置の近傍に開口絞り32が配置されているので、チップ31aとコレクタレンズ2との組は、図11に示すように開口絞り32の円形状の開口部32aの内側に配置されている必要がある。図11では、チップ31aが長方形の発光面を有する例を示している。図10の変形例では、複数のチップ31aを選択的に点灯させることにより、照明光の角度分布を選択することができる。図11に示すように、開口絞り32の円形状の開口部32aの内側に配置されたすべてのチップ31aを点灯させた場合には、所定の開口でほぼ一様の通常照明(円形照明)を行うことができる。
一方、図12に示すように、開口部32aの内側において周辺のチップ31aだけを輪帯状に点灯させた場合には、輪帯照明を行うことができる。図12では、点灯しているチップを参照符号31aaで示し、消灯しているチップにはハッチングを施すとともに参照符号31abで示している。実際には、図11および12よりも多数のチップ31aとコレクタレンズ2との組を設けることにより、より細かい輪帯状のパターンを作ることができる。さらに、チップ31aとコレクタレンズ2との間にアナモルフィックプリズムを入れたり、コレクタレンズ2の光学面をトーリック面にしたりすることにより、チップ31aの発光面の形状が正方形であってもマスクM上の長方形の照明領域に転写することができる。
本実施形態では、マスク上の照明領域を照明光が通過する所定面上の領域と見なすことができる。そして、この所定面上には、各チップ31aの発光面の像がほぼ重なり合うように投影されているため、この所定面上の領域(マスクM上の照明領域)における照明光の照度分布をほぼ均一にできる。
なお、上述の実施形態において、チップ1aにおいて光が射出される面を発光面としたが、チップ1aの上面に所定形状の開口を持つ遮光部材を設ける場合には、この開口が光を射出する領域を決定するため、開口の領域を発光面と見なしても良い。
なお、上述の各実施形態において、複数の発光面からの光を、互いにほぼ平行な光軸を有する複数のコレクタレンズ2によりそれぞれ集光しているが、複数のコレクタレンズ2のそれぞれの光軸は互いに平行でなくても良い。複数のコレクタレンズ2のそれぞれの光軸が互いに平行である場合には、複数の発光面からの光の所定面における重畳度合いを高めることができるが、所定面における照度分布を均一でない分布にする場合には、複数のコレクタレンズ2のそれぞれの光軸を互いに非平行にしても良い。
また、複数のコレクタレンズ2の光軸のそれぞれを複数の発光面の中心位置から外れるように設けても良い。また、上述の各実施形態におけるレンズは、単レンズに限定されず、複数のレンズからなるレンズ群としても良い。また、レンズのような屈折光学部材に限定されず、光を回折する回折光学素子や、光を反射する反射光学素子であっても良い。また、上述の各実施形態において、フライアイレンズ4は、複数のレンズエレメントを並列的に配置したものとしたが、これら複数のレンズエレメントが一体的に設けられたものであっても良い。
また、上述の各実施形態においては、開口絞り5を照明瞳面に配置したが、この開口絞り5を省いても良い。また、図8に示した実施形態において、固体発光素子に代えて、ランプを用いても良い。この場合、ランプの輝点の像を光ファイバーの入射端に形成すれば良い。また、ランプ輝点の像を光ファイバーの入射端におけるファイバーコアの部分に形成しても良い。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行っても良い。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図13は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図13に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の投影露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。
その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の投影露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の投影露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを感光性基板としてパターンの転写を行う。
図14は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図14に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の投影露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、上述の実施形態は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートやシート状の可撓体に形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、上述の実施形態は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
1 LED光源
1a チップ(発光部)
2 コレクタレンズ
3 リレーレンズ
4 フライアイレンズ
4a レンズエレメント
5 開口絞り
6 コンデンサレンズ
IL 照明光学系
M マスク
MS マスクステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
CR 制御系

Claims (13)

  1. 被照射面を照明する照明光学系において、
    第1発光面から第1照明光を射出する第1発光部と、
    前記第1発光面から間隔を隔てて配置された第2発光面から第2照明光を射出する第2発光部と、
    前記第1発光面からの前記第1照明光を集光する第1集光部および前記第2発光面からの前記第2照明光を集光する第2集光部を有する集光部材と、
    前記第1集光部を経た前記第1照明光と前記第2集光部を経た前記第2照明光との少なくとも一部を、前記被照射面と光学的に共役な共役面または前記被照射面で重畳させるリレー光学系とを備えていることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記リレー光学系と前記被照射面との間の光路中に並列的に配置された複数の波面分割要素を有するオプティカルインテグレータと、
    前記オプティカルインテグレータにより波面分割された複数の光束を前記被照射面で重畳させるコンデンサー光学系とを備え、
    前記共役面は、前記リレー光学系と前記コンデンサー光学系との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  3. 前記共役面は、前記複数の波面分割要素の入射側の面と一致していることを特徴とする請求項2に記載の照明光学系。
  4. 前記集光部材と前記リレー光学系との間の光路に挿入可能に配置されて、入射光の角度を変化させて射出する偏向部材を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の照明光学系。
  5. 前記集光部材の前記第1集光部は第1レンズを有し、前記集光部材の前記第2集光部は第2レンズを有し、
    前記第1レンズの光軸と前記第2レンズの光軸とは互いに平行であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明光学系。
  6. 前記第1レンズと前記第2レンズとは一体に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の照明光学系。
  7. 前記第1発光部を有する第1固体発光素子と、前記第2発光部を有する第2固体発光素子とを備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の照明光学系。
  8. 前記第1発光部は第1光源からの光を伝搬する第1ライトガイドを備え、前記第2発光部は第2光源からの光を伝搬する第2ライトガイドを備え、
    前記第1発光面は前記第1ライトガイドの射出面であり、前記第2発光面は前記第2ライトガイドの射出面であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の照明光学系。
  9. 前記第1発光面および前記第2発光面は円形状であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の照明光学系。
  10. 前記第1発光面および前記第2発光面は、前記被照射面に形成される照明領域と相似の形状を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の照明光学系。
  11. 前記被照射面に設置された所定のパターンを照明するための請求項1乃至10のいずれか1項に記載の照明光学系を備え、前記所定のパターンを基板に露光することを特徴とする露光装置。
  12. 前記所定のパターンの像を前記基板上に形成する投影光学系をさらに備えていることを特徴とする請求項11に記載の露光装置。
  13. 請求項11または12に記載の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記基板に露光することと、
    前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
    前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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